JP5409419B2 - モバイルルータアドホックネットワーク通信システムのモバイルルータ - Google Patents
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Description
MANEMOにおいては、NEMOのモバイルルータMRが、アドホック(Ad−Hoc)を構成したモバイルルータMRの相互間の無線マルチホップにより、外部ネットワークに接続されることを想定している。
また、図17に示すように、各モバイルルータMR2〜MR6からモバイルルータMR1(IGW)へ向かうデフォルトルート(Default Route)を作成する。
したがって、拡張ルータ広告メッセージを受信したモバイルルータMRは、自身よりも上流にいるモバイルルータMRからの拡張ルータ広告メッセージは受け取るが、自身より下流にいるモバイルルータMRからの拡張ルータ広告メッセージは破棄することを可能として、Treeを形成するとともに、Loopの発生を防いでいる。
具体的には、図18に示すように、拡張NA(Neighbor Advertisement:近隣広告)メッセージに対して、NINO(Network In Node Option)と呼ばれる拡張オプションを付加し、各モバイルルータMRが持つ移動ネットワークプレフィックス(MNP)を上流に通知することにより、モバイルルータMR1(IGW)からTree Topologyの枝へ向かう各MNPへの経路を作成する。
アドホックネットワークにおいて、通信要求の発生時に最適な経路を探索するリアクティブ型の代表的な経路制御方法として、AODV(Ad hoc On−Demand Distance Vector)が知られている(たとえば、非特許文献6参照)。
特許文献1に記載のアドホックネットワークにおけるツリー構造を利用したルーティング経路設定方法は、WPAN(Wireless Personal Area Network)において、ルーティング機能を持つノードとルーティング機能を持たないノードとが混在しているようなツリーネットワークを、ツリー内の各ノードのアドレスのみからツリー内の位置があらかじめ判断できるようなアドレス体系として構成している。
また、各モバイルルータMRの相互間においては、無線通信を用いて通信回線が確立されるが、その無線通信回線の伝送能力(帯域など)を、移動体相互間の距離や障害物などの無線通信環境に応じて変動させて、確実に通信できるようにしている。
したがって、図15、図17、図18に示したように、ゲートウェイ(MR1)をツリーの「根(ルート)」としたツリー構造として、経路を構築することが効率的であり、IETFにおいてツリーベースの経路制御としてTDとNINAが議論されている。
このとき、自身の「親」として選択しなかったモバイルルータから受信したルータ広告メッセージは、他の隣接するモバイルルータに送信しないことにより、ツリー構成においてループ経路が生じることを回避している。つまり、ルートからのホップ数により、ツリー構成を構築している。
また、移動体アドホックネットワーク内のモバイルルータ相互間の通信が必要な場合には、ツリー上で直接に親−子関係に無いモバイルルータ間の経路が、最適ではないという課題があった。
自身がこのルータ広告メッセージを受信した下流のモバイルルータの場合、受信したルータ広告メッセージに格納された移動ネットワークプレフィクスに基づき、前記ツリー構成における自身の親ノードであるモバイルルータが、ツリー経路によりパケット転送が可能な移動ネットワークを認識するとともに、自身が前記ツリー構成の下流に送信するルータ広告メッセージに前記ツリー構成において自身から親m世代子n世代の範囲の移動ネットワークプレフィクスの情報を格納し送信することを特徴とするモバイルルータ等にある。
また、通信相手との位置関係に応じてAODVによる経路制御を行うことにより、最適な経路を確立する経路制御方式を提供可能なモバイルルータアドホックネットワーク通信システムのモバイルルータを得ることができる。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について説明する。
ここでは、隣接するモバイルルータMRとの無線通信回線の伝送能力(帯域)を用いてツリーを構成する例を示し、このときに、ツリー構成におけるループ発生を回避する方法について説明する。
図1において、複数のモバイルルータMR1−1〜MR5−1は、ツリー構成で示されている。
なお、各モバイルルータMR1−1〜MR5−1は、それぞれの配下として、ユーザのインタフェースとなるIP端末(図示せず)が接続された移動ネットワークを収納している。
まず、この発明の目的を明確化するために、Tree Path History Sub option(図2、図3とともに後述する)の付加を考慮しない場合における課題について説明する。
また、モバイルルータMR2−1は、自身からルート(root)となるモバイルルータMR1−1までのツリー経路の最小帯域値を「10」と判断して、隣接するモバイルルータMR3−1、MR3−2に対して、帯域情報BWの値を「10」としたルータ広告メッセージRA2−1を送信する。
また、モバイルルータMR3−1は、自身からルート(モバイルルータMR1−1)までのツリー経路の最小帯域値を「10」と判断して、隣接するモバイルルータMR4−1、MR4−2に対して、帯域情報BWの値を「10」としたルータ広告メッセージRA3−1を送信する。
したがって、モバイルルータMR3−1は、複数のルータ広告メッセージRAで通知された帯域情報BWの値やインタフェースの帯域値を比較して、帯域情報BWの値が同一であれば、インタフェースの帯域が最も大きい経路を、ツリー構成の「親」として選択する。
図2はモバイルルータごとのルータ広告(RA)メッセージ(Tree Path History Sub option)のフォーマットを示す説明図である。
図3において、まず、前述と同様に、モバイルルータMR1−1は、外部ネットワークに対して帯域値100で接続されていることから、隣接するモバイルルータMR2−1、MR2−2に対し、Bandwidth Sub optionの値(帯域情報BW)を「100」としたルータ広告メッセージRA1−1を送信する。
また、モバイルルータMR4−1は、複数のルータ広告メッセージで通知された帯域情報BWの値やインタフェースの帯域を比較して、帯域情報BWの値が同一であれば、インタフェースの帯域が最も大きい経路を、ツリー構成の「親」として選択するので、ルータ広告メッセージRA4−2の送信元となるモバイルルータMR4−2を、ツリー構成の「親」として選択する。
アドホックネットワークを構成する複数のモバイルルータMR1−1〜MR5−1のうち、外部ネットワークとの接続が可能で、かつアドホックネットワークと外部ネットワークとの間の通信の中継が可能なモバイルルータMR1−1は、ゲートウェイ(IGW)として動作して、ツリー構成のルートとなる。
ルートとなるモバイルルータMR1−1が送信したルータ広告メッセージRA1−1を受信したモバイルルータ(MR2−1)は、ルータ広告メッセージRA1−1をルート(MR1−1)以外の隣接するモバイルルータ(MR3−1、M3−2)に送信する。
また、ツリー構成において自身の子ノードであるモバイルルータから受信した近隣広告メッセージに含まれる移動ネットワークプレフィクスの情報から、移動ネットワーク宛の経路として近隣広告メッセージの送信元となるモバイルルータを選択するとともに、自身の子ノードであるモバイルルータから受信した近隣広告メッセージに含まれる移動ネットワークプレフィクスの情報と、自身が収容する移動ネットワークプレフィクスの情報とを格納した近隣広告メッセージを、ツリー構成において自身の親ノードであるモバイルルータに送信する。
また、ルートの位置にあるモバイルルータMR1−1が送信するルータ広告メッセージRA1−1に格納されるTIO(Tree Information Option)にIDを追加する。
一方、受信したルータ広告メッセージのIDに格納された識別子を解析して、自身の識別子(MR2−1)がすでに格納されていることを検出した場合には、受信したルータ広告メッセージを廃棄してツリー構成の判定に用いないこととする(ツリーの親候補判定を禁止する)。
すなわち、図3において、ルータ広告メッセージRA4−1の送信元となるモバイルルータMR4−1を、自身の親として選択し直すことに起因して、他のモバイルルータMR3−1、モバイルルータMR4−2、モバイルルータMR4−1でループ経路となることを防止することができる。
なお、上記実施の形態1では、特に言及しなかったが、図4〜図10に示すように、ツリー上流で収集されたMNPを、ルータ広告メッセージのTIOのサブオプション(Sub option)として、ツリー下流に通知するように構成してもよい。
図4において、各モバイルルータMR1−1〜MR5−1は、配下の移動ネットワーク(MNP=1−1−a〜5−1−a)を収容している。
たとえば、モバイルルータMR2−1は、MNP(移動ネットワークプレフィックス)が「2−1−a」である移動ネットワークを収容し、モバイルルータMR3−1は、MNPが「3−1−a」である移動ネットワークを収容している。
また、各モバイルルータMR2−1〜MR5−1は、ツリー構成の上流からルータ広告メッセージRA1−1〜RA4−3を受信して、順次に下流へルータ広告メッセージを送信している。
図6は近隣広告メッセージNAに格納されるNINOのフォーマットを示す説明図である。
図8はこの発明の実施の形態2によるルータ広告メッセージの受信動作を示すフローチャートであり、図9はルータ広告メッセージの送信動作を示すフローチャートである。
図10に示したNINA ListにおけるB(ブロック)TTLの値は、親世代数mの値を初期値として設定されており、ツリーの下流に同情報を転送する前に減算される。BTTLの値が「0」となった場合には、制御メッセージが棄却されて、ツリー下流への転送は行われない。
また、自身の子世代として、1ホップ下流のモバイルルータMR2−1、MR2−2が収容するPrefix「2−1−a」、「2−2−a」を、ルータ広告メッセージRA1−1に付加する。
このNINA Listテーブルにより、モバイルルータMR2−1は、モバイルルータMR1−1が子世代nの範囲で転送可能なPrefixを知ることができる。
これにより、モバイルルータMR3−1は、モバイルルータMR2−1が子世代nの範囲で転送可能なPrefixを知ることができる。
これにより、モバイルルータMR3−2は、モバイルルータMR2−1が子世代nの範囲で転送可能なPrefixを知ることができる。
また、最後のステップS3は、NINA Listテーブルにしたがい、ルーティングテーブルを更新する処理である。
また、最後のステップS14は、上記で編集したNINA Listを含むルータ広告メッセージRAを自身の下流に送信する処理である。
また、自身がツリー構成の下流に送信するルータ広告メッセージRA2−1に格納されるNINA List Sub optionに対し、ツリー構成において自身から親m世代および子n世代の範囲の移動ネットワークプレフィクスの情報を格納したルータ広告メッセージを、ツリー構成の下流に送信する。
なお、上記実施の形態2(図4〜図10)では特に言及しなかったが、図11および図12に示すように、ツリー構成の各モバイルルータMRは、ツリー構成の「親」となるモバイルルータから受信したルータ広告メッセージRAのNINA Listに基づき、ツリー構成において自身のノードの親世代のモバイルルータMRと、親m世代以内の子n世代のモバイルルータMRと、が収容する移動ネットワーク宛となるネクストホップノードを知ることもできる。
図11において、各モバイルルータMR(ノード)間を接続する実線は、すでに確立されているツリー構成を示しており、破線は、近隣のモバイルルータMR間で通信が可能な状態を示している。
また、ツリー構成において自身の上流のモバイルルータMRも、ルータ広告メッセージRAのNINA Listで判明することから、AODVによる経路探索を行う必要はなく、ツリー経路を用いると判断して直ちにパケットの転送が可能となる。
一方、モバイルルータMR5−1宛の場合には、図11内の破線で示す経路が選択されて、最適な経路が確立できる可能性がある。
なお、上記実施の形態3(図11、図12)では、ツリー構成を基本として、送信元ノードからの近隣に位置するノード宛には、ツリー構成による経路を用い、それよりも遠隔でツリーの他の枝に存在するノード宛には、AODVを用いたが、ツリー構成上は親m世代および子n世代の範囲に位置するノードであっても、物理的には近隣に位置しているので、ツリーを構成していない無線リンクにより通信が可能な場合がある。
たとえば、例外として、自身のノードがいる枝以外の枝にいる隣接モバイルルータMRとの通信の場合(図11内のモバイルルータMR3−1から見て、モバイルルータMR4−2が対象となる場合)には、NINA Listを用いたツリー経路を用いるか、AODVによる経路探索を用いるかの選択が可能となる。
図13はこの発明の実施の形態4によるHELLOメッセージに含まれる送信ノードと隣接ノードとの通知フォーマットを示す説明図である。
これにより、NINA Listを用いたツリー経路を用いるか、AODVによる経路探索を用いるかの選択が可能となる。
Claims (3)
- IP端末が接続されるとともに移動ネットワークプレフィックスで識別された移動ネットワークを収容するモバイルルータが、無線通信で接続されたツリー構成のアドホックネットワークを構成し、異なるモバイルルータの配下のIP端末の相互間でのIP通信を実現するモバイルルータアドホックネットワーク通信システムの前記モバイルルータであって、
自身が前記ツリー構成のルートの位置にあるモバイルルータの場合、自身から前記ツリー構成において子n世代の範囲の移動ネットワークプレフィクスの情報を格納したルータ広告メッセージを、前記ツリー構成の下流に送信し、
自身がこのルータ広告メッセージを受信した下流のモバイルルータの場合、受信したルータ広告メッセージに格納された移動ネットワークプレフィクスに基づき、前記ツリー構成における自身の親ノードであるモバイルルータが、ツリー経路によりパケット転送が可能な移動ネットワークを認識するとともに、自身が前記ツリー構成の下流に送信するルータ広告メッセージに前記ツリー構成において自身から親m世代子n世代の範囲の移動ネットワークプレフィクスの情報を格納し送信する
ことを特徴とするモバイルルータ。 - 自身が前記ツリー構成のルートの位置にあるモバイルルータからのルータ広告メッセージを受信した下流のモバイルルータの場合、
前記ツリー構成において自身の下流に位置するモバイルルータが収容する移動ネットワークと、自身から前記ルートまでのツリー経路上に位置するモバイルルータが収容する移動ネットワークと、自身の親ノードであるモバイルルータがツリー経路によりパケット転送が可能な移動ネットワークと、のいずれかが宛先であるパケットの場合には、そのパケットを前記ツリー経路で転送し、
宛先が前記移動ネットワークのいずれでもない場合には、アドホック経路制御を用いて経路探索を行い、アドホック経路を確立させてパケットを転送することを特徴とする請求項1に記載のモバイルルータ。 - 前記アドホックネットワークを構成する複数のモバイルルータの相互間で無線通信回線の通信可能性を確認するために、自身が認識している隣接ノードの情報を隣接ノードと互いに通知しあい、
自身の親ノードであるモバイルルータが、前記ツリー経路によりパケット転送が可能な移動ネットワークを宛先とするパケットを転送する際に、前記宛先が、前記通知により認識する隣接ノードである場合には、前記ツリー経路に代えて、アドホック経路制御により確立させる経路を用いることを特徴とする請求項2に記載のモバイルルータ。
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