WO2006100727A1

WO2006100727A1 - 映像装置における映像信号と音声信号との同期制御方法および装置

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Publication number: WO2006100727A1
Application number: PCT/JP2005/004987
Authority: WO
Inventors: Haruyasu Nishiyama
Original assignee: Fujitsu Limited; Fujitsu Peripherals Limited
Priority date: 2005-03-18
Filing date: 2005-03-18
Publication date: 2006-09-28
Also published as: KR20070116807A; CN101142817A; JPWO2006100727A1; US20080049139A1; KR100875592B1; CN101142817B

Abstract

　映像信号および音声信号のいずれについても何らかの信号処理が行われる場合に、それによる信号の遅延を補正して同期をとることを目的とする。入力される映像信号および音声信号に対して信号処理を加える映像信号処理部１２，１６、入力される映像信号または音声信号についての信号状態を記憶する入力信号検出部ＮＳ、映像信号処理部１２，１６で信号処理された映像信号または音声信号についての信号状態を記憶する出力信号検出部ＳＳ、入力信号検出部ＮＳに記憶された映像信号および音声信号と出力信号検出部ＳＳに記憶されたそれらとを比較してそれぞれの遅延時間ｎ，ｋを求める映像遅延検出部２５および音声遅延検出部２６、遅延時間ｎ，ｋの差に基づいて映像信号または音声信号に対する遅延補正量ＨＲＶ，ＨＲＡを求める遅延補正量検出部２７、求めた遅延補正量によって、出力すべき映像信号または音声信号を遅延補正する遅延補正部１３，１７、映像を出力する映像出力部１４、音声を出力する音声出力部１８を有する。

Description

映像装置における映像信号と音声信号との同期制御方法および装置技術分野

[0001] 本発明は、テレビジョン、 DVD再生装置、 AV装置、またはそれらのためのディスプレイ装置などの映像装置における映像信号と音声信号との同期制御方法および装置に関する。

背景技術

[0002] 近年にぉ、て、テレビジョンや AV機器などにぉ、て、映像信号および音声信号にデジタル処理を施した後、映像を表示し音声を出力することが多くなつてきた。デジタル処理にお、て、映像信号につ、てはインタレースのプログレッシブへの変換が行われたり、各種の画質向上のための処理が行われ、その処理のためにフレームメモリなどを使うことも多い。このような場合に、映像が出力されるまでに数フレームの時間遅れが発生するので、映像と音声とに時間差が生じ、ユーザ (視聴者）にとつて違和感があった。

[0003] これに対して、データ処理の種類ごとに、映像に対する音声の遅延量をデータべ一スとして記憶しておき、データ処理の種類に応じてデータベース力遅延量を読み出して補正を行うことが提案されて、る（特許文献 1)。

[0004] また、テレビジョンのデジタル放送に対応してセットトップボックスを用いた場合に、音声信号が外部機器でデコードにかかる時間だけ遅延することが指摘され、その対策が提案されている（特許文献 2)。特許文献 2によると、セットトップボックスから出力される音声信号に対する、セットトップボックスから出力されるストリーム出力を外部機器でデコードした音声信号の遅延量を測定する。測定した遅延量の分だけ映像信号を遅延させることによりリップシンクを合わせる。

特許文献 1：特開 2002—290932

特許文献 2：特開 2003— 46901

発明の開示

発明が解決しょうとする課題 [0005] しかし、上に述べた特許文献 1による場合には、データベースに予め記憶させたデータ処理の種類以外のデータ処理を行う場合には対応することができない。また、特許文献 2の装置は、セットトップボックスから出力される音声信号およびストリーム出力を外部機器でデコードする場合に有効である力そのようなストリーム出力を受けてデコードすることのない映像装置には適用できない。

[0006] つまり、特許文献 1および 2では、映像信号および音声信号の!/ヽずれにつ!、ても何らかの信号処理が行われる場合に、それによる信号の遅延をどのように補正して同期をとるかという問題がある。

[0007] 本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、映像信号および音声信号のいずれにつ、ても何らかの信号処理が行われる場合に、それによる信号の遅延を補正して同期をとるための同期制御方法および装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008] 本発明に係る方法は、入力される映像信号に対して信号処理を加える映像信号処理部および信号処理された映像を出力する映像出力部、並びに入力される音声信号に対して信号処理を加える音声信号処理部および信号処理された音声を出力する音声出力部を有する映像装置における映像信号と音声信号との同期制御方法であって、入力された前記映像信号および前記音声信号について、信号状態をそれぞれ入力映像記憶部および入力音声記憶部に記憶し、前記映像信号処理部で信号処理された映像信号および前記音声信号処理部で信号処理された音声信号について、信号状態をそれぞれ出力映像記憶部および出力音声記憶部に記憶し、前記入力映像記憶部に記憶された映像信号と前記出力映像記憶部に記憶された映像信号とを比較して映像信号の遅延時間を求め、前記入力音声記憶部に記憶された音声信号と前記出力音声記憶部に記憶された音声信号とを比較して音声信号の遅延時間を求め、求めた映像信号の遅延時間と音声信号の遅延時間との差に基づいて映像信号または音声信号に対する遅延補正量を求め、求めた遅延補正量によって、出力すべき映像信号または音声信号を遅延補正する。

[0009] 本発明に係る装置は、入力される前記映像信号につ!ヽての信号状態を記憶する入力映像記憶部と、入力される前記音声信号についての信号状態を記憶する入力音声記憶部と、前記映像信号処理部で信号処理された映像信号につ!ヽての信号状態を記憶する出力映像記憶部と、前記音声信号処理部で信号処理された音声信号についての信号状態を記憶する出力音声記憶部と、前記入力映像記憶部に記憶された映像信号と前記出力映像記憶部に記憶された映像信号とを比較して映像信号の遅延時間を求める映像遅延時間検出部と、前記入力音声記憶部に記憶された音声信号と前記出力音声記憶部に記憶された音声信号とを比較して音声信号の遅延時間を求める音声遅延時間検出部と、求めた映像信号の遅延時間と音声信号の遅延時間との差に基づいて映像信号または音声信号に対する遅延補正量を求める遅延補正量検出部と、求めた遅延補正量によって、出力すべき映像信号または音声信号を遅延補正する遅延補正部とを有する。

[0010] 好ましくは、前記映像遅延時間検出部は、前記入力映像記憶部に記憶された映像信号の変化量および前記出力映像記憶部に記憶された映像信号の変化量を求め、それら変化量の相関が最も大きい位置力映像信号の遅延時間を求め、前記音声遅延時間検出部は、前記入力音声記憶部に記憶された音声信号の変化量および前記出力音声記憶部に記憶された音声信号の変化量を求め、それら変化量の相関が最も大き!/、位置から音声信号の遅延時間を求める。

[0011] また、前記入力映像記憶部および前記出力映像記憶部は、前記映像信号についての信号状態として、輝度信号を一定の周期でサンプリングして記憶する。また、各フレームの周波数成分、または所定時間ごとの周波数成分を記憶する。また、輝度信号の変化分を一定の周期でサンプリングして記憶する。

[0012] また、前記入力音声記憶部および前記出力音声記憶部は、前記音声信号についての信号状態として、音声信号の変化分を一定の周期でサンプリングして記憶する。発明の効果

[0013] 本発明によると、映像信号および音声信号のいずれについても何らかの信号処理が行われる場合に、それによる信号の遅延を補正して同期をとることができる。

図面の簡単な説明

[0014] [図 1]本発明の実施形態に係るディスプレイ装置の構成を示すブロック図である。

[図 2]映像信号についての処理および制御を行う部分の機能を示すブロック図である [図 3]音声信号についての処理および制御を行う部分の機能を示すブロック図である圆 4]入力側の信号状態と出力側の信号状態との関係の例を示す図である。

[図 5]図 4に示す信号状態についての相関関係を示す図である。

[図 6]同期制御方法を示すフローチャートである。

発明を実施するための最良の形態

[0015] 図 1は本発明の実施形態に係るディスプレイ装置 1の構成を示すブロック図である。

[0016] 図 1において、ディスプレイ装置 1は、入力部 11、映像信号処理部 12、遅延補正部 13、映像出力部 14、表示パネル 15、音声信号処理部 16、遅延補正部 17、音声出力部 18、スピーカ 19、映像記憶部 21、音声記憶部 22、映像記憶部 23、音声記憶部 24、映像遅延検出部 25、音声遅延検出部 26、および遅延補正量検出部 27などからなる。

[0017] 入力部 11は、外部機器から映像信号 SV1および音声信号 SA1を入力する。入力される映像信号および音声信号はいずれも時間の関数である。外部機器として、例えば、各種テレビチューナー、 DVD装置、ビデオテープ再生装置、パーソナルコンピュータなどが接続される。

[0018] 映像信号処理部 12は、入力される映像信号 SV1に対して信号処理を加え、映像信号 SV2を出力する。ここでの信号処理には、例えば、画質補正処理、色補正処理

、プログレッシブ変換処理、その他の処理などがある。

[0019] 遅延補正部 13は、遅延補正量検出部 27から出力される遅延補正量 HRVに応じて映像信号 SV2を遅延補正し、映像信号 SV3を出力する。

[0020] 映像出力部 14は、信号処理された映像を出力する。映像出力部 14は、例えば、液晶パネルや PDPパネルなどの表示パネル 15のための駆動回路である。また、映像出力部 14を映像信号を外部に出力するために用いてもょ、。

[0021] 音声信号処理部 16は、入力される音声信号 SA1に対して信号処理を加え、音声信号 SA2を出力する。ここでの信号処理には、例えば、音質補正処理、サラウンド処理、その他の処理などがある。 [0022] 遅延補正部 17は、遅延補正量検出部 27から出力される遅延補正量 HRAに応じて音声信号 SA2を遅延補正し、音声信号 SA3を出力する。

[0023] 音声出力部 18は、信号処理された音声を出力する。音声出力部 18は、例えば、スピー力 19のための電力増幅回路である。また、音声出力部 18を音声信号を外部に出力するために用いてもょ、。

[0024] 映像記憶部 21は、入力される映像信号 SV1についての信号状態 f (t)を記憶する

[0025] 音声記憶部 22は、入力される音声信号 SA1につ、ての信号状態 p (t)を記憶する

[0026] 映像記憶部 23は、映像信号処理部 12で信号処理された映像信号 SV2についての信号状態 g (t)を記憶する。

[0027] 音声記憶部 24は、音声信号処理部 16で信号処理された音声信号 SA2についての信号状態 q (t)を記憶する。

[0028] なお、映像記憶部 21および映像記憶部 23は、映像信号の信号状態 f (t) , g (t)として、輝度信号を一定の周期でサンプリングして記憶してもよい。その場合に、輝度信号として、ある特定の画素の輝度信号、ある特定の領域または全領域の平均の輝度信号などを用いてもよい。また、映像信号の信号状態 f (t) , g (t)として、各フレームの周波数成分 (周波数特性)を記憶してもよい。その場合に、例えば、スペクトルァナライザによって 1フレームごとに周波数成分のヒストグラムを求めて記憶する。

[0029] また、映像信号の信号状態 f (t) , g (t)として、輝度信号の変化分を一定の周期でサンプリングして記'隐してもよ、。

[0030] また、音声記憶部 22および音声記憶部 24は、音声信号の信号状態 p (t) , q (t)として、その振幅を一定の周期でサンプリングして記憶してもよい。また、音声信号の信号状態 P (t) , q (t)として、所定時間 tsごとの周波数成分 (周波数特性)を記憶してもよい。

[0031] また、音声信号の信号状態 p (t) , q (t)として、音声信号の変化分を一定の周期でサンプリングして記'隐してもよ、。

[0032] 映像遅延検出部 25は、入力側の映像記憶部 21に記憶された映像信号 (の信号状態) f (t)と出力側の映像記憶部 23に記憶された映像信号 (の信号状態) g (t)とを比較して映像信号の遅延時間 nを求める。

[0033] 映像遅延検出部 25は、例えば、映像記憶部 21に記憶された映像信号 f (t)の変化量 Df、および映像記憶部 23に記憶された映像信号 g (t)の変化量 Dgを求め、それら変化量 Df, Dgの相関が最も大きい位置から映像信号の遅延時間 nを求める。

[0034] 音声遅延検出部 26は、入力側の音声記憶部 22に記憶された音声信号 (の信号状態) p (t)と出力側の音声記憶部 24に記憶された音声信号 (の信号状態) q (t)とを比較して音声信号の遅延時間 kを求める。

[0035] 音声遅延検出部 26は、例えば、音声記憶部 22に記憶された音声信号 p (t)の変化量 Dpおよび音声記憶部 24に記憶された音声信号 q (t)の変化量 Dqを求め、それら変化量 Dp, Dqの相関が最も大きい位置力音声信号の遅延時間 kを求める。

[0036] 遅延補正量検出部 27は、映像遅延検出部 25で求めた映像信号の遅延時間 nと音声遅延検出部 26で求めた音声信号の遅延時間 kとの差に基づいて、映像信号 SV2 および音声信号 SA2に対する遅延補正量 HRV, HRAを求める。

[0037] なお、映像記憶部 21, 23、音声記憶部 22, 24での記憶、および映像信号処理部

12および音声信号処理部 16での信号処理などは、リアルタイムで行われる。

[0038] 入力側の映像記憶部 21および音声記憶部 22によって入力信号検出部 NSが構成され、出力側の映像記憶部 23および音声記憶部 24によって出力信号検出部 SSが構成される。また、映像遅延検出部 25、音声遅延検出部 26、および遅延補正量検出部 27によって遅延時間演算部 THが構成される。

[0039] このようなディスプレイ装置 1の各部の機能は、適当なハードウェア素子を用いて、または適当なプログラムを CPUが実行することによってソフト的に、またはこれらの組合せにより、実現することが可能である。このディスプレイ装置 1は、本発明における映像装置、 AV装置、および同期制御装置に相当する。

[0040] 次に、ディスプレイ装置 1の構成について、図 2ないし図 5を参照してさらに詳しく説明する。

[0041] 図 2は映像信号についての処理および制御を行う部分の機能を示すブロック図、図 3は音声信号についての処理および制御を行う部分の機能を示すブロック図、図 4は入力側の信号状態と出力側の信号状態との関係の例を示す図、図 5は図 4に示す信号状態についての相関関係を示す図、図 6は同期制御方法を示すフローチャートである。

[0042] なお、図 2および図 3に示すブロック図は、図 1に示すブロック図と共通の部分もあり、それを変形した部分もある。つまり、図 2および図 3に示すブロック図は図 1に示すブロック図の部分的な変形例と考えてもよ、。

[0043] 図 2において、入力信号検出部 NSVでは、入力された映像信号 SV1について、その輝度信号の変化状態、周波数の変化状態、振幅の変化状態などが検出され、一定の周期 tsで、つまり時間 tO, tl, t2, t3…ごとにサンプリングされる。サンプリングで得られた映像信号 f (t)〔t=0, 1, 2· ··〕は、映像記憶部 (入力部メモリ） 21に記憶される。演算部 21bにおいて、映像記憶部 21から読み出された映像信号 f ( から、変化量 Dfが求められる。つまり、変化量 Dfは次の式（1)で示される。

[0044] Df=f (t)-f (t-l) …… (1)

映像信号処理部 12で信号処理された映像信号 SV2につ、ても、出力信号検出部 SSVにおいて、入力信号検出部 NSVの場合と同様に、その輝度信号の変化状態、周波数の変化状態、振幅の変化状態などが検出され、一定の周期 tsでサンプリングされる。サンプリングで得られた映像信号 g (t)〔t=0, 1, 2· ··〕は、映像記憶部（出力部メモリ） 23に記憶される。しかし、映像信号 SV2は、映像信号処理部 12での処理によって、映像信号 SV1に対してサンプリング周期の n回分遅れているので、映像記憶部 23に記憶される映像信号 g (t)〔t=0, 1, 2· ··〕は、実際には「t」に代えて「t+n 」を用い、 g (t+n)と表される。演算部 23bにおいて、映像記憶部 23から読み出された映像信号 g (t+n)から、変化量 Dgが求められる。つまり、変化量 Dgは次の式（2) で示される。

[0045] Dg=g (t+n)-g (t+n-l) …… (2)

なお、式（2)で示される変化量 Dgは、 Dg (t+n)である。

[0046] そして、映像遅延検出部 25において、これら変化量 Df, Dgの相関が最も大きい位置から、映像信号の遅延時間 nが求められる。

[0047] 図 4において、ある入力信号（映像信号) f (t)のグラフが示されている。そのグラフの下方には、 t=0, 1, 2…における、入力信号の大きさ〔f (t)〕、およびその変化量 D fが数値で示されている。例えば、 t= l, 2, 3, 4における入力信号 f (t)は、 5, 1, 3, 2であり、変化量 Dfは、 3, 4, 2, 1である。

[0048] また、その下方に、出力信号 (映像信号) g (t)のグラフが、サンプリング周期の n回分遅れて示されている。そのグラフの下方には、 t=0+n, 1 +η, 2+η· ··における、出力信号の大きさ〔g (t+n)〕、およびその変化量 Dgが数値で示されている。例えば t= 10, 11, 12, 13における出力信号 g (t)は、 3, 7, 1, 5であり、変ィ匕量 Dgは、 4 , -6, 4,— 1である。なお、図 4では、入力信号 f (t)力^)である t= 9において、そのときの nが 0 (n=0)とされている。

[0049] 図 5において、 t= 9つまり n=0のときの入力信号 f (t)の変化量 Dfである 0を基準として、それと n=0, 1, 2, 3…における出力信号 g (t)の変化量 Dgとの差 (Df-Dg)が数値で示されている。その下方に、差 (Df-Dg)の 2乗の値、つまり（Df-Dg) 2が、表の中にお、て数値で示されて!/、る。

[0050] 図 5の表の中で、差の 2乗値（Df— Dg) 2が最小になる位置は、 n=8の位置であり、その値は 0である。つまり、 t= 17, n= 8の位置において、入力信号 f (t)の変化量 Df (=0)と出カ信号₈( の変化量0₈ ( = 0)とがー致し、その差の 2乗値 (Df— Dg) 2が最小値 0となる。したがって、映像信号処理部 12での処理による映像信号 SV2の遅延時間 nが「8」として求まる。

[0051] このように、映像遅延検出部 25では、相関判定回路 25aにおいて、入力信号の変化量 Dfと出力信号の変化量 Dgとの相関の最も大き、位置が求められ、その位置に基づいて遅延時間 nが求められる。

[0052] 図 3に示すように、入力信号検出部 NSAおよび出力信号検出部 SSAにおいて、音声信号 SAについても、上に説明した映像信号 SVと同様に、式 (3) (4)によって変ィ匕量 Dp, Dqが求められる。

[0053] Dp=p (t)-p (t-l) …… (3)

Dq = q (t + n)— q (t + n— 1) ……（4)

そして、音声遅延検出部 26において、これら変化量 Dp, Dqの相関が最も大きい位置から、音声信号の遅延時間 kが求められる。 [0054] 求められた遅延時間 n, kに基づいて、遅延補正量検出部 27V, Aによって、それぞれに遅延補正量 HRV, HRAが求められる。

[0055] つまり、図 2に示す遅延補正量検出部 27Vにおいて、遅延時間 nと kが比較され、 n

>kである場合には、遅延補正量 HRVが 0に設定される。遅延補正量 HRVが 0であるということは、遅延させないということである。それ以外の場合、つまり n≤kの場合には、遅延補正量 HRVが (k n)に設定される。つまり、遅延時間 nと kとの差の絶対値が遅延補正量 HRVに設定される。

[0056] また、図 3に示す遅延補正量検出部 27Aにおいても、遅延時間 nと kが比較され、 n

>kである場合には、遅延補正量 HRAが（n— k)に設定される。つまり、遅延時間 nと kとの差の絶対値が遅延補正量 HRAに設定される。それ以外の場合、つまり n≤kの場合には、遅延補正量 HRAが 0に設定される。

[0057] 遅延補正部 13は、遅延補正量 HRVとして得られた値に応じて映像信号 SV2を遅延補正し、映像信号 SV3を出力する。遅延補正部 17は、遅延補正量 HRAとして得られた値に応じて映像信号 SA2を遅延補正し、映像信号 SA3を出力する。

[0058] このように、映像信号 SV2または音声信号 SA2のうち、より遅れている方を基準とし、他方について、 2つの遅延時間 n, kの差（ I n— k I )だけさらに遅延され、これによつて互いに同期した映像信号 SV3と音声信号 SA3が得られることとなる。

[0059] なお、入力信号検出部 NSおよび出力信号検出部 SSにおける信号の記憶、映像遅延検出部 25および音声遅延検出部 26における遅延時間 n, kの算出、遅延補正量検出部 27における遅延補正量 HRV, HRAの算出は、ディスプレイ装置 1が動作している間の適当なタイミングで行えばよい。例えば、ディスプレイ装置 1の電源をォンしたとき、またはその直後の初期設定時に 1回のみ行う。また、そのときに複数回、例えば 3回行って、 3回行った結果である 3つの遅延補正量 HRV, HRAがそれぞれ一致している場合に、その値に設定する。一致しない場合にはさらに 3回行う。また、ディスプレイ装置 1が動作している間において、遅延補正量 HRV, HRAの算出を、適当な時間間隔で行う。

[0060] また、映像信号処理部 12または音声信号処理部 16の処理内容が変更された場合に、遅延補正量 HRV, HRAを算出し直す。例えば、映像信号処理部 12または音声信号処理部 16の処理内容が伝送路の変更にともなって変更された場合、また伝送路の変更に応じて遅延時間 n, kが変更された場合などに、その度ごとに遅延補正量 HRV, HRAを算出し直す。また、映像信号処理部 12または音声信号処理部 16の処理内容が変更されることが予想される場合に、所定の時間間隔で、例えば 10分ごとに、遅延補正量 HRV, HRAを算出し直す。

[0061] 算出された遅延補正量 HRV, HRAは、遅延補正量検出部 27または遅延補正部 1 3, 17において保持しておけばよい。

[0062] 次に、フローチャートを参照して同期制御の大まかな流れを説明する。

[0063] 図 6において、入力された映像信号 SV1および音声信号 SA1の信号状態をそれぞれ記憶する（# 11)。それと並行して、映像信号 SV1および音声信号 SA1に対する信号処理を行う（# 12)。信号処理が行われた映像信号 SV2および音声信号 SA2 について、その信号状態をそれぞれ記憶する（# 13)。映像信号および音声信号について、それぞれ、入力信号に対する出力信号の遅延時間 n, kを求める（# 14)。遅延時間 n, kから、遅延補正量 HRV, HRAを求める（# 15)。遅延補正量 HRV, HRAに基づいて、映像信号または音声信号を遅延させる（# 16)。

[0064] 上に述べた実施形態のディスプレイ装置 1によると、映像信号 SVおよび音声信号 S Aのいずれについても、何らかの信号処理が行われた場合に、それによる信号の遅延を補正し、映像信号と音声信号との同期をとることができる。その結果、表示パネル 15に表示される映像とスピーカ 19から出力される音声とに時間差が生じることなく、視聴者は違和感のな、自然な映像と音声を楽しむことができる。

[0065] 遅延時間 n, kを求めるに当たり、入力信号と出力信号との間の変化量を求め、両者の変化量の相関の最も大きい位置力遅延時間 n, kを求めるので、それぞれの遅延時間 n, kを正確に求めることができる。つまり、信号のレベル (振幅）は変化するが、信号の変化量はそれほど変化しないので、変化量の相関をとることによって遅延時間 n, kが正確に求められる。

[0066] なお、図 4および図 5に示す例では、変化量の差の 2乗（Df— Dg) 2を求めて相関関係を見たが、必ずしも 2乗を求める必要はない。また、信号 f (t)、 g (t)、 p (t)、 q (t) 力 Sそれぞれ 1種類である場合を例として示したが、それらの信号が複数種類である場合には、各信号にっ、ての変化量の差にっ、て最小二乗法によって差が最小となる位置を求めればよい。例えば、映像信号 f (t)として輝度信号を用いる場合に、画像内における複数の異なる特定の点（画素）についての複数の輝度信号を用いることとし、それら複数の輝度信号の変化量の差にっ、て最小二乗法によって最小となる位置を求める。

[0067] また、遅延補正部 13, 17において、いずれか一方は遅延補正量 HRを 0としたので、遅延時間を最小にすることができ、信号の歪みなども最小限に抑えることができる。しかし、必要に応じて、遅延補正部 13, 17においてそれぞれ遅延補正量 HRV, HR Aを有為な値として遅延補正を行うことができる。いずれにしても、映像または音声のいずれにまたは両方に遅延が生じた場合でも、それを補正して同期をとることができる。

[0068] 上に述べた実施形態において、入力信号検出部 NS、出力信号検出部 SS、映像遅延検出部 25、音声遅延検出部 26、遅延補正量検出部 27、およびディスプレイ装置 1の全体または各部の構成、構造、回路、形状、個数、処理の内容または順序、処理のタイミングなどは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。

[0069] 本発明は、上に述べたディスプレイ装置 1以外に、コンピュータシステム、テレビジョン、 DVD再生装置、 AV装置など、種々の映像装置に適用することができる。

産業上の利用可能性

[0070] 本発明は、テレビジョン、 DVD再生装置、 AV装置、またはそれらのためのディスプレイ装置などに利用することができる。

Claims

請求の範囲

[1] 入力される映像信号に対して信号処理を加える映像信号処理部および信号処理された映像を出力する映像出力部、並びに入力される音声信号に対して信号処理を加える音声信号処理部および信号処理された音声を出力する音声出力部を有する映像装置における映像信号と音声信号との同期制御方法であって、

入力された前記映像信号および前記音声信号につ!、て、信号状態をそれぞれ入力映像記憶部および入力音声記憶部に記憶し、

前記映像信号処理部で信号処理された映像信号および前記音声信号処理部で信号処理された音声信号について、信号状態をそれぞれ出力映像記憶部および出力音声記憶部に記憶し、

前記入力映像記憶部に記憶された映像信号と前記出力映像記憶部に記憶された映像信号とを比較して映像信号の遅延時間を求め、

前記入力音声記憶部に記憶された音声信号と前記出力音声記憶部に記憶された音声信号とを比較して音声信号の遅延時間を求め、

求めた映像信号の遅延時間と音声信号の遅延時間との差に基づいて映像信号または音声信号に対する遅延補正量を求め、求めた遅延補正量によって、出力すべき映像信号または音声信号を遅延補正する、

ことを特徴とする映像装置における映像信号と音声信号との同期制御方法。

[2] 前記映像信号の遅延時間を求めるに当たり、

前記入力映像記憶部に記憶された映像信号の変化量および前記出力映像記憶部に記憶された映像信号の変化量を求め、それら変化量の相関が最も大きい位置から当該遅延時間を求め、

前記音声信号の遅延時間を求めるに当たり、

前記入力音声記憶部に記憶された音声信号の変化量および前記出力音声記憶部に記憶された音声信号の変化量を求め、それら変化量の相関が最も大きい位置力当該遅延時間を求める、

請求項 1記載の映像装置における映像信号と音声信号との同期方法。

[3] 入力される映像信号に対して信号処理を加える映像信号処理部および信号処理された映像を出力する映像出力部、並びに入力される音声信号に対して信号処理を加える音声信号処理部および信号処理された音声を出力する音声出力部を有する映像装置における映像信号と音声信号との同期制御装置であって、

入力される前記映像信号についての信号状態を記憶する入力映像記憶部と、入力される前記音声信号についての信号状態を記憶する入力音声記憶部と、前記映像信号処理部で信号処理された映像信号についての信号状態を記憶する出力映像記憶部と、

前記音声信号処理部で信号処理された音声信号についての信号状態を記憶する出力音声記憶部と、

前記入力映像記憶部に記憶された映像信号と前記出力映像記憶部に記憶された映像信号とを比較して映像信号の遅延時間を求める映像遅延時間検出部と、前記入力音声記憶部に記憶された音声信号と前記出力音声記憶部に記憶された音声信号とを比較して音声信号の遅延時間を求める音声遅延時間検出部と、求めた映像信号の遅延時間と音声信号の遅延時間との差に基づいて映像信号または音声信号に対する遅延補正量を求める遅延補正量検出部と、

求めた遅延補正量によって、出力すべき映像信号または音声信号を遅延補正する遅延補正部と、

を有することを特徴とする映像装置における映像信号と音声信号との同期制御装置。

[4] 前記映像遅延時間検出部は、

前記入力映像記憶部に記憶された映像信号の変化量および前記出力映像記憶部に記憶された映像信号の変化量を求め、それら変化量の相関が最も大きい位置から映像信号の遅延時間を求め、

前記音声遅延時間検出部は、

前記入力音声記憶部に記憶された音声信号の変化量および前記出力音声記憶部に記憶された音声信号の変化量を求め、それら変化量の相関が最も大きい位置から音声信号の遅延時間を求める、

請求項 3記載の映像装置における映像信号と音声信号との同期制御装置。

[5] 前記入力映像記憶部および前記出力映像記憶部は、前記映像信号についての信号状態として、輝度信号を一定の周期でサンプリングして記憶する、

請求項 3または 4記載の映像装置における映像信号と音声信号との同期制御装置

[6] 前記入力映像記憶部および前記出力映像記憶部は、前記映像信号についての信号状態として、各フレームの周波数成分を記憶する、

[7] 前記入力音声記憶部および前記出力音声記憶部は、前記音声信号についての信号状態として、所定時間ごとの周波数成分を記憶する、

[8] 前記入力映像記憶部および前記出力映像記憶部は、前記映像信号についての信号状態として、輝度信号の変化分を一定の周期でサンプリングして記憶する、請求項 3記載の映像装置における映像信号と音声信号との同期制御装置。

[9] 前記入力音声記憶部および前記出力音声記憶部は、前記音声信号についての信号状態として、音声信号の変化分を一定の周期でサンプリングして記憶する、請求項 34記載の映像装置における映像信号と音声信号との同期制御装置。

[10] 入力される映像信号に対して信号処理を加える映像信号処理部と、

入力される音声信号に対して信号処理を加える音声信号処理部と、

信号処理された映像を出力する映像出力部と、

信号処理された音声を出力する音声出力部と、

を有することを特徴とする AV装置。

入力される前記映像信号についての信号状態を記憶する入力映像記憶部と、入力される前記音声信号についての信号状態を記憶する入力音声記憶部と、信号処理された前記映像信号についての信号状態を記憶する出力映像記憶部と信号処理された前記音声信号についての信号状態を記憶する出力音声記憶部と前記入力映像記憶部に記憶された映像信号と前記出力映像記憶部に記憶された映像信号とのそれぞれの変化分を比較して映像信号の遅延時間を求める映像遅延時間検出部と、

前記入力音声記憶部に記憶された音声信号と前記出力音声記憶部に記憶された音声信号とのそれぞれの変化分を比較して音声信号の遅延時間を求める音声遅延時間検出部と、

求めた映像信号の遅延時間と音声信号の遅延時間との差に基づいて映像信号または音声信号に対する遅延補正量を求める遅延補正量検出部と、

を有することを特徴とする映像信号と音声信号との同期制御装置。