WO2006051648A1 - トロンビン受容体アンタゴニストを有効成分とするくも膜下出血に伴う血管攣縮の治療剤 - Google Patents

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Abstract

PAR1阻害作用を有する化合物もしくはその薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を含有する、くも膜下出血の治療剤またはくも膜下出血の予後改善剤。

Description

トロンビン受容体アンタゴニストを有効成分とする くも膜下出血に伴う血管攣縮の治療剤
技術分野
本発明は、 くも膜下出血の治療剤に関する。
背景技術 明
くも膜下出血 (subarachnoid hemorrhage: SAH) は、 脳卒中全体の 1割を占 める疾患であり、 発症した患者は、 重篤な場合には死に至り、 あるいは助かって も重度の障害を生じる場合が多い。
くも膜下出血は、 脳を包む薄い膜であるくも膜と脳との間の脳脊髄液腔に出血 する疾患である。 くも膜下出血は、 脳実質中というよりも、 脳表面での出血であ るため、 出血に伴う脳の圧迫や壊死による神経症状よりも、 むしろ、 大脳血管攣 縮 (Cerebral vasospasm) による神経症状が問題になる場合が多い。 つまり、 出 血に伴う大脳血管攣縮が、 くも膜下出血の予後を決定づける主要な要素の一つで あると考えられている。
しかし、 これまでに大脳血管攣縮の発生する分子メカニズムは明らかにされて おらず、 くも膜下出血の治療のためにも、 メカニズムの解明が望まれている。 ところで、 トロンビンは、血液凝固系因子の一つである。 また、 トロンビンは、 プロテアーゼ活性化受容体 (PARI)を活性化し、血管収縮調節作用を示すことが明 らかにされている。
これまでに、 くも膜下出血に伴う大脳血管攣縮とトロンビン及び PARIとの関 係について、 詳しく調べられたことはなく、 また、 トロンビン及び PARIに関係 するメカニズムを介したくも膜下出血の治療薬の研究も行われていなかった。
発明の開示 本発明は、 くも膜下出血に伴う大脳血管攣縮に有効な薬剤を提供するものであ る。
これまでに、 くも膜下出血動物モデルにおいてトロンビン活性を阻害するアン チトロンピン III、 及び合成セリンプロテア一ゼ阻害剤 FUT-175を投与すること により血管攣縮が抑制されることが報告されていた (Tsuratani et.al, Stroke, 34:1497-1500, 2003; Yanamoto et al., Nerosurgery, 30:358.363, 1992) 。 し力、 し、 トロンビン活性を阻害することにより新たな出血を引き起こす可能性が有る ため、 トロンビン阻害剤をくも膜下出血の治療剤とすることは難しいと考えられ ていた。
本発明者は、 上記課題を解決するために鋭意研究した結果、 くも膜下出血動物 モデルにおいて、 脳血管がプロテアーゼ活性化受容体 1 (PARI) を介して髙収 縮性を示すこと、 PARIのアップレギユレーションが引き起こされていること、 また、 PARIの脱感作が損なわれていることを見出した。 PARIを介した刺激が、 くも膜下出血後の大脳血管攣縮の引金となるのに加え、 PARI 自身の誘導及び脱 感作の障害を引き起こすことから、 PARIの阻害は、 くも膜下出血後の大脳血管 攣縮を緩解するのみならず、 発生を予防する可能性が有ると考えられた。
本発明者は以上の知見に基づいて、 PARIを阻害することにより、 新たな出血 を引き起こすことなく、 くも膜下出血を治療することが可能であることを明らか にし、 本発明を完成させた。 すなわち、 本発明は以下の通りである。
( 1 ) プロテアーゼ活性化受容体 1の機能を阻害する作用を有する化合物もし くはその薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を含有する、 くも膜下出 血の治療剤又はくも膜下出血の予後改善剤。
( 2 ) プロテアーゼ活性化受容体 1の機能を阻害する作用を有する化合物が、プ 口テアーゼ活性化受容体 1の拮抗物質である、 (1 ) 記載の治療剤又は改善 剤。
( 3 ) プロテアーゼ活性化受容体 1の機能を阻害する作用を有する化合物が、 2 ーィミノピロリジン誘導体である、 (1 ) 又は (2 ) 記載の治療剤又は改善 剤。 ( 4 ) 2—イミノビロリジン誘導体を含有するくも膜下出血の治療剤又はくも 膜下出血の予後改善剤であって、 ·
前記 2—ィミノピロリジン誘導体が、 一般式 (I )
Figure imgf000004_0001
〔式(I ) 中、 A環はピロリジン環を; B環はベンゼン環又はピリジン環を; Rioi、 RiQ2及び RIMは、 それぞれ独立し、 同一又は相異なって、 水素原子、 ハロゲン原子、 ^〜06アルキル基又は 〜 アルコキシ基を; R5は水素原 子、 Ci〜C6アルキル基又は Ci〜C6アルコキシ 〜06アルキル基を; R6は 水素原子、 〜 アルキル基又は Ci〜C6アルキルォキシカルボ二ル基を; Y1は単結合又は— C H 2—を; Y2は単結合又は一 C O—を; Ariは水素原子 又は式 ( I I )
Figure imgf000004_0002
(式 (I I ) 中、 R10、 RU、 R12、 R13及び R14は、 それぞれ独立し、 同一又 は相異なって、 水素原子、 〜06アルキル基、 水酸基、 〜06アルコキシ 基、 モルホリニル基、 置換基を有していてもよいピペラジニル基、 置換基を 有していてもよいピペリジニル基又は置換基を有していてもよいピロリジ 二ル基を示し、 さらに、 Riiと Ri2、 又は Ri2と R13とは、 互いに結合して 5 〜 8員複素環を形成していてもよい。 ) で表される基を示す。 〕 で表される化合物、 もしくはその薬学的に許容される塩、 またはそれらの水 和物である、 前記治療剤又は改善剤。
(5) 2—ィミノピロリジン誘導体を含有するくも膜下出血の治療剤又はくも 膜下出血の予後改善剤であって、
前記 2—ィミノピロリジン誘導体が、 一般式 (I I I)
Figure imgf000005_0001
〔式 ( I I I) 中、 R1及び R2は、 それぞれ独立し、 同一又は相異なって、 水素原子、 メトキシ基又はエトキシ基を; XIは水素原子又はハロゲン原子 を; Ar2は、 メチル基、 ェチル基、 メトキシ基、 エトキシ基、 t一ブチル 基、 モルホリニル基、 又は下記式 (I V) で表される置換基から選ばれる 1 又は 2以上の置換基で置換されていてもよいフエ二ル基を示し、
Figure imgf000005_0002
式( I V)中、 Wは一 CH—又は窒素原子を; A1は—CH2—又は単結合を; R3は水素原子又は一〇R5aを; X2は _CH2—、 酸素原子、 単結合又は力 ルポ二ル基を; Yは単結合又は(^〜 ( アルキレン基を; R 4は水素原子、 一 OR6a、 シァノ基又は— COOR7を; R5a、 R6 a及び 7は、 それぞれ 独立し、 同一又は相異なって、 水素原子又は Ci C アルキル基を示す。 〕 で表される化合物、 もしくはその薬学的に許容される塩、 またはそれらの水 和物である、 前記治療剤又は改善剤。
(6) 前記 R1及び R2がエトキシ基であり、 かつ、 前記 XIがフッ素原子である (5) 記載の治療剤又は改善剤。
(7) 2—ィミノピロリジン誘導体を含有する、 くも膜下出血の治療剤又はくも 膜下出血の予後改善剤であって、
前記 2—ィミノピロリジン誘導体が、 式 (V) 〜 (X I ) で表される化合 物からなる群から選ばれるいずれかのもの、 もしくはその薬学的に許容され る塩又はそれらの水和物である、 前記治療剤又は改善剤。
Figure imgf000006_0001
(8) 2—ィミノピロリジン誘導体を含有する、 くも膜下出血の治療剤又はくも 膜下出血の予後改善剤であって、
前記 2—ィミノピロリジン誘導体が、 式 (V) で表される化合物もしくは その薬学的に許容される塩又はそれらの水和物である、 前記治療剤又は改善
Figure imgf000007_0001
(9) プロテアーゼ活性化受容体 1の機能を阻害する作用を有する化合物もし くはその薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を含有する、 抗血管攣縮 剤。
(10) プロテアーゼ活性化受容体 1の機能を阻害する作用を有する化合物が、 プロテアーゼ活性化受容体 1の拮枋物質である、 (9)記載の抗血管攣縮剤。
(1 1) プロテア一ゼ活性化受容体 1の機能を阻害する作用を有する化合物が、 2—ィミノピロリジン誘導体である、 (9) 又は (10) 記載の抗血管攣縮 剤。
(1 2) 2—ィミノピロリジン誘導体を含有する抗血管攣縮剤であって、
前記 2—ィミノピロリジン誘導体が、 一般式 (I )
Figure imgf000007_0002
〔式(I) 中、 A環はピロリジン環を; B環はベンゼン環又はピリジン環を; RIOI、 Rio2及び R103は、 それぞれ独立し、 同一又は相異なって、 水素原子、 ハロゲン原子、 〜ϋ6アルキル基又は ^〜06アルコキシ基を; R5は水素原 子、 ^〜06アルキル基又は ^〜 アルコキシ ^〜06アルキル基を; R6は 水素原子、 〜〇6アルキル基又は ^〜〇6アルキルォキシ力ルポ二ル基を; Y1は単結合又は— C H 2—を; Y2は単結合又は— C〇一を; Ariは水素原子 又は式 (I I)
Figure imgf000008_0001
(式 ( I I) 中、 Rio、 Rn、 Ri2、 Ri3及び Ri4は、 それぞれ独立し、 同一又 は相異なって、 水素原子、 〜06アルキル基、 水酸基、 Ci〜C6アルコキシ 基、 モルホリニル基、 置換基を有していてもよいピペラジニル基、 置換基を 有していてもよいピペリジニル基又は置換基を有していてもよいピロリジ 二ル基を示し、 さらに、 RUと Ri2、 又は Ri2と R13とは、 互いに結合して 5 〜8員複素環を形成していてもよい。 ) で表される基を示す。 〕
で表される化合物、 もしくはその薬学的に許容される塩、 またはそれらの水 和物である、 前記抗血管攣縮剤。
(13) 2—ィミノピロリジン誘導体を含有する抗血管攣縮剤であって、
前記 2—ィミノピロリジン誘導体が、 一般式 (I I I)
Figure imgf000008_0002
〔式 (I I I ) 中、 R1及び R2は、 それぞれ独立し、 同一又は相異なって、 水素原子、 メトキシ基又はエトキシ基を; Χΐは水素原子又はハロゲン原子 を; A r2は、 メチル基、 ェチル基、 メトキシ基、 エトキシ基、 t一ブチル 基、 モルホリニル基、 又は下記式 (I V) で表される置換基から選ばれる 1 又は 2以上の置換基で置換されていてもよいフエ二ル基を示し、
(IV)
Figure imgf000009_0001
式( I V) 中、 Wは一 CH—又は窒素原子を; A1は一 CH2—又は単結合を; R3は水素原子又は一 OR5aを; X2は一 CH2_、 酸素原子、 単結合又は力 ルポ二ル基を; Yは単結合又は Ci C アルキレン基を; R4は水素原子、 — OR6 a、 シァノ基又は一 COOR7を; R5 a、 R6 a及び R7は、 それぞれ 独立し、 同一又は相異なって、 水素原子又は Ci Caアルキル基を示す。 〕 で表される化合物、 もしくはその薬学的に許容される塩、 またはそれらの水 和物である、 前記抗血管攣縮剤。
(14) 前記 R1及び R2がエトキシ基であり、 かつ、 前記 Χΐがフッ素原子であ る (13) 記載の抗血管攣縮剤。
(1 5) 2—ィミノピロリジン誘導体を含有する抗血管攣縮剤であって、
前記 2—ィミノピロリジン誘導体が、 式 (V) 〜 (X I) で表される化合 物からなる群から選ばれるいずれかのもの、 もしくはその薬学的に許容され る塩又はそれらの水和物である、 前記抗血管攣縮剤。
Figure imgf000010_0001
(16) 2—ィミノピロリジン誘導体を含有する抗血管攣縮剤であって、
前記 2—ィミノピロリジン誘導体が、 式 (V) で表される化合物もしくは その薬学的に許容される塩又はそれらの水和物である、 前記抗血管孿縮剤。
Figure imgf000010_0002
(1 7) プロテアーゼ活性化受容体 1の機能を阻害する作用を有する化合物もし くはその薬学的に許容される塩又はそれらの水和物の有効量を患者に投与 することを特徴とする、 くも膜下出血の治療方法又はくも膜下出血の予後改 善方法。
(18) (4) 〜 (8) の少なくとも 1項に記載の 2—ィミノピロリジン誘導体 の有効量を患者に投与することを特徴とする、 くも膜下出血の治療方法また はくも膜下出血の予後改善方法。
(1 9) プロテアーゼ活性化受容体 1の機能を阻害する作用を有する化合物もし くはその薬学的に許容される塩又はそれらの水和物の有効量を患者に投与 することを特徴とする、 血管攣縮防止方法。
(20) (12) 〜 (16) の少なくとも 1項に記載の 2—ィミノピロリジン誘 導体の有効量を患者に投与することを特徴とする、 血管攣縮防止方法。
(2 1)くも膜下出血の治療剤又はくも膜下出血の予後改善剤を製造するための、 (4) 〜 (8) の少なくとも 1項に記載の 2—^ Γミノピロリジン誘導体の使 用。
(22) 抗血管攣縮剤を製造するための、 (1 2) 〜 (16) の少なくとも 1項 に記載の 2—ィミノピロリジン誘導体の使用。 図面の簡単な説明
図 1は、 トロンビン及び PARI-活性化べプチド (PAR1-AP)による PARIの活性 化機構を示す図である。
図 2は、 ゥサギ .2回出血モデルの実験手順を示す図である。
図 3は、 内皮除去脳底動脈における、 高カリウム脱分極誘導収縮及びエンドセ リンー 1誘導収縮を示す図である。
図 4は、 対照群及び SAH群のゥサギ脳底動脈におけるトロンビンに対する収 縮反応を示す図である。
図 5は、対照群及び SAH群のゥサギ脳底動脈における PAR1-APに対する収縮 反応を示す図である。 図 6は、 SAH群における増強収縮作用に対するへパリン化自家血液の阻害作用 を示す図である。
図 7は、 トキシン脱膜化脳底動脈においてカルシウムイオン (Ca2+) 濃度の 増加及び GTP r Sによって誘導される収縮反応を示す図である。
図 8は、 対照群及び SAH群における トキシンによる脱膜化脳底動脈におけ るトロンビンと PAR1-APに対する収縮反応を示す図である。
図 9は、 SAH群における PARI mRNAのアップレギュレーションの経時変化 を示す図である。
図 1 0は、 SAH群における持続性反応に対する 100 M PAR1-APの作用を示 す図である。
図 1 1は、 SAH群におけるトロンビンによる非可逆的な収縮を示す図である。 図 1 2は、 トロンピンによる収縮反応に対する PARI拮抗物質の効果を示す図 である。
図 1 3は、 トロンビンによる収縮反応に対する PARI拮抗物質の効果を示す図 である。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明を詳細に説明する。 以下の実施の形態は、 本発明を説明するため の例示であり、本発明をこの実施の形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、 その要旨を逸脱しない限り、 さまざまな形態で実施をすることができる。
また、 本明細書において引用した刊行物は、 全体を通して本明細書に組み込む ものとする。
本発明は、 くも膜下出血の患者において、 PARIがアップレギュレートされ、 また、 PARIの脱感作が損なわれていることにより、 大脳血管孿縮が誘発される という新たな知見に基づいて、 亢進した PARIの機能を阻害する作用を有する化 合物がくも膜下出血の治療に有効であることを見出し、 完成されたものである。 従って、 本発明は、 PARI機能を阻害して、 大脳血管攣縮を抑制する作用を有す る化合物、 すなわち PARI阻害物質を有効成分として含有するくも膜下出血の治 療剤もしくは予後改善剤、 又は抗血管攣縮剤を提供するものである。 また、 本発 明は、 PARIの機能を阻害する作用を有する化合物の有効量を患者に投与するこ とを特徴とする、 くも膜下出血の治療方法もしくは予後改善方法又は血管攣縮防 止方法を提供するものである。 血管は好ましくは脳血管、 更に好ましくは大脳血 管である。
1 . PARIの機能を阻害する作用を有する化合物
( 1 ) PARI
PARIは、 プロテア一ゼ活性化受容体 (protease-activated receptor)の一つで あり、 その細胞外の特定の領域がプロテアーゼによって分解を受けることにより 活性化される Gタンパク質共役型受容体である。 PARIの活性化機構を図 1に示 す。 受容体の活性化は、 受容体の N末端側の特定部位がセリンプロテアーゼによ つて切断されることにより受容体活性化配列が露出し、 これがリガンドとなって 受容体のリガンド結合部位に結合することにより生ずる。 PARIのァゴニストは、 プロテア一ゼとして機能するトロンビン、 トリプシンが見出されているほか、 受 容体活性化配列の合成べプチド、 例えば PARl-AP (PARI activating peptide)も ァゴニストして機能することが知られている。 この PAR1-AP の配列には、 SFLLRN (ヒト、 アミノ酸一文字表記、 配列番号 1 ) 、 TFRIFD (力エル、 アミ ノ酸一文字表記、 配列番号 2 ) などが同定されている。
( 2 ) PARIの機能を阻害する作用を有する化合物
本明細書において、 「PAR1の機能を阻害する作用を有する化合物」 (本明細 書において、 「PAR1阻害物質」 ともいう) は、 PARIの活性化を抑制する作用 を有する物質であれば特に限定されず、 PARI拮抗物質の他、 PARI脱感作促進 物質、 PARIアンチセンスオリゴヌクレオチド、 PARI siRNA、 PARI中和抗体 などを意味する。 本発明に使用する PARI阻害物質の好ましい特徴としては、 大 脳血管攣縮を抑制する作用を有すること、 PARIに対して高い選択性を有してい ること、 中枢性に作用すること、 治療有効量において重篤な副作用、 例えば新た な出血の発生を生じないこと、及び即効性があることなどを挙げることができる。 また、 本発明において PARI阻害物質は、 その薬学的に許容される塩またはそれ らの水和物 (詳細は後述する) も含まれる。 したがって、 本発明において、 くも膜下出血の治療剤もしく予後改善剤、 又は 抗血管攣縮剤として使用するための好ましい化合物には、 「PAR1の機能を阻害 する作用を有する化合物」 、 特に PAR拮抗物質もしくはその薬学的に許容され る塩又はそれらの水和物を挙げることができる。
本明細書において、 「PAR1 拮抗物質」 、 「PAR1 の拮抗物質」 とは、 PARI に結合し、 受容体活性化配列を含むポリペプチド部分と PARIとの結合を阻害す る物質 (いわゆる、 PARIアンタゴニスト) を意味する。
( 3 ) 2—ィミノピロリジン誘導体
本発明に使用する PARI拮抗物質として、 2—ィミノピロリジン誘導体を用い ることができる。
本発明において、 2—ィミノピロリジン誘導体には、 以下の一般式 (I ) で表 される化合物もしくはその薬学的に許容される塩又はそれらの水和物が含まれる。 一般式 ( I )
Figure imgf000014_0001
一般式 ( I ) 中、
A環はピロリジン環を;
B環はベンゼン環又はピリジン環を;
R101、 R102及び R1 3は、 それぞれ独立し、 同一又は相異なって、 水素原子、 ハ ロゲン原子、 ^〜06アルキル基又は Ci〜C6アルコキシ基を; R5は水素原子、 〜 アルキル基又は Ci〜C6アルコキシ Ci〜C6アルキル基 を;
R6は水素原子、 C]L〜C6アルキル基又は 〜 アルキルォキシ力ルポニル基を; Υΐは単結合又は- CH2-を;
Y2は単結合又は- CO-を;
Ariは水素原子又は下記式 (I I ) で表される基を示す。
Figure imgf000015_0001
ここで、 式 (I I ) 中、
Rio, Ru、 R12、 R13及び R14は、 それぞれ独立し、 同一又は相異なって、 水素 原子、 ^〜じ6アルキル基、 水酸基、 ^〜06アルコキシ基、 モルホリニル基、 置 換基を有していてもよいピペラジニル基、 置換基を有していてもよいピペリジニ ル基又は置換基を有していてもよいピロリジニル基を示し、
さらに、 Riiと Ri2又は Ri2と R13とは、 '互いに結合して 5 ~ 8員複素環を形成 していてもよい。
'本発明において、 ピペラジニル基、 ピペリジニル基又はピロリジニル基の有し ていてもよい置換基は、 限定されるわけではないが、 例えば、 水酸基、 シァノメ チル基、 メトキシ基、 一 COCH2 OH、 及び _ CH2COOCH2CH3からなる群から選 択される 1以上を挙げることができる。
また、 本発明において、 2—ィミノピロリジン誘導体には、 以下の一般式 ( I I I ) で表される化合物もしくはその薬学的に許容される塩又はそれらの水和物 が含まれる。
一般式 (I I I )
Figure imgf000016_0001
一般式 ( I I I) 中、
R1及び R2は、 それぞれ独立し、 同一又は相異なって、 水素原子、 メトキシ基 又はエトキシ基を;
Χΐは水素原子又はハロゲン原子を;
A r2は、 メチル基、 ェチル基、 メトキシ基、 エトキシ基、 t一ブチル基、 モ ルホリニル基、 又は下記の式 ( I V) で表される置換基から選ばれる 1又は 2以 上の置換基で置換されていてもよいフエ二ル基を示し、
、へ 1
にレ/人 \Χ2— γ (IV)
式 ( I V) 中、
Wは— CH—又は窒素原子を;
A1は— CH2_又は単結合を;
R 3は水素原子又は一 OR 5 aを;
X2は一 CH2—、 酸素原子、 単結合又は力ルポニル基を;
Yは単結合又は 〜。 アルキレン基を;
R4は水素原子、 一〇R6a、 シァノ基又は— COOR7を;
R5a、 R6a及び R7は、 それぞれ独立し、 同一又は相異なって、 水素原子又は Ci C アルキル基を示す。
一般式 ( I I I) において、 好ましくは、 R.1及び R 2がエトキシ基であり、 か つ、 X1がフッ素原子である。 本明細書において 「ハロゲン原子」 は、 例えばフッ素原子、 塩素原子、 臭素原 子、 ヨウ素原子などの原子が挙げられ、 好ましくはフッ素原子、 塩素原子、 臭素 原子である。
本明細書において 「^〜06アルキル基」 は、 炭素数が 1から 6個のアルキル基 を示し、 好適な基としては例えばメチル基、 ェチル基、 n—プロピル基、 i s o 一プロピル基、 n—プチル基、 i s o—ブチル基、 s e c一プチル基、 t e r t 一ブチル基、 n—ペンチル基、 1, 1ージメチルプロピル基、 1 , 2—ジメチル プロピル基、 2, 2—ジメチルプロピル基、 1 一ェチルプロピル基、 2—ェチル プロピル基、 1 一メチルブチル基、 2—メチルブチル基、 n—へキシル基、 1 一 メチルー 2 _ェチルプロピル基、 1—ェチルー 2—メチルプロピル基、 1, 1, 2—トリメチルプロピル基、 1 一プロピルプロピル基、 1, 1—ジメチルプチル 基、 1 , 2—ジメチルブチル基、 2, 2—ジメチルブチル基、 1 , 3—ジメチル ブチル基、 2, 3—ジメチルブチル基、 2一ェチルプチル基、 2—メチルペンチ ル基、 3—メチルペンチル基等の直鎖又は分枝状アルキル基があげられ、 より好 ましくはメチル基、 ェチル基、 n—プロピル基、 i s o—プロピル基、 n—プチ ル基、 i s o—ブチル基、 s e c—ブチル基、 t e r t —ブチル基、 n—ペンチ ル基等である。
本明細書において 「^〜ϋ4アルキル基」 は、 炭素数が 1から 4個のアルキル基 を示し、 好適な基としては例えばメチル基、 ェチル基、 η—プロピル基、 i s o 一プロピル基、 n—ブチル基、 i s o—ブチル基、 s e c 一ブチル基、 t e r t 一プチル基等の直鎖又は分枝状アルキル基があげられ、より好ましくはメチル基、 ェチル基、 n—プロピル基、 i s o—プロピル基、 n—ブチル基、 i s o—ブチ ル基、 s e c—ブチル基、 t e r t —ブチル基等である。
本明細書において 「Ci〜C6アルコキシ基」 は、 炭素数 1から 6のアルコキシ基 を示し、 好適な基としては例えばメトキシ基、 エトキシ基、 n—プロポキシ基、 i s o—プロポキシ基、 s e c—プロポキシ基、 n—ブトキシ基、 i s o—ブト キシ基、 s e c—ブトキシ基、 t e r t —ブトキシ基、 n—ペンチルォキシ基、 i s o—ペンチルォキシ基、 s e c —ペンチルォキシ基、 1 , 1—ジメチルプロ ピルォキシ基、 1, 2—ジメチルプロポキシ基、 2, 2—ジメチルプロピルォキ シ基、 n—へキソキシ基、 1一ェチルプロポキシ基、 2—ェチルプロポキシ基、 1—メチルブトキシ基、 2—メチルブトキシ基、 i s o—へキソキシ基、 1—メ チルー 2—ェチルプロポキシ基、 1—ェチルー 2—メチルプロポキシ基、 1, 1, 2—トリメチルプロポキシ基、 1, 1, 2—トリメチルプロポキシ基、 1一プロ ピルプロポキシ基、 1, 1ージメチルブトキシ基、 1, 2—ジメチルブトキシ基、 2, 2—ジメチルブトキシ基、 2, 3—ジメチルブチルォキシ基、 1, 3—ジメ チルブチルォキシ基、 2—ェチルブトキシ基、 1, 3—ジメチルプトキシ基、 2 —メチルペントキシ基、 3—メチルペントキシ基、 へキシルォキシ基等があげら れる。
本明細書において 「Ci〜C6アルコキシ Ci〜C6アルキル基」 は、 Ci〜C6アルコ キシ基で置換された ^〜 6アルキル基を意味する。
また、 本明細書において 「置換基を有していてもよい」 とは、 「置換可能な部 位に、 任意に組み合わせて 1又は複数個の置換基を有してもよい」 と同意義であ る。
本明細書において 「n—」 とはノルマルタイプ又は 1級置換基であることを意 味し、 「s e c―」 とは 2級置換基であることを意味し、 「 t一 (t e r t—) 」 とは 3級置換基であることを意味し、 「 i— ( i s o— ) 」 とはイソタイプの置 換基であることを意味する。
本発明の (I) および一般式 ( I I I) において、 好ましくは (V) 〜 (X I) で表される化合物もしくはその薬学的に許容される塩又はそれらの水和物が含ま れ、 これらの化合物の中から 1個、 又は複数個を適宜組み合わせて使用すること ができる。
本発明において用いる前記 PARIの機能を阻害する化合物もしくは薬学的に許 容させる塩またはそれらの水和物は、 当業者であれば公知の方法で製造すること ができるが、 前記の一般式 (I) および ( I I I) で表される 2—^ rミノピロリ ジン誘導体は、 国際公開 02/085855号パンフレツトに記載の方法で製造すること ができる。 一般式 (I ) および一般式 ( I I I) において、 好ましい化合物は、 式 (V) 〜 (X I) で表される化合物もしくはその薬学的に許容される塩又はそれらの水 和物であり、 より好ましくは式 (V) で表される化合物もしくはその薬学的に許 容される塩又はそれらの水和物である。
Figure imgf000019_0001
式 (V) で表される化合物は、 本明細書において 「E5555」 と称する場合もあ る。
Figure imgf000020_0001
式 (V ) 〜 (X I ) で表される 2—ィミノピロリジン誘導体は、 国際公開 02/085855号パンフレツトに記載の方法で製造することができる。
本発明において、 2—ィミノピロリジン誘導体は、 酸又は塩基と塩を形成する 場合もある。 本発明における当該化合物は、 これらの薬学的に許容される塩をも 包含する。 本明細書において、 塩は 「薬学的に許容される塩」 を意味し、 薬学的 に許容される塩は、 PARIの機能を阻害する作用を有し、 くも膜下出血の治療剤 となる本発明化合物と薬学的に許容される塩を形成するものであれば特に限定さ れない。 具体的には、 例えば、 ハロゲン化水素酸塩 (例えばフッ化水素酸塩、 塩 酸塩、 臭化水素酸塩、 ヨウ化水素酸塩等) 、 無機酸塩 (例えば硫酸塩、 硝酸塩、 過塩素酸塩、 リン酸塩、 炭酸塩、 重炭酸塩等) 、 有機カルボン酸塩 (例えば酢酸 塩、 シユウ酸塩、 マレイン酸塩、 酒石酸塩、 フマル酸塩、 クェン酸塩等) 、 有機 スルホン酸塩 (例えばメタンスルホン酸塩、 トリフルォロメ夕ンスルホン酸塩、 エタンスルホン酸塩、 ベンゼンスルホン酸塩、 トルエンスルホン酸塩、 カンファ ースルホン酸塩等)、アミノ酸塩(例えばァスパラギン酸塩、ダル夕ミン酸塩等)、 四級ァミン塩、 アルカリ金属塩 (例えばナトリウム塩、 カリウム塩等) 、 アル力 リ土類金属塩 (例えばマグネシウム塩、 カルシウム塩等) 等が挙げられるが、 こ れに限定されない。
また、 本発明において、 2—ィミノピロリジン誘導体は、 置換基の種類によつ ては不斉炭素を有し、 幾何異性体、 光学異性体、 ジァステレオマーなどの光学異 性体が存在しうるが、 これら光学異性体も本発明の PARIの機能を阻害する作用 を有する化合物に含まれる。 また、 本発明において、 2—ィミノピロリジン誘導体の水和物が存在する場合 には、 これら水和物も本発明に使用する PARIの機能を阻害する作用を有する化 合物に含まれる。 2 . くも膜下出血の治療剤及び予後改善剤並びに抗血管攣縮剤
本発明の医薬組成物、 すなわち、 本発明のくも膜下出血の治療剤及び予後改善 剤並び抗血管攣縮剤には、 PARI機能を阻害する作用を有する化合物を含むもの である。 本発明の治療剤、 改善剤および抗血管攣縮剤において、 PARI機能を阻 害する作用を有する化合物は、 好ましくは PARI拮抗物質であり、 より好ましく は一般式( I ) または( I I I )で表される 2—ィミノピロリジン誘導体であり、 さらに好ましくは式 (V) 〜 (XI) で表される化合物から選択される少なくとも 1つの化合物であり、 最も好ましくは式 (V) で表される化合物である。 本発明 のくも膜下出血の治療剤及び予後改善剤並びに抗血管孿縮剤に含まれる PARI阻 害物質には、 その薬学的に許容される塩またはそれらの水和物も含まれる。 本発明の医薬組成物に含有される PARI阻害物質は、 アップレギユレ一卜した PARI, 又は脱感作機構の損なわれた PARIの機能を阻害する作用を有する。 つ まり、本発明の医薬組成物は、くも膜下出血の大脳血管攣縮の改善に有効である。 そして、 大脳血管攣縮は、 くも膜下出血の予後を決定づける因子の一つであるた め、 PARI阻害物質を含有する本発明の医薬組成物は、 くも膜下出血の治療剤お よび予後改善剤として、 また、 抗血管攣縮剤として用いることができる。
前記の PARI阻害物質もしくはその薬学的に許容される塩またはそれらの水和 物は、 PARIの機能を阻害する作用を有するため、 本発明のくも膜下出血の治療 剤もしくは予後改善剤又は抗血管攣縮剤の有効成分として有用である。
本明細書において、 「抗血管攣縮剤」 とは、 くも膜下出血に伴う血管の攣縮を 予防、 抑制、 およびノまたは停止させる医薬組成物を意味する。
本発明の治療剤及び予後改善剤並びに抗血管孿縮剤には、 前記 PARIの機能を 阻害する作用を有する化合物もしくは薬学的に許容される塩又はそれらの水和物 をそのまま用いることも、 公知の薬学的に許容される担体などを配合して製剤化 することも可能である。 このような薬学的に許容される担体としては、 例えば、 賦形剤、 結合剤、 崩壊剤、 滑沢剤、 着色剤、 矯味矯臭剤、 安定化剤、 乳化剤、 吸 収促進剤、 界面活性剤、 p H調整剤、 防腐剤、 抗酸化剤などを挙げることができ る。
また、 本発明の治療剤及び予後改善剤並びに抗血管攣縮剤の投与形態は特に限 定されず、 上記の剤形に基づいて経口又は非経口的に投与することができる。 非 経口投与の形態として、 例えば静脈内注射、 点滴静注、 皮下注射、 皮内注射、 く も膜下腔内注射、 又は腹腔内注射などが挙げられる。 製剤化の剤形としては、 経 口的投与形態に用いられる錠剤、 散剤、 細粒剤、 顆粒剤、 カプセル剤、 シロップ 剤などが、 また非経口的投与形態に用いられる坐剤、 注射剤、 軟膏剤、 パップ剤 などが挙げられる。
経口的投与形態に用いられる経口用製剤を調製する場合には、 当該有効成分に 賦形剤、 さらに必要に応じて結合剤、 崩壊剤、 滑沢剤、 着色剤、 矯味矯臭剤など を加えた後、 常法により錠剤、 被覆錠剤、 顆粒剤、 細粒剤、 散剤、 カプセル剤等 とすることができる。
賦形剤としては、 例えば、 乳糖、 コーンスターチ、 白糖、 ぶどう糖、 ソルビッ ト、 結晶セルロース、 二酸化ケイ素などが、 結合剤としては、 例えばポリビニル アルコール、 ェチルセルロース、 メチルセルロース、 アラビアゴム、 ヒドロキシ プロピルセルロース、 ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が、 滑沢剤として は、 例えばステアリン酸マグネシウム、 タルク、 シリカ等が、 着色剤としては医 薬品に添加することが許可されているものが、 矯味矯臭剤としては、 ココア末、 ハツ力脳、 芳香酸、 ハツ力油、 龍脳、 桂皮末等が用いられる。 これらの錠剤、 顆 粒剤には糖衣、 ゼラチン衣、 その他必要により適宜コーティングすることは勿論 差し支えない。
本発明において、 注射剤は、 必要により主薬に非水性の希釈剤 (例えばプロピ レングリコール、 ポリエチレングリコールなどのグリコール、 オリ一ブ油などの 植物油、 エタノールなどのアルコール類など)、懸濁剤、溶解補助剤、安定化剤、 等張化剤、 保存剤、 pH調整剤、 緩衝剤などを添加して調製することが可能であ る。 注射剤の無菌化は、 フィルターによる濾過滅菌、 殺菌剤の配合などにより行 えばよい。 また、 注射剤は、 用時調製の形態として製造することができる。 すな わち、 凍結乾燥法などによって無菌の固体組成物とし、 使用前に無菌の注射用蒸 留水又は他の溶媒に溶解して使用することができる。 貼布剤として経皮吸収によ り投与する場合には、 塩を形成しない、 いわゆるフリー体を選択することが好ま しい。 注射剤は、 常法により点滴静注剤、 あるいは静脈、 皮下、 筋肉内注射剤と することができる。
懸濁剤としては、 例えば、 メチルセルロース、 ポリソルベート 80、 ヒドロキシ ェチルセルロース、 アラビアゴム、 トラガント末、 カルポキシメチルセルロース ナトリウム、 ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどを挙げることが できる。
溶解補助剤としては、 例えばポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、 ポリソルベー ト 80、 ニコチン酸アミド、 ポリオキシエチレンソルビ夕ンモノラウレート、 マク 口ゴール、 ヒマシ油脂肪酸ェチルエステルなどを挙げることができる。
また安定化剤としては、例えば亜硫酸ナトリゥム、メタ亜硫酸ナトリゥム等を、 保存剤としては、例えばパラォキシ安息香酸メチル、パラォキシ安息香酸ェチル、 ソルビン酸、 フエノール、 クレゾ一ル、 クロロクレゾールなどを挙げることがで きる。
経口投与における前記 PARIの機能を阻害する作用を有する化合物もしくはそ の薬学的に許容される塩又はそれらの水和物の有効な投与量は、 症状の程度、 患 者の年齢、 性別、 体重、 感受性差、 投与方法、 投与時期、 投与間隔、 投与期間、 製剤の性質、 調剤、 種類、 有効成分の種類等によって異なるが、 当業者であれば 適宜設定することができる。 例えば、 成人 (体重 6 0 K g ) に 1日あたり 0 . 1 〜 5 0 0 m g、 好ましくは 0 . 5〜2 0 0 m g、 より好ましくは 1〜; L 0 0 m g を経口投与することができる。
非経口投与、 例えば注射剤における前記 PARIの機能を阻害する作用を有する 化合物もしくはその薬学的に許容される塩又はそれらの水和物の有効な投与量は、 症状の程度、 患者の年齢、 性別、 体重、 感受性差、 投与方法、 投与時期、 投与間 隔、 投与期間、 製剤の性質、 調剤、 種類、 有効成分の種類等によって異なるが、 当業者であれば適宜設定することができ、 生理食塩水又は市販の注射用蒸留水な どの薬学的に許容される担体中に、 適当な濃度になるように溶解又は懸濁したも のを、 処置を必要とする患者に対し、 適宜投与することができる。 例えば、 注射 剤の場合、 成人 (体重 6 0 K g ) に 1日あたり 0 . 1〜5 0 O m g、 好ましくは 0 . 5〜2 0 0 m g、 より好ましくは 1〜 1 0 O m gを投与することができる。 本発明は、 また、 前記 PARIの機能を阻害する作用を有する化合物もしくは薬 学的に許容される塩又はそれらの水和物の有効量を患者に投与することを特徴と する、 くも膜下出血の治療方法及び予後改善方法並びに血管攣縮阻害方法をも提 供する。本発明の方法において、 PARIの機能を阻害する作用を有する化合物は、 好ましくは PARI拮抗物質であり、 より好ましくは一般式(I ) または( I I I ) で表される 2—ィミノピロリジン誘導体であり、さらに好ましくは式(V)〜(XI) で表される化合物から選択される少なくとも 1つの化合物であり、 最も好ましく は式 (V) で表される化合物である。 本発明の方法において、 PARI 阻害物質に は、 その薬学的に許容される塩、 またはそれらの水和物も包含される。 本発明の 方法において、 PARI阻害物質の投与径路および投与方法は特に限定されないが、 上記本発明の医薬組成物の記載を参照することができる。
さらに、 本発明には、 くも膜下出血の治療剤もしくは予後改善剤、 又は抗血管 攣縮剤の製造のための、 2 _イミノピロリジン誘導体の使用も含まれる。 本発明 の使用において、 2—ィミノピロリジン誘導体は、 好ましくは一般式 (I ) また は (I I I ) で表される 2—ィミノピロリジン誘導体であり、 より好ましくは式
(V)〜(XI)で表される化合物から選択される少なくとも 1つの化合物であり、 最も好ましくは式 (V) で表される化合物である。 上記の 2—ィミノピロリジン 誘導体には、 その薬学的に許容される塩またはそれらの水和物も包含される。 実施例
以下、 実施例により本発明を具体的に説明するが、 本実施例により本発明は限 定されるものではない。 実施例 1 :ゥサギ 2回出血モデルの作製
く も膜下出血のモデル動物として、 ゥサギ 2 回出血モデル(rabbit double-hemorrhage model)を作製した。得られたゥサギ 2回出血モデルを用いて、 くも膜下出血 (SAH)での血管張力の調整に対する PARIの役割を明らかにした。 まず、 0日目及び 2日目の 2回に渡り、 大槽内に自家動脈血を 2.5 mlずつ投与 した。 以下、 本発明書において、 この群を 「SAH群」 ともいう。 自家動脈血のか わりに同量の生理食塩水を投与したモデルを対照群とした。 7 日目にそれぞれの 群のゥサギを安楽死させ、 摘出した脳底動脈から内皮を除去し、 リング状標本 (500 x m in width) を作製した (図 2 ) 。 本実施例で作製した内皮除去脳底動 脈リング標本を用いて、 以下の実施例における収縮反応の実験を行った。 実施例 2:高カリウムによる脱分極及びエンドセリンー 1により誘導される、 内皮除去脳底動脈における収縮
118 mM K+による脱分極刺激、及び 100 nMエンドセリン— 1 (ET- 1)によって誘 発される、 内皮除去脳底動脈における収縮を測定した。 エンドセリン一 1は血管 平滑筋に作用して、.血管を収縮させる作用を有する物質である。
結果を図 3に示す。縦軸はリング標本の収縮力の大きさを示し、左グラフは 118 mM K+刺激時の収縮力の大きさを mgで、 右グラフは 100 nMエンドセリン— 1 刺激時の収縮力の大きさを 118 mM K+刺激時の収縮力の大きさを 100 %としたと きの%で示したものである。その結果、 SAH群における 118 mM K+による脱分極 に対する収縮反応、 及びエンドセリン一 1に対する収縮反応は、 対照群における ものと同様であり、 差はなかった。 実施例 3 :ゥサギ脳底動脈におけるトロンビンに対する収縮反応
対照群と SAH群のゥサギ脳底動脈における、 トロンビンに対する収縮反応を 測定した。 118 mM K+による脱分極刺激による収縮反応の後に、 脳底動脈リング 標本をトロンビンで刺激した。 トロンビンは、 PARIの内因性リガンドである。 結果を図 4に示す。左上及び左下パネルは、 118 mM K+による脱分極刺激時の 収縮力の大きさを 100 %としたときの収縮力の経時変化を示すものである。 右の グラフは、 卜ロンビン濃度に対する収縮力の大きさを示すものである。 対照群に おいて、 トロンビン(1 unit/ml)は、 収縮を誘導せず、 トロンビン (10 units I ml) は、 緩やかな一過性の収縮を示したに過ぎなかった(118 mM K+誘導収縮の 21.3±1.2 %) (図 4 ) 。 他方、 SAH群において、 トロンビンは 0.3 units/mlから、 著しい持続性の収縮を誘発し、 1 unit/mlでの収縮力は 73.1±2.8 %であった (図 4 ) 。 実施例 4 : ゥサギ脳底動脈における PARI- APに対する収縮反応
実施例 3と同様の実験をトロンビンの代わりに PARI- AP (PARI -activating peptide)を用いて行った。
結果を図 5に示す。 PAR1-AP ( 10 M) は、 SAH群においてのみ、 収縮を誘導 した (52.6 ± 6.1 %) (図 5 ) 。 100 Mの PAR1-APは、 対照群においては一過性の 収縮を誘導したが、 SAH群においては増大し、 かつ持続した収縮を示した。 実施例 5 : SAH群における収縮反応の増大に対するへパリン化自家血液によ る阻害効果
実施例 3及び実施例 4で示したように、 SAH 群において、 トロンピン及び PAR1-APによる収縮反応の増大が観察された。 この収縮反応の増大に対するへパ リンの影響を明らかにするために、 実施例 1の方法に従ってへパリン化した自家 血液を 2回注射したモデルを用いて実験を行った。 へパリンは、 アンチトロンビ ン IIIと複合体を形成し血液凝固因子を不活化する抗凝固剤である。
結果を図 6に示す。 へパリン化自家血液を注射したモデルでは、 トロンビンに 対する収縮反応の増大は、 有意に減少した (1 unit/mlにおいて 41.6 ± 3.0 %) (図 6上段 「SAH+へパリン」 ) 。 また、 PAR1-APに対する収縮反応の増大も有意に 減少した (図 6下段 「SAH+へパリン」 ) 。 したがって、 トロンビン及び PAR I
-APによる高収縮性を誘導するのは、 へパリンにより不活化される自家血中の血 液凝固因子であることが示された。 実施例 6 : ひトキシン脱膜化脳底動脈における収縮反応
( 1 ) Ca2+濃度の増加及び GTP r Sにより誘導させる収縮反応
トキシンは、 細胞膜に透過性を与える物質である。 αトキシンで処理して透 過性にしたゥサギ脳底動脈 (以下、 「αトキシン脱膜化脳底動脈」 ともいう) に おいて、 カルシウムイオン濃度の増加に伴う収縮反応、 及び Gタンパク質を活性 化する GTP r Sによる収縮反応を測定した。
結果を図 7に示す。 図 7の左パネルは、 カルシウムイオン濃度' (M)の対数に対 する収縮力の大きさを示し、 右パネルは 10 i M GTP r S刺激時の収縮力の大き さ (10 M カルシウムイオン濃度時の収縮力の強さに対する%) を示す。 その 結果、 SAH群の トキシン脱膜化脳底動脈において、 カルシウム濃度の増加に伴 う収縮反応も、 GTP r S添加に伴う収縮反応も、 対照群の αトキシン脱膜化脳底 動脈における収縮反応と同様であり、 有意な差はなかった。
( 2 ) トロンビン及び PAR1-APに対する収縮反応
次に、 トロンビン及び PAR1-APに対する OLトキシン脱膜化脳底動脈の収縮反 応を測定した。
結果を図 8に示す。 対照群のひトキシン透過脳底動脈において、 トロンビン及 び PAR1-APはカルシウムイオンによる収縮反応に対して影響しなかったのに対 して、 SAH群の トキシン脱膜化脳底動脈において、 トロンビンと PARI- ΑΡは ともに反応を有意に増大させた。
SAH群では、 筋収縮を引き起こすカルシウムイオン、 及び Gタンパク質を活 性化する GTP T S に対する感受性が変化していないのに対し、 トロンビン及び PAR1-APに対する感受性が高まっていることが示された。 実施例 7 : SAH群における PARI mRNAのアップレギユレーションの経時 変化
1回目の自家血液注射後、 3 , 5 , 7及び 1 5日目の脳底動脈における PARI の mRNA量を、 in situハイブリダィゼーションによって検討した。 脳底動脈を摘出し、 凍結標本を作製した。 PARI mRNAに対するハイプリダイ ゼ一シヨンのプローブは、試験管内転写法を用いてヒト PARIの cDNAより作製 し、 ジゴキシゲニンでラベルした。 標本をこのプローブで 1晚処理した。 未結合 プローブを洗浄した後、 アルカリフォスファタ一ゼを結合させた抗ジゴキシゲ二 ン抗体を作用させた。 次いで、 ジァミノベンチジンを用いて発色反応を行い、
PARI mRNAを検出した。 発色像を顕微鏡で観察し、 得られた画像を解析プログ ラムにより解析し、 発現量を定量した。
結果を図 9に示す。 図 9の右下のグラフは、 in situハイブリダィゼーシヨンを 行った上記の各日における mRNA量をプロッ卜したものである。 In situハイブリ ダイゼーシヨンによって、 S AHの脳底動脈における PARI mRNAがアップレギュ レ一シヨンしていることが明らかになった。 実施例 8 : 100 M PAR1-APに対する収縮反応の大きさと持続時間の SAH 群における変化
100 M PAR1-AP によって誘導される収縮反応の大きさと持続時間を検討し た。
結果を図 1 0に示す。 100 /i M PARl-APによって誘導される SAH群の収縮は、 対照群と比較して、 収縮力のピークの大きさ、 及び収縮力の持続性において、 自 家血液注射後 5日目で増大し、 7日目でさらに増大した。
したがって、 SAH群では、 PARIの脱感作機構が阻害されていることが示され た。 実施例 9 : トロンビンによる非可逆的な収縮
SAH7日目において、 IOO M PARI-APにより誘導された収縮反応は、 100 M PAR1-APを洗い流して除去することにより終息した (図 1 1左パネル) 。 そ の一方、 1 unit/ml のトロンビンにより誘導された収縮反応は、 洗い流しによつ ては変化せず、 非可逆的な収縮を示した (図 1 1右パネル) 。 したがって、 PARI— APによる収縮反応が可逆的であるのに対し、 トロンビン による収縮反応は非可逆的であることが示された。 実施例 1 0 : トロンビンによるゥサギ脳底動脈における収縮反応に対する PARI拮抗物質の効果— 1
対照群 (擬手術群) 、 SAH群、 及び SAH群に PARI拮抗物質を共存させた群 の、 トロンビンに対するゥサギ脳底動脈の収縮反応を測定した。 刺激は実施例 3 と同じ方法によって行った。
本実施例では、 「擬手術群 (sham) 」 (コントロール家兎) はゥサギ脳槽内に 生理食塩水 3mlを 0日目及び 2日目に 2回注入したものを示し、 「SAH群」 (く も膜下出血モデル) はゥサギ脳槽内に自己血 3mlを 0日目及び 2日目に 2回注入 したものを示し、 「SAH+E5555群」 (E5555投与くも膜下出血モデル) はゥサ ギ脳槽内に、 600 /i g E5555を混入した自己血 3mlを 0日目及び 2日目に 2回注 入したものを示す。
本実施例に用いた PARI拮抗物質は、 式 (V)で表される E5555である (国際公 開第 02/085855号パンフレット) 。
7日目に脳底動脈を摘出し、 118 mM K+及び 1 unit/mlトロンビンに対する収縮 反応を評価した。
結果を図 1 2に示す。 図 1 2には、 収縮反応の代表的実記録を示す。
図 1 2の Aは、 上から、 擬手術、 SAH群、 及び SAH+E5555群における脳底 動脈のトロンビンに対する収縮反応を示すものである。 擬手術群において、 1 unit/ml トロンビンは摘出脳底動脈をわずかに収縮させた。 SAH においては、 1 unit/ml トロンビン剌激により大きな収縮反応が認められた。 E5555を同時投与し たくも膜下出血モデル (SAH+E5555) では、 1 unit/ml トロンビンによる収縮はわ ずかであった。
図 1 2の Bは、 SAH群及び擬手術群における、 トロンビンが引き起こす収縮反 応の用量作用曲線を示す。 その結果、 くも膜下出血モデルの脳底動脈において、 トロンビンが引き起こす収縮反応は増強した。 図 1 2の C は、 くも膜下出血が引き起こすトロンビン過剰収縮反応に対する E5555の予防作用を示す。 擬手術群、 SAH群、 SAH+E5555群における 1 unit/ml トロンビンに対する収縮反応を比較した。 結果を、平均値土標準誤差(実験数 =3) で示す。 その結果、 E5555の自己血との同時投与により、 くも膜下出血が引き起 こす卜ロンビンに対する反応性亢進が有意に抑制された。
この結果は、 自家血による高収縮性の誘導及び脱感作の障害にも PARIが関与 し、 この高収縮性の誘導及び脱感作の障害が PARI拮抗物質により抑制されるこ とを示している。 PARIは、 出血後の高収縮性の誘導、 及び血管攣縮の両方に関 与していることが明らかとなった。 すなわち、 PARI阻害剤は、 くも膜下出血後 の大脳血管攣縮を緩解するのみならず、 発生を予防する可能性があり、 新たな作 用機序を有するくも膜下出血治療薬となることが示された。 実施例 1 1 : トロンビンによるゥサギ脳底動脈における収縮反応に対する PARI拮抗物質の効果一 2
実施例 1 0と同様に、 対照群 (擬手術群) 、 SAH群、 及び SAH群に PARI拮 抗物質を共存させた群の、 トロンビンに対するゥサギ脳底動脈の収縮反応を測定 した。
本実施例では、 ゥサギ脳槽内に、 E5555を、 それぞれ 60 ng、 600 ng、 6 g、 60 z g混入した自己血 3 mlを 0日目及び 2日目に 2回注射した。 収縮反応の 代表的実記録を図 1 3に示す。
図 1 3の Aは、 上から SAH群及び SAH+E5555(6 /i g)群における脳底動脈の トロンビンに対する収縮反応を示すものである。 E5555を自己血と同時投与した くも膜下出血モデル (SAH+E5555) では、 SAH群と比較して、 1 unit/ml トロ ンビンによる収縮はわずかであった。
図 1 3の Bは、 くも膜下出血が引き起こすトロンビン過剰収縮反応に対する E5555の用量依存的な予防作用を示す。 擬手術群 (対照) 、 SAH+E5555群にお ける 1 unit/ml トロンビンに対する収縮反応を比較した。 結果を平均値土標準誤 差で示す。 その結果、 自己血と E5555との同時投与により、 くも膜下出血が引き 起こすトロンビンに対する反応性亢進が E5555 60 ngから用量依存的に抑制され た。 特に、 SAH+E5050(6 /i g)群及び SAH+ 5050 (60 g)群で、 SAH群に対して 有意に収縮反応を抑制した。
実施例 1 1は、 E5555が、 くも膜下出血が引き起こすトロンビン過剰収縮反応 に対して、 実施例 1 0で示した用量よりも、 より低用量で予防作用を奏すること を示している。 以上より、 トロンビンはゥサギ 2回出血モデルにおいて高収縮性の反応を誘導 し、 この高収縮性反応は、 PARIのアップレギュレーション及び受容体の脱感作 の障害によるものであると考えられる。 SAHにおいて、 PARIの内因性ァゴニス トであるトロンビンの活性化は、 出血後の血管攣縮の発現においてキーとなる働 きを示すと考えられる。
そして、 亢進した: PARIによる脳底動脈の高収縮性は、 PARI阻害物質によつ て抑制されたことから、 PAR I阻害物質は、 くも膜下出血の治療剤及び予後改善 剤ならびに抗血管攣縮剤として有用であるといえる。 産業上の利用可能性
本発明により、 PARIの機能を阻害する作用を有する化合物を有効成分として 含むくも膜下出血の治療剤およびくも膜下出血の予後改善剤並びに抗血管攣縮剤 が提供される。 くも膜下出血では PARIの機能が亢進しており、 それにより脳底 動脈の高収縮が引き起こされる。 すなわち、 PARIの機能を阻害する作用を有す る化合物は、 脳底動脈の高収縮を抑制することができるため、 くも膜下出血の治 療剤、 および予後改善剤並びに抗血管攣縮剤の有効成分として有用である。

Claims

請 求 の 範 囲
1 . プロテアーゼ活性化受容体 1の機能を阻害する作用を有する化合物もし くはその薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を含有する、 くも膜下出 血の治療剤又はくも膜下出血の予後改善剤。
2 . プロテア一ゼ活性化受容体 1の機能を阻害する作用を有する化合物が、プ 口テアーゼ活性化受容体 1の拮抗物質である、 請求項 1記載の治療剤又は改 善剤。
3 . プロテアーゼ活性化受容体 1の機能を阻害する作用を有する化合物が、 2 ーィミノピロリジン誘導体である、請求項 1又は 2記載の治療剤又は改善剤。
4 . 2—ィミノピロリジン誘導体を含有するくも膜下出血の治療剤又はくも 膜下出血の予後改善剤であつて、
前記 2—ィミノピロリジン誘導体が、 一般式 ( I )
Figure imgf000032_0001
〔式(I ) 中、 A環はピロリジン環を; B環はベンゼン環又はピリジン環を; R101、 Rio2及び R103は、 それぞれ独立し、 同一又は相異なって、 水素原子、 ハロゲン原子、 〜 アルキル基又は Ci〜C6アルコキシ基を;R5は水素原 子、 Ci〜C6アルキル基又は ^〜06アルコキシ Ci〜C6アルキル基を; R6は 水素原子、 Ci〜C6アルキル基又は Ci〜C6アルキルォキシ力ルポ二ル基を; Υΐは単結合又は— C H 2—を; Y2は単結合又は一 C O—を; Ariは水素原子 又は式 (I I )
Figure imgf000033_0001
(式 (I I ) 中、 R10、 RU、 R12、 R13及び R14は、 それぞれ独立し、 同一又 は相異なって、 水素原子、 Ci〜C6アルキル基、 水酸基、 ^〜06アルコキシ 基、 モルホリニル基、 置換基を有していてもよいピペラジニル基、 置換基を 有していてもよいピペリジニル基又は置換基を有していてもよいピロリジ 二ル基を示し、 さらに、 Riiと Ri2、 又は Ri2と R13とは、 互いに結合して 5 〜8員複素環を形成していてもよい。 ) で表される基を示す。 〕
で表される化合物、 もしくはその薬学的に許容される塩、 またはそれらの水 和物である、 前記治療剤又は改善剤。
2—ィミノピロリジン誘導体を含有するくも膜下出血の治療剤又はくも 膜下出血の予後改善剤であって、
前記 2—ィミノピロリジン誘導体が、 一般式 ( I I I )
Figure imgf000033_0002
〔式 ( I I I ) 中、 R1及び R2は、 それぞれ独立し、 同一又は相異なって、 水素原子、 メトキシ基又はエトキシ基を; Χΐは水素原子又はハロゲン原子 を; Ar2は、 メチル基、 ェチル基、 メトキシ基、 エトキシ基、 t—ブチル 基、 モルホリニル基、 又は下記式 (I V) で表される置換基から選ばれる 1 又は 2以上の置換基で置換されていてもよいフエ二ル基を示し、
Figure imgf000034_0001
式( I V) 中、 Wは一 CH—又は窒素原子を; A1は一 CH2—又は単結合を; R3は水素原子又は—〇R5aを; X2は一 CH2—、 酸素原子、 単結合又は力 ルポ二ル基を; Yは単結合又は。ェ〜 アルキレン基を; R4は水素原子、 _OR6 a、 シァノ基又は—C〇OR7を; R5a、 R6 a及び R7は、 それぞれ 独立し、 同一又は相異なって、 水素原子又は Ci C アルキル基を示す。 〕 で表される化合物、 もしくはその薬学的に許容される塩、 またはそれらの水 和物である、 前記治療剤又は改善剤。
前記 R1及び R 2がエトキシ基であり、 かつ、 前記 Χΐがフッ素原子である 請求項 5記載の治療剤又は改善剤。
2ーィミノピロリジン誘導体を含有する、 くも膜下出血の治療剤又はくも 膜下出血の予後改善剤であって、
前記 2—ィミノピロリジン誘導体が、 式 (V) 〜 (X I ) で表される化合 物からなる群から選ばれるいずれかのもの、 もしくはその薬学的に許容され る塩又はそれらの水和物である、 前記治療剤又は改善剤。
Figure imgf000035_0001
2—ィミノピロリジン誘導体を含有する、くも膜下出血の治療剤又はくも 膜下出血の予後改善剤であって、
前記 2—ィミノピロリジン誘導体が、 式 (V) で表される化合物もしくは その薬学的に許容される塩又はそれらの水和物である、 前記治療剤又は改善
Figure imgf000036_0001
プロテアーゼ活性化受容体 1の機能を阻害する作用を有する化合物もし くはその薬学的に許容される塩又はそれらの水和物を含有する、 抗血管攣縮 剤。
. プロテアーゼ活性化受容体 1の機能を阻害する作用を有する化合物が、プ 口テア一ゼ活性化受容体 1の拮抗物質である、 請求項 9記載の抗血管攣縮剤。. プロテアーゼ活性化受容体 1の機能を阻害する作用を有する化合物が、 2 ーィミノピロリジン誘導体である、 請求項 9又は 1 0記載の抗血管攣縮剤。. 2—ィミノピロリジン誘導体を含有する抗血管攣縮剤であって、
前記 2—ィミノピロリジン誘導体が、 一般式 (I )
Figure imgf000036_0002
〔式(I ) 中、 A環はピロリジン環を; B環はベンゼン環又はピリジン環を; Rioi、 RiQ2及び R103は、 それぞれ独立し、 同一又は相異なって、 水素原子、 ハロゲン原子、 ^〜^アルキル基又は Ci〜C6アルコキシ基を; R5は水素原 子、 ^〜〇6アルキル基又は ^〜06アルコキシ ^〜〇6アルキル基を; R6は 水素原子、 Ci〜C6アルキル基又は Ci〜C6アルキルォキシ力ルポ二ル基を; γιは単結合又は一 C Η 2—を; Υ2は単結合又は— C〇—を; Ariは水素原子 又は式 ( I I )
Figure imgf000037_0001
(式 ( I I ) 中、 Rio、 Ru、 Ri2、 Ri3及び Ri4は、 それぞれ独立し、 同一又 は相異なって、 水素原子、 ^〜06アルキル基、 水酸基、 ^〜ϋ6アルコキシ 基、 モルホリニル基、 置換基を有していてもよいピペラジニル基、 置換基を 有していてもよいピペリジニル基又は置換基を有していてもよいピロリジ 二ル基を示し、 さらに、 Riiと Ri2、 又は Ri2と R13とは、 互いに結合して 5 〜8員複素環を形成していてもよい。 ) で表される基を示す。 〕
で表される化合物、 もしくはその薬学的に許容される塩、 またはそれらの水 和物である、 前記抗血管攣縮剤。
3. 2—ィミノピロリジン誘導体を含有する抗血管攣縮剤であって,
前記 2—ィミノピロリジン誘導体が、 一般式 ( I I I )
Figure imgf000037_0002
〔式 ( I I I ) 中、 R 1及び R2は、 それぞれ独立し、 同一又は相異なって、 水素原子、 メトキシ基又はエトキシ基を; Χΐは水素原子又はハロゲン原子 を; A r2は、 メチル基、 ェチル基、 メトキシ基、 エトキシ基、 t一ブチル 基、 モルホリニル基、 又は下記式 (I V) で表される置換基から選ばれる 1 又は 2以上の置換基で置換されていてもよいフエ二ル基を示し、 、A1
R3 ヘ \R4 (IV)
式( I V)中、 Wは一 CH—又は窒素原子を; A1は _CH2—又は単結合を; R3は水素原子又は一 OR5aを; X2は一 CH2—、 酸素原子、 単結合又は力 ルポ二ル基を; Yは単結合又は (^〜04アルキレン基を; R4は水素原子、 —〇R6 a、 シァノ基又は一 C〇OR7を; R5 a、 R6 a及び R7は、 それぞれ 独立し、 同一又は相異なって、 水素原子又は Ci Caアルキル基を示す。 〕 で表される化合物、 もしくはその薬学的に許容される塩、 またはそれらの水 和物である、 前記抗血管攣縮剤。
4. 前記 R1及び R2がエトキシ基であり、 かつ、 前記 Χΐがフッ素原子である 請求項 1 3記載の抗血管孿縮剤。
5. 2—ィミノピロリジン誘導体を含有する抗血管攣縮剤であって、
前記 2—ィミノピロリジン誘導体が、 式 (V) 〜 (X I) で表される化合 物からなる群から選ばれるいずれかのもの、 もしくはその薬学的に許容され る塩又はそれらの水和物である、 前記抗血管攣縮剤。
Figure imgf000039_0001
. 2—^ rミノピロリジン誘導体を含有する抗血管攣縮剤であって、
前記 2—ィミノピロリジン誘導体が、 式 (V) で表される化合物もしくは その薬学的に許容される塩又はそれらの水和物である、 前記抗血管攣縮剤。
(V)
Figure imgf000039_0002
1 7 . プロテアーゼ活性化受容体 1の機能を阻害する作用を有する化合物もし くはその薬学的に許容される塩又はそれらの水和物の有効量を患者に投与 することを特徴とする、 くも膜下出血の治療方法又はくも膜下出血の予.後改 善方法。
1 8 . 請求項 4〜 8の少なくとも 1項に記載の 2—ィミノピロリジン誘導体の 有効量を患者に投与することを特徴とする、 くも膜下出血の治療方法または くも膜下出血の予後改善方法。
1 9 . プロテアーゼ活性化受容体 1の機能を阻害する作用を有する化合物もし くはその薬学的に許容される塩又はそれらの水和物の有効量を患者に投与 することを特徴とする、 血管攣縮防止方法。
2 0 . 請求項 1 2〜 1 6の少なくとも 1項に記載の 2—ィミノピロリジン誘導 体の有効量を患者に投与することを特徴とする、 血管攣縮防止方法。
2 1 . くも膜下出血の治療剤又はくも膜下出血の予後改善剤を製造するための、 請求項 4〜 8の少なくとも 1項に記載の 2 —ィミノピロリジン誘導体の使 用。
2 2 . 抗血管攣縮剤を製造するための、 請求項 1 2〜1 6の少なくとも 1項に記 載の 2—ィミノピロリジン誘導体の使用。
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