WO2005115287A1

WO2005115287A1 - 生理用ナプキン

Info

Publication number: WO2005115287A1
Application number: PCT/JP2005/007632
Authority: WO
Inventors: Toshiyuki Tanio; Wataru Yoshimasa; Kenichiro Kuroda; Shinobu Fujikawa
Original assignee: Uni-Charm Corporation
Priority date: 2004-05-27
Filing date: 2005-04-21
Publication date: 2005-12-08
Also published as: CN100488476C; KR20070024477A; JP4554274B2; TW200538090A; CN1917839A; JP2005334293A; US20050267435A1; US7530973B2; TWI272094B; KR101163247B1

Abstract

　膣口から臀裂部に対向する縦長の生理用ナプキンにおいて、臀裂に密着し、後方への経血の洩れ防止機能を高めることができるようにする。【課題】　生理用ナプキン１は、液吸収層２２を有するナプキン本体２を有しており、このナプキン本体２の肌側表面に立体構造部３が設けられている。この立体構造部３は、エアーレイド不織布と液透過性シートで形成され、エアーレイド不織布には上方に延びる圧縮部３７が形成されている。前記立体構造部３は身体の溝に密着し、就寝時などにおいて経血が後方へ洩れ出るのを有効に防止できるようにする。

Description

明細書

生理用ナプキン

技術分野

[0001] 本発明は、膣対向部とその後方に長く延びる臀裂対向部とを有する縦長の生理用ナプキンに係り、特に身体の肛門から後方に延びる臀裂に密着し且つ臀裂の変形に追従でき、就寝時などにおける後方への経血の洩れを防止する効果を発揮できる生理用ナプキンに関する。

背景技術

[0002] 従来の生理用ナプキンには、液吸収層を有するナプキン本体の肌側表面に、着用者の身体に密着させるための凸構造部を設けたものが存在している。

[0003] 以下の特許文献 1は、断面が三角形状の第 1の吸収部材を有する生理用ナプキンを開示している。この第 1の吸収部材は、液を吸収保持する吸収核とこの吸収核を覆う外側覆いとを有している。特許文献 1に記載の生理用ナプキンは、前記第 1の吸収部材が膣口に密着し、経血が主に前記第 1の吸収部材で吸収されて保持される。また、前記生理用ナプキンには、衣類に接触する平坦状の第 2の吸収部材が設けられており、前記第 1の吸収部材は、前記第 2の吸収部材上に設置されている。

[0004] 特許文献 2は、液を吸収する機能を有する吸収性材料管が設けられた生理用ナブキンを開示している。この吸収性材料管は、筒状に形成された吸収性材料とこの吸収性材料を覆うカバーとから成るものであり、この吸収性材料管は着用者の膣口に心地よくフィットできるものとなっている。そして、前記吸収性材料管は、ベースパッド上に設置されている。

[0005] 以下の特許文献 3は、生理用ナプキンの肌側表面から隆起する断面が三角形状のこぶを開示している。前記こぶは、液透過性の表面シートと液吸収層との間に設けられた吸収体と補強部材とで構成されており、前記補強部材は、プラスチックシートなどの硬質材料で形成されている。特許文献 3に記載の生理用ナプキンは、補強部材で補強されたこぶが膣口に当たり、体圧による圧縮力を受けたときにも、前記こぶが潰されることがなぐ生理用ナプキンと膣口との密接状態を維持できるというものである。

[0006] また、前記特許文献 3は、プラスチックシートで形成された前記補強部材の後端部に突起が形成された実施例を図 5で開示しており、この突起が臀部の溝に適合できると記載されている。

[0007] 以下の特許文献 4は、肌側表面の後方領域に山形形状の突起が設けられた生理用ナプキンを開示している。前記特許文献 4の記載では、この突起がどのように構成されているのか不明である力この突起がヒップの溝に当接することで経血の後ろ洩れを防ぐものとされている。

特許文献 1：特表平 11― 500940号公報

特許文献 2：特表 2002— 512851号公報

特許文献 3：特表 2001 - 504727号公報

特許文献 4：特開平 11 42250号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0008] 女性が就寝するときに着用する生理用ナプキンとして、膣対向部の後方に臀部対向部が形成された縦長のものが知られている。しかし単に生理用ナプキンの後方部分を臀部に当てただけでは、就寝時に、臀裂に沿って後方へ流れようとする経血を有効に留めることはできない。

[0009] 前記特許文献 1の生理用ナプキンは、断面三角形状の第 1の吸収部材を有し、前記特許文献 2に記載の生理用ナプキンは、吸収性材料管を有している。しかし、前記第 1の吸収部材と前記吸収性材料管は、共に女性の膣口に心地よく密着することを目的としているものであって、臀裂に対向させることを意図したものではない。仮に前記第 1の吸収部材ゃ前記吸収性材料管を臀裂に対向させたとしても、これらは臀裂内に入り込めるだけの剛性を有しておらず、臀裂内に密着させることはできない。

[0010] 次に、前記特許文献 3に記載の生理用ナプキンは、補強部材がこぶを容易に潰れないようにしている。特許文献 3には、前記補強部材の後端部に突起を設けて臀裂に適合させることが開示されて、るが、前記補強部材はプラスチックシートなどの硬質部材であるため、この硬質部材が臀裂に違和感を与えやすい。すなわち、立ち姿勢のときと仰向けに寝た姿勢のときとで臀裂の深さが相違し、寝た姿勢のときには臀部の対向面どうしが密着して溝が浅くなる。前記硬質部材で補強されたこぶを臀裂に対向させた状態で着用者が仰向け姿勢になると、前記硬質部材が臀部の浅い溝に当たって違和感を与えやすくなり、心地よく就寝することができなくなる。

[0011] 前記特許文献 4に記載のものは、突起がどのような構造であるか不明であるが、この突起は断面が三角形であり、特許文献 1や特許文献 2と同様に臀裂にフィットしにくいものである。

[0012] 本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、肌側表面の立体構造部が臀裂内に密着しやすくなつて、就寝時などにおいて後方への経血の洩れを有効に防止できるようにした生理用ナプキンを提供することを目的として!/、る。

課題を解決するための手段

[0013] 本発明は、液を吸収保持する液吸収層を有し、膣対向部と膣対向部の後方に延びる臀裂対向部とが形成されたナプキン本体を有する縦長形状の生理用ナプキンにおいて、

前記臀裂対向部には、前記ナプキン本体の肌側表面力隆起する立体構造部が設けられ、前記肌側表面から離れる位置に頂部を有し、

前記立体構造部は、外に現れてヽる液透過性シートとこの液透過性シートの下に位置する補強部材とを有しており、

前記立体構造部の前記頂部にナプキン本体に向けた加圧力が作用したときに、前記補強部材が弾性変形して前記立体構造部の高さ寸法を減少させることが可能であることを特徴とするちのである。

[0014] 本発明の生理用ナプキンは、臀裂対向部に立体構造部が設けられ、この立体構造部は補強部材によって剛性が確保されて、るとともに、頂部に体圧が作用したときにその高さ寸法が減少するように変形可能なものとなっている。したがって、前記立体構造部が臀裂内に違和感なく密着して、臀裂に沿って後方へ流れようとする経血を留めやすくなる。

[0015] 本発明では、前記立体構造部は、ナプキン本体の肌側表面からの立ち上がり起端となる前方起端と後方起端とを有し、前記肌側表面からの立ち上がり高さ寸法が、前記前方起端と前記後方起端との中間で最大になり、前記立ち上がり高さ寸法が最大となる箇所力ナプキン本体の肛門対向部に位置しまたはそれよりも後方に位置して、ることが好まし!/、。

[0016] 前記構造では、立体構造物の高さ寸法が最大の部分が、臀裂の最も深い部分に対向することになり、立体構造部は臀裂内に密着して、経血の後ろ洩れを防止しやすくなる。

[0017] 本発明では、前記立体構造部の高さ寸法が最大の部分で、前記立体構造部の頂部をナプキン本体の肌側表面に対して垂直に加圧し、前記加圧力が前記頂部の幅 lmmで且つ長さ 10mmの単位面積当たり 0. 2Nとなったときに、前記頂部の前記高さ寸法の減少率が 66%以下であることが好ましい。

[0018] 臀裂に対し立体構造部を奥まで挿入するのに要する最小荷重は、幅 lmmで長さ 1 Ommの単位面積当たり 0. 2Nである。また女性が立った姿勢力仰向けの姿勢に姿勢を変えたときの、身体の溝の深さの減少率は最大で 66%程度である。よって、前記 0. 2Nの力を与えたときに、立体構造部の高さ寸法が 66%よりも減少しないようにしておけば、仰向け姿勢のときに、立体構造部が身体の溝内に密着し続けることができる。

[0019] また、本発明では、前記立体構造部の高さ寸法が最大の部分で、前記立体構造部の頂部をナプキン本体の肌側表面に対して垂直に加圧し、前記加圧力が前記頂部の幅 lmmで且つ長さ 10mmの単位面積当たり 0. 3Nとなったときに、前記頂部の前記高さ寸法の減少率が 20%以上であることが好ましい。

[0020] 女性が立ち姿勢力も仰向け姿勢に姿勢を変えたときに、臀裂の深さの減少率は 20 %程度である。一方、臀部に加えられる荷重は、幅 lmmで長さ 10mmの単位面積当たり 0. 3N以下であれば臀部に違和感を与えることが少ない。よって、立体構造部の頂部に 0. 3Nの力を与えたときに、高さが 20%以上減少できれば、仰向けに寝たときに、立体構造部が着用者の身体に違和感を与えることなく臀裂の変形に追従でさるようになる。

[0021] また、本発明では、前記補強部材は、液吸収機能を有する繊維層であり、前記繊維層力前記立体構造部の内側で液透過性シートに密着して設けられているものが好ましい。

[0022] 補強部材に前記繊維層を用いることにより、立体構造部の剛性を、前述のように立体構造部が臀裂に違和感無く密着し、また臀裂の変形に追従するように設定しやすくなる。

[0023] また、前記立体構造部の内部が空洞であることが好ま、。立体構造部の内部が空洞であると、両壁面が変形しやすくなり、立体構造部が臀裂に入り込みやすくなる

[0024] また、本発明では、前記補強部材となる前記繊維層に、圧縮部が形成されて!、ることが好ましぐ前記圧縮部は、前記ナプキン本体の肌側表面から離れる方向に線状に延びることが好ましい。

[0025] 前記のように圧縮部を形成すると、立体構造部の剛性を高めることができ、立体構造部が臀裂内に違和感なく入り込めるようになる。

[0026] また、本発明では、中間部分が臀裂内に入り込みやすくなるように前記立体構造部は、幅寸法が前方と後方よりも中間で狭、ものとすることができる。

[0027] また、本発明では、前記立体構造部を、前記肌側表面に近、位置である裾部から前記頂部に向けて幅寸法が徐々に小さくなる形状とすることができる。この構造において、前記立体構造部は、裾部の幅寸法が 15〜45mmであり、頂部の幅寸法が 1〜

5mmであることが好まし!/、。

[0028] 立体構造部の幅寸法を頂部へ向けて徐々に小さくすると、立体構造部が臀裂に入り込みやすくなる。

発明の効果

[0029] 本発明は、ナプキン本体の肌側表面に設けられた立体構造部が臀裂に密着しやすくなる。また女性が立った姿勢力仰向けの姿勢に姿勢を変えたときにでも、着用者の身体へ違和感を与えることなく立体構造部を臀裂に密着した状態に保ちやすい。よって、臀裂に沿って後方へ流れようとする経血を留めて、経血の後ろ洩れを防止しゃすくなる。

発明を実施するための最良の形態

[0030] 図 1は本発明の第 1の実施の形態の生理用ナプキン 1を示す斜視図、図 2は、前記生理用ナプキン 1の縦断面図、図 3は図 1の生理用ナプキン 1を ΠΙ - III線で切断した横断面図である。

[0031] なお、生理用ナプキンおよびその各要素には 2つの主表面がある力そのうち着用者の股間に向けて着用される表面を「肌側表面」と呼び、反対側の表面を「着衣側表面」と呼ぶ。また、生理用ナプキンの長手方向を「縦方向」と呼び、前記縦方向と直交する方向を「幅方向」と呼ぶ。各要素の寸法は、特に明記しない限り、縦方向に測定した寸法を「長さ寸法」とし、前記幅方向に測定した寸法を「幅寸法」と呼ぶ。

[0032] 第 1の実施の形態の生理用ナプキン 1は、ナプキン本体 2と、ナプキン本体 2の肌側表面に位置する立体構造部 3とを有している。

[0033] 図 2と図 3に示すように、前記ナプキン本体 2は、着衣側表面に位置する液遮断性の裏面シート 21と、その上に設置された液吸収層 22と、前記液吸収層 22を覆う液透過性の表面シート 23とを有して、る。

[0034] 図 1に示すように、ナプキン本体 2は、曲線形状の前端 4と同じく曲線形状の後端 5 を有している。ナプキン本体 2は、その最大長さ寸法が 280〜450mmの縦長形状である。前記液吸収層 22も縦長形状であり、この液吸収層 22は、前記前端 4よりもやや内側に位置する曲線形状の前端部 22aおよび、前記後端 5よりもやや内側に位置する曲線形状の後端部 22bを有している。また液吸収層 22の左右両側端部 22c, 22c は、縦方向中心線 Oyと平行な直線形状である。

[0035] ナプキン本体 2は、前方フラップ部 6, 6、折り返しフラップ部 7, 7、後方フラップ部 8 , 8を有し、これらは前記液吸収層 22の両側端部 22c, 22cから突出している。ここで前記折り返しフラップ部 7, 7は前記前方フラップ部 6, 6よりも後方に位置し、前記後方フラップ部 8, 8は前記折り返しフラップ部 7, 7よりも後方に位置する。前記前方フラップ部 6, 6と折り返しフラップ部 7, 7および後方フラップ部 8, 8では、裏面シート 21 と表面シート 23とが重ねられてホットメルト型接着剤により互いに接着されている。なお、ナプキン本体の肌側表面の両側部を覆う液遮断性の側部シートが設けられ、前記前方フラップ部 6, 6、折り返しフラップ部 7, 7および後方フラップ部 8, 8が、前記裏面シート 21と前記側部シートとで構成されて、てもよ、。

[0036] 前記裏面シート 21は、例えば坪量が 23gZm²程度のポリエチレン榭脂フィルムなどのフィルムであり、好ましくは透湿性である。前記液吸収層 22は、粉砕パルプと高吸収性ポリマー（SAP)とが混合され、さらに親水性のティッシュぺーパで包まれているものであり、粉砕パルプの目付けは 400gZm²程度である。

[0037] 前記表面シート 23は、目付けが 25gZm²程度のスルーエア不織布である。このスルーエア不織布を構成する繊維は、芯部がポリエチレンテレフタレート樹脂で、鞘部がポリエチレン榭脂の芯鞘型の複合合成繊維であり、前記芯部に酸ィ匕チタンなどの無機フィラーが混入されて、る。

[0038] 液透過性の前記表面シート 23は、スルーエア不織布に限られず、ポイントボンド不織布、スパンレース不織布あるいはスパンボンド不織布などであってもよいが、液の透過性を良好にするために繊維密度は 0. 12gZcm³以下であることが好ましい。また、前記表面シート 23が、多数の液透過孔を有する榭脂フィルムであってもよい。

[0039] 図 1に示す XIは、膣対向基準線であり、この膣対向基準線 XIは、ナプキン本体 2 の前端 4力も後方へ 100〜200mm、例えば前記前端 4から後方へ約 150mm離れて位置している。

[0040] ここで言う膣対向基準線 XIとは、この生理用ナプキン 1を下着に固着させて股間部に装着するときに、そこに膣口の中心をほぼ一致させるべき目安位置を意味して、る。この目安への誘導は、生理用ナプキンを肌側力見たときの全体形状や、肌側表面上の圧縮線の形状などの全体のデザインによってなされるものである力特にこの実施の形態のように折り返しフラップ部 7, 7が存在しているときには、通常はこの折り返しフラップ 7, 7の縦方向中心位置力そこに膣口の中心を一致させるべき目安と一致する。

[0041] よって、この実施の形態では、折り返しフラップ 7, 7の中心を通る線を前記膣対向基準線 XIとする。

[0042] 図 1に示す X2は、肛門対向基準線であり、前記膣対向基準線 XIを膣口の中心位置に一致させたときに、前記肛門対向基準線 X2が肛門に対向する。この肛門対向基準線 X2は、着用者の身体によって相違するが、通常は前記膣対向基準線 XIから後方へ距離 30〜70mmだけ離れた位置にある。

[0043] 図 1に示す X3は、尾てい骨対向基準線である。前記膣対向基準線 XIを膣口の中心位置に一致させたときに、前記尾てい骨対向基準線 X3が、尾てい骨に対向する。この尾てい骨対向基準線 X3は、着用者の身体によって相違する力通常は前記膣対向基準線 XIから後方へ距離 120〜180mm離れた位置にある。前記ナプキン本体 2の後端 5および前記液吸収層 22の後端部 22bは、前記尾てい骨対向基準線 X3 よりもさらに後方に位置している。

[0044] 女性の股間部では膣の前端 (陰唇前端)力尾て!/、骨にかけて「身体の溝」が延びているが、本明細書では、前記「身体の溝」のうちの、肛門付近を起点としてそこから尾てい骨にかけての部分を「臀裂」と表現する。図 1に示す生理用ナプキン 1では、前記膣対向基準線 XIの前後 50mmの範囲が膣対向部であり、前記肛門対向基準線 X2から前記尾てい骨対向基準線 X3までの範囲が臀裂対向部である。

[0045] 図 11は身体の溝を模式的に記載したものである。身体の溝は、臀部の対向面が離れている非会合部と、臀部の対向面が密着している会合部とを有している。図 11では、非会合部の深さを D1で示し、前記会合部の深さを D2で示している。なお、非会合部の深さ寸法 D1は、立ち姿勢のときは、臀部の対向面の間隔 Waが 40mmの位置を起点として測定し、仰向けに寝た姿勢では前記間隔 Waが 30mmの位置を起点として測定する。

[0046] 図 10は、女性の股間部に生理用ナプキン 1が装着された状態を示す縦断面図である。女性の身体における膣口中心よりも前方 20mmの位置を (i)で示し、膣口中心の位置を (ii)で示している。膣口中心力後方へ 50mm離れた後陰唇交連の位置を (iii)で示している。また、肛門位置を (iv)で示し、肛門よりも後方へ 25mm離れた位置を (V)、肛門よりも後方へ 50mm離れた位置を (vi)、肛門よりも後方へ 80mm離れた位置を (vii)、尾て!/、骨の位置を (viii)で示して!/、る。

[0047] 図 12は、前記位置 (i)〜 (viii)における前記非会合部の深さ寸法 D1の測定値を示している。この数値は、年齢 27歳、体重 56Kg、身長 168cmで、 BMIが 19. 8の日本人女性で測定したものである。

[0048] 図 12に示すように、身体の溝の非会合部の深さ D1は、肛門の位置 (iv)から肛門の後方へ 25mm離れた位置 (V)にかけて最大となり、その最大深さは立姿勢において約 25mmであり、仰向け姿勢において約 20mmである。 [0049] 図 1に示す生理用ナプキン 1は、ナプキン本体 2の後方部分に立体構造部 3が設けられている。この立体構造部 3は、前記身体の溝のうちの、少なくとも肛門の位置 (iv) 力も肛門の後方 50mmの位置 (vi)の範囲において、前記非会合部に密着し、さらに好ましくは前記会合部の内部に入り込むことを目的としている。そのため、前記立体構造部 3は、少なくとも肛門対向基準線 X2を起点としてそれよりも後方へ 50mm延びるものである。

[0050] 図 1に示す生理用ナプキン 1では、立体構造部 3が前方起端 31を有しており、これは前記肛門対向基準線 X2よりも前方で前記膣対向基準線 XIよりもやや後方に位置している。また後方起端 32を有しており、これは前記尾てい骨対向基準線 X3よりもやや前方に位置している。なお、前記前方起端 31は、膣対向基準線 XIよりも前方へ 20mm離れた位置を起点としそれ力肛門対向基準線 X2までの範囲内のいずれかの位置に設けることができる。

[0051] 図 3に示す Hは、前記ナプキン本体 2の肌側表面から立体構造部 3の頂部 3aまでの高さ寸法を表す。図 2に示すように、前記高さ寸法 Hは、前記前方起端 31および前記後方起端 32から中心に向って徐々に大きくなり、ナプキン本体 2の縦方向中心線 Oyに沿って延びる前記頂部 3aは湾曲しナプキン本体 2の肌側表面力離れる。前記頂部 3aは、臀裂の深さが最大となる位置、すなわち前記肛門対向基準線 X2からそれよりも後方 50mmの範囲内で最大高さ寸法 Hmaxをもたらすことが好ましい。この実施の形態では、肛門対向基準線 X2よりも後方へ 50mm離れた位置において前記最大高さ寸法 Hmaxとなって、る。

[0052] 図 3に示すように、立体構造部 3は、左右両側に縦方向に延びる一対の壁面 33, 3 3を有している。前記壁面 33と壁面 33の間の幅寸法は、ナプキン本体 2の肌側表面に近い位置にある裾部力も頂部 3aに向けて徐々に狭くなる。立体構造部 3の裾部の幅寸法 W1は、ナプキン本体 2の肌側表面カゝら hi = 10mm離れた位置で測定された寸法であり、前記裾部の幅寸法 W1は 15〜45mmの範囲が好ましい。前記間隔 Wa は、立ち姿勢で 30〜40mmであり、仰向け姿勢で 20〜30mmである。前記裾部の幅寸法 W1が 15〜45mmの範囲であれば、立体構造部 3が臀裂内に違和感無く入り込めるようになる。 [0053] また、立体構造部 3の頂部の幅寸法 W2は、立体構造部 3の頂部 3aから h2 = 3mm 離れた位置で測定された寸法であり、前記頂部の幅寸法 W2は l〜5mmの範囲が好ましぐさらに好ましくは l〜3mmの範囲である。頂部の幅寸法 W2が前記範囲であると、頂部 3aが身体の溝内の奥部まで入り込むことができ、また頂部の幅寸法 W2 力 Slmm以上であれば、身体の溝の奥に頂部 3aが当たったとしても、身体の溝をあまり刺激しなくなる。

[0054] 前記立体構造部 3の前記壁面 33と壁面 33の開き角度 Θは、 120度以下で好ましくは 90度以下である。さらに好ましくは 60度以下や 45度以下である。なお、前記開き角度 0とは、図 3に示すように立体構造部 3の断面形状が三角形である場合には、壁面 33と壁面 33の外面どうしが成す角度である。また、図 3に示す断面において、壁面 33と壁面 33の外面が左右に膨らむ突曲線形状などであるときには、前記開き角度 Θとは、ナプキン本体 2の肌側表面力も前記頂部 3aまでの高さ寸法の 1Z2の位置において、壁面 33, 33の外面の接線どうしの成す角度である。

[0055] なお、前記角度 Θの測定は、半径が 110mmの円筒内周面を有する測定治具を使用し、生理用ナプキン 1の長手方向を円筒内周面の曲率方向へ向けた状態で、生理用ナプキン 1の着衣側表面を前記円筒内周面に接着させた状態で行う。このとき、ナプキン本体 2の肌側表面力前記立体構造部 3の立ち上がり高さが最も高くなつた位置で前記角度 0を測定する。

[0056] また、立体構造部 3の断面形状は図 3に示す三角形に限られるものではなぐ例えば頂部 3aがフラットであったり、または両壁面 33, 33が左右外側に膨らみ、曲面を有するものであってもよい。

[0057] 図 1と図 3に示すように、前記立体構造部 3の前記両壁面 33, 33の下端には、接合片 34がー体に設けられており、この接合片 34が、ナプキン本体 2の肌側表面にホットメルト型接着剤により接着されて固定されている。この実施の形態では、立体構造部 3が、その全長において前記肌側表面力も離れないように固定されている。ただし、立体構造部 3の前方起端 31付近と後方起端 32付近のみが前記肌側表面に固定されて、その中間部分が肌側表面に対して幅方向へ自由に動けるものであってもよい。このように構成すると、下着と共にナプキン本体 2が左右に動いたときにも、立体構造部 3が臀裂に密着した状態を維持しやすヽ。

[0058] 図 3に示すように、前記立体構造部 3は、補強部材 35と、前記補強部材 35の肌側表面を覆う液透過性シート 36とで構成されている。前記補強部材 35は、剛性を高める機能だけでなく液を吸収保持する機能を有するものである。また前記立体構造部 3 の内部は空洞である。

[0059] 前記補強部材 35にはエアーレイド不織布を用いることができる。このエアーレイド不織布は、パルプ繊維を 30質量⁰ /₀、（芯部がポリプロピレン榭脂で鞘部がポリェチレン榭脂の)芯鞘型複合合成繊維を 70質量％混合し、エアーレイド法で積層し、加熱ローラ間で加圧して、前記ポリエチレン榭脂の加熱時の接着力によって繊維間を接合したものである。

[0060] 前記補強部材 35には、前記エアーレイド不織布が 2枚または 3枚重ねられて目付けが 60〜300gZm²程度とされている。また補強部材 35は、エンボス加工によって加圧下で加熱され圧縮部 37が形成されている。図 1と図 2に示すように、前記圧縮部 37は縦方向に間隔を開け、ナプキン本体 2の肌側表面力も頂部 3aに向けて縦方向に対してほぼ垂直に立ち上がるように互いに並行である。

[0061] 図 3では、前記補強部材 35によって壁面 33, 33が別体に形成され、頂部 3aにお V、てホットメルト型接着剤で互いに接着され、同じ液透過性シート 36で覆われて、る。この液透過性シート 36は熱融着可能な合成樹脂繊維で形成されたスルーエア不織布であり、この液透過性シート 36と前記補強部材 35は、液の透過を妨げない範囲で塗布されたホットメルト型接着剤で互、に接着されて、る。

[0062] 前記液透過性シート 36は、スルーエア不織布に限られず、ポイントボンド不織布、スパンレース不織布あるいはスパンボンド不織布などであってもよ、が、液の透過性を良好にするために繊維密度は 0. 12gZcm³以下であることが好ま、。

[0063] なお、前記補強部材 35は、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレンポリプロピレンの複合合成繊維、ポリエチレンポリエステルの複合合成繊維から選ばれるいずれか 1種以上の繊維で形成されたスルーエア不織布やポイントボンド不織布またはスパンボンド不織布で形成することもできる。例えば、前記不織布を複数枚積層して、目付けを 60〜300gZm²程度に調整し、熱エンボス加工や、ホットメルト接着剤により接合される。このように合成樹脂繊維のみで構成された補強部材 35は、液吸収層 22に向けて経血を透過でき、し力も補強部材 35自体が経血を吸収して保持しにくいものであるため、立体構造部 3に経血が残りにくくなり、立体構造部 3が肌へのベたつきを生じるのを防止でき、臀裂に接触した状態で肌触りが良好になる。

[0064] 図 3に示すように、ナプキン本体 2の着衣側表面では、前記裏面シート 21の外面に感圧接着剤層 25, 25が設けられている。この感圧接着剤層 25, 25は帯状で縦方向に連続して延びている。この感圧接着剤層 25, 25は、前記立体構造部 3の前記接合片 34の真下に設けられていることが好ましい。この構成であれば、接合片 34の真下部分でナプキン本体 2が下着にしっかり固定され、立体構造部 3が臀裂に密着した状態を維持しやすくなる。

[0065] また、図示省略するが、前記折り返しフラップ部 7, 7および前記後方フラップ部 8, 8も、前記裏面シート 21の着衣側表面に感圧接着剤層を有する。

[0066] 前記生理用ナプキン 1を使用するときには、ナプキン本体 2の着衣側表面に設けられた感圧接着剤層 25, 25を下着の内面に接着する。また、折り返しフラップ部 7, 7 を下着のクロッチ部の両側縁部から下着の外面に向けて折り返し、折り返しフラップ部 7, 7の着衣側表面に設けられた感圧接着剤層をクロッチ部の外面に接着する。また後方フラップ部 8, 8の着衣側表面に設けられた感圧接着剤層を下着の後身頃の下部内面に接着する。

[0067] 使用者により前記生理用ナプキン 1が下着に接着される際には、折り返しフラップ部 7, 7の中心位置 (前記膣対向基準線 XI)を位置決めの目安とし、前記中心位置がほぼ膣口の前後方向での中心部に一致するようにして着用される。

[0068] 図 10は、前記生理用ナプキン 1が女性の股間部に装着された状態を示し、図 11は、図 10の XI— XI線での断面図であり、前記立体構造部 3が臀裂の内部に入り込んでいる状態を示している。

[0069] 前記立体構造部 3は、身体の溝のうちの少なくとも臀裂に対向する位置に設けられている。図 3に示すように、立体構造部 3は、両壁面 33と 33との間の幅寸法が頂部 3 aに向うにしたがって徐々に小さくなる形状であり、頂部の幅寸法 W2が l〜5mmの範囲であり、好ましくは l〜3mmの範囲である。また壁面 33と 33との開き角度 Θが 1 20度以下で好ましくは 90度以下であり、さらに好ましくは 60度以下や 45度以下である。

[0070] よって、前記立体構造部 3が、膣口の中心よりもやや後方力尾てい骨のやや前方にかけて、身体の溝の内部に入り込みやすくなり、図 11に示すように、立体構造部 3 は身体の溝の非会合部に密着できるようになる。さらには、前記立体構造部 3が臀裂の会合部内に入り込むことも可能である。立体構造部 3では、エアーレイド不織布などで形成され目付けが 60〜300gZm²の範囲の補強部材 35は、それ自体が弾性と剛性を有しており、さらに縦方向に対してほぼ垂直に延びる圧縮部 37が形成されている。そのため補強部材 35は、臀裂内に入り込んだ状態で容易に潰れることがない。また補強部材 35は頂部 3aに作用する加圧力によって弾性変形可能であるため、身体の溝の深さの変化に追従でき、身体の前後において身体の溝に密着した状態を維持できる。さらに、立体構造部 3は内部が空洞であるため、身体の溝で臀部の対向面どうしが接近したときにも、幅寸法が自由に変化できる。

[0071] 前記立体構造部 3は、補強部材の剛性によって立体状態を保つものであり、着用者の身体に押し付けられるよう縦方向に延びる弾性部材を有する構造ではな、ため、立体構造部 3の頂部 3aが、身体の溝の奥に当たり続けても、局部的な圧迫感や違和感を生じることが少な、。

[0072] 例えば着用者が立ち姿勢のとき、膣口から出た経血は、ナプキン本体 2の表面シート 23を透過して液吸収層 22に吸収されて保持される。しかし、就寝時などにおいて臀裂に沿って後方へ移行しょうとする経血は、身体の溝に密着している立体構造部 3 に与えられ、液透過性シート 36を透過して液吸収機能を有する補強部材 35に吸収される。前記補強部材 35が、合成樹脂繊維を 70質量％含むエアーレイド不織布であると、この補強部材 35に与えられた経血は液吸収層 22に与えられやすくなる。よつて、前記補強部材 35は合成樹脂繊維を 50質量％以上含むことが好ましい。前記のように補強部材 35を合成樹脂繊維のみで形成すると、立体構造部 3に経血が残り〖こくくなる。

[0073] 図 4は本発明の第 2の実施の形態の生理用ナプキン 101を示す斜視図であり、図 5 は図 4の生理用ナプキン 101を V— V線で切断した横断面図、図 6は図 4の生理用ナプキン 101を VI— VI線で切断した横断面図である。

[0074] 図 4に示すナプキン本体 2は、図 1ないし図 3に示した第 1の実施の形態のナプキン本体と同じものである。

[0075] 第 2の実施の形態では、前記ナプキン本体 2の肌側表面に、縦方向中心線 Oyに沿つて延びる表面構成要素 102が取付けられている。図 5と図 6に示すように、前記表面構成要素 102は、液を吸収可能であり且つ液透過性の補強部材 135とこの補強部材 135の肌側表面を覆う液透過性シート 136とから構成されている。補強部材 13 5は、パルプと合成樹脂繊維とを含み、合成樹脂繊維含有量が 50質量％以上で例えば 70質量⁰ /₀であるエアーレイド不織布で形成されて、る。前記エアーレイド不織布が 1枚で使用され、または複数枚が重ねられて全体が 60〜300g/m²程度の目付けとされている。あるいは補強部材 135は、前記のように合成樹脂繊維のみで形成された不織布を複数枚接合して構成されて！ヽる。

[0076] 前記液透過性シート 136は、前記液透過性シート 36と同じスルーエア不織布で構成されている。そして、補強部材 135と液透過性シート 136は、液の透過を妨げない程度に塗布されたホットメルト型接着剤によって互、に接着されて！、る。

[0077] 図 4に示すように、前方起端 131と後方起端 132との間で、前記表面構成要素 102 によって立体構造部 103が形成されている。図 6に示すように、立体構造部 103は内部が空洞であり、壁面 133, 133の間の幅寸法が、頂部 103aからナプキン本体 2に向けて徐々に広くなり、ナプキン本体 2の肌側表面から上方へ 10mmまたはそれ以上離れた位置に、幅寸法が最大となる突出頂部 103b, 103bが形成されている。そして、この左右の突出頂部 103b, 103b力もナプキン本体 2の肌側表面に向けて前記幅寸法が徐々に狭くなつている。さらに立体構造部 103はその基部において左右両側へ延び、立体構造部 103の全長にわたって接合片 134, 134を形成し、この接合片 134, 134がナプキン本体 2の肌側表面にホットメルト型接着剤によって接着固定されている。

[0078] 前記立体構造部 103では、前記補強部材 135に圧縮部 137が形成されている。この圧縮部 137は、前記両壁面 133, 133において、ナプキン本体 2の肌側表面から頂部 103aに向けて縦方向に対してほぼ垂直に延びて形成されている。前記圧縮部 137は、縦方向に間隔を開けて互いに並行に延びている。

[0079] 立体構造部 103では、前方起端 131は、膣対向基準線 XIよりも前方へ 10〜20m m離れた位置に存在し、後方起端 132は、尾てい骨対向基準線 X3よりもやや前方に位置している。よって、立体構造部 103は、膣口の後方部分から臀裂にかけて着用者の身体に密着することができる。

[0080] 図 4と図 5に示すように、前記前方起端 131よりも前方においては、前記表面構成要素 102が平坦な状態に折り畳まれ、ほぼ全体がナプキン本体 2の肌側表面に固定されて前方扁平部 104が形成されている。また図 4に示すように、後方起端 132よりも後方にぉ、ても、同様にして後方扁平部 105が形成されて、る。

[0081] 第 2の実施の形態の生理用ナプキン 101では、立体構造部 103の壁面 133, 133 に突出頂部 103b, 103bが形成され、その上方において立体構造部 103の幅寸法が頂部 103aに向けて徐々に狭くなつている。そのため、生理用ナプキン 101を股間部に装着したときに、前記突出頂部 103b, 103bよりも上方部分が身体の溝に密着するようになる。また前記突出頂部 103b, 103bによって、頂部 103aに掛力つた圧力によって立体構造部 103がナプキン本体 2の肌側表面に向けて変形しやすくなる。そのため、就寝時に身体の溝の深さが変化したときに、立体構造部 103が身体の溝に密着したまま自由に変形できるようになる。

[0082] 前記立体構造部 103は、前方起端 131近傍が陰唇に密着するため、膣口から出た経血を直ちに立体構造部 103で捕捉できるようになる。また膣口の前方部分には前方扁平部 104が密着するため、この部分での膣口への密着度が高くなり、経血が補強部材 135で捕捉され、経血の横漏れを防止しやすくなる。

[0083] 図 7は本発明の第 3の実施の形態の生理用ナプキン 201を示す平面図、図 8は図 7 の生理用ナプキン 201を VIII— VIII線で切断した断面図である。

[0084] 第 3の実施の形態のナプキン本体 2は、第 1の実施の形態のナプキン本体と同じ構造である。また第 3の実施の形態の表面構成要素 202は第 2の実施の形態の表面構成要素 102と同様に、補強部材 135と液透過性シート 136とで構成されている。図 7 に示すように、前記表面構成要素 202によって、立体構造部 203と、その前方に位置する前方扁平部 204および後方に位置する後方扁平部 205とが形成されている。前方扁平部 204と後方扁平部 205は、図 5に示した前方扁平部 104と同様に前記表面構成要素 202が折り畳まれて形成されてヽる。

[0085] 図 8に示すように、第 3の実施の形態の生理用ナプキン 201では、立体構造部 203 がその基部に接合片 234, 234を有し、これらがナプキン本体 2の肌側表面に接着されており、立体構造部 203の頂部 203aから下方へ離れた位置で壁部 233と壁部 23 3の内面どうしが互!、に接着されて、る。

[0086] よって、図 7に示すように、立体構造部 203は、膣対向基準線 XI付近から後方へ向うにしたがって幅寸法が狭くなり、肛門位置（iv)力もその後方 50mmの位置 (vi)の範囲に対向する部分で幅寸法が最も狭くなつている。そしてナプキン後方へ向うにしたがって幅寸法が徐々に広くなる。この立体構造部 203は、臀裂に対向する部分で幅寸法が小さくなつているため、この幅寸法の小さい部分が臀裂の最深部の会合部内に入り込みやすくなる。

[0087] 図 9 (A) (B) (C)は、ナプキン本体の肌側表面に設けられる立体構造部の変形例を示す断面図である。

[0088] 図 9 (A)は、液吸収機能を有するエアーレイド不織布、ノルプのみで形成されたェアーレイド不織布（エアーレイドパルプ）、紙、レーヨン繊維で形成されたスパンレース不織布などの液吸収層 335の内面に、補強部材 334が接着されている立体構造部 3 03を示している。この補強部材 334は、紙、ウレタンフォームシート、ポリエチレンフォームシートなどである。そして、前記液吸収層 335の外面が液透過性シート 336で覆われている。

[0089] 図 9 (B)は、中心部に紙やポリウレタンフォームなどのように軟質で頂部 403aに掛力つた荷重によって容易に座屈できる補強部材 434が設けられ、補強部材 434の左右両側にスルーエア不織布などで形成された軟質なクッション層 435が設けられ、さらにその外面が液透過性シート 436で覆われている立体構造部 403を示している。

[0090] 図 9 (C)は、第 1の実施の形態と同じ補強部材 35が前記表面シート 23によって覆われて!/、る立体構造部 503を示して!/、る。

[0091] 次に、前記立体構造部 3の好ま、高さ寸法 Hおよび立体構造部 3の好ま、剛性について説明する。

[0092] 図 11に示すように、身体の溝は臀部の対向面が離れている深さ D1の非会合部と、臀部の対向面が接触している深さ D2の会合部とに区分される。前述した女性被検者を閉脚させ、立った姿勢で測定した前記非会合部の深さ D1は図 12に示した通りであり、ほぼ 10〜25mmの間であった。さらに、閉脚させた状態で立った姿勢での前記会合部の深さ D2は、 10〜20mmの範囲であった。よって立った姿勢での身体の溝の深さの合計（D1 + D2)は 20〜45mmである。

[0093] また、被検者が閉脚で仰向けの姿勢となったときの前記非会合部の深さ D1は、図 12に示したようにほぼ 5〜20mmであった。このときの会合部の深さ D2はおよそ 10 〜15mmであり、仰向けの姿勢での前記溝の深さの合計（D1 + D2)は 15〜35mm であった。

[0094] 前記立体構造部 3は、ナプキン本体の肌側表面から 10mm程度離れた位置よりも上方部分が身体の溝に接触する。したがって、図 2に示す立体構造部 3の最大高さ寸法 Hmaxは、最大で 60mmであることが好ましぐ最低でも 25mm以上であることが好ましい。

[0095] また、前記被検者の身体の溝の最深部に入り込む際の抵抗値を測定した。

この測定には、長さ 40mmで高さ 30mmの硬質プラスチックの表面をスルーエア不織布で覆った測定子を使用した。使用した測定子は、厚さが 1. 03mm, 5. 15mm, 10. 3mm、 15. 45mmの 4種類であった。被検者を閉脚で立った姿勢とし、前記測定子を図 10および図 12に示す (iii)の位置から (vi)の位置の中間にお!/ヽて、身体の溝内に挿入し、測定子の先端が会合部の奥まで到達するのに必要な荷重を測定した。その結果は以下の通りである。

[0096] (厚み寸法） 1. 03mm 5. 15mm 10. 3mm 15. 45mm

(挿入荷重） 0. 65N 4. 36N 8. 21N 12. 8N

(換算値） 0. 158N 0. 212N 0. 199N 0. 207N

[0097] 前記換算値は、身体の溝の奥に到達するのに要する荷重を、測定子の幅寸法 lm mで長さ寸法 10mmの単位面積当たりの荷重に換算したものである。前記測定によると、立った姿勢において、身体の溝の最深部に到達する際に、着用者の身体から受ける抵抗力は、幅 lmmで長さ 10mmの単位面積当たりほぼ 0. 2Nであることが解る。

[0098] 図 12によれば、膣口位置（ii)から肛門後ろ 80mmの位置 (vii)の範囲において、就寝時の非会合部の深さ寸法 D1は最小で 15mm程度になり得る。また、前述のように立ち姿勢において、身体の溝の深さ寸法 (D1 + D2)の合計の最大値は 45mm程度である。よって、立ち姿勢において身体の溝の最深部に到達した状態で、その後に仰向けに寝て立体構造部 3が肌によって押し返されたときに、前記立体構造部 3の頂部 3aは、その最大高さ寸法 Hmax力 { (45- 15) /45} X 100 = 66%の率で減少することが有り得る。

[0099] そこで、図 2に示す立体構造部 3が最大高さ寸法 Hmaxとなる頂部 3aに対して、幅 lmmで長さ 10mmの単位面積当たり 0. 2Nの圧力を与えたときに、その高さの減少率が 66%以下であれば、着用者が立ち姿勢力も仰向けに寝た姿勢に姿勢を変えたときでも、立体構造部 3は、身体の溝のほとんどの部分で少なくとも非会合部に密着した状態を維持できることになる。

[0100] また、前記測定子を前記被検者の身体の溝に挿入したときに、閉脚で且つ仰向け姿勢のときに被検者が違和感を生じない最大荷重を測定し、前記と同様にその荷重を 1 mm幅で長さ 1 Ommの単位面積当たりの荷重に換算した。

[0101] (厚み寸法） 1. 03mm 5. 15mm 10. 3mm 15. 45mm

(最大荷重） 1. 213N 9. 57N 12. 39N 16. 26N

(換算値） 0. 303N 0. 464N 0. 300N 0. 263N

[0102] 前記測定値によれば、立体構造部 3から着用者の身体に与えられる力が lmm幅で長さ 10mmの単位面積あたり 0. 3Nであれば、被検者が違和感を生じないことが解る。

[0103] 図 12によると、着用者が立ち姿勢力仰向けに寝た姿勢に姿勢を変えたときに、身体の溝の深さは、ほぼ { (25— 20) Z25} X 100 = 20%減少することが解る。

[0104] よって、立体構造部 3が最大高さ寸法 Hmaxとなる頂部に、幅 lmmで長さ 10mm の単位面積当たり 0. 3Nの力を与えたときに、前記頂部の前記高さ寸法の減少率が 20%以上であれば、就寝時に身体の溝の深さが変化しても、立体構造部 3が着用者に違和感を与えることがなぐ立体構造部 3が身体の溝に密着し続ける。

[0105] なお、前記補強部材として前方起端 31と後方起端 32との間にゴム糸などの少なくとも 1本の弾性部材を張設し、弾性収縮力を発揮して前記前方起端 31と前記後方起端 32を互いに接近させてもょ、。この弾性部材の弹性収縮力によってナプキン本体 2が湾曲変形し、ナプキン本体 2の肌側表面に設けられた液透過性シートが前記肌側表面力離れるように持上げられて立体構造部 3が形成される。この構造では、前記弾性部材が存在する部分が立体構造部 3の頂部 3aとなり、前記液透過性シートによって両壁面 33, 33が形成される。

[0106] ここまで本発明の実施の形態について例示及び説明を行った力本発明の精神及び範囲から逸脱することなく前述及びその他の種々の変更、省略、追カ卩を成し得ることは当業者には自明のことである。よって本発明は、ここに記載の特定の実施例に限定して理解されるべきものではなぐ添付のクレームに記載の特徴に関し、それの取り巻く範囲内及び均等な範囲内において具体化され得る全ての可能な実施の形態を包含するものである。

図面の簡単な説明

[0107] [図 1]本発明の第 1の実施の形態の生理用ナプキンを示す斜視図、

[図 2]前記生理用ナプキンの縦断面図、

[図 3]図 1に示す生理用ナプキンを ΠΙ— III線で切断した断面図、

[図 4]本発明の第 2の実施の形態の生理用ナプキンを示す斜視図、

[図 5]図 4に示す生理用ナプキンを V— V線で切断した横断面図、

[図 6]図 4に示す生理用ナプキンを VI— VI線で切断した横断面図、

[図 7]本発明の第 3の実施の形態の生理用ナプキンを示す平面図、

[図 8]図 7に示す生理用ナプキンを VIII— VIII線で切断した横断面図、

[091 (A) (B) (C)は立体構造部を実施の形態別に示す横断面図、

[図 10]本発明の生理用ナプキンが女性の股間部に装着された状態を示す縦断面図

[図 11]図 10の XI— XI線の断面図、

[図 12]女性の身体の溝の深さを測定した線図。

Claims

請求の範囲

[1] 液を吸収保持する液吸収層（22)を有し、膣対向部と膣対向部の後方に延びる臀裂対向部とが形成されたナプキン本体 (2)を有する縦長形状の生理用ナプキンにおいて、

前記臀裂対向部には、前記ナプキン本体 (2)の肌側表面力も隆起する立体構造部（3)が設けられ、前記肌側表面から離れる位置に頂部（3a)を有し、

前記立体構造部（3)は、外に現れて 1ヽる液透過性シート (36)とこの液透過性シート（36)の下に位置する補強部材（35)とを有しており、

前記立体構造部（3)の前記頂部（3a)にナプキン本体（2)に向けた加圧力が作用したときに、前記補強部材 (35)が弾性変形して前記立体構造部 (3)の高さ寸法を減少させることが可能であることを特徴とする生理用ナプキン。

[2] 前記立体構造部（3)は、ナプキン本体 (2)の肌側表面からの立ち上がり起端となる前方起端と後方起端 (31、 32)とを有し、前記肌側表面からの立ち上がり高さ寸法が、前記前方起端と前記後方起端 (31、 32)との中間で最大になり、前記立ち上がり高さ寸法が最大となる箇所が、ナプキン本体 (2)の肛門対向部に位置しまたはそれよりも後方に位置している請求項 1記載の生理用ナプキン。

[3] 前記立体構造部（3)の高さ寸法が最大の部分で、前記立体構造部（3)の頂部（3a )をナプキン本体（2)の肌側表面に対して垂直に加圧し、前記加圧力が前記頂部（3 a)の幅 lmmで且つ長さ 10mmの単位面積当たり 0. 2Nとなったときに、前記頂部（3 a)の前記高さ寸法の減少率が 66%以下である請求項 1記載の生理用ナプキン。

[4] 前記立体構造部（3)の高さ寸法が最大の部分で、前記立体構造部（3)の頂部（3a )をナプキン本体（2)の肌側表面に対して垂直に加圧し、前記加圧力が前記頂部（3 a)の幅 lmmで且つ長さ 10mmの単位面積当たり 0. 3Nとなったときに、前記頂部（3 a)の前記高さ寸法の減少率が 20%以上である請求項 1記載の生理用ナプキン。

[5] 前記補強部材 (35)は、液吸収機能を有する繊維層であり、前記繊維層が、前記立体構造部（3)の内側で液透過性シート（36)〖こ密着して設けられている請求項 1記載の生理用ナプキン。

[6] 前記立体構造部（3)の内部が空洞である請求項 5記載の生理用ナプキン。

[7] 前記補強部材 (35)となる前記繊維層に、圧縮部（37)が形成されて!ヽる請求項 5 記載の生理用ナプキン。

[8] 前記圧縮部（37)は、前記ナプキン本体（2)の肌側表面力離れる方向に線状に延びる請求項 7記載の生理用ナプキン。

[9] 前記立体構造部（3)は、幅寸法が前方と後方よりも中間で狭い請求項 1記載の生理用ナプキン。

[10] 前記立体構造部（3)は、前記肌側表面に近!、位置である裾部から前記頂部（3a) に向けて幅寸法が徐々に小さくなる形状である請求項 1記載の生理用ナプキン。

[11] 前記立体構造部（3)は、前記裾部の幅寸法が 15〜45mmであり、頂部の幅寸法力^〜 5mmである請求項 10記載の生理用ナプキン。