明 細 書
マウス ピース及びこのマウス ピースを用いる 口腔撮影装置 技術分野
本発明は、 口腔内の観察に利用する 口腔撮影装置およびこ の口腔撮影装置に用いるマウスピースに関するものである。 背景技術
近年、 口腔内の観察に C C Dを用いたビデオス コープが用 い られている。 一方、 照明光の反射強度をフォ トダイ オー ド などのセンサを用いる事で、 色を正確に捉える試みがなされ は じめた。
例えば、 特開平 1 1 一 4 7 0 9 2号公報は、 このよ う な観 察に L E Dを照明 と して用いる用途を開示してお り 、 患者の 口腔内に挿入した後に、 白色の L E D光を発光させて C C D で口腔内を測定する。
又、 特開 2 0 0 1 — 2 1 2 0 8 1 号公報は、 患者の 口腔内 を撮影する方法を開示 してお り 、 開口器の一部に撮像部を設 けて撮影を行う ものである。
上述の特開平 1 1 一 4 7 0 9 2号公報に示された撮影装置 は、 白色の L E D光を照射面に直接照射する も ので、 照射光 量は L E Dの発光特性と照射距離によ り 光学的に決定される しか しなが ら、 患者の 口腔内に直接揷入する為のものである にもかかわらず、 挿入時、 観察を的確に実施するためのマウ ス ピース (開口器等) が開示されていない。
一方、 特開 2 0 0 1 — 2 1 2 0 8 1 号公報に示された撮影 装置は、 開 口器の一部に撮像部を設け、 開口器で口唇を強制
的に大き く 開放させて撮影を行 う ものである。 しかしなが ら 開放された空間下においては外光の影響を受けて しま う事と な り 、 照射面に複数の異なる波長の光を照射し、 その反射光 の反射強度を測定するにあたって、 各波長に対する反射強度 を正確に測定する事が出来ない。
発明の開示
本発明の 目的は、 被観察者の 口腔を正確に観察可能であ り 且つ被観察者の負担を少な く する こ と ができ るマウス ピース 及び撮影装置を提供する こ と にある。
本発明の第 1 の側面は、 外光を遮断して被観察者の 口腔を 撮影する 口腔撮影装置に用いるマ ウス ピースであって、 撮影 時に前記口腔撮影装置の遮光手段を当てつける当てつけ部と 被観察者が上顎の歯と下顎の歯で嚙むこ と によって前記マウ ス ピースを被観察者の歯の近傍に位置決め可能とする嚙み部 と を具備する。
また、 本発明の第 2 の側面は、 第 1 の側面に係るマウス ピ ース に関 し、 前記当てつけ部は光を略透過 しない特性を有す る。
また、 本発明の第 3 の側面は、 第 1 の側面に係るマウス ピ ース に関 し、 前記当てつけ部に隣接し、 被観察者の唇を押さ える と共に、 前記口腔撮影装置の遮光手段を前記当てつけ部 に当てつける際のガイ ドと なる遮光カバーを更に有し、 前記 遮光カバーは外光を略透過 しない特性を有する。
また、 本発明の第 4 の側面は、 第 1 の側面に係るマウス ピ ース に関 し、 前記嚙み部は、 被観察者が上下左右の奥歯で嚙
める よ う に左右 2つで構成され、 こ の左右の嚙み部間の周長 が略 5 0 — 9 O m mである。
また、 本発明の第 5 の側面は、 第 1 の側面に係るマウス ピ ース に関し、 前記当てつけ部は、 ゴム硬度が略 2 0 〜 7 0 の スチレン系エラス トマ一樹脂からなる。
また、 本発明の第 6 の側面は、 第 3 の側面に係るマウス ピ ースに関し、 前記遮光カバーは、 ゴム硬度が略 1 0 〜 4 0 の スチ レ ン系エラ ス トマ一樹脂からなる。
また、 本発明の第 7 の側面は、 第 2 の側面に係るマウス ピ ース に関 し、 少なく と も前記当てつけ部の色が、 黒色である また、 本発明の第 8 の側面は、 第 1 から第 7 のいずれか一 つの側面に係るマ ウ ス ピースを用いて被観察者の口腔を撮影 する 口腔撮影装置であって、 被観察者の歯を照明する照明手 段と、 前記照明手段で照明された被観察者の歯を撮影する撮 影手段と、 前記撮影手段に外光が入らないよ う に遮光する遮 光手段と を有し、 前記遮光手段を前記マ ウス ピース の当てつ け部に当てつける こ と によって、 前記照明手段は被観察者の 歯を略均一に照明可能な位置に位置決めされる と共に、 前記 撮影手段は被観察者の歯を略焦点があった状態で撮影可能な 位置に位置決めされる。
また、 本発明の第 9 の側面は、 第 8 の側面に係る 口腔撮影 装置に関し、 前記照明手段と前記撮像手段と は一体的に構成 され、 且つ、 所定の回転軸を中心と して回転可能なよ う に構 成されている。
また、 本発明の第 1 0 の側面は、 第 9 の側面に係る 口腔撮
影装置に関 し、 前記一体的に構成された前記照明手段と前記 撮影手段と を回転させる回転機構手段と、 前記回転機構手段 の回転量を調整する操作手段と を更に有する。
また、 本発明の第 1 1 の側面は、 第 1 0 の側面に係る 口腔 撮影装置に関 し、 前記操作手段は、 ジョ グホイールと このジ ョ グホイールの回転によって動く ワイヤと力 らな り 、 前記回 転機構手段は前記ワイ ヤの動き に応 じて前記一体的に構成さ れた前記照明手段と前記撮影手段と を回転させる。
図面の簡単な説明
図 1 は、 撮影装置 1 が被観察者 5 の歯の一部に L E D光を 照射して撮影を行う と きの構成を示す概念図である。
図 2 A〜 2 Dは、 マ ウス ピース 2 の装着について説明する ための概念図である。
図 3 は、 撮影装置 1 を含む口腔撮影装置の全体システム構 成を示すプロ ック図である。
図 4 Aは、 撮影装置 1 の断面図である。
図 4 Bは、 L E D基板 7 の概略を示す図である。
図 5 は、 撮影装置 1 の光学系の部分詳細図である。
図 6 は、 L E D 7 a 〜 7 h の出力光の各波長の波長帯域 ( 8 ノ ン ド) 1 0 1 及び C C D フ ィ ルタ の波長帯域 1 0 0 を 示す図である。
図 7 A〜 7 Dは、 本発明の第 2実施の形態について説明す るための図である。
図 8 Aは、 マウス ピース 2 0 のゴム強度についての実験結 果を示す図である。
図 8 B は、 遮光カバー 2 0 c の ゴム強度についての実験結 果を示す図である。
図 9 A〜 9 Dは、 本発明の第 3 実施の形態について説明す るための図である。
図 1 0 は、 本発明の第 4実施の形態に係る撮影装置 1 の構 成を示す図である。
図 1 1 A , 1 1 B は、 本発明の第 4実施の形態の作用を説 明するための図である。
図 1 2 A , 1 2 B は、 本発明の第 5 実施の形態に係る撮影 装置 1 の構成を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
以下、 図面を参照 して本発明の実施の形態を詳細に説明す る。
(第 1実施の形態)
図 1 は、 口腔撮影装置 (以下、 撮影装置と呼ぶ) 1 が被観 察者 5 0 0 の歯の一部に L E D光を照射して撮影を行 う と き の構成を示す概念図である。 こ こでは撮影装置 1 は例えば被 観察者 5 0 0 の歯の色を正確に測色するものとする。
撮影装置 1 によ り 得られた非撮影者 5 0 0 の歯の色に関す る画像データは、 ク レー ドル 2 、 U S B (ユニバーサルシリ ァ ノレ ノ ス) 2 イ ンタ フェース 4 を介 してパーソナルコ ンビュ ータ (以下 P C と呼ぶ) 3 に取り 込まれて解析がなされる。 観察者は撮影された画像の色データ を解析し、 被観察者 5 0 0 の歯の色が どのよ う な空間的な色座標を示すかについて測 定を行う。
図 2 A〜 2 Dは、 マ ウ ス ピース 2 0 の装着について説明す るための概念図である。 マ ウ ス ピース 2 0 は、 外光等の光を 遮断して被観察者の 口腔を撮影する 口腔撮影装置に用いる も のであ り 、 撮影時に 口腔撮影装置の遮光手段 (後述する遮光 枠 1 5 ) を当てつける、 光を略透過しない特性を有するマ ウ ス ピース当てつけ部 2 0 b と、 被観察者 5 0 0 が上顎の歯 2 1 と 下顎の歯 2 1 で嚙むこ と によってマ ウ ス ピース 2 0 を被 観察者 5 0 0 の歯 2 1 の近傍に位置決め可能とするマウス ピ 一ス嚼み部 2 0 a と を具備する。 '
図 2 Aは被観察者 5 0 0 がマ ウス ピース 2 0 を装着する よ うすを示す図であ り 、 図 2 Bは、 マ ウ ス ピース 2 0 を装着 し たと き のマ ウ ス ピース嚙み部 2 0 a の位置を示す図であ り 、 図 2 Cは被観察者 5 0 0 の歯 2 1 にマ ウ ス ピース 2 0 を装着 した状態を前方から見た図であ り 、 図 2 Dは被観察者 5 0 0 の歯 2 1 にマ ウ ス ピース 2 0 を装着したと きの断面図である , 図 2 Dにおいて、 2 2 は被観察者 5 の唇、 2 3 は被観察者 5 0 0 の歯茎である。
図 3 は、 撮影装置 1 を含む口腔撮影装置の全体シス テム構 成を示すプロ ック図である。 図 3 において、 撮影装置 1 の電 気基板 5 には、 カ ラーフ ィルタ を有する C C D 5 a、 L E D コン ト ローラ 5 b 、 信号処理回路 5 c 、 電源回路 5 d 、 メ モ リ 5 e 、 制御回路 5 f が配置されている。 また、 鏡枠 5 0 の 内部には撮像光学系 9 、 照明光学ュニ ッ ト 8 が配置されてい る。 円盤形状の L E D基板 7 には L E D 7 a〜 7 h (図 3 で は 7 a、 7 b のみを示す) が円周上に配置されている。 撮影
装置 1 の先端には遮光枠 (遮光手段) 1 5 が、 外面にはピ ン ト リ ング 9 b 、 L C Dユエッ ト 1 0、 接点 1 2 、 電源スイ ツ チ 4 、 シャ ツタ 1 1 が配置されている。
また、 ク レー ドル 2 には A Cアダプタ 5 0 、 A Z D変換器 5 1 、 電源回路 5 2 、 F P G A 5 3 、 C P U 5 4 N S R A M 5 5 、 U S B 2 I / F 5 6 が配置されてレ、る。 L E D 7 a 〜 7 h及び照明光学ユニ ッ ト 8 は照明手段を構成し、 撮像光 学系 9及び C C D 5 a は撮影手段を構成する。
P C 3 には色解析ソフ ト 6 0 がイ ンス トールされ、 色デー タベース 6 1 が構築されている。
図 4 Aは撮影装置 1 の断面図であ り 、 図 4 B は L E D基板 7の概略を示す図である。
図 5 は、 撮影装置 1 の光学系の部分詳細図であ り 、 光拡散 作用を有する光学シー ト 1 3 を含む種々 の光学素子が配置さ れている。
図 6 は、 L E D 7 a 〜 7 h の出力光の各波長の波長帯域 ( 8 ノ ン ド) 1 0 1 及び C C D フ ィ ルタ の波長帯域 1 0 0 を 示している。
上記した構成において、 図 2 に示すよ う に被観察者 5 0 0 は、 マ ウス ピース嚙み部 2 0 a が歯番⑤番と⑥番の境に位置 する よ う にマ ウ ス ピース 2 0 を II至える。 d至える位置が決定し たな らば、 観察者は撮影装置 1 を被観察者 5 0 0 の任意の被 写体歯 (図不指示) に正対させて遮光枠 1 5 を唇 2 2 で Π至え させ、 電源スィ ッ チ 4 を O N して撮影装置 1 の電源を入れる , 電源を入れる と電気基板 5 の回路上の機能である C C D 5 a
L E Dコ ン ト ローラ 5 b 、 信号処理回路 5 c 、 電源回路 5 d メモ リ 5 e 、 制御回路 5 f 、 L C Dユニ ッ ト 1 0 がノ ッテ リ 6からの電源供給を受けて駆動する。
同時に制御回路 5 f 及ぴ L E D コ ン ト ローラ 5 b 力 らの指 示によ り L E D基板 7 に電流の供給がなされ、 L E D 7 a 〜 7 h を点灯する。 こ こでは、 あ らカゝじめ設定した L E Dのみ を点灯させる よ う に しているため、 省電力を 目 的に低電流で の駆動によ り 光量を抑える事も可能である。 又、 一つの L E Dノ ッケージに複数の L E Dを配置する事も可能である。 こ の結果 L E D 7 a 〜 7 h力、らの光は光学シー ト 1 3 を経由 し 照明光学ユニッ ト 8 (こ こでは光拡散素子) 内で完全に拡散 されて被観察者 5 0 0 の歯 2 1 に均一に照射される。
観察者は被観察者 5 0 0 の狙いの歯の位置でマウス ピース 2 0 のマウス ピース当てつけ部 2 0 b に撮影装置 1 を当てつ け、 L C Dュ -ッ ト 1 0 を観察しなが ら至近距離での撮影が 可能なよ う に、 撮像光学系 9 に設けられたピン ト リ ング 9 b によ り ピン ト調整を行い、 狙いの被写体位置を決定し、 シャ ッタ 1 1 を押す。 シャ ツタ 1 1 の動作に呼応 して制御回路 5 f が測定モー ドの指示を行う。
L E D コ ン ト ローラ 5 b 力 らの指示によ り L E D基板 7 に 電流の供給がなされ、 L E D 7 a 〜 7 h の 8種類の波長光を 順次 1 / 3 0秒間隔で点灯あるいは消灯させる動作を繰り返す, 被観察者 5 0 0 の歯 2 1 に照射された光は、 歯 2 1 にて反射 して撮像光学系 9 に取り 込まれ C C D 5 a に結像する。 C C D 5 a で光電変換された電気信号は、 L E D 7 a 〜 7 h の 8
種類の波長光の点灯あるいは消灯に対応する画像データ と し て信号処理回路 5 c によ り 取り 込まれ、 メ モ リ 5 e に蓄積さ れる。
測定が完了 した後に観察者は撮影装置 1 の接点 1 2 をタ レ 一ドル 2 の接点 (図不指示) に接続する。 これによ り 撮影装 置 1 に取り 込まれた画像データ はク レー ドル 2 に送られる。 ク レー ドル 2 は所定の信号処理を行った後、 当該画像データ を U S B 2 ( 4 ) を介して P C 3 に送る。 P C 3 は、 色解析 ソ フ ト 6 0及び色データベース 6 1 を使用 して画像データの 色解析を行い、 被観察者 5 0 0 の歯 2 1 の色を把握する。
撮影装置 1 は、 ク レー ドル 2 が接続されてい る間、 ク レー ドル 2 の接点を介 してク レー ドル 2 の電源系から電気供給を 受け、 内部のバッテ リ 6 に蓄積される。
(第 2実施の形態)
図 7 A〜 7 Dは、 本発明の第 2 実施の形態について説明す るための図であ り 、 図 7 Aはマ ウ ス ピース 2 0 の外観を示す 図であ り 、 図 7 B はマ ウ ス ピース 2 0 を装着した と きのマウ ス ピース嚙み部 2 0 a の位置を示す図であ り 、 図 7 Cは撮影 装置 1 に、 外光を略透過 しない特性を持つ遮光カバー 2 0 c を取付ける よ うすを示す図であ り 、 図 7 Dは被観察者 5 0 0 の歯 2 1 にマ ウ ス ピース 2 0 を装着したと きの断面図である ここでのマウス ピース 2 0 は黒色のゴム力 らな り 、 硬度が 2 0〜 7 0 のエラス トマ一系樹脂で製作されたものである。 ェ ラス トマー系樹脂の場合、 添加物によ り ゴム硬度を調整する こ とが可能である、
マ ウ ス ピース 2 0 は測定に際して、 被観察者 5 0 0 の歯 2 1 の並ぴかたに添う こ とが望ま しいこ と から、 低いゴム硬度 (柔らかい) のものが適している。 一方、 撮影装置 1 を被観 察者 5 0 0 に安定的に当てつけるためにはマ ウ ス ピース 2 0 が変形しないこ と が望ま しい事から、 高いゴム硬度 (硬い) の も のが適 している。
又、 被観察者 5 0 0がマ ウ ス ピース嚙み部 2 0 a を嚙んで マ ウ ス ピース 2 0 を固定する際、 低いゴム硬度 (柔らかい) が過ぎる と、 嚙んだ際の変形が大き く マ ウ ス ピース 2 0 が安 定しない。 逆に高いゴム硬度 (硬い) が過ぎる と嚙みづらい ものとなる。
図 8 Aは、 マ ウ ス ピース 2 0 の ゴム強度についての実験結 果を示す図である。 同図において用い られている各記号の意 味は、 ◎…最適、 〇…適、 △…やや適、 X…不適、 である。 こ の図力 らわかる よ う に、 マ ウ ス ピース 2 0 の ゴム硬度は 2 0 〜 7 0 の範囲が適当であ り 、 望ま し く は 4 0 〜 6 0 の ゴム 硬度が最適な範囲である。
マ ウ ス ピース 2 0 は、 左右のマ ウス ピース嚙み部 2 0 a の 距離 (マ ウ ス ピース周長 1 0 0 ) 力 5 0 〜 9 O m m と な っ て お り 、 上下の歯茎をカバーする様に構成されている。 被観察 者 5 0 0 が安定的に嚙めるのは、 比較的平らな歯番④、 ⑤、 ⑥であ り 、 その中でも歯番⑤、 ⑥がも っ と も嚙みやすい。 奥 歯である⑥、 ⑦が安定的に嚙むこ と に適 しているが、 喉の近 辺に異物が く る と神経刺激によ る嘔吐反応が起こる事から歯 番⑦を使用 してのマ ウ ス ピース 2 0 の保持は望ま しく ない。
1 6〜 6 0歳の左右の歯番⑤、 ⑥部間の周長は、 2 0 0 サン プルを測定した結果、 統計上 ± 3 σ ( 9 9 % ) を満足する範 囲は 5 5 mn!〜 9 5 mmであった。
以上の事項を検討した結果から、 マ ウ ス ピース 2 0 の周長 を 5 0〜 9 O m m ( ± 5 m mの誤差を付加) にする こ と で、 ほと んどの被観察者 5 0 0 への適応が可能である。 実際には マ ウ ス ピース周長 1 0 0 の種類を 6 0 , 7 5 , 9 0 と 3段階に 変えたマ ウ ス ピース 2 0 を用意する こ と で、 歯番④、 ⑤、 ⑥ での嚙みを固定させる こ とが可能である。 細かく 周長を刻む こ とでよ り 嚙みやすいマウス ピース 2 0 を提供でき るのは言 う までも無い。
被観察者 5 0 0 はマウス ピース .2 0 を装着する際、 マウス ピース嚙み部 2 0 a を被観察者 5 0 0 の比較的平らな歯番④ ⑤、 ⑥で嚙み固定する。 マ ウス ピース 2 0 はマ ウ ス ピース当 てつけ部 2 0 b が被観察者 5 0 0 の歯茎をカバーし、 歯 2 1 のみを観察可能にする。 又、 マ ウ ス ピース 2 0 はゴム硬度が 2 0〜 7 0 とい う 比較的柔らかく 順応性が高い材料である こ とから歯 2 1 の並ぴに対して順応 しやすく 、 マウス ピース嚙 み部 2 0 a も嚙み易い。 又、 マ ウ ス ピース 2 0 は黒色である こ と から、 照明光を直接反射して撮像光学系 9 に迷光を及ぼ す事はない。
一方、 ゴム硬度 1 0〜 4 0 のエラス トマ一系樹脂で製作さ れた遮光カバー 2 0 c を撮影装置 1 の先端に設け られた遮光 部 1 5 の外側に取り 付け可能である。 撮影装置 1 の遮光枠 1 5 に対して遮光カバー 2 0 c を順応させるには、 低いゴム硬
度 (柔らかい) が適している。 一方、 撮影装置 1 の遮光枠 1 5 に対して、 破れ難く する為には、 高いゴム硬度 (硬い) が 適している。
図 8 Bは、 遮光カバー 2 0 c の ゴム強度についての実験結 果を示す図である。 同図において用い られている各記号の意 味は、 ◎…最適、 〇…適、 △…やや適、 X…不適、 である。 この図力、らゎカ る よ う に、 遮光カバー 2 0 c のゴム硬度は 1 0 〜 4 0が適当であ り 、 望ま しく は 2 0 〜 3 0 の ゴム硬度が 最適である。
観察者は、 マ ウ ス ピース 2 0 のマ ウ ス ピース当てつけ部 2 O b の う ち観察する歯の部分に対して、 撮影装置 1 の照明光 学ユニ ッ ト 8 、 撮像光学系 9 と 、 C C D 5 a を正対させる よ う に遮光カバー 2 0 c を当てつける。 こ の時、 被観察者 5 0 0 が当てつけによって感 じる部分はマ ウ ス ピース 2 0 を介し て行う 。 又、 当てつけに際して、 被観察者 5 0 0 は唇で垤ぇ る形であ り 、 大き く 口を開ける必要が無い。
(第 3 実施の形態)
図 9 A〜 9 Dは、 本発明の第 3 実施の形態について説明す るための図であ り 、 図 9 Aはマ ウ ス ピース 2 5 の外観を示す 図であ り 、 図 9 B はマ ウ ス ピース 2 5 を装着 した と きのマウ ス ピース嗨み部 2 5 a の位置を示す図であ り 、 図 9 Cは撮影 装置 1 の外観を示す図であ り 、 図 9 Dは被観察者の歯 2 1 に マウス ピース 2 5 を装着したと きの断面図である。
マ ウ ス ピース 2 5 には、 撮影装置 1 の先端に設け られた遮 光枠 1 5 が被観察者の唇 2 2 に直接触れないよ.う に遮光カバ
一 2 5 c (図 9 D ) がー体で構成されている。 マ ウス ピース 2 5 はゴム硬度が 2 0 ~ 7 0 とい う比較的やわ らかい材料で ある こ と から撮影装置 1 の遮光枠 1 5 に対して順応しやすい 尚、 マ ウス ピース 2 5 は、 スチ レン系エラ ス トマ一樹脂で 構成された ものである。 観察者は、 マ ウス ピース 2 5 のマ ウ ス ピース当てつけ部 2 5 b の う ち観察する歯の部分に対し撮 影装置 1 の照明光学ユニ ッ ト 8 と、 撮像光学系 9 と、 C C D 5 a を正対させる よ う に遮光枠 1 5 を当てつけて撮影する。 この時、 マウス ピース 2 5 には遮光枠 1 5 の当てつけに際 し て、 被観察者の歯茎を保護する機能と、 遮光枠 1 5 を被観察 者の唇に直接触れさせない機能と の複合機能を有する こ と か ら、 第 2実施の形態に示 したよ う に、 マ ウス ピース 2 0、 遮 光力バー 2 5 c と 2部品で構成する こ と に比べ、 撮影に際す る コス トが掛からなく てすむ。
(第 4実施の形態)
図 1 0 は、 本発明の第 4実施の形態に係る撮影装置 1 の構 成を示す図である。 図 1 0 に示すよ う に観察に必要な照明光 学ユニッ ト 8 と、 撮像光学系 9 と 、 C C D 5 a は、 回転調整 手段を有する保持板 2 1 f 上に一体的に接続され、 回転調整 モータ 2 1 c によ り これらを被撮影者に正対させる構成と な つている。
照明光学ユニッ ト 8 と 、 撮像光学系 9 と、 C C D 5 a は保 持板 2 1 f 上に接続されている。 保持板 2 1 f は回転軸 2 1 d を中心に して回転可能な状態で筐体 2 2 に固定されている , 保持板 2 1 f の一方には調整パネ 2 1 b が接続されてお り 、
調整パネ 2 1 b の反接続端部は筐体 2 2 に接続されてい る 。 回転軸 2 1 d を基準と した調整パネの 2 1 b の反対面には回 転調整モータ 2 1 c が筐体 2 2上に固定されている。 回転調 整モータ 2 1 c は電気基板 5 に電気的接続がなされてお り 、 正逆転可能な回転ス ィ ッ チ 2 1 e によ り 回転調整モータ 2 1 c を送り 戻し可能である。
保持板 2 1 f を +方向に回転させたい場合、 観察者は回転 ス ィ ッ チ 2 1 e の +方向を押す。 こ の操作によ り 回転スイ ツ チ 2 1 e から所定の信号が回転調整モータ 2 1 c に送られて 同モータ 2 1 c の軸が送り 出される。 この結果、 保持板 2 1 f が押され回転軸 2 1 d を中心に して保持板 2 1 ί が +方向 に回転する。 その結果、 照明光学ユニ ッ ト 8 と、 撮像光学系 9 と 、 C C D 5 a も同期 して回転する (図 1 1 A ) 。 これに よって撮影装置 1 が被撮影者の歯に対して正対する こ と と な る。
図 1 1 B は、 観察者が回転スィ ッチ 2 1 e の一方向を押 し て、 保持板 2 1 f を一方向に回転させた場合を示している。 (第 5実施の形態)
図 1 2 A、 1 2 B は、 本発明の第 5 実施の形態に係る撮影 装置 1 の構成を示す図である。 図 1 2 Aに示すよ う に観察に 必要な照明光学ユニ ッ ト 8 と、 撮像光学系 9 と、 C C D 5 a は、 回転調整手段を有する保持板 2 1 f 上に一体的に接続さ れ、 撮影装置 1 の外部に設け られた外部スティ ック 2 4 を用 いてこれらを被撮影者に正対させる構成と なっている。
照明光学ユニッ ト 8 と 、 撮像光学系 9 と、 C C D 5 a は保
持板 2 1 f 上に接続されている。 保持板 2 1 f は回転軸 2 1 d を中心に して回転可能な状態で筐体 2 2 に固定されている 保持板 2 1 f の一方にはワイヤ 2 3 b の端部が接続されてお り 、 保持板 2 1 f の反対側にはワイヤ 2 3 b のも う 一方の端 部が接続されている。
ワイ ヤ 2 3 b は撮影装置 1 の部品に干渉しないよ う に複数 の滑車 2 3 a を用いて配されている。 撮影装置 1 から出たヮ ィャ 2 3 b はワイ ヤカバー 2 3 d 内で自在に動く こ と が出来 る.。 ワイヤカ ノ 一 2 3 d は外部スティ ック 2 4 に繋がってい る。 ワイヤ 2 3 b は外部スティ ック 2 4 内においても部品の 干渉を受けないよ う に、 複数の滑車 2 3 a を用いて配されて お り 、 ジョ グ 2 3 c によ り 保持されている (図 1 2 B ) 。 本 実施形態ではシャ ツタ 1 1 を撮影装置 1 ではな く 外部スティ ック 2 4 に設けてお り 、 これによつて撮影時の手ぶれを防止 でき る。
上記した構成において、 ジョ グ 2 3 c を正逆転させる こ と でワイヤ 2 3 b が移動し、 この移動動作が、 保持板 2 1 f の 一方の保持部を引 く 事と なる。 この結果、 保持板 2 1 f は回 転軸 2 1 d を中心に回転し、 観察者は照明光学ュニッ ト 8 と 撮像光学系 9 と、 C C D 5 a を被撮影者に正対させる こ と が 可能となる。
本実施の形態では、 外部スティ ッ ク 2 4 を撮影装置 1 の外 部に設け、 かっこ の外部スティ ッ ク 2 4 にシャ ツタ 1 1 を設 けたので、 観察者は片手で撮影装置 1 を保持し、 も う 一方の 手で外部スティ ッ ク 2 4 を操作する こ と ができ る。 これによ
つて被観察者に正対させる動作ゃシャ ッタ操作が可能と なる ので操作性が向上する。 操作性をさ らに向上させるためには 第 2実施の形態で説明 したよ う に、 回転調整モータ 2 1 c を 駆動させるための回転スィ ツチ 2 1 c を外部スティ ック 2 4 に設けても よい。
(付記)
上記した具体的な実施の形態から以下のよ う な構成を持つ 発明を抽出するこ とができる。
1 . 外光を遮断して被観察者の 口腔を撮影する 口腔撮影装 置に用いるマ ウス ピースであって、
撮影時に前記口腔撮影装置の遮光手段を当てつける当てつ け部と、
被観察者が上顎の歯と下顎の歯で嚙むこ と によ って前記マウ スピースを被観察者の歯の近傍に位置決め可能とする嚙み部 と
を具備するマ ウス ピース。
(効果) 構成 1 . に記載のマ ウス ピースによれば、 口腔内の マウス ピース を嚙合わせ部で保持し、 口腔撮影装置を撮影対 象の歯に対するマ ウス ピース に当てつけ、 特定波長の照明光 を照射して撮影する ものである。 被観察者の口腔を正確に観 察でき る。 被観察者の歯茎に撮影装置が直接当たる こ とがな いので被観察者の負担を少なくする こ と ができ る。
2 . 前記当てつけ部は光を略透過 しない特性を有する 1 . に記載のマウス ピース。
(効果) 構成 2 . に記載のマ ウス ピースは、 外光などの光を
透過 しないこ とから、 不要な迷光を照射する歯に当てる こ と が無い。
3 . 前記当てつけ部に隣接し、 被観察者の唇を押さ える と 共に、 前記口腔撮影装置の遮光手段を前記当てつけ部に当て つける際のガイ ドと なる遮光カバーを更に有し、 前記遮光力 バーは外光を略透過 しない特性を有する 1 . に記載のマウス ピース。
(効果) 構成 3 . に記載のマ ウ ス ピースは、 口腔撮影装置の 遮光カバー部に対応 し外光を透過 しないこ とから、 遮光カバ 一の機能をも一部品で有する こ とが出来る。
4 . 前記嚙み部は、 被観察者が上下左右の奥歯で嚙める よ う に左右 2つで構成され、 こ の左右の嚙み部間の周長が略 5 0 〜 9 0 m mである 1 . に記載のマ ウ ス ピース。
(効果) 構成 4 . に記載のマ ウ ス ピースは、 左右の嚙合わせ 部間の周長が 5 0 〜 9 0 m mにする こ と で人間工学上嚙み易 い歯番④〜⑥番の歯で嗨み合わせる事ができ、 保持安定性の 良いシス テムを構築できる。
5 . 前記当てつけ部は、 ゴム硬度が略 2 0 〜 7 0 のス チ レ ン系エラス トマ一樹脂からなる 1 . に記載のマウスピース。
(効果) 構成 5 . に記載のマ ウ ス ピースは、 ゴム硬度 2 0 〜 7 0 のス チ レ ン系エラス トマ一系樹脂で構成する事によ り 、 装着性と安定性を兼ね備えたマウスピ スを構成できる。
6 . 前記遮光部は、 ゴム硬度が略 1 0 〜 4 0 のスチ レ ン系ェ ラ ス ト マー樹脂からなる 3 . に記載のマ ウス ピース。
(効果) 構成 6 . に記載のマ ウ ス ピースは、 1 0 〜 4 0 のス
チ レ ン系エラス トマ一樹脂で構成する事によ り 、 装着性と耐 久性を兼ね備えたマ ウス ピースを構成できる。
7 . 少なく と も前記当てつけ部の色が、 黒色である 2 . に 記載のマ ウス ピース。
(効果) 構成 7 . に記載のマ ウ ス ピースは、 マ ウス ピースを 黒色で構成する事によ り 、 撮影時の照明光が反射した り 、 迷 光化 して撮像光学系を通 じて C C Dに到達するなどの、 測定 に対する誤差要因を除外できる。
8 . 構成 1 . から 7 . のいずれか一つに記載のマウス ピー ス を用いて被観察者の 口腔を撮影する 口腔撮影装置であって 被観察者の歯を照明する照明手段と、
前記照明手段で照明された被観察者の歯を撮影する撮影手 段と、
前記撮影手段に外光が入らないよ う に遮光する遮光手段と を有し、
前記遮光手段を前記マ ウ ス ピース の当てつけ部に当てつけ る こ と によって、 前記照明手段は被観察者の歯を略均一に照 明可能な位置に位置決めされる と共に、 前記撮影手段は被観 察者の歯を略焦点があった状態で撮影可能な位置に位置決め される 口腔撮影装置。
(効果) 構成 8 . に記載の口腔撮影装置は、 遮光手段をマ ウス ピース の当てつけ部に当てつける こ と によ り被観察者の 口腔を正確に観察可能となる。
9 . 前記照明手段と前記撮像手段と は一体的に構成され、 且つ、 所定の回転軸を中心と して回転可能なよ う に構成され
ている 8 . に記載の口腔撮影装置。
(効果) 9 . に記載の口腔撮影装置は、 撮影装置内部の観察 に必要な照明光学ュニッ ト と撮像光学系 と C C D と を回転調 整手段によ り被観察者の歯に正対させて測定する ので正確な 歯の反射光を得る事ができる。
1 0 . 前記一体的に構成された前記照明手段と前記撮影手 段とを回転させる回転機構手段と、
前記回転機構手段の回転量を調整する操作手段と を更に有 する 9 . に記載の口腔撮影装置。
(効果) 構成 1 0 . に記載の撮影装置は、 照明手段と撮影 手段と を回転機構によ り任意の傾きに調整する こ とが出来る , 1 1 . 前記操作手段は、 ジョ グホイ ールと このジョ グホイ ールの回転によって動く ワイヤ と からな り 、 前記回転機構手 段は前記ワイ ヤの動きに応じて前記一体的に構成された前記 照明手段と前記撮影手段と を回転させる 1 0 . に記載の口腔 撮影装置。
(効果) 構成 1 1 . に記載の撮影装置は、 ジョ グホイール と ワイ ヤによ り構成される こ と で、 単純な構成で操作機構を 得る こ とができる。
産業上の利用可能性
被観察者の口腔を正確に観察可能であ り 、 且つ被観察者の 負担を少な く する こ とができるマ ウス ピース及び撮影装置を 提供できる。 さ らに、 操作性を向上させたマ ウス ピース及び 撮影装置を提供するこ とができる。