WO2005111439A1

WO2005111439A1 - ボルトあるいはナットの緩み止め金具

Info

Publication number: WO2005111439A1
Application number: PCT/JP2005/008696
Authority: WO
Inventors: Masayuki Yamada
Original assignee: Kabushiki Kaisha Sanyu Sekkei
Priority date: 2004-05-13
Filing date: 2005-05-12
Publication date: 2005-11-24
Also published as: JP2007255429A

Abstract

　標準のボルトあるいはナットに有効な緩み止め金具（１）であり、この緩み止め金具（１）に弾性支持された爪（２）を具備し、締結状態においてボルトあるいはナットが緩む動きを阻止する方向に爪（２）を傾けて、爪先をボルトあるいはナットあるいは被締結物に弾性的に突き当てる。

Description

明細書

ボルトあるいはナットの緩み止め金具

技術分野

[0001] 本発明は、締結されたボルトあるいはナットの緩みを防止する金具に関するものである。

背景技術

[0002] ボルトあるいはナットによる締結では、締結時の軸力が大きくなれば、ネジ部の摩擦力がそれに連れて大きくなり、容易にはネジはゆるまない。しかし、実際にはネジの強度上の問題から、あまり大きな軸力を発生させることは不可能であった。このため、ボルトあるいはナットはどうしてもゆるむことが多かった。

標準のボルトあるいはナットの緩み止めに使用されて、るパネ座金は、締結時その反発力により軸力を多少増強させるものであるが、元々のネジ部の軸力の大きさに比較すればその増加量はわずかなものである。しかし多少の緩み止めの効果があるために一般的にパネ座金が用いられることが多力た。

ところが、激しい振動が加わると、軸力が変動したり、ネジ部に摩擦力以上の力が働き、パネ座金では防止できず、ネジは徐々〖こ滑り、ゆるんでしまう問題点があった。またボルトが熱膨張すると、軸力が低下するので、パネ座金が使用されていても容易にボルト、ナットはゆるんでしまう問題点があった。

[0003] ただし、最近、ナットに板パネを組み込んだもの、変形ナットを二重に使用するもの等、特殊ナットが緩み止めに使用されることが多くなつてきた。

しかし、標準のボルトやナットを使用して、緩みを防止できる有効な手段は現れていない。

[0004] 特許文献 1 :特許第 84142号公報

特許文献 2：実公昭 37— 28125号公報

特許文献 3：特公昭 40 - 14446号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題 [0005] 解決しょうとする問題点は、標準のボルトあるいはナットに使用できる、緩み止めに効果のある金具がな、点である。

課題を解決するための手段

[0006] 本発明は、金具の一部にボルトあるいはナットの緩みを止める爪を組み込んだことを最も主要な特徴とする。

この爪は、ボルトある、はナットを締める方向へ回す時は障害とならな、ように逃げ、ボルトあるいはナットがゆるむ方向にまわる時は突っ張るようにしてその回転を防げるようになっている。

発明の効果

[0007] 本発明の緩み止め金具は、パネ座金のようにネジ部の摩擦力に頼ることなぐ爪の突っ張り作用によって、強固にボルトあるいはナットの緩みを防止できる利点がある。図面の簡単な説明

[0008] [図 1]ボルトの緩み止め金具の実施例 1の縦断面図である。

[図 2]実施例 1の金具の平面図である。

[図 3]実施例 1の金具の部分断面図である。

[図 4]ボルトの緩み止め金具の実施例 2の縦断面図である。

[図 5]実施例 2の金具の部分詳細図である。

[図 6]実施例 2の金具の分解図である。

[図 7]ボルトの緩み止め金具の実施例 3の縦断面図である。

[図 8]図 7の平面図である。

[図 9]実施例 3の部分詳細図である。

[図 10]ボルトの緩み止め金具の実施例 4の平面図である。

[図 11]実施例 4の金具の斜視図である。

[図 12]ボルトの緩み止め金具の実施例 5の縦断面図である。

[図 13]実施例 5の金具の展開図である。

[図 14]ボルトの緩み止め金具の実施例 6の縦断面図である。

[図 15]実施例 6の金具の平面図である。

[図 16]実施例 6の金具の分解図である。 [図 17]ボルトの緩み止め金具の実施例 7の縦断面図である。

[図 18]実施例 7の金具の平面図である。

[図 19]実施例 7の金具の分解図である。

発明を実施するための最良の形態

[0009] 弹性的に保持された爪を金具に具備することにより、標準のボルトあるいはナットに使用し得る、緩み止めの金具を実現した。

実施例 1

[0010] 図 1は、本発明の実施例 1の縦断面図である。この図 1では、被締結物 5が本体 6に、緩み止め金具 1を使用してボルト 4で締結されている。ボルト 4の頭部に記した矢印は、締結時のボルト座面 4aの動く方向であり、右ネジの場合を示している。本実施例の爪 2は、ボルト 4の長手軸方向に作用する。

図 2は、図 1で示した緩み止め金具 1の平面図である。緩み止め金具 1は金属板で形成してあり、中心にボルト穴 lbを穿設し、このボルト穴 lbの周囲に、複数の切欠 la が設けられ、ここに複数の爪 2がゴムなどの弾性体 3に支えられて取付けられている。

[0011] 図 3は、図 2の A— A断面であり、締結前の状態を示す。

爪 2の両先端は、緩み止め金具 1の座面より突出する長さであり、この爪 2は、緩み止め金具 1の座面にほぼ垂直方向に取付け、この爪 2の両側は弾性体 3にて支えられている。あるいは、爪 2は、当初よりボルト 4の締結方向、すなわち図 1で示すように爪 2の上縁が左へ、爪 2の下縁が右へ、少し傾斜して取り付けてもよい。

即ち、締結後において、図 1で示すように、爪 2の両先端力ボルト座面 4aおよび被締結物 5の締結面 5aに、斜めに突き当たるようになっていれば、締結前の爪の先端の座面よりの突出は何れか一方だけでもよい。

切欠 laは、ボルト或はナットの締結時、締結完了時あるいは緩める時に、爪 2の動きが阻害されな、大きさに形成されて、る。

[0012] ここで、図 1を使用して爪 2の動きを説明する。ボルト 4を締め込んで行くと、先ず、緩み止め金具 1の座面より突出している爪 2の先端力座面 4a、被締結物の締結面 5 aのいずれ力あるいは双方に抵触する。更に、ボルト 4を締め込んでいくと、ボルト座面 4aあるいは被締結物の締結面 5aのと接触して、る爪 2の先端は、前記ボルト 4の回転に伴う接触力によると同時に、ボルト 4は長手軸方向に移動するために、爪 2はボルト座面 4aに押されて、切欠 la内に押し込まれて、図 1に示すように傾斜して、締結が完了する。

尚、締結完了時には、爪 2の両先端が、ボルト座面 4a及び被締結物の締結面 5aに、必ず抵触されるように構成してあるので、弾性体 3の復元力により、爪 2の両先端は、絶えず、ボルト座面 4a及び被締結物の締結面 5aに押し付けられている。

爪 2は、締結前には、切欠 la内で、緩み止め金具 1の座面に対し垂直方向あるいは締結方向に傾いて取り付けてある。そして、切欠 laの大きさは、ボルト 4の締結時における爪 2が傾斜しても支障のない大きさに形成してあるので、ボルトの締結は、ボルト座面 4aの動きに逆らうことなく締結できる。

[0013] 次に、ボルト 4が緩む場合、即ち、図 1に示す矢印と逆の方向へボルト 4が動こうとする場合、爪 2の先端部は、ボルト座面 4a及び被締結物の締結面 5aに弾性体 3によつて押し付けられていて、爪 2がボルトの緩む動きを止める方向に傾斜している。更に、爪 2は相手面に直角に近い角度で当たっているので、爪 2の先端部の摩擦力は極めて大きくなり、爪 2の先端が両面に対して食い込む作用を起こし、接触部の滑りが阻止される。

この結果、ボルト座面 4aと被締結物の締結面 5aとの間で、爪 2は突っ張り、ボルトの回転、即ち、緩みが止められる。

又、振動或は熱膨張によるボルトの微小な伸縮にも、爪 2は弾性支持されているため、爪 2は振動等に追随して動き、爪 2の緩み止め機能が発揮される。

[0014] この場合、爪 2の傾斜角度 aは小さヽ方が、ボルト座面 4a及び被締結物の締結面 5aの法線方向への弾性体 3による爪 2の押し付け力の分力が大きくなる。即ち、爪 2の先端部は、相手面との摩擦力が大きくなり、両者間での滑りが生じ難くなる。尚、傾斜角度 aは締結完了状態で、爪 2とボルト座面 4aあるは被締結物の締結面 5aの法線とのなす角度を言う。

又、爪 2の先端部の形状は、傾斜して、相手に接触したとき、摩擦抵抗が大きくなる形状であれば良ぐ丸形、角形等であってもよい。

以上のことから、この緩み止め金具 1の緩み止め能力は、爪 2の傾斜角度 α、弾性体 3の復元力、爪 2自身の弾性、爪 2の形状、爪 2の数、爪 2の先端部の摩擦係数等に関係している。実際には、生産性及び作業性等を考慮して、これらの仕様が決定される。

[0015] この緩み止め金具 1による緩み止め能力は、ボルト 4が通常の締め付けトルクにて締結されていれば発揮され、過大な締め付けトルクで締結する必要はない。従って、ボルトの破断も回避できる。なお、ここではボルトに対して、その効果を説明したが、ナットに対しても同様の効果が得られることは、うまでもな、。

実施例 2

[0016] 図 4は、実施例 2の緩み止め金具 7を使用して、ボルト 4により被締結物 5を本体 6に締結した縦断面図である。緩み止め金具 7は、図 6に示すように、座金 8と座金 9及び

、座金 8と座金 9の間に挟着する爪付座金 10より構成する。

本実施例も、実施例 1と同様、ボルトの長手軸方向に、爪付座金 10に形成の上爪 1

Oaと下爪 10bが作用するようにしたものである。尚、ボルト 4の矢印は右ネジの場合に

、締結時のボルト座面 4aの動く方向を示す。

[0017] 図 5は、図 4の緩み止め金具 7の部分詳細図である。実施例 1と大きく異なっている点は、爪付座金 10そのものが弾性体であることである。

爪付座金 10に形成された上爪 10a及び下爪 10bは締結前の状態では、図 5の 2点鎖線に示すように、各々の爪 10の先端は、座金 8及び座金 9の座面より突出するように形成されている。また、各爪は、それぞれの座金の面に対し垂直方向或は矢印の方向、即ち、締結方向へ当初より少し傾けてある。

[0018] 薄板金属の座金 8及び座金 9には、交互に形成の上爪 10a及び下爪 10bを揷通可能な位置に、切欠 8a及び切欠 9aが設けられている。そして、切欠 8a及び切欠 9aは、上爪 10a及び下爪 10bの自由な動きを可能にする空間を確保している。

又、上爪 10a及び下爪 10bの先端は、鋭い角度を有した形状とし、熱処理により硬度を上げてある。これにより、ボルト座面 4aおよび被締結物の締結面 5aへの引っ掛力りがよくなり、上爪 10a、下爪 10bの先端部が滑り難くなつている。

[0019] 図 5において、左向きの上側の矢印は、締結時、ボルト座面 4aの動く方向を示す。

このボルト座面 4aの動きにより、上爪 10aは切欠 8a内に傾斜して押し込まれる。また、ボルト座面 4aが左方向に動くことにより、緩み止め金具 7は、全体に、同一方向に回るので、被締結物の締結面 5aに接触している下爪 10bは、下側に示した右方向の矢印の方向に傾いて、切欠 9a内へ傾斜して押し込まれ、締結は完了する。

このように締結完了時には、上下の爪は自身の復元力により、それぞれの相手面に、突き当たっており、し力もボルトが緩む動きを阻止する方向に傾いているために、実施例 1と同様、ボルトの緩みは止められる。ボルトの長手軸方向の伸縮にも対応できることは実施例 1と同様である。

この場合も実施例 1と同様、爪の傾斜角度 ISおよび γ、爪の復元力に関係する材質や熱処理、爪の数および形状等が緩み止めの能力に関係しており、必要とされる緩み止め能力に見合った仕様が選定される。

尚、締結完了時において、上爪 10aとボルト座面 4aの法線とのなす角度を |8とし、下爪 10bと被締結物の締結面 5aの法線とのなす角度を γとする。また、この実施例 2 も、ナットに対しても有効な緩み止め金具であることは云うまでもない。

[0020] 図 6は、実施例 2の緩み止め金具 7の分解図である。薄板金属の爪付座金 10には、上側に折れ曲がった上爪 10aと下側に折れ曲がった下爪 10bを複数備えている。 1 Ocはボルト穴である。

爪付座金 10を上下力も挟着する座金 8および座金 9には、上爪 10aおよび下爪 10 bが挿入でき、自由に動き得る大きさの切欠 8aおよび 9aが設けられている。又、中央にはボルト穴 8bおよび 9bが設けられている。この 3枚の座金は相互の位置がずれな V、ように、溶接ある、は接着されて 1つの緩み止め金具 7となって、る。

この緩み止め金具 7を構成する座金 8、座金 9は同じ形状であり、座金 8と座金 9及び爪付座金 10は、共にプレスカ卩ェにて、容易に製作可能である。又、すべて金属にて製作可能なため、使用環境面での制約が少ない利点がある。

実施例 3

[0021] 図 7は、実施例 3の縦断面図である。実施例 1および 2では、緩み止め爪はボルトの長手軸方向に作用するものであつたが、実施例 3ではボルトの半径方向に作用するようにしたものである。例えば、頭部が円筒形状の六角穴付ボルトを被締結物に設けられた座ぐり穴に締結する場合に応用できる。図 7では、ボルト頭部 14aの外周面と被締結物 15に設けられたボルト用座ぐり穴 15 aの内周面との間に、緩み止め金具 11が設けられている。緩み止め金具 11は爪 12 と弾性体 13とで構成されている。

[0022] 図 8は図 7の平面図である。爪 12の両先端部が、ボルト頭部 14aの外周面と被締結物座ぐり穴 15a内周面とに突き当たるよう、爪 12の長さが設定されている。複数の爪 1 2はゴム等の弾性体 13にて支えられており、両者で一体化した緩み止め金具 11を構成している。

ボルト 14に示した矢印（図 8)は、一般的な右ネジの場合の締結方向を表していて、締結完了状態で、爪 12はボルト 14の締結方向に傾ヽて、る。

[0023] 図 9は、緩み止め金具 11の部分詳細図である。この例では、緩み止め金具 11は、予め被締結物の座ぐり穴 15aに取付けておき、ボルト 14を挿入して締結する。従って座ぐり穴 15aに取付ける前の自由な状態では、爪 12の先端で形成される外接円径は、座ぐり穴 15aの内径よりもや、大きくして締め代を少し持たせてある。これにより、緩み止め金具 11を座ぐり穴 15aに圧入できる。緩み止め金具 11を座ぐり穴 15aに取り付けた状態では、爪 12は、図 9の 2点鎖線のごとくボルト 14のほぼ中心を向くようにする。あるいは、当初より締結方向に少し傾斜させておいてもよい。

更に、爪 12の中心側の先端で形成される内接円径は、ボルト頭部 14aの外径よりも小さくしてある。ここへボルト 14がネジ込まれると、矢印の方向へボルト頭部が回転するため、爪 12は実線のように傾斜して締結が完了する。この状態では弾性体 13の復元力により、爪 12の両先端はボルト頭部 14a外周面と被締結物の座ぐり穴 15a内周面とに弹性的に突き当たる。この時の爪 12とボルト頭部 14a外周面あるいは座ぐり穴 15a内周面の法線とのなす角度を δとする。

[0024] 以上のように、ボルト 14の締結時には、爪 12は締結方向に傾斜するため、ボルト 4 の締結には何ら支障にならないが、ボルト 14が緩もうとする場合、すなわち矢印と逆の方向へ回ろうとすると、弾性体 13の復元力により、爪 12の先端部はボルト頭部 14a 外周面と被締結物の座ぐり穴 15a内周面との摩擦によりその回転を阻止するように働き、ボルト 14の緩みが防止される。

この爪 12の作用は、既に述べた実施例 1および実施例 2と機能的には同じである。このため爪 12の先端部での摩擦力が大きくなるよう、弾性体 13の復元力に関係する因子、爪 12の傾斜角度 δ、爪 12の形状、および爪 12の数等は適切なものが選定される。

[0025] 又、ボルト頭部 14aの外周面および締結物の座ぐり穴 15a内周面も、摩擦力が大きくなるような表面仕上が施されていればより効果があがる。

尚、この実施例ではボルトの締結後に、緩み止め金具 11を打ち込んで装着しても、有効な緩み止め金具として成立する。但し、装着後の爪 12の傾きは、図 8に示すようにボルトの締結方向でなければならな、。また爪 12の両先端がボルト頭部 14a外周面と座ぐり穴 15a内周面に、弹性的に突き当たって、なければならな、。

本実施例では、爪がボルトの軸の半径方向に作用するため、振動や熱膨張によるボルトの微小な伸縮に対しては影響を受けない。従ってそのために緩み止めの効果が損なわれることはない。

実施例 4

[0026] 図 10は実施例 4を示す。これも実施例 3と同様、ボルト頭部 14a外周面と被締結物の座ぐり穴 15aの内周面との間に緩み止め金具 16を配置したものであり、機能も類似している。

複数の内爪 16aおよび外爪 16bは、ボルト頭部 14a外周面および被締結物の座ぐり穴 15a内周面に、ボルトの締結方向に傾斜して、突き当たつている。内爪 16aと外爪 16bが実施例 3と同様にボルトの緩みを止める。矢印は右ネジの場合のボルトの締結方向を示す。本図は緩み止め金具 16そのものが弾性材料で出来ていて、内爪 16 aと外爪 16bは共にその一部である。

[0027] この緩み止め金具 16も、座ぐり穴 15aに取り付ける前の自由な状態では、内爪 16a の先端で形成される内接円径は、ボルト頭部 14aの円筒径よりも小さぐ外爪 16bの先端で形成される外接円径は、被締結物座ぐり穴 15aの内径よりも大きくなるよう設定されている。

内爪 16aおよび外爪 16bの角度 φおよび φ、爪の数、爪の形状等は必要とされる緩み止め能力に応じて決定される。尚、 φは内爪 16aとボルト頭部 14a外周面の法線とのなす角度を云い、 φは外爪 16bと被締結物座ぐり穴 15a内周面の法線とのなす角度を云う。この緩み止め金具 16も実施例 3と同様、ボルト 14の締結前に座ぐり穴 15aに装着しても,締結後にボルト頭部 14aと座ぐり穴 15aとの間に打ち込んでも成立する。この場合も、打込後の内爪 16aおよび外爪 16bの傾斜方向は図のようにボルト 14の締結方向でなければならな、。又それぞれの爪の先端は相手部材に弹性的に突き当たるようにしなければならな!/ヽ。

[0028] 図 11は実施例 4の緩み止め金具 16の斜視図である。金属薄板の円筒体の一部を打ち抜いて、内爪 16aと外爪 16bを形成している。この場合、内爪 16aのみとして、外爪 16bをなくし、金具 16を座ぐり穴 15aに圧入して使用することも考えられる。

又、逆に内爪 16aをなくし、外爪 16bのみとして金具 16にボルト頭部 14aを圧入して使用することも可能である。

尚、金属薄板の円筒体から打ち抜いて内爪 16aと外爪 16bを形成する他、金属薄板の平板を打ち抜いて、内爪 16aと外爪 16bを形成した後に、リング状に丸めて形成してちよい。

実施例 5

[0029] 図 12は、本実施例において、被締結物 15が本体 6に、緩み止め金具 17を使用してボルト 14で締結されている断面図を示す。

本実施例は、実施例 3および実施例 4の緩み止め金具 11、 16の不都合を防止するものである。通常、緩み止め金具 11、 16の爪 12が、座ぐり穴 15a内に挿入すると傾斜して被締結物座ぐり穴 15aの内周面に当接し、その摩擦力で抜けることはな！/、。しかし、ボルト頭部 14aを下にした状態で使用していて、振動などが生ずると、緩み止め金具 11、 16が抜ける可能性がある。

このため、緩み止め金具 17にボルトを通す部分を設けて、ボルト 14にて緩み止め金具 17を被締結物 15と同時に締結し、緩み止め金具 17の脱落を防止するようにしたものである。

[0030] 図 13は実施例 5の緩み止め金具 17の展開図である。この緩み止め金具 17は中央にボルト穴 17cを有し,複数の内爪 17aおよび外爪 17bを形成している。

3個の内爪 17aおよび外爪 17bは、プレスで打抜いた展開図を示し、内爪 17aおよび外爪 17bは、折曲線 17x、 17y (2点鎖線)で曲折し、その後、曲折線 17zで折り曲げて、内爪 17aおよび外爪 17bの形状にする。

即ち、平面を示す図 13に示すように、本実施例における内爪 17aおよび外爪 17b は略 S字状であり、且つ、ボルトの長手方向と平行に形成し、内爪 17aはボルト頭部 1 4aの外周面に、外爪 17bはボルト用座ぐり穴 15aの内周面に接触可能に形成してある。

この場合、ボルト 14がボルト穴 17cを貫通して締結するため、緩み止め金具 17は、ボルトが締結されていれば脱落することはあり得ない。内爪 17a、外爪 17bの機能は実施例 4と同様である。

実施例 6

本実施例について、被締結物 5が本体 6に緩み止め金具を使用してボルト 4で締結されている断面を示す図 14、座金の平面を示す図 15、座金と爪の構成を示す図 16 を参照して説明する。この実施例は、実施例 2と同じ作用であるが、上爪と下爪の個数の増加を図ることができる構成である。従って、実施例 2と同じ構成の部品には同じ符号を附す。

本実施例は、前記実施例 2とは、金属薄板の座金 8、 9の構成は同じであるが、金属薄板の爪付座金 32と金属薄板の爪付座金 33を備えている点を異にする。

爪付座金 32には、上向きの上爪 32aが、前記座金 8に形成の切欠 8aの数に対応して、打ち抜きで形成してある。又、爪付座金 33には、下向きの下爪 33aが、前記座金 9に形成の切欠 9aの数に対応して、打ち抜きで形成してある。

そして、座金 8、爪付座金 32、爪付座金 33及び座金 9を挟着すると、切欠 8a、 9aに上爪 32aおよび下爪 33aが入り込み、上爪 32aおよび下爪 33aは自由に動き得る。又、座金 8、爪付座金 32、爪付座金 33及び座金 9の中央には、ボルト穴 8b、 32c、 3 3c及び 9bが設けられている。そして、この 4枚の座金は、相互の位置がずれないように、溶接あるいは接着されて 1つの緩み止め金具となって、る。

このように構成の緩み止め金具は、上爪 32aと下爪 33aを異なる座金で構成してあるので、それらの上爪 32aと下爪 33aの数を増加させても、座金の強度維持を図ることがでさる。

実施例 7 [0032] 図 17は、本実施例における被締結物 5が本体 6に緩み止め金具を使用してボルト 4 で締結されている断面を示す図である。尚、本実施例は前記実施例 2とほぼ同じ作用をなすが、上爪 40aと下爪 40bの形成方法を異にする。即ち、実施例 2では図 6〖こ示すように、上爪と下爪は、 1枚の板材をプレス力卩ェで形成している。

しかし、本実施例では、図 19に示すように、金属薄板で上爪 40aと下爪 40bを形成する一方、中央にボルト穴 41cを穿設の座金 41には、スリット 41aが形成してあり、これらのスリット 41aに、上爪 40aと下爪 40bを挿入して形成するものである。

[0033] 又、座金 8の中央には、ボルト穴 8bが穿設してあり、その周囲に前記上爪 40aを揷入可能な切欠 8aが形成してある。又、座金 9にも同様に、中央にボルト穴 9bが穿設してあり、その周囲に前記下爪 40bを挿入可能な切欠 9aが形成してある。

そして、緩み止め金具は、座金 8と、上爪 40aと下爪 40bを挿入して形成の座金 41 、及び座金 9を挟着して形成する。

このように、上爪 40aと下爪 40bを座金 41に形成のスリット 41aに挿入して構成してちょい。

尚、前記座金 8と座金 41及び座金 9は、重ね合わせた後に、相互の位置がずれな V、ように、溶接或は接着して緩み止め金具を構成するのが望ま U、。

Claims

請求の範囲

[1] 被締結物 5とボルト又はナットの間に挟着して緩み止めをなす緩み止め金具であつて、

前記緩み止め金具に切欠 laを形成し、

前記切欠 la内に爪 2を挿入すると共に爪 2の両側を弾性体 3で支え、

前記爪 2は緩み止め金具より、被締結物 5の締結面 5a又はボルトの座面 4aの少なくとも何れか一方側に突出していることを特徴とする緩み止め金具。

[2] 被締結物とボルト又はナットの間に挟着して緩み止めをなす緩み止め金具であって前記緩み止め金具は座金 8と座金 9及び、座金 8と座金 9の間に挟着する爪付座金 10で構成し、

前記座金 8には切欠 8aが、座金 9には切欠 9aが設けられ、

前記爪付座金 10には、前記切欠 8aを揷通可能な位置で、ボルトの座面 4aに当接可能な長さの上爪 10aを形成してあると共に、前記切欠 9aを揷通可能な位置で、被締結物 5の締結面 5aに当接可能な長さの下爪 10bを形成してあることを特徴とする緩み止め金具。

[3] 被締結物に設けられた座ぐり穴に使用するボルト又はナットの間に挿入して緩み止めをなす緩み止め金具であって、

前記緩み止め金具は、爪 12と弾性体 13で構成され、

前記爪 12は前記弾性体 13と弾性体 13とで挟着され、

且つ、前記爪 12はボルト頭部 14aの外周面と被締結物座ぐり穴 15a内周面とに突き当たり可能な長さであることを特徴とする緩み止め金具。

[4] 被締結物に設けられた座ぐり穴に使用するボルト又はナットの間に挿入して緩み止めをなす緩み止め金具であって、

前記緩み止め金具には複数の内爪 16aおよび外爪 16bが形成してあり、前記内爪 16aはボルト頭部 14a外周面に、外爪 16bは被締結物の座ぐり穴 15a内周面に当接可能であることを特徴とする緩み止め金具。

[5] 被締結物とボルト又はナットの間に挟着して緩み止めをなす緩み止め金具であって前記緩み止め金具は座金 8と座金 9及び、座金 8と座金 9の間に挟着する爪付座金 32と爪付座金 33で構成し、

前記座金 8には切欠 8aが、座金 9には切欠 9aが設けられ、

前記爪付座金 32には、前記切欠 8aを揷通可能な位置で、ボルトの座面 4aに当接可能な長さの上爪 32aを形成し、

前記爪付座金 33には、前記切欠 9aを揷通可能な位置で、被締結物 5の締結面 5a に当接可能な長さの下爪 33aを形成してあることを特徴とする緩み止め金具。

被締結物とボルト又はナットの間に挟着して緩み止めをなす緩み止め金具であって前記緩み止め金具は座金 8と座金 9及び、座金 8と座金 9の間に挟着する爪付座金 41で構成し、

前記座金 8には切欠 8aが、座金 9には切欠 9aが設けられ、

前記爪付座金 41には、前記切欠 8a又は及び切欠 9aを揷通可能な位置にスリット 4 laを設け、

前記スリット 41aに、上爪 40a又は下爪 40bを挿入してなることを特徴とする緩み止め金具。