明 細 書
アドホック 'ネットワーク、移動端末、ゲートウェイノード及びゲートウェイノ ードの選択方法
技術分野
[0001] この発明は、アドホック 'ネットワーク機能を有する移動端末と、同じくアドホック'ネッ トワーク機能を有するとともに外部ネットワークとの接続点となるゲートウェイノードとを 有するアドホック 'ネットワークに関し、特に外部ネットワーク内の端末と通信を行う際 に、ゲートウェイ(Gateway)ノードを選択して、これを介して通信を行うアドホック'ネ ットワーク、及びこのアドホック 'ネットワークのゲートウェイノードの選択方法に関する ものである。
背景技術
[0002] アドホック 'ネットワークを形成するための多くのルーティング 'プロトコル(アドホック · ルーティング 'プロトコル)が提案されている。例えば、 DSR (Dynamic Source Ro utingゝ " draft— ietf— manet— dsr— 10. txt,,等に基づく)、 AO DV (Ad Hoc On Demand Distance Vector Routingゝ " RFC3561"に基づく)、 OLSR(Optim ized Link State Routing、 ": RFC3626"に基づく)、及び TBRPF (Topology Dissemination Based on Reverse— Path Forwarding ^ 'RFC3684"に基づ く)等が提案されている。しかし、これらの提案は、ネットワーク内の端末間での通信を 実現する為のものであり、ネットワーク内の端末とネットワーク外の端末との間の通信 については、考慮されていなぐ実現することができない。
[0003] 上述に関して、モパイル ·ΙΡ (Mobile IP)技術と連携することにより、アドホック'ネ ットワークと他の外部ネットワークとの接続を実現する幾つかの提案が出されて 、る。 例えば、特許文献 1では、ゲートウェイノードがインターネット上のルータであると同時 に、アドホック 'ネットワークを構成するノードとなることができ、このゲートウェイノード がルータ広告(Router Advertisement)メッセージを周期的に広告することにより 、アドホック 'ネットワークを構成するノード(ゲートウェイノード)へのグローバル'ァドレ スの割当てや近隣探索手順の拡張を可能とすることが開示されている。
[0004] 特許文献 1 : "Global connectivity for IPv6 Mobile Ad Hoc Networks" 、 draft— wakikawa— mane t— glob alv6— 03. txt
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0005] 従来のアドホック 'ネットワークを形成するためのルーティング ·プロトコルは、アドホ ック 'ネットワーク内の端末間の通信に関する問題解決をするものであり、そのため、 アドホック 'ネットワーク内の端末が、例えば、外部ネットワーク内の端末と通信するこ とができないという問題点があった。
[0006] また、モパイル ·ΙΡ技術と連携することによるアドホック 'ネットワークと他ネットワーク との接続を可能とする提案では、ゲートウェイノードが他ネットワーク内のルータである と同時にアドホック 'ネットワークを構成するノードとなっており、アドホック 'ネットワーク を任意の他ネットワーク (任意の他のルータ)とを接続することが困難であると 、う問題 かあつた。
[0007] さらに、このゲートウェイノードが論理的に固定されているため、通信中にアドホック •ネットワークを構成する端末の移動等により、使用中のゲートウェイノードが利用でき なくなった際に、別のゲートウェイノードを利用することができず、通信を継続すること ができな!/、と!/、う問題があった。
[0008] また、従来のアドホック 'ネットワークを形成するためのルーティング ·プロトコルは、 ネットワークを構成する端末が、他ネットワークと接続する際にマルチキャスト 'メッセ ージを用いてアドレス解決を行う。そのため、アドホック 'ネットワーク内のネットワーク' リソースが多大に使用され負荷が過大となるという問題があった。
[0009] この発明は上述のような問題点を解決するためになされたもので、アドホック 'ネット ワーク機能を有する移動端末と、アドホック 'ネットワーク機能を有するとともに内部ネ ットワークと外部ネットワークとの接続点となるゲートウェイノードとを含むアドホック'ネ ットワークにおいて、送信元の移動端末から、選択されたゲートウェイノードまでの間 の通信経路が切断された際に、新たなゲートウェイノードが選択され、通信が途絶え ることがなく継続することができるアドホック 'ネットワークを提供することを目的とする。 また、このアドホック 'ネットワークを構成する移動端末及びゲートウェイノードを提供
することを目的とする。さらに、このネットワークにおけるゲートウェイノードの選択方法 を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0010] 上述した課題を解決し、 目的を達成するために、この発明に力かるアドホック 'ネット ワークは、アドホック 'ネットワーク機能を有する複数の移動端末と、同じくアドホック- ネットワーク機能を有し移動端末と共に内部ネットワークを構築するとともに内部ネット ワークの外部ネットワークに対する接続点となる複数のゲートウェイノードとを含むアド ホック ·ネットワークであって、移動端末は、経路探索手順により 1のゲートウェイノード を選択して、このゲートウェイノードを介して外部ネットワークと通信するとともに、通信 中に経路断の通知を受信すると、再度経路探索手順を行い、新たに選択したゲート ウェイノードを介して外部ネットワークとの通信を継続する。
[0011] また、この発明にかかる移動端末は、アドホック 'ネットワーク機能を有しており、内 部ネットワークの外部ネットワークに対する接続点となる複数のゲートウェイノードと共 に内部ネットワークを構築する移動端末であって、経路探索手順により 1のゲートゥェ ィノードを選択し、このゲートウェイノードを介して外部ネットワークと通信を行い、通 信中に経路断の通知を受信すると、再度経路探索手順を行い、新たに選択したゲー トウエイノードを介して外部ネットワークとの通信を継続する。
[0012] さらに、この発明に力かるゲートウェイノードは、アドホック 'ネットワーク機能を有し、 同じくアドホック 'ネットワーク機能を有する複数の移動端末と共に内部ネットワークを 構築するとともに内部ネットワークの外部ネットワークに対する接続点となる複数のゲ 一トウエイノードであって、移動端末の経路探索手順により 1が選択され、移動端末と 外部ネットワークとの通信を中継し、通信中に経路断が発生すると、移動端末の経路 探索手順により新たに 1が選択される。
[0013] さらにまた、この発明に力かるゲートウェイノードの選択方法は、アドホック 'ネットヮ ーク機能を有する複数の移動端末と、同じくアドホック 'ネットワーク機能を有し移動 端末と共に内部ネットワークを構築するとともに内部ネットワークの外部ネットワークに 対する接続点となる複数のゲートウェイノードとを含むアドホック 'ネットワークにおける ゲートウェイノードの選択方法であって、移動端末は、経路探索手順により 1のゲート
ウェイノードを選択し、このゲートウェイノードに対して、ゲートウェイノードを介して通 信を行う旨の通知を行い、その後、このゲートウェイノードを介して外部ネットワークと 通信し、通信中に経路断の通知を受信すると、再度経路探索手順を行い、新たにゲ 一トウエイノードを選択する。
発明の効果
[0014] この発明によれば、アドホック 'ネットワーク(内部ネットワーク)が任意のルータ (任意 の外部ネットワーク)と接続することが可能となるとともに、アドホック 'ネットワーク内の 移動端末がゲートウェイノードを介して外部ネットワーク内の端末と通信中に、アドホ ック 'ネットワーク内の通信経路の障害等により選択されているゲートウェイノードを利 用することが出来なくなったときに、別のゲートウェイノードが選択され、これを介して 通信を継続することが可能となり、効率的な通信を図ることができる。
図面の簡単な説明
[0015] [図 1]図 1はこの発明の実施の形態 1のアドホック 'ネットワークのネットワーク構成図で ある。
[図 2]図 2は実施の形態 1のアドホック 'ネットワーク内の移動端末同士の通信の動作 を示すシーケンスチャートである。
[図 3]図 3はアドホック 'ネットワークを構成する移動端末力 基幹 IPv6ネットワークを 構成する通常端末と通信を行う際の動作を示すシーケンスチャートである。
[図 4]図 4はゲートウェイノードによる代理応答の動作を示すシーケンスチャートである
[図 5]図 5は移動端末の移動 (離脱)に伴うアドホック 'ネットワークの構成の変化を説 明するためのネットワーク構成図である。
[図 6]図 6は経路断の発生に伴い再度経路探索が行われる動作を示すシーケンスチ ヤートである。
[図 7]図 7はこの発明の実施の形態 2のアドレス解決手順に関連するメッセージをアド ホック'ネットワーク内の移動端末が処理する動作を示すシーケンスチャートである。 符号の説明
[0016] 100 基幹 IPv6ネットワーク(外部ネットワーク)
101 アドホック 'ネットワーク(内部ネットワーク)
200 アクセス 'ルータ
300 通常端末
401, 402 ゲートウェイノード
501— 506 移動端末
発明を実施するための最良の形態
[0017] 以下に、本発明に力かるアドホック 'ネットワーク、移動端末、ゲートウェイノード及び ゲートウェイノードの選択方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。な お、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
[0018] 実施の形態 1.
図 1はこの発明の実施の形態 1のアドホック 'ネットワークのネットワーク構成図であ る。本実施の形態のアドホック 'ネットワーク(内部ネットワーク) 101を構成する移動端 末 501— 506は、 On— Demand型の DSR (Dynamic Source Routing、 "draft— ietf— manet— dsr— 10. txt"等に基づく)、及び AO DV (Ad Hoc On Demand Distance Vector Routing, "RFC3561"に基づく)等を IPv6対応に拡張したァ ドホック'ルーティング ·プロトコルを実行することにより、アドホック 'ネットワーク 101を 構築している。
[0019] アドホック 'ネットワーク 101は、アドホック 'ネットワーク機能のみを有する移動端末 5 01— 506と、アドホック 'ネットワーク機能を有するとともにゲートウェイ機能を有する ゲートウェイノード 401, 402力ら構成される。そして、アドホック 'ネットワーク 101内の 各移動端末及びゲートウェイノードは、他の移動端末及びゲートウェイノードと任意に 接続可能とされている。
[0020] アドホック ·ネットワーク 101は、ゲートウェイノード 401及び 402を介して、基幹 IPv6 ネットワーク 100の任意のアクセス ·ルータ(Access Router) 200に接続している。 ゲートウェイノード 401及び 402は、複数の無線インタフェースを有しており、そのうち の或る無線インタフェースはアドホック 'ネットワークを構成するために使用され、別の 無線インタフェースは、アクセス 'ルータ 200と接続するために使用されて!ヽる。
[0021] 図 2は本実施の形態のアドホック 'ネットワーク 101を構成する移動端末同士の通信
の動作を示すシーケンスチャートである。図 1及び図 2を参照して、この実施の形態 1 による移動端末 503が移動端末 505と通信を行う際の動作について説明する。尚、 ここでは、移動端末 503と移動端末 505との間の通信を例に上げて説明する力 これ に限定されるものではなぐ他の移動端末においても同様の動作をすることは言うま でもない。
[0022] 移動端末 503は、 On— Demand型の IPv6対応のアドホック ·ルーティング ·プロトコ ルを実装しており、通信を開始する際に予め送信先までの経路を探索する。例えば、 移動端末 503が移動端末 505との通信を行う際には、通信に先立ち、送信先端末を 移動端末 505及びシーケンス番号を設定したルートリクエスト(Route Request)メ ッセージをフラッデイングする(図 2の(1) )。
[0023] 移動端末 503よりフラッデイングされたルートリクエストメッセージは、移動端末 503 に隣接する移動端末 502, 504にて受信される(図 2の(2-1)及び(2-2) )。ルートリ タエストメッセージを受信する移動端末 502, 504は、受信したルートリクエストメッセ ージの送信先が自端末でないため、受信したルートリクエストメッセージをフラッディ ングする(図 2の(3) )。
[0024] そして、例えば、移動端末 504よりフラッデイングされるルートリクエストメッセージは 、移動端末 503, 506, 505にて受信される。移動端末 503は、シーケンス番号等を チェックすることにより、既に同じルートリクエストメッセージを処理しているため、受信 したルートリクエストメッセージを廃棄する(図 2の(4) )。移動端末 506は、受信したル ートリクエストメッセージの送信先が自端末でないため、受信したルートリクエストメッ セージをフラッデイングする(図 2の(5) )。
[0025] 移動端末 505は、受信したルートリクエストメッセージの送信先が自端末であるため 、ルートリクエストメッセージに対する応答メッセージ(ルートリプレイ(Route Reply) メッセージ)を送信元である移動端末 503に向けて送信する(図 2の(6) )。
[0026] 移動端末 503は、ルートリプレイメッセージを受信することにより、送信先である移動 端末 505〖こ向けた経路を解決し、移動端末 505に向けたパケットの転送を開始する 。このように移動端末が通信の開始時に送信先までの経路を求める手順は、経路探 索手順と呼ばれている。
[0027] 上述においては、アドホック 'ネットワーク内に位置する移動端末同士で通信を行う 際の動作について説明した力 次に、アドホック 'ネットワーク(内部ネットワーク)を構 成する移動端末 503が、基幹 IPv6ネットワーク (外部ネットワーク) 100を構成する通 常端末 300と通信を行う場合について説明する(図 3)。尚、ここでは、移動端末 503 と通常端末 300との間の通信を例に上げて説明するが、これについても限定されるも のではなぐ他の移動端末においても同様の動作をすることは言うまでもない。以下 同様である。
[0028] 送信元である移動端末 503は、前述したように送信先端末を通常端末 300及びシ 一ケンス番号を設定したルートリクエストメッセージをフラッデイングする。移動端末 50 1, 502, 504, 505, 506力 ^上述のノレートリクエストメッセージを受信した際に ίま、シ 一ケンス番号等をチェックし、受信したルートリクエストメッセージが未処理であるとき 、受信したルートリクエストメッセージの送信先が自端末でないため、受信したルートリ タエストメッセージをフラッデイングする。
[0029] 一方、ゲートウェイノード 401, 402がルートリクエストメッセージを受信した際には、 受信したルートリクエストメッセージの送信先が自端末でないため、受信ルートリクェ ストメッセージをフラッデイングするとともに、送信先がアドホック 'ネットワークの外であ ることを示す情報として所定のフラグをセットし、代理応答としてルートリプレイメッセ一 ジを送信元である移動端末 503に向けて送信する(図 3の( 1) )。
[0030] 尚、送信元端末である移動端末 503は、複数の通信経路を示すルートリプレイメッ セージを受信することが普通であり、その時には、送信先端末 300までのホップ数や 送信先端末 300がアドホック 'ネットワーク 101の外にあることを示すフラグの有無等 により、最適な経路を選択する(図 3の(2) )。ここで、移動端末 503は、送信先端末 3 00がアドホック 'ネットワーク 101の外に位置していることを認識する。そして、実際に 、ゲートウェイノード 401を介して送信先端末 300と通信を行う際には、通信経路と選 択したゲートウェイノード 401 (ここでは、ゲートウェイノード 401を例として説明する) に対して、該当端末 (移動端末 503)がゲートウェイノード 401を介して通信を行うこと を知らせて登録するために、これを行う通知(及び登録)メッセージ(Notification Message)の送信を行う(図 3の(3) )。
[0031] 次に、移動端末 503によるパケットの送信について説明する。送信元端末である移 動端末 503は、経路探索手順にて求めた送信先端末 300に向けた経路にしたがつ て、隣接する端末に対してパケットを転送する。例えば、図 1において、移動端末 50 3は、通常端末 300への経路として、ゲートウェイノード 401を介した経路を選択する 際には、移動端末 502に向けたパケットを転送する。移動端末 503から通常端末 30 0宛のパケットを受信する移動端末 502は、移動端末 503が送信先までの経路を求 めるためにフラッデイングしたルートリクエストメッセージ及びその応答であるルートリ プレイメッセージの転送により、送信先端末 300宛のパケットに対する経路を学習し ており、学習した経路に従って、受信パケットを隣接する端末 (ここでは、移動端末 50 1)に転送する。同様に、移動端末 501も移動端末 503から通常端末 300宛のバケツ トを受信した際には、隣接するゲートウェイノード 401に転送する。そして、移動端末 503からの通知(及び登録)を受信して!/、るゲートウェイノード 401は、通知(及び登 録)済みである移動端末 503から通常端末 300宛のパケットを受信した際には、ァク セス ·ルータ 200に向けて受信パケットを転送する。
[0032] 一方、ゲートウェイノード 401が移動端末 503宛のパケットを受信する際には、アド ホック'ネットワーク 'ルーティングに従って、受信パケットを移動端末 503に向けて転 送する。図 1における場合では、ゲートウェイノード 401は、移動端末 503宛のバケツ トを移動端末 501に転送し、移動端末 501は移動端末 502に、移動端末 502は移動 端末 503へ転送することとなる。
[0033] 尚、ゲートウェイノード 401がアドホック 'ネットワーク 101内に位置する移動端末 50 3宛のパケットを受信する(図 4の(0) )ためには、アクセス.ルータ 200が移動端末 50 3宛のパケットを転送する際に行う移動端末 503のアドレス解決手順に、ゲートウェイ ノード 401が応答する必要があり、これを実行する。すなわち、アクセス 'ルータ 200 が移動端末 503のリンク ·レイヤ ·アドレスを求めるために近隣要請(Neighbor Soli citation)メッセージを要請ノードマルチキャストアドレス(Solicited node multica st address)宛に送信する必要があり、これを実行する(図 4の(1) )。
[0034] ゲートウェイノード 401は、自端末宛のュ-キャスト 'メッセージ、端末に受信すること を求められるマルチキャスト 'メッセージだけでなぐ全てのメッセージを受信するよう
にされている。そして、移動端末 503のリンク 'レイヤ'アドレスを求めるための近隣要 請メッセージに対しては、代理応答としてゲートウェイノード 401のアクセス 'ルータ 20 0と接続する無線インタフェースのリンク ·レイヤ ·アドレスを設定した近接広告 (Neigh bor Advertisement)メッセージを返答する(図 4の(2) )。ここで、上述にて説明し た動作を行うのは、通知 (及び登録)を受信している移動端末に関する近隣要請メッ セージに対してのみである。
[0035] また、ゲートウェイノード 401は、移動端末 503からの通知 (及び登録)を受信した際 には、アクセス ·ルータ 200やアクセス ·ルータ 200に接続する端末 300が該当移動 端末 503に関して既に持っている情報を更新するため、移動端末 503の代理として 、ゲートウェイノードのリンク ·レイヤ ·アドレスを設定する近接広告メッセージを送信す る(図 4の(3) )。
[0036] 次に、アドホック 'ネットワークを構成する移動端末やゲートウェイノードの移動や、 無線環境の変化に伴い、各端末間の接続状況が変わった際の動作について説明す る。例えば、図 1に示す状況において、移動端末 503と通常端末 300との間で通信を 行っている時に、移動端末 501が外部へ移動(離脱)することにより、アドホック 'ネット ワーク 101を構成する端末でなくなったとする(図 5)。この時、移動端末 503から通常 端末 300宛のパケットは、移動端末 502にお 、て次の転送先である移動端末 501に 転送できない。そのため、移動端末 502は送信元である移動端末 503に対して、経 路が切断された際に送信される経路断の通知であるルートエラー (Route Error)メ ッセージを送信することによりエラー通知を行う(図 6の(1) )。同様に通常端末 300か ら移動端末 503宛のパケットは、ゲートウェイノード 401にお 、て次の転送先である移 動端末 501に転送できないため、ゲートウェイ 401は移動端末 503への経路での障 害を検出する。
[0037] このルートエラーメッセージを受信した移動端末 503は、通常端末 300との通信を 継続する目的で、通常端末 300までの他の経路を求めるため、経路探索手順を再度 行う(図 6の(2) )。
[0038] 尚、システムの運用方法により、移動端末 503が通常端末 300までの複数の経路 を保持するようにされて ヽる場合には、ルートエラーメッセージの受信時の経路探索
手順は不要である。そして、移動端末 503は経路探索手順にて求めた新たな通信経 路を使って通常端末 300との通信を継続する。この時、通常端末 300に至る通信経 路上のゲートウェイノード 401も変わる際には、移動端末 503は新しいゲートウェイノ ード 402 (ここでは、例としてゲートウェイノード 402が選択されたとする)に対して通知 (及び登録)を行う(図 6の(3) )。ゲートウェイノード 402は、移動端末 503からの通知 (及び登録)により、前述した動作に従うことにより、移動端末 503から通常端末 300 宛のパケットの転送、及び通常端末 300から移動端末 503宛のパケットの転送を実 現する。
[0039] 以上のように、本実施の形態においては、移動端末 503は、経路探索手順により 1 のゲートウェイノード 401を選択して、ゲートウェイノード 401を介して基幹 IPv6ネット ワーク (外部ネットワーク) 100と通信するとともに、通信中に経路断の通知を受信す ると、再度経路探索手順を行い、新たに選択したゲートウェイノード 402を介して基幹 IPv6ネットワーク 100との通信を継続する。そのため、何らかの要因により、送信元の 移動端末 503から選択されたゲートウェイノード 401までの間の通信経路が切断され ても通信が継続される。
[0040] また、ゲートウェイノード 401は、外部の基幹 IPv6ネットワーク 100と通信をする移 動端末 503からの指示に応じて、基幹 IPv6ネットワーク 100から移動端末 503に通 知される上述の動作、すなわち近隣探索 (Neighbor Discovery)手順に対する代 理応答を行うとともに、移動端末 503が基幹 IPv6ネットワーク 100に対して通知する 上述の動作、すなわち近隣探索手順の代理実施を行う。そのため、移動端末 503は 、ゲートウェイノード 401を介して外部の基幹 IPv6ネットワーク 100と間違いなく通信 を行うことができる。
[0041] さらに、ゲートウェイノード 401は、送信先が基幹 IPv6ネットワーク 100であるルート リクエストメッセージを移動端末 503から受信したときに、送信先が基幹 IPv6ネットヮ ーク 100である旨の情報(フラグ)をセットしたルートリプレイメッセージを送信元の移 動端末 503に向けて送信する。そして、これに対して送信元の移動端末 503は、ゲ 一トウエイノード 401に対して、ゲートウェイノード 401を介して通信を行う旨の通知( 及び登録)を行う。そのため、送信元の移動端末 503は、送信先端末 300に至る通
信経路上に存在する適切なゲートウェイノード 401を選択することができる。
[0042] さらにまた、ゲートウェイノード 401は、アドホック 'ネットワーク 101 (内部ネットワーク )内の移動端末 503宛の通信の転送を行う際、移動端末 503のリンク 'レイヤ'ァドレ スを求める近隣要請メッセージに対して、代理応答として基幹 IPv6ネットワーク 100と 接続する自ノードのリンク ·レイヤ ·アドレスを設定した近隣広告メッセージを返答する 。そのため、既存のプロトコルを変更することなぐこのプロトコルに従いながら、ゲート ウェイノード 401を介して外部の基幹 IPv6ネットワーク 100と通信することができる。
[0043] このように、本実施の形態においては、アドホック 'ネットワーク 101を構成する移動 端末 503からの指示に従い、ゲートウェイノード 401が IPv6におけるアドレス解決手 順を代理的に行うことにより、アドホック 'ネットワーク 101を構成する端末とアドホック' ネットワーク 101外に位置する端末との通信が可能となると共に、選択したゲートゥェ ィノード 401を介した通信経路に何らかの要因により障害が生じた際にも、別のゲー トウエイノード 402を介した通信が可能となる。これにより、アドホック 'ネットワーク 101 と他ネットワーク 100との通信が途絶えることがなくなり、効率的な通信を実現すること ができる。
[0044] また、アドレス解決手順に関するメッセージをゲートウェイノード 401にて代理応答 するため、アドホック 'ネットワーク 101内のネットワーク 'リソースを有効に移用すること が可能となる。
[0045] 尚、この実施の形態 1では、移動端末よりゲートウェイノードに対する通知 (及び登 録)メッセージ(Notification Message)を用いた例を示したが、アドホック ·ネットヮ ークを構成する移動端末よりゲートウェイノードに向けて送信される最初の IPv6パケ ットに情報を載せることにより、この通知 (及び登録)メッセージを代用することも可能 である。
[0046] 実施の形態 2.
実施の形態 1は、ゲートウェイノード力 Pv6におけるアドレス解決手順を代理的に 行うことにより、アドホック 'ネットワークと他の外部ネットワークとの間の通信を実現す るものであった力 本実施の形態においては、アドレス解決手順に関連するメッセ一 ジを、アドホック 'ネットワークを構成する移動端末が処理する例を示す。
[0047] 実施の形態 1と同様な配置の図 1に示すアドホック ·ネットワーク 101であるとする。 本実施の形態においては、ゲートウェイノード 401は、アクセス 'ルータ 200から受信 する近隣要請メッセージをスヌープ(snooping)しており、アドホック 'ネットワーク 101 を構成する移動端末 503宛に向けたメッセージを受信した場合には、この移動端末 503に対して、受信した近隣要請メッセージを、ュ-キャスト 'メッセージを使用して( ュ-キャスト送信にて)転送する(図 7の(1) )。尚、ゲートウェイノード 401は、移動端 末 503からの経路探索手順にて送信されるルートリクエストメッセージを受信すること によりアドホック 'ネットワーク 101を構成する移動端末 503の情報を保持するものと する(図 7の(2) )。
[0048] 近隣要請メッセージを受信した移動端末 503は、受信したメッセージに対する処理 を一定時間だけ遅らせることにより、複数の近隣要請メッセージの受信の有無を確認 する(図 7の(3) )。そして移動端末 503は受信した近隣要請メッセージに基づいて最 適なゲートウェイノード 401を選択し、選択したゲートウェイノード 401経由にて近接 広告メッセージを応答する(図 7の (4) )。
[0049] ここで、ゲートウェイノード 401が移動端末 503からの近接広告メッセージをアクセス •ルータ 200に向けて転送する際に、オプションフィールドのターゲットリンク層ァドレ ス(Target Link Layer Address option field)に設定されるリンク層アドレス( Link Layer address)の値をゲートウェイノード 401がァクセノレータ (Access Rou ter) 200との接続で使用するネットワーク 'インタフェースに対応するリンク層アドレス を設定し、転送する(図 7の(5) )。
[0050] 以上のように、本実施の形態においては、ゲートウェイノード 401は、外部の基幹 IP v6ネットワーク 100から受信する近隣要請メッセージをスヌープしており、メッセージ が移動端末 503宛のものであるとき、移動端末 503に対し、メッセージをュ-キャスト にて転送する。そのため、アドホック 'ネットワーク 101内のネットワーク 'リソースを多 大に使用されることがなぐ負荷が軽減される。
[0051] さらに、ゲートウェイノード 401は、移動端末 503から外部の基幹 IPv6ネットワーク 1 00に向けて送信されるメッセージに対して、外部の基幹 IPv6ネットワーク 100と接続 する自ノードのリンク ·レイヤ ·アドレスを設定して転送するので、既存のプロトコルを変
更することなぐこれに沿ってゲートウェイノード 401を介して、外部の基幹 IPv6ネット ワーク 100と通信することができる。
このように、本実施の形態においては、アドホック 'ネットワーク 101を構成する移動 端 503末に向けたアドレス解決手順のための近隣要請メッセージをュ-キャスト'メッ セージとしてアドホック 'ネットワーク 101内を転送することにより、アドホック 'ネットヮ ーク 101内におけるネットワーク ·リソースの有効利用が可能となる。