WO2006082706A1

WO2006082706A1 - 健康管理支援装置

Info

Publication number: WO2006082706A1
Application number: PCT/JP2006/300624
Authority: WO
Inventors: Tatsurou Kawamura; Eiji Noguchi; Yuko Taniike
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
Priority date: 2005-02-07
Filing date: 2006-01-18
Publication date: 2006-08-10
Also published as: CN1942891A; JPWO2006082706A1; JP4339889B2; US20070192141A1

Abstract

　利用者の回答傾向の影響を補正して利用者により適した生活習慣の努力目標値を算出する。　健康管理支援装置（６００）において、目標値記録部（６０２）は、所定期間開始時に、生活習慣に関する努力項目に関連する利用者の生体情報の目標値の入力を受け付ける。計測値入力部（６０３）は、期間終了後に、利用者の生体情報の計測値の入力を受け付ける。回答票入力部（６０４）は、生活習慣に関する努力項目の目標値の実行度合いについての利用者の自己評価である回答値の入力を、期間終了後に受け付ける。修正目標値作成部は、期間終了後に入力された生体情報の計測値と、期間開始時に入力された生体情報の目標値とを比較し、比較結果に基づいて、入力された回答値を補正する。目標値更新部（６１１）は、補正された回答値に基づいて、次の期間に実行すべき生活習慣に関する努力項目の目標値を決定する。

Description

明細書

健康管理支援装置

技術分野

[0001] 本発明は、健康管理が必要な利用者の生体情報の計測値と、利用者が自己の生活習慣改善の目標をどれだけ達成したかに対する回答とにより、利用者の生活習慣改善のための目標値を適切に設定および修正する健康管理支援装置に関する。背景技術

[0002] 従来の健康管理支援装置としては、生活習慣の改善を目的として、利用者の回答内容より、生活習慣改善の定着度を算出するものがあった (例えば、特許文献 1参照 )。図 1は、特許文献 1に記載された従来の健康管理支援装置の一部を示す図である。利用者は、マークシート 4に問診データを記入して、入力部 1から健康管理支援装置に入力する。データ処理部 2では、入力された問診データを基に、利用者の生活習慣の改善がどの程度、定着したかを示す定着レベルを算出し、出力部 3に出力することにより利用者に提示するようになって!/、る。

特許文献 1：特開 2000— 37354号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0003] しかしながら、利用者の回答に基づいて利用者の生活習慣改善を支援する健康管理支援装置においては、回答内容が利用者の実際の行動とそれに対する回答とのずれを示す回答傾向に影響されるという課題が有る。実際、健康'栄養-ユース第 3卷 3号 (通巻 10号 P7 独立行政法人国立健康 ·栄養研究所 2004年 12発行)や産政研フォーラム「肥満について考える」 (61号.2004年 2月）に掲載されているように、健康診断の受診者が申告する健康管理が実行されているならば当然に計測されるはずの値と、実測値とは異なることが多い。また、糖尿病診療マスター (医学書院 Vo 1.2 No2 2004年 3月 P230)に掲載されているように、患者自身の行動とその行動に対する認識または評価は、実際の行動に対する第三者の認識または評価とずれている場合もある。 [0004] 特に、生活習慣に関する回答内容は、過去 1ヶ月間の、食事、運度、嗜好品の摂取状況などを、思い出して回答する場合が多いので、個人の行動に対する回答傾向の影響を受けやすい。この理由を以下に述べる。

[0005] 生活習慣の改善が必要な利用者の場合、予め生活習慣の改善目標値を設定し、この目標値に向けて生活改善に努める。ここで、この目標値が、本人にとって実行が不可能（目標値が高すぎる)であるならば、本人は、実行意欲を喪失し、生活改善できない。一方、この目標値が、本人によって実行可能（目標値が適切)であれば、実行意欲が湧くとともに、実行意欲が継続し、生活改善もうまくいく。その結果、健康維持および向上を実現することができる。従って、この目標値の設定が生活改善において、重要であるといえる。

[0006] まず、この目標値は、利用者の現在の健康状態と生活実態に基づいて設定する。

生活実態は、利用者自身の回答に基づいて把握するが、自由記述形式で回答すると、個人によって表現や詳細さが異なり把握が困難なため、食事、運動等の項目に分類して、できるだけ具体的項目に対して回答する形式をとる。ただし、この場合でも、定量的に把握することが困難なため、生活実態例を提示し、この例に対する自身の実行度合ヽを数値で回答すると定量化に効果的である。

[0007] さらに、利用者自身が合意した上で設定した目標値に対する実行度合を回答する方式にすると、利用者の目標値の意義に対する理解が深ぐ実行意欲が高くなる。同時に、食事、運動等の各項目に対する理解度が十分なため、いいかげんな内容を回答することが無ぐ生活実態を把握しやすくなる。

[0008] しかし、回答された数値は、利用者の回答傾向に影響され、回答傾向の個人差による偏りが生じるのが一般的である。例えば、行動科学からみた健康と病気 (メディ力ルフレンド社 P25〜28)に掲載されているような「イイコ行動特性」を示す人の場合について説明する。イイコ行動特性を示す利用者は、当該利用者を指導監督する立場にある医師などの期待に沿いたいとの気持ちが強ぐ当該医師に指導された項目に対しては、実行度合を高く認識し、数値を高く回答する傾向がある。即ち、同じ生活実態であっても、イイコ行動特性が強い利用者ほど、目標値に対する実行度合を高く回答し、イイコ行動特性が弱ヽ利用者ほど自身の実行度合!ヽを低く認識する傾向がある。このように、回答傾向の違いによって実行度合いを示す回答内容が偏ると、次回に設定する目標値も偏り、効果が期待できなくなるという問題がある。

[0009] 以上の様に、利用者の生活習慣に関する努力目標の目標値に対する実行度合いを質問し、利用者本人の回答内容のみから、利用者の実行度合いを把握しょうとすると、利用者の回答傾向の違いによって実行度合いを示す回答内容が偏ってしまう。即ち、実際以上の実行度合いが回答され、その程度が利用者によって異なる。その結果、次回に設定する目標値が不適切な値となり、本来の効果を期待できなくなってしまう。

[0010] 本発明の目的は、上述の課題を解決するためになされたものであって、利用者の生体情報の計測値を用いて、生活習慣に関する回答内容を補正することで、利用者の回答傾向から受ける影響を低減することができる健康管理支援装置を提供することである。

課題を解決するための手段

[0011] 本発明に係る健康管理支援装置は、利用者の健康管理を支援する健康管理支援装置であって、利用者の生体情報の計測値の入力を受け付ける計測値入力手段と、前記生体情報と関連する生活習慣に関する努力目標の実行度合いの自己評価である利用者の回答値の入力を受け付ける回答入力手段と、前記回答値と、前記生体情報の前記計測値から求められる前記生体情報の目標の達成度合!、との乖離度合ヽに応じて、前記回答値を補正する回答補正手段とを備える。

[0012] なお、本発明は、上記のような健康管理支援装置単体として実現することができるだけでなぐ健康管理支援装置と外部の生体情報計測機などとからなる健康管理支援システムとして実現したり、上記健康管理支援装置および健康管理支援システムが備える一部または全部の処理部をコンピュータに機能させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、 CD— ROM等の記録媒体やインターネット等の伝送媒体を介して広く流通させることもできるのは言うまでもない。発明の効果

[0013] 本発明の健康管理支援装置によれば、生活習慣改善の実行度合いを問う回答に及ぼされる利用者の回答傾向の影響を抑制し、利用者の実際の生活習慣をより正しく反映させた回答内容を得ることができるので、実用上極めて有効である。

図面の簡単な説明

[図 1]図 1は、特許文献 1に記載された従来の健康管理支援装置の一部を示す図である。

[図 2]図 2は、本発明の実施の形態の健康管理支援装置の構成を示す図である。

[図 3]図 3は、本実施の形態の健康管理支援システムのハードウェア構成を示すプロック図である。

[図 4]図 4は、健康管理支援装置の概要的な処理の流れを示すフローチャートである

[図 5]図 5は、生活習慣目標値票の一例を示す図である。

[図 6]図 6は、生体情報目標値及び計測値票の一例を示す図である。

[図 7]図 7は、生活習慣回答票の一例を示す図である。

[図 8]図 8は、修正生活習慣目標値リストの一例を示す図である。

[図 9]図 9は、本実施の形態に係る健康管理支援装置のより詳細な動作を示すフローチャートである。

[図 10]図 10は、算出された補正係数 j8の値と、その値に応じてモニタで利用者に表示する文章との対応を示すテーブルである。

[図 11]図 11 (a)および (b)は、主として摂取カロリーを制限する場合の生活習慣目標値票の一例を示す図である。

[図 12]図 12は、生体情報を BMIとしたときの生体情報目標値及び計測値票の一例を示す図である。

[図 13]図 13は、利用者の回答と、算出された補正係数 j8に従って補正された補正後の回答とを、対比してモニタに表示する場合の一例を示す図である。

[図 14]図 14は、本実施の形態による生体情報目標値及び計測値票の他の例を示す図である。

[図 15]図 15 (a)および (b)は、本実施の形態による生活習慣目標値票及び生活習慣回答票の他の例を示す図である。

[図 16]図 16は、生体情報を収縮期血圧とした場合の利用者の回答と、算出された補正係数 ι8に従って補正された補正後の回答とを、対比してモニタに表示する場合の一例を示す図である。

圆 17]図 17は、達成係数 α (Ν)力も直接、生活習慣目標値リストを参照し、修正目標値 tx(N+l)を算出する場合の手順を示すフローチャートである。

符号の説明

[0015] 600 健康管理支援装置

601 目標値入力部

602 目標値記録部

603 計測値入力部

604 回答票入力部

605 達成係数 α (Ν)算出部

606 補正係数 (Ν)算出部

607 補正後実行度合ヽ Ί x(N)算出部

608 修正目標値 tx(N+ l)算出部

609 修正目標値 tx(N+ l)検証部

610 修正目標値リスト記録部

611 目標値更新部

発明を実施するための最良の形態

[0016] (実施の形態 1)

図 2は、本発明の実施の形態 1の健康管理支援装置 600の構成を示す図である。

[0017] 図 2において、健康管理支援装置 600は、一定期間における利用者の生活改善を目的として生活習慣に関する項目の目標値および生体データの目標値を設定し、その期間経過後に、生体データの計測値および目標値の達成度の自己評価の入力を受け付けて、次の期間の新たな生活目標となる目標値を算出する健康管理支援装置であって、目標値入力部 601、目標値記録部 602、計測値入力部 603、回答票入力部 604、達成係数 α (Ν)算出部 605、補正係数 13 (Ν)算出部 606、補正後実行度合ヽ γ χ(Ν)算出部 607、修正目標値 tx(N+ 1)算出部 608、修正目標値 tx(N+ 1) 検証部 609、修正目標値リスト記録部 610、目標値更新部 611および補正係数 |8 ( N)表示部 612を備える。修正目標値 tx(N + l)算出部 608は、生活習慣の目標の所定期間内の実行度合いに応じて、期間の生活習慣の目標値を修正するための修正関数を保持する修正関数保持部の一例であり、本実施の形態では、修正目標値 tx( N + 1)算出部 608には、生活習慣の項目の目標値に対する所定期間内の実行度合いに応じて、前記期間の生活習慣の項目の前記目標値を修正するための修正関数が保持されて、る。また、修正目標値 tx(N + 1)算出部 608および修正目標値 tx(N + 1)検証部 609が、補正係数 |8を用いて補正された前記回答値を前記生活習慣の目標の実行度合いとし、前記修正関数により、前記期間の前記目標値を修正する目標値修正部の一例である。なお、 Xは目標値を設定する生活習慣に関する項目の番号を示し、 Nは第一回力も数えて何回目の期間かを示す自然数である。目標値入力部 601は、所定期間に利用者が実行すべき生活習慣に関する努力目標が複数ある場合、複数の目標の目標値と、複数の目標のうちの、ずれかの目標と最も関連のある生体情報についての目標値の入力を受け付ける目標値入力手段の一例である。本実施の形態では、目標値入力部 601は、マウス、キーボードなどからなり、医療関係者や利用者自身がこれらを操作することによって目標値を入力する。目標値記録部 602は、あらかじめ決定された生活習慣に関する努力目標の目標値を記録する目標値記録手段の一例であり、本実施の形態では目標値入力部 601によって入力された目標値を、以下で説明するような形式に記録する。計測値入力部 603は、利用者の生体情報の計測値の入力を受け付ける計測値入力手段の一例であり、本実施の形態では、例えば、外部に接続された血圧計、血糖値測定器、体重計などの生体情報計測機力も直接計測値を入力できる IF (インターフェイス)である。回答票入力部 604は、生体情報と関連する生活習慣に関する努力目標の実行度合いの自己評価である利用者の回答値の入力を受け付ける回答入力手段の一例であり、本実施の形態では、利用者自身が記入した回答票であるマークシートを読み取るマークシ一ト読取機または、利用者自身が操作するマウス、キーボードなどである。

達成係数 ex (N)算出部 605は、回答値と、生体情報の計測値力も求められる生体情報の目標の達成度合いとの乖離度合いに応じて、回答値を補正する回答補正手段の一部で生体情報の計測値と、生体情報の目標値とに基づ!/、て生体情報の目標の達成度合いを示す達成係数 αを算出する処理部の一例であり、本実施の形態では、予め定義された演算式に基づいて達成係数 α (Ν)を算出する演算器である。補正係数 ι8 (Ν)算出部 606は、算出された達成係数ひから、回答値と生体情報の目標の達成度合いとの乖離度合いを示す補正係数 ι8を算出する補正係数算出部の一例であり、本実施の形態では、予め定義された演算式に基づいて、補正係数 |8 (Ν)を算出する演算器である。補正後実行度合い γ χ(Ν)算出部 607は、所定期間終了時に入力された回答値を、算出された補正係数 )8を用いて補正する回答値補正部の一例であり、本実施の形態では、回答票の値および補正係数 ι8 (Ν)から、予め定義された演算式に基づいて、補正後実行度合い τζ χ(Ν)を算出する演算器である。達成係数 ex (Ν)は、生体情報の目標値 t及び生体情報の計測値 sから求められる生体情報の達成度合い αに相当する。補正係数 |8 (Ν)は、生活習慣に関する項目 Xの目標に対する実行度合いについての回答値 sxと、生体情報の目標値 t及び生体情報の計測値 sから求められる生体情報の達成度合い αとの乖離度合いに相当する。補正後実行度合い T x(N)は、補正後回答 γ χに相当する。修正目標値 tx(N + l)算出部 60 8は、修正目標値リスト記録部 610に格納されている後述の修正生活習慣目標値リストから、 tx(N)に基づき tx(N + l)を算出する。修正目標値 tx(N + l)検証部 609は、算出された tx(N + l)が、各項目 Xに対して予め設定された範囲に収まるように制限する。即ち、 tx(N + l)が設定された範囲以上の場合は、設定された範囲の最大値に固定し、 tx(N + l)が設定された範囲以下の場合でも、設定された範囲の最小値に固定する。これは、目標値の更新を繰り返すうちに、目標値が健康に有害な影響を与えるほど偏った数値にならないようにするためである。目標値更新部 611は、補正後の回答値と生活習慣に関する努力目標の修正度合いとの相関を示すデータを参照して、補正後の回答値を用いて、生活習慣に関する努力目標の目標値を修正して決定する目標値決定手段の一例であり、本実施の形態では、目標値記録部 602の目標値 tx( N)を目標値 tx(N + 1)に更新する。

また、補正係数 |8 (N)表示部 612は、回答値と、生体情報の計測値力も求められる生体情報の目標の達成度合いとの乖離度合い、または補正後の回答値を表示する表示手段の一例であり、本実施の形態では、ディスプレイで、算出された補正係数またはその補正係数が示している意味、すなわち、生活習慣改善の実行度合に対する認識の程度を利用者に表示する。この表示によって、利用者は、自身の回答の傾向を自分でも確認することができる。これにより、普段の生活習慣をより客観的に認識せざるを得なくなり、今後の生活習慣病改善の意欲を向上させることができる。生活習慣の改善が難、人の中には、自分自身の生活習慣上の課題を直視したがらな!/、、言い換えると課題から目をそらそうとする人も多い。このような利用者に対して、補正係数を表示することで、自分自身の生活習慣の課題を認識せざるを得なくなるので、特に効果的である。

[0020] そして、健康管理支援装置 600は、（N+ 1)回目の期間開始時に更新された目標値 tx(N+ l)と、（N+ 1)回目の期間終了時に再度計測された計測値、および入力された回答票に基づき、 α (Ν+ 1)、 |8 ^+ 1)、ぉょび + 1)を算出し、^+ 1)回目の期間終了時には、これらから、次の期間の目標値 tx(N+2)を算出することを繰り返す。

[0021] 図 3は、本実施の形態の健康管理支援システム 700のハードウェア構成を示すプロック図である。健康管理支援システム 700は、図 2に示した健康管理支援装置 600と外部計測装置 (生体情報計測機 703)とからなる健康管理支援システムであって、健康管理支援装置 600は、マウス 701、キーボード 702、モニタ 704、プリンタ 705、ィンターフェイス 706、 CPU (Central Processing Unit) 707、メモリ 708、およびハードディスクなどによって実現される目標値票格納部 709と修正目標値リスト格納部 710 などを備える。利用者は目標値や回答票の回答内容をマウス 701、キーボード 702 によってインターフェイス 706を通じて入力する。生体情報の計測値は、健康管理支援装置 600外部に備えられる血圧計などの生体情報計測機 703から直接、インターフェイス 706を通じて入力される。また、目標値票や回答票は、モニタ 704、プリンタ 7 05などに表示、出力される。目標値票や修正生活習慣目標値リストはそれぞれ目標値票格納部 709および修正目標値リスト格納部 710に格納されている。インターフエイス 706と、目標値票格納部 709および修正目標値リスト格納部 710、 CPU707とメモリ 708は相互にバスで接続され、 CPU707は、目標値票格納部 709および修正目標値リスト格納部 710に格納されている tx(N)、 sx(N)に基づき、達成係数 α (Ν)、補正係数 ι8 (Ν)、および補正後実行度合い γ χ(Ν)を算出する。そして、目標値票格納部 709に格納されてヽる目標値 tx(N) χ(Ν + 1)で更新する。

[0022] 図 4を用いて本発明の健康管理支援装置を用いた健康管理のための生活習慣改善支援の概要を説明する。図 4は、健康管理支援装置 600の概要的な処理の流れを示すフローチャートである。利用者は、まず、好ましくは医師等と相談して、個人の年齢、既往症、健康状態などに応じて、血圧や HbAlc等の生体情報の改善の目標 (生体情報目標値)を設定する（S 101)。同時に、利用者個人の年齢、既往症、健康状態などに応じて、食事、運動などの生活習慣の目標値（目標値)を設定する (S 10 4)。図 5は、生活習慣目標値票の一例を示す図である。図 6は、生体情報目標値及び計測値票の一例を示す図である。そして、それぞれに設定した値を記録するための図 5、 5に示した生活習慣目標値票、生体情報目標値及び計測値票を作成する（ S 102、 S 105) _o作成された生活習慣目標値票と、生体情報目標値及び計測値票とは、少なくともこの期間終了まで目標値記録部 602に格納される。図 5で、目標値 tx( N)は、項目 x (xは 1〜6)に対する N回目の修正された目標値を示す (初めて目標値を設定する場合は、 N = 0である)。図 6で、生体情報目標値及び計測値票に記録される生体情報計測値 s(N)、達成係数 ex (N)の Nも同様の意味 (N回目の修正された値)を示している。ただし、この段階では、生体情報計測値 s(N)、達成係数 α (Ν)は入力されていない。

[0023] 次に、利用者は、作成された生活習慣目標値票を参照しながら生活習慣の改善を目指す。その期間を例えば 1ヶ月とし、 1ヶ月経過後に、体重、血圧、血液中コレステロール、 HbAlc等の生体情報を計測し (S 103)、その計測値を生体情報目標値及び計測値票 (図 6)へ入力する。同時に、生活習慣目標値票に、過去 1ヶ月の生活習慣を思い出しながら、生活習慣目標値に対してどの程度実行できた力を生活習慣回答票に入力する（S 106)。図 7は、生活習慣回答票の一例を示す図である。図 7で、回答 sx(N)は、項目 x (xは 1〜6)に対す N回目に入力された実行度合いを示す指標である。例えば、項目 1の食事に関する項目（目標値 = 1日当たりの摂取エネルギー t 1(N)キロカロリー以下）の場合、過去 1ヶ月の内、 1日当たりの摂取エネルギー tl(N) キロカロリー以下を実行できた日の割合を入力する。即ち、全ての日実行できた場合、 1.0を入力し、半分の日数しか実行できな力つた場合、 0.5と入力し、 1日も実行できな力つた場合、 0.0を入力する。

[0024] そして、健康管理支援装置 600は、生体情報計測値 s(N)と生体情報の目標値 tから、関数 a (N)=F (t、 s(N) )を用いて、生体情報の達成度合いを示す達成係数 Ν)を算出する。また、生活習慣回答票に入力された実行度合いの回答の内、この生体情報計測値 _S(N)に関連する生活習慣の項目についての実行度合い sx(N)と達成係数 α (Ν)とから、補正係数 |8 (N) =Gx(_SX(N), α (Ν))を用いて、生活習慣回答票に入力された実行度合いを補正するための補正係数 ι8 (Ν)を算出する。さらに、補正係数 β (Ν)と生活習慣回答票に入力された実行度合、sx(N)から、補正後回答 γ χ(Ν) = Hx(_SX(N), |8 (Ν))を用いて、補正後の実行度合い γ χ(Ν)を算出する。次に、補正後の実行度合、 y χ(Ν)から、修正生活習慣目標値リストに基づき、修正目標値 tx(N + 1)を算出することで、修正目標値を作成する (S107)。図 8は、修正生活習慣目標値リストの一例を示す図である。同図に示すように、修正生活習慣目標値リストには、生活習慣に関する各項目について、補正後回答 γ χ(Ν)の値に応じた係数を今回の期間の目標値 tx(N)に乗算し、次回期間のための修正目標値 tx(N+ 1)を算出するための数式が示されている。

[0025] さらに、健康管理支援装置 600は、この修正目標値 tx(N+ l)が、医学的見地から問題の無い目標値であるか否かを検証する（S 108)。例えば、食事、運動、減塩の修正目標値を予め設定された範囲に収まるように制限する。例えば、一般的に最少の 1日の摂取塩分量は、 0. 5gとされているので、修正生活習慣目標値リストより算出された 1日の摂取塩分量が 0. 5g以下の時は、 0. 5gとする。

[0026] 次に、健康管理支援装置 600は、期間開始時に設定され、記録されていた目標値 tx(N)を、新たな目標値 tx(N+ l)に更新した生活習慣目標値票を作成し (S109)、再び利用者は、更新された生活習慣目標値票を参照しながら生活習慣の改善を目指す。これを繰り返すことにより、利用者の生活習慣が改善される。

[0027] このように、生活習慣の改善を開始して力も例えば、 1ヶ月を経過した後の利用者の記憶に頼った自己申告値である sx(N)を、客観的計測値である s(N)力も導かれた達成係数 α (Ν)で補正することで、利用者の実行度合、の回答傾向の違ヽなどの性格の違いを補償でき、利用者の健康状態及び生活習慣実態に適合した、生活習慣目標値を設定できる。

[0028] 以上のように構成された健康管理支援装置 600の動作について図 9、図 10、図 12 及び図 11を参照しながらより具体的に説明する。例えば、利用者が糖尿病である場合の健康管理支援の例を図 12、 9を用いて示す。図 9は、本実施の形態に係る健康管理支援装置 600のより詳細な動作を示すフローチャートである。図 10は、算出された補正係数 ι8の値と、その値に応じてモニタで利用者に表示する文章との対応を示す表である。図 11 (a)および (b)は、主として摂取カロリーを制限する場合の生活習慣目標値票の一例を示す図である。図 12は、生体情報を BMI (Body Mass Index)としたときの生体情報目標値及び計測値票の一例を示す図である。ここでは、身長と体重力算出される BMI : (体重 (kg) ) Z (身長 (m) ) 2)を生体情報とする。まず、利用者の身長と体重を計測し、身長 1.65m、体重 73kgで BMI = 26.8の場合、利用者は BMIを下げることが望ましいので、図 12に示す様に、利用者の健康状態を考慮して 1ヶ月後の BMIを目標値 tを 26に設定する。また、図 11に示す様に、 BMIの目標値と、利用者の健康状態、生活習慣状況を考慮して、今後 1ヶ月の生活習慣の 6項目に対する目標値 tx (0) (Xは 1〜6までの整数)を設定する。ここで、成人の場合、身長は 1月程度では、変化がないので、体重のみを計測すれば良い。また、体重は、図 11 の項目 1である、食事に最も強く依存するので、生体情報である体重と項目 1が関連する。従って、 1ヶ月後には BMIが 26になるであろう目標値に食事のエネルギーを設定する。言い換えると、完全に達成すると (達成度 = 1.0)、 BMIが 26になるであろう目標値である。本実施の形態の場合、目標値を 1400キロカロリーに設定する。なお、この目標値は、利用者の年齢、体重、身長、基礎代謝量等の生体情報や運動量に基づき、例えば尿病療養指導二貢の秘訣 (金原出版) P204-205に掲載されてヽる体重減少に成功した例を参考に、決定する。

[0029] 利用者は、図 11 (b)に示した生活習慣目標値票を参照しながら、生活習慣に改善に努める。この時点では、生活習慣目標値票には項目番号と目標値が記入されているだけである。利用者は、 1ヶ月後に、健康管理支援装置 600を起動し、再度体重を計測する。健康管理支援装置 600の CPU707は、生体情報の計測値の入力を生体情報計測機 703に要求し (S801)、生体情報計測機 703は計測された値を入力する (S802)。ここでは、 BMI = 26.5になった。次に、達成係数 α (N)すなわち、達成係数 α (0)を算出する（S803)。ここでは、（数式 5) a (0) = F (t、 s(0)) =(t/s(0))k、かつ、 k = 15.08の場合を示す。 a (0) =F (t、 s(0)) = (t/s(0)) 15.08= (26Z26.5) 15.08である。従って、 α (0) = 0.750となる。

[0030] 次に、健康管理支援装置 600は、回答票の入力を要求する（S804)。利用者は、過去 1ヶ月の生活習慣を思い出して sx(0) (Xは 1〜6までの整数)を入力する。本実施の形態では、例えば、利用者が過去 1ヶ月間において、食事目標を達成できた日が 2 7日と認識していたとすると、 sl(0) =0.9を入力する。また、利用者が過去 1ヶ月間において、運動目標を達成できた日が 24日と認識していたとすると、 s2(0) =0.8と回答する。同様に、他の sx(0)も図 11の設問に従って回答する。健康管理支援装置 600 は、回答票の全項目が入力されたカゝ否かを確認し (S805)、そして、補正係数 β (0) を算出する（S806)。ここで、補正係数 β (0)は、生体情報 ΒΜΙと項目 1の食事が関連するので、《(0)と sl(0)から算出する。また、ここでは、（数式 6)補正係数 |8 (0) = G 、 sx) = (sxZ α ) 1、かつ、 1= 1として算出する。すなわち、 Gx(sx(0), a (0)) = sl(0) I a (0)である。図 11 (a)に示すように、入力された sl(0) =0.9に対して補正係数 β (0) は、 |8 (0) = 1.20となる。そして、算出された補正係数 |8 (0)を、モニタで利用者に表示する（S811)。ただし、補正係数 j8の数値そのものを表示しても、利用者にその数値の意味が理解できない可能性があるので、ここでは図 10に示すように、算出された補正係数 ι8の値に応じて、利用者の生活習慣改善の実行度合に対する認識の程度を、例えば、文章で表示するものとする。前述のように、ステップ S806で算出された補正係数 j8 (0)は、 |8 (0)= 1.20である。このように補正係数 j8の値が「1.1」を超えるような場合、補正係数 ι8 (N)表示部 612は、図 10に示すように、まだ、利用者の生活習慣改善の実行度合に対する認識が正確でな、ことを、利用者に分かりやす、言葉で表示する。

[0031] 次に、補正後の実行度合い γ χ(0)を、 sx(0)、 j8 (0)を用いて算出する（S807)。ここでは、（数式 7) Hx (sx、 j8 ) = (sxZ j8 )、力つ、 Ύ x(0) = Hx (sx(0), β (0)) =sx(0)/ β ( 0)として算出する。例えば、摂取カロリーの補正後実行度合いは、 y 1(0) = 8ΐ(0)/ |8 (0 ) = 0.9/1.20 = 0.75 となる。

[0032] さらに、算出された y x(N)を修正生活習慣目標値リストと対比して tx(N + 1)を算出する（S808)。すなわち、 γ χ(0)力も図 8の修正生活習慣目標値リストを参照して、修正目標値 tx(l)を算出する。ここでは、 γ 1(0) = 0.75なので、修正目標値 tl(l) = 1.0 X t 1(0)となる。

[0033] 次いで、 tx(N + l)を検証する（S809)。すなわち、このようにして算出された修正目標値 tx(l)を修正目標値 tx(N + 1)検証部 609により検証する。検証の結果、本実施の形態の場合は、 y x(0)と図 8の修正生活習慣目標値リストより算出した修正目標値 t x(l)をそのまま来月の目標値にすることができた。これで、来月の生活習慣の目標値が決定でき、図 11 (b)がすべて記載される（S810)。そして、利用者は、この更新された目標値を目指し、後 1ヶ月、生活習慣の改善に努めることができる。

[0034] 上記のように、生体情報の目標値と計測値の違!、を、（数式 5)で達成係数 a (0)として指数化する。本実施の形態の場合、図 12に示した達成係数ひ (0) = 0.750で、これは生体情報の計測値に基づいた客観的数値である。一方、この生体情報と関連する生活習慣の項目の回答内容である s l(0) = 0.9は、利用者本人が認識した実行度合いを回答する主観的数値である。この客観的数値と主観的数値との偏差を (数式 6) で補正係数 β (0)として指数ィ匕する。この補正係数 β (0)によって、 S2(0)、 S3(0) - · - S6( 0)の主観的数値を補正することで、客観的数値に変換することができる。本例の場合、利用者は主観的には、 27日実行できた即ち 0.9実行できたと認識している力実際は 0.75しか実行できていないので、利用者は、自身の実行度合いを高く認識する傾向があることがわかる。従って、この利用者は、他の生活習慣項目も同様に高く認識する傾向があることがわかる。そのため、この傾向を補正係数 )8 (0)で補正し、補正後の実行度合い γ χ(0)を算出することで、利用者の回答傾向の偏りを補償する。そして、回答傾向の偏りが補償された補正後の実行度合、 y χ(0)に基づき次回の目標値を設定する。従って、利用者の性格等に影響されることなく利用者の実行度合いを把握することができ、利用者にとって、実行が可能な適切な目標値を設定することができる。これにより、利用者の実行意欲の向上が期待できる。

[0035] なお、指数係数 k、 1等は、生体情報の特性や、生活習慣の特性によって調整する。 [0036] 以上の様に、本実施の形態の健康管理支援装置 600は、利用者の自身の実行度合、を認識の傾向を補償することで当該利用者に適合した生活習慣の目標値を設定でき、利用者の生活習慣の改善に効果的である。

[0037] 本実施の形態では、補正係数ベータの値に関わらず、必ず補正係数 βを表示する例を示したが、補正係数 )8が 1から所定値以上乖離したときのみ、表示しても良い。これにより、実質的補正が必要であった時のみ、補正が必要であった事実を利用者へ認識してもらうことができる。また、必ずしも補正係数を表示せず、補正が必要であつた事実のみを表示しても、効果がある。さらに、利用者が回答票の入力を完了した次のモニタの画面で、補正係数または Ζ及び補正が必要であった事実を表示すると、利用者へ印象付けやすぐ特に効果的である。さらに、上記実施の形態では、図 9 のステップ S811で、生活習慣改善のための目標をどれだけ実行できたかについて利用者に正しく実行度合いを認識してもらうために補正係数 βを表示する例を示したが、本発明はこれに限定されない。図 13は、利用者の回答と、算出された補正係数 ι8に従って補正された補正後の回答とを、対比してモニタに表示する場合の一例を示す図である。同図では、生活習慣改善のための目標の実行度合に対する利用者の認識の正確さを、文章で指摘するのではなぐ例えば、利用者の回答の数値と、補正後の回答の数値とを、対照して表している。また、同図では、単に数値で比較するだけではなぐ棒グラフを用いて、利用者の回答と補正後の回答との差を一目で把握できるように表示している。これにより、利用者は、自分ができたと思い込んでいた実行度合と、実際の実行度合との間に相違があることを認識することができる。さらに、自分が思っていた実行度合と実際の実行度合との間にどの程度のずれがあつたの力まで知ることができると!/、う効果がある。

[0038] <他の例 >

また、以下では、本実施の形態を用いた、他の例について図 14、図 15及び図 16を用いて説明する。ここでは、例えば、高血圧症である利用者の健康管理を支援する例について説明し、主として、計測する生体情報を収縮期血圧とする。図 14は、本実施の形態による生体情報目標値及び計測値票の他の例を示す図である。図 15は、本実施の形態による生活習慣目標値票及び生活習慣回答票の他の例を示す図である。図 16は、生体情報を収縮期血圧とした場合の利用者の回答と、算出された補正係数 ι8に従って補正された補正後の回答とを、対比してモニタに表示する場合の一例を示す図である。

[0039] 利用者は、まず、収縮期血圧を計測する。計測された収縮期血圧は、 140mmHg であり、利用者にとっては血圧を下げることが望ましい。このため、利用者は医師等と相談し、図 14に示す様に、利用者の健康状態を考慮して 1ヶ月後の収縮期血圧の目標値 tを、利用者にとって実現可能な 130mmHgに設定する。また、図 15に示す様に、血圧の目標値と、利用者の健康状態、生活習慣状況を考慮して、今後 1ヶ月の生活習慣の 6項目に対する目標値 tx(O) (Xは 1〜6までの整数)を設定する。ここで、血圧は、図 15の項目 3に示されている、摂取塩分量に最も強く依存する。従って、生体情報である血圧と項目 3が関連する。従って、 1ヶ月後に収縮期血圧が 130mmHg になるであろう目標値に減塩目標値を設定する。言い換えると、完全に達成すると（達成度 = 1.0)、 1ヶ月後には収縮期血圧が 130mmHgになるであろう目標値である。本実施の形態の場合、目標値を 6gに設定している。なお、この目標値は、例えば高血圧ナビゲーター（メディカルレビュー社、 P16-17、 P116-117)に掲載されているような、利用者の血圧の塩分感受性に基づき決定する。

[0040] 利用者は、前述の例と同様に、図 15を参照しながら、生活習慣の改善に努める。 1 ヶ月後に、再度血圧を計測すると、 135mmHgになった。次に、達成係数《(0)を算出する。本実施の形態では、（数式 5)達成係数 a (0) = F (t、 s(0)) =(t/s(0))k、かつ、 k = 8.68の場合を示す。この場合、 F (t、 s(0)) =(t /s(0))8.68である。従って、 α (0) = 0. 721となる。また、利用者は、過去 1ヶ月の生活習慣を思い出して回答 sx(0) (Xは 1〜6 までの整数)を入力する。この例では、利用者は、項目 1について、過去 1ヶ月間の 1 日当たりの食事の摂取カロリーの平均値を、平均値） =2000kcalと記憶していたので、摂取カロリーの平均値 Sに対する摂取カロリーの目標値 (T) =2000kcalの割合（ TZS) = 1.0を sl(0)として回答した。また、過去 1ヶ月間の 1日当たりの運動時間の平均値 (S) = 16分と認識していたので、運動時間の目標値 (T) =20分に対する Sの割合 (SZT) =0.8を s2(0)として回答した。同様に、他の sx(0)も図 15の設問に従って回答したとする。 [0041] そして、補正係数 β (Ν)算出部 606は、補正係数 β (0)を算出する。ここで、生体情報である血圧と項目 3の摂取塩分量が関連するので、 a (0)と s3(0)から補正係数 β (0 )を算出する。また、ここでは、（数式 6) G (ひ、 sx) = (sxZ a ) l、かつ、 1= 1の場合を示し、補正係数 β (0) = Gx(sx(0), a (0)) = s3(0)/ a (0)である。これにより、補正係数 β ( 0) = 1.11となる。

[0042] 次に、健康管理支援装置は、補正後の実行度合!ヽ γ χ(0)を sx(0)、 β (0)を用いて算出する。本実施の形態では、（数式 7) Hx (sx、 β ) = (sx/ β ) の場合を示し、 γ χ( 0) = Hx (sx(0), β (0)) = sx(0)/ β (0)である。この場合、 y 3(0) = s3(0) / β (0)により γ 3( 0)を算出する。算出された γ 3(0) = 0.72と図 8の修正生活習慣目標値リストより、修正目標値 tx(l)を算出した。ここで、修正目標値 tx(l)を検証する。これで、来月の生活習慣の目標値が決定でき、図 15がすべて記載される。そして、利用者は、この更新された、目標値を目指し再度生活習慣の改善に努めることができる。

[0043] 本実施の形態の場合、 a (0) = 0.721で、これは計測値に基づ!/、た客観的数値である。一方、この生体情報と関連する生活習慣の項目の回答内容である s3(0) = 0.8は、利用者本人が認識した実行度合いを回答する主観的数値である。この客観的数値と主観的数値との偏差を (数式 6)で補正係数 β (0)として指数ィ匕する。この補正係数 β (0)によって、 s2 (0)、 s3 (0)、 · · ·、 s6 (0)の主観的数値を補正することで、客観的数値に変換する。本実施の形態の場合、主観的には、 0.8実行できたと認識している力実際は 0.721しか実行できていないので、利用者も、前述の例の利用者ほどでは無いにしろ、自身の実行度合いを高く認識する傾向があるので、他の生活習慣項目も同様に高く認識する傾向があるといえる。この傾向をもって利用者力得られる回答を、補正係数 |8 (0)で補正し、補正後の実行度合い γ χ(0)を算出することで、利用者の回答傾向の偏りを補償する。そして、回答傾向の偏りを補償した補正後の実行度合い γ χ(0)に基づいた次回の目標値を設定する。これにより、利用者にとって、実行が可能な目標値を設定でき、より実行意欲が向上する。これと併せて、図 16に示すように、利用者の回答と補正後の回答とを対比して表示することによって、利用者は回答傾向の偏りを自ら認識することができるようになり、他の生活習慣項目に対しても、より客観的に回答を行なうことができるようになるという効果がある。 [0044] 以上の様に、利用者の自身の実行度合!/、の認識の傾向を補償することで、当該利用者に適合した生活習慣の目標値を設定でき効果的である。

[0045] なお、上記実施の形態では、生体情報として BMIや血圧の場合を説明した力生体情報として HbAl c (過去 1〜2ヶ月の血糖値の平均を示す指標）、生活習慣の項目として摂取する糖分量を用いても良い。また、生体情報として血液中の総コレステロール濃度、生活習慣の項目として摂取する脂質量などを用いても良い。

[0046] なお、上記本実施の形態をより簡易に行なう場合には、例えば、生活習慣に関する項目に最も関連のある生体情報目標値 t(N)と、生体情報計測値 s(N)とから達成係数 α (Ν)を算出し、算出された達成係数 α (Ν)力も直接、生活習慣目標値リストを参照し、修正目標値 tx(N+l)を算出するとしてもよい。図 17は、達成係数 α (Ν)から直接、生活習慣目標値リストを参照し、修正目標値 tx(N+l)を算出する場合の手順を示すフロ一チャートである。同図に示すように、算出された達成係数 α (Ν)力直接、生活習慣目標値リストを参照し、修正目標値 tx(N+l)を算出する場合には、利用者に対する修正目標値 tx(N+l)の適正度は低減されると考えられるが、図 9と図 17とを比較しても明らかなように、健康管理支援装置の処理量を大幅に低減することができるという効果がある。

[0047] なお、上記実施の形態では、達成係数 ex (N)に基づ、て回答値が示す実行度合!/ヽを補正したが、これに限らず、達成係数 α ( から、次回の生体情報の計測値の目標値を補正するとしてもよい。そして、次回の生活習慣の改善期間終了時の計測値が、この補正された目標値となるように、生活習慣に関する項目の目標値を決定するとしてもよい。

産業上の利用可能性

[0048] 本発明にかかる健康管理支援装置は、健康管理が必要な利用者の生体情報の計測値により、利用者の生活習慣に関する回答内容を補正し、生活習慣に対する目標値を修正する健康管理支援装置に応用できる。具体的には、本発明の健康管理支援装置は、病院の医師等と通信網などにより通信可能な家庭のパーソナルコンビュータ、 PDA,カーナビゲーシヨン装置および携帯電話機などとして有用である。

[0049] 本発明に係る計測装置は、病院などと通信網により接続される家庭のトイレ装置、血圧計、体重計などの計測機またはベッドなどの住設機器として、また、公共施設等に備えられるトイレ装置などの衛生機器として有用である。

Claims

請求の範囲

[1] 利用者の健康管理を支援する健康管理支援装置であって、

利用者の生体情報の計測値の入力を受け付ける計測値入力手段と、前記生体情報と関連する生活習慣に関する努力目標の実行度合いの自己評価である利用者の回答値の入力を受け付ける回答入力手段と、

前記回答値と、前記生体情報の前記計測値から求められる前記生体情報の目標の達成度合いとの乖離度合いに応じて、前記回答値を補正する回答補正手段とを備える健康管理支援装置。

[2] 前記健康管理支援装置は、さらに、

前記乖離度合いまたは補正後の前記回答値を表示する表示手段

を備える請求項 1記載の健康管理支援装置。

[3] 前記健康管理支援装置は、さらに、

補正後の前記回答値と生活習慣に関する努力目標の修正度合いとの相関を示すデータを参照して、補正後の前記回答値を用いて、前記生活習慣に関する努力目標の目標値を修正して決定する目標値決定手段と

を備える請求項 1記載の健康管理支援装置。

[4] 前記健康管理支援装置は、さらに、

所定期間開始前に決定された、生活習慣に関する努力目標の前記所定期間の前記目標値を記録する目標値記録手段を備え、

前記目標値決定手段は、前記所定期間終了後に、補正された前記回答値に基づ Vヽて、前記目標値記録手段に記録されて!、る前記目標値を修正し、前記所定期間の次の期間の目標値を決定する

請求項 3記載の健康管理支援装置。

[5] 前記健康管理支援装置は、さらに、

前記所定期間開始前に、前記生体情報の目標値の入力を受け付ける目標値入力手段を備え、

前記回答補正手段は、前記生体情報の前記計測値と、前記生体情報の前記目標値との比に基づ!、て前記生体情報の目標の前記達成度合!、を示す達成係数 aを算出する

請求項 4記載の健康管理支援装置。

[6] 前記回答補正手段は、さらに、

算出された前記達成係数 αから、前記回答値と前記生体情報の目標の達成度合いとの前記乖離度合いを示す補正係数 ι8を算出する補正係数算出部と、

前記回答値を、算出された補正係数 |8を用いて補正する回答値補正部とを備える請求項 5記載の健康管理支援装置。

[7] 前記目標値決定手段は、

前記生活習慣に関する努力目標の前記所定期間内の実行度合いに応じて、前記所定期間の前記生活習慣に関する努力目標の前記目標値を修正するための修正関数を保持する修正関数保持部と、

前記補正係数 ι8を用いて補正された前記回答値を前記生活習慣に関する努力目標の実行度合いとし、前記修正関数により、前記所定期間の前記目標値を修正する目標値修正部とを備え、

前記目標値決定手段は、修正された前記所定期間の前記目標値を、前記所定期間の次の期間に実行すべき生活習慣に関する努力目標の目標値と決定する請求項 6記載の健康管理支援装置。

[8] 前記健康管理支援装置は、さらに、

前記目標値決定手段は、補正された前記回答値に基づいて、前記生活習慣に関する努力目標の目標値を決定する代わりに、前記所定期間の次の期間の目標となる生体情報の目標値を前記所定期間終了後に決定する

請求項 3記載の健康管理支援装置。

[9] 前記健康管理支援装置は、さらに、

所定期間に利用者が実行すべき生活習慣に関する努力目標が複数ある場合、前記複数の努力目標の目標値と、前記複数の努力目標のうちの!/、ずれかの努力目標と最も関連のある生体情報についての目標値の入力を受け付ける目標値入力手段と、

前記計測値入力手段は、前記生体情報についての前記目標値の入力が受け付けられた前記生体情報の計測値の入力を受け付け、

前記回答入力手段は、生活習慣の前記複数の努力目標の実行度合いについて、回答値の入力を前記期間終了後に受け付け、

前記回答補正手段は、前記生体情報の前記計測値と前記生体情報の目標値とを比較し、前記比較結果を前記達成度合いとして、前記回答値と前記達成度合いとの乖離度合、に基づ、て前記回答値を補正し、

前記目標値決定手段は、補正された前記回答値と複数の生活習慣に関する努力目標の修正度合いとの相関を示すデータを考慮して、補正された前記回答値を用いて、前記所定期間の次の期間に実行すべき複数の生活習慣に関する努力目標の目標値を決定する

請求項 3記載の健康管理支援装置。

[10] 前記回答補正手段は、前記所定期間の開始時に入力された前記生体情報の目標値 tに対する、前記所定期間終了後に入力された前記生体情報の前記計測値 sの前記達成度合いを示す達成係数 αを数式 1で示した関数により算出し、算出された達成係数 αを用いて、前記回答値を補正する

a =k - (t/s) ：ただし、 k > 0 · · · (数式 1)

請求項 9記載の健康管理支援装置。

[11] 前記回答補正手段は、さらに、

前記生活習慣の前記複数の努力目標の実行度合!、についての回答値 sx (Xは 1〜 nまでの自然数)のうち、前記達成係数 aが算出された前記生体情報と最も関連のする生活習慣の努力目標の実行度合いについての回答値 sxと前記達成係数ひとから、数式 2で示した関数により、前記補正係数 |8を算出する補正係数算出部と、算出された前記補正係数 ι8に基づいて、前記各回答値 sxを補正する回答値補正部とを備える

β =1 · (sx/d) ：ただし、 1> 0 · · · (数式 2)

請求項 10記載の健康管理支援装置。

[12] 前記回答補正部は、数式 3で示す関数を用いて、

前記補正係数 βに基づ!、て、前記各回答値 sx (Xは 1〜ηまでの自然数)を補正する

y x = sx/ β · · · (数式 3)

請求項 11記載の健康管理支援装置。

[13] 前記目標値決定手段は、

補正後の実行度合い 0 x (xは 1〜ηまでの自然数)と、前記所定期間の開始時に入力された生活習慣の努力目標の前記目標値 tx (xは 1〜！!までの自然数)とから、数式 4で示した関 ¾Jxにより、前記各目標値 txを Tx (Xは 1〜ηまでの自然数）に修正し修正された前記各目標値 Tx (Xは 1〜！!までの自然数)を、前記所定期間の次の期間に実行すべき生活習慣に関する努力目標の目標値と決定する

Tx=Jx (tx、 γ χ)…（数式 4)

請求項 12記載の健康管理支援装置。

[14] 人体の生体情報を計測する生体情報計測機と利用者の健康管理を支援する健康管理支援装置とを備える健康管理支援システムであって、

前記生体情報計測機は、

利用者の生体情報を計測する計測手段と、

前記計測手段により計測された計測値を前記健康管理支援装置に送信する送信手段とを備え、

前記健康管理支援装置は、

前記生体情報計測機からの前記計測値の入力を受け付ける計測値入力手段と、生活習慣に関する努力目標をどれだけ実行できたかを示す実行度合ヽにつ、て、利用者の自己評価である回答値の入力を受け付ける回答入力手段と、

前記回答値と、前記計測値から求められる前記生体情報の目標の達成度合いとの乖離度合いに応じて、前記回答値を補正する回答補正手段と

を備える健康管理支援システム。

[15] 利用者の健康管理を支援する健康管理支援方法であって、利用者の生体情報の計測値の入力を受け付ける計測値入力ステップと、前記生体情報と関連する生活習慣に関する努力目標の実行度合いの自己評価である利用者の回答値の入力を受け付ける回答値入力ステップと、

前記回答値と、前記生体情報の前記計測値から求められる前記生体情報の目標の達成度合いとの乖離度合いに応じて、前記回答値を補正する回答補正ステップとを含む健康管理支援方法。

[16] 前記健康管理支援方法は、さらに、

前記乖離度合いまたは補正後の前記回答値を表示する表示ステップ

を含む請求項 15記載の健康管理支援方法。

[17] 前記健康管理支援方法は、さらに、

補正後の前記回答値と生活習慣に関する努力目標の修正度合いとの相関を示すデータを参照して、補正後の前記回答値を用いて、前記生活習慣に関する努力目標の目標値を修正して決定する目標値決定ステップと

を含む請求項 15記載の健康管理支援方法。

[18] 利用者の健康管理を支援する健康管理支援装置のためのプログラムであって、コンピュータに、利用者の生体情報の計測値の入力を受け付ける計測値入力ステップと、前記生体情報と関連する生活習慣に関する努力目標の実行度合!、の自己評価である利用者の回答値の入力を受け付ける回答値入力ステップと、前記回答値と、前記生体情報の前記計測値から求められる前記生体情報の目標の達成度合いとの乖離度合いに応じて、前記回答値を補正する回答補正ステップとを実行させるプログラム。