明 細 書
三環系化合物
技術分野
[0001] 本発明は、医薬、特に関節リウマチ等、 IKK2の関与する疾患の治療又は予防薬と して有用な三環系化合物に関する。
背景技術
[0002] ニュークレオファクター κ B (NF- κ B)はサイト力イン(TNF- a、 IL- 1 β、 IL- 6等)、ケ モカイン (RANTES、 IL-8等)、或いはァラキドン酸代謝酵素(COX-2等)等の炎症反 応に関与するタンパク質の転写、翻訳を活性ィ匕するュビキタスな転写因子であり、炎 症性疾患又は自己免疫疾患等における急性炎症反応及び慢性炎症反応に重要な 役割をしている(Mol. Cell Biol. 1999;19:4547-51) 0例えば、関節リウマチ(RA)患者 の滑膜細胞では、 NF- κ Bが核内に移行して活性ィ匕されていることが示されており、 炎症部位でのサイト力インやエイコサノイド等の炎症性メディエーター産生に NF- κ B が中心的役割を占めていることが指摘されている(Annu. Rev. Immunol. 1994; 12: 141 -79) o
[0003] NF- κ Bの活性化を阻害することが、前記の炎症性疾患の有効な治療法となり得る ことが示されている。例えば、臨床で広く用いられているステロイド、非ステロイド性抗 炎症剤(NSAID; salicylate, sulindac等)、免疫調整剤(thalidomide等)或いは抗酸ィ匕 剤(flavonoids等)等力 NF- κ Β活性化の阻害作用を有する(Nat. Rev. Drug Discov. 2004;3: 17-26)。
[0004] 通常、 NF- κ Bはその抑制因子 I κ Bと結びついて細胞質内に留められている。細 胞をサイト力イン (TNF- a、 IL-1 β等)、細菌又はウィルスの生成物(LPS、 TAX等)、 或いは化学物質(ホルボールエステル等)で刺激すると、 I κ Bは I κ Bキナーゼ(IKK1 および IKK2)によってリン酸ィ匕される。その結果、 I κ Bから遊離した活性型 NF- κ Bは 核内へ移行できるようになり、核において特定のェンノ、ンサ一配列に結合し、前述の ようにサイト力イン等の転写翻訳を開始する。
[0005] NF- κ Bの活性ィ匕には IKK2が重要であり、 IKK2を阻害することが最も効果的、選択
的に NF- κ B活性化、それに基づく炎症を抑制する方法であることが示唆されている (Nat. Rev. Drug Discov. 2004;3: 17-26) 0また、これまでに、 IKK2を欠損した線維芽 細胞では、サイト力イン刺激により NF- κ Bが活性ィ匕されないことが示されている(Sde nce 1999;284:321-5)。さらに、種々の動物モデルにおいて、 IKK2を選択的に阻害す る低分子化合物が炎症反応を抑制すること(Nat. Rev. Drug Discov. 2004;3: 17-26) 、或いは酵素活性を欠いた IKK2の変異体を発現させた動物では、炎症反応が抑制 されることが報告されている(Arthritis Rheum. 2001 ; 44: 1897-907) 0
[0006] 近年、炎症性疾患又は自己免疫疾患等の治療では、 TNF- a、 IL-1等の抗サイト力 イン抗体の生物製剤が注目されて 、るが、単独では治療効果が十分ではな 、ことが 報告されている(Nat. Rev. Drug Discov. 2003;2:473-88) 0実際、通常、臨床では生 物製剤は NSAID又はステロイド等と併用して用いられる(Lancet 1999;354: 1932- 9)。 一方、ラット関節炎モデルにおいて、抗 TNF-ひ製剤と抗 IL-1製剤を併用することによ り相乗的な治療効果が示されている(Arthritis Rheum. 2001 ;43:2648-2659)。したが つて、 TNF- o;及び IL- 1にカ卩えて様々な炎症因子を同時に抑制する IKK2阻害剤は、 急性および慢性炎症、自己免疫疾患の治療に現在使われている薬剤よりも高い薬 効を示す可能性がある。
[0007] なお、 IKK2は抗アポトーシス蛋白(Be卜 2等)の発現制御に関与しており、 IKK2の阻 害剤は抗腫瘍作用を示すことが報告されている(Drug Discovery Today 2002 ; 7 : 653 -63) o
[0008] 国際公開第 03/103661号パンフレットには、下記一般式 (II)で表されるチェノビリジ ン誘導体が IKK2阻害作用を有し、自己免疫疾患、炎症性疾患及び癌等の治療に有 効であることが、示唆されている。
[化 1]
(式中、 Rはフエ-ル、ヘテロァリール、ヘテロシクリル、 C アルキル等、 Rはじ アル
キル、 C アルコキシ、 C アルキルァミノ、ヘテロシクリル (CH ) -等、 mは 0又は 1を示
1-6 1-6 2 m
す。詳細は当該公報参照。 )
[0009] また、国際公開第 04/009582号パンフレットには、 4,5-ジヒドロナフト [1,2-b]チォフエ ン誘導体が、国際公開第 03/086309号パンフレットには、 4H-インデノ [1,2-b]チオフ ン誘導体等の三環系骨格を有する IKK2阻害化合物が報告されている。
[0010] 一方、東ドイツ国特許第 258018号明細書および東ドイツ国特許第 258019号明細書 には、下記式 (III)で示される化合物が、医薬ィ匕合物 (IV)を製造する為の原料ィ匕合 物として記載されている。
[化 2]
また、「ファーマシューティカノレ'ケミストリー 'ジャーナノレ(Pharmaceutical Chemistry Journal)」、 1997年、 31卷、 10号、 540— 542頁には、下記式 (V)で示される化合 物が、向神経性の作用を有することが報告されている。
[化 3]
(式中、 Xは 0、 S又は NMeを示す。)
しかし、上記東ドイツ国特許第 258018号明細書および東ドイツ国特許第 258019号 明細書、及び上記ファーマシューティカル 'ケミストリ一'ジャーナルには、 IKK2阻害 作用に関する記載も抗炎症作用に関する記載もな 、。
発明の開示
[0013] 本発明の課題は、 IKK2阻害作用に基づく強力な抗炎症作用を有し、関節リウマチ 等、炎症性疾患又は自己免疫疾患の治療又は予防に有効な医薬組成物を提供す ることにめる。
[0014] 本発明者等は、 IKK2阻害作用を有する化合物につき鋭意検討した結果、下記一 般式で示される、ピリジン環に含窒素飽和へテロ環基又は置換アミノ基が置換し、チ オフヱン環上にカルボキサミド基とアミノ基を有することを特徴とする三環系化合物が 、 IKK2阻害作用に基づく優れた抗炎症作用を有することを確認し、良好な炎症性疾 患又は自己免疫疾患の治療又は予防薬となりうることを知見して本発明を完成した。
[0015] 即ち、本発明は下記一般式 (I)で示される新規な三環系化合物又はその塩に関す る。
[化 4]
(式中の記号は、それぞれ以下の意味を有する:
[化 5]
Het:含窒素飽和へテロ環基、
R1 :- R°、ハロゲン、ハロゲノ置換低級アルキル、 - Y1- NR4(R5)、 - Y1- NR4- CO(R6)、 - Y1- OR6、 - Y1- O- CO- R°、 - Y1- CO - R6、 - Y1- CO- R6、 - Y1- CO- NR4(R5)、 - Y1- SO - R°、 - Y1
2 2
- SO- R°、 - Y1- S- R°、 - Y1- CN、 - Y1- CO- R°°- NR4(R5)、 - Y1- CO- R°°- OR6、 - Y1- CO- NR4 - R°°- OR6、 - Y1- NR4- R°°- OR6、 - Y1- NR4- R°°- NR 6、 - Y1- NR4- CO- NR5R6、 - Y2-置換 されて 、てもよ 、フエ-ル、 -Υ2-置換されて!、てもよ!/、単環若しくは 2環式へテロ環基 、 -Υ2-置換されて 、てもよ 、シクロアルキル又は- Υ3-置換されて 、てもよ 、フエ-ル、
R°:低級アルキル、
RQQ:低級アルキレン、
Y1 :結合又は- RQQ-、
Y2:結合、 - R。。-、 - 0-、 - R。。- 0-、 - R。。- CO-、 - R。。- SO -又は- CO - R。。-、
2 2
Y3:フ -ル及び- CO -R6力 選択される基で置換された低級アルキレン、
2
R4及び R6:同一又は互いに異なって、 H又は- R°、
R5 : H、 - R°、ハロゲンで置換されていてもよいフエ-ル又はハロゲンで置換されていて もよいベンジル、
k: 0、 1、 2又は 3、
但し、基 Hetがモルホリノ基のとき kは 1、 2又は 3を示す、
R2及び R3 :同一又は互いに異なって、 H、 - R°、 - R°°-0R6、 - R°°-NR°R4、 - R°°-CN、 - R°° -CO - R6、 - R。。- CO- NR4(R5)、 - R。。- SO - R。、 -R。。-置換されていてもよいフ -ル、 - R。
2 2
°-置換されて 、てもよ 、単環若しくは 2環式へテロ環基、 - R°°-置換されて 、てもよ ヽ シクロアルキル、 -Y3-C0 - R°、 -Y3- 0R6、 -Y3-置換されていてもよい単環若しくは 2環
2
式へテロ環基、置換されていてもよいフ -ル、置換されていてもよい単環若しくは 2 環式へテロ環基又は置換されて 、てもよ 、シクロアルキル、
X :- CR7R8-、 - 0-、 - CO-、 - S(0) -、 - NR4-、 - N(C0- R°)-又は- N(S0 - R0)-、
P 2
R7及び R8 :同一又は互いに異なって、 H、 - R°、ハロゲン又は- 0R6、
p : 0、 1又は 2、
m : 0、 1、 2又は 3、
n: 0、 1、 2又は 3、
ここで、 m+nは 2以上 5以下の整数を表す。以下同様。 )
[0016] なお、上記の本発明化合物は、三環系の縮合チェノビリジン構造を母核とする点で
、従来の IKK2阻害剤とは基本構造が異なる。また、上記東ドイツ国特許第 258018号 明細書および東ドイツ国特許第 258019号明細書、及び上記ファーマシューティカル' ケミストリー ·ジャーナルには IKK2阻害剤の開示も示唆もな 、。
[0017] また、本発明は、前記一般式 (I)で示される三環系化合物またはその塩と、製薬的 に許容される担体とからなる医薬組成物に関する。好ましくは、 IKK2阻害剤である前
記医薬組成物であり、また、炎症性反応に関与するタンパク質、特に、サイト力イン、 ケモカイン及び Z又はァラキドン酸代謝酵素の産生を抑制する前記医薬糸且成物であ る。また、本発明は、炎症性疾患又は自己免疫性疾患、特に、関節リウマチの治療 又は予防剤である前記医薬組成物である。また、別の態様としては、炎症性疾患又 は自己免疫性疾患治療剤製造のための一般式 (I)で示される三環系化合物または その塩の使用であり、三環系化合物またはその塩の有効量を哺乳動物に投与するこ と力もなる、炎症性疾患又は自己免疫性疾患の治療又は予防法である。
[0018] 本発明化合物は、 IKK2を阻害することにより、サイト力イン、ケモカイン、ァラキドン 酸代謝酵素等、炎症性反応に関与するタンパク質の産生を抑制し、炎症性疾患、自 己免疫性疾患のモデルにお!、て優れた抗炎症作用を示すと!、う利点がある。
発明を実施するための最良の形態
[0019] 以下、本発明につ 、て詳述する。
本明細書中の一般式の定義において「低級」なる用語は、特に断らない限り、炭素 数が 1〜6 (以後、 C と略す)の直鎖又は分枝状の炭素鎖を意味する。従って「低級
1-6
アルキル」はじ アルキルであり、好ましくはメチル、ェチル、プロピル、ブチル基等の
1-6
直鎖状のアルキル、及びイソプロピル、イソブチル、 tert-ブチル基等の分枝状のアル キルである。メチル、ェチル、プロピル及びイソプロピル基が特に好ましい。
「低級アルキレン」はじ アルキレンであり、好ましくはメチレン、エチレン、トリメチレ
1-6
ン、テトラメチレン基等の直鎖状のアルキレン、及びメチルメチレン基等の分枝状のァ ルキレンである。メチレン、トリメチレン及びテトラメチレン基が特に好ましい。
「ハロゲン」は、 F、 Cl、 Br及び Iを示す。「ハロゲノ低級アルキル」とは、好ましくは 1個 以上のハロゲンで置換された C アルキルを意味し、より好ましくは 1個以上の Fで置
1-6
換された C アルキルであり、更に好ましくは、フルォロメチル、ジフルォロメチル、トリ
1-6
フルォロメチル及びトリフルォロェチル基である。
「シクロアルキル」とは、 C の飽和炭化水素環基であり、架橋を有していてもよい。
3-10
好ましくはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロへ プチル及びァダマンチル基である。
[0020] 「単環式へテロ環基」とは、 0、 S及び N力 選択されるへテロ原子を 1〜4個含有す
る単環 3〜8員、好ましくは 5〜7員環基であり、単環式へテロァリール、飽和環である 単環式へテロシクロアルキル、及び前記単環式へテロァリールが部分的に水素化さ れた環基を含む。単環式へテロァリールとしては、好ましくはピリジル、ピラジュル、ピ リミジ -ル、ピリダジ -ル、イミダゾリル、ピロリル、トリァゾリル、テトラゾリル、チェ-ル、 フリル、チアゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ォキサゾリル、イソォキサゾリル、チア ジァゾリル、ォキサジァゾリル基が挙げられる。単環式へテロシクロアルキル、又は単 環式へテロァリール基が部分的に水素化された環基として好ましくは、ピベリジニル、 ピロリジニル、ピペラジニル、ァゼパニル、ジァゼパニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒ ドロビラ-ル、モルホリニル、チオモルホリ-ル基である。
[0021] 「2環式へテロ環基」は、前記の単環式へテロ環基同士、又は単環式へテロ環基と フエニル基が縮環した環基であり、好ましくは、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラ -ル、ベンゾチェ-ル、インダゾリル、ベンゾチアゾリノレ、ベンゾォキサゾリノレ、ベンゾ イミダゾリル、キノリル、イソキノリル、キナゾリル、キノキサリニル、ジヒドロベンゾフラ二 ル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル及びインドリ-ル基である。
前記「単環式へテロ環基」及び「2環式へテロ環基」において、環原子である S又は N が酸ィ匕されォキシドゃジォキシドを形成してもよい。また、ヘテロシクロアルキル、及 びへテロァリールが部分的に水素化された環基においては、任意の炭素原子がォキ ソ基で置換されて 、てもよ 、。
[0022] 「含窒素飽和へテロ環基」とは、 1つの N原子を含み、更に N、 S及び Oからなるへテ 口原子を 1つ含んで 、てもよく、架橋して 、てもよ 、5〜8員飽和単環へテロ環(以下 、含窒素飽和単環式へテロ環基)を構成成分として含む環基の総称である。当該構 成成分の含窒素飽和単環式へテロ環基には、環の一部に二重結合を有するものも 含まれる。「含窒素飽和へテロ環基」には、上記の含窒素飽和単環式へテロ環基以 外に、これらの環基同士、又はこれらの環基とフ -ル基若しくはシクロアルキルが縮 合した 2環基 (以下、含窒素飽和 2環式へテロ環基)を包含する。また、含窒素飽和 単環式へテロ環基同士、又は含窒素飽和単環式へテロ環基とシクロアルキル若しく は含窒素飽和 2環式へテロ環基力 スピロ結合により結合した環基 (以下、含窒素飽 和スピロ環基)も包含する。含窒素飽和単環式へテロ環基として、好ましくは、ピペリ
ジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、ァゼパニル、ジァゼパニル、モルホリニル、チォ モルホリニル、テトラヒドロピリジル及びテトラヒドロ- 1 ,4-ォキサゼピン- 4(5H)-ィルであ る。含窒素飽和 2環式へテロ環基としては、好ましくは、テトラヒドロキノリル、テトラヒド 口イソキノリル、インドリル、 2,5-ジァザビシクロ [2.2.1]ヘプト- 2-ィル、へキサヒドロピロ 口 [1 ,2-a]ピラジン- 2(1H)-ィル及び 3,4-ジヒドロ-ピロ口 [1 ,2-a]ピラジン- 2(1H)-ィルで ある。含窒素飽和スピロ環基としては、好ましくは、 4-ォキソ -1-フエ-ル -1 ,3,8-トリア ザスピロ [4.5]デク -8-ィル、 3-ォキソ -1 'Η,3Η-スピロ [2-ベンゾフラン- 1 ,4'-ピぺリジン] - 1 '-ィル、 1-ォキソ -2,8-ジァザスピロ [4.5]デク -8-ィル及び l 'H,3H-スピロ [2-ベンゾ フラン- 1 ,4'-ピぺリジン]- 1しィルである。
[0023] 「置換されていてもよい」とは、「無置換」或いは「同一又は異なる置換基を 1〜5個 有していること」を示す。
例えば、「置換されて 、てもよ 、フエニル」及び「置換されて 、てもよ 、単環若しくは 2環式へテロ環基」における置換基としては、好ましくは、低級アルキル、ハロゲン、ハ ロゲノ置換低級アルキル、 -OR6, - NR4(R5)、 - R°°- OR6、 - R°°- NR4(R5)、 - NR4- CO(R6)、 - CO- NR4(R5)、 - CN、 -NO、フエ-ル、ベンジル、単環式へテロァリールである。 R1に
2
おける「置換されて 、てもよ 、フエニル」及び「置換されて 、てもよ 、単環若しくは 2環 式へテロ環基」における置換基としては、特に、低級アルキル、ハロゲン、
- NR 4(R
5)、 - R°°_OR
6が好ましぐ R
2及び R
3における当該置換基としては、特に、低級アル キル、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、 - OR
6、 - NR
4(R
5)、 - R°°- OR
6、 CN、フエ-ル、 ベンジル、単環式へテロァリールが好ましい。また、「置換されていてもよいシクロアル キル」における置換基としては、好ましくは、 R°、 - 0- R
3、 _NR
4(R
5)、ォキソ、 -CO - R
3で
2 ある。
また、 kが複数のとき、基 R1は同一又は異なっていてもよい。
[0024] 前記一般式 (I)に示される本発明化合物における好ましい態様は、以下に示すィ匕 合物又はその塩である。
( 1) Xが- CR7R8-、 - 0-又は- NMe-である化合物。
(2)より好ましくは、 Xが- CR7R8-である化合物。
(3)より好ましくは、 Xカ CH -である化合物。
(4)より好ましくは、 A力 下記式、
[化 6] 、
(5)より好ましくは、 Hetが含窒素飽和単環式へテロ環基である前記 (4)記載の化合 物。
(6)より好ましくは、 Hetがピぺラジュル、ピベリジ-ル、ァゼパ -ル、ジァゼパエル、ピ ロリジニルである前記 (4)記載の化合物。
(7)より好ましくは、 Hetがピぺラジュル、ピペリジニルである前記 (4)記載の化合物。
(8)より好ましくは、 m及び nが、同一又は互いに異なって 1又は 2である前記(7)記載 の化合物。
(9)より好ましくは、 m及び nの一方が 1であり他方が 2である前記(7)記載の化合物。
(10)より好ましくは、 kが 0又は 1であり、 kが 1のとき、 R1が、 - R°、 - NR4(R5)、 - OR6、 -CO - NR4(R5)、 - CO- R°°- NR4(R5)、 - CO- R°°- OR6、 - CO- NR4- R°°- OR°、 - R°°- OH、 -R°°-0 R°、置換されていてもよいフエ-ルである前記(9)記載の化合物。ここに、置換されて いてもよいフエ-ルの置換基としては、低級アルキル、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキ ル、 - OR6、 - R°°-OR6が好ましぐ当該フエ-ル基はピぺラジュル、ピベリジ-ル基の 3 位に置換することが好ま 、。
(11)特に好ましくは以下に示す群から選択される、前記一般式に示される誘導体: 1 -ァミノ- 5- (4-メチル -1-ピペラジ-ル )-6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3- c]イソキノリン- 2 -カルボキサミド、 1-ァミノ- 5-(4-ェチル -1-ピペラジ-ル )-6, 7,8,9-テトラヒドロチエノ [2 ,3- c]イソキノリン- 2-カルボキサミド、 1-ァミノ- 5- (4-プロピル- 1-ピペラジ-ル )-6,7,8,9 -テトラヒドロチェノ [2,3-c]イソキノリン- 2-カルボキサミド、 1-ァミノ- 5-(1-ピぺラジュル) -6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3- c]イソキノリン- 2-カルボキサミド、 1-ァミノ- 5- (へキサ ヒドロ- 1H- 1,4-ジァゼピン- 1-ィル) -6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3- c]イソキノリン- 2- カルボキサミド、 1-ァミノ- 5-(1-ピペラジ-ル )-7,8,9,10-テトラヒドロ- 6H-シクロヘプタ[
d]チエノ [2,3- b]ピリジン- 2-カルボキサミド、 1-ァミノ- 5- (1-ピペラジ-ル )-7,8-ジヒドロ -6H-シクロペンタ [d]チエノ [2,3-b]ピリジン- 2-カルボキサミド、 1-ァミノ- 8-メチル -5-( 1-ピペラジ-ル )-6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3-c]イソキノリン- 2-カルボキサミド、 1- ァミノ- 7,7-ジフルォロ- 5- (1-ピペラジ-ル )-6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3- c]イソキノ リン- 2-カルボキサミド、 1-ァミノ- 5- (3-フエ-ル- 1-ピペラジ-ル )-6,7,8,9-テトラヒドロ チエノ [2,3-c]イソキノリン- 2-カルボキサミド、 1-ァミノ- 5-[3-(4-メトキシフエ-ル) -1-ピ ペラジ-ル )-6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2, 3-c]イソキノリン- 2-カルボキサミド、及び 1- ァミノ- 5- [3- (4-フルオロフェ-ル )-1-ピペラジ-ル )-6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3- c] イソキノリン -2-カルボキサミド。
[0025] 本発明化合物 (I)には幾何異性体や互変異性体が存在する場合がある。本発明に はこれらの異性体の分離したもの、或いは混合物が包含される。また、本発明化合物 (I)は不斉炭素原子を有する場合があり、これに基づく光学異性体が存在しうる。本 発明はこれらの光学異性体の混合物や単離されたものを全て包含する。
更に、本発明化合物 (I)には、製薬学的に許容されるプロドラッグも含まれる。製薬 学的に許容されるプロドラッグとは、加溶媒分解により又は生理学的条件下で本発明 の NH、 OH、 CO H等に変換できる基を有する化合物である。プロドラッグを形成する
2 2
基としては、 Prog. Med., 5, 2157-2161 (1985)や「医薬品の開発」(廣川書店、 1990年 )第 7卷 分子設計 163-198に記載の基が挙げられる。
[0026] 本発明化合物 (I)の塩としては、製薬学的に許容される塩であり、具体的には塩酸 、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオ ン酸、シユウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、 クェン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ァスパラギン酸、グルタミン酸等の有 機酸との酸付加塩等が挙げられる。また、置換基の種類によっては、塩基との塩を形 成する場合もあり、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミ-ゥ ム等の金属を含む無機塩基、或いはメチルァミン、ェチルァミン、エタノールァミン、リ ジン、オル-チン等の有機塩基との塩やアンモ-ゥム塩等が挙げられる。さらに、本 発明化合物 (I)及びその塩には、各種の水和物や溶媒和物及び結晶多形の物質が 包含される。
[0027] (製造法)
本発明化合物 (I)及びその塩は、その基本骨格或いは置換基の種類に基づく特徴 を利用し、種々の公知の合成法を適用して製造することができる。その際、官能基の 種類によっては、当該官能基を原料乃至中間体の段階で適当な保護基で保護、又 は当該官能基に容易に転ィヒ可能な基に置き換えておくことが製造技術上効果的な 場合がある。このような官能基としては例えばアミノ基、水酸基、カルボキシル基等で あり、それらの保護基としては例えばグリーン (T. W. Greene)及びウッツ (P. G. M. Wu ts)著、「Protective Groups in Organic Synthesis (第 3版、 1999年)」に記載の保護基 を挙げることができ、これらを反応条件に応じて適宜選択して用いればよい。このよう な方法では、当該保護基を導入して反応を行った後、必要に応じて保護基を除去、 或いは所望の基に転化することにより、所望の化合物を得ることができる。また、化合 物のプロドラッグは、得られたィ匕合物 (I)又は原料乃至中間体の段階で、特定の基を 導入することにより製造できる。反応は通常のエステル化、アミド化、脱水等、当業者 により公知の方法を適用することにより行うことができる。
[0028] (第一製法)
[化 7]
(式中の記号は、前記と同様の意味を表す。以下同様。 )
本製法は化合物 (1)と 2-プロモアセトアミド (2)とを用いて、連続する S-アルキルィ匕反 応と環化反応を同時に行うことにより、本発明化合物 0)を製造する方法である。 本反応は化合物 (1)と 2-プロモアセトアミド (2)とを適当な塩基存在下、等量もしくは 2 -プロモアセトアミド (2)を過剰量用い、反応に不活性な溶媒中、室温〜加熱還流下に 通常 1時間〜 3日間撹拌することにより行われる。適当な塩基としては、水酸化リチウ ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物類、炭酸リチウム、 炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩類、炭酸水素ナトリウム、炭酸
水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩類、水酸化マグネシウム、水酸化カルシゥ ム等のアルカリ土類金属水酸ィ匕物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム
-tert-ブトキシドのような金属アルコキシド類、トリエチルァミン、ジイソプロピルェチル ァミン (DIPEA)、 N-メチルモルホリン、ピリジン、ピロリジン、 1,8-ジァザビシクロ [5.4.0] ゥンデ力- 7-ェン (DBU)等の有機アミン類を用いることができる力 化合物の他の部位 に影響を与えないものであれば特に限定されることはない。また溶媒としては、メタノ ール、エタノール、 2-プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジェチルエーテ ル、テトラヒドロフラン (THF)、 1,4-ジォキサン、 1,2-ジメトキシェタン、 1,2-ジエトキシェ タン等のエーテル類、ジクロロメタン、 1,2-ジクロロエタン、クロ口ホルム等のハロゲン 化炭化水素類、 Ν,Ν-ジメチルホルムアミド (DMF)、 N-メチルピロリドン (NMP)、ジメチ ルスルホキシド (DMSO)、ピリジン、ルチジン、水等を用いることができる力 反応に不 活性な溶媒であれば、これらに限定されることはな 、。
(第二製法)
[化 8]
(ΑΊま、式 (I)中の Aで示される基のうち、窒素原子でピリジン環と結合する基を、 TfO はトリフルォロメタンスルホ -ルォキシ基を示す。 )
本製法は、トリフルォロメタンスルホナートイ匕合物 (3)とアミンィ匕合物 (4)とを用いて、 置換反応と環化反応を組み合わせて本発明化合物 (la)を製造する方法である。 まず、本発明化合物 (la)は、置換反応により化合物 (5)を生成させ、同一反応容器中 で引き続く環化反応を行うことにより製造できる。置換反応は、両方の原料化合物を
等量もしくはァミン誘導体 (4)を過剰量用い、第一製法で記した反応に不活性な溶媒 中、室温〜加熱還流下に通常 1時間〜 3日間撹拌することにより行われる。引き続く 環化反応は、同一容器内に第一製法で記した適当な塩基を加え、室温〜加熱還流 下に通常 1時間〜 3日間撹拌することにより行われる。
また、本発明化合物 (la)は、化合物 (3)を環化反応により (6)とした後に、化合物 (4)と 置換させることによつても製造できる。環化反応においては、 THF溶媒中、 DBUを用 V、て室温で反応させることが好まし 、。
(第三製法) その他の製法
種々の官能基を有する本発明化合物は、当業者に自明の方法又は公知の製造法 、或いはその変法を適用することによつても製造することができる。例えば本発明化 合物 (I)を原料として、以下の反応を置換基 Aの変換に適用することにより、本発明 化合物 (I)の一部を製造することができる。
(1)アミド化、スルホンアミド化及びエステルイ匕
基 A中に、カルボキシル基を有する化合物を、種々のァミン化合物と縮合させること により、アミド基を有する化合物を製造することができる。同様に、基 A中にアミノ基を 有する化合物を種々のカルボン酸化合物、若しくはその反応性誘導体とを反応させ ることにより、アミド基を有する化合物を製造することができる。又、カルボン酸の代わ りに、種々のスルホン酸誘導体 (スルホン酸ハライドゃスルホン酸無水物等の反応性 誘導体が好まし 、)を使用することで、種々のスルホンアミド誘導体を製造することが できる。反応は、例えば日本化学会編「実験科学講座 (第 4版)」 22卷 (1992年) (丸善) 等に記載の方法が適用できる。
(2) N-アルキル化
基 A中に、アミノ基を有する化合物をアルキルィ匕反応に付すことにより、 N-アルキル アミノ基を有する本発明化合物を製造できる。反応は、日本化学会編「実験化学講 座 (丸善)」 20卷 (1992年) (丸善)に記載の方法を参考に実施することができる。
(3)加水分解
基 A中に、エステルを有する化合物を加水分解反応に付すことにより、カルボキシ ル基を有する本発明化合物を製造できる。反応は、前述の「Protective Groups in Or
ganic Synthesis (第 3版)」のカルボキシル基の脱保護反応等に記載の方法を参考 実施することができる。
(原料化合物の製造)
前記製法にて使用した原料ィ匕合物は、例えば下記合成経路に従って製造できる。
[化 9]
A 0 (1 )
(7)
化合物 (1)は、カルボン酸誘導体 (7)とカルボニル誘導体 (8)を縮合反応に付して得ら れるジケトン誘導体 (9)と、 2-シァノチオアセトアミド (10)との環化反応により製造するこ とができる。縮合反応は, Journal of Medicinal Chemistry, 1997, 40, 2374- 2385に記 載の方法を参考に行うことができる。環化反応は、第一製法で記した適当な塩基存 在下、化合物 (9)及びィ匕合物 (10)を等量もしくは (10)を過剰量用い、第一製法で記し た反応に不活性な溶媒中、室温〜加熱還流下に通常 1時間〜 3日間撹拌することに より行われる。好ましくはエタノール溶媒中、ナトリウムエトキシドを用いて、室温〜還 流温度において反応させる。
[化 10]
(Eは低級アルキル基を示す。 )
化合物 (3)は β -ケトエステル (11)と 2-シァノチオアセトアミド (10)を環化反応に付した 後、 2-ブロモアセトアミド (2)によるアルキルィ匕反応、引き続くトリフルォロメタンスルホ 二ルイ匕反応により製造することができる。環化反応は第二製法、アルキル化は第一 製法と同様の条件で行うことができる。トリフルォロメタンスルホ二ルイ匕は、化合物 (13) とトリフルォロメタンスルホ-ルクロリド、トリフルォロメタンスルホン酸無水物、 Ν-フエ- ルビス (トリフルォロメタンスルホンイミド)等のトリフルォロメタンスルホ -ル化剤を第一
製法で記した適当な塩基存在下、第一製法で記した反応に不活性な溶媒中、 o°c〜 室温下に通常 1時間〜 3日間撹拌することにより行われる。好ましくは 1,4-ジォキサン 溶媒中、 DIPEA存在下、室温で反応させることにより行うことができる。
[0032] このようにして製造された化合物 (I)は、遊離のまま、又は常法による造塩処理を施 し、その塩として単離'精製される。単離'精製は抽出、濃縮、留去、結晶化、濾過、 再結晶、各種クロマトグラフィー等の通常の化学操作を適用して行われる。各種の異 性体は異性体間の物理ィ匕学的な性質の差を利用して常法により単離できる。例えば 光学異性体は、ラセミ化合物を光学活性な有機酸 (酒石酸等)とのジァステレオマー 塩に導 ヽた後に分別結晶化する方法、或いはキラル充填材を用いたカラムクロマトグ ラフィ一等の手法により、各々分離精製することができる。また、光学活性化合物は 適切な光学活性ィ匕合物を原料として用いることにより製造することもできる。尚、ジァ ステレオマーの混合物についても、分別結晶化又はクロマトグラフィー等により分離 することができる。
[0033] (試験方法)
本発明化合物の効果は以下の薬理試験により確認された。
(1)ラッ HKK2酵素阻害評価
(0酵素調製
ラット IKK2 (Genbank AF115282)の ORFをラット脾臓 cDNAライブラリーよりクロー- ングし、 FLAG-tagをつけた形で S19細胞系にて発現させ、細胞溶解液(50mM Tris- H CI pH7.5, 0.15M NaCl, 1% NP- 40, 10% Glycerol, ImM EDTA, ImM EGTA pH7.5, 1 mM Na VO , 5mM p-nitrophenylphosphate, lOmM β -glycerophosphate, ImM DTT
3 4
, ImM PMSF, 10 μ g/ml Leupeptin, 10 μ g/ml Aprotinin (Sigma社))に細胞を溶解し 、細胞抽出液を大量調製した後、 antト FLAG M2抗体 (Sigma社)にて精製した。以上 の実験操作は、公知の方法、即ち遺伝子操作実験マニュアル(Sambrook, J. et al, M olecular Cloning- A Laboratory Manual", Cold Spring Harabor laboratory, NY, 1989 )や試薬に添付の指示書に従った。精製したラッ HKK2は、酵素保存液 (20mM Tris- HC1 pH7.5, 10% Glycerol, 12.5mM β -glycerophosphate, 0.5mM EDTA, 0.5mM EG TA, 0.05% Brij35, ImM DTT, ImM PMSF (Sigma社))中で、 - 80°Cで保存した。
(ii)酵素アツセィ
上記精製ラット IKK2、 IX酵素反応バッファー (20mM Tris-HCl pH7.5, 12.5mM β - glycerophosphate, 20mM MgCl , O. lmM DTT)、 0.01% BSA (Sigma社)、 0.5 μ M ATP
2
、 0.2 Mビォチン化基質ペプチド (ラッ H- kappa B alpha (Genbank Q63746)のァミノ 酸残基 18番〜 49番)及び化合物を溶解した DMSO溶液を、 384穴プレート(カタ口 グ番号 3677 :コーユング社)に総量 10 1となるようにカ卩えて、室温で 90分放置した。 その後、 10 μ 1の反応停止液(lOOmM Hepse pH8, 0.01% BSA, 0.8M KF, 50mM EDT A pH8, 1% Triton X- 100,抗リン酸化 I- kappa B alpha抗体 (Santa Cru社)のユーロピウ ムクリブテート標識体,ストレプトアビジン標識した XL665 (日本シエーリング)をカ卩えて 、 30分保温後、 DISCOVERY (Perkin-Elmer)にて測定した。被検化合物のラッ HKK2 酵素活性阻害作用は下式で求めた。なお、各用量は独立に三回試験された。
被検化合物による阻害率 (%) = ( (化合物無し、ラッ HKK2有りの状態の平均値) -( 被検化合物有り、ラッ HKK2有りの状態の平均値)) / ( (化合物無し、ラッ HKK2有りの 状態の平均値) (ラッ HKK2無しの状態の平均値)) xlOO。
各用量の阻害率 (%)から、プロビット法により、 50%阻害 (IC )を算出した。例えば
50
、実施 ί列 226のィ匕合物は l lnMの IC 値を示した。また、実施 ί列 1、 2、 3、 4、 5、 6、 7、
50
8、 11、 12、 13、 14、 15、 17、 18、 20、 210、 211、 213、 217、 218、 219、 220、 2 21、 222、 224、 225、 227、 228、 229、 230及び 231のィ匕合物は、 0.5 /ζ Μ以下の I C 値を示した。この結果より、本発明化合物の化合物は強力な ΙΚΚ2阻害作用を有
50
することが確認された。
[0034] ΙΚΚ2は NF- κ Βを介して炎症性反応に関与する多くのタンパク質の転写翻訳を調 節する酵素であり、冒頭に述べたように ΙΚΚ2の阻害は、様々なサイト力イン、ケモカイ ン等の産生を抑制することになる。以下の 2つの試験は、ケモカインの中でも特に炎 症の病態に重要な Rantes、及びサイト力インの一つとして炎症の病態に重要な TNF- aを指標として、化合物 (I)による炎症性反応に関与するタンパク質の産生抑制効果 を評価したものである。試験(2)は、ヒト Rantes産生阻害作用を細胞系で、試験(3)は 、 TNF- a産生阻害作用をマウスで評価したものである。
[0035] (2)ヒト Rantes産生阻害評価
(0細胞調製
10%FBS (カタログ番号 12303- 500M :JRH)、ペニシリン 'ストレプトマイシン(カタ口 グ番号 15070- 063: Invitrogen)含 RPMI— 1640培養液(カタログ番号 11875- 093: Inv itrogen) (以下、培養液と称する)で、ヒト A549細胞株を 250000個/ mlで細胞懸濁液 を調製し、 96穴細胞培養用プレート(カタログ番号 3860-096:イワキ)の 1穴あたりに、 その細胞懸濁液 80 1を添カ卩して、 COインキュベーターでー晚保温した。翌日、ィ匕
2
合物を溶解した DMSO溶液あるいは DMSOを培養液で 100倍希釈し、その 10 1を上 記細胞培養プレートの 1穴あたりにカ卩えて 1時間、 COインキュベーターで保温した。
2
その後、更に培養液あるいはヒト TNF- a (100ng/ml:カタログ番号 210- TA- 010 : R& D Systems)を含む培養液を 10 1カ卩えて、 18時間保温を継続した。 18時間保温後、 培養上清を回収して、下記の ELISAアツセィに供した。
(ii)ELISAアツセィによる Rantes産生阻害評価
マウス抗ヒト Rantes抗体(カタログ番号 MAB678 :R&D)を PBSで 250倍希釈した溶 液 100 1を、 96穴マキシソーププレート(カタログ番号 43945 : Nunc)の 1穴あたりに 加えて、 4度でー晚静置した。翌日、 TBST (0.05% Tween20含 TBS)溶液で 3回洗浄 後、 1% BSA、 5% Sucorse (Sigma社)含 PBSを 1穴あたり 200 1加えて室温で 1時間静 置した。その後、上記の培養上清 50 1と培養液 50 1を加えて室温で 2時間保温し た。スタンダードとして、培養液で希釈したヒト Rantes (カタログ番号 278-RN- 010 : R&D Systems)を 100 1を別の穴に加えて同様に室温で 2時間保温した。その後、 TBST 溶液で 3回洗浄後、希釈用液 (0.1%BSA含 TBST溶液)で 10000倍希釈したピオチン 化抗ヒト Rantes抗体(カタログ番号 BAF278 : R&D Systems)を 100 1カ卩えて、 2時間保 温した。その後、 TBST溶液で 3回洗浄し、希釈用液で 1000倍希釈した Streptavidin- Biotinylated HRP (カタログ番号 RPN1051V: Amersham)を lOOulカ卩えて室温で 30分程 度保温し、 TBST溶液で 3回洗浄した。ペルォキシダーゼ用発色キット T (カタログ番号 ML-1120T: SUMILON)で発色、 450nmで測定した(540nmでの値を差し引き)。なお、 各用量は独立に三回試験された。
被検化合物による阻害率 (%) = ( (化合物無し、ヒト TNF- α有りの状態の平均値) - (被検化合物有り、ヒト TNF- α有りの状態の平均値)) / ( (化合物無し、ヒト TNF- a
有りの状態の平均値) (ヒト TNF- o;無しの状態の平均値)) xlOO。
各用量の阻害率 (%)から、プロビット法により、 50%阻害 (IC )を算出した。
50
例えば、実施例 7の化合物は 280nMの IC 値を示した。また、実施例 211、 213、 2
50
26及び 231の化合物は、 以下の IC 値を示した。
50
この結果より、化合物 (I)は強力な Rantes産生阻害作用を有することが確認された。
[0036] (3)マウス LPS-誘導 TNF- α産生モデル
6週齢雌性 Balb/cマウスを、コントロール群と被験物質投与群に分けた。 0.9%の生 理食塩水中に 10 g/マウスの LPSを含む溶液を、コントロール群のマウスに腹腔内投 与した。被験物質投与群のマウスでは、 LPS投与の 60分前に本発明の化合物を経口 投与した。ジェチルエーテル麻酔下、 LPS投与の 90分後に被験物質投与群マウスお よびコントロール群マウスの下大静脈力 採血し、へパリン処理し、血漿を 4°C10分 10 OOOrpmの遠心分離で分離し、次に PBS (pH7.4)で 2倍に希釈した。
サンプル中の TNF— α濃度は、 ELISAキット(ファーミンゲン、サンディエゴ、 CA)を 用いて定量した。コントロール群の平均に対する、被験物質投与群の抑制率を算出 し、平均値を示した。
以下に、化合物 (I)の 30mg/kg経口投与時における抑制率を例示する。 実施例番号 (抑制率):4 (60%)、 210 (51%)、 221 (54%)
この結果より、化合物 (I)は強力な TNF産生阻害作用を有することが確認された。 化合物 (I)が上記の試験(2)及び(3)で強力な Rantes及び TNF- a産生阻害作用 を示したことと、(I)の IKK2酵素阻害作用評価の結果とあわせれば、当該化合物が IK K2の阻害に基づく広範な炎症性メディエーターの転写翻訳を抑制可能であることが 推認される。実際、以下の in vivo試験においても化合物 (I)の良好な抗炎症作用が 確認された。
[0037] (4)ラットカラゲニン足浮腫モデル
動物の体重測定後,一群 5匹の体重の平均値が各群均等になるように群分けを行 つた。その後、被験化合物(投与量に応じ調整した 10ml/kg溶液、コントロール群は溶 媒のみ 10ml/kg)を経口投与し,薬物投与後 30分後に Sprague-Dawley系雄性ラット(6 〜10週齢,雄性, 日本エスエルシ—社)の右足躕皮下に 1%力ラゲニン(シグマアルド
リッチジャパン)溶液を 100 L注入し炎症を惹起した。炎症惹起後 3時間にエーテル 深麻酔により致死せしめ、左右足踝下組織を切断採取し重量を測定した。
結果は、各個体毎に力ラゲニン投与後 3時間の力ラゲニンを投与した右足重量から 力ラゲニンを投与しない左足重量を差し引いた重量の差 (g)を算出し、コントロール 群の平均に対する抑制率を算出し、平均士標準誤差として示した。コントロール群と 被験物質投与群との多群比較は Dunnettの多重比較検定を行 、、 P値が 0.05未満の 場合に統計的に有意とみなした。以上のすべての統計解析は SASを用いて行った。 化合物 (I)は本試験において優れた抗炎症作用を示した。例えば、実施例 4の化 合物は 30mg/kg経口投与で 48%の抑制活性を示した。
この結果より、本発明の IKK2阻害剤が急性炎症に対する優れた抑制作用を有する ことが確認された。
(5)コラーゲン誘発関節炎に対する作用
ラットコラーゲン誘発関節炎に対する作用は The Japanese Journal of Pharmacology , 1997 Aug;74(4):313-22に記載の方法を一部改変した方法を用いて評価した。 酢酸により 3倍に希釈したゥシ由来タイプ 2コラーゲン(コスモバイオ) 1 mg/mL溶液 の 10 mLをフロインド不完全アジュバント(Adjuvant Incomplete Freund (Difco))と等量 混合し、混和乳濁させて感作に用いるェマルジヨンを作製した。コントロール群ラット および被験物質投与群ラットの尾根部をエタノール消毒し、コラーゲン 200 gを含 む 0.4 mLのェマルジヨンを皮内に注入することによりコラーゲン感作し、関節炎を惹 起した。無感作群ラットにはコラーゲン感作を行わな力つた。コントロール群ラットには 0.5%メチルセルロース 10 mL/kgを経口投与した。被験物質投与群ラットには本発明 の化合物を経口投与した。投与は感作 1週間後より 14日間行なった。炎症の程度の 判断は、四肢について関節炎スコアを測定すること (スコアリング)により行った。すな わち、視認により各関節ごとの症状を以下の 4段階 (0 :正常、 1 :発赤および軽度の 腫脹、 2 :中等度の腫脹、 3 :重度の腫脹または関節部強直)に分類し、四肢の数字の 合計を関節炎スコアとした。スコアリングは発症時より隔日で行った。関節炎累積スコ ァは、各スコアリング日の関節炎スコアを個体ごとに合計して算出した。コントロール 群の関節炎累積スコア平均に対する、被験物質投与群の抑制率を算出し、平均値を
示した。
化合物 (I)は本試験において優れた抗炎症作用を示した。例えば、実施例 7の化 合物は 30mg/kg経口投与で 43%の抑制率を示した。
また、マウスコラーゲン誘発関節炎に対する作用は The Japanese Journal of Pharma cology, 2002 Apr;88(3):332-340に記載の方法を用いて評価した。本発明化合物は 抑制作用を示した。
この結果より、本発明の IKK2阻害剤が慢性炎症に対する優れた治療効果を有する ことが確認された。
以下の試験結果により、本発明化合物は、強力な IKK2阻害活性を有すること、炎 症性反応に関与するタンパク質の産生を阻害すること、優れた抗炎症作用を有する こと、並びに炎症性疾患、自己免疫性疾患に有効性を示すことが確認された。
本発明化合物 (I)又はその塩を有効成分として含有する医薬組成物は通常製剤化 に用いられる担体ゃ賦形剤、その他の添加剤を用いて調製される。
投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等による経口投与、或いは静 注、筋注等の注射剤、坐剤、経皮剤、経鼻剤或いは吸入剤等による非経口投与のい ずれの形態であってもよい。投与量は症状、投与対象の年齢、性別等を考慮して個 々の場合に応じて適宜決定される力 通常、経口投与の場合、成人 1日当たり 0.001 mg/kg乃至 100 mg/kg程度であり、これを 1回で、或いは 2〜4回に分けて投与する。 また、症状によって静脈投与される場合は、通常、成人 1回当たり 0.0001 mg/kg乃至 10 mg/kgの範囲で 1日に 1回乃至複数回投与される。また、吸入の場合は、通常、成 人 1回当たり 0.0001 mg/kg乃至 1 mg/kgの範囲で 1日に 1回乃至複数回投与される。 本発明による経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用 いられる。このような固体組成物においては、一つ又はそれ以上の活性物質力 少な くとも一つの不活性な賦形剤、例えば乳糖、マン-トール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピ ルセルロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビュルピロリドン、メタケイ酸アルミン 酸マグネシウム等と混合される。組成物は、常法に従って、不活性な添加剤、例えば ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤やカルボキシメチルスターチナトリウム等の崩壊 剤、溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要により糖衣又は胃溶性
若しくは腸溶性コーティング剤で被膜してもよ 、。
[0040] 経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳剤、液剤、懸濁剤、シロッ プ剤、エリキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な溶剤、例えば精製水、ェ タノールを含む。この組成物は不活性な溶剤以外に可溶化剤、湿潤剤、懸濁化剤の ような補助剤、甘味剤、矯味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性又は非水性の液剤、懸濁剤、乳 剤を含む。水性の溶剤としては、例えば注射用蒸留水及び生理食塩水が含まれる。 非水性の溶剤としては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリー ブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール類、ポリソルベート 80 (局方名)等 がある。このような組成物は、さらに等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安 定化剤、溶解補助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通 す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。また、これらは無菌の固体 組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解、懸濁して使用す ることちでさる。
[0041] 吸入剤や経鼻剤等の経粘膜剤は固体、液体、半固体状のものが用いられ、従来公 知の方法に従って製造することができる。例えば、ラタトースゃ澱粉のような賦形剤や 、更に、 PH調整剤、防腐剤、界面活性剤、滑沢剤、安定剤や増粘剤等が適宜添加さ れていてもよい。投与は、適当な吸入又は吹送のためのデバイスを使用することがで きる。例えば、計量投与吸入デバイス等の公知のデバイスや噴霧器を使用して、化 合物を単独で又は処方された混合物の粉末として、もしくは医薬的に許容し得る担 体と組み合わせて溶液又は懸濁液として投与することができる。乾燥粉末吸入器等 は、単回又は多数回の投与用のものであってもよぐ乾燥粉末又は粉末含有カプセ ルを利用することができる。或いは、適当な駆出剤、例えば、クロロフルォロアルカン 、ヒドロフルォロアルカン又は二酸ィ匕炭素等の好適な気体を使用した加圧エアゾー ルスプレー等の形態であってもよ 、。
また、本発明の三環系化合物又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として 含有する医薬組成物は、治療上有効な他の有効成分、例えば、非ステロイド性抗炎 症剤 (NSAIDs)、疾患修飾性抗リウマチ剤 (DMARDs)、ステロイド剤、サイト力イン産
生阻害剤、サイト力イン拮抗剤、免疫抑制剤等と適宜組み合わせて併用しても良い。 これらと併用する場合は、同時に投与するための配合剤として、あるいは独立して投 与するために組み合わされた別個の製剤として使用してもよ 、。
実施例
[0042] 以下、実施例に基づき本発明化合物 (I)の製法を更に詳細に説明する。本発明は 下記実施例に記載の化合物の発明のみに限定されるものではない。また原料化合 物の製法を参考例に示す。
[0043] 参考例 1
l-(tert-ブトキシカルボ-ル)ピぺリジン- 3-カルボン酸のトルエン溶液にトリェチルァ ミン及び塩ィ匕チォ-ルを加え、 90°Cで 1.5時間撹拌後、沈殿物をろ過した。ろ液をト ピロリジノ -1-シクロへキセンとトリェチルァミンのトルエン溶液に加え、 15時間加熱還 流することにより、 tert-ブチル 3-[(2-ォキソシクロへキシル)カルボ-ル]ピぺリジン- 1- カルボキシラートを得た。 FAB-MS(M+H)+:310
[0044] 参考例 2
シァノチオアセトアミドのエタノール溶液にナトリウムエトキシドをカ卩え、 60°Cで 30分 撹拌した後、 tert-ブチル 3-[(2-ォキソシクロへキシル)カルボ-ル]ピぺリジン- 1-カル ボキシラートを加え、 60°Cで 15時間反応させることにより、 tert-ブチル 3-(4-シァノ -3 -チォキソ -2,3,5,6,7,8-へキサヒドロイソキノリン- 1-ィル)ピぺリジン- 1-カルボキシラー トを得た。 FAB- MS(M- H)— :372
[0045] 参考例 3
シァノチオアセトアミドのエタノーノレ溶液にナトリウムエトキシドをカ卩え、 60°Cで 1時間 撹拌した後、ェチル 2-ォキソシクロへキサンカルボキシラートのエタノール溶液をカロ え、 60°Cで 14時間反応させることにより、 1-ォキソ -3-スルファニル -1,2,5,6,7,8-へキ サヒドロイソキノリン- 4-カルボ-トリルナトリウム塩を得た。 FAB- MS(M- H)— :205
[0046] 参考例 4
1-ォキソ -3-スルファニル -1,2,5, 6,7,8-へキサヒドロイソキノリン- 4-カルボ二トリルナ トリウム塩と 2-ブロモアセトアミドの DMF溶液を 70°Cで 3時間反応させることにより、 2-[( 4-シァノ -1-ォキソ -1,2, 5,6,7,8-へキサヒドロイソキノリン- 3-ィル)スルファニル]ァセト
アミドを得た。 FAB- MS(M- H)— :262
[0047] 参考例 5
2- [(4-シァノ -1-ォキソ -1,2, 5,6,7,8-へキサヒドロイソキノリン- 3-ィル)スルファ -ル] ァセトアミド、 N-フエ-ルビス (トリフルォロメタンスルホンイミド)及びジイソプロピルェチ ルァミンの 1 ,4-ジォキサン溶液を 14時間反応させることにより、 3-[(2-ァミノ- 2-ォキソ ェチル)スルファニル ]-4-シァノ -5, 6,7,8-テトラヒドロイソキノリン- 1-ィルトリフルォロメ タンスルホナートを得た。 FAB- MS(M+H)+:396
[0048] 参考例 6
3- [(2-ァミノ- 2-ォキソェチル)スルファ-ル ]-4-シァノ -5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリ ン -1-ィルトリフルォロメタンスルホナートの THF溶液に DBUをカ卩え、 3時間反応させ ることにより、 1-ァミノ- 2- (アミノカルボ-ル)- 6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3- c]イソキノ リン- 5-ィルトリフルォロメタンスルホナートを得た。 FAB- MS(M+H)+:396
[0049] 参考例 7
THFに 1.5Mリチウムジイソプロピルアミドシクロへキサン溶液とテトラヒドロ- 4H -ビラ ン -4-オンを- 78°Cでカ卩ぇ 1時間撹拌し、別途調製した l-(tert-ブトキシカルボニル)ピ ペリジン- 3-カルボン酸とカルボ-ルジイミダゾールの THF溶液を- 78°Cでカ卩えた。冷 却浴をはずし、室温にもどるまで撹拌しながら 1.5時間反応させることにより、 tert-ブ チル 3-[(4-ォキソテトラヒドロ- 2H-ピラン- 3-ィル)カルボニル]ピぺリジン- 1-カルボキ シラートを得た。 FAB- MS(M- H)— :310
[0050] 参考例 8
シァノチオアセトアミドのメタノール溶液にナトリウムメトキシドをカ卩え、 60°Cで 1時間 撹拌した後、 1-tert-ブチル 3-メチル 4-ォキソピペリジン- 1,3-ジカルボキシラートの メタノール溶液をカ卩え、 60°Cで 17時間反応させた。その後 1M塩酸で処理することによ り、 tert-ブチル 5-シァノ -8-ォキソ -6-スルファニル -3,4,7,8-テトラヒドロ- 2, 7-ナフチリ ジン- 2(1H)-カルボキシラートを得た。 FAB- MS(M- H)— :306
[0051] 参考例 9
tert-ブチル 5-シァノ -8-ォキソ -6-スルファニル -3,4,7,8-テトラヒドロ- 2, 7-ナフチリ ジン- 2(1H)-カルボキシラート、 2-ブロモアセトアミド及びトリェチルァミンの DMF溶液
を室温で 16時間反応させることにより、 tert-ブチル 6-[(2-ァミノ- 2-ォキソェチル)ス ルファ -ル] -5-シァノ -8-ォキソ -3,4,7,8-テトラヒドロ- 2,7-ナフチリジン- 2(1H)-カルボ キシラートを得た。 FAB- MS(M+H)+:365
[0052] 参考例 2の方法と同様にして参考例 10の化合物を、参考例 3の方法と同様にして 参考例 11の化合物を、参考例 4の方法と同様にして参考例 12の化合物を、参考例 3 及び参考例 4と同様にして 2工程連続して反応を行うことにより、参考例 13の化合物 を、参考例 5と同様にして参考例 14〜17の化合物を、参考例 8の方法と同様にして 参考例 18の化合物を、参考例 9の方法と同様にして参考例 19の化合物を、それぞ れ対応する原料を使用して製造した。
参考例 10〜 19の化合物の構造及び物理化学的データを表 1に示す。
[0053] 参考例 20
(1)ジェチル 4-ヒドロキシヘプタンジォアートと DBUのトルエン溶液に 1,1,2, 2,3,3,4,4 ,4-ノナフルォロブタン- 1-スルホ-ルフルオリドを 0°Cで加え、室温で 2時間反応させ ることにより、ジェチル 4-フルォロヘプタンジォアートを得た。
(2)次いで、この化合物の THF溶液にナトリウムエトキシドを 0°Cでカ卩え、室温で 1時 間反応させることにより、ェチル 5-フルォロ- 2-ォキソシクロへキサンカルボキシラート を得た。 ESI- MS(M+H)+:180
参考例 3の方法と同様にして参考例 21〜24の化合物を、参考例 4の方法と同様に して参考例 25〜28の化合物を、参考例 5の方法と同様にして参考例 29〜33の化 合物を、参考例 8の方法と同様にして参考例 34の化合物を、参考例 9の方法と同様 にして参考例 35の化合物を、それぞれ対応する原料を使用して合成した。
参考例 21〜35の化合物の構造及び物理学的データを表 2に示す。
[0054] 実施例 1
(1) tert-ブチル 3-(4-シァノ -3-チォキソ -2,3, 5,6,7,8-へキサヒドロイソキノリン- 1-ィル )ピペリジン- 1-カルボキシラート 253mgと 2-ブロモアセトアミド 113mgの DMF 10ml溶液 に 1M水酸化カリウム水溶液 1.5mlを加え、室温で 17時間撹拌した。反応混合物に水 を加え、生じた沈殿物をろ取し、減圧下乾燥して tert-ブチル 3- [トァミノ- 2- (ァミノ力 ルボニル) -6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3-c]イソキノリン- 5-ィル]ピぺリジン- 1-カルボ
キシラート 387mgを淡黄色固体として得た。
(2)次いで、この化合物 lOOmgの 1,4-ジォキサン 3ml溶液に 4M塩化水素- 1,4-ジォ キサン溶液 3mlを加え、室温下 13時間撹拌した。反応液を濃縮後、得られた固体を エタノールで再結晶することにより、 1-ァミノ- 5-ピぺリジン- 3-ィル -6,7,8,9-テトラヒド ロチエノ [2,3-c]イソキノリン- 2-カルボキサミド塩酸塩 23mgを淡黄色固体として得た。
[0055] 実施例 2
(1) 3-[(2-ァミノ- 2-ォキソェチル)スルファ-ル ]-4-シァノ -5,6,7,8-テトラヒドロイソキノ リン- 1-ィルトリフルォロメタンスルホナート 395mgと tert-ブチルピぺリジン- 4-ィルカ ーバマート 601mgの 1,4-ジォキサン 10ml溶液を 100°Cで 3時間撹拌した後、 2M炭酸 ナトリウム水溶液 4mlを加え、 100°Cで 15時間撹拌した。反応液を濃縮後、得られた 残渣に水 50mlを加え、クロ口ホルム 100mlで抽出した。有機層を飽和食塩水 50mlで 洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲル力 ラムクロマトグラフィー(クロ口ホルム:メタノール =99 : 1〜90: 10)で精製することにより 、 tert-ブチル [1-[1-ァミノ- 2- (ァミノカルボ-ル)- 6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3- c]ィ ソキノリン- 5-ィル]ピぺリジン- 4-ィル]カーバマート 490mgを淡黄色非晶質として得た
(2)次いで、この化合物 490mgを用いて、実施例 1(2)と同様の反応を行うことにより、 1 -ァミノ- 5- (4-アミノビペリジン- 1-ィル) -6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3- c]イソキノリン- 2 -カルボキサミド 2塩酸塩 367mgを淡黄色固体として得た。
[0056] 実施例 3
3-[(2-ァミノ- 2-ォキソェチル)スルファ-ル ]-4-シァノ -5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリ ン -1-ィルトリフルォロメタンスルホナート 236mgと 4-ヒドロキシピペリジン 182mgの 1,4 -ジォキサン 10ml溶液を 100°Cで 24時間撹拌した後、 2M炭酸ナトリウム水溶液 3mlを 加え、 100°Cで 15時間撹拌した。反応液を濃縮後、得られた残渣に水 50mlを加え、ク ロロホルム 100mlで抽出した。有機層を飽和食塩水 50mlで洗浄後、無水硫酸ナトリ ゥムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣をジェチルエーテルで洗浄すること〖こ より、 1-ァミノ- 5- (4-ヒドロキシピペリジン- 1-ィル) -6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3- c]ィ ソキノリン -2-カルボキサミド 177mgを無色固体として得た。
次いで、この化合物 177mgの 1,4-ジォキサン 5ml溶液に 4M塩化水素- 1,4-ジォキサ ン溶液 5mlを加え、室温下 4時間撹拌した。反応液を濃縮後、得られた固体を 2-プロ パノールで洗うことにより、 1-ァミノ- 5-(4-ヒドロキシピペリジン- 1-ィル) -6,7,8,9-テトラ ヒドロチェノ [2,3-c]イソキノリン- 2-カルボキサミド塩酸塩 179mgを淡黄色固体として得 た。
[0057] 実施例 4
1-ァミノ- 2- (アミノカルボ-ル)- 6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3- c]イソキノリン- 5-ィル トリフルォロメタンスルホナート 200mgと N-メチルピペラジン 222mgの 1,4-ジォキサン 溶液を 100°Cで 18時間撹拌した。反応液を濃縮後、得られた残渣に水 50mlを加え、 クロ口ホルム 100mlで抽出した。有機層を飽和食塩水 50mlで洗浄後、無水硫酸ナトリ ゥムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣をジェチルエーテルで洗浄すること〖こ より、 1-ァミノ- 5- (4-メチルビペラジン- 1-ィル) -6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3- c]イソキ ノリン- 2-カルボキサミド 120mgを淡黄色固体として得た。
次いで、この化合物 lOOmgの 1,4-ジォキサン 2ml溶液に 4M塩化水素- 1,4-ジォキサ ン溶液 2mlを加え、室温下 12時間撹拌した。反応液を濃縮後、得られた固体をェタノ ールで洗うことにより、 1-ァミノ- 5- (4-メチルビペラジン- 1-ィル) -6,7,8,9-テトラヒドロチ エノ [2,3-c]イソキノリン- 2-カルボキサミド 2塩酸塩 104mgを黄色固体として得た。
[0058] 実施例 5
1-ァミノ- 5-ピぺラジン- 1-ィル -6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3-c]イソキノリン- 2-カル ボキサミド 2塩酸塩 404mg、 N- (tert-ブトキシカルボ-ル)グリシン 210mg、 1-ェチル -3 -(3-ジメチルァミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩 230mg及び 1-ヒドロキシベンゾトリア ゾール 162mgの DMF 10ml溶液にトリェチルァミン 223mgを加え、室温で 17時間撹拌 した。反応混合物に水を加え、生じた沈殿物をろ過し、エタノールで洗浄することによ り、 tert-ブチル(2- [4- [1-ァミノ- 2- (ァミノカルボ-ル)- 6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3- c]イソキノリン- 5-ィル]ピぺラジン- 1-ィル] -2-ォキソェチル)カーバマート 467mgを無 色固体として得た。
次いで、この化合物 450mgを用いて、実施例 1(2)と同様の反応を行うことにより、 1- ァミノ- 5- [4- (アミノアセチル)ピぺラジン 1-ィル] -6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3- c]イソ
キノリン- 2-カルボキサミド 2塩酸塩 387mgを黄色固体として得た。
[0059] 実施例 6〜20
実施例 1〜5と同様にして実施例 6〜20の化合物を製造した。それらの構造式と物 理学的性状を後記表 3及び 4に示す。
[0060] 実施例 21
1- (2-ベンゼンスルホ -ルェチル)ピぺラジン 23mgに 1-ァミノ- 2- (ァミノカルボ-ル) - 6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2, 3-c]イソキノリン- 5-ィルトリフルォロメタンスルホナート 12 mgの 1 ,4-ジォキサン 0.2ml溶液をカ卩え、 100°Cにて 10時間攪拌した。反応液を減圧下 留去し、得られた残渣を HPLC (カラム:シンメトリー(Symmetry ;登録商標) C18 5 μ m 19mmxl00mm、溶媒: MeOH/0.1% HCOOH- H 0=10/90 (0 min) - 10/90 (1 min)
2
-100/0 (9 min) - 100/0 (12 min),流速: 25 mL/min)にて分取精製を行い、 1-ァミノ- 5-[4-[2- (メチルスルホ -ル)ェチル]ピぺラジン- 1-ィル] -6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2, 3- c]イソキノリン- 2-カルボキサミド 0.3 mgを得た。
[0061] 実施例 22
tert-ブチル(lS,4S) -2,5-ジァザビシクロ [2.2.1]ヘプタン- 2-カルボキシラート 24mg に 1-ァミノ- 2- (ァミノカルボ-ル) -6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3- c]イソキノリン- 5-ィ ルトリフルォロメタンスルホナート 12mgの 1 ,4-ジォキサン 0.2ml溶液をカ卩え、実施例 2 1と同様の手法を用いて得られた tert-ブチル (lS,4S)-5-[l-ァミノ- 2- (アミノカルボ- ル) -6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3-c]イソキノリン- 5-ィル] -2,5-ジァザビシクロ [2.2.1] ヘプタン- 2-カルボキシラートに、 4M塩化水素- 1 ,4-ジォキサン溶液 0.5mlを加え、室 温下 10時間攪拌した。反応液を減圧下留去し、残渣を HPLC (カラム:シンメトリー (Sy mmetry ;登録商標) C18 5 ^ m 19mmxl00mm、溶媒: MeOH/0.1% HCOOH- H 0=
2
10/90 (0 min) - 10/90 (1 min)—100/0 (9 min) - 100/0 (12 min),流速: 25 mL/min) にて分取精製を行い、 1-ァミノ- 5-[(lS,4S)-2,5-ジァザビシクロ [2.2.1]ヘプト -2-ィル] -6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3-c]イソキノリン- 2-カルボキサミド 5.0mgを得た。
[0062] 実施例 23〜208
実施例 21と同様にして実施例 23〜204の化合物を、実施例 22と同様にして実施 例 205〜208の化合物を製造した。それらの構造式と物理学的性状を後記表 5〜 11
に示す。
[0063] 実施例 209
1-ァミノ- 5-ピぺラジン- 1-ィル -6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3-c]イソキノリン- 2-カル ボキサミド 200mgを DMF 5mlに溶解し、トリェチルァミン 95mgをカ卩えた。室温で 30分 撹拌した後、 4-クロ口べンズアルデヒド 79 mg、トリァセトキシ水素化ホウ素ナトリウム 2 99mg、酢酸 lmlを加え、室温で 22時間撹拌した。反応液を濃縮し、残渣に水 50mlを 加えクロ口ホルム 70πύ-メタノール 30mlの混合溶媒で抽出した。有機層を飽和食塩 水 50mlで洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣 をクロ口ホルムで結晶化することにより、 1-ァミノ- 5-[4-(4-クロ口ベンジル)ピぺラジン- 1-ィル] -6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3-c]イソキノリン- 2-カルボキサミド 130mgを淡黄 色固体として得た。
[0064] 実施例 210
3-[(2-ァミノ- 2-ォキソェチル)スルファ-ル ]-4-シァノ -5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリ ン -1-ィルトリフルォロメタンスルホネート 198mgと 2-フエ-ルビペラジン 2酢酸塩 17 Omgのジォキサン 5ml溶液にトリェチルァミン 177mgをカロえ、 100°Cで 3時間撹拌した 後、 2M炭酸ナトリウム水溶液 2mlを加え、 100°Cで 16時間撹拌した。反応液を濃縮後 、得られた残渣に水 50mlをカ卩え、クロ口ホルム 100mlで抽出した。有機層を飽和食塩 水 50mlで洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣をシ リカゲルカラムクロマトグラフィー(クロ口ホルム:メタノール = 97: 3〜93: 7)で精製する ことにより、 1-ァミノ- 5-(3-フエ-ルビペラジン- 1-ィル) -6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3 -C]イソキノリン- 2-カルボキサミド 77mgを淡黄色固体として得た。
[0065] 実施例 211
1-ァミノ- 5-ピぺラジン- 1-ィル -6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3-c]イソキノリン- 2-カル ボキサミド 2塩酸塩 0.3gのアセトン 2.4ml懸濁液に、室温にて炭酸カリウム 0.29g及び ヨウ化工チル 0.06mlを加え、 1時間加熱還流下撹拌した。反応懸濁液にアセトン 2.4m 1を加え 1時間 40分、さらに DMF 4.8mlをカ卩ぇ 3時間、それぞれ加熱還流下撹拌した後 、放冷した。反応懸濁液にさらにヨウ化工チル 0.03mlをカ卩え、加熱還流下撹拌し、放 冷、反応液をろ過した。ろ液を減圧下濃縮し、得られた残渣に水 5mlを加え、加熱還
流した。得られた固体をろ取し、水 5mlとエタノール 5mlで洗浄した後、減圧下乾燥す ることにより、 1-ァミノ- 5-[4-ェチルビペラジン- 1-ィル] -6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3 -c]イソキノリン- 2-カルボキサミド 180mgを淡黄色固体として得た。
[0066] 実施例 212
1-ァミノ- 5-ピぺラジン- 1-ィル -6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3-c]イソキノリン- 2-カル ボキサミド 2塩酸塩 0.50gの DMF 2.4ml懸濁液に室温にて炭酸カリウム 0.49g及び無 水酢酸 0.17mlを加え、 60°Cで 4時間撹拌した。反応液をろ過し、水 20ml及びメタノー ル 20 mlで洗浄し、得られた粉末を減圧下乾燥し, 5-(4-ァセチルビペラジン- 1-ィル) -1-ァミノ 6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3- c]イソキノリン- 2-カルボキサミド 250 mgを無 色粉末として得た。
[0067] 実施例 213
1-ァミノ- 5-ピぺラジン- 1-ィル -6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3-c]イソキノリン- 2-カル ボキサミド 2塩酸塩 0.50gの DMF 2.4ml懸濁液に室温にて炭酸カリウム 0.49g及び臭 化プロピル 0.16mlを加え、 60°Cで 8時間撹拌した。反応液を放冷後ろ過、ろ液を減圧 下濃縮し、得られた残留物に水 5mlを加え加熱後、熱時ろ過した。得られた粉末にェ タノール 3mlをカ卩え、加熱還流した後放冷、得られた沈殿物をろ取、エタノール 5mlに て洗浄し、減圧下乾燥した。得られた粉末のメタノール 1.6ml懸濁液に室温にて 35% 塩ィ匕水素 エタノール溶液 0.1 lmlをカ卩え、同温にて 2時間撹拌した。反応液にクロ口 ホルム 1.6mlをカ卩ぇ 2時間、さらに 35% 塩化水素 エタノール溶液 1.6mlをカ卩えて 17時 間撹拌した。沈殿物をろ取し、エタノール 10mlにて洗浄後、減圧下乾燥し、 1-ァミノ- 5-(4-プロピルピぺラジン- 1-ィル -6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3-c]イソキノリン- 2-力 ルボキサミド塩酸塩 322mgを淡黄色固体として得た。
[0068] 実施例 214
1-ァミノ- 5- (4-メチルビペラジン- 1-ィル) -6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3- c]- 2,7-ナ フチリジン- 2-カルボキサミド 150mgを DMF 5mlに溶解し、トリェチルァミン 96mgをカロ えた。室温で 30分撹拌した後、 36%ホルマリン水溶液 180 mg、トリァセトキシ水素化 ホウ素ナトリウム 458mgをカ卩え、室温で 12時間撹拌した。トリァセトキシ水素化ホウ素 ナトリウム 458mg及び 36%ホルマリン水溶液 90 mgを追カ卩し、さらに 7時間撹拌した。
反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 50mlをカ卩え、ブタノール 100mlで抽出した。 有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲ ルカラムクロマトグラフィー(クロ口ホルム:メタノール:アンモニア = 95: 4.5: 0.5〜90: 9 : 1)で精製することにより、 1-ァミノ- 7-メチル -5-(4-メチルビペラジン- 1-ィル) -6,7,8,9 -テトラヒドロチェノ [2,3-c]- 2,7-ナフチリジン- 2-カルボキサミド 30mgを淡黄色固体と して得た。
[0069] 実施例 215
1-ァミノ- 5- (4-メチルビペラジン- 1-ィル) -6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3- c]- 2,7-ナ フチリジン- 2-カルボキサミド 150mgをピリジン 5mlに溶解し、無水酢酸 48mgをカ卩えた 。室温で 3時間撹拌した後、反応液にメタノール 5ml及び飽和炭酸水素ナトリウム水 溶液 50mlを加え、ブタノール 100mlで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで 乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣をエタノール 50ml及び水 20mlの混合溶媒で 再結晶した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロ口ホルム:メタノール: 28%アン モ-ァ水溶液 =95 :4.5 : 0.5〜90 : 9 : 1)で精製することにより、 7-ァセチル- 1-ァミノ- 5 -(4-メチルビペラジン- 1-ィル) -6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3-c]- 2, 7-ナフチリジン- 2 -カルボキサミド 49mgを白色固体として得た。
[0070] 実施例 216
1-ァミノ- 5- (4-メチルビペラジン- 1-ィル) -6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3- c]- 2,7-ナ フチリジン- 2-カルボキサミド 150mgをピリジン 5mlに溶解し、 0°Cでメタンスルホニルク ロリド 35 1をカ卩えた。 80°Cで 12時間撹拌した後、メタンスルホニルクロリド 70 1及び D MAP 10mgをカ卩え、 80°Cで 12時間撹拌した。反応液を濃縮し、残渣をエタノール 50m 1で再結晶することにより、 1-ァミノ- 5-(4-メチルビペラジン- 1-ィル) -7- (メチルスルホ -ル) -6,7,8,9-テトラヒドロチエノ [2,3-c]-2, 7-ナフチリジン- 2-カルボキサミド 87mgを 黄色固体として得た。
[0071] 実施例 217〜231
実施 f列 2、 3、 210、 211、又は実施 f列 214〜216と同様にして実施 f列 217〜231 の化合物を製造した。それらの構造式と物理化学的性状を後記表 12〜14に示す。 また、後記表 15の化合物は前記実施例や製造法に記載の方法とほぼ同様にして
、或いはそれらの方法より当業者に自明な若干の変法を適用することにより、容易に 製造することができる。
[0072] 後記表中、以下の略号を用いる。
Ex:実施例番号、 Rex:参考例番号、 No :化合物番号、 Str:構造式、 Syn:製造法 (数 字は同様に製造した実施例番号)、 pos:置換基の置換位置 (数字が複数個あるもの は複数の置換を示し、 diMe_(3,5)はメチル基が 3位と 5位に存在することを示す。)、 Da t:物理化学的データ(F1: FAB- MS(M+H)+、 F2: FAB- MS(M- H)―、 E1: ESI- MS(M+H)+ 、 NMR: DMSO-d中の NMRにおける特徴的なピークの δ (ppm)、 mp :融点、 H : HP
6
LCでの保持時間(分) [HPLC条件: WakosiHI 5C18AR 5 ^ m 2.0x30 mm、 5 mM TF A-H 0/MeOH=9/ 1 (Omin)-O/ 10(4min)-0/ 10(4.5 min) 1.2 ml/minゝ 254 nm、 35.0°C])
2
、 Sal :塩(HC1:塩酸塩、 2HC1: 2塩酸塩、無記載:フリー体)、 Pos :置換位置、 Me :メチ ル、 Et:ェチル、 iPr:イソプロピル、 nPr:n-プロピル、 tBu:tert-ブチル、 cHex:シクロへ キシル、 Ph:フエ-ル、 Bn:ベンジル及び Bo tert-ブトキシカルボ-ル、 TfO :トリフル ォロメタンスルホニルォキシ。
また、置換基の前の数字は置換位置を示す。例えば、 4C卜 Ph-は 4-クロロフヱ-ル を示す。
産業上の利用可能性
[0073] 本発明医薬の有効成分又は本発明化合物は、 IKK2阻害に基づく優れた抗炎症作 用を有することから、炎症性疾患又は自己免疫疾患,特に、リウマチ疾患(関節リウマ チ等)、消化器系疾患 (潰瘍性大腸炎、クローン病等)、皮膚炎症性疾患 (アトピー性 皮膚炎、乾癬等)、内分泌疾患 (糖尿病等)、中枢疾患 (多発性硬化症等)、呼吸器 疾患 (喘息等)および癌疾患等の治療又は予防薬として有用である。
[0074] [表 1]
[z [ezoo]
SZCll0/S00Zdf/X3d 3ε
[ε挲] [9ζοο]
SZCll0/S00Zdf/X3d
[S挲] [8Z00]
SZCll0/S00Zdf/X3d 9ε
[9挲] [6Z00]
SZCll0/S00Zdf/X3d 9ε
SZCll0/S00Zdf/X3d 8S
[Oi [S800]
6.89 Hz) , 7.16 , 8,3 Hz), J = 8.1 (2H, m), 3.06 (4H, Hz), (7H, Hz),
14]
SZCllO/SOOZdf/X3d ャャ