WO2006016612A1

WO2006016612A1 - 患者保護シート

Info

Publication number: WO2006016612A1
Application number: PCT/JP2005/014670
Authority: WO
Inventors: Kazufumi Takamizawa; Takefumi Yokoi
Original assignee: Olympus Corporation
Priority date: 2004-08-10
Filing date: 2005-08-10
Publication date: 2006-02-16
Also published as: JP2006051091A

Abstract

　内視鏡を用いた検査および処置時に患者Ｈに装着する患者保護シート（１）は、患者用ベッド（２）上に横たわる患者（Ｈ）の上体部分を覆う保護シート本体（４）を有し、保護シート本体（４）は、患者用ベッド（２）上に横たわる患者（Ｈ）の口（Ｈ２）から漏れる湿性生体物質を吸着する第１の汚れ吸着部（８）と、検査行為による術者の操作にともなって前記患者の周囲に飛散する湿性生体物質の汚れ等を吸着する第２の汚れ吸着部（９）とを有する。

Description

患者保護シート

技術分野

[0001] 本発明は、例えば内視鏡検査などの医療検査や処置等を行う際に、検査室等でベッド上の患者に装着する患者保護シートに関する。

背景技術

[0002] 従来から医療用の内視鏡を使用した内視鏡検査および処置が広く行われている。

例えば、消ィヒ器内視鏡を用いた検査および処置時には検査室内のベッド上の患者は横向き (左側臥位)の体位の姿勢で寝力されるのが一般的である（田村君英、藤田力也、「ナースのための消ィ匕器内視鏡マニュアル」、初版、学習研究社、 2003年 8月 30曰、 P104、 P121、 P134 (非特許文献 1)の P104、図 IV— 1—2参照）。このとき、患者の頭部は枕の上に載せられ、口にはマウスピースが挿入された体勢で待機される。そして、マウスピース内を通して消ィヒ器内視鏡の細長い挿入部が患者の口腔内に挿入され、さらに消ィ匕器系の管腔内に導かれる。

[0003] このような内視鏡を用いた検査および処置時には、患者の口からは「唾液」などの湿性生体物質が漏れることが普通である。そこで、従来から患者の口元には口から漏れる「唾液」を受ける膿盆などの容器を配置したり、患者の頭部の下に力パーシート（非特許文献 1の P134、図 V— 1—2参照）などを敷いて「唾液」による患者の着衣およびベッドの汚れを防ぐようにして、る。

[0004] また、消ィ匕器内視鏡の操作時には消ィ匕器内視鏡の処置具揷通チャンネルを通して体内に鉗子などの処置具が挿入されて各種の処置が行われる。このとき、処置具の操作や、処置具の出し入れなどの操作にともない例えば血液や、体液、薬剤などの飛沫が周囲に飛散する可能性がある。そこで、従来は消ィ匕器内視鏡の操作中、べッド上に横たわる患者の上体にバスタオルなどの保護シートを掛けることが行われている。これにより、内視鏡検査中の処置具の操作などの検査行為による汚染など力患者の着衣およびベッドを保護するようにして、る。

発明の開示 [0005] 従来の内視鏡を用いた検査および処置時には予め、患者の口元にロカ漏れる「唾液」を受ける膿盆などの容器を配置したり、患者の頭部の下にカバーシートをセットしたり、ベッド上に横たわる患者の上体にバスタオルなどの保護シートを掛けるなどの準備作業が必要になる。これらの道具は再利用することが普通であるので、使用済みの道具を使用後に滅菌消毒したり、清潔な環境で管理したりする作業が必要になる。そのため、膿盆や、カバーシートなどの道具を準備したり、清潔に管理する手間力 Sかかる問題がある。

[0006] また、従来の内視鏡を用いた検査および処置時に使用されている膿盆や、カバーシートなどの道具は、内視鏡検査専用の道具ではなぐ必要に応じて適宜の医療器具との組み合わせで選択的に使用されているのが実情である。

[0007] 本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、内視鏡を用いた検査および処置時の準備や手間を省くことができ、内視鏡を用いた検査および処置時に患者の口から漏れる唾液や、内視鏡検査中の処置具の操作などの検査行為による汚染など力患者の着衣およびベッドを簡単に保護することができる患者保護シートを提供することにある。

[0008] 本発明の第 1の局面のおける患者保護シートは、患者の上体部分を覆う保護シート本体と、前記保護シート本体に設けられ、前記患者の口から漏れる湿性生体物質を吸着する第 1の汚れ吸着部と、前記保護シート本体に設けられ、術者の操作にともなつて前記患者の周囲に飛散する湿性生体物質を吸着する第 2の汚れ吸着部とを有する。

[0009] この場合には、内視鏡を用いた検査および処置時に患者に装着した際に、保護シート本体は、患者用ベッド上に横たわる患者の上体部分を覆う状態にセットされる。このとき、保護シート本体の第 1の汚れ吸着部によって患者用ベッド上に横たわる患者の口から漏れる湿性生体物質を吸着し、術者による内視鏡操作にともなって飛散する湿性生体物質による汚れ等を第 2の汚れ吸着部によって吸着するようにしたものである。なお、本明細書中で、「湿性生体物質」は、例えば血液、体液、分泌物、排泄物、汚染物などの他、余分な薬剤なども含む。

[0010] 本発明の第 2の局面のおける患者保護シートは、内視鏡を用いた検査および処置に用いる患者保護シートであって、前記患者保護シートは、患者用ベッド上に横たわる患者の上体部分の一部を覆う保護シート本体と、前記保護シート本体に設けられ、前記患者のロカ漏れる湿性生体物質を吸着する第 1の汚れ吸着部と、前記保護シート本体に設けられ、術者による内視鏡操作にともなって前記患者の周囲に飛散する湿性生体物質を吸着する第 2の汚れ吸着部とを有する。

[0011] この場合には、内視鏡を用いた検査および処置時に患者に装着した際に、保護シート本体は、患者用ベッド上に横たわる患者の上体部分を覆う状態にセットされる。このとき、保護シート本体の第 1の汚れ吸着部によって患者用ベッド上に横たわる患者の口から漏れる湿性生体物質を吸着し、術者による内視鏡操作にともなって前記患者の周囲に飛散する湿性生体物質による汚れ等を第 2の汚れ吸着部によって吸着するようにしたものである。

[0012] また、前記第 1の汚れ吸着部および前記第 2の汚れ吸着部は、吸水性を有する素材によって形成された吸水部を有してもょヽ。

[0013] この場合は、内視鏡を用いた検査および処置時には第 1の汚れ吸着部および第 2 の汚れ吸着部の吸水部によって患者の口から漏れる唾液などの湿性生体物質や、検査行為による術者の操作にともなって前記患者の周囲に飛散する湿性生体物質による汚れ等を効率よく吸着することができる。

[0014] また、前記保護シート本体は、患者の首が通る首通し用の開口部を有し、前記開口部に患者の首部を通した状態で、前記開口部の周縁部位を患者の首部に巻き付けて固定する固定部を有してもよい。

[0015] この場合は、保護シート本体の首通し用の開口部に患者の首部を通した状態で、開口部の周縁部位を患者の首部に巻き付けて固定部によって固定することができる

[0016] また、前記保護シート本体は、前記保護シート本体の長手方向に沿って中心位置に配置された中心線よりも一端側に片寄った位置に前記開口部が配置され、前記開口部が片寄っている前記保護シート本体の一端側に前記第 1の汚れ吸着部、前記保護シート本体の他端側に前記第 2の汚れ吸着部がそれぞれ配置されていてもよい [0017] この場合は、保護シート本体の首通し用の開口部に患者の首部を通した際に、開口部が片寄って比較的狭い面積の前記保護シート本体の一端側の第 1の汚れ吸着部によって患者のロカ漏れる唾液等を吸着し、検査行為による術者の操作にともなって前記患者の周囲に飛散する汚れ等を第 1の汚れ吸着部よりも広い面積の第 2 の汚れ吸着部によって吸着することができる。

[0018] また、前記保護シート本体は、前記開口部の周縁部位の複数箇所に前記開口部の大きさを調整する切り込み部が形成されて、てもよ、。

[0019] この場合は、前記開口部の部分に患者の首を通す際に、患者の頭部の大きさに合わせて開口部の大きさを調整できる。

[0020] また、前記保護シート本体は、前記開口部カも延出させた切断可能なミシン目部分を有し、前記ミシン目の切断時に帯状の首固定ベルトが形成されてもよい。

[0021] この場合は、前記ミシン目を切断した場合には、前記開口部の一部が切断され、前記開口部に患者の頭部を通す際に、患者の頭部の大きさに合わせて前記開口部の大きさを調整できる。

[0022] また、前記保護シート本体は、前記開口部の周縁部分に伸縮可能な伸縮部を有してもよい。

[0023] この場合は、前記開口部に患者の頭部を通す際に、患者の頭部の大きさに合わせて前記伸縮部を自由に伸縮させて前記開口部の大きさを調整できる。さらに、前記開口部に患者の頭部を通したのち、この前記伸縮部の収縮作用によって前記保護シート本体の首通し用の前記開口部の周縁部位を患者の首部に確実に固定することがでさる。

[0024] また、前記保護シート本体は、前記保護シート本体の表面の一部に前記保護シート本体の表面側と、裏面側とを識別する面識別部を有してもょ、。

[0025] この場合は、使用者が保護シート本体の表面の面識別部を目視することにより、シートの表面側と、裏面側とを簡単に識別することができる。そのため、使用時にシートの表面側と、裏面側とを確認する作業を簡単に行うことができ、使い勝手が向上する

[0026] また、前記保護シート本体は、前記第 1の汚れ吸着部に患者の口から漏れる前記湿性生体物質の流出範囲に沿ってほぼ扇形の形状の吸水部を設け、前記第 2の汚れ吸着部は、吸水素材力もなる複数の吸水部を有してもよい。

図面の簡単な説明

[0027] [図 1]図 1は、本発明の第 1の実施の形態の患者保護シートの着用状態を示す斜視図である。

[図 2]図 2は、第 1の実施の形態の患者保護シートの平面図である。

[図 3]図 3は、本発明の第 2の実施の形態の患者保護シートの平面図である。

[図 4]図 4は、本発明の第 3の実施の形態の患者保護シートの平面図である。

[図 5]図 5は、本発明の第 4の実施の形態の患者保護シートの平面図である。

[図 6]図 6は、本発明の第 5の実施の形態の患者保護シートの平面図である。

[図 7]図 7は、本発明の第 6の実施の形態の患者保護シートの平面図である。

[図 8]図 8は、本発明の第 7の実施の形態の患者保護シートの平面図である。

[図 9]図 9は、本発明の第 8の実施の形態の患者保護シートの平面図である。

発明を実施するための最良の形態

[0028] 以下、本発明の第 1の実施の形態を図 1および図 2を参照して説明する。図 1は、内視鏡を用いた検査および処置時に患者 Hが着用する本実施の形態の患者保護シート 1の着用状態を示す。図 2は、本実施の形態の患者保護シート 1の平面図を示す。図 1中で、参照符号 2は消ィ匕器内視鏡による内視鏡検査室内のベッド、 3は患者 Hの頭部 HIを載せる枕である。内視鏡を用いた検査および処置時には、ベッド 2上の患者 Hは横向き (左側臥位)の体位の姿勢で寝力され、枕 3の上に患者 Hの頭部 HIを載せた状態で待機される。

[0029] 本実施の形態の患者保護シート 1は、ほぼ長方形状の保護シート本体 4を有する。

保護シート本体 4は、患者用ベッド 2上に横たわる患者 Hの上体部分を覆うために使用される。この保護シート本体 4の主な素材は、吸水性に優れた不織布である。さらに、保護シート本体 4は、図 2に示すように長手方向に沿って中心位置に配置された中心線 L (同図中に一転鎖線で示す)よりも一端側に片寄った位置に患者 Hの首が通る首通し用の開口部 5を有する。この開口部 5は円形穴によって形成されている。

[0030] さらに、保護シート本体 4には、保護シート本体 4の一側部と開口部 5との間を結ぶ直線状の切込み部 6が形成されている。この切込み部 6の両側には、例えば、面ファスナー（マジックテープ (登録商標） )や、ホックなどの係合部材 7が配設されて、る。この場合、例えば切込み部 6の片側の端縁部には、保護シート本体 4の表面側に係合部材 7が取り付けられている。切込み部 6の反対側の端縁部には、保護シート本体 4の裏面側に係合部材 7が取り付けられている。

[0031] また、保護シート本体 4は、第 1の汚れ吸着部 8と、第 2の汚れ吸着部 9とを有する。

第 1の汚れ吸着部 8は、保護シート本体 4の一端側 (長手方向に沿って中心位置に配置された中心線 Lよりも開口部 5が片寄って、る方)で、長手方向に対し開口部 5を境として面積が狭い方に配置されている。この第 1の汚れ吸着部 8は、患者用ベッド 2 上に横たわる患者 Hの口 H2から漏れる唾液等の湿性生体物質を吸着する。第 2の汚れ吸着部 9は、保護シート本体 4の他端側 (長手方向に対し開口部 5を境として面積が広い方）に配置されている。

[0032] 第 1の汚れ吸着部 8および第 2の汚れ吸着部 9は、例えば高吸水性ポリマーなどの吸水性の有る素材によって形成された吸水部 10を有する。この吸水部 10は、パルプや吸水紙で形成されていても良い。また、この吸水部 10は、例えば保護シート本体 4 の素材自体で形成されて、てもよく、或いは保護シート本体 4とは別体の外付け部材を保護シート本体 4に一体的に縫い付けても良い。さら〖こ、吸水部 10は、保護シート本体 4とは別体の外付け部材を保護シート本体 4に着脱可能に取り付けても良い。なお、患者保護シート 1の不織布の内面側には、撥水性のフィルムを貼り付けて撥水加ェが施されていてもよい。

[0033] そして、患者保護シート 1の外面側は吸水性に優れた不織布により構成されていることにより、内視鏡検査や、処置等を行う際に、例えば血液や、体液などの汚れが患者保護シート 1に付着した場合にその汚れが患者保護シート 1に拡散される。これ〖こより、血液や、体液などの汚れが患者保護シート 1に付着した状態で吸収されることにより、周囲の広い範囲に飛散することが防止されている。さらに、患者保護シート 1 の不織布の内面側に撥水加工が施されている場合には、血液、体液などの浸透が防止される。なお、患者保護シート 1の色は、例えば血液や、体液などの汚れが明確に識別できる色、例えば白や、ライトグレイ、薄緑、ピンク、薄青などの淡彩色の素材が用いられている。

[0034] また、保護シート本体 4の周縁部位には例えばその保護シート本体 4の周縁部位を折り返し、この折り返し部を縫い付けて肉厚にした汚れ流出防止部 4aが形成されている。なお、この汚れ流出防止部 4aの裏面には、例えば粘着テープなどが貼着され、保護シート本体 4の周縁部位をベッド 2などの固定部上に固定できるようになつている。

[0035] 次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の患者保護シート 1は、内視鏡を用いた検査および処置時に、図 1に示すようにベッド 2上の患者 Hの上体部分を覆う状態で着用する。この患者保護シート 1の着用時には保護シート本体 4の首通し用の開口部 5の部分に患者 Hの首を通したのち、切込み部 6の両側の端部を重ねた状態で、切込み部 6の片側の端縁部の係合部材 7と、切込み部 6の反対側の端縁部の係合部材 7とを係合させて切込み部 6の両側の合わせ部間を連結する。この状態で、ベッド 2上の患者 Hは横向き (左側臥位)の体位の姿勢で寝力され、枕 3の上に患者 Hの頭部 HIを載せた状態で待機される。このとき、患者保護シート 1は、図 1に示すように面積が広、第 2の汚れ吸着部 9がベッド 2上の患者 Hの上体部分を覆う状態でセットされる。さらに、面積が狭い第 1の汚れ吸着部 8は、患者 Hの口 H2の位置よりも下側に広げられた状態でセットされる。

[0036] このようにベッド 2上の患者 Hに患者保護シート 1がセットされた状態で、例えば内視鏡検査などの医療検査や処置等が行われる。この内視鏡検査などの医療検査や処置等の作業時には、患者 Hの口 H2から漏れる「唾液」などの湿性生体物質は主に面積が狭い第 1の汚れ吸着部 8の吸水部 10の部分で吸着される。これにより、患者 Hの口 H2から漏れる「唾液」などの湿性生体物質の汚れが患者保護シート 1の第 1 の汚れ吸着部 8に付着した状態で吸収されることにより、湿性生体物質の汚れがべッド 2上の患者 Hの周囲の広い範囲に飛散することが防止される。

[0037] また、消化器内視鏡の操作時には、処置具の操作や、消化器内視鏡の処置具挿通チャンネルを通して体内に鉗子などの処置具を出し入れする操作にともない例えば、血液や、体液、余分な薬剤などの飛沫がベッド 2上の患者 Hの周囲の広い範囲に飛散する場合がある。このような血液や、体液、薬剤などの飛沫は主に面積が広い第 2の汚れ吸着部 9の吸水部 10の部分で吸着される。このように、例えば血液や、体液、薬剤などの汚れが患者保護シート 1の第 2の汚れ吸着部 9に付着した場合には、その汚れが患者保護シート 1に拡散される。これにより、血液や、体液、薬剤などの汚れが患者保護シート 1に付着した状態で第 2の汚れ吸着部 9に吸収されることにより、汚れがベッド 2上の患者 Hの周囲の広い範囲に飛散することが防止される。

[0038] また、患者保護シート 1の不織布の内面側に撥水加工部を設けた場合には、患者保護シート 1の第 1の汚れ吸着部 8に付着した「唾液」などの汚れや、第 2の汚れ吸着部 9に付着した血液、体液などの汚れが患者保護シート 1の不織布の内面側の撥水加工部によって患者保護シート 1の不織布の内面側に浸透されることが防止される。これにより、患者保護シート 1の内側の衣服やベッド 2に「唾液」などの汚れや、血液、体液などの汚れが付着することが防止される。

[0039] そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、内視鏡を用いた検査および処置時に患者 Hが本実施の形態の患者保護シート 1を装着した際には、保護シート本体 4は、患者用ベッド 2上に横たわる患者 Hの上体部分を覆う状態にセットされる。このとき、保護シート本体 4の第 1の汚れ吸着部 8によって患者用ベッド 2 上に横たわる患者 Hの口 H2から漏れる唾液等の湿性生体物質を吸着し、検査行為による術者の操作にともなって飛散する湿性生体物質の汚れ等を第 2の汚れ吸着部 9によって吸着する。これにより、内視鏡を用いた検査および処置時に患者 Hの口 H 2から漏れる唾液や、内視鏡検査中の処置具の操作などの検査行為にともなって飛散する湿性生体物質の汚染など力患者 Hの着衣およびベッド 2を簡単に保護することができる。そのため、従来のように内視鏡を用いた検査および処置時に患者 Hの口 H2から漏れる唾液を受けたり、内視鏡検査中の検査行為による汚染などから患者 Hの着衣およびベッド 2を保護する道具を特別に準備したり、清潔に管理する手間を省くことができ、内視鏡検査の作業性を高めることができる。

[0040] また、図 3は本発明の第 2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第 1の実施の形態（図 1および図 2参照）の患者保護シート 1の構成を次の通り変更したものである。

[0041] すなわち、本実施の形態の患者保護シート 11では第 1の実施の形態の円形穴の首通し用の開口部 5に代えてほぼ V字状、または U字状の首通し用の切り込み溝 12 を設けたものである。なお、これ以外の部分は第 1の実施の形態の患者保護シート 1 と同一構成になっており、第 1の実施の形態の患者保護シート 1と同一部分には同一の符号を付してここではその説明を省略する。また、保護シート本体 4の首通し用の切り込み溝 12の両側の部分に第 1の実施の形態の患者保護シート 1と同様に例えば、面ファスナー（マジックテープ (登録商標））や、ホックなどの係合部材 7を配設してもよい。

[0042] 次に、上記構成の作用について説明する。内視鏡を用いた検査および処置時に、本実施の形態の患者保護シート 11をベッド 2上の患者 Hの上体部分を覆う状態で着用する場合には、首通し用の切り込み溝 12の部分に患者 Hの首を通した状態で第 1 の実施の形態の患者保護シート 1と同様にセットされる。

[0043] そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、内視鏡を用いた検査および処置時に患者 Hが本実施の形態の患者保護シート 11を装着した際には、保護シート本体 4は、患者用ベッド 2上に横たわる患者 Hの上体部分を覆う状態にセットされる。このとき、保護シート本体 4の第 1の汚れ吸着部 8によって患者用ベッド 2上に横たわる患者 Hの口 H2から漏れる唾液等を吸着し、検査行為による術者の操作にともなって飛散する湿性生体物質の汚れ等を第 2の汚れ吸着部 9によって吸着する。これにより、内視鏡を用いた検査および処置時に患者 Hの口 H2から漏れる唾液や、内視鏡検査中の処置具の操作などの検査行為にともなって飛散する湿性生体物質の汚染など力も患者 Hの着衣およびベッド 2を簡単に保護することができる。そのため、本実施の形態の患者保護シート 11でも内視鏡を用いた検査および処置時に、従来のように患者 Hの口 H2から漏れる唾液を受けたり、内視鏡検査中の検査行為による汚染など力患者 Hの着衣およびベッド 2を保護する道具を特別に準備したり、清潔に管理する手間を省くことができ、内視鏡検査の作業性を高めることができる。

[0044] また、図 4は本発明の第 3の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第 1の実施の形態（図 1および図 2参照）の患者保護シート 1の構成を次の通り変更したものである。 [0045] すなわち、本実施の形態の患者保護シート 21では、保護シート本体 4の長手方向に沿って中心位置に配置された中心線 L上の位置に患者 Hの首が通る首通し用の開口部 22を有する。この開口部 22は、例えば直径 13cm程度の円形穴によって形成されている。

[0046] さらに、保護シート本体 4には、開口部 22の周縁部位の複数箇所、例えば上下左右の 4箇所に径方向に伸びる切り込み部 23が形成されている。そして、首通し用の開口部 22の部分に患者 Hの首を通す際に、切り込み部 23の周縁部位を折り返す状態に変形させることにより、患者 Hの頭部 HIの大きさに合わせて自由に開口部 22の大きさを調整できるようになって、る。

[0047] また、本実施の形態の保護シート本体 4には、開口部 22の両側に第 1の汚れ吸着部 8と、第 2の汚れ吸着部 9とがそれぞれ配置されている。これらの第 1の汚れ吸着部 8と、第 2の汚れ吸着部 9とはほぼ同じ大きさに形成されている。

[0048] そして、内視鏡を用いた検査および処置時に、本実施の形態の患者保護シート 21 をベッド 2上の患者 Hに着用する場合には、首通し用の開口部 22の部分に患者 Hの頭部 HIを通した状態で第 1の実施の形態の患者保護シート 1と同様にセットされる。

[0049] そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、内視鏡を用いた検査および処置時に患者 Hが本実施の形態の患者保護シート 21を装着した際には、保護シート本体 4は、患者用ベッド 2上に横たわる患者 Hの上体部分を覆う状態にセットされる。このとき、保護シート本体 4の第 1の汚れ吸着部 8によって患者用ベッド 2上に横たわる患者 Hの口 H2から漏れる唾液等の湿性生体物質を吸着し、検査行為による術者の操作にともなって飛散する湿性生体物質の汚れ等を第 2の汚れ吸着部 9によって吸着する。これにより、内視鏡を用いた検査および処置時に患者 Hの口 H2から漏れる唾液や、内視鏡検査中の処置具の操作などの検査行為にともなって飛散する湿性生体物質の汚染など力患者 Hの着衣およびベッド 2を簡単に保護することができる。そのため、本実施の形態の患者保護シート 21でも内視鏡を用いた検查および処置時に、従来のように患者 Hの口 H2から漏れる唾液を受けたり、内視鏡検査中の検査行為による汚染などから患者 Hの着衣およびベッド 2を保護する道具を特別に準備したり、清潔に管理する手間を省くことができ、内視鏡検査の作業性を高めることができる。

[0050] また、図 5は本発明の第 4の実施の形態を示すものである。本実施の形態の患者保護シート 31は第 3の実施の形態（図 4参照)の患者保護シート 21の首通し用の開口部 22の部分を第 1の実施の形態の患者保護シート 1と同様に保護シート本体 4の長手方向に沿って中心位置に配置された中心線 Lよりも一端側に片寄った位置に配置したものである。

[0051] なお、これ以外の部分は第 1の実施の形態の患者保護シート 1と同一構成になっており、第 1の実施の形態の患者保護シート 1と同一部分には同一の符号を付してここではその説明を省略する。

[0052] そして、本実施の形態の患者保護シート 31をベッド 2上の患者 Hに着用する場合には、第 3の実施の形態の患者保護シート 21と同様に首通し用の開口部 22の部分に患者 Hの頭部 HIを通した状態で第 1の実施の形態の患者保護シート 1と同様にセットされる。

[0053] そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の患者保護シート 31は、第 3の実施の形態の患者保護シート 21と同様に使用される。そのため、本実施の形態の患者保護シート 31でも、第 3の実施の形態の患者保護シート 21と同様の効果が得られる。

[0054] また、図 6は本発明の第 5の実施の形態を示すものである。本実施の形態の患者保護シート 41は長手方向に沿って中心位置に配置された中心線 Lよりも一端側に片寄つた位置に患者 Hの首が通る首通し用の開口部 42を有する。この開口部 42は円形穴によって形成されている。

[0055] さらに、保護シート本体 4には、開口部 42が片寄っている一端側（面積が狭い方）とは反対側（面積が広い方）に向けて開口部 42から直線状に延出させたミシン目 43が形成されている。必要に応じてこのミシン目 43を切断することにより、帯状の首固定ベルト 44が形成されるようになっている。なお、ミシン目 43を切断した場合には、開口部 42の円形穴の一部が切断され、開口部 42に患者 Hの頭部 HIを通す際に、患者 Hの頭部 HIの大きさに合わせて自由に開口部 42の大きさを調整できるようになつている。 [0056] また、保護シート本体 4には、開口部 42の近傍位置にベルト固定穴 45が形成されている。そして、首通し用の開口部 42に患者 Hの頭部 HIを通した状態で帯状の首固定ベルト 44をベルト固定穴 45に通して結ぶことにより、保護シート本体 4の首通し用の開口部 42の周縁部位を患者 Hの首部に確実に固定することができる。

[0057] そして、本実施の形態の患者保護シート 41をベッド 2上の患者 Hに着用する場合には、第 1の実施の形態の患者保護シート 1と同様に首通し用の開口部 42の部分に患者 Hの頭部 HIを通した状態で第 1の実施の形態の患者保護シート 1と同様にセットされる。

[0058] そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の患者保護シート 41は、第 1の実施の形態の患者保護シート 1と同様に使用される。そのため、本実施の形態の患者保護シート 41でも、第 1の実施の形態の患者保護シート 1と同様の効果が得られる。

[0059] また、図 7は本発明の第 6の実施の形態を示すものである。本実施の形態の患者保護シート 51は第 1の実施の形態（図 1および図 2参照）の患者保護シート 1の首通し用の開口部 5の周縁部分に伸縮可能な伸縮部 52を設けたものである。この伸縮部 5 2は、例えばゴムなどの弾性体や、ギャザーなどによって形成されている。

[0060] そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の患者保護シート 51では、首通し用の開口部 5の周縁部分に伸縮可能な伸縮部 52を設けたので、開口部 5に患者 Hの頭部 HIを通す際に、患者 Hの頭部 HIの大きさに合わせて伸縮部 52を自由に伸縮させて開口部 5の大きさを調整できる。さらに、開口部 5に患者 Hの頭部 HIを通したのち、この伸縮部 52の収縮作用によって保護シート本体 4の首通し用の開口部 5の周縁部位を患者 Hの首部に確実に固定することができる。

[0061] また、図 8は本発明の第 7の実施の形態を示すものである。本実施の形態の患者保護シート 61は第 1の実施の形態（図 1および図 2参照)の患者保護シート 1と同様の構成の保護シート本体 4の表面の一部に「表」の文字や、他の適宜の記号を印字してシート 1の表面側と、裏面側とを識別しやすくした面識別部 62が設けられている。

[0062] そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の患者保護シート 61では、使用者が保護シート本体 4の表面の面識別部 62を目視することにより、シート 1の表面側と、裏面側とを簡単に識別することができる。そのため、使用時にシート 1の表面側と、裏面側とを確認する作業を簡単に行うことができ、使い勝手が向上する。

[0063] また、図 9は本発明の第 8の実施の形態を示すものである。本実施の形態の患者保護シート 71は第 1の実施の形態（図 1および図 2参照）の患者保護シート 1の構成を次の通り変更したものである。

[0064] すなわち、本実施の形態の患者保護シート 71では、第 1の汚れ吸着部 8にほぼ扇形の形状の吸水部 72を設けている。この吸水部 72の扇形の形状は、患者 Hの口 H

2から漏れる唾液等の流出範囲に設けられている。

[0065] さらに、保護シート本体 4の第 2の汚れ吸着部 9には、吸水素材力もなる複数の吸水部 73が配設されている。なお、第 1の汚れ吸着部 8にも複数の吸水部 73を配設してもよい。

[0066] そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の患者保護シート 71は、第 1の実施の形態の患者保護シート 1と同様に使用される。そのため、本実施の形態の患者保護シート 71でも、第 1の実施の形態の患者保護シート 1と同様の効果が得られる。

[0067] さらに、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなぐ本発明の要旨を逸脱しな、範囲で種々変形実施できることは勿論である。

産業上の利用可能性

[0068] 本発明は、例えば内視鏡検査などの医療検査や処置等を行う際に、患者に装着する患者保護シートを製造する技術分野や、患者保護シートを使用する技術分野で有効である。

Claims

請求の範囲

[1] 患者の上体部分を覆う保護シート本体と、

前記保護シート本体に設けられ、前記患者の口から漏れる湿性生体物質を吸着する第 1の汚れ吸着部と、

前記保護シート本体に設けられ、術者の操作にともなって前記患者の周囲に飛散する湿性生体物質を吸着する第 2の汚れ吸着部と

を有することを特徴とする患者保護シート。

[2] 内視鏡を用いた検査および処置に用いる患者保護シートであって、

前記患者保護シートは、患者用ベッド上に横たわる患者の上体部分の一部を覆う保護シート本体と、

前記保護シート本体に設けられ、術者による内視鏡操作にともなって前記患者の周囲に飛散する湿性生体物質を吸着する第 2の汚れ吸着部と

を有することを特徴とする患者保護シート。

[3] 前記第 1の汚れ吸着部および前記第 2の汚れ吸着部は、吸水性を有する素材によつて形成された吸水部を有することを特徴とする請求項 1または 2に記載の患者保護シート。

[4] 前記保護シート本体は、患者の首が通る首通し用の開口部を有し、

前記開口部に患者の首部を通した状態で、前記開口部の周縁部位を患者の首部に巻き付けて固定する固定部を有することを特徴とする請求項 1または 2に記載の患者保護シート。

[5] 前記保護シート本体は、前記保護シート本体の長手方向に沿って中心位置に配置された中心線よりも一端側に片寄った位置に前記開口部が配置され、

前記開口部が片寄っている前記保護シート本体の一端側に前記第 1の汚れ吸着部、前記保護シート本体の他端側に前記第 2の汚れ吸着部がそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項 1または 2に記載の患者保護シート。

[6] 前記保護シート本体は、前記開口部の周縁部位の複数箇所に前記開口部の大きさを調整する切り込み部が形成されていることを特徴とする請求項 1または 2に記載の患者保護シート。

[7] 前記保護シート本体は、前記開口部から延出させた切断可能なミシン目部分を有し、前記ミシン目の切断時に帯状の首固定ベルトが形成されることを特徴とする請求項 1または 2に記載の患者保護シート。

[8] 前記保護シート本体は、前記開口部の周縁部分に伸縮可能な伸縮部を有することを特徴とする請求項 1または 2に記載の患者保護シート。

[9] 前記保護シート本体は、前記保護シート本体の表面の一部に前記保護シート本体の表面側と、裏面側とを識別する面識別部を有することを特徴とする請求項 1または

2に記載の患者保護シート。

[10] 前記保護シート本体は、前記第 1の汚れ吸着部に患者のロカ漏れる湿性生体物質の流出範囲に沿ってほぼ扇形の形状の吸水部を設け、

前記第 2の汚れ吸着部は、吸水素材力なる複数の吸水部を有することを特徴とする請求項 1または 2に記載の患者保護シート。