表示パネルの信号線駆動装置
技術分野
[0001] この発明は、信号線に繋がる複数の画素のうちの走査線で選択された画素に対し て、当該画素に対して与えられた階調データに対応する継続時間をもって、所定電 圧を継続的に印加することにより、当該画素の階調を制御するようにした表示パネル の信号線駆動装置に関する。
背景技術
[0002] 周知のように、液晶表示装置の基本構成は、縦横に画素が配列された表示パネル と、表示パネル上を垂直方向へ延びる信号線を駆動する信号線駆動回路と、表示パ ネル上を水平方向へ延びる走査線を駆動する走査線駆動回路とからなるものである
[0003] 斯カる液晶表示装置にあっては、より一層のローコストィ匕が求められる中で、表示 品位の更なる向上が求められている。信号線駆動回路の性能は、表示品位の向上と 深い関係があり、中でも、信号線駆動回路に組み込まれるガンマ補正機能は、色彩 再現性と密接な関係を有する。
[0004] 従来、カラー液晶表示装置におけるガンマ補正は、 R色 (赤色)、 G色 (緑色)、 B色
(青色)の全てについて、共通のガンマ補正カーブに基づくガンマ補正機能が採用さ れていた (特許文献 1参照)。
特許文献 1:特開 2004— 151187
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0005] し力しながら、より再現性の高 、色彩、色度を実現するためには、 R色 (赤色)、 G色
(緑色)、 B色(青色)の全てについて、共通のガンマ補正カーブに基づくガンマ補正 機能では不十分であり、今後、 R色 (赤色)、 G色 (緑色)、 B色 (青色)のそれぞれに つ!、て、個別のガンマ補正カーブに基づくガンマ補正機能が組み込まれた信号線 駆動回路の開発が望まれている。
[0006] ところで、この種の信号線駆動回路には、印加電圧の値により画素の階調を制御す る印加電圧可変型のものと、所定電圧の印加時間の値により画素の階調を制御する 印加時間可変型のものとが存在する。
[0007] 印加電圧可変型の信号線駆動回路にあっては、階調数分の階調基準電圧を階調 基準電圧生成回路により予め生成しておき、電圧選択スィッチ網によりそれらの階調 基準電圧の一つを与えられた階調データに応じて選択して画素に印加すると言う手 法が採用される。
[0008] そのため、 R色(赤色)、 G色(緑色)、 B色(青色)のそれぞれにつ 、て、個別のガン マ補正カーブに基づくガンマ補正機能を組み込むためには、各色合計で 384本 {階 調数 (例えば、 64) XRGB (3) X正負極性(2) = 384}の階調基準電圧の配線が必 要となり、チップサイズが大幅に増加すると言う問題がある。
[0009] これに対して、印加時間可変型の信号線駆動回路にあっては、印加電圧は一定と したまま、印加時間だけを階調データに応じて変化させるものであるから、印加電圧 可変型の信号線駆動回路のように、階調数に応じて階調基準電圧の配線が増加す ることちない。
[0010] そのため、 R色(赤色)、 G色(緑色)、 B色(青色)のそれぞれにつ 、て、個別のガン マ補正カーブに基づくガンマ補正機能を組み込んだとしても、さほどチップサイズを 増加させることもな ヽと思われる。
[0011] この発明は、上述の技術的背景に鑑みなされてものであり、その目的とするところは
、より再現性の高い色彩、色度を実現することができると共に、回路面積も小型で低 コストに製作することができる表示パルの信号線駆動装置を提供することにある。
[0012] この発明のさらに他の目的並びに作用効果については、明細書の以下の記述を参 照すること〖こより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
課題を解決するための手段
[0013] 本発明の表示パネルの信号線駆動装置は、信号線に繋がる複数の画素のうちの 走査線で選択された画素に対して、当該画素に対して与えられた階調データに対応 する継続時間をもって、所定電圧を継続的に印加することにより、当該画素の階調を 制御するように構成される。
[0014] この表示パネルの信号線駆動装置は、 RGB各色のガンマカーブメモリと、 RGB各 色のタイマ回路と、 RGB各色の画素駆動用出力回路とを有している。
[0015] R色のガンマカーブメモリには、当該表示パネルの R色の一連の階調データに対応 するガンマ補正カーブデータが記憶されさている。 G色のガンマカーブメモリには、 当該表示パネルの G色の一連の階調データに対応するガンマ補正カーブデータが 記憶されている。 B色のガンマカーブメモリには、当該表示パネルの B色の一連の階 調データに対応するガンマ補正カーブデータが記憶されている。
[0016] R色のタイマ回路は、与えられた R色の階調データと R色のガンマカーブメモリに記 憶されたガンマ補正カーブデータとに基づ 、て、ガンマ補正された階調データに対 応するパルス幅を有する R色のタイマパルスを生成する。 G色のタイマ回路は、与え られた G色の階調データと G色のガンマカーブメモリに記憶されたガンマ補正カーブ データとに基づ 、て、ガンマ補正された階調データに対応するパルス幅を有する G 色のタイマノ ルスを生成する。 B色のタイマ回路は、与えられた B色の階調データと B 色のガンマカーブメモリに記憶されたガンマ補正カーブデータとに基づいて、ガンマ 補正された階調データに対応するパルス幅を有する B色のタイマパルスを生成する。
[0017] R色の画素駆動用出力回路は、 R色のタイマ回路にて生成された R色のタイマノル スにて R色画素に対する電圧印加の継続時間を制御される。 G色の画素駆動用出力 回路は、 G色のタイマ回路にて生成された G色のタイマパルスにて G色画素に対する 電圧印加の継続時間を制御される。 B色の画素駆動用出力回路は、 B色のタイマ回 路にて生成された B色のタイマパルスにて B色画素に対する電圧印加の継続時間を 制御される。
[0018] このような構成によれば、 R色 (赤色)、 G色 (緑色)、 B色 (青色)のそれぞれにつ ヽ て、個別のガンマ補正カーブに基づくガンマ補正を行うことにより、より再現性の高い 色彩、色度を実現することができると共に、 RGB個別ガンマ補正機能を有していても 、チップサイズへの影響は小さいため、回路面積も小型で低コストに製作することが 可能となる。加えて、本発明によれば、ガンマ補正カーブの特性は、 RGB各色のメモ リの記憶内容 (一連の階調データに対応するガンマ補正カーブデータ)により一義的 に決定されるため、ガンマ補正カーブの変更もメモリの記憶内容の変更 (例えば、書
き換える、又はメモリそのものを交換する等)により、極めて簡単に実現することができ る。
[0019] 本発明の好ましい実施の形態においては、 R色、 G色、 B色のガンマカーブメモリの それぞれに記憶されたガンマ補正カーブデータは、一連の階調データを電圧印加 時間に換算されたガンマ補正カーブに当て嵌めて得られる一連の印加時間データ の隣接時間差を、固定周期の基準クロックのカウント値に換算してなる一連の基準ク ロック数を、一連のアドレス領域に格納してなるものとされる。
[0020] また、 R色、 G色、 B色のタイマ回路のそれぞれは、ガンマカーブメモリの一連のアド レス領域力 順次に読み出される基準クロックカウント数がプリセットされ、かつ固定 周期の基準クロックをカウントすると共に、そのカウント数がプリセットされた基準クロッ クカウント数に達する毎にカウントアップパルスを生成する動作を繰り返すことにより、 ガンマ補正カーブに対応する可変周期のカウンタクロックを生成する R色、 G色、 B色 のプリセッタブルカウンタと、カウント開始指示が与えられる毎に、カウント値をリセット したのち、 R色、 G色、 B色のプリセッタブノレカウンタから出力される可変周期のカウン タクロックをそれぞれをカウントすることにより、可変周期のカウンタクロックのカウント 値に換算された階調データを生成する R色、 G色、 B色の階調カウンタと、与えられた 階調データと階調カウンタから出力される換算済みの階調データとを大小比較するこ とにより、 R色、 G色、 B色のタイマパルスをそれぞれ生成する R色、 G色、 B色のデジ タルコンパレータと、を含んでいる。
[0021] このような構成によれば、階調カウンタによるカウンタ対象となるカウンタクロックがガ ンマ補正カーブの特徴に対応する可変周期を有する低速クロックとなるため、階調力 ゥンタのカウント動作が確実なものとなると共に、デジタルコンパレータにおいては単 にカウント値と階調データとを大小比較するだけで済み、動作の確実性が保証される
[0022] 本発明の好ましい他の実施の形態においては、 R色、 G色、 B色のガンマカーブメ モリのそれぞれに記憶されたガンマ補正カーブデータは、一連の階調データを電圧 印加時間に換算されたガンマ補正カーブに当て嵌めて得られる一連の印加時間デ ータを、固定周期のカウンタクロックのカウント値に換算してなる一連のカウンタクロッ
ク数を、一連のアドレス領域に格納してなるものとされる。
[0023] また、 R色、 G色、 B色のタイマ回路のそれぞれは、与えられた階調データを引数と して、ガンマカーブメモリをアクセスすることにより、与えられた階調データを、ガンマ 補正された電圧印加時間換算の階調データに相当するカウンタクロック数に変換す るデータ変換回路と、カウント開始指示が与えられる毎に、カウント値をリセットしたの ち、固定周期のカウンタクロックをそれぞれをカウントすることにより、固定周期のカウ ンタクロックのカウント値に換算された階調データを生成する R色、 G色、 B色の階調 カウンタと、データ変換回路より得られる電圧印加時間換算の階調データに相当する カウンタクロック数と階調カウンタから出力されるカウント値とを大小比較することにより
、 R色、 G色、 B色のタイマパルスをそれぞれ生成する R色、 G色、 B色のデジタルコン パレータと、を含んでいる。
[0024] このような構成によれば、データ変換回路より得られる電圧印加時間換算の階調デ ータに相当する基準クロック数と階調カウンタ力 出力されるカウント値とを大小比較 することにより、 R色、 G色、 B色のタイマパルスをそれぞれ生成するようにしたため、 階調カウンタのカウント対象となるカウンタクロックは固定周期のものでよくなり、その 分だけ回路構成が簡素化され、チップ面積も小型化される。
[0025] 本発明及び上記の実施の形態において、 R色、 G色、 B色の画素駆動用出力回路 としては、画素に繋がる信号線の駆動端と所定電圧を有する予充電用電源との間に 介在される予充電用スィッチと、画素に繋がる信号線の駆動端と所定電圧を有する 主充電用電源との間に介在された主充電用スィッチと、画素が選択される期間の開 始時に、主充電用スィッチを非道通状態としたまま、予充電用スィッチだけを所定時 間にわたり導通状態とすることにより、当該画素を所定の充電開始電圧に予充電させ るための予充電制御手段と、予充電に続いて、予充電用スィッチを非道通状態とし たまま、主充電用スィッチを、タイマパルスで決定される所定時間にわたり導通状態と することにより、当該画素を所望の階調電圧に主充電するための主充電制御手段と 、を含むものであってもよい。
[0026] 本発明及び上記の実施の形態において、 R色、 G色、 B色の画素駆動用出力回路 としては、画素に繋がる信号線の駆動端と所定電圧を有する予充電用電源との間に
介在される予充電用スィッチと、画素に繋がる信号線の駆動端と所定の高側電圧を 有する高側主充電用電源との間に介在された高側主充電用スィッチと、画素に繋が る信号線の駆動端と所定の低側電圧を有する低側主充電用電源との間に介在され た低側主充電用スィッチと、高側及び低側の双方の主充電用スィッチを非道通状態 としたまま、予充電用スィッチだけを所定時間にわたり導通状態とすることにより、当 該画素を所定の充電開始電圧に予充電させるための予充電制御手段と、予充電に 続いて、予充電スィッチを非道通状態としたまま、高側主充電用スィッチと低側主充 電用スィッチとのうちで、当該画素に要求される充電極性に応じて決定される一方の 側の主充電用スィッチのみを、タイマパルスで決定される所定時間にわたり導通状態 とすることにより、当該画素を所望の階調電圧に充電する主充電制御手段と、主充電 に続いて、予充電用スィッチ、高側主充電用スィッチ、及び低側主充電用スィッチの 全てを非道通状態とすることにより、画素の充電電圧を保持させる電圧保持制御手 段と、を含むものであってもよい。
[0027] 別の一面力 見た本発明の表示パネルの信号線駆動装置は、信号線に繋がる複 数の画素のうちの走査線で選択された画素に対して、当該画素に対して与えられた 階調データに対応する継続時間をもって、所定電圧を継続的に印加することにより、 当該画素の階調を制御するように構成されている。
[0028] この表示パネルの信号線駆動装置には、 RGB各色のガンマカーブメモリと、 RGB 各色のタイマ回路と、 RGB各色の画素駆動用出力回路と、を有している。
[0029] R色のガンマカーブメモリには、当該表示パネルの R色の一連の階調データに対応 するガンマ補正カーブデータが記憶されている。 G色のガンマカーブメモリには、当 該表示パネルの G色の一連の階調データに対応するガンマ補正カーブデータを記 憶されている。 B色のガンマカーブメモリには、当該表示パネルの B色の一連の階調 データに対応するガンマ補正カーブデータを記憶されている。
[0030] R色のタイマ回路は、与えられた R色の階調データと R色のガンマカーブメモリに記 憶されたガンマ補正カーブデータとに基づ 、て、ガンマ補正された階調データに対 応するパルス幅を有する R色のタイマパルスを生成する。 G色のタイマ回路は、与え られた G色の階調データと G色のガンマカーブメモリに記憶されたガンマ補正カーブ
データとに基づ 、て、ガンマ補正された階調データに対応するパルス幅を有する G 色のタイマノ ルスを生成する。 G色のタイマ回路は、与えられた B色の階調データと B 色のガンマカーブメモリに記憶されたガンマ補正カーブデータとに基づいて、ガンマ 補正された階調データに対応するパルス幅を有する B色のタイマパルスを生成する。
[0031] R色の画素駆動用出力回路は、 R色のタイマ回路にて生成された R色のタイマノル スにて R色画素に対する電圧印加の継続時間を制御される。 G色の画素駆動用出力 回路は、 G色のタイマ回路にて生成された G色のタイマパルスにて G色画素に対する 電圧印加の継続時間を制御される。 B色の画素駆動用出力回路は、 B色のタイマ回 路にて生成された B色のタイマパルスにて B色画素に対する電圧印加の継続時間を 制御される。
[0032] R色、 G色、 B色のガンマカーブメモリのそれぞれに記憶されたガンマ補正カーブ データは、一連の階調データを電圧印加時間に換算されたガンマ補正カーブに当 て嵌めて得られる一連の印加時間データの隣接時間差を、固定周期の基準クロック のカウント値に換算してなる一連の基準クロック数を、一連のアドレス領域に格納して なるものである。
[0033] R色、 G色、 B色のタイマ回路のそれぞれは、ガンマカーブメモリの一連のアドレス 領域力も順次に読み出される基準クロックカウント数がプリセットされ、かつ固定周期 の基準クロックをカウントすると共に、そのカウント数がプリセットされた基準クロック力 ゥント数に達する毎にカウントアップパルスを生成する動作を繰り返すことにより、ガン マ補正カーブに対応する可変周期のカウンタクロックを生成する R色、 G色、 B色のプ リセッタブルカウンタと、カウント開始指示が与えられる毎に、カウント値をリセットした のち、 R色、 G色、 B色のプリセッタブルカウンタから出力される可変周期のカウンタク ロックをそれぞれをカウントすることにより、可変周期のカウンタクロックのカウント値に 換算された階調データを生成する R色、 G色、 B色の階調カウンタと、与えられた階調 データと階調カウンタから出力される換算済みの階調データとを大小比較することに より、 R色、 G色、 B色のタイマパルスをそれぞれ生成する R色、 G色、 B色のデジタル コンパレータと、を含んでいる。
[0034] R色、 G色、 B色の画素駆動用出力回路は、画素に繋がる信号線の駆動端と所定
電圧を有する予充電用電源との間に介在される予充電用スィッチと、画素に繋がる 信号線の駆動端と所定の高側電圧を有する高側主充電用電源との間に介在された 高側主充電用スィッチと、
[0035] 画素に繋がる信号線の駆動端と所定の低側電圧を有する低側主充電用電源との 間に介在された低側主充電用スィッチと、高側及び低側の双方の主充電用スィッチ を非道通状態としたまま、予充電用スィッチだけを所定時間にわたり導通状態とする ことにより、当該画素を所定の充電開始電圧に予充電させるための予充電制御手段 と、予充電に続いて、予充電スィッチを非道通状態としたまま、高側主充電用スイツ チと低側主充電用スィッチとのうちで、当該画素に要求される充電極性に応じて決定 される一方の側の主充電用スィッチのみを、タイマパルスで決定される所定時間にわ たり導通状態とすることにより、当該画素を所望の階調電圧に充電する主充電制御 手段と、主充電に続いて、予充電用スィッチ、高側主充電用スィッチ、及び低側主充 電用スィッチの全てを非道通状態とすることにより、画素の充電電圧を保持させる電 圧保持制御手段と、を含んでいる。
[0036] さらに、 R色、 G色、 B色のプリセッタブルカウンタ、 R色、 G色、 B色の階調カウンタ、 及び R色、 G色、 B色のデジタルコンパレータは、画素駆動極性別に独立して作動す るように構成されている。
[0037] 別の一面力 見た本発明の表示パネルの信号線駆動装置は、信号線に繋がる複 数の画素のうちの走査線で選択された画素に対して、当該画素に対して与えられた 階調データに対応する継続時間をもって、所定電圧を継続的に印加することにより、 当該画素の階調を制御するように構成されている。
[0038] この表示パネルの信号線駆動装置は、 RGB各色のガンマカーブメモリと、 RGB各 色のタイマ回路と、 RGB各色の画素駆動用出力回路と、を有している。
[0039] R色のガンマカーブメモリには、当該表示パネルの R色の一連の階調データに対応 するガンマ補正カーブデータが記憶されている。 G色のガンマカーブメモリには、当 該表示パネルの G色の一連の階調データに対応するガンマ補正カーブデータが記 憶されている。 B色のガンマカーブメモリには、当該表示パネルの B色の一連の階調 データに対応するガンマ補正カーブデータが記憶されている。
[0040] R色のタイマ回路は、与えられた R色の階調データと R色のガンマカーブメモリに記 憶されたガンマ補正カーブデータとに基づ 、て、ガンマ補正された階調データに対 応するパルス幅を有する R色のタイマパルスを生成する。 G色のタイマ回路は、与え られた G色の階調データと G色のガンマカーブメモリに記憶されたガンマ補正カーブ データとに基づ 、て、ガンマ補正された階調データに対応するパルス幅を有する G 色のタイマノ ルスを生成する。 B色のタイマ回路は、与えられた B色の階調データと B 色のガンマカーブメモリに記憶されたガンマ補正カーブデータとに基づいて、ガンマ 補正された階調データに対応するパルス幅を有する B色のタイマパルスを生成する。
[0041] R色の画素駆動用出力回路は、 R色のタイマ回路にて生成された R色のタイマノル スにて R色画素に対する電圧印加の継続時間を制御される。 G色の画素駆動用出力 回路は、 G色のタイマ回路にて生成された G色のタイマパルスにて G色画素に対する 電圧印加の継続時間を制御される。 B色の画素駆動用出力回路は、 B色のタイマ回 路にて生成された B色のタイマパルスにて B色画素に対する電圧印加の継続時間を 制御される。
[0042] R色、 G色、 B色のガンマカーブメモリのそれぞれに記憶されたガンマ補正カーブデ ータは、一連の階調データを電圧印加時間に換算されたガンマ補正カーブに当て 嵌めて得られる一連の印加時間データを、固定周期のカウンタクロックのカウント値 に換算してなる一連のカウンタクロック数を、一連のアドレス領域に格納してなるもの である。
[0043] R色、 G色、 B色のタイマ回路のそれぞれは、与えられた階調データを引数として、 ガンマカーブメモリをアクセスすることにより、与えられた階調データを、ガンマ補正さ れた電圧印加時間換算の階調データに相当するカウンタクロック数に変換するデー タ変換回路と、カウント開始指示が与えられる毎に、カウント値をリセットしたのち、固 定周期のカウンタクロックをそれぞれをカウントすることにより、固定周期のカウンタク ロックのカウント値に換算された階調データを生成する R色、 G色、 B色の階調カウン タと、
データ変換回路より得られる電圧印加時間換算の階調データに相当するカウンタ クロック数と階調カウンタから出力されるカウント値とを大小比較することにより、 R色、
G色、 B色のタイマパルスをそれぞれ生成する R色、 G色、 B色のデジタルコンパレー タと、を含んでいる。
[0044] R色、 G色、 B色の画素駆動用出力回路が、画素に繋がる信号線の駆動端と所定 電圧を有する予充電用電源との間に介在される予充電用スィッチと、画素に繋がる 信号線の駆動端と所定の高側電圧を有する高側主充電用電源との間に介在された 高側主充電用スィッチと、画素に繋がる信号線の駆動端と所定の低側電圧を有する 低側主充電用電源との間に介在された低側主充電用スィッチと、高側及び低側の双 方の主充電用スィッチを非道通状態としたまま、予充電用スィッチだけを所定時間に わたり導通状態とすることにより、当該画素を所定の充電開始電圧に予充電させるた めの予充電制御手段と、予充電に続いて、予充電スィッチを非道通状態としたまま、 高側主充電用スィッチと低側主充電用スィッチとのうちで、当該画素に要求される充 電極性に応じて決定される一方の側の主充電用スィッチのみを、タイマパルスで決 定される所定時間にわたり導通状態とすることにより、当該画素を所望の階調電圧に 充電する主充電制御手段と、主充電に続いて、予充電用スィッチ、高側主充電用ス イッチ、及び低側主充電用スィッチの全てを非道通状態とすることにより、画素の充 電電圧を保持させる電圧保持制御手段と、を含んでいる。
[0045] さらに、 R色、 G色、 B色の階調カウンタ、及び R色、 G色、 B色のデジタルコンパレー タは、画素駆動極性別に独立して設けられている。
発明の効果
[0046] 本発明によれば、 R色 (赤色)、 G色 (緑色)、 B色 (青色)のそれぞれにつ ヽて、個別 のガンマ補正カーブに基づくガンマ補正を行うことにより、より再現性の高い色彩、色 度を実現することができると共に、 RGB個別ガンマ補正機能を有していても、チップ サイズへの影響は小さ 、ため、回路面積も小型で低コストに製作することが可能とな る。カ卩えて、本発明によれば、ガンマ補正カーブの特性は、 RGB各色のメモリの記憶 内容 (一連の階調データに対応するガンマ補正カーブデータ)により一義的に決定さ れるため、ガンマ補正カーブの変更もメモリの記憶内容の変更 (例えば、書き換える、 又はメモリそのものを交換する等)により、極めて簡単に実現することができる。
発明を実施するための最良の形態
[0047] 以下に、この発明の好適な実施の一形態を添付図面を参照しながら詳細に説明す ることとする。
[0048] 本発明は、印加時間可変型の信号線駆動回路を含む表示パネルの駆動装置の一 般に広く適用ができる。本出願人は、先に、このような印加時間可変型の信号線駆動 回路を含む新規な表示パネルの駆動装置を出願 (特願 2003-428228号)して 、る 。本発明に関する以下の説明は、これを前提として行うものとする。
[0049] そこで、先ず、本発明(RGB各色別のガンマ補正カーブが組み込まれた表示パネ ルの信号線駆動装置)の説明に入る前に、先の提案に係る電圧印加時間可変型の 信号線駆動回路を含む新規な表示パネルの駆動装置について説明する。
[0050] 先の提案に係る信号線駆動回路が適用された液晶表示装置の構成例が図 1に示 されている。同図において、 1は縦横に画素が配列された液晶表示パネル、 7は液晶 表示パネル上の縦方向の画素列にそれぞれ対応する複数本の信号線、 8は表示パ ネル上の横方向の画素列にそれぞれ対応する複数本の走査線、 2 , 2 , · ' · 2η-1,
1 2
2ηは信号線 7を駆動するための信号線駆動回路ユニット、 3 , · ' · 3ηは走査線 8を駆
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動するための走査線駆動回路ユニット、 4は液晶コントローラ、 5は Gammaカーブメ モリ、 6はカウンタクロック生成回路である。
[0051] なお、図において、太線矢印 L1は CPUバス等からのデータである。太線矢印 L2 はタイミング制御等の出力制御信号である。太線矢印 L3は画像,階調データ、タイミ ング制御等の出力制御信号である。太線矢印 L4は Gammaカーブ特性に整合する ようにパルス間隔が調整された一連のカウンタクロックを構成する相前後するカウンタ パルス間隔に相当する一連の基準クロック個数データである。太線矢印 L5は相前後 するカウンタパルス間隔に相当する基準クロック個数データである。太線矢印 L6は力 ゥンタクロック生成のために利用される基準クロック信号、太線矢印 L7はカウンタクロ ック生成回路で生成されたカウンタクロックである。太線矢印 L8は画像,階調データ 、タイミング制御等の出力制御信号 (カウンタクロックを含む)である。
[0052] 以上の構成にお!、て、液晶コントローラ 4は、 CPUバス等からのデータ(L1)を受け て動作し、タイミング制御等の出力制御信号 (L2)と、画像,階調データ、タイミング制 御等の出力制御信号 (L3)とを生成出力する。
[0053] こうして得られたタイミング制御等の出力制御信号 (L2)は、走査線駆動回路ュニッ ト 3— 3mに供給される。カウンタクロック生成回路 6は、 Gammaカーブメモリ 5から読
1
み出されるカウンタパルス間隔に相当する基準クロック個数データ L5と液晶コント口 ーラ 4から供給される基準クロック信号 (L6)とに基づ 、てカウンタクロック L7を生成出 力する。
[0054] こうして得られた画像,階調データ、タイミング制御等の出力制御信号 (L3)と、カウ ンタクロック信号 (L7)とは、信号 (L8)として一括統合された後、信号線駆動回路ュ ニット 2 , 2 · ' · 2η- 1, 2ηのそれぞれへと並列に供給される。なお、 Gammaカーブメ
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モリ 5の記憶内容並びにカウンタクロック生成回路 6の動作については、後に詳細に 説明する。
[0055] 信号線駆動回路ユニットの構成例(64階調, 384チャンネル)が図 2に示されてい る。同図に示されるように、この信号線駆動回路ユニット 2は、 64チャンネル分のスト ローブ信号を生成するためのシフトレジスタ(1ビット X 64ステージ) 210と、信号 (L8 )に含まれる並列 6チャンネル分の階調データ(DOO— D05, D10— D15, D20— D 25, D30— D35, D40— D45, D50— D55) L82をデータ取込用クロック S4のエツ ジに応じてラッチするデータラッチ 240と、データラッチ 240の出力側に設けられた並 列 6チャンネル分の階調データバス(BUS)の階調データを、シフトレジスタ(1ビット X 64ステージ) 210から出力される 64チャンネル分のストローブ信号のそれぞれに 応答してラッチするラッチ回路群(並列 384個 X 6ビット X直列 2ステージ) 220と、ラ ツチ回路群 220から並列に出力される 384チャンネル分の階調データを階調電圧に 変換する DZAコンバータ群(並列 384個) 230とを含んで 、る。
[0056] なお、図において符号 L82が付されているのは並列 6チャンネル分の 6ビット階調 データ、符号 L81が付されているのは出力制御信号(出力タイミング Z極性等)、符 号 CLKが付されているのは、カウンタクロック生成回路 6にて生成されるカウンタクロ ック信号である。
[0057] 信号線駆動回路 1チャンネル分の構成例が図 3に示されている。同図に示されるよ うに、この 1チャンネル分の信号線駆動回路は、 1チャンネル分の階調データ(DOO 一 D05)を出力制御信号 L81に応答してラッチするラッチ回路 220— 1と、ラッチ回路
220— 1から出力される 1チャンネル分の階調データ D00— D05をオン時間の異なる ワンショットパルスに変換して、信号線駆動端である出力パッド (PAD1)へと出力す る DZAコンバータ 230— 1とを含んでいる。この DZAコンバータ 230— 1は、後述す るように、階調データ D00— D05に対応するパルス幅を有するタイマパルスを生成 するタイマ回路と、タイマ回路にて生成されるタイマパルスにて電圧印加の継続時間 を制御される画素駆動用出力回路とを含んで!/ヽる。
[0058] 即ち、画素駆動用出力回路の部分は、予充電用スィッチ SW1と、高側主充電用ス イッチ SW2と、低側主充電用スィッチ SW3と力もなる 3個のスィッチを備えている。そ のうち、予充電用スィッチ SW1は、信号線駆動端である出力パッド (PAD1)と所定 電圧を有する予充電用電源 Vxとの間に介在される。この例では、予充電用スィッチ SW1は、 pチャンネル型 MOSFET21aと nチャンネル型 MOSFET21bとを互いに 逆並列接続したものが使用されている。
[0059] 高側主充電用スィッチ SW2は、信号線駆動端である出力パッド PAD1と所定の高 側電圧を有する高側主充電用電源 VDDとの間に介在される。この例では、高側主 充電用スィッチ SW2としては pチャンネル型 MOSFETが使用されている。
[0060] 低側主充電用スィッチ SW3は、信号線駆動端である出力パッド (PAD1)と所定の 低側電圧を有する低側主充電用電源 VSSとの間に介在される。この例では、低側主 充電用スィッチ SW3としては nチャンネル型 MOSFETが使用されている。
[0061] 高側主充電用スィッチ SW2を構成する pチャンネル型 MOSFETのゲートと、低側 主充電用スィッチ SW3を構成する nチャンネル型 MOSFETのゲートとは、それぞれ アナログスィッチ AS1, AS2を介して共通接続された後、コンパレータ CMPの出力 端に接続されている。
[0062] これらのアナログスィッチ AS 1, AS2はデータ取込用クロック S4によって択一的に 導通するように制御されている。具体的には、データ取込用クロック S4の論理レベル が正極性電圧を示すとき、アナログスィッチ AS 1が導通する。同様に、データ取込用 クロック S4の論理レベルが負極性電圧を示すとき、アナログスィッチ AS2が導通する
[0063] 一方、タイマ回路は、コンパレータ CMPを主体として構成されている。コンパレータ
CMPはデジタル型のコンパレータであり、ラッチ 220— 1から到来する階調データ DO 0— D05と、カウンタ CTRから到来する 6ビットのデータとの大小比較を行い、その比 較結果に相当する二値信号を出力する。
[0064] カウンタ CTRは、カウンタクロック CLKをカウントする。カウンタ CTRのカウント開始 及びカウント停止は出力タイミング信号 S5によって制御される。後に詳細に説明する ように、カウンタクロック CLKの相前後するパルス間隔は Gammaカーブ特性に整合 するように調整されている。
[0065] また、コンパレータ CMPの出力極性は、データ取込用クロック S4によって、正極性 と負極性とに交互に切替設定される。そのため、コンパレータ CMPの出力側には、ラ ツチされたデータ DOO— D05の大きさに対応するパルス幅 Txxを有する正極性のヮ ンショットパルス(タイマパルス)と負極性のワンショットパルス(タイマパルス)とが、当 該信号ラインの選択期間の開始時期にあわせて出力される。
[0066] 図において符号 250aが付された円内に描かれているの力 負極性のワンショットパ ルス(タイマパルス)であり、同様に符号 250bが付された円内に描かれて!/、るのが正 極性のワンショットパルス(タイマパルス)である。図から明らかなように、これらのパル スはいずれも、ラッチ 220— 1から出力される階調データ DOO— D05の大きさに対応 したパルス幅 Txxを有する。
[0067] 次に、図 5—図 10に記載された信号波形図を参照して、図 3に示される信号線駆 動回路の動作について説明する。なお、図 5—図 10のレイアウトは図 11のレイアウト 図にしたがうものとする。
[0068] 図 5—図 10において、符号 S6が付されているのはプリチャージ信号である。このプ リチャージ信号 S6には、 1水平走査期間の最初に限り、パルス幅 Τρを有するワンショ ットパルスが現れる。このプリチャージ信号 S6は、図 3に示されるように、予充電用ス イッチ SW1に対するスイッチング制御信号として機能する。
[0069] 具体的には、プリチャージ信号は互いに論理極性の異なる相補的な 2系統の信号 として存在し、その負極性信号である反転 S6は ρチャンネル型 MOSFET21aのゲ ートに与えられ、他方正極性信号である S6は nチャンネル型 MOSFET21bのゲート へと与えられる。これにより、それら 2つの MOSFET21a, 21bは同時に導通し、予
充電用スィッチ SW1に双方向導通性が付与される。
[0070] 符号 CLKが付されているのがカウンタクロックである。図では、カウンタクロックを構 成するクロックパルス同士の間隔は等間隔に描かれているが、後に詳細に説明する ように、これらのパルス間隔は Gammaカーブ特性に整合するように調整されて!、る。
[0071] CMP出力と記されているのは、コンパレータ CMPの出力のことである。また、 CMP 出力(n)とあるのは、コンパレータ CMPに供給されるラッチデータ DOO— D05が階 調(n)を示すときのコンパレータ CMPの出力のことである。
[0072] 符号 S4が付されているのがデータ取込用クロックである。このデータ取込用クロック
S4の論理極性は 1水平走査期間ごとに反転する。これにより隣接する走査線上の画 素列は交互に正と負に充電される。
[0073] 符号 S7が付されているのが走査線駆動回路出力である。これは、図 4に示されよう に、出力パッド PAD2の出力側の P2点の信号のことである。後に説明するように、こ の走査線駆動回路出力 S7によって、信号線 7と画素 91とを結ぶスィッチ素子 (TFT)
93の導通、非道通が制御される。
[0074] 符号 Vinが付されているのは信号線印加電圧、換言すれば信号線駆動回路出力 である。これは、図 4に示されように、出力パッド PAD1の出力側の P1点の信号のこと である。後に説明するように、この信号線印加電圧 Vinによって、画素 91に対する主 充電が行われる。
[0075] 符号 Vcが付されているのは液晶画素充電電圧である。これは、図 4に示されように 、画素 91に繋がる P3点の信号のことである。後に説明するように、この液晶画素充 電電圧 Vcによって、画素の表示階調が制御される。
[0076] 画素及びその周辺の回路要素の等価回路が図 4に示されている。同図において、 PAD1は信号線駆動回路の出力パッド、 PAD2は走査線駆動回路の出力パッド、 9 1は液晶画素、 92は補助容量、 93はスィッチ素子を構成する薄膜トランジスタ、 81は 走査線 8の配線回路要素、 71は信号線 7の配線回路要素である。信号線の配線回 路要素 71〖こは、配線抵抗 71aと配線容量 71bとが含まれている。 R1は配線抵抗の 抵抗値、 C1は配線容量の容量値である。また、走査線の配線回路要素 81には、抵 抗成分 81aと容量成分 81bとが含まれている。なお、 R2は抵抗成分 8 laの抵抗値、
C2は容量成分 8 lbの容量値である。さらに、 R3は薄膜トランジスタ 93のオン抵抗値 、 C3は液晶画素 91の容量値、 C4は補助容量 92の容量値である。
[0077] そして、先に述べたように走査線駆動回路出力 S7とは、図 4の回路において、パッ ド PAD2の出力側における点 P2の信号であり、信号線印加電圧 Vinとは図 4の回路 においてパッド(PAD1)の出力側における点 P1の信号のことである。さらに、液晶画 素の充電電圧 Vcとは、図 4の回路において点 P3における信号のことである。
[0078] 以上の知識を前提として、いま仮に、任意の 1水平走査線上の画素が選択されたも のと想定する。すると、当該 1水平走査線上の画素が選択された期間(1水平走査期 間)の開始時 tOOに応答して、プリチャージ信号 S6にはノルス幅 Tpを有するワンショ ットパルスが出現する(図 5参照)。
[0079] このプリチャージ信号 S6中のワンショットパルスを受けて、予充電用スィッチ SW1 は導通状態となり、これにより信号線には予充電用電圧 Vxが印加されて、液晶画素 91の充電電圧 Vcはそれまでの任意の負極性電圧カゝら Vxへと急速に予充電される( 図 9の時刻 tOO— tO参照)。ここで重要な点は、電圧 Vxへの予充電は、プリチャージ 信号 S6中のワンショットパルスのパルス幅 Tpに相当する時間内に完了することであ る。続いて、 1水平走査期間の開始時点から時間 Tpが経過すると、予充電スィッチ S W1は再び非導通状態となって、予充電用電源 Vxは信号線力 切り離される。
[0080] 時刻 tOにおいて予充電期間が終了すると、続いてカウンタ CTRはカウンタパルス C LKのカウントを開始する。カウンタ CTRのカウント値がラッチ 220— 1にラッチされた 階調データ D00— D05よりも小さい期間(図 5に示される Tl, T2, · ' ·Τ63, Τ64)に あっては、コンパレータ CMPの出力は" L"に維持される。また、このコンパレータ CM Pの出力が" L"に維持される期間にあっては、データ取込用クロック S4の作用により 、アナログスィッチ AS 1だけが導通状態とされる。
[0081] すると、コンパレータ CMPの出力" L"が高側主充電用スィッチ SW2を構成する pチ ヤンネル型 MOSFETのゲートに供給されることにより、高側主充電用スィッチ SW2 が導通状態となって、信号線には高側主充電用電源 VDDの印加が開始される(図 7 の時刻 tO参照)。すると、画素の充電電圧 Vcの値は、充電開始電圧である Vx力ゝら所 定の時定数カーブを描いて時間と共に上昇する(図 9の時刻 tO以降参照)。
[0082] この充電進行状態において、ラッチ 220— 1にラッチされた階調データ DOO— D05 の値とカウンタ CTRのカウント値とがー致すると、コンパレータ CMPの出力は" L"か ら" H"へと切り換えられ(図 5の時刻 tl, t2, •••tn, - ·ί63, t64参照)、これを受けて 高側主充電用スィッチ SW2は再び非導通状態となり、信号線に対する高側主充電 用電源 VDDの印加は停止される(図 9の充電カーブ水平部分参照)。
[0083] 今仮に、ラッチ 220—1にラッチされた階調データ DOO— D05の示す階調が「n」で あったものと想定すると、信号線印加電圧 Vinの値は時刻 tnにおいて +VDD力 そ のときの画素充電電圧で定まる電圧 (Hiz)へと低下する(図 7参照)。一方、時刻 tn において、画素の充電電圧 Vcの値は +Vnに達している(図 9参照)。以後、 3個のス イッチ SW1 , SW2, SW3はいずれも非導通状態に維持されるため、画素に繋がる 信号線は 1水平走査期間の終了を待つことなく全ての電源カゝら切り離されて電気的 に浮いた状態とされる。これにより、画素の充電電圧 Vcの値は、それまでの充電電圧 である +Vnに保持される(図 9の充電カーブ水平部分参照)。
[0084] 一方、当該画素に関する次の選択期間が到来すると、図 6に示されるように、当該 画素が選択された 1水平走査期間の開始時点において、プリチャージ信号 S6に含ま れるワンショットパルスによって、予充電用スィッチ SW1は再び導通状態とされる(図 6の tOO— t(T参照)。すると、信号線に対して予充電用電源 Vxが再び印加されるこ とにより、画素の充電電圧 Vcの値は任意の正極性電圧から予充電用電圧 Vxへと予 充電される(図 8の充電カーブ波線部参照)。
[0085] 図 8に示されるように、時刻 tO' において、予充電期間が終了すると、予充電用ス イッチ SW1は再び非導通状態となり、画素に繋がる信号線は予充電用電源 Vxから 切り離される。以後、先の場合と同様にして、カウンタ CTRがカウンタクロック CLKの カウントを開始することによって、コンパレータ CMPにおいては、ラッチ 220— 1にラッ チされた階調データ D00— D05とカウンタ CTRのカウント値との大小比較が開始さ れる。このとき、データ取込用クロック S4の作用によって、カウンタ CTRのカウント値 力 Sラッチされた階調データ D00— D05よりも小さい期間にあっては、コンパレータ C MPの出力は" H"に維持される(図 6の期間 T1, Τ2 · · ·Τη, · ·Τ63, Τ64)。また、こ のとき、データ極性切替信号 S7の作用によって、アナログスィッチ AS2だけが導通
状態とされる。
[0086] そのため、コンパレータ CMPの出力である" H"が低側主充電用スィッチ SW3を構 成する nチャンネル型 MOSFETのゲートに供給されることによって、低側主充電用ス イッチ SW3が導通状態となり、信号線に対して低側主充電用電源 VSSの印加が開 始される(図 8の時刻 tO' 参照)。
[0087] すると、図 6に示されるように、画素の充電電圧 Vcの値は、充電開始電圧 Vxから時 定数カーブを描きながら徐々に低下していく(図 10の時刻 t(T以降参照)。その後、 ラッチされた階調データ D00— D05とカウンタ CTRのカウント値とがー致すると、コン パレータ CMPの出力は" H"から" L"に切り替わる(図 6の tr, t2 •••tn', - -t63' , t64'参照)。
[0088] すると、低側主充電用スィッチ SW3が非導通状態になることによって、信号線に対 する低側主充電用電源 VSSの印加は停止する。このとき、 3個のスィッチ SWl, SW 2, SW3はいずれも非導通状態となるため、画素に繋がる信号線はいずれの電源か らも切り離され、電気的に浮いた状態とされる。
[0089] 図 6に示されるように、仮に階調データの値が負極性の n階調であったとすれば、画 素の充電電圧 Vcは Vnとなる(図 10参照)。以後、画素に繋がる信号線がいずれの 電源からも切り離されることによって、画素の充電電圧 Vcの値はこの例であれば V nに保持される(図 10の充電カーブの水平部参照)。
[0090] このように、以上の実施形態に係る信号線駆動回路 (特に、画素駆動用出力回路 部分)は、画素 91に繋がる信号線 7の駆動端 (PAD1)と予充電用電源 Vxとの間に 介在された予充電用スィッチ SW1と、画素 91に繋がる信号線 7の駆動端 (PAD1)と 高側主充電用電源 VDDとの間に介在された高側主充電用スィッチ SW2と、画素 91 に繋がる信号線 7の駆動端 PAD1と低側主充電用電源 VSSとの間に介在された低 側主充電用スィッチ SW3と、高側及び低側の双方の主充電用スィッチ SW2, SW3 を非導通状態としたまま、予充電用スィッチ SW1だけを所定時間 (Tp)にわたり導通 状態とすることにより、当該画素 91を所定の充電開始電圧に予充電させるための第 1 のスィッチ制御手段と、予充電に続いて、予充電スィッチ SW1を非導通状態としたま ま、高側主充電用スィッチ SW2と低側主充電用スィッチ SW3とのうちで、当該画素 9
1に要求される充電極性に応じて決定される一方の側の主充電用スィッチのみを、与 えられた階調データ D00— D05に基づいて決定される所定時間 (Tn)にわたり導通 状態とすることにより、当該画素 91を所望の階調電圧に充電する第 2のスィッチ制御 手段と、 3個の充電用スィッチ SW1, SW2, SW3を全て非導通状態とすることによつ て、画素 91に繋がる信号線 7を電源力も切り離して、電気的に浮いた状態とすること により、画素 91の充電電圧を保持させる充電電圧保持手段とを有するものである。
[0091] 次に、 Gammaカーブメモリ 5の記憶データ並びにカウンタクロック生成回路 6の作 用について説明する。階調データと階調電圧との関係 (Gammaカーブ特性)が図 1 2に、また Gammaカーブ特性とカウンタクロックとの関係が図 13にそれぞれ示されて いる。なお、説明の便宜上、モノクロ表示とする力 実際には RGBカラー表示とされる ことは言うまでもない。
[0092] 図 12に示されるように、階調データと階調電圧との間には非直線的な関係が成立 する。そのため、階調データが等間隔で刻まれていたとしても、これに対応する隣接 階調電圧間の電位差は、 AV01 > AV12> AV23 > Δ V34と均等にはならない。 従って、一連の階調データのそれぞれを信号線に対する電圧印加時間で決定する 場合、階調データが等間隔で変化したとしても、電圧印加時間 T1, Τ2, Τ3, Τ4· · · Τ64につ!/、てはこれに比例して増加させることはできな!、。
[0093] そこで、本発明にあっては、図 13に示されるように、図 12に示される電圧印加時間 T1, Τ2, Τ3, Τ4· · ·Τ64に対応させるようにして、カウンタクロックを構成する相前 後するクロックパルスの間隔を、 ΔΤΟΙ, ΔΤ12, ΔΤ23, ΔΤ34のように調整し、こ れにより階調データから階調電圧を得る際の Gammaカーブ補正を実現している。
[0094] より具体的には、図 14 (a)に示されるように、 Gammaカーブメモリ 5内には、 Gamm aカーブ特性に整合するようにパルス間隔が調整された一連のカウンタクロックを構成 する相前後するカウンタパルス間隔に相当する一連の基準クロック個数データが記 憶される。一方、カウンタクロック生成回路 6の側では、図 14 (b)に示されるように、 G ammaカーブメモリの先頭アドレス力 順次基準クロック数を読み出しては、これを基 準クロックでカウントすることによって、カウンタクロックを生成するようにしている。こう して得られたカウンタクロック(CLK)を図 3に示されるカウンタ CTRでカウントすれば
、そのカウント値に相当する時間長 Txxの値は、 Tl, Τ2, Τ3 · · ·Τ61となって、 Gam maカーブ補正がなされたものとなり、この時間長 Txxによってスィッチ SW2又は SW 3の通電時間を制御することによって、所望の階調電圧を生成することができる。
[0095] 以上説明した本発明の信号線駆動回路の階調電圧生成原理は、基本的には、信 号線 7に対する印加電圧 (Vx, VDD, VSS)を固定したまま、印加時間 (Txx)を階 調データに応じて変化させるものであるから、多階調化を図るべく階調ビット数を増 カロさせたとしても、階調電圧生成系につ 、ては特別な設計変更を要しな 、。
[0096] 以上の構成によれば、画素を含む信号線周辺回路の時定数と信号線印加電圧と で規定される充電特性カーブと、信号線に対する所定電圧印加時間とにより、画素 の充電電圧は一義的に決まるため、従来の信号線駆動方法のように、目的とする画 素充電電圧のそれぞれに相当する多数の階調基準電圧を予め用意するための、階 調用電源 (パワートランジスタを中心とする定電圧回路を含む)、階調基準電圧発生 回路 (抵抗ラダー回路を含む)、電圧選択スィッチ網(多数のアナログスィッチを含む
)が不要となり、部品点数の減少や回路面積の減少により省チップ面積ィ匕を実現して 、コストダウン並びに低消費電力化を図ることができる。
[0097] また、以上の構成によれば、信号線に対して、予充電、主充電、充電電圧保持と!/ヽ つた 3つの処理を順次に行うだけであるから、適当な電圧を有する電源と各信号線と の間に充電用スィッチを介在させるといった簡単な回路構成で実現することができ、 信号線駆動回路の実効出力インピーダンスは極めて低ぐそのため高精細化ゃ大画 面化を意図したとしても、信号線駆動のためにオペアンプを設けたり、あるいは電圧 選択スィッチ網を構成するアナログスィッチのサイズアップを図る必要がなくなり、こ の面からも部品点数の減少や回路面積の減少により、省チップ面積ィ匕を実現して、 コストダウン並びに低消費電力化を図ることができる。
[0098] また、以上の構成によれば、信号線に対して、予充電、主充電、充電電圧保持と!/ヽ つた 3つの処理を順次に行うだけであるから、適当な電圧を有する電源と各信号線と の間に介在された予充電用スィッチ並びに主充電用スィッチの導通時間をカウンタ やデジタルコンパレータ等を用いて制御することで実現することができる。そのため、 回路全体のデジタルィ匕により、高精度を要求されるアナログ回路等が存在しないた
め、回路全体又は回路の一部を表示パネル部に作り込むことができ、表示パネルと の同時製造によるコストダウンを図ることもできる。
[0099] また、以上の構成によれば、予充電用スィッチ SW1、高側主充電用スィッチ SW2、 低側主充電用スィッチ SW3を設けると共に、それらスィッチの導通タイミング及び導 通時間を、予充電制御手段と主充電制御手段にて制御するだけであるから、画素に 対する双極性充電を行う表示パネルに対しては、簡単な構成で対応することができ るという利点がある。
[0100] また、以上の構成によれば、信号線駆動回路に含まれるコンパレータ CMPは少素 子構成で実現することができるため、従前の抵抗ラダー式の階調基準電圧生成回路 を使用する信号線駆動回路に比べて、省チップ面積ィ匕が可能となる。カロえて、このよ うな回路構成によれば、表示階調数が増カロしたとしても、チップ面積の増加分が少な いという利点もある。
[0101] さらに、以上の構成によれば、予充電スィッチ、主充電スィッチ等の構成はそのまま として、 Gammaカーブメモリ内の格納データとカウントクロック生成回路だけを個別に 設計するだけで、 Gammaカーブ特性等の異なる様々な機種の表示パネルに適用 することができ、多品種少量生産に対してもコストアップを来すことがないという利点 を有する。
[0102] なお、以上の構成においては、主充電ステップにおいては、印加電圧については VSS又は VDDに固定したまま、印加時間 Txxだけを階調データ(DOO— D05)の値 に応じて変ィ匕させた力 例えば印カロ電圧については VSS1, VSS2, VSS3 (VSS1 >VSS2>VSS3)、 VDD1, VDD2, VDD3 (VDD 1 <VDD2<VDD3)のように 正負 3段階のものを用意しておき、階調データ (DOO— D05)を三段階に弁別すると ともに、その弁別結果に合わせてそれら 3種類の印加電圧を選択するようにすれば、 階調データの値の大小に起因する充電所要時間のバラツキを解消し、応答速度を 均一ィ匕させることができる。
[0103] また、以上の構成においては、正負 2種類の印加電圧を用意した力 交互に印加 電圧の極性を異ならせることが不要な画素材料を使用した表示パネルであれば、そ のような両極性の印加電圧を用意する必要がないことは勿論である。
[0104] さらに、以上の構成においては、本発明を TFT液晶パネルに適用した力 本発明 はその他の容量性画素を有する表示パネル (例えば、有機 ELパネル等)に広く適用 することができる。
[0105] 次に、図 15—図 21を参照しつつ、 RGB各色個別のガンマ補正カーブに基づくガ ンマ補正が行われるようにした本発明の信号線駆動装置の第 1実施形態について詳 細に説明する。
[0106] 本発明が適用された液晶表示装置全体の構成図 (第 1実施形態)が図 15に、示さ れている。なお、図において、先に説明した図 1の構成と同一構成部分については 同符号を付して説明は省略する。
[0107] 図から明らかなように、この液晶表示装置の特徴は、ガンマカーブメモリ 5 A及び力 ゥンタクロック生成回路 6Aの部分にある。すなわち、この例にあっては、ガンマカー ブメモリ 5Aは、 RGB各色個別のガンマ補正カーブがそれぞれ記憶された 3個のガン マカーブメモリにより構成されている。同様にして、カウンタクロック生成回路 6Aにつ V、ても、 RGB各色個別の 3個のカウンタクロック生成回路により構成されて 、る。
[0108] ガンマカーブメモリ 5Aを構成する 3個のメモリのうちで、 R色用のガンマカーブメモリ には、図 17に示される REDガンマ補正カーブ(C1)に相当するガンマ補正カーブデ ータが、 G色用のガンマカーブメモリには、図 17に示される GREENガンマ補正カー ブ(C2)に相当するガンマ補正カーブデータが、 R色用のガンマカーブメモリには、 図 17に示される BLUEガンマ補正カーブ (C3)に相当するガンマ補正カーブデータ 力 それぞれ記憶されている。
[0109] 3個のガンマ補正カーブデータのそれぞれの構造は、先に、図 12—図 14を参照し て説明したものと同様である。すなわち、 R色、 G色、 B色のガンマカーブメモリのそれ ぞれに記憶されたガンマ補正カーブデータは、一連の階調データを電圧印加時間 に換算されたガンマ補正カーブ(図 12の Gammaカーブ)に当て嵌めて得られる一 連の印加時間データの隣接時間差(図 13の ΔΤΟΙ, ΔΤ12, ΔΤ23, ΔΤ34· · ·) を、固定周期の基準クロックのカウント値に換算(図 14 (b)参照)してなる一連の基準 クロック数を、一連のアドレス領域に格納(図 14 (a)参照)してなるものである。
[0110] 一方、カウンタクロック生成回路 6Aを構成する 3個のカウンタクロック生成回路のそ
れぞれは、ガンマカーブメモリ 5 Aを構成する 3個のガンマカーブメモリのそれぞれの 一連のアドレス領域力 順次に読み出される基準クロックカウント数がプリセットされ、 かつ固定周期の基準クロック(CLK(O) )をカウントすると共に、そのカウント数がプリ セットされた基準クロックカウント数に達する毎にカウントアップパルスを生成する動作 を繰り返すことにより、ガンマ補正カーブに対応する可変周期のカウンタクロック(CL K (R) , CLK(G) , CLK (B) )を生成するプリセッタブルカウンタにより構成されてい る。
[0111] 本発明が適用された液晶表示装置を構成する信号線駆動回路ユニットの一例を示 す構成図(その 1)が図 16に示されている。なお、同図において、先に、図 2を参照し て説明したものと同一構成部分については、同符号を付すことにより説明は省略する
[0112] 図から明らかなように、この信号線駆動回路ユニットの特徴は、階調カウンタ CTRが 、 R色用、 G色用、及び B色用力 なる 3個の 6ビット階調カウンタにより構成されてい る点にある。これら 3個の 6ビット階調カウンタは、カウンタクロック生成回路 6Aを構成 する 3個のカウンタクロック生成回路のそれぞれから出力される R色用、 G色用、及び B色用力もなる 3系統のカウンタクロック CLK(R) , CLK(G) , CLK(B)のそれぞれ をカウントすると共に、そのカウント値である 6ビット階調データはコンパレータ群 230 内の各色のデジタルコンパレータのそれぞれへと供給される。
[0113] 同信号線駆動回路ユニットの 3チャンネル (RGB)分の構成図(その 1)が図 18に示 されている。図において、 5A (R) , 5A (G) , 5A(B)はガンマカーブメモリ 5A (図 15) を構成する 3個のガンマカーブメモリ、 6A(R) , 6A(G) , 6A (B)はカウンタクロック生 成回路 6A (図 15)を構成する 3個のカウンタクロック生成回路、 CTR(R) , CTR(G) , CTR(B)は階調カウンタ(図 15)を構成する 3個の階調カウンタである。
[0114] 図から明らかなように、信号線駆動回路ユニット内には R色、 G色、 B色のそれぞれ に対応する 3個のデジタルコンパレータ CMP (R) , COMP (G) , COMP (B)が含ま れている。それら 3個のデジタルコンパレータ CMP (R) , COMP (G) , COMP (B) は、 3個の階調カウンタ CTR (R) , CTR(G) , CTR (B)により 3系統のカウンタクロッ ク CLK(R) , CLK(G) , CLK(B)をカウントして得られた階調データと 3個のラッチ 2
20-1 (R) , 220-1 (G) , 220— 1 (B)にラッチされる各色の指定階調データとの大小 比較を行うことにより、 RGB3系統(X正負 2系統)のタイマパルスを生成する。こられ 3系統( X正負 2系統)のタイマパルスにより、先に説明した画素駆動用出力回路 25 0—1内の 2個のアナログスィッチ AS 1, AS2が交互にオンすることにより、信号線に 繋がる複数の画素のうちの走査線で選択された画素に対して、当該画素に対して与 えられた階調データに対応する継続時間をもって、所定電圧 (VDD又は VSS)を継 続的に印加することにより、当該画素の表示階調が制御されることは先に説明した通 りである。
[0115] このときにおける各色のカウンタクロック CLK(R) , CLK (G) , CLK(B)とチャンネ ルの駆動時間(印加時間) Txx (図 3参照)との関係(6bit=64階調)が図 20にタイミ ングチャートとしてまとめて示されて 、る。
[0116] 図から明らかなように、各色のカウンタクロック CLK(R) , CLK(G) , CLK(B)は、 3 種類のガンマ補正カーブ CI一 C3 (図 19参照)に対応して可変周期とされている。
[0117] 各色の階調カウンタ CTR(R) , CTR (G) , CTR(B)は、カウント開始指示が与えら れる毎に、カウント値をリセットしたのち、 R色、 G色、 B色のプリセッタブルカウンタ(力 ゥンタクロック生成回路 6A(R) , 6A (G) , 6A(B) )から出力される可変周期のカウン タクロック CLK(R) , CLK(G) , CLK(B)をそれぞれをカウントすることにより、可変 周期のカウンタクロックのカウント値に換算された階調データが生成される。
[0118] こうして得られた各階調データ力 各チャンネル指定の階調データと、デジタルコン パレータ CMP (R) , COMP (G) , COMP (B)において大小比較されることで、各チ ヤンネルの駆動時間(Txx)が TR1— TR64, TG1— TG64, TBI— TB64として生 成される。
[0119] 上述の信号線駆動回路によれば、 RGB独立ガンマ補正を実現してはいるものの、 各色合計配線数は 18本 (6 X RGB)に過ぎないため、チップ面積をさほど増加させる ものではない。
[0120] なお、以上の説明では、図 15に示されるように、ガンマカーブメモリ 5A及びカウン タクロック生成回路 6 Aを信号線駆動回路ユニット 2の外部に配置したが、図 17に示 されるように、それらを信号線駆動回路ユニットの内部に配置してもよいし、図示しな
V、が液晶コントローラ 4の内部に配置してもよ!/、。
[0121] 同信号線駆動回路ユニットの 3チャンネル (RGB)分の構成図(その 2)が図 21に示 されている。なお、同図において、先に説明した図 18と同一構成部分については、 同符号を付して説明は省略する。この例にあっては、 R色、 G色、 B色のカウンタクロ ック生成回路、 R色、 G色、 B色の階調カウンタ、及び R色、 G色、 B色のデジタルコン ノルータは、画素駆動極性別に独立して作動するように設けられている。
[0122] すなわち、図 21から明らかなように、 R色系統についてみると、階調カウンタは正側 の階調カウンタ 5A (RP)と府側の階調カウンタ 5A(RN)とで構成されており、コンパ レータ CMP1 (R)は正側と負側とで別個独立に比較動作を行うように構成されている 。また、 G色系統についてみると、階調カウンタは正側の階調カウンタ 5A (GP)と府 側の階調カウンタ 5A (GN)とで構成されており、コンパレータ CMP1 (G)は正側と負 側とで別個独立に比較動作を行うように構成されている。さらに、また、 B色系統につ いてみると、階調カウンタは正側の階調カウンタ 5A (BP)と府側の階調カウンタ 5A( BN)とで構成されており、コンパレータ CMP1 (B)は正側と負側とで別個独立に比較 動作を行うように構成されて 、る
[0123] その結果、図 21に示される信号線駆動回路ユニットによれば、さらに表示品位の向 上を図ることができる。この場合、配線数の合計は 36本 (6 X RGB X正負極)となる 力 この程度の本数増加であればチップ面積をさほど増加させることはない。
[0124] 次に、図 22—図 29を参照しつつ、 RGB各色個別のガンマ補正カーブに基づくガ ンマ補正が行われるようにした本発明の信号線駆動装置の第 2実施形態について詳 細に説明する。
[0125] 本発明が適用された液晶表示装置全体の構成図 (第 1実施形態)が図 22に、示さ れている。なお、図において、先に説明した図 1の構成と同一構成部分については 同符号を付して説明は省略する。
[0126] 図から明らかなように、この液晶表示装置の特徴は、ガンマカーブメモリ 5B及びデ ータ変換回路 9の部分にある。すなわち、この例にあっては、ガンマカーブメモリ 5B は、 RGB各色個別のガンマ補正カーブがそれぞれ記憶された 3個のガンマカーブメ モリにより構成されている。同様にして、データ変換回路 9についても、 RGB各色個
別の 3個のデータ変換回路により構成されている。
[0127] 第 1実施形態の場合と同様にして、ガンマカーブメモリ 5Bを構成する 3個のメモリの うちで、 R色用のガンマカーブメモリには、図 17に示される REDガンマ補正カーブ(C 1)に相当するガンマ補正カーブデータ力 G色用のガンマカーブメモリには、図 17 に示される GREENガンマ補正カーブ(C2)に相当するガンマ補正カーブデータが、 R色用のガンマカーブメモリには、図 17に示される BLUEガンマ補正カーブ(C3)に 相当するガンマ補正カーブデータ力 それぞれ記憶されている。
[0128] 3個のガンマ補正カーブデータのそれぞれの構造を、図 26—図 28を参照して説明 する。すなわち、 R色、 G色、 B色のガンマカーブメモリのそれぞれに記憶されたガン マ補正カーブデータは、一連の階調データを電圧印加時間に換算されたガンマ補 正カーブ(図 26参照)に当て嵌めて得られる一連の印加時間データ(図 26の T1一 T 64に相当)を、固定周期のカウンタクロック CLK (l)のカウント値に換算(図 28参照) してなる一連のカウンタクロック数を、一連のアドレス領域に格納してなるものである( 図 27 (a)参照)。つまり、図 27において、 03h, 08h, OEh' · · 'FFhと記されているの がカウンタクロック数のことである。
[0129] そして、図 27 (b)に示されるように、液晶コントローラより例えば階調データとして、 0 Oh, Olh, 02h',' 3Fhが与えられたとすると、それらの階調データはデータ変換回 路によりガンマ補正されて、 03h, 08h, OEh- · 'FFhとして出力される。つまり、カン マカーブメモリは変換テーブルとして機能する。
[0130] 一方、データ変換回路 9を構成する 3個のデータ変換回路のそれぞれは、与えられ た階調データを引数として、ガンマカーブメモリをアクセスすることにより、与えられた 階調データを、ガンマ補正された電圧印加時間換算の階調データに相当するカウン タクロック数に変換する機能を有して 、る。
[0131] なお、このとき変換したデータは、基データ以上の bit幅を持たせる必要があり、ここ での構成例では基データ 6bitに対して、変換後のデータを 8bitとしている。つまり、 8 bit=0— 255のクロック数の中力もガンマ補正カーブと一致する 6bit=64ポイントの クロック数を設定することによってガンマ補正カーブを実現しているのである。さらに、 変換データを 8bit以上にすることによってガンマ補正カーブの精度を上げることが可
能であり、例えば lObitの場合には、 0— 1023クロックを扱えるようになる。この方法 では、データの本数は増える力 カウンタクロック、カウンタ出力が 1系統 (RGB共通) となる利点がある。
[0132] 本発明が適用された液晶表示装置を構成する信号線駆動回路ユニットの一例を示 す構成図(その 1)が図 23に示されている。なお、同図において、先に、図 2を参照し て説明したものと同一構成部分については、同符号を付すことにより説明は省略する
[0133] 図から明らかなように、この信号線駆動回路ユニットの特徴は、データ変換回路に て 6ビットから 8ビットに変換された階調データがデータラッチ 240に供給される点にあ る。このため、データラッチ 240は、並列 6チャンネル分の 8ビット階調データ(D00— D07, D10— D17, D20— D27, D30— D37, D40— D47, D50— D57)をデー タ取込用クロック S4のエッジに応じてラッチするように構成されて!、る。
[0134] 同信号線駆動回路ユニットの 3チャンネル (RGB)分の構成図(その 1)が図 25に示 されている。図において、 5B (R) , 5B (G) , 5B (B)はガンマカーブメモリ 5B (図 22) を構成する 3個のガンマカーブメモリ、 9 (R) , 9 (G) , 9 (B)はデータ変換回路 9 (図 2 2)を構成する 3個のデータ変換回路、 CTRは固定周期のカウンタクロックをカウント する階調カウンタ(図 22)である。
[0135] 図から明らかなように、信号線駆動回路ユニット内には R色、 G色、 B色のそれぞれ に対応する 3個のデジタルコンパレータ CMP (R) , COMP (G) , COMP (B)が含ま れている。それら 3個のデジタルコンパレータ CMP (R) , COMP (G) , COMP (B) は、階調カウンタ CTRにより 1系統のカウンタクロック CLK(l)をカウントして得られた 階調データと 3個のラッチ 220— 1 (R) , 220-1 (G) , 220—1 (B)にラッチされる各色 のデータ変換後の階調データとの大小比較を行うことにより、 RGB3系統( X正負 2 系統)のタイマノ ルスを生成する。こられ 3系統( X正負 2系統)のタイマパルスにより 、先に説明した画素駆動用出力回路 250— 1内の 2個のアナログスィッチ AS1, AS 2 が交互にオンすることにより、信号線に繋がる複数の画素のうちの走査線で選択され た画素に対して、当該画素に対して与えられた階調データに対応する継続時間をも つて、所定電圧 (VDD又は VSS)を継続的に印加することにより、当該画素の表示
階調が制御されることは先に説明した通りである。
[0136] このときにおける各色共通のカウンタクロック CLK(l)とチャンネルの駆動時間(印 加時間) Txx (図 3参照)との関係(6bit=64階調)が図 29にタイミングチャートとして まとめて示されている。
[0137] 図から明らかなように、各色共通のカウンタクロック CLK(l)は、固定周期とされて いる。各色の階調カウンタ CTR(R) , CTR(G) , CTR (B)は、カウント開始指示が与 えられる毎に、カウント値をリセットしたのち、固定周期のカウンタクロック CLK(l)を それぞれをカウント開始する。
[0138] こうして得られたカウント値力 データ変換後の階調データと、デジタルコンパレータ CMP (R) , COMP (G) , COMP (B)にお!/、て大小比較されることで、各チャンネル の駆動時間(Txx)が TR1— TR64, TG1— TG64, TBI— TB64として生成される
[0139] 上述の信号線駆動回路によれば、 RGB独立ガンマ補正を実現してはいるものの、 各色合計配線数は 18本 (6 X RGB)に過ぎないため、チップ面積をさほど増加させる ものではない。
[0140] なお、以上の説明では、図 22に示されるように、ガンマカーブメモリ 5B及びデータ 変換回路 9を信号線駆動回路ユニット 2の外部に配置したが、図 24に示されるように 、それらを信号線駆動回路ユニットの内部に配置してもよいし、図示しないが液晶コ ントローラ 4の内部に配置してもよ 、。
[0141] 最後に、 RGB個別ガンマ補正機能を TFT型液晶表示パネル以外の別の表示パネ ルへの適用する可能性について説明する。印加時間可変型の信号線駆動回路が適 用される他の表示パネルの説明図が図 30に、その動作説明図が図 31に示されて 、 る。
[0142] パッシブマトリクス型液晶表示装置、及び TFD (Thin Film Diode)又は MIM (Metal Insulator Metal)型液晶表示装置の画素駆動波形を図 31に示す。パッシブマトリクス 型液晶表示装置は、画素に TFTのような能動素子を持たず、走査線駆動回路が接 続された Y電極と信号線駆動回路が接続された X電極との交点の電位差によって液 晶の状態を制御する。一方、 TFD液晶表示装置は、画素にダイオードを持ち、印加
した電圧を保持するきのうを有している。それらの液晶表示装置は、 Y電極と X電極と の交点の電位差によって液晶の状態を制御する点では変わりがなぐ駆動波形も同 様なものとなる。
[0143] 図 30において、画素 Aは、印加されている電圧(± 25V)が液晶の反応しない状態
(仮に白表示とする)を示している。画素 Bは、印加されている電圧(± 30V)が液晶 の反応した状態 (仮に黒表示とする)を示している。つまり、 X電極の状態を制御する ことによって白黒表示が可能であり、さらにその印加時間を制御することで黒の表示 時間を制御し、階調表示を実現している。その X電極の制御は信号線駆動回路で行 うわけであるから、これらの液晶表示装置においても、先に図 18や図 21に示されたよ うな回路構成をそのまま適用することができる。このように、本発明に係る RGB個別ガ ンマカーブ補正は、パッシブマトリクス型液晶表示装置や TFD (Thin Film Diode)又 は MIM (Metal Insulator Metal)型液晶表示装置にもそのまま適用することが可能で ある。
産業上の利用可能性
[0144] 本発明によれば、 R色 (赤色)、 G色 (緑色)、 B色 (青色)のそれぞれにつ 、て、個別 のガンマ補正カーブに基づくガンマ補正を行うことにより、より再現性の高い色彩、色 度を実現することができると共に、 RGB個別ガンマ補正機能を有していても、チップ サイズへの影響は小さ 、ため、回路面積も小型で低コストに製作することが可能とな る。カ卩えて、本発明によれば、ガンマ補正カーブの特性は、 RGB各色のメモリの記憶 内容 (一連の階調データに対応するガンマ補正カーブデータ)により一義的に決定さ れるため、ガンマ補正カーブの変更もメモリの記憶内容の変更 (例えば、書き換える、 又はメモリそのものを交換する等)により、極めて簡単に実現することができる。
図面の簡単な説明
[0145] [図 1]先の提案に係る信号線駆動回路が適用された液晶表示装置全体の構成図で ある。
[図 2]同装置に含まれる信号線駆動回路ユニット (64階調, 384チャンネル)の構成 図である。
[図 3]同信号線駆動回路ユニットの 1チャンネル分の構成図である。
:図 4]表示パネル上の画素及びその周辺の回路要素の等価回路を示す図である。 :図 5]図 3及び図 4に示す回路の各部の信号波形を示す図(その 1)である。
:図 6]図 3及び図 4に示す回路の各部の信号波形を示す図(その 2)である。
:図 7]図 3及び図 4に示す回路の各部の信号波形を示す図(その 3)である。
:図 8]図 3及び図 4に示す回路の各部の信号波形を示す図(その 4)である。
:図 9]図 3及び図 4に示す回路の各部の信号波形を示す図(その 5)である。
:図 10]図 3及び図 4に示す回路の各部の信号波形を示す図(その 6)である。
:図 11]図 5—図 10のレイアウト図である。
:図 12]階調データと階調電圧との関係 (Gammaカーブ特性)を示す図である。
:図 13]Gammaカーブ特性とカウンタクロックの関係を示す図である。
:図 14]Gammaカーブメモリの説明図である。
:図 15]本発明が適用された液晶表示装置全体の構成図 (第 1実施形態)である。 :図 16]本発明が適用された液晶表示装置を構成する信号線駆動回路ユニットの一 例を示す構成図(その 1)である。
:図 17]本発明が適用された液晶表示装置を構成する信号線駆動回路ユニットの一 例を示す構成図(その 2)である。
:図 18]同信号線駆動回路ユニットの 3チャンネル (RGB)分の構成図(その 1)である。 :図 19]RGB独立のガンマ補正カーブを示す図である。
:図 20]各色のカウンタクロックと各チャンネルの駆動時間 Txxとの関係(6bit=64階 調)を示すタイミングチャートである。
:図 21]同信号線駆動回路ユニットの 3チャンネル (RGB)分の構成図(その 2)である。 :図 22]本発明が適用された液晶表示装置全体の構成図 (第 2実施形態)である。 :図 23]本発明が適用された液晶表示装置を構成する信号線駆動回路ユニットの一 例を示す構成図(その 1)である。
:図 24]本発明が適用された液晶表示装置を構成する信号線駆動回路ユニットの一 例を示す構成図(その 2)である。
:図 25]同信号線駆動回路ユニットの 3チャンネル (RGB)分の構成図である。
:図 26]階調データ変換用のガンマ補正カーブを示すグラフである。
[図 27]Gammaカーブメモリとカウンタクロック生成回路の説明(6bit=64階調)する ための図である。
[図 28]データ変換後のデータ(8bit)と駆動時間 (Txx)との関係を示すタイミングチヤ ートである。
[図 29]カウンタクロックと各チャンネルのデータによる駆動時間(Txx)との関係(6bit =64階調)を示すタイミングチャートである。
圆 30]印加時間可変型の信号線駆動回路が適用される他の表示パネルの画素配列 の説明図である。
圆 31]印加時間可変型の信号線駆動回路が適用される他の表示パネルの動作説明 図である。
符号の説明
1 揿 (T曰表 パネル
2 信号線駆動回路ユニット
3 走査線駆動回路ユニット
4 液晶コントローラ
5 Gammaカーブメモリ
5A, 5B Gammaカーブメモリ(RGB含む)
6 カウンタクロック生成回路
6A カウンタクロック生成回路 (RGB含む)
7 信号線
8 走査線
9 データ変換回路
210 シフトレジスタ
220 ラッチ回路群
230 コンパレータ群
240 テータラツチ
250 出力回路群
CTR 階調カウンタ
CMP デジタルコンパレータ
CLK(l), CLK(R), CLK(G), CLK(B) カウンタクロック CLK(O) 基準クロック