シグナルプローブポリマーの形成方法
技術分野
[0001] 本発明は、互いに相補的塩基配列領域を保有する複数種のオリゴヌクレオチドを、 順次反応させてプローブ同士の集合体 (ポリマー)を形成させる方法であって、試料 中の被験遺伝子の検出に利用できるシグナルプローブポリマーの形成方法、該方法 により形成されるポリマー、及び被験遺伝子の測定方法に関する。
背景技術
[0002] 試料中の微量の遺伝子を検出する方法として、核酸合成酵素を用いて遺伝子を増 幅する Polymerase chain reaction法があり、さらに改良された多くの遺伝子検出法が 報告されている。また、一本鎖 DNAを枝分かれさせたオリゴヌクレオチドをハイブリダ ィゼーシヨンさせて遺伝子を検出する方法などもいくつか報告されている(非特許文 献 1、2)。
[0003] 一方、薄井らは酵素を使用しない新規な等温核酸増幅法を報告している (特許文 献 1〜4)。この方法は、互いに相補的塩基配列領域を保持させた複数種のオリゴヌ クレオチド (プローブと!/、う)を自己集合反応させてプローブ同士の集合体 (ポリマー) を形成させる方法であり、該ポリマーを定量することにより、試料中の被験遺伝子の 検出に応用するものである。この方法は、例えば、使用するプローブの相補的塩基 配列領域の 1箇所を試料中の被験遺伝子と相補的塩基配列とすることにより、該プロ 一ブと被験遺伝子とを結合させて力 プローブのポリマーを形成させることにより被験 遺伝子を有効に検出する方法であって、ノ レサ一(PALSAR)法と呼ばれて 、る。
[0004] このパルサー法は使用するプローブの種類により大きく 3つに分類される。第 1の種 類のプローブとしては、下記化学式(1)及び化学式 (2)に示される 3箇所の相補的塩 基配列領域からなる 2本のオリゴヌクレオチドであり(プローブ 1、プローブ 2という )、領域 Xと X'、 Yと Y,、 Ζと Z'は互いに相補的塩基配列を有していることにより、互 いに相補結合して下記化学式(9)に示されるポリマーを形成することができる(特許 文献 1及び 2、以下パルサー Iと称す)。
[化 1]
[化 2]
[化 3]
第 2の種類のプローブとしては、下記化学式(3)及び化学式 (4)に示される相補的 塩基配列領域を有する 2種類のプローブ(ダイマープローブ 1、ダイマープローブ 2という)であって、ここで、領域 Αと A'、: Βと B'、 Cと C'、 Dと D'、 Εと E'、 Fと F'が 相補的塩基配列を保持させることにより、互いに相補結合して化学式 (9)に示される ポリマーを形成することができる(特許文献 3、以下パルサー IIと称す)。
[化 4]
[化 5]
第 3の種類のプローブとしては、下記化学式(6)に示される一つのダイマープロ一 ブ (ダイマープローブ 3という)と下記化学式(7)に示される 2本のオリゴヌクレオチド (架橋プローブという)であり、ここで、領域 Aと A,、 Bと B,、 Cと C,、 Dと D,、 Fと F,が 相補的塩基配列を保持させることにより、互いに相補結合して化学式(10)に示され るポリマーを形成することができる(特許文献 4、以下パルサー IIIと称す)。
[化 7]
[化 8]
C A
3' 5
(7)
[化 9]
該パルサー法を利用して試料中の被験遺伝子を検出する方法の一例は、例えば 2 種のプローブを使用する場合、支持体に固定した捕捉用オリゴヌクレオチドと試料を 反応させて該遺伝子を捕捉する。この際、捕捉用オリゴヌクレオチドは被験遺伝子と 相補的塩基配列領域を保有する。次いで、該遺伝子の塩基配列 (捕捉用オリゴヌク レオチドと結合した部分ではな 、)と相補的塩基配列領域を一つの領域として保有 する一方のプローブを反応させて該遺伝子と結合させる。次 、で相補結合能を有す る両方のプローブを添カ卩してポリマーを形成させ、該ポリマー量を定量することにより 、該遺伝子を測定するものである。
し力しながら、このユニークなパルサー法において、相補結合能を有する複数種の プローブを反応液に添加しポリマー形成反応を実施したとき、捕捉された被験遺伝 子以外の箇所、いわゆる、被験遺伝子に結合しない状態でポリマーが形成される可 能性があり、その結果、非特異的なシグナルとして定量性に影響を及ぼすことが懸念 された。
特許文献 1 :特許第 3, 267, 576号
特許文献 2 :国際公開第 01Z75157号明細書
特許文献 3 :国際公開第 02Z31192号明細書
特許文献 4 :特開 2002— 355081号公報
非特許文献 l : Shchepinov et.al ,Nuc. Acids Res. 1997, 25, 4447-4454
非特許文献 2 : Stears et. al, Physiol. Genomics, 2000, 3:93-99
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0008] 本発明の目的は、上記のパルサー法の問題点を解決し、プローブ同士の集合体( ポリマー)を形成させる工程において、ポリマーの形成を制御して被験遺伝子上での みポリマーを形成させる手法を開発し、感度と定量性を向上させることにある。
即ち、本発明は、ポリマーの形成を制御し非特異反応を抑制することが可能なシグ ナルプローブポリマーの形成方法、該方法により形成されるポリマー、並びに優れた 検出感度及び定量性を有する被験遺伝子の測定方法を提供することを目的とする。 課題を解決するための手段
[0009] 上記問題に鑑み本発明者らは鋭意研究の結果、相互に相補結合能を有する複数 種のプローブを反応させポリマーを形成させる工程にぉ ヽて、それらプローブを一緒 に加えて反応させるのではなぐまず一方の第 1プローブを反応させて後、他方の第 2プローブを反応させ、次いで第 1プローブ、次いで第 2プローブと、プローブを一種 類ずつ順番に反応させてポリマーを形成させることにより、定量的にポリマーを形成 させ非特異的反応を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
[0010] すなわち本発明のシグナルプローブポリマーの形成方法は、互いに相補的塩基配 列領域を有し互いに相補的結合能を有する複数種のオリゴヌクレオチド (プローブと いう)を反応させてポリマーを形成させる方法であって、該プローブの少なくとも 1種を 被験遺伝子に固定化した後、該複数種のプローブを 1種類ずつ順番に反応させ、ポ リマーを形成することを特徴とする。なお、被験遺伝子にプローブを固定化する手法 は特に限定されず、ポリマー形成に使用する複数種のプローブの一方と被験遺伝子 とが、直接的又は間接的に結合している状態であればよい。本明細書中でシグナル プローブポリマーとは、複数種のプローブにより形成される前記集合体 (ポリマー)を 前記複数種のプローブが、 3箇所の相補的塩基配列領域 X, Y及び Z力もなる、下 記化学式(1)の構造を有するプローブー1と、 3箇所の相補的塩基配列領域 X' , Y' 及び Z'からなる、下記化学式(2)の構造を有するプローブ 2であり、該プローブ 1と該プローブ 2を 1種類ずつ順番に反応させ、ポリマーを形成することが好ましい
[化 10]
(式( 1)及び式(2)にお 、て、 Xと X,、 Yと Y,及び Ζと Ζ,はそれぞれ互 ヽに相補的塩 基配列を有する。 )
また、前記複数種のプローブが、下記化学式(3)の構造を有するダイマープローブ 1と、下記化学式 (4)又は下記化学式(5)の構造を有するダイマープローブ 2で あり、該ダイマープローブ 1と該ダイマープローブ 2を 1種類ずつ順番に反応させ 、ポリマーを形成することが好適である。
[化 12]
[化 13]
[化 14]
(式(3)〜式(5)において Aと A'、: Bと B'、 Cと C'、 Dと D'、 Eと E'及び Fと F'はそれ ぞれ互いに相補的塩基配列を有する。 )
[0013] 前記複数種のプローブが、下記化学式 (6)の構造を有するダイマープローブ 3と 、下記化学式(7)又は下記化学式 (8)の構造を有する 2本の架橋プローブであり、該 ダイマープローブ 3と該架橋プローブを 1種類ずつ順番に反応させ、ポリマーを形 成することが好ましい。
[化 15]
[化 16]
[化 17]
■■■ (8)
D, C
(式(6)〜式(8)において、 Aと A'、 Bと B'、 Cと C'、 Dと D'及び Fと F'はそれぞれ相 補的塩基配列を有する。 )
[0014] 本発明のシグナルプローブポリマーの形成方法において、前記ポリマー形成に使 用するプローブが、標識物質で標識されていることが好ましぐ前記標識物質が放射 性同位元素、ピオチン、ジゴキシゲニン、蛍光物質、発光物質又は色素であることが より好まし 、。
[0015] また、本発明のシグナルプローブポリマーの形成方法にお!、て、前記ポリマー形成 に使用する複数種のプローブ中の一つのプローブの一部又は全てと同じ塩基配列
及び被験遺伝子と相補的な塩基配列を有する固定化用プローブを被験遺伝子に固 定ィ匕した後、該固定ィ匕したプローブに前記複数種のプローブを 1種類ずつ順番に反 応させ、ポリマーを形成することが好適である。
[0016] 前記複数種のプローブが、前記プローブ 1及び前記プローブ 2であり、前記固 定ィ匕用プローブが前記プローブ 1の一部又は全てと同じ塩基配列及び被験遺伝 子と相補的な塩基配列を有することが好ましい。また、前記複数種のプローブが、前 記ダイマープローブ 1及び前記ダイマープローブ 2であり、前記固定化用プロ一 ブが前記ダイマープローブ 1又は 2の一部又は全てと同じ塩基配列及び被験遺伝 子と相補的な塩基配列を有することが好ましい。さらに、前記複数種のプローブが、 前記ダイマープローブ 3及び前記架橋プローブであり、前記固定化用プローブが ダイマープローブ 3又は前記架橋プローブの一部又は全てと同じ塩基配列及び被 験遺伝子と相補的な塩基配列を有することが好ましい。
[0017] 本発明のポリマーは、本発明のシグナルプローブポリマーの形成方法により形成さ れることを特徴とする。
[0018] 本発明の被験遺伝子の測定方法は、本発明のシグナルプローブポリマーの形成 方法を用いてポリマーを形成させ、形成されたポリマー量を測定することにより被験 遺伝子を測定することを特徴とする。
発明の効果
[0019] 本発明によれば、自己集合能を有する複数種のプローブを用いてポリマーを形成 させる反応工程において、プローブを 1種類ずつ順番に反応させることにより、ポリマ 一形成及び検出感度を制御し、非特異的反応を抑制して、定量性と再現性を向上さ せることができる。さらに、ポリマーを形成させる反応工程において、各種のプローブ を含む溶液を再利用することが可能である。
図面の簡単な説明
[0020] [図 1]被検遺伝子に固定ィ匕したプローブの模式図である。
[図 2]本発明のシグナルプローブポリマーの形成方法の一例を示す概略説明図であ る。
[図 3]実施例 1の結果を示すグラフである。
[図 4]実施例 2で用いた 2組のダイマー α及び 13を示す概略説明図である。
[図 5]実施例 2のシグナル増幅反応工程における第 1の反応を示す概略説明図であ る。
[図 6]実施例 2のシグナル増幅反応工程における第 2の反応を示す概略説明図であ る。
[図 7]実施例 2のシグナル増幅反応工程における第 3の反応を示す概略説明図であ る。
[図 8]実施例 2の結果を示すグラフである。
[図 9]実施例 3で用いた 1組のダイマー γ及び 1組の架橋プローブを示す概略説明図 である。
[図 10]実施例 3のシグナル増幅反応工程における第 1の反応を示す概略説明図であ る。
[図 11]実施例 3のシグナル増幅反応工程における第 2の反応を示す概略説明図であ る。
[図 12]実施例 3のシグナル増幅反応工程における第 3の反応を示す概略説明図であ る。
[図 13]実施例 3のシグナル増幅反応工程における第 4の反応を示す概略説明図であ る。
[図 14]実施例 3の結果を示すグラフである。
符号の説明
10:被験遺伝子、 12:捕捉用オリゴヌクレオチド、 14:固定化用プローブ、 16:支持 体、 20:固定化したプローブ、 22:第 1プローブ、 24:第 2プローブ、 26:第 1プローブ 反応槽、 28:第 2プローブ反応槽、 30:ピオチン、 32:アビジン、 40:ダイマー α、 41 :ダイマー β、 42:ダイマー形成用プローブ 1、 44:ダイマー形成用プローブ 2、 46:ダイマー形成用プローブ 3、 48:ダイマー形成用プローブ 4、 50:捕捉用オリ ゴヌクレオチド 1、 51:支持体、 52:固定ィ匕用プローブ 2、 54:固定化用プローブ 3、 56:被験遺伝子、 60:ダイマー γ、 62:ダイマー形成用プローブ 5、 64:ダイ マー形成用プローブ 6、 66:架橋プローブ 1、 68:架橋プローブ 2、 70:固定
化用プローブ 3。
発明を実施するための最良の形態
[0022] 以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の技術思想カゝら逸脱しない限り 種々の変形が可能であることはいうまでもない。以下に、(1)被験遺伝子にプローブ を固定ィ匕する方法、(2)ポリマーを形成させる方法、(3)ポリマー量を測定する方法 について順次説明する。
[0023] (1)被験遺伝子にプローブを固定化する方法
パルサー法は試料中の被験遺伝子の測定を主な目的とする。本明細書中で、「固 定化したプローブ」とは、使用するプローブの一方が測定される被験遺伝子に直接 又は間接的に結合した状態を意味する。被験遺伝子にプローブを固定ィ匕する手法 は特に限定されないが、被験遺伝子と相補的な塩基配列、及びポリマー形成に使用 する 1プローブの一部又は全てと同じ塩基配列 (又は相補的な塩基配列)を有するプ ローブである固定ィ匕用プローブを用いて、固定化用プローブを介してポリマー形成 に使用するプローブと被験遺伝子とを結合させることが好ましい。前記固定化用プロ ーブと同じ塩基配列とするポリマー形成に使用するプローブの部位は特に限定され ないが、ポリマー形成用プローブの全領域中、 1又は 2以上の領域を選択することが 好ましい。また、適切な架橋剤も使用できる。
前記固定化用プローブは、ポリマー形成に使用する複数種のプローブの一方の一 部を、被験遺伝子と相補的塩基配列となるようにデザインし、該プローブを固定化用 プローブとして使用することができる。また、被験遺伝子と相補的な塩基配列、及び ポリマー形成に使用するプローブと相補的な塩基配列の両方を別途有するプローブ (アシストプローブ)を用いてもよい。該アシストプローブは、被験遺伝子と相補的な部 分を変えた複数のアシストプローブを準備することにより、同じ複数種のプローブのセ ットにより複数の遺伝子を同時に検出できるという利点を有している。
[0024] 図 1は、固定化用プローブを用いた被験遺伝子にプローブを固定化する方法の一 例を示す概略説明図である。図 1に示す、(i)被験遺伝子 10及び (ii)捕捉用オリゴヌ クレオチド 12により、 (iii)固定化用プローブ 14を固定化する手法は、
(i)被験遺伝子 10、
(ii)捕捉用オリゴヌクレオチド 12 :被験遺伝子上の領域、好ましくは 15塩基以上、更 に好ましくは 20塩基以上の領域と相補的なオリゴヌクレオチド、
(iii)固定ィヒ用プローブ 14 :被験遺伝子上の領域と相補的な塩基配列及びポリマー 形成で用いる第 1プローブと同じ塩基配列を有するプローブ、なお、該被験遺伝子と 相補的な領域は、(ii)の領域とは異なり好ましくは (ii)の領域と隣接した領域で、好ま しくは 15塩基以上、更に好ましくは 20塩基以上の領域である、
の三種のオリゴヌクレオチドをハイブリダィズさせ、(i)被験遺伝子 10を橋渡しにして (i i)捕捉用オリゴヌクレオチド 12と (iii)固定ィ匕用プローブ 14を結合させることにより行う
[0025] なお、図 1は、後述するパルサー Iのプローブを用いた方法において、固定化用プ ローブとして、下記式(11)で示される、被験遺伝子と相補的な塩基配列領域 Tと、
1 ポリマー形成に使用する 1プローブの全てと同じ塩基配列領域 (X、 Y及び z)とを有 するプローブ、即ち、被験遺伝子上の領域と相補的なオリゴヌクレオチドを連結させ た、ポリマー形成で用いる第 1プローブと同じ塩基配列を有するプローブを用いた例 を示したが、固定ィ匕用プローブはこれに限定されるものではない。
[化 18]
T1 X Y Z
[0026] ポリマー形成に使用されるプローブと被験遺伝子との固定ィ匕に用いられるプローブ は 1種のみでなぐ 2種以上組み合わせて用いても良い。例えば、後述する実施例 2 及び 3の如ぐ下記式(12)の構造を有する第 1の固定化用プローブと、下記式(13) の構造を有する第 2の固定ィ匕用プローブを用いることができる。
[化 20] , ( 1 3)
F, G'
(式(12)及び(13)中、 Tは被験遺伝子に相補的な塩基配列を有する領域であり、
2
A '及び F,はそれぞれポリマー形成に使用するプローブの 1領域と同じ塩基配列を 有する領域であり、 Gと G'は相補的塩基配列である。 )
[0027] (ii)捕捉用オリゴヌクレオチドを固相と結合させ固相化する、好ましくはビーズ等の 支持体 16に固相化することにより操作を簡便に行うことができる。
ノ、イブリダィズさせる順番は、三種を同時にハイブリダィズしても、最初に (i)と (ii)を ハイブリダィズした後に (iii)をノヽイブリダィズしてもよぐまた最初に (i)と (iii)をノヽイブ リダィズした後に (ii)をハイブリダィズすることも許される。(ii)を固相化した場合は、最 初に (i)と (iii)をノヽイブリダィズした後に (ii)をノヽイブリダィズすることが好ま 、。 場合によっては、三種のオリゴヌクレオチドをハイブリダィズさせた後に、(ii)捕捉用 オリゴヌクレオチドと (m)固定ィ匕用プローブの間を別に結合させる、好ましくはライゲ ーシヨン反応により結合することも許される。
[0028] なお、(2)のポリマー形成には複数種のプローブを使用する力 被験遺伝子に最 初に固定化するプローブは、その複数種のプローブのいずれを選択するかは自由で あり、特に限定されるものではない。便宜的に固定ィ匕したプローブと同じ塩基配列を 有するプローブを第 1プローブ、第 1プローブと相補的塩基配列領域を有するプロ一 ブを第 2プローブと称す。
被験遺伝子を測定するための支持体の材料としては、ガラス、ブラスティック(例え ば、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、金属などであり、支 持体の形は、カップ型、平板、粒子など、特に限定されない。試料とは、被験遺伝子 の有無を測定するサンプルであって、血液、血清、髄液などの生体液、生体組織、微 生物、培養物など、及びそれらの抽出物などを意味するものである。
[0029] (2)ポリマーを形成させる方法
固定化したプローブ (第 1プローブと同じ塩基配列を有する)に第 2プローブを結合 させ、順次第 1プローブ、第 2プローブを反応させてポリマーを形成させる。第 1プロ 一ブと第 2プローブとしては、例えば下記の(1) .パルサー Iのプローブ、(2) .パルサ 一 IIのプローブ、(3) .パノレサ一 IIIのプローブを使用する。
[0030] (1) .パルサー Iのプローブ
第 1プローブ、第 2プローブとして下記化学式(1)及び化学式(2)で示されるヌクレ ォチドを使用する。ここで Xと X'、 Yと Y'及び Zと Z'はそれぞれ互いに相補的塩基配 列を有し、矢印はヌクレオチドの 5'から 3'の方向を意味する。
第 1プローブ、第 2プローブとして下記化学式(3)及び化学式 (4)で示されるダイマ プローブを使用する。各ダイマープローブは化学式(14)及び化学式( 15)のヌク レオチドをノヽイブリダィズすることにより作製する。ここで Aと A'、 Bと B'、 Cと C'、 Dと D'、 Eと E'及び Fと F'はそれぞれ互いに相補的塩基配列を有し、矢印はヌクレオチ ドの 5'力 3'の方向を意味する。
[化 23]
[化 24]
[化 25]
A B C
(1 4)
3' 'HIト iiiimiimiiitnisuuauMASfi = 5
B, D
[化 26]
D
5
(1 5)
3 5
C E' A
[0032] また、ダイマープローブとして、前記化学式 (4)の構造を有するダイマープローブの 代わりに下記化学式(5)の構造を有するダイマープローブを用いることもできる。
[化 27]
[0033] (3) . パノレサ一 IIIのプローブ
第 1プローブ、第 2プローブとして、下記化学式(6)に示されるダイマープローブと 下記化学式(7)に示される 2本のオリゴヌクレオチドである架橋プローブを使用する。 ダイマープローブは前記化学式(14)のヌクレオチドをノ、イブリダィズすることにより作 製する。ここで Aと A,、 Bと B'、 Cと C'、 Dと D'及び Fと F'はそれぞれ互いに相補的 塩基配列を有し、矢印はヌクレオチドの 5'から 3'の方向を意味する。
[化 28]
[化 29]
C A' _ p,
■■■ (7)
5, ^^^ss5^siiiiiiiiiiiiiiiiiiiiin|||i' 3,
D, F,
[0034] また、架橋プローブとして、前記化学式(7)の構造を有するヌクレオチドの代わり 下記化学式 (8)の構造を有する 2本のヌクレオチドを用いることもできる。
(8)
5 3
D' C
[0035] 上記に加え、例えば相補的塩基配列領域の数力 箇所でも 5箇所でもポリマーの 形成は可能であり(特許文献 2)、またダイマープローブは 2種類を使用しているが、 相補的塩基配列領域の位置関係を工夫すれば、さらに多種類のダイマープローブ を使用することもできる(特許文献 3)。このように、使用するプローブは、上記に記載 のプローブの他にも相補的塩基配列領域の配置を工夫することによって他の種類の プローブも使用可能であり、 自己集合するポリマーを形成するのであれば本発明に 含まれる。
プローブを構成する塩基の種類としては、 DNA、 RNA、 PNAなどいずれも使用す ることができ、被験遺伝子に応じて適宜選択することができる。また、プローブの各相 補的塩基配列領域の長さは、塩基数にして、少なくとも 5塩基であり、好ましくは少な くとも 8塩基、さらに好ましくは 10塩基〜 100塩基、さらに好ましくは 15〜30塩基であ る。また、それぞれのプローブにおける相補的塩基配列領域の長さは同じであること が望ましい。
[0036] 図 2に、本発明のシグナルプローブポリマーの形成方法の一例を示す。図 2はパル サー Iのプローブ (第 1プローブ 22、第 2プローブ 24)を用いた例であり、 20は捕捉用 オリゴヌクレオチド及び被験遺伝子により支持体に固定化された固定ィ匕用プローブを 示す。また、図 2は、ピオチン 30を結合させた捕捉用オリゴヌクレオチドと、アビジン 3 2を結合させた支持体を用い、ピオチン 30とアビジン 32の結合により捕捉用オリゴヌ
クレオチドを支持体に固定ィ匕した場合の一例を示した。
使用するプローブを順番に反応させる手法として、支持体に結合させた被験遺伝 子に固定ィ匕したプローブ (第 1プローブと同じ塩基配列を有する)を洗浄した後、次い で第 2プローブを反応させ洗浄する。以下順番に第 1プローブと第 2プローブを順次 繰り返し反応させてポリマーを形成することができる。たとえば、図 2に示したように第 1プローブ 22を含む第 1プローブ反応槽 26、洗浄槽、第 2プローブ 24を含む第 2プ ローブ反応槽 28を準備して、被験遺伝子及び固定ィ匕用プローブが結合した支持体 20を順番に移動して反応させる方法、後述する実施例 1〜3のように、該支持体を含 む容器に対して順番に第 2プローブ反応液の添加 ·反応、洗浄、第 1プローブ反応液 の添加'反応、洗浄を繰り返す方法、また該支持体をカラムにセットして、順番に第 2 プローブ反応液と第 1プローブ反応液を通過させて反応させる方法など、その手法 は特に限定されない。本発明方法によれば、各プローブ反応液を再利用することが 可能である。また、手法によっては洗浄操作を省略することも可能である。
[0037] ノ、イブリダィゼーシヨン反応を実施するための反応液は、通常使用される組成液で 問題はなぐ適度なナトリウム塩を含むほぼ中性の緩衝液、ブロッキング剤、ハイプリ ダイゼーシヨン反応を促進させるための添加剤なども含まれて ヽる。これら試薬類に ついては、 Sambrookら(Molecular cloning 3rd ed, 2001)の成書に記載されているも のが使用できる。ポリマーを形成させるときの温度は、それぞれの構成プローブ同士 がハイブリダィズすることができる温度であれば特に制限されず、通常の 40〜90°C の範囲で、好ましくは 45〜65°Cの範囲で実施することができる。
[0038] (3)ポリマー量を測定する方法
形成させたポリマー量の測定は、該ポリマーにェチジゥムブ口ミド、オリゴグリーン、 SYBRなどのインターカレーティング色素を結合させて蛍光により検出する方法があ げられる。また使用するプローブに、あらカゝじめ標識物質、例えば、放射性ァイソトー プ、アタリジゥムエステルなどの発光、発色物質、蛍光物質、酵素、ピオチン、ジゴキ シゲニン等を結合させておくことができる。結合させる標識物質はポリマーの形成に 影響を与えない限り特に限定されない。
測定は標識物質に対応した方法、放射性アイソトープであれば放射能を測定し、
発光物質であれば放射光を、発色物質であれば比色により、蛍光物質であれば蛍 光により、酵素であれば酵素活性により、それぞれ対応した方法で測定する。
ピオチン、ジゴキシゲニン等で標識した場合には、それらと特異的に結合する標識 したアビジン、抗ジゴキシゲニン抗体等を結合させ、標識物質に対応した方法により 測定する。
実施例
[0039] 以下実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えな い限り以下の実施例に限定されるものではない。
[0040] [実施例 1]パルサー Iのプローブを用いた黄色ブドウ球菌数の測定
(1)各溶液の調製
(1 1)溶菌液の調製
トリプチックソィァガーで 18時間培養した黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus) を生理食塩水に懸濁させたものを培養液原液とした。これを生理食塩水で所定の菌 数に希釈し、 Birnboimらの方法(H.C. Birnboim et al Nuc Acids Res 1979 7 1513-15 23)に従って溶菌させたものを以下の実施例に用いた。菌数については、培養菌原 液の希釈系列を調製して、トリプチックソィァガーで培養して得られた生菌数カゝら所 定の菌数を算出した。なお、希釈菌液のかわりに生理食塩水を用いて同様に反応さ せたものを対照として、「(一)」と示した。
[0041] (1 2)第 1ハイブリダィゼーシヨン溶液の調製
下記組成となるように第 1ハイブリダィゼーシヨン溶液を調製した。
捕捉用オリゴヌクレオチド 1 (配列番号 1)及び固定化用プローブ 1 (配列番号 2 )をそれぞれ 2. 5pmolZ L含む 12 X SSC、 12. 5%ポリエチレングリコール # 200 00溶液。
捕捉用オリゴヌクレオチド 1及び固定化用プローブ 1の配列は、 Staphylococcus aureusの 23s rRNA (GENBANKァクセッション番号 NC 003923.1 GI:21281729に基 づく)を捕捉するように下記の通り設計した。
捕捉用オリゴヌクレオチド 1の塩基配列(3'末端ピオチン標識)(配列番号 1)
5—cggaatttca cgtgctccgt ccgacgacga cgacgacgac gttttttttt tttttttttt tttttt— 3 -Biotin
固定化用プローブ 1の塩基配列(配列番号 2)
5— Γ領域、 gagacaacattttcgactaca) ·Χ領域 (· catgtctcgagtcttgcttgノ · 領¾½' (ctgctacag
1
tgatcaccaag) · Z領域 (,gttctcgacatagaccagtc) - [0042] (1 - 3)ハイブリダィゼーシヨン溶液 A及びハイブリダィゼーシヨン溶液 Bの調製
ノルサー Iの一対のプローブとして下記塩基配列を有するプローブ 1及びジゴキ シゲニンィ匕されて 、るプローブ 2をそれぞれ作製した。
プローブ 1の塩基配列(配列番号 3)
5 -X領域 (catgtctcgagtcttgcttg) ·Υ領域、 ctgctacagtgatcaccaag) ·Ζ領域、 gttctcgacat agaccagtc —3
プローブ 2の塩基配列(5 '末端ジゴキシゲニン標識)(配列番号 4)
5 -DI -X領域、 caagcaagactcgagacatg) ·Υ領域、 cttggtgatcactgtagcag) ·Ζ領域、 g actggtctatgtcgagaac —3
[0043] 下記組成となるようにハイブリダィゼーシヨン溶液 A及びノヽイブリダィゼーシヨン溶液 Bをそれぞれ調製した。
ハイブリダィゼーシヨン溶液 A:
プローブ 2 (配列番号 4)を lOpmolZ μ L含む、 6 X SSC、 0. 3%硫酸ドデシル ナトリウム、 5%ポリエチレングリコール # 20000溶液。
ハイブリダィゼーシヨン溶液 B:
プローブ 1 (配列番号 3)を lOpmolZ μ Lを含む、 6 X SSC、 0. 3%硫酸ドデシ ルナ卜リウム、 5%ポリエチレングリコール # 20000溶液。
[0044] (2)パルサー Iによるシグナル増幅
黄色ブドウ球菌の 5 Χ 10
5、 5 Χ 10
4、 5 Χ 10
3、 5 Χ 10
2、 5 Χ
(一)の菌数(CFU /mL)をそれぞれ含む溶菌液 100 Lを検体試料とした。試験管に検体試料と、ピオ チンィ匕捕捉用オリゴヌクレオチド 1及び固定化用プローブ 1を含む前記第 1ハイ ブリダィゼーシヨン溶液 100 Lをカ卩えて、 45°Cにて 1時間加温した。
加温後、試験管に 10 μ Lのアビジン化磁気ビーズ(DYNAL社、 Dynabeads M-28 0 Streptoavidin, 6— 7 X 10 eads)を添カ卩し、室温で 30分間攪拌させた。上記反応 により、図 1に示される如ぐ固定ィ匕されたプローブが形成される。攪拌には Appropria
te Technical Resources社製 RKVSDを用いた。磁気ビーズを磁石で収集し、反応後 の溶液を排除した。
[0045] 前記磁気ビーズを含む試験管に、プローブ 2を含む前記ハイブリダィゼーシヨン 溶液 Aを 200 /z Lカ卩え、 45°Cで 5分間加温した(図 2の(b)参照。;)。その後磁気ビー ズのみを磁石で収集してハイブリダィゼーシヨン溶液 Aを試験管から回収した。その 後、試験管にプローブ— 1を含む前記ハイブリダィゼーシヨン溶液 Bを 200 Lカロえ て 45°Cで 5分間加温した(図 2の(c)参照)。磁気ビーズを収集してハイブリダィゼー シヨン溶液 Bを試験管力 回収した(1回目)。なお、本実施例では、前記ハイブリダィ ゼーシヨン溶液 Aによる反応と前記ハイブリダィゼーシヨン溶液 Bによる反応のセットを シグナル増幅の 1サイクルとして数えた。
[0046] 前記磁気ビーズを含む試験管に、前記回収したハイブリダィゼーシヨン溶液 Aを加 えて 45°Cで 5分間加温した(図 2の(d)参照。;)。その後磁気ビーズを収集してノ、イブ リダィゼーシヨン溶液 Aを試験管力 回収した。その後、試験管に前記回収したハイ ブリダィゼーシヨン溶液 Bをカ卩えて 45°Cで 5分間加温した(図 2の(e)参照。;)。磁気ビ ーズを収集してハイブリダィゼーシヨン溶液 Bを試験管から回収した(2回目)。
以下同様にしてハイブリダィゼーシヨン溶液 A添加'加温→磁気ビーズ収集'溶液 回収→ハイブリダィゼーシヨン溶液 B添加'加温→磁気ビーズ収集'溶液回収の操作 を繰り返して 5回目まで行った。また、 1回目のみ、 2回目まで、 3回目まで、 4回目ま で行った磁気ビーズをそれぞれ調製した。それぞれの磁気ビーズを収集し、最後に 2 00 μ Lの洗浄溶液 A[50mM Tris- HCl(pH7.6), 0.3M NaCl, 0.1% TritonX- 100]で 2 回洗净した。
[0047] (3)化学発色検出
前記洗浄後、磁気ビーズを含む試験管に、洗浄溶液 B[1%BSA, 50mM Tris-HCl(p H7.6), 0.3M NaCl, 0.1% TritonX- 100]で 1000倍に希釈した抗ジゴキシゲニン Fab — PODコンジュゲート(ロシュ'ダイァグノスティックス社製)を 200 μ Lカロえ、室温で 3 0分間攪拌させた。その後磁気ビーズを収集し溶液を排除し、 200 Lの洗浄溶液 A で 2回洗浄した。 1 step TMB turbo ELISA(pierce社製)を 200 L加え、室温で 15分 間反応させた。磁気ビーズを収集し、溶液を 150 L回収し、該溶液の 655nmの吸
光度を測定した。結果を図 3に示す。
その結果、図 3に示すように、黄色ブドウ球菌数に応じて定量的に測定することがで きた。また、回数を重ねるごとに発色値が増強しポリマー形成の効果が確認された。
[0048] また、標識物質として、ジゴキシゲニンの代わりに放射性同位元素、ピオチン、蛍光 物質、発光物質又は色素を用いて同様の実験を行った結果、実施例 1と同じぐ黄 色ブドウ球菌数に応じて定量的に測定することができ且つ回数を重ねるごとに発色 値が増強しポリマー形成の効果が確認された。
[0049] [実施例 2]パルサー IIのプローブを用いた合成 HCVcRNAの検出
(1)合成 HCVcRNAの調製
(1 - 1)一本鎖 cDNAの調製
0. 2mLのマイクロチューブに 1012個 Z μ Lの HCVRNAを含む保存血清を 1 μ L、 lpmol/ μ LcDNA合成用プライマーを 2 μ L、 2. 5mM dNTPを 4 μ L、滅菌蒸留 水を 6 μ L加えて総量 13 μ Lにした。 65°Cで 5分間加温した後、スーパースクリプト III (superscript III、 INVITROGEN社製)に添付の 5x First-strand bufferを 4 μ L、 0. 1M
DTTを 1 μ L、 RNAsin (Promega社製)を 1 μ L、スーパースクリプト ΠΙを 1 μ Lカロえ、 5 0°Cで 1時間加温した。その後 70°Cで 15分間加温して酵素活性を喪失させ、 cDNA 溶液を調製した。
なお、 cDNA合成用プライマーの塩基配列は下記の通りである。
5 -TGA GGT TTAGGA TTC GTG CTC- 3' (配列番号 5)
[0050] (1 - 2) PCR
前記調製した cDN A溶液 2 μ Lに Master mixtureを 40 μ L、 5U/ μ LAmpliTaq (A pplied Biosystems社製)を 0. 2 L、滅菌蒸留水を 8 μ L加えて総量 50 μ Lにした。 下記表 1に示すサイクル条件で増幅を行った。
[表 1]
96°C 1分
ψ
94。C 1分- ψ
58°C 1分 | 30X
ψ
72°C 1分- ψ
72°C 10分
ψ
4°C 保持 上記 PCRによって増幅される目的の DNAは約 270塩基対である。
なお、上 ciMaster mixture ίま Maxim Biotech社製 Virus, Hepatitis typeし virus 5 UT R, Primer set kit(Cat. No. : SP-10275)に含まれるミクスチヤ一でキット添付の取扱説 明書に従いキット含有の pre- mixed primers 250 μ Lを 750 μ Lの Optimized PCR Buf ferに添加して調製したものを指す。
[0051] ( 1 3)クローニング
1. 5mLのマイクロチューブに前述の PCRによって得られた増幅産物 2 L、 TOPO TA Cloning Kit for Sequencing (INVITROGEN社製)に添付の Salt solutionを 1 μ L、 滅菌蒸留水を 2 /ζ L、 TOPOクローユングベクターを 1 μ L加え、室温で 5分間放置し た。上記反応溶液 2 Lを E. coli DH5 a Competent Cells (タカラバイオ社製)に加え 、氷中で 30分間置いた。 42°Cで 30秒間ヒートショックさせ、すぐさま氷中に置き、 2分 間放置した。これに E. coli DH5 a Competent Cells (タカラバイオ社製)に添付の SO C mediumを 250 μ L加え、 37°Cで 30分間加温した後、 50 μ Lを 100 μ gZmLでァ ンピシリンを含む 2xYT培地(16gトリプトン、 10gイーストエキストラタト、 5g塩化ナトリ ゥム ZL、 1. 5%寒天)の表層に 50 /z Lの 4%Xgal (タカラバイオ社製)と 25 /z Lの IPT G (タカラバイオ社製)を予め塗布した寒天プレート上に塗布し、 37°Cで 16時間培養 した。
[0052] (1 -4) cRNAの調製
前述のクロー-ングで得られた目的のクローンを、 100 μ gZmLでアンピシリンを
含む 2xYT培地 5mLで 37°C、 12時間しんとう培養した後、 QIAprep Spin Miniprep Ki t (Qiagen社製)を用いてプラスミドクローンを得た。更に Applied Biosystems社製の D NAシーケンサー 3130でインサートの配列を確定した。シーケンス確認した HCV5'U TRのシーケンスを下記に示す。
GGAGTGTCGCCCCC- 3' (配列番号 6)
[0053] 得られたプラスミドクローン 10 μ gを 50Uの Pstl (タカラバイオ社製)で酵素添付の緩 衝液 20 μ Lを加え、滅菌蒸留水で総量を 200 μ Lにして 37°Cで 3時間反応させ完全 に直鎖状の DNAを得た。 1 μ gの前記直鎖状 DNAと Τ7 RNA polymerase (ロシュ 'ダ ィァグノスティックス社製)添付の 10x transcription bufferを 2 μ L、 lOmM ribonucleoti de mix (ロシュ'ダイァグノスティックス社製)を 1 μ L、 RNase inhibitor (ロシュ'ダイァグ ノスティックス社製)を 1 μ Lカ卩え、滅菌蒸留水で総量を 20. 5 μ Lにし 37°Cで 2時間 反応させた。その後、 DNase I (ロシュ'ダイァグノスティックス社製)を 2 L加え 37°C で 15分間反応させた。これに 100 /z Lの TE (10mMトリス塩酸、 ImM EDTA、 pH 8. 0)、 lO ^ LmM LiCU 300 Lのエタノーノレをカロえ、 80°Cで 30分間置!ヽた 。 4°C、 15000回転、 10分間遠心分離して cRNAを沈殿物として回収した。 500 /z L の 70%エタノールで沈殿物を洗浄後乾燥させ、 10 /z Lの TE (pH8. 0)に溶解させ た。 260nmの吸光度より濃度を求めた。
[0054] (2)各溶液の作製
(2— 1)パルサー II用ダイマーの調製
パルサー II用の 2組のダイマー (X及び 13 [図 4 (a)の符号 40及び図 4 (b)の符号 41 ]作製の為に下記塩基配列を有するプローブをそれぞれ作製した。
ダイマー形成用プローブ 1 (図 4の符号 42)の塩基配列 (配列番号 7) (5,末端ジ ゴキシゲニン標識)
5'- DIG- A領域(CAGTACAAGCACGATCTCTG) · B領域 (ATTTGCCAGGACTGC GTTTC) · C領域(GACTGGTCTAGTCTGAGAAC) -3'
ダイマー形成用プローブ 2 (図 4の符号 44)の塩基配列(配列番号 8) (5,末端ジ ゴキシゲニン標識)
5'- DIG- D領域(GCATAGGACTTTGTGAGCAC) · B '領域(GAAACGCAGTCCTG GCAAAT),F領域 (TCAGCACTAACTTCCGTCAC) - 3'
ダイマー形成用プローブ 3 (図 4の符号 46)の塩基配列 (配列番号 9) (5,末端ジ ゴキシゲニン標識)
5 -DIG-A'領域(CAGAGATCGTGCTTGTACTG) · Ε,領域(TCAGCTGCTACGA GACCATA) · C,領域 (GTTCTCAGACTAGACCAGTC) - 3'
ダイマー形成用プローブー4 (図 4の符号 48)の塩基配列(配列番号 10) (5 '末端 ジゴキシゲニン標識)
5'- DIG- D '領域(GTGCTCACAAAGTCCTATGC) · Ε領域(TATGGTCTCGTAGC AGCTGA) · F,領域 (GTGACGGAAGTTAGTGCTGA) - 3'
[0055] 0. 2mLマイクロチューブを用意し、前記ダイマー形成用プローブ 1及び 2をそれ ぞれ lOpmolずつ加え、さらに 25xSSCを終濃度 4xSSCになるように添カ卩して滅菌 蒸留水で総量 10 Lに調節した。該溶液を 98°Cで 2分間加温した後すぐさま 57°C で 1時間加温し、ダイマー exを含むダイマー α溶液を調製した。また、ダイマー形成 用プローブ 1及び 2の代わりにダイマー形成用プローブ 3及び 4を用いた以外は 同様の方法により、ダイマー βを含むダイマー β溶液を調製した。
[0056] (2 - 2)ハイブリダィゼーシヨン溶液 Α及びハイブリダィゼーシヨン溶液 Βの調製
200 μ Lの溶液あたり、前記ダイマー a溶液を 0. 1 μ L含む [4 X SSC、 0. 1 %硫 酸ドデシルナトリウム]溶液を調製し、ノ、イブリダィゼーシヨン溶液 Aとして用いた。ま た、ダイマー α溶液の代わりにダイマー β溶液を用いた以外は同様の方法により、ハ イブリダィゼーシヨン溶液 Βを調製した。
[0057] (2— 3)第 1ハイブリダィゼーシヨン溶液の調製
標的遺伝子である前記調製した cRNAを捕捉するように下記の如く捕捉用オリゴヌ クレオチド一 2を設計した。また、前記ダイマーひを標的遺伝子に固定ィ匕させるため
に、下記固定ィ匕用プローブ 2及び 3を作製した。
捕捉用オリゴヌクレオチド 2 (図 5の符号 50)の塩基配列 (配列番号 1 1) (5 '末端 ピオチン標識)
5'- Biotin- ACA CTC ATA CTA ACG- 3'
固定ィヒ用プローブ 2 (図 5の符号 52)の塩基配列(配列番号 12)
5 -A'領域(CAGAGATCGTGCTTGTACTG) · G領域(TGCGATAACCAATGTCA GGC) · Τ領域(GCTAGACGCTTTCTGCGTGA) - 3'
2
固定化用プローブ 3 (図 5の符号 54)の塩基配列(配列番号 13)
5'- G,領域 (GCCTGACATTGGTTATCGCA) ' F,領域(GTGACGGAAGTTAGTGC TGA) -3'
[0058] 下記組成となるように第 1ハイブリダィゼーシヨン溶液を調製した。
前記捕捉用オリゴヌクレオチド 2及び固定ィ匕用プローブ 2及び 3をそれぞれ 2. 5pmolを含む、 4 X SSC、 5%ポリエチレングリコール # 20000、 0. 1 %硫酸ドデシ ルナトリウム溶液。
[0059] (3)パルサー IIによるシグナル増幅
前記調製した cRNA8ng含む滅菌蒸留水 100 μ Lを試料とした。試験管に該試料 と、ピオチンィ匕捕捉用オリゴヌクレオチド 2及び固定ィ匕用プローブ 2及び 3を含む 前記第 1ハイブリダィゼーシヨン溶液を 100 Lカ卩えて、 45°Cにて 1時間加温した (第 1の反応)。図 5〜図 7は実施例 2のシグナル増幅反応工程の概略説明図であり、図 5 は、この第 1の反応の概略説明図である。なお、図 5中、符号 56は被験遺伝子である HCVcRNAを示す。
カロ温後の試験管に、 のアビジン化磁気ビーズ(DYNAL社、 Dynabeads M- 280 Streptoavidin, 6— 7 X 106beads)を添カ卩し、室温で 30分間攪拌させた。攪拌に は Appropriate Technical Resources社製 RKVSDを用いた。磁気ビーズを磁石で収 集し、反応後の溶液を排除した。
[0060] 前記磁気ビーズを含む試験管に、ダイマー exを含む前記ハイブリダィゼーシヨン溶 液 Aを 200 /z Lカ卩え、 45°Cで 10分間加温した (第 2の反応)。図 6はこの第 2の反応の 概略説明図である。なお、図 6中、符号 51は支持体である磁気ビーズを示す。その
後磁気ビーズのみを磁石で収集してハイブリダィゼーシヨン溶液 Aを試験管から回収 した。その後、試験管に、ダイマー βを含む前記ハイブリダィゼーシヨン溶液 Βを 200 μ L加えて 45°Cで 10分間加温した(第 3の反応)。図 7はこの第 3の反応の概略説明 図である。磁気ビーズを収集してハイブリダィゼーシヨン溶液 Bを試験管から回収した (1回目)。なお、本実施例では、前記ハイブリダィゼーシヨン溶液 Aによる反応と前記 ハイブリダィゼーシヨン溶液 Bによる反応のセットをシグナル増幅の 1サイクルとした。
[0061] 前記磁気ビーズを含む試験管に、前記回収したハイブリダィゼーシヨン溶液 Aを加 えて 45°Cで 10分間加温した。その後磁気ビーズを収集してハイブリダィゼーシヨン 溶液 Aを試験管から回収した。その後、試験管に前記回収したハイブリダィゼーショ ン溶液 Bをカ卩えて 45°Cで 10分間加温した。磁気ビーズを収集してハイブリダィゼー シヨン溶液 Bを試験管力 回収した (2回目)。
以下同様にしてハイブリダィゼーシヨン溶液 A添加'加温→磁気ビーズ収集'溶液 回収→ハイブリダィゼーシヨン溶液 B添加'加温→磁気ビーズ収集'溶液回収の操作 を行った (3回目)。また、 1回目のみ、 2回目まで行った磁気ビーズをそれぞれ調製し た。それぞれの磁気ビーズを収集し、最後に 200 Lの洗浄溶液 A[50mM Tris-HCl (pH7.6), 0.3M NaCl, 0.1% TritonX- 100]で 2回洗浄した。
[0062] (4)化学発色検出
前記洗浄後、磁気ビーズを収集し、洗浄溶液 B[1%BSA, 50mM Tris- HCl(pH7.6), 0 .3M NaCl, 0.1% TritonX- 100]で 1000倍に希釈した抗ジゴキシゲニン Fab— PODコ ンジュゲート(ロシュ'ダイァグノスティックス社製)を 200 μ L加え、室温で 30分間攪 拌させた。攪拌には Appropriate Technical Resources社製 RKVSDを用いた。その 後磁気ビーズを収集し溶液を排除し、 200 Lの洗浄溶液 Aで 2回洗浄した。 1 step TMB turbo ELISA(pierce社製)を 200 μ Lカロえ、室温で 5分間反応させ、 5Ν硫酸を 4 0 Lカ卩ぇ反応を停止させた。磁気ビーズを収集し、溶液を 150 L回収し、該溶液 の 455nmの吸光度を測定した。結果を図 8に示す。
その結果、図 8に示すように、回数を重ねるごとに発色値が増強しポリマー形成の 効果が確認された。
[0063] また、標識物質として、ジゴキシゲニンの代わりに放射性同位元素、ピオチン、蛍光
物質、発光物質又は色素を用いて同様の実験を行った結果、回数を重ねるごとに発 色値が増強しポリマー形成の効果が確認された。
[0064] [実施例 3]パルサー IIIのプローブを用いた合成 HCVcRNAの検出
(1)各溶液の調製
(1 1)パルサー m用ダイマー及び架橋プローブの作製
パルサー III用の 1組のダイマー γ [図 9 (a)の符号 60]及び 1組の架橋プローブ [図 9 (b) ]作製の為に下記塩基配列を有するプローブを作製した。
ダイマー形成用プローブ 5 (図 9の符号 62)の塩基配列 (配列番号 14) (5'末端 ジゴキシゲニン標識)
5'- DIG- A領域(CAGTACAAGCACGATCTCTG) ·Η領域(GATGGTGTTCACTGT AGCAG) · C領域(GACTGGTCTAGTCTGAGAAC) -3'
ダイマー形成用プローブ 6 (図 9の符号 64)の塩基配列(配列番号 15) (5'末端 ジゴキシゲニン標識)
5'- DIG- D領域(GCATAGGACTTTGTGAGCAC) · H '領域(CTGCTACAGTGAAC ACCATC),F領域 (TCAGCACTAACTTCCGTCAC) - 3'
架橋プローブ 1 (図 9の符号 66)の塩基配列 (配列番号 16)
5'- A,領域(CAGAGATCGTGCTTGTACTG) · C '領域(GTTCTCAGACTAGACCA GTC) -3'
架橋プローブ 2 (図 9の符号 68)の塩基配列 (配列番号 17)
5'- D'領域(GTGCTCACAAAGTCCTATGC) 'F,領域(GTGACGGAAGTTAGTGC TGA) -3'
[0065] 0. 2mLマイクロチューブを用意し、前記ダイマー形成用プローブ— 5及び 6を ΙΟρ molずつ加え、さらに 25xSSCを終濃度 4xSSCになるように添カ卩して滅菌蒸留水で 総量 10 Lに調節した。該溶液を 98°Cで 2分間加温した後すぐさま 57°Cで 1時間加 温し、ダイマー γを含むダイマー γ溶液を調製した。
[0066] (1 - 2)ハイブリダィゼーシヨン溶液 Α及びハイブリダィゼーシヨン溶液 Βの調製
200 μ Lの溶液あたり、前記ダイマー y溶液を 5 μ L含む、 [4 X SSC、 0. 1%硫酸 ドデシルナトリウム]溶液を調製し、ノ、イブリダィゼーシヨン溶液 Aとして用いた。
また、下記組成となるようにハイブリダィゼーシヨン溶液 Bを調製した。
5pmolの前記架橋プローブー1及び 2を含む、 4 X SSC、 0. 1%硫酸ドデシルナト ジゥム溶液。
[0067] (1 3)第 1ハイブリダィゼーシヨン溶液の調製
下記組成の溶液を第 1ハイブリダィゼーシヨン溶液として用いた。
ピオチン化された捕捉用オリゴヌクレオチド— 2 (配列番号 11)、固定化用プローブ 2 (配列番号 12)及び固定ィ匕用プローブ 4 (配列番号 18)をそれぞれ 2. 5pmol を含む 4 X SSC、 5%ポリエチレングリコール # 20000、 0. 1%硫酸ドデシルナトリゥ ム溶液。
なお、前記捕捉用オリゴヌクレオチド 2及び固定ィ匕用プローブ 2は実施例 2と同 様であり、固定ィ匕用プローブー4 (図 10の符号 70)の塩基配列は下記の通りである。 5 -G,領域(GCCTGACATTGGTTATCGCA) · C,領域(GTTCTCAGACTAGACCA GTC) -3' (配列番号 18)
[0068] (2)パルサー IIIによるシグナル増幅
実施例 2と同様に調製した cRNAlOng含む滅菌蒸留水 100 Lを試料とした。試 験管に該試料と、捕捉用オリゴヌクレオチド 2及び固定ィ匕用プローブ 2及び 4を 含む前記第 1ハイブリダィゼーシヨン溶液を 100 Lカ卩えて、 45°Cにて 1時間加温し た (第 1の反応)。図 10〜図 13は実施例 3のシグナル増幅反応工程の概略説明図で あり、図 10はこの第 1の反応の概略説明図である。
加温後、試験管に 10 μ Lのアビジン化磁気ビーズ(DYNAL社、 Dynabeads M-28 0 Streptoavidin, 6— 7 X 106beads)を添カ卩し、室温で 30分間攪拌させた。攪拌には A ppropriate Technical Resources社製 RKVSDを用いた。磁気ビーズを磁石で収集し 、反応後の溶液を排除した。
[0069] 前記磁気ビーズを含む試験管に、ダイマー γを含む前記ハイブリダィゼーシヨン溶 液 Αを 200 /z Lカ卩え、 45°Cで 10分間加温した (第 2の反応)。図 11はこの第 2の反応 の概略説明図である。その後磁気ビーズのみを磁石で収集してノ、イブリダィゼーショ ン溶液 Aを試験管力 回収した。その後、試験管に架橋用プローブ— 1及び 2を含む 前記ハイブリダィゼーシヨン溶液 Bを 200 μ Lカ卩えて 45°Cで 10分間加温した (第 3の
反応)。図 12はこの第 3の反応の概略説明図である。磁気ビーズを収集してハイプリ ダイゼーシヨン溶液 Bを試験管から回収した(1回目)。なお、本実施例では、前記ハ イブリダィゼーシヨン溶液 Aによる反応と前記ハイブリダィゼーシヨン溶液 Bによる反応 のセットをシグナル増幅の 1サイクルとした。
[0070] 前記磁気ビーズを含む試験管に、前記回収したハイブリダィゼーシヨン溶液 Aを加 えて 45°Cで 10分間加温した (第 4の反応)。図 13はこの第 4の反応の概略説明図で ある。その後磁気ビーズを収集してハイブリダィゼーシヨン溶液 Aを試験管から回収し た。その後、試験管に前記回収したハイブリダィゼーシヨン溶液 Bを加えて 45°Cで 10 分間加温した。磁気ビーズを収集してハイブリダィゼーシヨン溶液 Bを試験管力ゝら回 収した (2回目)。
以下同様にしてハイブリダィゼーシヨン溶液 A添加'加温→磁気ビーズ収集'溶液 回収→ハイブリダィゼーシヨン溶液 B添加'加温→磁気ビーズ収集'溶液回収の操作 を繰り返して 5回目まで行った。また、 1回目のみ、及び 3回目まで行った磁気ビーズ をそれぞれ調製した。それぞれの磁気ビーズを収集し、最後に 200 Lの洗浄溶液 A[50mM Tris-HCl(pH7.6), 0.3M NaCl, 0.1% TritonX- 100]で 2回洗浄した。
[0071] (3)化学発色検出
前記洗浄後、磁気ビーズを収集し、洗浄溶液 B[1%BSA, 50mM Tris- HCl(pH7.6), 0 .3M NaCl, 0.1% TritonX- 100]で 1000倍に希釈した抗ジゴキシゲニン Fab— PODコ ンジュゲート(ロシュ'ダイァグノスティックス社製)を 200 μ L加え、室温で 30分間攪 拌させた。攪拌には Appropriate Technical Resources社製 RKVSDを用いた。その 後磁気ビーズを収集し溶液を排除し、 200 Lの洗浄溶液 Aで 2回洗浄した。 1 step TMB turbo ELISA(pierce社製)を 200 μ Lカロえ、室温で 5分間反応させ、 5Ν硫酸を 4 0 Lカ卩ぇ反応を停止させた。磁気ビーズを収集し、溶液を 150 L回収し、該溶液 の 455nmの吸光度を測定した。結果を図 14に示す。
その結果、図 14に示すように、回数を重ねるごとに発色値が増強しポリマー形成の 効果が確認された。
[0072] また、標識物質として、ジゴキシゲニンの代わりに放射性同位元素、ピオチン、蛍光 物質、発光物質又は色素を用いて同様の実験を行った結果、回数を重ねるごとに発
色値が増強しポリマー形成の効果が確認された。
産業上の利用可能性
本発明により、パルサー法において、非特異的な反応が抑制され、検出感度が高 まった。これにより、特異的な遺伝子の検出が可能となった。