明細書
医薬結晶化合物
技術分野
本発明は医薬、 特にエラスターゼ阻害作用を有する複素環式化合物の結晶多 形、 その製造方法おょぴそれを有効成分とする医薬に関する。
背景技術
次式で示される構造を有する 一 [(5—メチルー 1一フエ二ルー 1 H—ビラ ゾールー 4一ィル) 力ルポエル] 一 L—パリルー 一 [( 1 S) 一 3, 3, 3— トリフルォロ一 1一イソプロピル一 2—ォキソープ口ピル] — L—プロリンァ ミド (以下、 「化合物 II」 または 「ケトン体」 ということもある) は、 エラス ターゼ阻害剤として有用な化合物であり、 WO 0 3/0 6 6 6 7 1の実施例 1 0に記載されている。
医薬品の有効成分となる化合物は、 強い薬理作用を有し、 且つ低毒性である とともに、 品質が一定であることが条件となる。 そのために、 通常、 結晶状態 の化合物を原薬として用いることが求められている。 しかしながら、 WO O 3 /0 6 6 6 7 1においては、上記化合物 IIのみならず、記載されている他の化 合物群すべてが結晶ではなく非晶質であり、 さらに、 該文献には結晶を得るた めの製造方法も記載されていない。
発明の開示
本発明は、 エラスターゼ阻害活性を有する化合物の結晶を得ることを目的と する。
本発明者らは、 上記^ ί匕合物 II、 即ち、 ケトン体の結晶を得る為に、 鋭意検討
を試みた。 し力 し、 通常使用される種々の有機溶媒をもってしてもこの化合物 を結晶化させることができなかった。 ところが、化合物 Πを特定の有機溶媒に 溶解し、 容器を開口状態にして放置したところ、 結晶を得ることに成功した。 分析の結果、得られた結晶の化合物の分子量は、化合物 Πと水分子 1個分を合 わせたものであること、 そして水分子 1個分は水和物ではなく、 ケトン体のト リフルォロメチルケトン部位に水 1分子が付加したジオール体の結晶が得られ ていること、 およびこの結晶はェラスターゼ阻害活性を有していることの知見 を得て、 本発明を完成した。
本発明は、 以下の発明を提供する。
〔1〕 N— [(5—メチノレ一 1—フエ-ノレ一 1 if—ピラゾーノレ一 4—ィノレ) 力 ルポニル] — Lーバリル一 Λ— (3, 3, 3—トリフルォロ一 2, 2—ジヒ ド 口キシー 1—イソプロピルプロピル) 一L一プロリンアミ ドの結晶。
〔2〕 N- [(5—メチルー 1—フエニル一 1 J—ピラゾール一4—ィル) 力 ルポ-ル] 一 Lーバリル— Λ— [(1 S) — 3, 3, 3—トリフルオロー 2, 2 ージヒ ドロキシー 1ーィソプロピルプロピル]— L一プロリンアミ ド(以下「化 合物 I」 または 「ジオール体」 ということもある ;構造下記) の結晶。
回折角 20 (CuKa l線) で表したとき、 約 7. 0° 〜8. 5° の位
置に少なくとも 1本のピークを有する X線粉末回折パターンを示す上記 〔2〕 に記載の結晶。
〔4〕 回折角 20 (CuKa l線) で表したとき、 ほぼ 7. 6。 および 8. 0° の位置にピークを有する X線粉末回折パターンを示す、 化合物 Iの A型結晶。 〔5〕 回折角 20 (CuKa l線) で表したとき、 ほぼ 5. 7° 、 6. 0° 、
7. 6° 、 8. 0° 、 1 2. 3° 、 1 2. 6° および 1 6. 2° の位置にピー クを有する X線粉末回折パターンを示す、 上記 〔4〕 に記載の A型結晶。
〔6〕 昇温速度が 10°CZ分の示差走査熱量測定において、 約 1 39°Cに脱 水吸熱ピークを有する上記 〔4〕 または 〔5〕 に記載の A型結晶。
〔7〕 回折角 20 (CuKa l線) で表したとき、 ほぼ 8. 0° の位置にピー クを有する X線粉末回折パターンを示す、 化合物 Iの B型結晶。
〔8〕 回折角 2 0 (C uKa l線) で表したとき、 ほぼ 6. 5° 、 8. 0° 、
8. 6° 、 9. 5° 、 1 0. 2° 、 1 1. 0° 、 14. 2° および 20. 3° の位置にピークを有する X線粉末回折パターンを示す上記 〔7〕 に記載の B型 結晶。
〔9〕 昇温速度が 10でノ分の示差走査熱量測定において、 約 1 20°Cに脱 水吸熱ピークを有する上記 〔7〕 または 〔8〕 に記載の B型結晶。
〔1 0〕 回折角 20 (CuKa l線) で表したとき、 ほぼ 7. 2° の位置にピ ークを有する X線粉末回折パターンを示す、 化合物 Iの C型結晶。
〔1 1〕 回折角 2 0 (C uKa l線) で表したとき、 ほぼ 6. 0° 、 7. 2° 、 10. 6° 、 1 1. 9° 、 14. 4° 、 1 5. 2° および 1 8. 0° の位置に ピークを有する X線粉末回折パターンを示す上記 〔1 0〕 に記載の C型結晶。 〔1 2〕 昇温速度が 1 0°CZ分の示差走査熱量測定において、 約 1 28でに 脱水吸熱ピークを有する上記 〔10〕 または 〔1 1〕 に記載の C型結晶。
〔1 3〕 回折角 2 0 (CuKa l線) で表したとき、 ほぼ 7. 3° の位置にピ ークを有する X線粉末回折パターンを示す、 化合物 Iの D型結晶。
〔14〕 回折角 2 Θ (C uKa l線) で表したとき、 ほぼ 7. 3° 、 8. 9° 、
1 1. 6° 、 14. 8° および 1 7. 7° の位置にピークを有する X線粉末回 折パターンを示す上記 〔1 3〕 に記載の D型結晶。
〔1 5〕 昇温速度が 10°C/分の示差走査熱量測定において、 約 1 34°Cに 脱水吸熱ピークを有する上記 〔1 3〕 または 〔14〕 に記載の D型結晶。
〔1 6〕 上記 〔1〕 〜 〔1 5〕 のいずれかに記載の結晶を有効成分として含 む医薬。
〔1 7〕 上記 〔1〕 〜 〔1 5〕 のいずれかに記載の結晶を含む医薬組成物。 〔18〕 化合物 Iの A型結晶の製造方法であって、 以下の A— 1〜A— 9群 のいずれかから選択される有機溶媒に
(a)化合物 IIを溶解させ、これに水を添加した溶液から化合物 Iの A型結晶 を晶析させるか、 または
(b) 化合物 Iの B型結晶、 C型結晶または D型結晶を溶解させ、 該溶液から 化合物 Iの A型結晶を晶析させる
ことを特徴とする製造方法:
A— 1群:キシレン、 テトラリン、 ジフエニノレエーテノレ、 シクロへキサン、 n 一へキサン、 メチルシク口へキサンおよび n—ヘプタンからなる群から選択さ れる単一溶媒;
A— 2群: キシレン、 テトラリン、 ジフエニノレエーテノレ、 シクロペンチノレメチ ルエーテル、 酢酸ェチル、 酢酸ィソプロピル、 酢酸 n—プロピル、 酢酸ィソプ チルおよび酢酸 n—ブチルからなる群から選択される 1種の有機溶媒とシクロ へキサンとの混合溶媒;
A— 3群:キシレン、 トルエン、 テトラリンおよびシクロペンチルメチルエー テルからなる群から選択される 1種の有機溶媒と n—へキサンとの混合溶媒; A— 4群:キシレン、 シク口ペンチルメチルエーテル、 酢酸ェチル、 酢酸 n— プロピル、 酢酸イソプチルおよび酢酸 n—プチルからなる群から選択される 1 種の有機溶媒とメチルシク口へキサンとの混合溶媒;
A— 5群:キシレン、 トルエン、 テトラリン、 酢酸イソプロピル、 酢酸イソブ
チルおよび酢酸 n—ブチルからなる群から選択される 1種の有機溶媒と n—ぺ ンタンとの混合溶媒;
A— 6群:キシレン、 テトラリン、 シクロペンチルメチルエーテル、 酢酸イソ プロピル、 酢酸 n—プロピル、 酢酸イソブチルおよび酢酸 n—ブチルからなる 群から選択される 1種の有機溶媒と n—ヘプタンとの混合溶媒;
A— 7群: トルエンとジェチルエーテルとの混合溶媒;
A— 8群:テトラリンとクメンとの混合溶媒;および
A— 9群: トルエン、 n—へキサンおょぴメチルシクロへキサンからなる混合 溶媒。
〔1 9〕 化合物 Iの B型結晶の製造方法であって、 以下の B— 1群および B 一 2群のいずれかから選択される有機溶媒に
( a )化合物 IIを溶解させ、 これに水を添加した溶液から化合物 Iの B型結晶 を晶析させる力、、 または
( b ) 化合物 Iの A型結晶、 C型結晶または D型結晶を溶解させ、 該溶液から 化合物 Iの B型結晶を晶析させる
ことを特徴とする製造方法:
B— 1群: トルェンまたはクロ口ベンゼンである単一溶媒;および
B— 2群:シクロへキサンまたは n—ヘプタンのいずれか 1種の有機溶媒と、 トルエンとの混合溶媒。
〔2 0〕 化合物 Iの C型結晶の製造方法であって、 以下の C一 1群および C — 2群のいずれかから選択される有機溶媒に
( a )化合物 IIを溶解させ、 これに水を添加した溶液から化合物 Iの C型結晶 を晶析させるか、 または
( b ) 化合物 Iの A型結晶、 B型結晶または D型結晶を溶解させ、 該溶液から 化合物 Iの C型結晶を晶析させる
ことを特徴とする製造方法:
C— 1群:ジェチルエーテル;および
C一 2群:ジェチルエーテルとシクロペンチルメチルエーテルとの混合溶媒。 〔21〕 化合物 Iの D型結晶の製造方法であって、
(a)化合物 IIを、 酢酸ェチルと n—ペンタンとの混合溶媒に溶解させ、 これ に水を添加した溶液から化合物 Iの D型結晶を晶析させるか、 または
(b)化合物 Iの A型結晶、 B型結晶または C型結晶を該混合溶媒に溶解させ、 該溶液から化合物 Iの D型結晶を晶析させることを特徴とする製造方法。
図面の簡単な説明
図 1は、 化合物 Iの A型結晶の13 C固体 NMRスぺク トルチヤ一トを示す。 図 2は、 化合物 Iの B型結晶の13 C固体 NMRスぺク トルチヤ一トを示す。 図 3は、 化合物 Iの C型結晶の13 C固体 NMRスペク トルチャートを示す。 図 4は、 化合物 Iの D型結晶の13 C固体 NMRスぺク トルチヤ一トを示す。 図 5は、 スぺク トリス (S p e c t r i s ) 社製 X' P e r t A 1 h a 1を用いて得られた化合物 Iの A型結晶の粉末 X線回折スぺク トルチヤ一 トを示す。
図 6は、 高輝度放射光施設 S P r i n g— 8 B L 24 XU Hu t c h Bを用いて得られた化合物 Iの A型結晶の粉末 X線回折スぺクトルチャートを 示す。
図 7は、化合物 Iの A型結晶の示差走査熱量測定(D S C)チャートを示す。 図 8は、 化合物 Iの A型結晶の熱重量分析測定 (TG) チャートを示す。 図 9は、 スぺク トリス (S p e c t r i s ) 社製 X' P e r t A 1 h a 1を用いて得られた化合物 Iの B型結晶の粉末 X線回折スぺクトルチヤ一 トを示す。
図 10は、 高輝度放射光施設 S P r i n g— 8 B L 24XU Hu t c h Bを用いて得られた化合物 Iの B型結晶の粉末 X線回折スぺクトルチャートを 示す。
図 1 1は、 化合物 Iの B型結晶の示差走査熱量測定 (DS C) チャートを示 す。
図 1 2は、 化合物 Iの B型結晶の熱重量分析測定 (TG) チャートを示す。 図 1 3は、 スぺタトリス (S p e c t r i s ) 社製 X, P e r t A 1 h a 1を用いて得られた化合物 Iの C型結晶の粉末 X線回折スぺクトルチヤ ートを示す。
図 14は、 高輝度放射光施設 S P r i n g— 8 B L 24 XU Hu t c h Bを用いて得られた化合物 Iの C型結晶の粉末 X線回折スぺクトルチャートを 示す。
図 1 5は、 化合物 Iの C型結晶の示差走査熱量測定 (DS C) チャートを示 す。
図 1 6は、 化合物 Iの C型結晶の熱重量分析測定 (TG) チャートを示す。 図 1 7は、 スぺク トリス (S p e c t r i s) 社製 X, P e r t A l p h a 1を用いて得られた化合物 Iの D型結晶の粉末 X線回折スぺク トルチヤ 一トを示す。
図 18は、 高輝度放射光施設 S P r i n g— 8 B L 24 XU Hu t c h Bを用いて得られた化合物 Iの D型結晶の粉末 X線回折スぺクトルチヤ一トを 示す。
図 1 9は、 化合物 Iの D型結晶の示差走查熱量測定 (DS C) チャートを示 す。
図 20は、 化合物 Iの D型結晶の熱重量分析測定 (TG) チャートを示す。 図 2 1は、化合物 Iの A型〜 D型結晶および化合物 IIのラマンスぺク トルチ ヤートを示す。
図 22は、化合物 Iの A型〜 D型結晶および化合物 IIのラマンスぺク トルチ ヤート ( 3400〜 3 1 60 c m—つ を示す。
図 23は、 化合物 Iの A型〜 D型結晶のラマンスぺク トルチヤ一ト (305 0〜 2840 cm—つ を示す。
図 24は、 化合物 Iの A型〜 D型結晶のラマンスぺク トルチヤ一ト ( 1 72 0〜1 520 cm—1) を示す。
図 2 5は、化合物 Iの A型〜 D型結晶および化合物 IIの吸湿性を示すグラフ である。 —令一は化合物 II、 ー酾一は A型結晶、 一▲一は B型結晶、 — ·一は
C型結晶、 一 X—は D型結晶の結果を示す。
図 2 6は、 化合物 Iの A型〜 D型結晶の各 p Hにおける溶解度を示すグラフ である。 一園一は A型結晶、 一▲—は B型結晶、 ー秦一は C型結晶、 — X—は
D型結晶の結果を示す。
発明の詳細な説明
本発明の 一 [( 5—メチルー 1一フエ二ルー 1 H—ピラゾール一 4一ィル) カノレポ二ノレ] — L—バリノレ一 V— [3 , 3 , 3—トリフノレオ口一 2, 2—ジヒ ドロキシー 1—イソプロピルプロピル] 一 L一プロリンアミ ドの結晶、 より具 体的には化合物 Iの結晶は、 化合物 II、 即ち、 ケトン体を出発物質として製造 することができる。 このケトン体は、 WO 0 3/0 6 6 6 7 1に記載の方法に よって製造することができる。
本発明者らの研究によって、 化合物 Iの結晶として、 少なくとも 4種類の異 なる結晶形の存在が確認された。 本明細書では、 この 4種類の結晶形をそれぞ れ、 A型、 B型、 C型おょぴ D型と称する。
化合物 Iの結晶は、 X線粉末回折パターンにおいて、特徴的なピークを示す。 即ち、 該結晶は、 回折角 2 0 (C u Ka l線) で表したとき、 約 7. 0° 〜8. 5。 の位置に特徴的なピーク、 具体的には少なくとも 1本のピークを有する X 線粉末回折パターンを示す。
スぺク トリス (S p e c t r i s ) 社製 X' P e r t A l h a 1の 装置を用いて実施例で示す条件下で測定したときの A型、 B型、 C型および D 型の各結晶の特徴的な主ピークの回折角 (2 0 (C u Ka l線)) は以下のとお りである。
表 1
化合物 Iの結晶は、回折角 20 ( 10 K e V) で表したときには、約 5. 6° 〜6. 9° の位置に特徴的なピーク、 具体的には少なくとも 1本のピークを有 する X線粉末回折パターンを示す。
高輝度放射光施設 S P r i n g— 8 B L 24XU Hu t c h B (財団 法人高輝度光科学研究センター(J ASR 1))の装置を用いて実施例で示す条 件下で測定したときの化合物 Iの A型〜 D型の各結晶の特徴的な主ピークの回 折角 (20 (1 OKe V)) は以下のとおりである (図 6、 10、 14および 1 8参照)。
表 2
化合物 Iの A型〜 D型の各結晶の、 昇温速度が 1 0°CZ分の示差走査熱量測 定 (D S C) における特性および熱重量分析 (TG) における特性は以下のと おりである。
表 3
本発明の化合物 Iの各結晶と化合物 IIについてラマン分光分析を行うと、各 結晶は約 3 3 8 0〜約 3 1 7 0 c m—
1の範囲において 2つのピークを有する 1 化合物 IIでは該範囲においてピークを持たないことから、化合物 Iの結晶 と化合物 IIとは区別される (図 2 2参照)。 また、 A型〜 D型結晶は、 各々約 3 3 8 0〜約 3 1 7 0 c m—
1の範囲 (図 2 2参照)、 約 3 0 5 0〜約 2 8 5 0 c m—
1の範囲 (図 2 3参照)、 約 1 7 0 0〜約 1 6 2 0 c m—
1の範囲 (図 2 4 参照) においてピークパターンが異なり、 各結晶間で区別できる。
本発明の化合物 Iの A型結晶、 B型結晶、 C型結晶および D型結晶は、 本明 細書に記載の物理化学的性質によって特定されるものであるが、上記データは、 測定方法や測定機器によって多少変わるものであるから、 厳密に解されるべき ではない。 また、 A型結晶、 B型結晶、 C型結晶および D型結晶は、 純粋な結 晶に限られず、 未知の結晶を含めた他の結晶が混在しているものであってもよ い。
A型結晶
化合物 Iの A型結晶は、 実施例または以下に記載した方法によって製造する ことができる。 即ち、 A型結晶は、化合物 IIを特定溶媒に溶解し、水を添加し たのち放置することにより製造できる。 「放置」 は、 通常、 ゆっくりと攪拌しな
がらまたは静置させて数時間ないし数日間(好ましくは、少なくとも約 6時間、 さらに好ましくは、 少なくとも約 1 8時間)、 通常、 室温 (例えば、 約 2 0 °C〜 約 3 0 °C) において行われる。
ここにおける、 特定溶媒としては、 例えば、 以下の A— 1群から選ばれる単 一溶媒が挙げられる。
A— 1群:キシレン、 テ トラリン、 ジフエニゾレエーテノレ、 シクロへキサン、 n 一へキサン、 メチ ンクロへキサンおょぴ n—ヘプタン
また、 特定溶媒としては、 例えば、 以下の A— 2群〜 A— 6群から選ばれる 2種混合溶媒も挙げられる。
A— 2群:シクロへキサンと下記溶媒との混合溶媒
キシレン、テ トラリン、ジフエエルエーテル、シク口ペンチルメチルエーテル、 酢酸ェチル、 酢酸ィソプロピル、 酢酸 n—プロピル、 酢酸ィソプチルおよぴ酢 酸 n—プチルからなる群から選択される 1種の有機溶媒。
A— 3群: n—へキサンと下記溶媒との混合溶媒
キシレン、 トノレェン、 テ トラリンおょぴシクロペンチノレメチノレエーテノレからな る群から選択される 1種の有機溶媒。
A— 4群:メチルシクロへキサンと下記溶媒との混合溶媒
キシレン、 シク口ペンチノレメチノレエーテノレ、 酢酸ェチル、 酢酸 n—プロピル、 酢酸ィソプチルおよび酢酸 n—プチルからなる群から選択される 1種の有機溶 媒。
A— 5群: n—ペンタンと下記溶媒との混合溶媒
キシレン、 トルエン、 テ トラリン、 酢酸イソプロピル、 酢酸イソプチルおよび 酢酸 n—ブチルからなる群から選択される 1種の有機溶媒。
A— 6群: n—ヘプタンと下記溶媒との混合溶媒
キシレン、 テトラリン、 シクロペンチルメチノレエーテノレ、 酢酸イソプロピノレ、 酢酸 n—プロピル、 酢酸ィソプチルおよび酢酸 n—プチルからなる群から選択 される 1種の有機溶媒。
その他の特定溶媒としては、 例えば、 トルエンとジェチルエーテルとの混合 溶媒 (A— 7群)、 テトラリンとクメンとの混合溶媒 (A— 8群)、 または、 下 記実施例に示すトルエン、 n—へキサンおょぴメチルシクロへキサンからなる 3種混合溶媒 (A— 9群) も挙げられる。
これらの溶媒の使用量は、 使用する溶媒の種類や混合比によって異なるため 一概に規定することは困難である力 化合物 Πを溶解するのに必要な最小量が 好ましい。 また、 水の添加量は、 ジオール体を形成するに必要な量であって、 収率を上げるために化合物 II と当モル〜やや過剰量の範囲から選択するのが 好ましく、化合物 II 1モルに対し約 1モル〜約 1 . 5モル添加するのがより 好ましい。 なお、 水の添加は、 人為的に行わず、 大気中の水分を吸収させるこ とによって行える場合もある。 混合溶媒を用いる場合には、 例えば、 混合溶媒 に化合物 I Iを溶解させて放置してもよいし、 一方の有機溶媒に化合物 IIを溶 解させて放置し、 これに他の有機溶媒を添加して放置してもよい。 かくして析 出した結晶は、 通常、 濾取後、 適当な溶媒で洗浄し、 乾燥される。
また、 A型結晶は下記で得られる B型結晶、 C型結晶または D型結晶を上記 特定溶媒に溶解させ、 同様に晶析させることによって得ることもできる。
B型結晶
化合物 Iの B型 晶は、 実施例または以下に記載した方法によって製造する ことができる。 即ち、 特定溶媒として次の単一溶媒または混合溶媒を用いるほ かは、 前記の A型結晶の場合と同様にして製造することができる。
単一溶媒としては、トルエンまたはクロ口ベンゼンが例示できる(B— 1群)。 混合溶媒としては、 シク口へキサンまたは n—ヘプタンのいずれか 1種の有 機溶媒と、 トルエンとの混合溶媒が例示できる (B— 2群)。
また、 B型結晶は、 上記で得られる A型結晶あるいは下記で得られる C型結 晶または D型結晶を上記特定溶媒に溶解させ、 同様に晶析させることによって 得ることもできる。
C型結晶
化合物 Iの c型結晶は、 実施例または以下に記載した方法によって製造する ことができる。 即ち、 特定溶媒として次の単一溶媒または混合溶媒を用いるほ かは、 前記の A型結晶の場合と同様にして製造することができる。
単一溶媒としては、 ジェチルエーテルが例示できる (C一 1群)。
混合溶媒としては、 ジェチルエーテノレとシクロペンチルメチルエーテルの糸且 み合わせが例示できる (C一 2群)。
また、 C型結晶は、 上記で得られる A型結晶または B型結晶あるいは下記で 得られる D型結晶を上記特定溶媒に溶解させ、 同様に晶析させることによって 得ることもできる。
D型結晶
化合物 Iの D型結晶は、 実施例または以下に記載した方法によって製造する ことができる。 即ち、 特定溶媒として酢酸ェチルと n—ペンタンとの混合溶媒 を用いて、 前記の A型結晶の場合と同様にして製造することができる。
また、 D型結晶は、 上記で得られる A型結晶、 B型結晶または C型結晶を上 記の混合溶媒に溶解させ、 同様に晶析させることによって得ることもできる。 上記各製法によって得られる本発明の結晶は、化合物 IIのトリフルォロメチ ルケトン部分のケトン部分がジオールに変換されている。 このことは、 後記に 示す1 3 C固体核磁気共鳴スぺク トルによって確認されている。 .
本発明の結晶化された化合物は、 エラスターゼ阻害活性を有し、 好中球エラ スターゼが病態発症に関与していると考えられている疾患、 例えば、 慢性閉塞 性肺疾患 (肺気腫および慢性気管支炎を含む)、慢性および急性間質性肺炎、特 発性間質性肺炎(ΠΡ)、 びまん性汎細気管支炎、 嚢胞性肺線維症、 急性肺傷害 (ALI)Z急性呼吸促迫症候群 (ARDS)、気管支拡張症、喘息、膝炎、腎炎、肝炎(肝 不全)、 慢性関節リゥマチ、 関節硬化症、 変形性関節炎、 乾癬、 歯周病、 ァテロ ーム性動脈硬化症、 臓器移植における拒絶反応、 虚血 ·再灌流時の組織傷害、 ショック、敗血症、播種性血管内凝固症(DIC)や深部静脈血栓症等を含む血液凝 固異常、 結膜炎、 角膜炎、 角膜潰瘍、 クローン病、 全身性エリテマトーデスの
予防および Zまたは治療剤として有用であると期待される。
本発明の化合物 Iの結晶は、 好ましくは経口投与される。 その投与量は、 投 与経路、 患者の症状、 体重および年齢などにより大いに変動し得る。 例えば、 経口投与の場合、有効成分の用量は、通常 1日につき体重 6 0 k g当たり約 0 . 5〜約 5 0 0 O m gの範囲内であり、 好ましくは 1日にっき体重 6 0 k g当た り約 5〜約 2 0 0 O m gの範囲内であり、 最も好ましくは 1日につき体重 6 0 k g当たり 1 5〜3 0 O m gの範囲内にある。
本発明の化合物 Iの結晶は、 通常の製剤の形で投与される。 かかる通常の製 剤としては、 錠剤、 カプセル剤、 顆粒剤、 細粒剤、 散剤、 水性もしくは油性の 液剤などが挙げられる。 これらの製剤は、 化合物 Iの結晶を 0 . 0 1重量%以 上、 好ましくは 0 . 1〜7 0重量%の割合で含有することができる。 これらの 製剤はまた、 治療上有効な他の成分を含有していてもよい。
これらの薬学上の製剤は、 通常の薬学的に許容しうる製剤化成分を用い、 通 常の手法にて調合、 製剤され得る。 製剤化成分'としては、 製剤分野において常 用され、 かつ有効成分と反応しない物質が用いられる。
実施例
以下、参考例および実施例を挙げて本発明の新規な結晶について説明するが、 本発明はこれに限定されるものではない。
参考例 1 N— [ ( 5—メチルー 1 _フエ二ルー 1 —ピラゾール一 4 _ィル) カルボ二ル] — Lーバリル— AT— [ ( 1 — 3 , 3 , 3—トリフルオロー 1— ィソプロピル一 2—ォキソープ口ピル〕 一 L—プロリンアミ ド (化合物 II) の 製造
工程 1) N— 「(5—メチル一 1—フエ二ルー 1 i/—ピラソ一ルー 4—ィル) 力 ルポ二ル] — L—バリル一 V— [(1 25) - 3 , 3, 3— トリフルオロー 2—ヒ ドロキシ一 1 _イソプロピルプロピル] 一 L一プロリンアミ ド (化合物 2) の製造
工程 1の出発物質である Lーバリル一 — [(1 S, 2 5) - 3, 3, 3— ト リフルォロ一 2—ヒ ドロキシー 1—イソプロピルプロピル] 一 L一プロリンァ ミ ド 4—メチルベンゼンスルホン酸塩 (化合物 1) は、 WO00_ 5203 2に記載の方法に準じて製造した。
得られた化合物 1 5 6.4 g (0. 1 Omo 1 )および J. Heterocycl. Chem. , 24(6) 1669-1675 (1987)に記載の方法に従って製造した 5—メチル一 1一フエ -ルピラゾールー 4—力ノレボン酸 22. 2 g (0. l lmo l ) を含むピリ ジン溶液(30 Om 1 )に、 1ーェチル一 3—(3—ジメチルァミノプロピル)力 ルポジイミ ド塩酸塩を 24. 0 g (0. 1 3mo 1 ) 加え、 室温にて 4時間攪 拌した。 そののち、 反応液を減圧濃縮した。
残渣に酢酸ェチルを加え、 10%クェン酸水溶液で 3回、 飽和炭酸水素ナト リゥム水溶液で 2回、 次いで飽和食塩水で洗浄した後、 無水硫酸マグネシゥム で乾燥した。溶媒を減圧留去し、標題化合物(化合物 2) 3 7. 6 g (収率 65%) を得た。
AP C I—MS : 5 52 (MH+)
^2) V— (5—メチルー 1一フエ二ルー lJfーピラゾールー 4一ィル) 力 ルポュル] —L—バリルー TV— [(1 S) — 3, 3, 3—トリフルオロー 1ーィ ソプロピル一 2—ォキソープ口ピル] 一 L一プロリンアミ ド (化合物 Π) の製 造
化合物 2 53. 1 g (96. 3 mm o 1 ) を塩化メチレン (440m l ) とジメチルスルホキシド (1 1 0m l ) の混合溶媒に溶解し、 1ーェチルー 3 一 (3—ジメチルァミノプロピル)カルポジイミド塩酸塩 73. 8 g (0. 3 9 mo 1 ) を加え、 氷冷下で懸濁し、 これにジクロロ酢酸 8. 1m l (96. 3 mmo 1 ) を滴下し、 氷冷下で 1 5分間攪拌した。 反応完了後、 反応液に氷水 を加え酢酸ェチルで抽出し、 飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、 氷水、 次いで飽 和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (溶出液:酢酸ェチル一n—へキ サン) で精製した。 目的物を含む画分を減圧濃縮乾固し、 非晶質である標題化 合物 (化合物 II) 46. 3 g (収率 88 %)を得た。
AP C I -MS : 5 50 (MH + )
元素分析: C27H34F3N504 · 0. 5H2Oとして
計算値 C 58. 05 s H 6. 32、 F 10. 20、 N 1 2. 54 実験値 C 57. 84, H 6. 32、 F 10. 1 1、 N 1 2. 38 実施例 1 :化合物 Iの A型結晶の製造
キシレン 3 50m lに化合物 II 88. 5 g (0. 1 6 m o 1 ) を加え、 5 0°Cの湯浴中で溶解させ、 蒸留水 3. 0m l (0. 1 7mo 1 ) を加え室温で 1時間緩やかに攪拌した。 結晶が析出してきたところに、 シクロへキサン 70 0m lを徐々に追加し一晩攪拌した。析出した結晶を濾取し、結晶をキシレン: シクロへキサン = 1 : 2 (100m l ) で洗浄した後、 50°Cで 3日間送風乾 燥して化合物 Iの A型結晶を得た。 収量 8 5.. 7 g (収率 94%)
元素分析: C27H36F3N505として
計算値 C 57. 1 3、 H 6. 39、 F 1 0. 04、 N 1 2. 34 測定値 C 57. 1 8、 H 6. 32、 F 10. 03、 N 1 2. 38 実施例 2 :化合物 Iの A型結晶の製造
トルエン : n—へキサン:メチルシクロへキサン = 2 : 2 : 1の混合溶媒 1 55 m lに化合物 II 1 5. 5 g (28. 2 mm o 1 ) を加え 50。Cの湯浴中 で溶解させた。 容器口を開口したまま室温で 2日間緩やかに攪拌し、 析出した 結晶を濾取した。 得られた結晶を 40°Cで一晩送風乾燥して化合物 Iの A型結 晶を得た。 収量 6. 2 g (収率 3 9%)
元素分析: C27H36F3N505として
計算値 C 57. 1 3、 H 6. 39、 F 10. 04、 N 1 2. 34 測定値 C 57. 25、 H 6. 4 1、 F 10. 00, N 1 2. 29 実施例 3 :化合物 Iの A型結晶の製造
シクロペンチルメチルエーテル 1 0m 1に化合物 II 1. O g (1. 82m mo 1.) を加えて室温で溶解させ、 メチルシクロへキサン 5 m 1 と蒸留水 3 3 μ \ ( 1. 82mmo 1 ) を加え室温でー晚緩やかに攪拌した。 析出した結晶 を濾取し、 45 °Cで 2日間送風乾燥して化合物 Iの A型結晶を得た。 収量 0.
70 g (収率 70 %)
実施例 4 :化合物 Iの B型結晶の製造
トルエン 1 0 Om 1に化合物 II 10. 0 g (18. 2mmo l ) を加えて 室温で溶解させ、 蒸留水 0. 33m l (1 8. 2mmo 1 ) を加え室温でー晚 緩やかに攪拌した。 析出した結晶を濾取し、 45 °Cで 5日間送風乾燥して化合 物 Iの B型結晶を得た。 収量 8. 1 g (収率 78%)
元素分析: C27H36F3N505として
計算ィ直 C 57. 1 3、 H 6. 39、 F 10. 04、 N 1 2. 34 測定値 C 57. 1 1、 H 6. 34、 F 10. 1 9、 N 1 2. 35 実施例 5 :化合物 Iの C型結晶の製造
シク口ペンチルメチルエーテル 4. 5 m 1に実施例 4で得られた化合物 Iの
B型結晶 1. 50 g (2. 64mmo 1 ) を加えてホットプレート上で溶解し た後、 ジェチルエーテル 1 3. 5m 1を加え室温で 3日間緩やかに攪拌した。 析出した結晶を濾取し、得られた結晶をジェチルエーテル 4 m 1で洗浄した後、 50°Cで一晚送風乾燥して、 化合物 Iの C型結晶を得た。 収量 0. 93 g (収 率 62%)
元素分析: C27H36F3N5O5として
計算値 C 57. 13、 H 6. 39、 F 10. 04、 N 1 2. 34 測定値 C 56. 95、 H 6. 36、 F 10. 03、 N 1 2. 25 実施例 6 :化合物 Iの A型結晶の製造
シクロペンチルメチルエーテル 1 6m lに実施例 4で得られた化合物 Iの B 型結晶 4. 00 g (7. 05mmo 1 ) を加えてホットプレート上で溶解した 後、 シクロへキサン 16 m 1を加え室温でー晚緩やかに攪拌した。 析出した結 晶を濾取し、 結晶をシクロペンチルメチルエーテル:シクロへキサン = 1 : 1 (5m l ) で洗浄した後、 50°Cで 2日間送風乾燥して化合物 Iの A型結晶を 得た。 収量 3. 64 g (収率 9 1 %)
実施例 7 :化合物 Iの D型結晶の製造
酢酸ェチル 3.75m lに上記実施例で得られた A型結晶 50 Omg (0. 88 mm o 1 ) を加えてホットプレート上で溶解し、 n—ペンタン 10m lを 加え、 室温で攪拌することなく 3日間放置した。 析出した結晶を濾取し、 得ら れた結晶を n—ペンタン 5m 1で洗浄した後、 減圧下、 40°Cで乾燥して、 化 合物 Iの D型結晶を得た。 収量 3 30 m g (収率 66 %)
元素分析: C27I- I36F3N505として
計算値 C 57. 13、 H 6. 39、 F 10. 04、 N 1 2. 34 測定値 C 57. 01、 H 6. 22、 F 9. 92、 N 1 2. 3 3 実施例 8 :化合物 Iの A型結晶の製造
酢酸イソプロピル 62m 1に化合物 II 20. 7 g (37. 7mmo l ) を 添加し 50°Cのホットプレート上で溶解させ、 蒸留水 0. 75m l (4 1. 4
mm o 1 ) を加えた後、 50°Cでシク口へキサン 62 m 1を徐々に加えた。 室 温で 3日間緩やかに攪拌すると結晶が析出してきたので、 蒸留水を 0. 27m 1追加し、 室温でシクロへキサン 1 24m 1を徐々に追加した後、 ー晚攪拌し た。 析出した結晶を濾取し、 50°Cで一晩送風乾燥して化合物 Iの A型結晶を 得た。 収量 1 7. 4 g (収率 82 %)
元素分析: C27H36F3N5O5として
計算値 C 5 7. 1 3、 H 6. 39、 F 1 0. 04、 N 1 2. 34 測定値 C 5 7. 06、 H 6. 24、 F 9. 8 2、 N 1 2. 34
13 C固体核磁気共鳴スぺクトル
実施例で得られた化合物 Iの A型結晶、 B型結晶、 C型結晶おょぴ D型結晶 を用いて13 C NMR測定を行った。
測定条件は以下のとおりである。
装置:ノ リアン (Va r i a n) 社製 マーキュリープラス (me r c u r y l u s)
磁場: 40 OMH z
固体状態の13 C核磁気共鳴スぺク トルを図 1 (A型結晶)、図 2 (B型結晶)、 図 3 (C型結晶) および図 4 (D型結晶) に示す。
この結果、 A型〜 D型の結晶のいずれも、 トリフルォロメチルケトンのカル ポニル炭素に由来するピーク (通常 1 90 p pm付近) は見られず、 ジオール の 4級炭素に由来するピーク (95 p pm付近) が検出され、 トリフルォロメ チルケトン部分が 2本の水酸基、 即ち、 ケトン体からジオール体に変換されて いることが確認できた。
粉末 X線結晶回折、 熱分析およびラマン分光分析
実施例で得られた化合物 Iの A型結晶、 B型結晶、 C型結晶および D型結晶 について、以下の条件により、粉末 X線回折測定( 2種類)、示差走査熱量計(D SC) および熱重量分析計 (TG) による熱分析、 ならびにラマン分光分析を 行った。 ラマン分光分析を除くそれぞれの結果を A型結晶については図 5〜図
8に、 B型結晶については図 9〜図 1 2に、 C型結晶については図 1 3〜図 1 6に、 D型結晶については図 1 7〜図 20に示す。
尚、 ラマン分光分析は、 化合物 Πについても行い、 図 21に、 ラマンスぺク トルのチャートを、 図 2 2〜図 24に、 図 21のラマンスぺタ トノレのチャート を拡大したもの (各々 3400〜 3 1 60 c m— 3050〜 2840 cm一 \ 1 720〜 1 5 20 cm—1) を示す。 尚、 図 2 1と図 22は各結晶と化合 物 IIのデータを重ねて示し、 図 23と図 24は各結晶のデータを重ねて示す。
(1) 粉末 X線回折
装置:スぺタトリス (S p e c t r i s)社製 X' P e r t A l h a 1 線源: CuKa l線
管電圧: 45 k V
管電流: 4 OmA
検出器 : X' C e l e r a t o r
ステップ: 0. 0 1 67°
各ステップにおける積算時間: 100秒 1ステップ
ソーラースリット : 0. 0 1 r a d i a n
( 2 )高輝度放射光施設 S P r i n g— 8 B L 24 X U Hu t c h B (財 団法人高輝度光科学研究センター (JASR I)) を用いた粉末 X線回折: 装置: BL 24XU Hu t c h Bに設置された小型回折計
測定エネルギー: 10 K e V
測定試料: 1 mm φ ガラスキヤビラリ一に封入
第 1スリ ッ ト : 0. 2 mm
第 2スリ ッ ト : 0. 1 mm
測定間隔: 0. 004° (20)
測定範囲: 3. 2〜24. 1° (20)
スキヤン速度: 2〜 4秒、
(3) 示差走査熱量計 (DSC) による熱分析
装置:パーキンエルマ一 (P e r k i n E l me r) 社製 P y r i s 1 試料量: 3〜 4 m g
試料セル: アルミニウムセル
窒素ガス流量: 20m l /分
昇温温度: 10°C/分
(4) 熱重量分析計 (TG) による熱分析
装置:パーキンエルマ一 (P e r k i n E 1 m e r ) 社製 TGA 7 試料量: 5〜 10 m g
試料セル:プラチナパン
窒素ガス流量: 70m l Z分
昇温温度: 10°C/分
(5) ラマン分光分析
装置: 日本分光社製レーザーラマン分光光度計 NR S— 2 100
A r +レーザ一: 5 14. 5 nm, 100 mW
試料照射系:後方散乱照射
マク口対物レンズ
アパーチャ一: 200 t m
入出射スリット S 1 : 1 00 /xm
中間スリ ッ ト S 3 : 200 m
中間スリット S 5 : 200 m
測定範囲: 400 cm―1〜 4000 c m_1
測定時間: 900秒
積算回数: 3〜6回
試験例 1 : ヒト好中球エラスターゼ (HNE) 誘発肺出血に対する抑制活性 ハムスターにヒ ト好中球エラスターゼを気管支内投与すると肺において出血 が誘発される。 このため、 エラスターゼ投与の一定時間後に経気道的に肺を洗 浄して得られる気管支肺胞洗浄液中にはへモグロビンが検出される。本実験は、
このへモグ口ビン濃度を測定することにより、 本発明の結晶によってこの出血 がどの程度抑制するか試験した。
ハムスター (S y r i a n系、 7〜1 0週齢の雄性) を一群あたり 4〜 1 6 匹に分け、 各群について以下の処理を行った。
(a) 結晶の非投与群 (病態対照群) :
2 5単位のヒ ト好中球エラスターゼ (エラスチンプロダク ト社 (Elastin Product Co., Inc.)) を溶解した生理食塩水 0. 2 m 1をハムスターの気管支 内に投与して肺出血を誘発せしめた。 エラスターゼ投与の 1時間後、 ハムスタ 一を脱血により屠殺し、生理食塩液 2. 5m lで経気道的に肺胞を 2回洗浄し、 その肺胞洗浄液 5 m 1中のヘモグロビン濃度 (414 nmの吸光度 (A414)) を測定した。
(b) 結晶投与群:
化合物 Iの A型結晶、 B型結晶、 C型結晶および D型結晶に、 0. 5%トラ ガント溶液を加えて懸濁させ、 これをハムスターに経口投与した (投与量: 1 OmgZk g 30分後、前記 (a) と同様の方法によりヒ ト好中球ェラスタ ーゼを投与した。 そして、 その 1時間後に (a) と同様にして肺胞洗浄液中の ヘモグロビン濃度を測定した。
その結果、 上記各結晶は、 ヒ ト好中球エラスターゼ (HNE) 誘発肺出血に 対する抑制活性を有していることが確認された。
試験例 2 :平衡吸湿性試験
実験室内の雰囲気中にー晚おいた化合物 Π、化合物 Iの A型結晶、 B型結晶、 C型結晶おょぴ D型結晶各々約 50 m gを、 無機塩の飽和水溶液で調湿したデ シケーター (25°C, 0〜9 3%RH; RHは相対湿度を意味する) に入れ、 ほぼ一定の重量になるまで経時的に測定を行った(最大 1箇月)。 試験結果を図 25に示す。図 25から明らかなように、化合物 IIは相対湿度に応じて重量は 変化し、 高湿度になるほど重量増加が認められたが、 化合物 Iの A型結晶、 B 型結晶、 C型結晶および D型結晶はいずれもほとんど重量変化が認められなか
つた。
試験例 3 :溶解度試験
(1) 水に対する溶解度
化合物 Iの A型結晶、 B型結晶、 C型結晶および D型結晶の各々適量と蒸留 水をミクロテストチューブに入れ、 37 °Cで約 5時間振盪し飽和させた。 振盪 後、メンプランフィルターで濾過し、水に対する溶解度を HP LCで定量した。 その結果、 A型結晶の溶解度は 6 30 μ g/m 1、 B型結晶のそれは 1 850 μ g/m 1 , C型結晶のそれは 1 600 gZm 1、 および D型結晶のそれは 1430 /Z g/m 1 と、 いずれの結晶も水に対して良く溶解した。
(2) 各 pH (2〜9) の緩衝液に対する溶解度
化合物 Iの A型結晶、 B型結晶、 C型結晶および D型結晶の各々適量と各; p Hの 0. 1 mo 1ノ 1 リン酸緩衝液をミクロテストチューブに入れ、 37でで 約 5時間振盪し飽和させた。 振盪後、 メンプランフィルターで濾過し、 それぞ れの溶解度を HP LCで定量した。 試験結果を図 26に示す。 A型結晶、 B型 結晶、 C型結晶および D型結晶は各々 p H 3〜 8の間でほぼ一定に溶解するこ とが判明した。
試験例 4 :固体安定性試験 (化学的安定性)
化合物 II、 化合物 Iの A型結晶、 B型結晶、 C型結晶および D型結晶を、 4 0°Cで保存し、 一定期間経過後の残存量、 幾何異性体量および分解物等の類縁 物質量を HP LCで定量した。 その結果、 40°C、 2箇月保存すると、 化合物 IIには幾何異性体量の増加が認められたが、 A型結晶、 B型結晶、 C型結晶お よぴ D型結晶はいずれも幾何異性体量や類縁物質量の増加は認められなかった。 さらに、 A型結晶は 9箇月経過後であっても幾何異性体量や類縁物質量の増加 は認められなかった。
試験例 5 :固体安定性試験 (物理的安定性)
本発明の A型結晶を、 40°C密栓、 60°C密栓および 60°C— 75 °/。RHで 1 5日間保存し、 性状おょぴ結晶について確認した。 なお、 結晶は、 粉末 X線
回折(スぺタトリス (S p e c t r i s)社製 X' P e r t A l h a 1) により確認した。 その結果、 A型結晶はいずれの条件であっても、 性状に変化 は無く、 A型結晶のままであることが確認された。
産業上の利用可能性
本発明の結晶化された化合物は、 エラスターゼ阻害活性を有することにより 好中球エラスターゼが病態発症に関与していると考えられている疾患の予防お よび Zまたは治療剤の原薬として有用である。 本出願は、 日本で出願された特願 2004— 25 1 71 6および特願 200 5— 1 300 1 5を基礎としており、 それらの内容は本出願にすべて包含され るものである。