WO2004054411A1

WO2004054411A1 - 容器吊り下げ具

Info

Publication number: WO2004054411A1
Application number: PCT/JP2003/011002
Authority: WO
Inventors: Masao Yamashita; Kunji Nagaoka
Original assignee: Kirin Brewery Company, Limited; Nagasakakoh Co., Ltd.
Priority date: 2002-12-17
Filing date: 2003-08-29
Publication date: 2004-07-01
Also published as: JP2004194796A; CN1713843A; US20060060739A1; AU2003261813A1; KR20050085692A; AU2003261813A8

Abstract

　従来の容器吊り下げ具の利点を維持したうえで、廃棄物処理上の問題のない容器吊り下げ具を提供することを目的とするもので、紙製の容器吊り下げ基板（４０）に複数の円形開口（４１ａ）～（４１ｆ）が設けられ、各円形開口（４１ａ）～（４１ｆ）の内周縁から、内方に向かって突出した複数の係止片４２が形成され、円形開口（４１ａ）～（４１ｆ）の径（Ｄ１）は、吊り下げるべき容器（Ｃ）の頭部が通過できる径であり、複数の係止片４２の先端を結ぶ仮想円の径（Ｄ２）は、容器（Ｃ）の頭部近傍周縁に形成された係止部（ａ）の径よりも小さく形成されている。

Description

明細書容器吊り下げ具技術分野

本発明は、缶ゃぺットボトルなどの容器に入れられた飲料等の集積販売や持ち運びに使用する容器吊り下げ具に関する。背景技術

缶入りのビール、ジュース、コーヒーなどの缶飲料や、ペットボトル入りのお茶、ジュース、スポーツドリンク、調味料等は、小売店においては 1個毎のばら売りまたは一定個数の集積状態で売られているのが普通である。一方、製造業者側あるいは卸売店側から小売店に納入される缶ゃぺットポトル入り飲料等は、一定数量の梱包状態、たとえば 2 4個の缶ビールを 6個ずつ補助容器に収納した状態で段ボール箱に収容した梱包状態で納入される。このため小売店では、段ポール箱を開梱してばら売り用に缶ビールを 1個ずつ取り出したり、集積販売用に専用の手提げ力一トンゃ吊り下げ具に数個の缶ビールをセットしたりして店頭に陳列している。

前記の手提げカートンとしては、たとえば実用新案登録第 2 5 5 3 1 3 3号公報 (特許文献 1 ) に記載のものがある。この手提げカートンは、板紙製のカートンブランクを組み立てることによって、 6個の缶ビールを収納できるようにしたものである。

また前記の吊り下げ具としては、特許第 2 8 5 9 1 6 5号公報（特許文献 2 ) に記載のものがある。この吊り下げ具は、合成樹脂製の本体に缶の上部形状に対応したキヤップ状の嵌合部を 6箇所に形成した吊り下げ具であって、嵌合部の裏面側凹部'の内周壁に、内側に向けて斜めに起立する係止片を周方向に複数個形成することによって、 6個の缶ビールを同時に吊り下げて持ち運び、また積層できるようにしたものである。

上記のような手提げカートンゃ吊り下げ具を使用すれば、多数の缶ビールを 6個単位で整然とした状態で店頭に陳列することができる。し力し、従来の手提げカートンゃ吊り下げ具には次のような問題があった。

前掲の特許文献 1に記載の手提げカートンは、板紙製のカートンブランクを組み ίてるだけであるのでカートン自体の製作は簡単である力カートンに缶ビールを収納した状態ではカートンを高さ方向に積み重ねることはできない。したがって、缶ビールを収納したカートンは棚やテーブルなどに平面的に並べて陳列することしかできず、持ち運びには便利である力売り場面積の有効利用という点では、ばら売りの場合と変わらない。また、段ボール箱入りの状態で納入された缶ビールを段ボール箱からカートンに 1個ずつ移し替える作業が煩雑である。

また前掲の特許文献 2に記載の吊り下げ具は、低コストで、段ボール箱入りの状態の缶ビールを吊り下げ具にセットする作業も簡単であり、さらに、 6個の缶ビールをセットした状態で高さ方向に積み重ねることができるので、売り場面積の有効利用という点で優れている。し力し、この吊り下げ具は合成樹脂製であるので、使用後の廃棄物処理の面で他の合成樹脂系廃棄物の問題と同様な問題がある。

一方、ぺットボトル入り飲料は、個人が携帯して当日飲む分は、複数個で買うことは余りないが、特別セールなどの販売促進や、家族やグループで購入するのに便利なように、複数個まとめて販売する形態もある。そのとき、 2本、 4本、 6本をまとめて売るようにし、それらを吊り下げてレジに持っていったり、持って帰ることができるようにすれば、販売数もアップすることが期待できる。発明の開示

本発明は、従来の容器吊り下げ具の利点を維持したうえで、廃棄物処理上の問題のない容器吊り下げ具を提供することを目的とする。

本発明の容器吊り下げ具は、紙製の容器吊り下げ基板に複数の円形開口を設け、各円形開口の内周縁から、内方に向かって突出した複数の係止片を形成し、前記円形開口の径を、吊り下げるべき容器の頭部が通過できる径とし、前記複数の係止片の先端を結ぶ仮想円の径を、前記容器の頭部近傍周縁に形成された係止部の径ょりも小さく形成したものである。

本発明においては、 2本、 4本、 6本と整列させた飲料等の缶、あるいはペットボトル（以下「容器」という）の上から容器吊り下げ基板を押し下げると、各容器の頭部が複数の各円形開口に嵌る。さらに容器吊り下げ基板を押し下げると、複数の係止片が容器の頭部を通過して容器の頭部近傍周縁に形成された係止部に差し掛かり、その係止部は係止片を外側に曲げて容器吊り下げ基板を下方に通過させる。容器頭部の係止部が通過すると、係止片はその復元力で内側に戻る。そうすると、係止片の先端は容器頭部の係止部の下部に位置し、係止部の下方への離脱が防止される。

本発明の容器吊り下げ具は、紙製であるため再利用が可能であり、また燃焼しても有害ガスが発生しないので、廃棄物処理上問題がない。

前記係止片は、円形開口の内周縁から、内方に向かって水平に延出したものでもいいが、好ましくは、円形開口の内周縁から、内方に向かって斜め上方に起立したものとする。そうすれば、容器の頭部が円形開口に嵌る際、斜め上方に起立した複数の係止片が漏斗状のガイドになるため、容器の頭部により容器吊り下げ基板は自動的に円形開口の中心と容器の頭部の中心に合致するようになる。これにより、複数の容器の頭部に同時に容器吊り下げ基板を押し当てても、自動的に円形開口の中心に容器の頭部が位置し、組み立てが容易になる。

ここで、平らな紙のブランクから斜め上方に起立した係止片を成形することは難しいが、パルプモールド成形により製作することで、斜め上方に起立した係止片を含む吊り下げ具全体を一度のモールドで容易に成形することができる。

本発明の容器吊り下げ具は、店頭にて販売する際に、 2 4本入りケースから 2、 4、 6本毎に取り出すために用いることができるほ力 \飲料等の工場出荷時に、予めこれを取り付けておくことで、 2 4本入りケースからの取り出しと店頭陳列が容易になる。

本発明の容器吊り下げ具は、容器吊り下げ基板単独で使用するほか、容器の頭部の保護、あるいはその上部に積み重ねる際の安定のために、容器吊り下げ基板の上部に、円形開口に対応する位置に容器の頭部を覆うキャップ状の嵌合部を形成した紙製の天板を貼り合わせたものとすることができる。この天板も、パルプモールド成形により製作することができる。

容器吊り下げ基板おょぴ天板には、撥水加工および耐水加工のうちいずれか一方または両方の加工を施すものとする。

これは、容器吊り下げ具を装着した状態で缶ビールゃぺットボトルを冷蔵庫にて保管した後、外気に触れると、紙製またはパルプモールド成型品である容器吊り下げ基板または天板に結露して強度が弱くなるため、撥水加工および耐水加工のうちいずれか一方または両方の加工を施すことで紙の素材の内部に水分が浸入すること防いで強度を維持するようにする。

本発明によれば、次の効果を奏する。

本発明の容器吊り下げ具は、紙製の容器吊り下げ基板に複数の円形開口を設け、各円形開口の内周縁から、内方に向かって突出した複数の係止片を形成し、前記円形開口の径を、吊り下げるべき容器の頭部が通過できる径とし、前記複数の係止片の先端を結ぶ仮想円の径を、前記容器の頭部近傍周縁に形成された係止部の径ょりも小さく形成したことにより、容器の頭部が円形開口を一旦通過した後は、係止片はその復元力で内側に戻り容器の下方への離脱を防止することができる。本発明の容器吊り下げ具は紙製であるため再利用が可能であり、また燃焼しても有害ガスが発生しないので、廃棄物処理上問題がない。

また、複数の円形開口の内周縁から、内方に向かって斜め上方に起立した複数の係止片を形成したことにより、各円形開口に設けられている複数の係止片が内方に向かって斜め上方に起立して容器の頭部が通過するときに漏斗状のガイドになるため、容器吊り下げ基板は自動的に円形開口中心に合致するようにして装着できる。

また、パルプモールド成形により製作することで、斜め上方に起立した係止片を含む吊り下げ具全体を一度のモールドで容易に成形することができる。

本発明の容器吊り下げ具は、店頭にて販売する際に、客がまとめて持ち帰ることができるように複数個の容器を束ねておくことができるほ力 \飲料等の工場出荷時に、予めこれを取り付けておくことで、多数個入りケースからの取り出しと店頭陳列が容易になる。

本発明の容器吊り下げ具は、容器吊り下げ基板単独で使用するほか、容器の頭部の保護、あるいはその上部に積み重ねる際の安定のために、容器吊り下げ基板の上部に、円形開口に対応する位置に容器の頭部を覆うキヤップ状の嵌合部を形成した紙製の天板を貼り合わせたものとすることができる。この天板も、パルプモールド成形により製作することができる。

容器吊り下げ具および天板に撥水加工おょぴ耐水加工のうちいずれか一方または両方の加工を施すことにより、冷蔵庫に保管後に取り出しても、水滴が紙の素材の内部に浸透して強度が弱くなることがなく、途中で破れることなく搬送ができる。図面の簡単な説明

図 1 Aは本発明の第 1実施形態である容器吊り下げ具を上面側からみた斜視図、図 1 Bは前記容器吊り下げ具を下面側からみた,斜視図である。

図 2 Aは図 1の容器吊り下げ具の天板の展開図、図 2 Bは容器吊り下げ基板の展開図である。

図 3 Aは図 1 Aめ A— A線端面図、図 3 Bは図 1 Bの B— B線端面図である。図 4は図 1の容器吊り下げ具の嵌合部に缶の上端部を係止した状態を示す図である。

図 5 Aは本発明の第 2実施形態である容器吊り下げ具を構成する容器吊り下げ基板の平面図、図 5 Bおよぴ図 5 Cはそれぞれ図 5 Aの C一 C線および D— D線から見た断面図である。

図 6は本発明の第 2実施形態における容器吊り下げ基板と組み合わせる天板の構成を示す斜視図である。

図 7は飲料入り缶の外形を示す断面図である。

図 8 Aは本発明の第 3実施形態である容器吊り下げ具を構成する容器吊り下げ基板の平面図、図 8 Bは図 8 Aの E— E線から見た断面図である。

図 9 Aは本発明の第 3実施形態における容器吊り下げ基板と組み合わせる天板の構成を示す平面図、図 9 Bは図 9 Aの F— F線から見た断面図である。発明を実施するための最良の形態

以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。

<第 1実施形態 >

本発明の第 1実施形態を、図 1A, 図 1 B, 図 2A, 図 2B, 図 3 A，図 3B, およぴ図 4を用いて説明する。

本実施形態の容器吊り下げ具は、厚紙製の天板 1 1と容器吊り下げ基板 12を接着剤で貼り合わせた本体 10からなる。天板 1 1は図 2 Aに示す打ち抜き型紙 20 を破線で示す折り曲げ線で折り曲げて、図 1 Aに示すように 6個の八角形状のキヤップ体 11 a〜 1 1 f を形成したものであり、容器吊り下げ基板 12は図 2 Bに示す打ち抜き型紙 30を破線で示す折り曲げ泉で折り曲げて、図 1 Βに示すように 6 個の円形開口 1 2 a〜l 2 f と同円形開口 1 2 a〜l 2 f の内周から内側に向けて突出する各 4個の係止片 13 a〜.l 3 dを形成したものである。

各係止片 13 a〜l 3 dは、型紙本体 31に連続して一体的に成形されており、円形開口 12 a〜l 2 f と各係止片 1 3 a〜l 3 dおよび天板 1 1のキャップ体 l l a〜l l f とでキヤップ状の嵌合部 14 a〜14 f (図 3 Aの符号 14 aを参照。）が形成される。図 3 Aに示すように、嵌合部 14 a (14 b〜14 f も同じ）を缶 Cに装着しないときは図 3 Aに示すように、各係止片 1 3 a〜l 3 dは嵌合部 1 4 aの裏面側凹部 1 5 Aの内側に向かって水平に延伸した状態にある。

各円形開口 1 2 a〜 1 2 f が互いに近接する部位では容器吊り下げ基板 1 2の型紙本体 3 1の残余部 3 2の幅が狭く強度的に弱いので、図 3 Bに示すように、補強のために天板 1 1の型紙 2 0の当該部位をコの字形に折り曲げて補強部 2 1としている。

嵌合部 1 4 a ( 1 4 b〜1 4 f も同じ）〜 1 4 f ( 1 4 b〜1 4 f も同じ）を缶 Cに装着するときは、図 4に示すように、係止片 1 3 a〜l 3 dは缶 Cの上端に押されて上向きに弾性変形し、缶 Cの上端が通過した後、缶 C上端の縁の端部が係止片 1 3 a〜l 3 dの先端に当接した状態で係止される。

吊り下げ具は、嵌合部 1 4 aを缶 Cの上部に押し付けるだけで簡単に缶 Cへの装着ができ、また取り外すときは、嵌合部 1 4 aを弾性を利用して曲げながら缶から引き離すだけで簡単に外れる。缶 Cを下方に引っ張ると係止片 1 3 a〜l 3 dは容易に下向きに弾性変形して係止片 1 3 a〜l 3 dの先端が缶上端の縁から外れ、缶 Cを容易に取り外すことができる。

本実施形態の吊り下げ具では、前述の特許第 2 8 5 9 1 6 5号公報に記載の吊り下げ具と同様に、段ポール箱入りの状態の缶ビールなど等の缶 Cを吊り下げ具にセットする作業が簡単であり、さらに、 6個の缶 Cビールをセットした状態で高さ方向に積み重ねることができるので、売り場面積の有効利用という点で優れている。しかも、この吊り下げ具は紙製であるので、使用後の廃棄物処理の面で問題となることがない。

なお本実施形態では、天板 1 1として打ち抜き型紙 2 0を折り曲げた厚紙製の部材を用い、折り曲げ成形の都合上、キャップ体 1 1 a〜l 1 ίの形状.を八角形状としているが、天板としてパルプモールド製の部材を用いる場合は、キャップ体の成形が容易であるので、キャップ体の形状を円形とすることもできる。また、キヤップ体 1 1 a〜l 1 f の上面部に缶 Cの底部形状に合わせた凹凸部を形成させして、缶 Cに装着した吊り下げ具の上にさらに缶 Cを安定して積み重ねられるようにすることもできる。また、容器吊り下げ基板 1 2の係止片 1 3 a〜l 3 dの数は 4個に限らず、 3個または 5個以上であってもよい。

<第 2実施形態 >

本発明の第 2実施形態を、図 5を用いて説明する。図 5 Aは容器吊り下げ基板 1 0の平面図、図 5 Bおよぴ図 5 Cは、それぞれ図 1 Aにおける A— A線， B— B線における断面図である。

本実施形態では、飲料用缶を 6個吊り下げる場合の例を示している。

容器吊り下げ基板 4 0には、 6つの円形開口 4 1を設け、各円形開口 4 1の内周縁から、内方に向かって斜め上方に起立した複数の係止片 4 2を形成している。円形開口 4 1の径 D 1は、吊り下げるべき缶の頭部が通過できる径とし、複数の係止片 4 2の先端を結ぶ仮想円の径 D 2は、缶の頭部近傍周縁に形成された係止部 a (図 7参照）の径よりも小さく形成している。容器吊り下げ基板 4 0の周囲は、補強のためにフレーム部 4 3を形成しており、中央部 2力所には指を差し込むための指差し込み片 4 4を形成している。指差し込み片 4 4の周囲は、指を差し入れたときに周囲のエッジで指を痛めないように、リング状の縁取り 4 5が形成されている。この容器吊り下げ基板 4 0は、パルプモールド成形により成形することで、係止片 4 2やフレーム部 4 3、指差し込み片 4 4をプレスなどによらず、一体成形している。

以上の構成の容器吊り下げ基板 4 0は、飲料等の工場において 6個一まとめに集合させることも可能である。製造ラインで 6個整列させながら搬送し、 6個密着し並べられ搬送された缶の上に容器吊り下げ基板 4 0をセットし、押し込み用の平面式治具あるいは、 6個を密着し並べられ搬送されながら行えるロータリー式治具により、容器吊り下げ基板 4 0を押圧する。円形開口 4 1の位置はおよそ合っていればよく、円形開口 4 1の内周の周.りの複数の係止片 4 2が逆漏斗状に並んでいるため、缶の頭部周縁がガイドされ、容器吊り下げ基板 4 0は、缶の位置に自動芯合わせされる。

次いでさらに容器吊り下げ基板 4 0を強く押し下げると、係止片 4 2が缶 Cの係止部 aによって外側に押し開けられた後に、係止片 4 2の先端が復元力で内側に戻り、係止部 aの下部周縁により止められる。これにより、缶 Cの係止部 aは下側には抜けなくなる。このように 6個一まとめにされた缶はそのまま搬送され、輸送用の段ボールケースに収納することができる。また、店舗においても缶を 6個密着し並べその上に容器吊り下げ基板 4 0をセットし簡易平面式治具を使用し押圧することにより、簡単に 6個一まとめに集合させることも可能である。

本実施形態の容器吊り下げ具は、容器吊り下げ基板 4 0単独で使用するほカゝ、缶の頭部の保護、あるいはその上部に缶を積み重ねる際の安定のために、図 6に示すように、容器吊り下げ基板 4 0の上部に、円形開口 4 1に対応する位置に缶の頭部を覆うキャップ状の嵌合部 5 1を形成した紙製の天板 5 0を貼り合わせたものとすることができる。この天板 5 0の嵌合部 5 1の上面には、缶 Cの底部周縁のリブ部 b (図 7参照）が嵌り込む溝 5 1 Aを形成しておけば、上に積み重ねた缶の位置決めと、横滑り防止の機能を持たせることができる。また、天板 5 0には、容器吊り下げ基板 4 0に設けた指差し込み片 4 4と同位置に、第 2の指差し込み片 5 2が設けられており、容器吊り下げ基板 4 0と天板 5 0を貼り合わせて使用するときも、両方の指差し込み片 4 4、 5 2を同時に下に折り曲げて缶を持ち上げることができる。

この天板 5 0も、パルプモールド成形により製作することができる。

く第 3実施形態 >

本発明の第 3実施形態を、図 8 Aおよび図 8 Bを用いて説明する。

本実施形態では、ペットボトル Pを 6個吊り下げる場合の例を示している。

容器吊り下げ基板 6 0には、 6つの円形開口 6 1を設け、各円形開口 6 1の内周縁から、内方に向かって斜め上方に起立した複数の係止片 6 2を形成している。円形開口 6 1の径 D 3は、吊り下げるべきぺットポトル Pの頭部が通過できる径とし、複数の係止片 6 2の先端を結ぶ仮想円の径 D 4は、ぺットボトル Pの頭部近傍周縁に形成された係止部 d (図 8 B参照）の径よりも小さく形成している。容器吊り下げ基板 6 0の周囲は、補強のためにフレーム部 6 3を形成しており、中央部 2力所には指を差し込むための指差し込み片 6 4を形成している。

この容器吊り下げ基板 6 0は、パルプモールド成形により成形することで、係止片 6 2やフレーム部 6 3、指差し込み片 6 4をプレスなどによらず、一体成形している。

このとき、パルプモールドの原料パルプ溶液中に、撥水力卩ェのための撥水剤を添加する。撥水剤としては、ワックスェマルジヨン、シリコーンェマルジヨン、ポリォレフィン誘導体等の一般の材料を用いることができる。その添加量は、 3 5 °Cの温度で相対湿度が 9 0 %の室内で、 5 0 0 m l飲料缶を装着させたパルプモールド '品を 2 4時間放置後、振動試験、捻り試験を行い脱落しない程度の量とする。

例えば撥水剤としてヮックスェマルジョンを用いる場合、原料パルプ溶液に対して、絶乾パルプに対し固形分で 1 0重量％〜2 0重量％を添加する。 1 0重量％未満では吸湿により所定の強度が得られず、 2 0重量％を超えると乾燥状態のパルプモールド品の強度が得られなかった。

以上の構成の容器吊り下げ基板 6 0は、飲料等の工場において 6個一まとめに集合させることも可能である。製造ラインで 6個整列させながら搬送し、 6個密着し並べられ搬送されたぺットボトルの上に容器吊り下げ基板 6 0をセットし、押し込み用の平面式治具あるいは、 6個を密着し並べられ搬送されながら行えるロータリ ^式治具により、容器吊り下げ基板 1 0を押圧する。円形開口 6 1の位置はおよそ合っていればよく、円形開口 6 1の内周の周りの複数の係止片 6 2が逆漏斗状に並んでいるため、ペットボトルの頭部周縁がガイドされ、容器吊り下げ基板 6 0は、ペットポトルの位置に自動芯合わせされる。

次いでさらに容器吊り下げ基板 6 0を強く押し下げると、係止片 6 2がぺットポトル Pの係止部 dによつて外側に押し開けられた後に、係止片 6 2の先端が復元力で内側に戻り、係止部 dの下部周縁により止められる。これにより、ぺットボトル Pの係止部 dは下側には抜けなくなる。このように 6個一まとめにされたぺットポトルはそのまま搬送され、輸送用の段ボールケースに収納することができる。また、店舗においてもぺットボトルを 6個密着し並べその上に容器吊り下げ基板 6 0をセットし簡易平面式治具を使用し押圧することにより、簡単に 6個一まとめに集合させることも可能である。

本実施形態の容器吊り下げ具は、容器吊り下げ基板 6 0単独で使用するほか、ぺットポトルの頭部の保護、あるいはその上部にぺットポトルを積み重ねる際の安定のために、図 9 Aおよび図 9 Bに示すように、容器吊り下げ基板 6 0の上部に、円形開口 6 1に対応する位置にぺットポトルの頭部を覆うキャップ状の嵌合部 7 1 を形成した紙製の天板 7 0を貝占り合わせたものとすることができる。天板 7 0には、容器吊り下げ基板 6 0に設けた指差し込み片 6 4と同位置に、第 2の指差し込み片 7 2が設けられており、容器吊り下げ基板 6 0と天板 7 0を貼り合わせて使用するときも、両方の指差し込み片 6 4、 7 2を同時に下に折り曲げてぺットポトルを持ち上げることができる。

この天板 7 0も、容器吊り下げ基板 6 0と同様にパルプモールド成形により製作することができる。 '

なお、上述した第 1から第 3の実施形態においては、缶またはぺットポトルを 6 個まとめる場合の例について示したが、 2個、 4個など、他の個数をまとめる場合においても、同じように適用することができる。産業上の利用可能' 14

本発明は、缶ゃぺットポトルなどの容器に入れられた飲料等の集積販売や持ち運びに使用される容器吊り下げ具を、廃棄物処理上の問題のない形態として利用することができる。

Claims

請求の範囲

1 . 紙製の容器吊り下げ基板に複数の円形開口を設け、各円形開口の内周縁から、内方に向かって突出した複数の係止片を形成し、前記円形開口の径を、吊り下げるべき容器の頭部が通過できる径とし、前記複数の係止片の先端を結ぶ仮想円の径を、前記容器の頭部近傍周縁に形成された係止部の径ょりも小さく形成した容器吊り下げ具。

2 . 前記複数の係止片は、前記円形開口の内周縁から、内方に向かって水平に延出したものである請求の範囲 1記載の容器吊り下げ具。

3 . 前記複数の係止片は、前記円形開口の内周縁から、内方に向かって斜め上方に起立したものである請求の範囲 1記載の容器吊り下げ具。

4 . 前記容器吊り下げ基板は、パルプモールド成形によって製作されている請求の範囲 1記載の容器吊り下げ具。

5 . 前記容器吊り下げ基板には撥水加工おょぴ耐水加工のうちいずれか一方または両方の加工が施されている請求の範囲 4記載の容器吊り下げ具。

6 . 前記容器吊り下げ基板の上部に、前記円形開口に対応する位置に前記吊り下げるべき容器の頭部を覆うキヤップ状の嵌合部を形成した紙製の天板を貼り合わせた請求の範囲 1記載の容器吊り下げ具。

7 , 前記天板は、パルプモールド成形によって製作されている請求の範囲 6記載の容器吊り下げ具。

8 . 前記天板には撥水加工おょぴ耐水加工のうちいずれか一方または両方の加工が施されている請求の範囲 7記載の容器吊り下げ具。