明 細 書
微細構造の製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、微細構造の製造方法に関する。また、ナノ流路キヤビラリ一またはナノ 傾斜流路キヤビラリ一、およびこれらを用いる物質の分離方法に関する。
背景技術
[0002] タンパク質などの生体分子の分離方法としてこれまで各種の分離手法が試みられ ている。これら生体分子の分離では、場合により数ナノメートル〜数十ナノメートルと いう極めて微小な大きさの物質を分離することが必要となるため、微小物質を分離で きる構造体、さらにはそのような構造体の製造方法の提供が必要である。
[0003] たとえば、リソグラフィ一は、半導体集積回路などを作製するための 2次元加工技術 として半導体を作製する技術として知られて ヽる。電子線を用いた描画システムなど のリソグラフィー技術は、数十ナノメートル力 数ナノメートルまでパターンを微細化す ることが可能である(非特許文献 1)。しかし、 3次元構造物を加工する場合、従来の 方法では加工速度や解像度が不足して 、たため、複雑な 3次元構造物を作製するこ とは困難であった。
[0004] 複雑な 3次元構造を作製するため、マイクロ電気機械システム (MEMS)技術も知ら れている。この技術によりパターン形成のために光や X線が用いられている力 回折 限界等により解像度が低くなり、その最小構造寸法は 1ミクロン程度であることが知ら れている。
[0005] また、 3次元の微細構造を作製する荷電粒子ビームによる材料堆積技術も知られて いるが、材料を堆積させるために構造物の作製に時間が力かるという問題がある。
[0006] このため、微細な物質の分離等のため、微細構造物の有効な製造方法の提供が 求められていた。
[0007] 一方、微細粒子がタンパク質などの生体分子の場合、生体分子の機能を保持した まま活性等を測定あるいは分子を分離する手段が必要である。
たとえば、 DNAアレイは研究手法として期待され既に確立された技術になりつつあ
り、医療診断への応用が期待されている。これに対してタンパク質やペプチドはより 直接的で的確な生体内情報をもたらすと考えられているものの、 DNAにくらべて構 造が複雑なため、官能基を用いる固定化法 (化学結合)、ゲルへの包括固定などは 活性を失 、やす 、ことが知られて 、る (非特許文献 2)。
このためタンパク質やペプチドのアレイ化(チップ化)はこれまで十分な成功を収め て 、な 、。このようにペプチドや酵素と!/、つた生体分子をその機能を保持したまま固 定ィ匕させるマトリックス材料の開発が望まれて 、る。
またたとえば、タンパク質の構造変化やタンパク質—タンパク質相互作用などの変 化をリアルタイムで測定するために、 FRET法を応用した蛍光検出が行われている(非 特許文献 3、 4)。 FRETはタンパク質の動態を生きた細胞内でリアルタイムに見ること ができるとされている力 ドナーとァクセプターの距離や向きにより検知できないことが 問題である。
[0008] 非特許文献 1 :週間ナノテクウィークリー (産業タイムズ社) 創刊準備 2号 (6月 16日号 )
非特許文献 2 nalytical Sciences 2001, 17, pages269- 272
非特許文献 3 : Developmental Cell, Volume 4, Issue 3 , pages. 295-305
非特許文献 4 : Cytometry Part A Volume 55A, Issue 2, 2003. pages 71-85 発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0009] 本発明は、数ナノレベルの大きさの微小構造を有する構造物の製造方法を提供す ることを課題とする。さらに、このような微小構造を有する構造物であって、たとえば生 体分子の機能を失活させることなぐ該生体分子を測定あるいは分離できる構造物の 製造方法を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段
[0010] 本件発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究し、パターユングしたプラズマ重 合膜 (a)を有する基板表面に、これと異なるプラズマ重合膜 (b)を被覆し、エッチング 速度の違いによりプラズマ重合膜 (a)を除去することにより、高速かつ簡便に、ナノレ ベルの流路を有する 3次元構造物を製造することができることを見出した。また、ブラ
ズマ重合膜 (a)の形成を特定の方法により実施することによって、ナノレベルの傾斜 流路を有する 3次元構造物を形成することができることを見出し本件発明を完成する に至った。
すなわち本件発明は、以下を含む。
〔1〕(1)基板上に、プラズマ重合膜 (a)をパターユングする工程 (工程 1)、
(2)前記プラズマ重合膜 (a)をパターユングした側の基板表面に、プラズマ重合膜 (b )を形成する工程 (工程 2)、および
(3)工程 2の後、プラズマ重合膜 (a)のエッチング速度が、前記プラズマ重合膜 (b)の エッチング速度よりも大きな値を示すエッチング媒体を用いて、前記基板をエツチン グ処理し、プラズマ重合膜 (a)を除去する工程 (工程 3)
を含むことを特徴とする微小構造の製造方法。
〔2〕前記工程 3のエッチング処理における前記プラズマ重合膜 (a)のエッチング速度 力 前記プラズマ重合膜 (b)のエッチング速度の 2倍以上であることを特徴とする〔1〕 に記載の方法。
〔3〕前記工程 1が、前記基板表面または基板に積層された最外層の表面にプラズマ 重合膜 (c)が被覆され、該プラズマ重合膜 (c)上にプラズマ重合膜 (a)をパターニン グする工程であり、
前記工程 3のエッチング処理における前記プラズマ重合膜 (a)のエッチング速度が 、前記プラズマ重合膜 (c)のエッチング速度より大き!/ヽことを特徴とする〔1〕または〔2 〕に記載の方法。
〔4〕前記工程 2において、プラズマ重合膜 (b)の形成前に、プラズマ重合膜 (a)のパ ターニングの一部がプラズマ重合膜 (b)で被覆されないように該パター-ングの一部 をマスキングして、前記基板表面にプラズマ重合膜 (b)を形成させることを特徴とする 〔1〕〜〔3〕の 、ずれかに記載の方法。
〔5〕前記工程 1にお 、て、プラズマが発生して 、る中心部位力 基板に向けての最 短距離方向に対して、前記基板を垂直に配置して、プラズマ重合膜 (a)を形成するこ とを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の方法。
〔6〕前記工程 1にお 、て、プラズマが発生して 、る中心部位力 基板に向けての最
短距離方向と該基板表面との間の角度が、前記最短方向に対して 0度以上 90度未 満になるように前記基板を配置して、傾斜を有するプラズマ重合膜 (a)を形成するこ とを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の方法。
〔7〕前記角度が 0度〜 60度であることを特徴とする〔6〕に記載の方法。
〔8〕前記角度が 0度であることを特徴とする〔6〕または〔7〕に記載の方法。
〔9〕基板表面上にプラズマ重合膜 (b)が被覆され、該プラズマ重合膜 (b)と基板とで 囲まれる少なくとも一つの流路を有するキヤビラリ一であって、
(0該プラズマ重合膜 (b)層中に流路となる空洞が存在し、
GO前記基板表面からの流路の平均高さが 0. l〜500nmであることを特徴とするナ ノ流路キヤビラリ一。
〔10〕基板表面または基板に積層された最外層の表面上にプラズマ重合膜 (c)が被 覆され、さらに、該プラズマ重合膜 (c)表面にプラズマ重合膜 (b)が被覆され、該プラ ズマ重合膜 (b)とプラズマ重合膜 (c)とで囲まれる少なくとも一つの流路を有するキヤ ピラリーであって、
(0該プラズマ重合膜 (b)層中に前記流路となる空洞が存在し、
GO前記プラズマ重合膜 (c)表面からの流路の平均高さが 0. l〜500nmであること を特徴とするナノ流路キヤビラリ一。
〔11〕基板表面上にプラズマ重合膜 (b)が被覆され、該プラズマ重合膜 (b)と基板と で囲まれる少なくとも一つの流路を有するキヤビラリ一であって、
(0該プラズマ重合膜 (b)層中に流路となる空洞が存在し、
GO流路の一方の開口部 (入口)の平均高さが、他方の開口部(出口)の平均高さよ り大きぐ前記入口力 出口に向けて、流路が傾斜状に変化していることを特徴とす るナノ傾斜流路キヤビラリ一。
〔12〕基板表面または基板に積層された最外層の表面上にプラズマ重合膜 (c)が被 覆され、さらに、該プラズマ重合膜 (c)表面にプラズマ重合膜 (b)が被覆され、該プラ ズマ重合膜 (b)とプラズマ重合膜 (c)とで囲まれる少なくとも一つの流路を有するキヤ ピラリーであって、
(0該プラズマ重合膜 (b)層中に前記流路となる空洞が存在し、
GO流路の一方の開口部 (入口)の平均高さが、他方の開口部(出口)の平均高さよ り大きぐ前記入口力 出口に向けて、流路が傾斜状に変化していることを特徴とす るナノ傾斜流路キヤビラリ一。
〔13〕入口の流路の最小幅が 500nm以下であり、出口の流路の最小幅が 0. Inm以 上であることを特徴とする〔11〕または〔12〕に記載のナノ傾斜流路キヤビラリ一。 〔14〕前記〔9〕または〔10〕に記載のナノ流路キヤピラリーを用いる物質の分離方法。 〔 15〕前記〔 11〕〜〔 13〕の 、ずれかに記載のナノ傾斜流路キヤピラリーを用 V、る物質 の分離方法。
図面の簡単な説明
[図 1]図 1は、本発明に係る微小構造の製造方法の一例を示す図である。
[図 2]図 2は、本発明に係る傾斜流路を有する微小構造の製造方法の一例を示す図 である。
[図 3]図 3は、プラズマ重合膜の形成方法の一例を示す模式図である。
[図 4-1]図 4 1は、プラズマ重合膜の形成方法の一例を示す模式図である。
[図 4-2]図 4— 2は図 4—1中の A—A'断面を示す模式図である。
[図 5]図 5は、ナノ傾斜流路キヤピラリーを用いる物質の分離方法の一例を示す模式 図である。
[図 6]図 6は、プラズマ重合装置の構成の一例を示す模式図である。
[図 7]図 7は、共焦点レーザースキャナーを用いて蛍光測定を行った写真である。図 7
— 1は基板表面のパターンを示した(Gain95%)の場合の写真であり、図 7— 2は基 板表面の蛍光物質の存在位置 (Gain50%)の場合である。
[図 8]図 8は、フォトマスクの一例を示す写真である。
[図 9-1]図 9 1は、プラズマ重合膜を製膜する場合の装置中の試料ステージの高さ と膜厚との関係を示す。
[図 9-2]図 9— 2はモノマーとして HMDSを用いた場合の試料ステージの位置と膜厚 との関係の例を示すグラフである。
[図 10-1]図 10— 1は、プラズマ重合膜を製膜する場合の装置中の試料ステージの高 さと膜厚との関係を示す。
[図 10- 2]図 10— 2はモノマーとしてァセトニトリルを用いた場合の試料ステージの位 置と膜厚との関係の例を示すグラフである。
符号の説明
[0013] 1 基板
2 フォトレジスト膜
3 フォトマスク
4 紫外線
5 フォトレジストノ タン
6 プラズマ重合膜 (a)
7 プラズマ重合膜 (a)のパタン
8 マスキングテープまたはマスク
9 プラズマ重合膜 (b)
10 流路
11 プラズマ重合膜 (a)
12 プラズマ重合膜 (a)のパタン
13 プラズマ重合膜 (b)
14 流路
15 プラズマ発生装置
発明を実施するための最良の形態
[0014] く微小構造の製造方法〉
本発明に係る微小構造の製造方法は、
(1)基板上に、プラズマ重合膜 (a)をパターユングする工程 (工程 1)、
(2)前記プラズマ重合膜 (a)をパターユングした側の基板表面に、プラズマ重合膜 (a )と異なるプラズマ重合膜 (b)を形成する工程 (工程 2)、および
(3)工程 2の後、プラズマ重合膜 (a)のエッチング速度が、前記プラズマ重合膜 (b)の エッチング速度よりも大きな値を示すエッチング媒体を用いて、前記基板をエツチン グ処理し、プラズマ重合膜 (a)を除去する工程 (工程 3)
を含むことを特徴として 、る。
[0015] 以下詳説する。
[0016] (パターニング法)
工程 1における基板上へのプラズマ重合膜 (a)のパターユング方法に特に限定は ないが、たとえば、フォトリソグラフィ一法が挙げられる。
[0017] 「フォトリソグラフィ一法」は、フォトレジストの薄膜をコーティングした基板を、マスク( 通常「フォトマスク」という。)を通して光で露光し、マスクの形状に応じたパタンを、基 板上に形成する方法である。
光としては、通常、紫外光 (UV)などを用いる。(フォトリソグラフィ一法として、たとえ ば「Richardし. Jaeger、 Introduction to Microelectronic Fabrication Volume V (Second Edition) (出版社: Prentice Hall Upper Saddle River, New Jersey ^ ISBN 0-201-44494-1」記載の方法が挙げられる。;)。また、光の代わりに、電子線を用いる 電子線描画法、 X線などによる露光方法も採用できる。
[0018] フォトリソグラフィ一法を用いてプラズマ重合膜をパターユングする方法としては、た とえば下記の方法が挙げられる。
まずフォトレジストの薄膜を基板表面にコーティングし、マスク(通常「フォトマスク」と いう。)を通して光等で露光し、基板表面に所望の前記フォトレジストパタンを形成す る。ついで、該フォトレジストパタンを有する側の基板表面の、該フォトレジストパタン によって覆われていない部分にプラズマ重合膜 (a)を形成する。次に該フォトレジスト ノ タンをリストオフ(除去)することにより、前記フォトマスクに対応した、凸状のプラス、 マ重合膜 (a)をパターユングすることができる。
[0019] フォトリソグラフィ一法は紫外線等の光を照射することによりフォトマスクのパターン を基板に転写したが、電子線描画は電子線を照射することによりパターンを描く。電 子線描画法によればフォトリソグラフィーを用いる手法と比較してより微小なパターン を描くことができる。
[0020] (基板)
本発明で用いることのできる基板を構成する素材は特に限定されず、少なくとも、基 板表面がプラズマ重合によって変質せず、一定の物理強度を有し、電気泳動等に用 V、たときに一定の耐熱性を有して 、ればよ!/、。
[0021] このような基板としては具体的には、たとえば、ガラスやプラスチックなどが挙げられ る。
[0022] プラスチックとしては、たとえば、 PMMA (Poly methyl methacrylate)や、シリコーン 榭脂(PDMS: polydimethylsiloxane)などが挙げられる。
[0023] 基板の形状は、板状の平面基板が好ましい。基板の厚さは限定されないが、たとえ ば、好ましくは 0. l〜20mm程度の範囲である。
[0024] (プラズマ重合膜 (a) )
工程 1で基板上にパターユングするプラズマ重合膜 (a)は、基板の存在下、モノマ 一をプラズマ重合して形成する。
具体的には、真空中でモノマー物質をプラズマ励起によって直接支持体表面に成 膜を行う。モノマー物質の成分を換えることによって、さまざまな特徴を持つプラズマ 重合膜を得ることができる。プラズマ重合では原理的にはどのようなモノマーを用い ても、重合が可能である。通常のポリマーを得るためには二重結合の開裂が必要とな るのに対して、プラズマ中ではモノマー物質がばらばらになり多くの活性種を介した 重合反応が起きるためである。
[0025] 本発明におけるプラズマ重合膜 (a)のためのモノマー物質は、基板表面へのパタン 形成が可能で、何らかのエッチングガスによりエッチングが可能であればよぐ限定さ れない。
[0026] プラズマ重合膜 (a)を与えうるモノマー物質としては、たとえば、下記の化合物が挙 げられる。これらのモノマー物質は、 1種単独で、または複数を混合して用いることが できる。
[0027] アルカン、またはシクロアルカンとして、次の化合物を示すことができる。
メタン、ェタン、プロノ ン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ネ才ペンタン 、へキサン、イソへキサン、 3—メチルペンタン、 2,2 ジメチルブタン、 2,3 ジメチル ブタン、ヘプタン、 2,2,3 トリメチルブタン、オクタン、ノナン、デカン、メタン dl、メタ ン d2、メタン d3、メタン d4、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロ へキサン、メチルシクロへキサン、シクロオクタン、 cis デカリン、および trans デカリ ン。
[0028] アルケン、アルキン、ある!/ヽはシクロアルケンとしては、次の化合物を示すことができ る。
エチレン、プロピレン、 1—ブテン、(Z)—2—ブテン、(E)—2—ブテン、 2—メチル プロペン、 1 ペンテン、 2—メチルー 1ーブテン、 3—メチルー 1ーブテン、 2 メチル —2 ブテン、 1—へキセン、(E)— 2 へキセン、(E)— 3 へキセン、 3—メチル 1 —ペンテン、 2,3 ジメチルー 2 ブテン、 1—ヘプテン、 1—オタテン、(E)— 2—オタ テン、 1—デセン、 1,3 ブタジエン、(Z)— 1,3 ペンタジェン、(E)— 1,3 ペンタジ ェン、イソプレン、 2,3 ジメチルー 1,3 ブタジエン、へキサジェン、アセチレン、プロ ピン、 1—ブチン、 2 ブチン、 1—ペンチン、 3—メチル 1—ブチン、ビニルァセチレ ン、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロへキセン、シクロヘプテン、 シクロペンタジェン、 1,3 シクロへブタジエン、およびシクロォクタテトラエン。
[0029] アルコール、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、あるいはエステルとしては次の化合物 を示すことができる。
メタノール、エタノール、 1 プロパノール、 2 プロパノール、 1ーブタノール、 2 ブ タノール、 2—メチルー 1 プロパノール、 2—メチルー 2 プロパノール、ァリルアルコ ール、 1,3 ブタンジオール、 2,3 ブタンジオール、 2, 3 エポキシ 1 プロパノ ール、ホルムアルデヒド、ァセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、 バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、アクリルアルデヒド、クロトンアルデヒド、グリ ォキサール、アセトン、 2 ブタノン、 2 ペンタノン、 3—メチルー 2 ブタノン、 3 ぺ ンタノン、 2 へキサノン、 4—メチル 2 ペンタノン、 2 ヘプタノン、シクロブタノン、 シクロペンタノン、シクロへキサノン、シクロへプタノン、シクロォクタノン、 4ーメチルー 3 ペンテンー2 オン、 2,3 ブタンジオン、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪 酸、アクリル酸、ギ酸メチル、ギ酸ェチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチ ル、酢酸メチル、酢酸ェチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸ィ ソブチル、酢酸 s ブチル、プロピオン酸メチル、酪酸メチル、酢酸ビュル、および酢 酸ァリル。
[0030] エーテル、ァミン、あるいはその他のモノマー物質として利用可能な化合物を以下 に示す。
ジメチルエーテル、ジェチノレエーテノレ、ジプロピルエーテル、ジイソプロピノレエーテ ル、ジブチルエーテル、エチレンォキシド、 1,3 ジォキソラン、 1,3 ジォキサン、 1,4 ジォキサン、メチルビニルエーテル、メチルァミン、ェチルァミン、プロピルァミン、 イソプロピルァミン、ブチルァミン、イソブチルァミン、 s ブチルァミン、 t ブチルアミ ン、ペンチルァミン、へキシルァミン、ジメチルァミン、トリメチルァミン、ジェチルァミン 、トリエチノレアミン、ジプロピルァミン、ジイソプロピルァミン、トリプロピノレアミン、ジブチ ルァミン、ァリルァミン、ホルムアミド、ァセトアミド、 N メチルァセトアミド、 N, N ジ メチルホルムアミド、 N, N ジメチルァセトアミド、メタンチオール、エタンチオール、 硫化ジメチル、硫化ジェチル、硫ィ匕ジプロピル、二硫化ジメチル、ニ硫ィ匕ジェチル、 メタンジチオール、 1,2 エタンジチオール、ニトロメタン、ニトロェタン、 1一二トロプロ パン、 2 ニトロプロノ ン、 1一二トロブタン、 2 二トロブタン、ァセトニトリノレ、プロピオ 二トリル、アクリロニトリル、アミノアセトアルデヒドジメチルァセタール、へキサメチルジ シロキサンなどが挙げられる。
また、次のようなハロゲンィ匕物をモノマー物質に利用することができる。
フルォロメタン、ジフルォロメタン、フルォロホルム、テトラフルォロメタン(四フッ化炭 素)、フッ化ビュル、 1,1ージフルォロエチレン、(Z)— 1,2 ジフルォロエチレン、(E) 1,2 ジフルォロエチレン、トリフルォロエチレン、テトラフルォロエチレン、 1,1,4,4 ーテトラフルォロブタジエン、ペルフルォロブタジエン、 2—フルォロエタノール、トリフ ルォロ酢酸、 1,1,1 トリフルオロー 2 プロパノン、ペルフルォロアセトン、クロロメタン 、ジクロロメタン、クロ口ホルム、テトラクロロメタン(四塩化炭素)、クロロェタン、 1,1 ジ クロ口エタン、 1,2 ジクロ口エタン、 1 クロ口プロノ ン、 2 クロ口プロノ ン、 1,2 ジク ロロプロノ ン、 1,3 ジクロ口プロノ ン、 1 クロロブタン、 2 クロロブタン、 1 クロロー 2—メチノレプロパン、 2 クロロー 2—メチノレプロパン、クロロシクロプロパン、 1,1ージク ロロシクロプロパン、塩化ビュル、 1,1—ジクロロエチレン、(Z)— 1,2 ジクロロェチレ ン、(E)— 1,2 ジクロ口エチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、 3 クロ口 プロペン、 1,3—ジクロ口プロペン、クロ口アセチレン、ジクロロアセチレン、 1 クロロプ 口ピン、 2—クロ口エタノール、クロロアセトアルデヒド、クロロアセトニトリル、ジクロロア セトニトリル、トリクロロアセトニトリル、ブロモメタン、ジブロモメタン、ブロモホルム、テト
ラブロモメタン(四臭化炭素)、ブロモェタン、 1,1 ジブロモェタン、 1,2 ジブロモェ タン、 1 ブロモプロノ ン、 2 ブロモプロノ ン、 1,3 ジブロモプロパン、 1ーブロモブ タン、 2 ブロモブタン、 1ーブロモー 2 メチルプロパン、 2 ブロモー 2 メチルプロ パン、 1,4—ジブロモブタン、 1—ブロモビシクロ [2.2.1]ヘプタン、 1—ブロモビシクロ [ 2.2.2]オクタン、臭化ビニル、 3 ブロモプロペン、 1,3 ジブロモプロペン、ブロモア セチレン、ジブロモアセチレン、 1 ブロモプロピン、 2 ブロモエタノール、ョードメタ ン、ジョードメタン、ョードホルム、テトラョードメタン(四ヨウ化炭素)、ョードエタン、 1— ョードプロパン、 2 ョードプロパン、 1 ョードブタン、 2 ョードブタン、 1ーョードー 2 メチルプロパン、 2 ョードー 2 メチルプロパン、 1 ョードペンタン、 3 ョードプロ ペン、ョードアセチレン、ジョードアセチレン、 2 ョードエタノール、 1ーブロモー 2 ク ロロェタン、 1,1,1 トリフルオロー 2 ョードエタン、 2 クロロー 1,1ージフルォロェチ レン、 1 クロロー 1,2, 2 トリフルォロエチレン、 1, 1ージクロロー 2,2 ジフルォロェチ レン、 1—ブロモ 2 クロ口アセチレン、 1—クロ口一 2 ョードアセチレン、および 1— ブロモ 2 ョードアセチレン。
[0032] 更に、以下のような芳香族炭化水素がモノマー物質として利用できる。
ベンゼン、トルエン、ェチルベンゼン、プロピルベンゼン、タメン、ブチルベンゼン、 s ーブチノレベンゼン、 tーブチノレベンゼン、 0—キシレン、 m キシレン、 p キシレン、 0 ージェチルベンゼン、 m—ジェチルベンゼン、 p ジェチルベンゼン、メシチレン、 1,2,4,5—テトラメチルベンゼン、スチレン、フエニルアセチレン、 (E) 1—プロぺニル ベンゼン、 (E)—1—フエ-ルブタジエン、 2 フエ-ルブタジエン、ビフエ-ル、ナフ タレン、 1ーメチルナフタレン、 2—メチルナフタレン、アントラセン、フエナントレン、ピ レン、ナフタセン、タリセン、およびペンタセン。
[0033] カロえて、次のベンゼン誘導体等も本発明のモノマー物質に有用である。
フエノール、ベンズアンデヒド、ァセトフエノン、ァ-ソール、ベンジルメチルエーテル 、ァニリン、ベンジルァミン、チォフエノール、ベンゾニトリル、フルォロベンゼン、クロ口 ベンゼン、ブロモベンゼン、ョードベンゼン、 0—ジクロ口ベンゼン、 m ジクロ口べンゼ ン、 p ジクロ口ベンゼン、 0—ジブロモベンゼン、 m—ジブロモベンゼン、 p—ジブロモ ベンゼン、トリフルォロベンゼン、へキサフルォロベンゼン、 0—フルォロトルエン、 m—
フノレ才ロトノレェン、 p フノレ才ロトノレェン、。一クロロトノレェン、 p クロロトノレェン、 0—ブ 口モトノレェン、 p ブロモトノレェン、 0—ョードトノレェン、 m ョードトノレェン、 p ョードト ノレェン、 p クロロフノレォロベンゼン、および 0—クロロヨードベンゼン。
[0034] また、次のような複素環式ィ匕合物がモノマー物質として利用できる。
ピリジン、 2 メチルピリジン、 3 メチルピリジン、 4 メチルピリジン、 2, 6 ジメチル ピリジン、 2,5 ジメチルビリジン、 2,4 ジメチルビリジン、ピリダジン、ピリミジン、ビラ ジン、 1,3,5 トリァジン、ピリジン N—ォキシド、 2—メチルピリジン N—ォキシド、 3—メ チルピリジン N—ォキシド、 4 メチルピリジン N—ォキシド、 2, 6 ジメチルビリジン N ーォキシド、フラン、メチルフラン、テトラヒドロフラン、ピロール、ピロリジン、チォフェン 、および 2—クロロチォフェン。
[0035] その他、トロポンゃトロボロンのようなトロポノイド化合物、またテトラメチルシラン、テ トラメチルスズ、テトラメチル鉛に代表される有機金属化合物をモノマー物質に用いる ことちでさる。
[0036] これらのうち、プラズマ重合膜 (a)を誘導するモノマーとしては、前記工程 3における 前記プラズマ重合膜 (a)のエッチング速度が、前記プラズマ重合膜 (b)のエッチング 速度より大きくなるものを選択する。また、プラズマ重合膜 (c)を基板表面または基板 に積層された最外層の表面にコーティングする場合は、前記工程 3における前記プ ラズマ重合膜(a)のエッチングレートが前記プラズマ重合膜(c)のエッチングレートよ り大きくなるものを選択する。
[0037] (プラズマ重合膜の形成方法)
前記モノマー物質によってプラズマ重合膜を成膜する方法は公知である。具体的 には、プラズマ重合反応の再現性に影響を与える主な要因として、たとえば流速、放 電電力、放電時間、そして圧力といった条件が重要であるとされている。プラズマ重 合においては、装置やモノマーに合わせて最適な重合条件を設定する必要がある。 W/FM (ここで Wは放電電力、 Fは流速、 Mはモノマーの分子量)が同じであれば、膜 貧はほぼ、 | じであるとす 報告 (Yasuda, Plasma Polymerization, Academic Press, New York, 1985)がある。
[0038] 利用するモノマー物質や、最終的に必要なプラズマ重合膜の膜厚等を考慮して、
これらの条件を適宜調整することができる。また文献的にも各種のパラメーターがブラ ズマ重合膜の性質に及ぼす影響は明らかにされている (Surface and Coatings Technology 82:1-15,1996, Polymer Engineering and Science 37/7:1188-1194,1997)
[0039] たとえば、へキサメチルジシロキサンでプラズマ重合膜を作製または製膜するには 、たとえば次のような範囲のもとで最適な条件を選択することにより、 0〜500nmのプ ラズマ重合膜を形成することができる。
[0040] 流速:好ましくは 0. 1〜: L00cm3/min.、さらに好ましくは 0. l〜50cm3/min.
放電電力:好ましくは 15〜500W、さらに好ましくは 100〜200W
圧力:好ましくは 1. 0 X 10_7Torr〜l. 0 X 10"3 Torr、さらに好ましくは 1. 0 X 10" 'Torr〜5. 0 X 10 forr
放電時間:好ましくは 0. 1〜120分、さらに好ましくは 0. 5〜60分
温度:好ましくは 0〜100°C、さらに好ましくは 4〜37°C
[0041] このようにして得られるプラズマ重合膜は、極めて均質な膜であり、ピンホールの発 生が著しく抑制されている。
またプラズマ重合によれば、プラズマ重合膜を任意の形状の基板表面に形成させ ることがでさる。
[0042] 本発明では、プラズマ重合膜 (a)の形成において、基板表面へプラズマを照射する 角度を変化させることにより、平面層あるいは傾斜層を有するプラズマ重合膜 (a)を 形成させることができる。
すなわち、前記工程 1において、プラズマが発生している中心部位力も基板に向け ての最短距離方向と該基板表面との間の角度が、前記最短方向に対して 0度以上 9 0度以下になるように前記基板を配置して、プラズマ重合膜 (a)を形成することができ る。
[0043] 本発明では、プラズマ重合膜 (a)は工程 3にお 、てエッチング除去され、キヤビラリ 一の流路となるため、一定の高さまたは傾斜を有する流路を形成することができる。
[0044] 以下(1)基板が 90度に配置されている場合、(2)前記角度が 0度に配置されてい る場合について、プラズマ重合方法をそれぞれ説明する。
[0045] (1)平面状のプラズマ重合膜 (a)の形成方法
たとえば、前記工程 1における凸状のプラズマ重合膜 (a)の形成において、プラズ マが発生している中心部位力 基板に向けての最短距離方向に対して、前記基板を 垂直に配置 (前記角度が 90度に配置)すると、平面層からなるプラズマ重合膜 (a)の 層を形成することができる。
このようなプラズマ重合膜は、極めて均一である。
[0046] このようなプラズマ重合膜 (a)の膜厚は、適宜調整でき、たとえば、好ましくは 0. In m〜500nm、さらに好ましくは lnm〜100nm、より好ましくは lnm〜50nmの範囲 に調整することができる。
このようなプラズマ重合膜 (a)は、工程 3においてエッチング除去され、流路を形成 するので、プラズマ重合膜 (a)の膜厚に依存したナノオーダーの超微細な流路であ つて、均一な高さを有する流路が少なくとも 1以上存在するキヤピラリーを任意に形成 することができる。
[0047] (2)傾斜状のプラズマ重合膜 (a)の形成方法
前記工程 1にお 、て、プラズマが発生して 、る中心部位力 基板に向けての最短 距離方向と該基板表面との間の角度が、前記最短方向に対して 0度以上 90度未満 になるように前記基板を配置して、プラズマを照射すると、傾斜を有するプラズマ重合 膜 (a)を形成することができる。
このような傾斜は、たとえば、前記角度が好ましくは 0度〜 60度、さらに好ましくは 0 度〜 30度、より好ましくは 0度である。基板を最短方向に対して平行 (角度が 0度)に 近いほど、効率的に傾斜を形成することができる。
[0048] すなわち、この様な方法を採ると、プラズマ重合装置に近い位置では、膜厚の厚い プラズマ重合層が形成され、プラズマ重合装置からの距離が離れるに従い形成され るプラズマ重合膜の膜厚が連続的に減少する。結果として、プラズマ重合膜 (a)は、 プラズマ重合装置に最も近い基板端部から傾斜的かつ連続的に膜厚が減少するよう に形成される。
[0049] このような傾斜的で連続的なプラズマ重合膜 (a)は、極めて均質であり、また、ブラ ズマ重合装置との距離、基板の大きさ、プラズマ重合条件を適宜設定することにより
、任意の膜厚、任意の傾斜角を有するプラズマ重合膜 (a)を、ナノオーダーレベルで 適宜調整できる。
[0050] プラズマ重合膜 (a)の膜厚は、適宜調整でき、たとえば、膜厚の最も大きい端部は 、好ましくは 500nm以下、さらに好ましくは lOOnm以下、より好ましくは 50nm以下で あり、膜厚の最も薄い端部は、好ましくは 0. lnm以上、さらに好ましくは lnm以上で あるように調整できる。
[0051] このような膜厚に調整することにより、流路の幅が連続的に変化したナノ傾斜流路 キヤピラリーを製造することができる。
すなわち、形成された該プラズマ重合膜 (a)を工程 3にお ヽてエッチング除去する ことにより、
(0該プラズマ重合膜 (b)層中に流路となる空洞が存在し、
GO流路の一方の開口部 (入口)の平均高さが、他方の開口部(出口)の平均高さよ り大きぐ前記入口力 出口に向けて、流路が傾斜状に変化しているキヤピラリーを任 意に製造することができる。
[0052] 以下、プラズマ重合膜 (b)、 (c)は、前記プラズマ重合膜 (a)とは、用いるモノマー 物質の種類が異なるが、上記(1)平面状のプラズマ重合膜の製造方法と同様の方法 により形成させることができる。
[0053] (プラズマ重合膜 (b) )
プラズマ重合膜 (b)は、前記基板の前記パターユングした側の表面に形成する膜 であり、プラズマ重合膜 (a)と異なるプラズマ重合膜である。
このようなプラズマ重合膜 (b)は、前記パターユングした側の表面に均一な膜厚で 形成させることが好ましい。
[0054] この場合、工程 3において、プラズマ重合膜 (a)をエッチングして選択的に除去する ため、プラズマ重合膜 (a)のエッチング速度力 プラズマ重合膜 (b)のエッチング速 度よりも大きくなるように設計する。エッチング速度は、プラズマ重合膜の種類と、エツ チングガスとの組み合わせにより決定される。
[0055] 工程 3において行うエッチング処理では、プラズマ重合膜 (a)のエッチング速度 (n mZ分)は、プラズマ重合膜 (b)のエッチング速度 (nmZ分)に対して、好ましくは 2
倍以上、さらに好ましくは 10倍以上、より好ましくは 100倍以上、特に好ましくは 100 0倍以上である。
[0056] プラズマ重合膜 (b)は、パターユング全体、または、パターユングの一部にコーティ ングすることができる。
[0057] このうち、パターユングの一部にコーティングすることが好ましい。
すなわち、プラズマ重合膜 (a)のパターユングの一部に、プラズマ重合膜 (b)をコー ティングする場合、プラズマ重合膜 (b)の形成前に、プラズマ重合膜 (a)のパター- ングの一部がプラズマ重合膜 (b)で被覆されないように該パターユングの一部をマス キングして、前記基板表面にプラズマ重合膜 (b)を形成させることが好ましい。
マスクで被覆するパターユングの場所としては、好ましくは、プラズマ重合膜 (a)の パター-ング端末が存在する基板端部側である。
[0058] マスキングの種類は限定されず、プラズマ重合形成条件下において安定に被覆で きるものであればよい。マスキングの大きさは、プラズマ重合膜 (a)のパターユング末 端の一部が少しでも露出すればよぐ特に限定されないが、たとえば、プラズマ重合 膜 (a)のパターユング末端の長さ力 1 μ m〜 lmm程度の範囲で被覆されることが好 ましい。
[0059] このようにマスキングしておくと、プラズマ重合膜 (a)の一部がプラズマ重合膜 (b)で 被覆されずに露出されるため、工程 3におけるプラズマ重合膜 (a)のエッチング除去 を、効率よく実施することができる。
[0060] プラズマ重合膜 (b)の膜厚は特に限定されないが、プラズマ重合膜 (b)により形成 される層中に、プラズマ重合膜 (a)をエッチング除去して得られる流路となる空洞が 存在できる膜厚であることが必要である。したがって、プラズマ重合膜 (a)の膜厚に依 存するが、たとえば、 10〜300nmの範囲に設定することができる。
[0061] (プラズマ重合膜 (c) )
本発明では、前記基板表面または基板に積層された最外層の表面には、プラズマ 重合膜 (a)をパターユングする側の表面に予め、プラズマ重合膜 (a)と異なるプラズ マ重合膜 (c)がコーティングされて 、てもよ 、。
基板に積層された層は、特に限定されず、単に基板表面には複数の他の化合物が
被覆されていてもよぐ基板に積層された最外層は、その層の最外層を意味する。
[0062] この場合、工程 3において、プラズマ重合膜 (a)をエッチングして選択的に除去する ため、プラズマ重合膜 (a)のエッチング速度が、プラズマ重合膜 (c)のエッチング速度 よりも大きくなるように設計する。エッチング速度は、プラズマ重合膜の種類と、エッチ ングガスとの組み合わせにより決定される。
[0063] 工程 3において行うエッチング処理では、プラズマ重合膜 (a)のエッチング速度 (n mZ分)は、プラズマ重合膜 (c)のエッチング速度 (nmZ分)に対して、好ましくは 2 倍以上、さらに好ましくは 10倍以上、より好ましくは 100倍以上、特に好ましくは 100 0倍以上である。
[0064] このようなプラズマ重合膜 (c)の膜厚は特に限定されないが、たとえば、 10〜200n mの範囲に設定することができる。
[0065] 基板表面または基板に積層された最外層の表面上にプラズマ重合膜 (c)が存在す ると、基板表面または基板に積層された最外層の表面を均一にすることができる。こ のため、流路がプラズマ重合膜 (b)と該プラズマ重合膜 (c)とで囲まれるため、本発 明の微小構造の製造方法により得られるキヤピラリーを用いる場合に、物質の計測精 度、分離精度を向上させることができる。特に、本発明では、ナノメートルオーダーの 流路、穴を形成するため、プラズマ重合膜 (c)を予めコーティングすることが好ましい 。基板として用いる材料は、通常表面を研磨して使用するが、たとえば、シリコン基板 は表面を研磨したものを使用するが、研磨しても平坦にすることは不可能で、通常入 手可能なシリコン基板は、基板の厚さに対して ± 10%程度の凹凸があることが知ら れている。
[0066] このようなプラズマ重合膜 (c)は、均一な膜厚を有して!/、ることが好ま 、。
[0067] (エッチング)
工程 3で実施するエッチングの方法は、特に限定されないが、たとえば、エッチング 媒体による方法が挙げられる。
[0068] エッチング媒体としては、たとえば酸素、窒素、水素、フッ素などが挙げられる。エツ チング媒体は、 1種単独でまたは複数を混合して用いることができる。
また、エッチング媒体は、 N、 O、 CO、 CO、 Ar、 F、 He、 Neなどの希釈ガスを
含有していてもよい。さら〖こ、プラズマ重合膜 (b)やプラズマ重合膜 (C)などのモノマ 一ガスを含有して 、る混合ガスであっても力まわな 、。
[0069] 前記プラズマ重合膜 (a)は、エッチング速度が、前記プラズマ重合膜 (b)、 (c)のェ ツチング速度より大きいことが必要である。
このようなエッチング速度は、通常、活性イオンエッチング (RIE)装置内に設置し、 酸素プラズマを発生させる前後の膜厚の差により決定することができる。エッチングレ ートは消失した薄膜を時間で割った値である。
エッチング媒体に対するプラズマ重合膜 (a)、 (b)、ある 、は(c)のエッチング速度 をそれぞれ測定、比較し、エッチング媒体と、プラズマ重合膜 (a)を形成するモノマー と、プラズマ重合膜 (b)、 (c)を形成するモノマーとの好ましい組み合わせを適宜に決 定することができる。
[0070] たとえば、エッチング媒体が Oの場合、プラズマ重合膜 (a)を形成するモノマーと、
2
プラズマ重合膜 (b)、 (C)を形成するモノマーとの好ましい組み合わせは、たとえば以 下のものが挙げられる。
プラズマ重合膜 (a):ァセトニトリル、エタノール、イソプロパノール、またはこれらの 混合物
プラズマ重合膜 (b)、(c): HMDS (へキサメチルジシロキサン)など
[0071] なお、前記プラズマ重合膜 (b)、 (c)は、互いに独立であり、同一であっても、異なつ ていてもよい。
[0072] プラズマ重合膜 (b)、 (c)は、プラズマ重合膜 (a)をエッチング除去または改質する ガスを透過する膜 (プラズマ重合膜の気体透過性を利用する)を選択することもできる たとえば、 HMDSは Oを透過させることができる。
2
[0073] エッチング媒体を用いる場合のエッチングは、たとえば、 RIE装置中で、エッチング 媒体のプラズマを発生させ、該プラズマにより、工程 2で製造した基板中のプラズマ 重合膜をエッチングする。プラズマ重合膜 (a)は、プラズマ重合膜 (b)、さらには ( と 比較してエッチングレートが大きいので、該エッチングレートの差を利用して、プラズ マ重合膜 (a)をより速く除去することができる。
[0074] 用いるエッチング媒体、プラズマ重合膜の種類にもよる力 たとえば、下記の条件で エッチングを実施できる。
エッチングガスの流速:好ましくは 5〜 100cm3/min.
放電電力: 100〜500W
圧力: 10_6〜: LO Torr
放電時間 10分〜 60分
温度: 10〜100°C
[0075] くナノ流路キヤビラリ一、ナノ傾斜流路キヤビラリ一〉
本発明に係るナノ流路キヤビラリ一は、基板表面上にプラズマ重合膜 (b)が被覆さ れ、該プラズマ重合膜 (b)と基板とで囲まれる少なくとも 1つの流路を有するキヤビラリ 一であって、(0該プラズマ重合膜 (b)層中に流路となる空洞が存在し、
GO前記基板表面からの流路の平均高さ (基板力もプラズマ重合膜 (b)の内壁面ま での距離)が 0. l〜500nmであり、好ましくは lnm〜100nm、さらに好ましくは lnm 〜50nmでめ。。
[0076] 前記ナノ流路キヤビラリ一は、前記基板表面または基板に積層された最外層の表 面上にプラズマ重合膜 (c)が被覆されて!ヽることが好ま ヽ。
この場合、キヤビラリ一は、さらに基板表面または基板に積層された最外層の表面 上にコーティングしたプラズマ重合膜 (c)表面にプラズマ重合膜 (b)が被覆され、該 プラズマ重合膜 (b)とプラズマ重合膜 (c)とで囲まれる少なくとも 1つの流路を有して いてもよい。
前記流路の平均高さは、プラズマ重合膜 (c)の表面力ゝらのプラズマ重合膜 (b)の内 壁面までの高さである。
[0077] 本発明に係るナノ傾斜流路キヤビラリ一は、基板表面上にプラズマ重合膜 (b)が被 覆され、該プラズマ重合膜 (b)と基板とで囲まれる少なくとも 1つの流路を有するキヤ ピラリーであって、
(0該プラズマ重合膜 (b)層中に流路となる空洞が存在し、
GO流路の一方の開口部 (入口)の平均高さが、他方の開口部(出口)の平均高さよ り大きぐ前記入口から出口に向けて、流路が傾斜状に変化している。
平均高さは、基板カゝらプラズマ重合膜 (b)の内壁面までの距離である。
[0078] 前記ナノ傾斜流路キヤビラリ一は、前記基板表面または基板に積層された最外層 の表面上にプラズマ重合膜 (c)が被覆されて!ヽることが好ま ヽ。
すなわち、この場合、前記基板表面または基板に積層された最外層の表面上にプ ラズマ重合膜 (c)が被覆され、さら〖こ、該プラズマ重合膜 (c)表面にプラズマ重合膜( b)が被覆され、該プラズマ重合膜 (b)とプラズマ重合膜 (c)とで囲まれる少なくとも 1 つの流路を有するキヤビラリ一であって、
(0該プラズマ重合膜 (b)層中に前記流路となる空洞が存在し、
GO流路の一方の開口部 (入口)の平均高さが、他方の開口部(出口)の平均高さよ り大きぐ前記入口から出口に向けて、流路が傾斜状に変化している。
平均高さは、プラズマ重合膜 (c)カゝらプラズマ重合膜 (b)の内壁面までの距離であ る。
[0079] このような入口の流路の最小幅は、好ましくは 500nm以下、さらに好ましくは 100η m以下、より好ましくは 50nm以下であり、出口の流路の最小幅は、好ましくは 0. In m以上、さらに好ましくは Inm以上である。
[0080] 上記流路の入口幅の好まし 、値と、出口幅の好ま 、値とは、任意に組み合わせ ることができるが、たとえば、好ましくは入口の流路の最小幅が 500nm以下、出口の 流路の最小幅が 0. Inm以上、さらに好ましくは入口の流路の最小幅が lOOnm以下 、出口の流路の最小幅が 0. Inm以上、より好ましくは入口の流路の最小幅が 50nm 以下、出口の流路の最小幅が 0. Inm以上である。
[0081] くナノ流路キヤビラリ一、ナノ傾斜流路キヤビラリ一の用途〉
本件発明を用いることにより、ナノレベルの流路を有するキヤピラリーを迅速かつ簡 便に製造することができる。
このような本発明に係る流路キヤピラリーを用いることにより、タンパク質などの微小 物質の分離を行うことができる。
また本発明に係る微小構造の製造方法によれば、ナノレベルでの微小な 3次元構 造物を製造することができることから、固体高分子型燃料電池 (PEFC:polymer Electrolyte Fuel Cells)などの製造法への応用も考えられる。さらに、バイオ分子のナ
ノマシンやナノセンサーなどナノバイオテクノロジー分野に活用できる。
[0082] 本発明に係るナノ傾斜流路キヤビラリ一は、傾斜を有するナノレベルの流路を有し ているため、物質の大きさに依存した分離が可能である。このため、たとえば、タンパ ク質の立体構造変化、タンパク質—タンパク質相互作用を解析する方法として用いる ことができる。図 5に示すように、本発明に係るナノ流路キヤピラリーを用いると、傾斜 を有する流路中に大きさの異なるタンパク質あるいは立体構造の異なるタンパク質を 導入し、タンパク質の大きさ(立体構造)に依存したタンパク質の分離が可能となる。
[0083] また、このようなナノ傾斜流路キヤビラリ一によれば、酵素やタンパク質の本来の機 能を損なうことなぐ極少量づっ目的とする位置に該酵素やタンパク質を固定ィ匕する ことができる。
[0084] したがって、タンパク質を固定ィ匕するマトリクスとして利用することができる。
たとえば、タンパク質やペプチドを、所望の位置に固定してアレイ化したチップはポ ストゲノム時代の重要課題であるタンパク質機能解析 (プロテオームの基盤技術:タン パク質機能解析や生体内ネットワークの解析、疾病診断などの研究)としてこの領域 の研究に大きく寄与する。
[0085] また、バイオリアクターで用いる酵素を繰り返し活用することがある力 本発明のナノ 傾斜流路キヤビラリ一によれば、酵素を固定ィ匕するマトリックスとして適用することもで きる。バイオリアクターは、酵素が持つ特異性を応用した分解や反応に関与する反応 器であるが、酵素は生物から単離あるいは遺伝子組換えをして精製するため、少量 でも非常に高価であり、高価な酵素を繰り返し使う要求は高い。
[0086] ナノ傾斜流路キヤビラリ一中のどの位置に物質が移動した力判断することでスイツ チングデバイスとしての利用が可能である。たとえば、タンパク質はリン酸ィ匕などの影 響を受けると立体構造を変えることが知られている。
ナノ傾斜流路キヤビラリ一は、ノズル (噴射孔)として利用することができる。たとえば 、プリンターヘッドや DNAスポッターなどのノズルなどが挙げられる。
またナノ傾斜流路キヤビラリ一は、微生物、植物、ホ乳類などの培養細胞、パクテリ オファージ、各種ウィルスなどを保持'固定化'分離する目的として利用することがで きる。また、フィルター素子としての機能を持たせることができる。
[0087] く微小構造の製造方法例〉
以下に、図面を参照して本発明に係る微小構造の製造方法の一例を説明するが、 本発明は下記の例に限定されるものではない。
[0088] 図 1の (a)〜 (j)は、本発明に係る微小構造の製造方法の一例を説明する工程にお ける、基板の断面図( (h)、 (j)は平面図)を示したものである。
同図において、まず、図 1 (a)、(b)に示すように、基板 1の表面にフォトレジスト 2 ( 図 1ではポジ型フォトレジストを例示)を塗布する。このフォトレジスト塗布基板をプリべ ークした後、フォトマスク 3を介して紫外線 4を密着照射し、露光する(図 l (c)、(d) )。 露光した基板をレジスト現像液を用いて現像し、マスクパタンをレジストに転写したレ ジストパタン 5を形成する(図 1 (e) )。
[0089] 次に、図 3にも示すように、この基板をプラズマの照射方向に垂直になるように、プ ラズマ重合装置中に配置し、プラズマ重合膜 (a) 6を形成する(図 l (f) )。さらに、フォ トレジスト 5をアセトン等の溶媒中で剥離し、プラズマ重合膜 (a) 7により、フォトマスク 3 に対応するパタンが形成された基板を得る(図 1 (g) )。
[0090] この基板の端部にマスキングテープ 8あるいはマスク 8を貼り付ける(図 l (h) )。つい で、この基板をプラズマの照射方向に垂直になるように、プラズマ重合装置中に配置 し、プラズマ重合膜 (b) 9を形成する(図 l (i) )。プラズマ重合膜 (b) 9は、プラズマ重 合膜 (a) 7のパタンを被覆するようにコーティングする力 前記マスク 8が存在している 領域にはコーティングされない(図 1①)。
[0091] さらに、プラズマ重合膜 (a) 7を酸素プラズマ等でエッチングして除去し、プラズマ重 合膜 (b)と基板とで規定された微小な流路 10を形成することができる(図 1 (k) )。
[0092] 図 2の (a)〜 (j)は、本発明に係る微小構造の製造方法の一例を説明する工程にお ける、基板の断面図((f)、(g)、(k)は平面図)を示したものである。
図 2 (a)〜(e)は図 1 (a)〜(e)と同様にして実施し、フォトレジスト 5がパターユングさ れた基板を得る(図 2 (e) )。
[0093] 次に、図 4—1にも示すように、この基板をプラズマの照射方向と平行になるように、 プラズマ重合装置中に配置し、プラズマ重合膜 (&) 11を形成する(図2 ))。基板を 照射方向と平行になるように照射することにより、傾斜のあるプラズマ重合膜を形成
することができる(図 4— 2)。プラズマ重合膜 (a)は、プラズマに近い位置で膜厚が厚 ぐプラズマ力も遠ざ力るに従って、連続的に膜厚が薄くなる(図 2 (f) )。
さらに、フォトレジスト 5をアセトン等の溶媒中で剥離し、傾斜を有するプラズマ重合 膜 (a) 12により、フォトマスク 3に対応するパタンが形成された基板を得る(図 2 (g) )。
[0094] さらに、図 2 (1!)〜 (j)を図 1 (1!)〜 (j)と同様にして実施して、プラズマ重合膜 (b)を コーティングし、さらにプラズマ重合膜 (a) 12を酸素プラズマ等でエッチングして除去 し、プラズマ重合膜 (b) 13と基板 1とで規定された、傾斜を有する微小な流路 14を形 成することができる(図 2 (k) )。
実施例
[0095] 以下実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定さ れるものではない。
[0096] プラズマ重合装置
プラズマ重合膜の重合方式として、 RF電源、外部電極方式による After glow方式を 使用した。種々のユニットを追カ卩して、流量、圧力、およびパワーマッチングを自動で 制御可能な装置を作製した。装置の構成を図 6に示す。
(1)反応器 (チャンバ一):石英またはパイレックス (登録商標)製の円筒形チャンバ一
(2)試料ステージ:チャンバ一下部温度調整器付き
(3)試料ステージは上下可動機能付き
(4)排気系:ファイファー社製ターボ分子ポンプ +エドワーズ社製ロータリーポンプ
(5) RF電源:周波数: 13. 56MHz,出力: 300W (可変式)
(6)マッチング:オートマッチング方式(Creative Design社製:神奈 j 11県川崎巿)
(7)圧力コントロール: MKS社製バラトロン真空計からの圧力を VAT社製オートマチック プレッシャーコントロール(APC)バルブユニットで自動制御
(8)ガス導入系:試料モノマー、アルゴン、酸素ラインを STEC社製電磁弁とマスフロー コントローラー(MFC)ユニットで自動制御
[0097] エッチング装置
SAMCO社製、 RIE (Reactive Ion Etching)装置
[0098] 〔試験例 1〕
エッチングレートの測定
図 6に示す装置を用いて、流速: 0.5cm3/min、 RF: 200Wの条件下で 5分間、シリコン 基板上に HMDSをモノマーとして用いてプラズマ重合膜を製膜した。エリプソメーター (ULVAC社製、 Laser Ellipsometer、 ESM- 1AT)を用いて膜厚を測定した結果、膜厚 は 81.7nmであった。
[0099] ァセトニトリルは、流速: 20cm3/min、 RF: 200Wの条件下で 3分間プラズマ重合膜を シリコン基板上に製膜した。上記と同様、エリプソメーターを用いて膜厚を測定したと ころ膜厚は 153.5nmであった。
[0100] エタノールは、チャンバ一内圧力力 Sl.0 X 10_2Torrになるように流速を調整した後、
RF: 200Wの条件下でプラズマ重合膜をシリコン基板上に製膜した。エリプソメーター を用いて膜厚を測定したところ膜厚は 22.0應であった。
[0101] イソプロパノールは、チャンバ一内圧カカ^.2 X 10_2Torrになるように流速を調整し た後、 RF: 200Wの条件下で 5分間プラズマ重合膜をシリコン基板上に製膜した。エリ プソメーターを用いて膜厚を測定したところ膜厚は 11.1應であった。
[0102] プラズマ重合膜を製膜した後、 RIE装置中で酸素プラズマを発生させ、酸素プラズ マで 30分間エッチングを行った。 RIEの条件は、 40Pa、酸素ガスフローレート 50 sccm、 RF250Wであった。
[0103] 酸素エッチング前後のプラズマ重合膜の膜厚はエリプソメーター(ULVAC社製、
Laser Ellipsometer、 ESM- 1AT)により測定した。以下同じ方法で膜厚を測定した。 エッチングレートは、 RIE装置内に設置し、酸素プラズマを発生させる前後の膜厚の 差により決定した。エッチングレートは消失した薄膜を時間で割った値である。
RIE装置を用いて酸素プラズマを発生させる条件は、チャンバ一内圧力: 40Pa、流 速 0 : 50cm3/min、 RF: 250Wであった。
2
結果を表 1に示す。
[0104] [表 1]
エッチング前 エッチング後 エッチングレ一ト
(nm) 、nm) (nm/minノ
HMDS 81.7 66.9 0.49 ァセトニトリル 153.5 0 >5.1 エタノール 22.0 0 >0.7 イソプロパノール 11.1 0 >3.4
[0105] これらの結果から、 HMDSのエッチングレートは 0.49nm/minであることがわかった。
ァセトニトリル、エタノール、イソプロパノールをモノマーとしたプラズマ重合膜のエツ チングレートはこの実験からは、最小値を得た。
[0106] ァセトニトリル膜のエッチングレートを測定するために、流速: 15cm3/min、 RF:
200W、 3分間の条件で、 136應の薄膜をシリコン基板上に形成した。続けて上記条 件で酸素プラズマを 10分間発生させ、 74應の膜厚を得た。この結果、ァセトニトリル のエッチングレートは 6.2nm/minであった。
[0107] なお、フォトレジストをリフトオフする際アセトン中に基板を浸漬する力 アセトンによ り膜のエッチングに与える影響は認められな力つた。
一例を挙げると、アセトンに入れる前のァセトニトリルプラズマ重合膜は 129. lnm、 135.4nmだった力 アセトンに 71分間浸漬した後それぞれの膜厚を測定したところ、 132.3nm、 135.7nmであった。これらの結果からアセトンにァセトニトリルプラズマ重合 膜を浸漬しても変化がないことが確認された。また、アセトンに浸漬したァセトニトリル プラズマ重合膜のエッチングレートは約 6.2nmZminであることを確認した。
[0108] 〔実施例 1〕
微小キヤビラリ一の製造
まず、スライドガラス基板 (厚さ 1.1mm X縦 76mm X横 25mm) 1をプラズマ重合装置 の試料ステージ上に、ステージと平行になるように配置した。ついで基板の表面に、 RF:201W、流速: 0. 5mm3/min、時間: 5minの条件下、 HMDSをモノマーとしてプラ ズマ重合膜 (c)を製膜した。プラズマ重合膜 (c)の厚さは 63. 6nmであった。
[0109] 次に、このプラズマ重合膜がコーティングされた基板表面に、スピンコーターを用い て、フォトレジスト(S- 1818 (SHIPLEY社製) )をコートした。
[0110] このフォトレジスト塗布基板を、乾燥器内で 80°C、 30分の条件でプレベータした。 ついで、図 8に示すフォトマスクを用いて 150秒間、基板に紫外線光を密着露光した 。露光した基板は、レジスト現像液 MF- 319 (SHIPLEY社製)中で約 60秒間現像を行 い、水洗、乾燥後、フォトマスクのパタンに対応するフォトレジストを形成した。
[0111] 次に、この基板を、プラズマ重合装置の試料ステージ上に、フォトレジストパタンの ある面にプラズマ重合膜が形成されるようにステージと平行に配置した。前記基板表 面に、 RF:200W、流速: 20mm3/min、時間: 5minの条件下、ァセトニトリルをモノマー としてプラズマ重合膜 (a)を製膜した。プラズマ重合膜 (a)の厚さは約 118nmであった 。次に、室温でアセトン中に約 30分間浸漬し、表面を工業用綿棒 (TX705、ァズワン 社)でフォトレジストを剥離した。これにより、ァセトニトリルのプラズマ重合膜 (a)により 、フォトマスクに対応するパタンが形成された基板を得た。
[0112] この基板の端部に、幅 12.7mmにカプトンテープ (難燃性テープ: Permacel社)を用 いてマスキングテープを貼り付けた。ついで、この基板をプラズマの照射方向に垂直 になるように、プラズマ重合装置中に配置し、 (230mm/5rpm, MassFlow: 0. 5 sccm、 RF : 200W、 3分、 1. 7 X 10_5Torr)の条件下、 HMDSをモノマーとしてプラ ズマ重合膜 (b)を形成した。プラズマ重合膜 (b)の厚さは 54nmであった。プラズマ重 合膜 (b)は、プラズマ重合膜 (a)のパタンを被覆するようにコーティングされていたが 、前記マスキングテープが存在して 、る領域にはコーティングされな力つた。
[0113] 次に、(MassFlow: 100sccm、 RF: 300W、 30分、 40Pa)の条件下、ァセトニトリル のプラズマ重合膜 (a)を酸素プラズマ等でエッチングして除去し、プラズマ重合膜 (b )とプラズマ重合膜 (c)とで規定された微小流路を形成した。
[0114] ナノ流路の蛍光測定
上記方法で製造したナノ流路キヤピラリーを、 2mMの蛍光物質 (FITC)を含む溶 液に、キヤピラリーの流路が存在する片方のサイドを、室温 (25°C)で 30分間浸漬し た。
浸漬後、基板を取り出し、基板表面を蒸留水で洗い流した。
得られた基板に蛍光を照射し、蛍光物質の存在の有無を確認した。
蛍光測定は、共焦点レーザースキャナー(Perkinelmer社 Scan Array)を用いて行つ
た。結果を図 7に示す。図 7—1は基板表面のパターンを示した (Gain95%)の場合 の写真であり、図 7— 2は基板表面の蛍光物質の存在位置 (Gain50%)の場合を示 す。
[0115] その結果、ァセトニトリルプラズマ重合膜が製膜された位置にのみ蛍光が観測され た。表面を蒸留水で洗ったにもかかわらず蛍光が存在していることから、 HMDSのプ ラズマ重合膜が形成されていることが確認できる。すなわち、上部に HMDSプラズマ 重合膜が存在しない場合、蛍光物質も洗い流される。さらに、ァセトニトリルのプラズ マ重合膜が形成された位置以外には、蛍光が観測されないことから、 HMDSのプラズ マ重合膜 (b)は基板に密着していることが確認できる。
したがって、ァセトニトリルプラズマ重合膜 (a)は、酸素プラズマによってエッチング され、 HMDSプラズマ重合膜 (b)の穴(キヤピラリー)ができている。
[0116] 〔実施例 2〕
傾斜薄膜の製造
プラズマ重合装置の試料ステージ上に、ステージと平行になるようにガラス基板 (厚 さ 1. lmm X縦 76mm X横 25mm)を配置した。プラズマ発生装置力ゝらの距離を変化させ て、プラズマ重合膜の膜厚を測定した。
モノマーとして HMDS (へキサメチルジシロキサン)またはァセトニトリルを用いた。
[0117] 基板はシリコーンを用いた。 HMDSをモノマーとしてプラズマ重合膜を製膜する条 件は、 RF:200W、流速: 0. 5mm3/min、時間: 3minで行った。また、ァセトニトリルをモ ノマーとした時の製膜条件は、 RF:200W、流速: 5.0mm3/min、時間: 3minであった。 膜厚測定は、エリプソメーターで行い、図 9— 1、図 10— 1に示すように、それぞれの 試料ステージの位置(高さ)における膜厚を求めた。
結果を図 9— 2 (HMDS)、図 10— 2 (ァセトニトリル)に示す。
[0118] この結果から、プラズマが発生している領域に近くなるほど膜厚が厚ぐ遠くなれば 膜厚は薄くなることが確認された。したがって、モノマーガスの種類にかかわらず、一 回の工程で連続的に膜厚を変化させることができることが確認された。従って、この 用法を適用して、傾斜を有するナノ流路キヤピラリーを製造することができる。
産業上の利用可能性
本発明に係る微小構造の製造方法によれば、高速かつ簡便に、ナノレベルの微小 流路を有する 3次元構造物を製造することができる。また、プラズマ重合膜の形成を 特定の方法により実施することによって、傾斜のあるナノレベルの微小流路を有する 3次元構造物を製造することができる。
このような、ナノ流路キヤビラリ一、ナノ傾斜流路キヤビラリ一は、タンパク質等の生 体分子の分離、固定ィ匕に適用することができる。