WO2004045276A1 - ローヤルゼリーの精製用器具 - Google Patents

Abstract

中国山中でも簡単な装置で短時間で濾過処理を行って、活性が高く、高品質で、高純度のローヤルゼリーを得る発明で、その精製用器具１は、ローヤルゼリーを収容すべく一端を開口したほぼ円錐形状に展開可能な袋状体をなしている。この袋状体の先端部分は、前記袋状体内のローヤルゼリーを押し出して濾過精製するフィルタ部５が設けられ、このフィルタ部５以外の前記袋状体の他の部分は、前記袋状体内のローヤルゼリーを前記フィルタ部５から搾り出すべくローヤルゼリーの不浸透性素材からなる柔軟性を備えた搾り用軟体部９が設けられている。精製すべきローヤルゼリーが精製用器具１の開口から内部へ投入され、搾り用軟体部９の開口側が塞がれるように搾り込まれると、ローヤルゼリーが押圧されてフィルタ部５で容易に濾過精製されて押し出される。

Description

明細書 ローヤルゼリーの精製用器具 技術分野

この発明は、 電気供給源のない養蜂場においても、 簡単な装置 で短時間で濾過処理を行えるローヤルゼリーの精製用器具に関 する。 背景技術

ローヤルゼリーの一般的な採乳方法は、 蜜蜂の習性を応用した ものである。 蜜蜂の女王は、 花の最盛期になると毎日 3 , 000個も の卵を産むので、 巣箱がすぐに満杯となる。 このとき、 分蜂とい う巣分かれ現象が生じる。 この分蜂時期になると、 働き蜂たちは 新女王蜂を育成するための王台というべッ ドを約 20個ほど作る。 これらの王台に女王蜂が次々と受精卵を産み付ける。 そうすると、 働き蜂たちは各王台の受精卵を新女王蜂へと飼育するために頭 部に有している下咽頭線からローヤルゼリーという特殊な物質 を各王台へ分泌する。

各王台は上記の分泌開始から 9 0時間までにローヤルゼリー で満杯になり、 働き蜂たちはミツロウを分泌して王台に蓋をして 閉じる。 卵から孵化した女王の幼虫は、 王台の中でローヤルゼリ —を餌として成虫へと育っていくのである。 過去においては、 天 然王台に溜められた僅かばかりのローヤルゼリーが集められて 採乳されていたので、 ローヤルゼリ一は極めて貴重で高価なもの であった。 その後、 上記の蜂の習性を応用して、 上記の自然王台の代わり に椀状の直径 1 c m程のプラスチックで作成した人工王台 （べッ ド） が開発され、 働き蜂の巣房から 3 日齢ほどの小さな幼虫が人 為的に一つ一つ上記の人工王台の中に移動される作業、 つまり 『移虫作業』 が行われようになった。

上記のように移虫作業が行われた各王台は、 女王蜂を隔離した 上で、 一列で 34 個の王台が二列に並べられた状態で王台の入口 を逆さまになるように巣枠に組み込まれて巣箱の中に納められ、 巣箱の蓋が閉じられる。

すると、 働き蜂たちは前述した自然王台と同じように女王育成 の為人工王台へローヤルゼリーを分泌し始める。 丸 3 日間 （ 7 2 時間） 経過した後に 『採乳作業』 が行われる。 また最近では 、 出 願人等は丸 2 日 （ 4 8時間） 経過した後に 「採乳作業」 を行 て いる。 この 『採乳作業』 とは、 人工王台を並べた巣枠が巣箱から 取り出され、 ミツロウにより閉塞された人工王台の蓋がカツ夕ナ ィフ等の切断工具で取り除かれた後に、 人工王台の中に溜められ たローヤルゼリーが竹のヘラや真空ポンプでプラスチックなど の容器に取り集められる作業をいう。

ローヤルゼリーを分泌できる働き蜂は、 成虫になつてから一週 間から 1 0 日ほど経過した若い働き蜂であり、 それ以上の日齢の 働き蜂はローヤルゼリーを分泌しないのである。 また、 上記の若 い働き蜂はローヤルゼリーを分泌するために、 ハチミツの他にた く さんの花粉を食べて一旦消化吸収し、 心臓管という器官で口一 ャルゼリ一が作られ、 このローヤルゼリーが蜂の頭の箇所にある 咽頭線という器官より分泌される。

砂糖水がハチミツの代用としてよく使われるが、 砂糖水は八チ ミツと比較すると、 働き蜂から分泌されるローヤルゼリーの成 分 ·活性の両方の点で遙かに劣るものである。 つまり、 砂糖水を 餌として与えられて分泌されたローヤルゼリーが受精卵の幼虫 に与えられても正規な女王蜂にはならず、 不思議なことに女王蜂 と働き蜂の中間的な蜂になる。 したがって、 天然のハチミツと花 粉は蜜蜂にとって子孫繁栄のために不可欠な栄養価の高い物質 といえるものである。

ちなみに、 ローヤルゼリーの成分には、 水分約 6 8 %、 タンパ ク質約 1 3 %、 糖質約 1 6 %、 脂質約 4 %であり、 その他ビ夕ミ ン B ビタミン B ₂ , ビタミン B ₆， ニコチン酸、 葉酸、 パント テン酸、 ビチオン、 イノシ トール、 アセチルコリ ン、 ガンマ一ァ ミノ酪酸などが含まれている。 そして、 ローヤルゼリーは医学界 においては生活習慣病、 ガン、 心臓病、 脳卒中などに効果がある とされている。 例えば、 免疫細胞に働きかけて免疫力を活性化さ せることや、 炎症を抑える作用、 鎮痛作用があることや、 活性酸 素を消去させることや、 耐性菌が生まれないことなどの優れた作 用がある。 ローヤルゼリーの生理活性成分としては、 1 0 —ヒ ド 口キシデセン酸が知られている。 従来の採乳方法によるローヤル ゼリ一は、 およそ 1 . 7〜 2 . 2中程の 1 0 —ヒ ドロキシデン酸 を含有している。

日本におけるローヤルゼリーの濾過方法は、 採乳直後に、 幼虫 や巣となっているミツロウの破片ごと寒天の押し器のような簡 易濾過器の中に入れられてから、 メッシュを備えた出口に向けて 押し出されるのである。 この濾過作業は採乳の都度行われて 1 kg 入りのビニールに溜められる。 溜まったローヤルゼリーは、 家庭 用の電気冷蔵庫に納められて約 8 t 程で保管される。 出願人の指 導を受け契約生産を締結した日本の養蜂家は、 山間部において小 型発電器にて小型冷蔵庫を作動させてローヤルゼリーの保管に 勤める

一方、 中国における養蜂作業の実態について説明すると、 大密 源国の中国は 1 970 年代に入り ローヤルゼリーの世界的生産国と な て行き、 1 990年代には世界一のローヤルゼリー原乳生産国と な た。 日本の 2000 年度における中国産のローヤルゼリーの輸 入実績は 530 トンを超えるまでになつた。

中国におけるハチミツやローヤルゼリ の原乳の生産方式は、 日本方式と大幅に異なり、 特に養蜂場における作業方法、 保管、 輸送等の管理が杜撰であるために、 日本に到着した蜂製品の品質 は活性、 鮮度ともに大幅に劣化している。

例えば、 移虫、 採乳作業までの工程は日本と同じであるが、 最 も重要な養蜂家の手による蜂場濾過が行われず、 採乳作業では幼 虫こそ取り除かれるが、 蜂の死骸や巣の破片、 ゴミは混入された 状態で常温のまま l kg、 3 kg, 5 kgの容器に溜め続けられる。 そ の後も常温にさらされ、 長時間放置された上、 一定量のローヤル ゼリーが溜まると、 都市部の精製工場へ運び込まれる。

この段階で初めて冷凍倉庫にて一旦マイナス 1 8 °Cにて冷凍 保存される。 そのように各地から集められ、 冷凍保存された口一 ャルゼリーが集められると、 精製工場に持ち込まれ、 解凍作業を 経て次のような方法で人手により濾過作業が行われる。

例えば、 すでに出願人が考え出したものとして、 事業規模が小 規模な養蜂家においては、 図 5 に示されているようにローヤルゼ リ一の精製装置 1 0 1 を構成する円筒状の筒状体 1 0 3 の一端 の開口部 1 0 5 にガーゼ 1 0 7 を被せて輪ゴム 1 0 9で止めて おき、 この筒状体 1 0 3の他端の開口 1 1 1から上記の採乳した ローヤルゼリーが投入される。 次いで、 前記開口 1 1 1から筒状 体 1 0 3 内に円柱状のピス トン部 1 1 3が挿入されてローヤル ゼリーをガーゼ 1 0 7 に向けて押圧することにより、 ガーゼ 1 0 7 を通過したローヤルゼリーが濾過され、 下方の金属製の缶 1 1 5 に収容されている。 なお、 上記の筒状体の容量は 2 0 0〜 5 0 0 c cである。

上記の濾過作業の後に撹拌作業が行われる。 撹拌作業では、 濾 過済のローヤルゼリーが直径約 l m位の円筒形のステンレス容 器 （上記の缶でも兼用可能） の中に流し込まれる。 ステンレス容 器内のローヤルゼリーは撹拌用装置により撹拌される。 例えば、 ステンレス容器の中央には回転軸が取り付けられ、 この回転軸に 備えられた撹拌用の金属ヘラとしての例えば撹拌棒がゆつ く り したスピードでモー夕によって回り始めると、 容器の中のローャ ルゼリーが撹拌される。 このように均一のローヤルゼリー原液が 出来上がる。このローヤルゼリー原液は 1 kg梱包に小分けされて 出荷の時まで再びマイナス 1 8 で保管される。 すなわち、 2度 の冷凍が行われるので、 鮮度は落ちるのである。

ところで、 上記の移虫、 採乳作業は、 例えば中国の西北の奥地 にある 1 0 0 %自然の菜の花の大密源地帯にて行われる。 採乳作 業後のローヤルゼリーの濾過、 撹拌作業は、 鮮度を落とさないた めにも、 採乳作業を行った場所にて素早く行う必要がある。

しかし、 中国の現況では、 中国山中の奥地の養蜂場に発電機や 冷蔵庫を設置することなど考えられぬほどのレベルであり、 また 確たる流通も確立されておらず、 蜂場作業の改善を実施しても売 値は従来の方法で行われたものと同額であることから、 養蜂家た ちは敢えて手間のかかる作業を行っていないのが実態である。 したがって、 従来のローヤルゼリーの精製方法においては、 上 述したように中国山中の奥地の養蜂場では採乳されたローヤル ゼ U一の濾過作業が行われず、 蜂の死骸や巣の破片、 ゴミ等が混 じ た状態で常温のまま長時間放置され、 常温にて都市部の精製 工場へ運び込まれてから、 冷凍保存されて一定量がまとめられて から濾過、 撹拌されているので、 ローヤルゼリ一は（1 )紫外線を 受け 、 (2)空気中の酸と接触し、 （3)金属と接触することになり、 その結果、 ローヤルゼリーのもつ優れた活性型の成分が破壊され てしまうという問題点があった。

より詳しく は、 ローヤルゼリーの弱点は、 （1 )空気中の炭酸ガ ス等の酸のような微量成分により生成が劣化する。 （2)紫外線に 弱い o (3) 8 °C以上の熱に弱い。 （4)金属に接触すると化学変化が 生じる 。 （5)無機酸に接すると化学変化が生じる。 というもので ある ところが、 撹拌の際には、 ローヤルゼリーが空気とミック スされてしまい、 その上、 金属性のヘラが使用されているので、 ローヤルゼリーは金属性の物質と接触して成分が破壊されてし まうのである。

また、 採乳されたローヤルゼリーには蜂の死骸、 巣の破片、 ゴ ミ等が混じっており、 水分が 6 5 %で粘度が高いペース ト状で非 常に重たいものであるので、 濾布としてのガーゼ 1 0 7が詰まつ たり して濾過及び撹拌の処理に時間がかかると、 ローヤルゼリー が空気中にさ らされる時間が長くなり、 生成劣化すると共に活性 化が減少し、 鮮度が落ちてしまうのである。

さらに、 従来の中国でのローヤルゼリーの精製方法においては、 上述したように冷凍、 解凍、 冷凍の工程により 2度の冷凍が行わ れている。 ところが、 冷凍されることによってローヤルゼリーの 鮮度は保たれるが、 ローヤルゼリーに含まれる有効成分のひとつ である 1 0 ヒ ドロォキシ 2デセン酸という脂肪酸はすぐに結晶 してしまい、 一度結晶した上記のデセン酸は簡単に溶解しないた めに、 上記のデセン酸の含有量が低下した品質度の低いローヤル ゼリ一原乳と化してしまう という問題点があつた。

また、 その他の主要成分である γ · ァミノ酪酸、 ァセチルコリ ン等も冷凍、 それも長期冷凍保存は避けるべきである。

ましてや、 たとえ魚であっても、 日本の冷凍技術のように、 生 きたままの魚が窒素を使った瞬間冷凍や急速冷凍方式によって 冷凍されているにもかかわらず、 常温で幾日も放置されたローャ ルゼリー原乳が低速冷凍されるという ことは、 釣り上げた魚が幾 日も放置された上で冷凍保存されることに等しい方法であり、 鮮 度の維持を出来るはずがない。 以上のように品質劣化した中国産 のローヤルゼリー原乳が国内外に取引されているのが、 中国養蜂、 養蜂品市場の現実となっている。

また、 従来のローヤルゼリーの精製装置 1 0 1では、 筒状体 1 0 3 とビス トン部 1 1 3 とを両手で持って操作するので大変な 作業であり、 濾布としてのガーゼ 1 0 7は木綿製で平織りである ために毛羽立って目詰まり し、 また、 織り 目が寄れるためにメッ シュが安定しないために純度の高い良質な精製が行われないと いう問題点があった。

この発明は上述の課題を解決するためになされたもので、 その 目的は、 例えば中国山中の奥地のような電気供給源のない養蜂場 においても、 簡単な装置で短時間で濾過の処理を行う ことにより、 活性が高く、 高品質で、 高純度のローヤルゼリーを得るための口 ーャルゼリーの精製装置を提供することにある。 発明の開示

上記目的を達成するために請求項 1 によるこの発明のローャ ルゼリーの精製用器具は、 ローヤルゼリーを収容すべく一端を開 口したほぼ円錐形状に展開可能な袋状体をなし、 この袋状体の先 端部分に、 前記袋状体内のローヤルゼリーを押し出して濾過精製 するフィルタ部を設け、 このフィルタ部以外の前記袋状体の他の 部分に、 前記袋状体内のローヤルゼリーを前記フィル夕部から搾 り出すべく ローヤルゼリーの不浸透性素材からなる柔軟性を備 えた搾り用軟体部を設けてなることを特徴とするものである。

したがって、 精製すべきローヤルゼリーは精製用器具の開口か ら内部へ投入されてから、 搾り用軟体部の開口側が塞がれるよう に搾り込まれると、 精製用器具の内部のローヤルゼリーが押圧さ れてフィルタ部で容易に濾過精製されて押し出される。 この精製 用器具は構造が簡単であり、 折り畳んで容易に小型化され、 コス トが安価である。

また、 中国山中では洗浄して使う ことが困難であるので精製用 器具は安価なため使い捨てできるので衛生的である。 また、 口一 ャルゼリーの精製純度の要求に応じて該当するメッシュのフィ ルタを備えた精製用器具を使用できる。 電力源が得られない養蜂 場であっても、 容易に且つ短時間にローヤルゼリーの精製が行わ れる。 しかも、 撹拌されないので空気中の酸の影響が極力少なく 抑えられるので、 生成劣化の少ない高品質のローヤルゼリーが得 られる。

請求項 2によるこの発明のローヤルゼリーの精製用器具は、 請 求項 1記載のローヤルゼリーの精製用器具について、 前記フィル 夕部と搾り用軟体部とを接着した接着部を設けてなる ことを特 徵とするものである。

したがって、 ほぼ円錐形状の袋状体の先端部分だけのフィル夕 部は接着部により搾り用軟体部に一体的に接着されており、 柔軟 性のある搾り用軟体部でローヤルゼリーを押し出し易く、 使い勝 手が良いものである。 また、 メッシュのフィルタ部を備えた精製 用器具が予め幾種類も用意されることにより、 ローヤルゼリーの 精製純度の要求に応じて容易に精製可能となる。

請求項 3 によるこの発明のローヤルゼリーの精製用器具は、 請 求項 1記載のローヤルゼリーの精製用器具について、 前記搾り用 軟体部が、 両端を開口して大径開口部と小径開口部を備えたほぼ 円錐台形状に展開可能な形状をなし、 前記フィルタ部が、 前記搾 り用軟体部の内側に揷入して重ね合わせ可能な一端を開口 した ほぼ円錐形状に展開可能な形状をなすと共にこの円錐形状の先 端部を前記搾り用軟体部の小径開口部から突出可能に構成して なることを特徴とするものである。

したがって、 フィルタ部は単に搾り用軟体部の内側に重ね合わ せているので交換可能であるため、 予め幾種類ものメッシュのフ ィル夕部が製作されることにより、 ローヤルゼリーの精製純度の 要求に応じて該当するメ ッシュのフィルタ部に容易に交換して 使用可能となる。

請求項 4によるこの発明の口一ャルゼリーの精製用器具は、 請 求項 1 、 2又は 3記載のローヤルゼリーの精製用器具について、 前記フィル夕が、 0 . 1 〜 1 . 0 m mのメッシュからなる濾布か らなることを特徴とするものである。 したがって、 0 . 1〜 1 . 0 m mのメッシュからなる濾布とな つているので、 メッシュの目がよれることがないため濾過精製状 態が安定し、 純度の高い高品質のローヤルゼリーが得られる。 図面の簡単な説明

図 1 は、 この発明の第 1 の実施の形態のローヤルゼリ ^"の精製 用器具の斜視図である。

図 2は、 この発明の第 2の実施の形態のローヤルゼリーの精製 用器具の斜視図である。

図 3では、 （A ) は、 第 2の実施の形態のローヤルゼリーの精 製用器具を構成するフィルタ部の斜視図で、 （ B ) は、 搾り用軟 体部の斜視図である。

図 4では、 （A ) 〜 （ C ) は、 この発明の実施の形態のローャ ルゼリーの精製用器具を用いてローヤルゼリーを精製する状態 を示すものである。

図 5は、 従来のローヤルゼリーの精製用器具の斜視図である。 発明を実施するための最良の形態

以下、 この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。 図 1 を参照するに、 第 1 の実施の形態に係わるローヤルゼリー の精製用器具 1 は、 ローヤルゼリーを収容すべく一端に開口部 3 を有するほぼ円錐形状に展開可能な袋状体をなしており、 この袋 状体の先端部分は当該袋状体内に収容されたローヤルゼリーを 押し出して濾過精製するためのフィル夕部 5 を構成するフィル 夕 7が設けられている。

なお、 上記のフィルタ 7は、 合成繊維メッシュあるいは不織布 などからなる濾布であり、 この濾布は 0 . 1 〜 1 . 0 m mのメッ シュで例えばネッ ト状に編まれたものであり、 例えばナイロンメ ッシュを 1枚ではなく複数枚を重ねたものであっても構わない。 0 . 1〜 0 . 8 m mのメッシュが好ましく、 0 . 1 〜 0 . 5 m m のメッシュがより望ましい。 したがって、 濾布の編み方が、 ネッ ト （網） 状であるので、 編み目がよれることがないため濾過精製 状態が安定し、 純度が高い高品質のローヤルゼリーが得られる。

また、 上記のフィルタ部 5以外の前記袋状体の他の部分は、 前 記袋状体内に収容されたローヤルゼリーを前記フィルタ部 5か ら搾り出すために、 ローヤルゼリーの不浸透性素材からなる柔軟 性を備えた搾り用軟体部 9が設けられている。 なお、 上記の搾り 用軟体部 9は、 ビニール、ナイロン、ポリエチレンなどの樹脂材、 あるいは防水紙、 油紙などの材料、 その他の素材からなるもので ある。

さらに、 上記のフィルタ部 5 を構成するフィルタ 7 と搾り用軟 体部 9 とは重ね合わされる重ね代が接着剤によ り接着されて接 着部 1 1が形成されている。 つまり、 上記のフィル夕 7は小径開 口部 7 Aを有するほぼ円錐形状をなしており、 上記の搾り用軟体 部 9 は大径開口部 9 Aと小径開口部 9 Bを有するほぼ円錐台形 状をなしており、 フィルタ 7の小径開口部 7 Aが搾り用軟体部 9 の小径開口部 9 Bの内側に重ね合わされる重ね代を設け、 この重 ね代のフィル夕 7 と搾り用軟体部 9が接着剤で接着されている。 なお、 搾り用軟体部 9は大径開口部 9 Aが精製用器具 1 の開口部 3 となる。

上記構成により、 図 4 ( A ) に示されているように精製すべき ローヤルゼリーが、 開口部 3から精製用器具 1 の内部へ投入され てから、 図 4 ( B ) に示されているように搾り用軟体部 9の大径 開口部 9 A側が塞がれるように例えば両手でもって矢印方向に 搾り込まれる。 この搾り込みを先端のフィルタ部 5の方向 （図に おいて下方） に向けて進めていく と、 図 4 ( C ) に示されている よう に精製用器具 1 の内部のローヤルゼリーが押圧されてフィ ル夕部 5の濾布で容易に濾過精製されて押し出され、 下方の収容 容器 1 3へ落下する。 なお、 収容容器 1 3は非金属材料のものが 使用される。

したがって、 ローヤルゼリーの精製用器具 1 は構造が簡単であ り、 折り畳まれて小型化され、 コス トが安価であるにもかかわら ず、 ローヤルゼリーが効率的に純度の高い高品質に濾過精製され る。 しかも、 中国山中では水がないために洗浄して使う ことが困 難であるが、 この精製用器具 1 は安価なため使い捨てできるので 衛生的である。 また、 幾種類ものメッシュのフィルタ 7からなる フィルタ部 5 を備えた精製用器具 1 を予め幾種類も用意してお く ことにより、 ローヤルゼリーの精製純度の要求に応じて容易に 精製することができる。

以上のことから、 たとえ養蜂場が中国山中の奥地であるために 電力源が得られなく とも、 この第 1 の実施の形態のローヤルゼリ 一の精製用器具 1が用いられることによ り容易に且つ効率よく ローヤルゼリーの精製が行われる。 しかも、 従来のように撹拌さ れないので空気中の酸の影響を極力少なく抑えることができる ので、 生成劣化の少ない高品質のローヤルゼリーが得られる。 ま た、 ローヤルゼリーと接触する柔軟性を有する搾り用軟体部 9， フィルタ部 5， 収容容器 1 3は、 非金属材料にて構成されている ので、 ローヤルゼリ一が従来のように金属と化学反応を起こして 品質低下となることがない。

また、 採乳されたローヤルゼリーは養蜂場にて 2 °C程の低温で 短期保存されて、 3〜 1 0 kgの量になったら、 上記のように養蜂 場にて短時間で精製処理されるので、 従来のような 8 °C以上の熱 による成分劣化を避けることができ、 また冷凍による 1 0 ヒ ドロ ォキシ 2デセン酸の含有量が低下するという事態も避ける こと ができる。 なお、 2 °C程の低温で保存される 1 〜 2 日の短期保存 期間ではローヤルゼリーに対する問題はなく、 1週間程度であつ てもほぼ問題はない。

次に、 この発明の第 2の実施の形態のローヤルゼリーの精製用 器具 1 5 について、 図面を参照して説明する。

図 2及び図 3 ( A ) , ( B ) を参照するに、 精製用器具 1 5は、 基本的には第 1 の実施の形態のローヤルゼリーの精製用器具 1 とほぼ同様の精製の仕組みであり、 その構成としては、 搾り用軟 体部 9が図 3 ( B ) に示されているように両端を開口して大径開 口部 9 Aと小径開口部 9 Bを備えたほぼ円錐台形状に展開可能 な形状をなすものであり、 フィルタ部 5 を構成するフィルタ 1 7 が図 3 ( A ) に示されているように前記搾り用軟体部 9の内側に 重ね合わせ可能で且つ一端に開口部 1 7 Aを有するほぼ円錐形 状に展開可能な形状をなすもので、 この円錐形状の先端部が前記 搾り用軟体部 9の小径開口部 9 Bから突出可能である。

つまり、 精製用器具 1 5は、 図 2 に示されているようにフィル 夕 1 7が搾り用軟体部 9の大径開口部 9 Aから内側に挿入され、 フィルタ 1 7 の先端部が搾り用軟体部 9 の小径開口部 9 Bから 突出されてフィルタ部 5が形成されるよう重ね合わされること により、 第 1 の実施の形態の精製用器具 1 と同様に、 全体として ほぼ円錐形状に展開可能な袋状体をなしており、 この袋状体の先 端部分がフィルタ部 5 となり、 このフィル夕部 5以外の他の部分 がローヤルゼリーの不浸透性素材からなる柔軟性を備えた搾り 用軟体部 9 となる。

なお、 この第 2の実施の形態の精製用器具 1 5は、 搾り用軟体 部 9 に対してフィルタ部 5 を構成するフィルタ 1 7が交換自在 であり、 接着部 1 1 を必要としないという点で、 第 1 の実施の形 態の精製用器具 1 とは異なる構成となっている。

また、 フィルタ 1 7の開口部 1 7 Aは搾り用軟体部 9の大径開 口部 9 Aとほぼ同じか或いはより大きい大径の開口であるが、 フ ィル夕部 5 を搾り用軟体部 9から取り出して交換し易くなると いう点で、 より大きい大径の開口部 1 7 Aとした方が望ましい。

また、 精製用器具 1 5のフィル夕 1 7の濾布の材料、 及び搾り 用軟体部 9の材料としては、 前述した第 1 の実施の形態のフィル タ 7及び搾り用軟体部 9 と同様であるので説明は省略する。

また、 第 2の実施の形態の精製用器具 1 5の作用は、 第 1 の実 施の形態の精製用器具 1 とほぼ同様であり、 精製すべきローヤル ゼリーが、 フィルタ 1 7の開口部 1 7 A (精製用器具 1 5の開口 部 3 に該当する） から精製用器具 1 5の内部へ投入され、 精製用 器具 1 5の開口部 3が塞がれるように矢印方向に搾り込まれ、 精 製用器具 1 5 の内部のローヤルゼリーが押圧されて先端部のフ ィルタ部 5 の濾布で容易に濾過精製されて下方の収容容器 1 3 へ落下する。

なお、 上記のフィル夕 1 7は交換可能であるので、 予め幾種類 ものメッシュのフィル夕 1 7 を製作しておき、 搾り用軟体部 9 を 共通使用としてローヤルゼリーの精製純度の要求に応じて該当 するメッシュのフィルタ 1 7 に容易に交換して使用することが できる。

また、 他の作用及び効果としては、 折り畳んで容易に小型化で き、コス トが安価であることや、短時間で濾過処理を容易に行え、 活性が高く、高品質で、高純度のローヤルゼリーを得ることなど、 前述した第 1 の実施の形態の精製用器具 1 と同様であるので詳 しい説明は省略する。

なお、 この発明は前述した実施の形態に限定されることなく、 適宜な変更を行う ことによりその他の態様で実施し得るもので ある。 発明の効果

以上のごとき発明の実施の形態の説明から理解されるように、 請求項 1 の発明によれば、 精製すべきローヤルゼリーを精製用器 具の開口から内部へ投入してから、 搾り用軟体部の開口側を塞ぐ ように搾り込むことにより、 精製用器具の内部のローヤルゼリー を押圧してフィルタ部で容易に濾過精製して押し出すことがで きる。 この精製用器具は構造が簡単であり、 折り畳んで容易に小 型化でき、 コス トが安価である。

また、 中国山中では洗浄して使う ことが困難であるが、 精製用 器具は安価なため使い捨てできるので衛生的である。 また、 口一 ャルゼリーの精製純度の要求に応じて該当するメ ッシュのフィ ルタを備えた精製用器具を使用できる。 電力源が得られない養蜂 場であっても、 容易に且つ短時間にローヤルゼリーの精製を行え る。 しかも、 撹拌されないので空気中の酸の影響を極力少なく抑 えることができるので、 生成劣化の少ない高品質のローヤルゼリ 一を得ることができる。

請求項 2の発明によれば、 ほぼ円錐形状の袋状体の先端部分だ けのフィルタ部を接着部により搾り用軟体部に一体的に接着し たので、 柔軟性のある搾り用軟体部でローヤルゼリーを押し出し 易く、 使い勝手を良くできる。 また、 メッシュのフィル夕部を備 えた精製用器具を予め幾種類も用意しておく ことにより、 ローャ ルゼリーの精製純度の要求に応じて容易に精製することができ る。

請求項 3の発明によれば、 フィルタ部を単に搾り用軟体部の内 側に重ね合わせているので容易に交換でき、 予め幾種類ものメッ シュのフィル夕部を製作しておく ことにより、 ローヤルゼリーの 精製純度の要求に応じて該当するメッシュのフィルタ部に容易 に交換して精製できる。

請求項 4の発明によれば、 フィルタを構成する濾布がメッシュ からなつているので、 メッシュの目がよれることがないため濾過 精製状態を安定せしめ、 純度の高い高品質のローヤルゼリーを得 ることができる。

Claims

請求の範囲

1 . ローヤルゼリーを収容すべく一端を開口したほぼ円錐形状 に展開可能な袋状体をなし、 この袋状体の先端部分に、 前記袋状 体内のローヤルゼリーを押し出して濾過精製するフィルタ部を 設け、 このフィルタ部以外の前記袋状体の他の部分に、 前記袋状 体内のローヤルゼリーを前記フィル夕部から搾り出すべく 口一 ャルゼリーの不浸透性素材からなる柔軟性を備えた搾り用軟体 部を設けてなることを特徴とするローヤルゼリーの精製用器具。

2 . 前記フィル夕部と搾り用軟体部とを接着した接着部を設け てなることを特徴とする請求項 1記載のローヤルゼリーの精製 用器具。

3 . 前記搾り用軟体部が、 両端を開口して大径開口部と小径開 口部を備えたほぼ円錐台形状に展開可能な形状をなし、 前記フィ ル夕部が、 前記搾り用軟体部の内側に挿入して重ね合わせ可能な 一端を開口したほぼ円錐形状に展開可能な形状をなすと共にこ の円錐形状の先端部を前記搾り用軟体部の小径開口部から突出 可能に構成してなることを特徴とする請求項 1 記載のローヤル ゼリーの精製用器具。

4 . 前記フィルタが、 0 . 1 〜 1 . 0 m mのメッシュからなる 濾布からなることを特徴とする請求項 1 、 2又は 3記載のローャ ルゼリーの精製用器具。