JP2019024444A - 核酸複合体 - Google Patents

核酸複合体 Download PDF

Info

Publication number
JP2019024444A
JP2019024444A JP2017149683A JP2017149683A JP2019024444A JP 2019024444 A JP2019024444 A JP 2019024444A JP 2017149683 A JP2017149683 A JP 2017149683A JP 2017149683 A JP2017149683 A JP 2017149683A JP 2019024444 A JP2019024444 A JP 2019024444A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
compound
reference example
nucleic acid
mmol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017149683A
Other languages
English (en)
Inventor
陽史 山田
Akishi Yamada
陽史 山田
宏徒 岩井
Hiroto Iwai
宏徒 岩井
上原 啓嗣
Keiji Uehara
啓嗣 上原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyowa Kirin Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Hakko Kirin Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyowa Hakko Kirin Co Ltd filed Critical Kyowa Hakko Kirin Co Ltd
Priority to JP2017149683A priority Critical patent/JP2019024444A/ja
Publication of JP2019024444A publication Critical patent/JP2019024444A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】自己免疫失患において出現する抗燐脂質抗体の主要な対応抗原であるβ2GPIの発現を抑制することが可能な核酸複合体の提供。【解決手段】式1で表される核酸複合体。式1:(Xは、8〜80塩基長からなるアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、該アンチセンスオリゴヌクレオチドは、特定の配列を有する標的塩基配列群のいずれかにストリンジェントな条件でハイブリダイズ可能な配列を含む、β2GPIの発現を抑制するアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、該アンチセンスオリゴヌクレオチドの3’末端又は5’末端はS3に結合;L1及びL2は夫々独立して、糖リガンド;S1〜S3は夫々独立して、リンカー)【選択図】なし

Description

本発明は、核酸複合体および該核酸複合体を含む医薬組成物等に関する。
核酸医薬として、アプタマー、アンチセンス、デコイ核酸、リボザイム、siRNA、miRNAおよびantimiRNA等が知られている。核酸医薬は、細胞内のあらゆる遺伝子を制御できる汎用性の高さから、今まで治療困難とされてきたさまざまな疾患への臨床応用が期待されている。
また、核酸医薬は、細胞内における標的選択性と活性の高さから抗体、低分子医薬に次ぐ、次世代医薬として期待されている。
しかしながら、核酸医薬は、標的組織への送達が困難であることが問題点として挙げられる。
インビボにおける効果的な核酸医薬の送達法の1つとして、標的化化合物と核酸との核酸複合体(コンジュゲート)を用いることが報告されている。標的化化合物としては、細胞外に発現する受容体に結合可能なリガンドが挙げられる。その中でも特に、肝細胞に極めて高発現しているアシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)に結合可能であるリガンドとしてN−アセチル−D−ガラクトサミン(GalNAc)等を利用した核酸複合体が複数報告されている。近年では、これらのリガンドとsiRNA類とを結合した核酸複合体が肝細胞に効率的に送達されることが報告されている(非特許文献1)。
標的化化合物とオリゴヌクレオチドの複合体として、特許文献1および2には、例えば、以下に示す核酸複合体が開示されている。
(式中、Acはアセチル基を表す。以下、本明細書において同様である。)
また、特許文献3には、特許文献1および2と同様の糖リガンド−テザーユニットを有する以下の構造を有する核酸複合体が開示されている。
また、特許文献4には、糖リガンド−テザーユニットとして、以下に示す構造を有する核酸複合体が開示されている。
β2-Glycoprotein1(β2GPI)(別名apolipoprotein H、apoHとも言う)は、326アミノ酸から構成される糖蛋白質であり、5つのドメイン構造が連なった高次構造を有する。β2GPIは多彩な生理作用を有すると考えられており、血小板凝集反応、凝固・線溶反応、酸化LDLのマクロファージへの取り込みに関与していることが報告されている(非特許文献2)。
疾患との関連について、β2GPIは抗リン脂質抗体症候群(APS)や全身性エリテマトーデス(SLE)といった自己免疫疾患において出現する抗リン脂質抗体の主要な対応抗原であることが知られている。抗β2GPI抗体は疾患の病態形成にも深く関与しており、β2GPIと抗β2GPI抗体によって形成される複合体は血管内皮細胞、単球、血小板、栄養芽細胞(trophoblast)といった様々な細胞の膜上受容体に活性化シグナルを発生させ、その結果、血栓症や妊娠異常といったAPSに特徴的な病態を引き起こし得ることが動物モデルを用いた研究ならびに臨床研究より明らかとなっている(非特許文献3)。β2GPIおよび抗β2GPI抗体からなる免疫複合体の形成を特異的に阻害することにより、上記の疾患を予防あるいは治療できると期待できるが、β2GPIは血中に50-500μg/mLという比較的高濃度で存在しており、これら全てのβ2GPIを例えば一般的な抗体医薬によって阻害し続けることは容易ではない(非特許文献4)。
国際公開第2009/073809号 国際公開第2013/075035号 国際公開第2015/105083号 国際公開第2014/179620号
ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー (Journal of American Chemical Society),2014年,第136巻,p16958−16961 アナルズ・オブ・ザ・ニューヨークアカデミー・オブ・サイエンシズ(Annals of the New York Academy of Sciences), 2013年,第1285巻,p44−58 ザ・ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディスン(The New England Journal of Medicine),2013年, 第368巻,p1033−1044 ジャーナル・オブ・トロンボシス・アンド・ヘモスタシス(Journal of Thrombosis and Haemostasis),2011年,第9巻,p1275−1284
本発明の目的は、β2GPIの発現を抑制することが可能な核酸複合体を提供することにある。
本発明は、以下に関する。
[1]
下記式1で表される核酸複合体。
式1:
(式1中、
Xは、8〜80塩基長からなるアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、
該アンチセンスオリゴヌクレオチドは、表1-1〜1-4に記載された標的塩基配列のいずれかにストリンジェントな条件でハイブリダイズ可能な配列を含む、β2GPIの発現を抑制するアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、
該アンチセンスオリゴヌクレオチドの3’末端または5’末端はS3に結合し、
L1およびL2は、それぞれ独立して、糖リガンドであり、
S1、S2およびS3は、それぞれ独立して、リンカーである。)
[2]
下記式1で表される核酸複合体。
式1:
(式1中、
Xは、8〜80塩基長からなるアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、
該アンチセンスオリゴヌクレオチドは、表1-1〜1-4に記載されたアンチセンス塩基配列のいずれかの少なくとも8塩基を連続して含む、β2GPIの発現を抑制するアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、
該アンチセンスオリゴヌクレオチドの3’末端または5’末端はS3に結合し、
L1およびL2は、それぞれ独立して、糖リガンドであり、
S1、S2およびS3は、それぞれ独立して、リンカーである。)
[3]
下記式1で表される核酸複合体。
式1:
(式1中、
Xは、8〜80塩基長からなるアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、
該アンチセンスオリゴヌクレオチドは、表1-1〜1-4のに記載された標的塩基配列のいずれかと相補的である、アンチセンスオリゴヌクレオチドであり、
該アンチセンスオリゴヌクレオチドの3’末端または5’末端はS3に結合し、
L1およびL2は、それぞれ独立して、糖リガンドであり、
S1、S2およびS3は、それぞれ独立して、リンカーである。)
[4]
下記式2で表される構造を有する、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の核酸複合体。
式2:
(式2中、
X、L1、L2およびS3は、それぞれ前記と同義であり、
P1、P2、P3、P4、P5およびP6、ならびにT1およびT2は、それぞれ独立して、存在しないか、または、−CO−、−NH−、−O−、−S−、−O−CO−、−S−CO−、−NH−CO−、−CO−O−、−CO−S−もしくは−CO−NH−であり、
Q1、Q2、Q3およびQ4は、それぞれ独立して、存在しないか、または、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキレンまたは−(CH2CH2O)n−CH2CH2−であり、nは0〜99の整数であり、
B1およびB2は、それぞれ独立して、結合手であるか、または、下記式2−1で表されるいずれかの構造であり、各構造における末端の黒丸点は、それぞれ、P2またはP3あるいはP5またはP6との結合点であり、m1、m2、m3およびm4は、それぞれ独立して、0〜10の整数であり、
式2−1:
p1およびp2は、それぞれ独立して、1、2または3の整数であり、
q1、q2、q3およびq4は、それぞれ独立して、0〜10の整数であり、
ただし、p1およびp2がそれぞれ2または3の整数であるとき、それぞれのP3およびP6、Q2およびQ4、T1およびT2ならびにL1およびL2は、同一または異なっていてもよく、q1〜q4が2〜10の時、それぞれの−[P2−Q1]−,−[Q2−P3]−,−[P5−Q3]−,−[Q4−P6]−の組み合わせは同一または異なっていてもよい。)
[5]
P1およびP4が、それぞれ独立して、−CO−NH−、−NH−CO−または−O−である[4]に記載の核酸複合体。
[6]
−(P2−Q1)q1−および−(P5−Q3)q3−がそれぞれ独立して、存在しないか、または下記式3−1〜式3−3で表されるいずれかの構造である、[4]または[5]に記載の核酸複合体。
式3−1:
式3−2:
式3−3:
(式3−1〜式3−3中、
m5およびm6は、それぞれ独立して、0〜10の整数であり、式3−1〜式3−3の構造における末端の黒丸点は、それぞれ、B1またはB2あるいはP1またはP4との結合点である。)
[7]
下記式4−1〜式4−9で表されるいずれかの構造を有する、[4]〜[6]のいずれか1項に記載の核酸複合体。
式4−1:
式4−2:
式4−3:
式4−4:
式4−5:
式4−6:
式4−7:
式4−8:
式4−9:
(式4−1〜4−9中、
X、L1、L2、S3、P3、P6、T1、T2、Q2、Q4、q2およびq4はそれぞれ前記と同義である。)
[8]
下記式5で表される構造を有する、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の核酸複合体。
式5:
(式5中、
X、S3、P1、P2、P3、Q1、Q2、B1、T1、L1、p1、q1およびq2はそれぞれ前記と同義である。)
[9]
P1が−CO−NH−、−NH−CO−または−O−である[8]に記載の核酸複合体。
[10]
下記式6−1〜式6−9で表されるいずれかの構造を有する、[8]または[9]に記載の核酸複合体。
式6−1:
式6−2:
式6−3:
式6−4:
式6−5:
式6−6:
式6−7:
式6−8:
式6−9:
(式6−1〜6−9中、
X、S3、P3、Q2、T1、L1およびq2は、それぞれ前記と同義である。)
[11]
下記式7−1〜式7−9で表されるいずれかの構造を有する、[6]〜[8]のいずれか1項に記載の核酸複合体。
式7−1:
式7−2:
式7−3:
式7−4:
式7−5:
式7−6:
式7−7:
式7−8:
式7−9:
(式7−1〜7−9中、
X、S3、L1およびL2は、それぞれ前記と同義である。)
[12]
前記糖リガンドが、N−アセチルガラクトサミンである、[1]〜[11]のいずれか1項に記載の核酸複合体。
[13]
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、表1-1〜1-4のアンチセンス塩基配列に記載された群から選択される塩基配列を含む、[3]〜[12]のいずれか1項に記載の核酸複合体。
[14]
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドに含まれる表1-1〜1-4のアンチセンス塩基配列が、1もしくは数個の塩基が欠失、置換もしくは付加された配列である、[13]に記載の核酸複合体。
[15]
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、5’末端近傍および/または3’末端近傍が糖部修飾ヌクレオチドで構成される、[1]〜[13]のいずれか1項に記載の核酸複合体。
[16]
Xが、表2-1〜表2-3、表3-1〜表3-2に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドのいずれかである、[1]〜[14]のいずれか1項に記載の核酸複合体。
[17]
[1]〜[16]のいずれか1項に記載の核酸複合体を含む、医薬組成物。
[18]
細胞内に導入するための、[17]に記載の医薬組成物。
[19]
静脈内投与または皮下投与される、[17]または[18]に記載の医薬組成物。
[20]
[17]〜[19]のいずれか1項に記載の医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む、疾患の治療または予防方法。
[21]
[1]〜[16]のいずれか1項に記載の核酸複合体または[17]〜[19]のいずれか1項に記載の医薬組成物を用いてアンチセンスオリゴヌクレオチドを細胞内に導入することを含む、β2GPI遺伝子の発現を抑制する方法。
[22]
[17]〜[19]のいずれか1項に記載の医薬組成物を哺乳動物に投与することを含む、β2GPI関連疾患の治療方法。
[23]
[17]〜[19]のいずれか1項に記載の医薬組成物を含む、β2GPI関連疾患の治療に用いるための医薬。
[24]
[17]〜[19]のいずれか1項に記載の医薬組成物を含む、β2GPI関連疾患の治療剤。
[25]
β2GPI関連疾患が、自己免疫疾患または血栓症である、[22]に記載の治療方法。
[26]
β2GPI関連疾患が、自己免疫疾患または血栓症である、[23]に記載の医薬。
[27]
β2GPI関連疾患が、自己免疫疾患または血栓症である、[24]に記載の治療剤。
例えば本発明の核酸複合体を含む医薬組成物を、哺乳動物に投与して、生体内において、各種関連疾患を治療することができる。
本発明の核酸複合体は、下記式1で表される核酸複合体である。
式1:
式1中、
Xは、8〜80塩基長からなるアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、
該アンチセンスオリゴヌクレオチドは、表1-1〜1-4に記載された「標的塩基配列」のいずれかにストリンジェントな条件でハイブリダイズ可能な配列を含む、β2GPIの発現を抑制するアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、
該アンチセンスオリゴヌクレオチドの3’末端または5’末端はS3に結合し、
L1およびL2は、それぞれ独立して、糖リガンドであり、
S1、S2およびS3は、それぞれ独立して、リンカーである。
本発明において、S1およびS2は、S3のベンゼン環上の置換位置に対して、それぞれオルト位、メタ位、パラ位でベンゼン環と結合し得るが、下記式1−1で表される核酸複合体であることが好適である。式1におけるS1およびS2のベンゼン環への結合手は、ベンゼン環上のS3の置換位置以外で任意の位置であり得ることを意味する。
式1−1:
式1−1中、
X、L1、L2、S1、S2およびS3は、それぞれ前記と同義である。
本明細書において、前記と同義とは、式1−1中を例示して説明すると、式1−1中のX、L1、L2、S1およびS2それぞれについて、式1において前記するX、L1、L2、S1およびS2それぞれについての定義と同様の基であり得ることを意味している。
本発明において、Xは、8〜80塩基長からなるアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
また、該アンチセンスオリゴヌクレオチドは、表1-1〜1-4に記載された「標的塩基配列」のいずれかにストリンジェントな条件でハイブリダイズ可能な配列を含む、β2GPIの発現を抑制するアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
さらにまた、該アンチセンスオリゴヌクレオチドはS3に結合する。
L1およびL2は、それぞれ独立して、糖リガンドである。
本発明において、糖リガンドとしては、標的細胞に発現している受容体に結合可能な糖類(単糖、二糖、三糖および多糖等)に由来する基を意味する。本発明においては、糖リガンドがO−結合によりS1およびS2のリンカーに結合している場合には、糖リガンドを構成する糖類の結合に関与する水酸基を除いた部分が糖類に由来する基としての糖リガンドを意味する。
本発明においては、オリゴヌクレオチドの標的細胞となる糖リガンドを選択すればよい。
単糖としては、例えば、アロース、アルトース、アラビノース、クラジノース、エリトロース、エリスルロース、フルクトース、D−フシトール、L−フシトール、フコサミン、フコース、フクロース、ガラクトサミン、D−ガラクトサミニトール、N−アセチル−ガラクトサミン、ガラクトース、グルコサミン、N−アセチル−グルコサミン、グルコサミニトール、グルコース、グルコース−6−リン酸、グロース、グリセルアルデヒド、L−グリセロ−D−マンノ−ヘプトース、グリセロール、グリセロン、グロース、イドース、リキソース、マンノサミン、マンノース、マンノース−6−リン酸、プシコース、キノボース、キノボサミン、ラムニトール、ラムノサミン、ラムノース、リボース、リブロース、セドヘプツロース、ソルボース、タガトース、タロース、酒石酸、トレオース、キシロース、およびキシルロース等が挙げられる。
二糖、三糖、多糖としては、例えば、アベクオース、アクラボース、アミセトース、アミロペクチン、アミロース、アピオース、アルカノース、アスカリロース、アスコルビン酸、ボイビノース、セロビオース、セロトリオース、セルロース、カコトリオース、カルコース、キチン、コリトース、シクロデキストリン、シマロース、デキストリン、2−デオキシリボース、2−デオキシグルコース、ジギノース、ジギタロース、ジギトキソース、エバロース、エベミトロース(evemitrose)、フルクトオリゴ糖、ガルトオリゴ糖(galto−oligosaccharide)、ゲンチアノース、ゲンチオビオース、グルカン、グルコーゲン、グリコーゲン、ハマメロース、ヘパリン、イヌリン、イソレボグルコセノン、イソマルトース、イソマルトトリオース、イソパノース、コジビオース、ラクトース、ラクトサミン、ラクトースジアミン、ラミナラビオース、レボグルコサン、レボグルコセノン、β−マルトース、マルトリオース、マンナン−オリゴ糖、マンニノトリオース、メレチトース、メリビオース、ムラミン酸、ミカロース、ミシノース、ノイラミン酸、シアル酸含有糖鎖、ニゲロース、ノジリミシン、ノビオース、オレアンドロース、パノース、パラトース、プランテオース、プリメベロース、ラフィノース、ロジノース、ルチノース、サルメントース、セドヘプツロース、セドヘプツロサン、ソラトリオース、ソホロース、スタキオース、ストレプトース、スクロース、α,α−トレハロース、トラハロサミン、ツラノース、チベロース、キシロビオース、ウンベリフェロース等が挙げられる。
糖類における各単糖は、D体またはL体であってもよく、D体とL体の任意割合による混合物であってもよい。
糖類は、デオキシ糖(アルコールヒドロキシ基を水素原子に置換したもの)、アミノ糖(アルコールヒドロキシ基をアミノ基に置換したもの)、チオ糖(アルコールヒドロキシ基をチオールに置換したもの、またはC=OをC=Sに置換したもの、または環酸素を硫黄に置換したもの)、セレノ糖、テルロ糖、アザ糖(環炭素を窒素に置換したもの)、イミノ糖(環酸素を窒素に置換したもの)、ホスファノ糖(環酸素をリンに置換したもの)、ホスファ糖(環炭素をリンに置換したもの)、C−置換単糖(非末端炭素原子における水素原子を炭素原子で置換したもの)、不飽和単糖、アルジトール(カルボニル基をCHOH基で置換したもの)、アルドン酸(アルデヒド基をカルボキシ基に置換したもの)、ケトアルドン酸、ウロン酸、アルダル酸等を含んでいてもよい。
アミノ糖としては、糖類におけるアミノ単糖として、ガラクトサミン、グルコサミン、マンノサミン、フコサミン、キノボサミン、ノイラミン酸、ムラミン酸、ラクトースジアミン、アコサミン、バシロサミン、ダウノサミン、デソサミン、フォロサミン、ガロサミン、カノサミン、カンソサミン(kansosamine)、ミカミノース、ミコサミン、ペロサミン、プノイモサミン、プルプロサミン(purpurosamine)、ロドサミン等が挙げられる。また、アミノ糖のアミノ基は、アセチル基等で置換されていてもよい。
シアル酸含有糖鎖としては、NeuAcを糖鎖非還元末端に含有する糖鎖が挙げられ、NeuAc−Gal−GlcNAcを含有する糖鎖や、Neu5Acα(2−6)Galβ(1−3)GlcNAc等が挙げられる。
糖類における各単糖は、標的細胞に発現している受容体に結合可能であることを限度として、置換基で置換されていてもよく、例えば、水酸基が置換されていてもよく、各単糖における水素原子がアジドおよび/または置換されていてもよいアリール基で1〜複数置換されていてもよい。
糖リガンドとしては、標的とする各臓器に対応して標的細胞の表面に発現する受容体に結合する糖リガンドを選択することが好ましく、例えば、標的細胞が肝細胞である場合、肝細胞表面に発現する受容体に対する糖リガンドが好ましく、アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)に対する糖リガンドがより好ましい。
ASGPRに対する糖リガンドとしては、マンノースまたはN−アセチルガラクトサミンが好ましく、N−アセチルガラクトサミンがより好ましい。
ASGPRに対してより親和性の高い糖リガンドとして、例えばBioorganic Medicinal Chemistry, 17,7254 (2009)、およびJournal of American Chemical Society, 134, 1978 (2012)等に記載の糖誘導体が知られており、これらを用いてもよい。
本発明において、S1、S2およびS3は、リンカーである。
S1とS2は、糖リガンドであるL1とL2と、ベンゼン環とを連結する構造であれば特に限定されるものではなく、核酸複合体において用いられる公知の構造を採用してもよい。S1とS2は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
糖リガンドであるL1とL2は、S1およびS2とグリコシド結合により連結していることが好ましく、S1およびS2は、ベンゼン環と、例えば、−CO−、−NH−、−O−、−S−、−O−CO−、−S−CO−、−NH−CO−、−CO−O−、−CO−S−もしくは−CO−NH−結合によりそれぞれ連結していてもよい。
S3は、アンチセンスオリゴヌクレオチドであるXと、ベンゼン環とを連結する構造であれば特に限定されるものではなく、核酸複合体において用いられる公知の構造を採用してよい。
オリゴヌクレオチドであるXは、S3とホスホジエステル結合により連結していることが好ましく、S3は、ベンゼン環と、例えば、−CO−、−NH−、−O−、−S−、−O−CO−、−S−CO−、−NH−CO−、−CO−O−、−CO−S−もしくは−CO−NH−結合により連結していてもよい。
S1、S2およびS3のリンカーとしては、例えば、国際公開第2009/073809号、国際公開第2013/075035号、国際公開第2015/105083号、国際公開第2014/179620号、国際公開第2015/006740号に開示される構造を採用してもよい。
本発明において、核酸複合体は、下記式2で表される構造を有する核酸複合体であることが好適である。
式2:
式2中、
X、L1、L2およびS3は、それぞれ前記と同義であり、
P1、P2、P3、P4、P5およびP6、ならびにT1およびT2は、それぞれ独立して、存在しないか、または、−CO−、−NH−、−O−、−S−、−O−CO−、−S−CO−、−NH−CO−、−CO−O−、−CO−S−もしくは−CO−NH−であり、
P1およびP4は、それぞれ独立して、存在しないか、または、−CO−、−NH−、−O−、−S−、−O−CO−、−S−CO−、−NH−CO−、−CO−O−、−CO−S−もしくは−CO−NH−であるが、−O−、−O−CO−、−NH−CO−または−CO−NH−であることが好ましく、−O−、−NH−CO−または−CO−NH−であることがより好ましく、−NH−CO−であることがさらに好ましい。
P1またはP4が、例えば、−NH−CO−である場合、−NH−CO−ベンゼン環という部分構造を有する。
P2およびP5は、それぞれ独立して、存在しないか、または、−CO−、−NH−、−O−、−S−、−O−CO−、−S−CO−、−NH−CO−、−CO−O−、−CO−S−もしくは−CO−NH−であるが、存在しないか、−CO−O−または−CO−NH−であることが好ましく、存在しないか、−CO−NH−であることがより好ましい。P2およびP5が、例えば、−CO−NH−である場合、B1−CO−NH−Q1およびB2−CO−NH−Q3という部分構造を有する。
P3およびP6は、それぞれ独立して、存在しないか、または、−CO−、−NH−、−O−、−S−、−O−CO−、−S−CO−、−NH−CO−、−CO−O−、−CO−S−もしくは−CO−NH−であるが、−O−CO−または−NH−CO−であることが好ましく、−NH−CO−であることがより好ましい。P3およびP6が、例えば、−NH−CO−である場合、それぞれ、B1−NH−CO−Q2およびB2−NH−CO−Q4という部分構造を有する。
T1およびT2は、それぞれ独立して、存在しないか、または、−CO−、−NH−、−O−、−S−、−O−CO−、−S−CO−、−NH−CO−、−CO−O−、−CO−S−もしくは−CO−NH−であるが、−O−または−S−であることが好ましく、−O−であることがより好ましい。
Q1、Q2、Q3およびQ4は、それぞれ独立して、存在しないか、または、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキレンまたは−(CH2CH2O)n−CH2CH2−であり、nは0〜99の整数であるが、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキレンであることが好ましく、無置換の炭素数1〜12のアルキレンであることがより好ましく、無置換の炭素数1〜6のアルキレンであることがさらに好ましく、無置換の炭素数1〜4のアルキレンであることがよりさらに好ましい。
−(P2−Q1)q1−および−(P5−Q3)q3−がそれぞれ独立して、存在しないか、または下記式3−1〜式3−3で表されるいずれかの構造であることが好適である。
式3−1:
式3−2:
式3−3:
式3−1〜3−3中、
m5およびm6は、それぞれ独立して、0〜10の整数であり、式3−1〜式3−3の構造における末端の黒丸点は、それぞれ、B1またはB2あるいはP1またはP4との結合点である。
B1およびB2は、それぞれ独立して、結合手であるか、または、下記式で表されるいずれかの構造であり、各構造における末端の黒丸点は、それぞれ、P2またはP3あるいはP5またはP6との結合点であり、m1、m2、m3およびm4は、それぞれ独立して、0〜10の整数である。
B1およびB2は、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、イミノ二酢酸等の非天然アミノ酸を含むアミノ酸、または1,3−プロパンジオール等のアミノアルコールに由来する基であることが好ましく、B1およびB2がグルタミン酸およびアスパラギン酸に由来する基である場合、グルタミン酸およびアスパラギン酸のアミノ基がそれぞれ結合して、P2およびP5として、−NH−CO−結合であることが好ましく、B1およびB2がリジンに由来する基である場合、リジンのカルボキシル基がそれぞれ結合して、P2およびP5として、−CO−NH−結合であることが好ましく、B1およびB2がイミノ二酢酸に由来する基である場合、イミノ二酢酸のアミノ基がそれぞれ結合して、P2およびP5として、−CO−結合となることが好ましい。B1およびB2は、具体的には、以下の構造を持つことが好ましい。
p1およびp2がそれぞれ2または3の整数であるとき、それぞれのP3およびP6、Q2およびQ4、T1およびT2ならびにL1およびL2は、同一または異なっていてもよい。
q1〜q4が2〜10のとき、それぞれの−[P2−Q1]−,−[Q2−P3]−,−[P5−Q3]−,−[Q4−P6]−の組み合わせは同一または異なっていてもよい。それぞれの−[P2−Q1]−,−[Q2−P3]−,−[P5−Q3]−,および−[Q4−P6]−の組み合わせが同一または異なるとは、−[P2−Q1]−,−[Q2−P3]−,−[P5−Q3]−,および−[Q4−P6]−で示される各2〜10の単位が、同一である場合と異なる場合があることを意味する。
本発明において、核酸複合体は、下記式4−1〜4−9で表される構造を有する核酸複合体であることが好適である。
式4−1:
式4−2:
式4−3:
式4−4:
式4−5:
式4−6:
式4−7:
式4−8:
式4−9:
式4−1〜4−9中、
X、L1、L2、S3、P3、P6、T1、T2、Q2、Q4、q2およびq4はそれぞれ前記と同義であり、好適な構造も同様である。
本発明において、核酸複合体は、下記式5で表される構造を有する核酸複合体であることが好適である。
式5では、式2におけるP1とP4、P2とP5、P3とP6、Q1とQ3、Q2とQ4、B1とB2、T1とT2、L1とL2、p1とp2、q1とq3ならびにq2とq4がそれぞれ同一である。
式5:
式5中、
X、S3、P1、P2、P3、Q1、Q2、B1、T1、L1、p1、q1およびq2はそれぞれ前記と同義であり、好適な構造も同様である。
また、式5におけるX、S3、P1、P2、P3、Q1、Q2、B1、T1、L1、p1、q1およびq2は、各々、上述した好適な基であって良いが、P1が−CO−NH−、−NH−CO−または−O−であることが好ましい。
式5における−(P2−Q1)q1−は、存在しないか、または上記式3−1〜式3−3で表されるいずれかの構造であることが好適である。
本発明において、核酸複合体は、下記式6−1〜6−9で表される構造を有する核酸複合体であることが好適である。
式6−1:
式6−2:
式6−3:
式6−4:
式6−5:
式6−6:
式6−7:
式6−8:
式6−9:
式6−1〜式6−9中、
X、S3、P3、Q2、T1、およびL1は、それぞれ前記と同義であり、好適な構造も同様である。
本発明において、核酸複合体は、下記式7−1〜式7−9のいずれかで表される構造を有する核酸複合体であることが好適である。
式7−1:
式7−2:
式7−3:
式7−4:
式7−5:
式7−6:
式7−7:
式7−8:
式7−9:
式7−1〜式7−9中、
X、L1、L2およびS3は、それぞれ前記と同義であり、好適な構造も同様である。L1とL2は同一であってもよく、異なっていてもよく、同一であることが好適である。
式7−1〜式7−9において、各アルキレン基部分を鎖長の異なるアルキレン鎖を導入することにより、また、アミド結合等を他の結合に置換することにより、式7−1〜式7−9で表される構造を有する核酸複合体以外の核酸誘導体を製造することもできる。
本発明において、核酸複合体は、下記式11で表される構造を有する核酸複合体であることが好適である。
式11:
式11中、
L1、L2、S1およびS2は、それぞれ前記と同義であり、好適な構造も同様である。
P7およびP8は、それぞれ独立して、存在しないか、または、−CO−、−NH−、−O−、−S−、−O−CO−、−S−CO−、−NH−CO−、−CO−O−、−CO−S−もしくは−CO−NH−であり、
Q5、Q6およびQ7は、それぞれ独立して、存在しないか、または、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキレンまたは−(CH2CH2O)n8−CH2CH2−であり、n8は0〜99の整数であり、
B3は、本明細書中ではブランチャーユニットと呼ばれ、下記式11−1で表されるいずれかの構造であり、破線において、それぞれ、Q5およびQ6との結合手を意味し、
式11−1:
式11−1中、トリアゾール環を有する基における置換は、該トリアゾール環の1位および3位の窒素原子のいずれかである。
q5およびq6は、それぞれ独立して、0〜10の整数である。
P7は、存在しないか、または、−CO−、−NH−、−O−、−S−、−O−CO−、−S−CO−、−NH−CO−、−CO−O−、−CO−S−もしくは−CO−NH−であるが、−O−、−NH−CO−または-CO−NH−であることが好ましく、−O−または−NH−CO−であることがより好ましい。。P7が、例えば、−O−である場合、ベンゼン環−O−という部分構造を有する。
P8は、存在しないか、または、−CO−、−NH−、−O−、−S−、−O−CO−、−S−CO−、−NH−CO−、−CO−O−、−CO−S−もしくは−CO−NH−であるが、存在する場合、−CO−O−または−CO−NH−であることが好ましく、−CO−NH−であることがより好ましい。P8が、例えば、−CO−NH−である場合、Q6−CO−NH−という部分構造を有する。
Q5、Q6およびQ7は、それぞれ独立して、存在しないか、または、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキレンまたは−(CH2CH2O)n8−CH2CH2−であり、n8は0〜99の整数であるが、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキレンであることが好ましく、無置換の炭素数1〜12のアルキレンであることがより好ましく、無置換の炭素数1〜6のアルキレンであることがさらに好ましく、無置換の炭素数1〜4のアルキレンであることがよりさらに好ましい。
−(P7−Q5)q5−は、−O−(CH2m15−NH−および−NH−CO−(CH2m16−NHであり、m15およびm16は、それぞれ独立して、1〜10の整数であることが好適である。
本発明において、核酸複合体は、下記式12−1〜式12−12のいずれかで表される構造を有する核酸複合体であることが好適である。
式12−1:
式12−2:
式12−3:
式12−4:
式12−5:
式12−6:
式12−7:
式12−8:
式12−9:
式12−10:
式12−11:
式12−12:
式12−1〜12−12中、
X、L1、L2、S1およびS2は、それぞれ前記と同義であり、n1’〜n12’はそれぞれ独立して、1〜10の整数である。
本発明の核酸複合体は、式1で表される核酸複合体において、式2および式11の構造を併せて持つ核酸複合体であることが好ましく、該核酸複合体において、式11の構造であって、式2が、式4−1〜式4−9であってもよく、式6−1〜式6−9であってもよく、式7−1〜式7−9であってもよく、式2が、式4−1〜式4−9、式6−1〜式6−9、あるいは式7−1〜式7−9である場合に、式11が、式12−1〜式12−12であってもよい。本発明の核酸複合体は、式1で表される核酸複合体において、式4−1〜式4−9のいずれか1つの構造および式12−1〜式12−12のいずれか1つの構造を併せて持つ核酸複合体、式6−1〜式6−9のいずれか1つの構造および式12−1〜式12−12のいずれか1つの構造を併せて持つ核酸複合体、式7−1〜式7−9のいずれか1つの構造および式12−1〜式12−12のいずれか1つの構造を併せて持つ核酸複合体であることがより好適である。
本発明におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドが標的とするβ2GPIをコードする遺伝子(以下、β2GPI遺伝子ともいう)は、Genbank Accession No.NM_000042として登録されている、β2GPIの完全長mRNAに対応するcDNA塩基配列(配列番号1)が挙げられる。
本発明において、アンチセンスオリゴヌクレオチドとは標的遺伝子をコードするDNA、
このようなDNAから転写されるmRNA前駆体およびmRNAに対して相補的なオリゴヌクレオチドであり、当該アンチセンスオリゴヌクレオチドが標的とするDNA、mRNA前駆体またはmRNAと二本鎖を形成することによりDNA、mRNA前駆体またはmRNAの働きを抑制する。アンチセンスオリゴヌクレオチドには、標的となるDNA、mRNA前駆体またはmRNAと完全に相補的であるもののみならず、DNA、mRNA前駆体またはmRNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズできる限り、1もしくは数個のミスマッチが存在するものも含まれる。本発明におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドとは、標的遺伝子にハイブリダイズする核酸であれば、ヘアピンオリゴマー、環状オリゴマーの形態中に導入されてもよく、内部または末端のバルジまたはループなどの構造要素を含有してもよい。
本発明におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドとしては、ヌクレオチドまたは該ヌクレオチドと同等の機能を有する分子が重合した分子であればいかなる分子であってもよく、例えばデオキシリボヌクレオチドの重合体であるDNA、リボヌクレオチドの重合体であるRNA、DNAとRNAとからなるキメラ核酸およびこれらの核酸の少なくとも一つのヌクレオチドが該ヌクレオチドと同等の機能を有する分子で置換されたヌクレオチド重合体が挙げられる。またRNA中のウラシル(U)は、DNAにおいてはチミン(T)に一義的に読み替えることができる。
ヌクレオチドと同等の機能を有する分子としては、例えばヌクレオチド誘導体等が挙げられる。ヌクレオチド誘導体としては、ヌクレオチドに修飾を施した分子であればいかなる分子であってもよいが、例えばDNAまたはRNAと比較して、ヌクレアーゼ耐性の向上もしくは安定化させるため、相補鎖核酸とのアフィニティーを上げるため、細胞透過性を上げるため、または可視化させるために、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドに修飾を施した分子等が好適に用いられる。
ヌクレオチドに修飾を施した分子としては、例えば糖部修飾ヌクレオチド、リン酸ジエステル結合修飾ヌクレオチド、塩基修飾ヌクレオチド、ならびに糖部、リン酸ジエステル結合および塩基の少なくとも一つが修飾されたヌクレオチド等が挙げられる。
糖部修飾ヌクレオチドとしては、ヌクレオチドの糖の化学構造の一部あるいは全てに対し、任意の置換基で修飾もしくは置換したもの、または任意の原子で置換したものであればいかなるものでもよいが、2’-修飾ヌクレオチドが好ましく用いられる。
2’-修飾ヌクレオチドとしては、例えばリボースの2’-OH基がOR、R、R’OR、SH、SR、NH2、NHR、NR2、N3、CN、F、Cl、BrおよびIからなる群(Rはアルキルまたはアリール、好ましくは炭素数1〜6のアルキルであり、R’はアルキレン、好ましくは炭素数1〜6のアルキレンである)から選択される置換基で置換された2’-修飾ヌクレオチドが挙げられ、好ましくはF、メトキシ基が挙げられる。また、2-(methoxy)ethoxy基、3-aminopropoxy基、2-[(N,N-dimethylamino)oxy]ethoxy基、3-(N,N-dimethylamino)propoxy基、2-[2-(N,N-Dimethylamino)ethoxy]ethoxy基、2-(methylamino)-2-oxoethoxy基、2-(N-methylcarbamoyl)ethoxy基および2-cyanoethoxy基からなる群から選択される置換基で置換された2’-修飾ヌクレオチド等も挙げられる。より好ましくはメトキシ基および2-(methoxy)ethoxy基からなる群から選択される置換基で置換された2’-修飾ヌクレオチド等が挙げられる。
また、糖部修飾ヌクレオチドとしては、糖部に架橋構造を導入することにより2つの環状構造を有する架橋構造型人工核酸(Bridged Nucleic Acid)(BNA)も好適に用いられる。
具体的には、2'位の酸素原子と4'位の炭素原子がメチレンを介して架橋したロックト人工核酸(Locked Nucleic Acid)(LNA) [Tetrahedron Letters, 38, 8735, (1997)およびTetrahedron, 54, 3607,(1998)]、エチレン架橋構造型人工核酸(Ethylene bridged nucleic acid)(ENA)[Nucleic Acid Research, 32, e175(2004)]、Constrained Ethyl (cEt)[The Journal of Organic Chemistry 75, 1569 (2010)]、Amido-Bridged Nucleic Acid (AmNA)[ChemBio Chem 13, 2513 (2012)]および2’-O,4’-C-Spirocyclopropylene bridged nucleic acid (scpBNA)[Chem. Commun., 51, 9737 (2015)]等が挙げられる。
さらにペプチド核酸(PNA)[Acc. Chem. Res., 32, 624 (1999)]、オキシペプチド核酸(OPNA)[J. Am. Chem. Soc., 123, 4653 (2001)]、ペプチドリボ核酸(PRNA)[J. Am. Chem. Soc., 122, 6900 (2000)]等も糖部修飾ヌクレオチドとして挙げられる。
リン酸ジエステル結合修飾ヌクレオチドとしては、ヌクレオチドのリン酸ジエステル結合の化学構造の一部あるいは全てに対し、任意の置換基で修飾もしくは置換したもの、または任意の原子で置換したものであればいかなるものでもよく、例えば、リン酸ジエステル結合がホスホロチオエート結合に置換されたヌクレオチド、リン酸ジエステル結合がホスホロジチオエート結合に置換されたヌクレオチド、リン酸ジエステル結合がアルキルホスホネート結合に置換されたヌクレオチド、リン酸ジエステル結合がホスホロアミデート結合に置換されたヌクレオチド等が挙げられ、好ましくはリン酸ジエステル結合がホスホロチオエート結合に置換されたヌクレオチドが挙げられる。
塩基修飾ヌクレオチドとしては、ヌクレオチドの塩基の化学構造の一部あるいは全てに対し、任意の置換基で修飾もしくは置換したもの、または任意の原子で置換したものであればいかなるものでもよく、例えば、塩基内の酸素原子が硫黄原子で置換されたもの、水素原子が炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン基で置換されたもの、メチル基が水素、ヒドロキシメチル、炭素数2〜6のアルキル基で置換されたもの、アミノ基が炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルカノイル基、オキソ基、ヒドロキシ基等に置換されたものが挙げられる。なお、シトシン(C)の代わりに5-メチルシトシン(5-mC)を塩基修飾ヌクレオチドとして用いることも、本発明の好ましい形態の一つである。
ヌクレオチド誘導体としては、ヌクレオチドまたは糖部、リン酸ジエステル結合もしくは塩基の少なくとも一つが修飾されたヌクレオチド誘導体に、コレステロール、脂肪酸、トコフェロール、レチノイドなどの脂質類、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)、ガラクトース(Gal)、マンノース(Man)などの糖類、フル抗体、Fab、VHHなどの抗体、低密度リポタンパク質(LDL)、ヒト血清アルブミンなどのタンパク質、RGD、NGR、R9、CPPなどのペプチド類、フェナジン、フェナントリジン、アントラキノン、葉酸などの低分子、合成ポリアミノ酸などの合成ポリマー、核酸アプタマー、アクリジン、フルオレセイン、ローダミン、クマリンなどの色素、Cy3シリーズ、Alexaシリーズ、ブラックホールクエンチャーなどの蛍光団等の別の化学物質を、直接またはリンカーを介して付加したものも挙げられる。具体的にはポリアミン付加ヌクレオチド誘導体、コレステロール付加ヌクレオチド誘導体、ステロイド付加ヌクレオチド誘導体、GalNAc付加ヌクレオチド誘導体、胆汁酸付加ヌクレオチド誘導体、脂肪酸付加ヌクレオチド誘導体、ビタミン付加ヌクレオチド誘導体、Cy5付加ヌクレオチド誘導体、Cy3付加ヌクレオチド誘導体、6-FAM付加ヌクレオチド誘導体およびビオチン付加ヌクレオチド誘導体等が挙げられ、好ましくはGalNAc付加ヌクレオチド誘導体が挙げられる。これらは、固相上での伸長反応時に、固相上で反応可能な修飾剤を反応させることで、5’末端、3’末端および/または配列内部に修飾を施すことができる。また、アミノ基、メルカプト基、アジド基または3重結合などの官能基を導入した核酸をあらかじめ合成および精製しておき、それらに修飾剤を作用させることで得ることもできる。
ヌクレオチド誘導体は、核酸内の他のヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体とアルキレン構造、ペプチド構造、ヌクレオチド構造、エーテル構造、エステル構造およびこれらの少なくとも一つを組み合わせた構造等の架橋構造を形成してもよい。
本発明におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドは、その分子中の一部あるいは全部の原子が質量数の異なる原子(同位体)で置換されたものも包含する。
本明細書において「相補」とは、2つの塩基間で塩基対合をし得る関係を意味し、例えば、アデニンとチミンまたはウラシルとの関係、並びにグアニンとシトシンとの関係のように緩やかな水素結合を介して、二重鎖領域全体として2重螺旋構造をとるものをいう。
本発明におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドの長さは、8〜80塩基であり、8〜30塩基が好ましい。例えば、8〜20塩基、10〜20塩基、13〜20塩基、13〜16塩基、13塩基、14塩基、15塩基、16塩基、17塩基、18塩基、19塩基、20塩基であり得る。
特定の好ましい具体的な塩基配列は本明細書中に記載されるが、表1-1〜1-4に記載されたアンチセンス塩基配列の中から選択された少なくとも8個の連続した塩基を含む長さ8〜80塩基のアンチセンスオリゴヌクレオチドもまた、好ましいアンチセンスオリゴヌクレオチドと言える。表1に記載されたアンチセンス塩基配列の中から選択された、より好ましくは9個以上、さらに好ましくは10個以上、より一層好ましくは11個以上、特に好ましくは12個以上、最も好ましくは13個の連続した塩基を含む、長さ8〜80塩基、好ましくは8〜30塩基のアンチセンスオリゴヌクレオチドもまた、好ましいアンチセンスオリゴヌクレオチドと言える。
典型的な好ましいアンチセンスオリゴヌクレオチドには、表1-1〜1-4に記載されたアンチセンス塩基配列の5’末端から少なくとも8個、より好ましくは9個以上、さらに好ましくは10個以上、より一層好ましくは11個以上、特に好ましくは12個以上の連続した核酸塩基を含むオリゴヌクレオチドが含まれる。同様に好ましいアンチセンスオリゴヌクレオチドは、表1に記載されたアンチセンス塩基配列の3’末端から少なくとも8個以上、より好ましくは9個以上、さらに好ましくは10個以上、より一層好ましくは11個以上、特に好ましくは12個以上の連続した核酸塩基を含むオリゴヌクレオチドが含まれる。
本発明におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドとしては、後述する、表2-1〜2-3、または表3-1〜3-2またはに記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いることが好ましい。本発明におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドとしては、表2-1〜2-3および表3-1〜3-2に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドであって、該表に記載のβ2GPI相対発現量が、表2-1〜2-3では0.65以下、表3-1〜3-2では0.3以下であるアンチセンスオリゴヌクレオチド配列を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いることがより好ましく、さらに好ましくはβ2GPI相対発現量が表2-1〜2-3では0.6以下、表3-1〜3-2では0.2以下であるアンチセンスオリゴヌクレオチド、特に好ましくはβ2GPI相対発現量が表2-1〜2-3では0.55以下、表3-1〜3-2では0.1以下であるアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いることができる。
表2-1〜2-3に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドにおける、小文字で表されるヌクレオチドはDNAを、大文字で表されるヌクレオチドは2'-O-メチル化RNAを示し、表3-1〜3-2に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドにおける、小文字で表されるヌクレオチドはDNAを、大文字で表されるヌクレオチドはLNAを、mCは5-メチルシトシンLNAを示す。および また、表2-1〜表2-3、表3-1〜表3-2に記載のいずれのアンチセンスオリゴヌクレオチドにおける各ヌクレオチドは、すべてリン酸ジエステル結合がホスホロチオエート結合で置換(すなわち、ホスホロチオエート修飾)されている。
本発明におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドとしては、β2GPI遺伝子の一部の標的塩基配列に対して相補的な塩基配列からなる核酸を含み、かつβ2GPIの発現を抑制する核酸が用いられるが、該核酸のうち1〜3塩基、好ましくは1〜2塩基、より好ましくは1塩基が欠失、置換または付加したものを用いてもよい。
本発明におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドは、細胞内に導入されると、相補的なmRNAおよびmRNA前駆体と結合し、mRNAおよびmRNA前駆体が蛋白質に翻訳されるのを立体的に阻害してβ2GPI遺伝子の発現を抑制することができる。
また、細胞内に導入されたアンチセンスオリゴヌクレオチドは、細胞内において、相補的なmRNAおよびmRNA前駆体と結合し、mRNAおよびmRNA前駆体を切断することもある。このような例として、RNAとDNAの二重鎖のRNA鎖を切断するエンドヌクレアーゼであるRNaseHを介した作用が知られている。細胞内のアンチセンスオリゴヌクレオチドがmRNAおよびmRNA前駆体と二重鎖を形成するとRNaseHに認識され、相補的なmRNA鎖を酵素的に分解することができる。
RNaseHによるmRNAおよびmRNA前駆体の切断を誘導するには、4〜80個の連続したDNA領域を持つアンチセンスオリゴヌクレオチドが好ましい。この場合、アンチセンスオリゴヌクレオチドは0〜80%の糖部修飾ヌクレオチドを持つことが好ましく、10〜60%がより好ましく、20〜50%がさらに好ましい。また、糖部修飾ヌクレオチドを持つ場合の連続したDNA領域は、4〜20個がより好ましく、4〜15個がさらに好ましく、5〜10個が最も好ましい。更に、アンチセンスオリゴヌクレオチドにおける糖部修飾ヌクレオチドの位置は、5’末端近傍および/または3’末端近傍に配置することが好ましく、5’末端から全長の長さの30%以内の位置および/または3’末端から全長の長さの30%以内の位置に配置することがより好ましく、糖部修飾ヌクレオチドが、アンチセンスオリゴヌクレオチドの5’末端から全長の長さの25%以内の位置および/または3’末端から全長の長さの25%以内の位置に配置することがさらに好ましい。
本発明におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドは、5’末端近傍および/または3’末端近傍が糖部修飾ヌクレオチドであることが特に好ましい。本明細書中、5’末端近傍が糖部修飾ヌクレオチドであるとは、5’末端から1〜4個、好ましくは2〜4個の連続するヌクレオチドが糖部修飾ヌクレオチドであることを意味し、3’末端近傍が糖部修飾ヌクレオチドであるとは、3’末端から1〜4個、好ましくは2〜4個の連続するヌクレオチドが糖部修飾ヌクレオチドであることを意味する。すなわち、本発明におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドは、その5’末端から1〜4個のヌクレオチドが糖部修飾ヌクレオチドであるアンチセンスヌクレオチドを用いることが好ましく、より好ましくは5’末端から2〜4個のヌクレオチドが糖部修飾ヌクレオチドであるものを用いることができる。本発明におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドは、その3’末端から1〜4個のヌクレオチドが糖部修飾ヌクレオチドであるアンチセンスヌクレオチドを用いることが好ましく、より好ましくは3’末端から2〜4個のヌクレオチドが糖部修飾ヌクレオチドであるものを用いることができる。
本発明において、ストリンジェントな条件とは、本発明におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドがβ2GPI遺伝子の標的塩基配列に対してはハイブリダイズするが、その他の配列にはハイブリダイズしないか、するとしても標的塩基配列にハイブリダイズする量よりも大幅に少なく、相対的に無視できる程度の微量しかハイブリダイズしない条件を意味する。ハイブリダイゼーション反応および洗浄時の温度や、ハイブリダイゼーション反応液および洗浄液の塩濃度等を変化させることによって、このような条件を容易に選択することができる。具体的には6xSSC(0.9M NaCl, 0.09M クエン酸三ナトリウム)または6xSSPE(3M NaCl, 0.2M NaH2PO4, 20mM EDTA・2Na, pH7.4)中42℃でハイブリダイズさせ、さらに42℃で0.5xSSCにより洗浄する条件が、ストリンジェントな条件の一例として挙げられるが、これに限定されるものではない。ハイブリダイゼーションの方法としては、例えばサザンブロットハイブリダイゼーション法等を用いることができる。具体的には、Molecular Cloning:A Laboratory Mannual, Second Edition(1989)(Cold Spring Harbor Laboratory Press)、Current Protocols in Molecular Biology(1994)(Wiley−Interscience)等に記載されている方法に準じて行うことができる。
本発明におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドを製造する方法としては、特に限定されず、公知の化学合成を用いる方法、あるいは、酵素的転写法等が挙げられる。公知の化学合成を用いる方法として、ホスホロアミダイト法、ホスホロチオエート法、ホスホトリエステル法、CEM法[Nucleic Acid Research, 35, 3287 (2007)]等を挙げることができ、例えば、ABI3900ハイスループット核酸合成機(アプライドバイオシステムズ社製)により合成することができる。合成が終了した後は、固相からの脱離、保護基の脱保護および目的物の精製等を行う。精製により、純度90%以上、好ましくは95%以上のアンチセンスオリゴヌクレオチドを得るのが望ましい。本発明におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドを製造する酵素的転写法としては、目的の塩基配列を有したプラスミドまたはDNAを鋳型としてファージRNAポリメラーゼ、例えば、T7、T3、またはSP6RNAポリメラーゼを用いた転写による方法が挙げられる。
本発明におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドは、トランスフェクション用の担体、好ましくはカチオン性リポソーム等のカチオン性担体を用いて細胞内に導入することができる。また、リン酸カルシウム法、エレクトロポレーション法またはマイクロインジェクション法などにより、直接細胞内に導入することもできる。
本発明におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドは、相補的なオリゴ核酸と二重鎖を形成させ、二重鎖核酸として細胞内に導入することで標的遺伝子の発現抑制を誘導することもできる(特許文献 国際公開第2005/113571号パンフレット)。この場合の二重鎖核酸をリガンドで修飾する位置は、相補的なオリゴ核酸の5’末端または3’末端が好ましい。
本発明のβ2GPI遺伝子の一部の塩基配列に対して相補的な塩基配列からなるアンチセンスオリゴヌクレオチドは、Genbank Accession No.NM_000042として登録されているヒトβ2GPIの完全長mRNAのcDNA塩基配列(配列番号1)あるいはゲノム配列に基づいて設計することができる。ヒトβ2GPIの完全長mRNAのcDNAは例えば、Genbank Accession No.NM_000042として登録されており、またヒトβ2GPIのmRNA前駆体を含むゲノム配列は、例えばGenbank Accession No. NC_000017.11として登録されている。
β2GPI遺伝子の一部の標的塩基配列に対して相補的な塩基配列からなる核酸のうち、β2GPIの発現抑制活性を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドとしては、例えば表1〜表3に記載された群から選択される塩基配列で構成されるアンチセンスオリゴヌクレオチドが挙げられる。アンチセンスオリゴヌクレオチドの長さは、8〜80塩基であり、8〜30塩基が好ましい。例えば、8〜20塩基、10〜20塩基、13〜20塩基、13〜16塩基13塩基、14塩基、15塩基、16塩基、17塩基、18塩基、19塩基、20塩基であり得る。
これらのアンチセンスオリゴヌクレオチドを細胞に導入することにより、β2GPIの発現を抑制することができる。例えば本発明におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドは、数nM〜数μMの濃度で、細胞に導入した後、24時間以上、例えば48時間培養した段階でβ2GPIのmRNAの発現を抑制することができる。
また、本発明におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドのβ2GPIのmRNAの発現抑制活性の評価は、該アンチセンスオリゴヌクレオチドをカチオン性リポソームなどを用いて、もしくは該アンチセンスオリゴヌクレオチドをそのまま、あるいは該アンチセンスオリゴヌクレオチドを何らかのリガンドと結合させて、ヒト細胞株などへ導入し、一定時間培養した後、当該ヒト細胞株におけるβ2GPIのmRNAの発現量を定量することにより行うことができる。
本発明におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドは、リガンドを含んでもよい。該リガンドは、本発明におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドの5'末端、3'末端および/または配列内部を、直接修飾するものであってもよい。
本発明におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドに含まれるリガンドとしては、生体分子と親和性のある分子であれば良いが、例えば、コレステロール、脂肪酸、トコフェロール、レチノイドなどの脂質類、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)、ガラクトース(Gal)、マンノース(Man)などの糖類、フル抗体、Fab、VHHなどの抗体、低密度リポタンパク質(LDL)、ヒト血清アルブミンなどのタンパク質、RGD、NGR、R9、CPPなどのペプチド類、葉酸などの低分子、合成ポリアミノ酸などの合成ポリマー、あるいは核酸アプタマーなどがあげられるがこれらに限定されず、これらを適宜組み合わせて用いることもできる。
本発明におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドにリガンドを付加する方法としては、例えば、固相上での伸張反応時に、固相上で反応可能な修飾剤を反応させることで、5'末端、3'末端および/または配列内部に修飾を施すことができるが、これに限定されない。また、アミノ基、メルカプト基、アジド基または3重結合などの官能基を導入した核酸をあらかじめ合成および精製しておき、それらに修飾剤を作用させることでコンジュゲート核酸を得ることもできる。
本発明の核酸複合体の製造法について説明する。なお、以下に示す製造法において、定義した基が該製造法の条件下で変化するかまたは該製造法を実施するのに不適切な場合、有機合成化学で常用される保護基の導入および除去方法[例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス第3版(Protective Groups in Organic Synthesis, third edition)、グリーン(T.W.Greene)著、John Wiley&Sons Inc.(1999年)等に記載の方法]等を用いることにより、目的化合物を製造することができる。また、必要に応じて置換基導入等の反応工程の順序を変えることもできる。
式1で表される核酸重合体は、固相合成によっても合成することができる。
式1で表される核酸重合体は、核酸複合体として公知のリンカー構造の合成方法を参考にして合成することができる。
式1で表される核酸複合体における、S1をリンカーとしたL1−ベンゼン環ユニットやS2をリンカーとしたL2−ベンゼン環ユニットの合成は、例えば、式2で表される核酸複合体を例として説明する。
式2で表される核酸複合体におけるL1−ベンゼン環ユニットやL2−ベンゼン環ユニットは、P1、P2、P3、P4、P5、およびP6ならびにT1およびT2により連結している。
P1、P2、P3、P4、P5、およびP6ならびにT1およびT2の−CO−、−NH−、−O−、−S−、−O−CO−、−S−CO−、−NH−CO−、−CO−O−、−CO−S−または−CO−NH−結合は、例えば、第4版実験化学講座19「有機化合物の合成I」丸善(1992年)、第4版実験化学講座20「有機化合物の合成II」、丸善(1992年))等に記載の結合反応の方法を参考にして、式2で表される構造を形成するのに適切な原料を選択することにより適宜合成することができる。
また、ベンゼン環から順次、Q1を部分構造として有する化合物、B1を部分構造として有する化合物を結合させることで、L1−ベンゼン環ユニットの部分構造を製造することができる。
L1とQ2を部分構造として有する化合物を別途合成し、L1とQ2を部分構造として有する化合物をベンゼン環、Q1およびB1を部分構造として有するL1−ベンゼン環ユニットの部分構造を有する化合物と結合させることにより、L1−ベンゼン環ユニット構造を製造することができる。
L2−ベンゼン環ユニットについても同様に、ベンゼン環から順次、Q3を部分構造として有する化合物、B2を部分構造として有する化合物を結合させることで、L2−ベンゼン環ユニットの部分構造を製造することができる。
L2とQ4を部分構造として有する化合物を別途合成し、L2とQ4を部分構造として有する化合物をベンゼン環、Q3およびB2を部分構造として有するL2−ベンゼン環ユニットの部分構造を有する化合物と結合させることにより、L2−ベンゼン環ユニット構造を製造することができる。
Q1を部分構造として有する化合物、Q3を部分構造として有する化合物としては、炭素数1〜10のアルキレンまたは−(CH2CH2O)n−CH2CH2−の両末端に、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基を有する化合物が挙げられる。
B1を部分構造として有する化合物、B2を部分構造として有する化合物としては、下記式2−1で表されるいずれかの構造を有し、各構造における末端の黒丸点において、それぞれ、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、またはチオール基を有する化合物が挙げられる。
式2−1:
B1を部分構造として有する化合物、B2を部分構造として有する化合物の具体例としては、グリコール、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、Tris、イミノ二酢酸、2−アミノ−1,3−プロパンジオール等が挙げられ、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、イミノ二酢酸が好ましい。具体的には、B1およびB2は以下の構造が好ましい。
L1、Q2およびB1を部分構造として有する化合物を合成してから、Q1とベンゼン環を有する化合物と結合することにより、L1−ベンゼン環ユニット構造を製造してもよい。
L2、Q4およびB2を部分構造として有する化合物を合成してから、Q3とベンゼン環を有する化合物と結合することにより、L2−ベンゼン環ユニット構造を製造してもよい。
本発明においては、[L1−T1−(Q2−P3)q2−]p1−B1−(P2−Q1)q1−P1−である部分構造と、[L2−T2−(Q3−P6)q4−]p2−B2−(P5−Q3)q3−P2−である部分構造とは同一または異なっていても良いが、同一であることが好ましい。
糖リガンドのL1−T1−Q2に相当するユニットとして、例えば、L3−T1−Q2−COOH、L3−T1−(Q2−P3)q2-1−Q2−NH2等が挙げられる。具体的には、L3−O―炭素数1〜12のアルキレン―COOHや、L3−炭素数1〜12のアルキレン−CO−NH−炭素数2〜12のアルキレン−NH2等が挙げられる。
L3は、脱保護することにより、L1となる糖リガンド誘導体であれば特に限定されない。糖リガンドの置換基としては、糖質化学の分野で汎用される置換基であれば特に限定されないが、Ac基が好ましい。
S1をリンカーとしたL1−ベンゼン環ユニットやS2をリンカーとしたL2−ベンゼン環ユニットの合成は、具体的には実施例に記載の方法を参考にして、アルキレン鎖の炭素数を適宜増減し、また、末端アミノ基や末端カルボキシル基を、−CO−、−NH−、−O−、−S−、−O−CO−、−S−CO−、−NH−CO−、−CO−O−、−CO−S−または−CO−NH−結合を形成し得る基に変換した化合物を用いることにより、合成することができる。また、L1の糖リガンドについても、実施例においては、マンノースまたはN−アセチルガラクトサミンを例示しているが、他の糖リガンドに変更して実施することができる。
式1で表される核酸複合体における、S3をリンカーとしたX−ベンゼン環ユニットの合成は、例えば、式12で表される核酸複合体を例として説明する。
式12で表される核酸複合体におけるX−ベンゼン環ユニットは、オリゴヌクレオチドの結合以外に、P7およびP8により表される結合を有する。
P7およびP8の−CO−、−NH−、−O−、−S−、−O−CO−、−S−CO−、−NH−CO−、−CO−O−、−CO−S−または−CO−NH−結合は、例えば、第4版実験化学講座19「有機化合物の合成I」丸善(1992年)、第4版実験化学講座20「有機化合物の合成II」、丸善(1992年))に記載の結合反応の方法を参考にして、式12で表される構造を形成するのに適切な原料を選択することにより適宜合成することができる。
また、ベンゼン環から順次、Q5を部分構造として有する化合物、B3を部分構造として有する化合物を結合させることで、X−ベンゼン環ユニットの部分構造を製造することができる。
XとQ7を部分構造として有する化合物や、XとQ6を部分構造として有する化合物を別途合成し、XとQ7を部分構造として有する化合物やXとQ6を部分構造として有する化合物をベンゼン環およびQ5を部分構造として有するX−ベンゼン環ユニットの部分構造を有する化合物と結合させて、B3部分を構築することにより、X−ベンゼン環ユニット構造を製造することができる。
具体的には、ベンゼン環およびQ5を部分構造として有するX−ベンゼン環ユニットの部分構造を有する化合物の末端にアジド基を有する場合を例にとると、実施例に開示するような末端結合性官能基化したオリゴヌクレオチドを反応させることにより、環化付加させて、トリアゾール環を形成させて、B3部分を構築することにより、X−ベンゼン環ユニット構造を製造することができる。
Q5を部分構造として有する化合物、Q6を部分構造として有する化合物、Q7を部分構造として有する化合物としては、炭素数1〜10のアルキレンまたは−(CH2CH2O)n8−CH2CH2−の両末端に、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基を有する化合物が挙げられる。
L1−ベンゼン環ユニット構造、L2−ベンゼン環ユニット構造と、X−ベンゼン環ユニット構造とは、それぞれ順次製造していくことができるが、L1−ベンゼン環ユニット構造およびL2−ベンゼン環ユニット構造を合成してから、X−ベンゼン環ユニット構造を結合させることが好ましい。特に、オリゴヌクレオチド部分を有するXについては、糖リガンド複合体合成の最終工程近くで化合物内に導入することが好ましい。
本発明においては、下記式8〜式10で表される化合物が合成中間体として得られる。
式8:
(式8中、
R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、t−ブトキシカルボニル基(Boc基)、ベンジルオキシカルボニル基(Z基)、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc基)、−CO−R4、または−CO−B4−[(P9−Q8)q7−T3−L3]p3であり、
P9およびT3は、それぞれ独立して、存在しないか、または、−CO−、−NH−、−O−、−S−、−O−CO−、−S−CO−、−NH−CO−、−CO−O−、−CO−S−もしくは−CO−NH−であり、
Q8は、存在しないか、または、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキレンまたは−(CH2CH2O)n1−CH2CH2−であり、n1は0〜99の整数であり、
B4は、それぞれ独立して、結合手であるか、または、下記式8−1で表されるいずれかの構造であり、各構造における末端の黒丸点は、それぞれ、カルボニル基またはP9との結合点であり、m7、m8、m9およびm10は、それぞれ独立して、0〜10の整数であり、
式8−1:
p3は、1、2または3の整数であり、
q7は、0〜10の整数であり、
L3は、糖リガンドであり、
Yは-O−(CH2m11−NH−および−NH−CO−(CH2m12−NHであり、m11およびm12は、それぞれ独立して、1〜10の整数であり、
R3は、水素原子、t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、−CO−R4、−CO−(CH2CH2O)n2−CH2CH2−N3、または−CO−Q9−B5−(Q10−P10)q8−X1あり、n2は0〜99の整数であり、
P10は、存在しないか、または、−CO−、−NH−、−O−、−S−、−O−CO−、−S−CO−、−NH−CO−、−CO−O−、−CO−S−もしくは−CO−NH−であり、
Q9およびQ10は、それぞれ独立して、存在しないか、または、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキレンまたは−(CH2CH2O)n3−CH2CH2−であり、n3は0〜99の整数であり、
B5は、下記式8−2で表されるいずれかの構造であり、破線において、それぞれ、Q9およびQ10との結合手を意味し、
式8−2:
式8−2中、トリアゾール環を有する基における置換は、該トリアゾール環の1位および3位の窒素原子のいずれかである。
q8は、0〜10の整数であり、
X1は、水素原子または固相担体であり、
R4は、t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基で置換もしくは無置換のアミノ基、カルボキシ基、マレイミド基、およびアラルキルオキシカルボニル基からなる群から選択される1または2個の置換基で置換された炭素数2〜10のアルキル基である。)
本発明においては、下記式9で表される化合物が合成中間体として得られる。
式9:
(式9中、
R5およびR6は、それぞれ独立して、水素原子、t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、−CO−R4'、または−CO−Q11−(P11−Q11')q9−T4−L4であり、
P11およびT4は、それぞれ独立して、存在しないか、または、−CO−、−NH−、−O−、−S−、−O−CO−、−S−CO−、−NH−CO−、−CO−O−、−CO−S−もしくは−CO−NH−であり、
Q11およびQ11'は、存在しないか、または、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキレンまたは−(CH2CH2O)n4−CH2CH2−であり、n4は0〜99の整数であり、
q9は、0〜10の整数であり、
L4は、糖リガンドであり、
Y'は-O−(CH2m11'−NH−および−NH−CO−(CH2m12'−NHであり、m11'およびm12'は、それぞれ独立して、1〜10の整数であり、
R3'は、水素原子、t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、−CO−R4'、−CO−(CH2CH2O)n2'−CH2CH2−N3、または−CO−Q9'−B5'−(Q10'−P10')q8'−X1'であり、n2'は0〜99の整数であり、
P10'は、存在しないか、または、−CO−、−NH−、−O−、−S−、−O−CO−、−S−CO−、−NH−CO−、−CO−O−、−CO−S−もしくは−CO−NH−であり、
Q9'およびQ10'は、それぞれ独立して、存在しないか、または、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキレンまたは−(CH2CH2O)n3'−CH2CH2−であり、n3'は0〜99の整数であり、
B5'は、下記式9−1で表されるいずれかの構造であり、破線において、それぞれ、Q9'およびQ10'との結合手を意味し、
式9−1:
式9−1中、トリアゾール環を有する基における置換は、該トリアゾール環の1位および3位の窒素原子のいずれかである。
q8'は、0〜10の整数であり、
X1'は、水素原子または固相担体であり、
R4'は、t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基で置換もしくは無置換のアミノ基、カルボキシ基、マレイミド基、およびアラルキルオキシカルボニル基からなる群から選択される1または2個の置換基で置換された炭素数2〜10のアルキル基である。)
本発明においては、下記式10で表される化合物が合成中間体として得られる。
式10:
式10中、
R7およびR8は、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、t−ブトキシ基、ベンジルオキシ基、−NH−R10、または−NH−Q12−(P12−Q12')q10−T4−L4であり、
P12およびT4は、それぞれ独立して、存在しないか、または、−CO−、−NH−、−O−、−S−、−O−CO−、−S−CO−、−NH−CO−、−CO−O−、−CO−S−もしくは−CO−NH−であり、
Q12およびQ12'は、存在しないか、または、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキレンまたは−(CH2CH2O)n2−CH2CH2−であり、n2は0〜99の整数であり、
L4は、糖リガンドであり、
Y2は-O−(CH2)m9−NH−および−NH−CO−(CH2)m10−NHであり、m9、m10は、それぞれ独立して、1〜10の整数であり、
q10は、0〜10の整数であり、
R9は、水素原子、t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、−CO−R10、−CO−(CH2CH2O)n6−CH2CH2−N3、または−CO−Q13−B6−(Q14−P13)q11−X2であり、n6は0〜99の整数であり、
P13は、存在しないか、または、−CO−、−NH−、−O−、−S−、−O−CO−、−S−CO−、−NH−CO−、−CO−O−、−CO−S−もしくは−CO−NH−であり、
Q13およびQ14は、それぞれ独立して、存在しないか、または、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキレンまたは−(CH2CH2O)n7−CH2CH2−であり、n7は0〜99の整数であり、
B6は、下記式10−1で表されるいずれかの構造であり、破線において、それぞれ、Q13およびQ14との結合手を意味し、
式10−1:
式10−1中、トリアゾール環を有する基における置換は、該トリアゾール環の1位および3位の窒素原子のいずれかである。
q11は、0〜10の整数であり、
X2は、水素原子または固相担体であり、
R10は、t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基で置換もしくは無置換のアミノ基、カルボキシ基、マレイミド基、およびアラルキルオキシカルボニル基からなる群から選択される1または2個の置換基で置換された炭素数2〜10のアルキル基である。)
以下、本発明に関連して、製造方法を一例として示す。なお、以下の製造方法1〜製造方法17に関する記載において、本発明の核酸誘導体等における式1〜式12で表される化合物とで、基を表す記号として同一の記号が用いられているものがあるが、両者は切り離して理解されるものであり、製造方法1〜製造方法12に対して記載される基の説明により、本発明が限定的に解釈されるものではない。また、本発明における核酸誘導体に関し、オリゴヌクレオチドを表すXを、製造方法1〜製造方法17では、−O−Xとして記載する。
製造方法1
本発明における核酸誘導体は、式(I’)で表される部分構造を有する化合物の製造方法として、その製造方法を例示することができる。
(式中、P1はFmoc等の塩基により脱保護可能な保護基であり、DMTrはp,p’−ジメトキシトリチル基を表し、Rは糖リガンド-テザーユニットを表し、R’は、R中の糖リガンドの各水酸基がアセチル基等の塩基で脱保護可能な保護基で保護された基を表し、Polymerは固相担体を表し、Q’は−CO−である。)
工程1
化合物(I−B)は、化合物(I−A)とp,p’−ジメトキシトリチルクロリドを、ピリジン等の溶媒中、必要に応じて共溶媒の存在下、0℃と100℃の間の温度で、5分間〜100時間反応させることにより製造することができる。
共溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ピリジン、水等があげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。
工程2
化合物(I−C)は、化合物(I−B)を、無溶媒でまたは溶媒中、1〜1000当量の2級アミン存在下、室温と200℃の間の温度で、5分間〜100時間反応させることにより製造することができる。
溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ピリジン、水等があげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。
2級アミンとしては、例えばジエチルアミン、ピペリジン等が挙げられる。
工程3
化合物(1−E)は、化合物(I−C)と化合物(I−D)を、無溶媒でまたは溶媒中、1〜30当量の塩基、縮合剤および必要に応じて0.01〜30当量の添加剤の存在下、室温と200 ℃の間の温度で、5分間〜100時間反応させることにより製造することができる。
溶媒としては、工程2で例示したものが挙げられる。
塩基としては、例えば炭酸セシウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、カリウム tert−ブトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP)等が挙げられる。
縮合剤としては、例えば1,3−ジシクロヘキサンカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩(EDC)、カルボニルジイミダゾール、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルホロホスファート、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスファート、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート(HATU)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート(HBTU)、ヨウ化 2−クロロ−1−メチルピリジニウム等が挙げられる。
添加剤としては、例えば1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)等が挙げられる。
化合物(I−D)は、公知の方法(例えば、Journal of American Chemical Society, 136, 16958, (2014)を参照)もしくはそれに準じた方法で得ることができる。
工程4
化合物(I−F)は、化合物(I−E)とコハク酸無水物を、溶媒中、1〜30当量の塩基存在下、室温と200℃の間の温度で、5分間〜100時間反応させることにより製造することができる。
溶媒としては、工程2で例示したものが挙げられる。
塩基としては、工程3で例示したものが挙げられる。
工程5
化合物(I−G)は、化合物(I−F)と末端がアミノ化された固相担体とを、無溶媒でまたは溶媒中、1〜30当量の塩基、縮合剤および必要に応じて0.01〜30当量の添加剤の存在下、室温と200℃の間の温度で、5分間〜100時間反応した後、無水酢酸/ピリジン溶液と室温と200℃の間の温度で5分間〜100時間反応させることにより製造することができる。
溶媒としては、工程2で例示したものが挙げられる。
塩基、縮合剤および添加剤としては、それぞれ工程3で例示したものがあげられる。
アミノ化された固相担体としては、例えば長鎖アルキルアミン細孔性ガラス(LCAA−CPG)等 があげられ、これらは市販品として得ることができる。
工程6
式(I’)で表される糖リガンド−テザー−ブランチャーユニットを有する核酸複合体は、化合物(I−G)を用い、公知のオリゴヌクレオチド化学合成法で対応するヌクレオチド鎖を伸長した後に、固相からの脱離、保護基の脱保護および精製を行うことで製造することができる。
公知のオリゴヌクレオチド化学合成法としては、ホスホロアミダイト法、ホスホロチオエート法、ホスホトリエステル法、CEM法 (Nucleic Acids Research, 35, 3287 (2007)を参照)等をあげることができ、例えば、ABI3900ハイスループット核酸合成機(アプライドバイオシステムズ社製)により合成することができる。
固相からの脱離、脱保護は、オリゴヌクレオチド化学合成後、溶媒または無溶媒中、−80 ℃から200 ℃の間の温度で、10秒間から72時間塩基で処理することにより製造することができる。
塩基としては、例えばアンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ピペリジン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、炭酸カリウム等が挙げられる。
溶媒としては、水、メタノール、エタノール、THF等が挙げられる。
オリゴヌクレオチドの精製は、C18逆相カラムあるいは陰イオン交換カラム、好ましくは前述2つの手法を組み合わせにより可能である。精製後の核酸複合体純度は、90%以上、好ましくは95%以上とするのが望ましい。
また、上記工程3において、必要により、化合物(I−D)を二つのユニットに分割し、2段階に分けて化合物(I−C)と縮合することで行うこともできる。具体的には、例えばR−Q’がR−NH−CO−Q4’−CO−である場合(Q4’は置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキレンである)、工程3において、化合物(I−C)と、CH3CH2−O−CO−Q4’−CO−OH(Q4’は前記と同義)とを、工程3と同様の方法で縮合させ、得られた化合物のエチルエステルをエタノールや水等の溶媒中、水酸化リチウム等の塩基で加水分解した後に、さらにR’−NH2(R’は前記と同義)と縮合させることで目的とする化合物を得ることができる。なお、CH3CH2−O−CO−Q4’−CO−OH(Q4’は前記と同義)およびR’−NH2(R’は前記と同義)は、公知の方法(例えば、Journal of American Chemical Society, 136, 16958 (2014)を参照)もしくはそれに準じた方法で得ることができる。ここで、Q4’において、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキレンにおける置換基およびアルキレン部分は上記と同様である。
Qが−CO−である場合を例示して示しているが、Qが−CO−でない場合の化合物についても、Qの構造を適宜変更することにより、上記と同様の方法、公知の方法またはこれらを組み合わせ、適宜反応条件を変更することにより調製することができる。
製造方法2
本発明における核酸誘導体は、式(II’)で表される部分構造を有する化合物の製造方法として、その製造方法を例示することができる。
(式中、DMTr、R、R’、X、Q’、およびPolymerは前記と同義。TBDMSはt−ブチルジメチルシリル基、Fmocは9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を表す)
工程7
化合物(II−A)は、化合物(I−A)、t−ブチルジメチルシリルクロリドおよびジメチルアミノピリジンをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等の溶媒中、好ましくは2等量の塩基の存在下、0℃〜100℃の間の温度で、5分間〜100時間反応させることにより製造することができる。
塩基としては、製造方法1の工程3で例示したものが挙げられる。。
工程8
化合物(II−B)は、化合物(II−A)を用い、製造方法1の工程1と同様の条件にて製造することができる。
工程9
化合物(II−C)は、化合物(II−B)とフッ化n−テトラブチルアンモニウム(TBAF)を、溶媒中、室温と200℃の間の温度で、5分間〜100時間反応させることにより製造することができる。
溶媒としては、工程2で例示したものが挙げられる。
工程10
化合物(II−D)は、化合物(II−C)を用い、製造方法1の工程2と同様の条件にて製造することができる。
工程11
化合物(II−E)は、化合物(II−D)および化合物(I−D)を用い、製造方法1の工程3と同様の条件にて製造することができる。
工程12〜14
化合物(II’)は、化合物(II−E)を用い、製造方法1の工程4〜工程6と同様の条件にて製造することができる。
また、上記工程11において、必要により、化合物(I−D)を二つのユニットに分割し、2段階に分けて化合物(II−C)と縮合することで行うこともできる。具体的には、例えばR−Q’が−NH−CO−Q4’−CO−である場合(Q4’は置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキレン)、工程11において、化合物(II−C)と、CH3CH2−O−CO−Q4’−CO−OH(Q4’は前記と同義)とを、工程11と同様の方法で縮合させ、得られた化合物のエチルエステルをエタノールや水等の溶媒中、水酸化リチウム等の塩基で加水分解した後に、さらにR’−NH2(R’は前記と同義)と縮合させることで目的とする化合物を得ることができる。なお、CH3CH2−O−CO−Q4’−CO−OH(Q4’は前記と同義)およびR’−NH2(R’は前記と同義)は、公知の方法(例えば、Journal of American Chemical Society, 136, 16958 (2014)を参照)もしくはそれに準じた方法で得ることができる。
Qが−CO−である場合を例示して示しているが、Qが−CO−でない場合の化合物についても、Qの構造を適宜変更することにより、上記と同様の方法、公知の方法またはこれらを組み合わせ、適宜反応条件を変更することにより調製することができる。
製造方法3
本発明における核酸誘導体は、式(III’)で表される部分構造を有する化合物の製造方法として、その製造方法を例示することができる。
(式中、DMTr、Fmoc、R、R’、Q’、XおよびPolymerは前記と同義である。)
化合物(III’)は、化合物(III−A)を用い、製造方法1の工程1から工程6と同様の条件にて製造することができる。。なお、化合物(III−A)は市販品として得ることができる。
工程15
化合物(III−B)は、化合物(III−A)を用い、製造法1の工程1と同様の条件にて製造することができる。
化合物(III−A)は市販品として購入することができる。
工程16
化合物(III−C)は、化合物(III−B)を用い、製造法1の工程2と同様の条件にて製造することができる。
工程17
化合物(III−E)は、化合物(III−C)を用い、製造法1の工程3と同様の条件にて製造することができる。
工程18〜20
化合物(III’)は、化合物(III−E)を用い、製造方法1の工程4〜工程6と同様の条件にて製造することができる。
また、上記工程17において、必要により、化合物(I−D)を二つのユニットに分割し、2段階に分けて化合物(III−C)と縮合することで行うこともできる。具体的には、例えばR−Q’が−NH−CO−Q4’−CO−である場合(Q4’は置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキレン)、工程17において、化合物(III−C)と、CH3CH2−O−CO−Q4’−CO−OH(Q4’は前記と同義)とを、工程17と同様の方法で縮合させ、得られた化合物のエチルエステルをエタノールや水等の溶媒中、水酸化リチウム等の塩基で加水分解した後に、さらにR’−NH2(R’は前記と同義)と縮合させることで目的とする化合物を得ることができる。なお、CH3CH2−O−CO−Q4’−CO−OH(Q4’は前記と同義)およびR’−NH2(R’は前記と同義)は、公知の方法(例えば、Journal of American Chemical Society,136, 16958 (2014)を参照)もしくはそれに準じた方法で得ることができる。
Qが−CO−である場合を例示して示しているが、Qが−CO−でない場合の化合物についても、Qの構造を適宜変更することにより、上記と同様の方法、公知の方法またはこれらを組み合わせ、適宜反応条件を変更することにより調製することができる。
製造方法4
本発明における核酸誘導体は、式(IV’)で表される部分構造を有する化合物の製造方法として、その製造方法を例示することができる。
(式中、DMTr、Fmoc、R、R’、Q’、XおよびPolymerは前記と同義である。)
化合物(IV’)は、化合物(IV−A)を用い、製造方法1の工程1から工程6と同様の条件にて製造することができる。。なお、化合物(IV−A)は市販品として得ることができる。
また、上記工程23において、必要により、化合物(I−D)を二つのユニットに分割し、2段階に分けて化合物(IV−C)と縮合することで行うこともできる。具体的には、例えばR’−Q’が−NH−CO−Q4’−CO−である場合(Q4’は置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキレンである)、工程23において、化合物(IV−C)と、CH3CH2−O−CO−Q4’−CO−OH(Q4’は前記と同義)とを、工程23と同様の方法で縮合させ、得られた化合物のエチルエステルをエタノールや水等の溶媒中、水酸化リチウム等の塩基で加水分解した後に、さらにR’−NH2(R’は前記と同義)と縮合させることで目的とする化合物を得ることができる。なお、CH3CH2−O−CO−Q4’−CO−OH(Q4’は前記と同義)およびR’−NH2(R’は前記と同義)は、公知の方法(例えば、Journal of American Chemical Society, 136, 16958 (2014)を参照)もしくはそれに準じた方法で得ることができる。
Qが−CO−である場合を例示して示しているが、Qが−CO−でない場合の化合物についても、Qの構造を適宜変更することにより、上記と同様の方法、公知の方法またはこれらを組み合わせ、適宜反応条件を変更することにより調製することができる。
製造方法5
本発明における核酸誘導体は、式(V’)で表される部分構造を有する化合物の製造方法として、その製造方法を例示することができる。
(式中、DMTr、R、R’、X、Q’、TBDMS、FmocおよびPolymerは前記と同義。)
化合物(V’)は、化合物(IV−A)を用い、製造方法2の工程1から工程7と同様の条件にて製造することができる。。なお、化合物(IV−A)は市販品として得ることができる。
また、上記工程31において、必要により、化合物(I−D)を二つのユニットに分割し、2段階に分けて化合物(V−D)と縮合することで行うこともできる。具体的には、例えばR’−Q’が−NH−CO−Q4’−CO−である場合(Q4’は置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキレンである)、工程31において、化合物(V−D)と、CH3CH2−O−CO−Q4’−CO−OH(Q4’は前記と同義)とを、工程31と同様の方法で縮合させ、得られた化合物のエチルエステルをエタノールや水等の溶媒中、水酸化リチウム等の塩基で加水分解した後に、さらにR’−NH2(R’は前記と同義)と縮合させることで目的とする化合物を得ることができる。なお、CH3CH2−O−CO−Q4’−CO−OH(Q4’は前記と同義)およびR’−NH2(R’は前記と同義)は、公知の方法(例えば、Journal of American Chemical Society, 136, 16958 (2014)を参照)もしくはそれに準じた方法で得ることができる。
Qが−CO−である場合を例示して示してるが、Qが−CO−でない場合の化合物についても、Q−OHの構造を適宜変更することにより、上記と同様の方法、公知の方法またはこれらを組み合わせ、適宜反応条件を変更することにより調製することができる。
製造方法6
オリゴヌクレオチドの5’末端に糖リガンド−テザー−ブランチャーユニットが結合した、本発明の核酸複合体の製造方法を以下に例示する。
(式中、R、R’、Q’、DMTrおよびXは前記と同義である)
工程35
化合物(I−H)は、化合物(II−E)と2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホジアミダイトを、無溶媒でまたは溶媒中、塩基および反応促進剤共存下、室温と200℃の間の温度で、5分間〜100時間反応させることにより製造することができる。
溶媒としては、製造方法1の工程2で例示したものがあげられる。
塩基としては、製造方法1の工程3で例示したものがあげられる。
反応促進剤としては、例えば、1H−テトラゾール、4,5−ジシアノイミダゾール、5−エチルチオテトラゾール、5−ベンジルチオテトラゾール等があげられ、市販品として購入できる。
工程36
オリゴヌクレオチド鎖を伸長し、最後に化合物(I−H)を用い、オリゴヌクレオチドの5'末端を糖リガンド−テザー−ブランチャーユニットで修飾した後、固相からの脱離、保護基の脱保護および精製を行うことにより、化合物(I'')を製造することができる。ここで、固相からの脱離、保護基の脱保護および精製は、それぞれ製造方法1の工程7と同様にして製造できる。
製造方法7
オリゴヌクレオチドの5’末端に糖リガンド−テザー−ブランチャーユニットが結合した、本発明の核酸複合体の製造方法を以下に例示する。
製造方法6の工程35および36と同様の条件にて製造することができる。
(式中、R、R’、Q’、DMTrおよびXは前記と同義である)
製造方法8
オリゴヌクレオチドの5’末端に糖リガンド−テザー−ブランチャーユニットが結合した、本発明の核酸複合体の製造方法を以下に例示する。
製造方法6の工程35および36と同様の条件にて製造することができる。
(式中、R、R’、Q’、DMTrおよびXは前記と同義である)
製造方法9
オリゴヌクレオチドの5’末端に糖リガンド−テザー−ブランチャーユニットが結合した、本発明の核酸複合体の製造方法を以下に例示する。
製造方法6の工程35および36と同様の条件にて製造することができる。
(式中、R、R’、Q’、DMTrおよびXは前記と同義である)
製造方法10
オリゴヌクレオチドの5’末端に糖リガンド−テザー−ブランチャーユニットが結合した、本発明の核酸複合体の製造方法を以下に例示する。
製造方法6の工程35および36と同様の条件にて製造することができる。
(式中、R、R’、Q’、DMTrおよびXは前記と同義である)
アンチセンスオリゴヌクレオチドは、上記の公知オリゴヌクレオチド合成法に準じて得ることができる。
製造方法12
本発明における核酸誘導体は、式(VI’)で表される部分構造を有する化合物の製造方法として、その製造方法を例示することができる。。
(式中、DMTr、R、R'、X、Q'、Polymer、およびFmocは前記と同義であり、TBSはt−ブチルジメチルシリル基を表し、R0およびRxは、同一または異なって、水素原子、C1〜C10のアルキレンまたはC3−C8のシクロアルキレンを表し、WはC1〜C10のアルキレン、C3−C8のシクロアルキレンであるか、R0と一緒になって、C4−C8の含窒素複素環を形成してもよい。)
工程45
化合物(VI−B)は化合物(VI−A)を用い、製造方法1の工程1と同様の条件にて製造することができる。
化合物(VI−A)は市販品として、または公知の方法(例えばバイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ,第11巻,383−386頁)もしくはそれに準じた方法で得ることができる。
工程46
化合物(VI−C)は化合物(VI−B)を用い、製造方法1の工程2と同様の条件にて製造することができる。
工程47
化合物(VI−D)は化合物(VI−C)を用い、製造方法1の工程3と同様の条件にて製造することができる。
工程48
化合物(VI−E)は化合物(VI−D)を用い、製造方法1の工程2と同様の条件にて製造することができる。
工程49
化合物(VI−G)は化合物(VI−E)と化合物(VI−F)とを用い、製造方法1の工程3と同様の条件にて製造することができる。
工程50
化合物(VI−H)は化合物(VI−G)を用い、製造方法2の工程9と同様の条件にて製造することができる。
工程51〜53
化合物(VI’)は化合物(VI−H)、化合物(VI−I)および化合物(VI−J)を用い、製造方法1の工程4〜6と同様の条件にて製造することができる。
工程45〜53は公知の方法(例えば国際公開第2015/105083号記載の方法)、またはそれに準じた方法でも実施することができる。
化合物(VI−F)は公知の方法(例えば、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(Journal of American Chemical Society), 136巻, 16958貢, 2014年記載の方法)、またはそれに準じた方法で得ることができる。
製造方法13
式2においてP1およびP4が−NH−CO−、−O−CO−または−S−CO−である、糖リガンド−テザーーユニットは以下の方法で製造することができる。
(式中、Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、P2、P3、P5、P6、P7、T1、T2、L1、L2、q1、q2、q3およびq4はそれぞれ前記と同義であり、q2'はq2より1小さい整数を表し、q4'はq4より1小さい整数を表し、P1'およびP4'は、それぞれ独立して、−NH−CO−、−O−CO−または−S−CO−を表し、ZはH、OH、NH2、SH、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシまたはカルボン酸を表し、B1'およびB2'は下記式の構造体のいずれか1つを表し、PG1、PG2、PG3、PG4、PG5、PG6およびPG7はそれぞれ適切な保護基を表す。)
式:
m1、m2、m3またはm4はそれぞれ独立して、0〜10の整数を表す。
工程54
化合物(VII−C)は、化合物(VII−A)と化合物(VII−B)を、テトロヒドロフラン等の溶媒中、トリフェニルホスフィンポリマー担持体を加え、氷冷下、ジイソプロピルアゾジカルボキシレートトルエン溶液を反応させることにより製造することができる。
溶媒としては製造工程1の工程2で例示したものが挙げられる。
化合物(VII−A)は市販品として得ることができる。
工程55
化合物(VII−D)は化合物(VII−C)を用い、メタノール等の溶媒中、氷冷下、塩基の存在下、反応させることにより製造することができる。
溶媒としては、製造工程1の工程2で例示したものが挙げられる。
塩基としては、製造工程1の工程3で例示したものが挙げられる。
工程56
化合物(VII−F)は化合物(VII−D)および化合物(VII−E)を用い、製造工程1の工程3と同様の条件で製造することができる。
工程57
化合物(VII−H)は化合物(VII−F)および化合物(VII−G)を用い、製造工程1の工程3と同様の条件で製造することができる。
工程58
化合物(VII−J)は化合物(VII−H)および化合物(VII−I)を用い、製造工程1の工程3と同様の条件で製造することができる。
また、DP工程と工程58を繰り返し行うことで、望みのq1の値をもつ化合物(VII−J)を製造することができる。
工程59
化合物(VII−L)は化合物(VII−J)および化合物(VII−K)を用い、製造工程1の工程3と同様の条件で製造することができる。
工程60
化合物(VII−N)は化合物(VII−L)および化合物(VII−M)を用い、製造工程1の工程3と同様の条件で製造することができる。
工程61〜63
化合物(VII’)は化合物(VII−O)、化合物(VII−P)および化合物 (VII−Q)を用い、製造工程1の工程3と同様の条件で製造することができる。
また、DP工程と工程61を繰り返し行うことで、望みのq3の値をもつ化合物(VII')を製造することができる。
工程DP
有機合成化学で常用される方法[例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス第3版(Protective Groups in Organic Synthesis, third edition)、グリーン(T.W.Greene)著、John Wiley&Sons Inc.(1999年)等に記載の方法等]を適切に用いることで製造することができる。
化合物(VII−B)、化合物(VII−E)、化合物(VII−G)、化合物(VII−I)、化合物(VII−K)、化合物(VII−M)、化合物(VII−O)、化合物(VII−P)および化合物(VII−Q)は市販品として、または「実験化学講座第4版 有機合成、p. 258、丸善(1992年)」、「March’s Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure, 7th Edition」に記載の方法を組み合わせること、もしくはそれに準じた方法で得ることができる。
製造方法14
式4においてP7が−O−である、ユニットは以下の方法で製造することができる。
(式中、Q5、P7、q5はそれぞれ前記と同義であり、q5''はq5より2小さい整数を表し、q5'はq5より1小さい整数を表し、Z2はH、OH、NH2またはSHを表し、PG8およびPG9はそれぞれ適切な保護基を表し、LCは糖リガンド−テザーユニットを表し、Eはカルボン酸またはマレイミドを表す。)
工程64
化合物(VIII−C)は化合物(VIII−A)および化合物(VIII−B)を用い、製造工程1の工程3と同様の条件で製造することができる。
また、DP工程と工程64を繰り返し行うことで、望みのq5''の値をもつ化合物(VIII−C)を製造することができる。 化合物(VIII−B)は市販品として、または「実験化学講座第4版 有機合成、p. 258、丸善(1992年)」、「March’s Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure, 7th Edition」に記載の方法を組み合わせること、もしくはそれに準じた方法で得ることができる。
工程65
化合物(VIII’)は化合物(VIII−C)および化合物(VIII−D)を用い、製造工程1の工程3と同様の条件で製造することができる。
化合物(VIII−D)は市販品として、または「実験化学講座第4版 有機合成、p. 258、丸善(1992年)」、「March’s Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure, 7th Edition」に記載の方法を組み合わせること、もしくはそれに準じた方法で得ることができる。
工程DP
有機合成化学で常用される方法[例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス第3版(Protective Groups in Organic Synthesis, third edition)、グリーン(T.W.Greene)著、John Wiley&Sons Inc.(1999年)等に記載の方法等]を適切に用いることで製造することができる。
製造方法15
式2においてP1およびP4が−O−である、糖リガンド−テザーユニットは以下の方法で製造することができる。
(式中、Q1、Q2、Q3、Q4、P2、P3、P5、P6、T1、T2、L1、L2、q1、q2、q3、q4、q2'、q4' 、Z、B1'、B2’はそれぞれ前記と同義であり、PG10、PG11、PG12、PG13、PG14およびPG15はそれぞれ適切な保護基を表す)
式:
m1、m2、m3およびm4は前記と同義である。
工程66
化合物(IX−C)は化合物(IX−A)と化合物(IX−B)をN,N’−ジメチルホルムアミドな等の溶媒に溶解し、炭酸水素カリウム等の塩基を加えて、室温〜200℃にて5分間〜100時間反応させることにより製造することができる。
溶媒としては、製造工程1の工程2に例示したものが挙げられる。
塩基としては、製造工程1の工程3で例示したものが挙げられる。
工程67
化合物(IX−E)は化合物化合物(IX−C)と化合物(IX−D)をN, N’−ジメチルホルムアミド等の溶媒に溶解し、炭酸水素カリウム等の塩基を加えて、室温〜200℃で5分間〜100時間反応させることにより製造することができる。
溶媒としては、製造工程1の工程2で例示したものが挙げられる。
塩基としては、製造工程1の工程3で例示したものが挙げられる。
化合物(IX−A)は市販品として得ることができる。
工程68
化合物(IX−G)は化合物(IX−E)および化合物(IX−F)を用い、製造工程1の工程3と同様の条件で製造することができる。
工程69
化合物(IX−I)は化合物(IX−G)および化合物(IX−H)を用い、製造工程1の工程3と同様の条件で製造することができる。
また、DP工程と工程69を繰り返し行うことで、望みのq1の値をもつ化合物(VII−J)を製造することができる。
工程70
化合物(IX−K)は化合物(IX−I)および化合物(IX−J)を用い、製造工程1の工程3と同様の条件で製造することができる。
工程71
化合物(IX−M)は化合物(IX−K)および化合物(IX−L)を用い、製造工程1の工程3と同様の条件で製造することができる。
工程72−74
化合物(IX’)は化合物(IX−M), 化合物(IX−N), 化合物(IX−O)および化合物(IX−P)を用い、製造工程1の工程3と同様の条件で製造することができる。
また、DP工程と工程72を繰り返し行うことで、望みのq3の値をもつ化合物(IX’)を製造することができる。
工程DP
有機合成化学で常用される方法[例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス第3版(Protective Groups in Organic Synthesis, third edition)、グリーン(T.W.Greene)著、John Wiley&Sons Inc.(1999年)等に記載の方法等]を適切に用いることで製造することができる。
化合物(IX’−B), 化合物(IX’−D), 化合物(IX’−F), 化合物(IX’−H), 化合物(IX’−J), 化合物(IX’−L), 化合物(IX’−N), 化合物(IX’−O)および化合物(IX’−P)は市販品として、または「実験化学講座第4版 有機合成、p. 258、丸善(1992年)」、「March’s Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure, 7th Edition」に記載の方法を組み合わせること、もしくはそれに準じた方法で得ることができる。
製造方法16
式1〜式8の核酸複合体の製造方法として、以下の方法も用いることができる。
(式中、LC、Q5、Q6、Q7、P7、P8、q5'、q6およびXは前記と同義である。)
工程75
化合物(X−B)は化合物(XIII’’)と化合物(X−A)を溶媒中、0℃〜10
0℃で10秒間〜100時間反応させることにより製造することができる。
溶媒としては水、リン酸緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液、ジメチルスルホキシド等があげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。
化合物(VIII’)は製造法14を用いることで、得ることができる。
化合物(X−A)は公知の方法(例えばバイオコンジュゲート・ケミストリー(Bioconjugate Chemistry), 第21巻, 187−202頁, 2010年、またはカレント・プロトコールズ・イン・ヌクレイック・アシッド・ケミストリー (Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry), 2010年, 9月; CHAPTER: Unit 4.41)もしくはそれに準じた方法で得ることができる。
工程76
化合物(X’)は化合物(X−B)を用いて炭酸ナトリウム水溶液またはアンモニア水
中等pH8以上の条件下、室温と200℃の間の温度で、5分間〜100時間反応させることにより製造することができる。
製造方法17
式1〜式8の核酸複合体の製造方法として、以下の方法も用いることができる。
(式中、LC、Q5、Q6、Q7、P7、P8、q5'、q6およびXは前記と同義である。)
工程77
化合物(XI−A)は化合物(XIIII‘’)を用いて、公知の方法(例えばバイオ
コンジュゲート・ケミストリー(Bioconjugate Chemistry), 第26巻, 1451−1455頁, 2015年に記載の方法)またはそれに準じた方法で得ることができる。
化合物(VIII’’’)は製造法14を用いることで、得ることができる。
工程78
化合物(XI’)は化合物(XI−A)と化合物(XI−B)を用いて、公知の方法(
例えばバイオコンジュゲート・ケミストリー(Bioconjugate Chemistry), 第26巻, 1451−1455頁, 2015年に記載の方法)またははそれに準じた方法で得ることができる。
化合物(XI−B)はバイオコンジュゲート・ケミストリー(Bioconjugate
Chemistry), 第26巻, 1451−1455頁, 2015年に記載の方法)またははそれに準じた方法で得ることができる。
工程79
また別の方法として、化合物(XI’)は、公知の方法(例えばバイオコンジュゲート
ケミストリー(Bioconjugate Chemistry), 第22巻,1723−1728頁, 2011年を参照)あるいははそれに準じた方法で、化合物(XI−A)から直接得ることができる。
本明細書における核酸複合体は、例えば酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩等の塩として得ることも可能である。
酸付加塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩が挙げられ、金属塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等が挙げられ、アンモニウム塩としては、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム等の塩が挙げられ、有機アミン付加塩としては、例えば、モルホリン、ピペリジン等の付加塩が挙げられ、アミノ酸付加塩としては、例えば、リジン、グリシン、フェニルアラニン等の付加塩が挙げられる。
本明細書の核酸複合体の塩を調製したい場合には、該複合体が所望の塩の形で得られるときはそのまま精製すればよく、また、遊離の形で得られるときは、該複合体を適当な溶媒に溶解または懸濁し、対応する酸または塩基を加え、単離・精製すればよい。また、該複合体塩を形成する対イオンを異なる対イオンに変換する際には、該複合体塩を適当な溶媒に溶解または懸濁した後、酸、塩基および/または塩(塩化ナトリウム、塩化アンモニウム等の無機塩等)を数当量〜大過剰量加えて単離、精製すればよい。
本明細書の核酸複合体の中には、幾何異性体、光学異性体等の立体異性体、互変異性体等が存在し得るものもあるが、全ての可能な異性体およびそれらの混合物も本発明に包含される。
また、本明細書の核酸複合体は、水または各種溶媒との付加物の形で存在することもああり、これらの付加物も本発明に包含される。
さらに、本発明の核酸複合体は、分子中の一部あるいは全部の原子が質量数の異なる原子(同位体)(例えば、重水素原子等)で置換されたものも包含される。
本発明の医薬組成物は、式1で表される核酸複合体を含む。本発明の核酸複合体は、L1およびL2の糖リガンドを有することにより、標的細胞に認識され、細胞内に導入される。
本発明の核酸複合体は、哺乳動物に投与して、生体内において、標的遺伝子の発現を低下または停止させることで抑制し、標的遺伝子に関連する疾患の治療に用いることができる。
本発明の核酸複合体を治療剤または予防剤として使用する場合、投与経路としては、治療に際し最も効果的な投与経路を使用するのが望ましく、特に限定されるものではないが、例えば、静脈内投与、皮下投与および筋肉内投与等が挙げられ、好ましくは静脈内投与である。
投与量は、投与対象の病状や年齢、投与経路等によって異なるが、例えばアンチセンスオリゴヌクレオチドに換算した1日投与量が0.1μg〜1000 mgとなるように投与すればよく、1日投与量が1〜100 mgとなるように投与することがより好ましい
静脈内投与または筋肉内投与に適当な製剤としては、例えば注射剤があげられ、調製した液剤をそのまま例えば注射剤等の形態として用いることも可能であるが、該液剤から例えば濾過、遠心分離等によって溶媒を除去して使用することも、該液剤を凍結乾燥して使用する、および/または例えばマンニトール、ラクトース、トレハロース、マルトースもしくはグリシン等の賦形剤を加えた液剤を凍結乾燥して使用することもできる。
注射剤の場合、液剤または溶媒を除去または凍結乾燥した組成物に、例えば水、酸、アルカリ、種々の緩衝液、生理食塩水またはアミノ酸輸液等を混合して注射剤を調製することが好ましい。また、例えばクエン酸、アスコルビン酸、システインもしくはEDTA等の抗酸化剤、またはグリセリン、ブドウ糖もしくは塩化ナトリウム等の等張化剤等を添加して注射剤を調製することも可能である。また、例えばグリセリン等の凍結保存剤を加えて凍結保存することもできる。
本発明の組成物を、哺乳動物の細胞に投与することで、本発明の組成物中のアンチセンスオリゴヌクレオチドを細胞内に導入することができる。
インビボにおける本発明の核酸複合体の哺乳動物の細胞への導入方法は、インビボにおいて行うことのできる公知のトランスフェクションの手順に従って行えばよい。本発明の組成物を、人を含む哺乳動物に静脈内投与することで、肝臓へ送達され、肝臓または肝細胞内に本発明の組成物中のアンチセンスオリゴヌクレオチドを導入することができる。
肝臓または肝細胞内に本発明の組成物中のアンチセンスオリゴヌクレオチドが導入されると、その肝細胞内のβ2GPI遺伝子の発現を低下させ、β2GPI関連疾患を治療あるいは予防することができる。β2GPI関連疾患としては、自己免疫疾患または血栓症が挙げられ、具体的には、全身性エリテマトーデス(SLE)、抗リン脂質抗体症候群、末期腎不全患者における血液透析合併症および動脈硬化が挙げられる。投与対象は、哺乳動物であり、ヒトであることが好ましい。
また、本発明の核酸複合体は、前記疾患の治療剤または予防剤に関するインビボの薬効評価モデルにおいて、β2GPI遺伝子を抑制することの有効性を検証するためのツールとして使用することもできる。インビボの薬効評価モデルとしては、ループスアンチコアグラント(LA)試験等が挙げられる。ここで、LAは、抗β2GPI抗体と同じく抗リン脂質抗体の一種であり、採血した血液のリン脂質依存性凝固反応をインビトロで阻害する活性を示す。LAは主にSLEやAPSといった疾患で出現し、抗β2GPI抗体と同様に血栓症や不育症の発症あるいは病態と相関することが数多く報告されている(“ブラッド(blood)”、2003年、第101巻、第5号、p1827-1832)。そして、抗β2GPI抗体は、β2GPIを介してリン脂質結合活性を獲得することから、β2GPI依存的なLA活性を発揮することも報告されている(“トロンボシスアンドヘモスタシス(Thrombosis and Haemostasis)”、1998、第79巻、第1号、p79-86)。さらに、このβ2GPI依存性LAは病態の発症率と強く相関することが報告されており(“ブラッド(blood)”、2004年、第104巻、第12号、p3598-3602)、血中β2GPIの発現抑制によってLA活性を解除できれば、β2GPI関連疾患に対する新規かつ有効な治療法を提供可能であると考えられる。臨床検査においてLAは、活性化部分トロンボプラスチン時間、カオリン凝固時間および/または希釈ラッセル蛇毒時間(dRVVT)を測定することで検出することができる。
本発明の核酸複合体を、β2GPI関連疾患の治療剤または予防剤として使用する場合、投与経路としては、治療に際し最も効果的な投与経路を使用するのが望ましく、好ましくは静脈内投与、皮下投与または筋肉内投与をあげることができ、より好ましくは皮下投与が挙げられる。
投与量は、投与対象の病状や年齢、投与経路等によって異なるが、例えばアンチセンスオリゴヌクレオチドに換算した1日投与量が0.1μg〜1000 mgとなるように投与すればよく、1日投与量が1〜100 mgとなるように投与することが好ましい。
次に、参考例、実施例および試験例により、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例および試験例に限定されるものではない。なお、実施例および参考例に示されたプロトン核磁気共鳴スペクトル(1H NMR)は、270MHz、300MHzまたは400MHzで測定されたものであり、化合物および測定条件によっては交換性プロトンが明瞭には観測されないことがある。また、シグナルの多重度の表記としては通常用いられるものを用いているが、brとはbroadを意味し、見かけ上幅広いシグナルであることを表す。
UPLC分析は以下の条件を用いた。
移動相A: 0.1%ギ酸含有水溶液、B: アセトニトリル溶液
グラジエント: 移動相Bが10%-90%のリニアグラジエント(3分間)
カラム: Waters社製ACQUITY UPLC BEH C18 (1.7 μm、内経 2.1 x 50 mm)
流速: 0.8 mL/min
PDA検出波長: 254 nm (検出範囲190-800 nm)
表X-1〜表X-4に参考例化合物を示す。
(表中Resinは固相合成用レジンを表す。以下、本明細書において同様である。)
参考例1
化合物2の合成
ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー (Journal of American Chemical Society), 第136巻, 16958-16961頁, 2014年に記載された方法で合成した化合物1 (0.8755 g, 1.9567 mmol)をテトラヒドロフラン (10 mL)に溶解し、1, 3−ジシクロヘキサンカルボジイミド(DCC, 0.4247 g, 2.0584 mmol)とN-ヒドロキシスクシミド (0.2412 g, 2.0958 mmol)を室温にて一晩撹拌した。反応混合物から析出した固体を除き、減圧下、溶媒を留去した。得られた混合物をN, N'-ジメチルホルムアミド (DMF)に溶解し、2-アミノエチルマレイミド臭酸塩 (0.6479 g, 2.5491 mmol)とジイソプロピルエチルアミン (1.7 mL, 9.7835 mmol)を加えた後、室温で一晩撹拌した。減圧下、反応液の溶媒を留去し、逆相カラムクロマトグラフィー (水/メタノール=80/20)で溶出させることにより、化合物2 (0.8502 g, 収率76%)を得た。
ESI-MS m/z: 570 (M + H)+;
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 1.45-1.56 (4H, m), 1.78 (3H, s), 1.90 (3H, s), 1.97 (2H, t, J = 7.0 Hz), 2.00 (3H, s), 2.11 (3H, s), 3.18-3.19 (2H, m), 3.38-3.45 (3H, m), 3.64-3.71 (1H, m), 3.85-3.89 (1H, m), 4.01-4.04 (3H, m), 4.48 (1H, d, J = 8.6 Hz), 4.95-4.98 (1H, m), 5.21 (1H, d, J = 3.5 Hz), 6.99 (2H, s), 7.81-7.87 (2H, m).
化合物4の合成
工程1
化合物1 (0.9602 g, 2.1460 mmol)をN,N'-ジメチルホルムアミド (10 mL)に溶解し、N-Boc-エチレンジアミン (シグマアルドリッチ社製, 0.6877 g, 4.292 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン (1.90 mL, 10.87 mmol)、および2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸塩 (和光純薬工業社製, 1.6437 g, 4.3229 mmol)を加えて、室温にて終夜攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで2回抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、化合物3の粗精製物を得た。
ESI-MS m/z: 590 (M + H)+
工程2
化合物4の合成工程1で合成した化合物3 (1.2654 g, 2.1460 mmol)をジクロロメタン (15 mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸 (4 mL)を加えて、室温にて一晩攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、逆相カラムクロマトグラフィー (水/メタノール=80/20)で溶出させることにより、化合物4 (0.3879 g, 収率37 %)を得た。
ESI-MS m/z: 490 (M + H)+;
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 1.46-1.52 (4H, m), 1.78 (3H, s), 1.90 (3H, s), 2.00 (3H, s), 2.08 (2H, t, J = 7.4 Hz), 2.11 (3H, s), 2.85 (2H, t, J = 6.3 Hz), 3.27 (2H, dd, J = 12.3, 6.2 Hz), 3.67-3.69 (1H, m), 3.68-3.73 (1H, m), 3.86-3.90 (1H, m), 4.01-4.04 (3H, m), 4.49 (1H, d, J = 8.4 Hz), 4.97 (1H, dd, J = 11.3, 3.4 Hz), 5.22 (1H, d, J = 3.5 Hz), 7.86 (1H, d, J = 9.1 Hz), 7.95-8.02 (1H, m).
参考例2
参考例2工程1
(9H-フルオレン-9-イル)メチル((2R,3R)-1,3-ジヒドロキシブタン-2-イル)カルバマート (化合物1, Chem-Impex International, Inc社製, 1.50 g, 4.58 mmol)をピリジン (20 mL)に溶解し、氷冷下、4,4'-ジメトキシトリチルクロライド (東京化成工業社製, 1.71 g, 5.04 mmol)を加えた後、室温にて2時間攪拌した。反応液を氷冷し、10%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル=90/10)で精製することにより、化合物2 (1.07 g, 収率37%)を得た。
ESI-MS m/z: 630 (M + H)+
参考例2工程2
参考例2の工程1で合成した化合物2 (1.07 g, 1.699 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド (10 mL)に溶解し、室温にてピペリジン (0.336 mL, 3.40 mmol)を加えて3時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール=90/10)で精製することにより、化合物3 (0.59 g, 収率85 %)を得た。
ESI-MS m/z: 408 (M + H)+
参考例3
参考例3工程1
5-ヒドロキシイソフタル酸ジメチル (化合物1, 和光純薬工業社製, 5.0443 g, 24 mmol)をテトラヒドロフラン (和光純薬工業社製25 mL)に溶解し、2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1-エタノール (東京化成工業社製, 4.0343 g, 25.03 mmol)、およびトリフェニルホスフィン ポリマー担持体 (シグマアルドリッチ社製, 6.61 g, 25.2 mmol)を加えた後、氷冷下、40%ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD)トルエン溶液 (東京化成工業社製, 13.26 mL, 25.2 mmol)を加え、室温にて一晩攪拌した。反応液をろ過し、減圧下、ろ液を留去した後、残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル=95/5〜80/20)で精製することにより、化合物2 (5.3071 g, 収率63%)を得た。
ESI-MS m/z: 254 (M + H)+, 脱Boc体として検出
参考例3工程2
参考例3工程1で合成した化合物2 (5.3071 g, 15.02 mmol)をメタノール (25 mL)に溶解し、氷冷下、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液 (和光純薬工業社製, 13 mL)を加え、室温にて4時間攪拌した。反応液を氷冷し、10%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去することにより、化合物3を定量的に得た。
ESI-MS m/z: 324 (M - H)-
参考例3工程3
参考例3工程2で合成した化合物3 (1.9296 g, 5.93 mmol)をN, N'-ジメチルホルムアミド (70 mL)に溶解し、N-1-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル)-エチレンジアミン塩酸塩 (3.3493 g, 11.86 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン (5.18 mL, 29.7 mmol)、および2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩 (4.5168 g, 11.88 mmol)を加えて、室温にて4時間攪拌した。反応液を氷冷し、10%クエン酸水溶液を加え、クロロホルムで抽出した後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール)で精製することにより、化合物4 (3.4407 g, 収率68%)を得た。
ESI-MS m/z: 898 (M + HCOO)-
参考例3工程4
参考例3工程3で合成した化合物4 (1.6087 g, 1.884 mmol)をジクロロメタン (20 mL)に溶解し、氷冷下、トリフルオロ酢酸 (5mL, 64.9 mmol)を加えて、室温にて4時間攪拌した。反応液を減圧下、溶媒を留去することにより、化合物5 (2.4079 g)を定量的に得た。
ESI-MS m/z: 798(M + HCOO)-
参考例3工程5
参考例3工程4で合成した化合物5 (386 mg, 0.512 mmol)をテトラヒドロフラン (10 mL)に溶解し、氷冷下、塩化ベンゾイル (175 mg, 1.024 mmol)を加えて、室温にて1時間攪拌した。反応液を減圧下、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製することにより、化合物6 (373 mg, 収率82%)を得た。
ESI-MS m/z: 888(M + H)+
参考例3工程6
参考例3工程5で合成した化合物6 (108 mg, 0.122 mmol)をジクロロメタン (5 mL)に溶解し、室温にてジエチルアミン (0.5 mL,4.8 mmol)を加えて1時間攪拌した。減圧下、溶媒を留去することにより、化合物7 (54.9 mg)を定量的に得た。
ESI-MS m/z: 444(M + H)+
参考例3工程7
参考例3工程6で合成した化合物7 (180 mg, 0.406 mmol)、Nα,Nε-ビス(tert-ブトキシカルボニル)-L-リジン (ノババイオケム社製, 295 mg, 0.852 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン (0.354 mL,2.029 mmol)、および2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩 (324 mg, 0.852 mmol)を加えて、室温にて終夜攪拌した。反応液を氷冷し、10%クエン酸水溶液を加え、クロロホルムで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール)で精製することにより、化合物8 (450 mg)を定量的に得た。
ESI-MS m/z: 1101(M + H)+
参考例3工程8
参考例3工程7で合成した化合物8 (2.1558 g, 1.9593 mmol)をジクロロメタン (20 mL)に溶解し、氷冷下、トリフルオロ酢酸 (5 mL)を加えて、室温にて4時間攪拌した。反応液を減圧下、溶媒を留去することにより、化合物9を定量的に得た。
ESI-MS m/z: 700(M + H)+
参考例4
(図中、Bnはベンジル基を表す。)
参考例4工程1
参考例3に記載の方法で合成した化合物1(0.5716 g, 0.7582 mmol)、バイオコンジュゲート・ケミストリー (Bioconjugate Chemistry), 第22巻, 690-699頁, 2011年に記載された方法で合成したドデカン酸モノベンジルエステル (0.4859 g, 1.5164 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン (0.662 mL, 3.79 mmol)、および2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩 (0.5766 g, 1.516 mmol)をN,Nジメチルホルムアミド(12 mL)に溶解し、室温にて1時間攪拌した。反応液を氷冷し、飽和クエン酸水溶液を加え、クロロホルムで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール)で精製することにより、化合物2 (0.88 g, 収率84%)を得た。
ESI-MS m/z: 1057(M + H)+
参考例4工程2
参考例4工程1で合成した化合物2 (0.7545 g, 0.714 mmol)をジクロロメタンテトラヒドロフラン (20 mL)に溶解し、室温にてジエチルアミン (5 mL,47.9 mmol)を加えて終夜攪拌した。減圧下、溶媒を留去することにより、化合物3を定量的に得た。
ESI-MS m/z: 612(M + H)+
参考例4工程3
参考例4工程2で合成した化合物3 (0.437 g, 0.7143 mmol)、Nα,Nε-ビス(tert-ブトキシカルボニル)-L-リジン (ノババイオケム社製, 0.5483 g, 1.583 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン (0.624 mL, 3.57 mmol)、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩 (0.5703 g, 1.5 mmol)を加えて、室温にて2時間攪拌した。反応液に10%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去することにより、化合物4の粗生成物を得た。
ESI-MS m/z: 1269(M + H)+
参考例4工程4
参考例4工程3で合成した化合物4 (0.906 g, 0.7143 mmol)をジクロロメタン (12 mL)に溶解し、氷冷下、トリフルオロ酢酸 (3mL, 38.9 mmol)を加えて、室温にて4時間攪拌した。反応液を減圧下、溶媒を留去することにより、化合物5の粗生成物を得た。
ESI-MS m/z: 869(M + H)+
参考例5
参考例5工程1
参考例3に記載の方法で合成した化合物1 (100 mg, 0.091 mmol)をメタノール (3 mL)に溶解し、酢酸 (2 μL)を添加した後、パラジウム/炭素による接触水素還元を行った。得られた溶液留分を減圧下、溶媒を留去することにより、化合物2を定量的に得た。
ESI-MS m/z: 967 (M + H)+
参考例5工程2
参考例5工程1で合成した化合物2 (50 mg, 0.052 mmol)およびN-(6-マレイミドカプロイルオキシ)スクシミド (48 mg, 0.155 mmol)をテトラヒドロフラン (2 mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン (0.045 mL, 0.259 mmol)を加えて、室温にて終夜攪拌した。減圧下、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製することにより、化合物3 (18 mg, 収率30%)を得た。
ESI-MS m/z: 1160 (M + H)+
参考例5工程3
参考例5工程2で合成した化合物3 (18 mg, 0.016 mmol)をジクロロメタン (2 mL)に溶解し、氷冷下、トリフルオロ酢酸 (0.2 mL, 2.6 mmol)を加えて、室温にて終夜攪拌した。反応液を減圧下、溶媒を留去し、ジエチルエーテルにて晶析した後、化合物4 (7.5 mg, 収率64%)を白色固体として得た。
ESI-MS m/z: 759 (M + H)+
参考例6
参考例6工程1
参考例3に記載の方法で合成した化合物1 (0.9372 g, 2.8809 mmol)、β-アラニンメチルエステル塩酸塩 (東京化成工業株式会社製, 0.8082 g, 5.7902 mmol)を用い、参考例3の工程3と同様の方法で化合物2を定量的に得た。
ESI-MS m/z: 495 (M + H)+
参考例6工程2
参考例6工程1で合成した化合物2 (0.9622 g, 1.952 mmol)を用い、参考例3の工程4と同様の方法で化合物3を定量的に得た。
ESI-MS m/z: 396 (M + H)+
参考例6工程3
参考例6工程2で合成した化合物3 (0.1146 g, 0.290 mmol)およびN-スクシンイミジル15-アジド-4,7,10,13-テトラオキサペンタデカン酸(N3-PEG4-NHS, 東京化成工業株式会社製, 0.0750 g, 0.1931 mmol)を用い、参考例5の工程2と同様の方法で化合物4を定量的に得た。
ESI-MS m/z: 669 (M + H)+
参考例6工程4
参考例6工程3で合成した化合物4 (0.1291 g, 0.193 mmol)を用い、参考例3の工程2と同様の方法で化合物5を定量的に得た。
ESI-MS m/z: 641 (M + H)+
参考例6工程5
参考例6工程4で合成した化合物5 (0.1252 g, 0.193 mmol)およびL-グルタミン酸 ジ-tert-ブチルエステル (渡辺化学株式会社製, 0.1180 g, 0.399 mmol)を用い、参考例3の工程3と同様の方法で化合物6 (0.0521 g, 収率24%)を得た。
ESI-MS m/z: 1124 (M + H)+
参考例6工程6
参考例6工程5で合成した化合物6 (0.0521 g, 0.0464 mmol)を用い 、参考例3の工程4と同様の方法で化合物7 (36 mg, 収率86%)を得た。
ESI-MS m/z: 899 (M + H)+
参考例7
参考例7工程1
参考例3に記載の方法で合成した化合物1 (0.2586 g, 0.3695 mmol)とジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー (Journal of American Chemical Society), 第136巻, 16958-16961頁, 2014年に記載された方法で合成した参考例1に記載の化合物1 (0.8559 g, 1.7927 mmol)を用い、参考例3の工程3と同様の方法で化合物2 (0.5272 g, 収率61%)を得た。
ESI-MS m/z: 2418 (M + H)+
参考例7工程2
参考例7工程1で合成した化合物2 (0.2653 g, 0.1097 mmol)を用い、参考例5の工程1と同様の方法で化合物3 (0.1524 g, 収率61%)を得た。
ESI-MS m/z: 2284 (M + H)+
参考例8:化合物A1およびB1の合成
化合物A1の合成
参考例7に記載の方法で合成した化合物1 (0.0152 g, 0.006657 mmol)を用い、参考例5の工程2と同様の方法で化合物A1 (0.0077 g, 収率47%)を得た。
ESI-MS m/z: 1239(M + 2H)2+
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 1.11-1.66 (34H, m), 1.77 (12H, d, J = 1.5 Hz), 1.89 (12H, s), 2.01-2.14 (10H, m), 2.01 (12H, s), 2.10 (12H, s), 2.92-2.99 (4H, m), 3.16-3.54 (14H, m), 3.65-3.74 (4H, m), 3.81-3.91 (4H, m), 3.98-4.08 (14H, m), 4.11-4.24 (4H, m), 4.48 (4H, dd, J = 8.4, 1.8 Hz), 4.93-5.00 (4H, m), 5.21 (4H, d, J = 3.5 Hz), 6.99 (2H, s), 7.52 (2H, s), 7.66-7.75 (2H, m), 7.78-7.87 (6H, m), 7.91 (1H, br s), 8.01-8.08 (3H, br m), 8.54-8.60 (2H, br m).
化合物B1の合成
化合物1 (0.0150 g, 0.00657 mmol)を用い、参考例3の工程3と同様の方法で化合物B1 (0.0062 g, 収率37%)を得た。
ESI-MS m/z: 1279(M + 2H)2+
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 1.11-1.66 (30H, m), 1.77 (12H, s), 1.89 (12H, s), 2.01-2.14 (8H, m), 2.01 (12H, s), 2.10 (12H, s), 2.33-2.38 (2H, m), 2.92-2.99 (4H, m), 3.16-3.54 (14H, m), 3.58-3.63 (16H, m), 3.65-3.74 (4H, m), 3.81-3.91 (4H, m), 3.98-4.08 (12H, m), 4.11-4.24 (4H, m), 4.48 (4H, dd, J = 8.4, 1.8 Hz), 4.93-5.00 (4H, m), 5.21 (4H, d, J = 3.5 Hz), 7.52 (2H, s), 7.66-7.75 (2H, m), 7.78-7.87 (6H, m), 7.91 (1H, br s), 8.01-8.08 (3H, br m), 8.54-8.60 (2H, br m).
参考例9:化合物B2およびB3の合成
化合物B2の合成
参考例6に記載の方法で合成した化合物1 (0.00436 g, 0.00681 mmol)および参考例1の化合物4 (0.010 g, 0.020 mmol)を用い、参考例3の工程3と同様の方法で化合物B2の粗生成物を得た。
ESI-MS m/z: 1584(M + H)+
化合物B3の合成
参考例6に記載の方法で合成した化合物2 (0.0100 g, 0.01112 mmol)を用い、参考例3の工程3と同様の方法で化合物B3 (0.0223 g, 収率72%)を得た。
ESI-MS m/z: 1393(M + 2H)2+
参考例10:化合物C1およびD1の合成
参考例10工程1
参考例4に記載の方法で合成した化合物1 (0.1952 g, 0.225 mmol)とジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー (Journal of American Chemical Society), 第136巻, 16958-16961頁、2014年に記載された方法で合成した参考例1の化合物1 (0.4162 g, 0.93 mmol)を用い、参考例3の工程3と同様の方法で化合物2 (334.8 mg, 収率58%)を得た。
ESI-MS m/z: 1294 (M + 2H)2+
参考例10工程2
参考例10工程1で合成した化合物2 (0.1459 g, 0.056 mmol)を用い、参考例5の工程1と同様の方法で化合物D1 (112 mg, 収率80%)を得た。
ESI-MS m/z: 1249 (M + 2H)2+
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 1.11-1.66 (44H, m), 1.77 (12H, d, J = 1.5 Hz), 1.89 (12H, s), 2.01-2.20 (12H, m), 2.01 (12H, s), 2.10 (12H, s), 2.92-2.99 (4H, m), 3.16-3.54 (10H, m), 3.58-3.64 (4H, m), 3.65-3.74 (4H, m), 3.81-3.91 (4H, m), 3.98-4.08 (12H, m), 4.11-4.24 (4H, m), 4.48 (4H, dd, J = 8.4, 1.8 Hz), 4.93-5.00 (4H, m), 5.21 (4H, d, J = 3.5 Hz), 6.99 (2H, s), 7.52 (2H, s), 7.66-7.75 (2H, m), 7.78-7.87 (6H, m), 7.91 (1H, br s), 8.01-8.08 (3H, br m), 8.54-8.60 (2H, br m).
参考例10工程3
参考例10工程2で合成した化合物D1 (0.1091 g, 0.044 mmol)および参考例2の化合物3 (0.0748 g, 0.184 mmol)を用い、参考例3の工程3と同様の方法で化合物3を粗生成物として得た。
ESI-MS m/z: 1292 (M + 2H)2+, 脱DMTr体として検出
参考例10工程4
参考例10工程3で合成した化合物3 (0.161 g, 0.05586 mmol)をジクロロメタン (5 mL)に溶解し、コハク酸無水物 (東京化成工業社製, 0.1182 g, 1.181 mmol)、N,N-ジメチルアミノピリジン (0.0224 g,0.183 mmol)、およびトリエチルアミン(0.55 mL, 3.95 mmol)を加えて、室温にて一晩攪拌した。反応液を氷冷し、水を加え、酢酸エチルで2回抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去することにより、化合物4の粗生成物を得た。
ESI-MS m/z: 1342(M + 2H)2+, 脱DMTr体として検出
参考例10工程5
参考例10工程4で合成した化合物4 (0.0816 g, 0.02734 mmol)、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸塩 (0.0221 g, 0.05827 mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(0.02 mL, 0.1094 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(4 mL)に溶解し、LCAA-CPG (Chem Gene社製, 0.4882 g)を加え、室温にて終夜攪拌した。混合物を濾別し、ジクロロメタン、10%メタノールジクロロメタン溶液、およびジエチルエーテルで順次洗浄した後、無水酢酸/ピリジン溶液と作用させることにより、化合物C1(49.5 μmol/g, 収率89%)を得た。なお、収率は1%トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン溶液を固相担持体に添加し、DMTr基に由来する吸収から計算できる固相担体への導入率より算出した。
参考例11
化合物1(1.200 g, 3.640 mmol)から、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(Journal of Medicinal Chemistry), 第59巻, 2718-2733頁, 2016年に記載された方法で化合物2(1.050 g, 収率50%)を合成した。
ESI-MS m/z: 582 (M + H)+
参考例12
化合物1(4.000g, 10.27 mmol)をジクロロメタン(60 mL)に溶解し、ベンジル-2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルカーバメイト(2.700 g, 11.30 mmol)、およびトリフルオロメタンスルホン酸(0.1360 mL, 1.541 mmol)を加えて、還流条件下で終夜攪拌した。反応液に10 wt% 炭酸カリウム水溶液を加え、ジクロロメタンと分液した後、有機相を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、2-メチルテトラヒドロフランへと置換濃縮した。残渣をへプタンに滴下し、得られた結晶をろ過することにより、化合物2(5.130 g, 収率88%)を得た。
ESI-MS m/z: 570 (M + H)+
参考例13
参考例1の化合物1(898.0 mg, 2.007 mmol)をジクロロメタン(15 mL)に溶解し、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(338.0 mg, 2.208 mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(343 mg, 2.208 mmol)、およびN-1-Z-1, 3-ジアミノプロパン塩酸塩(0.4910 mL, 2.208 mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで分液した後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=90/10)で精製することにより、化合物2(873.0 mg, 収率68%)を得た。
ESI-MS m/z: 639 (M + H)+
参考例14
参考例14工程1
参考例1の化合物1 (3.00 g, 6.70 mmol)をジクロロメタン (60 mL)に溶解し、室温にてL-リジンベンジルエステル二p-トルエンスルホン酸塩 (1.75 g, 3.02 mmol)、トリエチルアミン(0.935 mL, 6.70 mmol), 1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (1.29 g, 6.70 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物 (103 mg, 0.670 mmol)を加えて2.5時間撹拌した。反応液を水と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール=90/10)で精製することにより、化合物2を定量的に得た。
ESI-MS m/z: 1096 (M + H)+
参考例14工程2
参考例14工程1で合成した化合物2 (2.30 g, 2.10 mmol)をテトラヒドロフラン (46 mL)に溶解し、室温にて10%パラジウムカーボン粉末 (含水品, 54.29%; 424 mg)を加え、水素雰囲気下で終夜撹拌した。反応液をろ過し、減圧下、溶媒を留去することにより、化合物3を定量的に得た。
ESI-MS m/z: 1006 (M + H)+
参考例15
参考例15工程1
イミノ二酢酸 (東京化成工業社製, 1.5 g, 6.43 mmol,)を塩化メチレン(30 mL)に溶解し、ペンタフルオロトリフルオロ酢酸(東京化成工業社製, 2.75 mL, 16.08 mmol)、トリエチルアミン(4.48 mL, 32.2 mmol)を加えて4時間撹拌した。反応液に10%クエン酸水溶液を加え、クロロホルムで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。そこに、参考例11に記載の方法で合成した化合物1 (2 g, 3.45 mmol)を酢酸エチル(10 mL)とアセトニトリル(10 mL)との混合液に溶解し、パラジウム/炭素による接触水素還元を行った。得られた溶液部分を減圧下、溶媒を留去する事により、化合物2の粗製生物を得た。
ESI-MS m/z: 1091(M+H)+
参考例15工程2
参考例15工程1で合成した化合物2 (1.5 g,1.37 mmol)を用い、参考例1化合物4の合成の工程2と同様の方法で化合物3を定量的に得た。
ESI-MS m/z: 990(M+H)+
参考例16
参考例16工程1
N-(t-ブトキシカルボニル)-L-グルタミン酸 (東京化成工業社製)を用いて、参考例11に記載の方法で合成した化合物1 (1.855 g, 3.19 mmol)を用い、参考例15の工程1と同様の方法で化合物2の粗精製物を得た。
ESI-MS m/z: 1105(M+H)+
参考例16工程2
参考例16工程1で合成した化合物2(1.421 g, 1.2866 mmol)を用い、参考例1化合物4の合成の工程2と同様の方法で化合物3を定量的に得た。
ESI-MS m/z: 1004(M+H)+
参考例17
ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(Journal of Organic Chemistry), 第74巻, 6837-6842頁, 2009年に記載された方法で合成した化合物1 (90 mg, 0.173 mmol) をテトラヒドロフラン (1 mL) に溶解し、トリフェニルホスフィン、ポリマー担持 (シグマアルドリッチ社製, 63 mg, 0.189 mmol) を加えて、加熱環流下3時間撹拌した。反応液をろ過し、減圧下、溶媒を留去することにより、化合物2 (70 mg, 収率82%)を得た。
ESI-MS m/z: 516 (M+Na)+
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ0.89 (3H, s), 1.42-1.48 (2H, m), 1.52-1.61 (2H, m), 1.85 (1H, br s), 2.68 (2H, t, J = 7.2 Hz), 3.06-3.07 (2H, m), 3.39-3.44 (3H, m), 3.51-3.55 (3H, m), 3.78 (6H, s), 6.80-6.85 (4H, m), 7.17-7.23 (1H, m), 7.27-7.33 (6H, m), 7.41-7.43 (2H, m).
参考例18
参考例18工程1
化合物1 (東京化成工業社製, 0.500 g, 3.73 mmoL)を用いて参考例2の工程1と同様の方法で化合物2の粗生成物 (1.5 g) を得た。
ESI-MS m/z: 435 (M-H)-
参考例18工程2
参考例18工程1で合成した化合物2の粗生成物 (1.5 g) と1,4-Diaminobutane (東京化成工業社製, 3.29 g, 37.3 mmol)を用いて参考例3の工程3と同様の方法で化合物3 (0.18 g, 2 段階収率10%)を得た。
ESI-MS m/z: 551 (M+HCOO)-
1H-NMR (400 MHz, MeOD):δ1.09 (3H, s), 1.45-1.52 (4H, m), 2.80 (2H, t, J = 7.2 Hz), 2.91 (2H, s), 3.05 (1H, d, J = 8.8 Hz), 3.12-3.16 (4H, m), 3.24 (1H, s), 3.43 (1H, d, J = 10.8 Hz), 3.62-3.66 (7H, m), 6.71-6.76 (4H, m), 7.05-7.11 (1H, m), 7.12-7.20 (6H, m), 7.28-7.32 (2H, m).
参考例19
ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(Journal of Organic Chemistry), 第74巻, 6837-6842頁, 2009年に記載された方法で合成した化合物1 (110 mg, 0.212 mmol) をテトラヒドロフラン (2 mL) に溶解し、N-(1R,8S,9s)-Bicyclo[6.1.0]non-4-yn-9-ylmethyloxycarbonyl-1,8-diamino-3,6-dioxaoctane (東京化成工業社製, 72 mg, 0.222 mmol) を加えて、室温にて1時間撹拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール=90/10)で精製することにより、化合物2 (160 mg, 収率90 %)を得た。ESI-MS m/z: 845 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, CDCl3):δ0.88 (3H, s), 0.91-1.09 (3H, m), 1.20-1.25 (1H, m), 1.52-1.59 (4H, m), 1.80-1.85 (2H, m), 2.19-2.25 (4H, m), 2.59-2.68 (1H, m), 2.84-2.90 (4H, m), 3.02-3.11 (3H, m), 3.35-3.44 (5H, m), 3.49-3.53 (5H, m), 3.54-3.58 (2H, m), 3.62 (5H, s), 3.78 (6H, s), 4.13 (2H, d, J = 6.4 Hz), 4.21 (2H, t, J = 7.2 Hz), 6.79-6.84 (4H, m), 7.18-7.21 (1H, m), 7.24-7.27 (2H, m), 7.28-7.32 (4H, m), 7.39-7.44 (2H, m).
参考例20
参考例20工程1
化合物1 (AstaTech社製, 100 mg, 1.148 mmol)およびFmoc-Ser(tBuMe2Si)-OH (渡辺化学工業社製, 532 mg, 1.205 mmol)を用いて参考例3の工程3と同様の方法で化合物2 (410 mg, 収率70%)を得た。
ESI-MS m/z: 511 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, CDCl3):δ 0.06 (6H, s), 0.90 (9H, s), 2.76-2.85 (1H, m), 3.65-3.86 (5H, m), 4.02-4.23 (3H, m), 4.32-4.40 (4H, m), 5.55 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.31 (2H, t, J = 7.6 Hz), 7.40 (2H, t, J = 7.6 Hz), 7.59 (2H, d, J = 7.6 Hz), 7.76 (2H, d, J = 7.6 Hz).
参考例20工程2
参考例20工程1で合成した化合物2 (410 mg, 0.803 mmol)を用いて参考例2の工程1と同様の方法で化合物3の粗生成物(680 mg)を得た。
ESI-MS m/z: 814 (M+H)+
参考例20工程3
参考例20工程2で合成した化合物3の粗生成物 (680 mg)を用いて参考例2の工程5と同様の方法で化合物4 (330 mg, 2段階収率70%)を得た。
ESI-MS m/z: 519 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, CDCl3):δ0.02-0.09 (6H, m), 0.89 (9H, d, J = 28.8 Hz), 2.84-2.94 (1H, m), 3.24-3.30 (2H, m), 3.46 (1H, t, J = 7.2 Hz), 3.52-3.68 (2H, m), 3.75-3.80 (1H, m), 3.82 (6H, d, J = 2.4 Hz), 3.89-3.96 (1H, m), 4.05-4.17 (1H, m), 4.27-4.37 (1H, m), 6.82-6.89 (4H, m), 7.22-7.27 (1H, m), 7.29-7.34 (6H, m), 7.41-7.45 (2H, m)
参考例21
参考例21工程1
N-(Tert-ブトキシカルボニル)-1,3-ジアミノプロパン(東京化成工業社製,1.788 g, 10.26 mmol)をジクロロメタン(22.8 mL)に溶解し、トリエチルアミン(1.907 mL, 13.68 mmol)を加え、室温で15分撹拌した。反応液に、オーガニックレター(Organic Letter), 第16巻, 6318-6321頁, 2014年に記載された方法で合成した化合物1(1.126 g, 6.84 mmol)のジクロロメタン溶液(5 mL)を滴下し、室温で2時間撹拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル=35/65)で精製することにより、化合物2(1.65 g,収率80%)を得た。
ESI-MS m/z: 303 (M+H)+
参考例21工程2
参考例21工程1で合成した化合物2 (1.65 g, 5.46 mmol)を用いて参考例1化合物4の合成の工程2と同様の方法で化合物3 (1.10 g, 収率100%)を得た。
ESI-MS m/z: 203 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, CDCl3):δ1.74 (2H, dt, J = 12.0, 6.0 Hz), 2.95 (2H, t, J = 6.0 Hz), 3.18 (1H, s), 3.60 (2H, td, J = 6.0, 5.2 Hz), 7.54 (2H, dt, J = 8.4, 1.8 Hz), 7.76 (2H, dt, J = 8.4, 1.8 Hz), 7.97 (1H, br s).
参考例22
参考例22工程1
化合物1 (東京化成社製, 1.2 g, 4.24mmol)を用いて参考例2の工程1と同様の方法で化合物2の粗製生物を得た。
ESI-MS m/z: 608(M+Na)+
参考例22工程2
参考例22工程1で合成した化合物2の粗生成物を用いて参考例2の工程5もしくは実施例1の工程11に記載された方法で化合物3 (1.34 g, 2段階収率52%) を得た。
ESI-MS m/z: 386(M+Na)+
1H-NMR (400 MHz, CDCl3):δ3.34 (2H, t, J = 6.4 Hz), 3.47 (2H, t, J = 6.4 Hz), 3.79 (6H, s), 6.78-6.84 (4H, m), 7.17-7.21 (1H, m), 7.27-7.35 (6H, m), 7.42-7.46 (2H, m).
参考例22工程3
参考例22工程2で合成した化合物3 (1.15 g,3.16 mmol)およびFmoc-Ser(tBuMe2Si)-OH(渡辺化学工業社製, 1.677 g, 3.8 mmol)を用いて参考例3の工程3と同様の方法で化合物4 (560 mg, 収率31%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 0.00-0.07 (6H, m), 0.83-0.89 (9H, m), 3.18-3.26 (2H, m), 3.39-3.46 (2H, m), 3.61-3.68 (1H, m), 3.76 (6H, s), 3.89 (1H, dd, J = 10.0, 4.0 Hz), 4.03 (1H, dd, J = 10.0, 4.0 Hz), 4.15-4.20 (1H, m), 4.22-4.28 (1H, m), 4.32-4.40 (2H, m), 5.65-5.88 (1H, m), 6.76-6.85 (4H, m), 7.16-7.23 (1H, m), 7.25-7.34 (8H, m), 7.36-7.44 (4H, m), 7.50-7.64 (2H, m), 7.72-7.79 (2H, m).
参考例23
第Y-1表に記載された化合物1〜5およびFmoc-Ser(tBuMe2Si)-OHを用いて、参考例22と同様の方法により、第Y-2表に記載された化合物6〜10を得た。
参考例22の化合物3とFmoc-Thr(tBuMe2Si)-OHを用いて、参考例22と同様の方法により第Y-2表に記載した化合物11を得た。
第Y-1表に記載された化合物1とFmoc-Thr(tBuMe2Si)-OHを用いて、参考例22と同様の方法により第Y-2表に記載した化合物12を得た。
本実施例により合成した化合物のNMR分析データを第Y-3表に示す。
参考例24
参考例22に記載の方法で合成した化合物1 (2.487 g, 3.16 mmol)を用いて参考例2工程2と同様の方法で化合物2を得た (1.2 g, 収率67%)。
ESI-MS m/z: 587(M+Na)+
1H-NMR (400 MHz, CDCl3):δ-0.01-0.07 (6H, m), 0.86-0.90 (9H, m), 3.15-3.21 (2H, m), 3.41-3.48 (3H, m), 3.72 (1H, dd, J = 10.0, 6.4 Hz), 3.79 (6H, s), 3.84 (1H, dd, J = 10.0, 4.8 Hz), 6.79-6.84 (4H, m), 7.18-7.23 (1H, m), 7.27-7.33 (6H, m), 7.40-7.44 (2H, m), 7.72-7.75 (1H, br m).
参考例25
第Y-2表に記載した化合物6〜12を用いて参考例24と同様の方法により第Z-1表に記載した化合物1〜7を得た。
本実施例により合成した化合物の質量分析結果を第Z-2表に示す。
参考例26
参考例26工程1
化合物1 (2.00 g, 9.47 mmol)をN, N'-ジメチルホルムアミド (40 mL)に溶解し、室温にてイミノ二酢酸ジ-tert-ブチルエステル (5.11 g, 20.84 mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (4.00 g, 20.84 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物 (145 mg, 0.947 mmol)を加えて2時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘプタン/酢酸エチル=50/50)で精製した。さらにメタノールでスラリー精製することにより、化合物2 (4.07 g, 収率65 %)を得た。
ESI-MS m/z: 664 (M - H)-
参考例26工程2
参考例26工程1で合成した化合物2 (2.66 g, 4.00 mmol)をテトラヒドロフラン (53 mL)に溶解し、室温にて10%パラジウムカーボン粉末 (含水品, 54.29%; 490 mg)を加え、水素雰囲気下で3時間撹拌した。反応液をろ過し、減圧下、溶媒を留去することにより、化合物3 (2.86 g, 定量的)を得た。
ESI-MS m/z: 634 (M - H)-
参考例26工程3
参考例26工程2で合成した化合物3(871.0 mg, 1.370 mmol)をN, N'-ジメチルホルムアミド(17 mL)に溶解し、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イン)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(625.0 mg, 1.644 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.5730 mL, 3.290 mmol)、およびドデカン二酸モノベンジルエステル(527.0 mg, 1.644 mmol)を加え、室温で終夜攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(へプタン/酢酸エチル=60/40)で精製することにより、化合物4(1.030 g, 収率80%)を得た。
ESI-MS m/z: 939 (M + H)+
参考例26工程4
参考例26工程3で合成した化合物4(1.030 g, 1.098 mmol)をジクロロメタン(10 mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(10.00 mL, 130.0 mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。減圧下、溶媒を留去し、化合物5の粗生成物を得た。
ESI-MS m/z: 713 (M - H)-
参考例27
参考例27工程1
化合物1(2.000 g, 12.98 mmol)をN, N'-ジメチルホルムアミド(30 mL)に溶解し、炭酸水素カリウム(1.559 g, 15.57 mmol)および塩化ベンジル(2.328 mL, 19.47 mmol)を加えて、室温にて4時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウムを加え、ジクロロメタンで抽出した後、有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(へプタン/酢酸エチル=50/50)で精製することにより、化合物2(2.850 g, 収率90%)を得た。
ESI-MS m/z: 243 (M - H)-
参考例27工程2
参考例27工程1で合成した化合物2(2.500 g, 10.24 mmol)をN, N'-ジメチルホルムアミド(30 mL)に溶解し、炭酸カリウム(5.660 g, 40.90 mmol)およびtert-ブチルブロモ酢酸(3.300 mL, 22.52 mmol)を加え、90℃で4時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウムを加え、ジクロロメタンで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(へプタン/酢酸エチル=75/25)で精製することにより、化合物3(4.300 g, 収率89%)を得た。
ESI-MS m/z: 472 (M - H)-
参考例27工程3
参考例27工程2で合成した化合物3(1.000 g, 2.116 mmol)をジクロロメタン(10 mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(10.00 mL, 130.0 mmol)を加え、室温で6時間攪拌した。減圧下、溶媒を留去し、化合物4の粗生成物を得た。
ESI-MS m/z: 359 (M - H)-
参考例27工程4
参考例27工程3で合成した化合物4(350.0 mg, 0.9710 mmol)をN, N'-ジメチルホルムアミド(7 mL)に溶解し、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(327.0 mg, 2.137 mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(410.0 mg, 2.137 mmol)、およびイミノジ酢酸ジ-tert-ブチルエステル(524.0 mg, 2.137 mmol)を加え、室温で5時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(へプタン/酢酸エチル=60/40)で精製することにより、化合物5(617.0 mg, 収率78%)を得た。
ESI-MS m/z: 814 (M - H)-
参考例27工程5
参考例27工程4で合成した化合物5(610.0 mg, 0.7490 mmol)をジクロロメタン(6 mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(6 mL, 78.00 mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。減圧下、溶媒を留去し、化合物6の粗生成物を得た。
ESI-MS m/z: 590 (M + H)+
参考例28
参考例28工程1
参考例26に記載に方法で合成した化合物1 (474 mg, 0.744 mmol)をN, N'-ジメチルホルムアミド (10 mL)に溶解し、室温にてジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー (Journal of Medicinal Chemistry), 第54巻, 2433-2446頁, 2011年に記載された方法で合成したtrans-シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸モノベンジルエステル (0.234 mg, 0.893 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン (0.312 mL, 1.79 mmol)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート (339 mg, 0.893 mmol)を加えて6時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘプタン/酢酸エチル=50/50)で精製することにより、化合物2 (448 mg, 収率68 %)を得た。
ESI-MS m/z: 879 (M - H)-
参考例28工程2
参考例28工程1で合成した化合物2 (341 mg, 0.387 mmol)をジクロロメタン (3.4 mL)に溶解し、室温にてトリフルオロ酢酸 (3.4 mL)を加えて終夜撹拌した。反応液を減圧濃縮し、酢酸エチルで共沸し、ヘプタンでスラリー精製することにより、化合物3 (254 mg, 収率100%)を得た。
ESI-MS m/z: 656 (M + H)+
参考例29
参考例29工程1
化合物1 (500 mg, 2.75 mmol)をN, N'-ジメチルホルムアミド (10 mL)に溶解し、室温にてイミノジ酢酸ジ-tert-ブチルエステル (1.48 g, 6.04 mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (1.16 g, 6.04 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物 (42.0 mg, 0.275 mmol)を加えて4時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘプタン/酢酸エチル=50/50)で精製することにより、化合物2 (329 mg, 収率19 %)を得た。
ESI-MS m/z: 635 (M - H)-
参考例29工程2
参考例29工程1で合成した化合物2 (323 mg, 0.507 mmol)をN, N'-ジメチルホルムアミド (6v5 mL)に溶解し、室温にて炭酸カリウム (84.0 mg, 0.609 mmol)、ブロモ酢酸ベンジル (139 mg, 0.609 mmol)を加えて3時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘプタン/酢酸エチル=50/50)で精製することにより、化合物3 (313 mg, 収率79 %)を得た。
ESI-MS m/z: 783 (M - H)-
参考例29工程3
参考例29工程2で合成した化合物3 (312 mg, 0.398 mmol)をジクロロメタン (3.1 mL)に溶解し、室温にてトリフルオロ酢酸 (3.1 mL)を加えて終夜撹拌した。反応液を減圧濃縮し、酢酸エチルで共沸することにより、化合物4 (252 mg, 定量的)を得た。
ESI-MS m/z: 561 (M + H)+
参考例30
参考例30工程1
化合物1 (2.00 g, 9.47 mmol)をN, N'-ジメチルホルムアミド (40 mL)に溶解し、室温にて2-アミノ-1,3-プロパンジオール (1.90 g, 20.84 mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (4.00 g, 20.84 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物 (145 mg, 0.947 mmol)を加えて2時間撹拌した。減圧下、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/メタノール=70/30)で精製した。さらに酢酸エチルでスラリー精製することにより、化合物2 (2.68 g, 収率79 %)を得た。
ESI-MS m/z: 356 (M - H)-
参考例30工程2
参考例30工程1で合成した化合物2 (500 mg, 1.40 mmol)をアセトニトリル (10 mL)に懸濁し、室温にてアクリル酸tert-ブチルエステル (3.59 g, 28.0 mmol)、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド (40%水溶液; 1.76 mL, 702 mmol)を加えて終夜撹拌した。減圧下、溶媒を留去し、水を加え、酢酸エチルで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘプタン/酢酸エチル=50/50)で精製することにより、化合物3 (300 mg, 収率24 %)を得た。
ESI-MS m/z: 871 (M + H)+
参考例30工程3
参考例30工程2で合成した化合物3 (340 mg, 0391 mmol)をテトラヒドロフラン (6.8 mL)に溶解し、室温にて10%パラジウムカーボン粉末 (含水品, 54.29%; 31.3 mg)を加え、水素雰囲気下で6時間撹拌した。反応液をろ過し、減圧下、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘプタン/酢酸エチル=30/70)で精製することにより、化合物4 (235 mg, 収率72 %)を得た。
ESI-MS m/z: 841 (M + H)+
参考例30工程4
参考例30工程3で合成した化合物4 (232 mg, 0.276 mmol)をN, N'-ジメチルホルムアミド (4.6 mL)に溶解し、室温にてドデカン酸モノベンジルエステル (0.133 mg, 0.414 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン (0.145 mL, 0.829 mmol)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート (158 mg, 0.414 mmol)を加えて終夜撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘプタン/酢酸エチル=30/70)で精製することにより、化合物5 (274 mg, 収率87 %)を得た。
ESI-MS m/z: 1141 (M - H)-
参考例30工程5
参考例30工程4で合成した化合物5 (273 mg, 0.239 mmol)をジクロロメタン (2.7 mL)に溶解し、室温にてトリフルオロ酢酸 (2.7 mL)を加えて終夜撹拌した。反応液を減圧濃縮し、酢酸エチルで共沸することにより、化合物6 (231 mg, 定量的)を得た。
ESI-MS m/z: 919 (M + H)+
参考例31
参考例31工程1
4-ニトロイソフタル酸1 (500 mg, 2.37 mmol)およびN-Boc-エチレンジアミン (808 mg, 5.21 mmol)をN, N'-ジメチルホルムアミド (10 mL)に溶解し、室温にてトリエチルアミン (0.90 mL, 7.11 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(703 mg, 5.21 mmol)および1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(1.36 g, 7.11 mmol)を加えて16時間撹拌した。反応液を後処理し、粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物2 (650 mg, 収率55 %)を得た。
参考例31工程2
参考例31工程1で合成した化合物2 (500 mg, 1.01 mmol)および亜鉛末 (330 mg, 5.05 mmol)をメタノール (3.5 mL)およびテトラヒドロフラン (3.5 mL)に懸濁し、0℃にて塩化アンモニウム (378 mg, 7.07 mmol)の水溶液を滴下し、室温にて24時間撹拌した。反応液を後処理し、粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物3 (160 mg, 収率34 %)を得た。
参考例31工程3
参考例31工程2で合成した化合物3 (200 mg, 0.430 mmol)およびN-ベンジルオキシカルボニル-グリシン(ベンジルオキシカルボニルを、Cbzとも記載する。) (90.0 mg, 0.430 mmol)をN, N'-ジメチルホルムアミド (2.0 mL)に溶解し、室温にてジイソプロピルエチルアミン (0.220 mL, 1.29 mmol)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート (245 mg, 0.645 mmol)を加えて16時間撹拌した。反応液を後処理し、粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物4 (180 mg, 収率64 %)を得た。
ESI-MS m/z: 657 (M + H)+
参考例32
参考例32工程1
3,5-ジニトロ安息香酸1 (500 mg, 2.36 mmol)およびN-Cbz-エチレンジアミン (588 mg, 2.83 mmol)をN, N'-ジメチルホルムアミド (5.0 mL)に溶解し、室温にてトリエチルアミン (0.65 mL, 4.72 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(380 mg, 2.83 mmol)および1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(675 mg, 3.54 mmol)を加えて16時間撹拌した。反応液を後処理し、粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物2 (445 mg, 収率48 %)を得た。
参考例32工程2
参考例32工程1で合成した化合物2 (200 mg, 0.515 mmol)をエタノール (5.0 mL)に溶解し、室温にて塩化スズ(II) (584 mg, 3.09 mmol)および濃塩酸 (0.2 mL)を加え、80℃で16時間撹拌した。反応液を後処理し、化合物3 (180 mg,定量的)を得た。
ESI-MS m/z: 329 (M + H)+
参考例33
参考例33工程1
参考例3に記載の方法で合成した化合物1 (8.17 g, 23.12 mmol)を用いて参考例3の工程4と同様の方法で化合物2 (3.7 g, 収率63%)を得た。
ESI-MS m/z: 254(M+H)+
参考例33工程2
参考例33工程1で得られた化合物2 (3.7 g, 14.63 mmol)を用いて参考例3の工程5と同様の方法で化合物3 (3.82 g, 収率67%)を得た。
ESI-MS m/z: 432(M+HCOO)-
参考例33工程3
参考例33工程2で得られた化合物3 (3.82 g, 9.86 mmol)を用いて参考例1の工程2と同様の方法で化合物4(3.08 g, 収率87%)を得た。
ESI-MS m/z: 360(M+H)+
参考例34
参考例34工程1
化合物1 (2g, 9.53mmol)とtert-ブトキシカルボニルアミノ)-1-ペンタノール (東京化成社製, 2g,10mmol)を用い、参考例3の工程1と同様の方法で化合物2 (2.40 g, 収率63%)を得た。
ESI-MS m/z: 296(M+H)+, 脱Boc体として検出
参考例34工程2
参考例34工程1で合成した化合物2を用いて、参考例3の工程2〜4および参考例4の工程1〜4と同様の方法で化合物3 (1.579g,収率21%)を得た。
ESI-MS m/z: 910 (M+H)+
参考例35:化合物D2の合成
参考例35工程1
参考例11に記載の方法で合成した化合物1 (1.015 g, 1.748 mmol)をN, N'-ジメチルホルムアミド (12 mL)に溶解し、室温にて10%パラジウムカーボン粉末 (含水品, 54.29%; 187 mg)を加え、水素雰囲気下で6時間撹拌した。反応液をろ過した。ろ液に参考例26で合成した化合物5(250.0 mg, 0.350 mmol), 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(26.80 mg, 0.1750 mmol)、および1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(402.0 mg, 2.099 mmol)を加え、室温で終夜攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=87/13)で精製することにより、化合物2(617.0 mg, 収率88%)を得た。
ESI-MS m/z: 1215 (M + 2H) 2+
参考例35工程2
参考例35工程1で合成した化合物2 (0.7380 g, 0.3040 mmol)をテトラヒドロフラン (7 mL)に溶解し、室温にて10%パラジウムカーボン粉末 (含水品, 54.29%; 135.90 mg)を加え、水素雰囲気下で終夜撹拌した。反応液をろ過し、減圧下、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=87/13)で精製することにより、化合物D2(581 mg, 収率82%)を得た。
ESI-MS m/z: 1170 (M + 2H) 2+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6,δ): 1.12-2.36 (106H, m), 2.91-3.19 (8H, m), 3.23-3.55 (14H, m), 3.60-3.76 (4H, m), 3.78-3.94 (8H, m), 3.95-4.10 (16H, m), 4.47 (4H, d, J = 8.8 Hz), 4.92-5.01 (4H, m), 5.17-5.24 (4H, m), 6.98 (1H, s), 7.64 (2H, s), 7.81-7.95 (4H, m), 8.28-8.38 (2H, m), 8.44-8.56 (2H, m), 10.13 (1H, s)
参考例36:化合物D3の合成
参考例36工程1
参考例12に記載の方法で合成した化合物1 (500 mg, 0.879 mmol)をN, N'-ジメチルホルムアミド (6.5 mL)に溶解し、室温にて10%パラジウムカーボン粉末 (含水品, 54.29%; 94 mg)を加え、水素雰囲気下で4時間撹拌した。反応液をろ過した。ろ液に参考例26で合成した化合物5(126.0 mg, 0.176 mmol), 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(13.47 mg, 0.088 mmol)、および1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(202.0 mg, 1.055 mmol)を加え、室温で終夜攪拌した。反応液を減圧下、溶媒を留去し、残渣を逆相カラムクロマトグラフィー(水/アセトニトリル)で精製することにより、化合物2(249.7 mg, 収率60%)を得た。
ESI-MS m/z: 1191 (M + 2H) 2+
参考例36工程2
参考例36工程1で合成した化合物2 (0.242 g, 0.102 mmol)をテトラヒドロフラン (3.6 mL)および水(1.2 mL)に溶解し、室温にて10%パラジウムカーボン粉末 (含水品, 54.29%; 45 mg)を加え、水素雰囲気下で4時間攪拌した。反応液をろ過し、減圧下、溶媒を留去し、化合物D3(216 mg, 収率93%)を得た。
ESI-MS m/z: 1146 (M + 2H) 2+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6,δ): 1.15-1.65 (20H, m), 1.68-2.15 (52H, m), 3.13-3.29 (6H, m), 3.40-3.67 (16H, m), 3.71-3.96 (11H, m), 3.98-4.14 (16H, m), 4.55 (4H, t, J = 8.8 Hz), 4.93-5.06 (4H, m), 5.12-5.28 (4H, m), 6.56 (1H, s), 6.98 (1H. s), 7.64 (2H, s), 7.77-7.93 (4H, m), 8.26-8.49 (3H, m), 10.10 (1H, s)
参考例37:化合物D4の合成
参考例37工程1
参考例13に記載の方法で合成した化合物1 (430 mg, 0.674 mmol)をN, N'-ジメチルホルムアミド (6 mL)に溶解し、室温にて10%パラジウムカーボン粉末 (含水品, 54.29%; 79 mg)を加え、水素雰囲気下で4時間撹拌した。反応液をろ過した。ろ液に参考例26で合成した化合物5(105.0 mg, 0.148 mmol), 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(11.31 mg, 0.074 mmol)、および1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(170.0.0 mg, 0.887 mmol)を加え、室温で終夜攪拌した。反応液を減圧下、溶媒を留去し、残渣を逆相カラムクロマトグラフィー(水/アセトニトリル)で精製することにより、化合物2(218.1 mg, 収率56%)を得た。
ESI-MS m/z: 1329 (M + 2H) 2+
参考例37工程2
参考例37工程1で合成した化合物2 (0.210 g, 0.079 mmol)をテトラヒドロフラン (3.1 mL)および水(1.0 mL)に溶解し、室温にて10%パラジウムカーボン粉末 (含水品, 54.29%; 39 mg)を加え、水素雰囲気下で4時間攪拌した。反応液をろ過し、減圧下、溶媒を留去し、化合物D4 (192.7 mg, 収率95%)を得た。
ESI-MS m/z: 1284 (M + 2H) 2+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6,δ): 1.17-1.65 (42H, m), 1.69-2.13 (61H, m), 2.95-3.17 (16H, m), 3.65-3.77 (3H, m), 3.79-3.94 (6H, m), 3.96-4.10 (16H, m), 4.48 (4H, d, J = 8.4 Hz), 4.96 (4H, dd, J = 2.4, 11.2 Hz), 5.21 (4H, d, J = 3.2 Hz), 7.01 (1H, s), 7.64-7.92 (11H, m), 8.26-8.48 (4H, m), 10.14 (1H, s)
参考例38:化合物D5の合成
参考例38工程1
参考例12に記載の方法で合成した化合物1 (450 mg, 0.791 mmol)をN, N'-ジメチルホルムアミド (6 mL)に溶解し、室温にて10%パラジウムカーボン粉末 (含水品, 54.29%; 85 mg)を加え、水素雰囲気下で5時間撹拌した。反応液をろ過した。ろ液に参考例27で合成した化合物6(94 mg, 0.158 mmol), 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(133.0 mg, 0.871 mmol)、および1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(182.0 mg, 0.950 mmol)を加え、室温で終夜攪拌した。反応液を減圧下、溶媒を留去し、残渣を逆相カラムクロマトグラフィー(水/アセトニトリル)で精製することにより、化合物2(99 mg, 収率28%)を得た。
ESI-MS m/z: 1129 (M + 2H) 2+
参考例38工程2
参考例38工程1で合成した化合物2 (80 mg, 0.035 mmol)をテトラヒドロフラン (1.7 mL)および水(0.85 mL)に溶解し、室温にて10%パラジウムカーボン粉末 (含水品, 54.29%; 26 mg)を加え、水素雰囲気下で2時間撹拌した。反応液をろ過し、減圧下、溶媒を留去し、化合物D5(57.5 mg, 収率75%)を得た。
ESI-MS m/z: 1084 (M + 2H) 2+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6,δ): 1.69-2.21 (46H, m), 3.14-3.65 (28H, m), 3.67-4.22 (27H, m), 4.43-4.66 (4H, m), 4.69-4.88 (4H, m), 4.89-5.08 (4H, m), 5.12-5.32 (4H, m), 6.54-6.68 (1H, br), 7.01 (2H, s), 7.78-8.09 (3H, m), 8.13-8.31 (2H, m), 8.58-8.75 (2H, m)
参考例39:化合物D6の合成
参考例39工程1
参考例13に記載の方法で合成した化合物1 (418 mg, 0.655 mmol)をN, N'-ジメチルホルムアミド (6 mL)に溶解し、室温にて10%パラジウムカーボン粉末 (含水品, 54.29%; 77 mg)を加え、水素雰囲気下で5時間撹拌した。反応液をろ過した。ろ液に参考例27で合成した化合物6(85 mg, 0.144 mmol), 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(121.0 mg, 0.791 mmol)、および1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(165.0 mg, 0.863 mmol)を加え、室温で終夜攪拌した。反応液を減圧下、溶媒を留去し、残渣を逆相カラムクロマトグラフィー(水/アセトニトリル)で精製することにより、化合物2(99 mg, 収率28%)を得た。
ESI-MS m/z: 1268 (M + 2H) 2+
参考例39工程2
参考例39工程1で合成した化合物2 (186 mg, 0.073 mmol)をテトラヒドロフラン (2.8 mL)および水(0.93 mL)に溶解し、室温にて10%パラジウムカーボン粉末 (含水品, 54.29%; 40 mg)を加え、水素雰囲気下で2時間撹拌した。反応液をろ過し、減圧下、溶媒を留去し、化合物D6(156.7 mg, 収率87%)を得た。
ESI-MS m/z: 1222 (M + 2H) 2+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6,δ): 1.36-1.62 (27H, m), 1.67-2.17 (64H, m), 2.92-3.21 (15H, m), 3.58-3.77 (2H, m), 3.80-3.95 (7H, m), 3.97-4.13 (15H, m), 4.47 (4H, d, J = 8.8 Hz), 4.88-5.02 (7H, m), 5.10-5.24 (3H, m), 6.95-7.00 (1H, m), 7.26-7.31 (2H, m), 7.72-7.88 (8H, m), 8.10-8.20 (2H, m), 8.51-8.60 (2H, m)
参考例40
参考例40工程1
参考例38に記載の方法で合成した化合物D5 (171 mg, 0.079 mmol)をN, N'-ジメチルホルムアミド (3.4 mL)に溶解し、グリシンベンジル p-トルエンスルホン酸塩(32.0 mg, 0.095 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(12.09 mg, 0.079 mmol)、および1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(18.16 mg, 0.095 mmol)を加え、室温で終夜攪拌した。反応液を減圧下、溶媒を留去し、残渣を逆相カラムクロマトグラフィー(水/アセトニトリル)で精製することにより、化合物2(55.7 mg, 収率31%)を得た。
ESI-MS m/z: 1158 (M + 2H) 2+
参考例40工程2
参考例40工程1で合成した化合物2 (54 mg, 0.023 mmol)をテトラヒドロフラン (0.83 mL)および水(0.28 mL)に溶解し、室温にて10%パラジウムカーボン粉末 (含水品, 54.29%; 18 mg)を加え、水素雰囲気下で2時間撹拌した。反応液をろ過し、減圧下、溶媒を留去し、化合物3(50.1 mg, 収率97%)を得た。
ESI-MS m/z: 1112 (M + 2H) 2+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6,δ): 0.96-1.06 (3H, m), 1.71-2.20 (54H, m), 3.41-3.64 (15H, m), 3.68-4.20 (32H), 4.55 (4H, d, J = 8.4 Hz), 4.81 (4H, s), 4.94-5.02 (4H, m), 5.17-5.25 (4H, m), 6.63-6.76 (2H, m), 6.93-7.02 (2H, m), 7.84-8.00 (3H, m), 8.17-8.30 (2H, m), 8.58-8.70 (2H, m)
参考例41:化合物D7の合成
参考例41工程1
参考例11に記載の方法で合成した化合物1 (500 mg, 0.861 mmol)をN, N'-ジメチルホルムアミド (10 mL)に溶解し、室温にて10%パラジウムカーボン粉末 (含水品, 54.29%; 92.1 mg)を加え、水素雰囲気下で2時間撹拌した。アルゴン雰囲気下、室温にて参考例27で合成した化合物3 (113 mg, 0.172 mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (198 mg, 1.03 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物 (13.2 mg, 0.086 mmol)を加えて終夜撹拌した。反応液をセライトでろ過し、減圧下、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール=90/10)で精製し、さらに逆相分取HPLC (アセトニトリル/水)で精製することにより、化合物2 (195 mg, 収率48%)を得た。
ESI-MS m/z: 1186 (M + 2H) 2+
参考例41工程2
参考例41工程1で合成した化合物2 (194 mg, 0.082 mmol)をテトラヒドロフラン (2.9 mg)および水 (1.0 mL)に溶解し、室温にて10%パラジウムカーボン粉末 (含水品, 54.29%; 35.7 mg)を加え、水素雰囲気下で8時間撹拌した。反応液をろ過し、減圧下、溶媒を留去し、化合物D7(183 mg, 収率98%)を得た。
ESI-MS m/z: 1141 (M + 2H) 2+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6,δ): 1.21-1.45 (m, 40H), 1.76-2.18 (m, 50H), 3.00-3.09 (m, 8H), 3.40-4.20 (m, 32H), 4.47 (d, J = 8.5 Hz, 4H), 4.96 (dd, J = 3.1, 11.2 Hz, 4H), 5.21 (d, J = 3.1 Hz, 4H), 6.98 (s, 1H), 7.65 (s, 2H), 7.84 (d, J = 9.0 Hz, 4H), 8.31 (brs, 1H), 8.44 (brs, 1H), 10.11 (s, 1H).
参考例42:化合物D8の合成
参考例42工程1
参考例11に記載の方法で合成した化合物1 (500 mg, 0.861 mmol)をN, N'-ジメチルホルムアミド (10 mL)に溶解し、室温にて10%パラジウムカーボン粉末 (含水品, 54.29%; 92.1 mg)を加え、水素雰囲気下で2時間撹拌した。アルゴン雰囲気下、室温にて参考例29で合成した化合物4 (97.0 mg, 0.172 mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (198 mg, 1.03 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物 (13.2 mg, 0.086 mmol)を加えて終夜撹拌した。反応液をセライトでろ過し、減圧下、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール=85/15)で精製し、さらに逆相分取HPLC (アセトニトリル/水)で精製することにより、化合物2 (179 mg, 収率46%)を得た。
ESI-MS m/z: 1138 (M + 2H) 2+
参考例42工程2
参考例42工程1で合成した化合物2 (175 mg, 0.077 mmol)をテトラヒドロフラン (2.6 mg)および水 (0.9 mL)に溶解し、室温にて10%パラジウムカーボン粉末 (含水品, 54.29%; 32.4 mg)を加え、水素雰囲気下で1時間撹拌した。反応液をろ過し、減圧下、溶媒を留去し、化合物D8(160 mg, 収率95%)を得た。
ESI-MS m/z: 1093 (M + 2H) 2+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6,δ): 1.23-1.45 (m, 32H), 1.77 (s, 12H), 1.89 (s, 12H), 1.99 (s, 12H), 2.10 (s, 12H), 3.01-3.11 (m, 8H), 3.69-4.02 (m, 34H), 4.47-4.50 (m, 4H), 4.94-4.98 (m, 4H), 5.21 (d, J = 3.1 Hz, 4H), 6.92 (s, 1H), 6.94 (s, 2H), 7.87 (d, J = 9.4 Hz, 2H), 7.92 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 8.33 (brs, 2H), 8.50 (brs, 2H).
参考例43:化合物D9の合成
参考例43工程1
参考例13に記載の方法で合成した化合物1 (500 mg, 0.784 mmol)をN, N'-ジメチルホルムアミド (10 mL)に溶解し、室温にて10%パラジウムカーボン粉末 (含水品, 54.29%; 92.1 mg)を加え、水素雰囲気下で2時間撹拌した。アルゴン雰囲気下、室温にて参考例30で合成した化合物6 (144 mg, 0.157 mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (180 mg, 0.941 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物 (12.0 mg, 0.078 mmol)を加えて終夜撹拌した。反応液をセライトでろ過し、減圧下、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール=80/20)で精製し、さらに逆相分取HPLC (アセトニトリル/水)で精製することにより、化合物2 (191 mg, 収率43%)を得た。
ESI-MS m/z: 1431 (M + 2H) 2+
参考例43工程2
参考例43工程1で合成した化合物2 (186 mg, 0.065 mmol)をテトラヒドロフラン (2.8 mg)および水 (0.9 mL)に溶解し、室温にて10%パラジウムカーボン粉末 (含水品, 54.29%; 34.3 mg)を加え、水素雰囲気下で1時間撹拌した。反応液をろ過し、減圧下、溶媒を留去し、化合物D9(174 mg, 収率97%)を得た。
ESI-MS m/z: 1386 (M + 2H) 2+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6,δ):1.25-4.02 (m, 164H), 4.18-4.26 (m, 2H), 4.47 (d, J = 8.1 Hz, 4H), 4.96 (dd, J = 3.1, 11.2 Hz, 4H), 5.21 (d, J = 3.6 Hz, 4H), 7.74-7.91 (m, 13H), 8.18 (s, 2H), 8.36 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 10.27 (brs, 1H).
参考例44:化合物A2の合成
参考例44工程1
参考例31に記載の方法で合成した化合物1 (150 mg, 0.228 mmol)をジクロロメタン (1.5 mL)に溶解し、室温にてトリフルオロ酢酸 (1.5 mL)を加えて4時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、酢酸エチルで共沸するした。残渣をN, N'-ジメチルホルムアミド (3 mL)に溶解し、室温にて参考例14の化合物3 (574 mg, 0.571 mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (109 mg, 0.571 mmol)、トリエチルアミン (0.159 mL, 1.14 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物 (3.50 mg, 0.023 mmol)を加えて終夜撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール=90/10)で精製し、さらに逆相分取HPLC (アセトニトリル/水)で精製することにより、化合物2 (242 mg, 収率44%)を得た。
ESI-MS m/z: 1216 (M + 2H) 2+
参考例44工程2
参考例44工程1 (242 mg, 0.100 mmol)を テトラヒドロフラン/水 (4/1; 12 mL)に溶解し、室温にて10%パラジウムカーボン粉末 (含水品, 54.29%; 44.6 mg)を加え、水素雰囲気下で2時間撹拌した。アルゴン雰囲気下、室温にて6-マレイミドヘキサン酸 (23.2 mg, 0.110 mmol)、4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド (55.2 mg, 0.199 mmol)を加えて終夜撹拌した。反応液をセライトでろ過し、減圧下、溶媒を留去し、残渣をHP20レジン (アセトン/水)で精製精製することにより、化合物A2 (97.4 mg, 収率39%)を得た。
ESI-MS m/z: 1245 (M + 2H) 2+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6,δ):1.14-2.16 (100H, m), 2.96-2.98 (4H, m), 3.24-3.41 (18H, m), 3.69-3.73 (4H, m), 3.83-3.91 (6H, m), 4.14-4.16 (2H, m), 4.47 (4H, d, J = 8.6 Hz), 4.96 (4H, dd, J = 3.6, 11.3 Hz), 5.21 (4H, d, J = 3.2 Hz), 7.01 (2H, s), 7.73-7.75 (2H, m), 7.83-7.94 (7H, m), 8.05-8.08 (2H, m), 8.14-8.20 (3H, m), 8.55-8.56 (2H, m), 10.24 (1H, brs).
参考例45:化合物A3の合成
参考例45工程1
参考例32に記載の方法で合成した化合物1 (75.0 mg, 0.228 mmol)をN, N'-ジメチルホルムアミド (3.0 mL)に溶解し、室温にて参考例14の化合物3 (574 mg, 0.571 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン (0.199 mL, 1.14 mmol)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート (217 mg, 0.571 mmol)を加えて終夜撹拌した。減圧下、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール=90/10)で精製し、さらに逆相分取HPLC (アセトニトリル/水)で精製することにより、化合物2 (202 mg, 収率38%)を得た。
ESI-MS m/z: 1152 (M + 2H) 2+
参考例45工程2
参考例45工程1で合成した化合物2 (196 mg, 0.085 mmol)を テトラヒドロフラン/水 (4/1; 10 mL)に溶解し、室温にて10%パラジウムカーボン粉末 (含水品, 54.29%; 36.1 mg)を加え、水素雰囲気下で2時間撹拌した。アルゴン雰囲気下、室温にて6-マレイミドヘキサン酸 (19.8 mg, 0.094 mmol)、4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド (47.0 mg, 0.170 mmol)を加えて終夜撹拌した。反応液をセライトでろ過し、減圧下、溶媒を留去し、残渣をHP20レジン (アセトン/水)で精製精製することにより、化合物A3 (42.4 mg, 収率21%)を得た。
ESI-MS m/z: 1182 (M + 2H) 2+
参考例46:化合物D10
参考例34に記載の方法で合成した化合物1を用い、参考例10の工程1および2と同様の方法で化合物D10 (2.2 g, 収率58%)を得た。
ESI-MS m/z: 2437(M+H)+
参考例47:化合物A4の合成
参考例47工程1
参考例33に記載の方法で合成した化合物1 (0.101 g, 0.282 mmol)を用いて、参考例15の化合物2 (0.607 g, 0.613 mmol)を用い、参考例3の工程3と同様の方法によって化合物2 (0.25 g, 収率39%)を得た。
ESI-MS m/z: 2304(M+H)+
参考例47工程2
参考例47工程1で合成した化合物2 (0.255 g, 0.111 mmol)を用いて、参考例3の工程2と同様の方法によって化合物3 (0.15 g, 収率63%)を得た。
ESI-MS m/z: 2170(M+H)+
参考例47工程3
参考例47工程2で合成した化合物3 (20.8 mg, 9.59 μmol)を用いて、参考例5の工程2と同様の方法によって化合物A4 (5.5 mg, 収率24%)を得た。
ESI-MS m/z: 1182(M+2H)2+
参考例48:化合物A5の合成
参考例48工程1
参考例33に記載の方法で合成した化合物1 (0.099g, 0.277 mmol)を用いて、参考例16の工程2で合成した化合物3 (0.618 g, 0.615 mmol)を用い、参考例3の工程3と同様の方法によって化合物2 (0.343 g, 収率53%)を得た。
ESI-MS m/z: 2333(M+H)+
参考例48工程2
参考例48工程1で合成した化合物2を用いて、参考例10の工程1および2と同様の方法で化合物A5 (6.9 mg, 収率28%)を得た。
ESI-MS m/z: 2392(M+H)+
参考例49:化合物A6の合成
参考例7に記載に方法で合成した化合物1 (0.048 g, 0.021 mmol)と3-マレイミドプロピオン酸 N-スクシンイミジル (東京化成社製, 0.017 g, 0.064 mmol)を用いて参考例8の化合物A1の合成と同様の方法で化合物A6 (0.040 g, 収率78%)を得た。
ESI-MS m/z: 2480(M+HCOO)-
参考例50:化合物A7の合成
工程131
参考例10に記載の方法で合成した化合物D1 (23.6 mg, 9.46 μmol)とN-(2-アミノエチル)マレイミド トリフルオロ酢酸塩 (シグマアルドリッチ社製, 7.21 mg, 0.028 μmol)を用いて参考例3の工程3と同様の方法で化合物A7 (9.1 mg, 収率36%)を得た。
ESI-MS m/z: 1310(M+2H)2+
参考例51
参考例51工程1
参考例7に記載の方法で合成した化合物1 (0.122 g, 0.054 mmol)と、バイオコンジュゲート・ケミストリー (Bioconjugate Chemistry), 第22巻, 690-699頁, 2011年に記載された方法と同様の方法を用いて合成したヘキサン酸モノベンジルエステルを用い、参考例4工程1と同様にして、化合物2 (0.076 g, 収率56%)を得た。
ESI-MS m/z: 2503(M+H)+
参考例51工程2
参考例51工程1で合成した化合物2 (0.076 g, 0.03 mmol)を用いて参考例3の工程1と同様の方法にて化合物3 (0.030 g, 収率40%)を得た。
ESI-MS m/z: 2412(M+H)+
参考例52
参考例6に記載の方法で合成した化合物1 (4.36 mg, 0.006 mmol)と参考例1の化合物4 (10 mg, 0.02 mmol) を用い、参考例3の工程7と同様の方法で化合物2 (7 mg, 収率65%)を得た。
ESI-MS m/z: 1581 (M - H)-
参考例53:化合物C2の合成
参考例53工程1
参考例46に記載の方法で合成した化合物D10 (0.2011 g, 0.079 mmol)を用いて、参考例10の工程3を用いて化合物1 (0.129 g, 収率55%)を得た。
ESI-MS m/z: 2972 (M+HCOO)-
参考例53工程2
参考例53工程1で合成した化合物1(0.129 g, 0.044 mmol)を用いて、参考例10の工程4を用いて化合物2の粗製生物を得た。
ESI-MS m/z: 1535 (M+HCOOH-2H)2-
参考例53工程3
参考例53工程2で合成した化合物2 (0.0467 g, 0.013 mmol)を用いて、参考例10の工程5を用いて、化合物C2(19.4 μmol/g, 収率35%)を得た。
参考例54:化合物C3の合成
参考例54工程1
参考例10に記載の方法で合成した化合物D1 (100 mg, 0.040mmol) および参考例17の化合物2を用い、参考例10の工程3と同様の方法で化合物1 (90 mg, 収率76%) を得た。
ESI-MS m/z: 1335 (M-DMTr+2H)2+
参考例54工程2
参考例54工程1で合成した化合物1 (90 mg, 0.030 mmol) を用い、参考例10の工程4と同様の方法で化合物2の粗生成物を得た。
ESI-MS m/z: 1558 (M+HCOOH-2H)2-
参考例54工程3
参考例54工程2で合成した化合物2の粗生成物を用い、参考例10の工程5と同様の方法で化合物C3 (21.5 μmol/g, 2段階収率32%) を得た。
参考例55:化合物C4の合成
参考例55工程1
参考例46に記載の方法で合成した化合物D10 (100 mg, 0.039 mmol) および参考例17で合成した化合物2を用い、参考例10の工程3と同様の方法で化合物1 (90 mg, 収率76%) を得た。
ESI-MS m/z: 1356 (M+2H)2+ 脱DMTr体として検出
参考例55工程2
参考例55工程1で合成した化合物1 (90 mg, 0.030 mmol) を用い、参考例10の工程4と同様の方法で化合物2の粗生成物を得た。
ESI-MS m/z: 1579 (M+HCOOH-2H)2-
参考例55工程3
参考例55工程2で合成した化合物2の粗生成物を用い、参考例10の工程5と同様の方法で化合物C4 (17.0 μmol/g, 2段階収率26%) を得た。
参考例56:化合物C5の合成
参考例56工程1
参考例46に記載の方法でで合成した化合物D10 (100 mg, 0.039 mmol) および参考例18の工程2で合成した化合物3を用い、参考例10の工程3と同様の方法で化合物1 (50 mg, 収率42%) を得た。
ESI-MS m/z: 1363 (M+2H)2+ 脱DMTr体として検出
参考例56工程2
参考例56工程1で合成した化合物1 (50 mg, 0.017 mmol) を用い、参考例10の工程4と同様の方法で化合物2の粗生成物を得た。
ESI-MS m/z: 1587 (M+HCOOH-2H)2-
参考例56工程3
参考例56工程2で合成した化合物2の粗生成物を用い、参考例10の工程5と同様の方法で化合物C5 (0.5 μmol/g, 2段階収率1%) を得た。
参考例57:化合物C6の合成
参考例57工程1
参考例46に記載の方法で合成した化合物D10 (100 mg, 0.039 mmol) および参考例19nの化合物2を用い、参考例10の工程3と同様の方法で化合物1 (40 mg, 収率30%) を得た。
ESI-MS m/z: 1532 (M+2H)2+ 脱DMTr体として検出
参考例57工程2
参考例57工程1で合成した化合物1(40 mg, 0.012 mmol) を用い、参考例10の工程4と同様の方法で化合物2の粗生成物を得た。
ESI-MS m/z: 1582 (M+2H)2+
脱DMTr体として検出
参考例57工程3
参考例57工程2で合成した化合物2の粗生成物を用い、参考例10の工程5と同様の方法で化合物C6 (0.2 μmol/g, 2段階収率1%) を得た。
参考例58:化合物C7の合成
参考例58工程1
参考例10に記載の方法で合成したD1 (70 mg, 0.028 mmol) および参考例21の化合物3を用い、参考例10の工程3と同様の方法で化合物1 (58 mg, 収率77%) を得た。
ESI-MS m/z: 1341 (M+2H)2+
参考例58工程2
参考例58工程1で合成した化合物1 (58 mg, 0.022 mmol) をメタノール (0.15 mL) に溶解し、ジャーナルオブオーガニックケミストリー(Journal of Organic Chemistry), 第74巻, 6837-6842頁, 2009年に記載された方法で合成した参考例17の化合物1 (16.9 mg, 0.032 mmol)、1 mol /L SODIUM L-ASCORBATE水溶液 (0.022 mL, 0.022 mmol)、20 mmol/L 硫酸銅(II)水溶液 (0.011 mL, 0.22 μmol)、および10 mmol/L Tris(2-benzimi
dazolylmethyl)amine / DMSO溶液 (0.022 mL, 0.22μmol)を加え、室温にて3時間撹拌した。反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=80/20)にて精製し、化合物2 (7 mg, 収率10%) を得た。
ESI-MS m/z: 1450 (M+2H)2+ 脱DMTr体として検出
参考例58工程3
参考例58工程2で合成した化合物2 (10 mg, 3.13 μmol) を用い、参考例10の工程4と同様の方法で化合物3の粗生成物を得た。
ESI-MS m/z: 1500 (M+2H)2+ 脱DMTr体として検出
参考例58工程4
参考例58工程3で合成した化合物3の粗生成物を用い、参考例10の工程5と同様の方法で化合物C7 (8.4 μmol/g,収率27%) を得た。
参考例59
参考例59工程1
参考例46に記載の方法で合成した化合物D10 (74.1 mg, 0.029 mmol)と参考例22の化合物2 (15 mg, 0.027 mmol)を用いて、参考例3の工程3と同様の方法、またはバイオコンジュゲートケミストリー, 第26巻,1451-1455頁, 2015年に記載の方法にて化合物1の粗製生物を得た。
ESI-MS m/z: 1392(M +H)+, 脱DMTr体として検出
参考例59工程2
参考例59工程1で合成した化合物1 (0.083 g, 0.027 mmol)を用いて、国際公開公報2015105083号に記載の方法により化合物2の粗製生物を得た。
ESI-MS m/z: 2669(M+H)+ , 脱DMTr体として検出
参考例59工程3

参考例59工程2で合成した化合物2 (0.08 g, 0.027 mmol)を用いて、参考例10の工程4と同様の方法で化合物3の粗製生物を得た。
ESI-MS m/z: 1556(M+HOOH-2H)2-
1H-NMR (400 MHz, MeOD):δ1.45-1.86 (48H, m), 1.93 (12H, s), 1.94 (12H, s), 2.02 (12H, s), 2.13 (12H, s), 2.16-2.28 (17H, m), 2.48 (4H, s), 3.10-3.16 (6H, m), 3.36-3.56 (19H, m), 3.77 (6H, s), 3.80-3.89 (6H, m), 3.98-4.35 (30H, m), 4.53-4.59 (4H, m), 4.66-4.72 (1H, m), 5.04-5.10 (4H, m), 5.31-5.36 (4H, m), 6.81-6.88 (4H, m), 7.17-7.23 (1H, m), 7.26-7.32 (6H, m), 7.38-7.44 (2H, m), 7.54 (2H, br s), 7.90 (1H, br s).
参考例60
化合物D1、および第Z-1表記載の構造または参考例20の化合物4を用い、参考例59工程1および工程2と同様の方法にて、第P-1表および第P-2表に記載した化合物を得た。
本実施例により合成した化合物の質量分析結果を第P-3表に示す。
参考例61:化合物C8の合成
参考例59に記載の化合物1を用いて、参考例10の工程5と同様の方法で化合物C8 (10.0 μmol/g) を得た
参考例62:C9〜C17の合成
第P-1表および第P-2表に記載した化合物を用いて、参考例61と同様の方法で第Q-1表および第Q-2表記載の化合物を得た。
本実施例により合成した化合物の担持量を第Q-3表に示す。
実施例1:化合物1の合成
参考例化合物A1と、モレキュールズ (Molecules), 第17巻, 13825-13843頁, 2012年に記載された方法で合成した末端チオール化されたオリゴヌクレオチドを加えて、室温にて4時間静置した。反応混合物に炭酸ナトリウムを加え、4℃で一晩静置した。陰イオン交換クロマトグラフィー (GE Healthcare, MonoQ 5/50GL, 10μm, 5.0 mm x 50 mm、A液: 10 mmol/L Tris緩衝液/30%アセトニトリル, B液: 10 mmol/L Tris緩衝液/30%アセトニトリル/1 mol/L NaBrによるグラジエント)あるいは逆相液体クロマトグラフィー (ウォーターズ, X BridgeC18, 5μm, 4.6 mmx250 mm、0.1 mol/L酢酸トリエチルアンモニウム緩衝液, B液:アセトニトリルによるグラジエント)のいずれかの方法で精製することにより化合物1を得た。
実施例2〜7:化合物2〜7の合成
実施例1とは塩基配列の異なるオリゴヌクレオチドを用い、実施例1と同様にして、化合物2〜7を合成した。
本実施例により合成した化合物におけるオリゴヌクレオチド以外の構造(糖リガンド−テザー−ブランチャー構造)を以下に示す。
本実施例により合成した核酸複合体の配列および質量分析結果を以下表に示す。
表R-1中、小文字はDNAを、大文字はLNAを、C(M)は5-メチルシトシンLNAを、X1は糖リガンド−テザー−ブランチャー構造を、^はリン酸ジエステル結合がホスホロチオエート結合で置換されていること(ホスホロチオエート修飾)をそれぞれ示す。
参考試験例1:β2GPI mRNAのノックダウン活性の測定
96ウェルの培養プレートにヒト肝臓癌由来の細胞株であるHuh7細胞(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 JCRB細胞バンクより入手)を、5,000細胞/80μL/ウェルとなるよう播種した。培地は、10%ウシ胎仔血清(FBS)を含むMEM培地(ライフテクノロジー社製、カタログ番号11095-098)を用いた。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、表2-1〜表2-3、表3-1〜表3-2に記載のものをジーンデザイン社または北海道システムサイエンス社にて合成して利用した。
表2-1〜表2-3のアンチセンスオリゴヌクレオチドにおいて、小文字はDNAを、大文字は2’-O-メチル化RNAを示す。表3-1〜表3-2のアンチセンスオリゴヌクレオチドにおいて、小文字はDNAを、大文字はLNAを示し、mCは5-メチルシトシンLNAを示す。なお、表2-1〜表2-3、表3-1〜表3-2のいずれのアンチセンスオリゴヌクレオチドも各ヌクレオチドはリン酸ジエステル結合がホスホロチオエート結合で置換されている。
このアンチセンスオリゴヌクレオチドとLipofectamine LTX & Plus試薬(ライフテクノロジー社製、カタログ番号15338)とをOpti-MEM 培地(ライフテクノロジー社製、カタログ番号11058-021)で希釈して、アンチセンスオリゴヌクレオチドの終濃度が100nMとなるように20μLのアンチセンスオリゴヌクレオチド/Lipofectamine混合液を各々96ウェルの培養プレートに添加し、37℃、5% CO2条件下で24時間培養した。その後、細胞をPBS(Phosphate buffered saline)で洗浄し、各々のプレートからCells-to-Ctキット(アプライドバイオシステムズ社製、カタログ番号:AM1728)を用いて製品に添付された説明書に記載された方法に従いcDNAを合成した。このcDNA 5μLをMicroAmpOptical 96ウェルプレート(アプライドバイオシステムズ社製、カタログ番号4326659)に加え、更に10μLのTaqMan Gene Expression Master Mix(アプライドバイオシステムズ社製、カタログ番号4369016)、3μLのUltraPure Distilled Water(ライフテクノロジーズ社製、カタログ番号:10977-015)、1μLのhuman β2GPIプローブ、1μLのヒト GAPDHプローブを添加した。ABI7900 HTリアルタイムPCRシステムを用いて、ヒト β2GPI遺伝子およびヒト GAPDH(D-glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase)のリアルタイムPCRを行った。GAPDHは構成的発現遺伝子であり内部対照として測定し、β2GPI発f現量を補正した。アンチセンスオリゴヌクレオチドを添加せずにトランスフェクション試薬だけでHuh7細胞を処理した時のβ2GPI mRNA量を1.0として、各アンチセンスオリゴヌクレオチドを導入した時のβ2GPI mRNA相対発現量を算出した。本実験を2回行い、β2GPI mRNA相対発現量の平均値を表2-1〜表2-3および表3-1〜表3-2に示した。
試験例1 核酸複合体のヒト初代肝細胞に対するin vitroノックダウン試験
実施例1〜3で得られた化合物1〜3を用いて、ヒト初代肝細胞におけるin vitroノックダウン活性を測定した。最終濃度が300、100、30、または10 nmol/Lとなるように、オプティメム (Opti-MEM)(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、カタログ番号31985)で希釈した各核酸複合体を、96ウェルの培養プレートに、20 μLずつ分注した後、プレーティングメディウム (バイオプレディックインターナショナル社製、カタログ番号 LV0304-2)に懸濁させたヒト初代肝細胞(バイオプレディックインターナショナル社製、カタログ番号HEP187)を、細胞数10000 cells/80μL/ウェルとなるように播種し、37℃、5%CO2条件下で6時間培養したのちに、培養上清を注意深く除去し、インキュベーションメディウム (バイオプレディックインターナショナル社製、カタログ番号LV0304-2)を添加して、各核酸複合体をヒト初代肝細胞に供した。また陰性対照の群として何も処理しない細胞を播種した。各核酸複合体を添加した細胞を37℃の5% CO2インキュベーター内で18時間培養し、氷冷したリン酸緩衝化生理食塩水(DPBS)(ナカライテスク社製)で洗浄し、スーパープレップセルリシスアンドアールティーキットフォーキューピーシーアール (東洋紡社製、カタログ番号 SCQ-201)を用いて、製品に添付された説明書に記載された方法に従い、全RNAの回収と、得られた全RNAを鋳型とする逆転写反応によるcDNAの作製を行った。得られたcDNAを鋳型とし、タックマン (登録商標)ジーンエクスプレッションアッセイズプローブ (サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)をプローブとして、クオントスタジオ12ケーフレックスリアルタイムピーシーアールシステム (サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用い、添付された使用説明書に記載された方法に従ってPCR反応させることにより、β2GPI遺伝子および構成的発現遺伝子であるグリセルアルデヒド3-リン酸脱水素酵素 (D-glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase、以下gapdhと表す)遺伝子をPCR反応させてmRNA増幅量をそれぞれ測定し、gapdhのmRNA増幅量を内部対照として、β2GPIのmRNAの準定量値を算出した。同様に測定した陰性対照におけるβ2GPIのmRNAの準定量値を1として、β2GPIのmRNAの準定量値から、β2GPIのmRNAの発現率を求めた。得られたβ2GPIのmRNAの発現率の結果を表S-1に示す。
表S-1から明らかなように、各核酸複合体は、ヒト初代肝細胞に添加後のβ2GPI遺伝子のmRNAの発現を抑制した。
試験例2 核酸複合体のマウス初代肝細胞に対するin vitroノックダウン試験
実施例4〜7で得られた化合物4〜7を用いて、マウス初代肝細胞におけるin vitroノックダウン活性を測定した。最終濃度が300、100、30、または10 nmol/Lとなるように、オプティメム (Opti-MEM)(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、カタログ番号 31985)で希釈した各核酸複合体を、96ウェルの培養プレートに、20μLずつ分注した後、プライマリヘパトサイトゾウイングアンドプレーティングサプリメント (Primary Hepatocyte Thawing and Plating Supplements ) (サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、カタログ番号CM3000)を含むウィリアムズイーメディウム (William's E Medium) (サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、カタログ番号A12176-01)に懸濁させたシーディーワン(CD-1)由来マウス初代肝細胞(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、カタログ番号MSCP10)を、細胞数10000cells/80μL/ウェルとなるように播種し、37℃、5%CO2条件下で6時間培養したのちに、培養上清を注意深く除去し、プライマリヘパトサイトメンテナンスサプリメント (Primary Hepatocyte Maintenance Supplements)(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、カタログ番号 CM4000)を含むウィリアムズイーメディウムを添加して、各核酸複合体をマウス初代肝細胞に供した。また陰性対照の群として何も処理しない細胞を播種した。各核酸複合体を添加した細胞を37℃の5%CO2インキュベーター内で18時間培養し、氷冷したリン酸緩衝化生理食塩水(DPBS)(ナカライテスク社製)で洗浄し、スーパープレップセルリシスアンドアールティーキットフォーキューピーシーアール (東洋紡社製、カタログ番号 SCQ-201)を用いて、製品に添付された説明書に記載された方法に従い、全RNAの回収と、得られた全RNAを鋳型とする逆転写反応によるcDNAの作製を行った。得られたcDNAを鋳型とし、タックマン (登録商標)ジーンエクスプレッションアッセイズプローブ (サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)をプローブとして 、クオントスタジオ12ケーフレックスリアルタイムピーシーアールシステム (サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用い、添付された使用説明書に記載された方法に従ってPCR反応させることにより、β2GPI遺伝子および構成的発現遺伝子であるグリセルアルデヒド3-リン酸脱水素酵素 (D-glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase、以下gapdhと表す)遺伝子をPCR反応させてmRNA増幅量をそれぞれ測定し、gapdhのmRNA増幅量を内部対照として、β2GPIのmRNAの準定量値を算出した。同様に測定した陰性対照におけるβ2GPIのmRNAの準定量値を1として、β2GPIのmRNAの準定量値から、β2GPIのmRNAの発現率を求めた。得られたβ2GPIのmRNAの発現率を表S-2に示す。
表S-2から明らかなように、各核酸複合体は、マウス初代肝細胞に添加後のβ2GPI遺伝子のmRNAの発現を抑制した。
試験例3 核酸複合体のマウスにおけるin vivoノックダウン試験
化合物4〜7を用いて、それぞれ以下の方法によりマウスin vivoノックダウン試験を実施した。なお、各核酸複合体は、試験に合わせてリン酸緩衝化生理食塩水(DPBS)(ナカライテスク社製)で希釈して用いた。マウス (BALB/cA、日本クレアより入手)を馴化飼育後、各核酸複合体を1 mg/kg、または0.3 mg/kgずつマウスに皮下注投与した。また、コントロール群としてはDPBSのみをマウスに皮下注投与した。投与から3日後に安楽死させ、肝臓を採取し液体窒素で凍結保存した。肝臓凍結サンプルをトリゾール(登録商標)アールエヌエーアイソレーションリージェンツ (サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、カタログ番号15596026)およびマグナピュア96 (MagNA Pure 96) (ロシュ・ライフサイエンス社製)を用い、製品に添付された説明書に記載された方法に従い、全RNAの回収を行った。さらにトランスクリプターファーストストランドシーディーエヌエーシンセシスキット (ロシュ・ライフサイエンス社製、カタログ番号 04897030001)を用いて、製品に添付された説明書に記載された方法に従い、得られた全RNAを鋳型とする逆転写反応によるcDNAの作製を行った。得られたcDNAを鋳型とし、タックマン(登録商標)ジーンエクスプレッションアッセイズプローブ (サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)をプローブとして、クオントスタジオ12ケーフレックスリアルタイムピーシーアールシステム(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用い、添付された使用説明書に記載された方法に従ってPCR反応させることにより、β2GPI遺伝子およびgapdh遺伝子をPCR反応させてmRNA増幅量をそれぞれ測定し、gapdhのmRNA増幅量を内部対照として、β2GPIのmRNAの準定量値を算出した。同様に測定したDPBS投与群におけるβ2GPIのmRNAの準定量値を1として、β2GPIのmRNAの発現率を求めた。得られたβ2GPIのmRNAの発現率を表S-3に示す。
表S-3から明らかなように、本発明の核酸複合体をマウスに投与して、肝臓中のβ2GPI遺伝子の発現を低下させることが明らかになった。
本発明の核酸複合体は、哺乳動物に投与して、生体内において、β2GPI関連疾患を治療するために用いることができる。

Claims (24)

  1. 下記式1で表される核酸複合体。
    式1:
    (式1中、
    Xは、8〜80塩基長からなるアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、
    該アンチセンスオリゴヌクレオチドは、表1-1〜1-4に記載された標的塩基配列のいずれかにストリンジェントな条件でハイブリダイズ可能な配列を含む、β2GPIの発現を抑制するアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、
    該アンチセンスオリゴヌクレオチドの3’末端または5’末端はS3に結合し、
    L1およびL2は、それぞれ独立して、糖リガンドであり、
    S1、S2およびS3は、それぞれ独立して、リンカーである。)
  2. 下記式1で表される核酸複合体。
    式1:
    (式1中、
    Xは、8〜80塩基長からなるアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、
    該アンチセンスオリゴヌクレオチドは、表1-1〜1-4に記載されたアンチセンス塩基配列のいずれかの少なくとも8塩基を連続して含む、β2GPIの発現を抑制するアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、
    該アンチセンスオリゴヌクレオチドの3’末端または5’末端はS3に結合し、
    L1およびL2は、それぞれ独立して、糖リガンドであり、
    S1、S2およびS3は、それぞれ独立して、リンカーである。)
  3. 下記式1で表される核酸複合体。
    式1:
    (式1中、
    Xは、8〜80塩基長からなるアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、
    該アンチセンスオリゴヌクレオチドは、表1-1〜1-4のに記載された標的塩基配列のいずれかと相補的である、アンチセンスオリゴヌクレオチドであり、
    該アンチセンスオリゴヌクレオチドの3’末端または5’末端はS3に結合し、
    L1およびL2は、それぞれ独立して、糖リガンドであり、
    S1、S2およびS3は、それぞれ独立して、リンカーである。)
  4. 下記式2で表される構造を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の核酸複合体。
    式2:
    (式2中、
    X、L1、L2およびS3は、それぞれ前記と同義であり、
    P1、P2、P3、P4、P5およびP6、ならびにT1およびT2は、それぞれ独立して、存在しないか、または、−CO−、−NH−、−O−、−S−、−O−CO−、−S−CO−、−NH−CO−、−CO−O−、−CO−S−もしくは−CO−NH−であり、
    Q1、Q2、Q3およびQ4は、それぞれ独立して、存在しないか、または、置換もしくは無置換の炭素数1〜12のアルキレンまたは−(CH2CH2O)n−CH2CH2−であり、nは0〜99の整数であり、
    B1およびB2は、それぞれ独立して、結合手であるか、または、下記式2−1で表されるいずれかの構造であり、各構造における末端の黒丸点は、それぞれ、P2またはP3あるいはP5またはP6との結合点であり、m1、m2、m3およびm4は、それぞれ独立して、0〜10の整数であり、
    式2−1:
    p1およびp2は、それぞれ独立して、1、2または3の整数であり、
    q1、q2、q3およびq4は、それぞれ独立して、0〜10の整数であり、
    ただし、p1およびp2がそれぞれ2または3の整数であるとき、それぞれのP3およびP6、Q2およびQ4、T1およびT2ならびにL1およびL2は、同一または異なっていてもよく、q1〜q4が2〜10の時、それぞれの−[P2−Q1]−,−[Q2−P3]−,−[P5−Q3]−,−[Q4−P6]−の組み合わせは同一または異なっていてもよい。)
  5. P1およびP4が、それぞれ独立して、−CO−NH−、−NH−CO−または−O−である請求項4に記載の核酸複合体。
  6. −(P2−Q1)q1−および−(P5−Q3)q3−がそれぞれ独立して、存在しないか、または下記式3−1〜式3−3で表されるいずれかの構造である、請求項4または5に記載の核酸複合体。
    式3−1:
    式3−2:
    式3−3:
    (式3−1〜式3−3中、
    m5およびm6は、それぞれ独立して、0〜10の整数であり、式3−1〜式3−3の構造における末端の黒丸点は、それぞれ、B1またはB2あるいはP1またはP4との結合点である。)
  7. 下記式4−1〜式4−9で表されるいずれかの構造を有する、請求項4〜6のいずれか1項に記載の核酸複合体。
    式4−1:
    式4−2:
    式4−3:
    式4−4:
    式4−5:
    式4−6:
    式4−7:
    式4−8:
    式4−9:
    (式4−1〜4−9中、
    X、L1、L2、S3、P3、P6、T1、T2、Q2、Q4、q2およびq4はそれぞれ前記と同義である。)
  8. 下記式5で表される構造を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の核酸複合体。
    式5:
    (式5中、
    X、S3、P1、P2、P3、Q1、Q2、B1、T1、L1、p1、q1およびq2はそれぞれ前記と同義である。)
  9. P1が−CO−NH−、−NH−CO−または−O−である請求項8に記載の核酸複合体。
  10. 下記式6−1〜式6−9で表されるいずれかの構造を有する、請求項8または9に記載の核酸複合体。
    式6−1:
    式6−2:
    式6−3:
    式6−4:
    式6−5:
    式6−6:
    式6−7:
    式6−8:
    式6−9:
    (式6−1〜6−9中、
    X、S3、P3、Q2、T1、L1およびq2は、それぞれ前記と同義である。)
  11. 下記式7−1〜式7−9で表されるいずれかの構造を有する、請求項6〜8のいずれか1項に記載の核酸複合体。
    式7−1:
    式7−2:
    式7−3:
    式7−4:
    式7−5:
    式7−6:
    式7−7:
    式7−8:
    式7−9:
    (式7−1〜7−9中、
    X、S3、L1およびL2は、それぞれ前記と同義である。)
  12. 前記糖リガンドが、N−アセチルガラクトサミンである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の核酸複合体。
  13. 前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、表1-1〜1-4のアンチセンス塩基配列に記載された群から選択される塩基配列を含む、請求項3〜12のいずれか1項に記載の核酸複合体。
  14. 前記アンチセンスオリゴヌクレオチドに含まれる表1-1〜1-4のアンチセンス塩基配列が、1もしくは数個の塩基が欠失、置換もしくは付加された配列である、請求項13に記載の核酸複合体。
  15. 前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、5’末端近傍および/または3’末端近傍が糖部修飾ヌクレオチドで構成される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の核酸複合体。
  16. Xが、表2-1〜表2-3、表3-1〜表3-2に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドのいずれかである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の核酸複合体。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の核酸複合体を含む、医薬組成物。
  18. 細胞内に導入するための、請求項17に記載の医薬組成物。
  19. 静脈内投与または皮下投与される、請求項17または18に記載の医薬組成物。
  20. 請求項17〜19のいずれか1項に記載の医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む、疾患の治療または予防方法。
  21. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の核酸複合体または請求項17〜19のいずれか1項に記載の医薬組成物を用いてアンチセンスオリゴヌクレオチドを細胞内に導入することを含む、β2GPI遺伝子の発現を抑制する方法。
  22. 請求項17〜19のいずれか1項に記載の医薬組成物を哺乳動物に投与することを含む、β2GPI関連疾患の治療方法。
  23. 請求項17〜19のいずれか1項に記載の医薬組成物を含む、β2GPI関連疾患の治療に用いるための医薬。
  24. 請求項17〜19のいずれか1項に記載の医薬組成物を含む、β2GPI関連疾患の治療剤。
JP2017149683A 2017-08-02 2017-08-02 核酸複合体 Pending JP2019024444A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017149683A JP2019024444A (ja) 2017-08-02 2017-08-02 核酸複合体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017149683A JP2019024444A (ja) 2017-08-02 2017-08-02 核酸複合体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019024444A true JP2019024444A (ja) 2019-02-21

Family

ID=65476954

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017149683A Pending JP2019024444A (ja) 2017-08-02 2017-08-02 核酸複合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019024444A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023143374A1 (zh) * 2022-01-30 2023-08-03 成都凌泰氪生物技术有限公司 一种配体、其制备方法及应用

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023143374A1 (zh) * 2022-01-30 2023-08-03 成都凌泰氪生物技术有限公司 一种配体、其制备方法及应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6853193B2 (ja) 核酸複合体
JP6983797B2 (ja) 治療化合物用の標的化リガンド
JPWO2017010575A1 (ja) β2GPI遺伝子発現抑制核酸複合体
WO2019027015A1 (ja) 核酸複合体
CA2993350C (en) Multiligand agent for drug delivery
JP7022687B2 (ja) 核酸複合体
JP6667179B2 (ja) オリゴヌクレオチド誘導体及びそれを用いたオリゴヌクレオチド構築物並びにそれらの製造方法
WO2019027009A1 (ja) 核酸複合体
WO2020111280A1 (ja) 核酸複合体
JP2019024444A (ja) 核酸複合体
WO2018110678A1 (ja) ヌクレオシド誘導体及びその利用
TW202142260A (zh) 核酸複合體及包含其之醫藥組合物
WO2024002093A1 (zh) 抑制载脂蛋白C3表达的siRNA