WO2007018218A1

WO2007018218A1 - ブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータ

Info

Publication number: WO2007018218A1
Application number: PCT/JP2006/315678
Authority: WO
Inventors: Hiroshi Narukawa; Hideo Itakura; Mitsumasa Soga
Original assignee: Amada Company, Limited; Amada Press Technology Co., Ltd.
Priority date: 2005-08-09
Filing date: 2006-08-08
Publication date: 2007-02-15
Also published as: JP2007044720A; JP4841198B2

Abstract

　ブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータ（７）において、該サーボモータの前側に該サーボモータを前記プレスに取り付けるモータ取付部（２７）を設け、該サーボモータの後側に空圧作動のディスクブレーキ（４３）を設け、該ディスクブレーキ（４３）を介して前記サーボモータの回転を検出するエンコーダ（７９）を設けたことを特徴とする。

Description

明細書

ブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータ

技術分野

[0001] 本発明は、ブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータに関する。

背景技術

[0002] 従来、プレス駆動用サーボモータとして、サーボモータの前側に電磁ブレーキを設け、この電磁ブレーキの固定板を介してプレス本体にサーボモータを取り付けて使用するブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータが知られている。当該技術は、日本国特許公報の特開平 2003— 290997号公報 (特許文献 1)に開示されている。

[0003] 上述の特許文献 1に記載のブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータにおける電磁ブレーキは、制動時には、可動板を介してブレーキディスクを固定板に押圧付勢するばね力により制動力を得ており、このばね力による制動の解除は、前記可動板を吸引する電磁石の励磁コイルに電流を流すことにより、前記可動板を摩擦板から離反する方向へ吸引することにより行っている。

[0004] 当該特許文献 1に記載のブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータにお!、ては、正常動作時におけるスライドの停止には、サーボブレーキ (ダイナミックブレーキ）を使用するので、安全のためにプレスを急停止させるとき、またはサーボモータの暴走時などのとき以外は、電磁ブレーキは OFF状態にある。すなわち、電磁ブレーキには、電磁ブレーキを解除すべく常に大電流が供給された状態となっているので、電磁ブレーキが発熱し、かつ消費電力も多くなる、と、う問題がある。

[0005] 上述のブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータは、電磁ブレーキの固定板を介してプレス本体に取り付けられるので、電磁ブレーキ部での発熱がプレス本体に伝導し、プレス本体に熱歪みが発生してプレス力卩ェの精度に悪影響を与えるという問題がある。

[0006] また、前記ブレーキディスクは可動板と共にモータシャフト上を軸方向へ摺動可能とするためモータシャフトにスプライン係合する構造となってヽるので、スプライン係合部の耐久性に問題がある。また、スプライン部の剛性を高くするためには軸方向の長さを大きくする必要があり、その結果として、ブレーキディスクの質量が増加してブレーキディスクの慣性が大きくなり、ブレーキの停止時間が遅くなるなどの問題もある。

[0007] また、精密部品であるエンコーダがサーボモータ後部に設けてあるため、ェンコ一ダの精度に影響がでる恐れがあるなどの問題もある。

[0008] 本発明は上述の如き問題を解決するためになされたものであり、その目的は、発熱および消費電力が少なぐかつプレス本体への熱影響が小さぐまた慣性が小さく耐久性の高いブレーキを備えたブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータを提供することにめる。

発明の開示

[0009] 上記目的を達成するために、本発明の第 1アスペクトに基くブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータは、以下を備えている：前記サーボモータを前記プレスに取り付けるモータ取付部であって、前記サーボモータの前側に設けられるモータ取付部；前記サーボモータの後側に設けられる空圧作動式のディスクブレーキ;及び前記デイスクブレーキを介して前記サーボモータの回転を検出するエンコーダ。

[0010] 前記第 1アスペクトから従属する本発明の第 2アスペクトに基くブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータは、前記構成において、前記空圧作動式のディスクブレーキが、更に以下を備えている：前記サーボモータの後方へ突出した前記サーボモータの出力軸の後端部に一体的に固定したブレーキディスク；前記ブレーキディスクの後方に回転不能にかつ前記出力軸方向にのみ移動可能に設けた環状の押圧デイスク；前記押圧ディスクに対向して設けた環状の固定ディスク;前記押圧ディスクの外周部を前記ブレーキディスクに対して常時押圧付勢する押圧付勢部材;及び前記環状の押圧ディスクを前記ブレーキディスク力離反するように動かすブレーキ解除手段

[0011] 前記第 2アスペクトから従属する本発明の第 3アスペクトに基くブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータは、前記構成において、前記ブレーキ解除手段が、更に以下を備えてヽる：前記固定ディスクに設けられた複数のガイド部材；前記複数のガイド部材を介して前記固定ディスクに設けられたシリンダ本体であって、その後方に開口した環状シリンダが形成されている前記シリンダ本体;前記環状シリンダに摺動可能に嵌合され、空圧で作動される環状ピストン;及び前記環状ピストンと前記環状の押圧ディスクとを連結する複数のガイド部材;上記構成において、前記環状ピストンと前記環状の押圧ディスクとが一体的に移動可能に設けられている。

[0012] 前記第 2アスペクトから従属する本発明の第 4アスペクトに基くブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータは、前記構成において、前記ブレーキ解除手段が、更に以下を備えて Vヽる：前記固定ディスクに設けられた複数のガイド部材；前記複数のガイド部材を介して前記固定ディスクに設けられたシリンダ本体であって、その後方に開口した環状シリンダが形成されてレヽる前記シリンダ本体;前記環状シリンダに摺動可能に嵌合され、空圧で作動される環状ピストン；及び前記環状ピストンと前記環状の押圧ディスクとを連結する複数のガイド部材；上記構成にぉレヽて、前記環状シリンダと環状の押圧ディスクとが一体的に移動可能に設けられてレヽる。

[0013] 前記第 2アスペクトから従属する本癸明の第 5ァスぺ外に基くブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータは、前記構成において、前記押圧付勢部材が圧縮スプリングからなり；前記ブレーキディスクが弾性的に屈撓可能な材料からなり；及ぴ前記ブレーキディスクの中心部は前記出力軸に固定されて軸方向移動しない。

[0014] 更に、上記目的を達成するために、本発明の第 6アスペクトに基くブレーキ機構付きプレス駆動用サーポモータは、以下を備えている：前記サーボモータの前側に設けられる空圧^ a式のディスクブレーキ：及ぴ tillEサーボモータを t f己プレスに取り付けるモータ取付部であって、 |ΐί|5空圧作動式のディスクブレーキ部に設けられるモータ

' 取付部 ₀

[0015] 前記第 6アスペクトから従属する本発明の第 7ァスぺ外に基くブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータは、前記構成において、更に前記空圧作動式のディスクブレーキが、以下を備えている：前記サーボモータの前方へ突出した前記サーポモータの出力軸に一体的に固定したブレーキディスク;前記ブレーキディスクの後方に回転不能にかつ前記出力軸方向にのみ移動可能に設けた環状の押圧ディスク;前記押圧ディスクに対向して設けた環状の固定ディスク；前記押圧ディスクの外周部を前記ブレーキディスクに対して常時押圧付勢する押圧付勢部材;及び前記環状の押圧デイスクを前記ブレーキディスクカゝら離反するように動かすブレーキ解除手段。訂正された用紙（規則 91) [0016] 前記第 7アスペクトから従属する本発明の第 8アスペクトに基くブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータは、前記構成において、前記ブレーキ解除手段が、更に以下を備えてヽる：前記固定ディスクに設けられた複数のガイド部材；前記複数のガイド部材を介して前記固定ディスクに設けられたシリンダ本体であって、その後方に開口した環状シリンダが形成されている前記シリンダ本体;前記環状シリンダに摺動可能に嵌合され、空圧で作動される環状ピストン;及び前記環状ピストンと前記環状の押圧ディスクとを連結する複数のガイド部材；上記構成にぉヽて、前記環状ピストンと前記環状の押圧ディスクとが一体的に移動可能に設けられている。

[0017] 前記第 7アスペクトから従属する本発明の第 9アスペクトに基くブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータは、前記構成において、前記ブレーキ解除手段が、更に以下を備えてヽる：前記固定ディスクに設けられた複数のガイド部材；前記複数のガイド部材を介して前記固定ディスクに設けられたシリンダ本体であって、その後方に開口した環状シリンダが形成されている前記シリンダ本体;前記環状シリンダに摺動可能に嵌合され、空圧で作動される環状ピストン;及び前記環状ピストンと前記環状の押圧ディスクとを連結する複数のガイド部材；上記構成にぉヽて、前記環状シリンダと環状の押圧ディスクとが一体的に移動可能に設けられている。

[0018] 前記第 7アスペクトから従属する本発明の第 10アスペクトに基くブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータは、前記構成において、前記押圧付勢部材が圧縮スプリング力なり；前記ブレーキディスクが弾性的に屈橈可能な材料力もなり；及び前記ブレーキディスクの中心部は前記出力軸に固定されて軸方向移動しない。

[0019] 上述本発明の第 1アスペクト乃至第 10アスペクトに基づくブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータによれば、摩擦板との間の摩擦による発熱はほとんど発生しないので、プレス力卩ェの精度に悪影響を与えることがない。さらに、空圧ブレーキの作動時に必要な電力は空圧弁などの制御部だけなので消費電力を大幅に低減できる

[0020] また、ディスクブレーキを介して前記サーボモータの回転を検出するエンコーダを設けたので、サーボモータの発熱が精密部品であるエンコーダへの影響を低減し、スライドの位置決め精度の低下を抑制することができる。 [0021] 更に、ブレーキディスクは、弹性的に屈橈可能な材料力もなると共に、ブレーキディスクの中心部を出力軸に固定して軸方向に移動しない構成としたので、弹性的に屈橈可能薄、板でのブレーキディスク製作が可能となり、ブレーキディスクの慣性が小さくなつて、ブレーキ停止時間の短縮など、ブレーキ性能の向上を図ることができる。図面の簡単な説明

[0022] [図 1]図 1は、本発明に係るブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータを装備したサーボプレスの縦断面を現す説明図である。

[図 2]図 2は、図 1におけるサーボモータ部の詳細の拡大説明図であり、一部分に断面図を含む拡大説明図である。

[図 3]図 3 (a)、（b)は、本発明に係るブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータの動作説明図であり、特に図 3 (a)は、ディスクブレーキを開放させた状態の説明図であり、図 3 (b)は、ブレーキ OFF状態におけるリミットスィッチの位置を示す図である。

[図 4]図 4 (a)、（b)は、本発明に係るブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータの動作説明図であり、特に図 4 (a)は、ディスクブレーキが作動した状態の説明図であり、図 4 (b)は、ブレーキ ON状態におけるリミットスィッチの位置を示す図である。

[図 5]図 5は、本発明に係る第 2の実施形態のブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータを装備したサーボプレスの説明図であり、一部を破断した縦断面図を含む説明図である。

発明を実施するための最良の形態

[0023] 以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。

[0024] 図 1はサーボプレス 1の正面中心を前後方向（図 1では左右方向）に延伸したクランク軸 3に沿って断面した図であり、スライド 5及びブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータ 7以外の装置は省略してある。

[0025] サーボプレス 1の C形の本体フレーム 9には、前記クランク軸 3の前後の軸受け部 3j が回転自在に軸支してある。このクランク軸 3の偏心部 3hには、コネクテイングロッド 1

1上部の係合穴 l lhが係合してある。コネクテイングロッド 11の下端部は前記スライド

5に球軸受け（図示省略)を介して揺動可能に連結してある。

[0026] 前記クランク軸 3とコネクティングロッド 11によって、クランク機構が構成され、前記スライド 5は前記本体フレーム 9に設けたスライドガイド（図示省略）によって上下方向にガイドされ、前記クランク軸 3の回転により昇降運動するよう構成してある。

[0027] 前記本体フレーム 9のベッド 13上には、前記スライド 5に対向させてボルスター 15 が交換可能に装着してある。スライド 5の下面には上型（図示省略)が装着され、ボルスター 15上面には下型 (図示省略）が装着される。この上型と下型との間に供給された素材（図示省略）は、前記スライド 5の昇降運動により、プレス加工が加えられて製品となる。

[0028] 前記クランク軸 3の右端部にはテーパが形成してあり、このクランク軸 3のテーパ部にメインギヤ 17のテーパ穴を係合させ、固定部材 19とボルト（図示省略）によりメインギヤ 17をクランク軸 3に固定してある。

[0029] 前記ブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータ 7の前側（図 1、図 2において左側）には、サーボモータ 7の出力軸 21、すなわち回転子 25の出力軸 21が突出しており、この出力軸 21の先端部にピ-オンギヤ 23が取り付けてある。前記サーボモータ 7のケーシングは、中央部の固定子ケーシング 25Cと、この固定子ケーシング 25C の前側の前部ケーシング 25Fと後方の後部ケーシング 25Rとからなっており、前部ケ一シング 25Fには、前部ケーシング 25Fよりも若干小径の円筒形のボス 27を備えた段部 29が形成してある。

[0030] 前記サーボプレス 1の本体フレーム 9には、サーボモータ 7を固定するための取付板 9Mがー体的に設けてある。そして、この取付板 9Mにはサーボモータ 7の円筒形のボス 27 (モータ取付部）に嵌合する取付穴 31が設けてある。サーボモータ 7はこの取付穴 31を介してサーボプレス 1の本体フレーム 9の所定の位置にボルト（図示省略 )により固定してある。

[0031] 出力軸 21の先端は、本体フレーム 9に設けた軸受け部 ¾により回転自在に支持されており、この出力軸 21に設けた前記ピ-オンギヤ 23と前記メインギヤ 17とが係合するように配置してある。

[0032] したがって、サーボモータ 7によりピ-オンギヤ 23を適宜に回転駆動させることにより、前記クランク機構を介して前記スライド 5を昇降運動させることができる。

[0033] 図 2に示すように、前記出力軸 21は、前記前部ケーシング 25Fに設けた自動調心ころ軸受け力もなる軸受け 33と、後部ケーシング 25Rに設けた深溝玉軸受け力もなる軸受け 35により回転自在に支持されている。なお、軸受け 33は環状の軸受け押さえ 38とナット 40により出力軸 21に固定してある。

[0034] 前記回転子 25の円周部には磁石 37が取り付けてあり、この回転子 25の円周部には微小な間隙をおいて励磁用コイル 39を備えた固定子 41が設けてある。

[0035] サーボモータ 7の後部ケーシング 25Rには、空圧作動のディスクブレーキ 43が設けてある。

[0036] ディスクブレーキ 43の構成は、前記後部ケーシング 25Rに環状の固定ディスク 45 を設け、この環状の固定ディスク 45の外周部において円周方向に適宜な間隔で配置したショルダーボルトの如き複数のガイド部材 47を前記出力軸 21に平行に後方へ延伸させて設け、この複数のガイド部材 47の後方の軸端部のねじ部にシリンダ本体 49がナット 50により一体的に固定してある。なお、前記ガイド部材 47により、前記シリンダ本体 49と固定ディスク 45との間隔が一定になるように設けてある。

[0037] 前記シリンダ本体 49には、前記出力軸 21と同軸に後方に開口した環状のシリンダ 51が設けてあり、この環状のシリンダ 51に空圧で作動する環状ピストン 53が移動自在に嵌合してある。また、シリンダ本体 49には、環状のシリンダ 51に空圧を供給する空圧供給口 85が設けてあり、空圧供給口 85から流路 86を介して環状のシリンダ 51 へ空圧が供給される。

[0038] 前記シリンダ本体 49と固定ディスク 45の間の前記ガイド部材 47には、環状の押圧ディスク 55が回転不能にかつ出力軸方向にのみ移動可能に保持してある。

[0039] 前記環状の押圧ディスク 55には、前記シリンダ本体 49の外周部において円周方向に適宜な間隔で設けたガイド孔 57を軸方向に摺動可能に貫通するショルダーボルトの如き複数のガイド部材 59が設けてあり、このガイド部材 59の後端部のショルダー部に前記環状ピストン 53がナット 61により一体的に固定してある。

[0040] 前記環状の固定ディスク 45と環状の押圧ディスク 55との間には、例えば、ばね鋼の如き材質で弾性的に屈橈可能な薄い円板状のブレーキディスク 63が配置され、このブレーキディスク 63は前記出力軸 21の後端部に押さえ板 65とボルト 67により一体的に固定してある。なお、ブレーキディスク 63外周部の両面には環状の摩擦材 69が接合してある。

[0041] 前記シリンダ本体 49の外周部には、前記押圧ディスク 55を前記ブレーキディスク 6 3に対して常時押圧付勢する押圧付勢部材としてのスプリング 71を収納する複数のスプリング装着穴 73が円周方向に適宜な間隔おいて設けてある。

[0042] また、前記シリンダ本体 49の中央に形成された環状のシリンダの内側壁部 49iには、前後に貫通する穴 75が設けてある。そして、このシリンダの内側壁部 49iの後端部に取り付けた環状取付台 77を介してパルスエンコーダの如きエンコーダ 79が取り付けてある。

[0043] 前記押さえ板 65には、サーボモータ 7の出力軸 21の回転をエンコーダ 79に伝達するためのエンコーダ軸 81がー体的に設けてある。なお、エンコーダ 79には、ェンコ一ダカバー 83が取り付けてある。

[0044] 上記構成のブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータ 7の動作の説明を図 3及び図 4を参照しながら説明する。

[0045] 図 3 (a)、 (b)は、空圧作動のディスクブレーキ 43を開放させた状態を示した図であり、空圧切換弁（図示省略)を作動させて、空圧供給口 85から流路 86を介して環状のシリンダ 51内へ高圧空気を供給（図中、「AS」で示す方向に供給)すれば、環状ピストン 53がスプリング 71の付勢力に抗して右方へ移動する。

[0046] 環状ピストン 53と押圧ディスク 55とはガイド部材 59で一体的に連結されているので、押圧ディスク 55が環状ピストン 53と同時に右方へ移動して、ブレーキディスク 63への押圧付勢力が解除され、固定ディスク 45と押圧ディスク 55の間に押圧保持されていたブレーキディスク 63の回転が自由となりディスクブレーキ 43が開放された状態となる。

[0047] 図 3 (b)に示すように、前記シリンダ本体 49の適宜な位置にディスクブレーキ 43の動作状態を検出するリミットスィッチ 85が設けてある。また、前記環状ピストン 53には、リミットスィッチ 85に対向するドッグ 87がボルト 89により取り付けてある。そして、ディスタブレーキ 43が開放された状態においては、リミットスィッチ 85とドッグ 87との間に僅かな間隙 dができるように設定してある。

[0048] 次に、図 4 (a)、 (b)を参照しながら、空圧ブレーキを作動させる場合を説明する。空圧ブレーキを作動させる場合には、前記空圧切換弁（図示省略)を作動させて、環状のシリンダ 51内の高圧空気を流路 86を介して空圧供給口 85から排気（図中、「EX」で示す方向に排気）させれば、スプリング 71の付勢力により環状ピストン 53と共に押圧ディスク 55が左方へ移動して、ブレーキディスク 63が固定ディスク 45と押圧デイスク 55の間に押圧保持されてブレーキが力かることになる。なお、このとき円板状のブレーキディスク 63の中心部は、前記出力軸 21に固定されていて軸方向へは移動できないが、ブレーキディスク 63がばね鋼の如き材質で弾性的に屈橈可能な材質からできているので、ブレーキディスク 63の周縁部が左方へ橈むことにより固定ディスク 4 5と押圧ディスク 55の間に押圧保持されるものである。

[0049] なお、空圧ブレーキが作動した状態はでは、図 4 (b)に示すように前記リミットスイツチ 85がドッグ 87に当接した状態となり、これにより空圧ブレーキが作動したことが検出される。

[0050] 上記構成のサーボモータを使用してプレスを駆動する場合、プレスが正常に動作しているときのスライドの停止には、主としてサーボブレーキ（ダイナミックブレーキ）が使用され、空圧ブレーキの使用は停電時にスライドが自重落下するのを防止するなどの安全のために、サーボブレーキ (ダイナミックブレーキ）をかけた後に使用される。

[0051] この場合、空圧ブレーキは静的な動作だけであり、摩擦板との間の摩擦による発熱はほとんど発生しない。したがって、サーボモータ力若干の発熱はある力プレス本体に熱が伝導して熱歪みが発生するほどのものではなぐプレス加工の精度に悪影響を与えることがない。なお、空圧ブレーキの作動時に必要な電力は空圧弁などの制御部だけなので消費電力は大幅に低減される。

[0052] また、ディスクブレーキを介して前記サーボモータの回転を検出するエンコーダを設けたので、サーボモータの発熱が精密部品であるエンコーダへの影響を低減することができ、スライドの位置決め精度の低下を抑制することができる。

[0053] 更に、上記構成のサーボモータにおけるブレーキディスクは、弹性的に屈橈可能な材料力もなると共に、該ブレーキディスクの中心部は前記出力軸に固定されて軸方向に移動しな、ので、ブレーキディスクを弾性的に屈撓可能薄、板で製作可能となり、ブレーキディスクの慣性を小さくすることが可能となった。その結果、ブレーキの停止時間が短縮できるなど、ブレーキ性能の向上を図ることができた。

[0054] 図 5は、第 2の実施の形態を示したものであり、上述のブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータ 7における空圧ブレーキ 43を前記サーボモータ 7の前側に配置したことを特徴とするものである。したがって、この第 2の実施の形態のブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータをサーボプレス 1の本体フレーム 9に固定した場合、サーボモータ部の発熱の本体フレーム 9への熱伝導がさらに抑制され、プレス本体に熱歪みが発生せずプレス力卩ェの精度が向上する。

[0055] なお、日本国特許出願第 2005— 230543号（2005年 8月 9日出願）の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。

[0056] 本発明は、前述の発明の実施の形態の説明に限るものではなぐ適宜の変更を行うことにより、その他種々の態様で実施可能である。

Claims

請求の範囲

[1] ブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータであって、以下を含む：

前記サーボモータを前記プレスに取り付けるモータ取付部であって、前記サーボモ一タの前側に設けられるモータ取付部；

前記サーボモータの後側に設けられる空圧作動式のディスクブレーキ;及び前記ディスクブレーキを介して前記サーボモータの回転を検出するエンコーダ。

[2] 請求項 1に記載のブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータにお!、て、前記空圧作動式のディスクブレーキは、以下を含む：

前記サーボモータの後方へ突出した前記サーボモータの出力軸の後端部に一体的に固定したブレーキディスク；

前記ブレーキディスクの後方に回転不能にかつ前記出力軸方向にのみ移動可能に設けた環状の押圧ディスク；

前記押圧ディスクに対向して設けた環状の固定ディスク；

前記押圧ディスクの外周部を前記ブレーキディスクに対して常時押圧付勢する押圧付勢部材;及び

前記環状の押圧ディスクを前記ブレーキディスク力離反するように動かすブレーキ解除手段。

[3] 請求項 2に記載のブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータにおいて、前記ブレーキ解除手段は、以下を含む：

前記固定ディスクに設けられた複数のガイド部材；

前記複数のガイド部材を介して前記固定ディスクに設けられたシリンダ本体であって、その後方に開口した環状シリンダが形成されている前記シリンダ本体；前記環状シリンダに摺動可能に嵌合され、空圧で作動される環状ピストン;及び前記環状ピストンと前記環状の押圧ディスクとを連結する複数のガイド部材；上記構成にお!ヽて、前記環状ピストンと前記環状の押圧ディスクとが一体的に移動可能に設けられている。

[4] 請求項 2に記載のブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータにおいて、前記ブレーキ解除手段は、以下を含む： fii記固定ディスクに設けられた複数のガイド部材；

前記複数のガイド部材を介して前記固定ディスクに設けられたシリンダ本体であって

、その後方に開口した環状シリンダが形成されてレ、る前記シリンダ本体；前記環状シリンダに摺動可能に嵌合され、空圧で作動される環状ピストン;及び前記環状ピストンと前記環状の押圧ディスクとを連結する複数のガイド部材；上記構成において、前記環状シリンダと環状の押圧ディスクとが一体的に移動可能に設けられている。

[5] 請求項 2に記載のブレーキ機構付きプレス駆動用サーポモータにおいて、

前記押圧付勢部材が圧縮スプリングからなり；

前記ブレーキディスクが弾性的に屈撓可能な材料からなり；及び

前記ブレーキディスクの中心部は前記出力軸に固定されて軸方向移動しなレ、。

[6] ブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータであって、以下を含む：

前記サーボモータの前側に設けられる空圧作動式のディスクブレーキ：及ぴ前記サーボモータを前記プレスに取り付けるモータ取付部であって、前記空圧作動式のディスクブレーキ部に設けられるモータ取付部。

[7] 請求項 6に記載のブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータにおいて、前記空圧作動式のディスクブレーキは、以下を含む：

前記サ一ボモータの前方へ突出した前記サーボモータの出力軸に一体的に固定したプ、レーキディスク； .'

' 前記ブレーキディスクの後方に回転不能にかつ前記出力軸方向にのみ移動可能に設けた環状の押圧ディスク；

前記押圧ディスクに対向して設けた環状の固定ディスク；

前記環状の押圧ディスクを前記ブレーキディスクから離反するように動かすブレーキ解除手段。

[8] 請求項 7に記載のブレーキ機構付きプレス駆動用サ一ボモータにおいて、前記ブレーキ解除手段は、以下を含む：訂正された用紙（規則 91) 前記固定ディスクに設けられた複数のガイド部材；

[9] 請求項 7に記載のブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータにおいて、前記ブレーキ解除手段は、以下を含む：

前記固定ディスクに設けられた複数のガイド部材；

前記複数のガイド部材を介して前記固定ディスクに設けられたシリンダ本体であって、その後方に開口した環状シリンダが形成されている前記シリンダ本体；前記環状シリンダに摺動可能に嵌合され、空圧で作動される環状ピストン;及び前記環状ピストンと前記環状の押圧ディスクとを連結する複数のガイド部材；上記構成において、前記環状シリンダと環状の押圧ディスクとが一体的に移動可能に設けられている。

[10] 請求項 7に記載のブレーキ機構付きプレス駆動用サーボモータにおいて、

前記押圧付勢部材が圧縮スプリング力なり；

前記ブレーキディスクが弾性的に屈橈可能な材料力なり；及び

前記ブレーキディスクの中心部は前記出力軸に固定されて軸方向移動しない。