WO2006117883A1 - 歯科用チップ - Google Patents
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Abstract
埋没歯や折れた歯根等、鉗子では掴みにくい歯牙を、振動させて、掴むことなく、効果的に抜歯することができ、更には、歯牙等を切削し、切削した歯骨粉を効果的にかき集め、かき出す(移動させる)ことのできる歯科治療具を提供する。
歯科用チップ10は、振動子1に着脱自在に連結され、該振動子1によって振動される。歯科用チップ10の先端側10dは、該チップの延長軸Pに直角の断面形状が、図3(B)に示すように、弧状である。歯科用チップ10の先端部10d'を歯と歯肉の間に入れ、弧状の両側部10e,10eを歯50に当て、該歯50に振動を与えて歯を緩め、先端を歯に引っかけて歯を抜く、或いは、歯50等を切削し、切削した骨粉をかき集め、かき出すのに使用する。
Description
明 細 書
¾科用チップ
技術分野
[0001] 本発明は、歯科用チップ、より詳細には、歯科治療において、歯の側面に差し込ん で振動させ、坦没歯や折れた歯根を掘り起こして抜くのに使用して好適な歯科用チ ップ、及び、ソケットリフト法による歯科治療において、骨と粘膜の間にチップの先端 を挿入して該骨と粘膜を剥離するのに使用して好適なチップ、及び、歯科治療にお いて、振動子を有するハンドピースに取り付けて、歯根、顎骨、歯槽骨、不良歯肉等 をカットするのに好適な歯科用チップ、更には、歯科治療において、骨再生の治療の 際、自家骨(自分の骨)を削り、削った後の骨粉を集めるのに使用して好適な歯科用 チップに関する。
背景技術
[0002] 歯科治療においては、しばしば抜歯を行うが、従来、この抜歯は、抜歯鉗子を用い て行われている。この抜歯鉗子は、歯を把握し、動揺させて、脱臼させ、次いで、牽 引抜去するもので、前歯,小臼歯,大臼歯,残根用と、上顎,下顎,乳歯,永久歯用 等々多種あるが、いずれも、歯を把持する嘴部と、手指および手掌で把握する把柄 部と、さらに、両部を連結する関節部よりなるが、埋没歯や折れた歯根等は、把持し にくぐ使い勝手が悪かった。
[0003] また、最近では、 自分の歯に近い感覚で嚙むことのできる人工義歯インプラントが 行われているが、インプラントを埋入する骨の高さが充分にない場合に、ソケットリフト 法により、上顎洞を挙上することが行われている。こうした新たな技法により、一昔前 まではインプラントのできない体質や状態の人でも、今では、インプラント治療が可能 になっている。
[0004] インプラントができない最大の要因は、インプラントの土台となる骨の量が少ないケ ースで、歯の下にある骨の残存量と質力 Sインプラント可否の大きな要素となる。例え ば、上顎の奥歯にインプラントを入れる場合、骨の中に上顎洞という空洞があるが、 その骨の量、特に、骨の高さが必要となる。ところ力 歯周病等によって歯を欠損する
と、多くの場合、骨量が減ってしまい、治療に必要な骨の高さが保てなくなる。
[0005] 上述のように、治療に必要な骨の高さが足りない場合でも、事前に骨量を増やす治 療を行えば、インプラント治療が可能になる。ソケットリフト法は、顎の骨をドリルでほと んど削ることなぐォステオトームという器具で、上顎洞の底の粘膜を持ち上げ、そこ に、骨補填材を入れ、できたスペースにインプラントを入れるものである。
[0006] 更に、歯科治療においては、歯石の除去、根面の平滑化(Root Plainning)等を 行うために、最近では、一般的に、振動子を用いたハンドピースを使用している。
[0007] 図 1は、振動子を用いたハンドピースの例としての周知の超音波スケーラの一例を 説明するための要部断面構成図で、図中、 1は振動子 (超音波振動子、エアー振動 子、電動 (モータ)振動子等、周知の任意所望の振動子)、 2は振動子 1を内蔵するハ ンドピースハウジングで、前記振動子 1は該ハンドピースハウジング 2内に収納され、 これらによって振動ハンドピースを構成し、該ハンドピースの振動子 1に歯科用チップ 3が着脱自在に装着され、該歯科用チップ 3が前記振動子 1によって振動されて歯石 の除去等が行われる。
[0008] 図 2は、前記歯科用チップ 3を前記振動子 1に着脱自在に取り付ける機構の一例を 説明するための図で、振動子 1は、先端部に雌ネジ laが形成されており、歯科用チ ップ 3は、先端部(振動子 1に接合される側)に前記雌ネジ laに螺合する雄ネジ 3aを 有し、図示しないレンチ等の着脱工具を歯科用チップ 3の段部 3bに係合させて、歯 科用チップ 3を振動子 1に着脱自在に螺合し、締め付けて固定するようになってレ、る
[0009] 歯科用チップ 3の先端部(刃部) 3 'の形状は、その使用目的に応じて種々提案され ており、例えば、手用スケーラでは、鎌形、鍬形、のみ型、匙形、やすり形等のものが 提案されている。しかし、超音波スケーラチップは、そのほとんどが、図 1及び図 2に 示したように、歯科用チップ 3の先端部 3 'でのみしか作業することができず、その適 用範囲が限られ、例えば、歯根や顎骨、歯槽骨、更には、不良歯肉をカットするには 不向きであった。
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0010] 本発明は、埋没歯や折れた歯根等、鉗子では掴みにくい歯牙を、振動させ、掴む ことなぐ効果的に抜歯することができ、更には、歯牙等骨の表面を削り、削った骨片 を力き集め、所望の箇所へ移動させるのに好適な歯科治療具を提供することを目的 としてなされたものである。
[0011] また、歯科治療におけるソケットリフト法を実施するに際し、骨と粘膜の間に先端を 挿入しながら前記骨と粘膜を剥離するのに使用して好適な振動チップを提供するこ とを目的としてなされたものである。
[0012] 更には、振動子により振動されるチップの作業面を工夫して、歯根や顎骨、歯槽骨
、不良歯肉を切除するのに好適な形状を有するチップを提供することを目的としてな されたものである。
課題を解決するための手段
[0013] 本発明の第 1の技術手段は、振動体に着脱自在に連結され、該振動体によって振 動される歯科用チップであって、該チップの先端側は、該チップの延長軸に直角の 断面形状が弧状であることを特徴としたものである。
[0014] 本発明の第 2の技術手段は、第 1の技術手段において、前記チップは先端部にお いて内側に向って傾斜していることを特徴としたものである。
[0015] 本発明の第 3の技術手段は、第 1又は第 2の技術手段において、前記チップは前 記弧状の径が先端部側で徐々に小さくなつて終端していることを特徴としたものであ る。
[0016] 本発明の第 4の技術手段は、振動体に着脱自在に装着され、該振動体によって振 動される歯科用チップであって、該チップはその先端部がラッパ状に広がっているこ とを特徴としたものである。
[0017] 本発明の第 5の技術手段は、振動体に着脱自在に連結され、該振動体によって振 動される歯科用チップであって、該チップの先端部側における作業部は、その横断 面形状の両端部においてエッジを有し、該エッジはその突出方向が逆方向であるこ とを特徴としたものである。
[0018] 本発明の第 6の技術手段は、第 5の技術手段において、前記チップの作業部横断 面形状は、前記エッジ力 中心部に向う部分において、前記エッジの突出側に凹状
の曲げ部分を有することを特徴としたものである。
[0019] 本発明の第 7の技術手段は、第 5又は第 6の技術手段において、前記チップの作 業部横断面形状は、該チップの中心に対して 180° の回転対称に形成されているこ とを特徴としたものである。
[0020] 本発明の第 8の技術手段は、第 5又は第 6又は第 7の技術手段において、前記チッ プの作業部横断面形状は、該チップの中心に対して 180° の回転対称に形成され たゆるやかな S形であることを特徴としたものである。
[0021] 本発明の第 9の技術手段は、振動体に着脱自在に連結され、該振動体によって振 動される歯科用チップであって、該歯科用チップの先端部は、スプーン状の凹部に 形成され、かつ、該スプーン状の凹部の縁がエッジ(刃)に形成されていることを特徴 としたものである。
発明の効果
[0022] 本発明による歯科用チップは、振動体に着脱自在に連結され、該振動体によって 振動される歯科用チップであって、該チップの先端側は、該チップの延長軸に直角 の断面形状が弧状で、この弧状の両側部より歯に効果的に振動を与えることができる ので、歯を掴むことなく抜歯することができ、特に、埋没歯や折れた歯根等、従来の 鉗子では掴むことが困難な歯牙を容易に抜歯することができ、更には、歯牙等骨の 表面を削り、削った骨片をかき集め、所望の箇所へ移動させるのに好適な歯科治療 具を提供することを目的としてなされたものである。
[0023] また、本発明による歯科用チップは、振動体に着脱自在に連結され、該振動体によ つて振動される歯科用チップであって、その先端部がラッパ状に広がっているので、 その先端周辺部に振動を集中させることができ、骨と粘膜との剥離をより効果的に行 うことができる。
[0024] 本発明による歯科用チップは、振動体に着脱自在に連結され、該振動体によって 振動される歯科用チップであって、歯槽骨等をカットする作業部に、その横断面形状 の両端部においてエッジを設け、具体的には、該エッジの突出方向を前記両端部で 逆方向とし、該エッジからチップの中心部に向う部分で該エッジの突出方向側に凹 状の曲げ部(逃げ部)を有するようにしたので、歯槽骨等のカット時に被カット骨との
接触が小さぐ食い込みを防止することができ、また、両端ではエッジがたっているた め切削効率が良い。
[0025] 本発明による歯科用チップは、振動体に着脱自在に連結され、該振動体によって 振動される歯科用チップであって、該歯科用チップの先端部は、スプーン状の凹部 に形成され、かつ、該スプーン状の凹部の縁がエッジ(刃)に形成されているので、該 エッジ部で顎骨や歯根、歯槽骨、不良歯肉等をカットし、カットした切削片をスプーン 状の凹部に力、き集めて取り出すことができ、歯科治療を効果的に行うことができる。 図面の簡単な説明
[0026] [図 1]振動子を用いたハンドピースの例としての周知の超音波スケーラの一例を説明 するための要部断面構成図である。
[図 2]振動子とチップとの着脱機構の一例を説明するための図である。
[図 3]本発明による歯科用チップの一実施例を説明するための要部分割斜視図であ る。
[図 4]図 3の歯科用チップを斜め下から見た時の図である。
[図 5]図 3に示した歯科用チップの使用状態の一例を示す図である。
[図 6]本発明による歯科用チップの他の実施例を説明するための図である。
[図 7]図 4に示した歯科用チップを用いて骨と粘膜とを剥離する例を説明するための 図である。
[図 8]本発明による歯科用チップの他の実施例を説明するための図である。
[図 9]図 8に示した歯科用チップの変形例を説明するための図である。
[図 10]本発明による歯科用チップの他の実施例を説明するための図である。
発明を実施するための最良の形態
[0027] 図 3は、本発明による歯科用チップの一実施例を説明するための分解斜視図で、 図中、 1は振動子(例えば、超音波振動子、エアー振動子、モータ振動子等、周知の 任意所望の振動子)で、該振動子 1の先端部には雌ねじ laが形成されており、この 雌ねじ laに、本発明による歯科用チップ 10の雄ねじ部 10aが着脱自在に連結される ようになつている。 10bは、歯科用チップ 10を振動子 1に螺着する時に用いるレンチ を係合させるレンチ係合部で、該レンチ係合部 10bにレンチを係合させ、該レンチに
て歯科用チップ 10を回転して該チップ 10の雄ねじ部 10aを振動子 1の雌ねじ laに 締め付けて固定する。
[0028] 本発明による歯科用チップ 10は、上述のように、振動子 1に連結されて使用される ものであるが、振動伝達部 10cは、その先端側 10dにおいて、図 3 (B) (図 3 (A)の B —B断面図)に示すように、軸心 (延長方向) Pに直角の断面が弧状に形成されており 、この弧状の両側部 10eが歯牙等の骨 50に当接するようになつており、この両側部 1 0eにおいて、歯牙を動揺させ、或いは、骨を切削する。また、先端部 10d'は、好まし くは、図 3 (A)に破線 10d"にて示すように、内側に向って丸みをもって湾曲しており、 歯を抜くときに、この先端部 10d"を歯に引っかけて抜くことにより、より効果的に抜歯 することができ、或いは、歯牙を切削し、切削した骨片を力 ^集め、移動させるのに効 果的に使用することができる。
[0029] 図 4は、図 3に示した歯科用チップ 10の弧状部 10dを斜め下から見た図で、この弧 状部 10dの最先端 10fは、図 4 (B)に示すように、両側部 10e, 10eを平行に保ったま まの状態で外面側に R (丸み)を持たせて終端してもよいが、図 4 (C)に示すように、 弧状が徐々に小さくなるように、つまり、チップ先端 10fが丸みをもって尖出して終端 するようにしてもよく、このようにすると、先端部を歯と歯肉の間に入れやすぐまた、 切削した骨粉を力き集めやすくなる。
[0030] 図 5は、本発明による歯科用チップの使用状態の一例を示す図で、図中、 50は歯 牙等の骨、 51は歯肉、 10dは本発明による歯科用チップ 10の先端側で、該歯科用 チップ 10の先端 10d'は丸みをもって歯 50側に湾曲されており(図 3 (A)の破線 10d "参照)、これによつて、歯 50と歯肉 51の間に効果的に挿入することができ、更には、 先端部の弧状の径を徐々に小さくして終端するようにしておくと(図 4 (C)の 10f)、中 央部の尖ったところから徐々に揷入することができるので、より効果に、歯 50に沿って 挿入することができ、また、埋没した歯や折れた歯根を掘り起こして抜くのに効果的 である。更には、両側部及び先端部にて歯牙を切削し、切削した歯骨粉を力、き集め、 上方にかき出すのに使用して好適である。
[0031] 図 6は、本発明による歯科用チップの他の例を説明するための図で、図 6 (A)は全 体構造を示す側面図、図 6 (B)は図 6 (A)の B_B線断面図を示し、図中、 1は振動
子 (超音波振動体,エアー振動体,モータ振動体等、周知の振動体)、 20は本発明 による歯科用チップで、 20a部は振動子 1の雌ねじ laと螺合するための雄ねじ部、 2 Obは歯科用チップ 20を振動子 1に螺着する時に用いるレンチを係合させるレンチ係 合部で、該レンチ係合部 20bにレンチを係合させ、該レンチにて歯科用チップ 20を 回転して該歯科用チップ 20の雄ねじ部 20aを振動子 1の雌ねじ laに締め付けて固 定する。
[0032] 図 6において、 20cは振動伝達部で、該振動伝達部 20cの先端部 20dは、振動子 1 が駆動された時に、紙面に対して平行に(矢印方向に)振動する。チップ先端部 20d は、図 6 (B)に断面図で示すように、ラッパ状の凹部 20eに形成され、このラッパ状の 凹部 20eのエッジ部 20fに振動子 1から伝達されてくる振動が集中されるようになって いる。
なお、図 6には、チップ先端部 20dを円形にした例を示したが、円形に限らず、楕円 、その他、任意所望の形状にして中心部に凹部を設けるようにしてもよい。
[0033] 図 7は、歯科治療におけるソケットリフト法の一例を説明するための要部構成図で、 図 7 (A)に示すように、骨 60に穴 60aを開け、粘膜 61を露出させ、図 7 (B)に示すよ うに、この骨 60と粘膜 61の間に、穴 60aを通して歯科用チップ 20の先端部 20dを挿 入し、図 7 (C)に示すように、振動チップ 20を矢印方向に振動させ、そのチップ先端 部 20dのエッジ部 20fを振動させて、骨 60と粘膜 61とを剥離する。
[0034] 図 8は、本発明による歯科用チップの他の例を説明するための図で、図 8 (A)は歯 科用チップの全体構造を示す側面図、図 8 (B)は図 8 (A)の B— B線断面図(チップ 作業部の横断面図)、図 8 (C)は図 8 (B)の拡大図、図 8 (D)は本発明による歯科用 チップを用いて歯牙や歯槽骨 70をカットしている時の状態を示す図、図 8 (E)は図 8 (D)のカット部拡大図である。図 8において、 30は本発明による歯科用チップで、 30 a部は振動子と螺合するためのねじ部、 30bはチップ 30を振動子に螺着する時に用 レ、るレンチを係合させるレンチ係合部で、図 1及び図 2にて説明したように、該レンチ 係合部 30bにレンチを係合させ、該レンチにて歯科用チップ 30を回転してチップ 30 のねじ部 30aを振動子のねじ部に締め付けて固定する。
[0035] 図 8において、 30cは作業部(刃部)で、該作業部 30cは、振動子が駆動された時
に、図 8 (B)に矢印 Hで示す方向に振動する。作業部 30cは、好ましくは、図 8 (C)の 拡大断面図で示すように、断面がゆるやかな S形状に形成されており、これにより、逃 げ部 30cが形成され、図 8 (D) ,図 8 (E)に示すようにして、歯牙又は歯槽骨 70を力
1
ット線 Lに沿ってカットする。而して、本発明による歯科用チップによると、エッジ部 30 c以外の点では、カットされる歯牙や歯槽骨 70に接触しないので、効果的に歯牙や
2
歯槽骨をカットすることができる。
[0036] 図 8に示した歯科用チップ 30は、作業部 30cの横断面形状をほぼ S形にして逃げ 部 30cを設けたものであるが、この形状は、 S形に限定されたものではなぐどのよう
1
な形状でもよい。
[0037] 図 9は、図 8に示した歯科用チップの変形実施例を示す横断面図で、基本的には、 図 9 (A)に示すように、中央部 30dを直線状とし、その両端側において、エッジ 30c,
2
30cを反対向(180° 異ならせる方向)に向けるようにする(中心点 Pに対して、回転
2
対称にする)。図 9 (B)は、本発明による歯科用チップの他の形状を示す図で、この 例は、 30d, 30d'力もなる凸状外郭を有する P点対称の部材の 30d'を凹部に加工し て、凹部 30eとしたもので、このようにしてもエッジ部 30cを効果的に作成することが
2
できる。
[0038] 図 10は、本発明による歯科用チップの他の実施例を説明するための図で、図 10 ( A)は全体構造を示す側面図、図 10 (B)は図 10 (A)の B— B線断面図を示し、図 10 (A)において、 40は本発明による歯科用チップで、 40aは振動子と螺合するための ねじ部、 40bは歯科用チップ 40を振動子に螺着する時に用いるレンチを係合させる レンチ係合部で、図 1及び図 2にて説明したように、該レンチ係合部 40bにレンチを 係合させ、該レンチにて歯科用チップ 40を回転して該歯科用チップ 40のねじ部 40a を振動子のねじ部に締め付けて固定する。
[0039] 図 10において、 40cは振動伝達部で、該振動伝達部 40cの先端部 40dは、振動子 が駆動された時に、矢印方向に振動する。先端部 40dは、図 10 (B)の断面図で示す ように、スプーン状の凹部 40eに形成され、この凹部の縁 40fは、エッジ(刃)に形成さ れ、該ェッジ 40fにて歯牙、顎骨、歯槽骨、不良歯肉等を効果的に切削し、切削によ り生じた切削粉をスプーン状の凹で力 ^集めて、効果的に外部へ取り出す。
[0040] 図 10 (C)は、スプーン状の凹部 40eを反対向きにした場合の例を示す B— B線断 面図で、このように、スプーン状の凹部 40eの向きが 180° 異なる 2本(右用,左用) のチップを準備しておき、これらを使い分けることにより、例えば、歯牙の右側面、或 レ、は、左側面を効果的に治療することができる。
[0041] 図 10 (D)は、スプーン状の凹部 40eを手前側(口腔外側)に向けた場合の例を示 す図、図 10 (E)は、図 10 (D)に示したスプーン状の凹部 40eを反対向きにした例、 すなわち、図 10 (D)に示したスプーン状の凹部 40eを 180° 異ならせ、該スプーン 状の凹部 40eが口腔内側に向うようにした例を示す図で、このように、スプーン状の 凹部 40eの向きがそれぞれ 90° 異なる(図 10 (B) , (C) , (D), (E) ) 4本のチップを 準備しておき、これら 4本のチップを治療位置によって使い分けるようにすれば、 4方 向からの治療が可能になり、口腔内の全ての方向(4方向)から、効果的に治療を行 うことができる。
Claims
[1] 振動体に着脱自在に連結され、該振動体によって振動される歯科用チップであつ て、該チップの先端側は、該チップの延長軸に直角の断面形状が弧状であることを 特徴とする歯科用チップ。
[2] 前記チップは先端部において内側に向って傾斜していることを特徴とする請求項 1 に記載の歯科用チップ。
[3] 前記チップは前記弧状の径が先端部側で徐々に小さくなつて終端していることを特 徴とする請求項 1又は 2に記載の歯科用チップ。
[4] 振動体に着脱自在に装着され、該振動体によって振動される歯科用チップであつ て、該チップはその先端部がラッパ状に広がっていることを特徴とする歯科用チップ
[5] 振動体に着脱自在に連結され、該振動体によって振動される歯科用チップであつ て、該チップの先端部側における作業部は、その横断面形状の両端部においてエツ ジを有し、該エッジはその突出方向が逆方向であることを特徴とする歯科用チップ。
[6] 前記チップの作業部横断面形状は、前記エッジ力 中心部に向う部分において、 前記エッジの突出側に凹状の曲げ部分を有することを特徴とする請求項 5に記載の 歯科用チップ。
[7] 前記チップの作業部横断面形状は、該チップの中心に対して 180° の回転対称に 形成されていることを特徴とする請求項 5又は 6に記載の歯科用チップ。
[8] 前記チップの作業部横断面形状は、該チップの中心に対して 180° の回転対称に 形成されたゆるやかな S形であることを特徴とする請求項 5又は 6又は 7に記載の歯 科用チップ。
[9] 振動体に着脱自在に連結され、該振動体によって振動される歯科用チップであつ て、該チップの先端部は、スプーン状の凹部に形成され、かつ、該スプーン状の凹部 の縁がエッジに形成されていることを特徴とする歯科用チップ。
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