イリド化合物、その製造方法、除草剤および医薬品中間体としての利用 技術分野
[0001] 本発明は、新規な光学活性イリドィ匕合物、本化合物を製造する方法および、本イリ ド化合物を有効成分として含有する除草剤に関する。
[0002] また、本発明は本イリドィ匕合物を用いて、医薬品の極めて有用な中間体であるハロ メチルケトンィ匕合物を製造する方法に関する。
背景技術
[0003] 従来、長年にわたる除草剤の研究開発の中力 多種多様な薬剤が実用化され、こ れら除草剤は雑草防除作業の省力化や作物生産性向上に寄与してきた。
[0004] また従来、医薬品中間体である (3S)— 5 ハロゲノー 4 ォキソー3 [カルボ-ル (t ーブチル)ォキシァミノ]ペンタン酸べンジルエステルを合成する方法として、以下の 方法が知られていた。
[0005] 例えば、特許文献 1には、医薬品中間体である (3S)— 3— (N—べンジルォキシカル ボニル)ァスパラギン酸 — t ブチルエステルを原料に用い、ァゾィ匕合物を経て前 記化合物を製造する方法が開示されている。
[0006] また、他に非特許文献 1に、(3S)— 3— (N— t ブトキシカルボニル)ァスパラギン酸 β 一べンジルエステルを原料に用いてァゾィ匕合物を経て製造する方法が開示されて いる。
[0007] し力しながら、これら方法は製造工程の途中で、爆発性を有するジァゾメタンを使用 しており、工業上実用的ではない。
特許文献 1:特表 2002— 519406号公報
非特許文献 1: Chemical & Pharmaceutical Bulletin,44(l l),2037- 2041(1996) 発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0008] 本発明は除草剤として有用なイリドィ匕合物およびその製造方法を提供することを課 題とする。さらに、本発明は下記一般式 (1)で表される化合物が、医薬品中間体として
知られるハロメチルケトン化合物製造の重要な中間体であることから、本化合物を用 V、、当該医薬品中間体の効率の良!、新規な製造方法の提供を課題とする。
[化 1]
(式中、 はアミノ保護基を表す。 R2は力ルボン酸保護基を表す。 ) 課題を解決するための手段
[0009] 本発明者等は、力かる課題を解決するため鋭意検討した結果、人畜に対する毒性 が低ぐ取り扱い上での安全性が高い、上記一般式(1)で表される新規なイリドィ匕合 物が除草活性を有する事を見出した。
また、上記一般式(1)で表される化合物力も医薬品中間体であるハロメチルケトンィ匕 合物を効率よく合成する方法を見出し、本発明を完成した。
[0010] すなわち、本発明は以下の構成を有する。
本発明の第 1は、上記の一般式 (1)で表される光学活性イリドィ匕合物である。
[0011] また、本発明の第 2は、下記一般式 (2)で表される化合物を、塩基の存在下にトリメ チルスルホキソ -ゥムハライドと反応させて、下記一般式 (1)で表されるイリドィ匕合物に 変換する方法である。
[化 2]
(式中、 Rおよび Rは前記と同じ。 Yは直鎖または分岐した炭素数 1〜4のアルコキシ
基、炭素数 1〜4のアルキルチオ基、フエノキシ基、あるいはハロゲン原子、ニトロ基、 アルキル基、アルコキシ基及びヒドロキシ基の 1種以上で置換したフエノキシ基、フエ 二ルチオ基、あるいはハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基またはヒドロ キシ基の 1種以上で置換したフエ-ルチオ基、ベンジルォキシ基、あるいはハロゲン 原子、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基またはヒドロキシ基の 1種以上で置換した ベンジルォキシ基、ベンジルチオ基、あるいはハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基、 アルコキシ基またはヒドロキシ基の 1種以上で置換したベンジルチオ基、ピリジルォキ シ基、ピリジルチオ基、エトキシビニルォキシ基、イミダゾリルォキシ基、アジド基、シク 口へキシルカルポジイミドキシ基、スクシンイミドキシ基、フタルイミドキシ基、ベンゾトリ ァゾリルォキシ基、ピペリジノォキシ基、直鎖または分岐した炭素数 1〜4のアルキル カルボニルォキシ基、直鎖または分岐した炭素数 1〜4のアルコキシカルボ-ルォキ シ基、置換リン酸エステル基、置換硫酸エステル基、及びハロゲン原子を表わす。 ) [化 3]
(式中、 R ,、 R2および Yは前記と同じ。 ) また、本発明の第 3は、得られた前記イリドィ匕合物をハロゲンィ匕水素で処理して下 記一般式 (3)で表されるハロメチルケトン化合物を製造する方法である。
[化 4]
(式中、 1^、 R2は前記と同じ。 Xはハロゲン原子を表す。 )
[0014] また、本発明の第 4は、一般式 (1)で表される化合物を有効成分として含有する除 草剤である。
発明の効果
[0015] 本発明の化合物を除草剤に用いる場合には、人畜に対する毒性が低ぐ取り扱い 上での安全性が高 、除草を行うことができる。
また、本発明の化合物力も医薬品中間体であるハロメチルケトンィ匕合物を効率よく 合成することができる。
発明を実施するための最良の形態
[0016] 以下、本発明を詳細に説明する。
[イリド化合物]
本発明のイリド化合物は、下記一般式 (1)で表される。
[化 5]
式中、 Rはァミノ保護基を表し、 Rはカルボン酸保護基を表す。
1 2
具体的には、 Rはホルミル基、トリチル基、フタルイミド基、トリクロロアセチル基、トリ
1
フルォロアセチル基、クロロアセチル基、ブロモアセチル基およびョードアセチル基、 ウレタン型保護基、例えば、 t—ブトキシカルボ-ル基、 9 フルォレニルメトキシカル ボ-ル基、ベンジルォキシカルボ-ル基、ベンゾィルメチルスルホ -ル基、ジフエ- ルホスフィンォキシド基などが挙げられる。
また、 Rは t—ブチル基、ベンジル基、 4 -トロベンジル基、 4ーメトキシベンジル基
2
、ベンズヒドリル基、トリメチルシリル基、 tーブチルジメチルシリル基、フエナシル基、 p トルエンスルホ-ルェチル基、ァリル基及びシンナミル基などが挙げられる。
このうち、医薬品中間体として用いる場合は、 R力 ¾—ブトキシカルボ-ル基で Rが
1 2 ベンジル基、又は R力 ¾ ブトキシカルボ-ル基で R力 ¾ ブチル基である場合が特
に好ましい。
また、化合物の例としては、 R力 ¾—ブトキシカルボ-ル基で R がべンジル基である
1 2
、 (3S)-5-(l,,1, -ジメチルォキシスルフラ -ル) -4-ォキソ -3- [カルボ-ル (t-ブチル)ォ キシァミノ]ペンタン酸 ベンジルエステル (1^)などがある。
[0017] [イリド化合物を生成する工程]
この工程では、適当な有機溶媒中で塩基性条件下に、下記一般式 (2)とトリメチル スルホキソ -ゥムハライド力も合成したコーリー試薬 (ジメチルスルホキソ-ゥムメチリド) とを反応させることにより、イリドィ匕合物を (化合物 (1》を生成することができる。トリメチ ルスルホキソ -ゥムハライドとしては、ブロマイドやョーダイドがあげられる。
コーリー試薬の合成は、例えば水素化ナトリウムをジメチルスルホキシド中に懸濁し これによりメチルスルホキソ -ゥムハライドを窒素気流下に少量ずつ添加溶解して後 、約 55°Cに加熱することにより得ることができる。
[化 6]
[0018] 式中、 Rおよび Rは前記(1)と同じ意味で用いる。
1 2
Yは直鎖または分岐した炭素数 1〜4のアルコキシ基、炭素数 1〜4のアルキルチオ 基、フエノキシ基、あるいはハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基及びヒ ドロキシ基の 1種以上で置換したフエノキシ基、フエ-ルチオ基、あるいはハロゲン原 子、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基またはヒドロキシ基の 1種以上で置換したフエ 二ルチオ基、ベンジルォキシ基、あるいはハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基、アル コキシ基またはヒドロキシ基の 1種以上で置換したベンジルォキシ基、ベンジルチオ 基、あるいはハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基またはヒドロキシ基の 1種以上で置換したベンジルチオ基、ピリジルォキシ基、ピリジルチオ基、エトキシビ -ルォキシ基、イミダゾリルォキシ基、アジド基、シクロへキシルカルポジイミドキシ基
、スクシンイミドキシ基、フタルイミドキシ基、ベンゾトリアゾリルォキシ基、ピペリジノォ キシ基、直鎖または分岐した炭素数 1〜4のアルキルカルボニルォキシ基、直鎖また は分岐した炭素数 1〜4のアルコキシカルボ-ルォキシ基、置換リン酸エステル基、置 換硫酸エステル基、及びハロゲン原子を表わす。
ここで、 Yは 4—-トロフエノキシ基が特に好ましい例としてあげられる。
[0019] 適当な有機溶媒としては、 tーブタノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムァ ミド、 2—メチルピロリジノン、トルエン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、キシレン、酢酸ェ チル又はトルエンと tーブタノールの混合溶媒などがあげられる。好ま 、溶媒として は、 2-メチルピロリジノン、テトラヒドロフランである。
[0020] 塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸ィ匕カリウム、カリウム一 t—ブトキシド、ナトリウ ム— t—ブトキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどがあげられる。
[0021] 反応温度は- 30〜100°C、好ましくは- 15〜50°Cである。反応時間は 10分から 20時 間、好ましくは 30分から 5時間である。
[0022] レヽロメチルケトンを生成する工程]
イリドィ匕合物 (1)からハロメチルケトン (3)への変換は適当な有機溶媒中、ハロゲンィ匕 水素と- 50〜100°C、好ましくは- 20〜80°Cの条件下で行うことにより、化合物 (3)のハ ロメチルケトンを得ることができる。ハロゲン化水素としては、フッ酸、フッ化水素、塩 酸、塩化水素、臭化水素酸、臭化水素があげられる。
例えば、化合物(1)として (3S)- 5-(1,,1, -ジメチルォキシスルフラ -ル) -4-ォキソ -3- [カルボ-ル (t-ブチル)ォキシァミノ]ペンタン酸 ベンジルエステル を用 、た 場合、化合物(3)としては (3S)- 5-クロ口- 4-ォキソ -3- [カルボ-ル (t-ブチル)ォキシァ ミノ]ペンタン酸 ベンジルエステル ( )や、(3S)-5-ブロモ- 4-ォキソ -3- [カルボ-ル (t-ブチル)ォキシァミノ]ペンタン酸 ベンジルエステル ( )を得ることができる。
[0023] 適当な溶媒としては、酢酸ェチル、トルエン、ベンゼン、キシレン、テトラヒドロフラン 、ジクロロェタンなどがあげられ、反応時間は 10分から 10時間、好ましくは 30分力も 5 時間である。
[0024] ハロゲン化水素としては、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、フッ化水素、塩酸、臭 化水素酸、フッ酸などがあげられ、またこれらを有機溶媒に溶解して使用してもよい。
特に好ま ヽのは塩ィ匕水素もしくは臭化水素をテトラヒドロフランに溶解して使用する 力 塩酸、臭化水素酸である。
[0025] [除草剤としての利用]
本発明の上記一般式 (1)で示されるイリド化合物 (以下、「本発明化合物」と略称する ことがある)は、確実な除草効果を示し、かつ、作物と雑草間に選択性を示す。したが つて、イリド化合物を有効成分として含有する除草剤は、例えば、コムギ、イネ、トウモ 口コシ、ダイズなどの重要な作物中の双子葉雑草および単子葉雑草を発芽前または 発芽後に防除するのに適している。
[0026] 本発明化合物のあるものは畑地、非耕地用除草剤として、土壌処理、茎葉処理の V、ずれの処理方法に於!、ても、ィヌホウズキ(Solanum nigrum)、チョウセンアサガオ (Datura stramonium)等に代表されるナス科(Solanaceae)雑草、ィチビ(Abutilon theophrasti)、アメリカキンゴジカ (Sida spinosa)等に代表されるァオイ科(Malvaceae) 雑草、マルバアサガオ(Ipomoea purpurea)等のアサガオ類(Ipomoea spps.)やヒル ガオ類(Calystegia spps.)等に代表されるヒルガオ科(Convolvulaceae)雑草、ィヌビ ュ (Amaranthus lividus)、ァオビュ (Amaranthus retroflexus)等に代表されるヒュ科 、 maranthaceaeノ雑草、ォナモ (Xanthium on entails;、ブタクサ (Ambrosia artemisiaefona、ヒマヮリ (Helianthus annuus)、ノヽキタメキク
ciiiata)、ノホ ロギク(Senecio vulgaris)、ヒメジョン(Erigeron annus)等に代表されるキク科( し ompositaeノ i草、ィヌカフン (Rorippa indica)、ノノヽフカフン (Sinapis arvensis)、ナ ズナ(Capsella bursa-pastoris)等に代表されるアブラナ科(Cruciferae)雑草、ィヌタ テ (Polygonum blumei)、ソノカズラ (Polygonum convolvulus)等に代表されるタデ科 (Polygonaceae)雑草、スベリヒュ (Portulaca oleracea)等に代表されるスベリヒュ科( Portulacaceae)雑草、ンロザ (Chenopodium a um)、コ 7力サ (し henopodium ficifolium)、ホウキギ(Kochia scoparia)等に代表されるァカザ科 (Chenopodiaceae)雑 草、ハコべ(Stellaria media)等に代表されるナデシコ科(Caryophyllaceae)雑草、ォォ ィヌノフグリ(Veronica persica)等に代表されるゴマノハグサ科(Scrophulariaceae)雑 草、ツユクサ(Commelina communis)等に代表されるツユクサ科(Commelinaceae)雑 草、ホトケノサ、 Lamium amplexicaule入ヒメォドリコソゥ (Lamium purpureum)等〖こ代
表されるシソ科 (Labiatae)雑草、コ-シキソゥ(Euphorbia supina)、ォォ-シキソゥ( Euphorbiamaculata)等に代表されるトウダイグサ科(Euphorbiaceae)雑草、ヤエムダラ (Galium spurium)、ァカネ(Rubia akane)等に代表されるァカネ科(Rubiaceae)雑草 、スミレ(Viola mandshurica)等に代表されるスミレ科(Violaceae)雑草、アメリカッノク サネム(Sesbania exaltata)、ェビスダサ(Cassia obtusifolia)等に代表されるマメ科( Leguminosae)雑草等の広葉雑草(Broad-leaved weeds)、野生ソルガム(Sorgham bicolor)、ォォクサキビ (Panicum dichotomiflorum)、ジョンソングラス (Sorghum halepense)、 メビエ (Echinocnloa crus— galli var. crus— galli)、ヒメィヌヒェ、 Ecninochloa crus— galli var. praticola)、栽培ビエ (Echinochloa utilis)、メヒシノ ( Digitaria adscendens)、カフスム = (Avenafatua)、ォヒシノ (Eleusineindica)、エノコロ グサ(Setaria viridis)、スズメノテツポゥ(Alopecurus aegualis)等に代表されるイネ科 雑草 (Graminaceous weeds)、ココメカャッリ (Cyperus iria)、ノヽマスケ (Cyperus rotundus.Cyperus esculentus)等に代表されるカャッリグサ科雑草(Cyperaceous weeds)等の各種畑地雑草(Cropland weeds)に高!、殺草力を有する。
[0027] また、水田用除草剤として湛水下の土壌処理及び茎葉処理のいずれの処理方法 に於いても、ヘラォモダカ(Alisma canaliculatum)、ォモダカ(Sagittaria trifolia)、ゥ リカヮ(Sagittaria pygmaea)等に代表されるォモダカ科(Alismataceae)雑草、タマガ ャッリ (し yperus difformis)ゝ ズガャッリ (し yperus serotinus八ホタノレイ (Scirpus juncoides)、クログワイ(Eleocharis kuroguwai)等に代表されるカャッリグサ科( Cyperaceae)雑草、ァゼナ(Lindernia pyxidaria)等に代表されるゴマノハグサ科( Scrothulariaceae)雑草、コナギ(Monochoria vaginalis)等に代表されるミズァオイ科( Potenderiaceae)雑草、ヒノレムシ口(Potamogeton distinctus)等に代表されるヒノレムシ 口科(Potamogetonaceae)雑草、キカシグサ(Rotala indica)等に代表されるミソハギ科 (Lythraceae)雑草、タイヌビエ (Echinochloa oryzicola),ヒメタイヌビエ (Echinochloa crus— galli var. rormosensis)、ィヌヒェ ( chinocnloa crus— galli var. crus— galli)雑 草等、各種、水田雑草 (Paddy weeds)に高い殺草力を有する。
[0028] 本発明の除草剤の施用範囲は、畑地、水田、果樹園等の農耕地の他、グランド、 工場敷地等の非農耕地があげられる。本発明化合物は、除草剤としてそのまま使用
することもできるが、粉剤、水和剤、粒剤、乳剤などの種々の形態に製剤して使用す る。
このとき、製剤中に、 1種または 2種以上の本発明化合物が 0.1〜95重量%、好ましく は 0.5〜90重量%、より好ましくは 2〜70重量%含まれるように製剤する。
[0029] 製剤補助剤として使用する担体'希釈剤、界面活性剤を例示すれば、固体担体と しては、タルク、カオリン、ベントナイト、珪藻土、ホワイトカーボン、クレーなどをあげる ことができる。液体希釈剤としては、水、キシレン、トルエン、アセトン、クロ口ベンゼン 、シクロへキサン、シクロへキサノン、ジメチルスルホキシド、 N, N—ジメチルホルムァ ミド、エチルアルコール、 1-メチルエチルアルコールなどをあげることができる。
[0030] 界面活性剤はその効果により使いわけるのがよぐ乳化剤として、ポリオキシェチレ ンアルキルァリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどをあげ ることができる。分散剤としては、リグ-ンスルホン酸塩、ジブチルナフタリンスルホン 酸塩などをあげることができる。湿潤剤としては、アルキルスルホン酸塩、アルキルフ ェニルスルホン酸塩などをあげることができる。
[0031] 上記製剤には、そのまま使用するものと水等の希釈剤で所定濃度に希釈して使用 するものとがある。希釈して使用する時の本発明化合物の濃度は 0.1〜10 %の範囲 が望ましい。
また、本発明化合物の使用量は lhaあたり、 0.01〜10kg、好ましくは 0.05〜5kgであ る。
[0032] これらの使用濃度及び使用量は剤型、使用時期、使用方法、使用場所、対象作物 等によっても異なるため上記の範囲にこだわることなく増減することは勿論可能であ る。さらに、本発明化合物は他の有効成分、例えば、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除 草剤と組み合わせて使用することもできる。
[0033] 以下、本発明を製造例、試験例により更に具体的に説明する力 本発明は、その 要旨を超えない限り、以下の製造例に限定されるものではない。なお、 NMR^ぺクト ルはテトラメチルシランを内部標準にして測定し、次号の記号またはこれらを組み合 わせた記号で示した。
s:—重線、 d:二重線、 t:三重線、 q:四重線、 m:多重線、 bs:ブロード一重線、 dd:二重
実施例
[0034] 「実施例 1 114-ニトロフ ニルエステル (2a)からイリド化合物の合成
(3S)-5-(l,, -ジメチルォキシスルフラ -ル) -4-ォキソ -3- [カルボ-ル (t-ブチル)ォキ シァミノ]ペンタン酸べンジルエステル (1^)の製造方法
[化 7]
2a 1 a
[0035] [コーリー試薬 (ジメチルスルホキソ -ゥムメチリド)の調製]
2000ml 4ッロフラスコに、攪拌装置 (モーター)、温度計、窒素導入管及びシリカゲ ル乾燥管を付した後、該フラスコ中で室温下ナトリウム t ブトキシド 27.25g
(0.283mol;2.1eq)をテトラヒドロフラン (THF) 310mlに懸濁した。次に、室温 (25°C)下で 前記懸濁液にトリメチルスルホキソ-ゥムブロミド 49.07g(0.283mol;2.1eq)を添カ卩し、 T HF40mlで洗浄した。その後、反応液を 50°Cで l.Oh攪拌し、コーリー試薬を調製した。 (ゲル状カもサラサラした白色懸濁液となる。 )
[0036] この反応液をドライアイスアセトンバスで _20°Cに冷却し、(3S)-3- [カルボ-ル (t-ブ チル)ォキシァミノ] -3-[(4,-ニトロフエノキシ)カルボ-ル]プロピオン酸ベンジルエステ ル (£a) 60g [純度: 92.9wt%(55.75g;0.125mol;1.0eq)]を THF600mlに溶解し- 22°C〜 - 20°Cでゆっくり滴下し、 THF40mlで洗浄した。約 1.5h同温度で攪拌し、 HPLCで原 料の消失を確認した。
反応液を 1000ml氷水中に入れ、酢酸ェチル 500mlをカ卩えて分液した。水層を酢酸 ェチル 350mlで抽出し、有機層を合わせ硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して微黄色油 状物 52.4g(105%)の (3S)-5-a,,1, -ジメチルォキシスルフラ -ル) -4-ォキソ -3- [カルボ
[ ]
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[0039] コーリー試薬 (ジメチルスルホキソニゥムメチリド)の調製
300m删ッロフラスコに攪拌装置 (モーター)、温度計、窒素導入管及びシリカゲル 乾燥管を付した後、室温でナトリウム t-ブトキシド 2.52g(0.0262mol;2.2eq)をトルエン Λ-ブタノール = 10/1 110mlに懸濁し、室温 (22°C)でトリメチルスルホキソ -ゥムブロミ ド 4.54g(0.0262mol;2.2eq)を添加し、上記溶媒 10mlで洗浄した。その後、反応液を 50 °Cで l.Oh攪拌し、コーリー試薬を調製した。(ゲル状カもサラサラした白色懸濁液とな つた。)
[0040] この反応液をドライアイスアセトンバスで -20°Cに冷却し、(3S)-3- [カルボ-ル (t-ブ チル)ォキシァミノ] -3- [(スクシンイミドキシ)カルボ-ル]プロピオン酸 ベンジルエステ ル (2 ) 5g(0.0119mol;1.0eq)を固体のまま -22°C〜- 20°Cで添加し、上記溶媒 5mlで 洗浄した。同温度で 2h攪拌し、 HPLCで原料の消失を確認した。
反応液を 200ml氷水中に入れ、酢酸ェチル 100mlをカ卩えて分液した。水層を酢酸 ェチル 100mlで抽出し、有機層を合わせ無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して無色 油状物 4.79gの (3S)-5-(l,,1, -ジメチルォキシスルフラ -ル) -4-ォキソ -3- [カルボ-ル (t-ブチル)ォキシァミノ]ペンタン酸 ベンジルエステル (1^)を得た。純度は 76.8wt% であり、また、 純度力も含量を求めると 3.68gとなり収率は 77.8%となった。
分析データは実施例 1— 1と同様であった。
[0041] 「実施例 2— 11ニトロエステル力 誘導したイリドを用いた合成
(3S)_5-クロ口- 4-ォキソ -3- [カルボ-ル (t-ブチル)ォキシァミノ]ペンタン酸 ベンジル エステル ( )の製造方法
[化 9]
[0042] 500ml四ッ口フラスコに攪拌装置 (モーター)、温度計及びシリカゲル乾燥管を付し た後、(3S)-5-(l,,1, -ジメチルォキシスルフラ -ル) -4-ォキソ -3- [カルボ-ル (t-ブチ ル)ォキシァミノ]ペンタン酸べンジルエステル ( ) [純度 83.6wt% 6.76g[18mmol;純度 換算、 5.65g(14.2mmol)])を THF135mlに溶解し、濃塩酸 1.18ml(14.2mmol;1.0eq)を カロえた。ウォーターバスで 50°Cに加熱し、 1.5hで原料が消失したので 2.5hで加熱を止 め、冷却した。 THF溶媒を約 9割濃縮し、残渣を氷水 200mlに投入した。析出した白 色結晶を濾別、良く水洗して乾燥し、白色結晶 4.99g(82.51%)の (3S)-5-クロ口- 4-ォ キソ -3- [カルボ-ル (t-ブチル)ォキシァミノ]ペンタン酸べンジルエステル ( )を得た 。 HPLC測定では、 85.51 area%を示した。純度は 91.21wt%であり、また、純度から含量 を求めると 4.55gとなり、収率は 90.0%となった。
[0043] [化合物 ( )の分析データ]
NMR(400MHz,CDCl; δ ,ppm):
3
1.46(9H,s;C(C一H ) ,2.86(lH,dd,J=4.9Hz,17.3Hz:CH-CH CO,lH),3.09(lH,d,J=17.3H
3 3 一 2
z:CH-CH CO,lH),4.40(2H,dd,J=16.1Hz:COCH Cl),4.64(lH,bs:NHCHCH ),5.12(2 一 2 一 2 一 2
H,s:Ph-CH 0),5.52(lH,d,:NHCH),7.32-7.38(5H,m:Ph-H).
2
13C-NMR (400MHz,CDCl; δ ,ppm):
3
28.27, 35.82, 46.95, 54.28, 67.15, 80.10, 96.14, 128.30, 128.55, 128.68,
135.12, 155.23(CO), 171.21(CO), 200.32(CO).
IR(KBr,cm_1) :
3364, 2988, 2948, 1742, 1682, 1522, 1462, 1414, 1392, 1374, 1304, 1256,1218, 1192, 1164, 1114, 1054, 1028, 992, 982, 912, 860, 782, 752, 700, 654, 580, 526, 472.
m.p.76-78°C
[ a ] = -64.68° (c 1.0,MeOH,25°C)、キラル HPLC;99.5%ee
D
[0044] f実施例 2— 21イミドエステルカゝら誘導したイリドを用いた合成
(3S)-5-クロ口- 4-ォキソ -3- [カルボ-ル (t-ブチル)ォキシァミノ]ペンタン酸べンジル エステル ( )の製造方法
500ml四ッ口フラスコに攪拌装置 (モーター)、温度計及びシリカゲル乾燥管を付し た後、(3S)-5-(l,,1, -ジメチルォキシスルフラ -ル) -4-ォキソ -3- [カルボ-ル (t-ブチ ル)ォキシァミノ]ペンタン酸 ベンジルエステル (1^) [純度 87.4wt% 4.35g[10.9mmol; 純度換算、 3.36g(8.5mmol)]を THF90mlに溶解し、濃塩酸 0.71ml(8.5mmol;1.0eq)を カロえた。ウォーターバスで 50°Cに加熱し、 1.5hで原料が消失したので 2.0hで加熱を止 め、冷却した。 THF溶媒を濃縮し、残渣を氷水 200mlに投入した。析出した白色結晶 を濾別、良く水洗して乾燥し、白色結晶 3.53gの (3S)- 5-クロ口- 4-ォキソ - 3- [カルボ- ル (t-ブチル)ォキシァミノ]ペンタン酸 ベンジルエステル ( )を得た。 HPLC測定で は 91.84area%を示した。純度は 74.6wt%であり、また、純度から含量を求めると 2.64gと なり収率は 87.5%となった。
[0045] [イミドエステル (2b)から誘導した化合物 ( )の分析データ]
m.p. 71-74°C
[ α ] = —57.7° (c 1.0'MeOH)、キラル HPLC;99.5%ee
D
上記以外の他の分析データは実施例 2— 1と同様であった。
「実施例 3—: nニトロエステルカゝら誘導したイリドを用いた合成
[0046] (3S)-5-ブロモ -4-ォキソ -3- [カルボ-ル (t-ブチル)ォキシァミノ]ペンタン酸 ベンジ ルエステル (3b)の製造方法
[化 10]
[0047] 1000m删ッ口フラスコに攪拌装置 (モーター)、温度計及びシリカゲル乾燥管を付し た後、(3S)-5-(l,,1, -ジメチルォキシスルフラ -ル) -4-ォキソ -3- [カルボ-ル (t-ブチ ル)ォキシァミノ]ペンタン酸 ベンジルエステル(la) 25.0g [純度 86.2wt%;21.6g (0.0543mol:1.0eq)]を THF500mlに溶解し、 15°Cで 48%臭化水素酸水溶液 9.15g (0.543mol;1.0eq)を滴下した。反応液は微黄色から無色となった。ウォーターバスで 50°Cに加熱し、 1.5hで原料が消失したので 2.0hで加熱を止め、冷却した。若干の不 溶物を濾別し、 THF溶媒を濃縮し、濃縮物を 500mlの氷水中に投入し、 THFlOmlで 洗浄した。析出した白色結晶を濾別、良く水洗して乾燥し、白色結晶 20.8g(82.8%)の (3S)-5-ブロモ -4-ォキソ -3- [カルボ-ル (t-ブチル)ォキシァミノ]ペンタン酸 ベンジル エステル ( )を得た。 HPLC測定では 83.0area%を示した。純度は 90.07wt%であり、純 度から含量を求めると 18.78gとなり収率は 86.56%となった。
[0048] [化合物 (2 )の分析データ]
NMR(400MHz,CDCl; δ ,ppm):
3
1.46(9H,s;C(CH ) ,2.87(lH,dd,J=4.8Hz,17.3Hz:CH-CH CO,lH),3.07(lH,dd,
一 3 3 一 2
J=4.8Hz,17.3Hz:CH-CH CO,lH),4.18(2H,s,:COCH Cl),4.72(lH,bs:NHCHCH ),5.1
一 2 一 2 一 2
2(2H,s:Ph-CH O),5.60(lH,d,:NHCH),7.26-7.41(5H,m:Ph-H).
■2
13C-NMR (400MHz,CDCl; δ ,ppm):
3
28.25, 32.36, 35.85, 54.08, 67.07, 80.85, 128.26, 128.50, 135.14,
155.23(CO), 171.2KCO), 200.32(CO).
IR(KBr,cm ) :
3360, 2988, 2952, 1742, 1680, 1522, 1464, 1414, 1392, 1374, 1364, 1300,1250, 1218, 1192, 1154, 1108, 1052, 1032, 980, 946, 912, 860, 784,
752, 700, 664, 646, 578, 518, 466, 430
m.p. 68-70°C
[ a ] = -73.73° (cl.O.MeOH)
D
[0049] f実施例 3— 21イミドエステルカゝら誘導したイリドを用いた合成
(3S)-5-ブロモ- 4-ォキソ -3- [カルボ-ル (t-ブチル)ォキシァミノ]ペンタン酸べンジ ルエステル (3b)の製造方法
200ml 4ッロフラスコに攪拌装置 (モーター)、温度計、及びシリカゲル乾燥管を付し た後、(3S)-5-(l,,1, -ジメチルォキシスルフラ -ル) -4-ォキソ -3- [カルボ-ル (t-ブチ ル)ォキシァミノ]ペンタン酸 ベンジルエステル (1^) 4.67g [純度 76.8wt%;3.59g (0.0095mol:1.0eq)]を THF90mlに溶解し、 21°Cで 48%臭化水素酸水溶液 1.60g (0.0095mol; 1.Oeq)を滴下したウォーターバスで 50°Cにカロ熱し、 1.5hで原料が消失した ので 2.0hで加熱を止め、冷却した。若干の不溶物を濾別し、 THF溶媒を濃縮し、 4.9gとして 200mlの氷水中に投入し、 THF5mlで洗浄した。析出した白色結晶を濾別 、良く水洗して乾燥し、白色結晶 3.59g(94.8%)の (3S)- 5-ブロモ - 4-ォキソ -3- [カルボ- ル (t-ブチル)ォキシァミノ]ペンタン酸 ベンジルエステル ( )を得た。 HPLC測定で は 91.3area%を示した。純度は 93.1 %であり、また、純度から含量を求めると 3.34gとな り収率は 88.3%となった。
[0050] 〔イミドエステル (2b)から誘導した化合物 ( )の分析データ〕
m.p. 73- 75。し
[ α ] = -75.32° (cl.O.MeOH)
D
上記以外の他の分析データは実施例 3— 1と同様であった。
[0051] 次に、製剤例と試験例を示すが、担体 (希釈剤)及び助剤、その混合比及び有効 成分は広い範囲で変更し得るものである。各製剤例の「部」は重量部を表す。
[0052] 〔製剤例 1 (水和剤)〕
下記の成分を混合粉砕して水和剤とし、水で希釈して使用する。
イリドィ匕合物 ( ) 50部
ホワイトカーボン 10部
リグ-ンスルホン酸ナトリウム 5部
アルキルスルホン酸ナトリウム 3部
珪藻土 32部
[0053] 〔製造例 2 (乳剤)〕
下記の成分を均一に混合して乳剤とし、水で希釈して使用する。
イリドィ匕合物 ( ) 25部
キシレン 65部
ポリオキシエチレンアルキルァリールエーテル 10部
[0054] 〔製造例 3 (粒剤)〕
下記の成分を均一に混合してさらに水を加えて練り合わせ、押し出し式造粒機で 粒状の加工して粒剤として使用する。
イリドィ匕合物 (1^) 8部
ベントナイト 40部
クレー 45咅
リグ-ンスルホン酸カルシウム 7部
[0055] 〔試験例 1〕
本発明のイリド化合物の除草活性試験
(1)供試植物
以下の 5種類の植物に対して発芽抑制効果を調べた。
(ィ)ァォゲイトウ (ヒュ科) Amaranthus retroflexus
(口)レタス(キク科) Lactuca sativa
(ハ)ィヌホオズキ (ナス科) Solanum nigrum
(二)コゴメカャッリ(力タツリグサ科) Cyperus iria
(ホ)ェノコログサ(イネ科) Setaria viridis
[0056] (2)試験方法
種子は,次亜塩素酸ナトリウム 1%溶液で 2分間処理した後、滅菌水で洗浄、風乾さ せたものを用いた。 12穴マイクロプレートに、ろ紙 (桐山ロート用直径 21mm) 1枚を敷 いて、種子を播種した。
2倍希釈 Murashige-Skoog salts (MS)で薬液 0.3mlをマイクロプレートに分注し、セロ ファンテープで周囲を覆った後、温度調節室内で保持した。
[0057] (3)調査方法
所定期間栽培後、茎葉部および根部に及ぼす影響を達観評価した。
効果の指数と症状を表 1に示す。
調査までの日数と培養温度: 7日, 25°C, 4000〜50001x (24時間照明条件)
[0058] [表 1]
(効果の指数ノ症状) 効果の指数
0 :無処理と同等、 1 : 20%抑制、 2 : 40%抑制、 3 : 60%抑制、 4 : 80%抑制、 5 : 100%抑制
症状
G:発芽阻害、 l g:生育抑制 産業上の利用可能性
[0059] 本発明によれば、前記一般式 (1)で表される化合物を有効成分とした除草剤により 、人畜に対する毒性が低ぐ取り扱い上での安全性が高い除草を行うことが出来る。 また、本発明の化合物を用いて、医薬品の中間体であるハロメチルケトン化合物の効 率的な製造方法を提供することが出来る。