JP2005298449A - 4−アミノピリミジン誘導体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 IKK2が関与する炎症性疾患又は自己免疫疾患等の治療又は予防薬としてに有用な化合物を提供すること。
【解決手段】 2-ヒドロキシフェニル基を2位に有し、ピペリジン等の窒素原子を一つ含む飽和環基を6位に有することを特徴とする4-アミノ-5-シアノピリミジン誘導体が、IKK2阻害作用に基づく優れた抗炎症作用を有することを見出し、特に炎症性疾患又は自己免疫疾患等の治療又は予防薬として有用であることを知見して本発明を完成した。
【選択図】 なし
【解決手段】 2-ヒドロキシフェニル基を2位に有し、ピペリジン等の窒素原子を一つ含む飽和環基を6位に有することを特徴とする4-アミノ-5-シアノピリミジン誘導体が、IKK2阻害作用に基づく優れた抗炎症作用を有することを見出し、特に炎症性疾患又は自己免疫疾患等の治療又は予防薬として有用であることを知見して本発明を完成した。
【選択図】 なし
Description
本発明は、医薬、特に関節リウマチ等、IKK2の関与する疾患の治療又は予防薬として有用な4-アミノピリミジン誘導体に関する。
ニュークレオファクターκB(NF-κB)はサイトカイン(TNF-α、IL-1β、IL-6等)、ケモカイン(RANTES、IL-8等)、或いはアラキドン酸代謝酵素(COX-2等)等の炎症反応に寄与するタンパク質の転写、翻訳を活性化するユビキタスな転写因子であり、炎症性疾患又は自己免疫疾患等における急性炎症反応及び慢性炎症反応に重要な役割をしている(Mol. Cell Biol. 1999;19:4547-51)。例えば、関節リウマチ(RA)患者の滑膜細胞では、NF-κBが核内に移行して活性化されていることが示されており、炎症部位でのサイトカインやエイコサノイド等の炎症性メディエーター産生にNF-κBが中心的役割を占めていることが指摘されている(Annu. Rev. Immunol. 1994;12:141-79)。
NF-κBの活性化を阻害することが、前記の炎症性疾患の有効な治療法となり得ることが示されている。例えば、臨床で広く用いられているステロイド、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID;salicylate、sulindac等)、免疫調整剤(thalidomide等)或いは抗酸化剤(flavonoids等)等が、NF-κB活性化の阻害作用を有する(Nat. Rev. Drug Discov. 2004;3:17-26)。
通常、NF-κBはその抑制因子IκBと結びついて細胞質内に留められている。細胞をサイトカイン(TNF-α、IL-1β等)、細菌又はウイルスの生成物(LPS、TAX等)、或いは化学物質(ホルボールエステル等)で刺激すると、IκBはIκBキナーゼ(IKK1およびIKK2)によってリン酸化される。その結果、IκBから遊離した活性型NF-κBは核内へ移行できるようになり、核において特定のエンハンサー配列に結合し、前述のようにサイトカイン等の転写翻訳を開始する。
NF-κBの活性化にはIKK2が重要であり、IKK2を阻害することが最も効果的、選択的にNF-κB活性化、それに基づく炎症を抑制する方法であることが示唆されている(Nat. Rev. Drug Discov. 2004;3:17-26)。また、これまでに、IKK2を欠損した線維芽細胞では、サイトカイン刺激によりNF-κBが活性化されないことが示されている(Science 1999;284:321-5)。さらに、種々の動物モデルにおいて、IKK2を選択的に阻害する低分子化合物が炎症反応を抑制すること(Nat. Rev. Drug Discov. 2004;3:17-26)、或いは酵素活性を欠いたIKK2の変異体を発現させた動物では、炎症反応が抑制されることが報告されている(Arthritis Rheum. 2001; 44: 1897-907)。
近年、炎症性疾患又は自己免疫疾患等の治療では、TNF-α、IL-1等の抗サイトカイン抗体の生物製剤が注目されているが、単独では治療効果が十分ではないことが報告されている(Nat. Rev. Drug Discov. 2003;2:473-88)。実際、通常、臨床では生物製剤はNSAID又はステロイド等と併用して用いられる(Lancet 1999;354:1932-9)。一方、ラット関節炎モデルにおいて、抗TNF-α製剤と抗IL-1製剤を併用することにより相乗的な治療効果が示されている(Arthritis Rheum. 2001;43:2648-2659)。したがって、TNF-α及びIL-1に加えて様々な炎症因子を同時に抑制するIKK2阻害剤は、急性および慢性炎症、自己免疫疾患の治療に現在使われている薬剤よりも高い薬効を示す可能性がある。
なお、IKK2は抗アポトーシス蛋白(Bcl-2等)の発現制御に関与しており、IKK2の阻害剤は抗腫瘍作用を示すことが報告されている(Drug Discovery Today 2002;7:653-63)。
NF-κBの活性化を阻害することが、前記の炎症性疾患の有効な治療法となり得ることが示されている。例えば、臨床で広く用いられているステロイド、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID;salicylate、sulindac等)、免疫調整剤(thalidomide等)或いは抗酸化剤(flavonoids等)等が、NF-κB活性化の阻害作用を有する(Nat. Rev. Drug Discov. 2004;3:17-26)。
通常、NF-κBはその抑制因子IκBと結びついて細胞質内に留められている。細胞をサイトカイン(TNF-α、IL-1β等)、細菌又はウイルスの生成物(LPS、TAX等)、或いは化学物質(ホルボールエステル等)で刺激すると、IκBはIκBキナーゼ(IKK1およびIKK2)によってリン酸化される。その結果、IκBから遊離した活性型NF-κBは核内へ移行できるようになり、核において特定のエンハンサー配列に結合し、前述のようにサイトカイン等の転写翻訳を開始する。
NF-κBの活性化にはIKK2が重要であり、IKK2を阻害することが最も効果的、選択的にNF-κB活性化、それに基づく炎症を抑制する方法であることが示唆されている(Nat. Rev. Drug Discov. 2004;3:17-26)。また、これまでに、IKK2を欠損した線維芽細胞では、サイトカイン刺激によりNF-κBが活性化されないことが示されている(Science 1999;284:321-5)。さらに、種々の動物モデルにおいて、IKK2を選択的に阻害する低分子化合物が炎症反応を抑制すること(Nat. Rev. Drug Discov. 2004;3:17-26)、或いは酵素活性を欠いたIKK2の変異体を発現させた動物では、炎症反応が抑制されることが報告されている(Arthritis Rheum. 2001; 44: 1897-907)。
近年、炎症性疾患又は自己免疫疾患等の治療では、TNF-α、IL-1等の抗サイトカイン抗体の生物製剤が注目されているが、単独では治療効果が十分ではないことが報告されている(Nat. Rev. Drug Discov. 2003;2:473-88)。実際、通常、臨床では生物製剤はNSAID又はステロイド等と併用して用いられる(Lancet 1999;354:1932-9)。一方、ラット関節炎モデルにおいて、抗TNF-α製剤と抗IL-1製剤を併用することにより相乗的な治療効果が示されている(Arthritis Rheum. 2001;43:2648-2659)。したがって、TNF-α及びIL-1に加えて様々な炎症因子を同時に抑制するIKK2阻害剤は、急性および慢性炎症、自己免疫疾患の治療に現在使われている薬剤よりも高い薬効を示す可能性がある。
なお、IKK2は抗アポトーシス蛋白(Bcl-2等)の発現制御に関与しており、IKK2の阻害剤は抗腫瘍作用を示すことが報告されている(Drug Discovery Today 2002;7:653-63)。
下記一般式(II)で表されるピリジン誘導体がIKK2阻害作用を有し、喘息或いは関節炎等の治療に有効であることが示唆されている(特許文献1)。
(式中、XはCH又はN、R1は水素原子、ヒドロキシ又はハロゲン等、R2は水素原子等、R3は水素原子、ヒドロキシ又はハロゲン等、R4は水素原子、ヒドロキシ又はカルボキシ等、R5は水素原子又はシアノ等、R6はNR61R62[R61は水素原子又はC1-6アルキル、R62はH、C1-6アルキル又はPh等]を示す。詳細は当該公報参照。)
また、下記一般式(III)で表されるピリジン誘導体がIKK2阻害作用を有し、喘息或いは関節炎等の治療に有効であることが示唆されている(特許文献2)。
(式中、R2は水素原子又はハロゲン、R3は-CR31R32R33等[R31は水素原子又はC1-6アルキルを示す。R32とR33は炭素原子と共にN、O及びSから選択される0-3のヘテロ原子を含む置換可能な5-8員環を形成してもよい]、R4はヒドロキシカルボニル、C1-6アルカノイル又はシアノ等、R5はNR51R52[R51はH又はC1-6アルキル、R52はH、C1-6アルキル又はPh等]、R11は水素原子等を示す。詳細は当該公報参照。)
また、下記一般式(IV)で表されるピリジン誘導体がIKK2阻害作用を有し、喘息或いは関節炎等の治療に有効であることが示唆されている(特許文献3)。
(式中、XはCH又はN、R1は水素原子、C1-6アルキル、ハロゲン又はヒドロキシ等、R2は水素原子等、R3は-CR31R32R33等[R31は水素原子又はC1-6アルキルを示す。R32とR33は炭素原子と共にN、O及びSから選択される0-3のヘテロ原子を含む置換可能な5-8員環を形成してもよい]、R4は水素原子、カルバモイル又はシアノ等、R5はアミノ又はC1-6アルキルアミノ等を示す。詳細は当該公報参照。)
一方、下記一般式(V)で表されるピリミジン誘導体がドパミン調節作用を有し、中枢、消化器又は循環系疾患等の治療に有効であることが示唆されている(特許文献4)。しかしながら、当該公報にはIKK2阻害作用に関する記載は無い。
(式中、R1は水素原子又はハロゲン等、Qは一つの置換基で置換され、ヘテロ原子として窒素原子を一つ含む5又は6員の単環であり、かつ炭素原子でピリミジン環と結合するへテロ飽和環、R2は-NRaRb [Ra及びRbは独立して水素原子又は炭化水素基等]等、R3、R4及びR5は独立して水素原子、炭化水素基又は-ORa等を示す。詳細は当該公報参照。)
また、特許文献5及び6には、下記一般式(VI)で表されるピリミジン誘導体が報告されている。特許文献4にはこれらの誘導体がTNF-α産生抑制作用を有し、HIV、喘息又はARDS等の治療に有効であることが、また、特許文献5には関節リウマチの治療に有効である事が示唆されている。しかしながら、当該公報にはIKK2阻害作用に関する記載は無い。
(式中、R3はアルキル、非置換若しくは置換アリール基等、R2は水素原子又はアルキル基等、X2はカルボニル、カルボニルオキシ、カルボニルアミノ又はスルホニル基、R1はアルキル、シクロアルキル、非置換若しくは置換アリール基等、X1はアミノ基又は水酸基を示す。詳細は当該公報参照。)
本発明の課題は、IKK2阻害作用に基づく強力な抗炎症作用を有し、関節リウマチ等、炎症性疾患又は自己免疫疾患の治療又は予防に有効な医薬組成物を提供することにある。
本発明者等は、IKK2阻害作用を有する化合物につき鋭意検討した結果、下記一般式で示される、2-ヒドロキシフェニル基を2位に有し、ピペリジン等、窒素原子を一つ含む飽和環基を6位に有することを特徴とする4-アミノ-5-シアノピリミジン誘導体が、IKK2阻害作用に基づく優れた抗炎症作用を有することを確認し、これを有効成分とする医薬組成物が、良好な炎症性疾患又は自己免疫疾患の治療又は予防薬となりうることを知見して本発明を完成した。
即ち、本発明は下記一般式(I)で示される新規な4-アミノピリミジン誘導体又はその塩に関する。
即ち、本発明は下記一般式(I)で示される新規な4-アミノピリミジン誘導体又はその塩に関する。
R1:同一又は互いに異なって、-R0、-O-R3、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、-S-R3、-SO-R3、-SO2-R3、-NR4(R5)、-CO2-R3、-CO-NR4(R5)、-NR4-CO-R0、-CN、-R00-O-R3、-NO2又は-O-R00-CO2-R3、
R0:低級アルキル、
R00:低級アルキレン、
R3、R4及びR5:同一又は互いに異なって、H又は-R0、
n:0、1又は2、
E:H、-E1又は-D-E1、
E1:置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、又は置換されていてもよい単環若しくは二環式ヘテロ環基、
D:結合、-O-、-S-、-R00-、-O-R00-、-R00-O-、-NR4-R00-、-R00-NR4-、-NR4-CO-又は-CO-NR4-、
m:0、1、2又は3、
R2:H、-R0又は-Z-W、
Z:-R00-、-CO-、-CO-R00-又は-R00-CO-、
W:-O-R3、-NR4(R5)、-CR21R22R23、置換されていてもよいフェニル、又は置換されていてもよい単環若しくは二環式ヘテロ環基、
R21:H又は-R0、
R22:-R0、-O-R3又は-NR4(R5)、
R23:-R0又は置換されていてもよいフェニル、以下同様。)
本発明化合物はIKK2阻害に基づく優れた抗炎症作用を有することから、炎症性疾患又は自己免疫疾患,特に、リウマチ疾患(関節リウマチ等)、消化器系疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病等)、皮膚炎症性疾患(アトピー性皮膚炎、乾癬等)、内分泌疾患(糖尿病等),中枢疾患(多発性硬化症等)、呼吸器疾患(喘息等)および癌疾患等の治療又は予防薬として有用である。
以下、本発明について詳述する。
本明細書中の一般式の定義において「低級」なる用語は、特に断らない限り、炭素数が1〜6(以後、C1-6と略す)の直鎖又は分枝状の炭素鎖を意味する。従って「低級アルキル」はC1-6アルキルであり、好ましくはメチル、エチル、プロピル基等の直鎖状のアルキル、及びイソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル基等の分枝状のアルキルである。メチル、エチル、プロピル及びイソプロピル基が特に好ましい。
「低級アルキレン」はC1-6アルキレンであり、好ましくはメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン基等の直鎖状のアルキレン、及びメチルメチレン基等の分枝状のアルキレンである。メチレン、トリメチレン及びテトラメチレン基が特に好ましい。
「ハロゲン」は、F、Cl、Br及びIを示す。「ハロゲノ低級アルキル」とは、好ましくは1個以上のハロゲンで置換されたC1-6アルキルを意味し、より好ましくは1個以上のFで置換されたC1-6アルキルであり、更に好ましくは、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル及びトリフルオロエチル基である。
「シクロアルキル」とは、C3-10の環状の飽和炭化水素環基であり、架橋を有していてもよい。好ましくはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びアダマンチル基である。
本明細書中の一般式の定義において「低級」なる用語は、特に断らない限り、炭素数が1〜6(以後、C1-6と略す)の直鎖又は分枝状の炭素鎖を意味する。従って「低級アルキル」はC1-6アルキルであり、好ましくはメチル、エチル、プロピル基等の直鎖状のアルキル、及びイソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル基等の分枝状のアルキルである。メチル、エチル、プロピル及びイソプロピル基が特に好ましい。
「低級アルキレン」はC1-6アルキレンであり、好ましくはメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン基等の直鎖状のアルキレン、及びメチルメチレン基等の分枝状のアルキレンである。メチレン、トリメチレン及びテトラメチレン基が特に好ましい。
「ハロゲン」は、F、Cl、Br及びIを示す。「ハロゲノ低級アルキル」とは、好ましくは1個以上のハロゲンで置換されたC1-6アルキルを意味し、より好ましくは1個以上のFで置換されたC1-6アルキルであり、更に好ましくは、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル及びトリフルオロエチル基である。
「シクロアルキル」とは、C3-10の環状の飽和炭化水素環基であり、架橋を有していてもよい。好ましくはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びアダマンチル基である。
「単環式ヘテロ環基」とは、O、S及びNから選択されるヘテロ原子を1〜4個含有する単環3〜8員、好ましくは5〜7員環基であり、不飽和環である単環式ヘテロアリール、飽和環である単環式ヘテロシクロアルキル、及び前記単環式ヘテロアリールが部分的に水素化された環基を含む。単環式ヘテロアリールとしては、好ましくはピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、イミダゾリル、ピロリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チエニル、フリル、チアゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル基が挙げられる。単環式ヘテロシクロアルキル、又はヘテロアリール基が部分的に水素化された環基として好ましくは、ピペリジル、ピロリジニル、ピペラジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル基が挙げられる。
「2環式ヘテロ環基」は、前記の単環式ヘテロ環同士、又はベンゼン環と単環式ヘテロ環が縮環した環基であり、好ましくは、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノリル、イソキノリル、キナゾリル、キノキサリニル、ジヒドロベンゾフラニル、テトラヒドロキノリル、及びインドリニル基が挙げられる。
前記「単環式ヘテロ環基」及び「2環式ヘテロ環基」において、環原子であるS又はNが酸化されオキシドやジオキシドを形成してもよい。また、ヘテロシクロアルキル、及びヘテロアリールが部分的に水素化された環基においては、任意の炭素原子がオキソ基で置換されていてもよい。
「2環式ヘテロ環基」は、前記の単環式ヘテロ環同士、又はベンゼン環と単環式ヘテロ環が縮環した環基であり、好ましくは、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノリル、イソキノリル、キナゾリル、キノキサリニル、ジヒドロベンゾフラニル、テトラヒドロキノリル、及びインドリニル基が挙げられる。
前記「単環式ヘテロ環基」及び「2環式ヘテロ環基」において、環原子であるS又はNが酸化されオキシドやジオキシドを形成してもよい。また、ヘテロシクロアルキル、及びヘテロアリールが部分的に水素化された環基においては、任意の炭素原子がオキソ基で置換されていてもよい。
「置換されていてもよい」とは、「無置換」或いは「同一又は異なる置換基を1〜5個有していること」を示す。
例えば、「置換されていてもよいフェニル」及び「置換されていてもよい単環若しくは二環式へテロ環基」における置換基は、好ましくは、R0、-O-R3、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、-CO2-R3、-NR4(R5)、-N(R4)-CO-R3、-N(R4)-SO2-R3、-CONR4(R5)、-CN、-NO2、フェニルである。また、「置換されていてもよいシクロアルキル」における置換基は、好ましくは、R0、-O-R3、-NR4(R5)、オキソ、-CO2-R3である。
例えば、「置換されていてもよいフェニル」及び「置換されていてもよい単環若しくは二環式へテロ環基」における置換基は、好ましくは、R0、-O-R3、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、-CO2-R3、-NR4(R5)、-N(R4)-CO-R3、-N(R4)-SO2-R3、-CONR4(R5)、-CN、-NO2、フェニルである。また、「置換されていてもよいシクロアルキル」における置換基は、好ましくは、R0、-O-R3、-NR4(R5)、オキソ、-CO2-R3である。
本発明化合物(I)中、好ましい化合物を以下に示す。
R1として好ましくは、-R0、-O-R3、-S-R3、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル又は-NR4(R5)、より好ましくはメチル、エチル、-OH、メトキシ、エトキシ、メチルチオ、又はハロゲンである;
nとしては0又は1が好ましい;
Eとして好ましくは、H又は-D-E1、より好ましくはHである;フェノール環上の基Eの置換位置としては、ピリミジン環が結合した炭素の隣接位炭素、すなわち水酸基のメタ位が好ましい;
Dとしては-O-、-R00-又は-O-R00-が好ましい;
E1として好ましくは、置換されていてもよい単環式シクロアルキル、置換されていてもよいフェニル又は置換されていてもよい単環式へテロ環基である;
mとして好ましくは、1又は2、より好ましくは2である;
R2として好ましくは、H、-R00-置換されていてもよい単環若しくは二環式ヘテロ環基、-CO-置換されていてもよい単環若しくは二環式ヘテロ環基、又は-CO-CR21R22R23、より好ましくはHである;
R21としては、Hが好ましい;
R22としては、メチル、-OH、メトキシ又はアミノ基が好ましい;
R23としては、置換されていてもよいフェニルが好ましい。
R1として好ましくは、-R0、-O-R3、-S-R3、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル又は-NR4(R5)、より好ましくはメチル、エチル、-OH、メトキシ、エトキシ、メチルチオ、又はハロゲンである;
nとしては0又は1が好ましい;
Eとして好ましくは、H又は-D-E1、より好ましくはHである;フェノール環上の基Eの置換位置としては、ピリミジン環が結合した炭素の隣接位炭素、すなわち水酸基のメタ位が好ましい;
Dとしては-O-、-R00-又は-O-R00-が好ましい;
E1として好ましくは、置換されていてもよい単環式シクロアルキル、置換されていてもよいフェニル又は置換されていてもよい単環式へテロ環基である;
mとして好ましくは、1又は2、より好ましくは2である;
R2として好ましくは、H、-R00-置換されていてもよい単環若しくは二環式ヘテロ環基、-CO-置換されていてもよい単環若しくは二環式ヘテロ環基、又は-CO-CR21R22R23、より好ましくはHである;
R21としては、Hが好ましい;
R22としては、メチル、-OH、メトキシ又はアミノ基が好ましい;
R23としては、置換されていてもよいフェニルが好ましい。
本発明化合物(I)には幾何異性体や互変異性体が存在する場合がある。本発明にはこれらの異性体の分離したもの、或いは混合物が包含される。
また、本発明化合物(I)は不斉炭素原子を有する場合があり、これに基づく光学異性体が存在しうる。本発明はこれらの光学異性体の混合物や単離されたものを全て包含する。
更に、本発明化合物(I)には、製薬学的に許容されるプロドラッグも含まれる。製薬学的に許容されるプロドラッグとは、加溶媒分解により又は生理学的条件下で本発明のNH2、OH、CO2H等に変換できる基を有する化合物である。プロドラッグを形成する基としては、Prog. Med., 5, 2157-2161 (1985)や「医薬品の開発」(廣川書店、1990年)第7巻 分子設計163-198に記載の基が挙げられる。
また、本発明化合物(I)は不斉炭素原子を有する場合があり、これに基づく光学異性体が存在しうる。本発明はこれらの光学異性体の混合物や単離されたものを全て包含する。
更に、本発明化合物(I)には、製薬学的に許容されるプロドラッグも含まれる。製薬学的に許容されるプロドラッグとは、加溶媒分解により又は生理学的条件下で本発明のNH2、OH、CO2H等に変換できる基を有する化合物である。プロドラッグを形成する基としては、Prog. Med., 5, 2157-2161 (1985)や「医薬品の開発」(廣川書店、1990年)第7巻 分子設計163-198に記載の基が挙げられる。
本発明化合物(I)の塩としては、製薬学的に許容される塩であり、具体的には塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の有機酸との酸付加塩等が挙げられる。また、置換基の種類によっては、塩基との塩を形成する場合もあり、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の金属を含む無機塩基、或いはメチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、リジン、オルニチン等の有機塩基との塩やアンモニウム塩等が挙げられる。
さらに、本発明化合物(I)及びその塩には、各種の水和物や溶媒和物及び結晶多形の物質が包含される。
さらに、本発明化合物(I)及びその塩には、各種の水和物や溶媒和物及び結晶多形の物質が包含される。
(製造法)
本発明化合物(I)及びその塩は、その基本骨格或いは置換基の種類に基づく特徴を利用し、種々の公知の合成法を適用して製造することができる。その際、官能基の種類によっては、当該官能基を原料乃至中間体の段階で適当な保護基で保護、又は当該官能基に容易に転化可能な基に置き換えておくことが製造技術上効果的な場合がある。このような官能基としては例えばアミノ基、水酸基、カルボキシル基等であり、それらの保護基としては例えばグリーン(T. W. Greene)及びウッツ(P. G. M. Wuts)著、「Protective Groups in Organic Synthesis(第3版、1999年)」に記載の保護基を挙げることができ、これらを反応条件に応じて適宜選択して用いればよい。このような方法では、当該保護基を導入して反応を行った後、必要に応じて保護基を除去、或いは所望の基に転化することにより、所望の化合物を得ることができる。
また、化合物のプロドラッグは、得られた化合物(I)又は原料乃至中間体の段階で、特定の基を導入することにより製造できる。反応は通常のエステル化、アミド化、脱水等、当業者により公知の方法を適用することにより行うことができる。
本発明化合物(I)及びその塩は、その基本骨格或いは置換基の種類に基づく特徴を利用し、種々の公知の合成法を適用して製造することができる。その際、官能基の種類によっては、当該官能基を原料乃至中間体の段階で適当な保護基で保護、又は当該官能基に容易に転化可能な基に置き換えておくことが製造技術上効果的な場合がある。このような官能基としては例えばアミノ基、水酸基、カルボキシル基等であり、それらの保護基としては例えばグリーン(T. W. Greene)及びウッツ(P. G. M. Wuts)著、「Protective Groups in Organic Synthesis(第3版、1999年)」に記載の保護基を挙げることができ、これらを反応条件に応じて適宜選択して用いればよい。このような方法では、当該保護基を導入して反応を行った後、必要に応じて保護基を除去、或いは所望の基に転化することにより、所望の化合物を得ることができる。
また、化合物のプロドラッグは、得られた化合物(I)又は原料乃至中間体の段階で、特定の基を導入することにより製造できる。反応は通常のエステル化、アミド化、脱水等、当業者により公知の方法を適用することにより行うことができる。
(第一製法)
(式中、Pはアミノ基の保護基又はR2(但しHを除く)を表す。以下同様。)
本製法はアミジン誘導体(1)と化合物(2)とを用いて環化反応を行い、化合物(3)とした後、脱保護反応を行うことにより、本発明化合物(Ia)を製造する方法である。
環化反応は、アミジン誘導体(1)及び化合物(2)とを等量若しくは一方を過剰量用い、反応に不活性な溶媒中、室温〜加熱還流下に通常1時間〜3日間攪拌することにより行われる。溶媒としてはメタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等を用いることができるが、反応に不活性であればこれらに限定されることはない。本反応は塩基の存在下に反応を行うことが好ましい場合が多く、このような塩基としては、ピペリジン、ピロリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)、2,6-ルチジン等の有機塩基が挙げられる。なお、この環化反応では、反応中間体として化合物(3)のピリミジン環が一部水素化されている化合物が副生することがある。このような場合には、副生成物をクロロホルム等の溶媒中、当量から大過剰の酸化剤(二酸化マンガン等)で処理することにより、化合物(3)を得ることが出来る。
以上の反応により得られた化合物(3)の保護基Pの脱保護反応は、「Protective Groups in Organic Synthesis (第3版)」に記載の方法を適用することが出来る。
本製法はアミジン誘導体(1)と化合物(2)とを用いて環化反応を行い、化合物(3)とした後、脱保護反応を行うことにより、本発明化合物(Ia)を製造する方法である。
環化反応は、アミジン誘導体(1)及び化合物(2)とを等量若しくは一方を過剰量用い、反応に不活性な溶媒中、室温〜加熱還流下に通常1時間〜3日間攪拌することにより行われる。溶媒としてはメタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等を用いることができるが、反応に不活性であればこれらに限定されることはない。本反応は塩基の存在下に反応を行うことが好ましい場合が多く、このような塩基としては、ピペリジン、ピロリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)、2,6-ルチジン等の有機塩基が挙げられる。なお、この環化反応では、反応中間体として化合物(3)のピリミジン環が一部水素化されている化合物が副生することがある。このような場合には、副生成物をクロロホルム等の溶媒中、当量から大過剰の酸化剤(二酸化マンガン等)で処理することにより、化合物(3)を得ることが出来る。
以上の反応により得られた化合物(3)の保護基Pの脱保護反応は、「Protective Groups in Organic Synthesis (第3版)」に記載の方法を適用することが出来る。
(第二製法)
(式中、Lはハロゲン等の脱離基又は-OHを示す。以下同様。)
一般式(I)で示される化合物中、含窒素飽和環の窒素原子上にアシル基を有する化合物(Ib)、又はアルキル基を有する化合物(Ic)は、例えば、以下の反応を用いて製造することができる。
(1) アミド化
化合物(Ib)は、第一製法により得られる化合物(Ia)とカルボン酸又はそれらの反応性誘導体(4)とを、アミド化反応に付すことにより製造できる。ここで、化合物(Ia)のLがOHである遊離カルボン酸を用いる場合には、化合物(Ia)とカルボン酸(4)とを縮合剤の存在下で脱水縮合させる方法が用いられる。この場合の縮合剤及び反応条件は、例えば日本化学会編「実験化学講座(第4版)」22巻(1992年)(丸善)等に記載の方法を参考にすることができる。化合物(Ia)のLが脱離基である化合物、すなわち、カルボン酸の反応性誘導体を用いる場合には、化合物(Ia)を反応性誘導体(4)とを、塩基の存在下又は非存在下で反応させる方法が用いられる。この場合の塩基及び反応条件は、例えば日本化学会編「実験化学講座(第4版)」22巻(1992年)(丸善)等に記載の方法を参考にすることができる。
(2) 還元的アミノ化
化合物(Ic)は、第一製法により得られる化合物(Ia)とアルデヒド誘導体(5)とを、還元的アミノ化反応に付すことにより製造できる。反応は、例えば日本化学会編「実験化学講座(第4版)」20巻(1992年)(丸善)等に記載の方法を参考に実施できる。
一般式(I)で示される化合物中、含窒素飽和環の窒素原子上にアシル基を有する化合物(Ib)、又はアルキル基を有する化合物(Ic)は、例えば、以下の反応を用いて製造することができる。
(1) アミド化
化合物(Ib)は、第一製法により得られる化合物(Ia)とカルボン酸又はそれらの反応性誘導体(4)とを、アミド化反応に付すことにより製造できる。ここで、化合物(Ia)のLがOHである遊離カルボン酸を用いる場合には、化合物(Ia)とカルボン酸(4)とを縮合剤の存在下で脱水縮合させる方法が用いられる。この場合の縮合剤及び反応条件は、例えば日本化学会編「実験化学講座(第4版)」22巻(1992年)(丸善)等に記載の方法を参考にすることができる。化合物(Ia)のLが脱離基である化合物、すなわち、カルボン酸の反応性誘導体を用いる場合には、化合物(Ia)を反応性誘導体(4)とを、塩基の存在下又は非存在下で反応させる方法が用いられる。この場合の塩基及び反応条件は、例えば日本化学会編「実験化学講座(第4版)」22巻(1992年)(丸善)等に記載の方法を参考にすることができる。
(2) 還元的アミノ化
化合物(Ic)は、第一製法により得られる化合物(Ia)とアルデヒド誘導体(5)とを、還元的アミノ化反応に付すことにより製造できる。反応は、例えば日本化学会編「実験化学講座(第4版)」20巻(1992年)(丸善)等に記載の方法を参考に実施できる。
(第三製法) その他の製法
種々の官能基を有する本発明化合物は、当業者に自明の方法又は公知の製造法、或いはその変法を適用することによっても製造することができる。例えば本発明化合物(I)を原料として、以下の反応を置換基R1又はR2の変換に適用することにより、本発明化合物(I)の一部を製造することができる。
例えば、本発明化合物(I)中、R1として-O-R0を有する化合物(Id)は、当該部位が-OHである本発明化合物をアルキル化反応に付すことにより製造できる。本反応は、例えば日本化学会編「実験化学講座(第4版)」20巻(1992年)(丸善)等に記載の方法を参考に実施できる。
種々の官能基を有する本発明化合物は、当業者に自明の方法又は公知の製造法、或いはその変法を適用することによっても製造することができる。例えば本発明化合物(I)を原料として、以下の反応を置換基R1又はR2の変換に適用することにより、本発明化合物(I)の一部を製造することができる。
例えば、本発明化合物(I)中、R1として-O-R0を有する化合物(Id)は、当該部位が-OHである本発明化合物をアルキル化反応に付すことにより製造できる。本反応は、例えば日本化学会編「実験化学講座(第4版)」20巻(1992年)(丸善)等に記載の方法を参考に実施できる。
(原料化合物の製造)
前記製法にて使用した原料化合物は、例えば下記合成経路に従って製造できる。
(式中R6は低級アルキルを示す。以下同様)
原料化合物(1)は、上記の反応経路により製造することができる。ここでR6の低級アルキルとしては、メチル及びエチルが望ましい。
上記反応経路中、イプソ置換、環化、及び還元の各反応は、Tetraheadron Letters 43 (2002) 8777-8779記載の方法を用いて実施することができる。イミノエステル化は、メタノール又はエタノール等のアルコール類溶媒中、好ましくは-30℃〜室温において、化合物(9)を塩酸ガスと反応させることにより実施できる。アミジン化は、芳香族炭化水素類又はエーテル類等の溶媒中、イミノエステル体(10)を、好ましくは-30℃〜室温において、アンモニアガスと反応させることにより実施できる。
原料化合物(2)は、アルデヒド誘導体(11)とマロノニトリルとの縮合反応により製造することが出来る。本反応は、例えばComprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press, Oxford, 1991, Vol. 2, 341.記載の方法により実施することができる。
前記製法にて使用した原料化合物は、例えば下記合成経路に従って製造できる。
原料化合物(1)は、上記の反応経路により製造することができる。ここでR6の低級アルキルとしては、メチル及びエチルが望ましい。
上記反応経路中、イプソ置換、環化、及び還元の各反応は、Tetraheadron Letters 43 (2002) 8777-8779記載の方法を用いて実施することができる。イミノエステル化は、メタノール又はエタノール等のアルコール類溶媒中、好ましくは-30℃〜室温において、化合物(9)を塩酸ガスと反応させることにより実施できる。アミジン化は、芳香族炭化水素類又はエーテル類等の溶媒中、イミノエステル体(10)を、好ましくは-30℃〜室温において、アンモニアガスと反応させることにより実施できる。
このようにして製造された化合物(I)は、遊離のまま、又は常法による造塩処理を施し、その塩として単離・精製される。単離・精製は抽出、濃縮、留去、結晶化、濾過、再結晶、各種クロマトグラフィー等の通常の化学操作を適用して行われる。
各種の異性体は異性体間の物理化学的な性質の差を利用して常法により単離できる。例えば光学異性体は、ラセミ化合物を光学活性な有機酸(酒石酸等)とのジアステレオマー塩に導いた後に分別結晶化する方法、或いはキラル充填材を用いたカラムクロマトグラフィー等の手法により、各々分離精製することができる。また、光学活性化合物は適切な光学活性化合物を原料として用いることにより製造することもできる。尚、ジアステレオマーの混合物についても、分別結晶化又はクロマトグラフィー等により分離することができる。
各種の異性体は異性体間の物理化学的な性質の差を利用して常法により単離できる。例えば光学異性体は、ラセミ化合物を光学活性な有機酸(酒石酸等)とのジアステレオマー塩に導いた後に分別結晶化する方法、或いはキラル充填材を用いたカラムクロマトグラフィー等の手法により、各々分離精製することができる。また、光学活性化合物は適切な光学活性化合物を原料として用いることにより製造することもできる。尚、ジアステレオマーの混合物についても、分別結晶化又はクロマトグラフィー等により分離することができる。
(試験方法)
本発明化合物の効果は以下の薬理試験により確認された。
(1)ラットIKK2酵素阻害評価
(i)酵素調製
ラットIKK2(Genbank AF115282)のORFをラット膵臓cDNAライブラリーよりクローニングし、FLAG-tagをつけた形でSf9細胞系にて発現させ、細胞溶解液(50mM Tris-HCl pH7.5, 0.15M NaCl, 1% NP-40, 10% Glycerol, 1mM EDTA, 1mM EGTA pH7.5, 1mM Na3VO4, 5mM p-nitrophenylphosphate, 10mM β-glycerophosphate, 1mM DTT, 1mM PMSF, 10μg/ml Leupeptin, 10μg/ml Aprotinin(Sigma社))に細胞を溶解し、細胞抽出液を大量調製した後、anti-FLAG M2抗体(Sigma社)にて精製した。以上の実験操作は、公知の方法、即ち遺伝子操作実験マニュアル(Sambrook, J. et al, Molecular Cloning-A Laboratory Manual", Cold Spring Harabor laboratory, NY, 1989)や試薬に添付の指示書に従った。精製したラットIKK2は、酵素保存液(20mM Tris-HCl pH7.5, 10% Glycerol, 12.5mM β-glycerophosphate, 0.5mM EDTA, 0.5mM EGTA, 0.05% Brij35, 1mM DTT, 1mM PMSF(Sigma社))中で、-80℃で保存した。
(ii)酵素アッセイ
上記精製ラットIKK2、1X酵素反応バッファー(20mM Tris-HCl pH7.5, 12.5mM β-glycerophosphate, 20mM MgCl2, 0.1mM DTT)、0.01% BSA (Sigma社)、0.5μM ATP、0.2μM ビオチン化基質ペプチド(ラットI-kappa B alpha (Genbank Q63746)のアミノ酸残基18番〜49番) 及び化合物を溶解したDMSO溶液を、384穴プレート(カタログ番号3677:コーニング社)に総量10μlとなるように加えて、室温で90分放置した。その後、10μlの反応停止液(100mM Hepse pH8, 0.01% BSA, 0.8M KF, 50mM EDTA pH8, 1% Triton X-100, 抗リン酸化I-kappa B alpha抗体(Santa Cru社)のユーロピウムクリプテート標識体, ストレプトアビジン標識したXL665(日本シェーリング)を加えて、30分保温後、DISCOVERY (Perkin-Elmer)にて測定した。被検化合物のラットIKK2酵素活性阻害作用は下式で求めた。なお、各用量は独立に三回試験された。
被検化合物による阻害率(%)=((化合物無し、ラットIKK2有りの状態の平均値)-(被検化合物有り、ラットIKK2有りの状態の平均値))/((化合物無し、ラットIKK2有りの状態の平均値)−(ラットIKK2無しの状態の平均値))x100
各用量の阻害率(%)から、プロビット法により、50%阻害(IC50)を算出した。実施例1、3、6、7、8、9、10、11、14、15、16、17、18、19、20、21、25、30、31、35及び36の化合物は、0.5μM以下のIC50値を示した。この結果より、本発明化合物のIKK2阻害作用が確認された。
本発明化合物の効果は以下の薬理試験により確認された。
(1)ラットIKK2酵素阻害評価
(i)酵素調製
ラットIKK2(Genbank AF115282)のORFをラット膵臓cDNAライブラリーよりクローニングし、FLAG-tagをつけた形でSf9細胞系にて発現させ、細胞溶解液(50mM Tris-HCl pH7.5, 0.15M NaCl, 1% NP-40, 10% Glycerol, 1mM EDTA, 1mM EGTA pH7.5, 1mM Na3VO4, 5mM p-nitrophenylphosphate, 10mM β-glycerophosphate, 1mM DTT, 1mM PMSF, 10μg/ml Leupeptin, 10μg/ml Aprotinin(Sigma社))に細胞を溶解し、細胞抽出液を大量調製した後、anti-FLAG M2抗体(Sigma社)にて精製した。以上の実験操作は、公知の方法、即ち遺伝子操作実験マニュアル(Sambrook, J. et al, Molecular Cloning-A Laboratory Manual", Cold Spring Harabor laboratory, NY, 1989)や試薬に添付の指示書に従った。精製したラットIKK2は、酵素保存液(20mM Tris-HCl pH7.5, 10% Glycerol, 12.5mM β-glycerophosphate, 0.5mM EDTA, 0.5mM EGTA, 0.05% Brij35, 1mM DTT, 1mM PMSF(Sigma社))中で、-80℃で保存した。
(ii)酵素アッセイ
上記精製ラットIKK2、1X酵素反応バッファー(20mM Tris-HCl pH7.5, 12.5mM β-glycerophosphate, 20mM MgCl2, 0.1mM DTT)、0.01% BSA (Sigma社)、0.5μM ATP、0.2μM ビオチン化基質ペプチド(ラットI-kappa B alpha (Genbank Q63746)のアミノ酸残基18番〜49番) 及び化合物を溶解したDMSO溶液を、384穴プレート(カタログ番号3677:コーニング社)に総量10μlとなるように加えて、室温で90分放置した。その後、10μlの反応停止液(100mM Hepse pH8, 0.01% BSA, 0.8M KF, 50mM EDTA pH8, 1% Triton X-100, 抗リン酸化I-kappa B alpha抗体(Santa Cru社)のユーロピウムクリプテート標識体, ストレプトアビジン標識したXL665(日本シェーリング)を加えて、30分保温後、DISCOVERY (Perkin-Elmer)にて測定した。被検化合物のラットIKK2酵素活性阻害作用は下式で求めた。なお、各用量は独立に三回試験された。
被検化合物による阻害率(%)=((化合物無し、ラットIKK2有りの状態の平均値)-(被検化合物有り、ラットIKK2有りの状態の平均値))/((化合物無し、ラットIKK2有りの状態の平均値)−(ラットIKK2無しの状態の平均値))x100
各用量の阻害率(%)から、プロビット法により、50%阻害(IC50)を算出した。実施例1、3、6、7、8、9、10、11、14、15、16、17、18、19、20、21、25、30、31、35及び36の化合物は、0.5μM以下のIC50値を示した。この結果より、本発明化合物のIKK2阻害作用が確認された。
(2)ラットカラゲニン足浮腫モデル
動物の体重測定後,一群5匹の体重の平均値が各群均等になるように群分けを行った。その後、被験物質(コントロール群は溶媒10 mL/kg)を経口投与し,薬物投与後30分後にSprague-Dawley系雄性ラット(6〜10週齢,雄性,日本エスエルシ−社)の右足蹠皮下に1%カラゲニン(シグマアルドリッチジャパン)溶液を100 μL注入し炎症を惹起した。炎症惹起後3時間にエーテル深麻酔により致死せしめ、左右足踝下組織を切断採取し重量を測定した。
結果は,各個体毎にカラゲニン投与後3時間のカラゲニンを投与した右足重量からカラゲニンを投与しない左足重量を差し引いた重量の差(g)を算出し、コントロール群の平均に対する抑制率を算出し、平均±標準誤差として示した。コントロール群と被験物質投与群との多群比較はDunnettの多重比較検定を行い、P値が0.05未満の場合に統計的に有意とみなした。以上のすべての統計解析はSASを用いて行った。
実施例19の化合物は100 mg/kg経口投与で良好な抑制活性を示した。この結果より、本発明化合物が急性炎症に対する抑制作用を有することが確認された。
動物の体重測定後,一群5匹の体重の平均値が各群均等になるように群分けを行った。その後、被験物質(コントロール群は溶媒10 mL/kg)を経口投与し,薬物投与後30分後にSprague-Dawley系雄性ラット(6〜10週齢,雄性,日本エスエルシ−社)の右足蹠皮下に1%カラゲニン(シグマアルドリッチジャパン)溶液を100 μL注入し炎症を惹起した。炎症惹起後3時間にエーテル深麻酔により致死せしめ、左右足踝下組織を切断採取し重量を測定した。
結果は,各個体毎にカラゲニン投与後3時間のカラゲニンを投与した右足重量からカラゲニンを投与しない左足重量を差し引いた重量の差(g)を算出し、コントロール群の平均に対する抑制率を算出し、平均±標準誤差として示した。コントロール群と被験物質投与群との多群比較はDunnettの多重比較検定を行い、P値が0.05未満の場合に統計的に有意とみなした。以上のすべての統計解析はSASを用いて行った。
実施例19の化合物は100 mg/kg経口投与で良好な抑制活性を示した。この結果より、本発明化合物が急性炎症に対する抑制作用を有することが確認された。
(3)コラーゲン誘発関節炎に対する作用
ラットコラーゲン誘発関節炎に対する作用はThe Japanese Journal of Pharmacology, 1997 Aug;74(4):313-22に記載の方法を用いて評価することができる。また、マウスコラーゲン誘発関節炎に対する作用はThe Japanese Journal of Pharmacology, 2002 Apr;88(3):332-340に記載の方法を用いて評価することができる。
ラットコラーゲン誘発関節炎に対する作用はThe Japanese Journal of Pharmacology, 1997 Aug;74(4):313-22に記載の方法を用いて評価することができる。また、マウスコラーゲン誘発関節炎に対する作用はThe Japanese Journal of Pharmacology, 2002 Apr;88(3):332-340に記載の方法を用いて評価することができる。
本発明化合物(I)又はその塩を有効成分として含有する医薬組成物は通常製剤化に用いられる担体や賦形剤、その他の添加剤を用いて調製される。
投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等による経口投与、或いは静注、筋注等の注射剤、坐剤、経皮剤、経鼻剤或いは吸入剤等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。投与量は症状、投与対象の年齢、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定されるが、通常、経口投与の場合、成人1日当たり0.001 mg/kg乃至100 mg/kg程度であり、これを1回で、或いは2〜4回に分けて投与する。また、症状によって静脈投与される場合は、通常、成人1回当たり0.0001 mg/kg乃至10 mg/kgの範囲で1日に1回乃至複数回投与される。また、吸入の場合は、通常、成人1回当たり0.0001 mg/kg乃至1 mg/kgの範囲で1日に1回乃至複数回投与される。
本発明による経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、一つ又はそれ以上の活性物質が、少なくとも一つの不活性な賦形剤、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等と混合される。組成物は、常法に従って、不活性な添加剤、例えばステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤やカルボキシメチルスターチナトリウム等の崩壊剤、溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要により糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性コーティング剤で被膜してもよい。
投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等による経口投与、或いは静注、筋注等の注射剤、坐剤、経皮剤、経鼻剤或いは吸入剤等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。投与量は症状、投与対象の年齢、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定されるが、通常、経口投与の場合、成人1日当たり0.001 mg/kg乃至100 mg/kg程度であり、これを1回で、或いは2〜4回に分けて投与する。また、症状によって静脈投与される場合は、通常、成人1回当たり0.0001 mg/kg乃至10 mg/kgの範囲で1日に1回乃至複数回投与される。また、吸入の場合は、通常、成人1回当たり0.0001 mg/kg乃至1 mg/kgの範囲で1日に1回乃至複数回投与される。
本発明による経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、一つ又はそれ以上の活性物質が、少なくとも一つの不活性な賦形剤、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等と混合される。組成物は、常法に従って、不活性な添加剤、例えばステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤やカルボキシメチルスターチナトリウム等の崩壊剤、溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要により糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性コーティング剤で被膜してもよい。
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な溶剤、例えば精製水、エタノールを含む。この組成物は不活性な溶剤以外に可溶化剤、湿潤剤、懸濁化剤のような補助剤、甘味剤、矯味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性又は非水性の液剤、懸濁剤、乳剤を含む。水性の溶剤としては、例えば注射用蒸留水及び生理食塩水が含まれる。非水性の溶剤としては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール類、ポリソルベート80(商品名)等がある。このような組成物は、さらに等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。また、これらは無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解、懸濁して使用することもできる。
非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性又は非水性の液剤、懸濁剤、乳剤を含む。水性の溶剤としては、例えば注射用蒸留水及び生理食塩水が含まれる。非水性の溶剤としては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール類、ポリソルベート80(商品名)等がある。このような組成物は、さらに等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。また、これらは無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解、懸濁して使用することもできる。
吸入剤や経鼻剤等の経粘膜剤は固体、液体、半固体状のものが用いられ、従来公知の方法に従って製造することができる。例えば、ラクトースや澱粉のような賦形剤や、更に、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、滑沢剤、安定剤や増粘剤等が適宜添加されていてもよい。投与は、適当な吸入又は吹送のためのデバイスを使用することができる。例えば、計量投与吸入デバイス等の公知のデバイスや噴霧器を使用して、化合物を単独で又は処方された混合物の粉末として、もしくは医薬的に許容し得る担体と組み合わせて溶液又は懸濁液として投与することができる。乾燥粉末吸入器等は、単回又は多数回の投与用のものであってもよく、乾燥粉末又は粉末含有カプセルを利用することができる。或いは、適当な駆出剤、例えば、クロロフルオロアルカン、ヒドロフルオロアルカン又は二酸化炭素等の好適な気体を使用した加圧エアゾールスプレー等の形態であってもよい。
以下、実施例に基づき本発明化合物(I)の製法を更に詳細に説明する。本発明化合物は下記実施例に記載の化合物に限定されるものではない。また原料化合物の製法を参考例に示す。
参考例1
2-フルオロ-6-ヒドロキシベンゾニトリル及び(ブロモメチル)シクロプロパンを炭酸カリウム存在下、2-ブタノン中、室温で2日間、次いで50℃で2日間反応させることにより、2-(シクロプロピルメトキシ)-6-フルオロベンゾニトリルを得た。ESI-MS(M+H)+:192
参考例2
アセトキシムのDMF溶液にカリウム tert-ブトキシドを加え、室温で30分攪拌した後、氷冷下、2-フルオロ-3-(4-メチルフェノキシ)ベンゾニトリルのDMF溶液を加えて、室温で1時間反応させることにより2-{[(1-メチルエチリデン)アミノ]オキシ}-3-(4-メチルフェノキシ)ベンゾニトリルを得た。FAB-MS(M+H)+:281
参考例3
2-{[(1-メチルエチリデン)アミノ]オキシ}-3-(4-メチルフェノキシ)ベンゾニトリルのエタノール溶液に1M塩酸水溶液を加え14時間加熱還流した後、エタノールを減圧下留去した。得られた混合物に飽和重曹水を加えて中和し、後処理を行うことにより、4-(4-メチルフェノキシ)-1,2-ベンゾイソキサゾール-3-アミンを得た。FAB-MS(M+H)+:241
2-フルオロ-6-ヒドロキシベンゾニトリル及び(ブロモメチル)シクロプロパンを炭酸カリウム存在下、2-ブタノン中、室温で2日間、次いで50℃で2日間反応させることにより、2-(シクロプロピルメトキシ)-6-フルオロベンゾニトリルを得た。ESI-MS(M+H)+:192
参考例2
アセトキシムのDMF溶液にカリウム tert-ブトキシドを加え、室温で30分攪拌した後、氷冷下、2-フルオロ-3-(4-メチルフェノキシ)ベンゾニトリルのDMF溶液を加えて、室温で1時間反応させることにより2-{[(1-メチルエチリデン)アミノ]オキシ}-3-(4-メチルフェノキシ)ベンゾニトリルを得た。FAB-MS(M+H)+:281
参考例3
2-{[(1-メチルエチリデン)アミノ]オキシ}-3-(4-メチルフェノキシ)ベンゾニトリルのエタノール溶液に1M塩酸水溶液を加え14時間加熱還流した後、エタノールを減圧下留去した。得られた混合物に飽和重曹水を加えて中和し、後処理を行うことにより、4-(4-メチルフェノキシ)-1,2-ベンゾイソキサゾール-3-アミンを得た。FAB-MS(M+H)+:241
参考例4
4-(4-メチルフェノキシ)-1,2-ベンゾイソキサゾール-3-アミンのメタノール溶液に20%水酸化パラジウム-炭素を加え、接触水素還元反応を行うことにより、2-ヒドロキシ-6-(4-メチルフェノキシ)ベンゼンカルボキシミダミドを得た。FAB-MS(M+H)+:243
参考例5
5-クロロ-1,2-ベンゾイソキサゾール-3-アミン、亜鉛粉末、及び酢酸/水(1/2)の混合物を80℃にて19時間反応させることにより、5-クロロ-2-ヒドロキシベンゼンカルボキシミダミドを得た。FAB-MS(M-H)-:171, 169
4-(4-メチルフェノキシ)-1,2-ベンゾイソキサゾール-3-アミンのメタノール溶液に20%水酸化パラジウム-炭素を加え、接触水素還元反応を行うことにより、2-ヒドロキシ-6-(4-メチルフェノキシ)ベンゼンカルボキシミダミドを得た。FAB-MS(M+H)+:243
参考例5
5-クロロ-1,2-ベンゾイソキサゾール-3-アミン、亜鉛粉末、及び酢酸/水(1/2)の混合物を80℃にて19時間反応させることにより、5-クロロ-2-ヒドロキシベンゼンカルボキシミダミドを得た。FAB-MS(M-H)-:171, 169
参考例6
tert-ブチル 3-ホルミルピペリジン-1-カルボキシラートのメタノール溶液にマロノニトリルを加え室温で8時間反応させることにより、tert-ブチル 3-(2,2-ジシアノビニル)ピペリジン-1-カルボキシラートを黄色固体として得た。FAB-MS(M+H)+:206
参考例2の方法と同様にして後記表1に示す参考例7〜15の化合物を、参考例3と同様にして後記表2に示す参考例16〜24の化合物を、参考例4と同様にして後記表3に示す参考例25〜37の化合物を、参考例5と同様にして後記表3に示す参考例38〜41の化合物を、参考例6と同様にして後記表4に示す参考例42〜43の化合物を、それぞれ対応する原料を使用して製造した。
参考例7〜43の化合物の構造及び物理化学的データを表1〜4にそれぞれ示す。
tert-ブチル 3-ホルミルピペリジン-1-カルボキシラートのメタノール溶液にマロノニトリルを加え室温で8時間反応させることにより、tert-ブチル 3-(2,2-ジシアノビニル)ピペリジン-1-カルボキシラートを黄色固体として得た。FAB-MS(M+H)+:206
参考例2の方法と同様にして後記表1に示す参考例7〜15の化合物を、参考例3と同様にして後記表2に示す参考例16〜24の化合物を、参考例4と同様にして後記表3に示す参考例25〜37の化合物を、参考例5と同様にして後記表3に示す参考例38〜41の化合物を、参考例6と同様にして後記表4に示す参考例42〜43の化合物を、それぞれ対応する原料を使用して製造した。
参考例7〜43の化合物の構造及び物理化学的データを表1〜4にそれぞれ示す。
実施例1
(1) 2-ヒドロキシ-ベンゼンカルボキシミダミド1.34gのメタノール20ml溶液にtert-ブチル 3-(2,2-ジシアノビニル)ピペリジン-1-カルボキシラート2.61gとピペリジン1.98mlを加え60℃で19時間攪拌した。反応液にクロロホルムを加え、水、飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製することにより、tert-ブチル 3-[アミノ-5-シアノ-2-(2-ヒドロキシフェニル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-1-カルボキシラート1.59gを淡黄色固体として得た。
(2) この化合物300mgを酢酸エチル5mlに懸濁し4M塩化水素-酢酸エチル溶液を5ml加え、室温で12時間攪拌した。析出した固体をろ取することにより、4-アミノ-2-(2-ヒドロキシフェニル)-6-ピペリジン-3-イルピリミジン-5-カルボニトリル 塩酸塩243mgを淡黄色固体として得た。
実施例2
4- ブロモ-2-ヒドロキシベンゼンカルボキシミダミド313 mg及びtert-ブチル 3-(2,2-ジシアノビニル)ピペリジン-1-カルボキシラート494 mgを原料として用い、実施例1(1)と同様の反応を行うことにより、tert-ブチル 3-[6-アミノ-2-(4-ブロモ-2-ハイドロキシフェニル)-5-シアノピリミジン-4-イル]ピペリジン-1-カルボキシラート341mgを白色粉末として得た。
実施例3
2-ヒドロキシ-6-(4-メチルフェノキシ)ベンゼンカルボキシミダミド500mgのメタノール10ml溶液にtert-ブチル 3-(2,2-ジシアノビニル)ピペリジン-1-カルボキシラート539mgとピペリジン0.20mlを加え60℃で15時間攪拌した。析出した固体をろ取し、乾燥した後、クロロホルム10mlに溶解し、二酸化マンガン1.0gを加え16時間加熱還流した。反応液をセライトを通してろ過し、ろ液を減圧下留去することにより、tert-ブチル 3-{アミノ-5-シアノ-2-[2-ヒドロキシ-6-(4-メチルフェノキシ)フェニル]ピリミジン-4-イル}ピペリジン-1-カルボキシラート450mgを黄色固体として得た。この化合物450mgを用いて実施例1(2)と同様の反応を行うことにより、4-アミノ-2-[2-ヒドロキシ-6-(4-メチルフェノキシ)フェニル]-6-ピペリジン-3-イルピリミジン-5-カルボニトリル 塩酸塩350mgを黄色固体として得た。
(1) 2-ヒドロキシ-ベンゼンカルボキシミダミド1.34gのメタノール20ml溶液にtert-ブチル 3-(2,2-ジシアノビニル)ピペリジン-1-カルボキシラート2.61gとピペリジン1.98mlを加え60℃で19時間攪拌した。反応液にクロロホルムを加え、水、飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製することにより、tert-ブチル 3-[アミノ-5-シアノ-2-(2-ヒドロキシフェニル)ピリミジン-4-イル]ピペリジン-1-カルボキシラート1.59gを淡黄色固体として得た。
(2) この化合物300mgを酢酸エチル5mlに懸濁し4M塩化水素-酢酸エチル溶液を5ml加え、室温で12時間攪拌した。析出した固体をろ取することにより、4-アミノ-2-(2-ヒドロキシフェニル)-6-ピペリジン-3-イルピリミジン-5-カルボニトリル 塩酸塩243mgを淡黄色固体として得た。
実施例2
4- ブロモ-2-ヒドロキシベンゼンカルボキシミダミド313 mg及びtert-ブチル 3-(2,2-ジシアノビニル)ピペリジン-1-カルボキシラート494 mgを原料として用い、実施例1(1)と同様の反応を行うことにより、tert-ブチル 3-[6-アミノ-2-(4-ブロモ-2-ハイドロキシフェニル)-5-シアノピリミジン-4-イル]ピペリジン-1-カルボキシラート341mgを白色粉末として得た。
実施例3
2-ヒドロキシ-6-(4-メチルフェノキシ)ベンゼンカルボキシミダミド500mgのメタノール10ml溶液にtert-ブチル 3-(2,2-ジシアノビニル)ピペリジン-1-カルボキシラート539mgとピペリジン0.20mlを加え60℃で15時間攪拌した。析出した固体をろ取し、乾燥した後、クロロホルム10mlに溶解し、二酸化マンガン1.0gを加え16時間加熱還流した。反応液をセライトを通してろ過し、ろ液を減圧下留去することにより、tert-ブチル 3-{アミノ-5-シアノ-2-[2-ヒドロキシ-6-(4-メチルフェノキシ)フェニル]ピリミジン-4-イル}ピペリジン-1-カルボキシラート450mgを黄色固体として得た。この化合物450mgを用いて実施例1(2)と同様の反応を行うことにより、4-アミノ-2-[2-ヒドロキシ-6-(4-メチルフェノキシ)フェニル]-6-ピペリジン-3-イルピリミジン-5-カルボニトリル 塩酸塩350mgを黄色固体として得た。
実施例4
tert-ブチル 3-[6-アミノ-2-(4-ブロモ-2-ヒドロキシフェニル)-5-シアノピリミジン-4-イル]ピペリジン-1-カルボキシラート200mg、フェニルボロン酸104mg、2M炭酸ナトリウム水溶液0.42ml及びジオキサン10mlの溶液に、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0価)49mgを加え、100℃にて16時間攪拌した。反応液を濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/クロロホルム=1/9〜1/4)で精製することにより、tert-ブチル 3-[6-アミノ-5-シアノ-2-(3-ヒドロキシビフェニル-4-イル)ピリミジン-1-カルボキシラート167mgを黄色油状物として得た。この化合物100mgに、2M塩化水素-酢酸エチル溶液8mlを加え、室温にて15時間攪拌した。反応液を濾過後、得られた固体をメタノール/アセトニトリル(1/10)混合溶媒にて再結晶化させることにより、4-アミノ-2-(3-ハイドロキシビフェニル-4-イル)-6-ピペリジン-3-イルピリミジン-5-カルボニトリル 塩酸塩25mgを薄黄色粉末として得た。
実施例5
4-アミノ-2-(2-ヒドロキシフェニル)-6-ピペリジン-4-イルピリミジン-5-カルボニトリル塩酸塩 368 mgのジクロロエタン 20 ml溶液にトリエチルアミン 278 μlを加え、室温で10分撹拌した。この溶液に1-メチルインドール-3-カルボキシアルデヒド 175 mg、ナトリウム アセトキシボロヒドリド 297 mg及び酢酸1 mlを加え、室温で18時間撹拌した。さらに、ナトリウム アセトキシボロヒドリド 297 mgとDMF 10 mlを加え、19時間撹拌した。反応溶液に飽和重曹水を加え中和した後、クロロホルム−メタノール混合溶媒で抽出した。有機層は水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/アンモニア水=95/4.5/0.5)で精製した後、生成物をジオキサン3 mlに懸濁し4M塩化水素-ジオキサン溶液を0.1 ml加え、室温で3時間攪拌した。溶媒を留去し、得られた固体をイソプロパノールで洗浄することにより、4-アミノ-2-(2-ヒドロキシフェニル)-6-{1-[(1-メチル-1H-インドール-3-イル)メチル]ピペリジン-4-イル}ピリミジン-5-カルボニトリル 塩酸塩 40 mgを無色固体として得た。
実施例6
4-アミノ-2-(2-ヒドロキシフェニル)-6-ピペリジン-4-イルピリミジン-5-カルボニトリル塩酸塩331mg、トリエチルアミン303mg、5-フェニル-1,3-オキサゾール-4-カルボン酸189mg、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール203mgのDMF4ml溶液に1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩287mg加え室温にて一晩撹拌した。反応溶液に飽和重曹水を加え1時間撹拌した後、沈殿を濾取し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=10/1)にて精製することにより、4-アミノ-2-(2-ヒドロキシフェニル)-6-{1-[(5-フェニル-1,3-オキサゾール-4-イル)カルボニル]ピペリジン-4-イル}ピリミジン-5-カルボニトリル191mgを黄色粉末として得た。
tert-ブチル 3-[6-アミノ-2-(4-ブロモ-2-ヒドロキシフェニル)-5-シアノピリミジン-4-イル]ピペリジン-1-カルボキシラート200mg、フェニルボロン酸104mg、2M炭酸ナトリウム水溶液0.42ml及びジオキサン10mlの溶液に、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0価)49mgを加え、100℃にて16時間攪拌した。反応液を濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/クロロホルム=1/9〜1/4)で精製することにより、tert-ブチル 3-[6-アミノ-5-シアノ-2-(3-ヒドロキシビフェニル-4-イル)ピリミジン-1-カルボキシラート167mgを黄色油状物として得た。この化合物100mgに、2M塩化水素-酢酸エチル溶液8mlを加え、室温にて15時間攪拌した。反応液を濾過後、得られた固体をメタノール/アセトニトリル(1/10)混合溶媒にて再結晶化させることにより、4-アミノ-2-(3-ハイドロキシビフェニル-4-イル)-6-ピペリジン-3-イルピリミジン-5-カルボニトリル 塩酸塩25mgを薄黄色粉末として得た。
実施例5
4-アミノ-2-(2-ヒドロキシフェニル)-6-ピペリジン-4-イルピリミジン-5-カルボニトリル塩酸塩 368 mgのジクロロエタン 20 ml溶液にトリエチルアミン 278 μlを加え、室温で10分撹拌した。この溶液に1-メチルインドール-3-カルボキシアルデヒド 175 mg、ナトリウム アセトキシボロヒドリド 297 mg及び酢酸1 mlを加え、室温で18時間撹拌した。さらに、ナトリウム アセトキシボロヒドリド 297 mgとDMF 10 mlを加え、19時間撹拌した。反応溶液に飽和重曹水を加え中和した後、クロロホルム−メタノール混合溶媒で抽出した。有機層は水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/アンモニア水=95/4.5/0.5)で精製した後、生成物をジオキサン3 mlに懸濁し4M塩化水素-ジオキサン溶液を0.1 ml加え、室温で3時間攪拌した。溶媒を留去し、得られた固体をイソプロパノールで洗浄することにより、4-アミノ-2-(2-ヒドロキシフェニル)-6-{1-[(1-メチル-1H-インドール-3-イル)メチル]ピペリジン-4-イル}ピリミジン-5-カルボニトリル 塩酸塩 40 mgを無色固体として得た。
実施例6
4-アミノ-2-(2-ヒドロキシフェニル)-6-ピペリジン-4-イルピリミジン-5-カルボニトリル塩酸塩331mg、トリエチルアミン303mg、5-フェニル-1,3-オキサゾール-4-カルボン酸189mg、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール203mgのDMF4ml溶液に1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩287mg加え室温にて一晩撹拌した。反応溶液に飽和重曹水を加え1時間撹拌した後、沈殿を濾取し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=10/1)にて精製することにより、4-アミノ-2-(2-ヒドロキシフェニル)-6-{1-[(5-フェニル-1,3-オキサゾール-4-イル)カルボニル]ピペリジン-4-イル}ピリミジン-5-カルボニトリル191mgを黄色粉末として得た。
以上の実施例と同様にして実施例7〜36の化合物を製造した。それらの構造式と物理学的性状を後記表5〜7に示す。また、後記表8及び表10の化合物は前記実施例や製造法に記載の方法とほぼ同様にして、或いはそれらの方法より当業者に自明な若干の変法を適用することにより、容易に製造することができる。
参考例及び後記表中、以下の略号を用いる。尚、表中、置換基の前の数字は置換位置を、また、(R1)nとして「−」を記した化合物はnが0であること、すなわち当該置換基を有さないことを示す。
Ex:実施例番号、REx:参考例番号、Cmp:化合物番号、Str:構造式、RSyn:製造法(数字は同様に製造した参考例番号)、Syn:製造法(数字は同様に製造した実施例番号)、Dat:物理化学的データ(F1:FAB-MS(M+H)+、F2:FAB-MS(M-H)-、E1:ESI-MS(M+H)+、E2:ESI-MS(M-H)-、A1:APCI-MS(M+H)+、A2:APCI-MS(M-H)-、NMR1:CDCl3中の1H NMRにおける特徴的なピークのδ(ppm)、NMR2:DMSO-d6中の1H NMRにおける特徴的なピークのδ(ppm)(NMR2の後の括弧内の数字は昇温測定時の測定温度を示す)、MP:融点、Sal:塩(HCl:塩酸塩、2HCl:2塩酸塩、無記載:フリー体)、Pos:置換位置、Me:メチル、tBu:tert-ブチル、Ph:フェニル及びBoc:tert-ブトキシカルボニル。
参考例及び後記表中、以下の略号を用いる。尚、表中、置換基の前の数字は置換位置を、また、(R1)nとして「−」を記した化合物はnが0であること、すなわち当該置換基を有さないことを示す。
Ex:実施例番号、REx:参考例番号、Cmp:化合物番号、Str:構造式、RSyn:製造法(数字は同様に製造した参考例番号)、Syn:製造法(数字は同様に製造した実施例番号)、Dat:物理化学的データ(F1:FAB-MS(M+H)+、F2:FAB-MS(M-H)-、E1:ESI-MS(M+H)+、E2:ESI-MS(M-H)-、A1:APCI-MS(M+H)+、A2:APCI-MS(M-H)-、NMR1:CDCl3中の1H NMRにおける特徴的なピークのδ(ppm)、NMR2:DMSO-d6中の1H NMRにおける特徴的なピークのδ(ppm)(NMR2の後の括弧内の数字は昇温測定時の測定温度を示す)、MP:融点、Sal:塩(HCl:塩酸塩、2HCl:2塩酸塩、無記載:フリー体)、Pos:置換位置、Me:メチル、tBu:tert-ブチル、Ph:フェニル及びBoc:tert-ブトキシカルボニル。
Claims (1)
- 下記一般式(I)で示される4-アミノピリミジン誘導体又はその塩。
R1:同一又は互いに異なって、-R0、-O-R3、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、-S-R3、-SO-R3、-SO2-R3、-NR4(R5)、-CO2-R3、-CO-NR4(R5)、-NR4-CO-R0、-CN、-R00-O-R3、-NO2又は-O-R00-CO2-R3、
R0:低級アルキル、
R00:低級アルキレン、
R3、R4及びR5:同一又は互いに異なって、H又は-R0、
n:0、1又は2、
E:H、-E1又は-D-E1、
E1:置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいフェニル、又は置換されていてもよい単環若しくは二環式ヘテロ環基、
D:結合、-O-、-S-、-R00-、-O-R00-、-R00-O-、-NR4-R00-、-R00-NR4-、-NR4-CO-又は-CO-NR4-、
m:0、1、2又は3、
R2:H、-R0又は-Z-W、
Z:-R00-、-CO-、-CO-R00-又は-R00-CO-、
W:-O-R3、-NR4(R5)、-CR21R22R23、置換されていてもよいフェニル、又は置換されていてもよい単環若しくは二環式ヘテロ環基、
R21:H又は-R0、
R22:-R0、-O-R3又は-NR4(R5)、
R23:-R0又は置換されていてもよいフェニル。)
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