WO2006013860A1

WO2006013860A1 - 医療機器封止用樹脂組成物及びそれにより封止された内視鏡用医療機器

Info

Publication number: WO2006013860A1
Application number: PCT/JP2005/014121
Authority: WO
Inventors: Ichiro Kagawa; Jun Matsumoto
Original assignee: Olympus Corporation
Priority date: 2004-08-03
Filing date: 2005-08-02
Publication date: 2006-02-09
Also published as: EP1787576A1; JPWO2006013860A1; US20070129466A1

Abstract

　フラーレン化合物を配合したエポキシ熱硬化性樹脂組成物を含む、医療機器の配線部を封止するための封止用樹脂組成物。

Description

明細書

医療機器封止用樹脂組成物及びそれにより封止された内視鏡用医療機技術分野

[0001] 本発明は、内視鏡等の医療機器封止用榭脂組成物、それにより封止された内視鏡等の医療機器、及びそのような榭脂組成物の製造方法に係り、特に、内視鏡先端部に内蔵された撮像素子の端部配線の接続部の封止に用ヽる封止用榭脂組成物に関する。

背景技術

[0002] 従来より、半導体装置、例えば半導体撮像素子の基板配線部の封止用榭脂として、エポキシ榭脂が用いられており、このエポキシ榭脂に対し、耐水性、耐熱性、耐湿熱性、水蒸気透過係数、及び密着性を向上させるため、及び応力緩和や成形離型性を向上させる目的で、シリカ系化合物等の無機質充填剤が配合されてきた。

[0003] 特に、フュームドシリカ、溶融シリカ、結晶性シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、珪藻土、マイ力、炭酸カルシウム、ガラス繊維等で代表される無機質充填剤を、 5〜： LOOO 重量％の範囲でエポキシ榭脂に添加して!/、た (例えば、特開平 9 - 59385号公報及び特公平 2— 36148号公報参照)。

[0004] これら封止用エポキシ榭脂は、多量の無機質充填剤を添加するため、常温では高粘度又は固形状態である。半導体装置の封止は、この高粘度又は固体のエポキシ榭脂組成物を 200°C以上の成形温度で移送成形、射出成形、又は圧縮成形することにより行われる。

[0005] しかし、内視鏡に内蔵される撮像素子の配線端部と同軸ケーブル配線の接合部を封止する場合、無機質充填剤を多量に添加したエポキシ榭脂組成物に対し、 200°C 以上の成形温度で移送成形、射出成形、圧縮成形を行うことは、撮像素子の配線端部と同軸ケーブル配線の接合部の変形 ·断線を起こすため、困難であった。

[0006] また、炭素繊維やカーボン、カーボンナノチューブ等の炭素化合物をエポキシ榭脂に添加する提案もあるが、これら炭素化合物は電気絶縁性が低いため、半導体や配線部の封止榭脂として用いることが出来な!/、。

[0007] なお、内視鏡の構成部材同士の接合に、耐湿熱性の優れたエポキシ榭脂組成物を用いることも知られている。即ち、 135°C、 100%RH下で行われるプレッシャータツカー (PCT)試験における耐湿熱性の接着強度を向上させたエポキシ榭脂組成物が提案されている（例えば、特開 2003— 126023号公報参照)。

[0008] しかし、このエポキシ榭脂組成物も、水蒸気透過係数が未だ不十分であり、耐湿熱性及び接着強度についても、半導体や医療機器の配線部の封止に用いる封止接着剤としては、信頼性が不十分であった。

[0009] 本発明の目的は、耐水性、耐熱性、及び耐湿熱性が優れてヽるとともに、水蒸気透過係数が非常に低ぐかつ封止部の密着性が十分であり、優れた信頼性及び成形加工性を有する、医療機器封止用榭脂組成物を提供することにある。

[0010] 本発明の他の目的は、上記榭脂組成物により封止された医療機器を提供することにある。

[0011] 本発明の更に他の目的は、上記医療機器封止用榭脂組成物を製造する方法を提供することにある。

発明の開示

[0012] 本発明の一態様によると、フラーレンィ匕合物を配合したエポキシ熱硬化性榭脂組成物を含む、医療機器の配線部を封止するための封止用榭脂組成物が提供される

[0013] 本発明の他の態様によると、封止用榭脂組成物を形成するための樹脂とフラーレン化合物とを分散処理して榭脂とフラーレン化合物の混合物を形成することを含む封止用榭脂組成物の製造方法が提供される。

[0014] 本発明の更に他の態様によると、撮像素子を内蔵する医療機器であって、前記撮像素子の端部配線の接続部が、請求項 1に記載の封止用榭脂組成物により封止されて、る医療機器が提供される。

図面の簡単な説明

[0015] [図 1]本発明の一実施形態で用いた内視鏡の挿入部の先端部を示す断面図である。

[図 2]透湿度係数の測定用の封止剤サンプルの製造用の成形型を示す断面図である。

[図 3]透湿度係数の測定装置を示す断面図である。

発明を実施するための最良の形態

[0016] 本発明者らは、医療機器の配線部の封止に用いる封止接着剤としてのエポキシ榭脂組成物の水蒸気透過性、耐湿熱性及び接着強度について、鋭意検討した結果、次のような知見を得た。即ち、シリカ化合物等の無機質充填剤を配合したエポキシ榭脂では、無機質充填剤の配合量を高くすると、榭脂粘度が高くなつて、成形性が悪くなり、水蒸気透過性も悪ぐ封止部との密着性にも悪影響を与え、信頼性が低くなつてしまう。これに対し、エポキシ榭脂に対し、従来の無機質充填剤の代わりにフラーレン化合物を配合した場合には、それらの問題点は解消される。

[0017] また特に、フラーレンィ匕合物の粒径を所定の範囲に制御することにより、榭脂粘度及び水蒸気透過性が低いエポキシ熱硬化性榭脂組成物を得ることができる。

[0018] 即ち、本発明の一態様に係る榭脂組成物は、医療機器の配線部を封止するためのものであって、フラーレンィ匕合物を配合したエポキシ熱硬化性榭脂組成物を含むことを特徴とする。

[0019] このような本発明の一態様に係る榭脂組成物を用いることにより、エポキシ榭脂にフラーレンィ匕合物を配合することにより、 135°C、 3. 2気圧、 100%湿熱環境下における水蒸気透過性が低ぐ信頼性の高い封止榭脂により、医療機器の配線部が封止される。

[0020] 本発明の一態様に係る封止用榭脂組成物は、内視鏡先端部に内蔵された撮像素子の端部配線の接続部に適用して、それを良好に封止することが出来る。

[0021] 内視鏡先端部は、体内に挿入されるものであるため、滅菌処理が必要であり、封止榭脂による封止部は、そのような滅菌処理に対する耐性を有することが必要である。特に、オートクレープによる高温高圧下での水蒸気雰囲気での滅菌処理にぉ、て、水蒸気が透過しな、ことが必要である。

[0022] 本発明の一態様に係る封止用榭脂組成物は、高温高圧下での水蒸気の透過性が非常に低いため、そのような苛酷な滅菌処理に供されても、優れた低水蒸気透過性を有する。 [0023] 本発明の一実施形態に係る封止用榭脂組成物において、使用可能なフラーレン化合物としては、 C フラーレン、 C フラーレン、高次フラーレン、フラーレン誘導体、

60 70

多孔質フラーレン、及びフロンティアブラックを挙げることが出来る。これらの 2種以上の混合物を用いることも可能である。なお、フロンティアブラックとは、スートからフラーレン混合物を除、た残存物である。

[0024] フラーレンィ匕合物の含有量は、エポキシ榭脂組成物全体に対し、 50〜70重量％であるのが好ましい。

[0025] フラーレン化合物としては、中心粒径が 0. 01〜3 /ζ πιのものを用いるのが好ましい。このように中心粒径が制御されたフラーレンィ匕合物を用いることにより、より好適な粘度及び透湿度係数の封止用榭脂組成を得ることができる。

[0026] 本発明の他の態様は、撮像素子を内蔵する内視鏡等の医療機器であって、撮像素子の端部配線の接続部が、上述の封止用榭脂組成物により封止されてなることを特徴とする。このような医療機器は、滅菌処理、特にオートクレープを用いた高温高圧の水蒸気による処理に対し、優れた耐性を有する。

[0027] 本発明の一態様に係る榭脂組成物は、例えば、次のようにして製造することができる。

[0028] まず、プラネタリーミキサー (ACM— 0. 8LVT— C、愛工舎製作所社製）にフラーレンィ匕合物の全量を投入する。次いで、このフラーレン化合物に対し、エポキシ榭脂を 50〜60重量％投入し、 30分〜 60分間、混練を行う。その後、残りのエポキシ榭脂を投入し、 3分〜 60分間、混練を行う。以上の操作により、フラーレンィ匕合物は、 0. 1 μ πι〜5 /ζ mの粒子に揃った状態でエポキシ榭脂中に分散しており、その結果、水蒸気透過性が小さぐ粘度が低い榭脂組成物を得ることができる。

[0029] なお、榭脂組成物の製造方法は、以上の方法に限定されることはない。プラネタリ一ミキサーとしては、 TK—ハイビスミックス fモデル (特殊機械工業社製)を用いることちでさる。

[0030] 以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。

[0031] 図 1は、本発明の一実施形態に係る、電子内視鏡を含む電子内視鏡装置の挿入部 9の先端構成部 10を示す断面図である。図 1において、先端構成部 10は短い円柱体からなり、その中央下部に軸方向に貫通した撮像ユニット配置孔 10a、その上方に軸方向に貫通したライトガイド配置孔 10b、送気送水チューブ配置孔（図示せず）、カンシ等の処置具を揷通するカンシチャンネル（図示せず）、及び吸引チャンネルチューブの配置孔（図示せず)等が形成されている。そして、この先端構成部 10の後端側の外周面には、切欠段部力もなる連結部 10cが設けられており、この連結部 10 cには連結用パイプ力もなる連結管 28の先端側の大径部 28aが嵌合固定されている

[0032] 連結管 28は、先端構成部 10と、この先端構成部 10の後端側に配設される湾曲部 11とを接続する役目をするものであって、連結管 28の前半部外周は先端構成部 10 の前半部外周と同径の大径部 28aであり、後半部は縮径部 28bとなっている。この縮径部 28bが湾曲部 11の最先端の湾曲駒 29aの先端部内周に嵌合固定される。湾曲部 11の外周部は、湾曲ゴム等の外皮 31により被覆されている。従って、先端構成部 10の前半部外径と連結管 28の前半部外径と外皮 31の外径とは同径となる。

[0033] 撮像ユニット配置孔 10aには、撮像ユニット 22が配設される。この撮像ユニット 22は、対物レンズ力もなる対物光学系 23を保持したレンズ枠 24と、対物光学系 23の後方に光軸を一致させて配設されたフィールドレンズ 19とを支持した固定筒 26と、フィールドレンズ 19の背面の結像位置に配設された固体撮像素子としての電荷結合素子（以下、 CCDと称す) 27とにより、その主要部が構成されていて、固定筒 26が撮像ュニット配置孔 10a内に嵌合固定されることにより、先端構成部 10内に配設される。

[0034] 撮像ユニット 22の CCD27には、 IC、コンデンサ等の電子部品を実装した回路基板 13等が接続されていて、この回路基板 13には、挿入部内を挿通する信号ケーブル 1 4が接続されている。従って、 CCD27、回路基板 13、信号ケーブル 14の先端部等は、連結管 28内に配設されることになる。

[0035] また、挿入部内を挿通された前記ライトガイドバンドル 21の先端部は、前記先端構成部 10のライトガイド配置孔 10b内に嵌合固定され、その先端面力も照明窓を介して照明光が被検部に向けて照射されるように配置される。従って、このライトガイドバンドル 21の、先端構成部 10から後方に延出した先端構成部 10に隣接する部分も、連結管 28内に配設されることになる。そして、連結管 28の内部に封止剤 32が充填される。

この封止剤 32の充填によって、連結管 28内に配置されている、 CCD27、回路基板 13、信号ケーブル 14の先端部、ライトガイドバンドル 21の先端部寄りの部分、図示されない送気送水チューブ、チャンネルチューブの先端部寄りの部分等の内蔵物がすべて連結管 28に一体的に固着される。

[0036] なお、本実施形態では、先端構成部 10と連結管 28とが別体になっている構成の場合について説明したが、本発明は、これのような別体の構成に限定されるものではなぐ先端構成部の後端側に連結管に相当する管状部が一体的に延出するように形成しても良い。

[0037] 封止剤 32を構成するエポキシ榭脂組成物としては、 1分子中に 2個以上のェポキシ基を有するものであり、具体的には、ビスフエノールエポキシ榭脂 A型、ビスフエノール F型エポキシ榭脂、フエノールノボラック型エポキシ榭脂、クレゾ一ルノボラック型エポキシ榭脂、脂環式エポキシ榭脂、トリアジン核含有エポキシ榭脂、及びこれらの変性榭脂等の 2種以上の混合物を用いることができる。

[0038] エポキシ榭脂組成物に配合されるフラーレン化合物としては、 C フラーレン、 C フ

60 70 ラーレン、高次フラーレン、フラーレン誘導体、多孔質フラーレン、及びフロンティアブラックの 1種又は 2種以上を挙げることが出来る。また、これらのフラーレンの混合物を用いてもよい。フラーレンの混合物の例として、混合フラーレン（フロンティアカーボン社製）がある。この混合フラーレンは、主成分が C フラーレン及び C フラーレンであ

60 70

つて、全体の 85%を占め、それ以外に高次フラーレンを含むものである。

[0039] 本発明の一実施形態に係る封止用エポキシ榭脂組成物には、通常用いられている硬化剤を配合することが出来る。硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、無水へキサヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸等の酸無水物、ェチレンジァミン、ジエチレンジァミン、トリエチレンテトラミン、ジェチルァミノプロピルアミン、 N—アミノエチルピペラジン、ビス（4 アミノー 3—メチルシクロへキシル)メタン、メタンジァミン、脂肪族ァミン、芳香族ァミン、脂肪芳香族ァミン等のアミンィ匕合物、フエノーノレ、ビスフエノーノレ A、ビスフエノーノレ F、テトラブロモビスフエノール、クレゾ一ノレ等のフエノール化合物、キシレン榭脂等を挙げることが出来る。 [0040] これらの硬化剤以外に、通常使用される硬化促進剤、例えば BDMA等の第三アミン類、イミダゾール類、有機リンィ匕合物類を配合することが出来る。

[0041] また、本発明の一実施形態に係る封止用エポキシ榭脂組成物には、無機充填剤、シランカップリング剤、難燃剤、着色剤、離型剤、シリコーンオイル類、ゴム類等の低応力剤等の添加剤を配合することが出来る。

[0042] 以上、本発明の一実施形態に係る封止用エポキシ榭脂組成物について説明した力本発明は、これに限定されるものではなぐ本発明の技術思想を利用する範囲内で種々の変形例、修正例が可能である。ここで、実施例の説明に先立ち、封止用ェポキシ榭脂組成物の評価方法について説明する。

[0043] 接着強度の測定は、上述した内視鏡装置の構成部材と同じ材料からなる試験片を用い、 JISK 6850 [封止剤の引張せん断接着強さ試験方法]に準拠して行った。また、オートクレープ試験後の接着強度は、接着した一対の試験片を 600組準備し、 1 35°Cの蒸気を使用して滅菌を行う蒸気滅菌装置でそれらを滅菌処理した後、大気中に取り出し、常温で 24時間乾燥した後に測定した。

[0044] なお、本発明者らは、同時に、 135°C、 100%RH (相対湿度）の環境下で透湿度係数を安定して測定できる方法を以下のように考案した。

[0045] 封止剤サンプルの円板を成形する際、成形型の内部底面は水平であるため、底面がほぼ水平な硬化物が得られる力上面は封止剤の硬化収縮により平面状にはならない。この問題を解決するため、本発明者らは、図 2に示すように、 PTFE (ポリテトラフルォロエチレン)製の成形型 41と蓋 42との間にクッション性を有するフッ素榭脂製スぺーサー 43を介在させることにより、封止剤の硬化収縮に蓋 42が追従し、余分な榭脂を排出しつつ、表面が水平な一定の肉厚の円板が作成できるようにした。

[0046] 以上のように、榭脂サンプルにより封止剤サンプルの円板を作製し、図 3に示すように、 JISZ0208に準拠した装置にセットする。図 3に示す装置は、カップ 51上にスぺーサー 52を介して上蓋 53が、ボルト 54及びナット 55により取り付けられた構造を有し、封止剤サンプル 56は、パッキン 57を介してカップ 51上にセットされている。

[0047] その装置が JISZ0208に規定する装置と最も大きく異なる点は、特殊フッ素榭脂からなるパッキン 57を気密材として用いて、ることである。 [0048] このような装置により、 135°C、 100%RHの条件下で、プレッシャータッカー試験による透湿度係数の測定を行った。また、その際、成形品の外観変化や割れ等についての目視検査、及び試験後の体積固有抵抗値の測定を行った。

[0049] ビスフエノールエポキシ榭脂 A型エポキシ榭脂 100重量部の主剤に対して、脂肪芳香族ァミン 10重量部及び充填剤を添加して、 10種のエポキシ榭脂組成物を調製し、これらについて耐水性、耐熱性の試験を行った。なお、 10種のエポキシ榭脂組成物の内訳は、充填剤を添加しない組成物（比較例 1)、炭酸カルシウム（丸尾カルシウム社製)を添加した組成物 (比較例 2〜4)、半導体用溶融シリカ (電気化学社製)を添加した組成物（比較例 5〜7)、混合フラーレン (フロンティアカーボン社製)を添加した組成物（実施例 1〜3)の計 10種である。充填剤の量は、 30重量部、 60重量部、及び 90重量部とした。

[0050] 下記表 1に、配合組成及び実験結果を示す。なお、表 1にお!/、て、「未検討」とは、充填剤の量が多、ために粘度が上昇し、成形時の表面状態が粗くなつたため試験を行って!/、な！/、ことを示す。

[表 1]

上記表 1から、混合フラーレンを添加した実施例：!〜 3の組成物力耐水性、耐熱性、耐オートクレープ性、透湿度係数測定のいずれの試験においても良好な結果が得られていることがわかる。そこで、良好な結果が得られた混合フラーレンを配合した組成物を、より実装に近い組成とし、更に検討を行った。

[0052] 即ち、 70重量部のビスフエノール A型エポキシ榭脂及び 30重量部のアクリルゴム微粒子の主剤に対して、 10重量部の脂肪芳香族ァミンを配合した組成 (比較例 8)、これに更に 30重量部、 60重量部、及び 90重量部の混合フラーレンを配合した糸且成 (実施例 4〜6)の 4種のエポキシ榭脂組成物を調製した。

[0053] これら 4種のエポキシ榭脂糸且成物から 135°Cで 2時間の成形カ卩ェにより得た、厚さ 5 mm、径 30mmの成形品について、その表面から内部に水蒸気が透過する量を測定した。即ち、 JISZ0208 (カップ法）を参考に、 135°C、 100%RHの条件下で行われるプレッシャータッカー（PCT)試験環境下における水蒸気透過係数を測定した。また、その際、成形品の外観変化や割れ等についても目視検査を行った。

[0054] その結果を下記表 2に示す。

[表 2] 表一 2 応用検討結果

[0055] 上記表 2から、混合フラーレンを配合した実施例 4〜6の組成物は、いずれも初期接着強度及び耐オートクレープ性接着強度が高ぐ水蒸気透過係数は低ぐまた外観観察では、割れは認められな力つた。これに対し、混合フラーレンを配合していない比較例 8の組成物は、初期接着強度及び耐オートクレープ性接着強度は低ぐまた水蒸気透過係数は高ぐしかも外観観察では、割れが認められた。

なお、混合フラーレンの配合量を 50重量部にした防湿可能な封止接着剤組成物を、内視鏡の先端構成部に内蔵されている撮像素子とその回路基板に塗布し、加工作業性を確認して実装試験を行ったところ、作業性、実装試験、及び耐オートクレーブ性の全てについて、何ら問題は認められな力つた。

Claims

請求の範囲

[1] フラーレンィ匕合物を配合したエポキシ熱硬化性榭脂組成物を含む、医療機器の配線部を封止するための封止用榭脂組成物。

[2] 前記医療機器の配線部は、内視鏡先端部に内蔵された撮像素子の端部配線の接続部である請求項 1に記載の封止用榭脂組成物。

[3] 前記フラーレン化合物は、 C フラーレン、 C フラーレン、高次フラーレン、フラーレ

60 70

ン誘導体、多孔質フラーレン、及びフロンティアブラック力もなる群力も選ばれた少なくとも 1種である請求項 1に記載の封止用榭脂組成物。

[4] 前記フラーレンィ匕合物の含有量は、榭脂成分に対して 50〜70重量％である請求項 1に記載の封止用榭脂組成物。

[5] 前記フラーレンィ匕合物の中心粒径は、 0. 01〜3 μ mである請求項 1に記載の封止用樹脂組成物。

[6] 135°C、 3. 2気圧の飽和水蒸気雰囲気での透湿度係数が 300g'mmZm²'day以下である請求項 1に記載の封止用榭脂組成物。

[7] 封止用榭脂組成物を形成するための樹脂とフラーレン化合物とを分散処理して榭脂とフラーレン化合物の混合物を形成することを含む封止用榭脂組成物の製造方法

[8] 撮像素子を内蔵する医療機器であって、前記撮像素子の端部配線の接続部が、請求項 1に記載の封止用榭脂組成物により封止されている医療機器。

[9] 内視鏡装置である請求項 8に記載の医療機器。