WO2006054534A1

WO2006054534A1 - インクジェット記録装置

Info

Publication number: WO2006054534A1
Application number: PCT/JP2005/020909
Authority: WO
Inventors: Takeshi Yokoyama
Original assignee: Konica Minolta Medical & Graphic, Inc.
Priority date: 2004-11-22
Filing date: 2005-11-15
Publication date: 2006-05-26
Also published as: EP1815988A4; EP1815988A1; EP1815988B1; US20090147037A1; JP2006142707A

Abstract

　インクジェット記録装置は、記録媒体に向かって光硬化性のインクを吐出する記録ヘッドと、記録媒体Ｋの表面に着弾したインクに光を照射する照射装置と、照射装置から照射される光の照度を測定する照度測定装置と、記録ヘッドを制御する制御装置とを備える。制御装置は、照度測定装置による測定照度がインクの硬化下限照度以上の場合に、記録ヘッドを画像記録可能状態とする。

Description

明細書

インクジェット記録装置

技術分野

[0001] 本発明は、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置に関する。

背景技術

[0002] インク吸収性の乏しい記録媒体に対しても画像を記録する装置として、光硬化インクジェット方式のインクジェット記録装置が用いられて、る。光硬化インクジェット方式のインクジェット記録装置とは、光硬化性のインクを記録ヘッドから吐出して記録媒体の表面に着弾させた後、水銀灯などの照射装置力光を照射して記録媒体の表面にインクを定着させるものである（例えば、特許文献 1〜3参照)。

[0003] ところで、照射装置の点灯開始直後には、照度が安定しないため、画像記録を開始してもインクを硬化させられない可能性がある。そのため、従来のインクジェット記録装置では、確実にインクを硬化させる観点から、図 7に示すように、照射装置が点灯してから、照度が安定照度に達するまでは、画像記録を行わないようになつている特許文献 1 :特開 2002— 137375号公報

特許文献 2 :特開 2003— 145725号公報

特許文献 3：特開 2004 - 1326号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] し力しながら、一般的にインクの硬化に必要な照度、つまり硬化下限照度は、照射装置の安定照度よりも低い。そのため、照度が安定照度に達するまで画像記録を行わないこととすると、画像記録の開始が無駄に遅くなり、効率が悪い。

[0005] 本発明の課題は、画像記録の効率を向上させることができるインクジェット記録装置を提供することである。

課題を解決するための手段

[0006] 上記課題を解決するため本発明は以下の各項の構成を含む。項 1

記録媒体に向力つて光硬化性のインクを吐出する記録ヘッドと、

記録媒体の表面に着弾したインクに光を照射する少なくとも 1つの照射装置と、前記照射装置から照射される光の照度を測定する照度測定装置と、

前記記録ヘッドを制御する制御装置とを備え、

前記制御装置は、

前記照度測定装置による測定照度がインクの硬化下限照度以上の場合に、前記記録ヘッドを画像記録可能状態とすることを特徴とするインクジット記録装置。

[0007] 項 1の構成によれば、照度測定装置による測定照度がインクの硬化下限照度以上の場合に記録ヘッドが画像記録可能状態となるので、照度が安定照度に達するまで記録ヘッドが画像記録可能状態とならない従来の場合と比較して、画像記録の開始が早くなる。従って、画像記録の効率を向上させることができる。

[0008] また、記録媒体に着弾したインクに対し、硬化下限照度以上の照度の光が照射されるので、インクを確実に硬化させることができる。従って、未硬化インクによる滲みなどを防止することができるため、従来と比較して画質が劣化するのを防止することができる。

項 2

前記記録ヘッドを制御する制御装置とを備え、

前記制御装置は、

前記照度測定装置による測定照度がインクの硬化下限照度以上の場合に、前記記録ヘッドをインク吐出可能状態とすることを特徴とするインクジェット記録装置。

[0009] 項 2の構成によれば、照度測定装置による測定照度がインクの硬化下限照度以上の場合に記録ヘッドがインク吐出可能状態となるので、照度が安定照度に達するまで記録ヘッド力 Sインク吐出可能状態とならな、従来の場合と比較して、画像記録の開始が早くなる。従って、画像記録の効率を向上させることができる。 [0010] また、記録媒体に着弾したインクに対し、硬化下限照度以上の照度の光が照射されるので、インクを確実に硬化させることができる。従って、未硬化インクによる滲みなどを防止することができるため、従来と比較して画質が劣化するのを防止することができる。

項 3

項 1または 2記載のインクジェット記録装置において、

前記制御装置は、

前記照度測定装置により所定時間間隔をあけて測定された 2つの測定照度がそれぞれ前記硬化下限照度以上の場合に、前記記録ヘッドをインク吐出可能状態とすることを特徴とするインクジェット記録装置。

[0011] 項 3の構成によれば、照度測定装置による 2つの測定照度がそれぞれ硬化下限照度以上の場合に記録ヘッドがインク吐出可能状態となるので、点灯開始直後や出力切替直後などで照射装置の照度が硬化下限照度以上で安定して!/、な!、場合に画像記録が開始されるのを防止することができる。従って、記録媒体上のインクに照射される光の照度を確実に硬化下限照度以上とすることができるため、インクを確実に硬ィ匕させることができる。

項 4

項 1または 2記載のインクジェット記録装置において、

前記照射装置を複数備え、

前記制御装置は、

各照射装置についての前記照度測定装置による測定照度が硬化下限照度以上の場合に、前記記録ヘッドをインク吐出可能状態とすることを特徴とするインクジェット記録装置。

[0012] 項 4記載の構成によれば、各照射装置についての測定照度力 Sインクの硬化下限照度以上の場合に記録ヘッドがインク吐出可能状態となるので、一方の照射装置の照度が硬化下限照度未満の場合に画像記録が開始されるのを防止することができる。従って、記録媒体上のインクに照射される光の照度を確実に硬化下限照度以上とすることができるため、インクを確実に硬化させることができる。項 4記載のインクジェット記録装置にぉ、て、

前記制御装置は、

各照射装置について前記照度測定装置により所定時間間隔をあけて測定された 2 つの測定照度がそれぞれ前記硬化下限照度以上の場合に、前記記録ヘッドをインク吐出可能状態とすることを特徴とするインクジェット記録装置。

[0013] 項 5記載の構成によれば、各照射装置について照度測定装置による 2つの測定照度がそれぞれ硬化下限照度以上の場合に記録ヘッドがインク吐出可能状態となるので、点灯開始直後や出力切替直後などで照射装置の照度が硬化下限照度以上で安定していない場合に画像記録が開始されるのを防止することができる。従って、記録媒体上のインクに照射される光の照度を確実に硬化下限照度以上とすることができるため、インクを確実に硬化させることができる。

項 6

項 1〜5の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、

操作者から記録媒体の種類が入力される入力装置と、

記録媒体の温度を測定する第 1温度測定装置と、

環境温度を測定する第 2温度測定装置と、

湿度を測定する湿度測定装置と、

出力画像の解像度を算出する演算部とのうち、少なくとも 1つを備え、

前記制御装置は、記録媒体の種類、記録媒体の温度、環境温度、湿度及び出力画像の解像度のうち、少なくとも 1つに基づいて前記硬化下限照度を算出することを特徴とするインクジェット記録装置。

[0014] ここで、インクの硬化下限照度は、記録媒体の種類や記録媒体の温度、環境温度、湿度、出力画像の解像度などによって異なる。例えば、含水率が高い記録媒体ほど、インクが硬化し難いため、硬化下限照度は高くなる。また、記録媒体の温度や環境温度が高いほど、光の照射前に予めインクが暖められるため、硬化下限温度は低くなる。また、湿度が高いほど、インクの溶媒が蒸発し難くなるため、硬化下限温度は高くなる。また、出力画像の解像度が高いほど、 1ドット当たりのインク量が少なくなり、インクの体積に対する表面積の割合が大きくなる結果、インクに対して大気中の水分が入り込みやすくなり、インクが硬化し難くなるため、硬化下限照度が高くなる。

[0015] 項 6記載の構成によれば、制御装置は記録媒体の種類と、記録媒体の温度と、環境温度と、湿度と、出力画像の解像度との少なくとも 1つに基づいて硬化下限照度を算出するので、記録媒体の種類や温度、湿度、解像度の変化に関わらず、正確な硬化下限照度を算出することができる。従って、インクを確実に硬化させることができる項 7

項 6記載のインクジェット記録装置にぉ、て、

前記第 1温度測定装置は、記録媒体の温度として、記録媒体を支持するプラテンの温度を測定することを特徴とするインクジェット記録装置。

[0016] 項 7記載の構成によれば、第 1温度測定装置はプラテンの温度を記録媒体の温度として測定するので、記録媒体の温度を直接測定する場合と比較して、搬送される記録媒体との摩擦によって第 1温度測定装置に不具合が生じるのを防止することができる。

項 8

項 6または 7記載のインクジェット記録装置において、

前記硬化下限照度と、記録媒体の種類、記録媒体の温度、環境温度、湿度及び出力画像の解像度の少なくとも 1つとの関係を示すテーブルを記憶する記憶部を備え、前記制御装置は、前記テーブルを用いて前記硬化下限照度を算出することを特徴とするインクジェット記録装置。

[0017] 項 8記載の構成によれば、制御装置はテーブルを用いて硬化下限照度を算出するので、式などを用いて算出する場合と比較して、硬化下限照度を容易に算出することができる。

項 9

項 1〜8の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、

前記記録ヘッドは、カチオン重合系のインクを吐出することを特徴とするインクジェット記録装置。 [0018] 項 9記載の構成によれば、項 1〜8の何れか一項に記載の構成と同様の効果を得ることができる。

項 10

項 1または 2記載のインクジェット記録装置において、

前記制御装置は、前記照度測定装置による測定照度がインクの硬化下限照度を下まわって!/、る場合に、前記記録ヘッドをインク吐出不可能状態とすることを特徴とするインクジェット記録装置。

[0019] 項 10記載の構成によれば、照射装置の発する光力 Sインク硬化下限照度を下まわつて、る状態で記録ヘッドがインクを吐出して、インクが硬化せずに記録媒体上を流動することを防止できる。

項 11

項 1または 2記載のインクジェット記録装置において、

前記制御装置は、前記照度測定装置による測定照度が所定時間以上インク硬化下限照度を下まわってヽる場合は、その旨報知する制御を行うことを特徴とするインクジェット記録装置。

[0020] 項 11記載の構成によれば、照度装置の発する光の照度がインク硬化下限照度を下まわって!/、るために画像が記録されな、、あるいはインクが吐出されな、状態に操作者が気がつかずに、その状態が放置されることを防止できる。

項 12

項 1または 2記載のインクジェット記録装置において、

前記制御装置は、吐出されたインクに対して照射されている最中に、前記照度測定装置による測定照度力インク硬化照度下限を下まわった場合にインク吐出不可能状態とするとともに、その旨を報知する制御を行うことを特徴とするインクジェット記録装置。

[0021] 項 12記載の構成によれば、画像記録中に照度装置による光の照度が低下してインク硬化下限照度を下まわり、インクが硬化しない状態に変化した場合に、直ちに画像記録、あるいはインクの吐出を自動的に中止し、操作者にその状態を報知することができる。発明の効果

[0022] 項 1, 2記載の構成によれば、照度が安定照度に達するまで記録ヘッドがインク吐出可能状態とならない従来の場合と比較して、画像記録の開始が早くなる。従って、画像記録の効率を向上させることができる。

[0023] 項 3, 4, 5記載の構成によれば、項 1, 2記載の構成と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、記録媒体上のインクに照射される光の照度を確実に硬化下限照度以上とすることができるため、インクを確実に硬化させることができる。

[0024] 項 6記載の構成によれば、項 1〜5の何れか一項に記載の構成と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、記録媒体の種類や温度、湿度、解像度の変化に関わらず、正確な硬化下限照度を算出することができる。従って、インクを確実に硬化させることがでさる。

[0025] 項 7記載の構成によれば、項 6記載の構成と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、記録媒体の温度を直接測定する場合と比較して、搬送される記録媒体との摩擦によって第 1温度測定装置に不具合が生じるのを防止することができる。

[0026] 項 8記載の構成によれば、項 6または 7記載の構成と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、硬化下限照度を容易に算出することができる。

[0027] 項 9記載の構成によれば、項 1〜8の何れか一項に記載の構成と同様の効果を得ることができる。

[0028] 項 10記載の構成によれば、照射装置の発する光力 Sインク硬化下限照度を下まわつて、る状態で記録ヘッドがインクを吐出して、インクが硬化せずに記録媒体上を流動することを防止できる。

[0029] 項 11または項 12記載の構成によれば、照度装置の発する光の照度がインク硬化下限照度を下まわって、るために画像が記録されな、、またはインクが吐出されなヽ状態に操作者が気がつかずに、その状態が放置されること、あるいは、画像記録中に照度装置の発する光の照度が低下してインク硬化下限照度を下まわり、インクが硬化しない状態に変化した場合には、インクの吐出が継続してインクが流動することが防がれ、操作者はそれらの状態を報知される。

図面の簡単な説明 [0030] [図 1]本発明に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す正面図である。

[図 2]インクの硬化下限照度を示す図である。

[図 3]本発明に係るインクジェット記録装置の概略構成を示すブロック図である。

[図 4]インクの硬化下限照度についてのテーブルの例を示す図である。

[図 5]照射装置が点灯を開始した後の照度変化を示す図である。

[図 6]本発明に係るインクジェット記録装置の画像記録開始タイミングを示す図である

[図 7]従来のインクジェット記録装置の画像記録開始タイミングを示す図である。符号の説明

[0031] 1 インクジェット記録装置

3a〜3d 記録ヘッド

4 照射装置

8 制御装置

10 プラテン

12 入力装置

13 媒体温度測定装置 (第 1温度測定装置）

70 照度測定装置

71 環境温度測定装置 (第 2温度測定装置）

72 湿度測定装置

80 記憶部

81 テーブル

82 演算部

K 記録媒体

発明を実施するための最良の形態

[0032] 以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、本実施の形態にお、ては、インクジェット記録装置をシリアルヘッド方式の装置であることとして説明する。

[0033] 図 1は本発明に係るインクジェット記録装置 1の概略構成を示す側面図である。 [0034] この図に示すように、インクジェット記録装置 1は、記録媒体 Kを裏面側から平坦に支持するプラテン 10を記録領域 Eに備えている。プラテン 10によって支持された記録媒体 Kは、搬送装置 11 (図 3参照）によって搬送方向 Y (図 1の表裏方向）に搬送されるようになっている。また、プラテン 10によって支持されている記録媒体 Kの種類は、入力装置 12 (図 3参照)を介して操作者力も入力可能となっている。ここで、記録媒体 Kの種類はインクの硬化下限温度を変化させる因子の 1つであり、例えば含水率の高い記録媒体 Kほど、記録媒体 Kの表面でインクが硬化し難くなるため、硬化下限照度は高くなる。また、炭酸カルシウムを含有する紙などの記録媒体 Kでは、インクの重合阻害が起こるため、硬化下限照度は高くなる。

[0035] プラテン 10の上面には、本発明における第 1温度測定装置としての媒体温度測定装置 13 (図 3参照）が設けられている。この媒体温度測定装置 13は、記録媒体 Kの温度を測定するものであり、記録媒体 Kの温度としてプラテン 10の上面の温度を測定するようになっている。ここで、図 2 (a)に示すように、記録媒体 Kの温度はインクの硬化下限温度を変化させる因子の 1つであり、この温度が高いほど、照射装置 4による光の照射前に予めインクが暖められるため、硬化下限温度は低くなる。なお、媒体温度測定装置 13としては、従来より公知の温度センサーを用いることができる。

[0036] プラテン 10の上方には、走査方向 Xに延在するキャリッジレール 14が配置されており、このキャリッジレール 14には、キャリッジ 2が設けられている。

[0037] キャリッジ 2は、キャリッジ駆動装置 2a (図 3参照）の駆動によって記録領域 E力メンテナンス領域 Fにかけて走査方向 Xに移動するようになっている。キャリッジ 2には、複数の記録ヘッド 3a〜3dが走査方向 Xに並んで搭載されている。

[0038] 記録ヘッド 3a〜3dは、吐出面 30に設けられた複数のインク吐出口（図示せず)から記録媒体 Kに対して光硬化性のインク、本実施形態では紫外線硬化性のインクを吐出するものである。各インク吐出口は、例えばピエゾ素子や加熱素子などの動作により個別にインクを液滴として吐出するように構成されている。なお、本実施の形態においては、記録ヘッド 3aはブラック（K)、記録ヘッド 3bはシアン（C)、記録ヘッド 3cはマゼンタ（M)、記録ヘッド 3dはイェロー（Y)のインクを吐出するようになって!/、る。

[0039] 各記録ヘッド 3a〜3dには、対応する色のインクを貯蔵するインクタンク 31がインク供給管 32を介して連結されている。これらインクタンク 31及びインク供給管 32は記録ヘッド 3a〜3dにインクを供給するようになって、る。

[0040] また、走査方向 Xにおいてキャリッジ 2の両端には、照射装置 4, 4が配設されており

、キャリッジ 2と共に走査方向 Xに移動するようになって、る。

[0041] この照射装置 4は、下方に開口した凹形状のカバー部材 4bの内部に紫外線光源 4 aを備えている。

[0042] 紫外線光源 4aは、紫外線を放射状に照射するものである。紫外線光源 4aとしては、例えば高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ブラックライト、熱陰極管、冷陰極管、 LED (Light Emitting Diode)、無電極ランプ、エキシマランプ等を用!/、ることができる。

[0043] この紫外線光源 4aの口金部（図示せず）には、温度制御装置 4c (図 3参照）が接続されている。

[0044] 温度制御装置 4cは、照射装置 4, 4が安定照度に達している場合には、口金部を安定照度時の温度、例えば 50〜60°Cに維持するようになっている。また、この温度制御装置 4cは、照射装置 4, 4の点灯開始時や、高照度への切換時には、口金部を安定照度時よりも 10〜20°C高!、温度に維持するようになって!/、る。

[0045] また、図 1に示すように、プラテン 10の側方のメンテナンス領域 Fには、メンテナンスユニット 6が配設されてヽる。

[0046] メンテナンスユニット 6は記録ヘッド 3a〜3dに対してメンテナンスを行うとともに、待機状態にある記録ヘッド 3a〜3dの吐出面 30を紫外線力も遮蔽するものであり、上下動可能なキャップ部材 61を有して、る。

[0047] キャップ部材 61は、記録ヘッド 3a〜3dの吐出面 30を覆うものであり、 4個の記録へッド 3a〜3dの吐出面 30を同時に覆うことができるよう、記録ヘッド 3a〜3dの配列に対応して配列されている。

[0048] これらキャップ部材 61は、吸引ポンプ 62を介して廃インクタンク 63と連通している。

吸引ポンプ 62はシリンダーポンプやチューブポンプを有しており、キャップ部材 61が吐出面 30を覆った状態においてインク吐出口（図示省略)から記録ヘッド 3a〜3d内部のインクを異物とともに吸引するための吸引力を発生するようになっている。 [0049] キャップ部材 61の側方には、照度測定装置 70、環境温度測定装置 71 (図 3参照）及び湿度測定装置 72 (図 3参照）が配設されている。

[0050] 照度測定装置 70は、照射装置 4から照射される光の照度を測定するものである。

[0051] 環境温度測定装置 71は、本発明における第 2温度測定装置であり、インクジェット記録装置 1の内部環境の温度を測定するものである。ここで、環境温度はインクの前記硬化下限温度を変化させる因子の 1つであり、環境温度が高いほど、照射装置 4 による光の照射前に予めインクが暖められるため、硬化下限温度は低くなる。

[0052] 湿度測定装置 72は、インクジェット記録装置 1の内部の相対湿度を測定するものである。ここで、図 2 (b)に示すように、相対湿度はインクの前記硬化下限温度を変化させる因子の 1つであり、相対湿度が高いほど、インクの溶媒が蒸発し難くなるため、硬化下限温度は高くなる。

[0053] なお、照度測定装置 70、環境温度測定装置 71及び湿度測定装置 72としては、従来より公知のセンサーを用いることができる。

[0054] 以上のキャリッジ駆動装置 2a、搬送装置 11、入力装置 12、記録ヘッド 3a〜3d、照射装置 4、温度制御装置 4c、メンテナンスユニット 6、媒体温度測定装置 13、環境温度測定装置、湿度測定装置 72及び照度測定装置 70等には、図 3に示すように、制御装置 8が接続されている。

[0055] 制御装置 8は、図示しない CPUや RAM、 ROM等で構成されたものであり、記憶部 80及び演算部 82を備えて、る。

[0056] 記憶部 80は、インクの硬化可能な硬化下限照度と、記録媒体 Kの種類、記録媒体 Kの温度、環境温度、相対湿度、出力画像の解像度との関係を示すテーブル 81 (図 4参照）を記憶している。

[0057] 演算部 82は、出力画像の解像度を算出する等の演算を行うものである。ここで、図 2 (c)に示すように、出力画像の解像度はインクの前記硬化下限温度を変化させる因子の 1つであり、出力画像の解像度が高いほど、 1ドット当たりのインク量が少なくなり、インクの体積に対する表面積の割合が大きくなる結果、インクに対して大気中の水分が入り込みやすくなり、インクが硬化し難くなるため、硬化下限照度が高くなる。

[0058] また、この演算部 82は、入力装置 12から送信される情報と、媒体温度測定装置 13 、環境温度測定装置 71及び湿度測定装置 72の測定結果と、出力画像の解像度とに基づいて、前記硬化下限照度を算出するようになっている。より詳細には、演算部 82は、記憶部 80中のテーブル 81を用いて硬化下限照度を算出するようになっている。

[0059] 以上の制御装置 8は、インクジェット記録装置 1の各部を制御するようになっている。

[0060] 具体的には、制御装置 8は、キャリッジ駆動装置 2aを制御することにより、記録へッド 3a〜3d及び照射装置 4, 4を走査方向 Xに移動させるようになつている。また、制御装置 8は、搬送装置 11を制御することにより、記録媒体 Kを間欠的に搬送させるようになっている。また、制御装置 8は、メンテナンスユニット 6を制御することにより、記録ヘッド 3a〜3dに対するメンテナンスを行わせるようになって!/、る。

[0061] また、制御装置 8は、記録ヘッド 3a〜3dを制御することにより、インクの吐出を行わせるようになつている。より詳細には、制御装置 8は、照射装置 4, 4の点灯開始後、各照射装置 4, 4について照度測定装置 70により所定時間間隔をあけて測定された 2つの測定照度がそれぞれ前記硬化下限照度以上の場合に、記録ヘッド 3a〜3dを画像記録可能状態とし、画像データに基づ、てインクの吐出を行わせるようになっている。

[0062] また、制御装置 8は、照射装置 4, 4を制御することにより、紫外線を照射させて記録媒体 Kの表面のインクを硬化させるようになって、る。

[0063] 次に、本実施形態に用いられる「インク」について説明する。

[0064] 本実施形態に用いられるインクは、紫外線の被照射により硬化する紫外線硬化性インクであり、主成分として、重合性化合物 (公知の重合性化合物を含む）、光開始剤及び色材を少なくとも含むものである。

[0065] 前記紫外線硬化性インクは、重合性化合物として、ラジカル重合性ィ匕合物を含むラジカル重合系インクとカチオン重合性ィ匕合物を含むカチオン重合系インクとに大別され、どちらのインクも本実施形態に用いられるインクとして適用可能である。しかし、力チオン硬化性インクの方力酸素による重合阻害を受けることが少ない又は無いので、紫外線に対する感度が高ぐまた、活性種である酸が光エネルギーを蓄積する性質を有して、るため、機能性 ·汎用性に優れて、る。 [0066] 次に、本実施形態に用いられる「記録媒体」について説明する。

[0067] 本実施形態に用いられる記録媒体としては、通常のインクジェット記録装置に適用される普通紙、再生紙、光沢紙等の各種紙、各種布地、各種不織布、榭脂、金属、ガラス等の材質力なるものが適用可能である。また、記録媒体の形態としては、ロール状、カットシート状、板状等が適用可能である。

[0068] さらに、本実施形態に用いられる記録媒体として、榭脂により表面を被覆した各種紙、顔料を含むフィルム、発泡フィルム等の不透明な公知の記録媒体も適用可能である。

[0069] 続いて、起動時や、後述のメンテナンス終了時におけるインクジェット記録装置 1の動作について説明する。

[0070] まず、照射措置 4, 4が点灯を開始するとともに、温度制御装置 4cが紫外線光源 4a の口金部の温度を安定照度時の温度よりも高い温度に維持する。これにより、図 5に示すように、口金部の温度を制御しない場合と比較して照射装置 4, 4の照度の上昇する割合が大きくなる。

[0071] 次に、キャリッジ 2が往復移動して照射装置 4, 4を交互に 2回ずつ照度測定装置 7 0と対向させ、照射装置 4と対向した照度測定装置 70は照度を測定する。これにより、各照射装置 4, 4の照度が所定時間間隔をあけて 2回ずつ測定されることとなる。

[0072] また、媒体温度測定装置 13、環境温度測定装置 71及び湿度測定装置 72が温度 ,相対湿度を測定する。

[0073] また、操作者が記録媒体 Kの種類を入力装置 12に入力すると、その情報が入力装置 12から制御装置 8に送信される。

[0074] 更に、制御装置 8は、画像データに基づいて出力画像の解像度を算出する。

[0075] 次に、制御装置 8は、照度測定装置 70、媒体温度測定装置 13、環境温度測定装置 71及び湿度測定装置 72による測定結果と、入力装置 12から送信される情報と、出力画像の解像度と、記憶部 80中のテーブル 81とに基づき、インクの硬化下限照度を算出する。このように、制御装置 8が媒体温度測定装置 13、環境温度測定装置 71及び湿度測定装置 72の測定結果と、入力装置 12から送信される情報と、出力画像の解像度とに基づいて硬化下限照度を算出するので、温度や相対湿度、解像度などの変化に関わらず、正確な硬化下限照度が算出される。また、制御装置 8はテーブル 81を用いて硬化下限照度を算出するので、式などを用いて算出する場合と比較して、硬化下限照度の算出が容易化される。

[0076] 次に、制御装置 8は、照射装置 4, 4についての 2回の測定照度がそれぞれ前記硬化下限照度以上であるか否かを判断する。

[0077] そして、各測定照度が前記硬化下限照度以上であるときには、制御装置 8は、記録ヘッド 3a〜3dを画像記録可能状態とする。これにより、図 6に示すように、照度が安定照度に達するまで記録ヘッド 3a〜3dが画像記録可能状態とならな、従来の場合 ( 図 7参照）と比較して、インクジェット記録装置 1が早く画像記録可能な状態となる。

[0078] 一方、測定照度力^つでも前記硬化下限照度未満であるときには、各照射装置 4, 4についての 2回の測定照度がそれぞれ前記硬化下限照度以上となるまで、キヤリツジ 2と照度測定装置 70とが協働して各照射装置 4, 4、についての照度測定を繰り返す。これにより、点灯開始直後で照射装置 4, 4の照度が硬化下限照度以上で安定して、な、場合や、一方の照射装置 4の照度が硬化下限照度未満の場合に記録へッド 3a〜3dが画像記録可能状態となって画像記録が開始されるのが防止される。

[0079] 続いて、画像記録時におけるインクジェット記録装置 1の動作について説明する。

[0080] まず、搬送装置 11による記録媒体 Kの搬送を停止させた状態で、キャリッジ 2が記録媒体 Kの直上を走査方向 Xの一方の側に走査する。これにより記録ヘッド 3a〜3d 及び照射装置 4, 4がキャリッジ 2に追従して走査し、この走査の際に画像を記録する。具体的には、まず各記録ヘッド 3a〜3dがインクを吐出し、記録ヘッド 3a〜3dよりも後側、つまり他方の側の照射装置 4が記録媒体 Kの表面のインクに紫外線を照射する。ここで、温度制御装置 4cが紫外線光源 4aの口金部の温度を安定照度時の温度に維持するので、照度の変動が抑えられる。そして、照射装置 4, 4の照度はインクの硬化下限照度以上であるので、記録媒体 Kに着弾したインクは紫外線によって確実に硬化し、記録媒体 Kの表面に定着する。

[0081] 次に、搬送装置 11が記録媒体 Kを搬送方向 Yに沿って搬送した後、搬送装置 11 による記録媒体 Kの搬送が停止した状態で、キャリッジ 2が記録媒体 Kの直上を走査方向に走査し、この走査の際に、記録ヘッド 3a〜3d及び照射装置 4, 4が画像を記録する。

[0082] 次に、搬送装置 11が記録媒体 Kを搬送方向 Yに沿って搬送する。

[0083] 以降、インクジェット記録装置 1が上記の各動作を繰り返し、各プロセスカラーの複数のドットからなる所望の画像が記録媒体 Kの表面に順次記録される。

[0084] 続いて、記録ヘッドのメンテナンス時におけるインクジェット記録装置 1の動作について説明する。なお、以下のメンテナンス動作中には、照射装置 4, 4は消灯することとする。

[0085] まず、キャリッジ 2がメンテナンス領域 Fに移動する。

[0086] 次に、キャップ部材 61が上昇し、記録ヘッド 3a〜3dの吐出面 30と当接する。キヤップ部材 61が記録ヘッド 3a〜3dの吐出面 30を覆ったら、吸引ポンプ 62が駆動することにより、記録ヘッド 3a〜3dのインク吐出口の内部からインクを異物とともに吸引し、廃インクタンク 63に排出する。これにより、記録ヘッド 3a〜3dのインク吐出口の目詰まりが解消される。

[0087] そして、キャップ部材 61が下降することにより、メンテナンス動作が終了する。

[0088] 以上のように、本実施形態のインクジェット記録装置 1によれば、従来と比較して早くインクジェット記録装置 1を画像記録可能な状態とすることができるため、画像記録の効率を向上させることができる。

[0089] また、記録媒体 Kに着弾したインクを硬化下限照度以上の照度の光によって確実に硬化させることができるため、未硬化インクによる滲みなどを防止することができる。従って、従来と比較して画質が劣化するのを防止することができる。

[0090] また、照射装置 4, 4の照度が硬化下限照度以上で安定して、な、場合や、一方の照射装置 4の照度が硬化下限照度未満の場合に画像記録が開始されるのを防止することができるため、記録媒体 K上のインクに照射される光の照度を確実に硬化下限照度以上とすることができる。従って、記録媒体 K上のインクを確実に硬化させることができる。

[0091] なお、上記の実施の形態においては、制御装置 8は、起動時またはメンテナンス終了時に照射装置 4, 4の照度と硬化下限照度との比較を行うこととして説明したが、画像記録中に適宜行うこととしても良、。 [0092] また、メンテナンス時に照射装置 4, 4が消灯して、ることとして説明した力画像記録時よりも低照度で照射し続けることとしても良いし、画像記録時と同じ照度で照射し続けることとしても良い。このような場合であっても、メンテナンス後には、制御装置 8 は照射装置 4, 4の照度が前記硬化下限照度以上であることを確認して力記録へッド 3a〜3dを画像記録可能状態とすることが好ましい。

[0093] また、照度測定装置 70による測定照度が前記硬化下限照度以上であるときに制御装置 8は記録ヘッド 3a〜 3dを画像記録可能状態にすることとして説明したが、インク吐出可能状態にすることとしても良い。この場合には、例えばメンテナンス時にも測定照度によってインクの吐出を制御することができる。

[0094] また、湿度測定装置 72は相対湿度を測定することとして説明したが、絶対湿度を測定することとしても良い。この場合、テーブル 81には、インクの硬化下限照度と、記録媒体 Kの種類、記録媒体 Kの温度、環境温度、絶対湿度、出力画像の解像度との関係が記憶される。

[0095] また、照度測定装置 70はキャップ部材 61の側方に 1つのみ配設されていることとして説明したが、キャップ部材 61の両側にそれぞれ 1つずっ配設されることとしても良い。この場合には、記録ヘッド 3a〜3dがキャップ部材 61と対向するときに各照度測定装置 70が照射装置 4, 4と対向することが好ましい。これにより、照射装置 4, 4を照度測定装置 70と対向させるためにキャリッジ 2が往復移動する必要がなくなるため、キャリッジ駆動装置 2aの制御を簡素化することができる。

[0096] また、紫外線光源 4aの口金部には温度制御装置 4cが接続されていることとして説明したが、口金部に加えられる電力を制御する電力制御装置が接続されることとしても良い。この電力制御装置は、照射装置 4が安定照度に達している場合には、安定照度時の電力を維持し、照射装置 4の点灯開始時や、高照度への切換時には、安定照度時の電力よりも高、電力を口金部にカ卩えることが好ま、。

Claims

請求の範囲

[1] 記録媒体に向力つて光硬化性のインクを吐出する記録ヘッドと、

前記記録ヘッドを制御する制御装置とを備え、

前記制御装置は、

[2] 記録媒体に向力つて光硬化性のインクを吐出する記録ヘッドと、

前記記録ヘッドを制御する制御装置とを備え、

前記制御装置は、

[3] 前記制御装置は、

前記照度測定装置により所定時間間隔をあけて測定された 2つの測定照度がそれぞれ前記硬化下限照度以上の場合に、前記記録ヘッドをインク吐出可能状態とすることを特徴とする請求の範囲第 1項または第 2項に記載のインクジヱット記録装置。

[4] 前記照射装置を複数備え、

前記制御装置は、

各照射装置についての前記照度測定装置による測定照度が硬化下限照度以上の場合に、前記記録ヘッドをインク吐出可能状態とすることを特徴とする請求の範囲第 1項または第 2項に記載のインクジヱット記録装置。

[5] 前記制御装置は、

各照射装置について前記照度測定装置により所定時間間隔をあけて測定された 2 つの測定照度がそれぞれ前記硬化下限照度以上の場合に、前記記録ヘッドをインク吐出可能状態とすることを特徴とする請求の範囲第 4項に記載のインクジェット記録装置。

[6] 操作者から記録媒体の種類が入力される入力装置と、

記録媒体の温度を測定する第 1温度測定装置と、

環境温度を測定する第 2温度測定装置と、

湿度を測定する湿度測定装置と、

前記制御装置は、記録媒体の種類、記録媒体の温度、環境温度、湿度及び出力画像の解像度のうち、少なくとも 1つに基づいて前記硬化下限照度を算出することを特徴とする請求の範囲第 1項〜第 5項の何れか一項に記載のインクジェット記録装置

[7] 前記第 1温度測定装置は、記録媒体の温度として、記録媒体を支持するプラテンの温度を測定することを特徴とする請求の範囲第 6項に記載のインクジェット記録装置。

[8] 前記硬化下限照度と、記録媒体の種類、記録媒体の温度、環境温度、湿度及び出力画像の解像度の少なくとも 1つとの関係を示すテーブルを記憶する記憶部を備え、前記制御装置は、前記テーブルを用いて前記硬化下限照度を算出することを特徴とする請求の範囲第 6項または第 7項に記載のインクジェット記録装置。

[9] 前記記録ヘッドは、カチオン重合系のインクを吐出することを特徴とする請求の範囲第 1項〜第 8項の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。

[10] 前記制御装置は、前記照度測定装置による測定照度がインクの硬化下限照度を下まわって!/、る場合に、前記記録ヘッドをインク吐出不可能状態とすることを特徴とする請求の範囲第 1項または第 2項に記載のインクジェット記録装置。

[11] 前記制御装置は、前記照度測定装置による測定照度が所定時間以上インク硬化下限照度を下まわってヽる場合は、その旨報知する制御を行うことを特徴とする請求の範囲第 1項または第 2項に記載のインクジェット記録装置。

[12] 前記制御装置は、吐出されたインクに対して照射されている最中に、前記照度測定装置による測定照度力インク硬化照度下限を下まわった場合にインク吐出不可能状態とするとともに、その旨を報知する制御を行うことを特徴とする請求の範囲第 1項または第 2項に記載のインクジヱット記録装置。