WO2006018894A1

WO2006018894A1 - 面取り工具

Info

Publication number: WO2006018894A1
Application number: PCT/JP2004/011989
Authority: WO
Inventors: Osamu Yanagimoto
Original assignee: Osamu Yanagimoto
Priority date: 2004-08-20
Filing date: 2004-08-20
Publication date: 2006-02-23
Also published as: EP1779950A4; EP1779950A1; US7441991B2; US20070122245A1

Abstract

【課題】　　面取り工具（１）の円錐台形状の切削部（３）に、シャンク部（２）側へ切削屑を排出するように傾斜させられている第１刃部（３１）と、シャンク部（２）側とは逆方向へ切削屑を排出するように傾斜させられている第２刃部（３２）とを周方向で間隔をおいて形成する。面取り工具（１）を回転させて、被加工対象物のエッジに対して第１刃部（３１）と第２刃部（３２）を交互に接触させて面取りを行うことにより、エッジにおける２次バリの発生を抑制する。

Description

明細書

面取り工具

技術分野

[0001] 本発明は、被カ卩ェ対象物に設けられた切削穴の周縁部等に発生するバリを除去したり、エッジの面取りをしたりする面取り工具に関する。

背景技術

[0002] アルミ铸造品等の被加工対象物に機械加工で丸穴を設ける場合、その丸穴の周縁部にはエッジが形成され、エッジ回りにはバリが発生する。従来、このようなバリを除去したり、エッジを面取りしたりするために、図 8に示されるような面取り工具 10が使用される。面取り工具 10は、回転工具であって、回転チャックに固定されるシャンク部 11と、シャンク部 11の先端 11 a側に一体的に設けられる円錐台形状の切削部 12 とで構成される。切削部 12は、その外周面 12aに回転方向（図中の矢印方向）に向けられた刃部 121を備えている。刃部 121は、接触させられる被加工対象物 Wのエツジ Eに発生したバリを除去したり、エッジ Eを面取りしたりすることができる。

特許文献 1 :日本国特許出願公開平成 11 - 104916号公報

[0003] 刃部 121のすくい面 121aには、バリ取り加工や面取り加工により発生する切削屑を刃部 121から外部に排出させるように、回転方向に対して傾斜角が付けられている。切削屑は、すくい面 121aの傾斜角により、シャンク部 11側（図 8における上方側）、あるいはシャンク部 11側とは逆方向側（図 8における下方側）に排出されることとなる。すなわち、すくい面 121aがシャンク部 11側を向くように傾斜させられている場合には、図 8 (a)に示されるように、切削屑がシャンク部 11側に排出され、すくい面 121a がシャンク部 11側とは逆方向側に向くように傾斜させられている場合には、図 8 (b) に示されるように、切削屑がシャンク部 11側とは逆方向側に排出させられる。

[0004] ところで、刃部 121の外部に排出された切削屑は、被加工対象物 Wから完全に分離されるとは限らず、図 8 (a)及び (b)に示されるように、 2次バリ Bl , B2として残存すること力 Sある。このような 2次バリ Bl , B2は、製品の品質や安全性を低下させるため、完全に除去されるべきである。し力しながら、 2次バリの除去作業を面取り工具 10で行う場合には、面取り工具 10のエッジ Eに対する位置移動及び角度変更をさせる必要があるため、加工設備の複雑化を招く。また、別の面取り工具を使用する場合には、別の加工設備が必要となり、設備スペースの増大を招く。

発明の開示

[0005] 本発明は、斯かる実情に鑑み、切削屑を被加工対象物に残存させることがない面取り工具を提供するものである。

[0006] 請求項 1の発明は、外形面が平面又は曲面で形成される切削部を有してなり、前記切削部が、被カ卩ェ対象物のエッジに対して、前記エッジの延びる方向に相対的に摺動させられることにより、前記エッジの面取りを行う面取り工具であって、前記外形面には、前記切削部の摺動方向に間隔をおいて、前記エッジの一側方に切削屑を排出するように傾斜させられている第 1刃部と、前記一側方とは異なる他側方に切削屑を排出するように傾斜させられている第 2刃部とが形成されていることを特徴とする面取り工具を提供する。

[0007] 請求項 2の発明は、外形面が平面又は曲面で形成される切削部を有してなり、前記切削部が、被カ卩ェ対象物のエッジに対して、前記エッジの延びる方向に相対的に摺動させられることにより、前記エッジの面取りを行う面取り工具であって、前記外形面には、前記切削部の摺動方向に間隔をおいて、前記エッジの一側方に向かうように傾斜させられる第 1すくい面を備える第 1刃部と、前記一側方とは異なる他側方に向力、うように傾斜させられる第 2すくい面を備える第 2刃部とが形成されていることを特徴とする面取り工具を提供する。

[0008] 請求項 1又は 2に記載される面取り工具によれば、以下のような優れた効果を奏し得る。前記第 1刃部又は前記第 2刃部のいずれか一方の刃部で切削されて、各刃部力外部に排出された切削屑は、エッジの一側方で 2次バリとなる。この 2次バリは、他方の刃部が通過する際にスプリングバックして、他方の刃部に当接して逆方向にせん断され、被加工対象物から完全に分離除去される。したがって、 2次バリを残存させることなく、エッジの面取りあるいはバリ取りをすることができる。

[0009] また、前記第 1刃部と前期第 2刃部は、同じ外形面で切削方向となる摺動方向に間隔をおいて設けられているので、相互に干渉し合うことがなレ、。したがって、本面取り工具は容易に製作することができる。

[0010] 請求項 3の発明は、回転チャックに取り付けられるシャンク部と、該シャンク部の先端側に設けられ外周面が円筒回転面又は円錐回転面で形成される切削部と、を有してなり、前記切削部が被加工対象物のエッジに接触させられることにより、前記エツジの面取りを行う面取り工具であって、前記外周面には、その周方向に間隔をおいて、前記シャンク部側に切削屑を排出するように傾斜させられている第 1刃部と、前記シヤンク部側とは逆方向側に切削屑を排出するように傾斜させられている第 2刃部とが形成されていることを特徴とする面取り工具を提供する。

[0011] 請求項 4の発明は、回転チャックに取り付けられるシャンク部と、該シャンク部の先端側に設けられ外周面が円筒回転面又は円錐回転面で形成される切削部と、を有してなり、前記切削部が被加工対象物のエッジに接触させられることにより、前記エツジの面取りを行う面取り工具であって、前記外周面には、その周方向に間隔をおいて、前記シャンク部側を向くように傾斜させられる第 1すくい面を備える第 1刃部と、前記シャンク部側とは逆方向側に向くように傾斜させられる第 2すくい面を備える第 2刃部とが形成されていることを特徴とする面取り工具を提供する。

[0012] 請求項 3又は 4に記載される面取り工具によれば、以下のような優れた効果を奏し得る。前記第 1刃部又は前記第 2刃部のいずれか一方の刃部で切削されて、シャンク部側又はその逆方向側に排出された切削屑は、被加工対象物から分離されずに 2 次バリとなる。この 2次バリは、他方の刃部が通過する際にスプリングバックして、他方の刃部に当接することにより、先程とは逆方向にせん断されて、被加工対象物から完全に分離除去されるものである。したがって、 2次バリを残存させることなぐエッジの面取りあるいはバリ取りをすることができる。

[0013] また、前記第 1刃部と前記第 2刃部は、同じ外周面で周方向に間隔をおいて形成されているので、相互に干渉し合うことがなレ、。したがって、本面取り工具は容易に製作すること力 Sできる。

[0014] 請求項 5の発明は、前記第 1刃部と前記第 2刃部は、前記外周面の周方向において交互に形成されていることを特徴とする請求項 3又は 4に記載の面取り工具を提供する。 [0015] 請求項 5に記載される面取り工具によれば、請求項 3又は 4に記載される面取りェ具で得られる効果に加えて、以下のような優れた効果を奏しうる。第 1刃部と第 2刃部は、外周面の周方向において、交互に形成されているので、第 1刃部又は第 2刃部で発生した 2次バリが大きく成長する前に、他の刃部で分離除去され、 2次バリを除去するための加工抵抗を小さく抑えることができ、面取り工具の寿命が長く維持されるものである。

[0016] 請求項 6の発明は、前記第 1刃部と前記第 2刃部は、前記切削部の回転中心軸を中心として点対称的に形成されていることを特徴とする請求項 3又は 4に記載の面取り工具を提供する。

[0017] 請求項 6に記載される面取り工具によれば、請求項 3又は 4に記載される面取りェ具で得られる作用に加えて、以下のような作用が得られる。前記第 1刃部と前記第 2 刃部は、前記切削部の回転中心軸を中心として点対称的に形成されているので、面取り工具を回転させたときのバランスが良好で回転振れが生じにくぐその結果、面取り工具の寿命が長く維持されるものである。

図面の簡単な説明

[0018] [図 1]本発明の実施の形態に係る面取り工具を示す図であって、（a)は平面図、（b) は正面図。

[図 2]本発明の実施の形態に係る面取り工具を示す背面図。

[図 3]本発明の実施の形態に係る面取り工具の作用を説明する図。

[図 4]他の実施の形態に係る面取り工具を示す図であって、（a)は平面図、（b)は正面図。

[図 5]更に異なる実施形態に係る面取り工具を示す図であって、（a)は平面図、（b) は正面図、（c)は使用状態を示す図。

[図 6]更に異なる実施の形態に係る面取り工具を示す図であって、（a)は正面図、（b )及び (c)は使用状態を示す図。

[図 7]更に異なる実施の形態に係る面取り工具を示す図であって、（a)は底面図、（b

)は（a)の A— A断面図。

[図 8]従来の面取り工具を示す図。発明を実施するための最良の形態

[0019] 本発明をより詳細に説述するために、添付の図面に従ってこれを説明する。

[0020] 図 1一図 3は発明を実施する形態の一例であって、図 1 (a)は本実施形態に係る面取り工具 1の平面図を示し、図 1 (b)は正面図を示す。図 2は背面図を示し、図 3は面取り工具 1の作用を説明する図である。

[0021] 面取り工具 1は、図 1に示されるように、棒形状のシャンク部 2と、シャンク部 2の先端 2a側に一体的に設けられる切削部 3とを有してなる。面取り工具 1は、シャンク部 2の後端側が回転チャック（不図示）に取り付けられる回転工具であって、回転する切削部 3に接触させられる被加工対象物のエッジ等を面取りする。切削部 3は、円錐台形状に形成されており、その外周面 3a (円錐回転面）には、周方向に間隔をおいて、第 1刃部 31と第 2刃部 32が形成されている。

[0022] 第 1刃部 31は、切削部 3の素材を外周面 3aから回転中心軸に向けてカットすることにより形成される第 1すくい面 31aと、第 1すくい面 31aと外周面 3aとの交差線上に形成される第 1切れ刃 31bとで形成される。第 1すくい面 31aは、図 1 (b)に示されるように、シャンク部 2側（図 1 (b)中の上方側）を向くように傾斜角 θ 1をもって傾斜させられている。なお、第 1すくい面 31aは、シャンク部 2側から見て時計回りの方向へ向かうように形成されている。

[0023] 第 2刃部 32は、切削部 3の回転中心軸を中心として、第 1刃部 31と略点対称となる位置に設けられている。第二刃部 32は、切削部 3の素材を外周面 3aから回転中心軸に向けてカットすることにより形成される第 2すくい面 32aと、第 2すくい面 32aと外周面 3aとの交差線上に形成される第 2切れ刃 32bとで形成される。第 2すくい面 32a は、図 2に示されるように、シャンク部 2側とは逆方向側（図 2中の下方側）を向くように傾斜角 Θ 2をもって傾斜させられている。なお、第 2すくい面 32aは、第 1すくい面 31 aと同様に、シャンク部 2側から見て時計回りの方向へ向力ように形成されている。

[0024] 面取り工具 1で被加工対象物 Wのエッジ Eの面取りを行う場合、面取り工具 1をシャンク部 2側から見て時計回りの方向に回転チャックで回転駆動させるとともに、図 1 (b )、図 2及び図 3に示されるように、切削部 3をその回転方向とエッジ Eが平行となるようにエッジ Eに接触させる。図 3 (a)に示されるように、エッジ Eに対して第 1刃部 31が回転半径方向に所定の切込み量をもって接触させられると、切削屑 Dが発生する。この切削屑 Dには、シャンク部 2側（図中の上方側）を向くように傾斜させられた第 1すくい面 31aによって、エッジ Eの上方側へ向かう力の成分が作用するため、矢印 aで示されるようにシャンク部 2側に向かって移動する。しかし、第 1すくい面 31aが接触するエリアから上方側に排出された切削屑 Dには、第 1すくい面 31aによる押し上げ力が作用しない。したがって、シャンク部 2側に排出された切削屑 Dは、被加工対象物 W から分離されずに、エッジ Eの上方側に 2次バリ B1として残存する。

[0025] 第 1刃部 31がエッジ Eを通過した後、 2次バリ B1は、図 3 (b)に示されるように、切削部 3の外周面 3aに押し退けられたような状態で外周面 3aに対して摺動させられる。しかし、外周面 3aは、 2次バリ B1を被カ卩ェ対象物 Wから分離させることができないため、そのままエッジ Eの上方側に残存することとなる。

[0026] 切削部 3がさらに回転して第 2刃部 32がエッジ Eを通過する際には、 2次バリに対して、外周面 3aによる押し退け力が作用しなくなる。 2次バリ B1は、図 3 (c)において矢印 bで示されるように、自らの弾性でスプリングバックして、第 2すくい面 32aに当接させられる位置に移動する。ここで、第 2すくい面 32aが、第 1すくい面 31aと同様に、シヤンク部 2側に向くように傾斜させられているならば、 2次バリ B1は、再びエッジ Eの上方側に押し上げられるだけで、被加工対象物 Wから分離されることはない。

[0027] し力ながら、第 2すくい面 32aは、第 1すくい面 31aと逆に、シャンク部 2側とは逆方向側に向くように傾斜させられている。したがって、 2次ノくリ B1は、第 2すくい面 32 aでエッジ Eの下方側に押し下げられた状態でせん断されて、図 3 (c)において一点鎖線で示されるように、被加工対象物 Wから分離除去される。なお、上述した場合とは逆に、第 2刃部 32がエッジ Eを切削することによりエッジ Eの下方側に 2次バリが残存した場合、その 2次バリは、第 1すくい面 31aでエッジ Eの上方側に押し下げられた状態でせん断されて、被カ卩ェ対象物 Wから分離除去される。

[0028] 面取り工具 1により面取りする場合には、第 1刃部 31と第 2刃部 32が交互にエッジ E に接触させられるので、第 1刃部 31により発生した 2次バリは、その後に通過する第 2 刃部 32により分離除去され、第 2刃部 32により発生した 2次バリは、その後に通過する第 1刃部 31により分離除去される。その結果、第 1刃部 31又は第 2刃部 32のいずれか一方により発生させられた 2次バリは、さらに大きく成長することなく分離除去される。したがって、面取り工具 1に加わる加工抵抗が小さく抑えられ、工具寿命が長く維持される。

[0029] 第 1刃部 31の第 1切れ刃 31bと、第 2刃部 32の第 2切れ刃 32bはともに同一の円錐回転面上に形成されるため、切込み量を一定に保つようにすれば、最終的に、被カロェ対象物 Wに発生した 2次バリは完全に除去される。したがって、面取り工具 1を高速回転させながら、エッジ Eにおける同一部位を第 1刃部 31及び第 2刃部 32が少なくとも 1回ずつ通過する程度の低速で、かつ、切込み量を一定に保ちつつ移動させれば、被加工対象物 Wに 2次バリを残存させないように面取りすることができる。

[0030] また、第 1刃部 31と第 2刃部 32は、切削部 3の回転中心軸を中心として、略点対称となる位置に形成されているため、面取り工具 1を回転させたときのバランスが良好で回転振れが生じにくぐその結果、加工精度が向上するとともに工具寿命が長く維持される。

[0031] さらに、第 1刃部 31と第 2刃部 32は、切削部 3の周方向に間隔をおいて設けられているので、相互に干渉し合うことなく形成される。したがって、円錐台形状に形成される切削部 3の素材に対して、第 1刃部 31と第 2刃部 32、すなわち 2種類の刃部をそれぞれ容易に形成することができる。これにより、面取り工具 1が容易に製作できるので、例えば、第 1刃部 31が設けられる部分と第 2刃部 32が設けられる部分とを別個に形成して、後にこれらを接合させるような製作方法を採用しなくて済む。その結果、製作コスト上昇や工具強度低下のおそれがなレ、。

[0032] なお、第 1刃部 31と第 2刃部 32は、同じ回転面上に設けられているので、切削部 3 の回転軸方向の全長を小さくすることができる。したがって、加工抵抗による面取りェ具の回転振れが抑えられて、安定的な加工が保証される。

[0033] 上記実施形態に係る面取り工具 1は、円錐台形状の切削部 3の小径端部がシャンク部 2に連結されていたが、図 4に示されるように、円錐台形状の切削部 6の大径端部をシャンク部 5の先端 5aに連結させた面取り工具 4を採用することもできる。切削部 6には、シャンク部 5側（図 4 (b)中の上方側）に向くように傾斜させられるすくい面 61a を備える第 1刃部 61と、シャンク部 5側と逆方向側（図 4 (b)中の下方側）に向くように傾斜させられるすくい面 62aを備える第 2刃部 62とが形成されている。

[0034] 第 1刃部 61の切れ刃 61bは、第 1すくい面 61aと切削部 6の外周面 6aの交差線上に形成され、第 2刃部の切れ刃 62bは、第 2すくい面 62aと外周面 6aの交差線上に形成される。面取り工具 1は、シャンク部 2側から見て隠れるエッジを面取りするものであるが、面取り工具 4は、シャンク部 5側から見て対向するように形成されるエッジを面取りするものである。

[0035] 上記実施形態に係る面取り工具 1は、円錐台形状の切削部 3を備えるものであるが、図 5に示されるように、シャンク部 8に円筒形状の切削部 9を一体的に設けることもできる。切削部 9は、円筒形状に形成される素材に対して、シャンク部 8側に向くように傾斜させられるすくい面 91aを備える第 1刃部 91と、シャンク部 8側と逆方向に向くように傾斜させられるすくい面 92aを備える第 1刃部 92とが形成されている。

[0036] 第 1刃部 91の切れ刃 91bは、第 1すくい面 91aと切削部 9の外周面 9aの交差線上に形成され、第 2刃部の切れ刃 92bは、第 2すくい面 92aと外周面 9aの交差線上に形成される。面取り工具 7は、図 5 (c)に示されるように、面取り工具 7の回転半径方向に対して突出するエッジ Eの面取りに適する。

[0037] 上記実施形態に係る面取り工具 1は、一の円錐台形状からなる切削部 3を備えるものであるが、図 6 (a)に示されるように、第 1刃部 301と第 2刃部 302を備える切削部 3 0と、第 1刃部 401と第 2刃部 402を備える切削部 40とを、回転軸方向に連結させた面取り工具 20とすることもできる。面取り工具 20によれば、図 6 (b)及び図 6 (c)に示されるように、被加工対象物 Wに形成される貫通穴等に形成される 2つのエッジ E1 及び E2について、工具を交換したり、工具の向きを変えたりすることなく面取り加工すること力 Sできる。

[0038] なお、図に示されるように、切削部 30の第 1刃部 301と切削部 40の第 1刃部 401とを連続的に形成し、あるいは、切削部 30の第 2刃部 302と切削部 40の第 2刃部 402 とを連続的に形成するようにすれば、工具の製作を容易にすることができる。

[0039] 上記実施形態に係る面取り工具 1は、回転チャックに固定されるシャンク部 2を介して、円錐台形状の切削部 3を回転させるようにしていたが、これに限らず、切削部を被カ卩ェ対象物のエッジが延びる方向に振動させることにより面取り加工を行わせることもできる。例えば、図 7に示されるように、平面状の外形面 60aを有する切削部 60を形成し、その外形面 60aの摺動方向（図中の矢印方向）に間隔をおいて、第 1刃部 6 01 ,第 2刃部 602を形成した面取り工具 50を形成することができる。

[0040] 第 1刃部 601は、そのすくい面 601aを面取り加工するエッジの一側方側に傾斜させるように形成される。また、第 2刃部 602は、そのすくい面 602aをエッジの他側方側に傾斜させるように形成される。第 1刃部 601と第 2刃部 602は、外形面 60aにおいて摺動方向に間隔をおいて形成されるので、相互に干渉し合うことがなレ、。したがつて、工具製作が容易で、製作コストの上昇や工具強度低下のおそれがない。

[0041] 上記実施形態では、エッジの面取りについて説明したが、本発明に係る面取り工具は、面取りに限らず、エッジ等に発生するバリの除去に適用することもできる。また、上記実施形態では、切削部の外周面の周方向に、第 1刃部と第 2刃部を点対称となる 2箇所に設けたが、さらに多い箇所に設けることもできる。例えば、外周面の周方向において点対称となる 4箇所に、第 1刃部と第 2刃部を 2箇所ずつ交互に設けるようにしても良い。

[0042] その他、本発明の面取り工具は、上記した実施の形態に限定されるものではなぐ本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更をカ卩ぇ得ることは勿論である。

Claims

請求の範囲

[1] 外形面が平面又は曲面で形成される切削部を有してなり、

前記切削部が、被加工対象物のエッジに対して、前記エッジの延びる方向に相対的に摺動させられることにより、前記エッジの面取りを行う面取り工具であって、前記外形面には、前記切削部の摺動方向に間隔をおいて、前記エッジの一側方に切削屑を排出するように傾斜させられている第 1刃部と、前記一側方とは異なる他側方に切削屑を排出するように傾斜させられている第 2刃部とが形成されていることを特徴とする面取り工具。

[2] 外形面が平面又は曲面で形成される切削部を有してなり、

前記切削部が、被加工対象物のエッジに対して、前記エッジの延びる方向に相対的に摺動させられることにより、前記エッジの面取りを行う面取り工具であって、前記外形面には、前記切削部の摺動方向に間隔をおいて、前記エッジの一側方に向力うように傾斜させられる第 1すくい面を備える第 1刃部と、前記一側方とは異なる他側方に向力うように傾斜させられる第 2すくい面を備える第 2刃部とが形成されていることを特徴とする面取り工具。

[3] 回転チャックに取り付けられるシャンク部と、該シャンク部の先端側に設けられ外周面が円筒回転面又は円錐回転面で形成される切削部と、を有してなり、

前記切削部が被加工対象物のエッジに接触させられることにより、前記エッジの面取りを行う面取り工具であって、

前記外周面には、その周方向に間隔をおいて、前記シャンク部側に切削屑を排出するように傾斜させられている第 1刃部と、前記シャンク部側とは逆方向側に切削屑を排出するように傾斜させられている第 2刃部とが形成されていることを特徴とする面取り工具。

[4] 回転チャックに取り付けられるシャンク部と、該シャンク部の先端側に設けられ外周面が円筒回転面又は円錐回転面で形成される切削部と、を有してなり、

前記外周面には、その周方向に間隔をおいて、前記シャンク部側を向くように傾斜させられる第 1すくい面を備える第 1刃部と、前記シャンク部側とは逆方向側に向くように傾斜させられる第 2すくい面を備える第 2刃部とが形成されていることを特徴とする面取り工具。

[5] 前記第 1刃部と前記第 2刃部は、前記外周面の周方向において交互に形成されていることを特徴とする請求項 3又は 4に記載の面取り工具。

[6] 前記第 1刃部と前記第 2刃部は、前記切削部の回転中心軸を中心として点対称的に形成されていることを特徴とする請求項 3又は 4に記載の面取り工具。