WO2006008853A1

WO2006008853A1 - 圧縮機

Info

Publication number: WO2006008853A1
Application number: PCT/JP2005/003931
Authority: WO
Inventors: Hiroshi Kanai; Hironobu Deguchi; Shunichi Furuya
Original assignee: Zexel Valeo Climate Control Corporation
Priority date: 2004-07-16
Filing date: 2005-03-08
Publication date: 2006-01-26
Also published as: JP2006029232A

Description

明細書

圧縮機

技術分野

[0001] この発明は、容量可変型の圧縮機、特にシリンダブロックのハウジングへの固定手段に改良を加え、内部気密性の向上を図る圧縮機に関する。

背景技術

[0002] 容量可変型の圧縮機は、例えば特許文献 1に示すように、シリンダブロック 1と、このシリンダブロック 1のリア側をバルブプレート 2を介して組み付けられたリアブロック 3と、シリンダブロック 1のフロント側を閉塞するように糸且付られたフロントブロック 4とを有して構成されており、これらフロントブロック 4、シリンダブロック 1、バルブプレート 2及びリアブロック 3を締結ボルト 5によって軸方向に締結することで、圧縮機全体のハウジングを構成している。

特許文献 1：特開 2003— 328931

[0003] 即ち、シリンダブロック 1の両側のフロント及びリアブロック 4, 3との間に 2つのシール面を持っており、これら 2つのシール面力流体が外部へ漏出する可能性が高くなつていた。そこで、特許文献 2に示すように、シール面を 1つにした発明が提案され、これにより特許文献 1に示すものより、シール面が 1Z2となり、外部漏れの可能性の減少が図られ、気密性の向上が図れるようになった。

[0004] し力し、特許文献 2にあっては、シリンダブロック 15がフロントハウジング 12内に配し、し力る後に固定ボルト 15Bを貫通孔 15Aに挿入し、フロントハウジング 12に螺合して締付けて固着している。このシリンダブロック 15には、中心に駆動軸 18の軸孔 22 が形成され、この軸孔 22に軸受 25を介して駆動軸 18を支持している。

特許文献 2：特開 2002— 5026

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0005] しかるに、シリンダブロックにより駆動軸 18を支えるようにすると、駆動軸にかかる大きな荷重が伝えられ、し力も、荷重の作用点が該駆動軸の回転とともに移動 (変化）するので、シリンダブロックを振動させることになる。この振動により、前記した固定ボルトで締結されているシリンダブロック、バルブプレート、吸入弁、ガスケット等の締結力が変化し、内部漏れの原因となったり、また上記ボルト自体が緩むといった不具合の発生することが懸念されて！、る。

[0006] そこで、この発明は、シリンダブロックに駆動軸の荷重が力からないようにして、シリンダブロックの振動の発生を抑えると共に、バルブプレート前後力液体の内部漏れの発生を防ぐようにした圧縮機を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0007] この発明に係る圧縮機は、フロントハウジングとリアハウジングとにより収納空間が構成され、この収納空間に圧縮駆動機構、シリンダブロックを収納した圧縮機において、前記フロント又はリアハウジングに前記クランク室側へ突出する延出部を設けると共に、前記シリンダブロックの中心に嵌合孔を設け、この嵌合孔を前記延出部に被嵌して該シリンダブロックを前記フロント又はリアハウジングに取付け、更にシリンダブロックを前記フロント又はリアハウジングに固定する固定手段を設けたことにある（請求項

D o

[0008] これにより、シリンダブロックはハウジング内の収納空間内にあり、且つシリンダブ口ックの嵌合孔を介してハウジングからの延出部に被嵌するように取付けたことから、シリンダブロックのハウジングに対する半径方向の位置を規定することができる。またシリンダブロックは固定手段にてハウジングに固定され、前記嵌め合い結合と共に強固な結合となる。

[0009] 前記延出部の内側には、軸受収納室が設けられ、この軸受収納室にラジアル軸受を設けられたことにある（請求項 2)。これにより、駆動軸はハウジングに支えられ、シリンダブロックに荷重が加わらなくなり、シリンダブロックに振動を与えず、固定ボルトである固定手段が緩まなくなる。

[0010] 前記固定手段として固定ボルトや (請求項 3)、リングナットが用いられる（請求項 4) 。また、前記圧縮駆動機構は、駆動軸に固着の回転基体で、この回転基体から回転力が伝えられる斜板、この斜板と係合するピストンとより成る（請求項 5)。

[0011] 前記シリンダブロックは、中心に前記嵌合孔を有し、その周囲で複数のシリンダボアが形成されると共に、複数の固定用孔と締結用孔が形成されたことにある（請求項 6) 。これにより、前記嵌合孔は前記ハウジングに形成の延出部に被嵌され、前記固定用孔には固定ボルトが挿入され、前記締結用孔には締結ボルトが挿入される。

[0012] 前記シリンダブロックには、その背面に順次配されるガスケット、吸入弁、バルブプレート、吐出弁及びリテーナが、前記締結用孔に挿入され、前記リテーナの雌ねじ孔に螺合する締結ボルトの締結により固着されるようにしたことにある（請求項 7)。これにより、吸入弁、吐出弁等はシリンダブロックに締結ボルトにて取付られ、従来のようにハウジングとシリンダブロックの挾持力による例と異にし、締結ボルトによる確実な取付が可能であると共にその状態をノ、ウジング内に収納の前に確認ができる。

[0013] 前記リテーナは、シリンダボアと同数のリフト規制部と、前記締結ボルトと同数の雌ねじ孔を持ち、し力も一体ィ匕されて輪状を成していることにある（請求項 8)。これにより、一体化から取付が簡易となる。

発明の効果

[0014] 以上のように、請求項 1の発明によれば、シリンダブロックは、フロント及びリアハウジング内に収納され、且つシリンダブロックの嵌合孔がハウジング力突出する延出部に被嵌すると共に、固定手段にて固定されることから、嵌め合い結合による半径方向の位置を確実に出せるし、また、固定手段と共に強固に結合させることができる。

[0015] また、請求項 2を発明を加えることで、延出部により駆動軸を支えることができ、該駆動軸の荷重がシリンダブロックに伝えられなくなり、振動が与えられず、固定手段に緩みを与えることがない。

[0016] さらに固定手段として請求項 4のリングナットを用いることで、固定手段の固定ボノレトの場合に比して部品点数の削減や、固定用孔の削除カもシリンダブロックの強度が高められる。

[0017] さらにまた、請求項 7の発明によれば、吸入弁、バルブプレート、吐出弁及びリテーナカ締結ボルトが前記リテーナの雌ねじ孔に螺合して取付られるから、部品間の締付を確実に行うことができ、内部漏れを防止することができる。

図面の簡単な説明

[0018] [図 1]この発明の実施例の断面図である。 [図 2]同上の分解斜視図である。

[図 3]同上の第 1の実施例のシリンダブロックに取付られるバルブプレート等の分解斜視図である。

[図 4]この発明の第 2の実施例の断面図である。

符号の説明

1 圧縮機

2 ハウジング

3 フロントハウジング

4 リアハウジング

5 収納空間

9 延出部

10 軸受収納部

15 固定用螺子孔

20 シリンダブロック

21 嵌合孔

22 シリンダボア

23 固定用孔

24 締付用孔

27 バノレブプレート

29 リテーナ

31 締結ボルト

32 雌ねじ孔

33 リフト規制部

35 固定ボルト

37 クランク室

40 駆動軸

45 斜板

48 ピストン 52 リングナット

発明を実施するための最良の形態

[0020] 以下この発明の実施例を図面にもとづいて説明する。

実施例 1

[0021] 図 1乃至図 3において、この発明の第 1の実施例である圧縮機 1が示されている。この圧縮機 1は、ノ、ウジング 2を構成するフロントハウジング 3とその開口端を閉塞するリァハウジング 4とで構成され、内部に収納空間 5を構成している。

[0022] フロントハウジング 3は、一方が開口される筒体で、右側に開口端 7を有し、また、左側に小径のボス部 8を有している。前記開口端 7に接触して配されたリアハウジング 4 は、円板状で、その内側で中心部分に円筒状の延出部 9が突設している。この延出部 9は、その内側に基部側力小径部と大径部を有していて、大径側に軸受収納室 10が形成されており、該軸受収納部 10にラジアル軸受 42が設けられている。

[0023] また、リアハウジング 4は、その内側に中心より環状の吸入室 13と、複数の固定用螺子孔 15が形成され、また、それらの外側に吐出室 16が形成されている。なお吐出室 16は環状をなしている。さらにリアハウジング 4の最も外側で、該リアハウジング 4をフロントハウジング 3へ連結するためのボルト 18が挿入されるボルト孔 19が軸方向に形成されている。

[0024] シリンダブロック 20は、前記ハウジング 2の収納空間 5内に収納され、前記リアハウジング 4に固装されている。このシリンダブロック 20は、中心軸方向に嵌合孔 21が形成され、その周囲に同じく軸方向に 6個のシリンダボア 22が所定の等角度を持って形成されている。さらに、シリンダボア 22間に 6個の固定用孔 23と 6個の締結用孔 24 が形成されている。

[0025] このシリンダブロック 20は、前述したリアハウジング 4に固装されるものである力その前に図 3に分解して示したガスケット 25、吸入弁 26、バルブプレート 27、吐出弁 2 8、リテーナ 29がその背面に固着される。具体的には、締結ボルト 31を締結用孔 24 内に挿入し、ガスケット 25、吸入弁 26、バルブプレート 27、吐出弁 28を揷通し、リテーナ 29の雌ねじ孔 32に螺合することで締結される。この作業は目視でき確実に取付られ、内部漏れを起こすことが防がれる。なお、前記バルブプレート 27には、中心に孔 34及びその周囲に吸入孔 14と吐出孔 17が複数形成されている。

[0026] リテーナ 29は、輪状をなし、その適所に前記締結ボルト 31と螺合する雌ネジ孔 32 が締結ボルト 31と同数の 6個形成され、また 6個の吐出弁 28の背後に 6ケ所のリフト規制部 33を有している。このリテーナ 29がー体型のために取付が容易となった。

[0027] このように、シリンダブロック 20の背後に吸入弁 26、吐出弁 28を取付けた後に、リアハウジング 4に固着される。即ち、リアハウジング 4の延出部 9にガスケット 36を介して該シリンダブロック 20の嵌合孔 21を被嵌する。それから、固定ボルト 35を固定用孔 2 3に挿入し、その先端をリアハウジング 4の固定用螺子孔 15に螺合することで完了する。これにより、ハウジング 2の収納空間 5には、その左側にクランク室 37が形成される。

[0028] クランク室 37には、図 1に示すように、圧縮駆動機構が収納され、駆動軸 40がラジアル軸受 41, 42を介して支えられ、この駆動軸 40には、回転基体 43が固着され、該駆動軸 40と共に回転する。この回転基体 43の回転力は、リンク機構 44を介して下記する斜板 45に伝えられる。

[0029] 斜板 45は、前記駆動軸 40に対して、軸 46を支点として揺動自在に取付られ、その外周にピストン 48の首部 48aにシユー 49を介して係合している。したがって、斜板 45 が回転すると、その傾斜角に比してピストン 48のストローク量が決定される。即ち、傾斜角が小さくなれば、ストローク量は小さくなり、逆に大きくなれば、ストローク量が大きくなる。この斜板 45の傾斜角はクランク室 37内の圧力と、圧縮室内の冷媒圧力とのピストンを介在した差圧に応じて得られるもので、クランク室 37内の圧力制御にて吐出量を調量している。

実施例 2

[0030] 図 4において、この発明の第 2の実施例が示され、シリンダブロック 20のリアハウジング 4に固定された例が示されている。前記実施例 1にあっては、 6本の固定ボルト 3 5を挿入の 6個の固定用孔 23が必要であることから、シリンダブロック 20の強度の低下をきたすことになるため、この実施例 2では、リアハウジング 4から突出の延出部 9の外周に螺子 51を形成し、この螺子 51に螺合するリングナット 52を用いて、シリンダブロック 20をリアハウジング 4に固定したものである。なお、シリンダブロック 20の嵌合孔 21に段部 53を設けて、該段部 53にリングナット 52の一部が係止することでシリンダブロック 20は固定される。その他の部分は、前記第 1の実施例と同一のため、同一番号を付して、その説明を省略する。

前記第 2の実施例ば力りでなぐ第 1の実施例にあっても、シリンダブロック 20はリアハウジング 4に固着することとなっている力これに限らず、フロントハウジング 3に延出部 9を形成し、この延出部 9にシリンダブロック 20の嵌合孔 21を被嵌するようにもできること勿！^である。

Claims

請求の範囲

[1] フロントハウジングとリアハウジングとにより収納空間が構成され、この収納空間に圧縮駆動機構、シリンダブロックを収納した圧縮機にぉ、て、

前記フロント又はリアハウジングに前記クランク室側へ突出する延出部を設けると共に、前記シリンダブロックの中心に嵌合孔を設け、この嵌合孔を前記延出部に被嵌して該シリンダブロックを前記フロント又はリアハウジングに取付け、更にシリンダブロックを前記フロント又はリアハウジングに固定する固定手段を設けたことを特徴とする圧縮機。

[2] 前記延出部の内側には、軸受収納室が設けられ、この軸受収納室にラジアル軸受を設けたことを特徴とする請求項 1記載の圧縮機。

[3] 前記固定手段は固定ボルトより成ることを特徴とする請求項 1記載の圧縮機。

[4] 前記固定手段はリングナットであることを特徴とする請求項 1記載の圧縮機。

[5] 前記圧縮駆動機構は、駆動軸に固着の回転基体、この回転基体力回転力が伝えられる斜板、この斜板と係合するピストンとより成ることを特徴とする請求項 1記載の圧縮機。

[6] 前記シリンダブロックは、中心に前記嵌合孔を有し、その周囲で複数のシリンダボアが形成されると共に、複数の固定用孔と締結用孔が形成されたことを特徴とする請求項 1又は 3記載の圧縮機。

[7] 前記シリンダブロックには、その背面に順次配されるガスケット、吸入弁、バルブプレート、吐出弁及びリテーナが、前記締結用孔に挿入され、前記リテーナの雌ねじ孔に螺合する締結ボルトの締結により取付られるようにしたことを特徴とする請求項 1, 3 又は 6記載の圧縮機。

[8] 前記リテーナは、シリンダボアと同数のリフト規制部及び前記締結ボルトと同数の雌ねじ孔を持ち、しカゝも一体ィ匕されて輪状を成してヽることを特徴とする請求項 7記載の圧縮機。