WO2005055903A1

WO2005055903A1 - 陰唇間パッド

Info

Publication number: WO2005055903A1
Application number: PCT/JP2004/018277
Authority: WO
Inventors: Satoshi Mizutani; Wataru Yoshimasa; Yuki Noda
Original assignee: Uni-Charm Corporation
Priority date: 2003-12-09
Filing date: 2004-12-08
Publication date: 2005-06-23
Also published as: EP1693031A1; JP4939056B2; US20050137558A1; TW200520738A; CN100528115C; JPWO2005055903A1; TWI348903B; US7387621B2; CN1889909A; KR20060123387A; EP1693031A4; KR101206173B1

Abstract

　本発明は、所定の箇所で体液を直接吸収し、保持することが可能となることによって、体液漏れを低減した陰唇間パッドを提供することである。体液吸収能を有する陰唇間パッド２０であって、前記陰唇間パッド２０は、装着状態において、膣口及び／又は尿道口に当接する体液排出口当接領域を備えるものであり、少なくとも前記体液排出口当接領域には、排出された体液を即座に吸収する体液吸収能及び吸収した体液を保持する体液保持能が高められた高吸収保持領域３０を有するものとした。

Description

明細書

陰唇間パッド

技術分野

[0001] 本発明は、女性の陰唇間に装着される陰唇間パッドに関する。さらに詳しくは、体液漏れ防止効果の高い快適な着用感を有する構成の陰唇間パッドに関する。

背景技術

[0002] 従来から、女性用生理用品として、女性の陰唇に挟み込んで使用される陰唇間パッドが知られている (特許文献 1参照)。この陰唇間パッドは、陰唇間にその一部を挟み込むことによって装着されるため、生理用ナプキンに比べて身体との密着性が高く、経血などの漏れが生じにくい。また、膣内に挿入されるタンポンに比べ、装着時の心理抵抗が低いという利点を有する。一方で、陰唇間パッドは、装着状態において、着用者の膣ロカも流出する体液を直接吸収するものであるが、生理用ナプキンよりも大きさが小さいため、大きさを変えることなく体液漏れを防ぐということが重要な課題となっている。そのため、体液漏れを生じさせにくい陰唇間ノ¾ドが検討されてきた (特許文献 2参照)。

[0003] 特許文献 1に記載の陰唇間パッドは、被覆体の陰唇と接する面と反対側の面の長手方向略中央部に突出部が設けられた略楕円形状のものである。このため着用者は、突出部をつまんで陰唇内に密着させることが可能となっている。また、特許文献 2に記載の陰唇間パッドは、吸収体の上に更に長手方向の側部に沿って体液貯蔵用の吸収層を設けたものである。この体液貯蔵層によって陰唇と陰唇間パッドの隙間から体液が漏れることを防ぐことが可能となって、る。

特許文献 1：特表平 11—500341号公報

特許文献 2：特表 2002— 534162号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] しかし、特許文献 1及び特許文献 2に記載の陰唇間ノッドは、 V、ずれも体液の排出状態を考慮したものではな、ため、体液の漏れが生じるおそれがある。 [0005] 本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、体液の排出状態に適した漏れ防止効果の高い陰唇間パッドを提供することである。

課題を解決するための手段

[0006] 以上のような目的を達成するために、本発明は、陰唇間パッドの体液が流出する箇所と当接する部分において、体液吸収能及び体液保持能を高めることにより、体液を広く滲ませることがな、ことを特徴とするものである。

[0007] 本発明は具体的に以下のようなものを提供する。

[0008] (1) 体液吸収能を有する陰唇間パッドであって、前記陰唇間パッドは陰唇間に一部又は全部が挟み込まれて装着され、装着状態において、膣口及び Z又は尿道口に当接する体液排出口当接領域を備えるものであり、少なくとも前記体液排出口当接領域には、排出された体液を即座に吸収する体液吸収能及び吸収した体液を保持する体液保持能が高められた高吸収保持領域を有する陰唇間パッド。

[0009] (1)の発明によれば、体液が排出される箇所やその周辺部分に、体液吸収能及び体液保持能が高い、高吸収保持領域を備えることによって、次々に排出される体液を直接、かつ、速やかに吸収することが可能となる。そのため、従来の陰唇間パッドのように体液を吸収して飽和状態 (オーバーフロー）になり、体液が着用者の陰裂間や陰唇間パッドの表面を流れてしまうという事態を防ぐことができる。また、従来の陰唇間パッドでは生理用ナプキンと異なり、全体に体液 (経血）が拡がってしまった場合には、陰唇間パッドを取り外す際に、体液が手に付いてしまい衛生的とはいえない。この点、本発明では、膣口等に接触しやすくなつているため、排出された体液を即座に集中的に吸収して、保持することが可能であり、上述のような事態を回避することができる。

[ooio] ここで、「体液排出口当接領域」とは膣口及び Z又は尿道口と当接する部分及びこれらの周辺部分であり、膣口又は尿道口のどちらか単独又は両方、若しくは少なくとも膣口又は尿道口のどちらか一方とその周辺部分の、ずれもが含まれる領域である。例えば、膣口及びその周辺領域に高吸収保持領域を設けた場合には、生理用又はおりもの吸収用とすることができる。

[0011] なお、いかなる形状の陰唇間パッドであっても、体液が排出される領域に高吸収保持領域を有するものであれば、本発明に含まれることとなる。

[0012] (2) 前記陰唇間パッドは、体液を吸収して保持する吸収体を有するものであり、前記高吸収保持領域は、前記吸収体が積層されているものである（1)に記載の陰唇間ノッド、。

[0013] (2)の発明によれば、高吸収保持領域を吸収体が 2つ以上積層されたものとすることによって、吸収体の目付け及び密度が高くなり、体液の吸収能及び保持能をより高めることが可能となる。また、吸収体を複数積層させることによって、高吸収保持領域の厚みのみを増すことができるものであるため、装着状態において着用者の膣口や尿道口にポイント的に当接させることが可能となる。

[0014] (3) 前記陰唇間ノッドは、それぞれが体液吸収能を有する第 1シート体と、第 2シート体と、からなり、前記第 1シート体は、装着状態において身体に当接する表面シートと、その反対側の面である裏面シートと、を備え、長手方向と短手方向とを有する実質的に縦長形状をなすものであり、前記高吸収保持領域には前記表面シート又は前記裏面シートに前記第 2シート体を備えるものである（1)に記載の陰唇間パッド。

[0015] 第 1、第 2のシート体は、それぞれが例えば表面シートと、裏面シートと、を備え、表面シートと裏面シートとの間に吸収体を備えていてもよい。本発明においては、高吸収保持領域においてシート体が二重となっているため、高吸収保持領域のヌレ性やクレム吸水性は、他の領域と比べて高くなる。また、高吸収保持領域において、例えば、第 2シート体は第 1シート体の上に設けられている場合には、第 2シート体の一部が第 1シート体に固定されていてもよい。この場合、第 2シート体は、吸収した体液を第 1シート体へ透過させる液透過能を有していることが好ましい。第 1シート体は、体液を吸収することが可能な体液吸収能を有しており、さらに、吸収した体液が下方へ実質的に漏れ出さな、ために、第 1シートの裏面シートは液難透過能を有して、ることが好ましい。また、第 2シート体と第 1シート体との間に自分の指を入れて装着することが可能なものとしてもょ、。

[0016] また、第 2シート体は第 1シート体の下に設けられている場合においても、少なくとも第 2シート体の一部が第 1シート体に固定されていてもよい。この場合、第 2シート体が位置する第 1シート体の部分は、吸収した体液を第 2シート体へ透過させる液透過能を有していることが好ましい。第 2シート体が位置しない第 1シート体の部分は、吸収した体液が下方へ実質的に漏れ出さすことを防ぐために、当該部分の裏面シートが液難透過能を有してヽることが好まヽ。

[0017] 第 2シート体は、第 1シート体から透過された体液、もしくはそれ以外からの体液を吸収することが可能な体液吸収能を有していることが好ましい。さらに、吸収した体液が下方へ実質的に漏れ出さな、ために、裏面シートが液難透過能を有して、ることが好ましい。また、また、第 2シート体と第 1シート体との間に自分の指を入れて装着することが可會なちのとしてちよ!、。

[0018] (4) 陰唇間に一部又は全部を挟み込んで装着され、体液を吸収する陰唇間パッドの調整方法であって、装着状態において、体液吸収能及び体液保持能が高い高吸収保持領域を備え、前記高吸収保持領域の位置及び吸収能を調整して、おりもの吸収用又は尿失禁用のものとする方法。

[0019] (4)の発明によれば、高吸収保持領域の位置及び吸収能を調整することによって、陰唇間パッドを、膣ロカ排出される経血以外にもおりもの吸収用や、尿道口から排出される尿を吸収するための尿失禁用とすることができる。

発明の効果

[0020] 以上説明したように本発明は、陰唇間パッドの体液が流出する箇所と当接する部分において、体液吸収能及び体液保持能を高めることによって、体液を吸収し、保持することが可能となる。これによつて、陰裂間や陰唇間パッド表面を体液が流れることを低減できるため、体液漏れが生じたり、取り外しの際に手を汚したりしてしまうという事態を防ぐことができる。

図面の簡単な説明

[0021] [図 1]本発明の第 1実施形態における陰唇間パッドを示した正面斜視図である。

[図 2]本発明の第 1実施形態における陰唇間パッドの装着状態を示した断面図である

[図 3]本発明の第 1実施形態における陰唇間パッドを示した断面図である。

[図 4]本発明の第 1実施形態における陰唇間パッドを示した断面図である。

[図 5]本発明の第 2実施形態における陰唇間パッドを示した断面図である。圆 6A]本発明の第 2実施形態の変更例における陰唇間ノ¾ドを示した正面斜視図である。

圆 6B]前記変更例における陰唇間パッドを示した断面図である。

圆 6C]前記変更例における陰唇間パッドを示した断面図である。

圆 7]本発明の第 3実施形態における陰唇間パッドを示した断面図である。

圆 8]本発明の第 4実施形態における陰唇間パッドを示した正面図である。

符号の説明

[0022] 12

14 膣口

16 尿道口

18

19 前庭沐

20、 20A— D 陰唇間パッド

22、 22A、 22B 吸収体

23 第 2吸収体

24 シート体

24A 表面シート

24B 裏面シート

26A— C 第 1シート体

27A— C 第 2シート体

28 ミニシート

30、 30A— D 高吸収保持領域

32 側端部

34 スリット

発明を実施するための形態

[0023] 以下、本発明をより詳しく説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略若しくは簡略ィ匕する。

[0024] 実施形態における陰唇間パッドは、 20代力も 50代の女性の平均値を参考に作成している。具体的には、 BMI値 21 (=体重 kgZ (身長 m) ²)、直立状態の股内間隔 3 5cm、陰唇前方交連 60mm、陰核 38mm、膣口 34mm、肛門 50mmである。これらの値は、身体の長手方向における各部位 (陰核前方交連、陰核等)で水平線を引き、水平線と交わる鼠径部の一番深い地点同士の延べ距離を測定した。

[0025] [第 1実施形態]

<全体構造 >

始めに、本発明の陰唇間パッドの基本的な全体構造について説明する。

[0026] 本実施形態における陰唇間パッド (以下、ノ¾ ドとする） 20は、図 1に示すように、縦長の形状であり、真上カゝら見ると Y軸を長径とし、 X軸を短径とする（中央がくびれた）略瓢箪形状をしている。そしてパッド 20の一部には、高吸収保持領域 30が設けられている。なお、パッド 20の形状は楕円型、瓢箪型、雩型等女性の陰唇に適合する形状であれば特に限定されない。さらに本実施形態におけるパッド 20は、長手方向中央線を折り曲げ軸として 2つに折り曲げて使用するタイプのものであるが、この形状に限定されない。パッド 20の外形の延べ寸法は、長手方向 50— 180mmが好ましぐ 8 0— 120mm力より好まし!/ヽ。また、短手方向 ίま、 30— 100mm力 ^好ましく、 50— 80m mであることがより好ましい。

[0027] 図 2は、パッド 20を装着した状態を示した断面図である。ノッド 20は、着用者の陰唇 12に挟まれており、ノッド 20の高吸収保持領域 30は膣口 14と当接している。このため、膣口 14から排出された経血を集中的に吸収することができる。この高吸収保持領域 30の長手方向の寸法は、特に限定されないが、刺激に対して敏感な陰核 18 を含む前庭床 19の前側には設けられな、ことが好ま、。

[0028] 図 3は、図 1に記載のパッド 20の A— A'断面を示した断面図である。ノッド 20は、吸収体 22とこの吸収体 22を被覆するシート体 24を備えている。それぞれの部材は、糊やシールで固定されている。なお、シート体 24の着用者の陰唇に当接する部分 (以下、表面シート 24Aとする）は体液を透過する液透過性であることが好ましぐ着用者の陰唇に当接しない部分 (以下、裏面シート 24Bとする）は体液を透過しない液難透過性であることが好ましい。

[0029] このような液難透過性材料としては、榭脂と無機フィラーとの混合物に延伸処理を施すことにより得られる通気フィルム、 10— 30%の開孔を有し孔径が 0. 1-0. 6m mの範囲で毛細管を吸収体 22に向力うように配置することにより得られる通気性液遮断シート、等を使用することが好ましい。厚さ 15— 60 /z mのポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビュルアルコール、ポリ乳酸、ポリブチルサクシネート、又は不織布、紙、及びこれらのラミネート材料が挙げられる。具体的には、低密度ポリエチレン (LDPE)榭脂を主体として、 10— 30%の開孔を有し、孔径が 0. 1 一 0. 6mm、目付 15— 35gZm²の範囲で調整したフィルムが挙げられる。不織布の例としては、スパンボンド不織布や、ポイントボンド不織布、スルーエアー不織布等が挙げられ、これらに撥水処理が施されてあってもよい。なかでも極細繊維で構成され、繊維間距離が非常に小さ、メルトブローンを含むスパンボンド Zメルトブローン Zスパンボンドの 3層構成（SMS)不織布であることが好ましい。この場合、それぞれの層の目付は、 5— 15gZm²、 1一 10g/m²、 5— 10g/m²の範囲で構成されることが好ましい。

[0030] 図 4は、図 1に記載のパッド 20の B— B'断面、即ち、高吸収保持領域 30の断面を示した断面図である。この高吸収保持領域 30は、吸収体 22と、吸収体 22の上に重ねられた第 2吸収体 23からなる。第 2吸収体 23の寸法は特に限定されないが、その長手方向は、 5— 180mmであり、特に 10— 100mmであることが好ましぐ短手方向は、 5— 100mmであり、特に 10— 80mmであることが好ましぐ厚さは 0. 2— 10mm, 特に 1一 5mmであるであることが好ましい。この時、第 2吸収体 23が陰裂により進入しゃすいように、断面形状はシャープな凸形状であることが好ましい。断面形状がシヤープであるとは、第 2吸収体 23の見かけ高さが見かけの短手寸法よりも高いことである。ここで、見かけ寸法とは、両端部同士を直線で結んだときの最短距離寸法をい

[0031] また、第 2吸収体 23は、シート体 24からの経血漏れを考慮するとシート体 24の裏面シート 24Bよりも小さいほうが好ましい。そのときの第 2吸収体 23の延べ寸法は、長手方向が 10— 50mmの範囲であり、短手方向が 10— 50mmの範囲であること好ましい。また、見かけの高さは 3— 30mmの範囲であり、 1一 20mmの範囲であることが好ましい。なお、本実施形態においては吸収体は 2枚用いているが、吸収体の積層ノターンを変化させて 1枚で用いてもよいが 2枚以上用いて重ねても良い。また、第 2 吸収体 23の平面形状は四角、三角、楕円、逆三角、雩型など特に制限されない。中でも、後方へ延びるほど短手寸法が狭まる雩型などは、陰唇形状に添いやすいため好ましい。

[0032] <吸収体 >

次に、図 3及び図 4に示す吸収体 22及び第 2吸収体 23の具体的な構成を示す。

[0033] 吸収体 22及び第 2吸収体 23は、パルプ、化学パルプ、レーヨン、アセテート、天然コットン、高分子吸収体、繊維状高分子吸収体、合成繊維等を単独又はこれらを混合したもの力なり、嵩高であり、型崩れし難ぐ化学的刺激が少ないものであることが好ましい。具体的には、繊度 1. 1-6. 6dtexの範囲力選ばれるレーヨン又はァセテートレーヨンを 95— 60%の混合比で積層した繊維を、エンボス加工によりシート化した目付 50— 500gZm²、 1一 20mmの嵩を有する不織布シートが挙げられる。吸収体 22及び第 2吸収体 23の製法に関しては、エアレイド法、メルトブローン法、スノンレース法、抄紙法等によりシート化されたものを、ニードリングやドット状、格子状などのロール間を通過させエンボス加工を施しても良い。なお、エンボス面積率は、 0 . 3— 60%の範囲であることが好ましい。

[0034] <シート体 >

次に、シート体 24の具体的な構成を示す。なお、シート体 24は、表面シート 24A及び裏面シート 24Bからなるものである。

[0035] 表面シート 24Aは、透水性であり、かつ、液親水性であり肌に刺激を与えない素材が使用される。このようなものとしては、ポイントボンド、エアースルー等の製造方法から得られる不織布を単独で用いた材料又はこれらを複合した材料が挙げられる。このような材料のうち、着用者が陰唇間パッドと陰唇内壁との間にずれが生じ異物感を感じることがないよう、陰唇内壁との親和性を考慮し、少なくともセルロース系の液親水性繊維を主体とした構成が好ましい。具体的には、天然コットン 5— 30%、レーヨン又はアセテートを 70— 95%の比率で混合した繊維を、目付け 20— 50gZm²の範囲で調整した後、水流交絡により繊維同士を絡合させて乾燥させ、厚みを 0. 3— 1. Om mの範囲で調整したスパンレース不織布が好ましい。この際に使用する糸質は、天然コットンであれば繊維長が 25— 5 lmmの範囲、レーヨン又はアセテートであれば繊維長 15— 60mmの範囲で、繊度 1. 1-6. 6dtexの範囲から選ばれる。また、透過孔を有するフィルムや、繊維層にフィルムがラミネート加工されて、透過孔を有するものであってもよい。

[0036] 表面シート 24Aの体液排出口と当接する領域 (以下、体液排泄口当接領域とする）においては、体液の透過性が高いことが好ましい。透過性を高めるためには、繊維間距離を大きくすることで密度を小さくしている、透過孔を設ける、などが例として挙げられる。

[0037] 具体的な開孔フィルムの例としては、体液排泄口当接領域の開孔径は 0. 2— 5m m、ピッチは 0. 2— 10mm、開孔面積率は 10— 50%の範囲であり、その周辺領域の開孔径は 0. 05— 3mm、ピッチは 0. 2— 10mm、開孔面積率は 3— 30%の範囲であることが好ましい。製法としては、予め開孔条件を変化させたパターンドラムにフィルムを通紙し、サクシヨン吸引することで開孔するいわゆる PFWや、均一な開孔条件を有する PFWで形成した前庭床当接領域にピンエンボスカ卩ェによって開孔をさらに付加したものであってもよい。開孔の配列は千鳥状、格子状、波状など特に限定しない。また、開孔の形状については、丸型、楕円型、四角型などが挙げられる。また、前記開孔部の周辺に弁が形成されていても良い。その中でも、外圧が加わっても開孔が弁で塞がりに《するために、特に体液排泄口当接領域の開孔部の弁の高さは、他の周辺領域の弁の高さよりも低い方が好ましい。

[0038] 裏面シート 24Bは、吸収体に保持された経血が陰唇間パッドの外へ漏れ出すことを防止できるように液難透過性を有するものを使用することができる。また、透湿性素材とすることにより、装着時のムレを低減させることができ、装着時における不快感を低減させることが可能となる。このような液難透過性材料としては、厚さ 15— 60 /z mのポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビュルアルコール、ポリ乳酸、ポリプチルサクシネート、又は不織布、紙、及びこれらのラミネート材料が挙げられる。また、無機フィラーを充填させて延伸処理を施すことで得られる通気性フィルムであっても良い。具体的には、低密度ポリエチレン (LDPE)榭脂を主体として、 10 一 30%の開孔を有し、孔径が 0. 1-0. 6mm、目付 15— 35gZm²の範囲で調整したフィルムが挙げられる。不織布の例としては、スパンボンド不織布や、ポイントボンド不織布、スルーエアー不織布等が挙げられ、これらに撥水処理が施されてあってもよい。なかでも極細繊維で構成され、繊維間距離が非常に小さいメルトブローンを含む

SMS不織布であることが好ましい。この場合、目付は、 5— 15g/m²、 1一 10g/m² 、 5— lOgZm²の範囲で構成されることが好ましい。

[0039] なお、裏面シート 24Bには、ミニシート 28を取り付けて装着の際に着用者カュシート 28と裏面シート 24Bとの間に指を入れて装着しやす!/、ようにしてもよ!/、。

[0040] くミニシート >

ミニシート 28には、上述した表面シート 24Aや裏面シート 24Bと同様の材料を用いることもできるが、短手方向に対して伸長性もしくは伸縮性を有する素材を使用することが好ましい。このような材料をミニシート 28に使用することにより、着用者の指の太さに応じてミニシート 28が短手方向に伸びることができる。以下に伸長性もしくは伸縮性を有する素材の一例を挙げるが、これらに限定されることはない。

[0041] 伸縮性を有する素材としては、スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体（S BS)、スチレンイソプレンスチレンブロック一共重合体（SIS)、ウレタン等の合成ゴム、非晶性ォレフイン系榭脂を原料としたフィルム、開孔フォームフィルム等が挙げられる。また、不織布としては、芯成分が高融点で鞘成分が低融点成分で構成された熱収縮性を有するポリエチレン（PE) Zポリプロピレン（PP)、 PEZポリエチレンテレフタレート（PET)、 PPZPP等の複合合成繊維を原材料とし、水流交絡させたスパンレース不織布、熱収縮を促進させたシュリンクタイプ不織布等が挙げられる。また、伸長性を付与する他の方法としては、切れ目線、円状に切り抜く等の方法も使用できる

[0042] 吸収体 22、第 2吸収体 23及びシート体 24、ミニシート 28は、粘着剤を用いて接着してちよい。

[0043] <粘着剤 >

粘着剤としては、水性高分子、架橋剤、可塑剤、水分から成るゲル粘着剤等、多種多様な接着剤が挙げられるが、塗布安定性を考慮すると、感圧型ホットメルト粘着剤を用いることがより好ましい。塗布安定性が高い感圧型ホットメルト粘着剤としては、スチレンエチレン.ブタジエンスチレンブロック共重合体（SEBS)を 15— 25質量⁰ /₀ 、可塑剤を 15— 35質量％、粘着付与剤を 40— 70質量％で溶融混合したものが挙げられる。この感圧型ホットメルト粘着剤については、酸化防止剤、蛍光防止剤などを 0. 1— 1. 0質量⁰ /₀の範囲で添カ卩してもよい。

[0044] [第 2実施形態]

本実施形態に係る陰唇間パッド 20Aは、高吸収保持領域 30Aでシート体が二重となっているものである。

[0045] 高吸収保持領域 30Aは、それぞれが体液吸収能を有する第 1シート体 26Aと、第 2 シート体 27Aと、力もなるものである。第 1シート体 26Aは、吸収体 22Aを含み第 1実施形態のシート体 24と同様の素材力も構成されることが好ましい。第 2シート体 27A は、体液を吸収保持する吸収体とそれを包装するシートとの複合体力もなる場合と、身体からー且体液を奪!、取りそれを第 1シート体 26Aへ容易に透過できる液透過性の材料のみカゝらなる場合がある。前者の吸収体を包装するシートは液透過性の材料のみ力もなつてもよぐ裏面が液難透過性材料で作られたシートであっても良い。後者の場合は、第 2シート体は非常に柔軟性が高いため、陰唇との追従性や密着性が極めて高くなる。

[0046] 図 5は、本実施形態に係るパッド 20Aの高吸収保持領域 30Aの断面を示したものである。第 2シート体 27Aは、第 1シート体 26Aの、身体に接する面の上に、設けられている。第 2シート体 27Aの短手方向の寸法は、第 1シート体 26Aの短手方向の寸法と同一であっても良いが、第 1シート体 26Aからの経血漏れを考慮すると第 1シート体の裏面シートよりも小さい方が好ましい。なお、第 2シート体 27Aは、第 1シート体 2 6Aと当接する面の一部が固定されていればよぐ例えば側端部 32が第 1シート体 26 Aに固定されていればよい。これによつて第 2シート体 27Aが着用者の陰唇の動きに追従することが容易になる。

[0047] また、本実施形態の変形例として、第 1シート体 26Aと第 2シート体 27Aとの位置が逆である例が挙げられる。図 6A— 6Cは、第 2実施形態の変形例に係る陰唇間パッド 20Bを示す。これらの図では、第 1シート体 26Bと第 2シート体 27Bの位置を的確に把握できるように上下を装着時と逆にして記載してある。図 6Aに示すように、第 2シート体 7Bが第 1シート体 26Bの下に設けられている場合、第 2シート体 27Bが積層されている第 1シート体 26Bの部分は、吸収した体液を第 2シート体 27Bへ透過する液透過能を有していることが好ましぐ具体的には、第 1実施形態の表面シート 24Aや、裏面シート 24Bに関して述べた通りである。なお、図中鉛直方向（H軸方向）が、着用者の身体に接する身体面側である。

[0048] 一方、第 2シート体 27Bが積層されていない第 1シート体 26Bの部分は、吸収した体液が下方へ実質的に漏れ出さないために、裏面シートが液難透過性であることが好ましぐ具体的には、第 1実施形態の図 1に示したものである。また別の例としては、厚みを 0. 3-1. Ommの範囲で調整したスパンレース不繊布からなり、吸収体の裏面全面を覆う裏面シートを備え、第 2シート体 27Bが位置しない領域にはラミネートカロェが施されてヽるものが挙げられる。

[0049] パッド 20Bの高吸収能領域 30Bの断面（C C'断面）は、図 6Bに示すように第 1シート体 26B及び第 2シート体 27Bとからなる。第 1シート体 26Bは、体液を吸収保持する吸収体 22Bと、それを包装するシートと、力なる。吸収体を包装するシートは、液透過性の材料のみカゝらなってもよぐ裏面が不透過性材料で作られたシートであっても良いが、第 2シート体 27Bが設けられている第 1シート体 26Bには、吸収した体液を第 2シート体 27Bへ透過する液透過能を有していることが好ましい。また図 6Cに示すように第 2シート体 27Bが位置しない第 1シート体 26Bには (D— D'断面）、吸収した体液が下方へ実質的に漏れ出さないために、裏面シートが液難透過能を有することが好ましい。

[0050] [第 3実施形態]

本実施形態に係る陰唇間パッド 20Cは、第 2シート体 27Cと第 1シート体 26Cとの間に隙間が設けられたものである。

[0051] 図 7は、本実施形態に係るパッド 20Cの高吸収保持領域 30Cを 2つに折り畳んだ時の断面を示したものである。第 2シート体 27Cは、第 1シート体 26Cの上に設けられているが、第 2シート体 27Cの短手方向の寸法を、第 2実施形態のものよりも長めにしてあるため、第 1シート体 26Cとの間に隙間ができている。着用者は、この隙間に自分の指を入れてパッド 20Cを装着することも可能である。この場合、第 2シート体 27C は、伸縮性を有する素材又は伸縮性を有することが可能となる切れ目等が設けられていることが好ましい。

[0052] [第 4実施形態]

本実施形態に係る陰唇間パッド 20Dは、高吸収保持領域 30Dにスリット 34が設けられたものである。

[0053] 図 8は、本実施形態に係るパッド 20Dの平面図を示した図である。高吸収保持領域 30Cにはスリット 34が設けられている。このため、スリット 34に到達した体液の毛細管現象による拡散が防止される。また、このスリット 34の形状は特に問わないが、長手方向と短手方向に入れることによって、ノ¾ /ド 20Dに可撓性を付加させることが可能となる。これによつて、陰唇との追従性や密着性が向上する。なお、このスリット 34は、実施形態 1一 3のパッドの高吸収保持領域に設けてもよい。

[0054] [第 5実施形態]

本実施形態に係る陰唇間パッドは、その構成部材の素材が生分解性、水分散性及び水溶性を有するものである。

[0055] 本発明の陰唇間パッドは、生分解性素材及び Z又は水分散性素材及び Z又は水溶性素材で構成されていることが好ましい。このような陰唇間パッドは、使用後そのままトイレに脱落させて流すことができる。なお、本実施形態に係るパッドの形状は、第 1実施形態のパッド 20と同様のものを用い、図示を省略する。

[0056] また、「生分解性」とは、微生物の存在下、自然界のプロセスに従って分解されることをいい、「水分散性」とは、水解性と同じ意味であって、多量の水又は水流中では、繊維同士が小断片に容易に分散される性質のことをいう。「水溶性」とは、使用時の限定された量の水分 (特に経血)では影響はな、ものの、多量の水又は水流中にお V、ては溶解する性質のことを!、う。

[0057] <表面シート >

表面シートに使用できる材料としては、スパンレース不織布のほ力、繊維長を 1一 1 5mmの範囲力選択される湿式スパンレース不織布を使用することができる。他の材料としては、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネートなどの加水分解による生分解性榭脂も使用することができる。例えば、ポリ乳酸を原料として作られる目付が 20— 60g Zm²の範囲で調整されたメルトブローン不織布や目付が 15— 30gZm²の範囲、繊維度が 1. 1-3. 3dtexの範囲で調整されたスパンボンド不織布が挙げられる。なお、各不織布材料には開孔処理を施しても施さなくてもよい。

[0058] <吸収体及び第 2吸収体 >

吸収体等に使用できる材料としては、ニードリング力も得られる不織布シートを使用することができる。なお、高分子吸収材料の生分解性等を考慮すると、カルボキシメチルセルロース繊維を使用することが好まし、。

[0059] <裏面シート >

裏面シートに使用できる材料としては、ポリビュルアルコール（PVA)フィルム、 PV Aフィルムの片面若しくは両面あるいは部分的にシリコーンなどにより撥水処理を施したフィルムシート、澱粉フィルム、ポリ乳酸又はポリブチレンサクシネート等の加水分解による生分解性榭脂を原料としたフィルム、及びティッシュ等とのラミネート紙を使用することができる。なお、必要に応じて無機顔料を 0. 1— 5%の範囲で混合して着色を施してもよい。

[0060] <ミニシート >

ミニシートに使用できる材料としては、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート等の生分解性材料を原料としたフィルム、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布等、又は PVA、 CMC等の水溶性材料を原料としたフィルム、不織布等、並びにセルロース繊維、再生セルロース繊維等を主体とした水分散性ティッシュ、スパンレース不織布等が挙げられる。

[0061] 具体的には、生分解性材料を主体としたスパンボンド不織布又はメルトブローン不織布であって、繊度が 0. 1-3. 3dtexの範囲、目付が 15— 40gZm²の範囲に調整されたシートであって、コルゲート加工を施すことにより得られるミニシートであることが好ましい。

[0062] 本発明は、陰唇間パッドの体液が流出する箇所と当接する部分において体液吸収能及び体液保持能を高めることにより、体液を広くにじませることがないことを特徴とする陰唇間パッドとして使用することができる。

Claims

請求の範囲

[1] 体液吸収能を有する陰唇間パッドであって、

前記陰唇間パッドは陰唇間に一部又は全部が挟み込まれて装着され、装着状態において、膣口及び Z又は尿道口に当接する体液排出口当接領域を備えるものであり、

少なくとも前記体液排出口当接領域には、排出された体液を即座に吸収する体液吸収能及び吸収した体液を保持する体液保持能が高められた高吸収保持領域を有する陰唇間パッド。

[2] 前記陰唇間ノ^ドは、体液を吸収して保持する吸収体を有するものであり、

前記高吸収保持領域は、前記吸収体が積層されているものである請求項 1に記載の陰唇間パッド。

[3] 前記陰唇間パッドは、それぞれが体液吸収能を有する第 1シート体と、第 2シート体と、からなり、

前記第 1シート体は、装着状態において身体に当接する表面シートと、その反対側の面である裏面シートと、を備え、長手方向と短手方向とを有する実質的に縦長形状をなすものであり、

前記高吸収保持領域には前記表面シート又は前記裏面シートに前記第 2シート体を備えるものである請求項 1に記載の陰唇間パッド。

[4] 陰唇間に一部又は全部を挟み込んで装着され、体液を吸収する陰唇間パッドの調整方法であって、

装着状態にぉヽて、体液吸収能及び体液保持能が高!ヽ高吸収保持領域を備え、前記高吸収保持領域の位置及び吸収能を調整して、おりもの吸収用又は尿失禁用のものとする方法。