JP3559508B2 - パケット転送経路検索方法及び無線ノードのゲートウェイノードとの通信可能性調査方法 - Google Patents
パケット転送経路検索方法及び無線ノードのゲートウェイノードとの通信可能性調査方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数のノードを経由してパケットの送受信が可能なノード間の通信に際して、パケットを転送する経路の検索方法に関し、特に複数のノードが有線ネットワークを介しても通信可能な場合の、無線ネットワークにおけるパケット転送経路検索方法及び無線ノードのゲートウェイノードとの通信可能性調査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来無線ネットワーク内での経路検索に関しては、有線ネットワークとの接続を考慮せずに無線ネットワーク内のみを対象として行っていた。また検索の方法に関しては、ある宛先までの経路を検索しようとするノードが、無線ネットワーク内に経路検索メッセージをブロードキャストし、この経路検索メッセージを受けた複数のノードが更に経路検索メッセージをブロードキャストし、これを繰り返すことにより経路検索メッセージが無線ネットワーク内に広まり、経路検索メッセージを受けたノードのうち、経路の宛先ノード、あるいは宛先までの経路に関する情報を持っているノードが、そのことを前記経路検索メッセージの発信元へ返すことにより、無線リンクをマルチホップで経由した経路を検索する方法が提案されてきた。
【0003】
例えば「Elizabeth M. Royer and Chai−Keong Toh 著、 ”A Review of Current Routing Protocols for Ad Hoc Mobile Wireless Networks”, in IEEE Personal Communications, pp.46−55, 1999 」の48頁で紹介されているAODV(AdHoc On−Demand Distance Vector Routing)では、経路検索メッセージを無線ネットワーク内にブロードキャストし、宛先ノードや途中のノードから経路検索の送信元に、経路応答メッセージが返送される際に、経由するノードで経路表の書き換えという経路情報を構築するための処理を行うことにより、無線ネットワーク内のノードのみを経由する経路の検索が実行される。以下図を用いて、このような従来の経路検索方法について説明する。
【0004】
図2は従来の無線ネットワークにおける経路検索方法が適用されるネットワーク構成の例を示し、ノード10と、ノード20と、ノード30と、ノード40と、ノード50及びゲートウェイノード110と120から構成され、ノード10はゲートウェイノード110、ノード20、及びノード30と、ノード20はノード10、ノード30、及びノード40と、ノード30はノード10及びノード20と、ノード40はノード20及びノード50と、ノード50はゲートウェイノード120及びノード40と、それぞれ無線リンクで通信可能である。また、ゲートウェイノード110は無線リンクでノード10と、及び有線ネットワーク100経由でゲートウェイノード120と、ゲートウェイノード120は無線リンクでノード50と、及び有線ネットワーク100経由でゲートウェイノード110と、それぞれ通信可能である。この時の経路検索動作を図9を用いて説明する。
【0005】
図9は、図2に於けるノード10がノード50への経路を検索する場合のメッセージシーケンスの例を示している。まず、ノード10で経路検索要求が発生すると(1)、経路検索メッセージをブロードキャストする(2)。経路検索メッセージのヘッダあるいはボディ中には、図10に示すように、メッセージの送信元であるノード10のアドレス、メッセージの受信先であるブロードキャストアドレス、経路検索元であるノード10のアドレス、経路検索宛先であるノード50のアドレス、及び経路検索元であるノード10で割り当てるメッセージの識別番号が含まれる。
【0006】
この経路検索メッセージを受けとったゲートウェイノード110、ノード20、及びノード30はそれぞれメッセージの受信先アドレスを確認し、これがブロードキャストアドレスであるので経路情報を構築するための処理、すなわちこの例では、メッセージ中の送信元アドレスへは直接通信可能なこと、及び経路検索元宛のパケットは、その経路検索メッセージの送信元へ送信すれば良いという情報を経路表に加えるという処理、を行う(3)。更にゲートウェイノード110、ノード20、及びノード30はそれぞれ自ノードの経路表から、経路検索メッセージ中の経路検索宛先アドレスへの経路情報を検索する(4)。ここでは全てのノードで検索に失敗したものとする。そこで送信先が不明なため、ゲートウエイノード110、ノード20、及びノード30では経路検索メッセージの受信先アドレスをブロードキャストアドレスとして経路検索メッセージを無線インタフェース経由で送信する(5)。
【0007】
ゲートウェイノード110が送信した経路検索メッセージはノード10のみが受信するが、ノード10はメッセージ中のメッセージ識別番号を確認し、すでに送信したメッセージ識別番号と一致するためこのメッセージを無視する(6)。
ノード20が送信した経路検索メッセージはノード10、ノード30、及びノード40が受信する。ノード10とノード30はメッセージ識別番号の確認により、既に送信あるいは受信したメッセージ識別番号と一致するためこのメッセージを無視するが、ノード40は初めて受信するメッセージ識別番号のため、メッセージ中の送信元アドレスへは直接通信可能なこと、及び経路検索元宛のパケットは、その経路検索メッセージの送信元へ送信すれば良いこと、すなわち「ノード10宛のパケットはノード20へ転送する」という情報を経路表に加える(7)。更にノード40は自ノードの経路表から、経路検索メッセージ中の経路検索宛先アドレスへの経路情報を検索する(8)。この例では検索に失敗したものとし、送信先が不明なため、経路検索メッセージの受信先アドレスをブロードキャストアドレスとして、経路検索メッセージをブロードキャストする(9)。
【0008】
一方、ノード30が送信した経路検索メッセージはノード10及びノード20で受信されるが、いずれもメッセージ識別番号の確認により、既に送信あるいは受信したメッセージ識別番号と一致するためこのメッセージを無視する。
次にノード40が送信した経路検索メッセージはノード20、及びノード50が受信する。ノード20はメッセージ識別番号の確認により、既に受信したメッセージ識別番号と一致するためこのメッセージを無視する(10)。ノード50は初めて受信するメッセージ識別番号のため、メッセージ中の送信元アドレスへは直接通信可能なこと、及び経路検索元宛のパケットは、その経路検索メッセージの送信元へ送信すれば良いこと、すなわち「ノード10宛のパケットはノード40へ転送する」という情報を経路表に加える(11)。更に、ノード50はメッセージ中の経路検索宛先が自ノードを示していることを確認し、経路応答メッセージを返す(13)。経路応答メッセージは図11に示す通り、経路応答元であるノード50のアドレスと、経路応答宛先であるノード10のアドレスを含み、経路応答宛先であるノード10へ返送するため、先ほど経路表に加えられた、「ノード10宛のパケットはノード40へ転送する」という情報を用いて、ノード40へ転送される(12),(13)。なお、このメッセージは経路検索のようにブロードキャストではなく、ノード40宛のユニキャストとして送信されるため、ゲートウェイノード120が受信処理することはない。
【0009】
ノード40はその経路応答メッセージを受信して、ノード50へは直接通信可能であることを経路表に加える(14)。更に経路表に先ほど加えた「ノード10宛のパケットはノード20へ転送する」という情報を用いて、経路応答メッセージをノード20へ転送する(15)。
ノード20はこれを受信して、ノード40へは直接通信可能、及び経路応答元宛のパケットはその経路応答メッセージの送信元へ送れば良い、すなわち「ノード50宛のパケットはノード40へ転送する」という情報を経路表に加える(16)。更に経路表に先ほど加えた「ノード10へは直接通信可能」という情報を用いて経路応答メッセージをノード10に転送する(17)。
【0010】
最後にノード10がこのメッセージを受け取り、ノード20へは直接通信可能なこと、及び「ノード50宛のパケットはノード20へ転送する」という情報を経路表に加えることにより(18)、ノード10とノード50、及びその経路上のノード20とノード40の経路表の情報を用いて、ノード10とノード50の間でパケットの送受信が可能となる。この結果、図12に示すようなパケット転送経路200が構築される。
【0011】
また、経路検索メッセージを受けた各ノードは、自ノードが経路検索宛先に一致しなくても、経路検索宛先までの情報が経路表にあれば、経路応答メッセージを返送しても良い。
このように、各ノードが経路検索メッセージを受信した場合に、経路応答が可能であればこれを経路検索元に返送し、そうでなければ経路検索をブロードキャストすることにより、無線ネットワーク内のノードを経由する経路を検索することが可能である。
【0012】
なお、無線ネットワーク内でのルーティングについては、特開平8−97821が公開されており、上に述べたAODVと同様にパケットの転送経路を検索して無線端末間でパケット転送を行うことにより、有線LANを施設する場合に比べて費用を削減可能としている。しかし、無線ネットワーク内のノードを経由する経路の検索を対象としており、有線ネットワークを経由した経路は探索対象に含まれない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、従来の方式ではノード間の経路を検索する際に、経路検索を無線ネットワーク内にブロードキャストし、経路応答が経路検索の送信元に返ることにより、無線ネットワーク内のノードのみを経由する経路の検索が可能であった。よって、いくつかのノードがゲートウェイノードであり、ゲートウェイノードが有線経由で接続されている場合にも、無線ネットワーク内のノードのみを経由する経路しか検索できなかった。
【0014】
この発明の目的は、このような従来の課題を解決し、有線を経由した無線ネットワーク外の経路も含めて、ノード間の経路を検索することを可能にするパケット転送経路検索方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明における経路検索方法においては、有線経由でも経路検索メッセージをゲートウェイノード間で転送することにより、有線経由の経路も検索対象とすることを特徴とする。ゲートウェイノードが有線経由で経路検索メッセージを受け、もし経路応答を返送可能であれば送信元のゲートウェイノードへ有線経由で返送する。経路応答を返送不可能であり、かつそのメッセージ識別番号が既に受信あるいは送信したメッセージと一致しないならば、無線ネットワーク内に経路検索メッセージをブロードキャストする。これにより、有線経由の経路も含めた経路検索が可能となる点が、従来技術とは異なる。
【0016】
また、無線ネットワーク内の各ノードが例えば立ち上げ時などに、各ゲートウェイノードとの接続性を調査し、その情報をゲートウェイノードへ通知することにより、各ゲートウェイノードは、無線ネットワーク内のノードを経由して通信可能な他のゲートウェイノードを把握することが可能となり、経路検索メッセージを無線ネットワーク内のノードを経由して通信可能なゲートウェイノードのみへ転送することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面により詳細に説明する。
図2はこの発明の無線ネットワークにおける経路検索方法に係る一実施例が適用されるネットワークの構成例を示す。このネットワーク構成は、従来の技術の項で説明したから重複説明は省略する。
無線ネットワーク内の各ノードが、例えば立ち上げ時などに、各ゲートウェイノードとの接続性を調査し、その情報をゲートウェイノードへ通知する。この接続性を調査してその情報をゲートウェイノードに通知する動作を具体的に説明する。
【0018】
図3及び図4は図2におけるノード10、ノード20、ノード30、ノード40、及びノード50の立ち上げ時に接続性を把握し、ゲートウェイノード110及び120へ通知する際のメッセージシーケンスの例を示す。
まず、ノード10及びノード50が立ち上がると(1)、それぞれ接続性調査メッセージをブロードキャストする(2)。これらのメッセージはゲートウェイノード110あるいはゲートウェイノード120がそれぞれ受信する。受信したゲートウェイノードは自分のアドレス情報を含めた接続性応答メッセージをそれぞれノード10あるいはノード50へ返送する(3)。ノード10及びノード50はそれぞれ接続性応答メッセージを受信し、他のメッセージを受信しないことを確認するために一定時間待機してから、ゲートウェイノード110、あるいはゲートウェイノード120との接続性が生じたという接続情報を更新し(4)、接続性情報として把握したゲートウェイノードのアドレスを含めた接続性通知メッセージをブロードキャストする(5)。これらのメッセージを受信したゲートウェイノード110あるいはゲートウェイノード120はそれぞれ受信したメッセージ中に含まれるのが自分のアドレスのみであることを確認し、これらのメッセージを無視する(6)。
【0019】
次にノード40が立ち上がると(7)、接続性調査メッセージをブロードキャストする(8)。このメッセージはノード50のみが受信する。ノード50は立ち上げ時に把握したゲートウェイノード120のアドレス情報を含めた接続性応答メッセージをノード40へ返送する(9)。ノード40は接続性応答メッセージを受信し、他のメッセージを受信しないことを確認するために一定時間待機してから、ゲートウェイノード120との接続性が生じたという接続情報を更新し(10)、接続性情報として把握したゲートウェイノード120のアドレスを含めた接続性通知メッセージをブロードキャストする(11)。その接続性通知メッセージを受信したノード50は受信したメッセージ中には自分が把握しているゲートウェイノード120のアドレスが含まれるのみなので、このメッセージを無視する(12)。
【0020】
次にノード20が立ち上がると(13)、接続性調査メッセージをブロードキャストする(14)。このメッセージはノード10及びノード40が受信する。ノード10あるいはノード40はそれぞれ接続性情報として把握しているゲートウェイノード110あるいはゲートウェイノード120のアドレス情報を含めた接続性応答メッセージを、それぞれノード20へ返送する(15)。ノード20は二つの接続性応答メッセージを受信し、他のメッセージを受信しないことを確認するために一定時間待機してから、ゲートウェイノード110及び120との接続性が生じたという接続情報を更新し(16)、接続性情報として把握したゲートウェイノード110及び120のアドレスを含めた接続性通知メッセージをブロードキャストする(17)。このメッセージを受信したノード10及びノード40は、それぞれ受信したメッセージ中に自分が把握していないゲートウェイノード120(ノード10では)、あるいはゲートウェイノード110(ノード40では)のアドレスが含まれていることを確認し、それらのゲートウェイと接続性が生じたという接続情報を更新し(18)、ゲートウェイノード110とゲートウェイノード120のアドレス情報を含めた接続性通知メッセージをブロードキャストする(19)。
【0021】
ノード10及びノード40が送信した接続性通知メッセージは、それぞれノード20とゲートウェイノード110、あるいはノード20とノード50が受信する。ノード20は接続性応答メッセージ(15)にもとづく接続情報更新(16)により、どちらのメッセージ中のゲートウェイノード110,120のアドレスも既知なので、これらのメッセージを無視する(20)。ゲートウェイノード110は接続性通知メッセージ中のアドレスに、自分のアドレス以外でかつ自分が接続性を把握していないゲートウェイノード120のアドレスがあるため、ゲートウェイノード120と接続性が生じたという接続情報を更新し(21)、接続情報として把握したゲートウェイノード120及び自分のアドレス情報を含めた接続性通知メッセージをブロードキャストする(22)。この接続性通知メッセージを受信したノード10はメッセージ中のゲートウェイノードのアドレスが全て既知なので、このメッセージを無視する(23)。
【0022】
一方ノード40が送信した接続性通知メッセージを受信したノード50は、メッセージ中に自分が接続性を把握していない、ゲートウェイノード110のアドレスがあるため、ゲートウェイノード110との接続性が生じたという接続情報を更新し(24)、接続情報として把握したゲートウェイノード110とゲートウェイノード120のアドレス情報を含めた接続性通知メッセージをブロードキャストする(25)。
【0023】
ノード50が送信した接続性通知メッセージは、ノード40とゲートウェイノード120が受信する。ノード40はメッセージ中のゲートウェイノードのアドレスが既知なので、このメッセージを無視する(26)。ゲートウェイノード120は接続性通知メッセージ中のアドレスに、自分のアドレス以外でかつ自分が接続性を把握していないゲートウェイノード110のアドレスがあるため、ゲートウェイノード110と接続性が生じたという接続情報を更新し(27)、接続情報として把握したゲートウェイノード110及び自分のアドレス情報を含めた接続性通知メッセージをブロードキャストする(28)。この接続性通知メッセージを受信したノード50はメッセージ中のゲートウェイノードのアドレスが全て既知なので、このメッセージを無視する(29)。
【0024】
最後にノード30が立ち上がると(30)、接続性調査メッセージをブロードキャストする(31)。このメッセージはノード10及びノード20が受信する。ノード10及びノード20はそれぞれ自分が把握しているゲートウェイノード110とゲートウェイノード120のアドレス情報を含めた接続性応答メッセージをノード30へ返送する(32)。ノード30は二つの接続性応答メッセージを受信し、他のメッセージを受信しないことを確認するために一定時間待機してから、ゲートウェイノード110及び120との接続性が生じたという接続情報を更新し(33)、接続性情報として把握したゲートウェイノード110及び120のアドレスを含めた接続性通知メッセージをブロードキャストする(34)。このメッセージを受信したノード10及びノード20は、メッセージ中のゲートウェイノードのアドレスが既知なので、このメッセージを無視する(35)。
【0025】
このようにして、ゲートウェイノード110とゲートウェイノード120はそれぞれ互いに無線ネットワークで接続されたことを認識し、互いのアドレス情報を獲得する。これにより、例えばゲートウェイノード110が有線ネットワーク100を経由して経路検索メッセージを送信する必要が生じた場合には、ゲートウェイノード120のみへ転送すれば良い。
図5は図2におけるノード10がノード50への経路を検索する場合に、経路検索メッセージの到着が早い経路を最適経路とする場合のメッセージシーケンスの例を示す。まず、ノード10で経路検索要求が発生すると(1)、経路検索メッセージをブロードキャストする(2)、経路検索メッセージのヘッダあるいはボディ中には、図10に示した通り、メッセージの送信元であるノード10のアドレス、メッセージの受信先であるブロードキャストアドレス、経路検索元であるノード10のアドレス、経路検索宛先であるノード50のアドレス、及び経路検索元であるノード10で割り当てるメッセージの識別番号が含まれる。
【0026】
このメッセージを受けとったゲートウェイノード110、ノード20及びノード30はそれぞれメッセージの受信先アドレスを確認し、これがブロードキャストアドレスであるので経路情報を構築するための処理、すなわちこの例では、メッセージ中の送信元アドレスへは直接通信可能なこと、及び経路検索元宛のパケットは、この経路検索メッセージの送信元へ送信すれば良いという情報を経路表に加えるという処理を行う(3)。更にゲートウェイノード110、ノード20及びノード30はそれぞれ自ノードの経路表から、経路検索メッセージ中の経路検索宛先アドレスへの経路情報を検索する(4)。この例では全てのノードで検索に失敗したものとする。そこで送信先が不明なため、各ノード110,20,30では経路検索メッセージの受信先アドレスをブロードキャストアドレスとして経路検索メッセージを無線インタフェース経由で送信する(5)。ただし、ゲートウェイノード110が送信した経路検索メッセージを受信した無線ノード10は、メッセージ中のメッセージ識別番号を確認し、すでに送信したメッセージ識別番号と一致するためこのメッセージは無視する(6)。更にゲートウェイノード110では、自分がアドレスを知っている他のゲートウェイノードに経路検索メッセージを転送する。この例ではゲートウェイノード120に対して経路検索メッセージを転送する。このメッセージはユニキャストで有線ネットワーク100を経由して送信される。すなわち、図10におけるメッセージ送信元アドレスにゲートウェイノード110のアドレスを、メッセージ受信先アドレスにゲートウェイノード120のアドレスを、それぞれ指定し、前記経路検索メッセージ全体を新たにメッセージのボディとする有線ネットワーク向パケットを生成して有線ネットワーク100側に送信する。
【0027】
この経路検索メッセージを受けとったゲートウェイノード120は、経路検索元宛のパケットはその経路検索メッセージの送信元へ送信すれば良いこと、すなわち「ノード10宛のパケットは有線ネットワーク経由でゲートウェイノード110へ転送する」という情報を経路表へ加える(7)。次に自ノードの経路表から、経路検索メッセージ中の経路検索宛先アドレスへの経路情報を検索する(8)。この例では検索に失敗するものとし、送信先が不明なため、経路検索メッセージの受信先アドレスをブロードキャストアドレスとして経路検索メッセージを無線インタフェース経由で送信する(9)。
【0028】
ノード50は初めて受信するメッセージ識別番号のため、メッセージ中の送信元アドレスへは直接通信可能なこと、及び経路検索元宛のパケットは、そのメッセージの送信元へ送信すれば良いこと、すなわち「ノード10宛のパケットはゲートウェイノード120へ転送する」という情報を経路表に加える(10)。更に、ノード50はこの経路検索メッセージ中の経路検索宛先が自ノードを示していることを確認し、経路応答メッセージを返送する。経路応答メッセージは図11に示す通り、経路応答元であるノード50のアドレスと、経路応答宛先であるノード10のアドレスを含み、経路応答宛先であるノード10へ返送するため、先ほど経路表に加えた、「ノード10宛のパケットはゲートウェイノード120へ転送する」という情報を用いて(11)、ゲートウェイノード120へユニキャストで転送する(12)。
【0029】
一方、ノード20及びノード30が送信した経路検索メッセージは、それぞれノード10とノード30とノード40、あるいはノード10とノード20がそれぞれ受信するが、この例ではノード40が受信したメッセージ以外は既に送信あるいは受信済みの経路検索メッセージとメッセージ識別番号が一致するため無視される(6)。一方、ノード40では初めて受信するメッセージ識別番号のため、メッセージ中の送信元アドレスへは直接通信可能なこと、及び経路検索元宛のパケットは、その経路検索メッセージの送信元へ送信すれば良いこと、すなわち「ノード10宛のパケットはノード20へ転送する」という情報を経路表に加える(13)。更にノード40は自ノードの経路表から、経路検索メッセージ中の経路検索宛先アドレスへの経路情報を検索する(14)。この例では検索に失敗するものとし、送信先が不明なため、経路検索メッセージの受信先アドレスをブロードキャストアドレスとして、経路検索メッセージをブロードキャストする(15)。
【0030】
ノード40が送信した経路検索メッセージはノード20及びノード50が受信するが、この例ではメッセージ識別番号の確認により、どちらのメッセージも既に受信済の経路検索メッセージとメッセージ識別番号が一致するため無視される(16)。
次にノード50が送信した経路応答メッセージを受信したゲートウェイノード120は、ノード50へは直接通信可能なことを経路表に加える(17)。更に経路応答宛先であるノード10へ経路応答メッセージを返送するため、経路表に先ほど(7)で加えた「ノード10宛のパケットはゲートウェイノード110へ有線ネットワーク経由で転送する」という情報を用いて(18)、経路応答メッセージを送信する(19)。
【0031】
ゲートウェイノード110は経路応答メッセージを受け取り、「ノード50宛のパケットはゲートウェイノード120へ有線ネットワーク経由で転送する」という情報を経路表に加える(20)。次に経路応答宛先であるノード10へ経路応答メッセージを返送するため、経路表に先ほど(3)で加えた、「ノード10へは直接通信可能」という情報を用いて(21)、ノード10へ経路応答メッセージを送信する(22)。
【0032】
ノード10はこの経路応答メッセージを受け取り、ゲートウェイノード110へは直接通信可能なこと、及び「ノード50宛のパケットはゲートウェイノード110へ転送する」という情報を経路表に加えることにより(23)、ノード10とノード50及びその経路上のゲートウェイノード110とゲートウェイノード120の経路表の情報を用いて、ノード10とノード50の間でパケットの送受信が可能となる。
【0033】
図1はこの結果検索されたパケット転送経路の例を示している。図1に示す通り、この発明の実施例では、ノード10とノード50の間でパケットを送信する際に、ノード20とノード40を経由したパケット転送経路だけではなく、ゲートウェイノード110とゲートウェイノード120を経由したパケット転送経路210も検索対象となる。
上述では経路検索宛先アドレスが示すノードでは、先に受信した経路検索メッセージのみに対して経路応答メッセージを返送したが、それら全てに対して応答を返送したり、メッセージ中に経由したノードの数などの他の情報を含め、これらの情報を用いてどの経路検索メッセージに応答するかを判断したりすることも可能である。
【0034】
以下にその例を説明する。図6は図2におけるノード10がノード50への経路を検索する場合に、経由する無線リンクのホップ数に基づいて最適経路を決定する場合のメッセージシーケンスの例を示している。まず、ノード10で経路検索要求が発生すると(1)、経路検索メッセージをブロードキャストする(2)。経路検索メッセージのヘッダあるいはボディ中には、図7に示す通り、これまでに経由した無線リンクのホップ数(この場合はh=0)を図10に示した場合に加える他は図10の場合と同様に、メッセージの送信元であるノード10のアドレス、メッセージの受信先であるブロードキャストアドレス、経路検索元であるノード10のアドレス、経路検索宛先であるノード50のアドレス、及び経路検索元であるノード10で割り当てるメッセージの識別番号が含まれる。
【0035】
このメッセージを受けとったゲートウェイノード110、ノード20及びノード30はそれぞれメッセージの受信先アドレスを確認し、これがブロードキャストアドレスであるので経路情報を構築するための処理、すなわちこの例では、メッセージ中の送信元アドレスへは直接通信可能なこと、及び経路検索元宛のパケットは、その経路検索メッセージの送信元へ送信すれば良いという情報を経路表に加えるという処理、すなわち「ノード10へは直接通信可能」という情報を経路表に加える処理を行う。更にゲートウェイノード110、ノード20及びノード30はそれぞれ自ノードの経路表から、経路検索メッセージ中の経路検索宛先アドレスへの経路情報を検索する(3)。この例では全てのノードで検索に失敗したものとする。そこで送信先が不明なため、各ノードでは経路検索メッセージの受信先アドレスをブロードキャストアドレスとして経路検索メッセージを無線インターフェース経由で送信する(4)。更にゲートウェイノード110では、自分がアドレスを知っている他のゲートウェイノードに経路検索メッセージを転送する。この例ではゲートウェイノード120に対して経路検索メッセージを転送する(5)。このメッセージはユニキャストで有線ネットワーク100を経由して送信される。すなわち、図7におけるメッセージ送信元アドレスにゲートウェイノード110のアドレスを、メッセージ受信先アドレスにゲートウェイノード120のアドレスをそれぞれ指定し、前記経路検索メッセージ全体を新たにメッセージのボディとする有線ネットワーク向パケットを生成して有線ネットワーク側に送信する。ここでゲートウェイノード110、ノード20及びノード30はノード10からのメッセージを無線インタフェース経由で受信しているので、各ノードが送信する経路検索メッセージ中の無線リンク経由ホップ数は1増加させ、h=1とする。
【0036】
ノード20及びノード30が送信した経路検索メッセージは、それぞれノード10とノード30とノード40、及びノード10とノード20が受信する。ノード10は、いずれのメッセージについても、メッセージ中のメッセージ識別番号がすでに送信したメッセージ識別番号と一致、及び受信したメッセージ中の無線リンク経由ホップ数h=1が送信済メッセージ中の無線リンク経由ホップ数h=0以上であることを確認して、このメッセージを無視する(6)。同様に、ノード20が送信した経路検索メッセージを受信したノード30及びノード30が送信した経路検索メッセージを受信したノード20は、メッセージ中のメッセージ識別番号がすでにノード10から受信済のメッセージ識別番号と一致、及びメッセージ中の無線リンク経由ホップ数h=1が、ノード10から受信済のメッセージ中の無線リンク経由ホップ数h=0以上であることを確認して、このメッセージを無視する(7)。
【0037】
一方、ノード40では初めて受信するメッセージ識別番号のため、メッセージ中の送信元アドレスへは直接通信可能なこと、及び経路検索元宛のパケットは、その経路検索メッセージの送信元へ送信すれば良いこと、すなわち「ノード10宛のパケットはノード20へ転送する」という情報を経路表に加える。更にノード40は自ノードの経路表から、経路検索メッセージ中の経路検索宛先アドレスへの経路情報を検索する(8)。この例では検索に失敗するものとし、送信先が不明なため、経路検索メッセージの受信先アドレスをブロードキャストアドレスとして、経路検索メッセージをブロードキャストする(9)。この時メッセージ中の無線リンク経由ホップ数は1増加させる(h=2)。
【0038】
ノード40が送信した経路検索メッセージを受信したノード20は、メッセージ中のメッセージ識別番号がすでにノード10から受信済のメッセージ識別番号と一致、及びメッセージ中の無線リンク経由ホップ数h=2が、ノード10から受信済のメッセージ中の無線リンク経由ホップ数h=0以上であることを確認して、このメッセージを無視する(10)。
また、ノード40が送信した経路検索メッセージを受信したノード50は、初めて受信するメッセージ識別番号のため、メッセージ中の送信元アドレスへは直接通信可能なこと、及び経路検索元宛のパケットは、そのメッセージの送信元へ送信すれば良いこと、すなわち「ノード10宛のパケットはノード40へ転送する」という情報を経路表に加える。更に、ノード50はその経路検索メッセージ中の経路検索宛先が自ノードを示していることを確認し、経路応答メッセージを返す。経路応答メッセージは図8に示すように、無線リンク経由ホップ数(ここではh=0)が図11に対し付加され図11と同様に経路応答元であるノード50のアドレスと、経路応答宛先であるノード10のアドレスを含み、経路応答宛先であるノード10へ返送するため、先ほど経路表に加えた「ノード10宛のパケットはノード40へ転送する」という情報を用いて(11)、ノード40へユニキャストで転送する(12)。
【0039】
ノード40はその経路応答メッセージを受信して、ノード50へは直接通信可能であることを経路表に加える。更に経路表に先ほど加えた「ノード10宛のパケットはノード20へ転送する」という情報を用いて(13)、経路応答メッセージをノード20へ送信する(14)。送信する経路応答メッセージ中の無線リンク経由ホップ数は、受信したその経路応答メッセージ中の値に1を加えh=1とされる。
【0040】
ノード20はこれを受信して、ノード40へは直接通信可能、及び経路応答元宛のパケットはその経路応答メッセージの送信元へ送れば良い、すなわち「ノード50宛のパケットはノード40へ転送する」という情報を経路表に加える。更に経路表に先ほど加えた「ノード10へは直接通信可能」という情報を用いて(15)、経路応答メッセージをノード10に転送する(16)。この経路応答メッセージ中の無線リンク経由ホップ数は、受信した経路応答メッセージ中の値に1を加えh=2となる。
【0041】
最後にノード10がこのメッセージを受け取り、ノード20へは直接通信可能なこと、及び「ノード50宛のパケットはノード20へ転送する」という情報を経路表に加える(17)。更に、この経路では、受信した経路応答メッセージ中の無線リンク経由ホップ数に1を加算した、3ホップで到達可能なことを記憶しておく。この状態で、ノード10とノード50、及びその経路上のノード20とノード40の経路表の情報を用いて、ノード10とノード50の間でパケットの送受信が可能となり、従来方式の場合と同様、図12に示したようなパケット転送経路200が構築されている。
【0042】
一方ゲートウェイノード110が送信した経路検索メッセージは、ノード10及びゲートウェイノード120が受信する(5)。ノード10は、メッセージ中のメッセージ識別番号がすでに送信したメッセージ識別番号と一致、及び受信したメッセージ中の無線リンクのホップ数h=1が送信済メッセージ中のホップ数h=0以上であることを確認して、このメッセージを無視する(6)。ゲートウェイノード120は初めて受信するメッセージ識別番号のため、経路検索元宛のパケットはその経路検索メッセージの送信元へ送信すれば良いこと、すなわち「ノード10宛のパケットは有線ネットワーク経由でゲートウェイノード110へ転送する」という情報を経路表へ加える。次に自ノードの経路表から、経路検索メッセージ中の経路検索宛先アドレスへの経路情報を検索する(18)。この例では検索に失敗するものとし、送信先が不明なため、経路検索メッセージの受信先アドレスをブロードキャストアドレスとして経路検索メッセージを無線インターフェース経由で送信する(19)。またノード10からの経路検索メッセージは有線インターフェース経由で受信しているため、送信する経路検索メッセージ中の無線リンク経由ホップ数は変更しない、この例ではh=1のままとする。
【0043】
ゲートウェイノード120が送信した経路検索メッセージを受信したノード50は、受信したメッセージ識別番号は既にノード40から受信済の経路検索メッセージと同一であるが、ゲートウェイノード120から受信したメッセージ中の無線リンク経由ホップ数(h=1)が、ノード10から受信済のメッセージ中の無線リンク経由ホップ数(h=2)より小さいことを確認し、この経路検索メッセージに応答することを決定する。すなわち、メッセージ中の送信元アドレスへは直接通信可能なこと、及び経路検索元宛のパケットは、そのメッセージの送信元へ送信すれば良いこと、すなわち「ノード10宛のパケットはゲートウェイノード120へ転送する」という情報で経路表を更新する。更に、ノード50はその経路検索メッセージ中の経路検索宛先が自ノードを示していることを確認し(20)、経路応答メッセージを返す(21)。経路応答メッセージは図8に示した通り、無線リンク経由ホップ数(h=0)と、経路応答元であるノード50のアドレスと、経路応答宛先であるノード10のアドレスを含み、経路応答宛先であるノード10へ返送するため、先ほど経路表で更新した、「ノード10宛のパケットはゲートウェイノード120へ転送する」という情報を用いてゲートウェイノード120へユニキャストで転送する(21)。
【0044】
この経路応答メッセージを受信したゲートウェイノード120は、ノード50へは直接通信可能なことを経路表に加える。更に経路応答宛先であるノード10へ経路応答メッセージを返送するため、経路表に先ほど(18)で加えた「ノード10宛のパケットはゲートウェイノード110へ有線ネットワーク経由で転送する」という情報を用いて(22)経路応答メッセージを送信する(23)。送信する経路応答メッセージ中の無線リンク経由ホップ数hは、受信したその経路応答メッセージ中の値h=0に1を加え、h=1とする。
【0045】
ゲートウェイノード110はこの経路応答メッセージを受け取り、「ノード50宛のパケットはゲートウェイノード120へ有線ネットワーク経由で転送する」という情報を経路表に加える。次に経路応答宛先であるノード10へ経路応答メッセージを返送するため、経路表に先ほど加えた、「ノード10へは直接通信可能」という情報を用いて(24)、ノード10へ経路応答メッセージを送信する(25)。なお、その経路応答メッセージは有線インターフェース経由で受信したので、送信する経路応答メッセージ中の無線リンク経由ホップ数hは変更しない、この例ではh=1のままとする。
【0046】
ノード10はその経路応答メッセージを受け取り、ゲートウェイノード110へは直接通信可能という情報を経路表に加える。更に、受信したその経路応答メッセージ中の無線リンク経由ホップ数h=1と、現在経路表に存在する「ノード50宛のパケットはノード20へ転送する」及びこの経路は3ホップで到達可能、という情報を参照して、ノード10から受信した経路情報を利用した方が無線リンク経由ホップ数が小さいことを知る。そこで、「ノード50宛のパケットはゲートウェイノード110へ転送する」という情報で経路表を更新することにより(26)、ノード10とノード50及びその経路上のゲートウェイノード110とゲートウェイノード120の経路表の情報を用いて、ノード10とノード50の間で、図1に示したような経路210でパケットの送受信が可能となる。図1に示した経路は経由する無線リンクのホップ数が2であり、その前に検索されていた図12に示した経路の経由する無線リンクのホップ数3に比べて小さい。
【0047】
なおこの例では、いずれの実施例でも経路検索メッセージが経路検索宛先アドレスへ到達するまで、経路検索メッセージがブロードキャストで送信されたが、途中のいずれかのノードで経路検索宛先までの情報が経路表にあれば、そのノードが経路要求元まで経路応答を返すとともに、経路検索要求メッセージを経路検索宛先までユニキャストで送信しても良い。
また、この例では「経路情報を構築するための処理」を「経路検索メッセージや経路応答メッセージを受けたノードが自ノードの経路表を書き換える」こととしたが、「経路検索メッセージ及び経路応答メッセージ中に、それぞれ経路検索メッセージ及び経路応答メッセージが経由したノードのアドレスを付加する」ことを「経路情報を構築するための処理」とすることも可能である。この場合、経路検索宛先ノード及び経路検索元ノードで経路情報の全体を把握することとなる。
【0048】
次にこの発明方法と従来方法との評価を行う。
図13に示すような、N×N個の無線ノードWNが格子状に無線マルチホップ接続されたネットワークモデルにおけるノード間の通信について、無線リンクのみを利用して行う従来方法とこの発明方法の評価を行う。
ここで、四隅のノードは有線ネットワーク100と直接接続されたゲートウェイノードGWNであるとし、有線ネットワーク100における各GWN間の転送は、1無線リンクのホップ相当で全て同一とする。また、GWN及び各WNは、互いに上下左右のWNとのみ無線リンクで直接通信可能とし、これらの無線リンクが通信できない確率はpw とする。
【0049】
このモデルにおいてNを変化させた時に、WNあるいはGWNを二つランダムに選び、それらの間でのルート構築をシミュレートした。なお、pw =0.1とした。
図14はルートのホップ数hの平均値を示している。この発明の方法では有線及び無線経由のうちで最適なルートを選択できるため、無線リンクのみを常に使う従来方法に比べてホップ数を削減することが可能となった。経由する無線リンクの削減は、無線ネットワーク全体のスループット向上を果たす。
【0050】
図15は2点間のルート構築に失敗する確率を示している。従来方法ではネットワークが小さい時に代替ルートが構築できず、ルート構築に失敗する確率が大きいが、この発明方法は有線経由で代替ルートを確保できるため、ネットワークの規模によらずルート構築失敗率を抑えることが可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、有線ネットワークを経由した経路も検索対象に含めてノード間の経路を検索することが可能となる。
また、あらかじめ無線ネットワーク内のノードを経由して通信可能なゲートウェイノードを把握しておき、把握したゲートウェイノードのみへ有線ネットワーク経由で経路検索メッセージを転送することにより、有線ネットワークへ経路検索メッセージをブロードキャストして有線ネットワーク内にメッセージを氾濫させることなく、有線ネットワーク経由の経路を効率的に検索可能となる。
【0052】
一般に無線ネットワークにおけるリンクは有線ネットワークにおけるリンクよりも、帯域が狭い、遅延が大きい、信頼性が低いなどの特徴を有しており、更にこのような無線リンクを複数経由する無線マルチホップ経路は、各無線リンクの遅延が累積されて増大したり、「経路全体に障害の発生しない確率」が「各無線リンクで障害が発生しない確率の積」となって低下する、などの特徴を持つ。よってノード間の経路については、もし有線ネットワークを経由することにより経由する無線リンクのホップ数を削減することが可能であれば、そのような経路を選択するのが望ましい。
【0053】
したがってこの発明は、有線ネットワークと複数のノードで接続された無線ネットワークに属する無線ノード間で経路を検索する際に、有線ネットワークを経由した経路を含めて、無線リンクでのホップ数の少ない経路を効率的に検索したい場合に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2におけるネットワーク構成において、この発明による検索結果のパケット転送経路の例を示す図。
【図2】この発明の実施例が適用される、また従来方法が適用されるネットワークの構成の例を示す図。
【図3】図2におけるネットワーク構成において、この発明におけるノード及びゲートウェイノードの接続性把握のシーケンスの例の一部を示す図。
【図4】図3の続きを示す図。
【図5】図2におけるネットワーク構成において、この発明の第一の実施例におけるノード間の経路検索シーケンスの例を示す図。
【図6】図2におけるネットワーク構成において、この発明の第2の実施例におけるノード間の経路検索シーケンスの例を示す図。
【図7】この発明の第2の実施例における経路検索メッセージのフォーマットの例を示す図。
【図8】この発明の第2の実施例における経路応答メッセージのフォーマットの例を示す図。
【図9】図2におけるネットワーク構成において、従来法によるノード間の経路検索シーケンスの例を示す図。
【図10】経路検索メッセージのフォーマットの例を示す図。
【図11】経路応答メッセージのフォーマットの例を示す図。
【図12】図2におけるネットワーク構成において、従来法による検索結果のパケット転送経路の例を示す図。
【図13】この発明方法及び従来方法の評価に用いたネットワークのモデルを示す図。
【図14】ネットワークの一辺のノード数に対する平均ホップ数を示す図。
【図15】ネットワークの一辺のノード数に対するルート構築失敗率を示す図。
Claims (4)
- 複数のノードから構成され、各ノードは無線インタフェースを通してパケットの送受を行い、また各ノードは他のノード宛のパケットの中継を行い、これらノードのうち複数のノードは有線インタフェースも具備して有線ネットワークとも通信可能なゲートウェイノードであり、これらゲートウェイノード間は有線ネットワーク経由でも通信可能である無線ネットワーク内でのパケット転送経路検索方法において、
無線ネットワーク内のノードのみを経由するパケット転送経路だけでなく、有線ネットワークを経由したパケット転送経路も検索対象とし、
パケットを転送するための経路検索メッセージを無線ネットワーク内にブロードキャストし、その経路検索メッセージが経由するノードで経路情報を構築するための処理を行うことによりパケット転送経路検索を実行し、
そのパケット転送経路検索の実行の際にゲートウェイノードが経路検索メッセージを受信した場合には、その経路検索メッセージを有線ネットワークを介して他のゲートウェイノードへも転送することを特徴とする無線ネットワークにおけるパケット転送経路検索方法。 - 無線ネットワーク内の各ノードが、無線ネットワーク内のノードを経由して通信可能なゲートウェイノードを調査し、
そのノードがその調査結果を各ゲートウェイノードへ接続性通知メッセージで通知し、
各ゲートウェイノードは、各ノードからの接続性通知メッセージにより、無線ネットワーク内のノードを経由して通信可能な他のゲートウェイノードを把握しておき、
ゲートウェイノードが有線ネットワークを通して他のゲートウェイノードへ経路検索メッセージを転送する際に、無線ネットワーク内のノードを経由して通信可能なゲートウェイノードのみに経路検索メッセージを転送することを特徴とする請求項1記載の無線ネットワークにおけるパケット転送経路検索方法。 - 経路検索メッセージ中にそのメッセージが経由したノードの数の情報を含め、そのノード数の情報をも参照してパケット転送経路検索を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の無線ネットワークにおけるパケット転送経路検索方法。
- 接続性調査メッセージをブロードキャストし、
接続性応答メッセージ受信し、その接続性応答メッセージ中に自ノードが把握していないゲートウェイノードのアドレスがあるかを調べ、
あればそのゲートウェイノードとの接続性が生じたと接続情報を更新し、
その更新した接続性情報として把握したゲートウェイノードのアドレスを含む接続性通知メッセージをブロードキャストし、
接続性調査メッセージを受信すると、自ノードで把握しているゲートウェイノードのアドレスを含む接続性応答メッセージを応答し、
接続性通知メッセージを受信すると、その中に自ノードが把握していないゲートウェイノードのアドレスがあるかを調べ、
あればそのゲートウェイノードとの接続性が生じたと接続情報を更新し、
その更新した接続性情報として把握したゲートウェイノードのアドレスを含む接続性通知メッセージをブロードキャストする
ことを特徴とする無線ノードのゲートウェイノード調査方法。
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