WO2004001041A1 - 発現ベクター、宿主、融合タンパク質、融合タンパク質の製造方法及びタンパク質の製造方法 - Google Patents

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Abstract

 本発明の目的は、組み換えタンパク質生産時の不活性な異常型タンパク質の形成を防ぎ、目的タンパク質を天然型、即ち、可溶型として大量且つ効率的に生産させることを可能とする、発現ベクター、宿主、融合タンパク質、タンパク質、融合タンパク質の製造方法及びタンパク質の製造方法を提供することである。 即ち、本発明は、(a)分子シャペロン活性を有するポリペプチドをコードする第1コード領域、及び、(b)タンパク質をコードする第2コード領域を挿入することができる少なくとも1つの制限酵素サイトを有する領域を含有する発現ベクターである。 本発明の発現ベクターにおいては、上記第1コード領域は、プロモーターに有効に連結しており、かつ、上記制限酵素サイトは、第1コード領域と同じ解読枠内であって、上記第1コード領域の下流にあるか、又は、上記制限酵素サイトは、挿入された上記第2コード領域がプロモーターに有効に連結するように配置されており、かつ、上記第1コード領域は、上記第2コード領域と同じ解読枠内にあって、上記第2コード領域の下流にある。

Description

明細書
発現ベクター、 宿主、 融合タンパク質、 融合タンパク質の製造方法及びタンパク 質の製造方法 技術分野
本発明は、 組み換えタンパク質が封入体等の異常型として発現することを防ぎ、 天然型として可溶画分に生産することができる、 発現ベクター、 宿主、 融合タン パク質、 タンパク質、 融合タンパク質の製造方法及びタンパク質の製造方法に関 する。 背景技術
近年、 種々の生物のゲノム解析が終了しつつあり、 今後は遺伝子の発現産物で あるタンパク質の網羅的な機能解析へと進むと考えられている。 個々のタンパク 質の性質を明らかにするとともに、 タンパク質同士の相互作用を網羅的に解析す ることで、 生命現象解明の一助としょうとする研究が急速に増えつつある。 一方、 各種の生理活性物質と特異的に結合し、 その作用を伝達する細胞内受容体タンパ ク質も、 その受容体タンパク質と結合する活性物質が、 新規医薬品の候補物質と なり得ることから、 その 3次元構造決定に重大な関心が持たれ、 新規医薬品のス クリーニングにおいて注目されている。 このようなタンパク質の性質を決定しよ うとする場合、 該当する遺伝子をベクター遺伝子上に組み込み、 バクテリア、 酵 母、 昆虫細胞等の宿主にトランスフォーメーションし、 発現させて得られる組み 換えタンパク質の性質を調べる方法が一般的である。
タンパク質の正しい性質を評価する際、 そのタンパク質が、 正しい立体構造に 折り畳まれているか否かが非常に重要となる。 しかしながら、 異種生物由来のタ ンパク質を、 上述の宿主発現系を用いたタンパク質発現法で作成しょうとする場 合、 しばしばタンパク質のフォールデイング異常により、 立体構造の異なった異 常型タンパク質しか得られないケースに遭遇する。 このようなタンパク質は宿主 内で封入体と呼ばれる凝集体として発現したり、 宿主細胞のプロテアーゼにより、 分解されたりすることが知られている。 これらを解決するためには、 目的タンパ ク質の宿主細胞内での折り畳み反応が正確に行われるよう制御することが極めて 重要であると考えられる。
目的タンパク質が異常型タンパク質である封入体として発現した場合、 その正 常型を得る手段としては、 従来それをインビトロで正常型に変換する方法が一般 的であった。 即ち、 宿主から封入体を回収し、 高濃度の塩酸グァェジンや尿素等 で可溶化後、 適当な緩衝液等で 30〜100倍程度に希釈することで、 可溶化し た目的タンパク質をリフォールデイングさせる方法である。 一例を挙げると、 抗 体は、 医療分野等での利用が期待されているが、 その組み換え体を大腸菌を宿主 としてその細胞質内に発現しょうとすると、 ほとんどが不溶性の封入体として発 現さ ることが知られている (P l u c k t h u n、 B i o t e c h n o l o g y、 9、 545—、 1 9 91年) 。 封入体として得られた抗体を、 効率よくイン ビトロでリフォールディングする方法として、 希釈緩衝液中にタンパク質の折り 畳みを促進するシャぺ口ニンを含有させることで、 その収量を増大させる方法が 提案されている (特開平 9— 220092号) 。 抗体以外にも、 封入体タンパク 質として発現する NGFノ BDNFファミリ一タンパク質のリフォールディング 方法 (特開平 6 _ 327489号、 特開平 6— 3 1 9 549号) や、 ニューロト 口フィン一 3のリフォールデイング方法 (特開平 9一 262093号) 等、 希釈 液中に還元剤、 有機酸等を加えることで、 目的タンパク質の収量を増大させる、 さまざまな工夫が提案されてきた。 しカゝしながら、 封入体として得られたタンパ ク質をインビトロでリフォールデイングさせるこれらの方法は、 非常に手間がか かる割には、 得られる収量は低い。
抗体の場合、 その N末端にシグナル配列を付与してペリブラズム領域に発現さ せれば、 大腸菌を宿主として用いても可溶画分に発現できることが報告されてい る (G l o c k s h u b e r、 B i o c h em i s t r y ύ 1、 1 279—、 1 99 2年) 。 しかしながら、 ペリブラズム領域は細胞質領域と比較して、 非常 に狭い領域であるため、 タンパク質が発現される量も非常に少なく、 たとえ、 発 現量が増やせたとしても、 封入体となってしまう。 細胞質内に抗体を可溶体とし て発現させようとする試みもいくつか報告されている。 タンパク質のフォールデ ィングに関与する分子シャペロンと抗体遺伝子を細胞質内で共発現させることで、 組み換え抗体の封入体形成を防ぎ、 可溶型の収量を増大させる工夫や、 宿主大腸 菌としてチォレドキシン還元酵素欠損株を用いる方法等が提案されている (特開 平 9— 2 20 0 9 2号; P l o b a、 G e n e 1 5 9、 20 3—、 1 9 9 5年 ) 。 しかしながら、 これらの方法は、 可溶型の抗体を得ることができるとはいえ、 その収量は l mgZ培地 1 L程度と低く (L e v y、 P r o t e i n E x p r e s s i o n a n d P u r i f i c a t i o n 2 3、 3 3 8—、 2 0 0 1年) 、 更に生産効率の良い方法が必要とされている。
一方、 膜タンパク質も生体膜の表面上又は内部に埋もれて存在する性質上、 疎 水性ァミノ酸の含有率が高く、 膜の非存在化で組み換えタンパク質として発現さ せた場合にはしばしば封入体として発現することが知られる。 細胞に対する毒性 を示す場合には発現にすら至らない場合が多い。 膜タンパク質の組み換え型を取 得する場合、 酵母や動物細胞等の真核細胞を用い、 その膜画分に発現させること が常套手段であるが、 一方で発現量は少なく、 また、 培養発現する際にはコスト と手間がかかるため、 より簡便な発現方法が望まれている。 発明の要約
本発明は、 上記現状に鑑み、 組み換えタンパク質生産時の不活性な異常型タン パク質の形成を防ぎ、 目的タンパク質を天然型、 即ち、 可溶型として大量且つ効 率的に生産させることを可能とする、 発現ベクター、 宿主、 融合タンパク質、 タ ンパク質、 融合タンパク質の製造方法及びタンパク質の製造方法を提供すること を目的とする。
即ち、 本発明は、 (a ) 分子シャペロン活性を有するポリペプチドをコードす る第 1コード領域、 及び、 (b) タンパク質をコードする第 2コード領域を挿入 することができる少なくとも 1つの制限酵素サイトを有する領域を含有する発現 ベクターである。
本発明の発現ベクターにおいては、 上記第 1コード領域は、 プロモーターに有 効に連結しており、 かつ、 上記制限酵素サイトは、 第 1コード領域と同じ解読枠 内であって、 上記第 1コード領域の下流にあるか、 又は、 上記制限酵素サイ トは、 揷入された上記第 2コード領域がプロモーターに有効に連結するように配置され ており、 かつ、 上記第 1コ一ド領域は、 上記第 2コード領域と同じ解読枠内にあ つて、 上記第 2コード領域の下流にある。
本発明の発現ベクターは、 第 1コード領域と、 第 2コード領域を挿入すること ができる少なくとも 1つの制限酵素サイトを有する領域との間にあり、 同じ解読 枠内で翻訳されてプロテアーゼ消化サイトとなる領域を有することが好ましい。 本発明の発現べクターは、 タンパク質をコードする第 2コード領域が組み込ま れていることが好ましい。
本発明の発現べクターにおいて、 分子シャぺ口ン活性を有するポリぺプチドは、 分子シャぺ口ン活性を有する P P I a s eであることが好ましい。
上記分子シャペロン活性を有する P P I a s eとしては、 8 ?型?? 1 & s e、 シクロフイリン型 P P I a s e、 又は、 パーブリン型 P P I a s eが挙げ られる。
上記 FKB P型 P P I a s eとしては、 古細菌由来 FKB P型 P P I a s e、 トリガーファタタータイプ P P I a s e、 F k pAタイプ P P I a s e、 又は、 F KB P 5 2タイプ P P I a s eが挙げられる。
上記シクロブイリン型 P P I a s eとしては、 C y P 40タイプ P P I a s e が挙げられる。
上記パーブリン型 P P I a s eとしては、 S u r Aタイプ P P I a s eが挙げ られる。
上記分子シャペロン活性を有する P P I a s eとしては、 また、 古細菌由来 F KB P型 P P I a s eの I Fドメイン、 及び 又は、 C末端ドメインを含有して いる P P I a s e、 トリガーファクタータイプ P P Γ a s eの N末端ドメイン、 及び/又は、 C末端ドメィンを含有している P P I a s e、 F k p Aタイプ P P I a s eの N末端ドメインを含有している P P I a s e、 FKB P 5 2タイプ P P I a s eの C末端ドメインを含有している P P I a .s e、 C y P 40タイプ P P I a s eの C末端ドメインを含有している P P I a s e、 又は、 S u r Aタイ プ P P I a s eの N末端ドメインを含有している P P I a s eが挙げられる。 本発明の発現ベクターにおいて、 上記第 2コード領域は、 モノクローナル抗体 をコードする塩基配列を有する力 \ 又は、 膜タンパク質をコードする塩基配列を 有することが好ましい。
本発明の発現ベクターを内包している宿主もまた、 本発明の 1つである。 本発明の宿主は、 大腸菌であることが好ましい。
上記分子シャペロン活性を有するポリペプチド及ぴ第 2コード領域がコードす るタンパク質を含有する融合タンパク質もまた、 本発明の 1つである。
本発明の融合タンパク質は、 プロテアーゼ消化サイ トを含有することが好まし い。
本発明の融合タンパク質を製造する方法もまた、 本発明の 1つである。
本発明の融合タンパク質の製造方法においては、 本発明の発現ベクターを内包 する宿主を、 当該発現ベクターの発現条件下で培養し、 上記融合タンパク質を細 胞質に発現させるか、 本発明の発現ベクターの第 1コード領域の 5, 末端又は第 2コード領域の 5 5 末端に転写及び翻訳されてシグナル配列となる領域を設けて、 得られた発現ベクターを内包する宿主を、 当該発現ベクターの発現条件下で培養 し、 上記融合タンパク質をペリプラズム又は培地に発現させる力 \ 又は、 本発明 の発現ベクターに、 無細胞翻訳系において、 上記融合タンパク質を発現させるこ とが好ましい。
本発明の融合タンパク質の製造方法においては、 P P I a s e活性を阻害する マクロライド、 シクロスポリン、 ジュグロン、 又は、 これらの類縁化合物を担持 した担体に、 融合タンパク質を吸着させた後、 上記担体を回収することが好まし レ、。
上記第 2コード領域がコードするタンパク質を製造する方法であって、 本発明 の融合タンパク質の製造方法で得られた融合タンパク質をプロテアーゼ消化サイ トを消化するプロテアーゼで消化するタンパク質の製造方法もまた、 本発明の 1 つである。 図面の簡単な説明
図 1は、 T h e r m o c o c c u s s p . K S— 1由来ショートタイプ F K B P型 P P I a s eとの融合タンパク質を作成するためのベクター T c F K f u s i o n 2の遺伝子配置を示す図である。 図 2は、 T c FK f u s i o n 2を用いた場合の T c FKBP 18の発現を示 す図である。
図 3は、 宿主由来のタンパク質の電気泳動パターンを示す図である。
図 4は、 マウス由来 a n t i—ニヮトリリゾチーム (HE L) F a b抗体フラ グメントと T c FKB P 1 8との融合タンパク質の発現を示す図である。 図 5は、 マウス由来 a n t i—ニヮトリリゾチーム (HE L) F a b抗体フラ グメントの単体での発現を示す図である。
図 6は、 マウス由来 a n t i—二ヮトリリゾチーム (HE L) s c F vフラグ メント及ぴその T c F KB P 1 8との融合タンパク質の発現を示す図である。 図 7は、 精製したマウス由来 a n t i—HE L s c F vと T c F K B P 18 との融合タンパク質と、 それをトロンビン処理した結果を示す図である。 図 8は、 発現の結果得られたマウス由来 a n t i -HE L s c F vの活性を E L I S A法により示した図である。 発明の詳細な説明
以下に本発明を詳述する。
なお、 本発明において、 「プロモーターに有効に連結する」 とは、 分子シャぺ 口ン活性を有するポリぺプチドが正常に転写されるように第 1コード領域がプロ モーターに連結していること、 又は、 目的タンパク質が正常に転写されるように 第 2コード領域がプロモーターに連結していることを意味する。
また、 本発明において、 「分子シャペロン活性を有する P P I a s e」 には、 実質的に同等の機能を有しているものも含まれる。 即ち、 実質的に同等のポリべ プチド、 少なくともこれらの一部分を含むポリペプチド、 及ぴ、 一部のアミノ酸 を他のアミノ酸に改変したもの等も含まれる。
更に、 本発明において、 「ドメイン」 には、 実質的に同等の機能を有するドメ インも含まれる。
本発明の発現ベクターは、 (a) 分子シャペロン活性を有するポリペプチドを コードする第 1コード領域を含有するものである。
上記分子シャぺロン活性とは、 変性したタンパク質を元の天然型にリフォール デイングさせる活性、 又は、 変性したタンパク質の不可逆的な凝集を抑制する活 性を意味する。 例えば、 ロダネーゼ、 クェン酸合成酵素、 リンゴ酸脱水素酵素、 グルコース一 6—リン酸脱水素酵素等をモデル酵素とし (河田、 バイオサイェン スとインダストリ一 56, 593—、 1 998年) 、 これらを 6 M塩酸グァニ ジン等のタンパク質変性剤で変性処理した後、 検定対象物質を含む緩衝液で変性 剤を希釈した際に開始する変性タンパク質の再生率や、 変性タンパク質の凝集の 抑制率でその検定対象物の分子シャぺ口ン活性を評価することができる。 なお、 変性タンパク質の再生率を評価する方法としては、 例えばロダネーゼの場合、 ホ 口ビツチらの方法 (Ho r ow i t z、 : Me t h o d s Mo 1. B i o l . 4 0、 36 1—、 1 9 95年) 等が挙げられ、 変性タンパク質の凝集抑制を評価す る方法としては田口らの方法 (T a g u c h i、 J. B i o l . C h e m. 26 9、 8 5 29—、 1 9 94年) 等が挙げられる。
上記分子シャペロン活性を有するポリペプチドとしては特に限定されず、 例え ば、 古細菌由来 FKB P型 P P I a s e等の分子シャぺ口ン活性を有する P P I a s e ; スモーノレヒートショックプロテイン、 シャぺ口ニン、 プレフオノレディン、 D n a K:、 D n a J、 G r p E、 HS P 90等が挙げられる。
上記スモールヒートショックプロテインは、 1 5〜30 kD a程度のサブュニ ットが、 2 :〜 32個程度集まって巨大な分子構造をとり、 シャペロン活性を有 することが報告されている (J a k o b、 J. B i o l . C h e m 268, 1 5 1 7 -, 1 993年) 。 これと相同性の高い領域をその C末端領域に有するク リスタリンもまた、 スモールヒートショックタンパク質と同様の性質を有してお り、 いずれも本発明の発現ベクターに適用可能である。
上記シャぺ口ニンは 7〜 9個のサブユニットが環状に連なったドーナツ型構造 が 2段に重なった、 合計 14〜1 8個のサブュニットからなる特徴的な構造を有 している。 上記シャぺ口ニンは、 ドーナツ構造の凹部に変性タンパク質を捕捉し、 AT P等のヌクレオチドの消費をともなってタンパク質のリフォールディングを 促進する。 真正細菌由来のグループ 1型シャぺ口ニンの場合は、 更に補助因子と して G r oE S (ヒートショックプロテイン 10) の結合を伴って、 タンパク質 の折り畳み反応を促進する。 真核生物又は古細菌由来のグループ 2型に属するシ ャぺロニンの場合は、 G r o ESのような補助因子は必要とせず、 効率的に正し い立体構造のタンパク質,へと折り畳むことが知られている (Gu p t a、 Mo 1. M i c r o b i o l . 1 5、 1一、 1 9 9 5年) 。
上記プレフォルディンは真核生物のチュープリンのタンパク質折り畳みに関与 する因子として見いだされた分子シャペロンであり (L o p e z、 J. S t r u c t . B i o l . 1 35, 21 9—、 2001年) 、 6量体を形成し、 インビト 口では、 変性したタンパク質と相互作用するシャぺ口ン活性を有することが知ら れている (S i e g e r t , C e l 1 1 0 3, 6 2 1—、 200 0年) 。 上記 Dn a K、 D n a J及び G r Eのホモログは生物種を問わず幅広く存在 し、 タンパク質のフォールデイングに関与していると考えられている分子シャぺ ロンである。 これらのうち、 特に大腸菌の D n a K/D n a J/G r p E系のタ ンパク質フォールディングシステムはよく研究されている。 これらの提案されて いる反応メカニズムとしては、 リボゾームで生合成された新生ポリぺプチドが D n a Kと結合し、 AT P存在下で更に Dn a Jが結合することで、 不可逆的な凝 集形成が抑制される。 更に G r p Eに依存したヌクレオチドの解離に伴い、 新生 ポリぺプチドも解離され、 シャぺ口ニンのフォールディングシステムに受け渡さ れるとレヽつものである (F i n k;、 Mo l e c u l a r c h a p e r o n e s i n t h e l i f e c y c l e o f p r o t e i n s、 MA R C E L DEK ER, I NC、 1 998 ) 。 本発明の発現ベクターにおいては、 こ れら大腸菌由来の Dn a K:、 Dn a J及び G r p Eと同じ働するホモログを用い ることができる。
上記 HS P 90 (ヒートショックプロテイン 90) にも、 シャペロン様活性を 有するものがあり (R am s e y、 J . B i o l . C h e m. 275, 1 78 5 7—、 2000年) 、 本発明の発現ベクターにおいては、 そのホモログ、 その一 部又はそれらを含むポリべプチドを用いることができる。
上記分子シャぺ口ン活性を有する P P I a s e (P e p t i d y l -p r o l y 1 c i s— t r a n s i s ome r a s e) は、 タンハ0ク質のフォーノレテ ィングに関与するタンパク質折り畳み因子の 1つであり、 細胞内でフォールディ ング途上のターゲットタンパク質中のアミノ酸のうち、 プロリン残基の N末端側 ペプチド結合のシス トランス異性化反応を触媒する活性 (PP I a s e活性) を 有するものである。
上記分子シャペロン活性を有するポリペプチドとしては、 なかでも、 分子シャ ぺロン活性を有する P P I a s eが好ましい。
上記分子シャぺ口ン活性を有する P P I a s eはその阻害剤に対する感受性か ら、 FK506 B i n d i n g P r o t e i n型 (FKB P型) 、 シクロフ ィリン型及びパーブリン型の 3種類に分類される。 FKB P型 P P I a s eは免 疫阻害剤の 1つである FK 506により活性が阻害される P P I a s e及びその ホモログである。 シクロフイリン型 P P I a s eは、 別の免疫阻害剤であるシク ロスポリンに対して感受性を持つ P P I a s e又はそのホモログである。 一方、 パーブリン型 P P I a s eは、 いずれの免疫阻害剤に対しても感受性を示さず、 ジュグロン ( j u g 1 o n e) によりその活性が阻害される P P I a s e又はそ のホモログである。 この 3種類の P P I a s eは、 アミノ酸一次配列上の相同性 はほとんどない。
上記分子シャペロン活性を有する P P I a s eとしては、 上記の 3種類の PP I a s eのうち、 いずれのタイプの P P I a s eであってもよい。
上記 FKB P型 P P I a s eとしては、 例えば、 古細菌由来 F KB P型 P P I a s e、 トリガーファクタータイプ P P I a s e (Hu a n g, P r o t e i n S c i . 9、 1 254—、 2000年) 、 F k pAタイプ P P I a s e (A r i e、 Mo l . M i c r o b i o l . 39、 1 99一、 200 1年) 、 FKB P 52タイプ PP I a s e (B o s e、 S c i e n c e 274、 1 71 5—、 1 9 9 6年) 等が挙げられる。
上記シクロフイリンタイプ P P I a s eとしては、 例えば、 C y P 40タイプ PP I a s e (P i r k l、 J . Mo 1. B i o l . 308、 795—、 200 1年) 等が挙げられる。
上記パーブリンタイプ P P I a s eとしては、 例えば、 S u r Aタイプ P P I a s e (B e h r e n s、 EMBO J. 20、 28 5—、 2001年) 等が挙 げられる。
上記古細菌由来 FKB P型 P P I a s eの機能については、 興味深いことに、 P P I a s e活性だけでなく、 タンパク質の不可逆的凝集を抑制すると同時に、 変性タンパク質のリフォールディングを促進させる分子シャペロン活性を有する ことが見出されている (F u r u t a n i、 B i o c h e m i s t r y 3 9、 4 5 3 -, 2 0 0 0年; I d e n o、 E u r . J . B i o c h e m. 2 6 7、 3 1 3 9—、 2 0 0 0年; I d e n o、 B i o c h e m. J . 3 5 7、 4 6 5—、 2 0 0 1年; I d e n o、 Ap p l . E n v . M i c r o b i o l . 6 8、 4 6 4―、 2 0 0 2) 。 分子シャぺ口ン活性は、 本来、 分子シャぺ口ンの 1つとして 知られるシャぺ口ニンや D n a /D n a J /G r E系のタンパク質折り畳み システムに見いだされた活性である。 これらは、 細胞内で生合成されたポリぺプ チドが正しい形に折り畳まれるよう、 サポートする機能を果たしている。 その際、 AT P等の高エネルギー物質の加水分解を必要とする。 上記古細菌由来 F KB P 型 P P I a s eは、 その分子シャペロン活性を発揮する際、 上記高エネルギー物 質の加水分解反応を必要としない点で優れている。
上記古細菌由来 FKB P型 P P I a s eは、 その分子量の違いにより、 2種類 に大別できる。 一方は分子量が 1 6〜1 8 k D a程度のショートタイプであり、 他方は 2 6〜3 3 k D a程度のロングタイプである。 本発明で用いられる古細菌 由来 F KB P型 P P I a s eとしては、 ショートタイプ、 ロングタイプのいずれ の: PKB Ρ型 P P I a s eであってもよい。 しかしながら、 一般的に、 ショート タイプの方がより強い分子シャペロン活性を有する傾向にあること、 タンパク質 の分子量が大きくなるにつれて、 その組み換えタンパク質の発現量が低下する傾 向があること、 の 2点を考慮すると、 本発明ではショートタイプの古細菌由来 F KB P型 P P I a s eの方が好ましい。 なお、 上記した分子量の幅はこれまで見 いだされている P P I a s eの分子量幅であり、 本発明における古細菌由来 F K ?型 ? I a s eは、 この分子量幅に限定されず、 実質的に同じグループに属 するものであればいずれであってもよい。
上記古細菌由来 FKB P型 P P I a s eとしては特に限定されず、 いずれの古 細菌由来のものであってもよく、 例えば、 これまで見いだされている古細菌由来 FKB P型 P P I a s eのうち、 ショートタイプとしては、 好熱性及び超好熱性 菌由来古細菌である M e t h a n o c o c c u s t h e r m o l i t h o t r o p h i c u s由来、 Th e rmo c o c c u s s p . S— 1由来、 Me t h a n o c o c c u s j a n n a s c h i i由来のもの、 常温十生古細菌である Me t h a n o s a r c i n a ma z e i由来、 Me t h a n o s a r c i n a a c e t i v o r a n s由来、 Me t h a n o s a r c i n a b a r k e r i由来のもの等力 S挙げられる (Ma r uy ama、 F r o n t. B i o s c i 5、 821—、 2000) 。 一方、 ロングタイプは、 ゲノム解析やその他の解 析の結果、 ほとんどの古細菌のゲノム上で見いだされており、 例えば、 好熱性及 び超好熱性古細菌である P y r o c o c c u s h o r i k o s h i i由来、 A e r o p y r um p e r η ι x由来、 a u l f o l o o u s s o l f a t a r i c u s由来、 Me t h a n o c o c c u s j a n n a s c h i i由来、 A r c h a e o g l o b u s f u l g i d u s由来、 Me t h a n o b a c t e r i um a u t o t r o p h i c um Th e rmo 1 a sma a c i d o p h i 1 um由来のもの、 常温性好塩菌である H a l o b a c t e r i u m c u t i r u b r u m由来のもの等が挙げられる (Ma r u y ama、 F r o n t . B i o s c i 5、 82 1—、 2000年) 。 なかでも、 常温性の古細菌由 来のものが好ましい。 上記口ングタイプの古細菌由来 F KB P型 P P I a s eの 1例として、 Py r o c o c c u s h o r i k o s h i i由来のもののァミノ 酸配列を配列番号 1に、 上記ショートタイプの古細菌由来 FKB P型 P P I a s eの 1例として、 Me t h a n o c o c c u s j a n n a s c h i i由来のも ののアミノ酸配列を配列番号 2にそれぞれ示す。
上記古細菌 FKB P型 P P I a s eは、 PP I a s e活性と F K 506との結 合に関与する F KB Pドメイン、 及び、 I Fドメインを有しており、 ロングタイ プの古細菌 FKB P型 P P I a s eの場合、 更に C末端ドメインを有している ( Ma r u y ama a n d F u r u t a n i , F r o n t B i o s c i . 1、 D 821—、 2000年) 。 上記 I Fドメイン ( I n s e r t i n t h e f l a p ; S u z u k i , J . Mo 1. B i o l . 328, 1 149—、 200 3年 ) は、 ァミノ酸一次配列上、 F K B Pドメインを構成するァミノ酸配列中 に挿入された約 100アミノ酸からなり、 ドメイン構造を形成する特徴的な.高次 ネ 造を形成している (Ma r uy ama a n d F u r u t a n i , F r o n t B i o s c i . 1、 D8 21—、 2000年; I n s e r t i n t h e f l a p ; S u z u k i , J . Mo 1. B i o l . 328, 1 149—、 20
03年) 。 上記ショートタイプの古細菌 FKB P型 P P I a s eの分子シャぺ口 ン活性には、 FKB Pドメインの FK 506結合領域と I Fドメインとが関与す ること力 Sわ力、つている (Fu r u t a n i、 B i o c h em i s t r y 39, 28 22—, 2000年; I d e n o、 B i o c h em J 357、 46 5 ―、 2001年) 。 また、 上記ロングタイプの古細菌 F KB P型 P P I a s eに ついては上記 2つのドメインと共に C末端ドメィンがその分子シャぺ口ン活性に 関与していることがわかっている (I DENO、 Eu r J B i o c h em. 26 7、 31 39—、 2000年) 。 本発明においては、 古細菌由来 F KB P型 P P I a s eの I Fドメイン、 及び Z又は、 C末端ドメインを含有している P P
1 a s eであれば、 上記分子シャぺ口ン活性を有する P P I a s eとして用いる ことができる。 例えば、 本来分子シャペロン活性を持たない P P I a s eである ヒ ト FKB P 1 2にタンパク質工学的に I Fドメインや C末端ドメインを導入し たキメラ P P I a s e等は上記分子シャペロン活性を有する P P I a s eとして 用いることができる。 上記古細菌由来 FKB P型 P P I a s eの I Fドメインと しては、 配列番号 1では、 78番プロリンから 146チロシンまでの領域が、 ま た、 配列番号 2では、 78番プロリンから 14 1番グルタミン酸までの領域がそ れぞれ I Fドメインに相当する (I DENO、 Eu r J B i o c h em. 2 67、 3 1 39—、 2000年) 。 一方、 上記古細菌由来 FKB P型 P P I a s eの C末端ドメインとしては、 配列番号 1では、 1 5 7番ィソロイシンから C末 端までの領域が C末端ドメインに相当する (I DENO、 Eu r J B i o c h em. 26 7、 3 1 39-, 2000年) 。 各ドメィンの相同性は C l u s t a 1 W等の多重整列ソフトを用いることで判断することができる。
上記トリガ一ファクタータイプ P P I a s eはほとんどすべてのバクテリアの ゲノム上で見つかつている P P I a s eである。 上記トリガーファクタータイプ P P I a s eとしては特に限定されず、 例えば、 大腸菌由来、 My c o ρ 1 a s ma g e n i t a l i um由来、 B a c i l l u s s u b t i l i s由来、 S a l mo n e l l a e n t e r i c a由来、 S t a p h y 1 o c o c c u s a u r e u s由来、 My c o b a c t e r i um l e r a e由来、 A g r o b a c t e r i um t um e f a c i u m由来、 L a c t o c o c c u s 1 a c t i s由来、 C a mp y r o b a c t e r j e j u n i由来、 S t r e p t o c o c c u s p y o g e n e s由来、 C o r y n e b a c t e r i u m d i p h t h e r i a e由来のもの等が挙げられる。 また、 本発明で用いられ るトリガーファクタータイプ P P I a s eは、 アミノ酸配列においてバクテリア 由来トリガーファクタ一と実質的に同じと認められるグループに属するものであ れば、 いずれのトリガーファクタータイプ P P I a s eであってもよい。 上記ト リガーファクタータイプ P P I a s eの一例として大腸菌由来のトリガーファタ タータイプ P P I a s eのァミノ酸配列を配列番号 3に示し、 塩基配列を配列番 号 4に示す。
上記トリガーファクタータイプ P P l a s eは、 P P I a s e活性と F K 5 0 6との結合に関与する F KB Pドメインを中間ドメインとし、 その N末端側及び C末端側にそれぞれ 2つのドメインを有している (Z a r n t、 J . Mo 1 . B i o l . 2 7 1 , 8 2 7 -, 1 9 9 7年) 。 上記トリガーファクタータイプ P P I a s eの分子シャぺ口ン活性は、 古細菌由来 F KB P型 P P l a s eと同様に P P I a s e活性とは独立した活性であることが知られ、 その N末端ドメイン及 ぴ C末端ドメインのいずれか一方、 又は、 両者の作用であることが示唆されてい る。 本発明においては、 トリガーファクタータイプ P P l a s eの N末端ドメィ ン、 及びノ又は、 C末端ドメインを含有している P P I a s eであれば、 上記分 子シャペロン活性を有する P P I a s eとして用いることができる。 上記トリガ 一ファクタータイプ P P I a s eの N末端ドメイン及び C末端ドメインとしては、 配列番号 3では、 1番メチォユンから 1 4 5番アルギニン付近の領域が N末端ド メインに相当し、 2 5 2番フエ二ルァラニン付近から C末端までの領域が C末端 ドメインに相当する (Z a r n t、 J . Mo 1 . B i o l . 2 7 1 , 8 2 7—, 1 9 9 7年) 。 各ドメインの相同性は C 1 u s t a 1 W等の多重整列ソフトを用 いることで判断することができる。
上記 F k p Aタイプ P P I a s e及び S u r Aタイプ P P I a s eは、 いずれ も大腸菌をはじめとするグラム陰性バクテリアのペリプラズム領域に発現する P P I a s Θである。 上記 F k p Aタイプ P P I a s eは F K 5 0 6により活性が 阻害される FKB P型 P P I a s eであるのに対し、 S u r Aタイプ P P I a s eは、 FK 5 0 6及び他の免疫抑制剤であるシクロスポリンのいずれの免疫抑制 剤に対して感受性を示さない、 パーブリン型 P P I a s eホモログの 1つである。 これら 2つの P P I a s eもまた、 分子シャぺ口ン活†生を示すタンパク質として 知られている (R amm、 J . B i o l . C h e m. 2 7 5、 1 7 1 06—、 200 0年; B e h r e n s、 EMBO. J . 20、 2 8 5—、 20 0 1年) 。 上記 F k pAタイプ P P I a s e及び S u r Aタイプ P P I a s eは、 グラム 陰性バクテリアのゲノムに見られるだけでなく、 酵母等の真核生物のゲノムでも そのホモログが見つかってきている。
本発明で用いられる F k pAタイプ P P I a s e及び S 11で タィプ?? 1 & s eとしては特に限定されず、 例えば、 大腸菌由来、 P y r o b a c u l um a e r o p h i 1 i u m由来、 P s e u d omo n a s a e r u g i n o s a 由来、 X y 1 e 1 1 a f a s t i d i o s a由来、 N e i s s e r i a me n i n g i t i d e s由来、 Me s o r h i z o b i um l o t i由来、 H e a mo p h i l u s i n f l u e n z a e由来、 R a l s t o n i a s o l a n a c e a r u m由来のもの等が挙げられる。 また、 バクテリア由来のものだ けでなく、 それらと同じグループに属し、 実質的に同等の機能を有するものであ れば、 いずれの生物由来の P P I a s eであってもよい。 上記 F k pAタイプ P P I a s eの一例として、 大腸菌由来のもののアミノ酸配列を配列番号 5に示し、 塩基配列を配列番号 6に示す。 また、 上記 S u r Aタイプ P P I a s eの一例と し、 大腸菌由来のもののアミノ酸配列を配列番号 7に示し、 塩基配列を配列番号 8に示す。
上記 F k p Aタイプ P P I a s eは、.その C末端側の F K B Pドメインとそれ 以外の N末端ドメインとを有している (Ar i e, Mo l . M i c r o b i o l . 3 9, 1 9 9 -, 20 0 1年) 。 上記 F k p Aタイプ P P I a s eの分子シャぺ ロン活性もまた P P I a s e活性とは独立した活性であることが知られ、 その N 末端ドメインの関与が示唆されている。 本発明においては、 ? タィプ ? I a s eの N末端ドメインを含有している P P I a s eであれば、 上記分子シャ ペロン活性を有する P P I a s eとして用いることができる。 上記 F k p Aタイ プ P P I a s eの N末端ドメインとしては、 配列番号 5では、 N末端から 1 20 番ァスパラギン酸付近の領域が N末端ドメインに相当する (Ar i e , Mo 1. M i c r o b i o l . 3 9, 1 99一, 200 1年) 。
—方、 上記 S u r Aタイプ P P I a s eもその C末端側にパーブリン型 P P I a s e間で相同性の高いドメインと、 それ以外の N末端ドメインとを有している。 上記 S u r Aタイプ P P I a s eの分子シャぺ口ン活性にも、 パープリン型 P P I a s e間で相同性の高いドメインとは別に N末端ドメインの関与が示唆され ている (B e h r e n n s、 EMBO J. 20, 285—、 2001年) 。 本 発明においては、 上記 S u r Aタイプ P P I a s eの N末端ドメインを含有して いる P P I a s eであれば、 上記分子シャペロン活性を有する P P I a s eとし て用いることができる。 上記 S u r Aタイプ P P I a s eの N末端ドメインとし ては、 配列番号 7では、 N末端から 1 75番ァスパラギン付近の領域が N末端ド メインに相当する。 上記 N末端ドメインの相同性は C 1 u s t a 1W等の多重整 列ソフ トを用いることで判断することができる。
上記 F KB P 5 2タイプ P P I a s e及び C y P 40タイプ P P I a s eは、 いずれも真核生物中に見いだされる P P I a s eである。 上記 FKB P 52タイ プ P P I a s eは、 約 52 kD a程度の FKB P型 P P I a s eで、 p 59又は HS P 56等とも呼ばれる。 そのアミノ酸配列は、 ヒ ト由来 1 2 kD a FKB P型 P P I a s eと相同性の高い領域 2つがタンデムに連なり、 更にその C末端 側にカルモジュリン結合部位を含む領域が連なった構成を有する (R a t a j c z a t、 J. B i o l . C h e m. 268、 1 3 1 87—、 1 993) 。 上記 Cy P 40タイプ P P I a s eは 40 kD a程度の分子量を持ち、 免疫抑制剤で あるシクロスポリン感受性であるシクロフィリン型 P P I a s eの 1つである。 いずれも、 その N末端に P P I a s e活性を担う ドメインを、 その C末端にヒー トショックタンパク質の 1つである HS P 90と結合するテトラトリコぺプチド リピート (TPR) を含むドメインを有することを特徴とし、 真核生物において ステロイ ドホルモンレセプター形成に関与する PP I a s eである (G a 1 a t、 P e p t i d y l— P r o l y l c i s/ t r a n s i s ome r a s e O f o r d Un i v e r s i t y P r e s s 1 9 98年) 。 上記 F KB P 52タイプ P P I a s e及び C y P 40タイプ P P I a s eとしては特に限定 されず、 例えば、 ヒ ト、 マウス、 ゥシ、 ゥサギ、 ラット等の真核生物由来のもの が挙げられる。 また、 本発明で用いられる F KB P 5 2タイプ P P I a s e及び Cy P 40タイプ P P I a s eは、 真核生物由来のものだけでなく、 実質的に同 等の機能を有する P P I a s eと認められるグループに属するものであれば、 い ずれの生物由来の P P I a s eであってもよい。
上記 FKB P 5 2タイプ P P I a s eの一例として、 ヒ ト由来のもののァミノ 酸配列を配列番号 9に示し、 塩基配列を配列番号 10に示す。 また、 上記 Cy P 40タイプ P P I a s eの一例として、 ヒ ト由来のもののアミノ酸配列を配列番 号 1 1に示し、 塩基配列を配列番号 1 2に示す。
上記 F KB P 5 2タイプ P P I a s e及び C y P40タイプ PP I a s eの分 子シャぺ口ン活性には、 T P R ^含むそれぞれの C末端ドメインが関与している ことが示唆されている。 本発明においては、 FKB P 5 2タイプ P P I a s e及 び C y P 40タイプ P P I a s eの C末端ドメィンを含有している PP I a s e であれば、 上記分子シャペロン活性を有する P P I a s eとして用いることがで きる。 上記 C末端ドメインは、 ヒ ト FKBP 5 2タイプ P P I a s eでは、 配列 番号 9における 264番グルタミン酸付近から C末端までの領域であるが、 この うち 264番グルタミン酸から 400番ィソロイシン付近の領域が特に重要であ る。 また、 ヒ ト C y P 40タイプ P P I a s eでは、 184番ロイシン付近から C末端までの領域が C末端ドメインに相当する。
本発明で用いられる分子シャペロン活性を有する P P I a s eとしては、 上記 例示のもの以外であっても、 同等の分子シャペロン活性を有する P P I a s eで あれば、 好適に用いることができ、 そのようなものとしては、 例えば、 最近その 分子シャペロン活性が再評価されたプタ由来 1 8 kD aシクロフイリン型 P P I a s e (Ou、 P r o t e i n S c i . 10、 2346—、 2001年) 等が 挙げられる。
本発明の発現ベクターは、 (b) タンパク質をコードする第 2コード領域を揷 入することができる少なくとも 1つの制限酵素サイトを有する領域を含有するも のである。
上記第 2コード領域は、 本発明の発現ベクターを用いて発現しようとする目的 タンパク質をコードする塩基配列を有する領域である。
本発明で用いられる第 2コード領域としては特に限定されないが、 例えば、 モ ノクローナル抗体等の抗体をコードする塩基配列や、 膜タンパク質をコードする 塩基配列を有するもの等が挙げられる。
上記抗体は、 いずれの動物種由来の抗体であってもよく、 抗体全長、 その断片、 F a b、 S i n g l e c h a i n F v ( s c F v ) 等のその 2個以上の断片 がリンカ一ペプチドで連結したポリペプチド等も上記抗体に含まれる。 また、 上 記抗体は、 いずれのサブクラスであってもよい。
抗体は分子量が 1 0万を越える巨大分子であり、 特定の抗原物質に特異的に結 合する機能を利用して、 分析用試薬、 生体外診断薬等として幅広く使用されてお り、 産業的な利用価値が高い。 抗体分子と抗原物質との結合に寄与している部分 は V領域 (可変領域) と呼ばれ、 重鎮の V領域と軽鎖の V領域とから構成されて いる。 特定抗原に対する抗体を取得する方法としては、 ラットやゥサギ等の実験 動物に抗原物質を免疫感作させ、 その血清に含まれる抗体 (ポリクローナル抗体 ) を得る方法と、 次に述べるモノクローナル抗体を得る方法とが一般的である。 モノクローナル抗体は、 単一クローンの抗体産生細胞が産生する抗体であり、 その特徴は一次構造が均一なことである。 モノクローナル抗体はケーラーとミル シュタインによるハイプリ ドーマ技術の確立によって、 容易に製造できるように なった。 この方法では、 まず、 所定の抗原物質をマウス等の実験動物に投与し免 疫感作を行う。 次に、 免疫感作された動物の脾臓から、 上記抗原物質に対する抗 体産生能を獲得した脾臓細胞を取り出し、 これをミエローマのような適切な腫瘍 細胞と融合させてハイプリ ドーマを作成する。 ついで E L I S Aの様な適当な免 疫分析法を用いたスクリーニングにより、 目的の抗体を産生しているハイブリ ド 一マを選択する。 その後、 限界希釈法等を用いてクローニングすることにより、 目的のモノクローナ 抗体を産生するハイプリ ドーマ株を樹立する。 こうして樹 立されたハイプリ ドーマを適当な培地中で培養した後、 その代謝産物を含む培地 をクロマトグラフ等を用いて分離することにより、 目的のモノクローナル抗体が 得られる。 しかしながら、 これらの方法は、 動物に対する免疫感作というインビ ポでの生体反応を利用しているため、 必然的に実験動物の介在を必要とする。 従 つて、 実験動物を飼育維持しなければならず、 煩雑な労力を必要とすると同時に、 多大なコストが必要となる。 また、 この方法では必ずしも全ての抗原物質に対す るモノクローナル抗体が製造できるとは限らず、 試行錯誤的な要素が含まれる。 近年、 大腸菌の表層に、 抗体の重鎖及び軽鎖の V領域のみを適当なリンカ一を介 して連結させた s c F V又は抗体の F a b部分が発現できるようになってきた。 これら抗体遺伝子を P C Rでランダムに増幅することで抗体遺伝子のライブラリ 一を作成し、 細胞外に提示させ、 これらのライブラリーから特定抗原に親和性を 有するものをスクリーニングする方法が開発されつつある (熊谷ら, タンパク質 •核酸■酵素 4 3、 1 5 9—、 1 9 9 8年) 。 スクリ一ユングによって得られ た抗体遺伝子を大腸菌等を用いて発現すれば、 目的の抗原に対する抗体を、 実験 動物を用いることなく作成することが可能である。 しかしながら、 例えば抗体遺 伝子を大腸菌内で大量発現させる場合、 前述の通り、 ほとんどが不溶性の封入体 として発現され、 活性型を得ることはできなかった。
これに対して、 本発明の発現ベクターに第 2コード領域としてモノクローナル 抗体をコードする塩基配列を有するものを組み込めば、 スクリーニングで得られ た抗体の活性型 (可溶型) 産物を簡単に取得することが可能となる。
上記膜タンパク質としては特に限定されず、 例えば、 生理活性物質の受容体等 が挙げられる。 上記生理活性物質の受容体は、 細胞外のさまざまな物質に選択的 に応答し、 細胞内に多彩なシグナルを伝達することから、 その機能を解明するこ とが創薬に直接繋がるとして非常に注目されている。 これらの膜受容体タンパク 質は構造的によく保存されたファミリーを形成しており、 大きく分けて、 イオン チャネル内在型、 チロシンカイネース型、 及び、 Gタンパク質共役型等の 3つに 分類される。 上記イオンチャネル内在型は、 リガンドが受容体に結合すると、 受 容体そのものに存在するイオンチャネルが開き、 N a +や C a 2 +等を細胞内外の イオン勾配を利用して細胞内に移動させるタイプである。 上記チロシンカイネー ス型は、 リガンドの結合をリン酸化活性の上昇に転換させ、 一連のカスケードを 引き起こすことによりシグナルを増幅する。 上記 Gタンパク質共役型は、 受容体 自身はイオンチャネルや酵素活性をもたず、 リガンドの結合による情報を Gタン パク質を介して細胞内に伝達する。 膜受容体タンパク質を標的とした医薬品は数 多く開発されているが、 その多くが Gタンパク質共役型受容体 (GPCR) をタ 一ゲットとしている。 したがって、 GPCRの内因性リガンドを特定し、 更にそ の機能及び構造を明らかにすることによって、 迅速な医薬品開発が可能になるこ とが期待できる。 これらのリガンドスクリーニングゃ構造解析のための結晶化や 重水素化のためには G P C Rの大量発現技術の開発が不可欠であるが、 これまで GPCRの発現は大腸菌や酵母では不可能であるとされてきており、 主に CHO や CO S— 7、 HEKのような動物培養細胞で発現した微量なサンプルを用いて 様々な分析を行っているのが現状であった。
これに対して、 本発明の発現ベクターに第 2コード領域として膜タンパク質を コードする塩基配列を有するものを組み込めば、 組み換え型タンパク質を安価に 大量調整することができる。
上記制限酵素サイトはマルチクローニングサイトとも呼ばれる。 上記制限酵素 サイトを有する領域は、 目的とするタンパク質をコードする遺伝子を第 2コード 領域として揷入する領域である。
本発明の発現ベクターにおいては、 (1) 上記第 1コード領域がプロモーター に有効に連結しており、 かつ、 上記制限酵素サイトが第 1コード領域と同じ解読 枠内であって、 上記第 1コード領域の下流にあるか、 又は、 (2) 上記制限酵素 サイトが揷入された上記第 2コード領域がプロモーターに有効に連結するように 配置されており、 かつ、 上記第 1コード領域が上記第 2コード領域と同じ解読枠 内にあって、 上記第 2コード領 の下流にある。
上記プロモーターとしては特に限定されず、 例えば、 P 1 a cプロモーター、 P t a cプロモーター、 X y 1 Aプロモーター、 Ar a Bプロモーター、 l am b d aプロモーター、 T 7プロモーター、 g a l l/g a l l Oプロモーター、 nm t 1プロモーター、 ポリへドリンプロモーター、 マウスメタ口チォネインプ 口モーター等が挙げられる。
本発明の発現ベクターでは、 上記制限酵素サイトに目的とするタンパク質をコ ードする第 2コード領域を揷入して、 第 2コード領域が組み込まれている発現べ クタ一を得、 この発現ベクターを発現させることにより、 (1 ) 上記第 1コード 領域がプロモーターに有効に連結しており、 かつ、 上記制限酵素サイ トが第 1コ ード領域と同じ解読枠内であって、 上記第 1コード領域の下流にある場合は、 第 1 コード領域とそれに続く第 2コード領域が上記プロモーターにより翻訳され、 一方、 (2 ) 上記制限酵素サイトが挿入された上記第 2コード領域がプロモータ 一に有効に連結するように配置されており、 かつ、 上記第 1コード領域が上記第 2コード領域と同じ解読枠内にあって、 上記第 2コード領域の下流にある場合は、 第 2コード領域とそれに続く第 1 コード領域が上記プロモーターにより翻訳され、 いずれの場合も、 第 2コード領域にコードされている目的タンパク質は分子シャ ペロン活性を有するポリべプチドとの融合タンパク質として発現される。
本発明の発現ベクターは、 上記第 1コード領域と上記第 2コード領域を挿入す ることができる少なく とも 1つの制限酵素サイ トを有する領域との間にあり、 同 じ解読枠内で翻訳されてプロテアーゼ消化サイ トとなる領域を有してもよい。 上記プロテアーゼ消化サイ トは、 本発明の発現ベクターに第 2コード領域が組 み込まれた発現ベクターの発現により得られる、 第 1コード領域にコードされる 分子シャペロン活性を有するポリペプチドと第 2コード領域にコードされるタン パク質とが結合した融合タンパク質において、 上記ポリペプチドと上記タンパク 質とをつなぐぺプチドリンカ一となるものである。 得られた融合タンパク質がプ 口テアーゼ消化サイ トを有することにより、 プロテアーゼを作用させることによ つて容易に融合タンパク質を消化して、 第 1コード領域にコードされる分子シャ ペロン活性を有するポリペプチドと第 2コード領域にコードされるタンパク質と を切り離して、 目的とする第 2コード領域にコードされるタンパク質を得ること ができる。
上記プロテアーゼとしては特に限定されず、 例えば、 トロンビン、 ファクター X a、 プレシジョンプロテアーゼ等が挙げられる。 これらのプロテアーゼはファ ルマシアバイオテク社等から市販されている。 また、 インティンの自己タンパク 質スプライシング機能を利用して目的タンパク質を切り離すことも可能である。 上記プロテアーゼ消化サイ トをコ一ドする塩基配列の長さは特に限定されない I 1 5〜 9 0塩基程度であることが好ましく、 翻訳されてグリシンゃセリン等 の中性アミノ酸となる塩基配列を多く含むことが好ましい。
本発明の発現ベクターには他の公知の塩基配列が含まれていてもよい。 上記他 の公知の塩基配列としては特に限定されず、 例えば、 発現産物の安定性を付与す る安定性リーダー配列、 発現産物の分泌を付与するシグナル配列、 ネオマイシン 耐性遺伝子、 カナマイシン耐性遺伝子、 クロラムフエ二コール耐性遺伝子、 アン ピシリン耐性遺伝子、 ハイグロマイシン耐性遺伝子等の形質転換された宿主にお いて表現型選択を付与することが可能なマーキング配列等が挙げられる。 本発明の発現ベクターは、 得られる融合タンパク質が適当なリガンドを介して 固定化担体に結合する形態に設計されていてもよい。 これにより発現後、 その精 製を簡略化することができる。 例えば、 分子シャペロン活性を有するポリぺプチ ドとして P P I a s eを用いる場合、 F K B P型 P P I a s eであれば F K 5 0 6ゃラパマイシン、 その類縁化合物を担持させた担体を、 シクロフィリンタイプ P P I a s eであればシクロスポリン又はその類縁化合物を担持させた担体を、 パーブリンタイプ P P I a s eであれば J u g 1 o n e又はその類縁化合物を担 持させた担体をそれぞれ用いることにより融合タンパク質の精製を簡略化するこ とができる。
また、 上記分子シャペロン活性を有するポリペプチドの N末端側に、 ヒスチジ ン 6残基程度のタグを有するよう本発明の発現ベクターを設計すると、 得られた 融合タンパク質は、 ニッケル等の金属をキレートした担体に、 ヒスチジン残基を 介して結合するので、 当該担体を用いれば、 宿主由来のタンパク質と融合タンパ ク質とを簡単に分離することができる。 更に、 上記担体に結合した融合タンパク 質にプロテアーゼを作用させることにより、 上記プロテアーゼ消化サイトが消化 され、 目的タンパク質のみを簡単に担体から遊離させることができる。
なお、 ィミダゾールで溶出すれば、 プロテアーゼを作用させることなく、 融合 タンパク質のまま担体から遊離させることもできる。 上記のヒスチジンタグ以外 にも、 ク レタチオン一 s—トランスフェラーゼ又はその一部分をタグとし、 グル タチオン樹脂によるァフィ二ティークロマトグラフィーにより精製する方法や、 マルトース結合タンパク質又はその一部をタグとし、 マルトース樹脂により精製 する方法等を用いることもできる。 その他、 抗体との親和性を用いることもでき る。 上記の各種タグは、 融合タンパク質の N端側及び C末端側のいずれに設計し てもよく、 双方に設計してもよい。 これらの遺伝子操作方法や、 ァフィ二ティー 精製方法としては、 当業者に公知の方法を用いることができる。
本発明の発現ベクターに目的とするタンパク質をコードする遺伝子を第 2コー ド領域として組み込んで発現させることにより、 第 1コード領域にコードされる 分子シャぺ口ン活性を有するポリぺプチドと第 2コード領域にコードされるタン パク質との融合タンパク質が得られる。 このような上記分子シャペロン活性を有 するポリぺプチド及び第 2コード領域がコードするタンパク質を含有する融合タ ンパク質もまた、 本発明の 1つである。 更に、 両者の間にプロテアーゼ消化サイ トを含むリンカ一ペプチドが組み込まれている場合は、 得られた融合タンパク質 をプロテアーゼで消化すれば、 目的タンパク質を容易に融合タンパク質から切り 出すことができる。 このため、 本発明の融合タンパク質は、 プロテアーゼ消化サ ィ トを含有することが好ましい。
本発明の発現ベクターは宿主に導入されて目的タンパク質の発現に供される。 このような本発明の発現べクタ一を内包している宿主もまた、 本発明の 1つであ る。
上記宿主としては特に限定されず、 例えば、 細菌等の原核生物、 酵母、 真菌、 植物、 昆虫細胞、 ほ乳類細胞等が挙げられる。 しかしながら、 使用される宿主と 発現ベクターとの特性は適合しなければならない。 例えば、 ほ乳類細胞系におい て融合タンパク質を発現する場合、 発現ベクターは、 マウスメタ口チォネインプ 口モーター等のほ乳類細胞のゲノムから単離されたプロモーターや、 バキュロウ ィルスプロモーター、 ワクシニアウィルス 7 . 5 Kプロモーター等のほ乳類細胞 で成長するウィルスから単離されたプロモーターを用いることが好ましい。 上記宿主としては、 なかでも、 大腸菌等の原核生物が好ましい。
本発明の発現ベクターを宿主に導入する方法としては特に限定されず、 公知の 種々の方法を用いることができ、 例えば、 トランスフエクシヨンとしてリン酸力 ルシゥム沈殿法、 電気穿孔、 リボソーム融合、 核注入、 ウィルス又はファージ感 染等が挙げられる。
本発明の発現ベクターを適切な宿主に導入し、 宿主を適切な条件下で培養し、 発現させることにより大量の融合タンパク質を得ることができる。 このような、 本発明の融合タンパク質を製造する方法もまた、 本発明の 1つである。
本発明の融合タンパク質の製造方法においては、 本発明の発現ベクターを内包 する宿主を、 当該 現ベクターの発現条件下で培養し、 上記融合タンパク質を細 胞質に発現させるか、 本発明の発現ベクターの第 1コード領域の 5 ' 末端又は第 2コード領域の 5, 末端に転写及び翻訳されてシグナル配列となる領域を設けて、 得られた発現ベクターを内包する宿主を、 当該発現ベクターの発現条件下で培養 し、 上記融合タンパク質をペリブラズム又は培地に発現させるか、 又は、 本発明 の発現ベクターに、 無細胞翻訳系において、 上記融合タンパク質を発現させるこ とが好ましい。
グラム陰性細菌を宿主として用いる場合、 融合タンパク質の発現は、 細胞質で あっても、 ペリプラズム又は培地への発現であっても良い。 本発明の発現べクタ 一の第 1コード領域の 5' 末端又は第 2コード領域の 5 ' 末端に、 転写及び翻訳 されてシグナル配列となる領域を設けることにより、 上記融合タンパク質をぺリ ブラズム又は培地に分泌発現することができる。 上記融合タンパク質をペリブラ ズムに発現させる場合、 第 1コード領域にコードされるポリペプチドとしては、 本来細胞内では膜に存在するポリべプチドを用いると発現性を向上させることが できる。 上記本来細胞内では膜に存在するポリペプチドとしては、 例えば、 FK B Pタイプ P P I a s eである F k pAタイプ PP I a s eや、 パーブリンタイ プ P P I a s eである S u r Aタイプ P P I a s e等が挙げられる。 これらの P P I a s eは本来グラム陰性菌のペリプラズムに存在し、 タンパク質の折り畳み に関与するタンパク質である。
上記第 2コード領域にコードされるタンパク質が膜タンパク質や抗体等である 場合、 本来これらのタンパク質は細胞質外に発現しているタンパク質であるため、 上記 F k pAタイプ P P I a s eや S u rAタイプ P P I a s e等と融合して発 現させれば発現性が向上する。
本発明の発現ベクターに、 無細胞翻訳系において、 上記融合タンパク質を発現 させる場合は、 宿主細胞を用いることなく、 バクテリア又は真核生物抽出液等を 用いた無細胞翻訳系 (S p i r i n, A. S. , 1 99 1, S c i e n c e 1 1, 26 5 6 - 2 664 : F a l c o n e , D. e t a 1. , 1 9 9 1 , Mo 1. C e l l . B i o l . 1 1, 26 5 6- 2 6 64) にて、 本発明の融合タン パク質を可溶性タンパク質として発現させる。
本発明の融合タンパク質の製造方法においては、 P P I a s e活性を阻害する マクロライド、 シクロスポリン、 ジュグロン、 又は、 これらの類縁化合物を担持 した担体に、 融合タンパク質を吸着させた後、 担体を回収することが好ましい。 上記分子シャペロン活性を有する P P I a s eと上記の阻害剤との結合性は強 く、 この親和力を利用して発現した融合タンパク質を精製することができる。 例 えば、 ァガロースゲル担体上に F K 5 06等のマクロライ ドを担持させたビーズ を用いれば、 ?1^8卩型?? I a s eとの融合タンパク質を特異的に結合させる ことができる。 同様に、 シクロフイリン型 P P I a s eとの融合タンパク質の場 合はシクロスポリンを担持させた担体を、 パーブリンタイプ P P I a s eとの融 合タンパク質の場合はジュグロン (J u g 1 o n e) を担持させた担体を用いれ ば精製を簡略化することができる。
本発明の融合タンパク質の製造方法で得られた融合タンパク質をプロテアーゼ 消化サイ トを消化するプロテアーゼで消化することにより目的タンパク質を得る ことができる。 このような、 上記第 2コード領域がコードするタンパク質を製造 する方法もまた、 本発明の 1つである。
本発明によれば、 目的のタンパク質を分子シャぺロン活性を有するポリぺプチ ドとともにペプチドリンカ一で連結して、 融合タンパク質として発現させること で、 本来、 異常型として発現される難発現性タンパク質を天然型の可溶体として 大量に発現でき、 その生産性を大幅に飛躍させることができる。 また、 目的タン パク質が抗体である場合、 本発明によれば、 実験動物を用いることなく簡便に機 能を有した組み換え型抗体を調製することが可能となるので、 他のタンパク質や ペプチド等と融合させることで、 高機能な抗体を大量調製することが可能となる。 発明を実施するための最良の形態
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、 本発明はこれら実施例 のみに限定されるものではない。 (実施例 1 ) 超好熱性古細菌 T h e rmo c o c c u s s p. KS- 1由来シ ョートタイプ FKB P型 P P I a s e (T c F KB P 1 8) と融合するための発 現ベクター構築 分子シャぺ口ン活性を有する T c FKB P 1 8 ( I d e n o、 B i o c h em. J. 357、 465 _、 2001年) の発現プラスミ ド p EFE l _3 (I i d a、 G e n e 222、 249—、 1 998) を铸型とし、 その T c FKB P l 8遺伝子断片を PCR法により増幅した。 PCR用のプライマーとして、 表 1に 示した T c F u_F 1及び T c F U— R 2を用いることにより増幅産物の両端に 制限酵素サイトを設けた。 一方、 T c FKBP 1 8融合タンパク質をプロテア一 ゼにより T c FKB P 1 8と目的タンパク質とに切断するためのリンカーをコー ドする塩基配列として、 T h r om— F 2及びその相補鎖を設計した。 Th r o m-F 2は、 その 5' 側に S p e Iサイトを、 3' 側に E c o R Iサイトをそれ ぞれ有している (図 1) 。 丁11 1" 0111— 2は、 トロンビン切断部分の DN A配 列の下流には、 B amH Iサイト、 N d e Iサイトを有しているため、 目的タン パク質の遺伝子断片をこれらの制限酵素サイトを利用して導入することにより、 T c FKB P 1 8との融合タンパク質を得ることができる (図 1 ) 。
上記 T c FKB P 18の遺伝子断片と、 トロンビン切断部分をコードする DN A断片とを、 各々の制限酵素で処理し、 あらかじめ Nc o I/E c oR Iにて処 理した p ET 21 dプラスミ ド DNA (ノバジェン社製) に、 T c FKBP 18 遺伝子一 Th e r m o - F 2の順でライゲーションした。 得られた T c FKB P 1 8融合タンパク質発現用プラスミ ドを T c FK f u s i o n 2とした。 Abbrev. Sequence Restriction site
Tcfo-Fl 5 '-GGCCATGGGAAAAGTTGAAGCTGGTGAT-3 ' Ncol
Tcfo-R2 5 '-CCACTAGTAGCTTCTGAGTCCTCTTC-3 ' Spel
TF-F1 5 '-GGCCATGGGCCAAGTTTCAGTTGAAACC-3 ' Ncol
TF-R1 5 '-CCACTAGTCGCCTGCTGGTTCATCAGCT-3 ' Spel
FK52-F1 5'-GGCCATGGGCACAGCCGAGGAGATGAA-3' Ncol
FK52-R1 5'-CCACTAGTTGCTTCTGTCTCCACCTGA-3' Spel
CP40-F1 5,-GGCCATGGGCTCGCACCCGTCCCC -3, Ncol
CP40-R1 5 '-CCACTAGTAGCAAACATTTTTGCATATACTG-3 ' Spel
FKPA-F 1 5 '-GGCCATGGGCAAATCACTGTTTAAAGTAACGC-3, Ncol
FKPA-R 1 5 '-CCACTAGTTTTTTTAGCAGAGTCTGCGGC-3 ' Spel
SUR-F1 5 '-GGCCATGGGCAAGAACTGGAAAACGCTG-3, Ncol
SUR-R1 5 '-CCACTAGTGTTGCTCAGGATTTTAACGTA-3 ' Spel
SCF-F3 5'-ATCATATGAAATACCTATTGCCTACG-3' Ndel
SCF-R3 5'-ATGCGGCCGCCTATTACTCCAGCTTGGTCCCTC-3' Not I アンダーライン: 各制限酵素サイト
(実施例 2) 大腸菌由来トリガーファクタータイプ P P I a s e (TF) と融合 するための発現ベクター構築
大腸菌由来トリガーファクタータイプ P P I a s e (TF) と融合するための 発現ベクターを構築するために、 大腸菌 K1 2株から、 終止コドンを除いた TF 遺伝子を PCRにて増幅した。 P CR用のプライマーとして、 表 1に示した TF 一 F 1及び TF— R 1を用いることにより増幅産物の両端に制限酵素サイトを設 けた。 PCR産物を p T 7ブルー Tベクターに揷入後、 シーケンスが登録情報と 相違ないことを確認した。 一方、 実施例 1で調製した T c FK f u s i o n 2を N c o I /S p e I処理し、 T c FKB P 18遺伝子を除いたベクターをァガロ ースゲ 電気泳動にて精製した。 TF遺伝子を含む ρ Τ 7ブルー Τベクターを Ν c o I /S p e I処理し、 切り出された TF遺伝子を回収した。 得られた TF遺 伝子と上記べクタ一とをライゲーショ -レ.。 T F遺伝子全長を含むベクタ一を回 収した。 これにより、 実施例 1の T c FKf u s i o n 2における T c FKB P 18遺伝子が TF遺伝子に置き換わった、 TF融合タンパク質発現系が構築でき た。 得られた T F融合タンパク質発現用プラスミ ドを TF f 2とした。
(実施例 3) ヒ ト由来 FKB P 52タイプ PP I a s eと融合するための発現べ クタ一構築
ヒ ト由来 FKB P 52タイプ P P I a s e (h FKB P 5 2) と融合するため の発現ベクターを構築するために、 ヒト c DNAライブラリーから、 終止コドン を除いた F KB P 52遺伝子を P CRにて増幅した。 P CR用のプライマーとし て、 表 1に示した FK52— F 1及び FK52— R 1を用いることにより増幅産 物の両端に制限酵素サイトを設けた。 P CR産物を p T 7ブルー Tベクターに揷 入後、 シーケンスが登録情報と相違ないことを確認した。 一方、 実施例 1で調製 した T c FK f u s i o n 2を Nc o I /S p e I処理し、 T c FKBP 1 8遺 伝子を除いたベクターをァガロースゲル電気泳動にて精製した。 hFKBP 52 遺伝子を含む p T 7ブルー Tベクターを N c o I /S p e I処理し、 切り出され た h FKB P 5 2遺伝子の断片を回収した。 得られた h FKB P 52遺伝子断片 と上記ベクターとをライゲーションし、 hFKB P 52遺伝子全長を含むベクタ 一を回収した。 これにより、 実施例 1の T c FK f u s i o n 2における T c F KB P 1 8遺伝子が h FKB P 52遺伝子に置き換わった h F K B P 5 2との融 合タンパク質発現系が構築できた。 得られた hFKB P 52融合タンパク質発現 用プラスミ ドを F K 5 2 f 2とした。
(実施例 4) ヒ ト由来 C y P 40タイプ PP I a s eと 合するための発現べク ター構築
ヒ ト由来 C y P 40タイプ P P I a s e (C y P 40) と融合するための発現 ベクターを構築するために、 ヒ ト c DNAライブラリーから、 終止コドンを除い た h C y P 40遺伝子を P CRにて増幅した。 P C R用のプライマーとして、 表 1に示した C P 40 -F 1及ぴ C P 40 -R 1を用いることにより増幅産物の両 端に制限酵素サイトを設けた。 P CR産物を p T 7ブルー Tベクターに揷入後、 シーケンスが登録情報と相違ないことを確認した。 一方、 実施例 1で調製した Τ c FK f u s i o n 2を N c o I /S p e I処理し、 T c FKB P 1 8遺伝子を 除いたベクターをァガロースゲル電気泳動にて精製した。 h Cy P 40遺伝子を 含む p T 7ブルー Tベクターを N c o I /S p e I処理し、 切り出された h C y P 40遺伝子を回収した。 得られた h C y P 40遺伝子と上記ベクターとをライ ゲーシヨンし、 h C y P 4 0遺伝子全長を含むベクターを回収した。 これにより、 実施例 1の T c FK f u s i o n 2における T c FKB P 1 8遺伝子が h C y P 40遺伝子に置き換わった h C y P 40との融合タンパク質発現系が構築できた。 得られた h C y P 40融合タンパク質発現用プラスミ ドを C P 4 0 f 2とした。
(実施例 5) 大腸菌由来 F k pAタイプ P P I a s eと融合するための発現べク タ一構築
大腸菌由来 F k p Aタイプ P P I a s e (F k p A) と融合するための発現べ クタ一を構築するために、 大腸菌 CTF 0 7 3株から、 終止コドンを除いた F k p A遺伝子を P CRにて増幅した。 P CR用のプライマーとして、 表 1に示した FKPA-F 1及び FKPA— R 1を用いることにより増幅産物の両端に制限酵 素サイトを設けた。 P CR産物を p T 7ブルー Tベクターに揷入後、 シーケンス が登録情報と相違ないことを確認した。 一方、 実施例 1で調製した T c FK f u s i o n 2を N c o I /S p e I処理し、 T c FKB P 1 8遺伝子を除いたベタ ターをァガロースゲル電気泳動にて精製した。 F k p A遺伝子を含む p T 7プル 一 Tベクターを N c o 1 /S p e I処理し、 切り出された F k p A遺伝子を回収 した。 得られた F k p A遺伝子と上記ベクターとをライゲーシヨンし、 F k pA 遺伝子全長を含むベクターを回収した。 これにより、 実施例 1の T c FK f u s i o n 2における T c FKB P 1 8遺伝子が F k p A遺伝子に置き換わった F k P Aとの融合タンパク質発現系が構築できた。 得られた F k I) A融合タンパク質 発現用プラスミ ドを F k A f 2とした。 (実施例 6) 大腸菌由来 S u r Aタイプ P P I a s eと融合するための発現べク ター構築
大腸菌由来 S u r Aタイプ P P I a s e (S u rA) と融合するための発現べ クタ一を構築するために、 大腸菌 K 1 2株から、 終止コドンを除いた S u r A遺 伝子を P CRにて増幅した。 P CR用のプライマーとして、 表 1に示した SUR — F 1及び SUR— R 1を用いることにより増幅産物の両端に制限酵素サイトを 設けた。 PCR産物を p T 7ブルー Tベクターに揷入後、 シーケンスが登録情報 と相違ないことを確認、した。 一方、 実施例 1で調製した T c FK f u s i o n 2 を N c o l/S p e l処理し、 T c FKB P 1 8遺伝子を除いたベクターをァガ ロースゲル電気泳動にて精製した。 S u r A遺伝子を含む pT 7プル一 Tベクタ 一を N c o I /S p e I処理し、 切り出された S u r A遺伝子を回収した。 得ら れた S u r A遺伝子と上記ベクターとをライゲーションし、 S u r A遺伝子全長 を含むベクターを回収した。 これにより、 実施例 1の T c FK f u s i o n 2に おける T c F KB Ρ 18遺伝子が S u r A遺伝子に置き換わった S u r Aとの融 合タンパク質発現系が構築できた。 得られた S u r A融合タンパク質発現用ブラ スミ ドを S u r A f 2とした。
(実施例 7) T c FK f u s i o n 2を用いた T c FKB Ρ 1 8の発現 実施例 1で調製した T c FK f u s i o n 2により E. c o l i B L 21 ( DE 3) 株をトランスフォーメーションした。 2 Lの三角フラスコに 2 X YT培 地 (Ye a s t E x t r u c t 16 g/L、 BACTO TRYPTON 20 g/L N a C 1 5 g/L、 アンピシリン 1 00 i gZmL、 p H 7. 5) 70 OmLを入れ、 組み換え大腸菌 2〜 3白金耳を接種した。 35 °Cで 24 時間回転培養 ( 1 1 0 r p m) した後、 遠心分離 (l O O O O r pmX I Om i n) にて菌体を回収した。 得られた菌体は ImM EDTAを含む 25mM H EPES緩衝液 (pH6. 8) 2 OmLに懸濁し、 一 20 °Cにて凍結保存した。 得られた菌液を超音波破碎後、 遠心分離し、 その上清 (可溶性画分) と沈殿部 (沈殿画分) に分離した。 沈殿画分は、 更に封入体画分に精製するため、 4% T r i t o n X _ 100を含む 25 mM HE P E S/ 1 mM EDTA緩衝 液 (pH6. 8) に懸濁後、 30分間反応させることで膜成分を可溶化し、 遠心 分離にて沈殿する封入体成分を回収した。 この操作を 2回繰り返し、 得られた沈 殿部を封入体画分とした。 可溶性画分 10 μ gと、 それに相当する封入体画分の 容量をそれぞれ 1 6%SDS— PAGEに供した。 その結果、 T c FKBP 1 8 に相当するバンドは、 可溶性画分のみに見られた。 本来 T c FKB P 18が検出 させる位置よりも見かけ上高分子量の位置に検出されたが (図 2) 、 これは、 T c FKB P 1 8の構造遺伝子の 3' 末端に終止コドンが存在せず、 マルチクロー エングサイトが存在するため、 その翻訳産物が T c FKB P 1 8の C末端に連な つているためであると考えられる。
(実施例 8) T c FKB P 1 8とマウス由来 a n t i—ニヮトリリゾチーム (H E L) F a b抗体フラグメント (D 1. 3) からなる融合タンパク質の発現 マウス由来 a n t i— HE L F a b抗体フラグメントの発現プラスミ ド p EHELF a b— 1 ( I d e n o, Ap p l . En v. M i c r o b i o l . 6 8、 464—、 2002) を Nd e l/B p u l l 02 Iにより処理し、 ァガロ ーズゲルを用いた電気泳動法により、 a n t i— HEL F a b抗体フラグメン ト遺伝子断片を精製した。 あらかじめ N d e I /B p u l l 02 I処理しておい た T c FK f u s i o n 2に、 この D N A断片をライゲーションした。 この結果 得られたプラスミドを発現すると、 上記 F a bの重鎖部分は T c FKB P 18と の融合タンパク質として発現され、 軽鎖部分は融合タンパク質になることなく、 単独で発現することとなる。 得られたプラスミ ドを、 実施例 7と同様の方法で大 腸菌に組み込み、 そのトランスフォーマントを取得した。 本菌を実施例 7と同様 の方法で培養 '回収し、 _ 20°Cにて凍結保存した。
得られた菌液を超音波破砕後、 遠心分離し、 その上清 (可溶性画分) と沈殿部 (沈殿画分) に分離し、 実施例 7と同様の方法により SDS— PAGEに供した。 SDS— PAGEゲルは、 クーマシーブリリアントプル一 (CBB) による染色 と、 ゥサギ由来抗 D 1. 3抗体を 1次抗体として用いたウェスタンブロッテイン グ法により、 発現した F a bを特異的に検出した。 宿主菌である大腸菌の可溶性画分及ぴ沈殿画分には、 CBB染色、 ウェスタン ブロッティングによる検出のいずれにおいても、 F a bと T c FKB P 1 8との 融合タンパク質に相当するバンドは見られなかった (図 3) 。 一方、 T c FKB P 1 8との融合タンパク質として発現させた場合、 CBB染色において、 F a b の重鎖部分は T c FKB P 1 8と融合した形態で可溶画分にメジャーバンドとし て発現されることが示され、 ウェスタンプロッティングにおいても、 確かに F a bが大量に発現していることが明らかとなった (図 4) 。 CBB染色において、 可溶性画分に発現した融合タンパク質のバンド密度をデンシトメータで測定した 結果、 大腸菌由来全可溶性タンパク質の約 10%であった。 それに対し、 F a b の軽鎖部分に相当するバンドは見られなかった。 ウェスタンブロッテイングの結 果より、 F a bの軽鎖は宿主由来のプロテアーゼで分解していると考えられた ( 図 4) 。
(比較例 1) マウス由来 a n t i—HE L F a b抗体フラグメントの単体での 発現
マウス由来 a n t i— HE L F a b抗体フラグメントの発現プラスミ ド p EHE L F a b - 1を実施例 Ίと同様の方法で大腸菌に組み込み、 S D S— P A GEに供した。 CB B染色及びウェスタンブロッテイングの結果、 F a b遺伝子 は、 単独では可溶画分への発現は見られず、 すべて沈殿画分に発現することが確 認された (図 5 ) 。
(実施例 9) マウス由来 a n t i _HEL s c F vと T c FKBP 1 8との融 合タンパク質の発現
マウス由来 a n t i—HEL s c F vフラグメントの発現プラスミド; AA L S C (伊庭ら 1 997、 Ge n e 1 94、 35_) を铸型とし、 表 1に示 した SCF— F 3及び SCF— R 3をプライマーして用いる PC Rにより、 マウ ス由来 a n t i—HEL s c F vフラグメントの遺伝子を増幅した。 この遺伝 子を T Aクローユングにより、 T 7プノレーベクターにライゲーションし、 N d e I /N o t I処理後、 あらかじめ同制限酵素により処理しておいた T c FK f u s i o n 2に再度ライゲーションすることで、 T c FKBP 1 8と s c F vと の融合タンパク質発現系を構築した。 得られたプラスミ ドを、 実施例 7と同様の 方法で大腸菌に組み込み、 そのトランスフォーマントを取得した。 本菌を実施例 7と同様の方法で培養,回収し、 一 20°Cにて凍結保存した。 得られた菌液を実 施例 7と同様の方法で SD S— PAGEに供し、 CB Bにて染色した。
宿主菌である大腸菌の可溶性画分及び沈殿画分には、 CBB染色においてマウ ス由来 a n t i -HE L s c F vと T c FKBP 18との融合タンパク質に相 当するバンドは見られなかった (図 6A) 。 一方、 T c FKB P 1 8との融合タ ンパク質として発現させた場合、 マウス由来 a n t i— HEL s c F vは T c FKB P 1 8と融合した形態で可溶画分にメジャーバンドとして大量に発現され ることが示された (図 6 B) 。 CBB染色において、 可溶性画分に発現した融合 タンパク質のバンド密度をデンシトメータで測定した結果、 大腸菌由来全可溶性 タンパク質の約 1 4 %であった。 (比較例 2 ) マウス由来 a n t i — HE L s c F vの単体での発現
実施例 9で得られたマウス由来 a n t i -HE L s c F v遺伝子を含む p T 7ブルーベクターを N d e I /No t I処理後、 あらかじめ同制限酵素により処 理しておいた p ET 2 1 a (ノバジェン社製) に再度ライゲーシヨンすることで、 マウス由来 a n t i -HE L s c F vの発現系を構築した。 得られた発現プラ スミ ドを実施例 9と同様の方法で大腸菌に組み込み、 そのトランスフォーマント を取得した。 本菌を実施例 7と同様の方法で培養 '回収し、 一 20°Cにて凍結保 存した。 得られた菌液を実施例 7に示した方法と同様に S D S— P A G Eに供し、 CBBにて染色した。 その結果、 マウス由来 a n t i— HEL s c F vは可溶 画分にはほとんど発現せず、 ほとんどが不溶性画分に発現することが確認された (図 6 C) 。
(実施例 10) マウス由来 a n t i -HE L s c F vと TFとの融合タンパク 質の発現
実施例 9で調製したマウス由来 a n t i -HEL s c F vフラグメントを含 む p T 7ブルーベクターの N d e I /N o t I処理 DN A断片を、 あらかじめ同 制限酵素により処理しておいた実施例 2の TF f 2にライゲーシヨンすることに より、 TFと s c F Vとの融合タンパク質発現系を構築した。 得られたプラスミ ドを、 実施例 7と同様の方法で大腸菌に組み込み、 そのトランスフォーマントを 取得した。 本菌を実施例 7と同様の方法で培養 ·回収し、 一 20°Cにて凍結保存 した。 得られた菌液を実施例 7と同様の方法で SD S_P AGEに供し、 CB B にて染色した。 比較例 2で示したように、 s c F V単独で発現させた場合には s c F Vは不溶性画分に発現したのに対し、 TFと融合発現させた場合、 可溶性画 分に大量に発現されることがわかった。 CBB染色において、 可溶性画分に発現 した融合タンパク質のバンド密度をデンシトメータで測定した結果、 大腸菌由来 全可溶性タンパク質の約 7 %であった。
(実施例 1 1) マウス由'来 a n t i — HEL s c F vと h FKB P 5 2との融 合タンパク質の発現
実施例 9で調製した T C FKB P 1 8と s c F vとの融合タンパク質発現べク ターを S p e I /N o t I処理し、 s c F vフラグメントを含む DN A断片を調 製した。 あらかじめ同制限酵素により処理しておいた実施例 3の FK5 2 f 2に 上記 DN A断片をライゲーションすることにより、 h FKB P 5 2と s c F vと の融合タンパク質発現系を構築した。 得られたプラスミドを、 実施例 7と同様の 方法で大腸菌に組み込み、 そのトランスフォーマントを取得した。 本菌を実施例 7と同様の方法で培養 ·回収し、 一 2 0°Cにて凍結保存した。 得られた菌液を実 施例 7と同様の方法で SD S— PAGEに供し、 CB Bにて染色した。 h FKB P 5 2と融合発現させた場合、 可溶性画分に大量に発現されることがわかった。 CBB染色において、 可溶性画分に発現した融合タンパク質のバンド密度をデン シトメータで測定した結果、 大腸菌由来全可溶性タンパク質の約 9 °/0であった。
(実施例 1 2) マウス由来 a n t i —HEL s c F vと h C y P 40との融合 タンパク質の発現
実施例 1 1の FK 5 2 f 2の代わりに、 実施例 4で調製した C P 40 ί 2を用 リ
34
いたこと以外は実施例 1 1と同様の方法で h Cy P40と s c F vとの融合タン パク質を発現させた。 CBB染色において、 可溶性画分に発現した融合タンパク 質のバンド密度をデンシトメータで測定した結果、 大腸菌由来全可溶性タンパク 質の約 1 1 %であった。
(実施例 1 3) ヒ ト由来セロトニンレセプターと F k p Aとの融合タンパク質 の発現
7回膜貫通型膜タンパク質の一つであるヒト由来セロ 1、ニンレセプター (HT la レセプター) と大腸菌由来 F k p Aとの融合タンパク質発現系を構築するた めにヒ ト c DNAライブラリーから HT la レセプター遺伝子のクローニングを 行った。 すなわち、 NCB Iコード: HS S ERR 5 1として登録されている塩 基配列情報を元に PCR用のプライマ一を設計し、 ヒ ト c DNAライプラリーを 铸型とした P CRにより、 HT laレセプター遺伝子を増幅した。
HT 1 aのァミノ酸配列を配列番号 1 3に示し、 塩基配列を配列番号 14に示 した。 プライマーには 5 '側に Nd e I制限酵素サイトを、 3' 側に N o t I制 限酵素サイトをそれぞれ設けた。 PCR産物を p T 7ブルー Tベクターに揷入後、 シーケンスが登録情報と相違ないことを確認した。 Nd e I/No t I処理によ り、 HT 1 a遺伝子を含む DNA断片を切断■精製後、 あらかじめ Nd e I ZN o t I処理しておいた実施例 5の F k p A f 2にライゲーションし、 HT 1 a遺 伝子を含むベクターを回収した。 得られた F k p Aと HT 1 aとの融合タンパク 質発現ベクターを実施例 7と同様の方法で大腸菌に組み込み、 そのトランスフォ 一マントを取得した。 本菌を実施例 7と同様の方法で培養 '回収し、 一 20°Cに て凍結保存した。 得られた菌液を超音波破碎後、 3000 r pmにて遠心分離し、 その上清 (可溶性画分) と沈殿部 (沈殿画分) に分画した。 実施例 7と同様の方 法により SD S— PAGEに供し、 クーマシーブリリアントブルー (CBB) に よる染色と、 抗セロトユンレセプター抗体を用いたウェスタンプロッティング法 により、 発現した HT 1 aを特異的に検出した。 その結果、 CBB染色において、 HT 1 aは F k p Aと融合した形態で可溶画分に発現されることが示され、 ゥェ スタンプロッテイングにおいても、 確かに発現していることが確認された。 CB B染色において、 可溶性画分に発現した融合タンパク質のバンド密度をデンシト メータで測定した結果、 大腸菌由来全可溶性タンパク質の約 2 %であつた。
(実施例 14) ヒ ト由来セロ トェンレセプターと S u r Aとの融合タンパク質 の発現
実施例 1 3の F k pA i 2の代わりに、 実施例 6で調製した S u r A f 2を用 いたこと以外は実施例 1 3と同様の方法で S u r Aと HT 1 aとの融合タンパク 質を発現させた。
実施例 7と同様の方法により SDS_ PAGEに供し、 クーマシープリリアン トブルー (CBB) による染色と、 抗セロトニンレセプター抗体を用いたウェス タンプロッティング法により発現した HT 1 aを特異的に検出したところ、 CB B染色において、 HT 1 aは Su r Aと融合した形態で可溶画分に発現されるこ とが示され、 ウェスタンプロッティングにおいても、 確かに発現していることが 確認された。 CBB染色において、 可溶性画分に発現した融合タンパク質のバン ド密度をデンシトメータで測定した結果、 大腸菌由来全可溶性タンパク質の約 2 %であった。
(実施例 1 5) マウス由来 a n t i—HEL s c Fvと T c FKBP 18との 融合タンパク質の精製
実施例 9で得られた可溶性画分を下記の (a) 及び (b) の陰イオン交換クロ マトグラフィー及びゲル濾過の順でカラム精製を繰り返すことにより、 マウス由 来 a n t i -HE L s c F vと T c FKB P 1 8との融合タンパク質をほぼ単 一にまで精製した。 精製の結果得られた融合タンパク質の量は、 培地 1 Lあたり 約 50 m gであった。
(a) D A E To y o p e a r 1 c o l umn 1 6 mm X o 0 c m ; 東ソ一社製)
A液: 25mM HE P E S—KOH 緩衝液 ( p H 6. 8)
B液: 0. 5M Na C lを含む25mM H E P E S— K O H緩衝液 ( p H 6. 8 ) (0— 300分: B液 0— 100%の直線グラジェント、 300— 420分: B液 1 00 %)
流速: 1 m L/分
(b) H i L o a d 26/60 S u p e r d e x 200 p g c o l u m n ( 26 mmX 60 c m ; アマシャムファノレマシア社製)
溶離液: 1 00 mM リン酸ナトリウム緩衝液 (pH7. 0 ; 0. 1 5M N a C 1含有)
流速: 3mL/分
(実施例 1 6 ) 融合タンパク質のトロンビンによる切断
実施例 1 5で精製した融合タンパク質 lmg当たりに、 10Uのトロンビンを 加え、 22°Cにて 1 6時間処理することにより、 融合タンパク質のトロンビンサ イトを切断した。 SD S— PAGEの結果、 融合タンパク質は確かにマウス由来 a n t i -HE L s c F vと T c FKB P 1 8とに切断されたことが確認され た (図 7) 。
(実施例 1 7) EL I SAによるマウス由来 a n t i -HE L s c F vの機能 発現で得られたマウス由来 a n t i -HE L s c F vの機能は、 -ヮトリリ ゾチームを抗原とする EL I S A法において、 1次抗体として機能するか否かで 評価した。 即ち、 96穴プレートに 50 gZmLニヮトリ卵白リゾチーム (H EL) 溶液 1 00 Lを添加し、 30^にて 3時間インキュベーションすること により、 HE Lをプレート上に固定化した。 TB S緩衝液 (pH7. 0) にてプ レートを洗浄後、 ブロックエース (大日本製薬社製) を含む TB S緩衝液でプロ ッキングした (4°C、 オーバーナイト) 。 TB Sにて洗浄後、 実施例 1 6で得ら れたマウス由来 a n t i— HEL s c Fv 24 μ gを含む T B S (10% ブロックエース含有) を用い、 室温にて 3時間インキュベートした。 TB Sにて 洗浄後、 2次抗体として An t i _マウス I g G— HR Pコンジュゲート (フナ コシ社製) を含む TB S緩衝液でインキュベート (2時間、 30°C) した。 TB Sにて洗浄後、 HR Pの基質として AB T S液 (フナコシ社製) 100 z Lを加 え、 30分間インキュベートし、 OD 405を測定した。 得られた結果を図 8に 示した。 プレートに固定した HE L濃度に応じて、 吸光度が増大することから ( ▲) 、 得られた s c F Vが抗原と結合していることが確認された。 一方、 HEL の代わりに同濃度のキモトリブシンインヒビター (口) を用いた場合、 吸光度の 上昇は見られなかつた。 このことは発現して得られた抗体が特異的に抗原に結合 することを示していると思われる。 産業上の利用可能性
本発明は、 上述の構成よりなるので、 これまでバクテリアや酵母、 昆虫細胞等 を用いたタンパク質発現系において問題となつていた封入体の形成を防ぎ、 正常 型タンパク質を可溶性画分に大量に発現させることを可能とする。 これにより、 従来のようにインビトロで封入体を正常型タンパク質にリフォールディングする といった手間が不要となる。

Claims

請求の範囲
1 . ( a ) 分子シャペロン活性を有するポリペプチドをコードする第 1コード領 域、 及び、
( b ) タンパク質をコードする第 2コード領域を挿入することができる少なくと も 1つの制限酵素サイ トを有する領域を含有し、
前記第 1 コード領域は、 プロモーターに有効に連結しており、
前記制限酵素サイトは、 第 1コード領域と同じ解読枠内であって、 前記第 1コー ド領域の下流にある
ことを特徴とする発現ベクター。
2 . ( a ) 分子シャペロン活性を有するポリペプチドをコードする第 1コード領 域、 及び、
' ( b ) タンパク質をコードする第 2コード領域を挿入することができる少なくと も 1つの制限酵素サイ トを有する領域を含有し、
前記制限酵素サイトは、 揷入された前記第 2コード領域がプロモーターに有効に 連結するように配置されており、
前記第 1コード領域は、 前記第 2コード領域と同じ解読枠内にあって、 前記第 2 コード領域の下流にある
ことを特徴とする発現ベクター。
3 . 第 1コード領域と、 第 2コード領域を揷入することができる少なくとも 1つ の制限酵素サイトを有する領域との間にあり、 同じ解読枠内で翻訳されてプロテ ァーゼ消化サイトとなる領域を有することを特徴とする請求の範囲第 1又は 2項 記載の発現ベクター。
4 . 請求の範囲第 1、 2又は 3項記載の発現ベクターにタンパク質をコードする 第 2コード領域が組み込まれていることを特徴とする発現ベクター。
5. 分子シャペロン活性を有するポリペプチドは、 分子シャペロン活性を有する P P I a s eであることを特徴とする請求の範囲第 1、 2、 3又は 4項記載の発 現ベクター。
6. 分子シャペロン活性を有する P P I a s eは、 FKB P型 P P I a s eであ ることを特徴とする請求の範囲第 5項記載の発現ベクター。
7. 分子シャペロン活性を有する P P I a s eは、 シクロフイリン型 P P I a s eであることを特徴とする請求の範囲第 5項記載の発現ベクター。
8. 分子シャペロン活性を有する P P I a s eは、 パープリン型 P P I a s eで あることを特徴とする請求の範囲第 5項記載の発現ベクター。
9. FKBP型 PP I a s eは、 古細菌由来 F KB P型 P P I a s eであること を特徴とする請求の範囲第 6項記載の発現ベクター。
10. 古細菌由来 FKB P型 P P I a s eは、 ショートタイプ FKBP型 P P I a s eであることを特徴とする請求の範囲第 9項記載の発現ベクター。
1 1. 分子シャペロン活性を有する P P I a s eは、 古細菌由来 FKB P型 P P I a s eの I Fドメイン、 及び Z又は、 C末端ドメインを含有していることを特 徴とする請求の範囲第 5、 6、 7又は 8項記載の発現ベクター。
1 2. FKB P型 P P I a s eは、 トリガーファクタータイプ P P I a s eであ ることを特徴とする請求の範囲第 6項記載の発現ベクター。
1 3. 分子シャペロン活性を有する PP I a s eは、 トリガーファクタータイプ P P I a s eの N末端ドメイン、 及ぴ Z又は、 C末端ドメインを含有しているこ とを特徴とする請求の範囲第 5、 6、 7又は 8項記載の発現ベクター。
14. FKB P型 P P I a s eは、 F k p Aタイプ P P I a s eであることを特 徴とする請求の範囲第 6項記載の発現ベクター。
15. 分子シャペロン活性を有する P P I a s eは、 F k p Aタイプ P P I a s eの N末端ドメインを含有していることを特徴とする請求の範囲第 5、 6、 7又 は 8項記載の発現ベクター。
16. F KB P型 P P I a s eは、 F K B P 52タイプ P P I a s eであること を特徴とする請求の範囲第 6項記載の発現べクタ一。
17. 分子シャぺ口ン活性を有する P P I a s eは、 FKBP 5 2タイプ P P I a s eの C末端ドメインを含有していることを特徴とする請求の範囲第 5、 6、 7又は 8項記載の発現ベクター。
18. シクロフイリン型 P P l a s eは、 Cy P 40タイプ P P I a s eである ことを特徴とする請求の範囲第 7項記載の発現ベクター。
1 9. 分子シャぺ口ン活性を有する P P I a s eは、 Cy P40タイプ PP I a s eの C末端ドメインを含有していることを特徴とする請求の範囲第 5、 6、 7 又は 8項記載の発現ベクター。
20. パープリン型 P P I a s eは、 S u r Aタイプ PP I a s eであることを 特徴とする請求の範囲第 8項記載の発現ベクター。
21. 分子シャぺ口ン活性を有する PP I a s eは、 S u rAタイプ P P I a s eの N末端ドメインを含有していることを特徴とする請求の範囲第 5、 6、 7又 は 8項記載の発現ベクター。
22. 第 2コード領域は、 モノクローナル抗体をコードする塩基配列を有するこ とを特徴とする請求の範囲第 4、 5、 6、 7、 8、 9、 10、 1 1、 1 2、 1 3 、 14、 15、 1 6、 1 7、 1 8、 1 9、 20又は 21項記載の発現ベクター。
23. 第 2コード領域は、 膜タンパク質をコードする塩基配列を有することを 特徴とする請求の範囲第第 4、 5、 6、 7、 8、 9、 10、 1 1、 1 2、 1 3、 14、 1 5、 1 6、 1 7、 1 8、 1 9、 20又は 2 1項記載の発現ベクター。
24. 請求の範囲第 1、 2、 3、 4、 5、 6、 7、 8、 9、 10、 1 1、 1 2、 1 3、 14、 1 5、 1 6、 1 7、 1 8、 19、 20、 21、 22又は 23項記載 の発現ベクターを内包していることを特徴とする宿主。
25. 大腸菌であることを特徴とする請求の範囲第 24項記載の宿主。
26. 分子シャペロン活性を有するポリペプチド及び第 2コード領域がコードす るタンパク質を含有することを特徴とする融合タンパク質。
27. プロテアーゼ消化サイトを含有することを特徴とする請求の範囲第 26項 記載の融合タンパク質。
28. 分子シャペロン活性を有するポリべプチド及ぴ第 2コード領域がコードす るタンパク質を含有する融合タンパク質を製造する方法であって、
請求の範囲第 4、 5、 6、 7、 8、 9、 10、 1 1、 1 2、 1 3、 14、 1 5、 16、 1 7、 1 8、 1 9、 20、 2 1、 22又は 23項記載の発現ベクターを内 包する宿主を、 前記発現ベクターの発現条件下で培養し、 前記融合タンパク質を 細胞質に発現させることを特徴とする融合タンパク質の製造方法。
29. 分子シャペロン活性を有するポリペプチド及び第 2コード領域がコードす るタンパク質を含有する融合タンパク質を製造する方法であって、 請求の範囲第 4、 5、 6、 7、 8、 9、 10、 1 1、 1 2、 1 3、 14、 1 5、 1 6、 1 7、 1 8、 1 9、 20、 2 1、 22又は 23項記載の発現ベクターの第 1コード領域の 5 ' 末端又は第 2コード領域の 5, 末端に転写及び翻訳されてシ グナル配列となる領域を設けて、 前記発現ベクターを内包する宿主を、 前記発現 ベクターの発現条件下で培養し、 前記融合タンパク質をペリブラズム又は培地に 発現させることを特徴とする融合タンパク質の製造方法。
30. 分子シャペロン活性を有するポリペプチド及び第 2コード領域がコードす るタンパク質を含有する融合タンパク質を製造する方法であって、
請求の範囲第 4、 5、 6、 7、 8、 9、 10、 1 1、 1 2、 1 3、 14、 1 5、 1 6、 1 7、 1 8、 1 9、 20、 2 1、 22又は 23項記載の発現ベクターに、 無細胞翻訳系において、 前記融合タンパク質を発現させることを特徴とする融合 タンパク質の製造方法。 3 1, P P I a s e活性を阻害するマクロライド、 シクロスポリン、 ジュグロン 、 又は、 これらの類縁化合物を担持した担体に、 融合タンパク質を吸着させた後 、 前記担体を回収することを特徴とする請求の範囲第 28、 29又は 30項記載 の融合タンパク質の製造方法。 3 2. 第 2コード領域がコードするタンパク質を製造する方法であって、 請求の 範囲第 28、 29、 30又は 31項記載の方法で得られた融合タンパク質をプロ テアーゼ消化サイトを消化するプロテアーゼで消化することを特徴とするタンパ ク質の製造方法。 Throm-F2
Spel Bamm Ndel Ecom
Figure imgf000044_0001
2/ 5
I kDa
■ 94
67
43 ■ 30
TcFKBPlS►
■ 20.1 14.4
S:可溶画分
I:封入体画分
差換え用紙 (規則 26) 3/5 図 3
S P kDa S P kDa
136
84 84
Fusion protein > Fusion protein > !41 Fab ■^31.7 Fab> 31.7
18.9
^18.9
47.5
47.5
CBB ウェスタン
S:可溶画分 P:沈殿画分 図 4
Fusion Dro
Figure imgf000046_0001
CBB ウェスタン
S:可溶画分 P:沈殿画分 差換え用紙(規則 26) 4/ 5 図 5
S P kDa S P
kDa
36
84
ί
Fusion protein > Fusion protein > ; 41
Fab :4 31.7
4 31.7 Fab 18.9
8.9
7.5
1 7.5
CBB ウェスタン
S:可溶画分 P:沈殿画分 図 6
S P S P S P kDa
4 94
67
43
Fusion protein >
30
scFv > -
4 20.1 14.4
TcFKBP18>
A B C
S:可溶画分 P:沈殿画分
差換え用紙- (規則 26) 5/5 図 7 qqvjos一 Thrombin
+ kDa
•HI 4
67
Fusion protein > - * 43 scFv 30 20.1
TcFKBP18> 14.4
図 8
Figure imgf000048_0001
Concentration of antigen (4g/ml)
差換え用弒 (規則 26)
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