明 細 書
高尿酸血症および Zまたは痛風治療剤
技術分野
[0001] 本発明は、抗酸化性置換基を有するジベンゾ [b, f]チェピンィ匕合物またはジベン ゾ [b, f]ォキセピンィ匕合物を有効成分として含有する高尿酸血症および Zまたは痛 風の治療または予防のための糸且成物、高尿酸血症および Zまたは痛風の治療また は予防のための医薬を製造するためのそれらの使用、あるいはそれらの薬理的な有 効量を温血動物に投与する高尿酸血症および Zまたは痛風の治療方法または予防 方法に関する。
背景技術
[0002] 高尿酸血症とは、血漿中の尿酸が異常に高くなる疾病であり、血液中の尿酸の代 謝異常で尿酸値が 7. OmgZdl以上の場合をいう。高尿酸血症は血中尿酸濃度が 一定値以上になると尿酸ナトリウムとして析出し、関節腔ゃ腎に沈着し、痛風、腎障 害、血管障害を引き起こす。高尿酸血症の原因には、尿酸の排泄低下、尿酸の過剰 生産、プリン代謝の酵素異常、増血器疾患、腎障害などの他の疾患に伴うものやビラ ジナミド、サイァザイドなどの薬剤投与によるものなどがある。
[0003] 高尿酸血症としては、例えば痛風 (急性痛風関節炎、慢性トーフス性関節炎など)、 尿路結石、高尿酸血症性腎症 (慢性痛風性腎症、急性高尿酸血症性腎症)、 Lesch- Nyhan症候群などが含まれる。
[0004] 従来、治療法としてはアルコール制限、カロリー摂取量の制限などによる食事療法 を行!ヽ、それでも不十分な場合は尿酸排泄促進剤または尿酸合成阻害剤を投与す る方法が知られている。薬剤投与による高尿酸血症、特に痛風、の治療法としては、 コルヒチンなどの鎮痛発作治療薬、インドメタシンなどの鎮痛抗炎症剤、プロべネシド 、スルフィンピラゾン、ケトフエ-ルブタゾン、ブコローム、ベンズブロマロンなどの尿酸 排泄剤、ァロプリノールなどの尿酸合成阻害剤などが使用されている。これらのうち、 現在、最も多く使用されているァロプリノール、ベンズブロマロンにはいずれも肝障害 による死者が報告されており、副作用が少なく安心して使用できる薬剤の出現が望ま
れている。
[0005] 本発明者らは、抗酸化性置換基を有するジベンゾ [b, f]チェピンィ匕合物またはジ ベンゾ [b, f]ォキセピンィ匕合物に抗酸ィ匕作用があることを特許文献 1に、また、それ ら化合物に気管平滑筋弛緩作用があることを特許文献 2に、さらに、抗喘息作用(平 滑筋弛緩作用、抗炎症薬作用、気道過敏性抑制作用)を有することを特許文献 3に 記載している。し力しながら、これらの化合物が高尿酸血症に有用であるとの報告は ない。
[0006] 特許文献 4には、置換アミノアルコキシ基を有するジベンゾ [b, f]チェピンおよびジ ベンゾ [b, f]ォキセピンィ匕合物に高尿酸血症治療作用があることが記載されている。 特許文献 1 :国際公開第 96Z10021号パンフレット (ファミリーパテント:米国特許第 5734067号明細書、欧州特許出願公開 0805155号明細書)
特許文献 2:国際公開第 97Z25985号パンフレット (ファミリーパテント:米国特許第 6180659号明細書、米国特許第 6495592号、欧州特許出願公開 0885610号明細書) 特許文献 3 :国際公開第 00Z75127号パンフレット (ファミリーパテント:米国特許出 願公開第 2003-0220360号明細書、米国特許第 6602898号、欧州特許出願公開 1182200号明細書)
特許文献 4:特開平 3-41022号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0007] 副作用が少なぐ安心して使用できる有用な高尿酸血症および Zまたは痛風の治 療薬を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段
[0008] 本発明者らは、抗酸化性置換基を有するジベンゾ [b, f]チェピンィ匕合物またはジ ベンゾ [b, f]ォキセピンィ匕合物の薬理作用について鋭意研究を行った結果、該化合 物が血中の尿酸値を低下させることを見出した。
[0009] 本発明は、抗酸化性置換基を有するジベンゾ [b, f]チェピンィ匕合物またはジベン ゾ [b, f]ォキセピンィ匕合物を有効成分として含有する高尿酸血症および zまたは痛 風の治療または予防のための糸且成物、高尿酸血症および Zまたは痛風の治療また
は予防のための医薬を製造するためのそれらの使用、それらの薬理的な有効量を温 血動物に投与する高尿酸血症および Zまたは痛風の治療方法または予防方法、並 びにそれらを含む高尿酸血症および Zまたは痛風の治療用または予防用キットを要 旨とする。
(1)すなわち、本発明は、抗酸化性置換基を有するジベンゾ [b, f]チェピン化合物、 ジベンゾ [b, f]ォキセピンィ匕合物またはこれらの薬剤学的に許容される塩の 1種また は 2種以上を有効成分として含有する高尿酸血症および Zまたは痛風の予防剤また は治療剤を提供する。
(2)また、本発明は、有効量の抗酸化性置換基を有するジベンゾ [b, f]チェピンィ匕 合物またはジベンゾ [b, f]ォキセピンィ匕合物またはこれらの薬剤学的に許容される 塩の 1種または 2種以上を予防または治療を必要とする温血動物に投与することを含 む高尿酸血症および Zまたは痛風の予防方法または治療方法を提供する。
(3)さらに、本発明は、高尿酸血症および Zまたは痛風の予防剤または治療剤を製 造するための、 1種または 2種以上の抗酸ィ匕性置換基を有するジベンゾ [b, f]チェピ ン化合物、ジベンゾ [b, f]ォキセピンィ匕合物またはこれらの薬剤学的に許容される塩 の使用を提供する。
(4)加えて、本発明は、抗酸化性置換基を有するジベンゾ [b, f]チェピンィ匕合物、ジ ベンゾ [b, f]ォキセピンィ匕合物またはこれらの薬剤学的に許容される塩の 1種または 2種以上、及びアジュバント、希釈剤または担体を含む製剤、並びに使用説明書を 含む高尿酸血症および Zまたは痛風の予防用または治療用キットを提供する。
(5)本発明は、高尿酸血症および Zまたは痛風の治療または予防のための薬剤組 成物、痛風の治療または予防のための薬剤糸且成物、高尿酸血症および Zまたは痛 風の治療または予防のための医薬を製造するためのそれらの使用、それらの薬理的 な有効量を温血動物に投与する高尿酸血症および Zまたは痛風の治療方法または 予防方法、並びにそれらを含む高尿酸血症および Zまたは痛風の治療用または予 防用キットに使用する抗酸化性置換基を有するジベンゾ [b, f]チェピンィ匕合物また はジベンゾ [b, f]ォキセピンィ匕合物として一般式(1)
[0010] [化 1]
(式 1 )
[0011] [式中
X、 Yは、
X— Υの結合が単結合である場合は、 X、 Υそれぞれ独立に(同一または異なって)、 CW W (W、 Wはそれぞれ独立に(同一または異なって)、水素原子、ハロゲン、水
1 2 1 2
酸基、低級アルキル基、置換低級アルキル基、低級アルコキシ基、シクロアルキル基
、シクロアルケ-ル基のいずれかである)、 C = 0、 C=NOW (Wは水素原子または
3 3
低級アルキル基)力 選ばれる任意のものであり、
X-Yの結合が二重結合の場合は、 X、 Yそれぞれ独立に(同一または異なって) CW (Wは水素原子、ハロゲン、水酸基、低級アルキル基、置換低級アルキル基、低級
4 4
アルコキシ基、置換低級アルコキシ基、ァシルォキシ基のいずれかである)であり、 zは、
o, s, s=o, so力 選ばれる任意のものであり、
2
Rないし Rは、
1 8
それぞれ独立に(同一または異なって)、水素原子、低級アルキル基、置換低級アル キル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、低級アルケニル基、置換低級ァ ルケニル基、低級アルキニル基、置換低級アルキニル基、ハロゲン基、低級アルキ ルカルボニル基、置換低級アルキルカルボ-ル基、トリハロメチル基、 V W (Vは
1 5 1 o
, s、 s=o、 SO力 選ばれる任意のものであり、 Wは水素原子、低級アルキル基、
2 5
置換低級アルキル基、低級アルキルカルボニル基、置換低級アルキルカルボニル基 、ァシルォキシ基、トリハロメチル基力 選ばれる任意のものである。 )、ニトロ基、アミ ノ基、置換アミノ基、シァノ基、ァシル基、ァシルァミノ基、置換ァシル基、置換ァシル
アミノ基、芳香環、置換芳香環、複素環、置換複素環力 選ばれる任意のものであり
Rないし Rの少なくともいずれか 1つは水酸基である。 ]
1 8
で表される化合物、その光学異性体、その抱合体またはそれらの薬剤学的に許容さ れる塩を提供する。
(6)本発明の一側面によれば、上記(1)一 (4)に記載した本発明において使用する 化合物は、(5)に記載の式 1において、 Rないし Rの少なくともいずれか 2つが水酸
1 8
基である化合物である。 2つの水酸基は、 Rと R のように同じ環上に
6 7、 Rと R
6 8、 Rと R
5 6
置換して 、るものが好まし!/、。
(7)本発明の別の一側面によれば、上記(1)一 (4)に記載した本発明において使用 する化合物として、(5)または(6)において、 X— Yが単結合で、 Xが CW W (W
1 2 1、 W
2 の少なくとも一方が低級アルキル基、置換低級アルキル基、シクロアルキル基、シク ロアルケ-ル基力 選ばれる任意のものである)である力、 X— γが二重結合で、 が cw(wは低級アルキル基、置換低級アルキル基、シクロアルキル基またはシクロア ルケニル基力 選ばれる任意のものである)である化合物である。
(8)本発明の更なる一側面によれば、上記(1)一 (4)に記載した本発明において使 用する化合物として、上記(5)ないし(7)のいずれ力 1項において、 Yが COである化 合物が提供される。
(9)本発明の更なる一側面によれば、上記(1)一 (4)に記載した本発明において使 用する化合物として、上記(7)または(8)において、低級アルキル基がメチル基、ェ チル基、 n -プロピル基、 i プロピル基、 n -ブチル基、 s—ブチル基、 i ブチル基、 t ブチル基の 、ずれかである化合物が提供される。
(10)本発明の更なる一側面によれば、上記(1)一(4)に記載した本発明において使 用する化合物として、上記(5)または (6)において、 Rまたは Rが複素環、置換複素
2 3
環、芳香環、置換芳香環のいずれかである化合物が提供される。
(11)本発明の更なる一側面によれば、上記(1)一 (4)に記載した本発明において使 用する化合物として、上記(5)または(6)において、 Rまたは R力 W (Wは低級ァ
2 3 8 8 ルキル基または置換低級アルキル基)または、 s(o)w (Wは低級アルキル基また
は置換アルキル基)である化合物が提供される。
(12)本発明の更なる一側面によれば、上記(1)一 (4)に記載した本発明において使 用する化合物として、上記(11)において、低級アルキル基がメチル基、ェチル基、 n -プロピル基、 i -プロピル基、 n -ブチル基、 s -ブチル基、 i -ブチル基、 t -ブチル基 の!、ずれかである化合物が提供される。
(13)本発明の更なる一側面によれば、上記(1)一(4)に記載した本発明において、 抗酸化性置換基を有するジベンゾ [b, f]チェピンィ匕合物またはジベンゾ [b, f]ォキ セピン化合物が、 7, 8—ジヒドロキシー 11—ェチルー 10, 11—ジヒドロジべンゾ [b, f]チ ェピン 10 オン、 11—ジェチルー 7, 8—ジヒドロキシー 10, 11—ジヒドロジべンゾ [b, f ]チェピン 10 オン、 7, 9ージヒドロキシー 2—メチルチオ 10, 11—ジヒドロジベンゾ[ b, f]チェピン 10—オン力 選択されたィ匕合物、その光学異性体、その抱合体また はそれらの薬剤学的に許容される塩が提供される。
(14)本発明の更なる一側面によれば、上記(1)ないし(13)のいずれかの抗酸ィ匕性 置換基を有するジベンゾ [b, f]チェピンィ匕合物またはジベンゾ [b, f]ォキセピンィ匕合 物を有効成分として含有する高尿酸血症、高尿酸血症に起因する疾病および Zまた は痛風の治療または予防のための薬剤組成物が提供される。
(15)本発明の更なる一側面によれば、高尿酸血症および Zまたは痛風の治療また は予防のための医薬を製造するための、上記( 1)ないし( 13)の 、ずれかの抗酸ィ匕 性置換基を有するジベンゾ [b, f]チェピンィ匕合物またはジベンゾ [b, f]ォキセピンィ匕 合物の使用が提供される。
(16)本発明の更なる一側面によれば、上記(1)ないし(13)のいずれかの抗酸ィ匕性 置換基を有するジベンゾ [b, f]チェピンィ匕合物またはジベンゾ [b, f]ォキセピンィ匕合 物の薬理的な有効量を温血動物に投与する高尿酸血症および Zまたは痛風の治療 方法または予防方法が提供される。
( 17)本発明の更なる一側面によれば、上記( 1)ないし( 13)の 、ずれかの抗酸化性 置換基を有するジベンゾ [b, f]チェピンィ匕合物またはジベンゾ [b, f]ォキセピンィ匕合 物含む高尿酸血症および Zまたは痛風の治療用または予防用キットが提供される。 このような抗酸化性置換基を有するジベンゾ [b, f]チェピンィ匕合物またはジベンゾ
[b, f]ォキセピンィ匕合物としては、例えば以下の化合物を挙げることができる。
(I)国際公開第 96Z10021号パンフレット(ファミリーパテント:米国特許第 5734067 号明細書、欧州特許出願公開 0805155号明細書)に記載されている、一般式 (2) [化 2]
(式 2 )
[0014] [式中の X— Yは CH— C = 0、 CH— CHまたは CH = CHであり、 Zは 0、 S、 S = 0で
2 2 2
あり、 R— Rは水素原子、水酸基、ハロゲン基、低級アルキル基、低級アルコキシル
1 8
基、低級アルキルケトンおよび CF力 選ばれ、且つ R— Rのうち少なくとも二個は
3 5 8
水酸基である。 ]で表される抗酸化性新規三環性縮合複素環化合物及びその塩。
[0015] 上記一般式 2を有する化合物において、好ましい化合物は以下に示される。
[0016] 6,9-ジヒドロキシ -7-メトキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、
6,7,9-トリヒドロキシ -10,11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 6,9-ジヒドロキ シ -7-メトキシ -4-メチル -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 4-メチル -6,7,9-トリヒドロキシ -10,11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 6,9-ジヒドロキ シ- 4,7-ジメトキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 4,6,7,9-テトラヒド ロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 6,9-ジヒドロキシ -10, 11-ジヒ ドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 6,7-ジヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f] ォキセピン- 10-オン、 7,8,9-トリヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10- オン、 6,7,8-トリヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 7,9-ジヒド ロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f] ォキセピン- 1,3-ジオール、 7,8-ジヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン -10-オン、 10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 2,3-ジオール、 3-クロ口- 7,9-ジヒド ロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 7-クロ口- 10, 11-ジヒドロジべ
ンゾ [b,f]ォキセピン- 1,3-ジオール、 3-クロ口- 7,8-ジヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジベン ゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 7-クロ口- 10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 2,3-ジ オール、 2-クロ口- 7,9-ジヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 8-クロ口- 10,11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 1,3-ジオール、 2-クロ口- 7,8-ジヒドロ キシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 8-クロ口- 10, 11-ジヒドロジベン ゾ [b,f]ォキセピン- 2,3-ジオール、 3-フルォロ- 7,9-ジヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジベン ゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 7-フルォロ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 1,3- ジオール、 3-フルォロ- 7,8-ジヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10- オン、 7-フルォロ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 2,3-ジオール、 3,4-ジクロ 口- 7,9-ジヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 6,7-ジクロロ -10,11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 1,3-ジオール、 2-フルォロ- 7,9-ジヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 8-フルオロ- 10, 11-ジヒドロジベン ゾ [b,f]ォキセピン- 1,3-ジオール、 2-フルォロ- 7,8-ジヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジベン ゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 8-フルォロジベンゾ [b,f]ォキセピン- 2,3-ジオール、 8-フ ルォ口- 10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 2,3-ジオール、 2,4-ジクロロ- 7,9-ジヒ ドロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 6,8-ジクロロ- 10, 11-ジヒド ロジベンゾ [b,f]ォキセピン- 1,3-ジオール、 4-クロ口- 7,9-ジヒドロキシ- 10,11-ジヒドロ ジベンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 6-クロ口- 10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン -1,3-ジオール、 7,9-ジヒドロキシ- 2-トリフルォロメチル- 10,11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォ キセピン- 10-オン、 8-トリフルォロメチル -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 1,3- ジオール、 2,3, 7,9-テトラヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 4-プロピル- 10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 1 ,3-ジオール、 2-プロピル -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 1,3-ジオール、 7,8-ジヒドロキシ -10, 11-ジヒ ドロジべンゾ [b,f]チェピン- 10-オン、 10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]チェピン- 2,3-ジォー ル、(±)-2,3-ジヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]チェピン- 5-オキサイド、 2-ァセ チル -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 1,3-ジオール、 4-ァセチル -10, 11-ジヒ ドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 1,3-ジオール、 4,8-ジァセチル -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 1,3-ジオール、 1-フルォロ- 7,9-ジヒドロキシ- 10,11-ジヒドロジべンゾ
[b,f]ォキセピン- 10-オン、 9-フルォロ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 1,3-ジ オール、 1-フルォロ- 7,8-ジヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-ォ ン、 9-フルォロ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 2,3-ジオール。
(II)国際公開第 97Z25985号パンフレット、(ファミリーパテント:米国特許第 6180659号明細書、米国特許第 6495592号、欧州特許出願公開 0885610号明細書) に記載されている、一般式(3)
[0017] [化 3]
(式 3 )
[0018] [式中 X、 Yは、 X、 Yの結合が単結合である場合は、 Xおよび Yはそれぞれ独立に C H、 CHW (ただし Wは、ハロゲン原子、水酸基あるいは低級アルコキシル基である
2 1 1
。;)、および c=oの群力 選ばれる任意のものであり、また、 X、 Yの結合が二重結合 である場合は、 Xおよび Yはそれぞれ独立に、 CH、 COW (ただし Wは低級アルキ
2 2
ル基、低級アルキルカルボ-ル基)の群から選ばれる任意のものであり、 zは o、 s、 s
=0、または SOであり、 R一 Rは各々、水素原子、 VR (Vは 0、 S、 S = 0、または S
2 1 8 9
Oであり、 Rは水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、低級ァシル
2 9
基、トリハロメチル基、またはカルボキシル低級アルキル基である。 )、カルボキシル低 級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、ヒドロキシ低級ァルケ-ル基、ヒドロキシ低 級アルキニル基、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルキルケトン、トリハロメチ ル基、トリメチルシリルェチュル、ニトロ基、アミノ基、 N—カルボニル低級アルキル基、 低級アルキルフエ-ル基およびフエ-ル基の群から選ばれるものである。 ]で表され る化合物またはその薬理上許容される塩。
[0019] 上記一般式 3を有する化合物において、好ましい化合物は以下に示される。
[0020] 7-ヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 9-ヒドロキシ -7-メトキ
シ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキ セピン- 1,3-ジグリコール酸、 1,3-ビス (2-ヒドロキシエトキシ) -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン、 6,7,9-トリメトキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 7-メトキシ -6,9, 10-トリァセトキシジベンゾ [b,f]ォキセピン、 6-ァセトキシ -9-ヒドロキシ -7-メトキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 6,7,9, 10-テトラメトキシ ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン、 2-フルォロ- 8-ヒドロキシ -7-メトキシ -10, 11-ジヒドロ ジベンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 1-フルォロ- 7,8-ジメトキシ -10, 11-ジヒドロジベン ゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 1,7,8-トリフルォロ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピ ン -10-オン、 7,8-ジメトキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]チェピン- 10-オン、 8-ヒドロキ シ -7-メトキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]チェピン- 10-オン、 7,8-ジヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン- 5,5-ジオキサイド、 11-ブロモ -7,8- ジヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 2-フルォ口- 7-メトキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン- 8-ィルトリメタンスルフオナート、 2- フルオロ- 7-メトキシ- 8-トリメチルシリルェチュル- 10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセ ピン- 10-オン、 2-ニトロ- 7,9-ジヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10- オン、 2-ァミノ- 7,9-ジヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 1,7,9-トリフルォロ- 10,11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 1,7,9-トリフルォ 口- 10, 11-ジヒドロ- 10-ヒドロキシジベンゾ [b,f]ォキセピン、 1,3,9-トリフルォロジベンゾ [b,f]ォキセピン、 1,3,9-トリフルォロ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン、 2-プロピ ォ-ル -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 1 ,3-ジオール、 8-ァミノ- 1 ,3-ジヒドロ キシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン、 7,8-ジヒドロキシ- 2-ニトロ- 10, 11-ジヒド ロジベンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 9-ヒドロキシ -7-メトキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]チェピン- 10-オン、 7,9-ジヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]チェピン- 10-ォ ン、 10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]チェピン- 1,3-ジオール、 2-ァセチル -10, 11-ジヒドロ ジベンゾ [b,f]チェピン- 1,3-ジオール、 7,9, 10-トリァセトキシジベンゾ [b,f]チェピン、 2,4-ジァセチル -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]チェピン- 1,3-ジオール、 4-ァセチル -10,11-ジヒドロジべンゾ [b,f]チェピン- 1,3-ジオール、 8-ァセチル- 10,11-ジヒドロジ ベンゾ [b,f]チェピン- 1,3-ジオール、 2-プロピオ-ル -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]チェ
ピン- 1,3-ジオール、 4-プロピオ-ル- 1-プロピオキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]チ ェピン- 3-オール、 2,4-ジプロピオ-ル -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]チェピン- 1,3-ジ オール、 4-プロピオ-ル- 10,11-ジヒドロジべンゾ [b,f]チェピン- 1,3-ジオール、 8-プロ ピオ-ル- 10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]チェピン- 1 ,3-ジオール、 8-ァセチルジベンゾ [b,f]チェピン- 2,3-ジオール、 N-ァセチル- 7-ァセトキシ- 2-ァミノ- 9-ヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 N-ァセチル- 2-ァミノ- 7,9-ジヒドロ キシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 8-ァセチル -10, 11-ジヒドロジ ベンゾ [b,f]ォキセピン- 1,3-ジオール、 8-(1-ヒドロキシェチル) -10, 11-ジヒドロジベン ゾ [b,f]ォキセピン- 1,3-ジオール、 7,9-ジヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセ ピン- 2-酢酸、 7,8-ジヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 7,8- ジヒドロキシ -2-メチル -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 2-シクロへキ シル- 7,8-ジヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 2-(1-ブチル )-7,8-ジメトキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 2-(t-ブチル )-7,8- ジメトキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 7,8-ジヒドロキシ -1,3-ジ メチル -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 7,8-ジヒドロキシ- 2-フエ-ル -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 7,8-ジヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジ ベンゾ [b,f]チェピン- 10-オン、 7,8-ジヒドロキシ -2-メチル -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f ]チェピン- 10-オン、 2-ェチル -7,8-ジヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]チェピン -10-オン、 7,8-ジヒドロキシ -2-(2-プロピル) -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]チェピン -10-オン、 2-チオメチル- 9-ヒドロキシ -7-メトキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセ ピン- 10-オン、 2-チオメチル- 7,9-ジヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピ ン -10-オン、 2-チオメチル- 7,9-ジヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン -10-オン S-ォキシド、 2-ブロモ -7,9-ジヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセ ピン- 10-オン、 2-ェチル -9-ヒドロキシ -7-メトキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセ ピン- 10-オン、 2-ェチル -7,9-ジヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン -10-オン、 2- (1-フエ-ル- 2-ェチュル)- 7,9-ジヒドロキシ- 10,11-ジヒドロジべンゾ [b,f] ォキセピン- 10-オン、 2-(3-ヒドロキシ- 1-プロピル)- 7,9-ジヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジ ベンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 2-(4-ヒドロキシ- 1-ブチュル)- 7,9-ジヒドロキシ
-10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン、 2-(5-ヒドロキシ- 1-ペンチ-ル
)-7,9-ジヒドロキシ -10, 11-ジヒドロジべンゾ [b,f]ォキセピン- 10-オン。
(III)国際公開第 00Z75127号パンフレット、 (ファミリーパテント:米国特許出願公 開第 2003-0220360号明細書、米国特許第 6602898号、欧州特許出願公開 1182200 号明細書)に記載されている、
(1)一般式 (4)
[化 4]
(式 4 ) [式中
X、 Yは、
X— Yの結合が単結合である場合は、 X、 Yそれぞれ独立に(同一または異なって)、 CW W (W、 Wはそれぞれ独立に(同一または異なって)、水素原子、ハロゲン、水
1 2 1 2
酸基、低級アルキル基、置換低級アルキル基、低級アルコキシ基、シクロアルキル基
、シクロアルケ-ル基のいずれかである)、 C = 0、 C=NOW (Wは水素原子または
3 3
低級アルキル基)力 選ばれる任意のものであり、
X—Yの結合が二重結合の場合は、 X、 Yそれぞれ独立に(同一または異なって) CW (Wは水素原子、ハロゲン、水酸基、低級アルキル基、置換低級アルキル基、低級
4 4
アルコキシ基、ァシルォキシ基の 、ずれかである)であり、
zは o, s, s=o, so力 選ばれる任意のものであり、
2
Uは Cまたは Nであり、
R
1ないし R
4はそれぞれ独立に(同一または異なって)、水素原子、低級アルキル基、 置換低級アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、低級アルケニル基 、置換低級アルケニル基、低級アルキニル基、置換低級アルキニル基、ハロゲン基、
低級アルキルカルボニル基、置換低級アルキルカルボニル基、トリハロメチル基、 V
1
W (Vは o, s、 s = o、 SO力 選ばれる任意のものであり、 Wは水素原子、低級ァ
5 1 2 5
ルキル基、置換低級アルキル基、低級アルキルカルボニル基、置換低級アルキル力 ルポ-ル基、ァシルォキシ基、トリハロメチル基力も選ばれる任意のものである。 )、二 トロ基、アミノ基、置換アミノ基、シァノ基、ァシル基、ァシルァミノ基、置換ァシル基、 置換ァシルァミノ基、芳香環、置換芳香環、複素環、置換複素環力も選ばれる任意 のものであり(Uが Nの場合、 Rは存在しない場合もある)、
4
Rないし Rはそれぞれ独立に(同一または異なって)、水素原子、低級アルキル基、
5 8
置換低級アルキル基、低級アルケニル基、置換低級アルケニル基、低級アルキニル 基、置換低級アルキニル基、ハロゲン基、低級アルキルカルボニル基、置換低級ァ ルキルカルボ-ル基、トリハロメチル基、 V W (Vは o, s、 s = o、 soから選ばれる
2 7 2 2
任意のものであり、 Wは水素原子、低級アルキル基、置換低級アルキル基、低級ァ
7
ルキルカルボ-ル基、置換低級アルキルカルボニル基、トリハロメチル基から選ばれ る任意のものである。 )、ニトロ基、アミノ基、置換アミノ基、ァシルァミノ基、芳香環、置 換芳香環、複素環、置換複素環力 選ばれる任意のものである。
但し、 Xが CHW、 CW Wまたは CW (式中、 Wは低級アルキル基、置換低級アル
0 0 0 0 0
キル基力も選ばれる任意のものである)の場合は、 Rないし Rのうち少なくとも一つが
5 8
水酸基であり(但し、 X— Yが CH (C H ) COのときは Rが単独で水酸基ではない)、 X
2 5 6
が CHW、 CW Wまたは CW (式中、 Wは低級アルキル基、置換低級アルキル基
0 0 0 0 0
力も選ばれる任意のものである)以外の場合は、 Rないし Rのうち少なくとも 1つは水
5 8
酸基であり、またそれ以外の Rないし Rのうち少なくとも 1つの基は OR基 (式中、 Rは
5 8
水素原子、低級アルキル基、置換低級アルキル基、低級アルキルカルボニル基およ び置換低級アルキルシリルカ 選ばれる任意のものである)である。
さらに、 X— Yが CH CH、 CHBrCH、 CH CO、 CHBrCO、 CH = CH、 CH = CO
2 2 2 2
COCH、 CH = COCHの場合は
3 3
Rないし Rの少なくとも一つが芳香環、置換芳香環、複素環、置換複素環であるか(
1 4
但し、 Rおよび Rの両方が水酸基の場合は Rないし Rのいずれもフエニル基ではな
6 7 1 4
い)、
Rないし Rの少なくとも一つが SW (Wは低級アルキル基または置換低級アルキル
1 4 8 8
基)または、 s(o)w (Wは低級アルキル基または置換低級アルキル基)のいずれか
9 9
である力、(但し、 Zが Oのときは Rは水素原子でない)、
7
Rが低級アルキル基、または置換低級アルキル基のいずれかであり、かつ、 Rは水
2 8 酸基であるか(但し、 zが Oのときは低級アルキル基の炭素数は 3以上である)、
Rな 、し Rの少なくとも一つが低級アルキルカルボニル (但し、低級アルキル基の
1 4
炭素数は 3以上である)、シクロアルキルカルボ-ルまたはシクロアルケ-ルカルポ- ルであり、かつ Rが水酸基であるか、
8
Rないし Rの少なくとも一つがシァノ基であるか、
1 4
Rないし Rの少なくとも一つがハロゲンであり、かつ、 Z力 S = 0または SOのいず
1 4 2 れかである力、
Rおよび Rが水酸基であり、かつ、 Zが Sであるか、
5 6
Rないし Rの少なくとも一つが— C (=NOR) CH (Rは水素原子または低級アルキル
1 4 3
基である)
のいずれかである。 ]
で表される化合物、その光学異性体、その抱合体またはそれらの薬剤学的に許容さ れる塩。
上記一般式 4を有する化合物において好ましいィ匕合物は以下に示される。
(2) Rが水酸基である(1)記載の化合物。
6
(3) Rおよび Rが水酸基である(1)記載の化合物。
6 7
(4) Rおよび Rが水酸基である(1)記載の化合物。
6 8
(5) Rおよび Rが水酸基である(1)記載の化合物。
5 6
(6) X— Yが単結合で、 Xが CW W (W、 Wの少なくとも一方が低級アルキル基、置
1 2 1 2
換低級アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケ-ル基から選ばれる任意のもの である)である力、 X— Yが二重結合で、 Xが cw(wは低級アルキル基、置換低級ァ ルキル基、シクロアルキル基またはシクロアルケ-ル基から選ばれる任意のものであ る)である(1)な 、し (5)の 、ずれか 1項記載の化合物。
(7) Yが COである(1)な!、し (6)の!、ずれか 1項記載の化合物。
(8)低級アルキル基がメチル基、ェチル基、 n プロピル基、 i プロピル基、 n—ブチ ル基、 s ブチル基、 i ブチル基、 t ブチル基のいずれかである(6)または(7)記載 の化合物。
(9) Rまたは Rが複素環、置換複素環、芳香環、置換芳香環のいずれかであるであ
2 3
る(1)な 、し (5)の 、ずれか 1項記載の化合物。
(10)複素環が芳香性の複素環である(1)な 、し (5)の 、ずれか 1項記載の化合物。
(11) Rまたは R力 W (Wは低級アルキル基または置換低級アルキル基)または、
2 3 8 8
S (0)W (Wは低級アルキル基または置換アルキル基)である(1)ないし(5)のいず
9 9
れか 1項記載の化合物。
(12)低級アルキル基がメチル基、ェチル基、 n -プロピル基、 i -プロピル基、 n -ブチ ル基、 s -ブチル基、 i -ブチル基、 t -ブチル基のいずれかである(11)記載の化合物
(13) Zが Sである( 1)ないし( 12)の!、ずれか 1項記載の化合物。
上記の化合物中、特に好ましい化合物の例としては、次の化合物またはその光学 異性体、抱合体または塩が挙げられる。
1)じ環 一 R )に 2個の水酸基が存在し、 11位( の位置)に低級アルキル基が存
5 8
在する化合物、具体的には、 7, 8—ジヒドロキシー 11ーェチルー 10, 11—ジヒドロジべ ンゾ [b, f]チェピン 10 オン、 11 ジェチルー 7, 8—ジヒドロキシー 10, 11—ジヒドロ ジベンゾ [b, f]チェピン 10 オン、 11ーメチノレー 7, 8—ジヒドロキシー 10, 11—ジヒド ロジベンゾ [b, f]チェピン 10—オンなどが例示される。
2) C環 (R— R )に 2個の水酸基が存在し、 A環 (R一 R )にチォ低級アルキル基が
5 8 1 4
存在する化合物、具体的には、 7, 9ージヒドロキシー 2—メチルチオ 10, 11—ジヒドロ ジベンゾ [b, f]チェピン 10 オン、 8—メチルチオ 10, 11—ジヒドロジべンゾ [b, f] チェピン 1, 3—ジオールなどが例示される。
3)じ環(尺一 R )に 2個の水酸基が存在し、 A環 (R— R )に複素環が結合する化合
5 8 1 4
物、具体的には、 7, 9ージヒドロキシー 3— (2—フリル)— 10, 11—ジヒドロジべンゾ [b, f ]チェピン—10 オン、 7— (2—チェ-ル)— 10, 11—ジヒドロジべンゾ [b, f]チェピン 1, 3—ジオール、 7— (2 フリル)— 10, 11—ジヒドロジべンゾ [b, f]チェピン 1, 3—ジ
オールなどが例示される。
[0025] 本願明細書にぉ 、て、「抗酸化性置換基」とは水酸基、チオール基などである。本 願明細書において「抗酸ィ匕性置換基を有するジベンゾ [b, f]チェピンィ匕合物、ジべ ンゾ [b, f]ォキセピンィ匕合物」とは骨格のベンゼン環に置換基として水酸基またはチ オール基を有する化合物である。
[0026] 本願明細書にぉ 、て、「ハロゲン基」とは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の 、ずれかの 基を意味する。また、本願明細書中で用いられる用語「トリノ、ロメチル基」とは、メチル 基の 3個の水素原子がハロゲン原子によって置換された形の基を意味し、この 3個の ハロゲン原子はすべて同一であっても、 2個以上の異なるハロゲン原子力 構成され ていてもよい。
[0027] 本願明細書において、「低級アルキル基」とは、例えば、直鎖状もしくは分枝状の C アルキル基を意味する。 C アルキル基としては、例えば、メチル、ェチル、 n プロ
1-6 1-6
ピル、 i プロピル、 n—ブチル、 iーブチル、 tーブチル、 n ペンチルまたは n キシル などが用いられる。該「低級アルキル基」が有していてもよい置換基としては、例えば 、ヒドロキシ、アミ入カルボキシル、ニトロ、ァリール基、置換ァリール基、モノーまたは ジー低級アルキルアミノ(例えば、メチルアミ入ェチノレアミノ、プロピルアミ入ジメチノレ アミ入ジェチルァミノなどのモノーまたはジー C アルキルァミノなど) 低級アルコキ
1-6
シ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、へキシルォキシなどの C アルコキシなど
1-6
)、低級アルキルカルボ-ルォキシ(例えば、ァセトキシ、ェチルカルボ-ルォキシな どの C アルキル カルボ-ルォキシなど)またはハロゲン原子などから選ばれた 1個
1-6
もしくは 2個以上が用いられる。なお、「低級アルコキシ基」における、低級アルキル部 分は上記「低級アルキル基」につ ヽて記載された意味を有する。
[0028] 本願明細書において、「シクロアルキル基」とは、例えば、 C の環状アルキル基を
3-8
意味する。 c シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基
3-8
、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロォクチル基などが用いられる。該「シク 口アルキル基」が有していてもよい置換基としては、例えば、ヒドロキシ、アミ入カルボ キシル、ニトロ、モノーまたはジー低級アルキルアミノ(例えば、メチルァミノ、ェチルアミ 入プロピルアミ入ジメチルアミ入ジェチルァミノなどのモノーまたはジー C アルキル
ァミノなど)、低級アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、へキシルォキシ などの C アルコキシなど)、低級アルキルカルボニルォキシ(例えば、ァセトキシ、ェ
1-6
チルカルボ-ルォキシなどの c アルキル カルボ-ルォキシなど)またはハロゲン
1-6
原子など力 選ばれた 1個もしくは 2個以上が用いられる。
[0029] 本願明細書にぉ 、て、「シクロアルケ-ル基」とは、シクロアルキル基の環状部分に 二重結合がーつ以上存在するものを意味する。
[0030] 本願明細書において、「低級アルケニル基」とは、例えば、直鎖状もしくは分枝状の
C ァルケ-ル基を意味する。 C ァルケ-ル基としては、例えば、ビュル、ァリル、 2
2-6 2-6
ーメチルァリル、 i プロべ-ル、 2—ブテュル、 3—ブテュル、 2 ペンテ-ル、 3 ペンテ -ル、 2—へキセ -ル、 3—へキセ-ルなどが用いられる。該「低級アルケニル基」が有 していてもよい置換基としては、例えば、ヒドロキシ、アミ入カルボキシル、ニトロ、モノ またはジー低級アルキルアミノ(例えば、メチルアミ入ェチルァミノ、プロピルァミノ、 ジメチルアミ入ジェチルァミノなどのモノーまたはジー C アルキルァミノなど)、低級
1-6
アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、へキシルォキシなどの C アルコ
1-6 キシなど)、低級アルキルカルボ-ルォキシ(例えば、ァセトキシ、ェチルカルボ-ル ォキシなどの C アルキル カルボ-ルォキシなど)またはハロゲン原子などから選ば
1-6
れた 1個もしくは 2個以上が用いられる。
[0031] 本願明細書において、「低級アルキニル基」とは、例えば、直鎖状もしくは分枝状の C アルキ-ル基を意味する。 C アルキ-ル基としては、例えば、ェチニル、 2—プロ
2-6 2-6
ピエル、 2—ブチュル、 3—ブチュル、 2 ペンチ-ル、 3 ペンチ-ル、 2—へキシュル、 3—へキシュルなどが用いられる。該「低級アルキニル基」が有して!/ヽてもよ 、置換基 としては、例えば、ヒドロキシ、アミ入カルボキシル、ニトロ、モノーまたはジー低級アル キルアミノ(例えば、メチルァミノ、ェチルァミノ、プロピルアミ入ジメチルアミ入ジェチ ルァミノなどのモノーまたはジー C アルキルァミノなど)、低級アルコキシ(例えば、メト
1-6
キシ、エトキシ、プロポキシ、へキシルォキシなどの C アルコキシなど)、低級アルキ
1-6
ルカルボニルォキシ(例えば、ァセトキシ、ェチルカルボニルォキシなどの C アルキ
1-6 ルーカルボニルォキシなど)、またはハロゲン原子など力も選ばれた 1個もしくは 2個以 上が用いられる。
[0032] 本願明細書において、「低級アルキルカルボニル基」における低級アルキル部分は 上記「低級アルキル基」につ!ヽて記載された意味を有する。
[0033] 本願明細書において、「置換アミノ基」における置換基としては、例えば、ヒドロキシ 、カルボキシル、モノ—またはジー低級アルキル(例えば、メチル、ェチル、 n プロピル 、 i プロピル、ジメチル、ジェチルなどのモノーまたはジー C アルキル)、低級アルコ
1-6
キシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、へキシルォキシなどの C ァノレコキシな
1-6
ど)、低級アルキルカルボ-ルォキシ(例えば、ァセトキシ、ェチルカルボ-ルォキシ などの C アルキル カルボ-ルォキシなど)、低級アルキルカルボニル(例えば、ァ
1-6
セチルなど)またはハロゲン原子など力も選ばれた 1個もしくは 2個が用いられる。
[0034] 本願明細書にぉ 、て、「ァシル基」とは— COR (Rは、水素原子、低級アルキル基、 低級アルケニル基、低級アルキニル基、炭素数 3— 8のシクロアルキル基、単環もしく は多環の芳香環または複素環等の 、ずれかを意味する)で表される基を意味する。 本願明細書中で用いられる用語「ァシルォキシ基」および「ァシルァミノ基」における ァシル部分も上記ァシル基と同じ意味を表す。該「ァシル基」および「ァシルァミノ基」 が有していてもよい置換基とは R上における置換基を意味し、例えば、ヒドロキシ、ァ ミ入カルボキシル、ニトロ、モノ—またはジー低級アルキルアミノ(例えば、メチルァミノ 、ェチルァミノ、プロピルアミ入ジメチルアミ入ジェチルァミノなどのモノーまたはジー C アルキルァミノなど)、低級アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、へ
1-6
キシルォキシなどの C アルコキシなど)、低級アルキルカルボニルォキシ(例えば、
1-6
ァセトキシ、ェチルカルボニルォキシなどの C アルキル カルボニルォキシなど)ま
1-6
たはハロゲン原子など力も選ばれた 1個もしくは 2個以上が用いられる。
[0035] 本願明細書において、「芳香環」とは芳香族炭化水素力も水素原子 1個を除いた残 りの原子団、すなわち、ァリール基を意味する。特に、 C のァリール基が好ましい。
6-14
C ァリール基としては、例えば、フエ-ル、ナフチル、トリル、キシリル、ビフエ-ル、
6-14
1—ナフチル、 2—ナフチル、 1 アントリル、 2—アントリル、 9 アントリル、 1 フエナント リル、 2—フエナントリル、 3 フエナントリル、 4 フエナントリル、 9 フエナントリル、 1ーァ ズレニノレ、 2 ァズレ -ル、 4—ァズレ -ル、 5 ァズレ -ル、 6—ァズレ-ルなどが用いら れる。該「芳香環」が有していてもよい置換基としては、例えば、低級アルキル、ヒドロ
キシ、アミ入カルボキシル、ニトロ、モノーまたはジー低級アルキルアミノ(例えば、メチ ルァミノ、ェチルァミノ、プロピルアミ入ジメチルアミ入ジェチルァミノなどのモノーま たはジー C アルキルァミノなど)、低級アルコキシ (例えば、メトキシ、エトキシ、プロボ
1-6
キシ、へキシルォキシなどの C アルコキシなど)、低級アルキルカルボニルォキシ(
1-6
例えば、ァセトキシ、ェチルカルボ-ルォキシなどの C アルキル カルボ-ルォキシ
1-6
など)、トリハロメタン、トリハロメトキシ、ハロゲン原子またはフエ-ルなどのァリールな ど力も選ばれた 1個もしくは 2個以上が用いられる。
[0036] 本願明細書において、「複素環」とは、例えば、炭素原子以外に、窒素原子、酸素 原子、硫黄原子など力 選ばれた 1な 、し 4個のへテロ原子を含んで 、てもよ 、3な いし 7員の複素環力も水素原子 1個を除いた残りの原子団を意味する。複素環は縮 合していてもよい。複素環の具体例としては、例えば、ォキセタン、テトラヒドロフラン、 テトラヒドロチォフェン、テトラヒドロピラン、ピロール、ァゼチジン、ピロリジン、ピベリジ ン、ピぺラジン、チ才フェン、ホモピぺリジン、モノレホリン、フラン、ピリジン、ベンゾフラ ンあるいはベンゾチォフェンなどが挙げられる。該「複素環」が有して!/、てもよ 、置換 基としては、例えば、ヒドロキシ、アミ入カルボキシル、ニトロ、モノーまたはジー低級ァ ルキルアミノ(例えば、メチルァミノ、ェチルァミノ、プロピルアミ入ジメチルアミ入ジ ェチルァミノなどのモノーまたはジー C アルキルァミノなど)、低級アルコキシ
1-6
(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、へキシルォキシなどの C アルコキシなど)
1-6
、低級アルキルカルボ-ルォキシ(例えば、ァセトキシ、ェチルカルボ-ルォキシなど のじ アルキル カルボ-ルォキシなど)またはハロゲン原子などから選ばれた 1個も
1-6
しくは 2個以上が用いられる。
[0037] 本願明細書において、塩としては、とりわけ医薬上あるいは生理学的に許容される 酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば無機酸 (例えば、塩酸、リン酸、臭 化水素酸、硫酸)との塩、有機酸 (例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マ レイン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、クェン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスル ホン酸、 ρ—トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩、あるいはアルカリ(例え ば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アンモ-ゥム、ピリジン、トリェチル ァミン)との塩などが用いられる。
[0038] 本願明細書において、抱合体とは、本発明のジベンゾ [b, f]チェピンィ匕合物、ジべ ンゾ [b, f]ォキセピン化合物、その光学異性体のグルクロン酸抱合体、硫酸抱合体 などである。
[0039] 次に、本発明化合物またはその塩の製造法を述べる。
[0040] 本発明化合物の三環性縮合複素環化合物は、下記 (式 5)に示すように、 A、 B、 C
3つの環力もなる 6— 7-6三環性ィ匕合物である。
[0041] [化 5]
(式 5 )
Zは O, S , S = O, S〇2のいずれか 1つ
[0042] この化合物の骨格は、ウルマン反応による A環と C環の結合およびフリーデルークラ フッ反応または光反応による A環と C環の結合を組み合わせることにより製造できる。 原料や目的化合物によっては炭素増加反応を加える必要がある。さらに必要であれ ば、置換基導入反応、置換基変換反応を行うことによって目的化合物を得ることがで きる。
[0043] 例えば、第 1工程として、ウルマン反応によって A環と C環とを結合させる。次いで、 第 2工程として、 B環を 7員環にするために、 Wの炭素数を増加させる (炭素増加反応 )。さらに、第 3工程として、フリーデルークラフツ反応により B環を形成する。第 4工程 として、このようにして形成された三環性ィ匕合物にハロゲン基、低級アルキル基等の 必要な置換基を導入する (置換基導入反応)。
[0044] 置換基導入は、第 1工程の原料に導入しておくことも、第 2工程の増炭反応途中に 導入することも可能であり、目的とする化合物の種類等を考慮して必要に応じて選択 することができる。さらに、必要に応じて、 10位のカルボ二ル基を還元したり、置換基 である OR (例えば、 OCH等)を脱保護反応により OHに変換する。
3
[0045] 以下に各工程の反応スキームの 1例を示す。
1)ウルマン反応
[0046] [化 6]
X、 Yのうち - -方が脱離基、 他方が求核基
ϋは炭素原子、 Qは本願化合物に対応する ' 4個の置換基、 Wは置換基、
Sは本願化合物に対応する:!〜 4個の置換基
[0047] 2— 1)フリーデルークラフツ反応
2 - 2)光反応
[0048] [化 7]
Uは炭素原子、 Qは本願化合物に対応する 1 4個の置換基、 Wは置換基、 Sは本願ィ匕合物に対応する 1 ~ 4個の置換基
[0049] 3)炭素増加反応
[0050] [化 8]
Uは炭素原子、 Qは本願化合物に対応する 1 ~ 4個の置換基、
Wは置換基、 W は Wの置換基の炭素数が増加した置換基、 Sは本願化合物に対応する 1 ~ 4個の置換基
[0051] 4)ハロゲンの他の官能基への変換反応
5)アルキル基、アルキルカルボニル基の導入反応
6) 10位変換反応
[0052] [化 9]
Rは本願化合物に対応する置換基
[0053] 7)脱保護反応
上記各工程の反応スキームについて以下に説明する。
1)ウルマン反応
必要な官能基を有する A環および C環に相当する置換ベンゼンをウルマン反応に よりカップリング体とする。ウルマン反応の脱離基としては、例えば、ハロゲン (例えば 、塩素、臭素、ヨウ素など)、炭素数 6から 10のァリールスルホ-ルォキシ (例えば、ベ ンゼンスルホ -ルォキシ、 p—トルエンスルホ-ルォキシなど)、炭素数 1から 4のアル キルスルホ-ルォキシ(例えば、メタンスルホ-ルォキシなど)などが用いられ、なかで もハロゲン (例えば、塩素、臭素、ヨウ素など)などが好ましい。求核側としては、例え ば、酸素、ィォゥを含む官能基を有する前駆体を用いることができ、なかでも置換フエ ノール、置換チォフエノール、置換ジスルフイドなどが好ましい。
2)フリーデルークラフツ反応または光反応
さらに A環と C環を結合させる反応は、フリーデルークラフツ反応として一般に行わ れている方法を用いることができる。例えば、 "Comprehensive Organic Synthesis: The Intramolecular Aromatic Friedeト Crafts Reaction, Vol. 2, pp. 753 (1991), J. Org. Chem., 52, 849 (1987), Synthesis, 1257 (1995)の方法またはそれに準じた方法 などを用いることができる。また、特開平 10-204079に示される光環化反応の方法ま たはそれに準じた方法などを用いることにより、直接、置換ァセトフエノン体力 環化
体に導くこともできる。また、ウルマン反応とこれらの反応は順序を入れ替えても可能 である。
3)炭素増加反応
ウルマン反応において、置換フエ-ル酢酸誘導体を用いた場合は、直接環化体に 導くことができるが、置換安息香酸誘導体の場合は B環に相当する部分の炭素増加 反応を行う。
その際、置換安息香酸誘導体からは置換べンジルアルコール体、置換べンジルノヽロ ゲン体、置換ベンジル-トリル体を経て置換フエニル酢酸に導くことができる。また、 置換べンジルハロゲン体からは二酸化炭素で、直接、置換フエニル酢酸に導くことも できる。置換ァセトフエノン体からはウィルゲロット反応により置換モルホリン体とした 後、置換フエ-ル酢酸に導くことができる。
4)ハロゲン基の他の官能基への変換反応
複素環、置換フエ-ル環、低級アルキル基の導入反応は、パラジウムを用いて、例 えば、 Chem. Rev., 95, 2457 (1995),"Organic Reactions," Vol. 50, (1997)の方法ま たはそれに準じた方法などを用いることができる。
5)アルキル基、アルキルカルボニル基の導入反応
ェチル基等のアルキル基の導入は、環化体に対して塩基存在下、無水溶媒中ハロ ゲンィ匕アルキル剤あるいはアルカリ存在下、相関移動触媒とハロゲンィ匕アルキル剤 を用いることにより行うことができる。また、アルキル基は、閉環前の炭素増加反応中 間体あるいはウルマン反応を行う前の原料にも導入しておくことができる。アルキル力 ルポニル基の導入はフリーデルークラフツ反応を用いて行うことができる。
6) 10位変換反応
環化体は、カルボ-ル基をアルコール体に還元した後、脱水反応でォレフィン体と し、接触還元により脱カルボ-ル体に導くことができる。また、アルコール体について
7)の脱保護反応を行うことにより、ォレフィン体とし、還元により脱カルボニル体に導 くことができる。あるいは、環化体を直接ヴォルーキッシュナ還元により脱カルボニル 体に導くこともできる。
7) 脱保護反応は、ピリジン塩酸塩あるいはハロゲンィ匕ホウ素により行うことができる
[0054] 本発明化合物の製造は溶媒中で行うのが好ましぐこの様な溶媒としては、例えば 、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジェチルエーテル、テトラヒ ドロフラン、ジォキサン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルァセトアミド等 のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、ァセトニトリル等の-トリル類、 N—メチルー 2 ピロリドンなど、およびこれらの無水溶媒が用いられる。反応温度は 7 8°Cないし 200°C、反応時間は、 30分ないし数日間、反応は窒素、アルゴン気流下 で行なうのが有利である。反応生成物は、公知の手段、たとえば溶媒抽出、液性変 換、転溶、塩析、晶出、再結晶、クロマトグラフィーなどによって単離精製することがで きる。
[0055] 本発明の方法では、置換基がアミノ基の場合には、アミノ基を保護することが好まし ぐ保護基としてはペプチドィ匕学等の分野で一般に用いられる保護基を用いることが でき、例えばホルミル、ァセチル、ベンゾィルなどアミドを形成するタイプの保護基;例 えば tert ブトキシカルボ-ル、ベンジルォキシカルボ-ルなどの力ルバメートを形成 するタイプの保護基;ジメチルアミノメチレン、ベンジリデン、 P-メトキシベンジリデン、 ジフエニルメチレンなどのイミノタイプの保護基が用いられる。好まし ヽ保護基として は例えばホルミル、ァセチルあるいはジメチルアミノメチレン等が用られる。なお、上 記反応において得られた生成物が保護基を有する場合には、常法に基づいて保護 基を除去することができ、例えば酸あるいは塩基による加水分解あるいは接触還元 等の脱保護操作により保護基を除去することができる。
[0056] なお、得られた本発明化合物が不斉炭素を有する場合、従来公知の種々の光学 分割法、例えば光学異性体分離カラム等を用いることにより光学異性体を得ることが できる。
[0057] 具体的には、本発明の化合物は前掲の特許 I一 ΠΙのいずれか記載の方法で製造 人手することができる。
[0058] 本発明のキットは、抗酸化性置換基を有するジベンゾ [b, f]チェピンィ匕合物、ジべ ンゾ [b, f]ォキセピンィ匕合物またはこれらの薬剤学的に許容される塩の 1種または 2 種以上、例えば、上記式 1の化合物またはこれらの薬剤学的に許容される塩の 1種ま
たは 2種以上、および薬学的に許容される補助剤を含む任意の剤形の製剤、並びに 使用説明書を含む高尿酸血症および Zまたは痛風の予防用または治療用キットで ある。
発明の効果
[0059] 本発明の抗酸化性置換基を有するジベンゾ [b, f]チェピンィ匕合物またはジベンゾ[ b, f]ォキセピンィ匕合物は、血中の尿酸値を低下させる作用を有し、しかも、中枢への 作用に力ぎらず、副作用はほとんど認められない。この安全性の高さは、本発明化合 物の水酸基が体内で速やかにグルクロン酸抱合体に抱合ィ匕されることによると考えら れる。本発明化合物は経口投与により速やかに吸収されるが、血中に検出されるの はグルクロン酸抱合体のみであり、未変化体は検出されない。ほぼ 100%抱合ィ匕さ れているにもかかわらず薬効を示すのは、グルクロン酸抱合体が局所に存在する β ダルク口-ダーゼにより、局所において脱抱合化され、その未変化体が作用してい ると考えられる。組織学的な手法を用いた β ダルク口-ダーゼ合成基質による活性 染色試験において尿細管上皮には β ダルク口-ダーゼ活性があることを確認して いる。したがって、当該化合物は高尿酸血症および痛風のような高尿酸血症に起因 する疾病の予防または治療に極めて有用である。
発明を実施するための最良の形態
[0060] 本発明において使用される抗酸化性置換基を有するジベンゾ [b, f]チェピンィ匕合 物またはジベンゾ [b, f]ォキセピンィ匕合物は、種々の形態で投与される。その投与 形態としては特に限定はなぐ各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾 患の程度等に応じて決定される。例えば、淀剤、丸剤、散剤、顆粒剤、シロップ剤、 液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤およびカプセル剤の場合には経口投与される。また注 射剤の場合には、単独で或はぶどう糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して静脈内 投与され、更には必要に応じて単独で筋肉内、皮内、皮下若しくは腹腔内投与され る。坐剤の場合には直腸内投与される。好適には経口投与である。
[0061] これらの各種製剤は、常法に従って主薬に、賦形剤、結合剤、崩壊剤、潤沢剤、溶 解剤、矯味剤、矯臭剤、コーティング剤、甘味剤、着色剤、滑沢剤、安定剤、防腐剤
、保存剤等の医薬製剤分野において通常使用しうる既知の補助剤を用いて製剤化
することができる。錠剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来公 知のものを広く使用でき、例えば、乳糖、白糖、塩ィ匕ナトリウム、ぶどう糖、尿素、澱粉 、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケィ酸等の賦形剤、水、エタノール、プ ロパノール、単シロップ、ぶどう糖液、澱粉液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセル ロース、セラック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビュルピロリドン糖の結合剤、 乾燥澱粉、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭 酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウ ム、ステアリン酸モノグリセリド、澱粉、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリン、カカオバタ 一、水素添加油等の崩壊抑制剤、第 4級アンモニゥム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等 の吸収促進剤、グリセリン、澱粉等の保湿剤、澱粉、乳糖、カオリン、ベントナイト、コ ロイド状ケィ酸等の吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、硼酸末、ポリエチレングリコ ール等の滑沢剤等が例示できる。更に、錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤
、例えば、糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠或は二重錠、 多層錠とすることができる。
[0062] 丸剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使 用でき、例えば、ぶどう糖、乳糖、澱粉、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の 賦形剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、ラミナラン力 ンテン等の崩壊剤等が例示できる。
[0063] 坐剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使 用でき、例えば、ポリエチレングリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコー ルのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライド等を挙げることができる。
[0064] 注射剤として調製される場合には、液剤及び懸濁剤は殺菌され、且つ血液と等張 であるのが好ましぐこれら液剤、乳剤及び懸濁剤の形態に成形するに際しては、希 釈剤としてこの分野において慣用されているものを全て使用でき、例えば、水、ェチ ルアルコール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキ シ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を 挙げることができる。なお、この場合、等張性の溶液を調製するに十分な量の食塩、 ぶどう糖、或はグリセリンを医薬製剤中に含有せしめてもよぐまた通常の溶解補助剤
、緩衝剤、無痛化剤等を添加してもよい。更に必要に応じて着色剤、保存剤、香料、 風味剤、甘味剤等や他の医薬品を含有せしめてもよい。
[0065] 上記医薬製剤中に含まれる有効成分化合物の量は、特に限定されず広範囲に適 宜選択される力 通常全組成物中 1一 70重量%、好適には、 1一 30重量%含まれる 量とするのが適当である。本発明において、抗酸化性置換基を有するジベンゾ [b, f ]チェピンィ匕合物またはジベンゾ [b, f]ォキセピン化合物の投与量は症状、年齢、投 与方法等によって異なるが、例えば経口投与の場合には、成人に対して 1日あたり 1 一 1200mg、好ましくは 50— lOOOmgを 1回または数回に分けて、症状に応じて投 与することが望ましい。静脈内投与の場合には、成人に対して 1日当たり、 0. 01— 5 OOmg、好ましくは、 0. 1— 200mgを 1回または数回に分けて、症状に応じて投与す ることが望ましい。
[0066] 以下に本発明の実施例を記載する力 本発明はこれらに何ら限定されるものでは ない。
実施例 1
[0067] 本発明化合物の 1つである 7, 8—ジヒドロキシー 11—ェチルー 10, 11—ジヒドロジべ ンゾ [b, f]チェピン 10—オン (以下、実施例 1ィ匕合物と称す)の臨床試験によって、 本発明の化合物が尿酸値を低下させる作用があることが示された。この化合物は、 例えば、背景技術の欄に記載の特許文献 3 (国際公開第 00Z75127号パンフレット (ファミリーパテント:米国特許出願公開第 2003-0220360号明細書、米国特許第 6602898号、欧州特許出願公開 1182200号明細書)に記載されている方法により製造 することができ、その物性は以下の通りである。
融点: 237.8-239.4°C (分解温度)
NMR: 0.90 (3H, t, J=7.2Hz, CH3), 1.91—1.99 (IH, m, J=7.7Hz, CH2), 2.35-2.68 (IH, m, J=7.7Hz, CH2), 4.61 (IH, t, J=7.1Hz, CH), 6.96 (IH, s, Ar-H), 7.23 (IH, t, J=7.6Hz, Ar-H), 7.35 (IH, d, J=7.6Hz, Ar-H), 7.47 (IH, t, J=7.7Hz, Ar-H), 7.49 (IH, s, Ar-H), 7.70 (IH, d, J=7.6Hz, Ar-H)
なお、実施例 1ィ匕合物は実施例 2に記載の錠剤を製造して用い、プラセボは乳糖と セルロースを主成分として実施例 2の錠剤と同じ外観の錠剤を製造して用いた。
1.単回投与試験
健康な成人男子 8名に実施例 1ィ匕合物またはプラセボを経口投与し (実施例 1化合 物 6名、プラセボ 2名)、二重盲検試験を実施した。実施例 1化合物の用量は、 200、 400、 600、 800、 1200、 1600mgの順に段階的に増量した。安全性を確認するた めの臨床検査測定項目の 1つとして血中の尿酸値を測定した。血中尿酸値は、スクリ 一二ング時、投与直前、投与 48時間後、投与 96時間後に測定した。結果を表 1に示 す。プラセボ投与群に関しては、各 2名ずつのデータを一括して 12名のデータとした 。尿酸値は Uricase法にて測定した。
[0068] [表 1] 血中尿酸値 (単位: mg/dl)
カツコ内は投与直前値を 100¾とした場合の計算値、
**D<0.01, *pく 0.05 (Student t test)
[0069] 投与 48時間後の尿酸値はプラセボ投与群と比較して、全実施例 1化合物投与群 で低下傾向が認められた。 800mgと 1600mg投与群では、統計的に有意な差が認 められた。また、投与 96時間後の血中尿酸値には回復が認められた。また、尿酸値 以外の臨床検査値には実施例 1化合物による影響は認められず、特記すべき副作 用も認められな力つた。
2. 6 0間連続投与試験
健康な成人男子 8名に実施例 1化合物またはプラセボを 1 1回 6日間連続、経口 投与し (実施例 1化合物 6名、プラセボ 2名)、二重盲検試験を実施した。実施例 1ィ匕 合物の用量は 200、 400、 600mgの順に段階的に増量した。安全性を確認するた めの臨床検査測定項目の 1つとして血中の尿酸値を測定した。血中尿酸値は、スクリ
一二ング時、投与開始直前、投与 3日目、投与 6日目、投与 9日目、投与 15日目に 測定した。結果を表 2に示す。プラセボ投与群に関しては、各 2名ずつのデータを一 括して 6名のデータとした。
[表 2] 血中尿酸値 (単位: ffig/dl)
力ッコ内は投与直前値を 100 とした場合の計算値、
く 0.01, *p<0. 05 (Student t tes t)
[0071] 投与 3日目及び 6日目にプラセボ投与群と比較して、全投与群で血中尿酸値の低 下傾向が認められた。 400mg投与群の 6日目と 600mg投与群の 3日目及び 6日目 では、統計的に有意差が認められた。また、投与後 9及び 15日目には、血中尿酸値 の回復が認められた。また、尿酸値以外の臨床検査値には実施例 1化合物による影 響は認められず、特記すべき副作用も認められな力つた。
3. 28日間連続投与試験
ボランティア 74名に実施例 1化合物 600mgまたはプラセボを 1日 1回 28日間連 続経口投与し (実施例 1ィ匕合物 35名、プラセボ 39名)、二重盲検試験を実施した。 安全性を確認するための臨床検査測定項目の 1つとして血中の尿酸値を測定した。 血中尿酸値は、スクリーニング時、投与開始直前、投与 14日目、投与 28日目、投与 終了後 7日目に測定した。結果を表 3に示す。
[0072] [表 3]
血中尿酸値 (単位: mg dl)
カツコ内は投与直前値を 100¾とした場合の計算値、
**pく 0.01, *ρ<0. 05 (Student t test)
35曰目のデ一夕一のみ実施例 1化合物 (N=9) プラセボ (N=13)
[0073] 実施例 1化合物投与群の投与 14日目及び 28日目の血中尿酸値には、プラセボ投 与群と比較して、統計的に有意な低下が認められた。また、投与終了後 7日目には、 血中尿酸値は回復しており、薬物の効果の消失に伴い低下していた尿酸値が上昇 したと考えられる。また、尿酸値以外の臨床検査値には実施例 1化合物による影響は 認められず、特記すべき副作用も認められなかった。
実施例 2
[0074] 本発明の抗酸化性置換基を有するジベンゾ [b, f]チェピンィ匕合物またはジベンゾ[ b, f]ォキセピン化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する製 剤は、例えば次の方法により製造することができる。
1.錠剤
表 4に示す成分を混合し、公知の方法により錠剤を調製した。
[0075] [表 4]
成分 mg/餘
実施例 1化合物 200
73. 3
ポピドン 7. 5
カルボキシメチルス夕一チナトリウ 12
ム
フマル酸ステアリルナトリウム 3
ラウリル硫酸ナトリウム 3
二酸化ケイ素 1. 2
[0076] 2.カプセノレ
実施例 1ィ匕合物の粉末 200mgを 3号の乾燥ゼラチンカプセルに充填し、 200mg力 プセルを調製した。
試験例 1
[0077] 1.単回静脈内投与,経口投与毒性試験
雌雄各 5匹ずつ 4群の Crj: CD (SD) IGSラットに実施例 1化合物を NaOHに溶解 し、生理食塩水で希釈して 0、 84、 100、 120、 144、 172mg/kgずつ静脈内投与、 あるいは、実施 ί列 1ィ匕合物を 0、 500、 1000、 2000mg/kgずつ 0. 5%w/vCMC - Na溶液に懸濁させて経口投与し、投与後 14日間の観察を行った。結果は表 5に 示した。
[0078] [表 5]
実施例 1化合物 投与量 (mg/kg) 死亡例
雄 雌
静脈内投与 0 0/5 0/5
84 0/5 0/5
100 0/5 0/5
120 0/5 0/5
144 1/5 0/5
172 5/5 5/5
経口投与 0 0/5 0/5
500 0/5 0/5
1000 0/5 0/5
2000 0/5 0/5
[0079] 2. 4週間反復経口投与毒性試験
雌雄各 10匹ずつ 4群の Crj : CD (SD) IGSラットに実施例 1化合物を 0、 80、 400、 2000mgZkgZdayを 0. 5%wZvCMC— Na溶液に懸濁させて 1曰 1回 28曰間経 口投与し、投与後 14日目まで観察、検査を行い、観察期間終了時に動物を屠殺し、 臓器及び組織を肉眼により検査した。
[0080] いずれの実施例 1化合物 投与群においても死亡はみられな力つた。一般症状、 体重、摂餌量、眼検査、尿検査、血液学的検査、血液生化学検査、剖検、臓器重量 及び病理組織学的検査において実施例 1化合物の投与と関連性のある変化は見ら れなかった。
3. 26週間反復経口投与毒性試験
雌雄各 12匹(+ 6匹;投与後観察用)ずつ 4群の Crj : CD (SD) IGSラットに実施例 1ィ匕合物を 0、 40、 200、 1000mg/kg/dayを 0. 5%w/vCMC— Na溶液に懸淘 させて 1日 1回 26週間経口投与し、投与後 5週間目まで観察、検査を行い、投与終 了時と観察期間終了時に動物を屠殺し、臓器及び組織を肉眼により検査した。
[0081] 実施例 1ィ匕合物の投与によると考えられる毒性変化は認められず、本試験における 実施例 1化合物の非毒性用量は雌雄ともに lOOOmgZkgZdayであった。
4.一般薬理試験
1群 6— 8匹の雄 Crj : CD (SD) ラットに実施 f列 1ィ匕合物を 250、 500、 1000 または 2000 mg/kg
の濃度で 10 ml/kg の 0. 5% CMC— Naに懸濁させ、胃管により経口投与した。
[0082] 一般行動: 被験物質を投与前及び投与 10、 30、 60、 120、 240 分及び 24 時 間後に Irwinによる方法 (Irwiru 1968)を用いて観察した。泌尿器系:被験物質を経 口投与後直ちに 2. 5 ml/100 gの生理食塩水を経口投与した。その後 6時間に わたり尿を採取し、尿量及び尿中の Na+、 K+、 CI—濃度を測定した。消ィ匕器系:約 24 時間絶食させた動物に被験物質を経口投与し、 60分後に活性炭の 5%懸濁液 0. 5 mlを経口投与した。 20分後に動物を屠殺、小腸を摘出し、活性炭の移動率を算出し た。
[0083] 一般症状及び行動に変化は無ぐ尿量または尿中電解質への影響も、ラットの小 腸内活性炭輸送に対する影響も認められな力 た。
産業上の利用可能性
[0084] 高尿酸血症あるいは高尿酸血症に起因する疾病、例えば痛風の予防薬または治 療薬を提供することができる。