移動局およぴ基地局検索方法
技術分野
この発明は、 移動体無線通信で用いられる移動局に関するものであり、 詳細に は、 電源を投入した場合や基地局の電波を受信できないような圏外状態に陥った 明
場合に所属する基地局を検索する移動 1局おょぴその基地局検索方法に関するもの 糸
である。
書 背景技術
以下、 従来の移動局および基地局検索方法について説明する。 ここでは、 従来 の移動局の一例として、 圏外時に基地局検索を行う移動局 (C DMA携帯電話) について説明する (下記特許文献 1参照) 。 '
上記従来の移動局は、 圏内から圏外へ移行するときに受信レベルの変化をモェ タし、 その結果、 受信レベルの変化が緩やかであれば、 移動を伴わない圏外受信 であると判断している。 また、 他の判断方法として、 従来の移動局は、 検出パス の位置をモニタし、 その結果、 パスの位置が変わらなければ、 移動を伴わない圏 外受信であると判断している。
そして、 従来の移動局では、 上記のように移動を伴わない圏外受信であると判 断された場合、 セルサーチ頻度を低減することによって消費電力の低減を図って いる。 また、 移動を伴わない圏外受信時は、 セルサーチ頻度を低減するとともに
、 圏外になる前に属していた基地局のロングコードを用いて初期補足を行うこと によって、 セルサーチ時間を低減している。
一方、 移動による圏外受信と判断された場合、 従来の移 t¾局は、 セルサーチ頻 度を多くすることによつて新規の基地局検索時間を低減し、 性能向上を図ってい る。
特許文献 1
特開 2 0 0 1 - 2 8 5 1 7 8号公報
しかしながら、 前述した文献に記載された従来の移動局においては、 圏内から 圏外への移行判断条件に、 受信レベルモニタと検出パスタイミングを用いていた 、 上記判断方法にはいくつかの問題点があった。
たとえば、 受信レベルモニタ値による圏外移行時の移動判定については、 受信 レベルモニタ値の瞬時値を用いると、 テンポラルフエージングによる変動によつ て受信レベルが変動しているの力 \ 移動局の移動によつて受信レベルが変動して いるのか、 を判別することが難しい。 また、 受信レベルを平均化してフェージン グを抑えると、 受信レベルの変化の検出にある程度の時間が必要となる。
また、 検出パスタイミングによる圏外移行時の移動判定については 都市部の ようなマルチパス環境においてはパスの入れ替わりが激しいため、 パスの位置に よる移動判定が難しい。
さらに、 上記のように圏外移行時の要因を移動によって分類すると、 たとえば
、 静止していながらシャドウイングやフェージングによる受信レベル劣化によつ て圏外移行し、 その後、 圏外状態で移動した場合に、 圏内復帰に時間がかかって しまう。
このように、 圏外受信時のセルサーチアルゴリズムを圏外移行前の要因によつ て分けると、 従来の移動局では、 圏外時の状態が変化した場合に追従できなくな る、 という問題があった。 本発明は、 上記に鑑みてなされたものであって、 圏外時の状態が変化した場合 であっても、 効率的に初期セルサーチを行うことが可能な移動局および基地局検 索方法を提供することを目的としている。
発明の開示
本発明にかかる移動局にあっては、 圏外に存在する状態で、 間欠的に基地局を
検索するために初期セルサーチを実行する移動局であって、 初期セルサーチにお いて、 基地局のスロットタイミングを検出するための処理として、 p—SCH ( Primary Synchronization Channel) の受信レベルを検出するセノレサーチ S t e p 1を実行する S t e p 1実行手段と、 前記セルサーチ S t e p 1の実行を制御 する制御手段と、 を備え、 前記制御手段は、 初期セルサーチを実行可能な周波数 単位に順にセルサーチ S t e p 1の実行を指示し、 前記受信レべノレが所定のスロ ットタイミング検出用しきい値を超えている場合に、 以後他の周波数によるセル サーチ S t e p 1を実行させずに、 直ちにセルサーチ S t e p 2の実行を指示す ることを特徴とする。
この発明によれば、 初期セルサーチを実行可能な周波数に対して順にセルサー チ S t e p 1を実行し、 p— S C Hの受信レベルが規定された上記スロットタイ ミング検出用しきい値を超えている場合に、 他の周波数によるセルサーチ S t e p 1を実行せずに、 たとえば、 セルサーチ S t e p 2, セルサーチ S t e p 3, パスサーチおよぴ周波数弓 Iき込みを順に実行することとした。 図面の簡単な説明
第 1図は、 本発明にかかる移動局を含む移動体通信システムの一構成例を示す 図であり、 第 2図は、 本発明にかかる基地局探索方法を実現する移動局の構成を 示す図であり、 第 3図は、 本発明にかかる基地局探索方法を制御する制御部の処 理を示すフローチヤ一トであり、 第 4図は、 S t e p l, S t e p 2, S t e p 3においてパイプライン処理を実行する場合の一例を示す図であり、 第 5図は、 S t e p l, S t e p 2, S t e p 3においてパイプライン処理を実行しない場 合の一例を示す図である。 発明を実施するための最良の形態
本発明をより詳細に説術するために、 添付の図面に従ってこれを説明する。 第 1図は、 本発明にかかる移動局を含む移動体通信システムの一構成例を示す
図であり、 当該移動局が圏外および圏内に存在する場合の様子を表している。 こ のシステムは、 圏外に存在する移動局 1 aと、 圏内に存在する移動局 1 bと、 基 地局 2 a , 2 b, 2 cから構成され、 基地局 2 a, 2 b, 2 c力 それぞれ無線 エリア 3 a, 3 b, 3 cをカバーする。
また、 第 1図において、 移動局 l aは、 どの基地局にも属していないので、 間 欠的に基地局を検索するために初期セルサーチを実行している。 初期セルサーチ では、 基地局のフレームタイミングとロングコードを同定する処理を行う。 また 、 移動局 1 bは、 基地局 2 aに属しており、 基地局 2 cでも受信可能な状態を示 している。
第 2図は、 本発明にかかる基地局探索方法を実現する移動局 (l a, l b) の 構成を示す図であり、 この移動局は、 アンテナ 21と、 アンテナ 21で受信した 信号をベースバンド信号に復調し、 AGC (Auto Gain Control) を実行して適 切な受信レベ^/に変換する周波数制御部 22と、 基地局のスロットタイミングを 検出するためのセルサーチ S t e p 1を実行する S t e p 1実行部 23 aと、 基 地局のフレームタイミングを検出するためのセルサーチ S t e p 2を実行する S t e p 2実行部 23 bと、 基地局のロングコードを同定するためのセ^/サーチ S t e p 3を実行する S t e p 3実行部 23 cと、 基地局から直接到来する直接波 や、 受信波が複数の地物に反射して到来するマルチパス波、 の受信タイミングと 受信レベルを検出するパスサーチ実行部 24と、 所望の基地局から送信されてく る物理チヤネルの信号を復調する R A K E受信実行部 25と、 周波数制御部 22 , S t e p 1実行部 23 a, S t e p 2実行部 23 b, S t e p 3実行部 23 c , パスサーチ実行部 24, RAKE受信実行部 25を制御する制御部 26と、 を 備 る。
ここで、 本発明にかかる基地局探索方法を、 図面を用いて詳細に説明する。 第 3図は、 本発明にかかる基地局探索方法を制御する制御部 26の処理を示すフ口 一チャートである。 なお、 第 3図は、 複数の周波数について初期セルサーチを実 行する。 たとえば、 周波数 1, 周波数 f 2, 周波数 f 3について初期セルサー
チを実行する場合は、 周波数番号順, 過去に使用した周波数番号順, またはラン ダムに、 周波数を設定して初期セルサーチを実行する。 ここでは、 一例として、 周波数番号順に実行した場合について説明する。
まず、 制御部 26では、 周波数制御部 22に対して周波数 f 1への周波数切り 替えと A G C制御実行とを指示する (ステップ S 1 ) 。 周波数制御部 22にて周 波数 f 1に設定され、 AG C制御が実行されると、 つぎに、 制御部 26では、 S t e p 1実行部 23 aに対してセルサーチ S t e p 1の実行を指示する (ステツ プ S 2 ) 。 そして、 S t e p 1実行部 23 aにて S t e p 1の実行が終了すると 、 制御部 26では、 つぎに、 S t e p 1実行部 23 aにて検出した p— S CH ( Primary Synchronization Channel) の受信レべノレを、 所定のしきい値 (第 1の しきい値, 第 2のしきい値:第 1のしきい値く第 2のしきい値) を用いて判定す る (ステップ S 3, S 4) 。 たとえば、 p— S CHの受信レベルが第 2のしきい 値より大きい場合 (ステップ S 3, OK) 、 制御部 26では、 S t e p 2実行部 23 bに対してセルサーチ S t e p 2の実行を指示する (ステップ S 5) 。
このように、 本実施の形態では、 第 2のしきい値を超える場合、 他の周波数 ( f 2, f 3) の S t e p 1を実行せずに、 直ちに S t e p 2に移行する。 これに より、 初期セルサーチ時間を低減することができる。
一方で、 p _S CHの受信レベルが第 2のしきい値を超えなかった場合は (ス テツプ S 3, NG) 、 S t e p 2へ移行せずに、 第 1のしきい値による判定を行 う (ステップ S 4) 。 そして、 p— SCHの受信レベルが第 1のしきい値より大 きい場合は (ステップ S 4, OK) 、 フラグ (tmp— fig) をたて (ステップ S 6 ) 、 p— SCHの受信レべノレが第 1のしきい値より小さい場合は、 フラグ (tmp一 fig) をたてない。
なお、 上記では、 第 1のしきい値および第 2のしきい値による判定処理に p— S CHの受信レベルを用いていたが、 これに限らず、 たとえば、 Ec/I oに代 表される信号電力と雑音電力との比を用いることとしてもよいし、 当該各電力の 比と受信レべノレとを併用することとしてもよレ、。
つぎに、 ステップ S 4の第 1のしきい値による判定処理を実行後、 制御部 26 では、 全周波数 (f l〜f 3) について S t e p 1を実行したかどうかを判定す る (ステップ S 7) 。 そして、 全周波数について S t e p 1を実行していない場 合は (ステップ S 7, No) 、 周波数制御部 22に対して、 S t e p 1を実行し ていない周波数への周波数切り替えと AG C演算実行とを指示し (ステップ S 1 ) 、 S t e p 1による受信レベルが第 2のしきい値を超えるまで (ステップ S 3 , OK) 、 または、 全周波数に対する S t e p 1が完了するまで (ステップ S 7 , Ye s) 、 S t e p 1を繰り返し実行する。
このように、 本実施の形態では、 S t e p 1により得られる p— SCHの電力 レベルが第 2のしきい値より小さい場合に、 S t e p 1を実行していない他の周 波数に移行する。 これにより、 効率的に初期セルサーチを行うことができる。 な お、 上記全周波数とは、 制御部 26が初期セルサーチを実行可能な周波数であり 、 移動局が使用可能な全ての周波数について実行するわけではなレ、。
また、 圏外時に既に検索した周波数については、 第 1のしきい値を高めに設定 することによって、 不用意に S t e p 2, S t e p 3を実行することがなくなる ので、 消費電力を低減することができる。 また、 後述する S t e p 3におけるし きい値判定が NGの場合や、 パス検出結果が NGの場合や、 後述するステップ S 17にてタイムアウトを起こしやすい状況の場合等においては、 第 1のしきい値 および第 2のしきい値を高めに設定することによって、 不用意に S t e p 2, S t e p 3を実行することがなくなるので、 消費電力を低減することができる。 つぎに、 上記ステップ S 7の処理で全周波数に対する S t e p 1を完了した場 合は、 過去に検索した周波数の中でフラグ (tmp一 fig) がたつている周波数、 す なわち、 p—S CHの受信レベルが第 1のしきい値を超えている周波数があった かどうかを調査する (ステップ S 8) 。 その結果、 どの周波数においても p— S CHの受信レベルが第 1のしきい値を超えていなかった場合は (ステップ S 8, No) 、 初期セルサーチを終了し、 次回の初期セルサーチを待つ。
また、 上記ステップ S 8における調査の結果、 p _S CHの受信レベルが第 1
のしきい値を超えている周波数が存在する場合 (ステップ S 8, Ye s) 、 制御 部 26では、 フラグ (tmp— fig) がたつている周波数の中で最後に設定された周 波数を選択する (ステップ S 9) 。 なお、 上記選択処理は、 これに限らず、 周波 数番号順, p— S CHの受信レベルに基づいて行ってもよい。 このように、 本実 施の形態においては、 第 2のしきい値を超える周波数がない場合、 第 1のしきい 値を超える 1つの周波数についてだけ初期セルサーチを実行する。 これにより、 無駄な初期セルサーチ実行時間を低減することができる。
つぎに、 上記ステップ 9における選択処理を実行後、 制御部 26では、 周波数 制御部 22に対して、 選択した周波数への周波数切り替えと A G C制御実行とを 指示する (ステップ S 10) 。 周波数制御部 22にて周波数が設定され、 AGC 制御が実行されると、 つぎに、 制御部 26では、 S t e p 1実行部 23 aに対し てセルサーチ S t e p 1の実行を指示する (ステップ S 11) 。 そして、 S t e p 1実行部 23 aにて S t e p 1の実行が終了すると、 制御部 26では、 つぎに . S t e p 2実行部 23 bに対してセルサーチ S t e p 2の実行を指示する (ス テツプ S 5) 。
つぎに、 ステップ S 5により S t e p 2を実行後、 制御部 26では、 S t e p 3実行部 23 cに対してセルサーチ S t e p 3の実行を指示する (ステップ S 1 2) 。 そして、 S t e p 3の実行が完了した後、 制御部 26では、 S t e p 3実 行部 23 cにて検出した CP I CH (Common Pilot Channel) の受信レベルが規 定された第 3のしきい値を超えているかどうかを判定する (ステップ S 13) 。 たとえば、 超えている場合には (ステップ S 13, OK) 、 パスサーチ実行部 2 4に対してパスサーチの実行を指示する (ステップ S 14) 。 一方で、 CP I C Hの受信レベルが上記第 3のしきい値を超えていない場合は (ステップ S 13, NG) 、 初期セルサーチを中止して次回の初期セルサーチを待つ。
つぎに、 制御部 26では、 ステップ S 14によるパス検出結果において検出パ スが存在し、 検出した CP I CHの受信レベルが第 4のしきい値を超えている場 合 (ステップ S 15, OK) 、 引き続きパスサーチの実行を指示し (ステップ S
16 a) 、 DL (Downlink) 物理チャネルの受信を RAK E受信実行部 25に対 して指示し (ステップ S 16 b) 、 周波数引き込みを制御する (ステップ S 16 c) 。 一方で、 ステップ S 14によるパス検出結果において検出パスが存在しな い場合は (ステップ S 15, NG) 、 初期セルサーチを中止して次回の初期セル サーチを待つ。
その後、 制御部 26では、 周波数引き込み時間をモニタし、 タイムアウトにな つた場合 (ステップ S 17) 、 初期セルサーチを中止する。 一方、 タイムアウト になっていなければ (ステップ S 17, No) 、 周波数引き込みが完了したかど うかを判定し (ステップ S 18) 、 周波数引き込みが完了している場合は (ステ ップ S 18, Ye s) 、 初期セルサーチを終了し、 そうでない場合は (ステップ S 18, No) 、 引き続き周波数引き込みを制御する。
なお、 制 P部 26では、 S t e p 1の実行時間がタイマ値以内であるかどうか を判断し (ステップ S 19) 、 タイマ値以内であれば再度 S t e p 1を実行する 。 これにより、 第 4図に示すように、 S t e p l, S t e p 2, S t e p 3のパ ィプライン処理の実行が可能となり、 S t e p 1の検查精度が向上する。 また、 第 5図に示すように、 タイマ値を小さく設定することによって、 または、 ノ、。イブ ライン処理を実行しないようにすることによって、 初期セルサーチ実行時間を低 減することができる。
以上、 本実施の形態においては、 初期セルサーチを実行可能な周波数に対して 順に S t e p 1を実行し、 p— S CHの受信レベルが規定された所定のしきい値 を超えている場合に、 他の周波数による S t e p 1を実行せずに、 以降の S t e p 2, S t e p 3, パスサーチおよび周波数引き込みを実行することとした。 こ れにより、 圏外時の状態が変化した場合であっても、 効率的に初期セルサーチを 行うことができる。
なお、 本実施の形態においては、 圏外に存在する移動局 1 aが、 間欠的に基地 局を検索するために初期セルサーチを実行する場合について説明したが、 本発明 にかかる基地局探索方法は、 電源投入時においても同様に適用可能である。
産業上の利用可能性
以上のように、 本発明にかかる基地局探索方法は、 電源を投入した場合や基地 局の電波を受信できないような圏外状態に陥った場合に初期セルサーチを行う移 動局に有用であり、 特に、 移動により圏外時の状態が変化した場合に初期セルサ ーチを行う移動局に適している。