WO2005044000A1

WO2005044000A1 - 鳥獣おどし

Info

Publication number: WO2005044000A1
Application number: PCT/JP2003/014226
Authority: WO
Inventors: Shirou Aoki
Original assignee: Aoki, Kanae
Priority date: 2003-11-07
Filing date: 2003-11-07
Publication date: 2005-05-19
Also published as: JPWO2005044000A1; AU2003277622A1; JP4052332B2

Abstract

本発明の鳥獣おどし１００は、各火薬３０が誘爆を起こさないことは勿論、遅燃材４０の破損も生じず、鳥獣を十分撃退することのできる大きな爆音を発生させ、さらには、設置のための下準備を簡単に行うことのできる鳥獣おどし１００を提供することを目的としてなされたもので、内部に遅燃材４０を収納する保護筒１０と、この保護筒１０の側面に形成した複数の導火線挿通孔１２及び受皿支持孔１１と、この受皿支持孔１１に挿入部２１を挿入することにより保護筒１０の側面で支持される複数の火薬受皿２０と、これらの火薬受皿２０上にそれぞれ載置される火薬３０とを備えたものとしたものであり、これにより、火薬３０の導火線３１を導火線挿入孔１２から保護筒の内部に通して遅燃材４０に当接させた状態で、この遅燃材４０を一端から燃焼させることにより、各導火線３１に時間をおいて順次点火できるものであり、当初の目的を達成できるものである。

Description

明細鳥獣おどし

技術分野

本発明は、鳥獣おどしに関し、特に、火薬の爆音によって鳥獣を追い払うようにした鳥獣おどしに関するものである。背景技術

畑の作物等を食い荒す鳥獣、例えばスズメ、カラス、イノシシ等は、畑に近づかせてはならないし、畑から追い払わなければならない。そのための手段としては、古来より種々な方法が採られてきているが、大きな音で威嚇するのが最も効果的であることが知られており、そのための手段も種々提案されてきている。例えば、特開平 8— 1 5 4 5 6 6号公報には、第 5図にも示すように、「耕作地、植林地域、畜舎等への有害な鳥獣の侵入を破裂音の発生によって防ぐ破裂音式鳥獣威嚇装置を提供する」ことを目的として、「装置本体 2に対し、表面燃焼をする着火体 3と、この着火体 3を支持する着火体支持体 1 2と、前記着火体 3 に導火線 4 Aを接触させた破裂体 4とを具備させ、前記着火体 3を燃焼させることによつて経時的に破裂体 4の導火線 4 Aに着火させて破裂体 4を破裂させ、この破裂音により鳥獣類を威嚇する装置において、前記着火体 3は渦巻状に形成され、且つ着火体支持体 1 2に対しその長さ方向に満遍なく支持された状態で、装置本体 2にほぼ覆われた状態に収納されていることを特徴とする」「破裂音式鳥獣威嚇装置」が提案されている。この第 5図に示した従来の威嚇装置は、図示したように、うず巻状に形成した着火体 3に導火線 4 Aを接触させた破裂体 4を具備させたものであり、このような考え方は、登録実用新案第 3 7 4 1 2号公報、実開昭 8— 5 2 9 7 6号公報、特開平 1 0—5 2 2 1 2号公報等に多く見受けられるものである。これらの技術の殆どにおいて、例えば第 5図に示したように、うず巻状の着火体 3に複数の破裂体（火薬）を近接状態で吊下させたものである。このようなうず卷状の着火体 3に複数の破裂体 4を吊下させると、次のような不具合があると考えられる。まず、第 1に、着火体 3により着火された 1番目の破裂体 4が爆発すると、着火体 3は粉々になってしまって、未だ爆発していない他の破裂体 4に着火できなくなってしまう。そして、第 2に、 1番目の破裂体 4 が爆発すると、これに接近している 2番目の破裂体 4が誘爆してこれが次々と他の破裂体 4に及ぶことになる。いずれにしても、時間をおいて破裂体 4を爆発させたいのに、 1回で全てが終わってしまうということになる。以上の問題を解決する従来手段として、例えば、登録第 3 0 1 9 9 9 2号掲載公報にて提案されている「鳥獣撃退器」がある。この撃退器は、第 6図にも示すように、「隔時間毎に爆音を発生させて鳥獣を撃退して農作物の鳥獣による被害を防止することのできる安価な鳥獣撃退器を提供すること」を目的として、「内部の一部が連通する連通部 5に形成されるとともに、内部の残りの部分が仕切部材 7により前記連通部 5と隣接するように仕切られた複数の空間部 8に形成されており、前記連通部 5と各空間部 8との隔壁 4にそれぞれ導火線挿入孔 1 8が形成されたケース本体 1 9と、前記連通部 5に着脱自在に配設される長尺の緩燃部材 9と、前記各空間部 8内に配設された支承部材 1 5により支承され前記緩燃部材 9と導火線 1 6をもって緩燃部材 9に所定間隔をもって接続される複数の爆音部材 1 7とから構成されることを特徴とする」構成を有したものである。この第 6図に示した従来の鳥獣撃退器は、複数の爆音部材 1 7が、仕切部材 7 と隔壁 4とによって区画された複数の空間部 8内に収納されるし、爆音部材 1 7 の導火線 1 6は、隔壁 4の外側に配置されるため、各爆音部材 1 7が誘爆されることもない。また、各導火線 1 6に着火するための緩燃部材 9も隔壁 4の外側にあるため、各爆音部材 1 7による爆風は隔壁 4によって遮ぎられて、この緩燃部材 9が粉々になってしまうこともないと考えられる。しかしながら、各爆音部材 1 7を収納している各空間部 8は非常に小さいものであり、しかも小さな開放口 1 Bによってしか外部に通じていない。このため、爆風によって側壁 6や仕切部材 7が破断し、開放口 1 Bもひき裂かれてしまうものと考えられる。そうはならないようにしょうとすれば、爆音部材 1 7として小さいものを使用しなければならず、それでは鳥獣を威嚇することはできなくなると思われる。また、仮に破断やひき裂きが生じないとしても、各爆音部材 1 7の導火線 1 6 は、隔壁 4に形成してある導火線揷入孔 1 8内に横から通さなければならず、その降下備に相当時間のかかるものとなっていると考えられる。そこで、本発明者は、第 5図や第 6図に示した従来の威嚇装置の欠点を改善するためにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、本発明を完成したのである。すなわち、本発明の目的とするところは、各火薬が誘爆を起こさないことは勿論、遅燃材の破損も生じず、鳥獣を十分撃退することのできる大きな爆音を発生させ、さらには、設置のための下準備を簡単に行うことのできる鳥獣おどしを提供することにある。発明の開示

以上の目的を達成するために、まず請求の範囲第 1項に係る発明の採った手段は、後述する最良形態の説明中において使用する符号を付して説明すると、

「内部に遅燃材 4 0を収納する保護筒 1 0と、この保護筒 1 0の側面に形成した複数の導火線揷通孔 1 2及び受皿支持孔 1 1と、この受皿支持孔 1 1に揷入部 2 1を挿入することにより保護筒 1 0の側面で支持される複数の火薬受皿 2 0 と、これらの火薬受皿 2 0上にそれぞれ載置される火薬 3 0とを備えて、火薬 3 0の導火線 3 1を導火線挿入孔 1 2から保護筒の内部に通して遅燃材 4 0に当接させた状態で、この遅燃材 4 0を一端から燃焼させることにより、各導火線 3 1に時間をおいて順次点火できるようにしたことを特徴とする鳥獣おどし 1 0 0」

である。すなわち、この鳥獣おどし 1 0 0は、第 1図に示すように、まず、遅燃材 4 0 を内部に入れるための保護筒 1 0の外側に、各火薬 3 0をそれぞれ載置する火薬受皿 2 0を取り付るようにしたものであり、各火薬 3 0の爆風が保護筒 1 0'内に入らないようにするとともに、他の火薬 3 0に対してはそれが載置されている火薬受皿 2 0によって誘爆するのを防ぐようにしているのである。また、この鳥獣おどし 1 0 0では、各火薬 3 0は、第 4図に示すように、 1つ宛の火薬受皿 2 0上に単に載置するだけであるし、その導火線 3 1は、当該火薬受皿 2 0を保護筒 1 0の受皿支持孔 1 1に揷入する際に、この受皿支持孔 1 1とともに、その直近に形成してある導火線掙入孔 1 2内に揷入するだけで下準備が完了するため、組み立て及び下準備を簡単に行えるものとなっているのである。各火薬 3 0の導火線 3 1は、遅燃材 4 0に当接させておかなければならないが、その作業も、次のように簡単に行えるものとなっている。すなわち、前述した各導火線 3 1の、火薬受皿 2 0側の揷入部 2 1とともに挿入作業を行う前に、遅燃材 4 0を保護筒 1 0内に少し下げた状態で吊下しておき、各導火線 3 1の導火線揷入孔 1 2内への挿入が済んだときに、この遅燃材 4 0を少し持ち上げるようにして、吊りひも 4 2で吊下状態にするのである。このようにすれば、遅燃材 4 0 が下げられているときには、第 3図に示した遅燃材 4 0の段部 4 1上に導火線 3 1が入り込み易くなつているし、遅燃材 4 0を少し持ち上げたときには、段部 4 1上に入り込んだ導火線 3 1が確実に段部 4 1上に当接することになつて、準備作業が簡単になっているのである。勿論、この鳥獣おどし 1 0 0においては、各火薬 3 0は、保護筒 1 0及び火薬受皿 2 0以外は完全に開放されたものとなっているため、各火薬 3 0が爆発したときの音は周囲にエネルギーロスなしに拡散されるから、害を及ぼす鳥獣を十分威嚇する ^とができるのである。それだけでなく、各火薬 3 0に近接している保護筒 1 0及び火薬受皿 2 0が爆風によって破損することもないのである。ここで、各火薬 3 0の爆発状況を説明してみると、次の通りである。まず、第 1図に示した状態に当該鳥獣おどし 1 0 0を下準備しておいてから、保護筒 1 0 内の遅燃材 4 0の下端に火を付ける。そうすると、この奪燃材 4 0は下から順にゆっくりと燃えていき、一番下側になっている導火線 3 1に着火し、結果として一番下側の火薬 3 0 (最良形態では、同一位置にある最下段の 2つの火薬 3 0 ) が爆発して、大きな威嚇音を発することになる。この最初の火薬 3 0の爆発によっては、保護筒 1 0内の遅燃材 4 0は破損しないで燃え続けるし、上側の火薬 3 0に対しては火薬受皿 2 0によって爆風や火花が遮ぎられるから、各火薬 3 0が誘爆を起こすことはないことは前述した通りである。その後、遅燃材 4 0が次の段部 4 1まで燃えていけば、この上にある次の導火線 3 1に着火されて、その火薬 3 0が爆発することになる。なお、各段部 4 1間の遅燃材 4 0が燃える時間は、遅燃材 4 0の材料性質によって予め計算できるものである。このため、使用する段部 4 1の間隔、従って、どの火薬受皿 2 0に火薬 3 0を置くかを予め調整することにより、ランダムな時間間隔で火薬 3 0を爆発させることができて、鳥獣に「慣れ」が生じないように威嚇することができるのである。上記目的を達成するために、請求の範囲第 2項に記載の発明の採った手段は、上記請求の範囲第 1項に記載の鳥獣おどし 1 0 0について、

「遅燃材 4 0は、複数のクランク状部分を交互に連続させて、導火線 3 1を接触し得る複数の段部 4 1を有したものとして構成したこと」

である。すなわち、この鳥獣おどし 1 0 0では、第 3図に示すように、その遅燃材 4 0 の形状としてクランク状部分が互いに連続する縦長のものに形成したものであり、当該遅燃材 4 0は、各火薬 3 0の導火線 3 1を接触状態で載置することになる複数の段部 4 1を有したものとなっているのである。各段部 4 1は、当該遅燃材 4 0の上端を、これに取付けた吊りひも 4 2等を使用して、保護筒 1 0自体または後述する運搬箱 5 0に対して吊下したとき、略水平状のものとなるものであり、その上方は、導火線 3 1を揷通するのに十分な開口を形成するものである。このような遅燃材 4 0とするには、蚊取り線香を製造するための材料を型込めして乾燥させることにより簡単に形成できるが、何と言っても、クランク状部分が交互に連続する形状であるため、多数の段部 4 1を形成し易いだけでなく、各クランク状部分が燃える時間を設定して、どの段部 4 1を使用するかを考慮することにより、各火薬 3 0の爆発時間をどれ位にするかを簡単に調整することができる。例えば、 1つのクランク状部分を 2 0分間で燃えるように設定すれば、各段部 4 1は 2 0分ごとに爆発することになる。勿論、最初は 2 0分毎で、次からはその倍数の時間で夕方まで機能するように設定することもできる。なお、第 3図に示した遅燃材 4 0は、 3個分のクランク状部分が交互に連続するものを例示しているが、前述した爆発時間をより複雑化するために、このクランク状部分の数を増加したり、クランク状部分自体の燃焼時間を遅燃材 4 0の厚さやクランク状部分の大きさを変えたりして、自由に調整または設定することができるものである。従って、この請求の範囲第 2項に係る鳥獣おどし 1 0 0は、上記請求の範囲第 1項に係るそれと同様な機能を発揮する他、各火薬 3 0の爆発をより効果的に行えるものとなっているだけでなく、その爆発時間の調整や設定を、例えば鳥獣が慣れてしまわないように、自由に設定し得るものとなっているのである。 03 014226

さて、上記目的を達成するために、請求の範囲第 3項に記載の発明の採った手段は、上記請求の範囲第 1項または第 2項に係る鳥獣おどし 1 0 0について、

「火薬 3 0を載置した各火薬受皿 2 0を支持した保護筒 1 0を、爆音排出口 5 1を有した運搬箱 5 0内に収納したこと」

である。すなわち、この請求の範囲第 3項に係る鳥獣おどし 1 0 0は、第 2図に示したように、火薬 3 0を載せた各火薬受皿 2 0を取り付けた保護筒 1 0を、例えば側面等に爆音排出口 5 1を形成した運搬箱 5 0内に収納したものである。この運搬箱 5 0は、屋根部 5 2を有したものであり、この屋根部 5 2によって運搬箱 5 0 内に収納した保護筒 1 0の各火薬 3 0が、雨やつゆによつて濡れないようにするものである。また、この屋根部 5 2は、運搬箱 5 0自体に対して着脱自在にしてあり、これを運搬箱 5 0に取り付けるとき、遅燃材 4 0を吊りひも 4 2によって適宜位置に吊下するようにするものでもある。この運搬箱 5 0は、多数の火薬 3 0をセットした保護筒 1 0の全体をスッポリと収納できる程度の大きさであり、しかも、側面には爆音排出口 5 1が、また屋根部 5 2の下方は横に大きく開放したものとしてあるため、各火薬 3 0が爆発しても、その爆風はこれらの開放部分や爆音排出口 5 1から外に出てしまい、保護筒 1 0や火薬受皿 2 0、さらには遅燃材 4 0を破損させてしまうことはない。従って、この請求の範囲第 3項に係る鳥獣おどし 1 0 0は、前述の請求の範囲第 1項または第 2項のそれと同様な機能を発揮することができる他、雨が降るようなときでも、使用することができ、また夕方仕掛けて翌日本格的に使用することもできるものとなっているのである。図面の簡単な説明

第 1図は、請求の範囲第 1項に係る鳥獣おどし 1 0 0の縦断面図であり、第 2 図は、第 1図の保護筒 1 0を運搬箱 5 0内に入れて構成した鳥獣おどし 1 0 0の縦断面図であり、第 3図は、遅燃材 4 0の拡大正面図であり、第 4図は、火薬 3 0を載せた火薬受皿 2 0の平面図である。

また、第 5図は従来の技術を示す斜視図であり、第 6図は、別の従来例を示す斜視図である。

(符号の説明）

1 0 0 ···鳥獣おどし、 1 0 ···保護筒、 1 1…受皿支持孔、 1 2 ···導火線挿入孔、 2 0…火薬受皿、 2 1…挿入部、 3 0…火薬、 3 1…導火線、 4 0…遅燃材、 4 1…段部、 4 2…吊りひも、 5 0…運搬箱、 5 1…爆音排出口、 5 2…屋根部。発明を実施するための最良の形態

次に、以上のように構成した各発明を、図面に示した最良の形態である鳥獣おどし 1 0 0について説明すると、第 1図には、請求の範囲第 1項または第 2項に係る鳥獣おどし 1 0 0が示してある。この鳥獣おどし 1 0 0は、第 1図に示したように、内部に遅燃材 4 0を収納する保護筒 1 0と、この保護筒 1 0の側面に形成した複数の導火線揷通孔 1 2及び受皿支持孔 1 1と、この受皿支持孔 1 1に揷入部 2 1を挿入することにより保護筒 1 0の側面で支持される複数の火薬受皿 2 0と、これらの火薬受皿 2 0上にそれぞれ載置される火薬 3 0とを備えたものである。保護筒 1 0は、火薬 3 0の爆風に耐えられる金属板等によって、上下が開口した筒状（四角や三角のような角筒であっても、また円筒であってもよい）に形成したものであり、その側面には、後述する火薬受皿 2 0の揷入部 2 1が揷入できる受皿支持孔 1 1と、火薬 3 0の導火線 3 1が挿入できる導火線揷入孔 1 2とを形成したものである。これらの受皿支持孔 1 1及び導火線挿入孔 1 2は、別々に形成して実施してもよいが、本最良形態では、揷入部 2 1の挿入と同時に導火線 3 1の揷入もできるようにするために、同じ位置または兼用するものとして形成してある。各受皿支持孔 1 1に支持されるべき火薬受皿 2 0は、第 4図に示したように、市販の爆竹である火薬 3 0を載置できる程度の大きさを有する金属製のものであり、その一部には前述した受皿支持孔 1 1に挿入されるべき揷入部 2 1がー体的に形成してある。各火薬受皿 2 0上に載置されるべき火薬 3 0は、第 4図にも示した通り、所謂「爆竹」であり、導火線 3 1を有するとともに、大きな音を出すが爆発力はそれ程大きなものではない。勿論、この火薬 3 0としては、導火線 3 1を有しているのであれば爆竹以外の火薬を採用するようにしてもよい。各導火線 3 1に着火するための遅燃材 4 0は、第 3図に示したように、複数のクランク状部分が交互に連続するものとして形成したものであり、例えば線香や蚊取り線香を作るのと同じような材料を型に入れて乾燥させて形成したものである。この遅燃材 4 0を複数のクランク状部分を連続させて形成したのは、各導火線 3 1を載置することのできる段部 4 1を多数形成できて、保護筒 1 0内に十分入れられるようにするためであり、第 5図の従来例が採用しているうず巻状のものとは全く形状を異にしたものである。勿論、この遅燃材 4 0は、その厚さや材料を変えることにより、 1コ分のクランク状部分が燃えつきる時間を自由に設定できるものであり、また各クランク状部分の数も保護筒 1 0の高さ範囲内で自由に設定できるものである。また、この遅燃材 4 0は、保護筒 1 0自体または後述する運搬箱 5 0に対して吊下して使用することになるものであるから、その上端には吊りひも 4 2が取り付けてある。第 2図には、請求の範囲第 3項に係る鳥獣おどし 1 0 0が示してあるが、この鳥獣おどし 1 0 0は、必要な火薬 3 0及び火薬受皿 2 0を設定した保護筒 1 0を仲に完全に入れることのできる運搬箱 5 0をも構成要素とするものである。この運搬箱 5 0は、保護筒 1 0を内部に入れることにより、保護筒 1 0に設置した各火薬 3 0を雨つゆから守るものである。また、この運搬箱 5 0は、第 2図にも示したように、その側面に爆音排出口 5 1を形成したものであり、この爆音排出口 5 1から各火薬 3 0が爆発することにより生じた爆音や爆風を、保護筒 1 0やこれに取り付けた火薬受皿 2 0に損傷を与えないように外部へ発散させるためのものである。そして、この運搬箱 5 0の上部には、左右を開放させた屋根部 5 2が着脱自在に取り付けられるものであり、この屋根部 5 2の内側には、遅燃材 4 0側の吊りひも 4 2を取り付ける部分が形成してある。産業上の利用可能性

以上、詳述した通り、本発明においては、

「内部に遅燃材 4 0を収納する保護筒 1 0と、この保護筒 1 0の側面に形成した複数の導火線挿通孔 1 2及び受皿支持孔 1 1と、この受皿支持孔 1 1に揷入部 2 1を挿入することにより保護筒 1 0の側面で支持される複数の火薬受皿 2 0 と、これらの火薬受皿 2 0上にそれぞれ載置される火薬 3 0とを備えて、火薬 3 0の導火線 3 1を導火線揷入孔 1 2から保護筒の内部に通して遅燃材 4 0に当接させた状態で、この遅燃材 4 0を一端から燃焼させることにより、各導火線 3 1に時間をおいて順次点火できるようにしたこと」

にその構成上の主たる特徴があり、これにより、各火薬 3 0が誘爆を起こさないことは勿論、遅燃材 4 0の破損も生じず、鳥獣を十分撃退することのできる大きな爆音を発生させ、さらには、設置のための下準備を簡単に行うことのできて、特に農業上利用するのに大きな可能性を有しているものである。特に、消耗品である火薬 3 0として、安価に入手できる爆竹を採用した場合には、この鳥獣おどし 1 0 0を数多く設置することが可能となり、しかも各火薬 3 0の取り付けも安易に行うことができるのである。

Claims

請求の範囲

1. 内部に遅燃材（40) を収納する保護筒（10) と、この保護筒（10) の側面に形成した複数の導火線揷通孔 (12) 及び受皿支持孔 (11) と、この受皿支持孔（11) に揷入部 (21) を掙入することにより保護筒（10) の側面で支持される複数の火薬受皿（20) と、これらの火薬受皿（20) 上にそれぞれ載置される火薬（30) とを備えて、

この火薬（30) の導火線（31) を導火線揷入孔（12) から保護筒の内部に通して遅燃材 (40) に当接させた状態で、この遅燃材（40) を一端から燃焼させることにより、各導火線（31) に時間をおいて順次点火できるようにしたことを特徴とする鳥獣おどし（100)。

2. 遅燃材（40) は、複数のクランク状部分を交互に連続させて、導火線 (3 1) を接触し得る複数の段部（41) を有したものとして構成したことを特徴とする請求の範囲第 1項に記載の鳥獣おどし（100)。

3. 火薬（30) を載置した各火薬受皿（20) を支持した保護筒（10) を、爆音排出口（51) を有した運搬箱（50) 内に収納したことを特徴とする請求項の範囲第 1項または第 2項に記載の鳥獣おどし（100)。