糖ペプチドおよびそのプロテオダリカンイニシエータ一としての使用 技術分野
本発明は、 糖ペプチドの新規合成方法に関する。 本発明はまた、 プロテオダリ カンのイニシエータ一として使用さ明れ得る新規糖ペプチドおよびその利用法に関 する。
書
背景技術
ヒ卜ゲノムの解析が完了し、 次なる研究対象、 ボストゲノム候補のひとつとし て糖鎖が注目されている。 糖鎖は遺伝子の直接的な支配を受けない。 タンパク質 の D N Aにあたるような铸型が糖鎖には存在せず、 機能性糖鎖の生体内での存在 量も少なく、 単一の構造を大量に得るのが困難であるため、 その機能解明がそれ ほど進んでおらず未知の領域がまだまだ多くある。 し力 し、 ウィルスの感染に際 しての細胞表面での宿主認識分子としての働きなどの糖鎖の役割のほんの一部だ けに注目しても生体内において非常に重要な役割を担っていることがわかる。 ま た、 糖鎖は糖タンパク質、 糖脂質などのように複合糖質として存在することが多 い。 これら複合糖質のうち本研究ではプロテオグリカンと呼ばれる糖夕ンパク質 の一群に注目した。
プロテオダリカンは側鎖としてダリコサミノグリカン鎖 ( G A G鎖) と呼ばれ る長い糖鎖を持つタンパク質の総称である。 グリコサミノダリカンは古くはムコ 多糖と呼ばれていた酸性多糖と同じもので、 ゥロン酸 (もしくはガラクトース) とァミノ糖の 2糖を繰り返し単位とする構造を持ち、 その糖の種類や立体構造に よって 4つに大別することができる (表 1 ) 。 これらのうちヒアルロン酸は生体 内ではプロテオダリカンとしてではなく遊離の G A G鎖として存在している。 ヒ
アル口ン酸以外の G A G鎖は水酸基ゃァミノ基の硫酸化、 ゥ口ン酸残基の 5位の ェピ化などの修飾を受け多彩な微細構造の変化がある。 このため GA G鎖は抗血 液凝固活性など様々な機能を持つことができる。 またコンドロイチン硫酸とタン パク質の結合領域の 4糖にもリン酸化や硫酸化などの修飾が起こる。 これらの G A G鎖の修飾は、 生物種や組織の違い、 加齢や病理的変化によってその有無や程 度が異なり、 全く乱雑ではないものの複雑で、 たとえコアタンパク質遺伝子のク ローニングをしたとしてもそれだけでは G A G鎖の微細構造をそろえることはで きない。 酵素処理産物の解析により機能性ドメインの構造が明らかになっても還 元末端から非還元末端までの配列はまだほとんど明らかになっていない。
(表 1 : GA G鎖の基本糖鎖骨格構造)
一方コアとなるタンパク質は様々な種類があり、 すべてのプロテオダリカンの コアタンパク質に対する共通点がある訳ではない。 よってプロテオダリカンを分 類する場合は GA G鎖の種類によってコンドロイチン硫酸プロテオダリカン、 へ パラン硫酸プロテオダリ力ンなどのように呼ばれることが多いが、 2種以上の G A G鎖を持つプロテオグリカンも多く存在する。
生体内に見られるプロテオグリカンの例を挙げる。 軟骨中にはその主要構成成
分のひとつとしてァグリカンと呼ばれるコンドロイチン硫酸プロテオグリカンが 存在している。 このァグリカンは多数の高度に硫酸化された GAG鎖を持ち、 リ ンクタンパク質など他の軟骨構成成分と大きな会合体を形成することで軟骨特有 の物性を担っていることが知られている。 細胞膜貫通型プロテオダリカンフアミ リ一であるシンデカンは、 膜貫通型タンパク質であるインテグリンファミリ一や 基底膜の主要な成分である I型コラーゲン繊維ゃフィブロネクチンと複雑に相互 作用しレセプ夕一のように働くことによりインテグリンが担っている細胞接着を 調節および制御している可能性があるといわれている。 デコリンと呼ばれる小型 のプロテオダリカンは TGF— )3 (卜ランスフォーミング成長因子—) 3) を貯留 しその機能を調節しているといわれ、 TGF— j8が過剰になることによって起こ る疾患 (糸球体ネフローゼ、 慢性リウマチ関節炎など) の治療薬開発の標的にな ろうとしている。 また、 脳内にもプロテオダリ力ンの存在が確認されており、 ァ ルツハイマー病およびパーキンソン病で確認されているある種のタンパク質の凝 集にプロテオグリカンもしくは GA G鎖が何らかの役割を担っている可能性があ る (J e f f r e y A. Coh l b e r g, J i e L i, V l ad imi r N. U v e r s k y , and An t h o n y L. F i n k (2002) B i o c h em i s t r y 41, 1502— 1511 ) 。 他にも基底膜や角膜な どの成分としてもその存在が報告されている。
このようにプロテオダリカンは細胞外マトリックスゃ膜成分として体内に広く 分布し、 生体組織を構成したり生理現象の制御に関与したり重要な機能を担って いることから、 その詳細な機能解明と応用を目指して盛んに研究が進められてい る。
プロテオダリカンを特徴づけている GAG鎖とコアタンパク質との結合部分に はいくつかの共通点が見られる。 ケラタン硫酸型の一部を除くほとんどの GAG 鎖はコアタンパク質のセリン (S e r) またはスレオニン (Th r) 残基の側鎖 水酸基と結合していることが知られている。 これら O結合型の GAG鎖のうちコ
ンドロイチン硫酸/デルマ夕ン硫酸型、 へパラン硫酸/へパリン型の両グループ は GAG鎖の還元末端側に特有の 4糖からなる共通結合領域を介してコアタンパ ク質と結合している (図 1) 。 またこれらの 4糖共通結合領域を持つプロテオグ リカンには GAG鎖結合のための共通したアミノ酸配列があることがわかってい る。 いくつかのプロテオダリカンで GAG鎖が結合していると思われるセリン残 基周辺のアミノ酸配列について相同性を調べた報告がある (Ma r i o A. B o u r d o n, Tom Kru s i u s, S t eve n Campbe l l, N a n c y B . S c hwa r t z, a nd E r k k i Rou s 1 a h t i ( 1987) P r o c. Na t l . Ac ad. S c i. USA 84, 3194 -3 198) これによるとセリンのすぐ C末端側にグリシン (G 1 y) があり、 さらに C末端側に任意のァミノ酸一残基隔ててもう 1つダリシンがあることがわ かった。 また、 N末端側に数残基隔てて 2つまたは 3つの連続した酸性アミノ酸 も存在していた。 さらにこれらの条件のいくつかまたはすべてを満たすぺプチド を合成しキシロース転移酵素のァクセプ夕一活性を調べることで、 セリン残基の すぐ隣のダリシンが非常に重要であることが判明しており .. ついでもう 1つのグ リシンが重要であり (S e r— G l y— Xa a— G l y) 、 酸性アミノ酸の存在 もァクセプ夕一活性を高めることがわかっている。 ただし条件を満たすような配 列から必ず GAG鎖が伸長するとは限らず S e r— G l yの 25回の繰り返しの うち 60 %程度の S e rに G A G鎖が結合しているという報告もある (Ma r i o A. Bou r d on, Ak e O l dbe r g, M i c h a e l P i e s c h b a c he r, and E r k k i R o u s 1 a h t i (1985) P r o c . a t l . Ac ad. S c i. USA 82, 1321— 1325) 。 逆 に全く異なつた配列から G A G鎖が伸長している場合もある。
上記以外のケラタン硫酸型の GAG鎖は O結合型、 N結合型の両方があり同様 に GAG鎖とコアタンパク質の間に結合領域があるが、 どちらも一般の糖タンパ ク質によく見られる配列に GAG鎖は結合している。 (図 2)
プロテオダリカンの生合成は遺伝子をもとにコアタンパク質が作られ、 コア夕 ンパク質が GAG鎖伸長のイニシエータ一となり、 小胞体、 ゴルジ体と進んでい くに従って還元末端側から順番に GAG鎖が糖転移酵素によって合成され、 さら に硫酸化などの修飾を受けていく。 そして細胞外マ卜リックスや細胞膜など機能 するべき場所へと届けられる (J e r emi ah E. S i l be r t, Ge e t h a Suguma r an (1995; B i o c h imi c a e t B i o p h y s i c a Ac t a 1241, 371— 384) (図 3) 。 天然のコア タンパク質以外にも GAG鎖伸長の酵素の基質となり、 イニシエータ一としては たらく化合物について複数の興味深い研究報告がある。
前述のようなペプチドや天然のコア夕ンパク質ではなく全く異なつた物質とも 言える P—ニトロフエ二ルー i3— D—キシロシドがー番目のガラクトース転移酵 素のよい基質となりコンドロイチン硫酸鎖伸長のィ二シェ一夕一となるという報 告かめる (M. Ok a y a m a , . K i m a t , and S . Su z u k i ( 1973) J. B i o c h em. 74, 1069— 1073) 。 この化合物は 還元末端のァグリコン部分が蛍光物質 (Y. Fukun aga, M. S o u e , N. Su z uk i, H. K u s h i d a , S . S uz uk i, S . Su z uk i (1975) B i o c h imi c a e t B i o phy s i c a Ac t a 381, 443 -447) や、 様々なアルキル鎖 (M. S o b u e, H. Ha b u c h i , K. I t o, H. Yon e ku r a, K. O g u r i , K. S a k υ r a i, S. Kamoh a r a, Y. Ueno, R. Noyo r i and S . Su z uk i (1987) B i o c hem. J . 241, 591— 601) であ つてもイニシエータ一活性があることがわかっている。 また、 プロテオダリカン を生産しうる細胞の培養系へこれら ]3— D—キシロシドを導入することで GAG 鎖の伸長が起こるが、 同一のァグリコンを持つ )3— D—キシロシドであっても培 養する細胞によって伸長する GAG鎖の種類が違うことが知られている。 このこ とは G A G鎖の分化の選択性はィニシェ一ターの性質というよりも生合成が行わ
れる細胞やゴルジ内の環境によるところが大きいと示唆している。 また、 同じ 4 糖結合領域をもつへパラン硫酸/へパリン型の GAG鎖を持つプロテオダリカン を生産する細胞を用いた場合には特定のァグリコンを持つ場合に限ってのみィニ シェーク一活性が認められている。 これは GAG鎖の種類によって、 生合成が行 われるゴルジのコンパートメントが異なり、 このコンパートメントヘイ二シェ一 夕一である i8— D—キシロシドが浸透するためには、 ァグリコンに特別な構造が 必要なことを示唆している。 もしくは、 へパラン硫酸/へパリン型の GAG鎖骨 格を生合成する糖転移酵素はコアタンパク質の構造に敏感なのかもしれない。 これらの研究成果をふまえ、 本研究では新たな G A G鎖伸長のィ二シェ一夕一 となりうる化合物として、 ただ GAG鎖伸長のイニシエータ一となるのではなく プロテオダリカンの構造を模倣した GAG鎖伸長というよりもむしろプロテオグ リ力ン生合成のィニシエー夕一ともいえる糖ぺプチドを合成することとした。 ところで、 これまでに当研究室では北海道で多く生産されている牛乳から大量 に安価で入手できるラクト一スの新たな活用法として、 資源として有機合成の出 発物質として有効利用し、 これを全く別の有用な価値の高い糖、 例えば、 糖鎖合 成の鍵中間体へ変換し応用する研究を行ってきた (S h i n— I c h i r o N i s h i m u r a , K o j i Ma t s uo k a, Te t s uy a F u r u i k e , No r i o N i s h i , S e i i c h i To ku r a, Ke n N a g arn i , S a d a o Mu r ay ama, a n d K e i s u k e K u r i t a (1 994) Ma c r omo l e c u l e s 27 1 57 - 163 ; T e t s u r o T s ud a, T e t s y a F r u i k e , and Sh i n— I c h i r o N i s h imu r a (1 996) Bu i 1. C h em. S o c. J p n. 69, 4 1 1— 4 1 6) 。 ラクトースは 2糖でありガラクトース (G a 1) とグルコース (G 1 c) が β 1→4結合を介している (Ga 1 1→4G 1 c) 。 オリゴ糖を合成する場合、 単糖をそれぞれ対応するグリコシルドナー ·グ リコシルァクセプタ一に調製し、 立体化学を制御したうえでグリコシデ一ション
を行う逐次合成をする必要がある。 しかしこの JS 1→4結合をそのまま持つよう な糖を合成する場合、 ラク卜一スを出発物とすることでグリコシデーシヨンや、 煩雑な保護基の導入 ·架け替え ·脱保護をする回数を減らすことができ非常に効 率的になる。 図 1にある 4糖共通結合領域のうち還元末端側の 2糖であるガラク トースとキシロースに注目すると、 31→4結合を含み、 ガラクトースとダルコ —スからなるラクト一スとは 6位のヒドロキシメチル基の有無以外、 立体配置が 同じであることがわかる。
そこで目的となる糖ペプチドの糖ユニットとしてプロテオダリカンに見られる GAG鎖の 4糖共通結合領域の還元末端側の 2糖を採用し、 これまでに当研究室 で培ってきたラクト一スを変換するという技術と方法論を応用 ·発展させ、 逐次 合成ではなくラクト一スを出発物質とした新規合成法により 2糖ュニッ卜を調製 することとした。 一方、 目的となる糖ペプチドのうちペプチドユニットは先に述 ベたような比較的重要だと考えられる S e r-G l y-Xa a-G l yを満たす もっとも簡単な配列として S e r-G 1 yの繰り返し配列とした。 この繰り返し は天然のプロテオダリカンの中にも確認されている (糖鎖工学、 pp. 254- 281、 III. プロテオグリカンの糖鎖工学、 鈴木旺; Ma r i o A. Bou r d o n, A k e O l d be r g, M i c h a e l P i e s c h b a c h e r , and E r k k i Rou s 1 a h t i ( 1985) P r o c. Na t 1. Ac ad. S c i . USA 82, 1321- 1325 ; H. C l em Ro b i n s o n, A l an A. Ho r n e r, Magnu s Hook, So r e n Og r e n, and U 1 f L i n d a h 1 ( 1978) J. B i o l . C em. 253, 19, 6687-6693 ; R am an a V. T a n t r a v a h i , R i c h a r d L. S t eve n s, K. F r ank Au s t e n, and J ohn H. We i s (1986) P r o c. Na t l . Ac ad. S c i . USA 83, 9207-9210 ;および S h a 1 om Av r a h am, R i c h r d L. S t eve n s, Ch r i s t ophe r
F . N i c o d emu s , Mi c he l C. Ga r t ne r, K. F r ank Au s t en, nd J ohn H. We i s (1989) P r o c. N a t 1. Ac ad. S c i . USA 86, 3763— 3767) 。 さらに生体高 分子であるプロテオダリカンのコア構造により近づけるため複数の糖鎖を持つポ リ糖べプチドの形を最終的な合成目的構造とした。 このべプチド配列には後述の 合成戦略に関連して、 繰り返し単位の C末端側に G 1 yがくることによりラセミ 化を防ぐことができるメリットもある。
このポリ糖べプチドは生体内において G A G鎖が伸長することでプロテオグリ カンそのものの代用になることが考えられる。 たとえば、 4糖共通結合領域を持 つプロテオダリカンを含む軟骨組織中にこの化合物を投与すると、 プロテオグリ カンを生合成している軟骨細胞において、 この化合物をィ二シェ一夕一として疑 似プロテオダリカンの生合成が起こり、 これにより軟骨組織そのものの生合成が 活性化されることが考えられる。 つまり-. 目的となるポリ糖ペプチドは GAG鎖 伸長のイニシエータ一活性が認められた場合、 リゥマチ関節炎や変形性関節炎な ど軟骨の破壌を伴う疾患に対する治療として、 軟骨の再生を促進する働きが期待 ≥ 4飞る。
以上のような状況にかんがみ、 プロテオダリカンの構造を模倣した GAG鎖伸 長のィ二シェ一夕一となりうるポリ糖べプチドを提供すること、 糖べプチドの効 率的な合成法を提供すること、 GAG鎖伸長のイニシエータ一 (イニシエータ 一) としての活性のある物質を提供することが当該分野において熱望されている。 発明の開示
上述のように、 本発明は、 プロテオダリカンのイニシエータ一として使用する ことができる新規物質を探索すること、 およびそのようなイニシエータ一として 使用できる物質を効率よく合成する方法を提供することを課題とした。
本発明の上記課題は、 ラクトースの改変体を糖ペプチドの合成に用いることに
よって、 効率よく糖べプチドを合成することを見出したことによつて一部解決さ れた。 本発明はまた、 ポリ糖ペプチドがプロテオグリカンのイニシエータ一とし て使用することができることを見出したことによつて一部解決された。
したがって、 本発明は以下を提供する。
1. 以下の式:
O— X
(式中、 Glyはダリシンまたはその改変体、 Xは糖鎖またはその改変 ·体、 Yはセ リンもしくはスレオニンまたはその改変体、 Oは該セリンまたは該スレオニンに 由来する酸素原子) で示される構造を有する、 糖ペプチドまたはその改変体。
2. 前記 Xは、 - (1) 一 β - Ό一 Xy 1 p、 一 (1) - β -D-Xy 1 p-
(1, 4) -β -D-G a 1 p、 一 (1) - i3 - D - X y 1 - (1, 4) — β
-D-G a 1 p— (1, 3) - β-D-G a 1 p、 ― (1) 一 i3— D— Xy 1 p ― ( 1, 4) -i3 -D-G 1 p - ( 1 , 3) -β -Ό-G a 1 p- (1, 3)
-β -Ό-G 1 c pA, 一 (1) _i3 - D— Xy l p - (1, 4) -β-Ό-G a l p - ( 1 , 3) - jS—D— G a 1 p— ( 1, 3) -;8 - D— G 1 c p A -
(1, 4) — jS - D— Ga 1 pNAcおよび一 (1) — ;8_D— Xy l p - (1,
4) 一) 3 - D - G a l p_ (1, 3) _/3— D— G a l p_ (1, 3) 一 j3 - D — G l c pA— (1, 4) - α-Ό-G 1 c pNAc (式中、 Xy 1 pは、 キシ ロビラノース、 Ga l pは、 ガラクトピラノース、 G l c pAは、 グルクロン酸、
Acは、 ァセチル) からなる群より選択される構造で示される糖鎖またはその改 変体を含む、 項目 1に記載の糖ペプチドまたはその改変体。
3. 前記 Xは、 一 (1) 一 )3— D— Xy l p— (1, 4) — 一 D— Ga l p (式中、 Xy l pは、 キシロビラノース、 Ga l pは、 ガラクトピラノース) で 示される糖鎖またはその改変体を含む、 項目 1に記載の糖ペプチドまたはその改 変体。
4. 前記 Yは、 セリンもしくはスレオニンまたはその生物学的適合性を有する 改変体である、 項目 1に記載の糖ペプチドまたはその改変体。
5. 前記 Yは、 セリンまたはその生物学的適合性を有する改変体である、 項目 1に記載の糖ペプチドまたはその改変体。 6. 以下の式:
Ser—— Gly
(式中、 Glyはグリシンまたはその改変体、 Serはセリンまたはその改変体、 Aは 0— Hまたは 0— X、 ここで Oは該セリンに由来する酸素原子、 Xは糖鎖または その改変体) に示される構造を有するモノマ一ュニット (i) 、 および Zまたは 以下の式:
Thr—— Gly
(式中、 Glyはグリシンまたはその改変体、 Thrはスレオニンまたはその改変体、 Aは〇—Hまたは O— X、 ここで 0は該スレオニンに由来する酸素原子、 Xは糖 鎖またはその改変体) に示される構造を有するモノマーユニット (i i) で構成 され、 総アミノ酸残基の数が 4以上であり、 但し少なくとも 1つの Aが〇—Xで ある、 糖ペプチドまたはその改変体。
7. 前記モノマ一ユニット ( i) と前記モノマ一ユニット ( i i) との総和に 対する該モノマーユニット (i) の割合が、 0. 1〜0. 9である、 項目 6に記 載の糖べプチドまたはその改変体。
一 (Y— G l y π—
(式中、 Glyは、 グリシンまたはその改変体、 Xは糖鎖またはその改変体、 Yは セリンもしくはスレオニンまたはその改変体、 Oは該セリンまたは該スレオニン に由来する酸素原子、 nは 1以上の整数) で表される構造を有する糖ペプチドま たはその改変体。
9. 前記糖ペプチドのペプチド部分は 4以上のアミノ酸を含む、 項目 1に記載 の糖べプチドまたはその改変体。
10. 前記糖ペプチドのペプチド部分は 8以上のアミノ酸を含む、 項目 1に記 載の糖ペプチドまたはその改変体。
11. 前記糖ペプチドのペプチド部分は環状ペプチドを形成する、 項目 1に記 載の糖べプチドまたはその改変体。
12. 前記糖ペプチドのペプチド部分は、 ァセチル化されたものである、 項目 1に記載の糖べプチドまたはその改変体。
13. 前記ァセチル化は、 前記ペプチド部分の N末端に存在する、 項目 12に 記載の糖べプチドまたはその改変体。
14. 以下の式
一 (Y T-G I y— Y2— G I y) n~
(式中、 G 1 yはグリシンまたはその改変体、 Xは糖鎖またはその改変体、 Y1 および Y2はそれぞれ独立してセリンもしくはスレオニンまたはその改変体、 0 は該セリンまたは該スレオニンに由来する酸素原子、 nは 1以上の整数) で表さ れる構造を有する糖べプチドまたはその改変体。
15. 糖ペプチドまたはその改変体を含む、 プロテオダリカンイニシエータ一
として使用するための組成物,
1 6 . 以下の式:
o - x
一 Y— G I y -
(式中、 G 1 yはグリシンまたはその改変体、 Xは糖鎖またはその改変体、 Yは セリンもしくはスレオニンまたはその改変体、 〇は該セリンまたは該スレオニン に由来する酸素原子) で表される構造を有する糖ペプチドまたはその改変体; 以下の式:
Ser—— Gly——
(式中、 (; 1 yはグリシンまたはその改変体、 Serはセリンまたはその改変体、 Aは 0 _ Hまたは 0— X、 ここで Oは該セリンに由来する酸素原子、 Xは糖鎖または その改変体) に示される構造を有するモノマーユニット (i ) および Zまたは 以下の式:
Thr—— Gly——
(式中、 Glyはグリシンまたはその改変体、 Thrはスレオニンまたはその改変体、 Aは 0— Hまたは O— X、 ここで 0は該スレオニンに由来する酸素原子、 Xは糖 鎖またはその改変体) に示される構造を有するモノマーユニット (i i ) で構成 され、 総アミノ酸残基の数が 4以上であり、 但し少なくとも 1つの Aが O— XT ある、 糖ペプチドまたはその改変体;
(式中、 Xは糖鎖またはその改変体、 Yはセリンもしくはスレオニンまたはその 改変体、 Oは該セリンまたは該スレォニンに由来する酸素原子、 nは 1以上の整 数) で表される構造を有する糖ペプチドまたはその改変体;
および
以下の式:
O— X
一 (Y1— G i y— Y2— G I y) n—
(式中、 G l yはグリシンまたはその改変体、 Xは糖鎖またはその改変体、 Y1 および Y 2はそれぞれ独立してセリンもしくはスレオニンまたはその改変体、 O は該セリンまたは該スレオニンに由来する酸素原子、 nは 1以上の整数) で表さ れる構造を有する糖ペプチドまたはその改変体、
からなる群から選択される少なくとも 1つの糖ペプチドまたはその改変体を含む、 項目 1 5に記載の組成物。 1 7. 前記 Xは、 一 (1) 一 j8— D— Xy l p、 一 (1) 一 一 D— Xy l p 一 (1, 4) -jS -D-G a 1 p, 一 (1) 一 3— D— X y 1 - (1, 4) 一 β -Ό-Ga 1 p - (1, 3) 一 /3— D— Ga l p、 一 (1) -β-D-Xy 1 P - (1 , 4) - iS -D-G a 1 p - ( 1 , 3) - /3 - D - G a 1 p— ( 1, 3) 一 ]3 - D— G l c pA、 一 (1) 一 j3 - D_Xy l p— (1, 4) 一 )3 - D - G a 1 - (1, 3) - β -Ό-G a 1 p— (1, 3) - β -D-G I c p A ― ( 1 , 4) 一 /3 - D - G a 1 p N A cおよび一 ( 1) — β— D - Xy 1 p - (1 , 4) -i3 -D-G a 1 p- (1, 3) -β-D-G a 1 p- (1, 3) 一 iS -D-G 1 c p A- (1, 4) - α-D-G 1 c pNAc (式中、 Xy l pは、 キシ口,ビラノース、 G a l pは、 ガラクトピラノース、 G 1 c p Aは、 グルクロ ン酸、 Acは、 ァセチル) からなる群より選択される構造で示される糖鎖または その改変体を含む、 項目 1 5に記載の組成物。
18. 前記 Xは、 ― (1) 一 ) 3— D— Xy l p— (1, 4) 一 ;3— D— Ga l p (式中、 Xy l pは、 キシロビラノース、 Ga l pは、 ガラクトピラノース) で示される糖鎖またはその改変体を含む、 項目 15に記載の組成物。
19. 前記 Yは、 セリンもしくはスレオニンまたはその生物学的適合性を有す る改変体である、 項目 15に記載の組成物。
20. 前記 Yは、 セリンまたはその生物学的適合性を有する改変体である、 項 目 15に記載の組成物。
21. 糖べプチドまたはその改変体を含む、 プロテオダリカンの異常レベルに 関連する状態、 障害または疾患の予防、 処置または予後のための医薬組成物。
22. 以下の式:
O— X
一 Y— G I y— (式中、 G 1 yはグリシンまたはその改変体、 Xは糖鎖またはその改変体、 Yは
セリンもしくはスレオニンまたはその改変体、 〇は該セリンまたは該スレオニン に由来する酸素原子) で表される構造を有する糖ペプチドまたはその改変体; 以下の式:
Ser—— Gly——
(式中、 Glyはグリシンまたはその改変体、 Serはセリンまたはその改変体、 Aは O— Hまたは 0— X、 ここで Oは該セリンに由来する酸素原子、 Xは糖鎖または その改変体) に示される構造を有するモノマ一ユニット ( i ) および Zまたは、 以下の式:
Thr—— Gly——
(式中、 Glyはグリシンまたはその改変体、 T rはスレオニンまたはその改変体、 Aは〇—Hまたは O— X、 ここで〇は該スレオニンに由来する酸素原子、 Xは糖 鎖またはその改変体) に示される構造を有するモノマーユニット ( i i ) で構成 され、 総ァミノ酸残基の数が 4以上であり、 但し少なくとも 1つの Aが 0— Xで ある、 糖ペプチドまたはその改変体;
以下の式:
O— X
― ( Y - G I y ) n -
(式中、 G 1 yはグリシンまたはその改変体、 Xは糖鎖またはその改変体、 Yは セリンもしくはスレオニンまたはその改変体、 Oは該セリンまたは該スレオニン に由来する酸素原子、 nは 1以上の整数) で表される構造を有する糖ペプチドま たはその改変体;
および
― ( Y 1— G I y— Y 2— G I y ) n—
(式中、 G I yはグリシンまたはその改変体、 Xは糖鎖またはその改変体、 Y 1 および Y 2はそれぞれ独立してセリンもしくはスレオニンまたはその改変体、 O は該セリンまたは該スレオニンに由来する酸素原子、 nは 1以上の整数) で表さ れる構造を有する糖ペプチドまたはその改変体、
からなる群から選択される、 少なくとも 1つの糖ペプチドまたはその改変体を含
む、 項目 21に記載の組成物。
23. 前記プロテオダリカンの異常レベルに関連する状態、 障害または疾患は、 慢性関節リウマチ、 変形性関節炎、 軟骨破壌、 骨粗鬆症、 糸球体ネフローゼ、 皮 膚の脆弱化、 扁平角膜、 コラーゲン繊維の構造異常, 皮膚の脆弱化、 角膜不透明 化、 X連鎖性先天性定常夜盲症、 軟骨基質欠損、 屈指一関節症一内反股 -心膜炎 症候群、 卵丘 ·卵母細胞複合体のマトリックス欠損、 不妊、 Dy s s e gme n t a 1 Dy s p l a s i a、 骨格異常、 神経筋シナプス形成の異常、 S c hw a r t z— J amp e l症, S i l ve rman— Handmak e r型、 W i n g 1 e s s様表現型、 S imp s on-Go 1 a b i— Be hme 1症および 骨格異常からなる群より選択される状態、 障害または疾患を包含する、 項目 21 に記載の医薬組成物。
24. 以下の工程:
(a) 被検体の状態、 障害または疾患を同定する工程;
(b) 同定された該被検体の状態、 障害または疾患から、 必要とされるプロテ ォグリカンを決定する工程;
(c) 該プロテオダリカンを生体内で増加させるためのイニシエータ一として 使用される糖ペプチドまたはその改変体を提供する工程;
(d) 該糖ペプチドまたはその改変体を該被検体に投与する工程、
を包含する、 プロテオダリカンを必要とする状態、 障害または疾患の治療のため の方法。
25. 以下の工程:
(a) グルコース残基を含む糖鎖またはその改変体を提供し、 該グルコース残 基を残基内 1, 6脱水縮合させて、 1, 6無水糖鎖を生成する工程;
(b) セリンおよび/またはスレオニンを含むペプチドまたはその改変体を提 供する工程;および
(c) 該 1, 6無水糖鎖と該ペプチドまたはその改変体とを脱炭素化および力 ップリング反応させて、 キシロース残基が該セリンおよびノまたはスレオニンに 結合された糖ペプチドまたはその改変体を生成する工程、
を包含する、 キシロース残基がペプチドに結合した糖ペプチドまたはその改変体 の製造方法。 .
26. 前記工程 (a) は、 前記 1, 6無水糖鎖を保護することを包含する、 項 目 25に記載の方法。
27. 前記工程 (c) は、 脱保護することを包含する、 項目 26に記載の方法。
28. 前記脱保護は、 水素添加による脱保護である、 項目 27に記載の方法。
29. さらに、
(d) 前記糖ペプチドまたはその改変体を重合して糖ペプチド重合体を生成す る工程、
を包含する、 項目 25に記載の方法。
30. さらに、
(e) 前記糖ペプチド重合体を分離する工程、
を包含する、 項目 29に記載の方法。 31. さらに、
(f) 前記糖ペプチドまたはその改変体を環化する工程、
を包含する、 項目 25に記載の方法。 本発明者らは、 ラクト一スを糖鎖有機合成の出発物質として活用し、 糖鎖合成 の鍵中間体など価値の高い有用な糖への変換や応用の研究を続けてきた。 ラクト 一スと図 1の 4糖結合領域の還元末端側の 2糖の立体構造が非常に似ていること をふまえて、 本研究では新たな GAG鎖伸長のイニシエータ一となりうる化合物 として、 プロテオグリカンの構造を模倣し、 GAG鎖伸長のイニシエータ一とな りうるポリ糖ペプチドを、 ラクト一スを出発物質として新規合成法により効率的 に有機合成し、 この化合物の GAG鎖伸長のイニシエータ一としての活性を調べ ることによって本発明は完成した。
このポリ糖ペプチドは生体内において G A G鎖が伸長することでプロテオグリ カンそのものの代用になることが考えられる。 たとえば、 4糖共通結合領域を持 つプロテオグリカンを含むような軟骨組織中にこの化合物を投与すると、 軟骨細 胞はプロテオグリカンを生合成しているので、 この化合物をイニシエータ一とし て疑似プロテオダリカンの生合成が起こり ひいては軟骨組織そのものの生合成 が活性化されることが考えられる。 このことから目的となるボリ糖べプチドは G A G鎖伸長のイニシエータ一活性が認められた場合、 リゥマチ関節炎や変形性関 節炎など軟骨の破壊を伴う疾患に対する治療として、 軟骨の再生を促進するとい う働きが期待される。 図面の簡単な説明
図 1は、 GAG鎖とコアタンパク質との間に見られる 4糖結合領域の構造を示 す図である。 本図では、 GAG s→4G l οΑβ 1→3 Ga 1 β l→4Ga 1 β l→4Xy 1 jS 1→0—セリンが示される。
図 2は、 ケラタン硫酸に見られる結合領域の例を示す図である。
図 3は、 プロテオダリカン生合成の経路を例示する図である。 リボソームで翻
訳されてできたコアタンパク質は、 本図に示されるような経路で細胞マトリック ス、 あるいは細胞膜へと配送され、 この過程でそれぞれに特異的な GAG鎖をつ ける。 また本図において、 エンドサイト一シスによるリサイクル経路も存在する こともまた示される。
図 4は、 本発明の合成戦略を示す図である。 本図では、 ラクトースを出発物質 として糖ユニットとペプチドユニットとを別々に調製した後、 グリコシデーショ ン、 水素添加による脱保護、 そして DPPAによる連続縮重合を行うという合成 経路を用いて目的とするポリ糖ペプチドを生成する戦略が示される。
図 5は、 1 , 6無水ラクトース (Ac保護) の1 H NMRスペクトルの例を 示す図である。
図 6は、 2糖ユニット 13の1 H NMRスペクトルの例を示す図である。 本 図では、 特徴的な 4位の d d dが確認できる。
図 7は、 2糖テトラペプチドモノマーの DP P Aによる反応後の MALD I一 T OF— MSの例示である図である。 本図においては、 ポリマーの大半が二量体 で環化したこと (図中、 環状糖ペプチド 20) が示される。
図 8は、 ァセチル化したモノマ一を用いた重合反応の M A L D I -TOF-M Sの例示である図である。
図 9は、 本発明の例示的重合後の1 H NMRスペクトルの比較の例を示す図 である。 各スペクトルは、 上から順に、 遊離なモノマ一、 環状糖ペプチド、 直鎖 状ポリマ一のスぺクトルを示す。 矢印は、 それぞれァセチル化したモノマー由来、 S e r α-Η (糖あり) 、 S e r a—H (糖なし) のピークの位置を示す。 本図 において、 二糖ュニット由来のモノマーのスぺクトルの保存性が高いことが示さ れている。
図 10は、 本発明の合成スキーム 1を例示する図である。 スキーム 1は、 工程 a〜eの 5つの工程において進行された。 これら工程 a〜eは、 以下の条件であ る: a. Ac20中 30%HB rZAcOH ; b. アセトン中 PCPONa ; c.
i . KOH、 i i . ピリジン中 Ac 20 ; d. i . MeOH中NaOMe、 i i、 DMF中 NaH、 i i i . B n B r ; e . CH2C 12中 PhSTMS、 TMS OT f。 本図のスキーム 1に従えば、 ァノマー位の立体は、 ほぼひ結合に偏った (ひ : j3>20 : 1) 。
図 11は、 本発明の合成スキーム 2を例示する図である。 スキーム 2は、 工程 a〜dの 4つの工程において進行された。 これら工程 a〜dは、 以下の条件であ る: a. i. Ts C l/ピリジン i i . 2—ブ夕ノン中 N a I (還流) ; b. DAST、 CH2C 12中 NBS ; c. DMF中 DBU (還流) ; d. 03、 Me OH中 Me 2S : THF。
図 12は、 本発明の合成スキーム 3を例示する図である。 スキーム 3は、 工程 a〜 eの 5つの工程において進行された。 これら工程 a〜eは、 以下の条件であ る: a. i . ピリジン中 T s C 1 i i. 2—ブ夕ノン中 N a I (還流) ; b. DMF中 DBU (還流) ; c. MeOH中 03、 Me 2 S : THF; d . i . C H2C 12中 D I BAL_H、 i i . ォキサリルクロリド、 CH2C 12中 DM F; e. THF中 Na.BH3CN (還流) 。
図 13は、 本発明の合成スキーム 4を例示する図である。 スキーム 4は、 工程 a〜bの 2つの工程において進行された。 これら工程 a〜bは、 以下の条件であ る: a. T s OH · H20、 ベンゼン中 Bn OH (還流) ; b. DMF中 DPP A、 TEA。
図 14は、 本発明の合成スキーム 5を例示する図である。 スキーム 5は、 工程 a〜bの 2つの工程において進行された。 これら工程 a〜bは、 以下の条件であ る: a. N I S、 CH3CN中 Tf OH : CH2C l 2 ; b. Pd— C、 DMF中 H2、 H20、 Ac OH (圧力下) 。 工程 aの後、 生成される化合物 14は、 ひ 体と) 3体とに分けられた (ひ : 0 = 1 : 10) 。
図 15は、 本発明の合成スキーム 6を例示する図である。 スキーム 6は、 図中 に示される 3工程において進行された。 これら工程は、 以下の条件である: a.
i . DMF中DPPA、 TEA、 i i . 2N HC 1—ジォキサン; b. DMF 中 DPPA、 TEA。
図 16は、 本発明の合成スキーム 7を例示する図である。 スキーム 7は、 工程 a〜bの 2つの工程において進行された。 これら工程 a〜bは、 以下の条件であ る: a. CH3CN中 N I S、 T f OH: CH2C 12; b. i . DMF中 Pd— C, H2、 H20、 Ac OH (圧力下) i i . NH3a q. 。
図 1 7は、 本発明の合成スキーム 8を例示する図である。 スキーム 8は、 工程 a〜 bの 2つの工程において進行された。 これら工程 a〜bは、 以下の条件であ る: a. DMF中 Ac2〇; b. DMF中 DPP A、 TEA。
図 18は、 2糖テトラペプチド 1 7を用いた場合の、 NHAC— Kn細胞の培 義培地から抽出した F I T Cラベル多糖の T S K GEL G— 3000からの. 溶出プロフィールを示す図である。 矢印は、 48時間後の培養培地を示し、 そして 破線は、 細胞がない場合のイニシエータ一と培養培地との混合物を示す。 この矢 印は、 ポイドポリュ一ムを示している。
図 1 9は、 ボリ糖べプチド 1 9を用いた場合の., HAC-Kn細胞の培養培 地から抽出した F I T Cラベル多糖の T S GEL G - 3000からの溶出 プロフィールを示す図である。 矢印は、 48時間後の培養培地を示し、 そして破線 は、 細胞がない場合のィ二シェ一夕一と培養培地との混合物を示す。 この矢印は、 ボイドボリュームを示している。 . 発明を実施するための最良の形態
(詳細な説明)
以下、 本発明を説明する。 本明細書の全体にわたり、 単数形の表現は、 特に言 及しない限り、 その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。 また、 本明細書において使用される用語は、 特に言及しない限り、 当該分野で通常用い られる意味で用いられることが理解されるべきである。
(用語)
以下に本明細書において特に使用される用語の定義を列挙する。
本明細書において 「糖鎖」 とは、 単位糖 (単糖および Zまたはその誘導体) が 1つ以上連なってできた化合物をいう。 単位糖が有する水酸基およびアミノ酸は、 後述の 「保護基」 で保護されていてもよい。 単位糖が 2つ以上連なる場合は、 各々の単位糖同士の間は、 グリコシド結合による脱水縮合によって結合する。 こ のような糖鎖としては、 例えば、 生体中に含有される多糖類 (グルコース、 ガラ クト一ス、 マンノース、 フコース、 キシロース、 N—ァセチルダルコサミン、 N 一ァセチルガラクトサミン、 シァル酸ならびにそれらの複合体および改変体な ど) の他、 分解された多糖、 糖タンパク質、 プロテオダリカン、 グリコサミノグ リカン、 糖脂質などの複合生体分子から分解または誘導された糖鎖など広範囲な ものが挙げられるがそれらに限定されない。 したがって、 本明細書では、 糖鎖は、
「多糖 (ポリサッカリド) 」 、 「糖質」 、 「炭水化物」 および 「糖」 と互換可能 に使用され得る。 また、 特に言及しない場合, 本明細書において 「糖鎖」 は、 糖 鎖および糖鎖含有物質の両方を包含することがある。 単位糖同士の結合は、 その 位置によって、 1, 2―、 a 1, 3—、 1, 4一、 a 1, 6―、 β 1, 2― などがあり、 それらの表示は結合する単位糖における炭素の位置を併記すること、 および通常その結合に関するァノマー ((¾、 jS) を記載する。 糖鎖の結合に関す る情報は複雑であり、 ポリペプチド、 ポリヌクレオチドのように簡素化すること が困難であるが、 例えば、 T r e nd s i n G l yc o s c i en c e a n d G l y c o t e c hn o l o gy 14, 127 - 137 (2002) で は、 リニアコードで糖鎖を表すことを提唱している。 本明細書では、 通常、 D型 または L型の別、 ァノマ一型 (例えば、 ひまたは β型) 、 結合 (例えば、 1, 4 など) 、 糖の種類 (例えば、 グルコース、 本明細書ではしばしば 3文字表記す る) およびビラノース型、 フラノ一ス型などを利用して糖鎖を表記するが、 当該
分野において慣用される他の表現様式もまた使用され得る。 本発明の通常の表記 様式に従えば、 例えば、 一 (1) 一; S— D— Xy l p— (1, 4) —) 3—D— G a 1 pは、 1つ目の Xy 1 (キシロース) がピラノ一ス型であり、 jS型をしてお り、 D型のものであって、 キシロースが他の分子と 1位で結合していることを示 し、 2つ目の Ga l (ガラクト一ス) がピラノース型であり、 /3型をしており、 D型のものであって、 ガラクト一スがキシロースと 1, 4結合していることを示 す。
糖鎖としては、 好ましくは、 一 (1) _i3— D_Xy 1 p、 — (1) ~β~Ό -Xy 1 - ( 1, 4) 一 j6 _D— G a l p、 - (1) 一 ;3 - D - Xy l p - ( 1, 4) 一 j8— D— G a l p— (1, 3) - β -D-G a 1 p, 一 (1) — β
- D - X y 1 p- (1, 4) - β-D-G a 1 - (1, 3) 一 一 D— Ga l p - ( 1, 3) 一 |3 - D - G l c pA、 - ( 1) 一 β— D— X y 1 p - (1 , 4) -β -D-G a 1 p - (1, 3) -β -D-Ga 1 p - (1, 3) 一 β— Ό 一 G l c pA— (1, 4) — jS— D— G a 1 pNAcまたは一 (1) 一 i3— D— X y 1 p - ( 1 , 4) 一 3— D— G a l p— ( 1, 3) - β -D-G a 1 p- ( 1, 3) - β -D-G 1 c p A- (1, 4) 一 α— D— G 1 c pNAc (式中、 Xy 1 pは、 キシロビラノース、 G a 1 pは、 ガラク卜ビラノース、 G l c pA は、 グルクロン酸、 Acは、 ァセチル) の構造で示される糖鎖が挙げられる。 さ らに好ましくは、 ― (1) 一 β— D— Xy 1 p— (1, 4) 一) 3— D— G a 1 p (式中、 Xy 1 pは、 キシロビラノース、 Ga 1 pは、 ガラクトピラノース) が 举げられる。
本明細書において 「単糖」 とは、 これより簡単な分子に加水分解されず、 一般 式 CnH2 nOnで表される化合物をいう。 ここで、 n = 2、 3、 4、 5、 6、 7、 8、 9および 1 0であるものを、 それぞれジォ一ス、 トリオース、 テトロース、 ペントース、 へキソース、 ヘプトース、 ォクトース、 ノノースおよびデコースと いう。 一般に鎖式多価アルコールのアルデヒドまたはケトンに相当するもので、
前者をアルド一ス, 後者をケト一スという。
本明細書において単糖または糖鎖の 「改変体」 とは、 単糖または糖鎖上の一つ 以上の水酸基が別の置換基に置換され、 結果生じる物質が単糖の範囲内にないも のをいう。 そのような単糖の誘導体としては、 力ルポキシル基を有する糖 (例え ば、 C一 1位が酸化されてカルボン酸となったアルドン酸 (例えば、 D—ダルコ —スが酸化された D—ダルコン酸) 、 末端の C原子がカルボン酸となったゥロン 酸 (D—グルコースが酸化された D—グルクロン酸) 、 アミノ基またはアミノ基 の誘導体 (例えば、 ァセチル化されたアミノ基) を有する糖 (例えば、 N—ァセ チルー D—ダルコサミン、 N—ァセチルー D—ガラクトサミンなど) 、 アミノ基 および力ルポキシル基を両方とも有する糖 (例えば、 N—ァセチルノイラミン酸 (シアル酸) 、 N—ァセチルムラミン酸など) 、 デォキシ化された糖 (例えば、 2—デォキシ—D—リポース) 、 硫酸基を含む硫酸化糖、 リン酸基を含むリン酸 化糖などがあるがそれらに限定されない。 あるいは、 へミアセタール構造を形成 した単糖または糖鎖において、 アルコールと反応してァセタール構造のグリコシ ドもまた、 単糖または糖鎖の誘導体の範囲内にある。
本明細書において 「複合糖鎖」 または 「糖鎖含有物質」 は、 互換可能に使用さ れ、 糖鎖および糖鎖以外の物質を含む物質をいう。 このような糖鎖含有物質は、 生体内に多く見出され、 例えば、 生体中に含有される多糖類の他、 分解された多 糖、 糖タンパク質、 プロテオダリカン、 グリコサミノダリカン、 糖脂質などの複 合生体分子から分解または誘導された糖鎖など広範囲なものが挙げられるがそれ らに限定されない。
本明細書において 「残基」 は、 当該分野において通常の意味で用いられ、 重合 体における単位物質の分子の根幹部をいう。 従って、 糖鎖または糖ペプチドにお いて、 キシ口一ス残基という場合、 キシロースから糖またはペプチドとの結合に 必要な部分 (例えば、 水素原子) を除いた部分をいう。 ただし、 特に区別を必要 としない場合は、 糖残基またはアミノ酸残基は、 通常の糖またはアミノ酸と互換
可能に使用され得る。
本明細書において 「無水糖鎖」 とは、 水素基および水酸基とを脱水させること によって得られる糖鎖をいう。 そのような無水糖鎖としては、 たとえば、 1 , 6 無水ラクトースなどが挙げられるがそれに限定されない。
本明細書において 「残基内脱水縮合」 とは、 糖鎖において用いられる場合、 そ の糖鎖のある糖残基内の水素基および水酸基を脱水させて縮合させることをいう。 本明細書において 「脱炭素化」 とは、 有機化合物において、 炭素原子を脱離さ せるような反応をいう。 そのような脱炭素化としては、 例えば、 糖鎖上のヒドロ キシルメチルの除去などが挙げられるがそれに限定されない。
本明細書において 「カップリング」 とは、 2以上の分子を結合させる反応をい う。 例えば、 ペプチドおよび糖鎖が提供される場合、 そのペプチドおよび糖鎖は 力ップリングされて、 糖べプチドが提供される。
本明細書では、 「保護基」 とは、 ある化学反応からの影響を抑制するような置 換基をいい、 反応性の高い位置を反応させないために導入される。 そのような保 護基は、 所望の反応において保護される置換基がその反応によって改変されない ようなものであれば、 どのようなものを用いてもよい。 そのような保護基として は、 例えば、 ァニリンのニトロ化を行なう際に, そのまま硝酸と処理するとアミ ノ基が酸化されることから、 予めァセチル化しておきニトロ化を行なった後, ァ セチル基を加水分解で外すと目的の二トロア二リンが得られる。 この場合、 ァセ チル基はァミノ基の保護基という。 反応の条件および/または目的に応じて種々 の保護基を使い分けることができる。 例えば、 ヒドロキシ基の保護基にはァセチ ル基、 ベンゾィル基、 ベンジル基、 シリル基などが使用され得、 ァミノ基にはァ セチル基のほかべンジルォキシカルボニル基、 t一ブトキシカルボニル基などが 使用され得る。
本明細書において 「脱保護」 とは、 保護基を脱離させる反応をいう。 そのよう な脱保護の反応としては、 例えば、 水素添加、 加水分解、 酸化還元反応などが挙
げられるがそれらに限定されない。
本明細書において 「重合」 とは、 ある構成単位 (例えば、 本発明の糖ペプチド またはその改変体) を 2つ以上縮合などの反応によって連結する反応をいう。 重 合は通常、 同じ構成単位を連結することによって達成されるが、 異なる構成単位 を連結することによつても得られる。 そのような重合は、 本明細書において特に 共重合ともいう。 本発明の糖ペプチドが重合される場合、 通常、 ペプチド部分が ペプチド結合を介して重合する。 本明細書において 「重合体」 とは、 そのような 重合反応によって得られた化合物をいう。 本明細書において 「重合」 は、 ホモ重 合またはへテロ重合の両方を指す。 「ホモ重合」 とは、 同一の単量体による重合 をいい、 「ヘテロ重合」 とは、 異なる単量体を用いた重合をいう。 本明細書では、 糖べプチドが重合したものを特にポリ糖ペプチドという。
本明細書において 「環化」 とは、 ある分子が環状に連結される反応をいい、 特 に、 非環式化合物の分子内または分子間で結合ができて環構造をつくる反応をい う。 本発明の糖ペプチドの環化は、 通常、 分子間で結合ができて環構造を作る。 本明細書において、 目的の物質の 「分離」 とは、 その物質が、 分離前に試料中 に存在する状態から実質的に引き離すまたは精製することをいう。 従って、 試料 から分離された物質は、 分離される前に含んでいた目的の物質以外の物質の含量 が少なくとも低減している。
本明細書において、 物質 (例えば、 糖鎖、 糖ペプチド、 核酸またはタンパク質 などの生物学的因子) の 「単離」 とは、 その生物学的因子が天然に存在する生物 体の細胞内の他の物質 (例えば、 糖鎖または糖鎖含有物質である場合、 糖鎖また は糖鎖含有物質以外の因子、 あるいは、 目的とする糖鎖または糖鎖含有物質以外 の糖鎖または糖鎖含有物質;核酸である場合、 核酸以外の因子および目的とする 核酸以外の核酸配列を含む核酸;タンパク質である場合、 タンパク質以外の因子 および目的とするタンパク質以外のアミノ酸配列を含むタンパク質など) から実 質的に分離または精製されたものをいう。 「単離された」 、 糖鎖または糖鎖含有
物質には、 本発明の精製方法によつて精製された糖鎖または糖鎖含有物質が含ま れる。 したがって、 単離された糖ペプチドまたはその改変体は、 化学的に合成し た糖ペプチドまたはその改変体を包含する。
本明細書において、 物質 (例えば、 糖鎖、 核酸またはタンパク質などの生物学 的因子) の 「精製」 とは、 その物質に天然に随伴する因子の少なくとも一部を除 去することをいう。 したがって、 精製および分離は、 その形態が一部重複する。 したがって、 通常、 精製された物質 (例えば、 糖鎖または糖鎖含有物質のような 生物学的因子) におけるその物質の純度は、 その物質が通常存在する状態よりも 高い (すなわち濃縮されている) が、 天然に随伴する因子が低減されている限り、 濃縮されていない状態も 「精製」 の概念に包含される。
本明細書において物質 (例えば、 糖ペプチドまたはその改変体) の 「濃縮」 と は、 その物質が濃縮前に試料に含まれている含有量よりも高い濃度に上昇させる 行為をいう。 従って、 濃縮もまた、 精製および分離と、 その概念が一部重複する。 したがって、 通常、 濃縮された物質 (例えば、 糖ペプチドまたはその改変体) は、 その物質が通常存在する状態における不純物の含有量は低減されているが、 目的 とする物質の含有量が増加している限り、 ある特定の不純物が増加していてもよ く、 「精製」 されていない状態も 「濃縮」 の概念に包含される。
本明細書において 「糖ペプチド」 とは、 糖が結合したペプチドをいい、 本明細 書において糖タンパク質と互換可能に用いられる。 本明細書において 「糖タンパ ク質」 としては、 例えば、 酵素、 ホルモン、 サイト力イン、 抗体、 ワクチン、 レ セプ夕一、 血清タンパク質およびそれらのフラグメント、 ならびにそれらの模倣 物などが挙げられるがそれらに限定されない。
本明細書において 「糖ペプチドの改変体」 は、 糖ペプチドの一部が置換基など によって改変された化合物をいう。 従って、 糖ペプチドの改変体は、 そのべプチ ド部分が改変されていてもよく、 糖部分が改変されていてもよい。
本明細書において 「生物学的適合性」 とは、 生物に投与しても有害な影響を与
えない性質をいう。 そのような性質は、 実際に生物自体に投与しても判定するこ とができるが、 細胞に投与し、 その増殖の阻害を観察することによってもまた判 定することができる。 あるアミノ酸の生物学的適合性を有する (改変体は、 例え ば、 そのアミノ酸が、 アルキル基などが付加されることによって改変されていて もよく、 そのような生物学的適合性は、 実際のそのアミノ酸またはそれを含む化 合物を生物または細胞に投与することおよび改変されていないアミノ酸またはそ れを含む化合物を等量投与すること、 ならびにそれらの成長 ·増殖に関するパラ メータを比較することによって判定することができる。
本明細書において使用される用語 「タンパク質」 、 「ポリペプチド」 、 「オリ ゴペプチド」 および 「ペプチド」 は、 本明細書において同じ意味で使用され、 任 意の長さのアミノ酸のボリマ一をいう。 このポリマーは、 直鎖であっても分岐し ていてもよく、 環状であってもよい。 アミノ酸は、 天然のものであっても非天然 のものであってもよく、 改変されたアミノ酸であってもよい。 この用語はまた、 複数のポリペプチド鎖の複合体へとアセンブルされたものも包含し得る。 この用 語はまた、 天然または人工的に改変されたアミノ酸ポリマーも包含する。 そのよ うな改変としては、 例えば、 ジスルフイ ド結合形成、 グリコシル化、 脂質化、 ァ セチル化、 リン酸化または任意の他の操作もしくは改変 (例えば、 標識成分との 結合体化) 。 この定義にはまた、 例えば、 アミノ酸の 1または 2以上のアナログ を含むボリペプチド (例えば、 非天然のアミノ酸などを含む) 、 ペプチド様化合 物 (例えば、 ぺプトイド) および当該分野において公知の他の改変が包含される。 従って、 本発明のスクリーニング方法が目的とする酵素がポリペプチドである場 合、 このような改変体を使用してもよい。
本明細書において使用される用語 「ポリヌクレオチド」 、 「オリゴヌクレオチ ド」 および 「核酸」 は、 本明細書において同じ意味で使用され、 任意の長さのヌ クレオチドのポリマーをいう。 本明細書において 「ヌクレオチド」 は、 アミノ酸 をコードすることができる限り、 天然のものでも非天然のものでもよい。
本明細書において核酸配列、 アミノ酸配列などの 「相同性」 とは、 2以上の核 酸配列、 アミノ酸配列などの、 互いに対する同一性の程度をいう。 従って、 ある 2つの核酸配列、 アミノ酸配列などの相同性が高いほど、 それらの配列の同一性 または類似性は高い。 2種類の核酸配列、 アミノ酸配列などが相同性を有するか 否かは、 配列の直接の比較、 または核酸の塲合ストリンジェン卜な条件下でのハ ィブリダイゼーシヨン法によって調べられ得る。 2つの遺伝子配列を直接比較す る場合、 その遺伝子配列間で D N A配列が、 代表的には少なくとも 5 0 %同一で ある場合、 好ましくは少なくとも 7 0 %同一である場合、 より好ましくは少なく とも 8 0 %、 9 0 %、 9 5 %、 9 6 %、 9 7 %、 9 8 %または 9 9 %同一である 塲合、 それらの遺伝子は相同性を有する。 本明細書において、 遺伝子 (例えば、 核酸配列、 アミノ酸配列など) の 「類似性」 とは、 上記相同性において、 保存的 置換をポジティブ (同一) とみなした場合の、 2以上の遺伝子配列の、 互いに対 する同一性の程度をいう。 従って、 保存的置換がある場合は、 その保存的置換の 存在に応じて同一性と類似性とは異なる。 また、 保存的置換がない場合は、 同一 性と類似性とは同じ数値を示す。
本明細書では塩基配列の類似性、 同一性および相同性の比較は、 配列分析用ッ —ルである B L A S Tを用いてデフオルトパラメ—夕を用いて算出される。 本明細書において、 「アミノ酸」 は、 天然のものでも非天然のものでもよい。 特に区別する場合、 それぞれ天然ァミノ酸および非天然ァミノ酸という。 「誘導 体アミノ酸」 または 「アミノ酸アナログ」 とは、 天然に存在するアミノ酸とは異 なるがもとのアミノ酸と同様の機能を有するものをいう。 そのような誘導体アミ ノ酸およびアミノ酸アナログは、 当該分野において周知である。 用語 「天然のァ ミノ酸」 とは、 天然のアミノ酸の L一異性体を意味する。 天然のアミノ酸は、 グ リシン、 ァラニン、 パリン、 ロイシン、 イソロイシン、 セリン、 メチォニン、 ト レオニン、 フエ二ルァラニン、 チロシン、 トリプトファン、 システィン、 プロリ ン、 ヒスチジン、 ァスパラギン酸、 ァスパラギン、 グルタミン酸、 グルタミン、
?—カルポキシグルタミン酸、 アルギニン、 オル二チン、 およびリジンである。 特に示されない限り、 本明細書でいう全てのアミノ酸は L体であるが、 D体のァ ミノ酸を用いた形態もまた本発明の範囲内にある。 用語 「非天然アミノ酸」 とは、 タンパク質中で通常は天然に見出されないアミノ酸を意味する。 非天然アミノ酸 の例として、 ノルロイシン、 パラ一ニトロフエ二ルァラニン、 ホモフエ二ルァラ ニン、 パラ一フルオロフェニルァラニン、 3—ァミノ一 2—ベンジルプロピオン 酸、 ホモアルギニンの D体または L体および D—フエ二ルァラニンが挙げられる。 「アミノ酸アナログ」 とは、 アミノ酸ではないが、 アミノ酸の物性および Zまた は機能に類似する分子をいう。 アミノ酸アナログとしては、 例えば、 ェチォニン、 力ナパニン、 2—メチルグルタミンなどが挙げられる。 アミノ酸模倣物とは、 ァ ミノ酸の一般的な化学構造とは異なる構造を有するが、 天然に存在するアミノ酸 と同様な様式で機能する化合物をいう。
アミノ酸は、 その一般に公知の 3文字記号か、 または IUPAC— I UB B i o c h emi c a l Nomen c l a t u r e Co mm i s s i o nによ り推奨される 1文字記号のいずれかにより、 本明細書中で言及され得る。 ヌクレ ォチドも同様に、 一般に受け入れられた 1文字コ一ドにより言及され得る。
本明細書において、 「対応する」 ヌクレオチド、 単糖またはアミノ酸とは、 あ るポリヌクレオチド分子、 糖鎖分子またはポリぺプチド分子において、 比較の基 準となるポリヌクレオチド、 糖鎖分子またはポリぺプチドにおける所定のヌクレ ォチド、 単糖またはアミノ酸と同様の作用を有するか、 または有することが予測 されるヌクレオチド、 単糖またはアミノ酸をいい、 特に酵素分子にあっては、 活 性部位中の同様の位置に存在し触媒活性に同様の寄与をするアミノ酸または糖鎖 もしくは単糖をいう。 あるいは、 酵素分子のコンフオメ—シヨン変化に寄与する 場合、 そのような変化に寄与するアミノ酸または糖鎖もしくは単糖をいう。
本明細書において、 「フラグメント」 とは、 全長のポリペプチドまたはポリヌ クレオチド (長さが n) に対して、 l〜n— 1までの配列長さを有するポリぺプ
チドまたはポリヌクレオチドをいう。 フラグメントの長さは、 その目的に応じて、 適宜変更することができ、 例えば、 その長さの下限としては、 ポリペプチドの場 合、 3、 4、 5、 6、 7、 8、 9、 1 0、 1 5, 2 0、 2 5、 3 0、 4 0、 5 0 およびそれ以上のアミノ酸が挙げられ、 ここの具体的に列挙していない整数で表 される長さ (例えば、 1 1など) もまた、 下限として適切であり得る。 また、 ポ リヌクレオチドの場合、 5、 6、 7、 8、 9、 1 0、 1 5, 2 0、 2 5、 3 0、 4 0、 5 0、 7 5、 1 0 0およびそれ以上のヌクレオチドが挙げられ、 ここの具 体的に列挙していない整数で表される長さ (例えば、 1 1など) もまた、 下限と して適切であり得る。 本明細書において、 ポリぺプチドおよびポリヌクレオチド の長さは、 上述のようにそれぞれアミノ酸または核酸の個数で表すことができる が、 上述の個数は絶対的なものではなく、 同じ機能を有する限り、 上限または加 減としての上述の個数は、 その個数の上下数個 (または例えば上下 1 0 %) のも のも含むことが意図される。 そのような意図を表現するために、 本明細書では、 個数の前に 「約」 を付けて表現することがある。 しかし、 本明細書では、 「約」 のあるなしはその数値の解釈に影響を与えないことが理解されるべきである。 本明細書において 「生物学的活性」 とは、 ある因子 (例えば、 ポリペプチドま たはタンパク質) が、 生体内において有し得る活性のことをいい、 種々の機能を 発揮する活性が包含される。 例えば、 ある因子が酵素である場合、 その生物学的 活性は、 その酵素活性を包含する。 別の例では、 ある因子がイニシエータ一であ る場合、 生物学的活性は、 そのイニシエータ一が目的とする分子の成長が開始ま たは増強される性質をいう。 そのような生物学的活性は、 当該分野において周知 の技術によって測定することができる。
本明細書において、 ペプチドを生産する方法は、 合成技術を用いてもよいし、 遺伝子工学を用いてもよい。 そのような遺伝子工学的手法としては、 例えば、 そ のポリぺプチドを産生する初代培養細胞または株化細胞を培養し、 培養上清など から単離または精製することによりそのポリペプチドを得る方法が挙げられる。
あるいは、 遺伝子工学的手法を利用して、 そのポリペプチドをコードする遺伝子 を適切な発現ベクターに組み込み、 これを用いて発現宿主を形質転換し、 この形 質転換細胞の培養上清から組換えポリぺプチドを得ることができる。 上記宿主細 胞は、 生理活性を保持するポ ύペプチドを発現するものであれば、 特に限定され ず、 従来から遺伝子操作において利用される各種の宿主細胞 (例えば、 大腸菌、 酵母、 動物細胞など) を用いることが可能である。 このようにして得られた細胞 に由来するポリぺプチドは、 天然型のポリぺプチドと実質的に同一の作用を有す る限り、 ァミノ酸配列中の 1以上のアミノ酸が置換、 付加および/または欠失し ていてもよく、 糖鎖が置換、 付加および Ζまたは欠失していてもよい。 好ましく は、 糖鎖はないほうが有利である。 所望の糖鎖を本発明によって結合することが できるからである。
あるアミノ酸は、 相互作用結合能力の明らかな低下または消失なしに、 例えば、 カチオン性領域または基質分子の結合部位のようなタンパク質構造において他の アミノ酸に置換され得る。 あるタンパク質の生物学的機能を規定するのは、 タン パク質の相互作用能力および性質である。 従って.. 特定のアミノ酸の置換がアミ ノ酸配列において、 またはその DNAコード配列のレベルにおいて行われ得、 置 換後もなお、 もとの性質を維持する夕ンパク質が生じ得る。 従って、 生物学的有 用性の明らかな損失なしに、 種々の改変が、 本明細書において開示されたべプチ ドまたはこのペプチドをコードする対応する D Ν Αにおいて行われ得る。
上記のような改変を設計する際に、 アミノ酸の疎水性指数が考慮され得る。 夕 ンパク質における相互作用的な生物学的機能を与える際の疎水性アミノ酸指数の 重要性は、 一般に当該分野で認められている (Kyt e. Jおよび Do o l i t t i e, R. F. J . Mo 1. B i o l. 157 (1) : 105 - 132, 19 82) 。 アミノ酸の疎水的性質は、 生成したタンパク質の二次構造に寄与し、 次 いでそのタンパク質と他の分子 (例えば、 酵素、 基質、 レセプ夕一、 DNA、 抗 体、 抗原など) との相互作用を規定する。 各アミノ酸は、 それらの疎水性および
電荷の性質に基づく疎水性指数を割り当てられる。 それらは:イソロイシン (+
4. 5) ;バリン (+4. 2) ; ロイシン (+3. 8) ; フエ二ルァラニン (+ 2. 8) ;システィン Zシスチン (+2. 5) ;メチォニン (+ 1. 9) ;ァラ ニン (+ 1. 8) ; グリシン (一 0. 4) ;スレオニン (— 0. 7) ;セリン (一 0. 8) ; トリプトファン (一 0. 9) ;チロシン (一 1. 3) ;プロリン
(一 1. 6) ; ヒスチジン (-3. 2) ;グルタミン酸 (-3. 5) ;グルタミ ン (一 3. 5) ;ァスパラギン酸 (—3. 5) ;ァスパラギン (一 3. 5) ; リ ジン (一 3. 9) ;およびアルギニン (一 4. 5) ) である。
あるアミノ酸を、 同様の疎水性指数を有する他のアミノ酸により置換して、 そ して依然として同様の生物学的機能を有する夕ンパク質 (例えば、 酵素活性にお いて等価なタンパク質) を生じさせ得ることが当該分野で周知である。 このよう なアミノ酸置換において、 疎水性指数が士 2以内であることが好ましく、 土 1以 内であることがより好ましく、 および土 0. 5以内であることがさらにより好ま しい。 疎水性に基づくこのようなアミノ酸の置換は効率的であることが当該分野 において理解される。 米国特許第 4 554、 1 0 1号に言己載されるように、 以 下の親水性指数がアミノ酸残基に割り当てられている : アルギニン (+ 3. 0) ; リジン (+ 3. 0) ; ァスパラギン酸 (+ 3. 0 ± 1 ) ;グルタミン酸 (+ 3. 0士 1) ;セリン (+0. 3) ;ァスパラギン (+0. 2) ;グルタミ ン (+0. 2) ;グリシン (0) ;スレオニン (- 0. 4) ;プロリン (一 0. 5 ± 1) ;ァラニン (一 0. 5) ; ヒスチジン (一 0. 5) ;システィン (一 1. 0) ;メチ才ニン (一 1. 3) ;バリン (― 1. 5) ; ロイシン (一 1. 8) ; イソロイシン (一 1. 8) ;チロシン (—2. 3) ; フエ二ルァラニン (一 2. 5) ;およびトリブトファン (—3. 4) 。 アミノ酸が同様の親水性指数を有し かつ依然として生物学的等価体を与え得る別のものに置換され得ることが理解さ れる。 このようなアミノ酸置換において、 親水性指数が ±2以内であることが好 ましく、 ± 1以内であることがより好ましく、 および ± 0. 5以内であることが
さらにより好ましい。
本明細書において、 「保存的置換」 とは、 アミノ酸置換において、 元のアミノ 酸と置換されるアミノ酸との親水性指数または //および疎水性指数が上記のよう に類似している置換をいう。 保存的置換の例としては、 例えば、 親水性指数また は疎水性指数が、 ± 2以内のもの同士、 好ましくは ± 1以内のもの同士、 より好 ましくは ± 0 . 5以内のもの同士のものが挙げられるがそれらに限定されない。 従って、 保存的置換の例は、 当業者に周知であり、 例えば、 次の各グループ内で の置換:アルギニンおよびリジン;グルタミン酸およびァスパラギン酸;セリン およびスレオニン;グルタミンおよびァスパラギン;ならびにバリン、 ロイシン、 およびイソロイシン、 などが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書において、 〇型の糖鎖結合について言及する場合、 「保存的置換」 は、 セリンおよびスレオニンならびにそれらの生物学的適合性を有する改変体のうち 酸素原子を保持するものからなる群の中での置換をいう。
本明細書において、 ペプチドの 「改変体」 とは、 もとのペプチドなどの物質に 対して, 一部が変更されているものをいう。 そのような改変体としては、 置換改 変体、 付加改変体、 欠失改変体、 短縮 (t r u n c a t e d ) 改変体、 対立遺伝 子変異体などが挙げられる。 置換は、 上述の保存的置換でもよく、 そうでなくて もよい。 置換されるアミノ酸は、 天然のアミノ酸であってもよく、 非天然のアミ ノ酸であってもよい。 あるいは、 置換されるアミノ酸は、 アミノ酸アナログでも よい。
本明細書において 「イニシエータ一」 とは、 高分子合成酵素反応において、 合 成される高分子化合物の反応の開始に必要な物質をいい、 本明細書において 「プ ライマー」 ともいう。 本明細書において、 「プロテオダリカンイニシエータ一」 とは、 生体または細胞内において、 投与された後に糖鎖および Zまたはペプチド 鎖が伸長する能力を有する物質をいう。 そのようなプロテオグリカンィニシェ一 夕一は、 投与されるべき生物に応じて適切なものが変動することは当業者には明
らかである。
本明細書において 「プロテオダリカンの異常レベルに関連する状態、 障害また は疾患」 とは、 生体内または細胞内のプロテオダリカンの通常のレベルとは異な るレベルに起因するかまたはそのようなレベルを伴う状態、 障害または疾患をい う。 そのような疾患、 障害または状態としては、 例えば、 循環器系疾患 (貧血 (例えば、 再生不良性貧血 (特に重症再生不良性貧血) 、 腎性貧血、 癌性貧血、 二次性貧血、 不応性貧血など) 、 癌または腫瘍 (例えば、 白血病、 多発性骨髄 腫) など) ;神経系疾患 (痴呆症、 脳卒中およびその後遺症、 脳腫瘍、 脊髄損傷 など) ;免疫系疾患 (T細胞欠損症、 白血病など) ;運動器 ·骨格系疾患 (骨折、 骨粗鬆症、 関節の脱臼、 亜脱臼、 捻挫、 靱帯損傷、 変形性関節症、 骨肉腫、 ユー イング肉腫、 骨形成不全症、 骨軟骨異形成症など) ;皮膚系疾患 (無毛症、 黒色 腫、 皮膚悪性リンパ腫、 血管肉腫、 組織球症、 水疮症、 膿疱症、 皮膚炎、 湿疹な ど) ;内分泌系疾患 (視床下部 ·下垂体疾患、 甲状腺疾患、 副甲状腺 (上皮小 体) 疾患、 副腎皮質 *髄質疾患、 糖代謝異常、 脂質代謝異常、 タンパク質代謝異 常.. 核酸代謝異常、 先天性代謝異常 (フェニールケトン尿症、 ガラクトース血症、 ホモシスチン尿症、 メ一プルシロップ尿症) 、 無アルブミン血症、 ァスコルビン 酸合成能欠如、 高ピリルビン血症、 高ピリルビン尿症、 力リクレイン欠損、 肥満 細胞欠損、 尿崩症、 バソプレツシン分泌異常、 侏儒症、 ウォルマン病 (酸リパー ゼ (A c i d l i p a s e ) 欠損症) 、 ムコ多糖症 V I型など) ;呼吸器系疾 患 (肺疾患 (例えば、 肺炎、 肺癌など) 、 気管支疾患、 肺癌、 気管支癌など) ; 消化器系疾患 (食道疾患 (たとえば、 食道癌) 、 胃 ·十二指腸疾患 (たとえば、 胃癌、 十二指腸癌) 、 小腸疾患 ·大腸疾患 (たとえば、 大腸ポリープ、 結腸癌、 直腸癌など) 、 胆道疾患、 肝臓疾患 (たとえば、 肝硬変、 肝炎 (A型、 B型、 C 型、 D型、 E型など) 、 劇症肝炎、 慢性肝炎、 原発性肝癌、 アルコール性肝障害、 薬物性肝障害) 、 塍臓疾患 (急性塍炎、 慢性塍炎、 塍臓癌、 嚢胞性滕疾患) 、 腹 膜 ·腹壁 '横隔膜疾患 (ヘルニアなど) 、 ヒルシュスプラング病など) ;泌尿器
系疾患 (腎疾患 (腎不全、 原発性糸球体疾患、 腎血管障害、 尿細管機能異常、 間 質性腎疾患、 全身性疾患による腎障害、 腎癌など) 、 膀胱疾患 (膀胱炎、 膀胱癌 など) など) ;生殖器系疾患 (男性生殖器疾患 (男性不妊、 前立腺肥大症、 前立 腺癌、 精巣癌など) 、 女性生殖器疾患 (女性不妊、 卵巣機能障害、 子宮筋腫、 子 宮腺筋症、 子宮癌、 子宮内膜症、 卵巣癌、 絨毛性疾患など) など) ;循環器系疾 患 (心不全、 狭心症、 心筋梗塞、 不整脈、 弁膜症、 心筋 ·心膜疾患、 先天性心疾 患 (たとえば、 心房中隔欠損、 心室中隔欠損、 動脈管開存、 ファロー四徴) 、 動 脈疾患 (たとえば、 動脈硬化、 動脈瘤) 、 静脈疾患 (たとえば、 静脈瘤) 、 リン パ管疾患 (たとえば、 リンパ浮腫) など) などが挙げられるがそれらに限定され ない。
そのようなプロテオダリ力ンの異常に関連するかまたはプロテオダリ力ンを必 要とする状態、 障害または疾患としては、 好ましくは、 慢性関節リウマチ、 変形 性関節炎、 軟骨破壌、 骨粗鬆症、 糸球体ネフローゼ、 皮膚の脆弱化、 扁平角膜、 コラーゲン繊維の構造異常, 皮膚の脆弱化、 角膜不透明化、 X連鎖性先天性定常 夜盲症 軟骨基質欠損、 屈指一関節症 -内反股—心膜炎症候群、 卵丘 卵母細胞 複合体のマトリックス欠損、 不妊、 Dy s s e gme n t a l Dy s p l a s i a、 骨格異常、 神経筋シナプス形成の異常、 S c hwa r t z— J amp e l 症, S i l ve rman— Handmak e r型、 Wi ng l e s s様表現型、 S imp s on— Go 1 a b i一 Behme 1症、 骨格異常などが挙げられるが それらに限定されない。 より好ましくは、 そのような状態、 障害または疾患は、 関節炎 (例えば、 慢性関節リウマチ、 変形性関節炎) を含む。
本明細書において 「生体」 とは、 生物学的な有機体をいい、 動物、 植物、 菌類、 ウィルスなどを含むがそれらに限定されない。 そのような生体は、 プロテオグリ カンが生存に関係する生物であれば、 どのようなものでもよく、 動物、 植物、 細 菌、 ウィルスを問わない。 生体は、 好ましくは動物 (たとえば、 脊椎動物、 無脊 椎動物) が挙げられる。 より好ましくは、 生体は、 好ましくは、 脊椎動物 (たと
えば、 メクラウナギ類、 ャッメゥナギ類、 軟骨魚類、 硬骨魚類、 両生類、 爬虫類、 鳥類、 哺乳動物など) であり、 より好ましくは、 哺乳動物 (例えば、 単孔類、 有 袋類、 貧歯類、 皮翼類、 翼手類、 食肉類、 食虫類、 長鼻類、 奇蹄類、 偶蹄類、 管 歯類、 有鱗類、 海牛類、 クジラ目、 霊長類、 齧歯類、 ゥサギ目など) であり得る。 より好ましくは霊長類であり、 もっとも好ましくはヒトである。
本明細書において使用される 「細胞」 は、 当該分野において用いられる最も広 義の意味と同様に定義され、 多細胞生物の組織の構成単位であって、 外界を隔離 する膜構造に包まれ、 内部に自己再生能を備え、 遺伝情報およびその発現機構を 有する生命体をいう。 本明細書において使用される細胞は、 天然に存在する細胞 であっても、 人工的に改変された細胞 (例えば、 融合細胞、 遺伝子改変細胞) で あってもよい。 細胞の供給源としては、 例えば、 単一の細胞培養物であり得、 あ るいは、 正常に成長したトランスジエニック動物の胚、 血液、 または体組織、 ま たは正常に成長した細胞株由来の細胞のような細胞混合物が挙げられるがそれら に限定されない。 好ましくは、 プロテオダリカンの伸長をすることが知られる細 胞が用いられ得る。 好ましくは 本明細書では、 細胞は軟骨細胞であり得る。
(本明細書において用いられる一般技術)
本明細書において使用される技術は、 そうではないと具体的に指示しない限り、 当該分野の技術範囲内にある、 有機化学、 生化学、 医学、 薬学、 遗伝子工学、 分 子生物学および関連する分野における周知慣用技術を使用する。 そのような技術 は、 例えば、 以下に列挙した文献および本明細書において他の場所おいて引用し た文献においても十分に説明されている。
本明細書において用いられる分子生物学的手法、 生化学的手法、 微生物学的手 法は、 当該分野において周知であり慣用されるものであり、 例えば、 Man i a t i s, T. e t a 1. (1989) . Mo l e c u l a r C l o n i n g : A L a bo r a t o ry Manu a l , Co l d Sp r i ng Ha
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薬学の分野では、 例えば、 日本薬局方第 14版またはその最新版、 Remi n g t o n ' s Ph a rma c eu t i c a l S c i e n c e s, 18 t h Ed i t i on, A. R. Genn a r o, e d . , Ma c k P u b 1 i s h i n g Comp any, 1990などが本明細書において参考として援用され る。
医学の分野においても、 種々の技術常識を示す文献を用いて、 当業者は本発明 を実施することができる。 そのような文献は当業者には周知である。
(有機化学)
本発明の化合物は、 (A) — (B) という模式図で表すことができる。 (A) は 糖鎖またはその改変体であり、 (B) はペプチドまたはその改変体であり得 る。 本発明の化合物はまた、 このような構造の重合体であり得る。
(A) および (B) は、 以下のような官能基で置換することができる。 そのよ うな置換基を以下に説明する。
本明細書において 「アルキル」 とは、 メタン、 ェタン、 プロパンのような脂肪 族炭化水素 (アルカン) から水素原子が一つ失われて生ずる 1価の基をいい、 一 般に CnH2n + 1—で表される (ここで、 nは正の整数である) 。 アルキルは、 直 鎖または分枝鎖であり得る。 本明細書において 「置換されたアルキル」 とは、 以 下に規定する置換基によってアルキルの Hが置換されたアルキルをいう。 これら の具体例は、 C 1〜C2アルキル、 C 1〜C 3アルキル、 C 1〜C4アルキル、 C 1〜C 5アルキル、 C 1〜C 6アルキル、 C 1〜C 7アルキル、 C 1〜C8ァ ルキル、 C 1〜C 9アルキル、 C 1〜C 10アルキル、 C 1〜C 1 1アルキルま
たは C 1〜C 12アルキル、 C 1〜C 2置換されたアルキル、 C 1~C3置換さ れたアルキル、 C 1〜C4置換されたアルキル、 C 1〜C 5置換されたアルギル、 C 1〜C 6置換されたアルキル、 C 1〜C 7置換されたアルキル、 C 1〜C8置 換されたアルキル、 C 1〜C 9置換されたアルキル、 C 1〜C 10置換されたァ ルキル、 C 1〜(: 1 1置換されたアルキルまたは C 1〜C 12置換されたアルキ ルであり得る。 ここで、 例えば C1〜C 10アルキルとは、 炭素原子を 1〜 10 個有する直鎖または分枝状のアルキルを意味し、 メチル (CH3—) 、 ェチル (C2H5_) 、 n—プロピル (CH3CH2CH2—) 、 イソプロピル ( (CH 3) 2CH—) 、 n一ブチル (CH3CH2CH2CH2—) 、 n—ペンチル (CH 3CH2CH2CH2CH2— ) 、 n—へキシル (CH3 CH2 CH2 CH2 CH2 CH 2— ) 、 n—ヘプチル (CH3CH2CH2CH2CH2CH2CH2—) 、 n—ォク チル ( C H 3 C H 2 C H 2 C H 2 C H 2 C H 2 C H 2 C H 2 - ) 、 n—ノニル (CH3 C H 2 C H 2 C H 2 C H 2 C H 2 C H 2 C H 2 C H 2 - ) 、 n—デシル (CH3CH2C H 2 C H 2し H C H 2 C H し H'2 C H 2 C H 2― ) 、 — し ( C H 3 ) 2 C H 2 C H 2 CH (CH3) — CH2CH (CH3) 2などが例示される。 また. 例えば. C 1〜C 10置換されたアルキルとは、 C 1~C 10アルキルであって、 そのうち 1または複数の水素原子が置換基により置換されているものをいう。
本明細書において 「シクロアルキル」 とは、 環式構造を有するアルキルをいう。 「置換されたシクロアルキル」 とは、 以下に規定する置換基によってシクロアル キルの Hが置換されたシクロアルキルをいう。 具体例としては、 C 3〜C4シク 口アルキル、 C 3〜C 5シクロアルキル、 C 3〜C 6シクロアルキル、 C3〜C 7シクロアルキル、 C 3〜C 8シクロアルキル、 C 3〜C 9シクロアルキル、 C 3〜C 10シクロアルキル、 C 3〜C 1 1シクロアルキル、 C 3〜C 12シクロ アルキル、 C 3〜C 4置換されたシクロアルキル、 C 3〜C 5置換されたシクロ アルキル、 C 3〜C 6置換されたシクロアルキル、 C 3〜C 7置換されたシクロ アルキル、 C 3〜C 8置換されたシクロアルキル、 C 3〜C 9置換されたシクロ
アルキル、 C 3〜C 10置換されたシクロアルキル、 C3〜C 11置換されたシ クロアルキルまたは C 3〜C 12置換されたシクロアルキルであり得る。 例えば、 シクロアルキルとしては、 シクロプロピル、 シクロへキシルなどが例示される。 本明細書において 「ァルケニル」 とは、 エチレン、 プロピレンのような、 分子 内に二重結合を一つ有する脂肪族炭化水素から水素原子が一つ失われて生ずる 1 価の基をいい、 一般に CnH2n— i—で表される (ここで、 nは 2以上の正の整数 である) 。 「置換されたァルケニル」 とは、 以下に規定する置換基によってアル ケニルの Hが置換されたアルケニルをいう。 具体例としては、 C 2〜C 3ァルケ ニル、 C 2〜C4アルケニル、 C 2〜C 5アルケニル、 C 2〜C 6アルケニル、 C 2〜C 7アルケニル、 C 2〜C 8アルケニル、 C 2〜C 9アルケニル、 C2〜 C 10アルケニル、 C 2〜C 1 1アルケニルまたは C 2〜C 12アルケニル、 C 2 ~C 3置換されたァルケニル、 C 2〜C 4置換されたァルケニル、 C2〜C 5 置換されたァルケニル、 C 2〜C 6置換されたァルケニル、 C2〜C7置換され たァルケニル、 C 2〜C 8置換されたァルケニル、 C 2〜C 9置換されたァルケ ニル、 C 2〜C 10置換されたァルケニル、 C 2〜C 1 1置換されたアルケニル または C 2〜C 12.置換されたアルケニルであり得る。 ここで、 例えば C2〜C 10アルキルとは、 炭素原子を 2〜10個含む直鎖または分枝状のアルケニルを 意味し、 ビニル (CH2 = CH-) 、 ァリル (CH2 = CHCH2 -) 、 CH3C H = C H—などが例示される。 また、 例えば、 C 2〜C 10置換されたァルケ二 ルとは、 C 2〜C 10アルケニルであって、 そのうち 1または複数の水素原子が 置換基により置換されているものをいう。
本明細書において 「シクロアルケニル」 とは、 環式構造を有するアルケニルを いう。 「置換されたシクロアルケニル」 とは、 以下に規定する置換基によってシ クロアルケニルの Hが置換されたシクロアルケニルをいう。 具体例としては、 C 3〜C 4シクロアルケニル、 C 3〜C 5シクロアルケニル、 C3〜C6シクロア ルケニル、 C 3〜C 7シクロアルケニル、 C 3〜C 8シクロアルケニル、 C 3〜
C 9シクロアルケニル、 C3〜(: 10シクロアルケニル、 C 3〜C 11シクロア ルケニル、 C 3〜C 12シクロアルケニル、 C 3〜C4置換されたシクロアルケ ニル、 C 3〜C 5置換されたシクロアルケニル、 C 3〜C 6置換されたシクロア ルケニル、 C 3〜C 7置換されたシクロアルケニル、 C 3〜C 8置換されたシク ロアルケニル、 C 3〜C 9置換されたシクロアルケニル、 C3〜C 10置換され たシクロアルケニル、 C 3〜C 1 1置換されたシクロアルケニルまたは C 3〜C 12置換されたシクロアルケニルであり得る。 例えば、 好ましいシクロアルケ二 ルとしては、 1—シクロペンテニル、 2—シクロへキセニルなどが例示される。 本明細書において 「アルキニル」 とは、 アセチレンのような、 分子内に三重結 合を一つ有する脂肪族炭化水素から水素原子が一つ失われて生ずる 1価の基をい い、 一般に CnH2n— 3_で表される (ここで、 nは 2以上の正の整数である) 。 「置換されたアルキニル」 とは、 以下に規定する置換基によってアルキニルの H が置換されたアルキニルをいう。 具体例としては、 C2〜C3アルキニル、 C 2 〜C 4アルキニル、 C2〜C 5アルキニル、 C2〜C6アルキニル、 C 2〜C 7 アルキニル C2〜C8アルキニル、 C2〜C9アルキニル C2〜C 10アル キニル、 C2〜C 1 1アルキニル、 C 2〜C 12アルキニル、 C 2〜C 3置換さ れたアルキニル、 C 2〜C 4置換されたアルキニル、 C 2〜C 5置換されたアル キニル、 C 2〜C 6置換されたアルキニル、 C 2〜C 7置換されたアルキニル、 C 2〜C 8置換されたアルキニル、 C 2〜 C 9置換されたアルキニル、 C2〜C 10置換されたアルキニル、 C2〜C 1 1置換されたアルキニルまたは C 2〜C 12置換されたアルキニルであり得る。 ここで、 例えば、 C 2〜C 10アルキニ ルとは、 例えば炭素原子を 2〜10個含む直鎖または分枝状のアルキニルを意味 し、 ェチニル (CH=C—) 、 1一プロピニル (CH3C = C—) などが例示され る。 また、 例えば、 C 2~C 10置換されたアルキニルとは、 C 2〜C 10アル キニルであって、 そのうち 1または複数の水素原子が置換基により置換されてい るものをいう。
本明細書において 「アルコキシ」 とは、 アルコール類のヒドロキシ基の水素原 子が失われて生ずる 1価の基をいい、 一般に CnH2n+10—で表される (ここで、 nは 1以上の整数である) 。 「置換されたアルコキシ」 とは、 以下に規定する置 換基によってアルコキシの Hが置換されたアルコキシをいう。 具体例としては、 C 1〜C 2アルコキシ、 C 1〜C3アルコキシ、 C 1〜C4アルコキシ、 C 1〜 C 5アルコキシ、 C 1〜C6アルコキシ、 C 1〜C 7アルコキシ、 C 1〜C8ァ ルコキシ、 C 1〜C9アルコキシ、 C 1〜C 10アルコキシ、 C 1〜C 11アル コキシ、 C 1〜( 12アルコキシ、 C 1〜C 2置換されたアルコキシ、 C 1〜C 3置換されたアルコキシ、 C 1〜C4置換されたアルコキシ、 C 1〜C5置換さ れたアルコキシ、 C:!〜 C 6置換されたアルコキシ、 C 1〜C7置換されたアル コキシ、 C 1〜C 8置換されたアルコキシ、 C 1〜C 9置換されたアルコキシ、 C 1〜C 10置換されたアルコキシ、 C 1〜C 1 1置換されたアルコキシまたは C 1〜C 12置換されたアルコキシであり得る。 ここで、 例えば、 C 1~C 10 アルコキシとは、 炭素原子を 1〜10個含む直鎖または分枝状のアルコキシを意 味し.. メ卜キシ (CH30―) 、 エトキシ (C2H50—) 、 n—プロボキシ (C H3CH2CH2〇一) などが例示される。
本明細書において 「炭素環基」 とは、 炭素のみを含む環状構造を含む基であつ て、 前記の 「シクロアルキル」 、 「置換されたシクロアルキル」 、 「シクロアル ケニル」 、 「置換されたシクロアルケニル」 以外の基をいう。 炭素環基は芳香族 系または非芳香族系であり得、 そして単環式または多環式であり得る。 「置換さ れた炭素環基」 とは、 以下に規定する置換基によって炭素環基の Hが置換された 炭素環基をいう。 具体例としては、 C3〜C4炭素環基、 C3〜C5炭素環基、 C3〜C6炭素環基、 C3〜C 7炭素環基、 C3〜C8炭素環基、 C3〜C9炭 素環基、 C3〜C 10炭素環基、 C3〜C 11炭素環基、 C3〜C12炭素環基、 C 3〜C 4置換された炭素環基、 C 3〜C 5置換された炭素環基、 C3〜C6置 換された炭素環基、 C 3〜C 7置換された炭素環基、 C3〜C8置換された炭素
環基、 C 3〜C 9置換された炭素環基、 C 3〜C 1 0置換された炭素環基、 C 3 〜C 1 1置換された炭素環基または C 3〜C 1 2置換された炭素環基であり得る。 炭素環基はまた、 C 4〜 C 7炭素環基または C 4〜 C 7置換された炭素環基であ り得る。 炭素環基としては、 フエニル基から水素原子が 1個欠失したものが例示 される。 ここで、 水素の欠失位置は、 化学的に可能な任意の位置であり得、 芳香 環上であってもよく、 非芳香環上であってもよい。
本明細書において、 「芳香族 (官能) 基」 または 「芳香環 (官能) 基」 とは、 芳香族の特性を有する環系化合物またはその部分をいい、 一般に冗電子が 4 n + 2個ある環状共役系を含む安定な構造を有する。 このような芳香族官能基は、 他 の芳香族官能基とも相互作用することができる。 芳香族官能基の例としては、 例 えば、 ベンゼン環、 ナフタレン、 アントラセン、 フラン、 ピリジン、 ァズレン、
ォンなどが挙げられるがそれらに限定されな 。 芳香族官能基は、 炭素環であってもよくへテロ環であってもよい。
本明細書において 「アルコール」 とは、 脂肪族炭化水素の 1または 2以上の水 素原子をヒドロキシル基で置換した有機化合物をいう。 本明細書においては、 R O Hとも表記される。 ここで、 Rは、 アルキル基である。 好ましくは、 Rは、 C 1〜C 6アルキルであり得る。 アルコールとしては、 例えば、 メタノール、 エタ ノール、 1一プロパノール、 2 -プロパノールなどが挙げられるがそれらに限定 されない。
本明細書において 「ヘテロ環基」 とは、 炭素およびへテロ原子をも含む環状構 造を有する基をいう。 ここで, ヘテロ原子は、 〇、 Sおよび Nからなる群より選 択され、 同一であっても異なっていてもよく、 1つ含まれていても 2以上含まれ ていてもよい。 ヘテロ環基は、 芳香族系または非芳香族系であり得、 そして単環 式または多環式であり得る。 「置換されたへテロ環基」 とは、 以下に規定する置 換基によってヘテロ環基の Hが置換されたへテロ環基をいう。 具体例としては、 C 3〜C 4炭素環基、 C 3〜C 5炭素環基、 C 3〜C 6炭素環基、 C 3〜C 7炭
素環基、 C3〜C 8炭素環基、 C3〜C9炭素環基、 C3〜C 10炭素環基、 C 3〜C 1 1炭素環基、 C3〜C 12炭素環基、 C 3〜C 4置換された炭素環基、 C 3〜C 5置換された炭素環基、 C 3〜C 6置換された炭素環基、 C3〜C 7置 換された炭素環基、 C 3〜C 8置換された炭素環基、 C3〜C 9置換された炭素 環基、 C3〜C 1 0置換された炭素環基、 C3〜C 1 1置換された炭素環基また は C 3〜C 12置換された炭素環基の 1つ以上の炭素原子をへテロ原子で置換し たものであり得る。 ヘテロ環基はまた、 C4〜C 7炭素環基または C4〜C 7置 換された炭素環基の炭素原子を 1つ以上へテロ原子で置換したものであり得る。 ヘテロ環基としては、 チェニル基、 ピロリル基、 フリル基、 イミダゾリル基、 ピ リジル基などが例示される。 水素の欠失位置は、 化学的に可能な任意の位置であ り得、 芳香環上であってもよく、 非芳香環上であってもよい。
本明細書において、 炭素環基またはへテロ環基は、 下記に定義されるように 1 価の置換基で置換され得ることに加えて、 2価の置換基で置換され得る。 そのよ うな二価の置換は、 ォキソ置換 ( = 0) またはチォキソ置換 (=S) であり得る。 本明細書において 「ハロゲン」 とは、 周期表 7 B族に属するフッ素 (F) 、 塩 素 (C 1 ) 、 臭素 (B r) 、 ヨウ素 ( I) などの元素の 1価の基をいう。
本明細書において 「ヒドロキシ」 とは、 一 OHで表される基をいう。 「置換さ れたヒドロキシ」 とは、 ヒドロキシの Hが下記で定義される置換基で置換されて いるものをいう。
本明細書において 「チォ一ル」 とは、 ヒドロキシ基の酸素原子を硫黄原子で置 換した基 (メルカプ卜基) であり、 一 SHで表される。 「置換されたチオール」 とは、 メルカプトの Hが下記で定義される置換基で置換されている基をいう。 本明細書において 「シァノ」 とは、 —CNで表される基をいう。 「ニトロ」 と は、 —N02で表される基をいう。 「ァミノ」 とは、 _NH2で表される基をい う。 「置換されたァミノ」 とは、 ァミノの Hが以下で定義される置換基で置換さ れたものをいう。
本明細書において 「カルボキシ」 とは、 — C〇〇Hで表される基をいう。 「置 換された力ルポキシ」 とは、 カルボキシの Hが以下に定義される置換基で置換さ れたものをいう。
本明細書において 「チォカルボキシ」 とは、 カルボキシ基の酸素原子を硫黄原 子で置換した基をいい、 — C (=S) OH、 -C ( = 0) SHまたは一 CSSH で表され得る。 「置換されたチォカルポキシ」 とは、 チォカルボキシの Hが以下 に定義される置換基で置換されたものをいう。
本明細書において 「ァシル」 とは、 カルボン酸から OHを除いてできる 1価の 基をいう。 ァシル基の代表例としては、 ァセチル (CH3CO—) 、 ベンゾィル (C6H5CO— ) などが挙げられる。 「置換されたァシル」 とは、 ァシルの水 素を以下に定義される置換基で置換したものをいう。
本明細書において 「アミド」 とは、 アンモニアの水素を酸基 (ァシル基) で置 換した基であり、 好ましくは、 一 CONH2で表される。 「置換されたアミド」 とは、 アミドが置換されたものをいう。
本明細書において 「カルボニル」 とは、 アルデヒドおよびケトンの特性基であ る— (C = 0) 一を含むものを総称したものをいう。 「置換されたカルボニル J は、 下記において選択される置換基で置換されている力ルポ二ル基を意味する。 本明細書において 「チォカルボニル」 とは、 カルボニルにおける酸素原子を硫 黄原子に置換した基であり、 特性基— (C = S) —を含む。 チォカルボニルには、 チオケ卜ンおよびチォアルデヒドが含まれる。 「置換されたチォカルボニル」 と は、 下記において選択される置換基で置換されたチォカルポニルを意味する。 本明細書において 「スルホニル」 とは、 特性基である一 S〇2—を含むものを 総称したものをいう。 「置換されたスルホニル」 とは、 下記において選択される 置換基で置換されたスルホニルを意味する。
本明細書において 「スルフィニル」 とは、 特性基である一 SO_を含むものを 総称したものをいう。 「置換されたスルフィニル」 とは、 下記において選択され
る置換基で置換されているスルフィニルを意味する。
本明細書において 「ァリール」 とは、 芳香族炭化水素の環に結合する水素原子 が 1個離脱して生ずる基をいい、 本明細書において、 炭素環基に包含される。 本明細書においては、 特に言及がない限り、 置換は、 ある有機化合物または置 換基中の 1または 2以上の水素原子を他の原子または原子団で置き換えることを いう。 水素原子を 1つ除去して 1価の置換基に置換することも可能であり、 そし て水素原子を 2つ除去して 2価の置換基に置換することも可能である。
本発明の物質が置換 Rによって置換されている場合、 そのような Rは、 単数ま たは複数存在し、 複数存在する場合は、 それぞれ独立して、 水素、 アルキル、 置 換されたアルキル、 シクロアルキル、 置換されたシクロアルキル、 アルケニル、 置換されたァルケニル、 シクロアルケニル、 置換されたシクロアルケニル、 アル キニル、 置換されたアルキニル、 アルコキシ、 置換されたアルコキシ、 炭素環基、 置換された炭素環基、 ヘテロ環基、 置換されたへテロ環基、 ハロゲン、 ヒドロキ シ、 置換されたヒドロキシ、 チオール、 置換されたチオール、 シァノ、 ニトロ、 ァミノ 置換されたァミノ、 カルボキシ、 置換されたカルボキシ、 ァシル、 置換 されたァシル、 チォカルボキシ、 置換されたチォカルボキシ、 アミド、 置換され たアミド、 置換されたカルボニル、 置換されたチォカルボニル、 置換されたスル ホニルおよび置換されたスルフィニルからなる群より選択される。 好ましくは、 Rは、 複数存在する場合それぞれ独立して、 水素、 アルキルおよび置換されたァ ルキルからなる群より選択され得る。 より好ましくは、 独立して、 Rは、 複数存 在する場合それぞれ独立して、 水素、 水酸基、 アミノ基、 力ルポキシル基および C 1〜C 6アルキルからなる群より選択され得る。 Rは、 すべてが水素以外の置 換基を有していても良いが、 好ましくは、 少なくとも 1つの水素、 水酸基、 アミ ノ基または力ルポキシル基、 より好ましくは、 2〜n (ここで nは Rの個数) の 水素、 水酸基、 アミノ基または力ルポキシル基を有し得る。 置換基のうち水素の 数が多いことが好ましくあり得る。 大きな置換基または極性のある置換基は本発
明の効果に障害を有し得るからである。 従って、 水素以外の置換基としては、 好 ましくは、 水酸基、 アミノ基または力ルポキシル基、 C 1〜C 6アルキル、 C 1 〜C 5アルキル、 C 1〜C 4アルキル、 C 1〜C 3アルキル、 C 1〜C 2アルキ ル、 メチルなどであり得る。 ただし、 本発明の効果を増強し得ることもあること から、 大きな置換基を有することもまた好ましくあり得る。 さらにより好ましく は Rは、 ペプチド鎖の末端を除きすべてが水素であり得る。 ペプチド末端は、 水 素であってもよいが、 水素、 水酸基、 アミノ基またはカルボキシル基を有し得る。 本明細書において、 C l、 C 2、 、 、 C nは、 炭素数を表す。 従って、 C 1は 炭素数 1個の置換基を表すために使用される。
本明細書において、 「光学異性体」 とは、 結晶または分子の構造が鏡像関係に あって、 重ねあわせることのできない一対の化合物の一方またはその組をいう。 立体異性体の一形態であり、 他の性質は同じであるにもかかわらず、 旋光性のみ が異なる。
本明細書においては、 特に言及がない限り、 置換は、 ある有機化合物または置 換基中の 1または 2以上の水素原子を他の原子または原子団で置き換えることを いう。 水素原子を 1つ除去して 1価の置換基に置換することも可能であり、 そし て水素原子を 2つ除去して 2価の置換基に置換することも可能である。
置換基としては、 アルキル、 置換されたアルキル、 シクロアルキル、 置換され たシクロアルキル、 アルケニル、 置換されたァルケニル、 シクロアルケニル、 置 換されたシクロアルケニル、 アルキニル、 置換されたアルキニル、 アルコキシ、 置換されたアルコキシ、 炭素環基、 置換された炭素環基、 ヘテロ環基、 置換され たへテロ環基、 ハロゲン、 ヒドロキシ、 置換されたヒドロキシ、 チオール、 置換 されたチオール、 シァノ、 ニトロ、 ァミノ、 置換されたァミノ、 力ルポキシ、 力 ルバモイル、 置換された力ルポキシ、 ァシル、 ァシルァミノ、 置換されたァシル、 チォカルポキシ、 置換されたチォカルポキシ、 アミド、 置換されたアミド、 置換 された力ルポニル、 置換されたチォカルポニル、 置換されたスルホニルまたは置
換されたスルフィニルが挙げられるがそれらに限定されない。 上記の置換基が置 換された基である場合は、 そのさらなる置換のための置換基についても上記と同 様に選択され得る。
本発明の各方法において、 目的とする生成物は、 反応液から夾雑物 (未反応減 量、 副生成物、 溶媒など) を、 当該分野で慣用される方法 (例えば、 抽出、 蒸留、 洗浄、 濃縮、 沈澱、 濾過、 乾燥など) によって除去した後に、 当該分野で慣用さ れる後処理方法 (例えば、 吸着、 溶離、 蒸留、 沈澱、 析出、 クロマトグラフィー など) を組み合わせて処理して単離し得る。 (医薬 ·化粧品など、 およびそれを用いる治療、 予防など)
別の局面において、 本発明は、 医薬 (例えば、 ワクチン等の医薬品、 健康食品、 タンパク質または脂質は抗原性を低減した医薬品) および化粧用組成物に関する。 この医薬および化粧用組成物は、 薬学的に受容可能なキヤリァなどをさらに含み 得る。 本発明の医薬に含まれる薬学的に受容可能なキャリアとしては、 当該分野 において公知の任意の物質が挙げられる。
そのような適切な処方材料または薬学的に受容可能なキャリアとしては、 抗酸 化剤、 保存剤、 着色料、 風味料、 および希釈剤、 乳化剤、 懸濁化剤、 溶媒、 フィ ラー、 増量剤、 緩衝剤、 送達ビヒクル、 希釈剤、 賦形剤および Zまたは薬学的ァ ジュバント挙げられるがそれらに限定されない。 代表的には、 本発明の医薬は、 化合物、 またはその改変体もしくは誘導体を、 1つ以上の生理的に受容可能なキ ャリア、 賦形剤または希釈剤とともに含む組成物の形態で投与される。 例えば、 適切なビヒクルは、 注射用水、 生理的溶液、 または人工脳脊髄液であり得、 これ らには、 非経口送達のための組成物に一般的な他の物質を補充することが可能で ある。
本明細書で使用される受容可能なキャリア、 賦形剤または安定化剤は、 レシピ ェントに対して非毒性であり、 そして好ましくは、 使用される投薬量および濃度
において不活性であり、 そして以下が挙げられる: リン酸塩、 クェン酸塩、 また は他の有機酸;ァスコルビン酸、 ひ—トコフエロール;低分子量ポリペプチド; タンパク質 (例えば、 血清アルブミン、 ゼラチンまたは免疫グロブリン) ;親水 性ポリマー (例えば、 ポリビニルピロリドン) ;アミノ酸 (例えば、 グリシン、 グルタミン、 ァスパラギン、 アルギニンまたはリジン) ;モノサッカリド、 ジサ ッカリドおよび他の炭水化物 (グルコース、 マンノース、 またはデキストリンを 含む) ;キレート剤 (例えば、 E D TA) ;糖アルコール (例えば、 マンニトー ルまたはソルビトール) ;塩形成対イオン (例えば、 ナトリウム) ;ならびに Z あるいは非ィォン性表面活性化剤 (例えば、 T w e e n、 プル口ニック ( p 1 u r o n i c ) またはポリエチレングリコール ( P E G) ) 。
例示の適切なキヤリアとしては、 中性緩衝化生理食塩水、 または血清アルプミ ンと混合された生理食塩水が挙げられる。 好ましくは、 その生成物は、 適切な賦 形剤 (例えば、 スクロース) を用いて凍結乾燥剤として処方される。 他の標準的 なキャリア、 希釈剤および賦形剤は所望に応じて含まれ得る。 他の例示的な組成 物は、 p H 7 . 0 - 8 . 5の T r i s緩衝剤または p H 4. 0 - 5 . 5の酢酸緩 衝剤を含み、 これらは、 さらに ソルビトールまたはその適切な代替物を含み得 る。
本発明の医薬は、 経口的または非経口的に投与され得る。 あるいは、 本発明の 医薬は、 静脈内または皮下で投与され得る。 全身投与されるとき、 本発明におい て使用される医薬は、 発熱物質を含まない、 薬学的に受容可能な水溶液の形態で あり得る。 そのような薬学的に受容可能な組成物の調製は、 p H、 等張性、 安定 性などを考慮することにより、 当業者は、 容易に行うことができる。 本明細書に おいて、 投与方法は、 経口投与、 非経口投与 (例えば、 静脈内投与、 筋肉内投与、 皮下投与、 皮内投与、 粘膜投与、 直腸内投与、 膣内投与、 患部への局所投与、 皮 膚投与など) であり得る。 そのような投与のための処方物は、 任意の製剤形態で 提供され得る。 そのような製剤形態としては、 例えば、 液剤、 注射剤、 徐放剤が
挙げられる。
本発明の医薬は、 必要に応じて生理学的に受容可能なキャリア、 賦型剤または 安定化剤 (日本薬局方第 14版またはその最新版、 Rem i ng t on's P a rma c eu t i c a l S c i enc e .s, 18 t Ed i t i on, A. R. Genn a r o, e d. , Mac k Pub l i s h i ng Comp any, 1990などを参照) と、 所望の程度の純度を有する組成物とを混合す ることによって、 凍結乾燥されたケーキまたは水溶液の形態で調製され保存され 得る。
本発明の処置方法において使用される組成物の量は、 使用目的、 対象疾患 (種 類、 重篤度など) 、 患者の年齢、 体重、 性別、 既往歴、 細胞の形態または種類な どを考慮して、 当業者が容易に決定することができる。 本発明の処置方法を被検 体 (または患者) に対して施す頻度もまた、 使用目的、 対象疾患 (種類、 重篤度 など) 、 患者の年齢、 体重、 性別、 既往歴、 および治療経過などを考慮して、 当 業者が容易に決定することができる。 頻度としては、 例えば、 毎日一数ケ月に 1 回 (例えば、 1週間に 1回一 1ヶ月に 1回) の投与が挙げられる。 1週間—:!ケ 月に 1回の投与を、 経過を見ながら施すことが好ましい。
本発明が化粧品として使用されるときもまた、 当局の規定する規制を遵守しな がら化粧品を調製することができる。 (農薬)
本発明の組成物は、 農薬の成分としても用いることができる。 農薬組成物とし て処方される場合、 必要に応じて、 農学的に受容可能なキャリア、 賦型剤または 安定化剤などを含み得る。
本発明の組成物が、 農薬として使用される場合は、 除草剤 (ビラゾレートな ど) 、 殺虫 ·殺ダニ剤 (ダイアジノンなど) 、 殺菌剤 (プロべナゾールなど) 、 植物成長調整剤 (例、 パク口ブトラゾールなど) 、 殺線虫剤 (例、 べノミルな
ど) 、 共力剤 (例、 ピぺロニルブトキサイドなど) 、 誘引剤 (例、 オイゲノール など) 、 忌避剤 (例、 クレオソートなど) 、 色素 (例、 食用青色 1号など) 、 肥 料 (例、 尿素など) などもまた必要に応じて混合され得る。
(保健,食品)
本発明はまた、 保健 ·食品分野においても利用することができる。 このような 場合、 上述の経口医薬として用いられる場合の留意点を必要に応じて考慮すべき である。 特に、 特定保健食品のような機能性食品 '健康食品などとして使用され る場合には、 医薬に準じた扱いを行うことが好ましい。
本発明は上記のように、 医療以外にも、 食品検査、 検疫、 医薬品検査、 法医学、 農業、 畜産、 漁業、 林業などで、 生体分子の検査が必要なものに全て適応可能で ある。 本発明においては特に、 食料の安全目的のための (たとえば、 B S E検 查) 使用も企図される。
(好ましい実施形態の説明)
1つの局面において、 本発明は、 新規糖ペプチドまたはその改変体を提供する。 そのような糖ペプチドまたはその改変体は、 以下の式: 一 Λ
!
一 — I y —
(式中、 Glyはグリシンまたはその改変体、 Xは糖鎖またはその改変体、 Yはセ リンもしくはスレオニンまたはその改変体、 Oは該セリンまたは該スレオニンに
由来する酸素原子) で示される構造を有する。 ここで、 Yの左端は R 1 G 1 y の右端は R 2という置換基で修飾することができる。 あるいは、 Yの左端はぺプ チドの N末端、 G l yの右端はペプチドの C末端であり得る。
ある実施形態において、 R 1は、 水素、 アルキル、 置換されたアルキル、 シク 口アルキル、 置換されたシクロアルキル、 アルケニル、 置換されたァルケニル、 シクロアルケニル、 置換されたシクロアルケニル、 アルキニル、 置換されたアル キニル、 アルコキシ、 置換されたアルコキシ、 炭素環基、 置換された炭素環基、 ヘテロ環基、 置換されたへテロ環基、 ハロゲン、 ヒドロキシ、 置換されたヒドロ キシ、 チオール、 置換されたチオール、 シァノ、 ニトロ、 ァミノ、 置換されたァ ミノ、 力ルポキシ、 置換された力ルポキシ、 ァシル、 置換されたァシル、 チォカ ルポキシ、 置換されたチォカルボキシ、 アミド、 置換されたアミド、 置換された カルボニル、 置換されたチォカルボニル、 置換されたスルホニル、 置換されたス ルフィニルおよび上述の 「保護基」 からなる群より選択される。 好ましくは、 R 1は、 水素、 アルキルおよび上述の 「保護基」 からなる群より選択され得る。 よ り好ましくは、 R 1は 水素、 ァセチル基および C 1〜C 6アルキルからなる群 より選択され得る。 さらに好ましくは、 R 1は、 水素である。
ある実施形態において、 R 2は、 水素、 アルキル、 置換されたアルキル、 シク 口アルキル、 置換されたシクロアルキル、 アルケニル、 置換されたァルケニル、 シクロアルケニル、 置換されたシクロアルケニル、 アルキニル、 置換されたアル キニル、 アルコキシ、 置換されたアルコキシ、 炭素環基、 置換された炭素環基、 ヘテロ環基、 置換されたへテロ環基、 ハロゲン、 ヒドロキシ、 置換されたヒドロ キシ、 チオール、 置換されたチオール、 シァノ、 ニトロ、 ァミノ、 置換されたァ ミノ、 カルボキシ、 置換されたカルボキシ、 ァシル、 置換されたァシル、 チォカ ルポキシ、 置換されたチォカルポキシ、 アミド、 置換されたアミド、 置換された 力ルポニル、 置換されたチォカルボニル、 置換されたスルホニル、 置換されたス ルフィニルおよび上述の 「保護基」 からなる群より選択される。 好ましくは、 R
2は、 水素、 アルキルおよび上述の 「保護基」 からなる群より選択され得る。 よ り好ましくは、 R2は、 水素および C 1〜C 6アルキルからなる群より選択され 得る。 さらに好ましくは、 R2は、 水素である。
ここで、 Xとしては、 例えば、 一 (1) 一 i3— D_Xy 1 p、 一 (1) - β— D-Xy 1 p- (1, 4) 一 jS _D - Ga l p、 - (1) 一) 3 - D— Xy l p— (1, 4) - β-Ό-Ga 1 p- (1, 3) 一 jS— D - Ga l p、 一 (1) 一 β -D-Xy 1 ρ- (1, 4) -i8-D-Ga 1 ρ- (1, 3) -β-Ό-G a 1 ρ - (1 , 3) - β -Ό- G 1 c ρ Α, ― (1) _ β— D - Xy 1 - ( 1, 4) -^ -D-Ga 1 - (1, 3) _/3— D - G a l p— (1, 3) -β -D — G l c pA— (1, 4) — j3_D - Ga 1 pNAc、 一 (1) - )3 -D-Xy 1 p - (1, 4) - β -D-G a 1 p - (1, 3) -β -D-G a 1 - (1, 3) -β-D-G 1 c p A- (1, 4) - α-D-G 1 c pNAc (式中、 Xy 1 pは、 キシロビラノース、 Ga 1 pは、 ガラク卜ビラノース、 G l c pAは、 グルクロン酸、 Acは、 ァセチル) などで示される糖鎖またはその改変体を含む が挙げられるがそれらに限定されない。 好ましくは、. Xは、 一 (1) 一 β— D— Xy 1 P- (1, 4) -[3 -D -G il 1 (式中、 X y 1 pは、 キシロビラノー ス、 G a l pは、 ガラクトピラノース) で示される糖鎖またはその改変体を含む。 Xy 1 p (キシロビラノース) を末端に有することが好ましい。 プロテオグリカ ンにおいて通常ペプチドに直接結合する糖鎖として見出されるからである。 その ような糖鎖を合成する方法は、 当該分野において周知であり、 本明細書の記載に 基づいて当業者は適宜本発明に関係する糖鎖を合成することができる。
好ましい実施形態において、 Yは、 セリンもしくはスレオニンまたはその生物 学的適合性を有する改変体である。 より好ましくは、 Yは、 セリンまたはその生 物学的適合性を有する改変体である。 さらに好ましくは、 Yは、 セリンまたはス レオニンであり、 もっとも好ましくは、 セリンである。 プロテオダリカンにおい て通常見出されるのは、 L体のセリンまたはスレオニンであるからである。 その
ようなペプチド鎖を合成する方法は、 当該分野において周知であり、 本明細書の 記載に基づいて当業者は適宜、 有機合成、 生化学的合成、 自動合成、 遺伝子工学 などの手法を用いて本発明に関係するペプチド鎖を調製することができる。 この ような糖ぺプチドは、 プロテオダリ力ンの生体内でのィニシエーターとして使用 することができる。
より好ましくは、 本発明の糖ペプチドのペプチド部分は 4以上のアミノ酸を含 み、 さらに好ましくは、 前記糖ペプチドのペプチド部分は 8以上のアミノ酸を含 む。 4以上のアミノ酸を含むことにより、 重合がスムーズに進むからであり、 8 以上のアミノ酸を含むことにより、 環化が生じ得るからである。 あるいは、 8以 上のアミノ酸を含むことが好ましいのは、 4アミノ酸を含む糖ペプチドをモノマ 一としたときに、 重合体として最低限含まれるァミノ酸数であるからである。 こ のような糖ぺプチドまたはその改変体は、 プロテオダリカンのィ二シェ一夕一と して使用することができることから、 その有用性は、 医療などにおいて重要であ る。 '
1つの好ましい実施形態において本発明の糖べプチドのぺプチド部分は環状べ プチドを形成したものであり得る。 ただし、 環状ペプチドは、 プロテオダリカン のィ二シェ一夕一としては適切でない場合があることから、 別の好ましい実施形 態では、 環状べプチドは除去されることが有利であり得る。
別の好ましい実施形態において、 本発明の糖べプチドのぺプチド部分は、 ァセ チル化されたものである。 ァセチル化されることによつて重合がスムーズに行く ことから、 そのようなァセチル化は有利であるといえる。 ァセチル化の方法は、 当業者に周知であり、 種々の方法を用いて実施することができる;
好ましくは、 そのようなァセチル化は、 ペプチド部分の N末端に存在すること が有利である。 ァセチル化が N末端にあることによつて重合が促進されるからで ある。
別の好ましい実施形態において、 本発明は、
以下の式:
Ser—— Gly—— (式中、 Glyはグリシンまたはその改変体、 Serはセリンまたはその改変体、 Aは
0— Hまたは O— X、 ここで Oは該セリンに由来する酸素原子、 Xは糖鎖または その改変体) に示される構造を有するモノマ一ユニット (i) および Zまたは 以下の式:
Thr一 Gly一
(式中、 (; 1 yはグリシンまたはその改変体、 Th rはスレオニンまたはその改変体、 Aは O— Hまたは O— X、 ここで Oは該スレオニンに由来する酸素原子、 Xは糖 鎖またはその改変体) に示される構造を有するモノマーユニット ( i i) で構成 され、 総アミノ酸残基の数が 4以上である、 糖ペプチドまたはその改変体を提供 する。 ここで、 上記糖ペプチドまたはその改変体を構成する少なくとも 1つのモ ノマーュニッ卜中の Aは、 0— Xである。 本明細書中においては、 「少なくとも 1つの Aが O— Xである」 と記載している。 好ましくは、 総アミノ酸残基の数は、 4〜60、 より好ましくは、 4〜40、 さらに好ましくは、 4〜32、 よりさら に好ましくは、 4〜12、 なおさらにより好ましくは、 8〜12である。 好まし い実施形態では、 上記モノマーユニット (i) とモノマーユニット ( i i) との 総和に対するモノマ一ユニット ( i) の割合は、 0. 1〜0. 9であり得る。 好 ましくは、 上記モノマ一ユニット (i) とモノマーユニット (i i) との総和に 対するモノマーユニット (i) の割合は、 0. 3〜0. 7、 より好ましくは、 0.
4〜0 . 6、 なおさらに好ましくは、 0 . 5付近のランダム共重合した糖べプチ ドまたはその改変体である。 このような糖ペプチドまたはその改変体を提供する 方法は、 当該分野において公知であるか本発明において記載される新規方法を用 いて実施することができる。 このような糖ペプチドまたはその改変体は、 プロテ ォグリカンの生体内でのイニシエータ一として使用することができる。 ここで、 上記糖べプチドまたはその改変体中の N末端に位置する S e rまたは T h rの左 端は R C末端に位置する G 1 yの右端は R 2という置換基で修飾することが できる。 あるいは、 上記糖ペプチドまたはその改変体の N末端に位置する S e r または T h rの左端はペプチドの N末端、 上記糖ペプチドまたはその改変体中の N末端に位置する G 1 yの右端はペプチドの C末端であり得る。
ある実施形態において、 R 1は、 水素、 アルキル、 置換されたアルキル、 シク 口アルキル、 置換されたシクロアルキル、 アルケニル、 置換されたァルケニル、 シクロアルケニル、 置換されたシクロアルケニル、 アルキニル、 置換されだアル キニル、 アルコキシ、 置換されたアルコキシ、 炭素環基、 置換された炭素環基、 ヘテロ環基 置換されたへテロ環基、 ハロゲン、 ヒドロキシ、 置換されたヒドロ キシ、 チオール、 置換されたチオール、 シァノ、 ニトロ、 ァミノ、 置換されたァ ミノ、 カルボキシ、 置換されたカルボキシ、 ァシル、 置換されたァシル、 チ才力 ルポキシ、 置換されたチォカルポキシ、 アミド、 置換されたアミド、 置換された 力ルポニル、 置換されたチォカルボニル、 置換されたスルホニル、 置換されたス ルフィエルおよび上述の 「保護基」 からなる群より選択される。 好ましくは、 R 1は、 水素、 アルキルおよび上述の 「保護基」 からなる群より選択され得る。 よ り好ましくは、 R 1は、 水素、 ァセチル基および C 1〜C 6アルキルからなる群 より選択され得る。 さらに好ましくは、 R 1は、 水素である。
ある実施形態において、 R 2は、 水素、 アルキル、 置換されたアルキル、 シク 口アルキル、 置換されたシクロアルキル、 アルケニル、 置換されたァルケニル、 シクロアルケニル、 置換されたシクロアルケニル、 アルキニル、 置換されたアル
キニル、 アルコキシ、 置換されたアルコキシ、 炭素環基、 置換された炭素環基、 ヘテロ環基、 置換されたへテロ環基、 ハロゲン、 ヒドロキシ、 置換されたヒドロ キシ、 チォ一ル、 置換されたチオール、 シァノ、 ニトロ、 ァミノ、 置換されたァ ミノ、 カルボキシ、 置換された力ルポキシ、 ァシル、 置換されたァシル、 チォカ ルポキシ、 置換されたチォカルポキシ、 アミド、 置換されたアミド、 置換された 力ルポニル、 置換されたチォカルボニル、 置換されたスルホニル、 置換されたス ルフィニルおよび上述の 「保護基」 からなる群より選択される。 好ましくは、 R 2は、 水素、 アルキルおよび上述の 「保護基」 からなる群より選択され得る。 よ り好ましくは、 R 2は、 水素および C 1〜C 6アルキルからなる群より選択され 得る。 さらに好ましくは、 R 2は、 水素である。
別の好ましい実施形態において、 本発明は、
以下の式:
置
— ί γ — 一
(式中、 Glyはグリシンまたはその改変体、 Xは糖鎖またはその改変体、 Yはセ リンもしくはスレオニンまたはその改変体、 Oは該セリンまたは該スレオニンに 由来する酸素原子、 nは 1以上の整数) で表される構造を有する、 糖ペプチドま たはその改変体を提供する。 ここで、 nは、 好ましくは、 1〜 1 5、 より好まし くは、 1〜1 0、 さらにより好ましくは、 1〜8、 なおより好ましくは、 1〜3、 さらになおより好ましくは、 2〜3である。 このような糖ペプチドまたはその改 変体を提供する方法は、 当該分野において公知であるか本発明において記載され る新規方法を用いて実施することができる。 このような糖べプチドまたはその改
変体は、 プロテオグリ力ンの生体内でのイニシエータ一として使用することがで きる。 ここで、 Yの左端は R 1 G 1 yの右端は R 2という置換基で修飾するこ とができる。 あるいは、 Yの左端はペプチドの N末端、 G l yの右端はペプチド の C末端であり得る。
ある実施形態において、 R 1は、 水素、 アルキル、 置換されたアルキル、 シク 口アルキル、 置換されたシクロアルキル、 アルケニル、 置換されたァルケニル、 シクロアルケニル、 置換されたシクロアルケニル、 アルキニル、 置換されたアル キニル、 アルコキシ、 置換されたアルコキシ、 炭素環基、 置換された炭素環基、 ヘテロ環基、 置換されたへテロ環基、 ハロゲン、 ヒドロキシ、 置換されたヒドロ キシ、 チオール、 置換されたチオール、 シァノ、 ニトロ、 ァミノ、 置換されたァ ミノ、 カルボキシ、 置換されたカルボキシ、 ァシル、 置換されたァシル、 チォカ ルポキシ、 置換されたチォカルボキシ、 アミド、 置換されたアミド、 置換された カルボニル、 置換されたチォカルボニル、 置換されたスルホニル、 置換されたス ルフィニルおよび上述の 「保護基」 からなる群より選択される。 好ましくは、 R 1は、 水素、 アルキルおよび上述の 「保護基」 からなる群より選択され得る。 よ り好ましくは、 R 1は. 水素、 ァセチル基および C 1〜C 6アルキルからなる群 より選択され得る。 さらに好ましくは、 R 1は、 水素である。
ある実施形態において、 R 2は、 水素、 アルキル、 置換されたアルキル、 シク 口アルキル、 置換されたシクロアルキル、 アルケニル、 置換されたァルケニル、 シクロアルケニル、 置換されたシクロアルケニル、 アルキニル、 置換されたアル キニル、 アルコキシ、 置換されたアルコキシ、 炭素環基、 置換された炭素環基、 ヘテロ環基、 置換されたへテロ環基、 ハロゲン、 ヒドロキシ、 置換されたヒドロ キシ、 チオール、 置換されたチオール、 シァノ、 ニトロ、 ァミノ、 置換されたァ ミノ、 力ルポキシ、 置換された力ルポキシ、 ァシル、 置換されたァシル、 チォカ ルポキシ、 置換されたチォカルポキシ、 アミド、 置換されたアミド、 置換された カルボニル、 置換されたチォカルポエル、 置換されたスルホニル、 置換されたス
ルフィニルおよび上述の 「保護基」 からなる群より選択される。 好ましくは、 R 2は、 水素、 アルキルおよび上述の 「保護基」 からなる群より選択され得る。 よ り好ましくは、 R 2は、 水素および C 1〜C 6アルキルからなる群より選択され 得る。 さらに好ましくは、 R 2は、 水素である。
好ましい実施形態において、 本発明の糖ペプチドまたはその改変体は、 以下の 式によって表される:
上記式中、 mは 1以上である。 mは、 好ましくは、 1〜 1 5、 より好ましくは、 1 - 1 0 , さらにより好ましくは、 1〜8、 なおより好ましぐは、 1〜3、 なお さらにより好ましくは、 2〜 3である。
本発明はまた、 別の実施形態において、 本発明の糖ペプチドまたはその改変体 の重合体を提供する。 そのような重合体を製造する方法は、 当該分野において周 知であるか本発明において記載される新規方法を用いて実施することができる。 例えば、 そのような重合の方法としては、 脱水縮合などが挙げられるがそれらに 限定されない。
別の局面において、 本発明は、
以下の式: o - x
1一 G I y — Y 2— G I y )
(式中、 Glyはグリシンまたはその改変体、 Xは糖鎖またはその改変体、 Y 1お よび Y 2はそれぞれ独立してセリンもしくはスレオニンまたはその改変体、 Oは 該セリンまたは該スレオニンに由来する酸素原子、 nは 1以上の整数) で表され る構造を有する糖ペプチドまたはその改変体を提供する。 ここで、 nは、 好まし くは、 1〜: 1 5、 より好ましくは、 1〜: L 0、 さらにより好ましくは、 1〜8、 なおより好ましくは、 1〜3、 なおさらにより好ましくは、 2〜3である。 この ような糖ペプチドまたはその改変体を製造する方法は、 当業者に周知であるか本 発明において記載される新規方法を用いて実施することができる。 このような糖 ぺプチドまたはその改変体は、 プロテオダリカンのイニシエータ一として有用で ある。 ここで、 Y 1の左端は R G 1 yの右端は R 2という置換基で修飾するこ とができる。 あるいは、 Yの左端はペプチドの N末端、 G l yの右端はペプチド の C末端であり得る。
ある実施形態において、 R 1は、 水素、 アルキル、 置換されたアルキル、 シク 口アルキル、 置換されたシクロアルキル、 アルケニル、 置換されたァルケニル、 シクロアルケニル、 置換されたシクロアルケニル、 アルキニル、 置換されたアル キニル、 アルコキシ、 置換されたアルコキシ、 炭素環基、 置換された炭素環基、 ヘテロ環基、 置換されたへテロ環基、 ハロゲン、 ヒドロキシ、 置換されたヒドロ
キシ、 チォ一ル、 置換されたチオール、 シァノ、 ニトロ、 ァミノ、'置換されたァ ミノ、 力ルポキシ、 置換されたカルボキシ、 ァシル、 置換されたァシル、 チォカ ルポキシ、 置換されたチォカルボキシ、 アミド、 置換されたアミド、 置換された カルボニル、 置換されたチォカルボニル、 置換されたスルホニル、 置換されたス ルフィニルおよび上述の 「保護基」 からなる群より選択される。 好ましくは、 R 1は、 水素、 アルキルおよび上述の 「保護基」 からなる群より選択され得る。 よ り好ましくは、 R 1は、 水素、 ァセチル基および C 1〜C 6アルキルからなる群 より選択され得る。 さらに好ましくは、 R 1は、 水素である。
ある実施形態において、 R 2は、 水素、 アルキル、 置換されたアルキル、 シク 口アルキル、 置換されたシクロアルキル、 アルケニル、 置換されたァルケニル、 シクロアルケニル、 置換されたシクロアルケニル、 アルキニル、 置換されたアル キニル、 アルコキシ、 置換されたアルコキシ、 炭素環基、 置換された炭素環基、 ヘテロ環基、 置換されたへテロ環基、 ハロゲン、 ヒドロキシ、 置換されたヒドロ キシ、 チオール、 置換されたチオール、 シァノ、 ニトロ、 ァミノ、 置換されたァ ミノ、 カルボキシ、 置換されたカルボキシ、 ァシル、 置換されたァシル、 チォカ ルポキシ、 置換されたチォカルボキシ、 アミド、 置換されたアミド、 置換された カルボニル、 置換されたチォカルボニル、 置換されたスルホニル、 置換されたス ルフィニルおよび上述の 「保護基」 からなる群より選択される。 R 2は、 水素、 アルキルおよび上述の 「保護基」 からなる群より選択され得る。 より好ましくは、 R 2は、 水素および C 1〜C 6アルキルからなる群より選択され得る。 さらに好 ましくは、 R 2は、 水素である。
別の局面において、 本発明は、 プロテオダリカンイニシエータ一として使用す るための組成物であって、 糖ペプチドまたはその改変体を含む、 組成物を提供す る。 このような組成物を調製する方法は、 当該分野において公知であり、 本発明 の糖ペプチドまたはその改変体を、 適切な溶媒に溶解し、 必要に応じて添加物を 加えることによって達成される。
好ましい実施形態において、 本発明の組成物は、
以下の式:
o - x
一 Y— G I y -
(式中、 Glyはグリシンまたはその改変体、 Xは糖鎖またはその改変体、 Yはセ リンもしくはスレオニンまたはその改変体、 Oは該セリンまたは該スレオニンに 由来する酸素原子) で表される構造を有する糖ペプチドまたはその改変体; 以下の式:
Ser—— Gly
(式中、 Glyはグリシンまたはその改変体、 Serはセリンまたはその改変体、 Aは O— Hまたは 0— X、 ここで Oは該セリンに由来する酸素原子、 Xは糖鎖または その改変体) に示される構造を有するモノマ一ユニット (i ) および Zまたは 以下の式:
Thr—— Gly
(式中、 Glyはグリシンまたはその改変体、 Thrはスレオニンまたはその改変体、 Aは〇— Hまたは 0— X、 ここで Oは該スレオニンに由来する酸素原子、 Xは糖 鎖またはその改変体) に示される構造を有するモノマーユニット (i i ) で構成 され、 総アミノ酸残基の数が 4以上であり、 但し少なくとも 1つの Aが O— Xで ある、 糖ペプチドまたはその改変体;
以下の式:
(式中 Glyはグリシンまたはその改変体、 Xは糖鎖またはその改変体 Yはセ リンもしくはスレオニンまたはその改変体、 Oは該セリンまたは該スレオニンに 由来する酸素原子、 nは 1以上の整数 (nは、 好ましくは、 1〜: 1 5、 より好ま しくは、 1〜: 1 0、 さらにより好ましくは、 1〜8、 なおより好ましくは、 1〜 3、 さらになおより好ましくは、 2〜3である) ) で表される構造を有する糖べ プチドまたはその改変体;および
― ( Υ 1一 G I y— Y2— G I y ) n―
(式中、 Glyはグリシンまたはその改変体、 Xは糖鎖またはその改変体、 Y1お よび Y 2はそれぞれ独立してセリンもしくはスレオニンまたはその改変体、 Oは 該セリンまたは該スレオニンに由来する酸素原子、 nは 1以上の整数 (nは、 好 ましくは、 1〜1 5、 より好ましくは、 1〜1 0、 さらにより好ましくは、 1〜 8、 なおより好ましくは、 1〜3、 なおさらにより好ましくは、 2〜 3であ る) ) で表される構造を有する糖ペプチドまたはその改変体、
からなる群から選択される少なくとも 1つの糖ペプチドまたはその改変体を含む。 上記糖ペプチドまたはその改変体は、 本明細書において別の場所においてより詳 細に記載されており、 上述の発明においてそのような記載および好ましい実施形 態が適用され得る。
好ましくは、 本発明の組成物において、 Xは、 一 (1) _i3— D— Xy l p、 一 ( 1) - β-Ό-Xy 1 p - (1, 4) 一) 8 - D - G a l p、 一 (1) — β— D-Xy 1 p - (1, 4) - β -Ό-G a 1 p - (1, 3) - β -D-G a 1 p, 一 (1) 一 i3 _D - Xy l p— (1, 4) — /3 - D - G a l p— (1, 3) 一 β — D - G a l p - (1, 3) _3 - D - G l c pA、 — (1) -β-D-Xy 1 p - ( 1 , 4) - β -D-G a 1 p - ( 1, 3) 一) 3—D - G a l p - (1, 3) - β -Ό- G I c p A- ( 1 , 4) _ jS— D— G a 1 p N A cおよび一 ( 1) -β-Ό-Xy 1 p- (1, 4) 一 jS - D— G a l p - (1, 3) 一 β— D-Ga 1 p- (1, 3) - β-Ό-G 1 c p A- (1, 4) - α-D-G 1 c
pNAc (式中、 Xy l pは、 キシロピラノース、 Ga l pは、 ガラクトピラノ ース、 G l c pAは、 グルクロン酸、 Acは、 ァセチル) からなる群より選択さ れる構造で示される糖鎖またはその改変体を含む。 このような配列を有すること によって、 プロテオダリカンのイニシエータ一としての作用が強くなり、 生体適 合性も増す。
より好ましくは、 本発明の組成物において、 Xは、 一 (1) 一 jS_D— Xy l p— (1, 4) -β-Ό-Ga 1 p (式中、 Xy l pは、 キシロピラノ一ス、 G a 1 pは、 ガラクトピラノース) で示される糖鎖またはその改変体を含む。 この ような配列を有することによって、 プロテオダリカンィニシェ一夕一を簡便なコ 7として提供することができ、 プロテオダリカンのイニシエータ一としての作用 が強くなり、 生体適合性も増す。
好ましい実施形態において、 本発明の組成物における Yは、 セリンもしくはス レオニンまたはその生物学的適合性を有する改変体である。 このような配列を有 することによって、 プロテオダリカンのイニシエータ一としての作用が強くなり、 生体適合性も増す。
より好ましくは、 Yは、 セリンまたはその生物学的適合性を有する改変体であ る。 さらに好ましくは、 Yは、 セリンまたはスレオニンであり、 もっとも好まし くは、 Yは、 セリンである。 このような配列を有することにより、 プロテオダリ 力ンのイニシエータ一としての作用が強くなり、 生体適合性も増す。
別の局面において、 本発明は、 糖ペプチドまたはその改変体を含む、 プロテオ グリ力ンの異常レベルに関連する状態、 障害または疾患の予防、 処置または予後 のための医薬組成物を提供する。
好ましい実施形態において、 本発明の医薬組成物は、 以下の式:
o - x
一 Y— G I y -
(式中、 Glyはダリシンまたはその改変体、 Xは糖鎖またはその改変体、 Yはセ リンもしくはスレオニンまたはその改変体、 Oは該セリンまたは該スレオニンに 由来する酸素原子) で表される構造を有する糖ペプチドまたはその改変体; 以下の式:
Ser—— Gly (式中、 Glyはグリシンまたはその改変体、 Serはセリンまたはその改変体、 Aは
O— Hまたは 0 _ X、 ここで Oは該セリンに由来する酸素原子、 Xは糖鎖または その改変体) に示される構造を有するモノマ一ユニット ( i ) および/または 以下の式:
(式中、 Glyはグリシンまたはその改変体、 Thrはスレオニンまたはその改変体、 Aは 0— Hまたは〇_ X、 ここで 0は該スレオニンに由来する酸素原子、 Xは糖 鎖またはその改変体) に示される構造を有するモノマ一ユニット (i i ) で構成
され、 総アミノ酸残基の数が 4以上であり、 伹し少なくとも 1つの Aが O— で ある、 糖ペプチドまたはその改変体;
以下の式: o-x
― (Y— G I y) rt—
(式中、 G はグリシンまたはその改変体、 Xは糖鎖またはその改変体、 Yはセ リンもしくはスレオニンまたはその改変体、 Oは該セリンまたは該スレオニンに 由来する酸素原子、 nは 1以上の整数 (nは、 好ましくは、 1〜15、 より好ま しくは、 1〜10、 さらにより好ましくは、 1〜8、 なおより好ましくは、 1〜
3、 なおさらにより好ましくは、 2〜3である) ) で表される構造を有する糖べ プチドまたはその改変体;
および
以下の式:
O— X
― (Y1— G I y— Y2— G I y ) n—
(式中、 Glyはグリシンまたはその改変体、 Xは糖鎖またはその改変体、 Y1お よび Y 2はそれぞれ独立してセリンもしくはスレオニンまたはその改変体、 0は 該セリンまたは該スレオニンに由来する酸素原子、 nは 1以上の整数 (nは、 好 ましくは、 1〜15、 より好ましくは、 1〜: L 0、 さらにより好ましくは、 1〜 8、 なおより好ましくは、 1〜3、 なおさらにより好ましくは、 2〜3であ る) ) で表される構造を有する糖ペプチドまたはその改変体、
からなる群から選択される、 少なくとも 1つの糖ペプチドまたはその改変体を含 有する。 上記糖ペプチドもしくはその改変体は、 本明細書において別の場所にお いてより詳細に記載されており、 上述の発明においてそのような記載および好ま しい実施形態が適用され得る。
好ましい実施形態において、 プロテオダリカンの異常レベルに関連する状態、 障害または疾患は、 慢性関節リウマチ、 変形性関節炎、 軟骨破壊、 骨粗鬆症、 糸 球体ネフローゼ、 皮膚の脆弱化、 扁平角膜、 コラーゲン繊維の構造異常, 皮膚の 脆弱化、 角膜不透明化、 X連鎖性先天性定常夜盲症、 軟骨基質欠損、 屈指一関節 症一内反股一心膜炎症候群、 卵丘,卵母細胞複合体のマトリックス欠損 不妊、 Dy s s e gme n t a 1 Dy s p l a s i a, 骨格異常、 神経筋シナプス形 成の異常、 S c hwa r t z— J amp e 1症, S i 1 v e r ma n— Hand ma k e r型、 Wi n g l e s s様表現型、 S imp s on— Go 1 a b 卜 B e hme 1症および骨格異常からなる群より選択される状態、 障害または疾患を 包含する。 より好ましくは、 そのような状態、 障害または疾患は、 関節疾患 (例 えば、 慢性関節リウマチ、 変形性関節炎) であり得る。
本発明の医薬組成物はまた、 さらに他の薬剤を含む。 そのような薬剤としては、 例えば、 抗炎症剤、 鎮痛剤、 ビタミンなどが含まれるがそれらに限定されない。 別の局面において、 本発明は、 プロテオダリカンを必要とする状態、 障害また は疾患の治療のための方法を提供する。 このような方法は、 (a) 被検体の状態、 障害または疾患を同定する工程; (b) 同定された該被検体の状態、 障害または
疾患から、 必要とされるプロテオダリカンを決定する工程; (C ) 該プロテオグ リカンを生体内で増加させるためのイニシエータ一として使用される糖ペプチド またはその改変体を提供する工程; (d ) 該糖ペプチドまたはその改変体を該被 検体に投与する工程、 を包含する。 上記方法は、 ティラーメイド治療であり得る。 プロテオグリカンのイニシエータ一として適切なものの選択は、 当該分野におい て公知の情報を適用することによって行うことができる。 本発明は、 そのような 情報に基づいて、 簡便に効率よくプロテオダリカンのイニシエータ一を合成する ことから、 有用性を有する。
好ましい実施形態において、 上記糖べプチドまたはその改変体は、
!
一 Y— G I V —
(式中、 Gl yはグリシンまたはその改変体、 Xは糖鎖またはその改変体、 Yはセ リンもしくはスレオニンまたはその改変体、 Oは該セリンまたは該スレオニンに 由来する酸素原子) で表される構造を有する糖ペプチドまたはその改変体; 以下の式:
Ser Gly
(式中、 Glyはグリシンまたはその改変体、 Serはセリンまたはその改変体、 Aは O— Hまたは 0— X、 ここで 0は該セリンに由来する酸素原子、 Xは糖鎖または その改変体) に示される構造を有するモノマ一ユニット (i ) および Zまたは 以下の式:
T r—— Gly——
(式中、 Glyはダリシンまたはその改変体、 Thrはスレオニンまたはその改変体、 Aは 0— Hまたは 0— X、 ここで〇は該スレオニンに由来する酸素原子、 Xは糖 鎖またはその改変体) に示される構造を有するモノマ一ュニッ卜 ( i i ) で構成 され、 総ァミノ酸残基の数が 4以上であり、 但し少なくとも 1つの Aが O— Xで ある、 糖ペプチドまたはその改変体;
以下の式:
0— X
― ( Y— G I y ) rt—
(式中、 Glyはグリシンまたはその改変体、 Xは糖鎖またはその改変体、 Yはセ リンもしくはスレオニンまたはその改変体、 Oは該セリンまたは該スレオニンに 由来する酸素原子、 nは 1以上の整数 (nは、 好ましくは、 1〜: L 5、 より好ま
しくは、 1〜1 0、 さらにより好ましくは、 1〜8、 なおより好ましくは、 1〜 3、 なおさらにより好ましくは、 2〜3である) ) で表される構造を有する糖べ プチドまたはその改変体;
および
以下の式:
O— X
― ( Y 1— G I y— Y 2—G I y ) n—
(式中、 G l yはダリシンまたはその改変体、 Xは糖鎖またはその改変体、 Y 1お よび Y 2はそれぞれ独立してセリンもしくはスレオニンまたはその改変体、 oは 該セリンまたは該スレオニンに由来する酸素原子、 nは 1以上の整数 (好ましく は、 1〜1 5、 より好ましくは、 1〜1 0、 さらにより好ましくは、 1〜8、 な おより好ましくは、 1〜3、 なおさらにより好ましくは、 2〜3 ) ) で表される 構造を有する糖ぺプチドまたはその改変体、
からなる群から選択される少なくとも 1つの糖ペプチドまたはその改変体、 を含 む。 上記糖べプチドまたはその改変体は、 本明細書において別の場所においてよ り詳細に記載されており、 上述の発明においてそのような記載および好ましい実 施形態が適用され得る。
好ましい実施形態において、 上記の治療では、 プロテオダリカンを必要とする 状態、 障害または疾患は、 慢性関節リウマチ、 変形性関節炎、 軟骨破壌、 骨粗鬆 症、 糸球体ネフローゼ、 皮膚の脆弱化、 扁平角膜、 コラーゲン繊維の構造異常, 皮膚の脆弱化、 角膜不透明化、 X連鎖性先天性定常夜盲症、 軟骨基質欠損、 屈指
一関節症—内反股一心膜炎症候群、 卵丘 ·卵母細胞複合体のマ卜リックス欠損、 不妊、 Dy s s e gmen t a l Dy s p l a s i a、 骨格異常、 神経筋シナ プス形成の異常、 S c hwa r t z— J amp e l症, S i l ve rman— H andma k e r型、 Wi ng l e s s様表現型、 S imp s on-Go l ab i一 Be hme 1症および骨格異常からなる群より選択される状態、 障害または 疾患を包含する。 好ましくは、 そのような疾患は、 関節疾患 (例えば、 慢性関節 リウマチ、 変形性関節炎) である。
別の局面において、 本発明は、 キシロース残基がペプチドに結合した糖べプチ ドまたはその改変体の製造方法を提供する。 そのような製造方法は、 (a) ダル コ一ス残基を含む糖鎖またはその改変体を提供し、 該グルコース残基を残基内 1 ' 6脱水縮合させて、 1, 6無水糖鎖を生成する工程; (b) セリンおよび Zまた はスレオニンを含むペプチドまたはその改変体を提供する工程;および (c) 該 1, 6無水糖鎖と該ぺプチドまたはその改変体とを脱炭素化および力ップリング 反応させて、 キシロース残基が該セリンおよび/またはスレオニンに結合された 糖ペプチドまたはその改変体を生成する工程、 を包含する。 ここで、 残基内 1, 6脱水縮合は、 当該分野において公知の方法を用いて行うことができ、 以下に示 すような実施例などに基づいて行うことができる。 好ましくは、 工程 (a) は、 前記 1, 6無水糖鎖を保護することを包含する。 そのような保護基としては、 例 えば、 Bo c, ベンジル基、 ァセチル基などが举げられるがそれらに限定されな い。 セリンおよび/またはスレオニンを含むペプチドまたはその改変体は、 生物 学的方法または有機合成による方法の ^ずれによっても提供することができる。 好ましくは、 自動合成を用いることが有利であり得る。 脱炭素化およびカツプリ ングもまた、 当該分野において公知の方法を用いて行うことができ、 以下に示す ような実施例などに基づいて行うことができる。 好ましくは、 工程 (c) は、 脱 保護することを包含する。 脱保護は、 水素添加によって行うことができる。
好ましい実施形態において、 本発明の製造方法は、 さらに、 (d) 前記糖ぺプ
チドまたはその改変体を重合して糖べプチド重合体を生成する工程、 を包含する。 重合体を製造する際は、 重合することが必要であるからである。 重合の方法は、 当該分野において公知の方法を用いて行うことができ、 以下に示すような実施例 などに基づいて行うことができる。
好ましい実施形態において、 本発明の製造方法では、 さらに、 (e ) 前記糖べ プチド重合体を分離する工程、 を包含する。 分離は、 例えば、 クロマトグラフィ 一などの分離手法を用いて行うことができる。 分離工程は、 環化糖ペプチドと直 鎖糖べプチドとを分離することが意図される際には行うことが好ましい。
別の好ましい実施形態において、 本発明の製造方法は、 さらに、 ( f ) 前記糖 ペプチドまたはその改変体を環化する工程、 を包含する。 環化は、 通常の重合条 件下でも生じ、 当該分野において公知の方法を用いて行うことができ、 以下に示 すような実施例などに基づいて行うことができる。
好ましい実施形態において、 本発明の製造方法において用いられる 1, 6無水 糖鎖は、 1, 6無水ラクト一スを含む。 ラクト一スは、 単糖としてグルコースを 含んでおり、 このグルコースが脱炭素およびカップリングすることによってキシ ロースに変換することから、 新たな糖べプチドの合成のツールとして使用するこ とができる。
別の好ましい実施形態において、 本発明の製造方法で用いられるセリンおよび /またはスレオニンを含むペプチドまたはその改変体は、 - Y - G 1 y—という 配列を有し、 ここで Yはセリンもしくはスレオニンまたはその改変体である。 セ リンおよびスレオニンは、 その側鎖に水酸基を有しており、 この水酸基を介して 糖鎖と結合することができる。
別の好ましい実施形態において、 本発明の製造方法で用いられるセリンおよび /またはスレオニンを含むペプチドまたはその改変体は、 — S e r— G l y— S e r— G l y—を含む。 このような 4量体をとることにより、 重合が効率的に行 われることから好ましい実施形態といえる。
別の好ましい実施形態において、 本発明の製造方法の工程 (C ) の前に、 本発 明の製造方法で用いられる一 S e r— G l y— S e r— G l y—のうち、 N末端 側のセリンを保護することを包含することが有利であり得る。 このことにより、 3つ目のセリンのみを糖鎖結合させることができるからである。
別の実施形態において、 本発明の製造方法で用いられるセリンおよび/または スレオニンを含むぺプチドまたはその改変体は、 ァセチル化されることが有利で あり得る。 ァセチル化により、 重合が効率よく行うことができるからである。 本発明はまた、 別の局面において、 1 , 6無水グルコース残基を含む、 糖鎖化 合物またはその改変体を提供する。 好ましくは、 この糖鎖化合物は、 1, 6無水 ラクト一スまたはその改変体である。 より好ましくは、 この糖鎖化合物は、 1, 6無水ラクト一スである。
別の局面において、 本発明は、 糖鎖合成において糖鎖部分提供のために使用さ れる組成物であって、 1 , 6無水グルコース残基を含む、 糖鎖化合物またはその 改変体を含む、 組成物を提供する。 好ましくは、 この 1, 6無水グルコース残基 は、 1 , 6無水グルコースまたはその改変体を含む。 このような糖鎖化合物は、 キシロース含有糖べプチドを効率よく合成するための中間体として有用である。 このような糖鎖化合物は、 当該分野において周知の技術により合成することがで さる。
以上、 本発明を、 理解の容易のために好ましい実施形態を示して説明してきた。 以下に、 実施例に基づいて本発明を説明するが、 上述の説明および以下の実施例 は、 例示の目的のみに提供され、 本発明を限定する目的で提供したのではない。 従って、 本発明の範囲は、 本明細書に具体的に記載された実施形態にも実施例に も限定されず、 特許請求の範囲によってのみ限定されることが理解されるべきで ある。
(実施例)
以下に本実施例において行った実験の詳細を記載する。
(一般的方法)
(反応のモニタリング)
反応は MERCKのシリカゲルガラスプレート (60F 254) を用いて TLC でモニターした。 糖鎖を含む化合物についてはァニスアルデヒドと硫酸のメ夕ノ —ル溶液によって、 またペプチドおよびアミノ基を含む化合物については和光純 薬のニンヒドリンスプレーによってホッ卜プレートで加熱し発色させた。 フラッ シュカラムクロマトグラフィーには関東化学のシリカゲル 6 ON (球状、 中性、 40 - 50 ^m) を用いた。 NMRの測定は J EOLの J MN— 1 amb d a一 400 FT-NMR s e c t r ome t e r ( 1 H : 40 OMH z) 、 B RUKERの AVANCE 600 ひ H : 600MHz) 、 同じく BRUKE Rの A VANCE 500 ( 1 H : 500MHz) を使用した。 MALD 1一 T OF— MSは BRUKERの REFLEX I I Iを使用して測定した。 また F AB— MSは機器分析セン夕一に依頼し J E〇L JMS— HX 1 10 ma s s s p e c t r ome t e rを使用し NBA (m—二卜口べンジルァリレコー ル) をマトリックスとして測定した。
(合成実施例)
(O - (2, 3, 4, 6—テトラー 0—ァセチル _|3— D—ガラクトピラノシ ル) - (1→4) 一 2, 3, 6—トリー O—ァセチル一ひ一 D—ダルコピラノシ ルブロミド (2) )
—D—ガラクトピラノシルー (1—4) —D—ダルコピラノース 1 (80 g 0. 222mo 1 ) を無水酢酸 (480ml ) に溶かし、 氷で冷やしながら 3 0 %HB r酢酸溶液 (720ml) を 3回に分けてゆっくりと加えた。 冷やした まま遮光した状態で 21時間撹拌した。 次に遮光したまま減圧濃縮してトルエン
で 4回共沸した後、 E t OH、 CHC 13、 ジェチルェ一テル中にて結晶化させ 濾取し、 2 (90 g, 58%) を得た。
2 : ^-NMR (500MHz, CDC 13, δ) : 6. 53 (d, 1H, J 1; 2 = 4. 0Hz, H一 1) , 5. 56 ( t , 1 H, J 3, 4=9. 7Hz, H — 3) , 5. 36 (d, 1 H, Η_4') , 5. 1 3 (d d, 1 H, J i 2.= 7. 9Hz, J 2,, 3,= 1 0· 4Hz, H-2') , 4. 97 (d d, 1 H, J 3', 4'= 3. 5Hz, H - 3') , 4. 77 (d d, 1 H, H- 2) , 4. 5 1 (m, 2 ト I, H— 1 ', H - 6 a) , 4. 23— 4. 14 (m, 3 H, H— 5, H— 6 , H - 6'a) , 4. 09 (d d, 1 H, J 5,, 6,b=7. 3Hz, J 6,a, 6,b= l l. 1 Hz, H- 6'b) , 3. 9 1— 3. 85 (m, 2 H, H - 5,, H - 4) , 2. 1 7, 2. 14, 2. 1 0, 2. 08, 2. 07, 2. 06, 1. 97 ( s x 7, 2 1 H, CH3 CO ' 7) ; t . 1. c . : R f = 0. 48 (へキサ ン: E t OA c = 1 : 2) (ペンタクロロフェニル 0- (2, 3, 4, 6ーテトラ— O—ァセチルー β 一 D—ガラク卜ピラノシル) 一 (1— 4) -2, 3, 6—トリー Ο—ァセチルー i3— D—ダルコピラノシド (3) )
2 (60 g, 0. 086mo 1 ) をアセトン (400m l ) に溶かしペンタク ロロフエノキシドナトリウム (PCPONa : 1. 2 e q, 33. 1 g) を加え オイルパス中にて 40°Cで撹拌し、 その後 60°Cに温度を上げ 18. 5時間撹拌 した。 減圧濃縮した後、 CH2C 12で抽出し、 水で十分に洗浄して、 MgS04 で乾燥させた。 セライト濾過にて MgS04を取り除き、 濃縮した後、 次の反応 に進んだ。
3 : t. 1. c. : R f = 0. 55 (トルエン: E t OAc = l : 2)
(0— (2, 3, 4, 6—テトラー 0—ァセチルー j6— D—ガラクトピラノシ
ル) - (1→4) -2, 3—ジ一 O—ァセチルー 1, 6—アンヒドロー j3— D— ダルコピラノース (4) )
精製していない 3のシロップに 5 N KOH (400ml) を加えオイルバス 中で熱をかけ 18時間撹拌した。 (45°C : 45分 → 50°C : 15分 → 60°C: 60分 → 80°C: 80分 → 100 °C:終了まで) その後、 氷水 で冷やしながら 9 N H2S〇4で中和し、 生成した塩を乾燥させないようにセ ライト濾過により取り除いた。 さらに pHを見ながら NaHC〇3を加えていき 完全に中和した。 次に濃縮し、 さらに E t〇Hで 2回、 トルエンで 3回共沸させ た。 その後、 残留物をピリジン (150ml) に溶かし無水酢酸 (150ml) を加え、 0°Cに冷やしながら 22時間撹拌した。 次に水で洗った後濃縮しトルェ ンで共沸した。 氷水を加え分液漏斗に移し CHC 13で抽出し、 その後氷を加え ながら 1N ト I2 S〇4、 水、 飽和 N aHC〇3水溶液、 ブラインで洗った。 Mg S04で乾燥させた後、 セライト濾過で MgS〇4を取り除き、 濃縮した後結晶 化させ、 濾取し 4の結晶 (14. 4 g) を得た。 濾液をフラッシュカラムクロマ トグラフィ一により精製し 4のシロップ (c a. 4 g) を得た。 (18. 4 g, 37%, 3工程超)
4 : ^-NMR (600MHz, CDC ", δ) : 5. 44 (s, 1 H, H - 1 ) , 5. 37 (d, 1 H, J 3,, 4,= 3. 4Hz, H - 4') , 5. 26 (d d, 1 H, J 2., 3'= 10. 4Hz, H - 2 ') , 5. 14 (s, 1 H, H— 3 ) , 5. 02 (d d, 1 H, H— 3,) , 4. 79 (d, 1 H, J 2·= 8.
1 Hz, H― 1 ') , 4. 5 (d, 1 H, H— 5) , 4. 54 (s, 1 H, I -2) , 4. 14 (d d, 1H, H— 6'a) , 4. 04 (d d, 1 H, H— 6' b) , 3. 97 (m, 2H, H— 5,, H- 6 a) , 3. 79 ( t , 1 H, H - 6 b) , 3. 54 (s, 1 H, H— 4) , 2. 12, 2. 12, 2. 10, 2. 03, 2. 01, 1. 96 (s x 6, 18H, CH3CO ' 6) ; t. 1. c. : R f = 0. 25 (トルエン: E t OAc = l : 2) , R f = 0. 78 (ク
ロロホルム: E t〇Ac :メタノール =5 : 4 : 1)
(0— (2, 3, 4, 6—テトラ一 O—ベンジル一 ]3— D—ガラクトピラノシ ル) - ( 1→4) ー 1, 6—アンヒドロ一 2, 3—ジ一 O—ベンジルー j8—D— ダルコビラノース (5) )
4 (8 g, 13. 88mmo 1 ) を Me OH: THF = 1 : 1の溶媒 (500 ml) に溶かし触媒量の NaOMe (0. 3 e q, 225mg) を加え室温で 1 時間撹拌した。 DOWEX 50Wx8を、 p Hを監視しながらくわえていき中 和した。 濾過、 減圧濃縮の後トルエンで共沸した。 残留物を DMF (120m 1 ) に溶かし、 氷 ·食塩 · Me OHを使って一 20°Cに冷やした状態で N aH (1. 5 e qx6, 5. 0 g) を加えた。 十分に撹拌した後 B n B r (2. 0 e qx6, 19. 8m l) をゆつくりと加え、 徐々に室温になるように 17時間撹 拌した。 その後 M eOHを加え完全に濃縮した後 C H C 13で抽出しプライン、 水で洗った。 MgS04で乾燥させた後、 セライト濾過で MgS04を取り除き、 濃縮しフラッシュカラムクロマトグラフィー (へキサン: E t OA c = 10 : 0 から 2 : 1まで徐々に) により精製し 5のシロップ (6. 0 g, 50%, 2工程 経由) を得た。
5 : 1 H - N M R ( 500 MH z, CDC 13 , δ) : 7. 38 - 7. 2 1 (m, 3 OH, a r oma t i c) , 5. 48 (s, 1 H, H_ 1) , 5. 05 - 4. 96 (m, 2 H, Ph_CH2_〇) , 4. 80-4. 71 (m, 3 H, P h - CH2 - O) , 4, 63 -4. 50 (m, 6H, H - 5 , P h - C H 2 - 0, H_ l,, J : 2.= 7. 6 H z ) , 4. 44-4. 36 (m, 3 H, Ph - CH2 -〇) , 3. 94 - 3. 87 (m, 4H, H- 6 a, H - 2,, H— 5,, H- 3) , 3. 79 (s, 1H, H - 4) , 3. 67 (t, 1 H, H - 6 b) , 3. 55 - 3. 45 (m, 4 H, H_ 6'a, H_3,, H - 4', H— 6'b) , 3. 34 (s, 1 H, H- 2) ; t. 1. c. : R f = 0. 66 (トルエン: E
OAc-2 : 1) , R f = 0. 45 (へキサン: E t〇Ac = 2 : 1)
(フエニル O— (2, 3, 4, 6—テトラ一 O—べンジルー 一 D—ガラクト ピラノシル) 一 (1→4) 一 2, 3—ジー〇—ベンジルー 1—チォ—D—ダルコ ピラノシド (6) )
5のシロップ (4. 6 g, 5. 32mmo 1 ) を CH2C 12 (45m 1 ) に溶 かしフエ二ルチオ (トリメチル) シラン (PhSTMS) (6. O e q. , 6.
23m l ) を加え 0°Cで撹拌し窒素置換した。 次に TMSOT f (卜リメチルシ リルトリフレ一卜) (2. O e q. , 1. 93m l ) を加え窒素下で 45. 5時 間撹拌した。 CHC 13で抽出し飽和 C a C03水溶液、 ブライン、 水で洗った。 Mg S〇4で乾燥させた後、 セライト瀘過で MgS〇4を取り除き、 濃縮した。 ここに Me OH: T H F = 1 : 1の溶媒 ( 1 50m l ) を加えて溶かし、 K2C 〇3を加え室温で 1時間撹拌した。 次に E t OAcで希釈しブラインと水で洗い、 Mg S 04で乾燥させた後、 セライト濾過で Mg S 04を取り除き、'濃縮した。 フラッシュカラムクロマトグラフィー (へキサン: E t OAc = 3 : 1から 2 : 1) により精製し 6のシロップ (3. 2 g, 62 %) を得た。 (a : i6>20 : 1)
6 : 1 H - N M R ( 5 0 0 MH z , CDC 1 3 , δ) : 7. 45 - 7. 1 5 (m, 35 H, a r oma t i c) , 5. 52 (d, 1H, H— 1, J 2 = 4. 7 Hz) , 5. 0 1 -4. 97 (m, 2 H, P h— CH2— 0) , 4. 89— 4. 5 5 (m, 8 H, Ph-CH2-0) , 4. 5 1 (d, 1 H, H— 1 ', J 2, =7. 7Hz) , 4. 34-4. 2 1 (m, 2 H, Ph_CH2_0) , 4. 1
3 (d, 1H, H - 5) , 3. 9 3 (d, 1 H, H_4,, J 3,, 4'=2. OH z ) , 3. 86 - 3. 7 5 (m, 5 H, H - 2,, H- 6 a, H - 4, H- 3, H- 2) , 3. 63 - 3. 47 (m, 4H, H— 6 b, H— 6'a, H— 3,, H — 5,) , 3. 35 (d d, 1H, H- 6'b) ; t . 1. c. : R f = 0. 57
(トルエン: E t OAc = 2 : 1)
(フエニル O— (2, 3, 4, 6—テトラー O—べンジル一j3— D—ガラク トピラノシル) 一 (1→4) -2, 3—ジ— O—ベンジルー 1一チォ一 6—〇一 p—トルエンスルホニル—ひ一 D—ダルコビラノシド (7) )
6のシロップ (4. 42 g, 4. 53mmo 1 ) をピリジン (95m 1 ) に溶 かし氷 · N a C 1 · Me OHを使って— 20 °Cに冷やした状態で p—トルエンス ルホニルクロリド (5 e q. , 4. 32 g) をゆっくりと加え 21時間撹拌した。 真空ポンプを使い完全に減圧濃縮した後 CHC 13で抽出し I N HC 1水溶液、 飽和 NaHC03水溶液、 ブライン、 水で洗い M g S〇4で乾燥させた後、 セラ イト濾過で Mg S04を取り除き、 濃縮し 7のシロップ (5. 08 g) を得た。 そのまま次の反応に進んだ。
7 : 1 H— N M R ( 5 0 0 MH z , CD C 1 3, δ) : 7. 60— 7. 1 1
(m, 4 OH, a r oma t i c) , 5. 35 (d, 1H, H— 1) , 4. 97 一 4. 55 (m, 1 OH, Ph_CH2—〇) , 4. 39 (d d, 1H, H - 6' a) , 4. 36 -4. 25 (m, 3 H, H— 1 ', P h - CH2 - O) , 4. 1 5
(m, 1H, H - 5 ) , 3. 96 (d d, 1 H, H - 6 b) , 3. 93 (d, 1 H, H— 4,) , 3. 77 - 3. 65 (m, 4H, H— 2,, H— 4, H - 3, H - 2) , 3. 54 ( t , 1 H, H - 6 ' a ) , 3. 44 (d d, 1 H, H - 3,) , 3. 40 (d d, 1 H, H_ 5,) , 3. 34 (cl d , 1 H, H - 6, b ) ; t .
1. c . : R f = 0. 70 (へキサン: E t〇Ac = 2 : 1)
' (フエ二ル〇_ (2, 3, 4, 6—テトラー O—ベンジルー j6—D—ガラクト ピラノシル) 一 (1→4) -2, 3—ジ—0—ベンジルー 6—デォキシ— 6—ョ 一ドー 1 _チォー α— D—ダルコビラノシド (8) )
精製していない 7のシロップを 2—ブタノン (39ml) に溶かし Na l (3
e q. , 2. 0 g) を加え窒素中、 8 5°C (還流) で 7時間撹拌した。 セライト 濾過、 減圧濃縮した後 CHC 1 3で抽出し 1 0 %N a 2S2O3水溶液と水で洗い、 Mg S04で乾燥させた後、 セライト濾過で Mg S〇4を取り除き、 濃縮した。 フラッシュカラムクロマトグラフィー (へキサン: E t OAc = 5 : l〜3 : 1) により精製し 8のシロップ (4. 2 9 g, 8 7 %, 2工程超) を得た。
8 : ^-NMR ( 5 0 0 MH z , CD C 1 3, δ) : 7. 5 9— 7. 0 9
(m, 3 5H, a r oma t i c) , 5. 3 5 (d, 1 H, H - 1, J 2= 5. 0 H z) , 4. 9 7 - 4. 5 5 (m, 1 0 H, P h— CH2— O) , 4. 4 0
(d d, 1 H, H- 6 a) , 4. 3 6 -4. 24 (m, 3 H, H— 1,, P h— CH2-0) , 4. 1 6 -4. 1 4 (m, 1 H, H— 5) , 3. 96 (d d, 1 H, H - 6 b ) , 3. 9 3 (d, 1 H, H一 4 ') , 3. 7 7 - 3. 6 5 (m, 4H, H— 2,, H - 4, H - 3 , H - 2 ) , 3. 54 ( t , 1 H, H— 6 , a ) , 3. 44 (d d, 1 H, H - 3 ') , 3. 4 1 (d d, 1 H, H— 5,) , 3. 3 5 ( d d, 1 H, H— 6'b) ; t . 1. c . : R f = 0. 7 7 (へキサン: E t OA c = 2 : 1 )
(フエニル O— (2, 3, 4, 6—テトラー〇一べンジルー β— Ό _ガラク 卜ピラノシル) - (1— >4) - 2, 3—ジ— Ο—ベンジル— 1—チォ一 α— D— キシ口一へキス一 5—エノビラノシド (9) )
8のシロップ (4. 2 9 g, 3. 9 5 mm o 1 ) を DMF (4 1m l ) に溶か し DBUを ( 1. 5 e q. , 8 6 7 /i 1 ) 加え窒素中、 1 6 0°C (還流) で 1 6 時間撹拌した。 真空ポンプで完全に濃縮した後 CHC 1 3で抽出し 1 0 %N a2 S2〇3水溶液と水で洗い、 Mg S04で乾燥し、 セライト濾過で Mg S〇4を取 り除き、 濃縮した。 フラッシュカラムクロマトグラフィー (へキサン: E t OA c = 8 : 1から徐々に 2 : 1まで) により精製し 9のシロップ (2. 0 6 g, 5 4%) を得た。
9 : XH-NMR (400 MH z , CD C 13, δ) : 7. 52— 7. 12 (m, 35 H, a r oma t i c) , 5. 56 (d, 1 H, J x, 2 = 4. 9Hz, H- 1) , 5. 15 (s, 1 H, H- 6 a) , 5. 03-4. 68 (m, 9 H, Ph— CH2— O) , 4. 61-4. 57 (m, 3 H, H_6 b, H_l,, P h 一 CH2— O) , 4. 44-4. 32 (m, 3 H, Ph— CH2_0, H— 4) , 3. 94 (d, 1H, H - 4') , 3. 92 - 3. 87 (m, 2 H, H - 2,, H ― 2) , 3. 81 (t, 1 H, H - 3) , 3. 67— 3. 50 (m, 4H, H - 6'a, H - 3,, H- 5 H_6'b) ; t . 1. c . : R f = 0. 76 (へキ サン: E t OAc = 2 : 1)
(3, 4—ジベンジルォキシー 5—チォフエ二ルー 2一 (2, 3, 4, 6—テ トラー O—ベンジル一 ;3— D—ガラク卜ピラノシルォキシ) シクロへキサノン (10) )
9のシロップ ( 188mg, 0. 196mmo 1 ) を Me OH: THF= 1 : 1の溶媒に溶かし氷で冷やし撹拌ながら 03を 20分間パブリングした。 次に 0 2を 1 5分間バブリングして余分な 03を追い出しジメチルスルフイ ド (1. 3 e q. , 19^ 1) を加え 2晚撹捽した。 濃縮し、 フラッシュカラムクロマトグ ラフィー (へキサン: E t OAc=4 : 1) により精製し 10のシロップ (17 8mg, 95%) を得た。
10 : ^-NMR (400MHz, CDC 13, δ) : 7. 56-7. 1 9
(m, 35 H, a r oma t i c) , 5. 68 (d, 1 H, 】 ^=1. 8Hz, H— 1) , 5. 03 -4. 99 (m, 2 H, Ph - CH2— O) , 4. 91 (d, 1 H, J!., 2.= 7. 5Hz, H - 1 ') , 4. 83— 4. 55 (m, 9 H, Ph — CH2—〇, H-4) , 4. 40 -4. 33 (m, 2 H, P h— CH2— O) , 4. 00 (t, 1 H, H - 2) , 3. 93 (d d, 1 H, J 2, 3=2. 7Hz, J 3; 4= 5. 2Hz H— 3) , 3. 88 - 3. 83 (m, 2 H, H_4', H
一 2,) , 3. 59-3. 51 (m, 4H, H— 3,, H— 5,, H- 6'a, H- 6'b) ; t. 1. c. : R f = 0. 48 (へキサン: E t〇Ac = 2 : 1)
(フエニル 0_ (2, 3, 4, 6—テトラー O—ベンジルー) 3_D—ガラク トピラノシル) 一 (1→4) 一 2, 3 _ジ— O—ベンジル— 5—ヒドロキシルー 1一チォーひ一D—キシロビラノシド (1 1) )
10のシロップ (132. 4mg, 0. 13 Smmo 1 ) を CH2 C 12 ( 1 3m l) に溶かし窒素気下、 -40 °Cでジィソブチルアルミニウムヒドリド (D I BAL-H) (2. 0 e q. , 275 χ 1 ) を加え— 40 °Cのまま 2時間撹拌 した。 次に、 10 %酢酸水溶液を加え撹拌し、 C H C 13で抽出し飽和 N a H C 03水溶液、 水で洗い MgS04で乾燥させた後、 セライト濾過で MgS04を取 り除き、 濃縮した。 フラッシュカラムクロマトグラフィー (トルエン: E t OA c = 10 : 1〜5 : 1) により精製し 1 1のシロップを 49. 8mg (36%) 得た (それほどカラム中で安定ではないので通常はここで精製せずに次の反応へ 進み 13の段階で精製したほうが好ましい) 。
1 1 H—匪 R (400 MHz, CDC 13, δ) : 7. 46 -7. 16 (m, 35 H, a r oma t i c) , 5. 51 {d, 1 H, H— 1 , J! 2 = 4. 7 Hz) , 5. 28 - 5. 25 (m, 1H, H— 5) , 5. 02 -4. 82 (m, 4H, P h -CH2-0) , 4. 76 -4. 59 (m, 7H, H - 1 ', Ph-C H2-0) , 4. 42 -4. 34 (m, 2H, P h— CH2— 0) , 3. 96— 3. 76 (m, 5H, H— 4 H - 2,, 5 - OH, H— 2, H— 3) , 3. 6 9 - 3. 48 (m, 5H, H- 6 ' a, H— 4, H— 3,, H - 5', H- 6 ' b) ; t. 1. c . : R f = 0. 29 (へキサン: E t〇Ac = 2 : 1) (フエニル 〇— (2, 3,. 4, 6ーテトラ一 O—ベンジルー ガラク
一 ( 1→4) -2, 3—ジ一0—ベンジル _ 5—クロロー 1—チ
ォー α— D—キシロビラノシド (1 2) )
精製した 1 1のシロップ (1 7. 6mg, 0. 0 1 8 3mmo 1 ) を CH2C 1 2 0. 4m 1に溶かし DMFを一滴加えた。 窒素下、 室温でォキサリルクロ リドを (3 e. q. , 5 1 ) シリンジでゆっくり加え、 そのまま 3時間撹拌し た。 真空ポンプを用い減圧濃縮し黄色のシロップを得た。 精製せずに次の反応へ 進んだ。
1 2 : XH-NMR ( 5 0 0MHz, CDC 1 3, δ) 7. 54— 7. 1 5 (m, 3 5H, a r oma t i c) , 6. 1 1 (d, 8 5/1 0 OH, J 4' 5 eq =4. 2Hz, H- 5 e q u a t r i a l ) , 6. 0 7 (d, 1 5/1 0 OH, J 4, 5 ax= 6. 2Hz, H- 5 a x i a 1 ) , 5. 7 2 (d, 1 5/1 0 OH, J 1; 2 = 4. 1 Hz, H - 1 (H- 5 a x i a 1 ) ) , 5. 6 5 (d, 8 5/1 0 0 H, J !, 2 = 3. 3 Hz, H- 1 (H- 5 e q u a t r i a l ) ) , 5. 0 0 -4. 54 (m, 1 1 H, P h - CH2 - O, H— 1,) , 4. 43 -4. 34 (m, 2 H, P h -CH2-0) , 4. 0 9 ( t , 1 H, H— 4) , 4. 0 1 ( t , 1 H, H- 3) , 3. 9 1 (d, 1 H, H— 4,) , 3. 8 2 (d d , 1
H, H- 2) , 3., 7 9 (d d , 1 H, H— 2,) , 3. 64— 3. 4 5 (m, 4H, H - 3,, H— 5,, H- 6'a, H- 6'b)
(フエニル O— (2, 3, 4, 6—テトラ _〇一べンジル _ )3— D—ガラク 卜ピラノシル) 一 (1→4) 一 2, 3—ジ一O—ベンジル一 1—チォ— α— D— キシロビラノシド (1 3) )
精製した 1 1のシロップ (2 5 3mg、 0. 2 64mmo 1 ) を上で述べたよ うに D I BAL_H、 ォキサリルクロリドで塩化物 1 2とし、 1 2の粗製のシロ ップを THF (5m l ) に溶かし、 N a BH3CN ( 1 0 e. q. 、 1 7 5m g) を加え窒素気化中、 6 0°Cで 1 2時間撹拌した。 水を加え CHC 1 3で抽出 しブラインで洗った。 Mg S〇4で乾燥させセラィト濾過で Mg S04を取り除
き減圧濃縮した。 フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し 104mg の 13のシロップを得た。 (11から 3つの反応を経て 42%の収率だった。 ) 13 : — NMR (500MHz, CDC 13, δ) : 7. 45— 7. 16
(m, 35H, a r oma t i c) , 5. 48 (d, 1 H, J 1; 2 = 4. 7Hz, H- 1 ) , 5. 00 -4. 59 (m, 10 H, Ph - CH2— 0) , 4. 45
(d, 1 H, J 2, = 7. 6 Hz, H_ 1,) , 4. 39-4. 31 (m, 2 H, P h-CH2-0) , 4. 07 (t. 1H, H- 5 a) , 3. 94 (d, 1 H, J 3,, 4,= 2. 7Hz, H-4') , 3. 90 (d d d, 1 H, J 4> 5a= 10. 2 H z, J 3> 4= 7. 8 H z , J 4, 5b= 5. 7Hz, H-4) , 3. 82-3. 72 (m, 4H, H— 2', H— 3, H_ 2, H - 5 b ) , 3. 64 ( t, 1 H, H- 6 a) , 3. 52— 3. 44 (m, 3 H, H- 3', H— 5,, H- 6'b)
(N— (p—卜ルエンスルホニル) 一グリシンベンジル エステル (A) ) グリシン (10 g, 0. 133 m o 1 ) 、 p—トルエンスルホン酸 1水和物 ( 1. 2 e q. , 30. 4 g) 、 ベンジルアルコール (10 e q. , 137. 6 m 1 ) をベンゼン (250ml) に溶かし 120°Cでー晚撹拌した。 減圧濃縮し ジェチルエーテル中で結晶化させ Aを得た。 (30. 2 g, 67%)
A: t . 1. c. : R f = 0. 70 (CHC 13 : MeOH : H20= 65 : 25 : 4)
(N- (ベンジルォキシカルボニル) 一 Lーセリル一グリシンベンジル エス テル (B) )
A (30. 2 g, 89. 5mmo l) と Z_L_セリン (0. 83 e q. , 1 7. 84 g) を DMF (300ml) に溶かし 0 °Cに冷やし撹拌した。 全て溶け た後ジフエニルホスホリルアジド (DPPA : 1. 0 e q. , 19. 3ml) の DMF ( 1 30m 1 ) 溶液を加え、 間隔をおいてさらに D P P A (2. 3 e
q. , 2 8. 7 3m l ) の DMF (1 3 0m l ) の溶液をゆっくり加え 24時間 撹拌した。 真空ポンプで完全に濃縮し E t OA cで抽出し 5 %HC 1水溶液、 飽 和 N aHC03水溶液、 ブラインで洗い Mg S〇4で乾燥させた後、 セライト濾 過で Mg S04を取り除き、 濃縮した。 フラッシュカラムクロマトグラフィー (トルエン: E t OAc = 2 : 1から 1 : 2まで) により精製しその後結晶化さ せ Bを得た。 (2 1. 8 g, 7 5 %)
B H - NMR ( 5 0 0 MH z , CD C 1 3, δ ) : 7. 3 8 - 7. 2 6 (m, 1 OH, a r oma t i c) , 7. 1 1 (m, 1 H, G 1 y-NH) , 5. 9 2 (m, 1 H, S e r— NH) , 5. 2 0 - 5. 0 8 (m, 4H, P h - CH 2— 0) , 4. 3 0 (m, 1 H, S e r -ひ _H) , 4. 0 6 (m, 3H, G 1 y— a— Hx2, S e r - jS— H) , 3. 6 8 - 3. 6 6 (m, 1 H, S e r - iS -H) , 3. 24 - 3. 2 0 (m, 1 H, S e r一 OH) ; t . 1. c . : R f = 0. 8 2 (CHC 1 3: Me OH: H2〇=6 5 : 2 5 : 4) (N— (ベンジルォキシカルボニル) -0- [O - (2, 3, 4, 6—テ卜ラ
—O—べンジルー j8— D—ガラクトビラノシル) ― (1→4) - 2, 3—ジー 0 一ベンジル— D—キシロビラノシル] 一 L—セリル—グリシンベンジル エステ ル (14) )
精製した 1 3のシロップ (5. 3mg, 5. 6 /i m o 1 ) を C H 2 C H 2と C H3CN (2 : 1) の混媒 0. 3m lに溶かし Bの結晶粉末 (1. 5 e. q. , 3. 3mg) と活性化した M S 4 Aを加え窒素気下中で撹拌し 1時間後に N— 3 —ドスクシンイミド (N I S : 1. 2 e. q. , 1. 6mg) を加えた。 その間 に別の容器に CH2C 1 2 5 0 0 ^ 1を入れそこへ活性化した MS 4 Aを加え た。 しばらくしてからトリフリック酸 (T f OH) (5 1 ) をこの容器に加え 1 %溶液を作りこのうち 1 0 1 (1. 2 e. q. ) を反応系にゆっくり加えた。 室温で窒素気下中 4. 5時間撹拌した。 その後トリェチルァミンを加え撹拌しセ
ライト濾過した後、 真空ポンプで減圧濃縮した。 クロ口ホルムに溶かし塩水で洗 い Mg S04で乾燥、 セライト濾過後減圧濃縮しフラッシュカラムクロマトダラ フィ一により精製し 14 (6 7 %) を得た。 (α : ]3 = 1 : 1 0) α体と) 3体は この段階で分けることができた。
1 4 (/3 -ァノマ一) : ^I-NMR (5 0 ΟΜΗ ζ , CDC 1 3, δ) : 7. 3 6 - 7. 1 3 (m, 40 H, a r oma t i c) , 6. 9 3 (m, 1 H, G 1 y-NH) , 5. 74- 5. 7 3 (m, 1 H, S e r—題) , 5. 14-4. 5 8 (m, 1 4H, P h - CH2— O) , 4. 43 -4. 3 1 (m, 5 H, H— 1,, H - 1 , S e r - ~H, P h— CH2 - O) , 4. 1 6 -4. 14 (m, 1 H, S e r— j8— H) , 3. 9 9 - 3. 8 8 (m, 4H, H— 5 a, H_4, H - 4,, G 1 y- -H) , 3. 7 9 (d d , 1ト I, H - 2 ') , 3. 6 7— 3. 5 0 (m, 6 H, S e r - β -Η, H— 6,a, G 1 y- a-H, H_ 5', H— 3 ', H - 3) , 3. 4 7 (d d, 1 H, H - 6 ' ) , 3. 3 5 ( t , 1 H, H 一 2) , 3. 2 1 - 3. 1 9 (m, 1 H, H - 5 b)
(O- [O- (i3— D—ガラク卜ピラノシル) 一 (1→4) 一 jS— D—キシロ ピラノシル] 一 L—セリル—グリシン (1 5) )
1 4の j8体 (1 1 5mg) を DMF ( 1 6m l ) に溶かし、 水 (2m l ) 、 酢 酸 (0. 5m l ) 、 パラジウム—活性炭素 (3 0 Omg) を入れて水素気下 2 7 °Cで圧力をかけて撹拌した。 反応をモニターしながら触媒を加え温度を 3 2°C に上げた。 9時間後、 セライト濾過で触媒を取り除き真空ポンプで減圧濃縮した。 HP LCにより精製して凍結乾燥し 1 5 (6mg、 14%) を得た。
(N- (ベンジルォキシカルポニル) _〇— (ベンジル) —L—セリルーダリ シル— L—セリル—グリシンベンジル エステル (C) )
N— (p—トルエンスルホニル) 一グリシンベンジル エステル (A) (3 g、
8. 89mmo 1 ) および N— ( t—ブトキシカルポニル) _L— s e r i n e (B o c— S e r -OH: 2 g) を DMF (30ml) に溶かし、 0°Cに冷やし た状態でジフエ二ルホスホリルアジド (DPPA : 1. 2 e. q. ) とトリェチ ルァミン (TEA : 2. 2 e. q. ) をこの順番で 10 %DMF溶液としてから 加え室温まで放冷しながら一晩撹拌した。 反応終了後、 真空ポンプを用いて減圧 濃縮し E t〇 A cで抽出し、 5 %クェン酸水溶液、 飽和 N a H C 03水溶液、 ブ ラインで洗い、 MgS04で乾燥させセラィト濾過で MgS04を取り除き減圧 濃縮した。 このシロップを 2 N HC 1 -ジォキサンに溶かし室温で 3時間撹拌 した後、 減圧濃縮し乾固させた。 次に同様の手順に従って、 このジペプチドと N 一 ( t一ブトキシカルボニル) —グリシンとのをカップリング、 および Bo c基 の脱保護を行い、 さらに N— (ベンジルォキシカルボニル) —0—ベンジル _L ーセリンとカツプリングした。 フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製 し、 Cを 2. 67 g (32%、 a由来) 得た。
C: 一 NMR (500MHz, CDC 13, <5 ) :
(N— (ベンジルォキシカルボニル) — O— (ベンジル) 一 Lーセリルーグリ シル— O— [O— (2, 3, 4, 6—テトラー〇_ベンジル一 S— D—ガラク卜 ピラノシル) 一 ( 1→4) -2, 3—ジ一 O—ベンジル一 D—キシロビラノシ ル] _ L—セリル一グリシンベンジル エステル (16) )
フエニル O— (2, 3, 4, 6—テトラ一 O—ベンジル— j3— D—ガラク卜 ピラノシル) 一 (1→4) -2, 3—ジ— O—ベンジル— 1—チォ一ひ—D—キ シロビラノシド (13) のシロップ (380mg、 0. 403mmo 1 ) と C (1. 2 e. q. 、 30 Omg) を 14の調製法と同様の手順でグリコシデーシ ヨンした。 その後、 フラッシュカラムクロマトグラフィー (クロ口ホルム: Me OH= 100 : 1) により精製し、 16のひ体と; 8体の混じったシロップ (31 0mg、 13から 53%) と不純物の混じったシロップ (1 15mg) を得た。
1 6 : XH-NMR (500MHz, CDC 13, δ) : 7. 35— 7. 1 3 (m, 46H, a r oma t i c, G 1 yNH) , 7. 0 1 -7. 00 (m、 2 H、 G l y— NH、 S e r— NH) 、 5. 82 (m、 1 H、 S e r -NH) 、 5. 1 2 -4. 47 (m, 1 7 H, Ph_CH2 - Ox8, S e r -ひ) 、 4. 43 -4. 3 1 (m, 5H, H— l', H— 1, S e r—ひ, Ph_CH2_0) , 4. 1 1 (dd、 1 H, S e r— jS a) 、 3. 98 - 3. 95 (m, 3H, H—4, H - 4', H - 5 (e qu a t r i a l ) ) , 3. 88 - 3. 78 (m, 5H, G l y— ひ, S e r— i3 a、 H_ 2,, G 1 y— ひ a) , 3. 65 - 3. 46 (m、 8H、 H— 6'a、 H—3、 H— 5,、 H—3,、 G l y— ab、 S e r - j3 b、 S e r - j3 b、 H - 6, b ) 、 3. 3 5 ( t, 1 H, H— 2) , 3. 1 9 (m, 1 H, H— 5 (ax i a l) ) 。
(L—セリル—グリシル—O— [O - (/3— D—ガラク卜ピラノシル) - (1 →4) 一 )S— D—キシロピラノシル] _L—セリル—グリシン (1 7) )
精製した 1 6の α体と 3体の混合シロップ ( 1 52 m g .. 0. 1 04mmo
1 ) を DMF (6m l ) に溶かし、 水 (0. 5m l ) と酢酸 (0. 5m l ) を加 え、 パラジウム? 活性炭素 (P d 1 0 : 50 Omg) を入れ水素気下、 3 5°Cで圧力をかけ 12時間撹拌した。 桐山ろ紙を二重にして濾過して触媒を取り 除き、 減圧濃縮しゲル濾過 (S e p h a d e x G— 1 5、 H20) 、 および H PLC (YMC-P a c k ODS、 250x2 Omm, 0. 1 %TFA水溶液 — CH3CN) により精製したのち凍結乾燥し、 i3体 (39. lmg、 TFA塩 として 53%) と α体 (8. 2mg) を得た。 次に得られた j3体のうち 29. 3 mg (TFA塩として 41 τηο 1 ) を水 (485 1 ) に溶かしアンモニア水 溶液を加え中和した。 ゲル濾過により脱塩し、 凍結乾燥して 1 7 (22. 9mg、 TFA塩から 70%、 ] ^一タル 37%) を得た。
.1 7 (NH3処理前) : — NMR (500MHz, D20, δ) : 4. 52
( t , 1 H, S e r - a) , 4. 2 7 (d, 1 H, H - 1,, J 1 2.= 7. 8H z) , 4. 2 5 (d, 1 H, H - 1, J 1; 2=7. 7Hz) , 4. 0 5 -4. 0 1 (m, 2H, S e r -ひ, S e r - 3 a) , 3. 9 6 - 3. 7 9 (m, 7 H, G 1 y- a a, b, H- 5 a, S e r -)3 a, b, G 1 y- a a, b) , 3. 7 6— 3. 7 2 (m, 2H, S e r - j3 b, H— 4,) , 3. 6 7— 3. 54 (m, 3H, H— 4, H- 6'a, b) , 3. 5 1 (d d, 1 H, H - 5,, J 5', 6'a = 8. 3 H z, J 5,, 6.b= 3. 7 H z ) , 3. 45 (d d, 1 H, H - 3,, J 3,, 4,= 3. 4 H z ) , 3. 42 ( t, 1 H, H— 3, J 3, 4=9. 1 Hz) , 3. 3 2 (d d, 1 H, H— 2,, J 2,, 3'= 9. 9 Hz) , 3. 2 0 (d d, 1ト I, H- 5 (a x i a l ) ) , 3. 1 5 (d d, 1 H, H— 2, J 2, 3= 9. 3 H z)
1 7 (NH3処理後) : LH-NMR (5 0 OMH z, D2〇, δ) : 4. 6 3 ( t, 1 H, S e Y - ) , 4. 3 8 (d, 1 H, H― 1 ', J , 2·= 7. 8 H z) , 4. 3 5 (d, 1 H, H— 1, J 1; 2=7. 7Hz) , 4. 1 5 -4. 1 1 (m, 2 H, S e r - a, S e r— j6 a) , 4. 0 7 - 3. 8 9 (m, 5H, G 1 y— a a , b , H— 5 (e q u a t r i a l ) , S e r— j6 a , b) , 3. 8 6 - 3. 8 3 (m, 2 H, S e r - )3 b, H— 4,) , 3. 7 8 - 3. 64 (H-4, G 1 y 1 a, b, H— 6 , a, b) , 3. 6 1 (d d, 1 H, H— 5,, J 5,, 6,a=8. 2 H z , J 5,, 6'b= 3· 8 Hz) , 3. 5 6 (d d, 1 H, H_ 3,, J 3,, 4,= 3. 1 Hz, J 3,, 2,= 9. 9 Hz) , 3. 5 2 ( t, 1 H, H- 3, J 3, 4= 9. 1 H z ) , 3. 4 2 ( t, 1ト I, H— 2,) , 3. 3 1 ( t , 1 H, H- 5 (a x i a l ) ) , 3. 2 5 ( t, 1 H, H - 2, J 2, 3 = 8. 5Hz) (N—ァセチルー L—セリルーグリシル— O— [〇_ (]3— D—ガラクトピラ ノシル) - ( 1—4) 一 i3—D—キシロピラノシル] 一 Lーセリル一グリシン
(1 8) )
1 7 (5. 8mg、 9. 6 6 ^mo 1 ) を DMF (3 7 0 1 ) に溶かし、 0°Cで無水酢酸 (1. 5 e. q. 、 1 0 %DMF溶液で 14 i 1 ) を加え、 徐々 に室温まで放冷しながら 2時間撹拌した。 真空ポンプを使い減圧濃縮し、 ゲル濾 過 (S e p h a d e x G— 1 5) により精製し凍結乾燥し 1 8 (1. 7mg ,
2 7 %) を得た。
1 8 H - NMR ( 5 0 0MHz, D20, δ) : 4. 5 9 ( t , 1 Η, S e τ - ) , 4. 3 6 - 4. 3 1 (m, 3H, H— 1 ', S e r - α, H— 1, J 2= 7. 7 H z) , 4. 0 8 (d d, 1 H, S e r _j6 a) , 3. 9 8 (d d, 1 H, H- 5 (e q u a t r i a l ) , J 4, 5= 5. 3 H z , J gem= 1 1. 9 H z ) , 3. 9 1 (d d, 2 H, G 1 y _ひ a, b) , 3. 8 5 - 3. 6 1 (m, 9 H, S e r - j8 b, G 1 y- a a, b, H— 4,, S e r— jS a, b, H-4, H - 6 ' a , b) , 3. 5 8 (d d, 1 H, H— 5,, J G.a=8. 3 Hz, J 5', 6'b= 3. 8 H z) , 3. 5 3 (d d, 1 H, H - 3,, J 3', 4,= 3. 4Hz) , 3. 48 ( t , 1 H, H - 3, J 3, 4 = 9· 1 Hz) , 3. 3 9 (d d, 1 H, H - 2 ', J 2,, 3.= 9. 9 H z ) , 3. 2 8 (d d, 1 H, H - 5 (a x i a l ) ) , 3. 2 1 (d d, 1 H, H - 2, J 2> 3=9. 2 Hz)
( N—ァセチル— L—セリルーグリシルー O— [〇一 (|8 _D—ガラクトピラ ノシル) 一 ( 1→4) 一 i3— D—キシロビラノシル] 一 L—セリル—グリシルー ポリ— {Lーセリル—グリシルー 0— [O - (β—Ό—ガラク卜ピラノシル) - (1→4) _)3—D—キシロビラノシル] —L—セリル—グリシン } (1 9) ) 1 8を DM Fに溶かし 0°Cでジフエニルホスホリルアジド (DPPA) を加え
3 0分間撹拌した。 次に 1 7と卜リエチルァミン (TEA) を加え放冷しながら 1 2時間撹拌した。 1 2時間後再び 0 °Cに冷やし 1 7と DPP Aおよび TEAを 加え 1 2時間撹拌した。 この追加の操作をさらにもう一回繰り返したあと、 エタ
ノールとジェチルェ一テルで沈殿させ遠心分離 (7000 r pm、 10分間) し、 上澄みを取り除いた。 残ったものをエタノールとジェチルエーテル中に懸濁させ て遠心分離し上澄みを取り除いた。 この操作をさらに一回繰り返し、 残留物に窒 素ガスを緩やかに当てて乾燥させた。 これを水に溶かし 25mMN a OH水溶液 を加え 2時間撹拌し、 0. 1 M酢酸水溶液で中和しゲル濾過 (S e phad ex G-25) により精製し凍結乾燥した。 その後、 陰イオン交換ゲルクロマトグ ラフィ一 (DEAE— S e ph a c e l) により環状のものと直鎖状のものとを 分け、 直鎖状のものをゲル濾過 (S e ph ad ex G— 10) で脱塩、 精製し ポリマーの各重合度の混合物 19を得た。
以上において、 本発明の 1つの合成例を記した。
(実施例 1 :プロテオダリカンコア構造の効率的合成)
本実施例において、 本発明は、 プロテオダリカンコア構造の効率的合成を行つ た。
この効率的合成を行うにあたり、 本発明において目的となるポリ糖ペプチドを 合成するにあたって大まかな合成戦略を立てた。 まず繰り返し単位となる両末端 が遊離の糖べプチドを調製しこれを D P P A (ジフエニルホスホリルアジド) 、 TEA (卜リエチルァミン) により連続縮重合する。 繰り返し単位は、 グリコシ デーションに必要な脱離基および遊離の水酸基以外の官能基を水素添加により外 れる保護基で保護した糖ユニット、 ペプチドュニットそれぞれを個々に合成しそ の後立体選択的にグリコシデーションし、 さらに全保護基を水素添加により脱保 護し調製した (図 4) 。 DPPAは、 ペプチドのカップリング試薬として知られ、 糖やべプチドの側鎖の水酸基の存在下でもべプチドの C末端を選択的に活性化す ることができ、 その結果、 両末端が遊離の糖ペプチドを用いることで連続縮重合 が起こった。 この合成戦略は当研究室において AFGP s (不凍タンパク質) の 合成に用いられ確立された方法である (Te t s u r o T s u d a and
Sh i n- I c h i r o N i s h i mu r a ( 1996) C h e m. Com mu n. 2779— 2780) 。
(実施例 2 : 2糖ユニットの合成)
以下、 本発明の実施形態の例示として、 GAG鎖伸長のイニシエータ一となり うる 2糖として G a 1 β l→4Xy 1を合成するためにコンフオメ一ションが同 じ G a 1 j81→4 G 1 cである 2糖のラクトースを出発物質として用い、 ラクト —スのグルコース残基の 6位のヒドロキシメチル基を取り去るというスキームを 採用した。 キシロース残基とセリン残基の結合は β結合である必要があるが、 後 に行うグリコシデ一ションの際に立体を制御するのでこの段階ではァノマー位に 脱離基を導入するだけでよい。 また、 脱炭素化する 6位と脱離基を導入するァノ マー位を同時に特異的に保護するような 1, 6無水ラク卜一スを中間体とした。 出発物質であるラクト一ス 1を遮光した状態で水酸基をァセチル基で保護し同 時にァノマー位に脱離基であるブロモ基を導入する。 その後ブロモ基をより強い 脱離基 (例えば、 PCP基 (ペンタクロロフエノ一ル基) ) に替える。 次に強塩 基条件下において分子内求核置換反応を誘起し精製するために一旦ァセチル化し 中間体となるァセチル保護された 1, 6無水ラクトース 4を調製した。 次に、 よ り安定な保護基であり水素添加によって脱保護できるベンジル基に架け替えた。 1, 6無水環を導入することによりグルコース残基のコンフオメ一シヨンが'1 C iから1 C4へ大幅に変化し、 それに伴い 1 H— N M Rにも変化がありグルコース 残基の 1から 4位までがすべてシングレットになった (図 5) 。
次に、 1, 6無水結合を開裂し 6位を遊離にすると同時にァノマー位に比較的 安定な脱離基であるチォフエ二ル基を導入した (L a i—X i Wang, No buo S a k a i r i , and H i r oyo s h i Ku z uh a r a (1 990) J. C h em. So c. P e r k i n. Tr an s. I, 1677— 1 682) 。 この際のァノマ一位の立体はほぼひ結合に偏った (ひ : ]S>20 :
1) 。 これはおそらく 3位にある比較的大きな保護基であるべンジル基と 1, 6 無水結合と 6位のメチレンによる立体障害によると思われる。 また、 開裂した後 の 6は通常の4 コンフオメ一シヨンに戻った (図 10、 スキ一ム 1) 。
6位を取り去るために 5、 6位間に二重結合を導入しオゾン分解を用いること ができるが、 オゾンと硫黄原子の親和性が高くチォフエニル基が酸化され反応系 が複雑化することが考えられることから、 これを避けるために比較的安定な脱離 基であるフッ素基を脱離基として用いることができる。
脱離反応のために 6位に脱離基としてヨウ素基を導入し (Ma z h a r— u l -H a q u e ( 1 977) J . C. S. P e r k i n I I, 1509 - 15 1 3 ; C a 1 v i n L. S t eve n s, Pe t e r B 1 umbe r g s, a n d D i e t e r H. O t t e r b a c h ( 1966) J . Or g. Ch e m. 31 (9) , 28 17-2822) 、 この段階でァノマ一位を D AST (ジ メチルァミノィォゥトリフルオリド) でフッ素化した。 5位と 6位の間に E 2反 応により二重結合を導入し (An a Ca l vo-Ma t e o, Ma r i a J o s e Cama r a s a, and F e d e r i c o G. D e l a s H e r a s ( 1 984) J . Ca r bohyd r a t e Ch e m. 3 (3) , 4 61 -473) 、 これをオゾン分解しァノマ一位に脱離基としてフッ素をもつシ クロへキサノン改変体とした。 次に D I BAL— H (ジィソプチルアルミニウム • ヒドリド) および三フッ化ほう素エーテル錯体 (BF3 : OE t 2) による脱酸 素化 (Ge o r g e A. K r a u s a nd Ke v i n F r a z i e r ( 1980) J . Or g. Ch em 46, 2419-2423) 、 水素化リチ ゥムアルミニウム (L i A 1 H4) や L i A 1 H (O— t— Bu) 3を用いた反 応 (Fuq i ang J i n, D e n g j i n Wang, P a t N. Con f a 1 o n e , M i c h a e l E. P i e r c e, Z h e Wang, G u o you X u, An u s u y a Choudhu r y, and D i e u N g uyen (2001) Te t r ah e d r on Le t t e r s 42, 478
7-4789 ; Lak s hm i P. Ko t r a, M. Ga r y Newt on, C ung K. C u (1998) Ca r bohyd r a t e R e s e a r c h 306, 69— 80) チォカルポニル化後に R a n e y— N iによる接 触水素化 (An t hony G. M. Ba r r e t t and A l e r t C. Le e ( 1992) J. Or g. Ch em. 57, 2818-2824 ; K. C. N i c o 1 a o u, D. G. Mc Ga r r y, P. K. S ome r s , B. H. K i m, W. W. O g i 1 v i e , G. Y i ann i kou r o s, C. V. C. P r a s a d, C. A. V e a 1 e, and R. R. Ha r k (199 0) J . Am. C h em. S o c . 1 12, 6263-6276) など種々の反 応により脱酸素化を試みた。 しかし、 塩基性の条件の場合にはァノマ一位に導入 したフッ素基が副反応を起こしていると考えられ、 どの系も好ましい結果は得ら れなかった。 従って、 好ましくは、 酸性条件を用いることができる。
先にべプチドとのグリコシデ一シヨンをした後に脱酸素化を行う経路も試用す ることができるがシクロへキサノン改変体ではダリコシデ一ションが進まず、 ま たべプチドを導入することにより脱酸素化において強塩基性条件が使えなくなる こともあることから、 本発明ではそれほど好ましくはない (図 1 1、 スキーム 2) 。
そこでフッ素基以外の脱離基を検討する必要があつたが、 チォフエニル基が酸 化されてしまうという懸念を実際に確かめる意味で、 もともとあったチォフエ二 ル基のままで同様にオゾン分解までの反応を行ったところ、 意外にも今回の条件 では懸念されたようなオゾンによるチォフエニル基の酸化は全くおこらなかった。 従って、 この手法を用いてァノマ一位にチォフエ二ル基を持つシクロへキサノン 改変体 10を高収率で得ることができる。
次にシクロへキサノン改変体 10の 5位の力ルポ二ル基を D I BAL— Hによ り還元し水酸基を導入し脱酸素化を試みた。 しかし BF3 :〇E t 2を用いて水 酸基のままで脱酸素化した (F r anc e s c o N i c o t r a, Lu i g i
P a n z a, G i ovann i R u s s o, and L u c a Z u c c h e 1 1 i (1992) J. Or g. Ch em. 57, 2154-2158) こと はできなかったのでこの水酸基へ脱離基を導入することにした。 チォエステル基 を導入しラジカル的に脱酸素化する方法 (M o r r i s J. Rob i n s, J o h n S. Wi l s on, and F r i t s Han s s k e ( 1983) J. Am. Ch em. So c. 105, 4059-4065) も試したがチォェ ステルの導入の効率はよくない。 これには、 ラジカル反応の際にチォフエニル基 が反応する可能性 ( J a n e z P l ave c We imi n T o n g, an d J y o t i Ch a t t o p ad hy ay a ( 1993) J . Am. Ch e m. So c. 1 15, 9734-9746) が考えられることから、 反応させる 際には留意すべきである。
メシル基 (Ms, メタンスルホニル基) 、 トシル基 (T s, p—トルエンスル ホニル基) 、 などのスルフォニル基系の脱離基は反応性が高く導入後不安定であ ると考えられそれほど好ましくはないが本発明の範囲内にある。 そこでハロゲン を脱離基として導入した。 一時的にトリフレート基を経由しブロモ基を導入する 方法 リ a c qu e s L e r o u x and Ar t hu r S . Pe r l i n ( 1978) Ca r boyd r a t e Re s e a r c h 67, 163 - 1 78) や四塩化炭素中でトリフエニルフォスフィンを使用する反応 (C. R. H ay l o c k, L. D. Me 1 t on, K. Ν. S l e s s o r, and A. S . T r a c e y (1971) Ca r bohyd r a t e Re s e a r c h
16, 375 - 382) など数種類の反応系を試した結果、 TLC上で反応が進 んでいると思われる反応系もあったが、 DMFを触媒としてォキサリルクロリド で塩素を導入する系 (Ke n S. F e 1 dma n, S a r a L. Wi l s on, M i c h a e l D. L a w 1 o r, Ch a r l e s H. Lang, a n d Wi l l i am J. S c he uc he n z ub e r (2002) B i o o r g an i c & Me d i c i n a l Ch emi s t r y 10, 47-
55) が TLC上で最もきれいに短時間で反応が終了し後処理も容易である。 つ づく水素化の反応は、 ヒドリドイオン (H-) ソースとして L i A l H4 (C. R. Hay l o c k, L. D. Me l t on, K. N. S l e s s o r, and A. S. T r a c e y (1 971) C a r bohyd r a t e R e s e a r c h 16, 375-382 ; Ro b e r t K. Ne s s, Hew i t t G. F l e t c h e r, J r. , a nd C. S. Hud s on ( 1 950) J. A m. C h em. S o c. 72 (10) 4547-4549 ; Ma s u o Fun a b a s h i and To s h imo r i Ha s e g awa (1 99 1) B u 1 1. C h em. S o c. J p n. 64, 2528-253 1) 、 N a BH4 (Ha r o l d M. B e l l , C. Wa r r e n Vand e r s 1 i c e, a n d And r e a S p e h a r ( 1 969) J. Or g. Ch e m. 34, 3923 -3926) 、 N a B H 3 C N (Ro e r t 〇. H u t c h i n s , B r u c e E. Ma r y an o f f, a nd Cyn t h i A. M i l e ws k i (1971) Ch em. Commun. 1097- 1 098) などをい ろいろな溶媒中で試した結果, THF (テトラ hy d r o ί u r a n) 中で N a B H 3 C Nによつて水素化することができた。 以上により、 目的となる水酸基を ベンジル基で保護しァノマー位に脱離基を持った 2糖ュニッ卜 1 3を得た。 この 脱酸素化、 および水素化の反応では中間生成物が不安定であるために精製は行わ ずにそのまま次の反応に進んだ。 シクロへキサノン改変体 1 0からの 3反応を経 ての収率は 40%を超え、 まずまずの収率で求める 2糖ュニットを調製すること ができた (図 1 2、 スキーム 3) 。 出発物であるラクトースからの収率は 1 % (1. 25%) 程度になった。 合成した 2糖ユニットの 1H— NMRスペクトル を図 6に示す。 5位がメチレン基になったことで 4位が特徴的に d d dに割れて いるのが判る。
(実施例 3 :ジペプチドュニッ卜の合成)
本発明の 1つの実施形態では、 ジペプチドユニットをまず合成した。 グリシン の C末端をディ一ンス夕一ク管を用いて水を反応系から除きながらベンジルエス テル化した。 精製したグリシンベンジルエステルと、 市販されている N末端を Z 基 (c b z基、 ベンジルォキシカルポニル基) で保護した側鎖水酸基が遊離のセ リンを DP PA、 TEAでカップリングすることができる。 これによりセリンの 側鎖水酸基のみが遊離であるジペプチドュニット Bが得られた。 (図 1 3、 スキ —ム 4)
(実施例 4 :グリコシデーシヨンと重合 (1) )
ここまでで調製した 2糖ユニット 1 3とジペプチドユニット Bを N I S (N— ョードスクシンィミド) 、 T f OH (トリフリック酸 ( t r i f 1 i c a c i d) 、 トリフルォロメタンスルホン酸) を用いてグリコシデーションする (P e r J . G a r e g g ( 1. 9 9 7 ) Ad v a n c e s i n C a r b o h y d r a t e Ch em i s t r y a n d B i o c h em i s t r y 5 2, 1 7 9— 2 0 5) 。 立体を制御するために、 経験的に知られているァセトニトリル の溶媒効果を利用して iS結合を優先的に導入する。 しかし 2糖ュニッ卜がァセト 二卜リルに対して非常に溶解しにくいため、 ジクロロメタンとの混媒とする。 結 果、 a : β = 1 : 1 0のように j3結合を優先させた。 またフラッシュカラムクロ マトグラフィ一によりこの段階で α体と β体を分けることができた。 得られた糖 ペプチド 1 4のうちの j3体を水素添加により全保護基を脱保護した (図 1 4、 ス キ一ム 5) 。 HPLCにより精製した後 DPPA、 TEAによる重合を行うと、 反応が進行せずモノマー 1 5が残った。 原因としては、 アミノ酸 2残基ごとに糖 ユニットが 1つという割合が、 糖ュニットに対してペプチドの長さが短すぎたた めに反応が進行しないことと、 反応に関与する N末端側のセリン残基に比較的大 きな糖ュニッ卜が結合していることによる N末端への立体障害が考えられたので、 糖ュニット同士の間隔を空けるために N末端側へセリン一グリシンの繰り返しを
さらに 1つ伸ばし、 4アミノ酸残基ごとに 1つの糖ユニットとなるように繰り返 し単位の構造を変更した。
(実施例 5 :テトラペプチドユニットの合成)
ジペプチドユニットのときと同様にグリシンをべンジルエステル化し、 つづい て市販の N末端を Bo c基 (t—ブチルォキシカルポニル基) で保護した側鎖水 酸基が遊離のセリンを D P P Aで力ップリングし、 そして 2規定の塩化水素ジォ キサン溶液で B o c基を脱保護した。 以下同様の手順で N末端を B o c基で保護 したグリシン、 N末端を Z基で保護し側鎖水酸基をべンジル基で保護したセリン (いずれも市販) とカップリングし、 セリンの側鎖水酸基 1つだけが遊離のテ卜 ラペプチドユニット Cが得られる (図 15、 スキーム 6) 。 精製は最後のカップ リングが終了したあとのみで行つた。
(実施例 6 :グリコシデーションと重合 (2) )
2糖ジペプチドモノマ一のときと同様に N 1 S、 T f OHを用いァセ卜二トリ ルとジクロロメタンの混媒中でグリコシデ一シヨンを行った。 α体と 体の混じ つた保護されたモノマー 16をそのまま水素添加し全保護基を脱保護し、 ゲルろ 過 (S e ph ad e x G - 15) したあと HP LCにより 17の3体を単離し た。 このとき HPLCの溶離液に含まれる T F Aとモノマ一が塩をつくるので、 単離後アンモニア水溶液で処理し中和した (図 16、 スキーム 7) そして、 定 法に従って DPPA、 TEAを用いての重合を試みたが、 MALD I— TOF— MSによると、 モノマ一はすべて反応しているものの生成物のほとんどは 2量体、 もしくは 3量体において環化した環状糖ペプチド 20であった (図 7) 。 この生 成物に対して陰イオン交換ゲル DEAE— S e p h a c e 1を使用したところ、 生成物の大半が水を溶離液としたときに溶離してきたことから陰イオンがないこ とが証明され、 環状になっていることが確認できる。 この反応結果は濃度を変え
ても起こることから、 セリンとグリシンの繰り返し構造は 2量体、 つまり 8アミ ノ酸残基程度でヘリックスが 1周し、 両末端が非常に近づくのでどうしても環化 反応が優先してしまうと考えられる。 そこで少々強引ではあるが N末端をなんら かの保護基でふさいでしまい、 遊離モノマ一との混合状態で DP P Aにより重合 を行い、 このとき遊離モノマーが N末端を保護したモノマーに比べて少なければ 遊離モノマー同士の反応よりも N末端を保護したモノマーとの反応が優先するの で、 遊離モノマーを分割して加えることで直鎖状のポリマ一が優先して生成する と考えられる。
そこで遊離モノマ一 17を DMF中、 無水酢酸を用いて N末端をァセチル基で 保護した。 もともと遊離のモノマー 17は DMFに対する溶解性はあまり良くな かったが、 ァセチル化したモノマー 18は DMFに対する溶解性が改善した。 こ のことから反応系において、 遊離モノマーに比べてァセチル保護したモノマーの 存在比が高くなり、 遊離モノマーを何回にも分けて加えるときの一回の量が少々 多くてもこの存在比の差が保たれると考えられる。 これをふまえて、 このァセチ ル保護されたモノマ一と遊離のモノマーのモル比が 1 : 1となるように DPPA による重合を試みた (図 17、 スキーム 8) 。 結果、 やはり環状の糖ペプチドが 生成するが、 直鎖状のポリマー 19の生成も MALD I— TOF—MSによって 確認された (図 8) 。 環状糖ペプチドには C末端、 つまりカルボキシル基がない ので陰イオン交換ゲル (DEAE- s e ph a c e 1 ) により簡単に環状糖ぺプ チドと直鎖状ポリ糖べプチドは分けることができ、 それぞれのおおよその重量比 は、 環状:直鎖状 =2 : 5であった。 また、 環状糖ペプチド、 直鎖状ポリマ一、 それぞれを重合度が異なつたものの混合物のまま1 H— N M Rを測定した。 スぺ クトルを図 9に示す。 全体として、 共にモノマーのスぺクトルの保存性 ·対称性 が高く重合が確実に進んでいるといえる。
(実施例 7 :合成物質の活性検定)
(関節軟骨細胞培養系への合成物質の添加)
この実験は、 北海道大学医学部の岩崎倫政先生らの協力により行われた。 日本白 色家兎 (2. 0 k g) の関節軟骨より、 軟骨細胞を単離 (約 lxl 07細胞) し 24ゥエルおよび 96ゥエルのプレートに各細胞数 1x105、 lxl 04を播 種した。 コントロールとして通常の培養を行い、 l ng/ml, 10 n g/m 1 , 100 η g/m 1の濃度で合成したポリ糖ペプチド 19、 環状糖ペプチド 20、 2糖テトラペプチドモノマ一 17を加えたグループを設定した。 上記の濃度をそ れぞれ 50 1ずつ添加した。
1週間後の細胞には合成化合物を添加したことによる大きな変化は見られなかつ た。 ただし、 添加したことによって著しく増殖が阻害されることはなく、 この化 合物の軟骨細胞に対する毒性はないといえる。 (まとめ)
安価な 2糖であるラクト一スを出発物質として活用し、 プロテオダリカンの G AG鎖とコアタンパク質の結合領域に見られる 2糖である G a 1 β l→4Xy 1 の改変体 13に変換する新規合成法を確立した。 この改変体はァノマー位に脱離 基であるチォフエ二ル基を有しグリコシデーションなど更なる有機合成への応用 が可能である。
またこの改変体を用いて、 この結合領域を模倣した糖べプチドを、 2糖ジぺプ チドのものと 2糖テトラペプチドのもの、 2種類合成した。
さらにこの 2種類の糖ぺプチドのうち 2糖テトラべプチドのモノマーについて、 DP P Aを用いた重合反応により直鎖状のポリマ一を合成した。 また重合反応の 副生成物として環状の糖べプチドを得た。
日本白色家兎の関節軟骨細胞培養系への合成物質の添加では細胞の増殖に影響 は見られず、 細胞に対する毒性はほとんどないものと判断した。
(結果および考察)
ラクト一スを出発物質として、 炭素を取り去りたい 6位とペプチドとのグリコ シデ一ションに備えて脱離基を導入したい 1位を同時に特異的に保護した 1 , 6 無水ラクト一スを中間体として調製し、 この間に他の水酸基をべンジル基で保護 した。 次に、 1, 6無水結合を開裂し 6位を遊離に、 1位にチォフエ二ル基を導 入した。 6位の脱炭素化を行うため 5, 6位間に二重結合を導入しオゾン分解し た。 このとき懸念されていたチオフェニル基の酸化は起こらなかった。 得られた シクロへキサノン改変体を D I BAL—Hにより還元し、 生じた水酸基をォキサ リルクロリド、 DMFにより塩素化し、 この塩素基を THF中で N aBH3CN を用い水素化した。 以上、 目的となる 2糖ユニットを新規合成法により調製する ことができた。
一方のペプチドュニッ卜は先に述べた S e r-G l y-Xa a-G l yを満た す最も簡単な配列として S e r— G 1 yの繰り返し配列とした。 まず、 N末端を Z基で、 C末端をべンジルエステル基で保護した側鎖水酸基が遊離のジぺプチド Z— S e r (OH) — G 1 y-OB z 1を調製した。 これを先に合成した 2糖ュ ニットとグリコシデ一ションし水素添加により全保護基を脱保護し繰り返し単位 となる 2糖ジペプチドのモノマーを調製した。 しかし、 このモノマ一は重合反応 が進行しなかった。 これはペプチドュニットが糖の大きさに対して小さすぎたこ とによる立体障害が原因と考えられる。
これを解決するために両端を保護された Z— S e r (OB z 1 ) 一 G l y— S e r (OH) 一 G 1 y— OB z 1というテ卜ラペプチドを合成し、 同様にグリコ シデーシヨン、 脱保護を行い 2糖テトラペプチドのモノマーを調製した。 次に D P P Aによる連続縮重合を試みたが、 ほとんどのものは 2量体において環化して いた。 環化を防ぐためにモノマーの N末端をァセチル基で保護しここへ遊離のモ ノマーを分割して加える方法で重合を試みた。 その結果、 やはり環状の糖べプチ ドが生成するものの直鎖状のポリマ一を得ることに成功した。 直鎖状ボリマ一と
環状糖べプチドは陰イオン交換ゲルにより容易にわけることができた。
それぞれ分けた環状糖べプチドと直鎖状ポリマ一、 および 2糖テトラペプチド のモノマーを日本白色家兎の軟骨細胞を培養しているプレートへ撒いたところ、 1週間経過した後も細胞は増え続け決定的な毒性はないものと判断された。
(まとめ)
ラクトースを出発物質として、 目的となるプロテオダリカンコア構造を模倣し たポリ糖べプチドを新規合成法により合成することができた。 この合成法の中で チォフエ二ル基はオゾン分解では酸化されないことを見いだした。 また、 副生成 物として環状の糖べプチドが得られた。
軟骨細胞培養系へのこれらの化合物の添加の結果、 これらの化合物により細胞 の培養に特に変化はなく、 毒性はほとんどないと判断された。
従って、 本発明では、 例示として以下のような、 合成模式図が意図される。
(実施例 8 :生体内における実証:本発明の化合物のプロテオダリカンィニシ ェ一夕一としての能力)
実施例 7に記載されるのと同様の条件で、 軟骨細胞を培養し、 培養開始後 1日 後、 7日後、 1 4日後の各ゥエル内のコンドロイチン硫酸含有量を市販のキット
(例えば、 株式会社ホクドー (札幌、 日本) の簡易型 ·酸性ムコ多糖定量キッ 卜) を用いて測定した。
上記実施例において合成したポリ糖ペプチド、 環状の糖ペプチドおよびその 2 糖テトラペプチドモノマ一を培養系に添加し、 添加しない場合をコントロールと して、 コンドロイチン硫酸の含有量が変化するかどうかを調べた。 ここで、 I n g/ml, 1 O ng/ml , 100 n g/m 1の濃度で合成したポリ糖ペプチド 19、 環状糖ペプチド 20、 2糖テトラペプチドモノマー 17を加えたグループ を設定した。 上記の濃度をそれぞれ 50 1ずつ添加した。 このアツセィは、 細 胞外マトリクス中のプロテオダリカン中の量を調べることになる。
細胞を培養し、 その後、 細胞層 (Ce l l Laye r) を物理的に剥離し、 遠心分離した。 沈澱物 (Ce l l L a y e r) を検体調製用酵素で溶解 (6 0°C、 1時間) し、 この溶液中の酸性ムコ多糖含量を簡易型 ·酸性ムコ多糖定量 キッ卜で定量した。 検体に発色液を加えて 650 nmにてすぐに測定した。 ςのアツセィの結果、 ポリ糖ペプチド、 環状の糖ペプチドおよびその 2糖テト ラペプチドモノマ一を加えた細胞において、 コンドロイチン硫酸の含有量が有意 に増加していることが分かった。 他方、 コントロール細胞では、 コンドロイチン 硫酸は有意に増加していなかった。 従って、 ポリ糖ペプチド、 環状の糖ペプチド およびその 2糖テトラペプチドモノマーはいずれもプロテオダリカンのィニシェ —夕一として使用され得ることが実証された。
次に、 日本白色家兎 (2. 0 k g) の関節軟骨に直接これら 3種の糖べプチ ドを注入し動物内で効果があるかどうか確認した。 上記実施例において合成した ポリ糖べプチド、 環状の糖べプチドおよびその 2糖テトラベプチドモノマーを培 養系に添加し、 添加しない場合をコントロールとして、 コンドロイチン硫酸の含 有量が変化するかどうかを調べた。 ここで、 I ngZml , 1 O n g/ml, 1 00 ng/mlの濃度で合成したポリ糖ペプチド 19、 環状糖ペプチド 20、 2 糖テトラペプチドモノマー 17を加えたグループを設定した。 上記の濃度をそれ
ぞれ 50 1ずつ添加した。
この兎から軟骨組織 1〜1 Omg取り (組織中の酸性ムコ多糖含量により採取 量は異ります) に検体調製用酵素溶液 1 Oml加え 60°Cで 1時間加熱し完全に 溶解した。 上記で得た検体溶液 100マイクロリツトルおよび各濃度の標準液を マイクロテストチューブに移し反応溶液 (用時調製) を 1. 3ml加え攪拌し、 650 n mにてすぐに測定した。
このアツセィの結果、 ポリ糖ペプチド、 環状の糖ペプチドおよびその 2糖テト ラペプチドモノマーを加えた細胞において、 コンドロイチン硫酸の含有量が有意 に増加していることが分かった。 他方、 コントロール細胞では、 コンドロイチン 硫酸は有意に増加していなかった。 従って、 ポリ糖ペプチド、 環状の糖ペプチド およびその 2糖テ卜ラぺプチドモノマ一はいずれもプロテオグリ力ンのィニシェ 一夕一として使用され得ることが実証された。
(実施例 9 :化学合成イニシエータ一を用いる細胞培養物における軟骨細胞お よび線維芽細胞からの蛍光発生ムコ多糖の分析)
本実施例は、 本発明の糖ペプチドおよび糖ペプチドポリマーが、 細胞培養中の 軟骨細胞から GAGを形成したことを示す。 本実施例で使用した糖べプチドおよ び糖べプチドボリマ一はそれぞれ、 上記実施例にて作製した 2糖テ卜ラベプチド モノマー 17およびポリ糖ペプチド 19である。 本実施例における試薬は、 特に 示さない限り、 Sigma Co. (MO, USA) または和光純薬工業 (大阪、 日本) から 入手可能な高級試薬である。
正常ヒト軟骨細胞 (NHAC— Kn) (B i o Wh i t t a k e r, I nc. (MD, USA) より購入) を 48ゥエルプレートに 1. 0X 105細胞ノウ エルずっ播き、 10% (v/v) 透析ゥシ胎児血清を含有する Du 1 b e c c 0 M i n i mum E a g 1 e培地中で 37 °C、 0. 5%C02条件下、 ー晚培 養した。 成熟した細胞を、 細胞中の GAGコア蛋白質芯の新たな合成を阻害する
ために、 蛋白質合成阻害剤のピューロマイシンを 200 M添加し、 37°Cで 1 時間インキュベートした。 その後、 1. OmM 酢酸ナトリウムとペプチドのァ ミノ基に F I TCをラベルした化学合成イニシエータ一を F I TC濃度で、 2糖 テトラペプチド 17 20 iMZゥエル、 ポリ糖ペプチド 19 60μΜΖゥェ ルになるように添加し、 48時間、 37°C、 0. 5 %C02条件下で培養した。 多糖へのバックグラウンドの F I TCの取り込みを、 細胞なしでインキュベート した細胞から決定した。
F I TCでラベルした多糖の取り込みをゲル濾過クロマトグラフィーによって 単離した。 48時間後、 培養細胞の培養上清を回収し、 15, O O O r pmで 5分 間遠心し、 培地と細胞を分けた。 フィル夕一濾過後、 TSK ge l G— 30 00 (TOSHO) を用いて 0. 4ml/分、 水で溶出した。 検出は F I TCに て蛍光検出を行なった。 (λ e x = 495 nm, λ em= 525 n m) 。
実験の結果、 モノマ一、 ポリマー共に、 化合物の分子量と異なる高分子量の産 物を得た。 2糖テトラペプチド 17の結果を図 18に示し、 ポリ糖ペプチド 19 の結果を図 19に示す。 これら図 18および図 19より、 2糖テトラペプチド 1
7では分子量約 50, 000の G A Gが、 ポリ糖ぺプチド 19ではカラムの排除 限界部分にピークが見られる事から、 少なくとも分子量 200, 000以上の G
A Gが出来ていると考えられる。 従って、 本実施例においても、 ポリ糖ペプチド およびその 2糖テトラぺプチドモノマーのいずれもが、 プロテオダリ力ンのィ二 シェ—夕—として使用され得ることが実証された。
以上のように、 本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、 本発明は、 特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが 理解される。 本明細書において引用した特許、 特許出願および文献は、 その内容 自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対す る参考として援用されるべきであることが理解される。
産業上の利用可能性
本発明により、 新規糖ペプチド合成方法が提供される。 本発明はまた、 プロテ ォグリ力ンのィ二シェ一夕一として有用な糖べプチドおよびポリ糖べプチドを提 供する。