WO2005075248A1

WO2005075248A1 - 車載用監視装置

Info

Publication number: WO2005075248A1
Application number: PCT/JP2004/017387
Authority: WO
Inventors: Mitsuyoshi Nagao; Hidenori Sato
Original assignee: Murakami Corporation
Priority date: 2004-02-10
Filing date: 2004-11-24
Publication date: 2005-08-18
Also published as: JP2005225250A

Abstract

　車両に付着した雨滴を撮像するための近距離用の第１の焦点距離と、車両の周辺を撮像するための遠距離用の第２の焦点距離とを採り得るレンズ（２１）を備える車載用監視装置を提供する。カメラ部（２）は、レンズ（２１）の焦点距離を第１の焦点距離と第２の焦点距離とに切り換え可能であり、第１の焦点距離においてカメラ部（２）が撮像した画像に基づいて、雨滴検出部（３２）が雨滴の有無を検出し、第２の焦点距離においてカメラ部２が撮像した画像に基づいて、監視部（３２）が車両の周辺を監視する。雨滴の検出と車両の周辺の監視とを１台のカメラ部で行うことができ、低コスト化および設置スペースの削減を図ることができる。

Description

車載用監視装置

技術分野

[0001] 本発明は、自動車等の車両に適用可能な車載用監視装置に関し、特に、雨滴の検出および車両の周辺の監視を行うための車載用監視装置に関するものである。背景技術

[0002] 近年、 CCD (Charge Coupled Device)などの撮像手段を有するカメラ部を用いた車載用監視装置が自動車等の車両に搭載されるようになってきている。従来、このような車載用監視装置としては、雨滴の検出を行うものや自動車の周辺の監視を行うものが知られている。関連技術を開示するものとして、次のようなものがある。

特許文献 1 :特開 2001— 206201号公報（段落 0026— 0029,図 1, 03) 特許文献 2：特開 2001— 153969号公報（段落 0014— 0018,図 1)

特許文献 3 :特開 2001— 147278号公報（段落 0017— 0022, 01)

特許文献 4:特開 2001— 141838号公報（段落 0013— 0017,図 1)

特許文献 5 :特開 2000— 355260号公報（段落 0013— 0017, 01)

特許文献 6 :特開 2002-347517号公報（段落 0015— 0019,図 2)

[0003] このうち雨滴の検出を行うものは、例えば、カメラ部を用いて自動車のフロントウィンドウ（ウィンドシールド）を撮像し、このカメラ部により得られた画像から、フロントウィンドウに付着した雨滴を検出するように構成されたものが一般的に知られている。このような装置によれば、雨滴の検出を自動的に行って、その検出に基づいてフロントワイパー等を作動させることができる。

[0004] 一方、自動車の周辺の監視を行うものとしては、カメラ部を用いて自動車の周辺を撮像し、このカメラ部により得られた画像から、自動車の周辺の監視を行うように構成されたものが知られている。このような装置によれば、自動車の周辺に存在する障害物等をカメラ部を用いることにより検出することができる。

[0005] 前記従来の車載用監視装置では、雨滴の検出や自動車の周辺の監視を、前記したカメラ部で撮像した画像に基づいて行なうことが可能であった。し力しながら、このような雨滴の検出と自動車の周辺の監視といった 2つの機能を有するためには、 2台のカメラ部を自動車に搭載する必要があった。これは、雨滴の検出に用いられるカメラ部では、レンズの焦点距離を近くに (短く）設定する必要があるのに対し、周辺の監視に用いられるカメラ部では、焦点距離を遠くに (長く）設定する必要があるためである。したがって、その分、コストが嵩むとともに、カメラ部を設置するためのスペースが 2 台分必要になるという問題があった。本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされたものである。

発明の開示

[0006] 本発明の一側面としての車載用監視装置は、車両の表面を撮像するための近距離用の第 1の焦点距離と、前記車両の周辺を撮像するための遠距離用の第 2の焦点距離とを採り得るレンズを備え、前記レンズの焦点距離を前記第 1の焦点距離と前記第 2の焦点距離とに切り換え可能なカメラ部と、前記レンズの焦点距離を前記第 1の焦点距離にした状態で前記カメラ部が撮像した画像に基づいて前記車両の表面に雨滴が付着しているカゝ否かを検出する雨滴検出部と、前記レンズの焦点距離を前記第 2の焦点距離にした状態で前記カメラ部が撮像した画像に基づいて前記車両の周辺を監視する監視部とを具備する。

[0007] このような車載用監視装置によれば、カメラ部は、車両の表面（に付着した雨滴）を撮像するための近距離用の第 1の焦点距離と、車両の周辺を撮像するための遠距離用の第 2の焦点距離とを採り得るレンズを備えているので、このレンズの焦点距離を第 1の焦点距離あるいは第 2の焦点距離に切り換えることにより、車両に付着した雨滴を撮像することができるとともに、車両の周辺を撮像することができる。したがって、所望の焦点距離に切り換えることによって、 1つのカメラ部により遠近両方の画像を得ることができる。そして、雨滴検出部により、第 1の焦点距離でカメラ部が撮像した画像に基づいて雨滴の有無が検出され、また、監視部により、第 2の焦点距離でカメラ部が撮像した画像に基づいて車両の周辺が監視される。このように、雨滴の検出と車両の周辺の監視とに必要な画像を 1つのカメラ部で撮像することができ、従来実現し得な力つた 1つのカメラ部による 2つの機能を併せ備えた車載用監視装置が得られる。これにより、低コストィ匕を図ることができるとともに、設置スペースの削減を図ることができる。

[0008] 前記車載用監視装置は、前記第 1の焦点距離と前記第 2の焦点距離との切り換えを行う駆動手段をさらに具備するものとしてもよい。それによつて、第 1の焦点距離と第 2の焦点距離との切り換えを駆動手段により円滑に行うことができる。

[0009] また、前記駆動手段を具備する車載用監視装置は、前記駆動手段による前記第 1 の焦点距離と前記第 2の焦点距離との切り換えを所定間隔で行う切換制御部をさらに具備するものとしてもよい。これによつて、雨滴の検出と車両の周辺の監視とを交互に自動的に行うことができるようになるので、いずれか一方の機能が例えば運転者等の設定のし忘れなどにより、行われなくなるのを未然に防止することができる。

[0010] 本発明の別の側面としての車載用監視装置は、車両の表面を撮像するための近距離用領域と、前記車両の周辺を撮像するための遠距離用領域との少なくとも 2つの被写体領域を有するレンズを備え、前記レンズを介して前記 2つの被写体領域を同時に撮像するカメラ部と、前記カメラ部で撮像された画像から前記近距離用領域および前記遠距離用領域の画像をそれぞれ特定する特定部と、この特定部により前記近距離用領域と特定された画像に基づいて、前記車両の表面に雨滴が付着しているか否かを検出する雨滴検出部と、前記特定部により前記遠距離用領域と特定された画像に基づ!ヽて、前記車両の周辺を監視する監視部とを具備する。

[0011] このような車載用監視装置によれば、カメラ部は、そのレンズが、車両の表面（に付着した雨滴)を撮像するための近距離用領域と、車両の周辺を撮像するための遠距離用領域との少なくとも 2つの被写体領域を有しており、レンズを介してこの 2つの被写体領域を同時に撮像するようになっているので、近距離用領域と遠距離用領域との画像を常に 1度の撮像で同時に得ることができる。したがって、特別な駆動機構等をカメラ部に設ける必要が無くなり、コストの低減を図ることができる。

[0012] 本発明によれば、雨滴の検出と車両の周辺の監視とを 1台のカメラ部で行うことができ、低コストィ匕を図ることができるとともに、設置スペースの削減を図ることができる車載用監視装置を得ることができる。

[0013] 前記した本発明の諸側面および効果、ならびに、他の効果およびさらなる特徴は、添付の図面を参照して後述する本発明の例示的かつ非制限的な実施の形態の詳細な説明により、一層明ら力となるであろう。

図面の簡単な説明

[0014] [図 1]本発明の第 1の実施の形態に係る車載用監視装置が搭載された自動車を示す模式図である。

[図 2]第 1の実施の形態に係る車載用監視装置の概略構成を示すブロック図である。

[図 3] (a)は、車載用監視装置に用いられるカメラ部の斜視図、（b)は、同じくカメラ部の一部省略断面図である。

[図 4]ワイド位置とテレ位置との切り換えを示したタイムチャートである。

[図 5]ワイド位置における画像を模式的に示した図である。

[図 6]テレ位置における画像を模式的に示した図である。

[図 7]本発明の第 2の実施の形態に係る車載用監視装置に用いられるカメラ部の斜視図である。

[図 8]第 2の実施の形態に係る車載用監視装置の概略構成を示すブロック図である。

[図 9]第 2の実施の形態に係る車載用監視装置のカメラ部で撮像された画像を模式的に示す図である。

発明を実施するための最良の形態

[0015] 以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、説明において、同一の要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。

[0016] (第 1の実施の形態）

本発明の第 1の実施の形態に係る車載用監視装置について、図 1一図 6を参照して、説明する。図 1、図 2に示すように、本実施の形態の車載用監視装置 1は、カメラ部 2と、このカメラ部 2の作動を制御する制御部 3と、カメラ部 2で撮像された画像を表示する表示部 4とを有しており、カメラ部 2で撮像された画像に基づいて、後記するように雨滴の検知および車両 Cの周辺の監視 (白線検知等）を行うようになって!/、る。

[0017] カメラ部 2は、図 1に示すように、自動車等の車両 Cの図示しないインナーミラーのステー付近に設置され、レンズ 21が車両 Cの前方（フロント方向：図 1の紙面上において左方向）に向いた状態に取り付けられる。したがって、カメラ部 2には、フロントウインドウ FWを通した車両 Cの前方の画像が撮像されるようになって、る。 [0018] カメラ部 2は、図 3 (a)に示すように、図示しな、CCD等の撮像素子や後記する焦点距離制御部 23c、処理部 24 (ともに図 2参照）が内蔵された筐体 22と、この筐体 22 の前部に設けられ、少なくとも 2つの焦点距離を有する前記レンズ 21と、このレンズ 2 1の回転駆動により 2つの焦点距離の切り換えを行うための焦点距離駆動部 23 (駆動手段）とを有している。

[0019] レンズ 21は、図 3 (b)にも示すように、筐体 22に固定され、外周に雄螺子が形成された固定筒 21aと、先端部に入射レンズ 21bが設けられ、固定筒 21aの外周に螺合する雌螺子が内周に形成された移動筒 21cとを有している。このような移動筒 21cは、固定筒 21aに螺合して取り付けられることにより、その自らの回動により固定筒 21a の光軸方向（図 1の紙面上において上下方向）に進退可能に構成され、少なくとも第 1の焦点距離 L1 (ワイド位置：図 3 (b)中実線で図示した状態、以下同じ)と第 2の焦点距離 L2 (テレ位置：図 3 (b)中一点差線で図示した状態、以下同じ)との 2つの焦点距離を採り得る構成となっている。移動筒 21cの外周には後記する焦点距離駆動部 23のギヤ部 23bに嚙み合うギヤ部 21dが全周にわたって形成されている。なお、固定筒 21a、移動筒 21cの内部には、図示しないレンズまたは複数のレンズより構成されるレンズ群（レンズユニット）がそれぞれ配置されて、る。

[0020] 本実施形態では、ワイド位置 L1において、レンズ 21の前方近傍にあるフロントウインドウ FW (図 1参照）に対して焦点が合うように設定され、また、テレ位置 L2において、車両 C (図 1参照）の前方（車両 Cの前方を走行する他車両や道路の白線が映し出される位置等）に対して焦点が合うように設定される。したがって、ワイド位置 L1においては、フロントウィンドウ FW (車両 Cの表面）に付着した雨滴を撮像することができ、また、テレ位置 L2においては、車両 Cの前方を走行する他車両や道路の白線等を撮像することができる。

[0021] 焦点距離駆動部 23は、図 3 (b)に示すように、前記移動筒 21cの回転駆動源となるステッピングモータ 23aと、このステッピングモータ 23aにより駆動されるギヤ部 23bとを有している。ステッピングモータ 23aは、筐体 22内に設けられた焦点距離制御部 2 3c (図 2参照）の制御により駆動されるようになっており、この焦点距離制御部 23cは、前記ワイド位置 L 1あるいはテレ位置 L2にレンズ 21の移動筒 21cが移動するようにステッピングモータ 23aを駆動するための信号を送出するようになって、る。ステツピングモータ 23aが焦点距離制御部 23cの制御により駆動制御されると、レンズ 21の移動筒 21 cがギヤ部 21 dの回動に応じてワイド位置 L 1あるいはテレ位置 L2に移動される。

[0022] ワイド位置 L1ある、はテレ位置 L2で撮像された画像は、カメラ部 2の処理部 24 (図 2参照）で処理された後に制御部 3 (図 1、図 2参照）に送出される。

[0023] 制御部 3は、図 2に示すように、切換制御部 31と画像処理部 32 (雨滴検出部および監視部として機能する）とを有している。切換制御部 31は、撮像を制御するための信号をカメラ部 2に送出するようになっており、この切換制御部 31からの信号を受けて、カメラ部 2の焦点距離制御部 23cが焦点距離駆動部 23を駆動制御するようになつている。この制御部 3による制御は、予め設定されたモード、例えば、図 4に示すような、所定時間おきにワイド位置 L1とテレ位置 L2とを交互に切り換えるモードで行われるようになっている。このような制御を行うことにより、ワイド位置 L1とテレ位置 L2との切り換えが交互に自動的に行われることとなり、後記する雨滴の検出と車両 Cの周辺の監視との確実性の高い検出が可能となる。切り換えに係る所定時間間隔としては、例えば、ワイド位置 L1を 1秒、テレ位置 L2を 5秒に設定することが挙げられる力適宜設定可能である。

[0024] また、図 2に示すように、制御部 3は、外部入力として、イダ-ッシヨンスィッチ信号 (I G SW信号） 31a、速度信号 31bを入力し、この入力に対応する制御を行うように構成されている。イダ-ッシヨンスィッチ信号 31aに係る制御としては、様々な態様が考えられるが、例えば、車両 Cの図示しないエンジンの停止時に、これを検出して、ワイド位置 L1にのみカメラ部 2のレンズ 21を設定するように制御することが挙げられる。これは、例えば、エンジン停止時には、車両 Cの周囲を監視する必要がほとんど無いので、ワイド位置 L1にカメラ部 2のレンズ 21を固定することにより、雨滴に対応した検出（検出に連動させてワイパー等の外部装置を作動させること等）をスムーズに行うことができる。また、速度信号 31bに係る駆動制御としては、様々な態様が考えられる力例えば、徐行運転等の低速度走行時に、これを検出して、ワイド位置 L1にのみカメラ部 2のレンズ 21を設定するように制御することが挙げられる。これは、例えば、低速度走行時には、白線検知等を行う必要がほとんど無いので、ワイド位置 L1に力メラ部 2のレンズ 21を固定することにより、雨滴に対応した検出がスムーズに行われるようになる。

[0025] 画像処理部 32は、カメラ部 2から送られてきた画像を処理するようになっており、ヮイド位置 L1で撮像された画像とテレ位置 L2で撮像された画像とを処理する 2つのル一チンを備えてヽる。カメラ部 2のレンズ 21がワイド位置 L1に設定されて!ヽる場合には、カメラ部 2により撮像された画像に基づいて、雨滴の検出を行うための画像処理を行う。画像処理としては、例えば、図 5に示すように、雨滴 Rを含む画像をフィルタ処理（平均値フィルタ）して、ノイズを除去するとともに、画像上の強エツヂ領域のエツヂ抽出を行い、前記エツヂ抽出された領域について 2値ィ匕処理等を行うことにより、雨滴 Rを検出する手法が挙げられる。なお、雨滴 Rの検出に係る画像処理は、その他の公知の技術を種々採用することができる。

[0026] また、カメラ部 2のレンズ 21がテレ位置 L2に設定されている場合には、図 6に示すように、カメラ部 2により撮像された画像 E2に基づいて、道路の白線 Hの検出を行うための画像処理を行う。画像処理としては、例えば、図 6に示すような取得した画像にぉヽて微分処理を行ヽ、縦方向や斜め方向に輝度値に差を有する境界 (エツヂ)が現れた微分画像を生成し、エツヂ点を検索する等の処理を行うことにより、白線 Hを検出する手法が挙げられる。なお、白線 Hの検出に係る画像処理は、その他の公知の技術を種々採用することができる。また、カメラ部 2により撮像した相前後する 2つの画像から、同一点の移動をオプティカルフローとして検出することにより、他車両 CA の接近等の動向を監視するように処理することもできる。

[0027] このような制御部 3による制御（モード）は、運転席 S (図 1参照)周りに設置された不図示の操作スィッチやリモコン等を操作することにより任意に選択することが可能である。これにより、運転者の好みに合わせたモード等の車載用監視装置 1として利用することがでさる。

[0028] 表示部 4は、運転席 S (図 1参照）の周りの適宜の位置に設置されており、前記画像 El, E2 (図 5、図 6参照）を表示することが可能である。なお、表示部 4には、雨滴 R の検出や他車両 CAの検出時等に、運転者に対して、そのことを報知する手段、例えば、音声や警報音を発することによる報知手段や表示部 4の図示しない表示画面を点滅させる等の報知手段を設けることができる。なお、このような報知手段としては、表示部 4に付随して設けるもののほか、運転席 Sの周りにおける適宜の位置にスピー力やランプなどの報知具を用いて構成することもできる。

[0029] 次に、このような車載用監視装置 1の作用について、適宜図面を参照して説明する

[0030] まず、図示しないイグニッションキーを操作してイダ-ッシヨンスィッチが ONし、ィグニッシヨンスィッチ信号 31a (図 2参照）が制御部 3の切換制御部 31に送出されると、車載用監視装置 1が起動して、制御部 3の切換制御部 31がカメラ部 2に対して制御の信号を送出する。この場合、車両 Cの速度が停止状態を含む徐行速度等のときには、速度信号 31bが制御部 3に入力されることとなり、カメラ部 2のレンズ 21の焦点距離が、ワイド位置 L1に設定されるように制御部 3から信号が送出される。

[0031] これにより、カメラ部 2のレンズ 21がワイド位置 L1に設定され、カメラ部 2は、雨滴 R を検出するための画像を撮像する。撮像された画像は、カメラ部 2の処理部 24を介して制御部 3の画像処理部 32に送られ、雨滴 Rを検出するための画像処理が行われる。雨滴 Rが検出されると、そのことが、前記したような報知手段等により運転者に報知されるととも〖こ、ワイパー等が作動される。この場合、ワイパーの作動速度は、雨滴 R の単位面積あたりの検出量等により変化するように設定することもできる。

[0032] その後、車両 Cの速度が上がると、速度信号 31bが制御部 3に入力されなくなり、切換制御部 31は、前記予め設定されたモード、例えば、図 4に示すような、所定間隔でワイド位置 L1とテレ位置 L2とを交互に切り換えるモードでカメラ部 2が撮像を行う状態となるように信号を送出する。これを受けてカメラ部 2のレンズ 21は、ワイド位置 L1 、テレ位置 L2 (図 3 (b)参照）に移動し、図 5,図 6に示すような、それぞれの位置における画像を所定間隔で撮像する。撮像された画像は、カメラ部 2の画像処理部 24から制御部 3の画像処理部 32に送られ、画像処理部 32でそれぞれの画像に基づ、た画像処理が別々のルーチンで処理される。

[0033] これにより、雨滴 Rの検出と白線 Hの検出等（車両 Cの周辺の監視）が交互に繰り返される。そして、雨滴 Rが検出された場合には、そのことが前記報知手段等により運転者に報知され、また、白線 Hの検出が行われた場合には、その情報から、例えば、運転状況等の判断 (危険等の回避を行うための運転状況プログラム処理等)を行い、その結果を運転者に報知したり、他車両 CA (図 5参照）の動向を監視して、その結果を運転者に報知したりすることができる。

[0034] また、カメラ部 2により撮像された画像、特に、テレ位置 L2 (図 3 (b)参照）における画像 E2 (図 6参照）は、表示部 4に表示することができる。これにより、運転者は、監視状況を表示部 4で確認することができる。

[0035] なお、カメラ部 2は、本実施の形態では、図 1に示すように、フロントウィンドウ FWの近傍の図示しないインナーミラーにおけるステ一の近傍に設けた力例えば、左右のアウターミラーの一方あるいは両方に設けたり、車両 Cの後方を撮像することが可能な位置に設けたりすることができる。この場合、複数の位置にカメラ部 2を設けて、これらから得られた画像をそれぞれ画像処理して、車両 Cの周りの監視を複合的に行うようにすることちでさる。

[0036] このような車載用監視装置 1によれば、カメラ部 2は、車両 Cに付着した雨滴 R (図 5 参照)を撮像するための近距離用のワイド位置 L1 (第 1の焦点距離、図 3 (b)参照）と、車両 Cの周辺を撮像するための遠距離用のテレ位置 (第 2の焦点距離) L2とを採り得るレンズ 21を備えているので、このレンズ 21の焦点距離をワイド位置 L1あるいはテレ位置 L2に切り換えることにより、車両 Cに付着した雨滴 R (図 5参照）を撮像することができるとともに、車両 Cの周辺の状況を撮像（図 6参照）することができる。したがつて、所望の焦点距離に切り換えることによって、 1つのカメラ部 2により遠近両方の画像を得ることができる。

[0037] そして、画像処理部（雨滴検出部） 32により、ワイド位置 L1でカメラ部 2が撮像した画像に基づいて雨滴 R (図 5参照）の有無が検出され、また、画像処理部（監視部） 3 2により、テレ位置 L2でカメラ部 2が撮像した画像に基づいて車両 Cの周辺が監視される。

[0038] このように、雨滴 Rの検出と車両 Cの周辺の監視とに必要な画像を 1つのカメラ部 2 で撮像することができ、従来実現し得な力つた 1つのカメラ部 2による 2つの機能を併せ備えた車載用監視装置 1が得られる。これにより、低コストィ匕を図ることができるとともに、設置スペースの削減を図ることができる。

[0039] また、ワイド位置 L1とテレ位置 L2との切り換えを、カメラ部 2の焦点距離駆動部 23 により円滑に行うことができる。

[0040] さらに、焦点距離駆動部 23によるワイド位置 L1とテレ位置 L2との切り換えを切換制御部 31により所定時間間隔で行うことができ、雨滴 Rの検出と車両 Cの周辺の監視とを交互に自動的に行うことができる。これにより、いずれか一方の機能が例えば運転者等の設定のし忘れなどにより、行われなくなるのを防止することができる。なお、ワイド位置 L1とテレ位置 L2との切り換えは手動により行うこともできる。

[0041] (第 2の実施の形態）

本発明の第 2の実施の形態に係る車載用監視装置について、図 7—図 9を参照して、説明する。本実施の形態の車両用監視装置 5 (図 8参照）が前記第 1の実施の形態と異なるところは、図 7に示すように、カメラ部 10のレンズ 11に遠近両方の 2つの被写体を同時に撮像することが可能な遠近両用レンズを用いた点である。

[0042] 図 7において、カメラ部 10のレンズ 11は、車両 C (図 1参照）のフロントウィンドウ FW に付着した雨滴 R (図 9参照)を撮像するための近距離用領域 K1と、車両 C (図 1参照)の周辺を撮像するための遠距離用領域 K2との少なくとも 2つの被写体領域を有している。これにより、 2つの被写体領域における画像が、カメラ部 10によって同時に撮像可能となっている。

[0043] カメラ部 10により撮像された画像は、図 8に示すように、カメラ部 10の処理部 24を介して制御部 3の画像処理部 32に送出され、ここで、雨滴 Rの検出および白線 Hの検出等（ともに図 9参照）の画像処理が行われる。この場合、カメラ部 10より送られてくる画像は、遠近両方の画像が 1つの画像にまとめられたもの（図 9参照）となっている。すなわち、上半分側が近距離用領域 K1による画像であり、下半分側が遠距離用領域 K2による画像となっている。このような画像に基づく画像処理は、概略次のようにして行われる。

[0044] まず、画像上において、近距離用領域 K1による画像と、遠距離用領域 K2による画像とが分離され (切り出され)、その分離された画像ごとに、前記した雨滴 Rの検知のための画像処理、また、白線 Hの検出（監視）のための画像処理が行われる。すなわち、上半分側の近距離用領域 Klの画像に基づいて、雨滴 Rの検出が行われ、また、下半分側の遠距離用領域 K2に基づいて、監視のための画像処理が行われる。なお、切換制御部 31は、第 1の実施の形態のところで説明したようなワイド位置 L1とテレ位置 L2とを切り換えるための制御回路を必要としない分、簡易となる。

[0045] このような車両用監視装置 5によれば、カメラ部 10は、そのレンズ 11が、車両 Cのフロントウインドウ FWに付着した雨滴 Rを撮像するための近距離用領域（図 7参照) K1 と、車両 Cの周辺を撮像するための遠距離用領域（図 7参照) K2との少なくとも 2つの被写体領域を有しており、レンズ 11を介してこの 2つの被写体領域を同時に撮像するようになっているので、近距離用領域 K1と遠距離用領域 K2との画像を常に 1度の撮像で同時に得ることができる。したがって、特別な駆動機構等をカメラ部 10に設ける必要が無くなり、コストの低減を図ることができる。なお、レンズ 11に 3つ以上の被写体領域を設けるようにしても良い。この場合には、各領域ごとに画像処理を行うことにより対応することができる。

[0046] 以上、本発明の例示としての実施の形態を説明してきた力添付の請求の範囲で定義するところの本発明の精神及び範囲を逸脱しない限り、これらの実施の形態に対して様々な修正や変更が可能である。

Claims

請求の範囲

[1] 車両の表面を撮像するための近距離用の第 1の焦点距離と、前記車両の周辺を撮像するための遠距離用の第 2の焦点距離とを採り得るレンズを備え、前記レンズの焦点距離を前記第 1の焦点距離と前記第 2の焦点距離とに切り換え可能なカメラ部と、前記レンズの焦点距離を前記第 1の焦点距離にした状態で前記カメラ部が撮像した画像に基づいて、前記車両の表面に雨滴が付着している力否かを検出する雨滴検出部と、

前記レンズの焦点距離を前記第 2の焦点距離にした状態で前記カメラ部が撮像した画像に基づいて、前記車両の周辺を監視する監視部と、

を具備したことを特徴とする車載用監視装置。

[2] 前記レンズの焦点距離の前記第 1の焦点距離と前記第 2の焦点距離との切り換えを行う駆動手段をさらに具備したことを特徴とする請求項 1に記載の車載用監視装置

[3] 前記駆動手段による前記第 1の焦点距離と前記第 2の焦点距離との切り換えを所定時間間隔で行う切換制御部をさらに具備したことを特徴とする請求項 2に記載の車載用監視装置。

[4] 車両の表面を撮像するための近距離用領域と、前記車両の周辺を撮像するための遠距離用領域との少なくとも 2つの被写体領域を有するレンズを備え、前記レンズを介して前記 2つの被写体領域を同時に撮像するカメラ部と、

前記カメラ部で撮像された画像から前記近距離用領域および前記遠距離用領域の画像をそれぞれ特定する特定部と、

この特定部により前記近距離用領域と特定された画像に基づいて、前記車両の表面に雨滴が付着している力否かを検出する雨滴検出部と、

前記特定部により前記遠距離用領域と特定された画像に基づいて、前記車両の周辺を監視する監視部と、

を具備したことを特徴とする車載用監視装置。