明 細 書
水制構造物、水制ェ用コンクリートブロック、およびこれらを用いた水制ェ 法
技術分野
[0001] 本発明は、特定組成のゼォライト含有水質浄ィ匕体を河川や湖沼における護岸ェゃ 沈床ェ等の水制ェに用いられる篕ゃ枠に充填してなる水制構造物、当該水質浄ィ匕 体が表面に固着された水制ェ用コンクリートブロック、およびこれらを用いた水制ェ 法に関する。
背景技術
[0002] 河川や湖沼における護岸や護床などの水制ェには様々な方法があるが、古くから 知られる工法としては、例えば、直方体や円筒形状の篕に玉石や割石などの詰石を 行い、これを設置するふとん篕ェゃ蛇篕ェ、木材製、コンクリート製、铸鉄製の枠を 組み立て、その内部に詰石を行う粗朶沈床ェ、木工沈床ェ、改良沈床ェなどがある 。また、高度成長期以後には、施工の効率性や強度が重視されるようになり、主にコ ンクリートを用いた水制ェが上記篕ェゃ沈床ェに代わって広く用いられるようになつ た。
[0003] しかし、コンクリートを主に用いた水制ェは、そこに生息する多様な生物の生態系を 破壊してしまう恐れがあり、近年高まっている自然環境を保護し、創出するという思想 の流れに逆行するものである。そこで、近年では、多様な生物が生息するに適した環 境を提供することができる上記篕ェゃ沈床ェが見直されつつあり、これらの施工性、 強度、水質浄ィ匕性などを改良した様々な技術が開発されている (例えば、日本国特 開 10— 77620号公報、日本国特開 2001— 55716号公報、日本国特開 2001— 1 40240号公報)。さらに、コンクリートのメリットを生力しつつ、自然環境にも配慮した コンクリートブロックによる水制工法も開発されている(例えば、日本国特開 2000— 3 28574号公報)。
[0004] 一方、水質、土壌、大気汚染の原因物質を吸着することのできる環境調和型材料と してゼォライトが注目されている。このゼォライトは、ミクロ多孔質のアルミノシリケート
結晶の総称であり、 lnm以下のミクロ細孔とその骨格のもつ負電荷により、優れた分 子吸着'ふるい作用、イオン交換作用を示すため、水質浄化体として広く用いられて いる。
[0005] ゼォライトの特性を生力した水質浄ィ匕体は、通常、ゼォライトをバインダーや水と共 に混練、成形、焼成して得られる焼成体である。このような焼成体に関する従来技術 としては、例えば、ゼォライトの吸着、触媒性能を確保するためにバインダー含有量 を減少させ、ゼォライト含有量を可能な限り高めようとするもの (例えば、日本国特開 2 - 160616号公報)ゃセピオライト型粘土ゃァタパルジャイト型粘土などの特殊なバ インダーを用いることで用途に応じた多孔性と材料強度を確保しょうとするもの(例え ば、 日本国特開 11— 246282号公報)などが挙げられる。
[0006] また、ゼォライトを河川'湖沼などの水質浄ィ匕に利用する技術として、 日本国登録実 用新案第 3093415号公報や日本国特開 2000— 26488号公報のごとぐ護岸コン クリート材料に石炭灰カゝら合成されたゼオライト粉末を混入したものも提案されている 発明の開示
[0007] 上記篕ェゃ沈床ェにおいては、その篕ゃ枠内に充填されている詰石の表面に自 然に付着する微生物の作用により水質浄化機能を発揮するものであるが、詰石とし て一般的に用いられている玉石や割石などの自然石は、微生物の担持体として特段 に優れているものではなぐまた、それ自体が有効な水質浄化機能を有するものでは ないから、微生物膜の付着状況に応じて水質浄化機能が大きく左右されることになり 、その機能は決して優れているとはいえない。従来技術においては、篕ゃ枠内にお ける自然石の配置や大きさ、充填割合などを種々変更したり、自然石に植物を植生 させたりすることで、その水質浄化機能を向上させようとするものが大半であるが、自 然石を詰石として用いている以上、飛躍的な水質浄化機能の向上を望むことができ ないことは上記理由から明らかである。したがって、篕ェゃ沈床ェにおける水質浄ィ匕 機能を飛躍的に向上させるためには、水制ェ用として適した性質を有する水質浄ィ匕 体を開発し、これを詰石として用いる必要があるといえる。水制ェ用として適した性質 を有する水質浄化体には、優れた水質浄化機能を有することはもちろん、自然の生
態系を破壊する可能性の低い原料組成であること、長期にわたり水に曝されてもその 形状を容易に失うことな ヽ優れた強度を有すること、メンテナンスフリーで長期にわた りその機能を維持できること、大量生産が可能で低コストであることなど、様々な特性 が要求される。
[0008] ここで、上記従来技術のゼォライト含有焼成体を水質浄化体として用いることが考 えられるが、従来型の焼成体は、ゼォライトを主成分として 50重量%以上使用したり 、特殊な粘土を使用したりするために高価なものになってしまう。さらに、ゼォライトを 主成分として 50重量%以上配合すると可塑性が著しく失われてしまうため、有機バイ ンダーを配合する必要が生じるが、焼成体の材料強度は低下し製造コストは高くなつ てしまう。また、焼成体の強度を確保するために 800〜1200°Cの高温で焼成を行つ ているが、これによりゼォライトが非晶質ィ匕し、本来ゼォライトが持つ有用な化学的特 性を損なってしまうという問題がある。さらに、材料強度と成形自由度を両立させるこ とが困難であるという問題もある。
[0009] さらに、ゼォライトは、イオン交換作用により優れたアンモニア吸着能力を有するが 、吸着力が強いため、微生物による再生は困難であると言われてきた。これを水質浄 ィ匕に適用するためには、再生の問題が解決されなければならない。特に河川 '湖沼' 池などの直接浄ィ匕に用いる場合には、吸着破過するごとに水中から取り出して処理 を施すようではコストの面だけを考えてもとても実用化には至らない。すなわち、水中 に設置されたゼオライト吸着体は、吸着した NH
4 +を微生物の働きにより脱着、硝化、さ らには脱窒まで効率良く行えるような生物相が形成されることが重要となる。
[0010] 以上のような理由により、従来型の焼成体はコストや強度の観点力 水制ェ用とし て適した性質を有する水質浄ィ匕体であるとは 、えな 、。
[0011] また、コンクリートにゼォライトを含有させたものに関しては、コンクリート中のアル力 リ環境下ではゼオライト結晶構造が長期間安定を保つことはなぐゼォライト本来が持 つ有用な化学特性を損なってしまうという問題点がある。また、ゼォライトの吸水性に よりコンクリートのヮ一力ピリティが低下するため、コンクリート内に配合できるゼォライ ト量は対セメント量の 10〜20wt%が限界であり、結果として成形体に含まれる純粋 なゼオライト成分はわず力となり、成形物としてゼォライトの特性を発揮することは難し
いと考えられる。
[0012] 上記を鑑みて、本発明は、生態系を破壊する恐れがない原料のみを用い、大量生 産が可能で、低コストで、コンクリートと同等以上の強度を有し、成形自由度が高ぐ なおかつ半永久的にメンテナンスフリーで優れた水質浄化機能を維持するこのでき る、水制ェ用として好適な水質浄化体を開発し、これを篕ェゃ沈床ェの詰石として用 いた水制構造物、当該水質浄ィ匕体を用いた水制ェ用コンクリートブロック、およびこ れらを用いた水制工法を提供することを目的とする。
[0013] 上記課題を解決するために鋭意検討した結果、発明者らは、バインダー材料の厳 選とその調合割合により多孔性と強度特性という相反する特性を同時に満たし、なお かつ成形性や低コストといった要求をも満たした水質浄ィ匕体を製造することに成功し 、本発明を為すに至った。
[0014] すなわち、本発明は、下記(1)〜(23)に記載の事項をその特徴とする。
[0015] (1)バインダーとゼォライトとを必須原料として混合、焼成してなり、かつ組成中のゼ オライト成分が 50重量%未満である水質浄ィ匕体を水制ェに用いる篕または枠に充 填してなることを特徴とする水制構造物。
[0016] (2)前記バインダーが、可塑性粘土原料および Zまたは釉原料を含むことを特徴と する上記(1)記載の水制構造物。
[0017] (3)前記可塑性粘土原料が木節粘土、蛙目粘土、カオリン、頁岩粘土、陶石からな る群力 選択される 1種または 2種以上であることを特徴とする上記(2)に記載の水制 構造物。
[0018] (4)前記可塑性粘土原料の粒径が 5 μ m以下であることを特徴する上記(2)または
(3)記載の水制構造物。
[0019] (5)前記釉原料が、長石、マグネサイト、ドロマイト、石灰石からなる群から選択され る 1種または 2種以上であることを特徴とする上記(2)記載の水制構造物。
[0020] (6)前記ゼォライトが天然ゼォライト、合成 A型ゼオライト、合成 X型ゼオライト、合成
Y型ゼオライト、石炭灰合成 A型ゼオライト、石炭灰合成 X型ゼオライト、石炭灰合成
Y型ゼオライトからなる群力も選択される 1種または 2種以上であることを特徴とする上 記(1)〜(5)の ヽずれかに記載の水制構造物。
[0021] (7)前記水質浄ィ匕体の焼成時の温度が 500〜700°Cであることを特徴とする上記(
1)〜(6)の 、ずれかに記載の水制構造物。
[0022] (8)前記水質浄化体の比表面積が 20m2Zg以上で、かつ曲げ強度が 2MPa以上 であることを特徴とする上記(1)〜(7)の 、ずれかに記載の水制構造物。
[0023] (9)前記水質浄化体の形状が中空形状であることを特徴とする上記( 1)〜 (8)のい ずれかに記載の水制構造物。
[0024] (10)前記水質浄化体に植物が植生して!/、ることを特徴とする上記(1)〜(9)の 、 ずれかに記載の水制構造物。
[0025] (11)前記植物がヨシ、ガマ、マコモカ なる群力 選択される 1種以上であることを 特徴とする上記(10)に記載の水制構造物。
[0026] (12) バインダーとゼォライトとを必須原料として混合、焼成してなり、かつ組成中 のゼオライト成分が 50重量%未満である水質浄ィ匕体がコンクリートブロック表面上に 固着されていること、および Zまたはコンクリートブロック表面部に配したポーラスコン クリート内部に含まれていることを特徴とする水制ェ用コンクリートブロック。
[0027] (13)前記バインダーが、可塑性粘土原料および Zまたは釉原料を含むことを特徴 とする上記(12)記載の水制ェ用コンクリートブロック。
[0028] (14)前記可塑性粘土原料が木節粘土、蛙目粘土、カオリン、頁岩粘土、陶石から なる群力 選択される 1種または 2種以上であることを特徴とする上記(13)に記載の 水制ェ用コンクリートブロック。
[0029] (15)前記可塑性粘土原料の粒径が 5 μ m以下であることを特徴する上記(13)ま たは(14)記載の水制ェ用コンクリートブロック。
[0030] (16)前記釉原料が、長石、マグネサイト、ドロマイト、石灰石からなる群から選択さ れる 1種または 2種以上であることを特徴とする上記( 13)に記載の水制ェ用コンクリ 一卜ブロック。
[0031] (17)前記ゼォライトが天然ゼォライト、合成 A型ゼオライト、合成 X型ゼオライト、合 成 Y型ゼオライト、石炭灰合成 A型ゼオライト、石炭灰合成 X型ゼオライト、石炭灰合 成 Y型ゼオライトからなる群力 選択される 1種または 2種以上であることを特徴とする 上記(12)〜(16)のいずれかに記載の水制ェ用コンクリートブロック。
[0032] (18)前記水質浄ィ匕体の焼成時の温度が 500〜700°Cであることを特徴とする上記 (12)〜(17)のいずれかに記載の水制ェ用コンクリートブロック。
[0033] (19)前記水質浄化体の比表面積が 20m2Zg以上で、かつ曲げ強度が 2MPa以 上であることを特徴とする上記(12)〜(18)のいずれかに記載の水制ェ用コンクリー 卜ブロック。
[0034] (20)前記水質浄化体の形状が中空形状であることを特徴とする上記(12)〜(19) のいずれかに記載の水制ェ用コンクリートブロック。
[0035] (21)前記水質浄化体に植物が植生して!/、ることを特徴とする上記(12)〜(20)の いずれかに記載の水制ェ用コンクリートブロック。
[0036] (22)前記植物がヨシ、ガマ、マコモカもなる群力 選択される 1種以上であることを 特徴とする上記(21)に記載の水制ェ用コンクリートブロック。
[0037] (23)上記(1)〜(11)のいずれかに記載の水制構造物および Zまたは上記(12)
〜(22)のいずれかに記載の水制ェ用コンクリートブロックを河川や湖沼の岸または 底に設置することを特徴とする水制工法。
[0038] 本発明によれば、水制ェにおける詰石として好適な水質浄化体、これを用いた水 制構造物および水制ェ用コンクリートブロックを提供することが可能となり、その結果
、低コストで、高効率でかつ低消費エネルギーの水質浄ィ匕を行うことができ、かつ自 然環境の保全と創出にも大きく貢献することのできる水制ェを提供することが可能と なる。
[0039] また、本発明によれば、石炭灰などの廃棄物原料から合成するゼオライトを利用す ることもできるため、循環型社会構築に大きく寄与することが可能となる。
[0040] 本出願は、同出願人により先にされた日本国特許出願、すなわち、 2004- 14217 8号(出願日 2004年 5月 12日)に基づく優先権主張を伴うものであって、この明細書 を参照のためにここに組み込むものとする。
図面の簡単な説明
[0041] [図 1]図 1は、本発明における水質浄ィ匕体の一実施形態を示す斜視図である。
[図 2]図 2は、本発明の水制ェ用コンクリートブロックの一実施形態を示す斜視図であ る。
[図 3]図 3は、本発明の水制構造物の一実施形態を示す斜視図である。
[図 4]図 4は、本発明の水制構造物に植物を植生させた状態の一実施形態を示す斜 視図である。
[図 5]図 5は、本発明の水制構造物に植物を植生させた状態の一実施形態を示す斜 視図である。
[図 6]図 6は、本発明の水制構造物を河岸に多段的に積み上げて護岸した状態の一 実施形態を示す断面図である。
[図 7]図 7は、本発明における水質浄ィ匕体中のゼォライト配合量 (工業 X型ゼオライト) とその比表面積の相関を示すグラフである。
[図 8]図 8は、本発明における水質浄ィ匕体のアンモニア吸着量を示すグラフである。
[図 9]図 9は、本発明における水質浄ィ匕体のアンモニア吸着量を示すグラフである。
[図 10]図 10は、本発明における水質浄化体の微生物付着量を示すグラフである。
[図 11]図 11は、水質浄化機能評価時における気温と水温を示すグラフである。
[図 12]図 12は、水質浄化機能評価の結果 (窒素濃度の変化)を示すグラフである。
[図 13]図 13は、水質浄化機能評価の結果 (リン濃度の変化)を示すグラフである。
[図 14]図 14は、実施例サンプルと比較例サンプルの水質浄化機能の差を示すダラ フである。
[図 15]図 15は、水質浄化機能評価における流下方向のヨシの重量分布を示すダラ フである。
[図 16]図 16は、生物再生評価の結果を示すグラフである。
発明を実施するための最良の形態
[0042] 本発明の水制構造物は、バインダーとゼォライトとを必須原料として混合、焼成して なり、かつ組成中のゼォライト成分が 50重量%未満である水質浄ィ匕体を水制ェに用 いる篕または枠に充填してなることを特徴とするものである。
[0043] 上記ノインダ一としては、可塑性粘土原料および/または釉原料を含むものである ことが好ましい。
[0044] 上記可塑性粘土原料は、主にカオリナイト、ノヽロイサイト、セリサイト、モンモリロナイ トなどの粘土鉱物をその組成に含むものである。このような可塑性粘土原料は、これ
までにも愛知、岐阜、三重などの東海地方、特に、岐阜県東濃地方において陶器用 粘土原料として過去数百年にわたり使用されてきたものであり、成形性、多孔性、低 温焼結が大変優れている。本発明に用いることのできる可塑性粘土原料としては、例 えば、木節粘土、蛙目粘土、カオリン、頁岩粘土、せっ器粘土、赤土、青土、陶石、 ベントナイト、ろう石、セピオライト、ァタパルジャイトなどが挙げられ、これらは 1種また は 2種以上同時に用いることができる。本発明では、木節粘土、蛙目粘土、カオリン、 頁岩粘土、陶石を用いることが好ましぐ蛙目粘土、陶石を用いることがより好ましい。 また、可塑性粘土原料の粒径を 5 m以下に調整すると、水質浄化体の強度を向上 させることができるため特に好まし!/、。
[0045] 上記釉原料は、一般的に釉薬 (ゆうやく)、上薬 (うわぐすり)と呼ばれ、陶磁器の表 面に施される薄いガラス質のケィ酸混合物である。本発明においては、この釉原料は 、水質浄化体を構成しうる一成分であり、その可塑性を調節し、強度増加させ、気孔 量の制御をを行う効果を有する。このような釉原料としては、特に限定されないが、例 えば、カリ長石、ソーダ長石、ぺグマタイト長石、アプライト、藻珪 (さば)などの長石、 マグネサイト、ドロマイト、石灰石、滑石、ウォラストナイト、フリットなどが挙げられ、これ らは 1種または 2種以上同時に用いることができる。本発明においては、コスト抑制や 強度発現の観点から、長石、マグネサイト、ドロマイト、石灰石を用いることが好ましい 。なお、マグネサイトは、マグネシウムの炭酸塩鉱物であり、別名、菱苦土鉱ともいい 、また、ドロマイトは、カルシウムとマグネシウムの炭酸塩鉱物であり、白雲石ともいう。
[0046] バインダーの原料組成は、使用するゼオライト、水質浄化体のコストや所望の強度 等により適宜決定すればよぐ特に限定されないが、例えば、上記ゼォライトとしてェ 業合成ゼォライトを用いる場合には、成形性を確保するために可塑性粘土原料を必 須成分として含むバインダーを用い、釉原料は水質浄ィ匕体の強度を向上させる目的 で適宜配合しうる。また、ゼォライト成分以外の成分が組成中に含まれ、なおかつそ の可塑性が元々比較的良好な天然ゼォライトや石炭灰合成ゼォライトを上記ゼオラ イトとして用いる場合には、釉原料のみをバインダーとして配合することもできる。
[0047] また、可塑性粘土原料と釉原料を混合したバインダーを使用する場合、上記可塑 性粘土原料は、バインダー中、 30〜95重量%含まれることが好ましぐ 40〜70重量
%含まれることがより好ましい。また、上記釉原料は、バインダー中、 5〜70重量%含 まれることが好ましぐ 20〜50重量%含まれることがより好ましい。さらに、可塑性粘 土原料と釉原料の最適な配合比は、実際に使用する可塑性粘土原料と釉原料の組 み合わせにより異なるため、適宜求めることが望ましい。例えば、水質浄化体の強度 や気孔率を優れたものとするために可塑性粘土原料として蛙目粘土を用い、釉原料 として長石、ドロマイト、石灰石のいずれかを用いる場合には、蛙目粘土を 40〜60重 量%、長石、ドロマイト、石灰石のいずれかを 40〜60重量%とすることが好ましぐ可 塑性粘土原料として蛙目粘土を用い、釉原料としてマグネサイトを用いる場合には、 蛙目粘土を 70〜90重量%、マグネサイトを 10〜30重量%とすることが好ましい。
[0048] なお、上記可塑性粘土原料および釉原料に関しては、当業者であれば上記の記 述力 十分に理解することが可能であると思われるが、より詳細には、「社団法人日 本セラミックス協会編、セラミックス工学ノ、ンドブック (第 2版) [応用]、技報堂出版株式 会社出版」の 581頁〜 585頁および 589頁〜 595頁を参照されたい。
[0049] 本発明における水質浄ィ匕体原料に用いるゼォライトとしては、例えば、クリノプチ口 ライト、モルデナイトなどの天然ゼォライト、 A型、 X型、 Y型、 USY型 (超安定 Y型)、 ZSM— 5などの合成ゼォライトが挙げられる力 500°C以上の耐熱性と lOOmeqZl OOg以上の陽イオン交換容量もしくは 300m2/g以上の比表面積を備えているもの であれば特に限定されな!、。コストや環境保護の観点力 は天然ゼォライトであること が好ましい。また、本発明においては、ゼォライトの各種特性を有する多孔体をゼォ ライトとして使用しても良い。ゼォライトの特性を有する多孔体とは、例えば、 2〜50n mの細孔径を有し、かつ細孔径分布が非常に狭 、ことを特徴とするメソ多孔体 (メソ ポーラス物質)が挙げられ、より具体的には、 FSM— 16や MCM— 41などが挙げら れる。
[0050] また、上記ゼォライトとして、石炭灰、溶融スラグ、珪素質汚泥、上下水道汚泥焼却 灰、ごみ焼却灰、製紙スラッジ、铸物スラッジ、凝灰岩、火山灰、砂利くず、アルミドロ ス、含アルミニウム廃液、含珪素廃液などの廃棄物をアルカリ処理して生成されるゼ オライトを使用することもできる。このようなゼォライトとしては、例えば、ホージャサイト 、フィリップサイト、水和ソーダライトなどが挙げられ、特に限定されないが、本発明で
は、石炭灰合成ゼォライトを用いることが好ましぐ石炭灰合成 X型ゼオライト、石炭 灰合成 Y型ゼオライトおよび石炭灰合成 A型ゼオライトの 、ずれかもしくはこれらを 2 種以上同時に用いることがより好ましい。石炭火力発電所から発生する石炭灰は年 々増加しており、その大半は、現在、セメントの混和剤として有効活用されているが、 本発明におけるゼォライトとして用いることで今後も増加するであろう石炭灰を有効に 活用することができ、なおかつ、コストや環境保護に貢献することが可能となる。石炭 灰は組成としてシリカ分力 5〜74%、アルミナ分が 16〜38%含まれる力 ムライト、 石英などの結晶質部分はアルカリ水溶液に容易に解けないため、現在のところ石炭 灰の X型ゼオライト転換率は約 15%であり、この合成率を高めるための研究が継続 的に行われているところである。
[0051] なお、本発明に用いる合成ゼォライトや廃棄物から合成されるゼオライトを製造する 方法や原料のケィバン比、アルカリの種類、アルカリ濃度、圧力、撹拌、温度などの 条件は、公知の製法や条件でよぐ特に限定されない。
[0052] また、本発明における水質浄ィ匕体原料として、上記バインダーおよびゼォライトの ほかに、水質浄ィ匕体の特性を低下させない範囲で石炭灰を直接加えてもよぐこの 場合も、石炭灰の有効利用に貢献することができる。なお、本発明に用いる石炭灰、 または上記石炭灰合成ゼォライトに用いる石炭灰のケィバン比 (シリカ Zアルミナ比) などの組成や物性などは特に限定されないが、カルシウム成分が 15重量%以下で あるものが好ましく、さらに、硫黄、リン、ヒ素の含有量がより少ないものが好ましい。
[0053] また、本発明における水質浄ィ匕体原料には、着色を目的としてクロム、マンガン、コ バルト、ニッケル等の遷移金属の酸化物、酸化アンチモン、ベンガラ(酸ィ匕鉄)、酸ィ匕 第二銅などを配合してもよい。さら〖こ、増量材、廃棄物有効利用の観点から、可塑性 、焼成体強度を損なわない範囲で、上記廃棄物の他、ガラス粉末、铸物砂、キラ、セ ルペン (窯業廃棄物)、石粉 (採石製造廃棄物)、スラグ系廃棄物などを配合してもよ い。
[0054] 本発明に用いる水質浄ィ匕体は、必須原料であるバインダーとゼォライト、ならびに 必要に応じて添加される各種添加剤を適宜量の水と混練し、所望形状に成形し、焼 成することで製造することができる。必須原料それぞれの配合量は、焼成後のゼオラ
イト成分が 50重量%未満となるように配合すればよぐ特に限定されないが、バイン ダーを 50〜98重量%、ゼォライトを 50重量%未満とすることが好ましい。これによれ ば、従来製品よりも低コストであり、多孔性を保持しながらコンクリートと同等以上の強 度を有し、なおかつ活性炭を上回るアンモニア吸着性に顕著に優れた水質浄ィ匕体を 得ることが可能となる。なお、上記ゼォライトの配合量は、通常の合成ゼォライトであ れば、その配合量をそのまま水質浄ィ匕体中のゼォライト成分とみなすことができるが 、天然ゼォライトや石炭灰合成ゼォライトの場合には、ゼォライト成分以外の物質が 多く含まれるため、その配合量をそのまま水質浄ィ匕体中のゼォライト成分とみなすこ とはできない。つまり、天然ゼォライトや石炭灰合成ゼォライトの配合量が 50重量% を超えて!/、ても、水質浄ィ匕体に含まれるゼォライト成分が 50重量%未満であれば、 本発明に用いる水質浄ィ匕体として扱うことができる。
[0055] また、上記焼成時における焼成条件としては、水質浄化体の形状、大きさ等により 適宜決定すればよぐ特に限定されないが、本発明における水質浄化体は、その原 料であるバインダーを厳選することで従来と比較して低温度で焼結することが可能と なっているため、できる限り低温に設定し、ゼォライトの多孔性を維持することが望ま しい。具体的には、 500〜700°Cの温度で 30分〜 2時間程度焼成することが好ましく 、 A型ゼオライト、 X型ゼオライト、 Y型ゼオライトおよび石炭灰合成ゼォライトを用いる 場合には 600〜650°C、天然ゼォライトや USY型ゼオライトなどのハイシリカ型のゼ オライトを用いる場合には 600〜700°Cで 1時間程度焼成することがより好ましい。焼 成温度が 500°C未満であると成形体に十分な強度を与えることができず、 700°Cを 越えると曲げ強度は向上するものの、ゼォライトの結晶構造の変化により、イオン交 換能力、吸着力の低下が生じ、特に 1000°C付近では、ゼォライトが非晶質ィ匕してし まうため、その優れた化学特性が全て損なわれてしまう。
[0056] また、上記成形の方法としては、特に限定されな!、が、例えば、铸込み成形、プレ ス成形、押し出し成形、機械ろくろ成形等による成形などの大量製造用セラミックス製 造方法により行うことができる。また、その形状や寸法は所望に加工することができ、 特に限定されない。
[0057] また、本発明における水質浄化体は、その比表面積が 20m2Zg以上で、かつ曲げ
強度が 2MPa以上であることが好ましぐ比表面積が 30m2Zg以上で、かつ曲げ強 度が 3MPa以上であることがより好まし 、。
[0058] 上記のような水質浄ィ匕体は、組成中のゼォライト成分の割合を 50重量%以下とし、 ノインダ一の配合割合を高めているため、従来のゼォライト含有水質浄ィ匕体と比較し て、高強度、高成形自由度、低コストを達成することができる。さらに、ゼォライト成分 の割合が従来のゼォライト含有水質浄ィ匕体と比較して 50重量%未満と少ないにもか かわらず、優れた多孔性を実現し、その吸着性能は活性炭と同等以上である。すな わち、本発明に用いる水質浄ィ匕体は、生産性、強度、成形自由度、経済性、水質浄 ィ匕機能の全てに優れるものであり、水制ェ用の詰石として好適なものであるいえる。
[0059] また、本発明に用いる水質浄ィ匕体は、アンモニア性窒素の吸着性能に優れるばか りでなぐ活性炭にも匹敵する微生物固定ィ匕能を有するため、水質浄化体に吸着し たアンモニア性窒素は、微生物により効率的に硝化'脱着される。それゆえ、水質浄 化体の吸着性能を長期にわたり維持することが可能となり、水質浄化機能の向上に も大きく貢献することが可能となる。
[0060] また、本発明に用いる水質浄ィ匕体の形状は、特に限定されないが、中空形状であ ることが好ましい。中空形状とすることで水との接触面積および水の滞留時間が増加 し、水質浄化機能を向上させることが可能となる。また、浄ィ匕体表面は凹凸形状であ ることがより好ましぐこれによれば水との接触面積がさらに増加し、微生物の付着性 も向上する。図 1 (a)や (b)には、中空形状の表面に複数の凹凸を有する水質浄ィ匕 体の一形態を示す。本発明における水質浄化体は、成型自由度が高いため、公知 の押出し成型法やプレス成型法により容易に製造することができる。
[0061] また、本発明における水質浄ィ匕体の大きさは、用いる篕ゃ枠の間から抜け出ない 大きさであればよぐ特に限定されないが、あまり大きすぎると扱い難いだけでなぐ 比表面積が小さくなり水質浄化機能が低下するため好ましくな 、。これらのバランス を考慮すると、水質浄化体の最小寸法は φ 40〜150mmの範囲とすることが好まし い。
[0062] 上記のような水質浄ィ匕体を充填する篕としては、護岸ェなどの水制ェにおいて一 般的に用いられているものでよぐ例えば、金網ゃ榭脂ネットで構成された直方体形
状のふとん篕、円筒形状の蛇篕などを挙げることができる。同様に、水質浄化体を充 填する枠としては、沈床ェなどの水制ェにお 、て一般的に用いられて 、るものでよく 、例えば、木材やコンクリートを井筒状に組み立てて構成されるものが挙げられる。も ちろん、本発明における篕ゃ枠は、これらに限定されることはなぐ設置箇所やその 他の状況に応じて適宜その材質や形状、大きさを変形したものを用いることができる
[0063] また、本発明の水制構造物は、本発明における水質浄ィ匕体を上記篕または枠内に 充填してなるものである力 水質浄化体を充填する量は、篕または枠内をすベて該 水質浄ィ匕体で充填してもよぐまた一部に活性炭や水制ェに通常用いられる玉石、 割石、軽石、客土等を混入させてもよぐ特に限定されない。図 3には、護岸ェにー 般的に用いられているふとん篕 3内部に水質浄ィ匕体 4が充填された本発明の水制構 造物 5の一実施形態を示す。
[0064] また、充填された水質浄ィ匕体には植物が植生して 、ることが好ま 、。植物を植生 させることで、護岸の緑ィ匕はもちろん、該植物と微生物の共生作用、ならびに該植物 が窒素成分およびリン成分を栄養分として吸い上げる作用により、水質浄化機能のさ らなる効率ィ匕を図ることが可能となる。ただし、植物に吸収された窒素やリン成分を極 力水中に戻さないためには、少なくとも年 1回、植物の根を残してこれを刈り取ること が望ましい。
[0065] 水質浄ィ匕体に植生させる植物としては、特に限定されないが、水生植物であること が好ましぐヨシ、ガマ、マコモカ なる群力 選択される 1種以上であることがより好ま しぐヨシであることが特に好ましい。このヨシは根力も酸素を放出する特性があるた め、水生生物に適した環境を提供することを 1つの課題とする本発明にとって最適な 植物である。また、植物を植生させる方法としては、使用する植物の種類に応じて最 適な方法を適宜決定すればよぐ特に限定されないが、例えば、充填された水質浄 化体の隙間に植物の苗を差込んだり、種子を蒔いたりすることで植生させることがで きる。図 4には、図 3の水制構造物 5内部の水質浄ィ匕体 4に植物 7を植生させた状態 の一実施形態を、図 5には、コンクリート部材を組み立てて構成された枠材 8に充填さ れた水質浄ィ匕体 4に植物 7を植生させた状態の一実施形態を示す。
[0066] 本発明の水制ェ用コンクリートブロックは、上記の水質浄化体がコンクリートブロック 表面上に固着されていること、および Zまたはコンクリートブロック表面部に配したポ 一ラスコンクリート内部に含まれていることを特徴とするものである。
[0067] 本発明の水制ェ用コンクリートブロックは、上記水質浄ィ匕体を公知のコンクリートブ ロック表面に固着'一体ィ匕することで得ることができ、この場合の水質浄化体の形状 は、コンクリートブロックの平面にあわせて、平板形状とすることが好ましい。さらに、 水質浄化体を平板形状とした場合、コンクリートブロックと接する反対面を凹凸形状 にすることがより好ましい。また、上記コンクリートブロックは、通常のコンクリートよりも 空隙率の大きいポーラスコンクリートブロックであることが好ましぐその空隙率は 20 %以上であることがより好ましい。ポーラスコンクリートを用いることで、水質浄化体が 固着していない箇所においても、微生物が付着しやすくなり、水質浄化機能が向上 する。図 2には、コンクリートブロック 1上面に平板形状の水質浄ィ匕体 2が固着'一体 化してなる本発明の水制ェ用コンクリートブロックの一実施形態を示す。図 2のような 水制ェ用コンクリートブロックを製造する方法としては、例えば、既成のコンクリートブ ロックの面上に平板形状の水質浄化体を接着剤や固定金具等により固着、一体化さ せたり、生コンクリートを所定形状の型枠に流し込み、その上に平板形状の水質浄ィ匕 体を設置し、コンクリートの固化と同時に該浄ィ匕体を固着、一体化させることもでき、 特に限定されない。
[0068] また、本発明の水制ェ用コンクリートブロックは、数ミリから十ミリ程度のサイズの上 記水質浄ィヒ体を内部に含むポーラスコンクリートを通常のコンクリートブロック表面部 に配して得ることもできる。さらに、当該ポーラスコンクリートとして、酸化マグネシウム を組成分として含む公知の低アルカリ性セメントからなるポーラスコンクリートを用いる ことで、微生物付着性や水質浄化機能をより向上させることが可能となる。
[0069] 本発明の水制工法は、上記した水制構造物および Zまたは水制ェ用コンクリートブ ロックを河川や湖沼の岸や底に設置することを特徴とするものであり、その設置形態 については、公知の護岸ェゃ沈床ェ等の水制ェに従って行えばよぐ特に限定され ない。なお、本発明の水制構造物を準備、設置するに際しては、予め水質浄化体が 充填された篕ゃ枠を設置現場に搬送し、これを所定箇所に順次設置してもよぐ設置
現場にて篕ゃ枠を組み立て、これを所定箇所に設置後、水質浄化体を充填してもよ ぐ特に限定されないが、作業効率を考慮すると後者が好ましい。植生させる植物に ついても、あらかじめ水質浄ィ匕体に植生されていてもよぐ設置現場にて、水質浄ィ匕 体充填後、その隙間に植物を差込み、植生させてもよい。図 6には、図 3の水制構造 物 5を河川 6の河岸に多段的に積み上げ護岸した状態の一実施形態を示す。
[0070] 本発明の水制ェによれば、水制構造物や水制ェ用コンクリートブロックに充填また は固着された特定組成のゼォライト含有水質浄ィ匕体が、水質汚濁の原因であるアン モ-ァ性窒素を効率よく吸着し、当該浄化体に担持された微生物の硝化'脱着によ る再生メカニズムにより、水質浄化機能が長期に維持され、メンテナンスフリーで河川 や湖沼の水質を著しく改善することができる。また、上記水質浄化体に植物を植生さ せれば、該植物と微生物の共生作用、ならびに該植物の窒素とリンの吸収作用によ り、さらに水質浄化機能を高め、なおかつ水辺空間の緑化、生物多様性空間の創出 を実現させることが可能となる。
[0071] 以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるも のではない。
実施例
[0072] (水質浄化体の特性評価)
実施例 1
蛙目粘土 35重量%、陶石 5重量%、および藻珪 60重量%を配合したバインダー 9 5重量%と、工業 X型ゼオライト(ユニオン昭和 (株)製、商品名 13XpOWder、比表面 積 430m2/g) 5重量%と、バインダーと当量の水を混合して泥しょうを作成し、これを 石膏型(断面幅 10mm、厚み 10mm、長さ 70mm)に充填し、約 10分間の脱水後脱 型し、室内で 1日乾燥した。ついで、これを電気炉にて昇温速度 100°CZhr、 600°C で 1時間保持して焼成を行い、水質浄化体サンプルを作成した。表 1には、上記バイ ンダ一に使用した蛙目粘土、陶石、および藻珪の各成分の組成を示す。
[0073] [表 1]
ノ;ィンダ—
Si02 AIA Fe203 Ti02 CaO gO K20 Na20 その他 組成
蛙目粘土 43.3% 34.67% 1 .06% 0.47% 0.16% 0.22% 1 .05% 0.1 7% 6.0% 陶石 フ 9.7¾ 1 3.66% 0.30% —― 0 16% 0.03% 3.06% 0.08% 2.74%
78.6% 1 1.68% 0 08% 0.02% 0.60% 0.01 % 6.24% 2.30% 0.34%
[0074] 実施例 2
ノインダーを 90重量%、工業 X型ゼオライトを 10重量%とした以外は、実施例 1と 同様にして水質浄ィ匕体サンプルを作成した。
[0075] 実施例 3
ノインダーを 70重量%、工業 X型ゼオライトを 30重量%とした以外は、実施例 1と 同様にして水質浄ィ匕体サンプルを作成した。
[0076] 実施例 4
ノインダーを 70重量%、工業 X型ゼオライトを 5重量%とし、さらに石炭灰((株)テク ノ中部製)を 25重量%配合した以外は、実施例 1と同様にして水質浄化体サンプル を作成した。なお、上記石炭灰の組成(%)を表 2に示す。
[0078] 実施例 5
ノインダーを 70重量%、工業 X型ゼオライトを 10重量%とし、さらに石炭灰を 20重 量%配合した以外は、実施例 1と同様にして水質浄化体サンプルを作成した。
[0079] 実施例 6
ノインダーを 70重量%、工業 X型ゼオライトを 20重量%とし、さらに石炭灰を 10重 量%配合した以外は、実施例 1と同様にして水質浄化体サンプルを作成した。
[0080] 実施例 7
ノインダーを 60重量0 /0、ゼォライトとしてクリノプチ口ライト(三井金属資源開発製、 商品名イワミライト 200mesh、比表面積 45. 6111273、ゼォラィト成分45. 3%)を 40
重量%用いた以外は、実施例 1と同様にして水質浄化体サンプルを作成した。
[0081] 比較例 1
ノインダーを 70重量%とし、工業 X型ゼオライトを配合せずに石炭灰を 30重量% 配合した以外は、実施例 1と同様にして水質浄化体サンプルを作成した。
[0082] 上記実施例 1〜7および比較例 1の各サンプルについて、気孔率、嵩比重、細孔容 積、比表面積、曲げ強度を下記に示す方法により測定した。結果を表 3に示す。
[0083] 気孔率:サンプルを 110°Cで乾燥し、恒量になったときの重量を W1とする。次いで、 サンプルを水中に入れ、 3時間以上煮沸し、完全に気孔中の空気を放出させ、水中 で冷却し、サンプルを水中につるしたときの重量を W2とする。さらに、サンプルを水 中から取り出し、湿布で手早く表面だけを拭って水滴を取り、手早く重量を測定し、こ れを W3とする。以上 Wl、 W2、および W3と次式を用いて気孔率を算出する。
気孔率 = { (W3— W1)Z(W3— W2) } X 100
[0084] 細孔容積:水銀ポロシメーター(ユアサイォ-タス製、 poremaster60)を用い、 1〜600 OOpsiの圧力範囲で測定した (水銀圧入法)。
[0085] 比表面積:比表面積測定装置 (ユアサイォニタス製、オートソープ 1)を用い、気体吸 着 BET法による定溶法で平衡相対圧 (PZP )
0が 0. 05-0. 35の測定範囲で 5点測 定した(JIS Z 8830)。
[0086] 曲げ強度:オリエンテック製 UCT-5Tを用い、スパン 30mmに配置された 2支点上に サンプルを置き、支点間の中央の 1点にクロスヘッド速度 0. 5mmZminの荷重をカロ えて 3点曲げを行い、サンプルが破壊されるまでの最大荷重を測定した。曲げ強度 T rは次式で求めた。
Tr=3WLZ2bd2 (式中、 W:最大荷重 (N)、 L :下部支点間距離 (mm)、 b :試 験片の幅 (mm)、 d:試験片の厚さ (mm)を表す)
[0087] [表 3]
組成
炭 J 気孔率 細孔容積 比表面積 曲げ強度
(%)
実施例 ys ϋ 31. 2 175 36. 9 ϋ· 76 実施例
実施例 3 70 30 47. 5 0. 231 1 4. 04 実施例
実施例 5 70 10 20 38. 5 0. 236 55. 2 4. 24 実施例
実施例 60 40 0 34. 5 30. 8 3. 84 比較例
※天然ゼォライトを用いた実施例 のサンプルのゼォライ 卜成分は、 である。
[0088] 表 3に示すように、実施例 1〜7の水質浄ィ匕体サンプルは、ゼォライト含有量がバイ ンダ一の含有量より低いにもかかわらず、比較例 1の水質浄化体サンプルの 3〜10 数倍の比表面積を有している。また、実施例 1〜7の水質浄ィ匕体サンプルの曲げ強 度は、 3〜7MPaとコンクリート以上の強度特性を示した。さらに、その他の特性につ Vヽても比較例と同等以上の値を示した。このような実施例のサンプルの多孔質特性 は、既存の高度な触媒用水質浄化体 (例えば、日本国特開 11— 246282、日本国 特開 11— 314913など)と比べても遜色のない値である。したがって、実施例 1〜7の サンプルは、ゼォライトのもつ細孔構造を損なわずに製造された、良好な水質浄ィ匕 体であることが分力ゝる。
[0089] 次に、石炭灰合成 X型ゼオライトを用いて、水質浄化体を調合し、その特性評価を 実施した。
[0090] 実施例 8
蛙目粘土 35重量%、陶石 5重量%、および藻珪 60重量%含まれるバインダー 85 重量%と、石炭灰合成 X型ゼオライト 15重量%と、バインダーと当量の水を混合して 泥しょうを作成し、これを石膏型(断面幅 10mm、厚み 10mm、長さ 70mm)に充填し 、約 10分間の脱水後脱型し、室内で 1日乾燥した。ついで、これを電気炉にて昇温 速度 100°CZhr、 600°Cで 1時間保持して焼成を行い、水質浄化体サンプルを作成 した。なお、上記石炭灰合成 X型ゼオライトは、表 2の石炭灰((株)テクノ中部製)から 特開 2002— 187715号公報に開示された連続製造装置を用いて生成したものであ
る。
[0091] 実施例 9
石炭灰合成 X型ゼオライトを 30重量%とした以外は、実施例 8と同様にして水質浄 化体サンプルを作成した。
[0092] 実施例 10
石炭灰合成 X型ゼオライトを 30重量%とし、焼成時の温度を 700°Cとした以外は、 実施例 8と同様にして水質浄化体サンプルを作成した。
[0093] 実施例 11
石炭灰合成 X型ゼオライトを 30重量%とし、焼成時の温度を 800°Cとした以外は、 実施例 8と同様にして水質浄化体サンプルを作成した。
[0094] 比較例 2
ゼォライト成分を配合せずに実施例 8のノ インダー成分を 100重量%とし、焼成時 の温度を 700°Cとした以外は、実施例 8と同様にして水質浄化体サンプルを作成した
[0095] 比較例 3
ゼォライト成分を配合せずに実施例 8のノ インダー成分を 100重量%とし、焼成時 の温度を 800°Cとした以外は、実施例 8と同様にして水質浄化体サンプルを作成した
[0096] 実施例 8〜: L 1および比較例 2と 3の各サンプルについて、気孔率、吸水率、嵩比重 、比表面積、細孔容積および曲げ強度を測定した。結果を表 4に示す。なお、吸水率 の測定方法は下記の通りであり、それ以外の測定は前述の方法と同様である。
[0097] 吸水率:前述の気孔率の測定方法において測定した Wl、 W2、および W3と次式を 用いて算出した。
吸水率 = { (W3-W1) /Wl } X 100
※石炭灰合成 型ゼォライ 卜の配合量が %および の時、ゼォライト成分はそれぞれ
%となる,
[0099] 表 4に示すように実施例 8〜: LOの水質浄ィ匕体は、一般的な多孔質セラミックスであ る比較例 2および 3の約 4倍の比表面積を有し、優れた多孔質特性を示している。ま た、曲げ強度も 1. 5MPa以上を示し、コンクリートに相当する強度特性を示している 。また、実施例 11が示すように、焼成温度を 800°Cとすると水質浄ィ匕体の曲げ強度 は向上するものの、比表面積は大きく減少し、比較例 2および 3と差がなくなってしま つた。これは、ゼォライトの非晶質ィ匕により比表面積が大きく減少したためであると考 えられる。
[0100] 次に、天然ゼォライトを主成分として含む水質浄化体を調合し、その特性評価を実 施した。
[0101] 実施例 12
ノ インダーとしてドロマイト(上田石炭製造株式会社製) 20重量%と、天然ゼォライ トとしてクリノプチ口ライト (三井金属資源開発製、商品名イワミライト 200mesh、比表 面積 45. 6m2Zg、ゼオライト成分 45. 3%) 80重量%と、バインダーと当量の水を混 合して泥しょうを作成し、これを石膏型(断面幅 10mm、厚み 10mm、長さ 70mm)に 充填し、約 10分間の脱水後脱型し、室内で 1日乾燥した。ついで、これを電気炉に て昇温速度 100°CZhr、 600°Cで 1時間保持して焼成を行い、水質浄化体サンプル を作成した。
[0102] 実施例 13
ドロマイトに代えて、蛙目粘土 75重量%およびマグネサイト (神島化学工業製) 25 重量%を含むバインダー 20重量%を用いた以外は、実施例 12と同様にして水質浄
化体サンプルを作成した。
[0103] 実施例 14
ドロマイトに代えて、新島長石 (丸美陶料製)をバインダーとして用いた以外は、実 施例 12と同様にして水質浄ィ匕体サンプルを作成した。
[0104] 比較例 4
クリノプチ口ライト 100重量%を水質浄ィ匕体サンプルとして用いた。
[0105] 実施例 12〜 14および比較例 4の各サンプルについて、気孔率、嵩比重、比表面 積、曲げ強度を測定した。結果を表 6に示す。なお、測定方法は前述の方法と同様 である。また、上記ドロマイト、マグネサイト、新島長石の組成を表 5に示す。
[0106] [表 5]
[0107] [表 6]
※実施例 1 2〜: L 4のサンプルのゼォライ ト成分は 3 6 . 2 w t %となる。
[0108] 次に、ゼォライトの配合量と比表面積の関係について検討した。
[0109] 実施例 15
蛙目粘土 35重量%、陶石 5重量%、および藻珪 60重量%を配合したバインダー 9 7重量%と、工業 X型ゼオライト(ユニオン昭和 (株)製、商品名 13XpOWder、比表面 積 430m2/g) 3重量%とをミキサー(宫崎鉄工株式会社製、 MHS- 100)で 2分間
混合後、水を前記混合原料に対して外割で 20重量%添加し、再度ミキサーにて 2分 間混合した。次に、混合物を石膏型(断面幅 10mm、厚み 10mm、長さ 70mm)に充 填し、約 10分間の脱水後脱型し、室内で 1日乾燥した。ついで、これを電気炉にて 昇温速度 100°CZhr、 600°Cで 1時間保持して焼成を行い、水質浄化体サンプルを 作成した。このサンプルについて、前述と同様の方法により比表面積を測定した。結 果を表 7に示す。
[0110] 実施例 16
蛙目粘土 35重量%、陶石 5重量%、および藻珪 60重量%を配合したバインダー 9 5重量%と、工業 X型ゼオライト(ユニオン昭和 (株)製) 5重量%とをミキサー(宫崎鉄 工株式会社製、 MHS— 100)で 2分間混合後、水を前記混合原料に対して外割で 2 2重量%添加し、再度ミキサーにて 2分間混合した。次に、混合物を石膏型(断面幅 1 Omm、厚み 10mm、長さ 70mm)に充填し、約 10分間の脱水後脱型し、室内で 1日 乾燥した。ついで、これを電気炉にて昇温速度 100°CZhr、 600°Cで 1時間保持し て焼成を行い、水質浄化体サンプルを作成した。このサンプルについて、前述と同様 の方法により比表面積を測定した。結果を表 7に示す。
[0111] 実施例 17
蛙目粘土 35重量%、陶石 5重量%、および藻珪 60重量%を配合したバインダー 9 0重量%と、工業 X型ゼオライト(ユニオン昭和 (株)製) 10重量%とをミキサー(宫崎 鉄工株式会社製、 MHS— 100)で 2分間混合後、水を前記混合原料に対して外割 で 25重量%添加し、再度ミキサーにて 2分間混合した。次に、混合物を石膏型(断面 幅 10mm、厚み 10mm、長さ 70mm)に充填し、約 10分間の脱水後脱型し、室内で 1日乾燥した。ついで、これを電気炉にて昇温速度 100°C/hr、 600°Cで 1時間保持 して焼成を行い、水質浄化体サンプルを作成した。このサンプルについて、前述と同 様の方法により比表面積を測定した。結果を表 7に示す。
[0112] 実施例 18
蛙目粘土 35重量%、陶石 5重量%、および藻珪 60重量%を配合したバインダー 5 0. 5重量%と、工業 X型ゼオライト(ユニオン昭和 (株)製) 49. 5重量%とをミキサー( 宫崎鉄工株式会社製、 MHS— 100)で 2分間混合後、水を前記混合原料に対して
外割で 48重量%添加し、再度ミキサーにて 2分間混合した。次に、混合物を石膏型( 断面幅 10mm、厚み 10mm、長さ 70mm)に充填し、約 10分間の脱水後脱型し、室 内で 1日乾燥した。ついで、これを電気炉にて昇温速度 100°CZhr、 600°Cで 1時間 保持して焼成を行い、水質浄化体サンプルを作成した。このサンプルについて、前 述と同様の方法により比表面積を測定した。結果を表 7に示す。
[0113] [表 7]
[0114] 図 7に実施例 1〜6および実施例 15〜18の結果カゝら得た X型ゼオライト添加量と比 表面積との関係を示す。図 7から X型ゼオライト添加量と比表面積の関係は線形の相 関を示し、比表面積増加は X型ゼオライト添加量による増加値とほぼ同一の値である 。この結果は、実施例 1〜6および実施例 15〜18のサンプル力 ゼォライトのもつ細 孔構造を損なわずに製造された良好な水質浄化体であることを示す。
[0115] (吸着特性)
次に、本発明に用いる水質浄ィ匕体の吸着性能を評価するため、実施例 8、 9、およ び比較例 3で作成したサンプル、ならびに市販の活性炭(比表面積 847m2/g)を用 い、アンモニア吸着試験を行った。
[0116] 試験方法は、 500ml三角フラスコにアンモニア濃度 20〜400mgZLの範囲で NH
C1溶液を 500ml調整し、各サンプル (粒径 1. 5〜2. Ocm)および活性炭をそれぞ
4
れ 40〜60cm3投入し、恒温振とう機にて 30°C、 70rpmで吸着平衡に達するまで振 とうした後、各サンプルおよび活性炭のアンモニア吸着量を測定した。結果を図 8に 示す。なお、吸着量の測定に使用した機器および測定条件は以下の通りである。
[0117] ·測定機器
東ソー製イオンクロマトグラフ TOSOH CO— 8011 (検出器 TOSOH UV— 8
011、ポンプ TOSOH CCPD)
•測定条件
吸収波長: 230nm
カラム: TSKgellC - Anion - PW
カラム恒温槽: 40°C
溶離液:ァニオン標準液
溶離液流量: 1. 2ml/min
[0118] 図 8に示すように、実施例 8および 9の水質浄ィ匕体は、ゼォライト成分が 2〜5%程 度であるにもかかわらず、良好なアンモニア吸着特性を示し、活性炭を上回る吸着性 能を発揮した。
[0119] 次に、実施例 2のサンプル、実施例 2のサンプルにおけるゼォライトを A型ゼオライト
(ユニオン昭和 (株)製、商品名 A4powder)としたサンプル (実施例 19)、実施例 7の サンプル、実施例 7のサンプルにおけるゼォライトをモルデナイト(三井金属資源開 発製、 MGイワミライト、比表面積 16. 0m2Zg)としたサンプル (実施例 20)、の 4サン プルについて上記と多少条件の異なるアンモニア吸着試験を行った。
[0120] すなわち、 500ml三角フラスコにアンモニア濃度 20〜2000mg/Lの範囲で NH
4
C1溶液を 450ml調整し、各サンプル (粒径 1. 5〜2. Ocm)をそれぞれ 50g投入し、 恒温振とう機にて 20°C、 lOOrpmで吸着平衡に達するまで振とうした後、各サンプル のアンモニア吸着量を測定した。結果を図 9に示す。なお、吸着量の測定に使用した 機器および測定条件は上記と同じである。
[0121] 図 9に示すように、各実施例の水質浄ィ匕体は、良好なアンモニア吸着特性を示した
[0122] (微生物付着性)
次に、水質浄化体の微生物付着性を評価するため、実施例 15および 16で作成し たサンプル、ならびに活性炭 (比表面積 847m3/g)を用い、回分式微生物付着試 験を行った。
[0123] 試験方法は、 0. 05M PBS (リン酸緩衝溶液)に微生物(汚泥)を懸濁させた後、 両サンプルおよび活性炭をそれぞれ懸濁液 100mlあたり 7. 5cm3投入し、 135rpm
で約 5時間振とうした後、上澄み液の全有機炭素 (TOC)を測定し、振とう開始前の T OC力も差し引くことで、両サンプルおよび活性炭 7. 5cm3あたりに付着した TOC (微 生物)量を評価した。結果を図 10に示す。
[0124] 図 10に示すように、実施例 15および 16の水質浄ィ匕体は、活性炭と同レベルの微 生物付着率を示した。
[0125] (水質浄化機能評価)
次に、本発明に用いる水質浄ィ匕体サンプルに植物を植生させた系における水質浄 ィ匕機能を以下のように評価した。
[0126] まず、押し出し成型法により図 1 (a)に示した形状(内径 1. 3cm、最大外径 4. 2cm 、長さ 6cm)に成型加工された実施例 2と同一組成の水質浄化体を屋外にある人工 水路(幅 0. 5m、深さ 0. 6m、長さ 27. 6m)の、流入部分から 2. 4mの地点から水路 終了部までの長さ 25. 2mに渡り充填し、水質浄ィ匕体の隙間にヨシを植生させた系( 実施例 21)、ならびに上記実施例 2の水質浄化体の代わりに、これとほぼ等寸法の 河川礫( Φ 50〜60mm、利根川で採取)を上記と同様の人工水路に充填し、ヨシを 植生させた系(比較例 5)を準備した。表 8に各人工水路における各種条件をまとめて 示した。
[0127] [表 8]
※充填率 = (充填水質浄化体平均体積 X充填水質浄化体個数ノ水路有効容積) X I 0 0
[0128] ついで、上記各人工水路に表 9に示す成分を有する人工汚濁水と水道水(以下、 これらを流入基質と 、う)をそれぞれ 5mLZminおよび lOLZminの流入速度で約 5 0日間連続的に流入させた。流入開始時期は、 2003年 9月 5日であり、これは水質 浄ィ匕体の充填とヨシの植栽を完了した 2003年 8月 4日の 1ヶ月後である。その後、流 入開始から数日おきに水質浄化体充填部入口と出口でサンプリングを行!、、その T
— N、 NH— N、 NOx— N、 T— P、 PO—P濃度を測定した。なお、 T— N、 T— P濃
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度以外の測定は 0. 45 mフィルターでろ過した後に測定した。また、この条件では 実施例 21の系における流入基質の滞留時間は 6時間であり、比較例 5の系における 流入基質の滞留時間は 3時間であった。図 11には、サンプリング時の気温と実施例 21の系の流入部における水温のデータを示す。
[0129] [表 9]
[0130] 図 12および 13に窒素およびリン濃度の各系における経時変化を示した。測定開始 直後には、実施例 21の系においては NOxの生成は見られなかった力 比較例 5の 系では NOxの生成が認められた。これは元々礫に付着していた土壌などに硝化細 菌が存在し、さらにヨシの根圏が微生物の棲家となることで実施例 21の系よりも早く 系が安定したためと考えられる。また、実施例 21の系に関しては、実験開始後 29日 後に流入 NOx濃度を流出 NOx濃度が上回り、この時期から硝化細菌のはたらきが 活発になったことが認められ、ヨシの根圏が微生物の棲家として機能することが示唆 された。一方、各系のリンの経時変化を見てみると、評価期間を通して、どの系でも除 去が行われていることが分かる。一般に接触酸化法式でのリン除去率は低ぐ数%程 度の例が多いが、植生浄ィ匕と接触酸ィ匕を組み合わせた方式では、 70— 80%と高い 除去率を示すことも多ぐ本評価でもヨシカ Sリンを栄養塩として取り込んだものと考えら れる。
[0131] 評価期間中における各系の T N、NH— Nおよび T Pの平均除去率を図 14に
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示す。実施例 21の系の T N、 NH Nおよび T Pの平均除去率は、比較例 5の
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系のそれをすベて上回っていることがわかる。詳細には、特に T—Nおよび NH -N
平均除去率に関しては 2倍以上、 T P平均除去率に関しては 1. 3倍の開きがあつ た。したがって、実施例 21の系に充填された水質浄ィ匕体は、従来と比較して優れた 水質浄化機能を有することが実証された。
[0132] (ヨシの成長データ)
上記水質浄化機能評価終了後も流入基質を流入させ続け、 2003年 12月 10日に 各系の水質浄ィ匕体または礫に植生しているヨシを刈り取り、各系のヨシの総本数、総 重量、含有窒素、含有リンを測定し、ヨシの成長量の比較検討を行った。表 10に結 果を示す。また、図 15にヨシ刈り取り時の流下方向の重量分布を示す。
[0133] [表 10]
[0134] 評価期間中においても目視で実施例 21の系のヨシの成長が著しいことが確認出来 たが、表 8からは、実施例 21の系のヨシが比較例 5の系のヨシに比べて生育が良いこ とが明らかであり、実施例 21の系に充填された水質浄ィ匕体サンプルが優れた水質浄 ィ匕機能を有することが実証された。また、図 15からは、比較例 5の系に生育したヨシ が各地点にお 、て平均的に重量が増加して 、るのに比べ、実施例 21の系に生育し たヨシは、水路下流よりも水路上流〜中流域にぉ 、て大きく重量が増加して 、ること がわかる。これは上流力 基質を投入するため、アンモニア吸着量が上流〜中流域 において卓越し、微生物による硝化、植物への吸収が活発に行われた結果であると 考えられる。なお、上記水質浄化機能評価期間はわずか 2ヶ月間であり、さらに長期 の評価を継続すれば、時間の経過と共に上下流の差は解消され、系全体として水質 浄化機能が高まるものと考えられる。
[0135] (生物再生評価)
ここでは、実施例 2および実施例 7の水質浄ィ匕体サンプルのアンモニア脱着促進効 果,すなわち生物再生に関する評価を行った。
[0136] 濃度 10mg-NH4+/Lの水溶液 1L中に、実施例 2および実施例 7のサンプルをそ れぞれ 200g投入して 48時間攪拌し、ついでこれを純水洗浄、 60°Cで 42時間乾燥 することで、それぞれのサンプルにアンモニアを飽和させた。つぎに、それぞれのァ ンモユア飽和サンプル 40gを希釈水と汚泥(MLSS 1000mg/L)を混合したもの 4 80mL中に浸漬し、 20°C、 120rpmで振とうし (振とう器:(株)東京理化器械製 MMS 300)、それぞれの NH— N、 NO N、 NO N濃度の経時変化を測定した。結
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果を図 16に示す。なお、希釈水には埼玉県環境科学国際センター生態園内人工水 路の流入水を 0. 2 mフィルターでろ過したものを使用し、汚泥は埼玉県騎西町内 の上種足地区農業集落排水処理場の曝気槽のものを純水で遠心分離洗浄したもの を使用した。
[0137] 図 16に示すように、実施例 2および 7のサンプルは、微生物の働きと飽和ゼォライト 成形体からの NH +供給の下、 NO—の生成が認められ、硝化による NH +の脱着反
4 3 4 応の促進およびその除去、すなわち生物再生が行われていることがわかる。したがつ て、本発明の水質浄化体は、担体の交換'処理などのメンテナンスを半永久的に必 要としな 、ものであることがわかる。
[0138] 前述したところが、この発明の好ましい実施態様であること、多くの変更及び修正を この発明の精神と範囲とにそむくことなく実行できることは当業者によって了承されよ
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