明 細 書
パケット送信制御装置およびパケット送信制御方法
技術分野
[0001] 本発明は、移動通信システムにおける下りパケットの送信制御 (スケジューリング)を 行うパケット送信制御装置およびパケット送信制御方法に関する。
背景技術
[0002] 移動通信システムの下りリンクにおいて、無線基地局力 当該無線基地局に属する 移動局との間で、 1つの物理チャネルを共有している場合がある。以下、この場合に 用いられる物理チャネルを下り共有チャネルと呼ぶ。
[0003] 下り共有チャネルにおいては、無線基地局が、通信相手である複数の移動局に対 するパケットの送信順序を、各移動局の瞬時の無線品質に基づいて制御することに よって、その無線基地局で提供できるスループット、いわゆるシステム収容能力を高 めることができる。
[0004] このような無線基地局によるパケットの送信順序制御は、スケジューリングと呼ばれ 、パケットデータ伝送に適用することで、通信容量が増大し、あるいは通信品質が向 上することが知られている (例えば、非特許文献 1参照)。また、スケジューリングにお いては、対象となるパケットデータは、一般的に、伝送遅延に対する要求条件がさほ ど厳しくな 、ことを前提として考えられて 、る。
[0005] ところで、第 3世代移動通信システム、 、わゆる IMT— 2000の標準ィ匕につ!、ては、 地域標準化機関などにより組織された 3GPPZ3GPP2(Third- Generation Partnersh ip Project/ Third-Generation Partnership Project 2)において、前者では W— CDM
A方式、後者では cdma2000方式に力かる標準仕様の策定作業がなされて 、る。
[0006] 3GPPでは、近年のインターネットの急速な普及に伴い、特に下りリンクにおいてデ ータベースや Webサイトからのダウンロードなどによる高速.大容量のトラヒックが増加 するとの予測に基づき、下り方向の高速パケット伝送方式である「: HSDPA(High Spe ed Downlink Packet Access)」の標準化が行われている(例えば、非特許文献 2参照)
[0007] また、 3GPP2でも、上記同様の観点から下り方向の高速データ専用の伝送方式「1 x— EVDO」の標準化が行われている(例えば、非特許文献 3参照)。なお、 cdma20 00 lxEV— DOにおいて、 DOは Data Onlyの意味である。
[0008] 例えば、 HSDPAでは、移動局と無線基地局との間の無線状態に応じて無線チヤ ネルの変調方式や符号化率を制御する方式、例えば、 HSDPAでは、 AMCS(Adap tive Modulation and Coding Scheme)と、数 msの周期で動作するスケジューリングとを 組み合わせて用いることで、個々のユーザに対するスループット、およびシステム全 体のスループットを向上させることができるようになって!/、る。
[0009] 無線基地局における送信待ちパケットの送信順序を制御するスケジューリングアル ゴリズムとしては、無線基地局装置に属する移動局に順に (例えば、移動局 # 1→# 2→# 3→· · 、下り共有チャネルの送信割り当てパケットの送信順序を制御するラ ゥンドロビンスケジューラがよく知られて 、る。
[0010] また、各移動局の無線状態や各移動局の平均の無線状態に基づいて送信待ちパ ケットの送信順序を制御する Proportional Fairnessスケジューラや MAX C/l( Maximum C/I)スケジューラが知られている。
[0011] 一般的な Proportional Fairnessスケジューラの制御方法の一例を説明する。
[0012] Proportional Fairnessは、個々の移動局の下り回線状況の瞬時的な変動に応 じて、送信割り当てを行いつつ、移動局間の公平性もサポートするスケジューリングァ ノレゴリズムである。
[0013] Proportional Fairnessスケジューラに関して、図 1を参照して説明する。図 1は、 Proportional Fairnessスケジューラの動作を示すフローチャートである。このスケ ジユーリングアルゴリズムでは、各移動局の無線状態、平均の無線状態を評価関数 の要素として測定し、無線基地局に属する各移動局の評価関数を求め、それを最大 化する移動局に下り共有チャネルを割り当てる。なお、ここでは、平均の無線状態と して、一例として平均の伝送速度を用いる場合にっ 、て説明する。
[0014] 図 1において、ステップ S41では、初期値が以下のように設定される。
[0015] [初期値]
n= l (n :移動局の添え字)
c max =o(c :評価関数の最大値)
max
n =0 (n :評価関数が最大となる移動局の添え字)
max max
次に、ステップ S42では、評価関数の計算に必要な要素、具体的には、(1)各移動 局の瞬時の無線状態、(2)平均伝送速度が測定される。次に、ステップ S43では、ス テツプ S42で測定された値を用いて次式に基づいて、評価関数 Cが計算される。
[数 1]
:各移動局の瞬時の無線状態 :平均伝送速度
次に、ステップ S44では、ステップ S43で計算された評価関数 Cが C を超えて ヽ
n max
るかどうかを判定する。ここでは、 C =0であるので、ステップ S44の判定が YESと
max
なり、ステップ S45では、ステップ S43で計算された Cの値が C 〖こ、 n = 1にセッ
n max max
トされる。
[0017] 次に、ステップ S46では nが + 1インクリメントされる。次に、ステップ S47ではループ 処理により無線基地局と通信中の移動局数の評価関数が順次求められる。つぎに、 ステップ S48では、評価関数が最大となる移動局が選択され、その移動局に対し下り の共有チャネルが割り当てられる。
[0018] Proportional Fairnessスケジューラは、各々の移動局において、下り品質が比 較的良い状況での送信割り当てが行われるため、ラウンドロビンスケジューラと比較し て、高いスループットを得ることが期待できる。
[0019] さらに、各移動局の瞬時の無線状態を各移動局の平均伝送速度で除算することで
、平均伝送速度が高い移動局の評価関数式の値を下げ、時間的な公平性の高い割 り当てを実現することができる。
[0020] また、パケット通信網におけるパケット送信においては、優先度クラスを 2種類設け、 第 1の優先度をもつパケットを第 2の優先度をもつパケットより優先的に伝送すること
が考えられている (例えば、特許文献 1参照)。
[0021] しかし、 Proportional Fairnessスケジューラにおいては、当該移動局が再送デ ータを所有している力否かに応じてパケット割り当て方法を制御することが困難であ る。
[0022] 再送データを所有している力否かに応じてパケット割り当て方法を制御することが できないことにより、再送データにパケットが割り当てられず、上記再送データが下位 レイヤに残留した場合に、上位レイヤ、例えば、 RLCレイヤや TCPレイヤに対する遅 延、あるいは廃棄タイマによる廃棄が生じる。このため、結果として、上位レイヤにお ける誤り率が大きくなる、という問題がある。
[0023] さらに、優先度クラスを 2種類設けてパケットの送信を行うような場合には、上記優先 度クラスと、再送データの有無との両方を考慮したパケットの割り当て方法を制御する 必要があるが、 Proportional Fairnessスケジューラにおいては、上記優先度クラス と、再送データの有無の両方を考慮したパケットの割り当て方法を制御することが困 難である。
[0024] なお、ここで再送データとは、例えば、 HSDPAにおいては、以前に少なくとも一回 は HS— DSCHにマッピングされて、当該移動局に送信され、かつ、当該移動局から 送達確認である Ackを受信しておらず、前回の送信時からの経過時間力 所定の時 間間隔以上であるデータのことをさす。
非特許文献 1 :J. M. Holtzman, IEEE VTC2000 spring
非特許文献 2 : 3GPP TR25.848 v4.0.0
非特許文献 3 : 3GPP2 C.S0024 Rev.1.0.0
特許文献 1:特開平 3— 58646号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0025] し力しながら、上述した背景技術には以下の問題がある。
[0026] 無線基地局における送信待ちのパケットの送信順序を決定するスケジューリングァ ルゴリズムの 1つとして、 Proportional Fairnessスケジューリング法がある。
[0027] しかしながら、 Proportional Fairnessスケジューリングアルゴリズムにおいては、
移動局が再送可能なデータを所有しているか否かに応じてパケットの割り当て方法を 制御することが困難である問題がある。
[0028] また、 Proportional Fairnessスケジューラにおいては、優先度クラスと、再送デ ータの有無の両方を考慮したパケットの割り当て方法を制御することが困難である問 題がある。
[0029] 本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、再送データの 有無およびデータの送信回数のうち、少なくとも一方を考慮して、パケットの割り当て を行うパケット送信制御装置およびパケット送信制御方法を提供することである。 課題を解決するための手段
[0030] 上記課題を解決するため、本発明のパケット送信制御装置は、複数の無線端末に 対するパケットの送信を制御するパケット送信制御装置であって、再送データの有無 およびデータの送信回数のうち、少なくとも一方に応じて、パケットの割り当ての優先 度を決定する優先度決定手段と、前記優先度に基づいて、送信相手となる無線端末 を選択する無線端末選択手段とを備えることを特徴の 1つとする。
[0031] このように構成することにより、再送データの有無およびデータの送信回数のうち、 少なくとも一方に応じて、パケットの送信制御を行うことができる。
[0032] また、本発明のパケット送信制御方法は、複数の無線端末に対するパケットの送信 を制御するパケット送信制御方法であって、各無線端末に関して、再送データの有 無およびデータの送信回数のうち、少なくとも一方を判定するステップと、再送データ の有無に応じて、パケットの割り当ての優先度を決定するステップと、前記優先度に 基づいて、送信相手となる無線端末を選択するステップとを有することを特徴の 1つと する。
[0033] このようにすることにより、再送データの有無およびデータの送信回数のうち、少なく とも一方に応じて、送信相手となる無線端末を選択することができ、パケットの送信制 御を行うことができる。
発明の効果
[0034] 本発明の実施例によれば、再送データの有無およびデータの送信回数のうち、少 なくとも一方に考慮して、パケットの割り当てを行うパケット送信制御装置およびパケ
ット送信制御方法を実現できる。
図面の簡単な説明
[0035] [図 1]スケジューリングアルゴリズムの動作を示すフローチャートである。
[図 2]本発明の一実施例にカゝかる移動通信システムを示す構成図である。
[図 3]本発明の一実施例に力かる無線基地局を示すブロック図である。
[図 4]本発明の一実施例に力かる無線基地局のベースバンド信号処理部を示すプロ ック図である。
[図 5]本発明の一実施例に力かる無線基地局の MAC— hs処理部を示すブロック図 である。
[図 6]HARQ部で行われるストップアンドゥエイトプロトコルの動作の一例を示す説明 図である。
[図 7]本発明の一実施例に力かる MAC— hs処理部でのスケジューリング動作を示す フローチャートである。
[図 8]本発明の一実施例に力かる MAC— hs処理部でのスケジューリング動作を示す フローチャートである。
[図 9]本発明の一実施例に力かる無線基地局の MAC— hs処理部を示すブロック図 である。
[図 10]本発明の一実施例に力かる MAC— hs処理部でのスケジューリング動作を示 すフローチャートである。
符号の説明
[0036] 10、 11、 12 移動局
100 無線基地局
発明を実施するための最良の形態
[0037] 次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照 しつつ説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号 を用い、繰り返しの説明は省略する。
[0038] 本発明の実施例に力かる移動通信システムについて、図 2を参照して説明する。
[0039] 本実施例に力かる移動通信システムは、無線基地局 100と、複数の移動局 10、 11 および 12とを備える。無線基地局 100と、複数の移動局 10、 11および 12は、例えば HSDPA方式により通信を行う。
[0040] HSDPAにおける下りパケット伝送では、下り共有物理チャネル HS— PDSCH(Hig h Speed-Physical Downlink Shared Channel)と、下り共有制御チャネル HS— SCCH( High Speed-Shared Control Channel)と、共有物理チャネルに付随する付随個別チヤ ネル A—DPCH(Associated- Dedicated Physical Channel) # 1、 # 2および # 3 (上り 下りの双方向チャネル)が用いられる。
[0041] 下り共有物理チャネル HS— PDSCHは、各移動局 10、 11および 12で共有して使 用され、トランスポートチャネルでは、 HS— DSCH(High Speed-Downlink Shared Ch annel)と呼ばれる。
[0042] 下り共有制御チャネル HS— SCCHは、各移動局 10、 11および 12で共有して使 用される。
[0043] 付随個別チャネル A— DPCHは、各移動局 10、 11および 12に個別に割り当てら れる。
[0044] また、上りリンクにおいては、さらに、各移動局 10、 11および 12に個別に割り当てら れる HSDPA用の制御チャネル HS— DPCCH(High Speed-Dedicated Physical Con trol Channel)が用いられる。
[0045] 上りリンクでは、付随個別チャネル # 1、 # 2および # 3により、ユーザデータ以外に
、パイロットシンボル、下り付随個別チャネル送信のための電力制御コマンド(TPCコ マンド)が伝送される。
[0046] また、 HSDPA用の制御チャネル HS— DPCCHにより、共有チャネルのスケジユー リングや、 AMCS (適応変調'符号化)に用いるための下り品質情報、すなわち、 Cha nnel Quality Indicator (CQI)、および下りリンクの共有チャネル HS— DSCHの送達 確認情報、すなわち、 Ack/Nack,が伝送される。
[0047] 一方、下りリンクでは、付随個別チャネル # 1、 # 2および # 3により、上り付随個別 チャネルのための送信電力制御コマンドなどが伝送され、上記共有物理チャネルに よりユーザデータが伝送される。
[0048] 各移動局 10、 11および 12は、同一の構成、機能を備える。したがって、以下では、 特段の断りがない限り移動局 n (nは n≥lの整数)として説明する。
[0049] 次に、本発明の第 1の実施例に力かる無線基地局 100について、図 3を参照して説 明する。
[0050] 本実施例に力かる無線基地局 100は、送受信アンテナ 101と、送受信アンテナと 接続されたアンプ部 102と、アンプ部 102と接続された送受信部 103と、送受信部 10 3と接続されたベースバンド信号処理部 104および呼処理部 105と、ベースバンド信 号処理部 104および呼処理部 105と接続された伝送路インターフェース 106とを備 える。
[0051] 下りリンクのパケットデータについては、無線基地局 100の上位に位置する無線制 御装置力も伝送路インターフェース 106を介してベースバンド信号処理部 104に入 力される。ベースバンド処理部 104では、再送制御 (H-ARQ(Hybrid ARQ)の処理や、 スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、拡散処理が行われ、下り リンクのパケットデータは、ベースバンド信号に変換され送受信部 103に入力される。
[0052] 送受信部 103では、ベースバンド信号処理部 104から入力されたベースバンド信 号は、周波数帯に変換する周波数変換処理が施され、アンプ部 102に入力される。 アンプ部 102は、周波数変換処理が行われたベースバンド信号を増幅し、送受信ァ ンテナ 101より送信する。
[0053] 一方、上りリンクのデータについては、送受信アンテナ 101で受信された無線周波 数信号がアンプ部 102で増幅され、送受信部 103で周波数変換されてベースバンド 信号に変換される。このベースバンド信号は、ベースバンド信号処理部 104で逆拡 散や RAKE合成、誤り訂正復号がなされた後、伝送路インターフェース 106を介して 無線制御装置に転送される。
[0054] また、呼処理部 105では、無線制御装置と呼処理制御信号の送受信を行!、、無線 基地局 100の状態管理やリソース割り当てが行われる。
[0055] 次に、ベースバンド信号処理部 104について、図 4を参照して説明する。
[0056] ベースバンド信号処理部 104は、送受信部 103、呼処理部 105および伝送路イン ターフェース 106と接続されたレイヤ 1処理部 111と、レイヤ 1処理部 111と接続され
た MAC— hs (Medium Access Control— HSDPAの略称)処理部 112とを備える。 M AC— hs処理部 112は、伝送路インターフェース 106および呼処理部 105と接続さ れる。
[0057] レイヤ 1処理部 111では、下りデータのチャネル符号化や上りデータのチャネル復 号化、上下の個別チャネルの送信電力制御や、 RAKE合成、拡散'逆拡散処理が 行われる。
[0058] MAC— hs処理部 112では、 HSDPAにおける下り共有チャネルの HARQ(Hybrid
ARQ)や送信待ちパケットに対するスケジューリングが行われる。
[0059] 次に、 MAC—hs処理部 112について、図 5を参照して説明する。
[0060] MAC— hs処理部 112は、伝送路インターフェース 106と接続されたフローコント口 ール部 120と、フローコントロール部 120と接続されたスケジューラ部 140と、スケジュ ーラ部 140と接続された MAC— hsリソース計算部 130、 TFR(Transport Format and Resource)選択部 150、再送データ優先度制御部 160、移動局伝送速度計算部 17 0および評価関数計算部 180とを備える。
[0061] 再送データ優先度制御部 160、移動局伝送速度計算部 170および評価関数計算 部 180は、レイヤ 1処理部 111と接続される。また、評価関数計算部 180は、再送デ ータ優先度制御部 160および移動局伝送速度計算部 170と接続される。また、 MA C - hsリソース計算部 130は、 TFR選択部 150と接続される。
[0062] フローコントロール部 120は、伝送路インターフェース 160と接続されたフローコント ロール機能部 121、 121、 · · ·、 121を備える。
1 2 n
[0063] スケジューラ部 140は、フローコントロール機能部 121、 121、 · · ·、 121とそれぞ
1 2 n れ接続されたプライオリティキュー部 141、 141、 · · ·、 141と、プライオリティキュー
1 2 n
部 141、 141、 · · ·、 141とそれぞれ接続されたリオーダリング部 142、 142、 · · ·
1 2 n 1 2
、 142と、リオーダリング部 142、 142、 · · ·、 142とそれぞれ接続された HARQ部 143、 143、 · · ·、 143とを備える。
1 2 n
[0064] TFR選択部 150は、 HARQ部 143、 143、 · · ·、 143とそれぞれ接続された TF
1 2 n
R select機能部 151、 151、 · · ·、 151を備える。
1 2 n
[0065] MAC— hsリソース計算部 130は、 HS— DSCHパワーリソース計算部 131および
HS— DSCHコードリソース計算部 132を備える。
[0066] フローコントロール部 120では、各フローコントロール機能部 121、 121、 · · ·、 12
1 2
1 において、無線制御装置力も伝送路インターフェース 160を介して受信される信 号の伝送速度を、実装されているバッファの容量等に基づいて調整する。例えば、各 フローコントロール機能部 121、 121、 · · ·、 121は、パケットの流通量を監視し、パ
1 2 n
ケット流通量が増大し、キューバッファのメモリの空きが減少してくると送信パケット送 出量を抑制する処理を行う。
[0067] 例えば、各フローコントロール機能部 121、 121、 · · ·、 121は、キューバッファの
1 2 n
メモリの空きがある閾値となった場合に送信パケット送出量を抑制する処理を行う。
[0068] MAC— hsリソース計算部 130では、 HS— DSCHパワーリソース計算部 131と HS
- DSCHコードリソース計算部 132にお!/、て、 HS— DSCHに割り当てる無線リソー ス (電力リソースや符号リソース、ハードウェアリソースなど)を計算する。
[0069] スケジューラ部 140について説明する。プライオリティキュー部 141、 141、 · · ·、 1
1 2
41は、コネクション毎のキューであり、通常は、 1ユーザに対して 1プライオリティキュ 一部が割り当てられる力 1ユーザが複数のコネクションを持つ場合には、 1ユーザに 複数のプライオリティキュー部が割り当てられる。プライオリティキュー部 141、 141
1 2
、 · · ·、 141 には、下りリンクのデータが入力され、スケジューリングで選択されるまで 蓄積される。
[0070] リオーダリング部 142、 142、 · · ·、 142では、 HARQ部 143、 143、 · · ·、 143
1 2 n 1 2 n における再送制御において、下りの受信順序制御を移動局 nが行えるように、データ に対してシーケンス番号を付与し、移動局 nの受信バッファがあふれな 、ようにウィン ドウ制御を行う。
[0071] HARQ部 143、 143、 · · ·、 143では、 Mプロセスのストップアンドゥエイトプロトコ
1 2 n
ルによって、上り AckZNackフィードバックに基づいた再送制御を行う。
[0072] 次に、 HARQ部 143、 143、 · · ·、 143において行われる動作について図 6を参
1 2 n
照して説明する。
[0073] HARQ部 143、 143、 · · ·、 143では、例えば 6プロセスのストップアンドゥエイト
1 2 n
プロトコルによる処理が行われる。
[0074] ストップアンドゥエイトプロトコル ARQでは、受信側は、送信側からのパケットを受け 取ると送信確認 (AckZNack)を送信側に返す。ここで、移動局においては、バケツ トを受信し、復号を行った後に、受信結果が OK力 NGである力 (すなわち、 Ackか N ackか)を判定するため、一定の処理時間が必要となる。
[0075] 図 6では、受信側は、ノケット # 1を受け取ったとき、正しく受信されな力つたので、 否定応答 (Nack)を送信側に返している。また、パケット # 2については、正しく受信 されたので、肯定応答 (Ack)を送信側に返している。以下、受信側では、受け取った パケットの順に Ackまたは Nackを送信側に返す動作を繰り返す。
[0076] TFR(Transport Format and Resource)選択部 150では、 TFR Select機能部 151
、 151 、 · · ·、 151において、選択されたユーザ(移動局)のデータについて、上り
1 2 n
チャネルで受信する下り品質インジケータである CQI(Channel Quality Indicator)や MAC hsリソース計算部 130で計算された HS— DSCHに割り当てる無線リソース( 電力リソース、符号リソース、ハードリソース)などに基づいて、下りリンクの伝送フォー マット (データサイズ、コード数、変調多値数、符号化率)および送信電力を決定し、 決定された下りリンク伝送チャネルの伝送フォーマットおよび送信電力をレイヤ 1処理 部 111へ通知する。
[0077] 再送データ優先度制御部 160は、移動局 nに関して再送データの有無を判定する 。また、再送データ優先度制御部 160は、上記再送データの有無の判定結果 RETX nを引数にもつ関数 D (RETXn)を作成する。そして、再送データ優先度制御部 160 は、上記 RETXnと、関数 D (RETXn)とを評価関数計算部 180に通知する。
[0078] 例えば、再送データ優先度制御部 160は、再送データが有ることを RETXn= 1とし 、再送データが無いことを RETXn =0として、関数 D (RETXn)を、
D (0) = 1. 0
D (l) = 2. 0
と設定する。このようにすることにより、再送データを所有する移動局へのパケットの 割り当て確率、すなわち、優先度が高くなり、再送データを所有する移動局に優先し てパケットを割り当てることが可能となる。
[0079] また、例えば、再送データ優先度制御部 160は、再送データが有ることを RETXn
= 1とし、再送データが無いことを RETXn=0として、関数 D (RETXn)を、
D (0) = 1. 0
D (l) = 1000. 0
と設定してもよい。このようにすることにより、再送データを所有する移動局へのバケツ トの割り当て確率、すなわち、優先度を極端に高くすることができ、再送データを所有 する移動局に対して極めて大きな優先度でパケットを割り当てることが可能となる。
[0080] すなわち、関数 D (RETXn)を調節することにより、再送データの優先度の高低を 調節することが可能となる。
[0081] なお、関数 D (RETXn)は、プライオリティキュー部 141 、 141 、 · · ·、 141内のデ
1 2 n ータにかかるサービス種別や契約種別、受信器種別、セル種別、プライオリティクラス 種別に基づいて設定される。ここで、受信器種別とは、例えば RAKE受信器、等化 器や受信ダイバーシチ、干渉キャンセラや、その他の UEの Capability (受信可能な 変調方式や受信可能なコード数、ビット数等によってクラス分けされた指標)などであ る。
[0082] また、ここで、再送データとは、以前に少なくとも 1回は HS— DSCHにマッピングさ れて当該移動局に送信されており、かつ、当該移動局から上りリンクの HSDPA用の 制御チャネル HS— DPCCHにおいて、 Ackを受信しておらず、かつ、前回の送信 時からの経過時間力 所定の時間間隔以上であるデータのことをさす。「前回の送信 時からの経過時間力 所定の時間間隔以上である」とは、例えば、図 6において、前 回の送信時力もの経過時間が 6TTI以上である」、ということをさす。
[0083] すなわち、ノケット # 1は、 ΤΠ = 1にお!/、て送信されたため、 TTI = 2〜6では再送 データではないが、 TTI = 7においては、 ΤΤΙ= 1における送信の送達確認が Nack であり、かつ、前回の送信時からの経過時間が 6TTI以上であるため、再送データで ある、と判定される。
[0084] 移動局伝送速度計算部 170では、式(1)に基づき移動局 nの平均伝送速度が計 算される。
[0085] [数 2]
移動局/!の平均伝送速度
ここで、 δは、平均化区間を指定するパラメータ、言い換えれば、平均化のための 忘却係数 (0≤ δ≤1)である。パラメータ δは、プライオリティキュー部 141、 141、 ·
1 2
• ·、 141内のデータにかかるサービス種別や契約種別、受信器種別、セル種別、プ ライオリテイクラス種別に基づいて設定される。ここで、受信器種別とは、 RAKE受信 器、等化器や受信ダイバーシチ、干渉キャンセラや、その他の UEの Capability (受 信可能な変調方式や受信可能なコード数、ビット数等によってクラス分けされた指標 )などである。
[0086] また、式(1)において、 rは瞬時伝送速度を示す。移動局伝送速度計算部 170は、 MAC— hs処理部 112において、送信されたデータの送達確認ができたデータのサ ィズ (例えば、データ量)、送信されたデータのサイズ (例えば、データ量)、および移 動局 nから報告される下り瞬時の無線状態あるいは無線状態力も推定される送信可 能なデータのサイズ (例えば、データ量)の内の 1つを移動局 nにおけるデータ伝送速 度(瞬時のデータ伝送速度)とする。
[0087] 式(1)に基づいて求められた移動局 nに対する平均伝送速度の更新機会の組み合 わせは、例えば、表 1に示すような 5通りが考えられる
[0088] [表 1]
タイプ # の更新機会 rnの計算方法
1 接続時間中の全ての TTI毎 送達確認が出来た Dataのサイス'
2 接続時間中の全ての TTI毎 送信を行った Dataのサイス'
3 接続時間中の全ての TTI毎 Rnと同じ
4 Scheduling係数の計算を行った ΤΠ毎 送達確認が出来た Dataのサイス'
5 Scheduling係数の計算を行った ΤΠ毎 送信を行った Dataのサイス' 移動局の平 伝 ^凍度の ¥新機会の組み合わせ例
ここで、上述したように、移動局 nの平均伝送速度は、広い意味では、移動局 nの広 い意味での無線状態ということが可能である。すなわち、無線状態として、伝送速度 であったり、移動局から報告される Channel Quality Indicator(CQI)であったり、下りリ ンクの SIRであったり、 CQI、 SIRから推定される送信可能なデータサイズであったり する。
[0089] すなわち、送信されたデータの送達確認ができたデータのサイズ (例えば、データ 量)、送信されたデータのサイズ (例えば、データ量)は伝送速度に相当する。また、 移動局 nから報告される下り瞬時の無線状態あるいは無線状態から推定される送信 可能なデータのサイズ (例えば、データ量)は、 CQIおよび SIRのうち少なくとも一方 力も推定される送信可能なデータサイズに相当する。
[0090] なお、移動局 nの平均伝送速度を求めるには、上記方法の他に、例えば、データリ ンク層でのデータの伝送速度を測定する機能を MAC— hs処理部 112に備えるよう にする。この場合、 MAC— hs処理部 112は、移動局 nがデータ通信状態に入った後 、 MAC— hs処理部 112に流入したデータ量を一定時間毎に測定する。そして、 MA C hs処理部 112は、その測定された一定時間毎のデータ量を移動局 nにおけるデ ータ伝送速度(平均のデータ伝送速度)とするようにしてもよ!、。
[0091] 評価関数計算部 180では、スケジューラ部 140でのスケジューリングの際に用いら れる移動局毎の評価関数が計算される。スケジューラ部 140では、評価関数計算部 180で計算された移動局毎の評価関数値のうち、最大の評価関数値を持つ移動局 n
を選択し、その移動局 nに対し下りリンクの共有チャネルを割り当てる(下りリンクの送 信割り当てを行う)。
[0092] また、図 4を参照して説明したレイヤ 1処理部 111では、各移動局からの上り HSDP A用の個別物理チャネルに載せられて報告される下り無線状態を示す情報を受け取 り、 MAC— hs処理部 112の評価関数計算部 180に入力する。ここで、無線状態を 示す情報とは、例えば、瞬時受信 SIR(SignaH:o- Interference^ BLER(Bit Error Rat e)ゝ CQKChannel Quality Indicator)などである。
[0093] 次に、本実施例に力かるスケジューリング動作について図 7を参照して説明する。
[0094] 図 7において、 MAC— hs処理部 112の評価関数計算部 180は、移動局 nの評価 関数を計算するための初期値設定を行う (ステップ S702)。
[0095] 例えば、初期値として、 n= l、 C =0および n =0を設定する。
max max
[0096] ここで、 nは移動局の添え字を表し、 C は、評価関数の最大値を表し、 n は、評
max max 価関数が最大となる移動局の添え字を表す。
[0097] 次に、評価関数 Cの計算に用いる情報の取得が行われる。
[0098] 具体的に説明する。
[0099] 評価関数計算部 180は、レイヤ 1処理部 111から入力された移動局 nの下りリンクの 瞬時の無線状態および無線状態から推定される送信可能なデータのサイズ (例えば 、データ量)の一方を取得する (ステップ S704)。ここで、「無線状態から推定される 送信可能なデータのサイズ」とは、下りの品質を示す CQIあるいは下り伝送チャネル の瞬時 SIRと、 MAC hsリソース計算部 130にお!/、て計算された HS— DSCHに割 り当てられる無線リソースに基づいて、所定の誤り率で送信可能と推定されるデータ のサイズのことである。
[0100] また、評価関数計算部 180は、移動局伝送速度計算部 170から入力された移動局 nの平均伝送速度の取得を行う(ステップ S706)。
[0101] また、評価関数計算部 180は、再送データ優先度制御部 160から入力された移動 局 nの再送データの有無の判定結果 RETXnと、上記 RETXnを引数にもつ関数 D (
RETXn)の取得を行う(ステップ S708)。
[0102] 次に、評価関数計算部 180は、上述した情報が全て取得されたかどうかを判定する
(ステップ S 710)。
[0103] 全ての情報が取得されたと判定されたとき (ステップ S710 :YES)、評価関数計算 部 180は、呼処理部 105を介して遠隔力も指定される指数パラメータ 、 j8 )を取得 する(ステップ S 712)。
[0104] 一方、取得されていない情報があると判定されたとき (ステップ S710 :NO)、評価 関数計算部 180は、ステップ S704、ステップ S706およびステップ S708のうち少なく とも 1つに戻り、未取得情報の取得を行う。
[0105] 次に、評価関数計算部 180は、式 (2)にしたがって、評価関数 (C )の計算を行う( ステップ S714)。
[0106] [数 3]
Cn = D{RETXn) …
Rn:移動局 nの下りリンクの瞬時の無線状態 移動局/]の平均伝送速度
ここでは、ステップ S714において、 Proportional Fairnessの評価関数に、再送 データの優先度を制御する関数 D (RETXn)を加える場合にっ 、て説明する。
[0107] すなわち、当該移動局 nが再送データを所有する場合には、 D (RETXn)の値が大 きくなり、一方で、当該移動局 nが再送データを所有しない場合には、 D (RETXn)の 値が小さくなる。このため、再送データの有無に基づいて適応的にパケット割り当て 方法を制御することが可能となる。結果として、再送データに対して優先的にパケット を割り当てることが可能となり、再送データが送信されずに残留し、上位レイヤ、すな わち、 RLCレイヤ、 TCPレイヤにおける誤りが発生することを防ぐことが可能となる。
[0108] ここで、上記再送データの優先度を制御する関数 D (RETXn)は、遠隔、例えば、 無線基地局 100の上位ノード、例えば無線制御装置やコアネットワーク上のサーバ などから指定される。例えば、呼処理制御信号に含められて上位ノードから無線基地 局 100へと通知される。
[0109] 無線基地局 100は、上記呼処理制御信号に含まれる再送データの優先度を制御
する関数 D (RETXn)を、呼処理部 105で受け取り、ベースバンド信号処理部 104内 の MAC— hs処理部 112の再送データ優先度制御部 160に転送する。
[0110] また、無線基地局 100は、再送データの優先度を制御する関数 D (RETXn)を無 線基地局 100の局データとして保持し、ベースバンド信号処理部 104内の MAC— h s処理部 112の再送データ優先度制御部 160は、局データ内に保持された再送デー タの優先度を制御する関数 D (RETXn)を参照するようにしてもよ!、。
[0111] また、遠隔から指定される無線パラメータ aおよび j8の値は変更可能である。これ ら aおよび j8の値を適切に設定することにより、いわゆる典型的な Proportional Fa irnessスケジューラ(α = 1、 j8 = l)と、 MAX CZlスケジューラ( α = 1、 j8〜0 (伹 し、 /3≠0) )の中間のスケジューラを提供することが可能となる。
[0112] また、本実施例において、評価関数はこの式に限定されることはなぐ変更可能で ある。例えば、評価関数 Cの式の一部が式(3)であるスケジューラの場合に適用する ことも可能である
[0113] [数 4]
Rn a
n …③
例えば、評価関数の式が、式 (4)であるスケジューラの場合 (但し、 α、 β、 γは 0〜 1のパラメータ係数であり、 Wは移動局 ηに関する、無線基地局におけるパケットの滞 留時間を表す)にも、再送データの優先度を制御する関数 D (RETXn)を加え、評価 関数の式を、式(5)としてもよい。
[0114] [数 5]
n p a "
[0115] [数 6]
C„= D(RETXn) - W . . . (5)
すなわち、再送データの有無の判定結果を示す RETXnを引数に持つ関数を評価 関数に加えた関数を評価関数として使用することができる。
[0116] ステップ S714において、評価関数 Cが計算されると、その計算された評価関数 C が最大値であるか否かの判定、すなわち C >C であるか否かの判定が行われる(ス
n max
テツプ S 716)。
[0117] 評価関数 Cが最大値である場合 (ステップ S716 :YES)、C =C、 n =nに設
n max n max
定される(ステップ S718)。ここでは、 C =0 (初期値)に設定されているので、 C >
max n
C となり、ステップ S714で計算された評価関数 Cが C に設定され、その C が max n max max 与える移動局 nが移動局 n として設定される。
max
[0118] 評価関数 Cが最大値でない場合 (ステップ S716: NO)、およびステップ S718に おける処理が行われた後、次の移動局の評価関数を計算するために移動局 nが + 1 インクリメントされる (ステップ S 720)。
[0119] 次に、移動局 nが無線基地局と通信中の移動局数 (N)を超える力否かが判断され る(ステップ S 722)。
[0120] 移動局 nが無線基地局と通信中の移動局数 (N)を超えると判断されない場合 (ステ ップ S722 :NO)、ステップ S704以降のループ処理が移動局数 (N)を超えると判断 されるまで繰り返し行われる。すなわち、無線基地局と通信中の移動局全ての評価 関数 Cが計算される。
[0121] 一方、移動局 nが無線基地局と通信中の移動局数 (N)を超えると判断された場合( ステップ S722 : YES)、ステップ S718で設定された移動局 n に対して下りリンクの
max
共有チャネル (HS-DSCH)の割り当てを行うようにスケジューラ部 140に指示する(ス テツプ S724)。
[0122] 以上説明したような本実施例によれば、再送データを所有する移動局に対して優 先的にパケットを割り当てることが可能となり、結果として、再送データの残留を防ぐこ とが可能となり、上位レイヤにおける誤りを低減することが可能となる。
[0123] また、上記例においては、 1ユーザが 1個のプライオリティキューを持つ場合につい て説明したが、 1ユーザが複数プライオリティキュー、例えば K個を持つことも可能で ある。その場合、 N個のプライオリティキューの代わりに、 N X K個のプライオリティキ ユーに対して上記スケジューリングが行われる。
[0124] なお、 MAC— hs処理部 112の再送データ優先度制御部 160および評価関数計 算部 180は、例えば、 CPUやデジタルシグナルプロセッサ (DSP)、あるいは FPGAな どのプログラムの書き換えが可能なプログラマブルデバイスで構成され、所定のメモリ 領域に上述した評価関数のプログラムが記憶され、ノ ラメータ( αヽ β、 δヽ D (RET Xn) )をダウンロードして書き換える構成がとられる。この場合、パラメータ ( a、 β、 δ 、 D (RETXn) )を無線基地局 100の上位ノード力もダウンロードするようにしてもよ!ヽ し、再送データ優先度制御部 160および評価関数計算部 180に端末 IZF (外部イン ターフェース機能)を設け、端末力らパラメータ 、 S、D (RETXn) )を直接読 み込ませる構成としてもよ!/ヽ。
[0125] また、 MAC— hs処理部 112の各機能ブロックは、ハードウェアで分割される場合も あるし、プロセッサ上のプログラムでソフトウェアとして分割されている場合もありうる。
[0126] また、本実施例においては、 3GPPにおける高速パケット伝送方式 HSDPAに関し て記述したが、 HSDPAに限定されるものではなぐその他の移動通信システムにお ける下りパケットの送信制御 (スケジューリング)を行う高速パケット伝送方式に適用す ることが可能である。例えば、 3GPP2における cdma2000 lxEV— DOや、 3GPP における TDD方式や Long Term Evolution(Super 3G)における高速パケット伝送方 式など、がその他の高速パケット伝送方式としてあげられる。
[0127] また、本実施例において、再送データ優先度制御部 160の機能、移動局伝送速度 計算部 170の機能、レイヤ 1処理部 111の機能が状態把握手段に、評価関数計算 部 180の機能が無線端末選択手段に対応する。
[0128] また、本実施例において、無線基地局 100は、パケット送信制御装置に対応し、移
動局 10、 11および 12は無線端末に対応する。
[0129] 次に、本発明の第 2の実施例について、図 8を参照して説明する。
[0130] パケット通信網におけるパケット送信においては、優先度クラスを 2種類設け、第 1 の優先度をもつパケットを第 2の優先度をもつパケットより優先的に伝送することが考 えられている (例えば、特許文献 1参照)。
[0131] 本実施例に力かる無線基地局は、第 1の実施例に力かる無線基地局と比較して、
MAC hs処理部 112でのスケジューリング動作が異なる。
[0132] 本実施例では、優先度クラスを複数定義し、優先度に応じてパケットのスケジユーリ ングが行われる。
[0133] MAC— hs処理部 112の評価関数計算部 180は、前述したプライオリティキュー部 141 、 141 、 · · ·、 141をいくつかの優先度クラスに分類し、予め定義する (ステップ
1 2 n
S802)。
[0134] 次に、移動局 nの評価関数 Cnを計算するための初期値設定を行う(ステップ S804 )。例えば、初期値として、 n= l、 C =0および n =0を設定する。
max max
[0135] 次に、第 1の実施例と同様に、評価関数 Cの計算に用いる情報の取得が行われる [0136] 具体的に説明する。
[0137] 評価関数計算部 180は、レイヤ 1処理部 111から入力された移動局 nの下りリンクの 瞬時の無線状態および無線状態から推定される送信可能なデータのサイズ (例えば
、データ量)の一方を取得する(ステップ S806)。
[0138] また、評価関数計算部 180は、移動局伝送速度計算部 170から入力された移動局 nの平均伝送速度の取得を行う(ステップ S808)。
[0139] また、評価関数計算部 180は、再送データ優先度制御部 160から入力された移動 局 nの再送データの有無の判定結果 RETXnと、上記 RETXnを引数にもつ関数 D (
RETXn)の取得を行う(ステップ S810)。
[0140] 次に、評価関数計算部 180は、上述した情報が全て取得されたかどうかを判定する
(ステップ S812)。
[0141] 全ての情報が取得されたと判定された場合 (ステップ S812 : YES)、評価関数計算
部 180は、呼処理部 105を介して遠隔力も指定される指数パラメータ( 、 13 と 優先度毎に与える重み係数 Aを受け取り、設定する (ステップ S814)。但し、 iは移動 局の優先度レベルの添え字である。
[0142] 一方、取得されていない情報があると判定されたとき (ステップ S812 :NO)、評価 関数計算部 180は、ステップ S806,ステップ S808およびステップ S810のうち少なく とも 1つに戻り、未取得情報の取得を行う。
[0143] 次に、評価関数計算部 180は、式 (6)にしたがって、評価関数 (C )の計算を行う( ステップ S816)。ここで、 PCは、移動局 nの優先度クラスを示す。
[0144] [数 7]
Cn = APCn . . . (6)
:移動局 の下りリンクの瞬時の無線状態 :移動局/!の平均伝送速度
式 (6)において、例えば、優先度クラスを 2つ設け、優先度の高いクラスを i (PC ) = 1、優先度の低いクラスを i (PC ) = 2とした場合、 A >Aとなるように設定し、優先度 n 1 2
の高いクラスの移動局のパケットを優先的に送信するようにする。すなわち、 Aと Aと
1 2 の差を十分に大きくとることで、優先度の高いデータが必ず優先して送信されるように なる。さらに、再送データが有るという判定結果を RETXn= lとし、再送データが無 いという判定結果を RETX=0とした場合に、 D (RETXn= l) = 1000. 0、 D (RE TXn=0) = 1. 0、 D (RETXn= l) = 2. 0、 D (RETXn=0) = 1. 0と設定する。こ
2 2
のようにすることにより、優先度の高 、クラスにぉ 、ては再送データの優先度を極め て大きく設定し、優先度の低いクラスにおいては、再送データの優先度を少し大きく 設定することが可能となる。すなわち、優先度毎に与える重み係数 Aと、再送データ の優先度を設定する D (RETXn)を組み合わせることにより、優先度クラスと、再送
PCn
データの有無の両方に応じて、きめ細やかにパケット割り当て頻度を制御することが 可能なパケット割り当て方法を提供することが可能となる。
[0145] また、指数パラメータ , β ) = (1, 1) , ( α , β ) = (1, 0)と設定することにより
1 1 2 2
、優先度の高いデータは Proportional Fairnessスケジューラとして、優先度の低 V、データは MAX CZlスケジューラとして動作させることができる。
[0146] ステップ S816において、評価関数 Cが計算されると、その計算された評価関数 C が最大値であるか否かの判定、すなわち C >C であるか否かの判定が行われる(ス n max
テツプ S818)。
[0147] 評価関数 Cが最大値である場合 (ステップ S818 :YES)、C =C 、 n =nに設 n max n max 定される(ステップ S820)。ここでは、 C =0 (初期値)に設定されているので、 C > max n
C となり、ステップ S816で計算された評価関数 Cが C に設定され、その C が max n max max 与える移動局 nが移動局 n として設定される。
max
[0148] 評価関数 Cが最大値でない場合 (ステップ S818: NO)、およびステップ S820に おける処理が行われた後、次の移動局の評価関数を計算するために移動局 nが + 1 インクリメントされる(ステップ S822)。
[0149] 次に、移動局 nが無線基地局と通信中の移動局数 (N)を超える力否かが判断され る(ステップ S 824)。
[0150] 移動局 nが無線基地局と通信中の移動局数 (N)を超えると判断されない場合 (ステ ップ S824 :NO)、ステップ S806以降のループ処理が移動局数(N)を超えると判断 されるまで繰り返し行われる。すなわち、無線基地局と通信中の移動局全ての評価 関数 Cが計算される。
[0151] 一方、移動局 nが無線基地局と通信中の移動局数 (N)を超えると判断された場合( ステップ S824 : YES)、ステップ S816で設定された移動局 n に対して下りの共有 max
チャネル (HS-DSCH)の割り当てを行うようにスケジューラ部 140に指示する(ステツ プ S826)。
[0152] 以上、説明したように本実施例によれば、優先度クラスに応じた係数 Aや指数 α 、
δの制御を行うだけでなぐ各移動局の再送データの有無に応じてスケジユーリ ングを行うことが可能となり、優先度クラスと移動局の再送データの有無に応じた適切 なスケジューラを実現することができる。
[0153] また、本実施例において、評価関数はこの式に限定されることはなぐ変更可能で
ある。
[0154] すなわち、再送データの有無の判定結果を示す RETXnを引数に持つ関数を評価 関数に加えた関数を評価関数として使用することができる。
[0155] また、本実施例では、 3GPPにおける高速パケット伝送方式 HSDPAに関して説明 したが、 HSDPAに限定されるものではなぐその他の、移動通信システムにおける 下りパケットの送信制御 (スケジューリング)を行う高速パケット伝送方式に適用するこ とが可能である。例えば、 3GPP2における cdma2000 lxEV— DOや、 3GPPにお ける TDD方式、 Long Term Evolution(Super 3G)における高速パケット伝送方式 など、がその他の高速パケット伝送方式としてあげられる。
[0156] 本実施例において、再送データ優先度制御部 160が再送データ優先度制御手段 に、移動局伝送速度計算部 170およびレイヤ 1処理部 111の機能が状態把握手段 に、評価関数計算部 180の機能が、評価関数算出手段、クラス設定手段、優先度ク ラス設定手段、無線端末選択手段に対応する。さらに、評価関数計算手段 180の外 部インターフェース機能が外部設定手段に対応する。
[0157] また、本実施例において、無線基地局 100は、パケット送信制御装置に対応し、移 動局 10、 11および 12は無線端末に対応する。
[0158] 次に、本発明の第 3の実施例について、図 9および図 10を参照して説明する。
[0159] 上述した実施例においては、 Proportional Fairnessにおける評価関数 Cに、当 該移動局の再送データの有無の判定結果 RETXnを引数に持つ関数 D (RETXn) を追加し、再送データの有無に応じて、パケットの割り当て頻度を制御する場合につ いて、説明した。
[0160] 本実施例に力かる無線基地局においては、 Proportional Fairnessにおける評 価関数 Cnに、再送データの有無の判定結果 RETXnを引数に持つ関数 D (RETXn )を追加するのではなぐデータの送信回数を引数に持つ関数 E (Num_TXn)を追 加することにより、データの送信回数に応じて、パケットの割り当て頻度を制御するこ とが可能となる。
[0161] 本実施例に力かる無線基地局は、図 9に示すように、図 5を参照して説明した無線 基地局と、再送データ優先度制御部 160の代わりに送信回数優先度制御部 190を
備える点が異なる。
[0162] 以下、送信回数優先度制御部 190について説明する
送信回数優先度制御部 190は、移動局 nに関して送信可能なデータのうちで、送 信回数の最も大きなデータの送信回数を Num—TXnとして、評価関数計算部 180 に通知する。
[0163] ここで、初回送信の場合には、 1回目の送信、という意味で、 Num— TXn= 1とする 。例えば、 4回目の送信(3回目の再送)の場合には、 Num— ΤΧη=4とする。また、 送信回数を引数に持つ関数 E (Num_TXn)を作成し、関数 E (Num_TXn)を評 価関数計算部 180に通知する。
[0164] 例えば、送信回数優先度制御部 190は、関数 E (Num_TXn)を、 E (1) = 1. 0、 E (2) = 2. 0、 E (3) =4. 0、 E (4) = 7. 0、と設定する。この場合、送信回数が大きく なればなるほど、優先度が高くなり、送信回数が大きいデータを所有する移動局に優 先してパケットを割り当てることが可能となる。
[0165] すなわち、関数 E (Num—TXn)を用いることにより、送信回数毎に優先度を制御 することが可能となる。
[0166] なお、関数 E (Num TXn)は、プライオリティキュー部 141、 141、 . . .、 141内
― 1 2 η のデータにかかるサービス種別や契約種別、受信器種別、セル種別、プライオリティ クラス種別に基づいて設定される。ここで、受信器種別とは、 RAKE受信器、等化器 や受信ダイバーシチ、干歩キャンセラや、その他の UEの Capability (受信可能な変 調方式や受信可能なコード数、ビット数などによってクラス分けされた指標)などであ る。
[0167] 次に、本実施例に力かるスケジューリング動作について、図 10を参照して説明する
[0168] MAC— hs処理部 112の評価関数計算部 180は、移動局 nの評価関数を計算する ための初期値設定を行う(ステップ S1002)。例えば、初期値として、 n= 1、 C =0 max および n =0を設定する。ここで、 nは移動局の添え字を表し、 C は評価関数の max max 最大値を表し、 n は評価関数が最大となる移動局の添え字を表す。
max
[0169] 次に、評価関数 Cの計算に用いる情報の取得が行われる。
[0170] 具体的に説明する。
[0171] 評価関数計算部 180は、レイヤ 1処理部 111から出力される移動局 nの下りリンクの 瞬時の無線状態および無線状態から推定される送信可能なデータのサイズ (例えば 、データ量)の一方を取得する (ステップ S 1004)。ここで、「無線状態から推定される 送信可能なデータのサイズ」とは、下りの品質を示す CQIあるいは下り伝送チャネル の瞬時 SIRと、 MAC hsリソース計算部 130にお!/、て計算された HS— DSCHに割 り当てられる無線リソースに基づいて、所定の誤り率で送信可能と推定されるデータ のサイズのことである。
[0172] また、評価関数計算部 180は、移動局伝送速度計算部 170から出力される移動局 nの平均伝送速度の取得を行う(ステップ S1006)。
[0173] また、評価関数計算部 180は、送信回数優先度制御部 190から入力される、移動 局 nの送信可能なデータのうち、送信回数の最も大きなデータの送信回数 Num—T
Xnおよび、上記送信回数 Num— TXnを引数に持つ関数 E (Num_TXn)の取得を 行う(ステップ S 1008)。
[0174] 次に、評価関数計算部 180は、上述した情報が全て取得されたかどうかを判定する
(ステップ S 1010)。
[0175] 全ての情報が取得されたと判定されたとき (ステップ S1010 :YES)、評価関数計算 部 180は、呼処理部 105を介して遠隔力も指定される指数パラメータ 、 j8 )を取得 する(ステップ S 1012)。
[0176] 一方、取得されていない情報があると判定されたとき (ステップ S1010 :NO)、評価 関数計算部 180は、ステップ S1004、ステップ S 1006およびステップ S 1008のうち 少なくとも 1つに戻り、未取得情報の取得を行う。
[0177] 次に、評価関数計算部 180は、式 (7)にしたがって、評価関数 (C )の計算を行う( ステップ S1014)。
移動局 nの下りリンクの瞬時の無線状態 移動局/!の平均伝送速度
ここでは、ステップ S1014において、 Proportional Fairnessの評価関数に、デ ータの送信回数毎に優先度を制御する関数 E (Num_TXn)をカ卩える場合につ!、て 説明する- すなわち、当該移動局 nの送信可能なデータの送信回数に応じて、 E (Num— TX n)が、評価関数 Cに寄与するため、送信回数に基づいて適応的にパケット割り当て 方法を制御することが可能となる。結果として、例えば、送信回数を大きい場合に E ( Num_TXn)の値を大きくした場合に、送信回数の大きいデータに対して優先的に パケットを割り当てることが可能となり、送信回数の大きいデータが送信されずに残留 し、上位レイヤ、すなわち、 RLCレイヤ、 TCPレイヤにおける誤りが発生することを防 ぐことが可能となる。
[0179] 尚、ステップ S1016以下の処理に関しては、上述した実施例において説明した処 理と同様であるため、その説明を省略する。
[0180] また、本実施例において、評価関数はこの式に限定されることはなぐ変更可能で ある。
[0181] すなわち、送信可能なデータのうち、送信回数の最も大きなデータの送信回数 Nu m—TXnを引数に持つ関数を評価関数に加えた関数を、評価関数として使用するこ とがでさる。
[0182] また、本実施例においては、 3GPPにおける高速パケット伝送方式 HSDPAに関し て記述したが、 HSDPAに限定されるものではなぐその他の移動通信システムにお ける下りパケットの送信制御 (スケジューリング)を行う高速パケット伝送方式に適用す ることが可能である。例えば、 3GPP2における cdma2000 lxEV— DOや、 3GPP における TDD方式や Long Term Evolution(Super 3G)における高速パケット伝送方
式など、がその他の高速パケット伝送方式としてあげられる。
[0183] 以上、説明したように、本発明の実施例によれば、再送データの有無またはデータ の送信回数に応じて、当該移動局に対するパケット割り当て確率を制御することが可 能となり、再送データが下位レイヤにおいて残留する確率を低減することが可能とな る。結果として、上位レイヤ、例えば、 RLCレイヤや TCPレイヤにおける誤り率を低減 することが可能となり、上位レイヤにおける品質を高くすることが可能となる。
[0184] また、本発明の実施例においては、再送データの有無に応じて優先度を決定する 場合と、データの送信回数に応じて優先度を決定する場合について説明したが、 再送データの有無およびデータの送信回数に応じて優先度を決定するようにしても よい。
[0185] さらに、上記本発明の第 2の実施例において、優先度クラスと再送データの有無と に応じて優先度を決定したのと同様に、優先度クラスとデータ送信回数とに応じて優 先度を決定するようにしてもょ 、。
[0186] 本国際出願は、 2005年 4月 15日に出願した日本国特許出願 2005— 119015号 に基づく優先権を主張するものであり、 2005- 119015号の全内容を本国際出願 に援用する。
産業上の利用可能性
[0187] 本発明に力かるパケット送信制御装置およびパケット送信制御方法は、移動通信 システムに適用できる。