明 細 書 新規スクリーニング方法 技術分野
本発明は、 G蛋白質共役型レセプター蛋白質 (F P R L 1または F P R L 2 ) の新規用途に関する。 背景技術
多くのホルモンや神経伝達物質などの生理活性物質は、 細胞膜に存在する特 異的なレセプター蛋白質を通じて生体の機能を調節している。 これらのレセプ ター蛋白質のうち多くは共役してレヽる guanine nucleotide- binding protein ( 以下、 G蛋白質と略称する場合がある) の活性化を通じて細胞内のシグナル伝 達を行ない、 また、 7個の膜貫通領域を有する共通した構造をもっていること から、 G蛋白質共役型レセプタ一蛋白質あるいは 7回膜貫通型レセプター蛋白 質 (7 TMR) と総称される。
G蛋白質共役型レセプター蛋白質は生体の細胞や臓器の各機能細胞表面に存 在し、 それら細胞や臓器の機能を調節する分子、 例えば、 ホルモン、 神経伝達 物質おょぴ生理活性物質等の槔的として生理的に重要な役割を担っている。 レ セプターは生理活性物質との結合を介してシグナルを細胞内に伝達し、 このシ グナルにより細胞の賦活ゃ抑制といった種々の反応が惹起される。
各種生体の細胞や臓器の内の複雑な機能を調節する物質と、 その特異的レセ プター蛋白質、 特には G蛋白質共役型レセプター蛋白質との関係を明らかにす ることは、 各種生体の細胞や臓器の機能を解明し、 それら機能と密接に関連し た医薬品開発に非常に重要な手段を提供することとなる。
例えば、 生体の種々の器官では、 多くのホルモン、 ホルモン様物質、 神経伝 達物質あるいは生理活性物質による調節のもとで生理的な機能の調節が行なわ れている。 特に、 生理活性物質は生体内の様々な部位に存在し、 それぞれに対 応するレセプター蛋白質を通してその生理機能の調節を行っている。 生体内に
は未知のホルモンや神経伝達物質その他の生理活性物質も多く、 それらのレセ プター蛋白質の構造に関しても、 これまで報告されていないものが多い。 さら に、 既知のレセプター蛋白質においてもサブタイプが存在するかどうかについ ても分かっていないものが多い。
生体における複雑な機能を調節する物質と、 その特異的レセプター蛋白質と の関係を明らかにすることは、 医薬品開発に非常に重要な手段である。 また、 レセプター蛋白質に対するァゴニスト、 アンタゴニストを効率よくスクリー二 ングし、 医薬品を開発するためには、 生体内で発現しているレセプター蛋白質 の遺伝子の機能を解明し、 それらを適当な発現系で発現させることが必要であ つた。
近年、 生体内で発現している遺伝子を解析する手段として、 cDNAの配列 をランダムに解析する研究が活発に行なわれており、 このようにして得られた c DN Aの断片配歹が Expressed Sequence Tag (EST) としてデータベース に登録され、 公開されている。 しかし、'多くの ESTは配列情報のみであり、 その機能を推定することは困難である。
ォーファン G蛋白質共役型レセプター蛋白質の 1つとして、 ヒト FPRL 1 が知られている (J. Biol. Chem. 267(11), 7637-7643(1992)) 。 FPRL 1の ァゴニストとしては、 これまでにバクテリア由来の f ML F、 H I V由来の g p 41あるいは g p l 20の部分べプチド、 プリオンの部分べプチド、 内因性 の物質としては Aj342、 An n e X i n Iの部分ペプチド、 A c u t e p h a s e p r o t e i n、 hCAP 18、 NADH d e hy d r o g e n a s eなどの部分ペプチド、 脂質であるリポキシン A4などが報告されている ( Immunopharmacol. 2卷、 1 - 13頁、 2002年) 。
アルツハイマー病 (Alzheimer' s disease) は進行性痴呆および認知能力の 失調を伴う神経変性疾患の代表的なものであるが、 れまでに効果的な治療法 は見出されていない。 アルツハイマー病は高齢ィ匕社会を迎えつつある現在にお いて最も重要な疾患の一つであることは言うまでもなくその治療薬の開発は医 療経済的にも極めて大きな意義を有する。
最近、 橋本らは、 アルツハイマー病患者の後頭葉に病変が少ないことに着目
して 「デス · トラップ」 法 (L. D' Adamioら、 Semin. Immunol.、 9卷、 17 - 23頁 、 1997年) により家族性アルツハイマー病の原因遺伝子を導入した神経細胞の 細胞死を抑制する遺伝子を後頭葉よりクローエングした(Pro Natl. Acad. Sci. USA、 98巻、 6336— 6341頁、 2001年) 。 この遺伝子は、 h u m a n i n (WO 01/21787) と名付けられた 24残基からなるペプチド をコードしており、 合成 hum a n i nペプチドは、 家族性アルツハイマー病 遺伝子を導入した神経細胞死を抑制したのみならず、 アルツハイマー病の原因 である可能性があると考えられている ]3アミロイド添加によって誘導される神 経細胞死をも抑制した。 h uma n i nは細胞外に分泌され、 神経細胞に作用 して細胞死を抑制するものと考えられているが、 その受容体は明らかにされて いなかった。
Αβ 42が F PRL 1のァゴニストであり、 FPRL 1を介して走化性を示 すこと、 および、 アルツハイマー病の特徴病変である老人班に F P R L 1が集 積していることが報告されている。 これらのことより、 FPRL 1とアルッハ イマ一病で見られる炎症反応との関連性が示唆されている (The Journal of Neuroscience, 2001, Vol.21 RC123) 。
A]342が FPRL 1を介してマクロファージ細胞内に取り込まれることに より、 繊維素凝集 (アミロイド様沈着) を形成することも報告されている (The FASEB Journal, Vol.15 November 2001, 2454-2462) 。
さらに、 ォーファン G蛋白質共役型レセプター蛋白質の 1つとして、 マウス FPRL2が知られている (Genomics 13 (2), 437-440 (1992)) 。
ヒト FPRL2と fMLF ( f o r my 1 -Me t-L e u-Ph e) のレ セプターである F PR 1との相同性が大きいが、 ヒト FPRL 2は fMLFと 反応しないことが報告されている。 また、 F PR L 2は単球に発現が認められ たが、 F P R 1および F PRL 1の発現が認められた好中球には発現が認めら れなカつたこと力幸艮告されてレヽる (Biochem. Biophys. Res. Commun. , 1994 May 30;201(1):174-9) 。
W-P e p t i d e (Trp- Lys- Tyr- Met- Va卜 Met- NH2) が FPRL 1および F PRL 2のァゴニストであり、 F PRL 2が単球で高発現していることが報告
されている (J. Biol. Chem. 276(24), 21585-21593(2001)) 。
へリコパクターピロリ由来ペプチド Hp (2— 20) が F PRL 2のァゴ- ストであり、 FPRL 1/FPRL 2を介して単球を活个生ィ匕することが報告さ れている (J. Clin. Invest. , 2001 Oct ;108 (8) :1221 - 8) 。
抗原提示細胞の一種である樹状細胞 (成熟型、 未成熟型) に機能を保持した F PRL 2が発現しており、 樹状細胞の t r a f f i c k i n g (輸送) を制 御しているのではないかと報告されている。 (J. Leukoc. Biol., 2002 Sep;72 (3) :598-607) 。
ラット型 h um a n i nが神経保護活性を有することが記載されている (The FASEB Journal, Vol.16, August 2002, 1331—1333) 。
従来、 G蛋白質共役型レセプターと生理活性物質 (すなわち、 リガンド) と の結合を阻害する物質や、 結合して生理活性物質 (すなわち、 リガンド) と同 様なシグナル伝達を引き起こす物質は、 これらレセプターの特異的なアンタゴ ニストまたはァゴニストとして、 生体機能を調節する医薬品として活用されて きた。 従って、 G蛋白質共役型レセプター蛋白質の特異的リガンドを決定する ことは、 医薬品開発の標的ともなりうるァゴニスト、 アンタゴニストを見出す 際に、 非常に重要な手段となる。
し力 し、 現時点でもなお、 機能未知の G蛋白質共役型レセプター、 また対応 するリガンドが同定されていない、 いわゆるォーファンレセプターが多数存在 しており、 G蛋白質共役型レセプターのリガンド探索および機能解明が切望さ れている。
G蛋白質共役型レセプターは、 そのシグナル伝達作用を指標とする、 新たな 生理活个生物質 (すなわち、 リガンド) の探索、 また、 該レセプターに対するァ ゴニストまたはアンタゴニストの探索に有用である。 これら該レセプターに対 するリガンド、 ァゴニストまたはアンタゴニストなどは、 G蛋白質共役型レセ プターの機能不全や機能亢進に関連する疾患の予防 ·治療薬や診断薬として活 用することが期待できる。
さらにまた、 G蛋白質共役型レセプターの遺伝子変異に基づく、 生体での該 レセプターの機能の低下または昂進が、 何らかの疾患の原因となっている場合
も多い。 この場合には、 該レセプターに対するアンタゴェストやァゴ-ストの 投与だ、けでなく、 該レセプター遺伝子の生体内 (またはある特定の臓器) への 導入や、 該レセプター遺伝子に対するアンチセンス核酸の導入による、 遺伝子 治療に応用することもできる。 この場合には該レセプターの塩基配列は遺伝子 上の欠失や変異の有無を調べるために必要不可欠な情報であり、 該レセプター の遺伝子は、 該レセプターの機能不全に関与する疾患の予防 ·治療薬や診断薬 に応用することもできる。
本発明は、 ォーファン G蛋白質共役型レセプター蛋白質である F PRL 1ま たは F PRL 2に対するリガンドの決定、 および FPRL 1または FPRL2 · とリガンドである h uma n i nの用途に関する。 すなわち、 本発明は、 hu ma n i nと FPRL 1または FPRL 2との結合性を変化させる化合物 (ァ ンタゴ二スト、 ァゴニスト) またはその塩のスクリーニング方法、 該スク 'リー ユング用キット、 該スクリーユング方法もしくはスクリーニングキットを用い て得られうる h uma n i nと FPRL lまたは F PRL 2との結合性を変化 させる化合物 (アンタゴニスト、 ァゴニスト) またはその塩、 および hum a n i nと FPRL lまたは FPRL 2との結合性を変化させる化合物 (アンタ ゴニス ト、 ァゴニスト) もしくは FPRL 1または FPRL 2の発現量を変化 させる化合物またはその塩を含有してなる医薬などを提供することを目的とす る。 ' 発明の開示
本発明者らは、 上記の課題を解決するために、 鋭意研究を重ねた結果、 FP RL 1および F PRL 2のリガンドが h uma n i nまたはその塩であること を見出した。 本発明者らは、 これらの知見に基づいて、 さらに研究を重ねた結 果、 本発明を完成するに至った。
すなわち、 本発明は、
〔 1〕 ( 1 ) 配列番号: 1 (ヒ ト FPRL 1) 、 配列番号: 10 (ラット F P RL 1) 、 配列番号: 12 (マウス F PRL 2) または配列番号: 14 (ヒ ト FPRL 2) で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ
酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質、 その部分べプチドまたは その塩おょぴ (2) h uma n i nまたはその塩を用いることを特徴とする該 レセプター蛋白質またはその塩と h uma n i nまたはその塩との結合性また はシグナル伝達を変化させる化合物またはその塩のスクリ一二ング方法、 〔2〕 huma n i iiカ、
(1) 配列番号: 3で表されるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミ ノ酸配列を含有するポリべプチドまたはその塩、
(2) 配列番号: 3で表されるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミ ノ酸配列中の連続する 6〜20個のアミノ酸からなるぺプチドまたはその塩、 または
(3) 配列番号: 7で表されるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミ ノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩である上記 〔1〕 記載のスクリ 一ユング方法、
し 3 j h u m,a n i n力
(1) a) 配列番号: 3で表されるアミノ酸配列、 b) 配列番号: 3で表され るァミノ酸配列中の 1〜 10個のァミノ酸が欠失したァミノ酸配列、 c ) 配列 番号: 3で表されるアミノ酸配列に 1〜10個のアミノ酸が付カ卩したアミノ酸 配列、 d) 配列番号: 3で表されるアミノ酸配列中の 1〜 5個のアミノ酸が他 のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、 または e) これらの欠失 ·付加 '置換 を組み合わせたアミノ酸配列からなるポリべプチドまたはその塩、
(2) a) 配列番号: 4で表されるアミノ酸配列、 b) 配列番号: 4で表され るアミノ酸配列中の 1〜10個のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、 c) 配列 番号: 4で表されるアミノ酸配列に 1〜10個のアミノ酸が付カ卩したアミノ酸 配列、 d ) 配列番号: 4で表されるァミノ酸配列中の 1〜 5個のァミノ酸が他 のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、 または e) これらの欠失 '付加 '置換 を組み合わせたァミノ酸配列からなるポリぺプチドまたはその塩、
(3) a) 配列番号: 8で表されるアミノ酸配列、 b) 配列番号: 8で表され るァミノ酸配列中の 1〜 10個のァミノ酸が欠失したァミノ酸配列、 c ) 配列 番号: 8で表されるアミノ酸配列に 1〜10個のアミノ酸が付カ卩したアミノ酸
P T/JP03/07500
7 配列、 d) 配列番号: 8で表されるアミノ酸配列中の 1 5個のアミノ酸が他 のアミノ酸で置換されたアミノ酸配歹 IJ、 または e) これらの欠失 ·付加 '置換 を組み合わせたアミノ酸配列からなるポリべプチドまたはその塩、 . (4) a) 配列番号: 3、 配列番号: 4または配列番号: 8で表されるァミノ 酸配列の第 1 9番目〜 24番目、 第 5番目〜 24番目、 第 1番目〜 20番目、 第 5番目〜 20番目もしくは第 5番目〜 2 1番目のアミノ酸配列、 b) 該アミ ノ酸配列中の 1 6個のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、 c) 該アミノ酸配 列に 1 6個のアミノ酸が付カ卩したアミノ酸配列、 d) 該アミノ酸配列中の 1 6個のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、 e) またはこれ らの欠失 ·付加 ·置換を組み合わせたァミノ酸配列からなり、 ァミノ酸の数が 6 20個であるペプチド (ただし、 配列番号: 5で表されるアミノ酸配列の 第 1 9番目〜 24番目、 第 5番目〜 24番目、 第 1番目〜 20番目、 第 5番目 20番目または第 5番目〜 2 1番目のアミノ酸配列からなるペプチドを除く ) またはその塩、 または
(5) a) 配列番号: 7で表されるァミノ酸配列、 b ) 配列番号: 7で表され るァミノ酸配列中の 1 1 0個のァミノ酸が欠失したァミノ酸配列、 c ) 配列 番号: 7で表されるアミノ酸配列に 1 1 0個のアミノ酸が付カ卩したアミノ酸 配列、 d ) 配列番号: 7で表されるァミノ酸配列中の 1 1 0個のアミノ酸が 他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、 または e) これらの欠失 ·付加 '置 換を組み合わせたアミノ酸配列からなるポリべプチドまたはその塩である上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法、
し 4〕 h uma n i n力、
(1) 配列番号: 3で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはその 塩、
(2) 配列番号: 4で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはその
(3) 配列番号: 6で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはその 塩、
(4) 配列番号: 7で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはその
塩、
(5) 配列番号: 8で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはその 塩、
( 6 ) 配列番号: 9で表されるァミノ酸配列からなるポリぺプチドまたはその 塩、 または
(7) 配列番号: 3、 配列番号: 4または配列番号: 8で表されるアミノ酸配 歹 IJの第 19番目〜 24番目、 第 5番目〜 24番目、 第 1番目〜 20番目、 第 5 番目〜 20番目もしくは第 5番目〜 21番目のアミノ酸配列からなるペプチド またはその塩、
である上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法、
〔5〕 huma n i nの N末端メチォニン残基のァミノ基がホルミルィ匕されて いる上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法、
〔6〕 huma n i nが、 N末端メチォニン残基のァミノ基がホルミルィヒされ ている配列番号: 3、 配列番号: 4、 配列番号: 6、 配列番号: 7、 配列番号 : 8または配列番号: 9で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドまたは その塩である上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法、
〔7〕 (1) 配列番号: 1、 配列番号: 10、 配列番号: 1 2または配列番号
: 14で表わされるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列 を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質、 その部分べプチドまたはその塩 および (2) huma n i nまたはその塩を含有することを特徴とする該レセ プター蛋白質またはその塩と huma n i nまたはその塩との結合性またはシ グナル伝達を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
〔8〕 上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法または上記 〔7〕 記載のスクリー ユング用キットを用いて得られうる、 huma n i nまたはその塩と配列番号 : 1、 配列番号: 10、 配列番号: 12または配列番号: 14で表わされるァ ミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有する G蛋白質共 役型レセプター蛋白質まだはその塩との結合性またはシグナル伝達を変化させ る化合物またはその塩、
〔9] ァゴ-ス トである上記 〔8〕 記載の化合物、
〔1 0〕 アンタゴニストである上記 〔8〕 記載の化合物、
〔1 1〕 h u m a n i nまたはその塩と配列番号: 1、 配列番号: 1 0、 配列 番号: 1 2または配列番号: 1 4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実 質的に同一のアミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質または その塩との結合性またはシグナル伝達を変化させる化合物またはその塩を含有 してなる医薬、
〔1 2〕 配列番号: 1、 配列番号: 1 0、 配列番号: 1 2または配列番号: 1 4で表わされるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含 有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩に対するァゴ-ストを含 有してなる神経変性疾患もしくは脳機能障害の予防 ·治療剤、
〔1 3〕 アルツハイマー病、パーキンソン病、 ダウン症、筋萎縮性側索硬化症、 プリオン病、 クロイツフェルト一ヤコブ病、 ハンチントン舞踏病、 糖尿病性二 ユーロパチ一、 多発性硬化症、脳梗塞、脳出血、 クモ膜下出血、虚血性脳疾患、 硬膜外血腫または硬膜下血腫の予防 ·治療剤である上記 〔1 2〕 記載の予防- 治療剤、
〔1 4〕 配列番号: 1、 配列番号: 1 0、 配列番号: 1 2または配列番号: 1 4で表わされるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミ'ノ酸配列を含 有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩に対するァゴ-ストを含 有してなる細胞死抑制剤、
〔1 5〕 配列番号: 1、 配列番号: 1 0または配列番号: 1 4で表されるアミ ノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有する G蛋白質共役 型レセプター蛋白質もしくはその部分べプチドまたはその塩を含有してなる神 経変性疾患もしくは脳機能障害の予防 ·治療剤、
〔1 6〕 アルツハイマー病、パーキンソン病、 ダウン症、筋萎縮性側索硬化症、 プリオン病、 クロイツフェルト一ヤコブ病、 ハンチントン舞踏病、 糖尿病性ェ ユーロバチ一、 多発性硬化症、脳梗塞、脳出血、 クモ膜下出血、虚血性脳疾患、 硬膜外血腫または硬膜下血腫の予防 ·治療剤である上記 〔1 5〕 記載の予防. 治療剤、
〔1 7〕 配列番号: 1、 配列番号: 1 0、 配列番号: 1 2または配列番号: 1
4で表されるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有 する G蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩 を含有してなる細胞死抑制剤、
〔1 8〕 配列番号: 1、 配列番号: 1 0、 配列番号: 1 2または配列番号: 1 4で表されるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有 する G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその部分ぺプチド'をコードするポ リヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを含有してなる神経変性疾患もし くは脳機能障害の予防 ·治療剤、
〔1 9〕 アルツハイマー病、パーキンソン病、 ダウン症、筋萎縮性側索硬化症、 プリオン病、 クロイツフェルト一ヤコブ病、 ハンチントン舞踏病、 糖尿病性- ユーロバチ一、多発性硬ィヒ症、脳梗塞、脳出血、 クモ膜下出血、虚血性脳疾患、 硬膜外血腫または硬膜下血腫の予防 ·治療剤である上記 〔1 8〕 記載の予防' 治療剤、
〔2 0〕 配列番号: 1、 配列番号: 1 0、 配列番号: 1 2または配列番号: 1 4で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有 する G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその部分べプチドをコ一ドするポ リヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを含有してなる細胞死抑制剤、 〔2 1〕 配列番号: 1、 配列番号: 1 0、 配列番号: 1 2または配列番号: 1 4で表されるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有 する G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプチドをコードするポ リヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを含有してなる神経変性を伴う疾 病の診断剤、
〔2 2〕 アルツハイマー病、パーキンソン病、 ダウン症、筋萎縮性側索硬化症、 プリオン病、 クロイツフェルト一ヤコプ病、 ハンチントン舞踏病、 糖尿病性二 ユーロパチ一、多発性硬化症、脳梗塞、脳出血、 クモ膜下出血、虚血性脳疾患、 硬膜外血腫または硬膜下血腫の診断剤である上記 〔2 1〕 記載の診断剤、
〔2 3〕 配列番号: 1、 配列番号: 1 0、 配列番号: 1 2または配列番号: 1 4で表されるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有 する G蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくはその部分べプチドまたはその塩
に対する抗体を含有してなる神経変性を伴う疾病の診断剤、
〔2 4〕 ァノレツハイマー病、パーキンソン病、 ダウン症、筋萎縮性側索硬化症、 プリオン病、 クロイツフェルト一ヤコプ病、 ハンチントン舞踏病、 糖尿病性- ユーロパチ一、多発性硬化症、脳梗塞、脳出血、 クモ膜下出血、虚血性脳疾患、 硬膜外血腫または硬膜下血腫の診断剤である上記 〔2 3〕 記載の診断剤、
〔2 5〕 配列番号: 1、 配列番号: 1 0、 配列番号: 1 2または配列番号: 1 4で表されるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有 する G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプチドをコードするポ リヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを用いることを特徴とする当該 G 蛋白質共役型レセプター蛋白質の発現量を増加し、 神経変性疾患もしくは脳機 能障害を予防 ·治療する化合物またはその塩のスクリ一二ング方法、
〔2 6〕 配列番号: 1、 配列番号: 1 0、 配列番号: 1 2または配列番号: 1 4で表されるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有 する G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその部分べプチドをコ一ドするポ リヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを含有してなる当該 G蛋白質共役 型レセプター蛋白質の発現量を増加し、 神経変性疾患もしくは脳機能障害を予 防 ·治療する化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
〔2 7〕 上記 〔2 5〕 記載のスクリーニング方法または上記 〔2 6〕 記載のス クリーユング用キットを用いて得られうる配列番号: 1で表されるアミノ酸配 列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセ プター蛋白質またはその部分ペプチドの発現量を増加し、 神経変性疾患もしく は脳機能障害を予防 ·治療する化合物またはその塩、
〔2 8〕 配列番号': 1、 配列番号: 1 0、 配列番号: 1 2または配列番号: 1 4で表されるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有 する G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその部分べプチドの発現量を増加 する化合物またはその塩を含有してなる神経変性疾患もしくは脳機能障害の予 防 ·治療剤、
〔2 9〕 ァノレツハイマー病、パーキンソン病、 ダウン症、筋萎縮性側索硬化症、 プリオン病、 クロイツフェルト一ヤコブ病、 ハンチントン舞踏病、 糖尿病性-
ユーロパチ一、多発性硬化症、脳梗塞、脳出血、 クモ膜下出血、虚血性脳疾患、 硬膜外血腫または硬膜下血腫の予防 ·治療剤である上記 〔2 8〕 記載の予防 · 治療剤、
〔3 0〕 配列番号: 1、 配列番号: 1 0、 配列番号: 1 2または配列番号: 1 4で表されるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有 する G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその部分べプチドをコードするポ リヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを用いることを特徴とする当該 G 蛋白質共役型レセプター蛋白質の発現量を増加し、 細胞死を抑制する化合物ま たはその塩のスクリーニング方法、
〔3 1〕 配列番号: 1、 配列番号: 1 0、 配列番号: 1 2または配列番号: 1 4で表されるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有 する G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその部分べプチドをコ一ドするポ リヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを含有してなる当該 G蛋白質共役 型レセプター蛋白質の発現量を増加し、 細胞死を抑制する化合物またはその塩 のスクリーニング用キット、
〔3 2〕 上記 〔3 0〕 記載のスクリーニング方法または上記 〔3 1〕 記載のス クリーニング用キットを用いて得られうる配列番号: 1、 配列番号: 1 0、 配 列番号: 1 2または配列番号: 1 4で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実 質的に同一のアミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質または その部分ペプチドの発現量を増加し、 細胞死を抑制する化合物またはその塩、 〔3 3〕 配列番号: 1、 配列番号: 1 0、 配列番号: 1 2または配列番号: 1 4で表されるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有 する G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプチドの発現量を増加 する化合物またはその塩を含有してなる細胞死抑制剤、
〔3 4〕 ( 1 ) 配列番号: 1、 配列番号: 1 0、 配列番号: 1 2または配列番 号: 1 4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸酉己 列を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質、 その部分ペプチドまたはその 塩おょぴ (2 ) h u m a n i nまたはその塩と該レセプター蛋白質またはその 塩との結合性またはシグナル伝達を変化させる化合物またはその塩を用いるこ
とを特徴とする該レセプター蛋白質またはその塩に対するァゴニストまたはァ ンタゴ二ストのスクリーニング方法、
〔3 5〕 試験化合物を配列番号: 1、 配列番号: 1 0または配列番号: 1 2で 表されるアミノ酸配列と同一もし.くは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質を含有する細胞に接触させた場合における細 胞内 c AM P生成抑制活性を測定することを特徴とする該レセプター蛋白質ま たはその塩に対するァゴニストのスクリーニング方法、
〔3 6〕 哺乳動物に対して、 ①配列番号: 1、 配列番号: 1 0、 配列番号: 1 2または配列番号: 1 4で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一 のアミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質、 その部分べプチ ドまたはその塩、 ②配列番号: 1、 配列番号: 1 0、 配列番号: 1 2または配 列番号: 1 4で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸 配列を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプチドをコ 一ドするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、 または③配列番号: 1、 配列番号: 1 0、 配列番号: 1 2または配列番号: 1 4で表されるァミノ 酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型 レセプター蛋白質またはその塩に対するァゴニストの有効量を投与することを 特徴とする (i ) 神経変性疾患もしくは脳機能障害の予防 ·治療方法、 (ii) アルツハイマー病、 パーキンソン病、 ダウン症、 筋萎縮性側索硬化症、 プリオ ン病、 クロイツフェルト一ヤコブ病、 ハンチントン舞踏病、 糖尿病性-ユーロ パチ一、 多発性硬化症、 脳梗塞、 脳出血、 クモ膜下出血、 虚血性脳疾患、 硬膜 外血腫または硬膜下血重の予防 ·治療方法または (iii) 細胞死抑制方法、
〔3 7〕 ( i ) 神経変性疾患もしくは脳機能障害の予防 ·治療剤、 (ii) アル ッハイマー病、パーキンソン病、 ダウン症、筋萎縮性側索硬化症、プリオン病、 ク口イツフェルト一ヤコブ病、ハンチントン舞踏病、糖尿病性ニューロパチ^"、 多発性硬化症、 脳梗塞、 脳出血、 クモ膜下出血、 虚血性脳疾患、 硬膜外血腫ま たは硬膜下血腫の予防 ·治療剤または (iii) 細胞死抑制剤を製造するための① 配列番号: 1、 配列番号: 1 0、 配列番号: 1 2または配列番号: 1 4で表さ
れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有する G蛋 白質共役型レセプター蛋白質、 その部分ペプチドまたはその塩、 ②配列番号: 1、 配列番号: 1 0、 配列番号: 1 2または配列番号: 1 4で表されるァミノ 酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型 レセプター蛋白質またはその部分べプチドをコ一ドするポリヌクレオチドを含 有するポリヌクレオチド、 または③配列番号: 1、 配列番号: 1 0、 配列番号 : 1 2または配列番号: 14で表されるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に 同一のアミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質に対するァゴ エストの使用、
〔38〕 N末端メチォニン残基のァミノ基がホルミル化されている h uma n i nまたはその塩、
〔39〕 N末端メチォニン残基のァミノ基がホルミルイ匕されている配列番号: 3、 配列番号: 4、 配列番号: 6、 配列番号: 7、 配列番号: 8または配列番 号: 9で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはその塩である上記 〔38〕 記載の h uma n i nまたはその塩、
〔40〕 配列番号: 6 (ヒト h uma n i n (1— 2 1) ) または配列番号: 9 (ラット h uma n i n (1— 2 1) ) で表されるアミノ酸配列からなるポ リペプチドまたはその塩、
〔4 1〕 上記 〔38〕 記載の h uma n i nもしくはその塩または上記 〔 40 〕 記載のポリペプチドもしくはその塩を含有してなる医薬、
〔42〕 神経変性疾患もしくは脳機能障害の予防 ·治療剤である上記 〔4 1〕 記載の医薬、
〔43〕 アルツハイマー病、パーキンソン病、 ダウン症、筋萎縮性側索硬化症、 プリオン病、 クロイツフェルト一ヤコブ病、 ハンチントン舞踏病、 糖尿病性- ユーロバチ一、 多発性硬化症、脳梗塞、脳出血、 クモ膜下出血、虚血性脳疾患、 硬膜外血腫または硬膜下血腫の予防 ·治療剤である上記 〔4 1〕 記載の医薬、
〔44〕 細胞死抑制剤である上記 〔41〕 記載の医薬、
•〔45〕 哺乳動物に対して、 上記 〔38〕 記載の h uma n i nもしくはその 塩または上記 〔40〕 記載のポリペプチドもしくはその塩の有効量を投与する
ことを特徴とする ( i ) 神経変性疾患もしくは脳機能障害の予防。治療方法、 (ii) アルツハイマー病、 パーキンソン病、 ダウン症、 筋萎縮性側索硬化症、 プリオン病、 クロイツフェルト一ヤコブ病、 ハンチントン舞踏病、 糖尿病性二 ユーロパチ一、多発性硬化症、脳梗塞、脳出血、 クモ膜下出血、虚血性脳疾患、 硬膜外血腫または硬膜下血腫の予防 ·治療方法または (iii) 細胞死抑制方法、 および
〔46〕 ( i ) 神経変性疾患もしくは脳機能障害の予防 ·治療剤、 (ii) アル ッハイマー病、パーキンソン病、 ダウン症、筋萎縮'性側索硬化症、プリオン病、 クロイツフェルト一ヤコプ病、ハンチントン舞踏病、糖尿病性ニューロパチ一、 多発性硬化症、 脳梗塞、 脳出血、 クモ膜下出血、 虚血性脳疾患、 硬膜外血腫ま たは硬膜下血 S重の予防 ·治療剤または (iii) 細胞死抑制剤を製造するための上 記 〔38〕 記載の huma n i nもしくはその塩または上記 〔40〕 記載のポ リベプチドもしくはその塩の使用を提供する。
さらに、 本発明は、
〔47〕 ( i ) 配列番号: 1、 配列番号: 10、 配列番号: 12または配列番 号: 14で表されるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列 を含有することを特徴とする G蛋白質共役型レセプター蛋白質 (以下、 FPR L 1ZFPRL 2と略記する) 、 その部分ペプチドまたはその塩と、 huma n i nまたはその塩とを接触させた場合と、 (ii) FPRL 1/FPRL 2, その部分ペプチドまたはその塩と、 huma n i nまたはその塩および試験化 合物とを接触させた場合との比較を行なうことを特徴とする上記 〔1〕 記載の スクリーニング方法、
〔48〕 ( i ) 標識した h uma n i nまたはその塩を F PR L 1/F PRL 2、 その部分ペプチドまたはその塩に接触させた場合と、 (ii) 標識した hu ma n i nまたはその塩および試験化合物を F PRL lZF PRL 2、 その部 分ペプチドまたはその塩に接触させた場合における、 標識した huma n i n またはその塩の FPRL l/FPRL 2, その音 |j分ペプチドまたはその塩に対 する結合量を測定し、 比較することを特徴とする上記 〔1〕 記載のスクリー二 ング方法、
〔49〕 ( i ) 標識した hum a n i nまたはその塩を F P R L 1 ZF P R L 2を含有する細胞に接触させた場合と、 (ii) 標識した human i nまたは その塩および試験化合物を FPRL 1/FPRL 2を含有する細胞に接触させ た場合における、 標識した huma n i nまたはその塩の該細胞に対する結合 量を測定し、比較することを特徴とする上記〔1〕記載のスクリーニング方法、
〔50〕 ( i ) 標識した h uma n i nまたはその塩を F P R L 1 ZF P R L 2を含有する細胞の膜画分に接触させた場合と、 (ii) 標識した huma n i nまたはその塩および試験化合物を F P RL 1/FPRL 2を含有する細胞の 膜画分に接触させた場合における、 標識した huma n i nまたはその塩の該 細胞の膜画分に対する結合量を測定し、 比較することを特徴とする上記 〔1〕 記載のスクリ一ユング方法、
〔51〕 ( i ) 標識した h uma n i nまたはその塩を、 FPRL lZFPR L 2をコードする DN Aを含有する DN Aを含有する組換えベクターで形質転 換した形質転換体を培養することによつて当該形質転換体の細胞膜に発現した F PRL 1ZFPRL 2に接触させた場合と、 (ii) 標識した h u m a n i n またはその塩おょぴ試験ィ匕合物を当該質転換体の細胞膜に発現した F P RL 1 /F PRL 2に接触させた場合における、 標識した h uma n i nまたはその 塩の F PRL lZF PRL 2に対する結合量を測定し、 比較することを特徴と する上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法、
〔52〕 ( i ) FPRL 1ZFPRL 2を活性化する化合物またはその塩を F PRL 1ZF PRL 2を含有する細胞に接触させた場合と、 (ii) FPRL 1 /FPRL 2を活性ィヒする化合物またはその塩おょぴ試験化合物を F P R L 1 ZFPRL 2を含有する細胞に接触させた場合における、 FPRL lZFPR L 2を介した細胞刺激活性を測定し、 比較することを特徴とする上記 〔1〕 記 載のスクリーニング方法、
〔53〕 FPRL 1/FPRL 2を活性ィヒする化合物またはその塩を、 FPR L 1/FPRL2をコードする DN Aを含有する DN Aを含有する組換えべク タ一で形質転換した形質転換体を培養することによつて当該形質転換体の細胞 膜に発現した FPRL 1ZFPRL 2に接触させた場合と、 FPRL lZFP
RL 2を活个生ィ匕する化合物またはその塩および試験化合物を当該形質転換体の 細胞膜に発現した FPRL 1/FPRL 2に接触させた場合における、 F PR L 1/FPRL 2を介する細胞刺激活性を測定し、 比較することを特徴とする 上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法、
〔54〕 F PRL 1ZFPRL 2を活性化する化合物が h uma n i nである 上記 〔52〕 または 〔5 3〕 記載のスクリーニング方法、
〔55〕 F PRL 1ZFPRL 2を含有する細胞またはその膜画分を含有する ことを特徴とする上記 〔7〕 記載のスクリーユング用キット、 および
〔56〕 F PRL 1ZFPRL 2をコードするDNAを含有するDNAを含有 する組換えベクターで形質転換した形質転換体を培養することによって当該形 質転換体の細胞膜に発現した F P RL 1/F PRL 2を含有することを特徴と する上記 〔7〕 記載のスクリーニング用キット等を提供する。 図面の簡単な説明 i
図 1は細胞内 c AMP量による FPRL 1— G F P受容体発現させた CHO細 胞に特異的なリガンド活性の用量依存性を示す。 ホルスコリンで刺激しない状 態 (B a s a 1 ) に対し、 ホルスコリンを 1 μ M添加、 および図中に表示の濃 度 (Μ) の f MLF、 huma n i nおよび [G l y14] h uma n i nをホ ルスコリンと同時に添加してインキュベーションし、 細胞内 c AMP量を比較 した結果を示す。 白カラムは f ML Fを添カ卩した場合を示す。 斜線カラムは配 列番号: 3で表わされるアミノ酸配列からなるヒト型 h um a n i n (1— 2 4) を添加した場合を示す。 黒カラムは配列番号: 4で表わされるアミノ酸配 列からなる [G l y14] —ヒ ト型 h uma n i n (1 -24) を添カ卩した場合 を示す。 B a s a 1はホルスコリン (F SK) およびリガンドを添カ卩していな い場合を示す。 F SKはホルスコリンを添加した場合を示す。 L i g a n d ( ^M) +F SKは各リガンドとホルスコリンを添加した場合を示す。 横軸の数 字は添加した各リガンドの濃度 M) を示す。 縦軸の c AMP (pmo 1 / we l l ) は細胞内 c AMP量 (pmo 1 /w e 1 1 ) を示す。
図 2は細胞内 c AMP量による FPRL 1一 G F P受容体を発現させていない
CHO細胞 (mo c k) に特異的なリガンド活性の用量容量依存性を示す。 ホ ルスコリンで朿 IJ激しない状態 (B a s a l ) に対し、 ホルスコリンを 1 μΜ添 カロ、 およぴ図中に表示の濃度 (Μ) の f ML F、 h uma n i n、 および [G 1 y 1 ] h uma n i nをホノレスコリンと同時に添加してインキュベーション し、 細胞内 c AMP量を比較した結果を示す。 白カラムは f ML Fを添加した 場合を示す。 斜線力ラムは配列番号: 3で表わされるァミノ酸配列からなるヒ ト型 h uma n i n (1— 24) を添加した場合を示す。 黒カラムは配列番号 : 4で表わされるアミノ酸配列かちなる [G l y 14] —ヒ ト型 h uma n i n (1 - 24) を添加した場合を示す。 B a s a lはホルスコリン ( F S K) お ょぴリガンドを添加していない場合を示す。 F S Kはホルスコリンを添加した 場合を示す。 L i g a n d (μΜ) +F SKは各リガンドとホルスコリンを添 加した場合を示す。 横軸の数字は添加した各リガンドの濃度 (μΜ) を示す。 縦軸の c AMP (pmo 1 /w e 1 1 ) は細胞内 c AMP量 (pmo 1 /w e 1 1 ) を示す。
図 3は各レセプター蛋白質を発現する CHO細胞に各種リガンドを反応させ た時の細胞内 c AMP量を測定し、 E C 5。値 (nM) を求めた結果を示す。 E C5。 V a 1 u e sは E C50値を示す。 S a mp 1 eは使用したリガンド 試料を示す。 f o r my 1 -Hum a n i nは N末端の Me tがホルミル化 された、 配列番号: 3で表わされるアミノ酸配列からなるヒト型 h um a n i n ( 1 - 2 4) を示す。 m t— f o r my l — Hum a n i nは N末端の Me tがホルミル化された、 配列番号: 6で表わされるアミノ酸配列からな るヒ ト型 h um a n i n ( 1— 2 1 ) を示す。 m t— f o r my l — r a t t i nは N末端の Me tがホルミル化された、 配列番号: 9で表わされるァ ミノ酸配列からなるラット型 h um a n i n ( 1— 2 1 ) を示す。 Hum a n i nは配列番号: 3で表わされるアミノ酸配列からなるヒト型 h u m a n i n ( 1 - 2 4) を示す。 [G 1 y 14] Hum a n i nは配列番号: 4で表 わされるアミノ酸配列からなる [G l y 14] —ヒ ト型 h um a n i n ( 1— 2 4) を示す。 W— P e p t i d eは T r p— L y s—T y r— Me t— V a 1 - dMe t一 NH。 (配列番号: 2 4) を示す。 dMe tは D体の Me t
を示す。 β -Amy l o i d ( 1 -4 2) は j3—アミロイド (1— 4 2) を 示す。 h F PR 1はヒ ト由来 F PRLを示す。 h F P R L 1はヒ ト由来 F P RL 1を示す。 h F PRL 2はヒ ト由来 F PRL 2を示す。 mF PRL 2は マウス由来 F PRL 2 (F PRL 1) を示す。 r F P R L 1はラット由来 F PRL 1を示す。 > 1 000 0は 1 0 0 0 0 nM以上を示す。 発明を実施するための最良の形態
本発明で使用される F P R L 1は、 配列番号: 1、 配列番号: 1 0または配 列番号: 1 2で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ 酸配列を含有するレセプター蛋白質である。
本発明で使用される FPRL 2は、 配列番号: 14で表わされるァミノ酸配 列と同一もしぐは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質で ある。
FPRL 1または FPRL 2は、 例えば、 ヒトゃ哺乳動物 (例えば、 モルモ ット、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ブタ、 ヒッジ、 ゥシ、 サルなど) のあらゆる 細胞 (例えば、 脾細胞、 神経細胞、 グリア細胞、 勝臓 j8細胞、 骨髄細胞、 メサ ンギゥム細胞、 ランゲルハンス細胞、 表皮細胞、 上皮細胞、 内皮細胞、 繊維芽 細胞、 繊維細胞、 筋細胞、 脂肪細胞、 免疫細胞 (例、 マクロファージ、 T細胞、 B細胞、 ナチュラルキラー細胞、 肥満細胞、 好中球、 好塩基球、 好酸球、 単球 ) 、 巨核球、 滑膜細胞、 軟骨細胞、 骨細胞、 骨芽細胞、 破骨細胞、 乳腺細胞、 肝細胞もしくは間質細胞、 またはこれら細胞の前駆細胞、 幹細胞もしくはガン 細胞など) や血球系の細胞、 またはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、 例 えば、 月 ¾、 脳の各部位 (例、 嗅球、 扁頭核、 大脳基底球、 海馬、 視床、 視床下 部、 視床下核、 大脳皮質、 延髄、 小脳、 後頭葉、 前頭葉、 側頭葉、 被殻、 尾状 核、 脳染、 黒質) 、 脊髄、 下垂体、 胃、 勝臓、 腎臓、 肝臓、 生殖腺、 甲状腺、 胆のう、 骨髄、 副腎、 皮膚、 筋肉、 肺、 消化管 (例、 大腸、 小腸) 、 腸管、 血 管、 心臓、 胸腺、 脾臓、 顎下腺、 末梢血、 末梢血球、 前立腺、 睾丸、 精巣、 卵 巣、 胎盤、 子宮、 、 関節、 骨格筋など、 特に、 脾臓、 骨髄、 腸管、 単球、 マ クロファージなどの免疫担当 ϋ器と免疫担当細胞に由来する蛋白質であっても
よく、 また合成蛋白質であってもよい。
配列番号: 1、 配列番号: 10または配列番号: 12で表わされるアミノ酸 配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、 例えば、 配列番号: 1、 配列番 号: 1 0または配列番号: 12で表わされるアミノ酸配列と約 85%以上、 好 ましくは 90 %以上、 より好ましくは約 95 %以上の相同性を有するアミノ酸 配列などが挙げられる。
本発明の配列番号: 1、 配列番号: 10または配列番号: 12で表わされる' アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質としては、 例え ば、 配列番号: 1、 配列番号: 10または配列番号: 12で表わされるァミノ 酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、 配列番号: 1、 配列番号: 10 または配列番号: 12で表わされるアミノ酸配列からなる FPRL 1と実質的 に同質の活性を有する蛋白質などが好ましい。
配列番号: 14で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列と しては、 例えば、 配列番号: 14で表わされるアミノ酸配列と約 85%以上、 好ましくは 90 %以上、 より好ましくは約 95 %以上の相同性を有するァミノ 酸配列などが挙げられる。 . 本発明の配列番号: 14で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のァミノ 酸配列を含有する蛋白質としては、 例えば、 配列番号: 14で表わされるアミ ノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、 配列番号: 14で表わされる アミノ酸配列からなる FPRL 2と実質的に同質の活性を有する蛋白質などが 好ましい。
ァミノ酸配列の相同性は、相同性計算アルゴリズム NCB I BLAST (N a t i o n a l C e n t e r f o r B i o t e c hn o l o g y I n f o rma t i o n B a s i c L o c a l A l i g nme n t S e a r c h To o l) を用い、 以下の条件 (期待値 = 10 ;ギヤップを許す;マ トリタス = BLOSUM62 ;フィルタリング =OFF) にて計算することが できる。
実質的に同質の活性としては、 例えば、 リガンド結合活性、 シグナル情報伝 達作用などが拳げられる。 実質的に同質とは、 それらの活性が性質的に同質で
あることを示す。 したがって、 リガンド結合活性やシグナル情報伝達作用など の活十生が同等 (例、 約 0. 01〜100倍、 好ましくは約 0. 5〜20倍、 よ り好ましくは約 0. 5〜2倍) であることが好ましいが、 これらの活性の程度 ゃ蛋白質の分子量などの量的要素は異なっていてもよい。
リガンド結合活性やシグナル情報伝達作用などの活性の測定は、 自体公知の 方法に準じて行なうことができるが、 例えば、 後に記載するスクリーニング方 法に従って測定することができる。
' また、 FPRL 1としては、 a) 配列番号: 1、 配列番号: 10または配列 番号: 12で表わされるアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1 〜30個程度、 より好ましくは 1〜10個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜 5個) ) のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、 b) 配列番号: 1、 配列番号: 10または配列番号: 12で表わされるァミノ酸配列に 1または 2個以上 (好 ましくは、 1〜30個程度、 より好ましくは 1〜10個程度、 さらに好ましく は数個 (1〜5個) ) のァミノ酸が付加したアミノ酸配列、 c ) 配列番号: 1、 配列番号: 10または配列番号: 12で表わされるアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜30個程度、 より好ましくは 1〜10個程度、 さ らに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたァ ミノ酸配列、 または d) それらを組み合わせたアミノ酸配列を含有する蛋白質 なども用いられる。
FPRL 2としては、 a) 配列番号: 14で表わされるアミノ酸配列中の 1 または 2個以上 (好ましくは、 1〜30個程度、 より好ましくは 1〜10個程 度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、 b ) 配列番号: 14で表わされるァミノ酸配列に 1または 2個以上 (好ましく は、 1〜30個程度、 より好ましくは 1〜10個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が付カ卩したアミノ酸配列、 c) 配列番号: 14で表 わされるアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜30個程度、 より好ましくは 1〜10個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミ ノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、 または d) それらを組み合わ せたアミノ酸配列を含有する蛋白質なども用いられる。
本明細書における F PRL 1または F P R L 2は、 ぺプチド標記の慣例に従 つて、 左端が N末端 (ァミノ末端) 、 右端が C末端 (カルボキシル末端) であ る。 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列を含有する F PRL 1をはじめと する FPRL 1は、 C末端がカルボキシル基 (一COOH) 、 カルボキシレー ト(一 COO_)、 アミ ド (一 CONH2) またはエステル (一 COOR) の何れ であってもよい。
ここでエステルにおける Rとしては、 例えば、 メチル、 ェチル、 n—プロピ ノレ、 イソプロピルもしくは n—ブチルなどの Ci-6アルキル基、 例えば、 シクロ ペンチル、 シクロへキシルなどの〇3— 8シクロアルキル基、 例えば、 フエニル、 α—ナフチルなどの C6— 12ァリール基、 例えば、 ベンジル、 フエネチルなどの フエ二ルー d— 2アルキル基もしくは α—ナフチルメチルなどの α—ナフチル 一じ 2アルキル基などの C7— 14ァラルキル基のほ力 経口用エステルとして 汎用されるビバロイルォキシメチル基などが用いられる。
FPRL 1または F PR L 2が C末端以外にカルボキシル基 (またはカルボ キシレート) を有している場合、 カルボキシル基がアミ ド化またはエステルイ匕 されているものも本発明の F PRL 1または FPRL 2に含まれる。 この場合 のエステルとしては、 例えば上記した C末端のエステルなどが用いられる。
さらに、 FPRL 1または FPRL 2には、 上記した蛋白質において、 N末 端のメチォニン残基のァミノ基が保護基 (例えば、 ホルミル基、 ァセチルなど の C2— 6アルカノィル基などの 6ァシル基など) で保護されているもの、 N 端側が生体内で切断され生成したダルタミル基がピログルタミン酸化したもの、 分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基 (例えば、 一 OH、 一 SH、 アミノ基、 ィ ミダゾ一ノレ基、 インドール基、 グァニジノ基など) が適当な保護基 (例えば、 ホルミル基、 ァセチルなどの C 2_ 6アル力ノィル基などの C i— 6ァシル基など) で保護されているもの、 あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖蛋白質などの複合 蛋白質なども含まれる。
本発明の F PRL 1の具体例としては、 例えば、 配列番号: 1で表わされる アミノ酸配列からなるヒ ト由来 FPRL 1、 配列番号: 1 0で表わされるアミ ノ酸配列からなるラット由来 F PRL 1、 配列番号: 1 2で表わされるァミノ
酸配列からなるマウス由来 F PRL 2などが用いられる。 このヒト由来 F PR L 1は、 J. Biol. Chem. 267(11), 7637- 7643(1992)に記載されている公知の蛋 白質である。 マウス由来 FPRL 2は、 J. Immunol. 169, 3363-3369 (2002)に 記載されている公知の蛋白質である。
本発明の F PRL 2の具体例としては、 例えば、 配列番号: 1 4で表わされ るアミノ酸配列からなるヒト由来 FPRL 2などが用いられる。 このヒ ト由来 FPRL 2は、 Genomics 13 (2), 437-440 (1992)に記載されている公知の蛋白 質である。
F PR L 1または F PR L 2の部分ペプチド (以下、 本発明の部分ペプチド と略記する場合がある) としては、 上記した FPRL 1または FPRL 2の部 分ペプチドであれば何れのものであってもよいが、 例えば、 FPRL 1または F PR L 2の蛋白質分子のうち、 細胞膜の外に露出している部位であって、 実 質的に同質のレセプター結合活性を有するものなどが用いられる。
具体的には、 配列番号: 1、 配列番号: 1 0または配列番号: 1 2で表わさ れるァミノ酸配列を有する F P R L 1の部分べプチドまたは配列番号: 14で 表わされるアミノ酸配列を有する F P R L 2の部分べプチドとしては、 疎水性 プロット解析において細胞外領域 (親水性 (Hydrophilic) 部位) であると分析 された部分を含むペプチドである。 また、 疎水性 (Hydrophobic) 部位を一部に 含むぺプチドも同様に用いることができる。 個々のドメインを個別に含むぺプ チドも用い得るが、 複数のドメインを同時に含む部分のペプチドでも良い。
本発明の部分べプチドのアミノ酸の数は、 上記した本発明のレセプター蛋白 質の構成ァミノ酸配列のうち少なくとも 20個以上、 好ましくは 50個以上、 より好ましくは 1 00個以上のアミノ酸配列を有するペプチドなどが好ましい。 実質的に同一のァミノ酸配列とは、 これらァミノ酸配列と約 8 5 %以上、 好 ましくは約 90 %以上、 より好ましくは約 9 5 %以上の相同性を有するァミノ 酸配列を示す。
ァミノ酸配列の相同性は、 相同性計算アルゴリズム:^ C B I BLAST ( Na t i o n a l C e n t e r f o r B i o t e c h n o l o g y I n f o rma t i o n B a s i c L o c a l A l i g nme n t S e
a r c h T o o l ) を用い、 以下の条件 (期待値 = 1 0 ;ギヤップを許す; マトリクス = BLOSUM6 2 ;フィルタリング = OFF) にて計算すること ができる。
ここで、 「実質的に同質のレセプター活性」 とは、 上記と同意義を示す。 「 実質的に同質のレセプター活性」 の測定は上記と同様に行なうことができる。 また、 本発明の部分ペプチドは、 上記アミノ酸配列中の 1または 2個以上 ( 好ましくは、 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のァミノ 酸が欠失し、 または、 そのアミノ酸配列に 1または 2個以上 (好ましくは、 1 〜20個程度、 より好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜 5個) ) のアミノ酸が付加し、 または、 そのアミノ酸配列中の 1または 2個以 上 (好ましくは、 1〜1 0個程度、 より好ましくは数個、 さらに好ましくは 1 〜 5個程度) のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されていてもよい。
また、 本発明の部分ペプチドは C末端がカルボキシル基 (一 COOH) 、 力 ルポキシレート (一 COO— ) 、 アミ ド (一 CONH2) またはエステル (一 C OOR) の何れであってもよい。 本発明の部分ペプチドが C末端以外にカルボ キシル基 (またはカルボキシレート) を有している場合、 カルボキシル基がァ ミド化またはエステル化されているものも本発明の部分べプチドに含まれる。 この場合のエステルとしては、 例えば上記した C末端のエステルなどが用いら れる。
さらに、 本発明の部分ペプチドには、 上記した FPRL 1または FPRL 2 と同様に、 N末端のメチォニン残基のァミノ基が保護基で保護されているもの、 N端側が生体内で切断され生成したダルタミル基がピログルタミン酸ィ匕したも の、 分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護基で保護されているもの、 あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖ぺプチドなどの複合べプチドなども含まれ る。
本発明の F PRL 1、 FPRL 2またはその部分ペプチドの塩としては、 酸 または塩基との生理学的に許容される塩が挙げられ、 とりわけ生理学的に許容 される酸付加塩が好ましい。 この様な塩としては、 例えば、 無機酸 (例えば、 塩酸、 リン酸、 臭化水素酸、 硫酸) との塩、 あるいは有機酸 (例えば、 酢酸、
ギ酸、 プロピオン酸、 フマル酸、 マレイン酸、 コハク酸、 酒石酸、 クェン酸、 リンゴ酸、 蓚酸、 安息香酸、 メタンスルホン酸、. ベンゼンスルホン酸) との塩 などが用いられる。
本発明の F P R L 1またはその塩は、 上記したヒトゃ哺乳動物の細胞または 組織から自体公知のレセプター蛋白質の精製方法によつて製造することもでき るし、 後に記載する本発明の F P R L 1をコードする D N Aを含有する形質転 換体を培養することによつても製造することができる。 また、 後に記載する蛋 白質合成法またはこれに準じて製造することもできる。
ヒトゃ哺乳動物の組織または細胞から製造する場合、 ヒトゃ哺乳動物の組織 または細胞をホモジナイズした後、 酸などで抽出を行ない、 該抽出液を逆相ク ロマトグラフィー、 イオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィ一 を組み合わせることにより精製単離することができる。
本発明の F P R L 1もしくはその部分ペプチドまたはその塩またはそのアミ ド体の合成には、 通常市販の蛋白質合成用樹脂を用いることができる。 そのよ うな樹月旨としては、 例えば、 クロロメチノレ樹脂、 ヒ ドロキシメチノレ榭脂、 ベン ズヒ ドリルァミン樹脂、 アミノメチル樹脂、 4一べンジルォキシベンジルアル コール樹脂、 4—メチルベンズヒ ドリルァミン樹脂、 P AM樹脂、 4—ヒ ドロ キシメチルメチルフエニルァセトアミ ドメチル樹脂、 ポリアクリルアミ ド樹脂、 4 - ( 2, , 4, ージメ トキシフエ二ルーヒドロキシメチル) フエノキシ榭脂、 4― ( 2, , 4, —ジメトキシフエ二ノレ一F m o cアミノエチル) フエノキシ 樹脂などを挙げることができる。 このような樹脂を用い、 α—ァミノ基と側鎖 官能基を適当に保護したアミノ酸を、 目的とする蛋白質の配列通りに、 自体公 知の各種縮合方法に従い、 樹脂上で縮合させる。 反応の最後に樹脂から蛋白質 を切り出すと同時に各種保護基を除去し、 さらに高希釈溶液中で分子内ジスル フイド結合形成反応を実施し、 目的の蛋白質またはそのアミド体を取得する。 上記した保護アミノ酸の縮令に関しては、 蛋白質合成に使用できる各種活性 ィ匕試薬を用いることができるが、 特に、 カルポジイミド類がよい。 カルボジィ ミ ド類としては、 D C C、 N, N, —ジイソプロピルカルボジィミ ド、 N—ェ チルー N ' — ( 3—ジメチルァミノプロリル) カルボジイミ ドなどが用いられ
る。 これらによる活性ィ匕にはラセミ化抑制添加剤 (例えば、 H O B t 、 H O O B t ) とともに保護アミノ酸を直接樹脂に添加するカ または、 対称酸無水物 または H O B tエステルあるいは H O O B tエステルとしてあらかじめ保護ァ ミノ酸の活性ィ匕を行なった後に樹脂に添加することができる。
保護アミノ酸の活性ィヒゃ榭脂との縮合に用いられる溶媒としては、 蛋白質縮 合反応に使用しうることが知られている溶媒から適宜選択されうる。 例えば、 N , N—ジメチルホルムアミ ド, N , N—ジメチルァセトアミ ド, N—メチル ピロリ ドンなどの酸アミ ド類、 塩化メチレン, クロ口ホルムなどのハロゲン化 炭化水素類、 トリフルォロエタノールなどのアルコール類、 ジメチルスルホキ シドなどのスルホキシド類、 ピリジン, ジォキサン, テトラヒドロフランなど のエーテル類、 ァセトニトリノレ, プロピオ二トリルなどの二トリル類、 酢酸メ チル, 酢酸ェチルなどのエステル類あるいはこれらの適宜の混合物などが用い られる。 反応温度は蛋白質結合形成反応に使用され得ることが知られている範 囲から適宜選択され、 通常約一 2 0〜 5 0 °Cの範囲から適宜選択される。 活性 化されたアミノ酸誘導体は通常 1 . 5〜 4倍過剰で用いられる。 ニンヒドリン反 応を用いたテストの結果、 縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行うことな く縮合反応を繰り返すことにより十分な縮合を行なうことができる。 反応を繰 り返しても十分な縮合が得られないときには、 無水酢酸またはァセチルイミダ ゾールを用いて未反応ァミノ酸をァセチルイ匕することができる。
原料のァミノ基の保護基としては、 例えば、 Z、 B o c、 ターシャリーペン チノレ才キシカルボ二ノレ、 イソボルニルォキシカルボニル、 4ーメ トキシベンジ ノレォキシカノレボニノレ、 C 1— Z、 B r—Z、 ァダマンチノレオキシカノレポ二ノレ、 トリフルォロアセチル、 フタロイル、 ホノレミノレ、 2 _ニトロフエエノレスルフエ ニル、 ジフエニルホスフイノチオイル、 F m o cなどが用いられる。
カルボキシル基は、例えば、 アルキルエステル化 (例えば、 メチル、 ェチル、 プロピル、 ブチル、 ターシャリーブチル、 シク口ペンチノレ、 シク口へキシノレ、 シク口へプチル、 シクロォクチノレ、 2—ァダマンチルなどの直鎖状、 分枝状も しくは環状アルキルエステル化) 、 ァラルキルエステル化 (例えば、 ベンジル エステノレ、 4一二ト口べンジノレエステノレ、 4ーメ トキシべンジノレエステノレ、 4
—クロ口べンジノレエステル、 ベンズヒ ドリルエステル化) 、 フエナシノレエステ ノレ化、 ベンジルォキシカルボ二ノレヒドラジド化、 ターシャリーブトキシカノレポ -ルヒドラジド化、 トリチルヒ ドラジド化などによって保護することができる。 セリンの水酸基は、 例えば、 エステル化またはエーテル化によって保護する ことができる。 このエステルイ匕に適する基としては、 例えば、 ァセチル基など の低級アルカノィル基、 ベンゾィル基などのァロイル基、 ベンジルォキシカル ボニル基、 ェトキシカルボニル基などの炭酸から誘導される基などが用いられ る。 また、 エーテル化に適する基としては、 例え 、 ベンジル基、 テトラヒド ロビラニル基、 t一ブチル基などである。
チロシンのフエノール性水酸基の保護基としては、 例えば、 B z 1、 C 1 2 - B z 1、 2—二トロベンジル、 B r— Z、 ターシャリーブチルなどが用いられ る。
ヒスチジンのィミダゾールの保護基としては、 例えば、 T o s、 4ーメ トキ シ一 2, 3, 6—トリメチルベンゼンスルホニル、 D N P、 ベンジルォキシメ チノレ、 B u m, B o c、 T r t、 F m o cなどが用いられる。
原料のカルボキシル基の活性ィ匕されたものとしては、 例えば、 対応する酸無 水物、 アジド、 活性エステル 〔アルコール (例えば、 ペンタクロロフェノール、 2 , 4 , 5—トリクロ口フエノール、 2 , 4—ジニトロフエノール、 シァノメ チルアルコール、 パラニトロフエノール、 H O N B、 N—ヒ ドロキシスクシミ ド、 N—ヒ ドロキシフタルイミ ド、 H O B t) とのエステル〕 などが用いられる 。 原料のァミノ基の活性ィ匕されたものとしては、 例えば、 対応するリン酸アミ ドが用いられる。
保護基の除去 (脱離) 方法としては、 例えば、 P d _黒あるいは P d—炭素 などの触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、 また、 無水フッ化水素、 メタンスルホン酸、 トリフルォロメタンスルホン酸、 トリフルォロ酢酸あるレヽ はこれらの混合液などによる酸処理や、 ジイソプロピルェチルァミン、 トリエ チルァミン、 ピぺリジン、 ピぺラジンなどによる塩基処理、 また液体アンモニ ァ中ナトリゥムによる還元なども用いられる。 上記酸処理による脱離反応は、 一般に約一 2 0〜4 0 °Cの温度で行なわれるが、 酸処理においては、 例えば、
ァニソール、 フエノール、 チオアエソーノレ、 メタクレゾーノレ、パラクレゾーノレ、 ジメチノレスノレフイド、 1, 4一ブタンジチオール、 1 , 2一エタンジチォーノレ などのようなカチオン捕捉剤の添加が有効である。 また、 ヒスチジンのイミダ ゾール保護基として用いられる 2, 4—ジニトロフエニル基はチォフエノール 処理により除去され、 トリプトファンのインドール保護基として用いられるホ ルミル基は上記の 1, 2—エタンジチオール、 1 , 4—ブタンジチオールなど の存在下の酸処理による脱保護以外に、 希水酸ィ匕ナトリウム溶液、 希アンモニ ァなどによるアルカリ処理によっても除去される。
原料の反応に関与すべきでない官能基の保護ならびに保護基、 およびその保 護基の脱離、 反応に関与する官能基の活性ィ匕などは公知の基または公知の手段 力 ら適宜選択しう.る。
蛋白質のアミド体を得る別の方法としては、 例えば、 まず、 カルボキシ末端 アミノ酸の a—カルボキシル基をアミド化して保護した後、 ァミノ基側にぺブ チド (蛋白質) 鎖を所望の鎖長まで延ばした後、 該ペプチド鎖の N末端の α _ ァミノ基の保護基のみを除いた蛋白質と C末端のカルボキシル基の保護基のみ を除去した蛋白質とを製造し、 この両蛋白質を上記したような混合溶媒中で縮 合させる。 縮合反応の詳細については上記と同様である。 縮合により得られた 保護蛋白質を精製した後、 上記方法によりすベての保護基を除去し、 所望の粗 蛋白質を得ることができる。 この粗蛋白質は既知の各種精製手段を駆使して精 製し、 主要画分を凍結乾燥することで所望の蛋白質のァミド体を得ることがで さる。
蛋白質のエステル体を得るには、 例えば、 カルボキシ末端アミノ酸のひ一力 ルポキシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルとした後、 蛋白 質のアミ ド体と同様にして、 所望の蛋白質のエステル体を得ることができる。 本発明の F P R L 1の部分べプチドまたはその塩は、 自体公知のぺプチドの 合成法に従って、 あるいは本発明の F P R L 1を適当なぺプチダーゼで切断す ることによって製造することができる。 ペプチドの合成法としては、 例えば、 固相合成法、 液相合成法のいずれによっても良い。 すなわち、 本発明の F P R L 1を構成し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、 生
成物が保護基を有する場合は保護基を脱離することにより目的のぺプチドを製 造することができる。 公知の縮合方法や保護基の脱離としては、 例えば、 以下 の a) 〜e) に記載された方法が挙げられる。
a ) M. Bodanszkyおよぴ M.A. 0ndetti、 ペプチド シンセシス (Peptide Synthesis; , Interscience Publishers, New York (1966年リ
b ) Schroederおよぴ Luebke、ザぺプチド (The Peptide), Academic Press, New- York (1965年)
c) 泉屋信夫他、 ペプチド合成の基礎と実験、 丸善 (株) (1 75年)
d) 矢島治明 および榊原俊平、 生化学実験講座 1、 蛋白質の化学 IV、 205、 (1977年)
e) 矢島治明監修、 続医薬品の開発第 14卷ペプチド合成広川書店
また、 反応後は通常の精製法、 例えば、 溶媒抽出 ·蒸留 'カラムクロマトグ ラフィ一'液体クロマトグラフィー ·再結晶などを組み合わせて本発明の部分 ペプチドを精製単離することができる。 上記方法で得られる部分べプチドが遊 離体である場合は、 公知の方法によって適当な塩に変換することができるし、 逆に塩で得られた場合は、 公知の方法によって遊離体に変換することができる。 本発明の FPRL 2、 その部分ペプチドまたはその塩も上記と同様の方法で 製造することができる。
本発明の FPRL 1または FPRL 2をコードするポリヌクレオチドとして は、 上記した本発明の FPRL 1または FPRL 2をコードする塩基配列 (D NAまたは RNA、 好ましくは DNA) を含有するものであればいかなるもの であってもよい。 該ポリヌクレオチドとしては、 本発明の F PRL 1または F PRL 2をコードする DNA、 mRNA等の RNAであり、二本鎖であっても、 一本鎖であってもよい。 二本鎖の場合は、 二本鎖 DNA、 二本鎖 RNAまたは DNA: RNAのハイプリッドでもよい。 一本鎖の場合は、 センス鎖 (すなわ ち、 コード鎖) であっても、 アンチセンス鎖 (すなわち、 非コード鎖) であつ てもよい。
本癸明の F PRL 1または FPRL 2をコードするポリヌクレオチドを用い て、 例えば、 公知の実験医学増刊 「新 PC Rとその応用」 15(7)、 1997記載の方
法またはそれに準じた方法により、 本発明の F PR L 1または FPRL 2の m RN Aを定量することができる。
本発明の F PRL 1または F PRL 2をコードする DN Aとしては、 ゲノム DNA、 ゲノム DNAライブラリ一、 上記した細胞 '組織由来の cDNA、 上 記した細胞'組織由来の c DNAライブラリー、合成 DNAのいずれでもよい。 ライブラリーに使用するベクターは、 パクテリオファージ、 プラスミド、 コス ミド、 ファージミドなどいずれであってもよい。 また、 上記した細胞 '組織よ り totalRNAまたは mRNA画分を調製したものを用いて直接 Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction (^λ 、 R T— P C R法と略ゃ尔する ) によって増幅することもできる。
具体的には、 本発明の F PRL 1をコードする DNAとしては、 例えば、 配 列番号: 2、 配列番号: 1 1または配列番号: 1 3で表わされる塩基配列を含 有する DNA、 または配列番号: 2、 配列番号: 1 1または配列番号: 1 3で 表わされる塩基配列とハイストリンジヱントな条件下でハイブリダイズする塩 基配列を有し、 配列番号: 1、 配列番号: 1 0または配列番号: 1 2で表わさ れるァミノ酸配列からなる F PRL 1と実質的に同質の活十生 (例、 リガンド結 合活性、 シグナル情報伝達作用など) を有するレセプター蛋白質をコードする D N Aであれば何れのもめでもよい。
配列番号: 2、 配列番号: 1 1または配列番号: 1 3で表わされる塩基配列 とハイブリダイズできる D N Aとしては、 例えば、 配列番号: 2、 配列番号: 1 1または配列番号: 1 3で表わされる塩基配列と約 8 5%以上、 好ましくは 約 90 %以上、 より好ましくは約 9 5 %以上の相同性を有する塩基配列を含有 する DN Aなどが用いられる。
本発明の F PRL 2をコードする DNAとしては、 例えば、 配列番号: 1 5 で表わされる塩基配列を含有する DNA、 または配列番号: 1 5で表わされる 塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有 し、 配列番号: 1 4で表わされるァミノ酸配列からなる FPRL 2と実質的に 同質の活性 (例、 リガンド結合活性、 シグナル情報伝達作用など) を有するレ セプター蛋白質をコードする DNAであれば何れのものでもよい。
配列番号: 1 5で表わされる塩基配列とハイブリダイズできる D N Aとして は、 例えば、 配列番号: 1 5で表わされる塩基配列と約 8 5%以上、 好ましく は約 90%以上、 より好ましくは約 95 %以上の相同性を有する塩基配列を含 有する DN Aなどが用いられる。
塩基配列の相同性は、 相同性計算アルゴリズム NCB I BLAST (N a t i o n a 1 C e n t e r f o r B i o t e c h n o l o g y I n f o rma t i o n B a s i c L o c a l A l i g nme n t S e a r c h T o o l ) を用い、 以下の条件 (期待値 = 1 0 ;ギヤップを許す;フィ ルタリング ==ON;マッチスコア = 1 ; ミスマッチスコア =ー 3) にて計算す ことができる。
ハイブリダィゼーシヨンは、 自体公知の方法あるいはそれに準じる方法、 例 えば、 モレキュラー-クローニング (Molecular CloningJ 2nd (J. Sambrook et al. , Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989) に記載の方法などに従って行な うことができる。 また、 市販のライブラリーを使用する場合、 添付の使用説明 書に記載の方法に従って行なうことができる。 より好ましくは、 ハイストリン ジェントな条件に従つて行なうことができる。
該ハイストリンジヱントな条件とは、 例えば、 ナトリウム濃度が約 1 9〜 4 0 mM、 好ましくは約 1 9〜 20 mMで、 温度が約 50〜 70 °C、 好ましくは 約 60〜 6 5 °Cの条件を示す。 特に、 ナトリゥム濃度が約 1 9 mMで温度が約 6 5 °Cの場合が最も好ましい。
より具体的には、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列からなるヒ ト FP RL 1をコードする DNAとしては、 配列番号: 2で表わされる塩基配列から なる DNAなどが用いられる。 配列番号: 1 0で表わされるアミノ酸配列から なるラット FPRL 1をコードする DNAとしては、 配列番号: 1 1で表わさ れる塩基配列からなる DNAなどが用いられる。 配列番号: 1 2で表わされる ァミノ酸配列からなるマウス FPRL 2をコードする D N Aとしては、 配列番 号: 1 3で表わされる塩基配列からなる DNAなどが用いられる。 配列番号: 1 4で表わされるアミノ酸配列からなるヒト FPRL 2をコードする DNAと しては、 ffi列番号: 1 5で表わされる塩基配列からなる DNAなどが用いられ
る。 ' 本発明の F PRL 1または F PR L 2をコードする D N Aの塩基配列の一部、 または該 DNAと相補的な塩基配列の一部を含有してなるポリヌクレオチドと は、 下記の本発明の部分べプチドをコ一ドする DN Aを包含するだけではなく、 RNAをも包含する意味で用いられる。
本発明に従えば、 FPRL 1遺伝子または FPRL 2遺伝子の複製または発 現を阻害することのできるアンチセンス ·ポリヌクレオチド (核酸) を、 クロ ーン化した、 あるいは決定された FPRL 1または FPRL 2をコードする D N Aの塩基配列情報に基づき設計し、 合成しうる。 そうしたポリヌクレオチド (核酸) は、 FPRL 1遺伝子または FPRL 2遺伝子の RN Aとハイブリダ ィズすることができ、 該 R N Aの合成または機能を阻害することができる力、、 あるいは F PRL 1関連 RNAまたは F PRL 2関連 RNAとの相互作用を介 して F P R L 1遺伝子または F P R L 2遺伝子の発現を調節 ·制御することが できる。 FPRL 1関連 RNAまたは FPRL 2関連 RNAの選択された配列 に相補的なポリヌクレオチド、 および F PRL 1関連 RNAまたは F PRL 2 関連 R N Aと特異的にハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドは、 生体内および生体外で F PRL 1遺伝子または F PRL 2遺伝子の発現を調節 •制御するのに有用であり、 また病気などの治療または診断に有用である。 用 語 「対応する」 とは、 遺伝子を含めたヌクレオチド、 塩基配列または核酸の特 定の配列に相同性を有するあるいは相補的であることを意味する。 ヌクレオチ ド、 塩基配列または核酸とペプチド (蛋白質) との間で 「対応する」 とは、 ヌ クレオチド (核酸) の配列またはその相補体から誘導される指令にあるべプチ ド (蛋白質) のアミノ酸を通常指している。 F PRL 1遺伝子または F PRL 2遺伝子の 5 ' 端ヘアピンループ、 5, 端 6—ベースペア · リピート、 5 ' 端 非翻訳領域、 ポリペプチド翻訳開始コドン、 蛋白質コード領域、 〇RF翻訳開 始コドン、 3, 端非翻訳領域、 3' 端パリンドローム領域、 および 3, 端ヘア ピンループは好ましい対象領域として選択しうるが、 F P R L 1遺伝子または FPRL 2遺伝子内の如何なる領域も対象として選択しうる。
目的核酸と、 対象領域の少なくとも一部に相補的でハイブリダィズすること
ができるポリヌクレオチドとの関係は、 対象物と 「アンチセンス」 であるとい うことができる。 アンチセンス 'ポリヌクレオチドは、 2—デォキシ一 D—リ ポースを含有しているポリデォキシリボヌクレオチド、 D—リボースを含有し ているポリリボヌクレオチド、 プリンまたはピリミジン塩基の N—ダリコシド であるその他のタイプのポリヌクレオチド、 あるいは非ヌクレオチド骨格を有 するその他のポリマー (例えば、 市販の蛋白質核酸および合成配列特異的な核 酸ポリマー) または特殊な結合を含有するその他のポリマー (但し、 該ポリマ 一は D N Aや R N A中に見出されるような塩基のペアリングや塩基の付着を許 容する配置をもつヌクレオチドを含有する) などが挙げられる。 それらは、 2 本鎖 D NA、 1本鎖 D NA、 2本鎖 R NA、 1本鎖 R NA、 さらに D NA : R N Aハイプリッドであることができ、 さらに非修飾ポリヌクレオチド (または 非修飾ォリゴヌクレオチド) 、 さらには公知の修飾の付加されたもの、 例えば 当該分野で知られた標識のあるもの、 キャップの付いたもの、 メチルイ匕された もの、 1個以上の天然のヌクレオチドを類縁物で置換したもの、 分子内ヌクレ ォチド修飾のされたもの、 例えば非荷電結合 (例えば、 メチルホスホネート、 ホスホトリエステル、 ホスホルアミデート、 力ルバメートなど) を持つもの、 電荷を有する結合または硫黄含有結合 (例えば、 ホスホロチォエート、 ホスホ 口ジチォエートなど) を持つもの、 例えば蛋白質 (ヌクレアーゼ、 ヌクレア一 ゼ 'インヒビター、 トキシン、 抗体、 シグナルぺプチド、 ポリ一 Lーリジンな ど) や糖 (例えば、 モノサッカライドなど) などの側鎖基を有しているもの、 インター力レント化合物 (例えば、 アタリジン、 プソラレンなど) を持つもの、 キレート化合物 (例えば、 金属、 放射活性をもつ金属、 ホウ素、 酸化性の金属 など) を含有ずるもの、 アルキルィヒ剤を含有するもの、 修飾された結合を持つ もの (例えば、 αァノマー型の核酸など) であってもよい。 ここで 「ヌクレオ シド」 、 「ヌクレオチド」 および 「核酸」 とは、 プリンおょぴピリミジン塩基 を含有するのみでなく、 修飾されたその他の複素環型塩基をもつようなものを 含んでいて良い。 こうした修飾物は、メチル化されたプリンおよびピリミジン、 ァシル化されたプリンおょぴピリミジン、 あるいはその他の複素環を含むもの であってよレ、。 修飾されたヌクレオチドおよび修飾されたヌクレオチドはまた
糖部分が修飾されていてよく、 例えば、 1個以上の水酸基がハロゲンとカ 脂 肪族基などで置換されていたり、 あるいはエーテル、 ァミンなどの官能基に変 換されていてよレ、。
本発明のアンチセンス ·ポリヌクレオチド (核酸) は、 R N A、 D N A、 あ るいは修飾された核酸 (R N A、 D N A) である。 修飾された核酸の具体例と しては核酸の硫黄誘導体ゃチォホスフエ一ト誘導体、 そしてポリヌクレオシド アミドゃオリゴヌクレオシドアミドの分解に抵抗性のものが挙げられるが、 そ れに限定されるものではない。 本発明のアンチセンス核酸は次のような方 ^"で 好ましく設計されうる。 すなわち、 細胞内でのアンチセンス核酸をより安定な ものにする、 アンチセンス核酸の細胞透過性を'より高める、 目標とするセンス 鎖に対する親和性をより大きなものにする、 そしてもし毒性があるならアンチ センス核酸の毒性をより小さなものにする。
こうして修飾は当該分野で数多く知られており、 例えば J. Kawakami et al., Pharm Tech Japan, Vol. 8, pp. 247, 1992; Vol. 8, pp. 395, 1992; S. T. Crooke et al. ed., Ant i sense Research and Applications, CRC Press, 1993 などこ 開示がある。
本発明のアンチセンス核酸は、 変化せしめられたり、 修飾された糖、 塩基、 結合を含有していて良く、 リボゾーム、 ミクロスフエアのような特殊な形態で 供与されたり、 遺伝子治療により適用されたり、 付加された形態で与えられる ことができうる。 こうして付加形態で用いられるものとしては、 リン酸基骨格 の電荷を中和するように働くポリリジンのようなポリカチオン体、 細胞膜との 相互作用を高めたり、 核酸の取込みを増大せしめるような脂質 (例えば、 ホス ホリピド、 コレステロールなど) といった粗水 1"生のものが挙 られる。 付カロす るに好ましい脂質としては、 コレステロールやその誘導体 (例えば、 コレステ リルクロ口ホルメート、 コール酸など) が挙げられる。 こうしたものは、 核酸 の 3, 端あるいは 5 ' 端に付着させることができ、 塩基、 糖、 分子内ヌクレオ シド結合を介して付着させることができうる。 その他の基としては、 核酸の 3 , 端あるいは 5 ' 端に特異的に配置されたキャップ用の基で、 ェキソヌクレア ーゼ、 R N a s eなどのヌクレアーゼによる分解を阻止するためのものが挙げ
られる。 こうしたキャップ用の基としては、 ポリエチレングリコール、 テトラ エチレングリコールなどのグリコールをはじめとした当該分野で知られた水酸 基の保護基が挙げられるが、 それに限定されるものではない。
アンチセンス核酸の阻害活性は、 本発明の形質転換体、 本発明の生体内や生 体外の遺伝子発現系、 あるいは G蛋白質共役型レセプター蛋白質の生体内や生 体外の翻訳系を用いて調べることができる。 該核酸それ自体公知の各種の方法 で細胞に適用できる。 .
本発明の F PR L 1の部分べプチドをコ一ドする DNAとしては、 上記した 本発明の F P R L 1の部分ぺプチドをコードする塩基配列を含有するものであ ればいかなるものであってもよい。 また、 ゲノム DNA、 ゲノム DNAライプ ラリ一、 上記した細胞 ·組織由来の c DNA、 上記した細胞 ·組織由来の c D N Aライブラリー、 合成 DN Aのいずれでもよい。 ライブラリーに使用するべ クタ一は、 バクテリオファージ、 プラスミド、 コスミド、 ファージミドなどい ずれであってもよい。 また、 上記した細胞 '組織より mRN A画分を調製した もの 用 ヽて直接 Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction (以下、 RT— PCR法と略称する) によって増幅することもできる。
具体的には、 本発明の F PR L 1の部分ペプチドをコードする DNAとして は、 例えば、 (1) 配列番号: 2、 配列番号: 1 1または配列番号: 13で表 わされる塩基配列を有する DNAの部分塩基配列を有する DNA、 または (2 ) 配列番号: 2、 配列番号: 1 1または配列番号: 13で表わされる塩基配列 とハイストリンジヱントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、 配列 番号: 1、 配列番号: 10または配列番号: 12で表わされるアミノ酸配列か らなる FPRL 1と実質的に伺質の活性 (例、 リガンド結合活性、 シグナル情 報伝達作用など) を有するレセプター蛋白質をコードする DNAの部分塩基配 列を有する DN Aなどが用いられる。
配列番号: 2、 配列番号: 1 1または配列番号: 1 3で表わされる塩基配列 ハイプリダイズできる DN Aとしては、 例えば、 配列番号: 2、 配列番号: 1 1または配列番号: 13で表わされる塩基配列と約 85 %以上、 好ましくは約 90 %以上、 より好ましくは約 95 %以上の相同性を有する塩基配列を含有す
る DN Aなどが用いられる。
本発明の F P R L 2の部分べプチドをコードする D N Aとしては、 例えば、 (1) 配列番号: 15で表わされる塩基配列を有する DNAの部分塩基配列を 有する DNA、 または (2) 配列番号: 1 5で表わされる塩基配列とハイスト リンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、 配列番号: 1' 4 で表わされるアミノ酸配列からなる F PR L 2と実質的に同質の活性 (例、 リ ガンド結合活性、 シグナル情報伝達作用など) を有するレセプター蛋白質をコ ードする D N Aの部分塩基配列を有する D N Aなどが用いられる。
配列番号: 1 5で表わされる塩基配列ハイブリダイズできる D N Aとしては、 例えば、 配列番号: 15で表わされる塩基配列と約 85%以上、 好ましくは約 90 %以上、 より好ましくは約 95 %以上の相同性を有する塩基配列を含有す る DN Aなどが用いられる。
塩基配列の相同性は、 相同性計算アルゴリズム NCB I BLAST (N a t i o n a 1 し e n t e r i o r B i o t e c hn o l o g y I n f o r ma t i o n B a s i, c Lo c a l A l i g nme n t S e a r c h To o l ) を用い、 以下の条件 (期待値 = 10 ;ギヤップを許す;フィ ルタリング =ON;マッチスコア = 1 ; ミスマッチスコア =— 3) にて計算す ることができる。
ハイブリダィゼーシヨンは、 自体公知の方法あるいはそれに準じる方法、 例 えば、 モレキュラー -クロー-ング (Molecular Cloning) 2nd (J. Sambrook et al. , Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989) に記載の方法などに従って行な うことができる。 また、 市販のライブラリーを使用する場合、 添付の使用説明 書に記載の方法に従って行なうことができる。 より好ましくは、 ハイストリン ジェントな条件に従って行なうことができる。
該ハイストリンジヱントな条件とは、 例えば、 ナトリゥム濃度が約 19〜4 0 mM、 好ましくは約 19〜 20 mMで、 温度が約 50 ~ 70 °C、 好ましくは 約 60〜 65 °Cの条件を示す。 特に、 ナトリゥム濃度が約 1 9 mMで温度が約 65 °Cの場合が最も好ましい。
本発明の FPRL 1またはその部分ペプチド (以下、 FPRL1と略記する
場合がある) または本発明の FPRL 2またはその部分ペプチド (以下、 FP RL 2と略記する場合がある) を完全にコードする DNAのクローユングの手 段としては、 本発明の F PR L 1または FPRL 2の部分塩基配列を有する合 成 DNAプライマーを用いて PCR法によって増幅する力、 または適当なべク ターに組み込んだ DNAを本発明の FPRL 1または F P R L 2の一部あるい は全領域をコードする DNA断片もしくは合成 DNAを用いて標識したものと のハイブリダィゼーションによって選別することができる。 ハイブリダィゼー シヨンの方法は、 例えば、 モレキュラー ·クローニング (Molecular Cloning) 2nd (J. Sambrook et a丄., し old Spring Harbor Lab. Press, 1989) こ gd载の 方法などに従って行なうことができる。 また、 市販のライブラリーを使用する 場合、 添付の使用説明書に記載の方法に従つて行なうことができる。
DN Aの塩基配列の変換は、 PCRや公知のキット、 例えば、 Mu t a nTM - s u p e r Ex p r e s s Km (宝酒造 (株) ) 、 Mu t a nTM— K (宝 酒造 (株) ) などを用いて、 ODA— LA PCR法、 Ga p p e d du p l e x法、 Kunk e 1法などの自体公知の方法あるいはそれらに準じる方法に 従って行なうことができる。
クローン化された FPRL 1または FPRL 2をコードする D N Aは目的に よりそのまま、 または所望により制限酵素で消化したり、 リンカーを付加した りして使用することができる。 該 DNAはその 5' 末端側に翻訳開始コドンと しての ATGを有し、 また 3, 末端側には翻訳終止コドンとしての TAA、 T G Aまたは TAGを有していてもよい。 これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コ ドンは、 適当な合成 DNAアダプターを用いて付加することもできる。
本発明の FPRL 1または FPRL 2の発現ベクターは、 例えば、 (ィ) 本 発明の FPRL 1または FPRL 2をコードする DNAから目的とする DNA 断片を切り出し、 (口) 該 DNA断片を適当な発現ベクター中のプロモーター の下流に連結することにより製造することができる。
ベクターとしては、 大腸菌由来のプラスミド (例、 pBR322、 p BR 3 25、 pUC 12、 pUC 13) 、 枯草菌由来のプラスミド (例、 pUB 1 1 0、 pTP 5、 p C 1 94) 、 酵母由来プラスミド (例、 p SH19、 p SH
15) 、 λファージなどのパクテリオファージ、 レトロゥイノレス、 ワクシニア ウィルス、 パキュロウィルスなどの動物ウィルスなどの他、 ρΑ1— 1 1、 ρ XT 1、 pRc/CMV、 pRcZRSV、 p c D N A I /N e oなどが用い られる。
本発明で用いられるプロモーターとしては、 遺伝子の発現に用いる宿主に対 応して適切なプロモーターであればいかなるものでもよい。 例えば、 動物細胞 を宿主として用いる場合は、 SRaプロモーター、 SV40プロモーター、 L TRプロモーター、 CMVプロモーター、 HSV-TKプロモーターなどが挙げ られる。
これらのうち、 CMVプロモーター、 S R αプロモーターなどを用いるのが 好ましい。 宿主がェシエリヒア属菌である場合は、 t r pプロモーター、 l a cプロモーター、 r e cAプロモーター、 ; LPLプロモーター、 l p pプロモー ターなどが、 宿主がバチルス属菌である場合は、 SPO1プロモーター、 SP 02プロモーター、 p e n Pプロモーターなど、 宿主が酵母である場合は、 P HO 5プロモーター、 PGKプロモーター、 GAPプロモーター、 ADHプロ モーターなどが好ましい。 宿主が昆虫細胞である場合は、 ポリヘドリンプロモ 一ター、 P 10プロモーターなどが好ましい。
発現ベクターには、 以上の他に、 所望によりェンハンサー、 スプライシング シグナル、 ポリ A付加シグナル、選択マーカー、 SV40複製オリジン (以下、 S V40 o r i と略称する場合がある) などを含有しているものを用いること ができる。 選択マーカーとしては、 例えば、 ジヒ ドロ葉酸還元酵素 (以下、 d h f rと略称する場合がある) 遺伝子 〔メソトレキセート (MTX) 耐性〕 、 アンピシリン耐性遺伝子 (以下、 Amp rと略称する場合がある) 、ネオマイシ ン耐性遺伝子 (以下、 Ne o rと略称する場合がある、 G418耐性) 等が挙げ られる。 特に、 CHO (d h f r一) 細胞を用いて d h f r遺伝子を選択マーカ 一として使用する場合、 目的遺伝子をチミジンを含まない培地によっても選択 できる。
また、 必要に応じて、 宿主に合ったシグナル配列を、 本発明のレセプター蛋 白質の N端末側に付加する。 宿主がェシヱリヒァ属菌である場合は、 P h o A
'シグナル配列、 Omp A ·シグナル配列などが、 宿主がバチルス属菌である 場合は、 α—アミラーゼ'シグナル配列、 サブチリシン 'シグナル配列などが、 宿主が酵母である場合は、 MF a ·シグナル配列、 SUC 2 ·シグナル配列な ど、 宿主が動物細胞である場合には、 インシュリン 'シグナル配列、 ひ一イン ターフェロン 'シグナル配列、 抗体分子 ·シグナル配列などがそれぞれ利用で さる。
このようにして構築された本発明の FPRL 1または FPRL 2をコードす る D N Aを含有するベクターを用いて、 '形質転換体を製造することができる。 宿主としては、 例えば、 ェシエリヒア属菌、 バチルス属菌、 酵母、 昆虫細胞、 .昆虫、 動物細胞などが用いられる。
ェシェリヒア属菌の具体例としては、 ェシェリヒア .コリ (Escherichia col i ) K 1 2 · DH 1 〔プロシージングズ .ォブ .ザ ·ナショナル ·アカデミー · ォブ 'サイェンシィズ .ォブ .ザ 'ユーエスエー (proc. Natl. Acad. Sci. U S A) , 60卷, 1 60 (1 968)〕 , JM1 03 〔ヌクイレック ·ァシッズ · リサーチ (Nucleic Acids Research) , 9卷, 3 09 (1 9 8 1)〕 , JA2 2 1 〔ジャーナル ·オフ、、 ·モレキュラー ·バイオロジー (Journal of Molecular Biology) , 1 20卷, 5 1 7 (1 9 78)〕 , ΗΒ 1 0 1 〔ジャーナル ·ォプ · モレキュラー ·バイオロジー, 4 1卷, 459 (1 96 9)〕 , C 600 〔ジェ ネテイツタス (Genetics) , '39卷, 440 (1 9 54)〕 などが用いられる。 バチルス属菌としては、 例えば、 バチルス ·ズブチルス (Bacillus subtilis ) MI 1 1 4 〔ジーン, 24卷, 255 (1 98 3)〕 , 207-2 1 〔ジャー ナル ·ォプ ·バイオケミストリー (Journal of Biochemistry) , 9 5巻, 8 7 (1 984)〕 などが用いられる。
酵母としては、 例えば、 サッカロマイセス セレビシェ (Saccharomyces cerevisiae) AH 22, AH 22 R―, NA8 7— 1 1 A, DKD— 5D、 20 B— 1 2、 シゾサッカロマイセス ボンべ (Schizosaccharomyces pombe) NC YC 1 9 1 3, NCYC 203 6、 ピキア ノヽ。ストリス (Pichia pastoris) な どが用いられる。
昆虫細胞としては、 例えば、 ウィルスが Ac NPVの場合は、 夜盗蛾の幼虫
由来株化細胞 (Spodoptera frugiperda cell; S f細胞) 、 Trichoplusia の 中腸由来の MG 1細胞、 Trichoplusia niの卵由来の High Five™細胞、 Mamestra brassicae由来の細胞または Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。 ゥ ィルスが BmNP Vの場合は、 蚕由来株化細胞 (Bombyx mori N; BmN細胞) などが用いられる。 該 S f 細胞としては、 例えば、 S f 9細胞 (ATCC CRL1711 ) 、 S f 21細胞 (以上、 Vaughn, J.L.ら、 イン · ヴイボ (In Vivo) ,13, 213-217, (1977)) などが用いられる。
昆虫としては、 例えば、 カイコの幼虫などが用いられる 〔前田.ら、 ネィチヤ 一 (Nature) , 315巻, 592 (1985)〕 。
動物細胞としては、 例えば、 サル細胞 COS— 7, Ve r o, チャイニーズ ハムスター細胞 CHO (以下、 CHO細胞と略記) 、 dh f r遺伝子欠損チヤ ィニーズハムスター細胞 CHO (以下、 CHO (dh f r一) 細胞と略記) 、 マ ウス L細胞, マウス At T_20、 マウスミエローマ細胞、 ラット GH3、 ヒ ト FL細胞などが用いられる。
ェシエリヒァ属菌を形質転換するには、 例えば、 プロシージングズ ·ォブ · ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイェンジィズ ·ォブ ·ザ ·ユーエスェ 一 (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 69卷, 21 10 (1972) やジーン (Gene) , 1 7卷, 107 (1982) などに記載の方法に従って行なうこと ができる。
バチルス属菌を形質転換するには、 例えば、 モレキュラー 'アンド 'ジエネ ラル ·ジエネティックス (Molecular & General Genetics) , 168卷, 1 1 1 (1979)などに記載の方法に従って行なうことができる。
酵母を形質転換するには、例えば、メッソズ ·イン 'ェンザィモロジー(Methods in Enzymology) , 194卷, 182— 187 (1991) 、 プロシージングズ ·ォブ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォプ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ ·ュ 一エスエー (proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 75卷, 1929 (1978) な どに記載の方法に従って行なうことができる。
昆虫細胞または昆虫を形質転換するには、 例えば、 バイオ /"テクノロジー ( Bio/Technology) , 6, 47-55 (1988) などに記載の方法に従って行
うことができる。
動物細胞を形質転換する ·には、 例えば、 細胞工学別冊 8新細胞工学実験プロ トコール. 2 6 3— 2 6 7 ( 1 9 9 5 ) (秀潤社発行)、ヴィロロジー(Virology ) , 5 2卷, 4 5 6 ( 1 9 7 3 )に記載の方法に従って行なうことができる。 このようにして、 F P R L 1または F P R L 2をコードする D NAを含有す る発現べクタ一で形質転換された形質転換体が得られる。
宿主がェシエリヒア属菌、 バチルス属菌である形質転換体を培養する際、 培 養に使用される培地としては液体培地が適当であり、 その中には該形質転換体 の生育に必要な炭素源、 窒素源、 無機物その他が含有せしめられる。 炭素源と しては、 例えば、 グルコース、 デキストリン、 可溶性澱粉、 ショ糖など、 窒素 源としては、例えば、 アンモ-ゥム塩類、硝酸塩類、 コーンスチープ' リカ 、 ペプトン、 カゼイン、 肉エキス、 大豆粕、 バレイショ抽出液などの無機または 有機物質、 無機物としては、 例えば、 塩化カルシウム、 リン酸ニ水素ナトリウ ム、 塩化マグネシウムなどが挙げられる。 また、 酵母エキス、 ビタミン類、 生 長促進因子などを添加してもよい。 培地の p Hは約 5〜8が望ましい。 , ェシエリヒア属菌を培養する際の培地としては、 例えば、 グルコース、 カザ ミノ酸を含む M 9培地 〔ミラー (Miller) , ジャーナル ·ォブ ·ェクスペリメ ンッ ·イン 'モレキュラー ·ンエネティックス (Journal of Experiments in Molecular Genetics) , 4 3 1— 4 3 d, Cold Spring Harbor Laboratory, New York 1 9 7 2〕 が好ましい。 ここに必要によりプロモーターを効率よく働かせ るために、 例えば、 3 一インドリル アクリル酸のような薬剤を加えること ができる。
宿主がェシヱリヒァ属菌の場合、 培養は通常約 1 5〜 4 3 °Cで約 3〜 2 4時 間行ない、 必要により、 通気や撹拌を加えることもできる。
宿主がバチルス属菌の場合、 培養は通常約 3 0〜 4 0 °Cで約 6〜 2 4時間行 ない、 必要により通気や撹拌を加えることもできる。
宿主が酵母である形質転換体を培養する際、 培地としては、 例えば、 バーク ホールダー (Burkholder) 最小培地 〔Bostian, K. L. ら、 プロシージングズ · ォブ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー ·オフ、、 ·サイェンシィズ ·オフ、、 ·ザ ·ユー
エスエー (proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 77卷, 4505 (1 980)〕 や 0. 5%カザミノ酸を含有する SD培地 〔Bitter, G. A. ら、 プロシージングズ •ォブ ·ザ ·ナショナル 'アカデミー .ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ ·ュ 一エスエー (proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 81卷, 5330 (1 984) 〕 が挙げられる。 培地の pHは約 5〜8に調整するのが好ましい。 培養は通常 約 20〜 35 °Cで約 24〜 72時間行ない、 必要に応じて通気や撹拌を加える。 宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換体を培養する際、 培地としては、 Grace' s Insect Medium (Grace, T. C. C. ,ネイチヤー (Nature) , 195, 788(1962) )'に非動化した 10%ゥシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが用いられる。 培地の pHは約 6. 2〜6. 4に調整するのが好ましい。 培養は通常約 27 °C で約 3〜5日間行ない、 必要に応じて通気や撹拌を ¾える。
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、 培地としては、 例えば、 約 5~20%の胎児牛血清を含む MEM培地 〔サイエンス (Science) , 122卷 , 501 (1952)〕 , DMEM培地 〔ヴイロロジー (Virology) , 8卷, 3 96 (1 959)] , RPM I 1640培地 〔ジャーナル ·ォブ ·ザ ·アメリカ ン ·メァイカノレ ·ァンシェーシ 3ン (The Journal of the American Medical Association) 1 99卷, 519 (1 967)〕 , 199培地 〔プロシージング · ォブ.ザ.ソサイエティ ·フォー.ザ 'バイオロジカノレ'メディスン (Proceeding of the Society for the Biological Medicine , 73 , 1 (1950)〕 な どが用いられる。 pHは約 6〜8であるのが好ましい。 培養は通常約 30〜4 0 °Cで約 1 5〜 60時間行ない、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
以上のようにして、 形質転換体の細胞内、 細胞膜または細胞外に本発明の F PRL 1または FPRL 2を生成せしめることができる。
.上記培養物から本発明の F PR L 1または F PR L 2を分離精製するには、 例えば、 下記の方法により行なうことができる。
本発明の FPRL 1または F PR L 2を培養菌体あるいは細胞から抽出する に際しては、 培養後、 公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、 これを適当な緩 衝液に懸濁し、 超音波、 リゾチームおょぴ Zまたは凍結融解などによって菌体 あるいは細胞を破壊したのち、 遠心分離やろ過により FPRL 1または FPR
L 2の粗抽出液を得る方法などが適宜用いられる。 緩衝液の中に尿素や塩酸グ ァ-ジンなどの蛋白質変性剤や、 トリ トン X— 1 00TMなどの界面活性剤が含 まれていてもよい。 培養液中に F PRL 1または F PR L 2が分泌される場合 には、培養終了後、それ自体公知の方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離し、 上清を集める。
このようにして得られた培養上清、 あるいは抽出液中に含まれる PR L 1 または F P R L 2の精製は、 自体公知の分離 ·精製法を適切に組み合わせて行 なうことができる。 これらの公知の分離、 精製法としては、 塩析ゃ溶媒沈澱法 などの溶解度を利用する方法、 透析法、 限外ろ過法、 ゲルろ過法、 および SD S—ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利用する 方法、 イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電の差を利用する方法、 ァフィ ユティークロマトグラフィーなどの特異的新和性を利用する方法、 逆相高速液 体クロマトグラフィ一などの疎水性の差を利用する方法、 等電点電気泳動法な どの等電点の差を利用する方法などが用いられる。 '
かくして得られる F PR L 1または FPRL 2が遊離体で得られた場合には、 自体公知の方法あるいはそれに準じる方法によつて塩に変換することができ、 逆に塩で得られた場合には自体公知の方法あるいはそれに準じる方法により、 遊離体または他の塩に変換することができる。
なお、 糸且換え体が産生する F PRL 1または F PRL 2を、 精製前または精 製後に適当な蛋白質修飾酵素を作用させることにより、 任意に修飾を加えたり、 ポリペプチドを部分的に除去することもできる。 蛋白質修飾酵素としては、 例 えば、 トリプシン、 キモトリプシン、 アルギニルェンドぺプチダーゼ、 プロテ インキナーゼ、 グリコシダーゼなどが用いられる。
かくして生成する本発明の FPRL 1または FPRL 2の活性は、 標識した リガンド (h uma n i n) との結合実験および特異抗体を用いたェンザィム ィムノアッセィなどにより測定することができる。
本発明の F PRL 1または F PRL 2に対する抗体は、 本発明の F PRL 1 または F P R L 2を認識し得る抗体であれば、 ポリクローナル抗体、 モノクロ ーナル抗体の何れであってもよい。 .
本発明の FPRL 1または F PRL 2に対する抗体は、 本発明の F PR L 1 または F P R L 2を抗原として用い、 自体公知の抗体または抗血清の製造法に 従って製造することができる。
〔モスクローナル抗体の作製〕
(a) モノクローナル抗体産生細胞の作製
本発明の F P R L 1または F P R L 2は、 哺乳動物に対して投与により抗体 産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、 希釈剤とともに投与される。 投与 に際して抗体産生能を高めるため、 完全フロイントアジュバントや不完全フロ イントアジュバントを投与してもよい。 投与は通常 2〜 6週毎に 1回ずつ、 計 2〜10回程度行なわれる。 用いられる哺乳動物としては、 例えば、 サル、 ゥ サギ、 ィヌ、 モルモット、 マウス、 ラット、 ヒッジ、 ャギが挙げられるが、 マ ウスおよびラットが好ましく用いられる。
モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、 抗原を免疫された温血動物、 例えば、 マウスから抗体価の認められた個体を選択し最終免疫の 2〜 5日後に 脾臓またはリンパ節を採取し、 それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄 JS細胞と 融合させることにより、 モノクローナル抗体産生ハイプリ ドーマを調製するこ とができる。 抗血清中の抗体価の測定は、 例えば、 後記の標識化レセプター蛋 白質と抗血清とを反応させたのち、 抗体に結合した標識剤の活性を測定するこ とにより行なうことができる。 融合操作は既知の方法、 例えば、 ケーラーとミ ルスタインの方法 〔ネイチヤー (Nature) 、 256卷、 495頁 (1 975年 ) 〕 に従い実施することができる。 融合促進剤としては、 例えば、 ポリエチレ ングリコール (PEG) やセンダイウィルスなどが挙げられるが、 好ましくは PEGが用いられる。
骨髄腫細胞としては、 例えば、 N S— 1、 P 3 U 1、 S P 2ノ 0などが挙げ られるが、 P 3U1が好ましく用いられる。 用いられる抗体産生細胞 (脾臓細 胞) 数と骨髄腫細胞数との好ましい比率は 1 : 1〜20 : 1程度であり、 PE G (好ましくは、 PEG1000〜PEG6000) が 10〜 80 %程度の濃 度で添加され、 約 20〜 40 °C、 好ましくは約 30〜 37 °Cで約 1〜 10分間 ィンキュベートすることにより効率よく細胞融合を実施できる。
モノクローナル抗体産生ハイブリ ドーマのスクリ一エングには種々の方法が 使用できるが、 例えば、 レセプター蛋白質の抗原を直接あるいは担体とともに 吸着させた固相(例、マイクロプレート) にハイプリ ドーマ培養上清を添カロし、 次に放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロプリン抗体 (細胞融合に用い られる細胞がマウスの場合、 抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられる) また はプロティン Aを加え、 固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法、 抗免疫グロブリン抗体またはプロテイン Aを吸着させた固相にハイプリ ドーマ 培養上清を添加し、 放射性物質や酵素などで標識したレセプター蛋白質を加え、 固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法などが挙げられる。
モノクローナル抗体の選別は、 自体公知あるいはそれに準じる方法に従って 行なうことができるが、 通常は HA T (ヒポキサンチン、 アミノプテリン、 チ ミジン) を添加した動物細胞用培地などで行なうことができる。 選別および育 種用培地としては、 ハイプリ ドーマが生育できるものならばどのような培地を 用いても良い。 例えば、 1〜 2 0 %、 好ましくは 1 0〜 2 0 %の牛胎児血清を 含む R PM I 1 6 4 0培地、 :!〜 1 0 %の牛胎児血清を含む G I T培地 (和光 純薬工業 (株) ) またはハイプリ ドーマ培養用無血清培地 (S FM— 1 0 1、 日水製薬 (株) ) などを用いることができる。培養温度は、通常 2 0〜4 0 °C、 好ましくは約 3 7 °Cである。 培養時間は、 通常 5日〜 3週間、 好ましくは 1週 間〜 2週間である。 培養は、 通常 5 %炭酸ガス下で行なうことができる。 ハイ プリ ドーマ培養上清の抗体価は、 上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして 測定できる。
( b ) モノクローナル抗体の精製
モノクローナル抗体の分離精製は、 通常のポリク口ーナル抗体の分離精製と 同様に免疫グロブリンの分離精製法 〔例、 塩析法、 アルコール沈殿法、 等電点 沈殿法、 電気泳動法、 イオン交換体 (例、 D E A E ) による吸脱着法、 超遠心 法、 ゲルろ過法、 抗原結合固相またはプロテイン Aあるいはプロテイン Gなど の活性吸着剤により抗体のみを採取し、 結合を解離させて抗体を得る特異的精 製法〕 に従つて行なうことができる。
〔ポリクローナル抗体の作製〕
本発明のポリクローナル抗体は、 それ自体公知あるいはそれに準じる方法に したがって製造することができる。 例えば、 免疫抗原 (FPRL 1抗原または FPRL 2抗原) とキャリアー蛋白質との複合体をつくり、 上記のモノクロ一 ナル抗体の製造法と同様に哺乳動物に免疫を行ない、 該免疫動物から本発明の FPRL 1または FPRL2に対する抗体含有物を採取して、 抗体の分離精製 を行なうことにより製造できる。
哺乳動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキャリアー蛋白質との複合 体に関し、 キャリアー蛋白質の種類およびキャリアーとハプテンとの混合比は、 キャリアーに架橋させて免疫したハプテンに対して抗体が効率良くできれば、 どの様なものをどの様な比率で架橋させてもよいが、 例えば、 ゥシ血清アルブ ミン、 ゥシサイログロプリン、 キーホーノレ · リンぺット 'へモシァニン等を重 量比でハプテン 1に対し、 約 0. 1〜 20、 好ましくは約 1〜 5の割合で力プル させる方法が用いられる。
また、 ハプテンとキャリアーの力プリングには、 種々の縮合剤を用いること ができるが、ダルタルアルデヒドゃカルポジィミド、マレイミド活性エステル、 チオール基、 ジチオビリジル基を含有する活性エステル試薬等が用いられる。 縮合生成物は、 温血動物に対して、 抗体産生が可能な部位にそれ自体あるい は担体、 希釈剤とともに投与される。 投与に際して抗体産生能を高めるため、 完全フロイントアジュバントゃ不完全フロイントアジュバントを投与してもよ レ、。 投与は、 通常約 2〜 6週毎に 1回ずつ、 計約 3〜 10回程度行なうことが できる。
ポリクローナル抗体は、上記の方法で免疫された哺乳動物の血液、腹水など、 好ましくは血液から採取することができる。
抗血清中のポリクローナル抗体価の測定は、 上記の血清中の抗体価の測定と 同様にして測定できる。 ポリクローナル抗体の分離精製は、 上記のモノクロ一 ナル抗体の分離精製と同様の免疫グロプリンの分離精製法に従って行なうこと ができる。
本発明の F PRL 1または F PRL 2のリガンドは h uma n i nまたはそ の塩である。
h u m a n i nとしては、 ( 1 ) 配列番号: 3で表されるァミノ酸配列と同 一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、 (2 ) 配列番 号: 7で表されるァミノ酸配列と同一または実質的に同一のァミノ酸配列を含 有するポリぺプチドなどが用いられる。
h u rn a n i nは、 ヒトゃ非ヒト温血動物 (例えば、 モノレモット、 ラット、 マウス、 ニヮトリ、 ゥサギ、 ブタ、 ヒッジ、 ゥシ、 サル等) の細胞 (例えば、 肝細胞、 脾細胞、 神経細胞、 グリア細胞、 膝臓 )8細胞、 骨髄細胞、 メサンギゥ ム細胞、 ランゲルハンス細胞、 表皮細胞、 上皮細胞、 内皮細胞、 繊維芽細胞、 繊維細胞、 筋細胞、 脂肪細胞、 免疫細胞 (例、 マクロファージ、 T細胞、 B細 胞、 ナチュラルキラー細胞、 肥満細胞、 好中球、 好塩基球、 好酸球、 単球) 、
• 巨核球、 滑膜細胞、 軟骨細胞、 骨細胞、 骨芽細胞、 破骨細胞、 乳腺細胞、 もし くは間質細胞、 またはこれら細胞の前駆細胞、 幹細胞もしくはガン細胞等) も しくはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、 例えば、 脳、 脳の各部位 (例、 嗅球、 扁祧核、 大脳基底球、 '海馬、 視床、 視床下部、 大脳皮質、 延髄、 小脳) 、 脊髄、 下垂体、 胃、 薛臓、 腎臓、肝臓、 生殖腺、 甲状腺、 胆のう、 骨髄、 副腎、 皮膚、 筋肉、 肺、 消化管 (例、 大腸、 小腸) 、 血管、 心臓、 胸腺、 脾臓、 唾液 腺、 末梢血、 前立腺、 睾丸、 卵巣、 胎盤、 子宮、 骨、 軟骨、 関節、 骨格筋等に 由来するポリぺプチドであってもよく、 組換えポリぺプチドであってもよく、 合成ポリペプチドであってもよい。
' 「実質的に同一」 とは h u m a n i nの活性、例えば、 細胞死抑制作用 (例、 各種疾患に伴う細胞死に対する抑制作用) 、 細胞生存維持作用、 または神経変 性疾患、 癌、 免疫疾患、 感染症、 消化管疾患、 循環器疾患、 内分泌疾患等の予 防 ·治療活性 (作用) など、 生理的な特性などが、 実質的に同じことを意味す る。 アミノ酸の置換、 欠失、 付カ卩あるいは挿入が、 ポリペプチドの生理的な特 性や化学的な特性に大きな変化をもたらさない限り、 当該置換、 欠失、 付加あ るいは挿入を施されたポリペプチドは、 当該置換、 欠失、 付加あるいは揷入の されていないものと実質的に同一である。 該ァミノ酸配列中のアミノ酸の実質 的に同一な置換物としては、 たとえばそのァミノ酸が属するところのクラスの うち他のアミノ酸類から選ぶことができる。
非極性 (疎水性) アミノ酸としては、 ァラニン、 ロイシン、 イソロイシン、 パリン、 プロリン、 フエ二ルァラニン、 トリプトファン、 メチォェンなどがあ げられる。 極性 (中性) アミノ酸としてはグリシン、 セリン、 スレオニン、 シ スティン、 チロシン、 ァスパラギン、 グルタミンなどがあげられる。 陽電荷を もつ (塩基性) アミノ酸としてはアルギニン、 リジン、 ヒスチジンなどがあげ られる。 負電荷をもつ (酸性) アミノ酸としては、 ァスパラギン酸、 ダルタミ ン酸などが挙げられる。
配列番号: 3で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のァミノ酸配列として は、 該ァミノ酸配列を含有するポリぺプチドが、 配列番号: 3で表されるアミ ノ酸配列からなる huma n i nと実質的に同一の活性(性質)を有する限り、 特に限定されるものではなく、 例えば配列番号: 3で表されるアミノ酸配列と 約 60 %以上、 好ましくは約 80 %以上、 より好ましくは約 85 %以上、 さら に好ましくは約 90 %以上、 最も好ましくは約 95 %以上の相同性を有するァ ミノ酸配列等が挙げられる。
配列番号: 7で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列として は、 該アミノ酸配列を含有するポリペプチドが、 配列番号: 7で表されるアミ ノ酸配列からなる huma n i nと実質的に同一の活性(性質)を有する限り、 特に限定されるものではなく、 例えば配列番号: 7で表されるアミノ酸配列と 約 60 %以上、 好ましくは約 80 %以上、 より好ましくは約 85 %以上、 さら に好ましくは約 90 %以上、 最も好ましくは約 95 %以上の相同性を有するァ ミノ酸配列等が挙げられる。
ァミノ酸配列の相同性は、 相同性計算アルゴリズム NCB I BLAST ( Na t i o n a l C e n t e r f o r B i o t e c hn o l o g y I n f o rma t i o n B a s i c L o c a l A l i g nme n t S e a r c h To o l) を用い、 以下の条件 (期待値 = 10 ;ギャップを許す; マトリクス = BLOSUM62 ;フィルタリング = OFF) にて計算すること ができる。
上記の実質的に同質の活性 (性質) としては、 例えば、 配列番号: 3または 配列番号: 7で表されるァミノ酸配列を含有する huma n i nの有する細胞
死抑制作用 (例、 各種疾患に伴う細胞死に対する抑制作用) 、 細胞生存維持作 用、 または神経変性疾患、 癌、 免疫疾患、 感染症、 消化管疾患、 循環器疾患、 内分泌疾患等の予防'治療活性(作用) などが定性的に同質であることを示す。 また、 配列番号: 3で表されるァミノ酸配列と実質的に同一のァミノ酸配列 を含有する h u m a n i nとしてより具体的には、例えば、 a )配列番号: 3、 配列番号: 4または配列番号: 8で表されるァミノ酸配列中の 1または 2個以 上 (例えば 1〜 1 0個程度、 好ましくは 1〜 6個程度、 より好ましくは 1〜 3 個程度、さらに好ましくは 1または 2個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、 b ) 配列番号: 3、 配列番号: 4または配列番号: 8で表されるアミノ酸配列 に 1または 2個以上 (例えば 1〜 1 0個程度、 好ましくは 1〜6個程度、 より 好ましくは 1〜3個程度、 さらに好ましくは 1または 2個) のアミノ酸が付カロ したアミノ酸配列、 c ) 配列番号: 3、 配列番号: 4または配列番号: 8で表 されるアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (例えば 1〜 5個程度、 好ましくは 1〜3個程度、 さらに好ましくは 1または 2個) のアミノ酸が他のアミノ酸で 置換されたァミノ酸配列、 または d ) それらの欠失 ·付加 ·置換を組み合わせ たァミノ酸配列からなるポリぺプチドなども含まれるが、 配列番号: 5で表さ れるァミノ酸配列からなるポリぺプチドぉよび配列番号: 5で表されるァミノ 酸配列の第 1番目〜 2 1番目のァミノ酸配列からなるポチべプチドは含まれな い。
配列番号: 7で表されるァミノ酸配列と実質的に同一のァミノ酸配列を含有 する h u m a n i nとしてより具体的には、 例えば、 a ) 配列番号: 7で表さ れるアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (例えば 1〜1 0個程度、 好ましくは 1〜6個程度、 より好ましくは 1〜3個程度、 さらに好ましくは 1または 2個 ') のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、 b ) 配列番号: 7で表されるアミノ酸 配列に 1または 2個以上 (例えば 1〜 1 0個程度、 好ましくは 1〜 6個程度、 より好ましくは 1〜3個程度、 さらに好ましくは 1または 2個) のアミノ酸が 付カ卩したアミノ酸配列、 c ) 配列番号: 7で表されるァミノ酸配列中の 1また は 2個以上 (例えば 1〜 1 0個程度、 好ましくは 1〜6個程度、 より好ましく は 1〜3個程度、 さらに好ましくは 1または 2個) のアミノ酸が他のアミノ酸
で置換されたァミノ酸配列、 または d ) それらの欠失 ·付加 ·置換を組み合わ せたアミノ酸配列からなるポリぺプチドなども含まれる。
上記のようにアミノ酸配列力' S揷入、 欠失または置換されている場合、 その揷 入、 欠失または置換の位置としては、 特に限定されない。
具体的には、 h uma n i nとしては、 例えば、
(1) 配列番号: 3で表わされるアミノ酸配列からなるヒト型 h uma n i n (1-24) 、
(2) 配列番号: 4で表わされるアミノ酸配列からなる [G l y14] —ヒト型 huma n i n 、丄ー 24) 、
(3) 配列番号: 6で表わされるアミノ酸配列からなるヒト型 huma n i n (1-21) 、
(4) 配列番号: 7で表わされるアミノ酸配列からなるラット型 h uma n i n (1-38) ,
(5) 配列番号: 8で表わされるアミノ酸配列からなるラット型 h uma n i n (1-24) 、
(6) 配列番号: 9で表わされるアミノ酸配列からなるラット型 huma n i 11 (1-21) などが挙げられる。
huma n i nは、 上記したポリペプチドの部分ペプチドであってもよい。 huma n i nの部分べプチドとしては、 前記した h uma n i nの部分ぺプ チドであれば何れのものであってもよいが、 例えば、 huma n i nと実質的 に同質の活生 ( 「実質的に同質の活性」 は上記と同意義を示す) ものなどが好 ましく用いられる。
h uma n i nの部分べプチドとしてより具体的には、 前記した配列番号: 3または配列番号: 7で表されるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のァ ミノ酸配列を含有するポリぺプチドの部分べプチドなどが挙げられ、 好ましく は前記した配列番号: 3で表されるアミノ酸配列と同一または実質的に同一の ァミノ酸配列中の連続する 6〜 20個程度、 好ましくは 6〜 15個程度、 より 好ましくは 6〜 10個程度のァミノ酸配列からなる部分べプチドなどが用いら れる。
「実質的に同一」 とは、 上記の h u m a n i nの説明における 「実質的に同 一」 と同意義を示す。
また、 h u m a n i nの部分ペプチドとしてより具体的には、 例えば、 a ) 配列番号: 3、 配列番号: 4または配列番号: 8で表されるアミノ酸配列中の 6〜2 0個程度、 好ましくは 6〜1 5個程度、 より好ましくは 6〜1 0個程度 のアミノ酸配列からなるペプチド、 または b ) 該アミノ酸配列中の 1または 2 個以上 (例、 1〜6個程度、 好ましくは 1〜3個程度、 より好ましくは 1また は 2個) のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、 c ) 該アミノ酸配列に 1または 2個以上 (例、 1〜6個程度、 好ましくは 1〜3個程度、 より好ましくは 1ま たは 2個) のアミノ酸が付カ卩したアミノ酸配列、 d ) 該アミノ酸配列中の 1ま たは 2個以上 (例、 1〜6個程度、 好ましくは 1〜3個程度、 より好ましくは 1または 2個) のァミノ酸が他のァミノ酸で置換されたァミノ酸配列、 ,または e ) それらの欠失 ·付カ卩 ·置換を組み合わせたァミノ酸配列からなる部分ぺプ チドなども含まれ、 なかでも配列番号: 3、 配列番号: 4または配列番号: 8 で表されるアミノ酸配列中の N末端から数えて 6〜2 0個程度、 好ましくは 6 〜1 5個程度、 より好ましくは 6〜1 0個程度のアミノ酸配列からなるぺプチ ドなどが好ましく用いられる。
上記のようにアミノ酸配列が挿入、 欠失または置換されている場合、 その挿 入、 欠失または置換の位置としては、 特に限定されない。 ただし、 上記の置換 に関しては、配列番号: 3または配列番号: 4で表されるアミノ酸配列の第 3、 1 2、 1 4、 1 5、 1 6または 2 4番目のアミノ酸の置換は含まれない。
h u m a n i nの部分ぺプチドの具体例として、例えば、 a )配列番号: 3、 配列番号: 4または配列番号: 8で表されるァミノ酸配列の第 1 9番目〜 2 4 番目、 第 5番目〜 2 4番目、 第 1番目〜 2 0番目、 第 5番目〜 2 0番目または 第 5番目〜 2 1番目のアミノ酸配列、 または b ) 該アミノ酸配列中の 1または 2個以上 (例、 1〜6個程度、 好ましくは 1〜3個程度、 より好ましくは 1ま たは 2個) のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、 c ) 該アミノ酸配列に 1また は 2個以上 (例、 1〜6個程度、 好ましくは 1〜3個程度、 より好ましくは 1 または 2個) のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、 d ) 該アミノ酸配列中の 1
または 2個以上 (例、 1〜6個程度、 好ましくは 1〜3個程度、 より好ましく は 1または 2個) のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、 また は e) それらの欠失 ·付加 '置換を組み合わせたアミノ酸配列からなり、 アミ ノ酸の数が 6〜20個程度、 好ましくは 6〜15個程度、 より好ましくは 6〜 10個程度である部分ペプチドなどが挙げられる。 ただし、 上記の置換に関し ては、配列番号: 3または配列番号: 4で表されるアミノ酸配列の第 3、 12、 14、 15、 16または 24番目のアミノ酸の置換は含まれなレ、。
また、 h uma n i nの部分ペプチドには、 配列番号: 5で表されるァミノ 酸配列の第 19番目〜 24番目、 第 5番目〜 24番目、 第 1番目〜 20番目、 第 5番目〜 20番目または第 5番目〜 21番目のアミノ酸配列からなるぺプチ ドは含まれない。
h uma n i nの部分べプチドのより好ましい具体例として、配列番号: 3、 配列番号: 4または配列番号: 8で表されるアミノ酸配列の第 19番目〜 24 番目、 第 5番目〜 24番目、 第 1番目〜 20番目、 第 5番目〜 20番目または 第 5番目〜 21番目のアミノ酸配列からなるペプチドが挙げられる。
また、 h uma n i nまたはその部分ペプチドには、 分子内のアミノ酸の側 鎖上の置換基が適当な保護基で保護されているもの、 あるいは糖鎖が結合した いわゆる糖ぺプチ,ドなどの複合べプチドなども含まれる。
さらに、 huma n i nは、 それぞれ単量体の他に、 2量体、 3量体、 4量 体などとして存在していてもよく、 具体的には、 h uma n i n同士で 2量体 を形成する場合、 本発明の部分ペプチド同士で 2量体を形成する場合、 hum a n i nと本発明の部分ペプチドとで 2量体を形成する場合などが挙げられる t さらに、 h uma n i nまたはその部分ペプチド (以下、 huma n i nと 略記する) には、 おのおのの N末端または C末端 どにェピトープ (抗体認識 部位) となりうる任意の外来ペプチド配列 (例えば、 FLAG、 H i sタグ、 HAタグ、 HSVタグなど) を有しているものも含まれる。
huma n i nは、 ペプチド標記の慣例に従って左端が N末端 (ァミノ末端 ) 、 右端が C末端 (カルボキシル末端) である。 配列番号: 3または配列番号 : 4で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをはじめとする h uma
n i nは、 C末端がカルボキシル基 (-COOH) 、 カルボキシレ一ト (-C OO— ) 、 アミ ド (一 CONH2) またはエステル (一 COOR) であってもよ レヽが、 特にアミ ド (一 CONH2) が好ましい。
ここでエステルにおける Rとしては、 例えば、 メチル、 ェチル、 n—プロピ ル、 イソプロピルもしくは n—ブチル等の Cト 6アルキル基、 例えば、 シクロべ ンチル、 シクロへキシル等の C 3— 8シクロアルキル基、 例えば、 フエニル、 a - ナフチル等の C6— 12ァリール基、 例えば、 ベンジル、 フエネチル等のフエニル — Ci- アルキル基もしくはひ一ナフチルメチル等の α—ナフチルー Ci_2ァ ルキル基等の C7_14ァラルキル基のほ力、、 経口用エステルとして汎用されるピ バロィルォキシメチル基等が用いられる。
h uma n i nが C末端以外に力ルポキシル基 (またはカルボキシレート) を有している場合、 カルボキシル基がアミ ド化またはエステル化されているも のも本願明細書における h uma n i nに含まれる。 この場合のエステルとし ては、 例えば上記した C末端のエステノレ等が用!/、られる。
さらに、 h uma n i nには、 N末端のアミノ酸残基 (例、 メチォニン残基 ) のァミノ基が保護基 (例えば、 ホルミル基、 ァセチル基等の アルカノィ ル等の C — 6ァシル基等) で保護されているもの、生体内で切断されて生成する
N末端のダルタミル基がピログルタミン酸化したもの、 分子内のアミノ酸の側 鎖上の置換基 (例えば一 OH、 一 SH、 アミノ基、 イミダゾール基、 インドー ル基、 グァニジノ基等) が適当な保護基 (例えば、 ホルミル基、 ァセチル基等 の — 6アルカノィル基等の 6ァシル基等) で保護されているもの、 あるい は糖鎖が結合したいわゆる糖ポリぺプチド等の複合ポリぺプチド等も含まれる。 h uma n i nとしては、 N末端のアミノ酸残基のァミノ基がホルミルィ匕さ れているものが好ましく、 特に N末端にメチォニン残基を有し、 その N末端メ チォニン残基のァミノ基がホルミノレィ匕されているものが好ましい。
具体的には、 N末端メチォニン残基のァミノ基がホルミル化されている配列 番号: 3、 配列番号: 4、 配列番号: 6、 配列番号: 7、 配列番号: 8または 配列番号: 9で表されるァミノ酸配列からなるポリぺプチドなどが好ましく用 レヽられる。
h u m a n i nの塩としては、 生理学的に許容される酸 (例、 無機酸、 有機 酸) や塩基 (例、 アルカリ金属塩) 等との塩が用いられ、 とりわけ生理学的に 許容される酸付加塩が好ましい。 この様な塩としては、 例えば、 無機酸 (例え ば、 塩酸、 リン酸、 臭化水素酸、 硫酸) との塩、 あるいは有機酸 (例えば、 酢 酸、 ギ酸、 プロピオン酸、 フマル酸、 マレイン酸、 コノヽク酸、 酒石酸、 クェン 酸、 リンゴ酸、 蓚酸、 安息香酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸) と の塩等が用いられる。
以下、 明細書では、 h u m a n i nまたはその塩を h u m a n i nと略記す る。
h u m a n i nは、 前述したヒトゃ非ヒト温血動物の細胞または組織から公 知のポリべプチドの精製方法によって製造することもできるし、 後述のぺプチ ド合成法に準じて製造することもできる。
ヒトゃ非ヒト哺乳動物の糸且織または細胞から製造する場合、 ヒトゃ非ヒト哺 乳動物の組織または細胞をホモジナイズした後、 酸等で抽出を行ない、 得られ た抽出液を逆相クロマトグラフィー、 イオン交換クロマトグラフィー等のクロ マトグラフィーを組み合わせることにより精製単離することができる。
h u m a n i nまたはそのアミド体の合成には、 通常市販のポリペプチド合 成用樹脂を用いることができる。 そのような樹脂としては、 例えば、 クロロメ チル樹脂、 ヒドロキシメチル榭脂、 ベンズヒドリルァミン樹脂、 アミノメチル 樹脂、 4一べンジルォキシベンジルアルコール樹脂、 4一メチルベンズヒ ドリ ルァミン樹脂、 P AM樹脂、 4—ヒドロキシメチルメチルフエニルァセトアミ ドメチル樹脂、 ポリアクリルアミド樹脂、 4— ( 2 ' , 4, 一ジメ トキシフエ 二ル一ヒドロキシメチル) フエノキシ樹脂、 4一 ( 2, , 4, ージメトキシフ ェニルー F m o cアミノエチル) フエノキシ樹脂等をあげることができる。 こ のような樹脂を用い、 α—ァミノ基と側鎖官能基を適当に保護したアミノ酸を、 目的とするホ°リペプチドの配列通りに、 自体公知の各種縮合方法に従い、 樹脂 上で縮合させる。 反応の最後に樹脂からポリぺプチドを切り出すと同時に各種 保護基を除去し、 さらに高希釈溶液中で分子内ジスルフィド結合形成反応を実 施し、 目的のポリペプチドまたはそれらのアミド体を取得する。
上記した保護ァミノ酸の縮合に関しては、 ポリぺプチド合成に使用できる各 種活性化試薬を用いることができるが、 特に、 カルポジイミ ド類がよい。 カル ボジィミ ド類としては、 D C C、 Ν, . Ν ' ージイソプロピルカルボジィミ ド、 Ν—ェチルー Ν, 一 (3—ジメチルァミノプロリル) カルボジイミ ド等が用い られる。 これらによる活性化にはラセミ化抑制添加剤 (例えば、 H O B t、 H O O B t ) とともに保護アミノ酸を直接樹脂に添加するかまたは、 対応する酸 無水物または H O B tエステルあるいは H O O B tエステルとしてあらかじめ 保護ァミノ酸の活性化を行なった後に樹脂に添加することができる。
保護ァミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用いられる溶媒としては、 ポリぺプ チド縮合反応に使用しうることが知られている溶媒から適宜選択されうる。 例 えば、 N, N—ジメチルホルムアミ ド, N, N—ジメチルァセトアミド, N— メチルピロリ ドン等の酸アミ ド類、 塩化メチレン, クロ口ホルム等のハロゲン 化炭化水素類、 トリフルォロエタノール等のアルコール類、 ジメチルスルホキ シド等のス^/ホキシド類、 ピリジン, ジォキサン, テトラヒドロフラン等のェ 一テル類、 ァセトニトリル, プロピオ二トリル等の二トリル類、 酢酸メチル, 酢酸ェチル等のエステル類あるいはこれらの適宜の混合物等が用いられる。 反 応温度はポリぺプチド結合形成反応に使用され得ることが知られている範囲か ら適宜選択され、 通常約一 2 0〜 5 0 °Cの範囲から適宜選択される。 活' 14化さ れたアミノ酸誘導体は通常 1 . 5〜4倍過剰で用いられる。 ニンヒドリン反応を 用いたテス トの結果、 縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行なうことなく 縮合反応を,操り返すことにより十分な縮合を行なうことができる。 反応を繰り 返しても十分な縮合が得られないときには、 無水酢酸またはァセチルイミダゾ ールを用いて未反応ァミノ酸をァセチル化することによって、 後の反応に影響 を与えないようにすることができる。
原料のァミノ基の保護基としては、 例えば、 Z、 B o c、 t—ペンチルォキ シカルボ二ノレ、 ィソボルニルォキシカルボニル、 4ーメ トキシベンジルォキシ カルボエル、 C 1一 Z、 B r— Z、 ァダマンチノレオキシカノレポニル、 トリフノレ ォロアセチノレ、 フタロイノレ、 ホルミノレ、 2—二トロフエニノレスルフエニル、 ジ フェニルホスフイノチオイル、 F m o c等が用いられる。
カルボキシル基は、 例えば、 アルキルエステル化 (例えば、 メチル、 ェチル、 プロピノレ、 プチノレ、 t—ブチル、 シクロペンチノレ、 シクロへキシノレ、 シクロへ プチル、 シクロオタチル、 2—ァダマンチル等の直鎖状、 分枝状もしくは環状 アルキルエステル化) 、 ァラルキルエステルィヒ (例えば、 ベンジルエステル、 4—二ト口べンジノレエステノレ、 4ーメ トキシベンシノレエステノレ、 4一クロ口べ ンジルエステル、 ベンズヒドリルエステル化) 、 フエナシルエステル化、 ベン ジルォキシカルポュルヒ ドラジド化、 tープトキシカルボニルヒドラジド化、 トリチルヒ ドラジド化等によって保護することができる。 ·
セリンの水酸基は、 例えば、 エステルイ匕またはエーテルィ匕によって保護する ことができる。 このエステル化に適する基としては、 例えば、 ァセチ /レ基等の 低級 (Ci-e) アルカノィル基、 ベンゾィル基等のァロイル基、 ベンジルォキシ カルボニル基、 エトキシカルボニル基等の炭酸から誘導される基等が用いられ る。 また、 エーテノレ化に適する基としては、 例えば、 ベンジル基、 テトラヒ ド ロビラニル基、 t-ブチル基等である。
チロシンのフエノール性水酸基の保護基としては、 例えば、 B z 1、 C 12— B z l、 2—二トロベンジル、 B r— Z、 t—ブチル等が用いられる。
ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、 例えば、 To s、 4ーメ トキ シー 2, 3, 6—トリメチルベンゼンスルホニル、 DNP、 ベンジルォキシメ チル、 Bum, B o c、 T r t、 Fmo c等が用いられる。 ' 原料のカルボキシル基の活性ィ匕されたものとしては、 例えば、 対応する酸無 水物、 アジド、 活性エステル 〔アルコール (例えば、 ペンタクロロフエノール、 2, 4, 5—トリクロ口フエノール、 2, 4ージニトロフエノール、 シァノメ チルアルコール、 パラニトロフエノール、 HONB、 N—ヒ ドロキシスクシミ ド、 N—ヒドロキシフタルイミド、 HOB t) とのエステル〕 等が用いられる。 原料のァミノ基の活性化されたものとしては、 例えば、 対応するリン酸アミ ド が用いられる。 つ
保護基の除去 (脱離) 方法としては、 例えば、 P d—黒あるいは P d—炭素 等の触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、 また、 無水フッ化水素、 メ タンスルホン酸、 トリフルォロメタンスルホン酸、 トリフルォロ酢酸あるいは
これらの混合液等による酸処理や、 ジィソプロピルェチルァミン、 トリェチル ァミン、 ピぺリジン、 ピぺラジン等による塩基処理、 また液体アンモニア中ナ トリウムによる還元等も用いられる。 上記酸処理による脱離反応は、 一般に約 一 2 0〜4 0での温度で行なわれるが、 酸処理においては、 例えば、 ァニソ一 ノレ、 フエノーノレ、 チオアニソール、 メタクレゾーノレ、 パラクレゾーノレ、 ジメチ ルスルフイ ド、 1 , 4一ブタンジチオール、 1, 2—エタンジチオール等のよ うなカチオン捕捉剤の添加が有効である。 また、 ヒスチジンのイミダゾール保 護基として用いられる 2 , 4—ジニトロフエ-ル基はチォフエノール処理によ り除去され、 トリプトファンのインドール保護基として用いられるホルミル基 は上記の 1 , 2—エタンジチオール、 1, 4ーブタンジチオール等の存在下の 酸処理による脱保護以外に、 希水酸ィ匕ナトリウム溶液、 希アンモニア等による アルカリ処理によっても除去される。
原料の反応に関与すべきでない官能基の保護ならびに保護基、 およびその保 護基の脱離、 反応に関与する官能基の活性化等は公知の基または公知の手段か ら適宜選択しうる。
h u m a n i nのアミ ド体を得る別の方法としては、 例えば、 まず、 カルボ キシ末端アミノ酸の α—カルボキシル基をアミ ド化して保護した後、 アミノ基 側にペプチド (ポリペプチド) 鎖を所望の鎖長まで延ばした後、 該ペプチド鎖 の N末端の α—ァミノ基の保護基のみを除いたポリべプチドと C末端のカルボ キシル基の保護基のみを除去したポリペプチドとを製造し、 この両ポリべプチ ドを上記したような混合溶媒中で縮合させる。 縮合反応の詳細については上記 と同様である。 縮合により得られた保護ポリペプチドを精挺した後、 上記方法 によりすべての保護基を除去し、 所望の粗ポリぺプチドを得ることができる。 この粗ポリぺプチドは既知の各種精製手段を駆使して精製し、 主要画分を凍結 乾燥することで所望の h u m a n i nのアミ ド体を得ることができる。
h u m a n i nのエステル体を得るには、 例えば、 カルボキシ末端アミノ酸 の a—カルボキシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルとした 後、 h u m a n i nのアミ ド体と同様にして、 所望のポリペプチドのエステル 体を得ることができる。
huma n i nは、 公知のペプチドの合成法に従っても製造することができ る。 ペプチドの合成法としては、 例えば、 固相合成法、 液相合成法のいずれに よっても良い。 すなわち、 huma n i nを構成し得る部分ペプチドもしくは ァミノ酸と残余部分とを縮合させ、 生成物が保護基を有する場合は保護基を脱 離することにより目的のペプチドを製造することができる。 公知の縮合方法や 保護基の脱離としては、 例えば、 以下の①〜⑤に記載された方法などが挙げら れる。
ΦΜ. Bodanszkyおよび M. A. 0ndetti、 ペプチド ·シンセシス (Peptide synthesis) , Interscience Publishers, New Yor (1966年)、
② Schroederおよび Luebke、 ザ ·ペプチド (The Peptide), Academic Press, New York (1965年)、
③泉屋信夫他、 ペプチド合成の基礎と実験、 丸善 (株) (1975年) 、
④矢島治明 および榊原俊平、 生化学実験講座 1、 タンパク質の化学 IV、 205、 (1977年)、 および
⑤矢島治明監修、 続医薬品の開発、 第 14卷、 ぺプチド合成、 広川書店。
また、 反応後は通常の精製法、 例えば、 溶媒抽出 ·蒸留 'カラムクロマトグ ラフィ一'液体ク口マトグラフィ一'再結晶等を組み合わせて本発明のポリぺ プチド、 本発明の部分ペプチドを精製単離することができる。 上記方法で得ら れるポリべプチドが遊離体である場合は、 公知の方法あるいはそれに準じる方 法によって適当な塩に変換することができるし、 逆に塩で得られた場合は、 公 知の方法あるいはそれに準じる方法によって遊離体または他の塩に変換するこ とができる。
uma n i nは細胞死抑制作用、 細胞生存維持作用などを有しているので、 huma n i nに対する受容体である本発明の F P R L 1または FPRL 2、 FPRL 1または FPRL 2をコードする DNA (以下、 本発明の DNAと略 記する場合がある) 、 FPRL 1または FPRL 2に対する抗体 (以下、 本発 明の抗体と略記する場合がある) 、 本発明の DNAに対するアンチセンス DN A (以下、 本発明のアンチセンス DNAと略記する場合がある) は、 以下の用 途を有している。
( 1 ) 本発明の F P R L 1または F PRL 2の機能不全に関連する疾患の予防 およぴノまたは治療剤
h uma n i nは生体内に存在し、 細胞死抑制作用、 細胞生存維持作用など を有することが知られているので、 本発明の F PR L 1もしくは FPRL 2、 またはそれをコードするポリヌクレオチド (例、 DNA等) などに異常があつ たり、 欠損している場合あるいは発現量が異常に減少または亢進している場合、 例えば、 神経変性を伴う疾病など、 例えば、 神経変性疾患 〔例、 アルッハイマ 一病 (家族†生アルツハイマー病、 若年' [·生アルツハイマー病、 孤発性ァルツハイ ' マー病など) 、パーキンソン病、 ダウン症、筋萎縮性側索硬化症、 プリオン病、 クロイツフェルト一ヤコプ病、ハンチントン舞踏病、糖尿病性ニューロパチ一、 多発'性硬化症など〕 、 脳機能障害 (例、 脳梗塞、 脳出血、 クモ膜下出血、 虚血 性脳疾患、 硬膜外血腫、 硬膜下血腫など) 、 癌 (例、 星状細胞腫、 乏枝神経膠 腫など) 、 免疫疾患、 感染症 (例、 髄膜炎、 原虫感染症、 リケッチア感染症、 後生動物感染症、 B o r n a病などの細菌性またはウィルス性髄膜炎、 ヮクチ ン接種後脳炎、 A I DS脳症など) 、 消化管疾患、 循環器疾患、 内分泌疾患な どの種々の疾病が発症する。
したがって、 生体内において本発明の F PR L 1または F PRL 2が減少し ているために、 リガンドである h uma n i nの生理作用が期待できない (F PRL 1または FPRL 2の欠乏症) 患者がいる場合に、 a) 本発明の F PR L 1または FPRL 2を該患者に投与し該 FPRL 1または FPRL 2の量を 補充したり、 b) (ィ) 本発明の F PRL 1または F PRL 2をコードする D NAを該患者に投与し発現させることによって、 あるいは (口) 対象となる細 胞に本発明の FPRL 1または F PRL 2をコードする D N Aを揷入し発現さ せた後に、 該細胞を該患者に移植することなどによって、 患者の体内における FPRL 1または FPRL 2の量を増加させ、 リガンドの作用を充分に発揮さ せることができる。
したがって、 a) 本発明の F PRL 1または F PRL 2または b) FPRL 1または F PRL 2をコードする DNAを、 本発明の FPRL 1の機能不全に 関連する疾患の予防 .治療剤などの医薬として使用することができる。
具体的には、 本発明の F PRL 1または F PRL 2、 または本発明の DNA は、例えば、細胞死抑制剤として、 さらには、例えば神経変性を伴う疾病など、 例えば、 神経変性疾患 〔例、 アルツハイマー病 (家族性アルツハイマー病、 若 年性アルツハイマー病、 孤発性アルツハイマー病など) 、 パーキンソン病、 ダ ゥン症、 筋萎縮性側索硬化症、 プリオン病、 クロイツフェルト一ヤコプ病、 ハ ンチントン舞踏病、 糖尿病性ニューロパチ一、 多発性硬化症など〕 、 脳機能障 害 (例、 脳梗塞、 脳出血、 クモ膜下出血、 虚血性脳疾患、 硬膜外血腫、 硬膜下 血腫など) 、 癌 (例、 星状細胞腫、 乏枝神経膠腫など) 、 免疫疾患、 感染症 ( 例、 髄膜炎、 原虫感染症、 リケッチア感染症、 後生動物感染症、 B o r n a病 などの細菌性またはウィルス性髄膜炎、 ワクチン接種後脳炎、 A I DS脳症な ど) 、 消化管疾患、 循環器疾患、 内分泌疾患等の種々の疾病の予防 ·治療剤、 好ましくは神経変性疾患、 脳機能障害の予防 ·治療剤として、 さらに好ましく はアルツハイマー病の予防 ·治療剤として、 低毒性で安全な医薬として使用す ることができる。
本発明の F PRL 1または FPRL 2を上記予防 ·治療剤として使用する場 合は、 常套手段に従って製剤化することができる。
一方、 本発明の DNAを上記予防'治療剤として使用する場合は、 本発明の DNAを単独あるいはレトロウイルスベクター、 アデノウィルスベクター、 了 デノウィルスァソシエーテツドウィルスベクターなどの適当なベクタ一に揷入 した後、 常套手段に従って実施することができる。 本発明の DNAは、 そのま まで、 あるいは摂取促進のための補助剤とともに、 遺伝子銃やハイド口ゲル力 テーテルのようなカテーテルによって投与できる。
例えば、 a) 本発明の F PRL 1もしくは F PRL 2または b) 本発明の D NAは、 必要に応じて糖衣を施した錠剤、 カプセル剤、 エリキシル剤、 マイク 口カプセル剤などとして経口的に、 あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許 容し得る液との無菌性溶液、 または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使 用できる。 例えば、 a) 本発明の: F PRL 1もしくは F PRL 2または b) 本 発明の DNAを生理学的に認められる公知の担体、香味剤、賦形剤、べヒクル、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要求される
単位用量形態で混和することによって製造することができる。 これら製剤にお ける有効成分量は指示された範囲の適当な容量が得られるようにするものであ る。
錠剤、 カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、 例えば、 ゼ ラチン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性 セルロースのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのよ うな膨化剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糠、 乳糖または サッカリンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチヱリーのよう な香味剤などが用いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合には、 上記タ ィプの材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができる。 注射のた めの無菌組成物は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、 胡麻油、 椰子油な どのような天然産出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施 に従って処方することができる。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩 水、 ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液 (例えば、 D—ソルビトール、 D 一マンニトール、 塩ィ匕ナトリウムなど) などが用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例、 エタノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレンク" リコール、 ポリエチレングリコール) 、 非イオン性界面活性剤 (例、 ポリソル ペート 8 0 TM、 H C O— 5 0 ) などと併用してもよレ、。 油性液としては、 例え ば、 ゴマ油、 大豆油などが用いられ、 溶解補助剤である安息香酸ベンジル、 ベ ンジルアルコールなどと併用してもよい。
また、 上記予防'治療剤は、 例えば、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩律 ί液、 酢 酸ナトリウム緩衝液) 、 無痛化剤 (例えば、 塩化ベンザルコニゥム、 塩酸プロ 力インなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒ ト血清アルブミン、 ポリエチレングリコー ルなど) 、 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノールなど) 、 酸化防 止剤などと配合してもよい。 調製された注射液は通常、 適当なアンプルに充填 される。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトゃ哺 乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
本発明の FPRL 1または FPRL 2の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症 状、 投与方法などにより差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 ァ ルツハイマー病患者 (体重 6 O k gとして) においては、 一日につき約 0. 1〜 1 00 m g、 好ましくは約 1. 0〜 50 m g、 より好ましくは約 1. 0〜 20 mgである。 非経口的に投与する場合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓 器、 症状、 投与方法などによっても異なるが、 例えば、 注射剤の形では通常例 えば、 アルツハイマー病患者 (体重 60 k gとして) においては、 一日につき 約 0. 0 1〜30mg程度、 好ましくは約 0. 1〜 20 m g程度、 より好まし くは約 0. 1〜1 Omg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。 他 の動物の場合も、 体重 60 k g当たりに換算した量を投与することができる。 本発明の DNAの投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによ り差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 アルツハイマー病患者 ( 体重 60 k gとして) においては、 一日につき約 0. l〜1 00mg、 好ましく は約 1. 0〜5 Omg、 より好ましくは約 1. 0〜2 Omgである。 非経口的 に投与する場合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法な どによっても異なるが、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 アルツハイマー 病患者 (体重 6 O k gとして) においては、 一日につき約 0. 01〜30mg 程度、 好ましくは約 0. 1〜2 Omg程度、 より好ましくは約 0. l〜1 0m g程度を静脈注射により投与するのが好都合である。 他の動物の場合も、 体重 60 k g当たりに換算した量を投与することができる。
(2) 遺伝子診断剤
本発明の DNAおよびアンチセンス DNAは、 プローブとして使用すること により、 ヒトまたは哺乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ タ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) における本発明の FPRL 1またはその部 分ペプチドをコードする DNAまたは mRNAの異常 (遺伝子異常) を検出す ることができるので、 例えば、 該 DN Aまたは mRNAの損傷、 突然変異ある レ、は発現低下や、 該 D N Aまたは m R N Aの増加あるいは発現過多などの遺伝 子診断剤として有用である。
本発明の DN Aまたはアンチセンス DN Aを用いる上記の遺伝子診断は、 例
えば、 自体公知のノーザンハイプリダイゼーシヨンや PC R— SS CP法 (ゲ ノミックス (Genomics) , 第 5卷, 874〜 879頁 (1989年) 、 プロシ 一ジングズ ·ォブ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイェンシィズ ·ォ フ ·ユーエスェ1 ~ (Proceedings of tne National Academy of Sciences of the United States of America) , 第 86巻, 2766〜 2770頁 (1989年 ) ) などにより実施することができる。
例えば、 ノーザンハイブリダィゼーシヨンにより F PRL 1または F PRL 2の発現低下が検出された場合や P CR— S S C P法により DN Aの突然変異 が検出された場合は、 例えば、 神経変性を伴う疾病など、 例えば、 神経変性疾 患 〔例、 アルツハイマー病 (家族性ァルツハイマー病、 若年性アルツハイマー 病、 孤発性アルツハイマー病など) 、 パーキンソン病、 ダウン症、 筋萎縮性側 索硬化症、 プリオン病、 クロイツフェルト一ヤコブ病、 ハンチントン舞踏病、 糖尿病性ニューロパチ一、 多発性硬化症など〕 、 脳機能障害 (例、 脳梗塞、 脳 出血、 クモ膜下出血、虚血性脳疾患、硬膜外血腫、硬膜下血腫など) 、 癌 (例、 星状細胞腫、 乏枝神経膠腫など) 、 免疫疾患、 感染症 (例、 髄膜炎、 原虫感染 症、 リケッチア感染症、 後生動物感染症、 B o r n a病などの細菌性またはゥ ィルス性髄膜炎、 ワクチン接種後脳炎、 A I DS脳症など) 、 消化管疾患、 循 環器疾患、 内分泌疾患等の疾病である可能性が高いと診断することができる。
(3) 本発明の FPRL 1または FPRL2の発現量を変化させる化合物また はその塩を含有する医薬
本発明の DNAは、 プローブとして用いることにより'、 本発明の FPRL 1 または F PRL 2の発現量を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング に用いることができる。
すなわち、 本発明は、 例えば、 (i) 非ヒト哺乳動物の a) 血液、 b) 特定 の臓器、 c) 臓器から単離した組織もしくは細胞、 または (ii) 形質転換体等に 含まれる本発明の F PRL 1または FPRL 2の mRNA量を測定することに よる、 本発明の FPRL 1または FPRL 2の発現量を変化させる化合物また はその塩のスクリ一二ング方法を提供する。
本発明の FPRL 1または FPRL 2の mRNA量の測定は具体的には以下
のようにして行なう。
( i ) 正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物 (例えば、 マウス、 ラット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど、 より具体的にはァルツ ハイマー病モデルラット、 マウス、 ゥサギなど) に対して、 薬剤 (例えば、 免 疫調節薬など) あるいは物理的ストレス (例えば、 浸水ストレス、 電気ショッ ク、 明暗、 低温など) などを与え、 一定時間経過した後に、 血液、 あるいは特 定の臓器 (例えば、 脳、 肝臓、 腎臓など) 、 または臓器から単離した組織、 あ るいは細胞を得る。
得られた細胞に含まれる本発明の F PRL 1または F PRL 2の mRNAは、 例えば、 通常の方法により細胞等から mRNAを抽出し、 例えば、 Ta qMa nPCRなどの手法を用いることにより定量することができ、 自体公知の手段 によりノーザンプロットを行うことにより解析することもできる。
(ii) 本発明の F P R L 1または F PRL 2を発現する形質転換体を上記の 方法に従い作製し、 該形質転換体に含まれる本発明の F P RL 1または F P R L 2の mRNAを同様にして定量、 解析することができる。
本発明の FPRL 1または F PR L 2の発現量を変化させる化合物またはそ の塩のスクリ一ユングは、
(i) 正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物に対して、 薬剤あるいは物理 的ストレスなどを与える一定時間前 ( 30分前〜 24時間前、 好ましくは 30 分前〜 12時間前、 より好ましくは 1時間前〜 6時間前) もしくは一定時間後 ' (30分後〜 3日後、 好ましくは 1時間後〜 2日後、 より好ましくは 1時間後 〜 24時間後) 、 または薬剤あるいは物理的ストレスと同時に試験化合物を投 ,与し、 投与後一定時間経過後 (30分後〜 3日後、 好ましくは 1時間後〜 2日 後、 より好ましくは 1時間後〜 24時間後) 、 細胞に含まれる本発明の F PR L 1または F PRL 2の mRNA量を定量、 解析することにより行なうことが でき、
(ii)形質転換体を常法に従い培養する際に試験化合物を培地中に混合させ、 一定時間培養後 (1日後〜 7日後、 好ましくは 1日後〜 3日後、 より好ましく は 2日後〜 3日後) 、 該形質転換体に含まれる本発明の FPRL 1または FP
RL 2の mRN A量を定量、 解析することにより行なうことができる。
試験化合物としては、 例えば、 ペプチド、 蛋白質、 非ペプチド性ィヒ合物、 合 成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液などが用い られ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合物であって あよい。
試験化合物は塩を形成していてもよく、 試験化合物の塩としては、 生理学的 に許容される酸 (例、 無機酸など) や塩基 (例、 有機酸など) などとの塩が用 いられ、 とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。 この様な塩とし ては、 例えば、 無機酸 (例えば、 塩酸、 リン酸、 臭化水素酸、 硫酸など) との 塩、 あるいは有機酸 (例えば、 酢酸、 ギ酸、 プロピオン酸、 フマル酸、 マレイ ン酸、 コハク酸、 酒石酸、 クェン酸、 リンゴ酸、 蓚酸、 安息香酸、 メタンスル ホン酸、 ベンゼンスルホン酸など) との塩などが用いられる。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、 本発 明の FPRL 1または F PR L 2の発現量を変化させる作用を有する化合物ま たはその塩であり、 具体的には、 (ィ) 本発明の FPRL 1または FPRL2 の発現量を増加させることにより、 FPRL 1または FPRL 2を介する細胞 刺激活性を増強させる化合物またはその塩、 (口) 本発明の FPRL 1または FPRL 2の発現量を減少させることにより、 該細胞刺激活性を減弱させる化 合物またはその塩である。
細胞刺激活性としては、 例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 Ca 2+遊離、 細胞内 c AMP生成、 細胞内 cGMP生成、 イノシトール リン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、 c- f 0 sの活性化、 P Hの低下などを促進する活性または抑制する活性などが挙げられるが、 なか でも細胞内 c AMP生成抑制活性が好ましい。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物としては、 ぺプチド、 蛋白質、 非ぺプチド性化合物、 合成化合物、 発酵生産物などが挙げられ、 これ ら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合物であってもよい。 本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物の塩としては、 生理学 的に許容される酸 (例、 無機酸など) や塩基 (例、 有機酸など) などとの塩が
用いられ、 とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。 この様な塩と しては、 例えば、 無機酸 (例えば、 塩酸、 リン酸、 臭化水素酸、 硫酸など) と の塩、 あるいは有機酸 (例えば、 酢酸、 ギ酸、 プロピオン酸、 フマル酸、 マレ イン酸、 コノヽク酸、 酒石酸、 クェン酸、 リンゴ酸、 蓚酸、 安息香酸、 メタンス ルホン酸、 ベンゼンスルホン酸など) との塩などが用いられる。
本発明の FPRL 1または FPRL 2のリガンドは、 上記のとおり huma n i nである。 したがって、 上記スクリーニング方法で得られる化合物または その塩は、
(1) 本発明の FPRL 1または FPRL 2の発現量を増加し、 本発明の FP R L 1または F P R L 2の機能不全に関連する疾患を予防 ·治療する化合物ま たはその塩、 具体的には、 神経変性疾患もしくは脳機能障害を予防,治療する 化合物またはその塩、 または細胞死を抑制する化合物またはその塩、 または
(2) 本発明の F PRL 1または F PRL 2の発現量を減少させ、 本発明の F P R L 1または F P R L 2の発現過多に起因する疾患を予防 ·治療する化合物 またはその塩などである。
したがって、 上記スクリーニング方法で得られる本発明の FPRL 1または FPRL 2の発現量を増加する化合物またはその塩は、 例えば、 細胞死抑制剤 として、 さらには、 例えば神経変性を伴う疾病など、 例えば、 神経変性疾患 〔 例、 アルツハイマー病 (家族性アルツハイマー病、 若年性アルツハイマー病、 孤発性アルツハイマー病など) 、 パーキンソン病、 ダウン症、 筋萎縮性側索硬 化症、 プリオン病、 クロイツフェルト一ヤコブ病、 ハンチントン舞踏病、 糖尿 病性-ユーロパチ一、 多発性硬化症など〕 、脳機能障害 (例、脳梗塞、脳出血、 クモ膜下出血、 虚血性脳疾患、 硬膜外血腫、 硬膜下血腫など) 、 癌 (例、 星状 細胞腫、 乏枝神経膠腫など) 、 免疫疾患、 感染症 (例、 髄膜炎、 原虫感染症、 リケッチア感染症、 後生動物感染症、 B o r n a病などの細菌性またはウィル ス性髄膜炎、 ワクチン接種後脳炎、 A I DS脳症など) 、 消化管疾患、 循環器 疾患、 内分泌疾患等の種々の疾病の予防 ·治療剤、 好ましくは神経変性疾患、 脳機能障害の予防 ·治療剤として、 さらに好ましくはアルツハイマー病の予防 •治療剤として、 低毒性で安全な医薬として使用することができる。
一方、 上記スクリーニング方法で得られる本発明の F P R L 1または F P R L 2の発現量を減少させる化合物またはその塩は、 本発明の F P R L 1または F P R L 2の発現過多に起因する疾患の予防 ·治療剤などの医薬として使用す ることができる。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩を医薬組 成物として使用する場合、 常套手段に従って製剤化することができる。
例えば、 該ィ匕合物またはその塩は、 必要に応じて糖衣を施した錠剤、 カプセ ル剤、 エリキシル剤、 マイクロカプセル剤などとして経口的に、 あるいは水も しくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、 または懸濁液剤など の注射剤の形で非経口的に使用できる。 例えば、 該化合物またはその塩を生理 学的に認められる公知の担体、 香味剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混 和することによつて製造することができる。 これら製剤における有効成分量は 指示された範囲の適当な容量が得られるようにするものである。
錠剤、 カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、 例えば、 ゼ ラチン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性 セ^/ロースのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 ァノレギン酸などのよ うな膨化剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖または サッカリンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリーのよう な香味剤などが用いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合には、 上記タ ィプの材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができる。 注射のた めの無菌糸且成物は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、 胡麻油、 椰子油な どのような天然産出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施 に従って処方することができる。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩 水、 ブドウ糖やその他の捕助薬を含む等張液 (例えば、 D—ソルビトール、 D 一マンニトール、 塩化ナトリウムなど) などが用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例、 エタノーノレ) 、 ポリアルコール (例、 プロピレング リコール、 ポリエチレングリコール) 、 非イオン性界面活性剤 (例、 ポリソル ペート 8 0 TM、 H C O - 5 0 ) などと併用してもよい。 油性液としては、 例え
ば、 ゴマ油、 大豆油などが用いられ、 溶解補助剤である安息香酸ベンジル、 ベ ンジルアルコールなどと併用してもよレ、。
また、 上記予防 '治療剤は、 例えば、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢 酸ナトリウム緩衝液) 、 無痛化剤 (例えば、 塩化ベンザルコニゥム、 塩酸プロ 力インなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒト血清アルブミン、 ポリエチレングリコー ルなど) 、 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フヱノールなど) 、 酸化防 止剤などと配合してもよい。 調製された注射液は通常、 適当なアンプルに充填 される。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトゃ哺 乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法な どにより差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 アルツハイマー病 患者 (体重 6 O k gとして) においては、 一日につき本発明の F PR L 1また は F PR L 2の発現量を増加する化合物またはその塩を約 0. l〜100mg、 好ましくは約 1. 0〜50mg、 より好ましくは約 1. 0〜20mgである。 非経口的に投与する場合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投 与方法などによっても異なるが、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 ァルツ ハイマー病患者 (体重 6 O k gとして) においては、 一 にっき本発明の FP RL 1または F PRL 2の発現量を増加する化合物またはその塩を約 0. 01 〜 30 m g程度、 好ましくは約 0. 1〜 20 m g程度、 より好ましくは約 0. :!〜 1 Omg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。 他の動物の場 合も、 体重 60 k g当たりに換算した量を投与することができる。
(4) 本発明の抗体を用いる診断方法
本発明の抗体は、 本発明の FPRL 1または FPRL 2を特異的に認識する ことができるので、 被検液中の FPRL 1または FPRL 2の検出や中和に使 用することができる。
すなわち、 本発明は、
( i ) 本発明の抗体と、 被検液および標識化された FPRL 1または FPRL
2とを競合的に反応させ、 該抗体に結合した標識化された FPRL 1または F PRL 2の割合を測定することを特徴とする被検液中の F PR L 1または FP RL 2の定量法、 および
(ii) 被検液と担体上に不溶ィヒした本発明の抗体および標識化された本発明の 別の抗体とを同時あるいは連続的に反応させたのち、 不溶化担体上の標識剤の 活性を測定することを特徴とする被検液中の FPRL 1または FPRL 2の定 量法を提供する。
上記 (ii) の定量法においては、 一方の抗体が F PRL 1または F PRL 2 の N端部を認識する抗体で、 他方の抗体が FPRL 1または FPRL 2の C端 部に反応する抗体であることが望ましい。
また、 FPRL 1または FPRL 2に対するモノクローナノレ抗体を用いて F PRL 1または FPRL 2の定量を行うことができるほか、 組織染色等による 検出を行なうこともできる。 これらの目的には、 抗体分子そのものを用いても よく、 また、 抗体分子の F( a b')2、 F a b'、 あるいは F a b画分を用いても よい。
本発明の抗体を用いる FPRL 1または FPRL 2の定量法は、 特に制限さ れるべきものではなく、 被測定液中の抗原量 (例えば、 F P R L 1量または F PRL 2量) に対応した抗体、 抗原もしくは抗体一抗原複合体の量を化学的ま たは物理的手段により検出し、 これを既知量の抗原を含む標準液を用いて作製 した標準曲線より算出する測定法であれば、 いずれの測定法を用いてもよい。 例えば、 ネフロメ トリー、 競合法、 ィムノメトリック法およびサンドィッチ法 が好適に用いられるが、 感度、 特異性の点で、 後述するサンドイッチ法を用い るのが特に好ましい。
標識物質を用いる測定法に用いられる標識剤としては、 例えば、 放射性同位 元素、酵素、蛍光物質、発光物質などが用いられる。放射性同位元素としては、 例えば、 〔125 I〕 、 〔131 I〕 、 〔3H〕 、 〔14C〕 などが用いられる。 上記 酵素としては、 安定で比活性の大きなものが好ましく、 例えば、 ]3—ガラクト シダーゼ、 βーグノレコシダーゼ、 ァノレカリフォスファターゼ、 パー才キシダー ゼ、 リンゴ酸脱水素酵素などが用いられる。 蛍光物質としては、 例えば、 フル
ォレスカミン、 フルォレツセンィソチオシァネートなどが用いられる。 発光物 質としては、 例えば、 ルミノール、 ルミノール誘導体、 ルシフェリン、 ルシゲ ニンなどが用いられる。 さらに、 抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビォチ ン一アビジン系を用いることもできる。
抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、 物理吸着を用いてもよく、. また通常 F P R L 1、 F P R L 2あるいは酵素等を不溶化、 固定ィ匕するのに用いられる 化学結合を用いる方法でもよい。 担体としては、 ァガロース、 デキストラン、 セルロースなどの不溶性多糖類、 ポリスチレン、 ポリアクリルアミ ド、 シリコ ン等の合成樹脂、 あるいはガラス等があげられる。
サンドィツチ法においては不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検液 を反応させ (1次反応) 、 さらに標識化した別の本発明のモノクローナル抗体 を反応させ (2次反応) たのち、 不溶ィヒ担体上の標識剤の活性を測定すること により被検液中の本発明の F P R L 1量または F P R L 2量を定量することが できる。 1次反応と 2次反応は逆の順序に行っても、 また、 同時に行なっても よいし時間をずらして行なつてもよい。 標識化剤および不溶化の方法は前記の それらに準じることができる。 また、 サンドイッチ法による免疫測定法におい て、 固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は必ずしも 1種類である 必要はなく、 測定感度を向上させる等の目的で 2種類以上の抗体の混合物を用 いてもよい。
本発明のサンドィッチ法による F P R L 1または F P R L 2の測定法にぉレ、 ては、 1次反応と 2次反応に用いられる本発明のモノクローナル抗体は、 F P R L 1または F P R L 2の結合する部位が相異なる抗体が好ましく用いられる ( すなわち、 1次反応おょぴ 2次反応に用いられる抗体は、 例えば、 2次反応で 用いられる抗体が、 ?1^ 1^ 1または??1 2のじ端部を認識する場合、 1 次反応で用いられる抗体は、 好ましくは, C端部以外、 例えば N端部を認識する 抗体が用いられる。
本発明のモノクローナル抗体をサンドィツチ法以外の測定システム、 例えば、 競合法、 ィムノメトリック法あるいはネフロメトリーなどに用いることができ る。
競合法では、 被検液中の抗原と標識抗原とを抗体に対して競合的に反応させ たのち、 未反応の標識抗原(F ) と、 抗体と結合した標識抗原 (B ) とを分離し ( B/ F分離) 、 B, Fいずれかの標識量を測定'し、 被検液中の抗原量を定量 する。.本反応法には、 抗体として可溶性抗体を用い、 B / F分離をポリエチレ ングリコール、 前記抗体に対する第 2抗体などを用いる液相法、 および、 第 1 抗体として固相化抗体を用いるか、 あるいは、 第 1抗体は可溶性のものを用い 第 2抗体として固相化抗体を用いる固相化法とが用いられる。
ィムノメトリック法では、 被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化 抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離する力 あるいは、 被検液中 の抗原と過剰量の標識化抗体とを反応させ、 次に固相化抗原を加え未反応の標 識化抗体を固相に結合させたのち、 固相と液相を分離する。 次に、 いずれかの 相の標識量を測定し被検液中の抗原量を定量する。
また、 ネフロメトリーでは、 ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の結果生 じた不溶性の沈降物の量を測定する。 被検液中の抗原量が僅かであり、 少量の 沈降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレーザーネフロメト リーなどが好適に用いられる。 '
これら個々の免疫学的測定法を本発明の定量方法に適用するにあたっては、 特別の条件、 操作等の設定は必要とされない。 それぞれの方法における通常の 条件、 操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発明の F P R L 1の測定 系を構築すればよい。 これらの一般的な技術手段の詳細については、 総説、 成 書などを参照することができる。
例えば、 入江 寛編「ラジオィムノアツセィ」 (講談社、 昭和 4 9年発行) 、 入江 寛編 「続ラジオィムノアツセィ」 (講談社、 昭和 5 4年発行) 、 石川栄 治ら編 「酵素免疫測定法」 (医学書院、 昭和 5 3年発行) 、 石川栄治ら編 「酵 素免疫測定法」 (第 2版) (医学書院、 昭和 5 7年発行) 、 石川栄治ら編 「酵 素免疫測定法」 (第 3版) (医学書院、 昭和 6 2年発行) 、 「Methods in ENZYM0L0GY」 Vol. 70 (Immunochemical Techniques (Part A) )、 同書 Vol. 73 (Immunochemical Techniques (Part B) )、 同書 Vol. 74 (Immunochemical Techniques (Part C))、 同書 Vol. 84 (Immunochemical Techniques (Part D :
Selected Immunoassays) ) N 同書 Vol. 92 (Immunochemical Techniques (Part E : Monoclonal Antibodies and General Immunoassay Methods) )、 同書 Vol. 121 (Immunochemical Techniques (Part I: Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodies)) (以上、 ァカデミックプレス社発行)などを参照することができる。 以上のようにして、 本発明の抗体を用いることによって、 本発明の FPRL 1を感度良く定量することができる。
さらには、 本発明の抗体を用いて F P R L 1または F P R L 2の濃度を定量 することによって、 FPRL 1または FPRL 2の濃度の減少が検出された場 合、 例えば、 例.えば、 神経変性を伴う疾病など、 例えば、 神経変性疾患 〔例、 アルツハイマー病 (家族性ァルツハイマー病、 若年性アルツハイマー病、 孤発 性アルツハイマー病など)、パーキンソン病、 ダウン症、筋萎縮性側索硬化症、 プリオン病、 クロイツフェルト—ヤコブ病、 ハンチントン舞踏病、 糖尿病†生二 ユーロパチ一、 多発性硬化症など〕 、 脳機能障害 (例、 脳梗塞、 脳出血、 クモ 膜下出血、 虚血性脳疾患、 硬膜外血腫、 硬膜下血腫など) 、 癌 (例、 星状細胞 腫、 乏枝神経膠腫など) 、 免疫疾患、 感染症 (例、 髄膜炎、 原虫感染症、 リケ ッチア感染症、 後生動物感染症、 B o r n a病などの細菌性またはウィルス性 髄膜炎、 ワクチン接種後脳炎、 A I DS脳症など) 、 消化管疾患、循環器疾患、 内分泌疾患等の疾病である可能性が高いと診断することができる。
また、 FPRL 1または FPRL 2の濃度の増加が検出された場合には、 例 えば、 F PRL 1または F PRL 2の過剰発現に起因する疾患である、 または 将来罹患する可能性が高いと診断することができる。
(5) F PRL 1または F PRL 2に対するァゴニストのスクリーユング方法 h uma n i nが FPRL 1または F P R L 2に結合することによって、 細 胞内 c AMPの生成抑制が見られる。 したがって、 FPRL 1または FPRL 2は、 細胞内 c AMPの生成抑制活性を指標として FPRL 1または FPRL 2に対する h u m a n i n以外のァゴニスト(天然リガンドを含む)を探索し、 または決定するための試薬として有用である。
すなわち、 本発明は、 試験化合物を FPRL 1または FPRL 2を含有する 細胞に接触させた場合における、 FPRL 1または FPRL 2を介した細胞内
c AMP生成抑制活性を測定することを特徴とする FPRL 1または FPRL 2に対するァゴニス 卜の決定方法を提供する。
試験化合物としては、 公知のリガンド (例えば、 アンギオテンシン、 ボンべ シン、 カナピノイド、 コレシストキニン、 グ タミン、 セロトニン、 メラトニ ン、 ニューロペプチド Υ、 ォピオイド、 プリン、 バソプレツシン、 才キシトシ ン、 PACAP (例、 PACAP 27, PACAP 38) 、 セクレチン、 グル 力ゴン、 カルシトニン、 アドレノメジュリン、 ソマトスタチン、 GHRH、 C RF、 ACTH、 GRP、 PTH、 V I P (バソアクティブ インテスティナ ル アンド リレイテッド ポリペプチド) 、 ソマトスタチン、 ドーパミン、 モチリン、 アミリン、 ブラジキニン、 CGRP (カルシトニンジーンリレーテ ィッドぺプチド) 、 ロイコトリェン、 パンクレアスタチン、 プロスタグランジ ン、 トロンボキサン、 アデノシン、 アドレナリン、 ケモカインスーパーフアミ リー (例、 I L一 8, GROa, GRO β , GRO7, NAP_2, ENA— 78, GCP— 2, P F 4, I P— 10, M i g, PBSF/SDF— 1など の CXCケモカインサブファミリー; MCAFZMCP— 1, MCP- 2, M CP- 3, MCP-4, e o t a x i n, R ANTES, MI P-l a, MI P-l β, HCC— 1, M I P- 3 α/L ARC, MI P-3 β/ELC, I 一 309, TARC, M I P F- 1 , M I P F— 2 / e o t a x i n— 2, M DC, DC-CK 1/PARC, S L Cなどの C Cケモカインサブファミリー ; l ymp h o t a c t i nなどの Cケモカインサブファミリ一; f r a c t a 1 k i n eなどの CX 3 Cケモカインサブフアミリー等) 、 ェンドセリン、 ェンテロガストリン、 ヒスタミン、 ニューロテンシン、 TRH、 パンクレアテ ィックポリぺプタイ ド、 ガラニン、 リゾホスファチジン酸 (LPA) 、 スフィ ンゴシン 1_リン酸など) の他に、 例えば、 ヒ トまたは哺乳動物 (例えば、 マ ウス、 ラット、 プタ、 ゥシ、 ヒッジ、 サルなど) の糸且織抽出物、 細胞培養上清、 低分子合成化合物などが用いられる。 例えば、 該組織抽出物、 細胞培養上清な どを FPRL 1または FPRL2に添加し、 細胞刺激活 1"生などを測定しながら 分画し、 最終的に単一のリガンドを得ることができる。
試験化合物は塩を形成していてもよく、 試験化合物の塩としては、 生理学的 に許容される酸 (例、 無機酸など) や塩基 (例、 有機酸など) などとの塩が用 いられ、 とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。 この様な塩とし ては、 例えば、 無機酸 (例えば、 塩酸、 リン酸、 臭化水素酸、 硫酸など) との 塩、 あるいは有機酸 (例えば、 酢酸、 ギ酸、 プロピオン酸、 フマル酸、 マレイ ン酸、 コノヽク酸、 酒石酸、 クェン酸、 リンゴ酸、 蓚酸、 安息香酸、 メタンスル ホン酸、 ベンゼンスルホン酸など) との塩などが用いられる。
具体的には、 FPRL 1または FPRL 2に対するァゴニスト決定方法は、 本発明の組換え型 FPRL 1または FPRL2の発現系を構築し、 該発現系を 用いたレセプター結合アツセィ系を用いることによって、 FPRL 1または F PRL 2を介する細胞内 c AMP生成抑制活性を有する化合物またはその塩を 決定する方法である。
より具体的には、 本発明は、 次のような決定方法を提供する。
( 1 ) 試験化合物を F P R L 1または F P R L 2を含有する細胞に接触させた 場合における細胞内 c AMP生成抑制活性を測定することを特徴とする F P R
L 1または F PR L 2に対するァゴニストの決定方法、 および
(2) 試験化合物を FPRL 1 DNAまたは F PRL 2DNAを含有する形質 転換体を培養することによつて細胞膜上に発現した FPRL 1または FPRL 2に接触させた場合における FPRL 1または FPRL2を介する細胞内 c A MP生成抑制活性を測定することを特徴とする FPRL 1または FPRL 2に 対するァゴニストの決定方法を提供する。
特に、 試験化合物が FPRL 1または FPRL 2に結合することを確認した 後に、 上記の試験を行なうことが好ましい。
本発明のァゴニスト決定方法において、 FPRL 1または FPRL 2を含有 する細胞を用いる場合、 該細胞をダルタルアルデヒド、 ホルマリンなどで固定 ィ匕してもよい。 固定化方法は公知の方法に従って行なうことができる。
FPRL 1または FPRL 2を含有する細胞の膜画分としては、 細胞を破碎 した後、 公知の方法で得られる細胞膜が多く含まれる画分のことをいう。 細胞
の破碎方法としては、 Potter— Elvehjem型ホモジナイザーで細胞を押し潰す方 法、 ワーリンダブレンダーゃポリ トロン (Kinematica社製) による破碎、 超音 波による破枠、 フレンチプレスなどで加圧しながら細胞を細いノズルから噴出 させることによる破碎などが挙げられる。 細胞膜の分画には、 分画遠心分離法 や密度勾配遠心分離法などの遠心力による分画法が主として用いられる。 例え ば、 細胞破碎液を低速 (500〜3000 r pm) で短時間 (通常、 約;!〜 1 0分) 遠心し、 上清をさらに高速 (1 5000〜30000 r pm) で通常 3 0分〜 2時間遠心し、 得られる沈澱を膜画分とする。 該膜画分中には、 発現し た F PRL 1または FPRL 2と細胞由来のリン脂質や膜蛋白質などの膜成分 が多く含まれる。
F PRL 1または F PRL 2を含有する細胞やその細胞膜画分中の F PRL 1または FPRL 2の量は、 1細胞当たり 1 03〜1 08分子であるのが好まし く、 1 05〜 1 07分子であるのが好適である。 なお、 発現量が多いほど膜画分 当たりのリガンド結合活性 (比活性) が高くなり、 高感度なスクリーニング系 の構築が可能になるばかりでなく、 同一ロットで大量の試料を測定できるよう になる。
本発明のァゴニスト決定方法を実施するためには、 FPRL 1または FPR L 2を介する細胞内 c AMP生成抑制活性を公知の方法または市販の測定用キ ットを用いて測定することができる。 具体的には、 まず、 FPRL 1または F PRL 2を含有する細胞をマルチウヱルプレート等に培養する。 ァゴニスト決 定を行なうにあたっては前もつて新鮮な培地あるいは細胞に毒性を示さない適 当なバッファーに交換し、 試験化合物などを添加して一定時間インキュベート した後、 細胞を抽出あるいは上清液を回収して、 生成した産物をそれぞれの方 法に従って定量する。 細胞刺激活性の指標とする物質 (例えば、 c AMPなど ) の生成が、 細胞が含有する分解酵素によって検定困難な場合は、 該分解酵素 に対する阻害剤を添加してアツセィを行なってもよい。
本発明のァゴニスト決定用キットは、 FPRL 1または FPRL 2を含有す る細胞またはその細胞膜画分を含有するものである。
本発明のァゴニスト決定方法を用いることによって、 細胞内 c AMP生成抑 制活性を示す化合物を FPRL 1または F PR L 2に対するァゴニストとして 選択することができる。
このようにして決定される FPRL 1または F PR L 2に対するァゴニスト は、例えば、細胞死抑制剤として、 さらには、例えば神経変性を伴う疾病など、 例えば、 神経変性疾患 〔例、 アルツハイマー病 (家族性アルツハイマー病、 若 年性アルツハイマー病、 孤発性アルツハイマー病など) 、 パーキンソン病、 ダ ゥン症、 筋萎縮性側索硬化症、 プリオン病、 クロイツフェルト一ヤコブ病、 ノヽ ンチントン舞踏病、 糖尿病性ニューロパチ一、多発性硬化症など〕 、 脳機能障 害 (例、 脳梗塞、 脳出血、 クモ膜下出血、 虚血性脳疾患、 硬膜外血腫、 硬膜下 血腫など) 、 癌 (例、 星状細胞腫、 乏枝神経膠腫など) 、 免疫疾患、 感染症 ( 例、 髄膜炎、 原虫感染症、 リケッチア感染症、 後生動物感染症、 B o r n a病 などの細菌性またはウィルス性髄膜炎、 ワクチン接種後脳炎、 AI DS脳症な ど) 、 消化管疾患、 循環器疾患、 内分泌疾患等の種々の疾病の予防 ·治療剤、 好ましくは神経変性疾患、 脳機能障害の予防 ·治療剤として、 さらに好ましく はアルツハイマー病の予防 ·治療剤として、 低毒性で安全な医薬として使用す ることができる。
(6) 本発明の FPRL 1または FPRL2と huma n i nとの結合性また はシグナル伝達を変化させる化合物またはその塩 (ァゴ二スト、 アンタゴニス トなど) のスクリーユング方法、 および本発明の F PRL 1または F PRL 2 と h um a n i nとの結合性またはシグナル伝達を変化させる化合物またはそ の塩を含有する医薬
本発明の FPRL 1または FPRL2を用いる力 または組換え型 FPRL 1または FPRL 2の発現系を構築し、 該発現系を用いたレセプター結合アツ セィ系を用いることによって、 リガンドである huma n i nと本発明の FP RL 1または FPRL2との結合性またはシグナル伝達を変化させる化合物 ( 例えば、 ペプチド、 蛋白質、 非ペプチド性化合物、 合成化合物、 発酵生産物な ど) またはその塩を効率よくスクリーニングすることができる。
このような化合物には、 (ィ) FPRL 1または FPRL 2を介して細胞刺
激活性を有する化合物 (いわゆる、 本発明の FPRL 1または FPRL 2に対 するァゴ-スト) 、 (口) FPRL 1または FPRL 2を介する細胞刺激活性 を阻害する化合物 (いわゆる、 本発明の FPRL 1または FPRL 2に対する アンタゴニスト) 、 (ハ) h uma n i nと本発明の F PRL 1または F PR L 2との結合力を増強する化合物、 または (-) h uma n i nと本発明の F PRL 1または F PRL 2との結合力を減少させる化合物などが含まれる。 すなわち、 本発明は、 (i ) 本発明の FPRL 1または FPRL 2と h um a n i nとを接触させた場合と (ii) 本発明の F P R L 1または F P R L 2と h uma n i nおよぴ試験ィ匕合物とを接触させた場合との比較を行なうことを 特徴とする h uma n i nと本発明の F PRL 1または F P R L 2との結合性 またはシグナル伝達を変化させる化合物またはその塩のスクリ一ユング方法を 提供する。
本発明のスクリーニング方法においては、 (i ) と (ii) の場合における、 例えば、 F P R L 1または F PRL 2に対する h uma n i nの結合量、 細胞 刺激活性などを測定して、 比較することを特徴とする。
細胞刺激活性としては、 例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 C a 2+遊離、 細胞内 c AMP生成、 細胞内 c GMP生成、 イノシトール リン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、 c - f o sの活性化、 p Hの低下などを促進する活性または抑制する活性などが挙げられるが、 なか でも細胞内 c AMP生成抑制活性が好ましい。
より具体的には、 本発明は、
a) 標識した h um a n i nを、 本発明の F P R L 1または F P R L 2に接 角虫させた場合と、 標識した h uma n i nおよび試験化合物を本発明の F P R L 1または FPRL 2に接触させた場合における、 標識した h um a n i nの 該 FPRL 1または F PRL 2に対する結合量を測定し、 比較することを特徴 とする h um a n i nと本発明の F P R L 1または F P R L 2との結合性また はシグナル伝達を変化させる化合物またはその塩のスクリ一二ング方法、 b) 標識した h um a n i nを、 本発明の F P R L 1または F P R L 2を含 有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた場合と、 標識した h u m a n i
0
78 nおよび試験^ (匕合物を本発明の FPRL 1または FPRL 2を含有する細胞ま たは該細胞の膜画分に接触させた場合における、 標識した h um a n i nの該 細胞または該膜画分に対する結合量を測定し、 比較することを特徴とする h u ma n i nと本発明の F PRL 1または FPRL 2との結合性またはシグナル 伝達を変化させる化合物またはその塩のスクリーユング方法、
c) 標識した h uma n i nを、 本発明の DN Aを含有する形質転換体を培 養することによつて細胞膜上に発現した F P R L 1または F P R L 2に接触さ せた場合と、 標識した; h um a n i nおよび試験化合物を本発明の D N Aを含 有する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現した本発明の F P R L 1または F PR L 2に接触させた場合における、 標識した h u m a n i nの 該 F P R L 1または F P R L 2に対する結合量を測定し、 比較することを特 ί敷 とする huma n i nと本発明の FPRL 1または F P R L 2との結合性また はシグナル伝達を変化させる化合物またはその塩のスクリ一ユング方法、 d) 本発明の FPRL 1または FPRL 2を活性ィ匕する化合物またはその塩 (例えば、 h uma n i nなど) を本発明の F P R L 1または F P R L 2を含 有する細胞に接触させた場合と、 本発明の FPRL 1または FPRL 2を活个生 化する化合物および試験化合物を本発明の F PRL 1または F PRL 2を含有 する細胞に接触させた場合における、 FPRL 1または FPRL 2を介した細 胞刺激活性を測定し、 比較することを特徴とする h uma n i nと本発明の F PRL 1または F P R L 2との結合性またはシグナル伝達を変化させる化合物 またはその塩のスクリ一ユング方法、 および
e) 本発明の FPRL 1または FPRL 2を活性ィ匕する化合物またはその塩 (例えば、 h uma n i nなど) を本発明の D N Aを含有する形質転換体を培 養することによって細胞膜上に発現した本発明の FPRL 1または FPRL 2 に接触させた場合と、 本発明の FPRL 1または FPRL 2を活性ィヒする化合 物おょぴ試験化合物を本発明の DN Aを含有する形質転換体を培養することに よって細胞膜上に発現した本発明の FPRL 1または FPRL 2に接触させた 場合における、 F P R L 1または F PRL 2を介する細胞刺激活性を測定し、 比較することを特徴とする h u ma n i nと本発明の FPRL 1または F PR
L 2との結合性またはシグナル伝達を変化させる化合物またはその塩のスクリ 一ユング方法を提供する。
さらに、 リガンドとしては、 huma n i nに代えて、 huma n i nと F
PRL 1または F PRL 2との結合性を変化させる化合物またはその塩を用い ることもできる。 この h uma n i nと F PRL 1または FPRL 2との結合 性を変化させる化合物またはその塩は、 例えば、 リガンドとして h um a n i nを用いて、 後述する本発明のスクーニング方法を実施することによって得る ことができる。 以下のスクリーニング方法においては、 huma n i nと FP
RL 1または F PRL 2との結合性を変化させる化合物またはその塩を含めて、 単に h um a n i nと表記する。
本発明のスクリ一ユング方法の具体的な説明を以下にする。
まず、 本発明のスクリーニング方法に用いる本発明の F PR L 1または FP RL 2としては、 上記した本発明の F PR L 1または F PRL 2を含有するも のであれば何れのものであってもよいが、 本発明の F PRL 1または F PRL 2を含有する哺乳動物の臓器の細胞膜画分が好適である。'しかし、 特にヒト由 来の臓器は入手が極めて困難なことから、 スクリーニングに用いられるものと しては、 組換え体を用いて大量発現させたヒト由来の FPRL 1または FPR L 2などが適している。
本発明の FPRL 1または FPRL 2を製造するには、 上記の方法が用いら れるが、 本発明の DNAを哺乳細胞や昆虫細胞で発現することにより行なうこ とが好ましい。 目的とする蛋白質部分をコードする DNA断片には相補 DNA が用いられるが、 必ずしもこれに制約されるものではなレ、。 例えば、 遺伝子断 片ゃ合成 DN Aを用いてもよい。 本発明の FPRL 1または FPRL 2をコー ドする DN A断片を宿主動物細胞に導入し、 それらを効率よく発現させるため には、 該 DNA断片を昆虫を宿主とするバキュロウィルスに属する核多角体病 ウィルス (nuclear polyhedrosis virus; NP V) のポジヘドリンプロモータ 一、 S V 40由来のプロモーター、 レトロゥイノレスのプロモーター、 メタロチ ォネインプロモーター、 ヒトヒートショックプロモーター、 サイトメガロウイ ルスプロモーター、 SR αプロモーターなどの下流に組み込むのが好ましい。
発現したレセプターの量と質の検查はそれ自体公知の方法で行うことができる t 例えば、 文献 〔Nambi, P. ら、 ザ'ジャーナル ·ォブ ·バイオロジカル ·ケミ ストリー (J. Biol. Chem. ) , 267卷, 19555〜19559頁' 1992年〕 に記載の方法に 従って行なうことができる。
したがって、 本発明のスクリーニング方法において、 本発明の FPRL 1ま たは FPRL 2を含有するものとしては、 それ自体公知の方法に従って精製し た FPRL 1または F PRL 2であってもよいし、 該 F PRL 1または F PR L 2を含有する細胞を用いてもよく、 また該 F P R L 1または F P R L 2を含 有する細胞の膜画分を用いてもよい。
本発明のスクリーニング方法において、 本発明の F PRL 1または F PRL 2を含有する細胞を用いる場合、 該細胞をダルタルアルデヒド、 ホルマリンな どで固定ィ匕してもよい。 固定ィヒ方法はそれ自体公知の方法に従って行なうこと ができる。
本発明の F P R L 1または F P R L 2を含有する細胞としては、 該 F P R L 1または F PRL 2を発現した宿主細胞をいう力 該宿主細胞としては、 大腸 菌、 枯草菌、'酵母、 昆虫細胞、 動物細胞などが好ましい。
細胞膜画分としては、 細胞を破碎した後、 それ自体公知の方法で得られる細 胞膜が多く含まれる画分のことをいう。 細胞の破砕方法としては、 Potter— Elvehjem型ホモジナイザ一で細胞を押し潰す方法、 ヮーリングブレンダーゃポ リ トロン (Kinematica社製) のよる破碎、 超音波による破碎、 フレンチプレス などで加圧しながら細胞を細レ、ノズルから噴出させることによる破砕などが挙 げられる。 細胞膜の分画には、 分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠 心力による分画法が主として用いられる。 例えば、 細胞破碎液を低速 (5 00 〜3000 r pm) で短時間 (通常、 約 1〜 1 0分) 遠心し、 上清をさらに高 速 (1 5000〜30000 r pm) で通常 30分〜 2時間遠心し、 得られる 沈澱を膜画分とする。 該膜画分中には、 発現した FPRL 1と細胞由来のリン 脂質や膜蛋白質などの膜成分が多く含まれる。
該 FPRL 1または F PRL 2を含有する細胞や膜画分中の FPRL 1の量 は、 1細胞当たり 1 03〜1 08分子であるのが好ましく、 1 05〜1 07分子で
あるのが好適である。 なお、 発現量が多いほど膜画分当たりのリガンド結合活 性 (比活性) が高くなり、 高感度なスクリーニング系の構築が可能になるばか りでなく、 同一ロットで大量の試料を測定できるようになる。
huma n i nと本発明の F PRL 1または F PRL 2との結合性またはシ グナル伝達を変化させる化合物またはその塩をスクリーニングする上記の a) 〜c) を実施するためには、 例えば、 適当な FPRL 1画分または FPRL 2 画分と、 標識した hum a n i nが必要である。
FPRL 1画分または FPRL 2画分としては、 天然型の FPRL 1画分ま たは FPRL 2画分か、 またはそれと同等の活性を有する組換え型 FPRL 1 画分または FPRL 2画分などが望ましい。 ここで、 同等の活性とは、 同等の リガンド結合活性、 シグナル情報伝達作用などを示す。
標識した h uma n i nとしては、 例えば 〔3H〕 、 〔125 I〕 、 〔14C〕 、 〔35S〕 などで標識された h uma n i nなどが用いられる。
具体的には、 huma n i nと本発明の FPRL 1または FPRL 2との結 合性またはシグナル伝達を変化させる化合物のスクリ一ユングを行なうには、 まず本発明の F P R L 1または F P R L 2を含有する細胞または細胞の膜画分 を、 スクリーニングに適したバッファーに懸濁することにより FPRL 1標品 または F PRL 2標品を調製する。 バッファーには、 pH4〜10 (望ましく は pH6〜8) のリン酸バッファー、 トリスー塩酸バッファーなどの h uma n i nと FPRL 1または F PRL 2との結合を阻害しないバッファーであれ ばいずれでもよい。 また、 非特異的結合を低減させる目的で、 CHAPS、 T we e n-80™ (花王一アトラス社) 、 ジギトユン、 デォキシコレートなど の界面活十生剤をバッファーに加えることもできる。 さらに、 プロテアーゼによ るレセプターや h uma n i nの分解を抑える目的で PMS F、 ロイぺプチン、 E-64 (ペプチド研究所製) 、ぺプスタチンなどのプロテアーゼ阻害剤を添 加することもできる。 0.01 1〜 10m 1の該レセプター溶液に、 一定量 (5 000〜500000 c pm) の標識した h u m a n i nを添カ卩し、 同時に 1 0一4 M〜l 0— 1GMの試験ィヒ合物を共存させる。非特異的結合量(NSB) を知 るために大過剰の未標識の h uma n i nを加えた反応チューブも用意する。
反応は約 0〜50で、 望ましくは約 4〜37°Cで、 約 20分〜 24時間、 望ま しくは約 30分〜 3時間行う。 反応後、 ガラス繊維濾紙等で濾過し、 適量の同 バッファ一で洗浄した後、 ガラス繊維濾紙に残存する放射活性を液体シンチレ ーションカウンターまたは γ—カウンターで計測する。 拮抗する物質がない場 合のカウント(Β0) から非特異的結合量 (NSB) を引いたカウント (Β。一 Ν SB) を 100%とした時、 特異的結合量 (B— NSB) 力 例えば、 50% 以下になる試験化合物を拮抗阻害能力のある候補物質として選択することがで · さる。
huma n i nと本発明の FPRL 1または F P R L 2との結合性またはシ グナル伝達を変化させる化合物をスクリーニングする上記の d) 〜e) の方法 を実施するためには、 例えば、 FPRL 1または FPRL2を介する細胞刺激 活性を公知の方法または市販の測定用キットを用いて測定することができる。 具体的には、 まず、 本発明の FPRL 1または FPRL 2を含有する細胞を マルチウエルプレート等に培養する。 スクリーニングを行なうにあたっては前 もつて新鮮な培地あるいは細胞に毒性を示さない適当なパッファ一に交換し、 試験化合物などを添カ卩して一定時間ィンキュベートした後、 細胞を抽出あるい は上清液を回収し τ、 生成した産物をそれぞれの方法に従って定量する。 細胞 刺激活性の指標とする物質(例えば、 cAMP、 ァラキドン酸など) の生成が、 細胞が含有する分解酵素によつて検定困難な場合は、 該分解酵素に対する阻害 剤を添加してアツセィを行なってもよい。 また、 c AMP産生抑制などの活性 については、 フオルスコリンなどで細胞の基礎的産生量を増大させておいた細 胞に対する産生抑制作用として検出することができる。
細胞刺激活"生を測定してスクリ一二ングを行なうには、 適当な F P R L 1ま たは FPRL 2を発現した細胞が必要である。 本発明の FPRL 1または FP RL 2を発現した細胞としては、 天然型の本発明の FPRL 1または FPRL
2を有する細胞株、 上記の組換え型 F P R L 1または F P R L 2を発現した細 胞株などが望ましい。
試験化合物としては、 例えば、 ペプチド、 蛋白質、 非ペプチド性化合物、 合 成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液などが用い
られ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合物であって あよい。
試験化合物は塩を形成していてもよく、 試験化合物の塩としては、 生理学的 に許容される酸 (例、 無機酸など) や塩基 (例、 有機酸など) などとの塩が用 いられ、 とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。 この様な塩とし ては、 例えば、 無機酸 (例えば、 塩酸、 リン酸、 臭化水素酸、 硫酸など) との 塩、 あるいは有機酸 (例えば、 酢酸、 ギ酸、 プロピオン酸、 フマル酸、 マレイ ン酸、 コハク酸、 酒石酸、 クェン酸、 リンゴ酸、 蓚酸、 安息香酸、 メタンスル ホン酸、 ベンゼンスルホン酸など) との塩などが用いられる。
また、 試験化合物としては、 F P R L 1または F PRL 2の活性部位の原子 座標およびリガンド結合ボケットの位置に基づいて、 リガンド結合ボケットに 結合するように設計された化合物が好ましく用いられる。 FPRL 1または F PRL 2の活性部位の原子座標おょぴリガンド結合ボケットの位置の測定は、 公知の方法あるいはそれに準じる方法を用いて行うことができる。
huma n i nと FPRL 1または F PR L 2との結合性を変化させる化合 物またはその塩がァゴニストかアンタゴニストであるかは、 上記した FPRL 1または FPRL2に対するァゴニストのスクリー-ング方法を用 、て確認す ることができる。
huma n i nと本発明の FPRL 1または FPRL 2との結合性またはシ グナル伝達を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング用キットは、 本 発明の FPRL 1または FPRL 2、 本発明の FPRL 1または FPRL 2を 含有する細胞、 または本発明の FPRL 1または FPRL 2を含有する細胞の 膜画分を含有するものなどである。
本発明のスクリーニング用キットの例としては、 次のものが挙げられる。 1. スクリーニング用試薬
a ) 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液
Hanks' Balanced Salt Solution (ギブコ社製) に、 0.05%のゥシ血清ァ ルプミン (シグマ社製) を加えたもの。
孔径 0.45 μπιのフィルターで濾過滅菌し、 4°Cで保存するか、 あるいは用
時調製しても良い。
b) FPRL 1標品または FPRL 2標品
本発明の F PR L 1または FPRL 2を発現させた CHO細胞を、 1 2穴プ レートに 5 X 105個ノ穴で継代し、 37°C、 5%C02、 95%a i rで 2日 間培養したもの。
c ) 標識 h um a n i n
市販の 〔3H〕 、 〔125 I〕 、 C14C] , 〔35S〕 などで標識した huma n i n
水溶液の状態のものを 4°Cあるいは一 20°Cにて保存し、 用時に測定用緩衝 液にて 1 μ Μに希釈する。
d) huma n i n標準液
huma n i nを 0. 1%ゥシ血清アルプミン (シグマ社製) を含む P B S,で 1 mMとなるように溶解し、 _20°Cで保存する。
2. 測定法
a) 12穴組織培養用プレートにて培養した本発明の FPRL 1または FP
R L 2発現 CHO細胞を、 測定用緩衝液 1 m 1で 2回洗浄した後、 490 1 の測定用緩衝液を各穴に加える。
b) 10一3〜 10— 10Mの試験化合物溶液を 5 /z 1加えた後、標識 h uma n i nを 5 1加え、 室温にて 1時間反応させる。 非特異的結合量を知るために は試験化合物の代わりに 10— 3Mの h uma n i nを 5 μ 1加えておく。
c) 反応液を除去し、 lm 1の洗浄用緩衝液で 3回洗浄する。 細胞に結合し た標識 h uma n i nを 0.2N N a OH- 1 %SD Sで溶解し、 4mlの液 体シンチレーター A (和光純薬製) と混合する。
d) 液体シンチレーシヨンカウンター (ベックマン社製) を用いて放射活性 を測定し、 Percent Maximum Binding (PMB) を次の式で求める。
PMB= [ (B-NS B) / (B。一 NSB) ] X 100
PMB : Percent Maximum Binding
B :検体を加えた時の値
NS B : Non-specific Binding (非特異的結合量)
B。 :最大結合量
本発明のスクリーユング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られ る化合物またはその塩は、 h uma n i nと本発明の F PRL 1または F PR L 2との結合性またはシグナル伝達を変化させる作用を有する化合物またはそ の塩であり、 具体的には、 (ィ) 本発明の FPRL 1または FPRL 2を介し て細胞刺激活性の活性化、 p Hの低下などを促進する活性または抑制する活性 など) を有する化合物またはその塩 (いわゆる、 本発明の FPRL 1または F PRL 2に対するァゴニスト) 、 (口) 該細胞刺激活性を有しない^ f匕合物また はその塩 (いわゆる、 本発明の FPRL 1または FPRL 2に対するアンタゴ 二スト) 、 (ハ) huma n i nと本発明の FPRL 1または FPRL 2との 結合力を増強する化合物またはその塩、 あるいは (二) huma n i nと本発 明の F PRL 1または F PRL 2との結合力を減少させる化合物またはその塩 である。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られ る化合物としては、 ペプチド、 蛋白質、 非ペプチド性化合物、 合成化合物、 発 酵生産物などが挙げられ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公 知の化合物であつてもよい。
該化合物の塩としては、 生理学的に許容される酸 (例、 無機酸など) や塩基 (例、 有機酸など) などとの塩が用いられ、 とりわけ生理学的に許容される酸 付加塩が好ましい。 この様な塩としては、 例えば、 無機酸 (例えば、 塩酸、 リ ン酸、 臭化水素酸、硫酸など) との塩、 あるいは有機酸 (例えば、 酢酸、 ギ酸、 プロピオン酸、 フマル酸、 マレイン酸、 コノヽク酸、 酒石酸、 クェン酸、 リンゴ 酸、 蓚酸、 安息香酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸など) との塩な どが用いられる。
本発明の FPRL 1または FPRL2に対するァゴ-ストは、 huma n i nが有する生理活性と同様の作用を有しているので、 huma n i nが有する 生理活性に応じて安全で低毒性な医薬として有用である。
本発明の F PRL 1または F PRL 2に対するアンタゴニストは、 huma n i nが有する生理活性を抑制することができるので、 huma n i nの生理
活性を抑制するための安全で低毒性な医薬として有用である。
h uma n i nと本発明の F PR L 1または F PRL 2との結合力を増強す る化合物またはその塩は、 huma n i nが有する生理活性を増強するための 安全で低毒性な医薬として有用である。
h uma n i nと本発明の F PRL 1または F PRL 2との結合力を減少さ せる化合物またはその塩は、 huma n i nが有する生理活性を減少させるた めの huma n i nの生理活性を抑制するための安全で低毒性な医薬として有 用である。
' 具体的には、 本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを 用いて得られるァゴニストまたは h uma n i nと本発明の F PRL 1または F P R L 2との結合力を増強する化合物またはその塩は、 例えば、 細胞死抑制 剤として、 さらには、 例えば神経変性を伴う疾病など、 例えば、 神経変性疾患 〔例、アルツハイマー病(家族性アルツハイマー病、若年性アルツハイマー病、 孤発性アルツハイマー病など) 、 パーキンソン病、 ダウン症、 筋萎縮性側索硬 化症、 プリオン病、 クロイツフェルト一ヤコブ病、 ハンチントン舞踏病、 糖尿 病性ニューロパチ一、 多発性硬化症など〕 、脳機能障害 (例、脳梗塞、脳出血、 クモ膜下出血、 虚血性脳疾患、 硬膜外血腫、 硬膜下血腫など) 、 癌 (例、 星状 細胞腫、 乏枝神経膠腫など) 、 免疫疾患、 感染症 (例、 髄膜炎、 原虫感染症、 リケッチア感染症、 後生動物感染症、 B o r n a病などの細菌性またはウィル ス性髄膜炎、 ワクチン接種後脳炎、 A I DS脳症など) 、 消化管疾患、 循環器 疾患、 内分泌疾患等の種々の疾病の予防 ·治療剤、 好ましくは神経変性疾患、 脳機能障害の予防 ·治療剤として、 さらに好ましくはアルツハイマー病の予防 •治療剤として、 低毒性で安全な医薬として使用することができる。
' 一方、 上記スクリーニング方法で得られるアンタゴニストまたは h uma n i nと本発明の F PRL 1または F PRL 2との結合力を減少させる化合物ま , たはその塩は、 本発明の FPRL 1または FPRL 2の発現過多に起因する疾 患の予防 ·治療剤などの医薬として使用することができる。
さらに、 上記スクリーニング方法で得られるアンタゴニストのうち、 β _ァ ミロイド (1一 42) と F PR L 1との結合を阻害するものは、 例えば、 細胞
死抑制剤として、 さらには、 例えば神経変性を伴う疾病など、 例えば、 神経変 性疾患 〔例、 アルツハイマー病 (家族性アルツハイマー病、 若年性ァルツハイ マー病、 孤発性アルツハイマー病など) 、 パーキンソン病、 ダウン症、 筋萎縮 性側索硬化症、 プリオン病、 クロイツフェルト—ヤコブ病、 ハンチントン舞踏 病、 糖尿病性ニューロパチ一、 多発性硬化症など〕 、脳機能障害 (例、脳梗塞、 脳出血、 クモ膜下出血、 虚血性脳疾患、 硬膜外血腫、 硬膜下血腫など) 、 癌 ( 例、 星状細胞腫、 乏枝神経膠腫など) 、 免疫疾患、 感染症 (例、 髄膜炎、 原虫 感染症、 リケッチア感染症、 後生動物感染症、 B o r n a病などの細菌性また はウィルス性髄膜炎、 ワクチン接種後脳炎、 A I D S脳症など) 、消化管疾患、 循環器疾患、 内分泌疾患等の種々の疾病の予防 ·治療剤、 好ましくは神経変性 疾患、 脳機能障害の予防 ·治療剤として、 さらに好ましくはァルツハイマー病 の予防 ·治療剤として、 低毒性で安全な医薬として使用することができる。 本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られ る化合物またはその塩を上記の医薬組成物として使用する場合、 常套手段に従 つて製剤化することができる。
例えば、 該化合物またはそ,の塩は、 必要に応じて糖衣を施した錠剤、 カプセ ル剤、 エリキシル剤、 マイクロ力プセル剤などとして経口的に、 あるいは水も しくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、 または懸濁液剤など の注射剤の形で非経口的に使用できる。 例えば、 該化合物またはその塩を生理 学的に認められる公知の担体、 香味剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混 和することによつて製造することができる。 これら製剤における有効成分量は 指示された範囲の適当な容量が得られるようにするものである。
錠剤、 カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、 例えば、 ゼ ラチン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性 セルロースのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのよ うな膨化剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖または サッカリンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリーのよう な香味剤などが用いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合には、 上記タ
ィプの材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができる。 注射のた めの無菌糸且成物は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、 胡麻油、 椰子油な どのような天然産出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施 に従って処方することができる。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩 水、 ブドウ糖やその他の捕助薬を含む等張液 (例えば、 D—ソルビトール、 D 一マンニトール、 塩ィ匕ナトリウムなど) などが用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例、 エタノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレンク" リコール、 ポリエチレングリコール) 、 非イオン性界面活性剤 (例、 ポリソル ベート 80TM、 HCO-50) などと併用してもよい。 油性液としては、 例え ば、 ゴマ油、 大豆油などが用いられ、 溶解補助剤である安息香酸ベンジル、 ベ ンジルアルコールなどと併用してもよ!/、。
また、 上記予防 ·治療剤は、 例えば、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢 酸ナトリウム緩衝液) 、 無痛化剤 (例えば、 塩化ベンザルコ-ゥム、 塩酸プロ 力インなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒ ト血清アルブミン、 ポリエチレングリコー ルなど) 、 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノールなど) 、 酸化防 止剤などと配合してもよい。 調製された注射液は通常、 適当なアンプルに充填 される。 .
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトゃ哺 乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該ィ匕合物またはその塩の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法な どにより差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 アルツハイマー病 患者 (体重 6 Ok gとして) においては、 一日につき FPRL 1または FPR L 2に対するァゴニストを約 0. 1〜: L 00 m g、 好ましくは約 1. 0〜 50 m g、 より好ましくは約 1. 0〜 2 Omgである。 非経口的に投与する場合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なる 力 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 アルツハイマー病患者 (体重 6 O k gとして) においては、 一日につき FPRL 1または FPRL2に対するァゴ 二ストを約 0. 01〜3 Omg程度、 好ましくは約 0. :!〜 20m g程度、 よ
り好ましくは約 0. 1〜 10 m g程度を静脈注射により投与するのが好都合で ある。 他の動物の場合も、 体重 6 O k g当たりに換算した量を投与することが できる。
(7) 各種薬物の作用メカニズムの解明方法
FPRL 1または FPRL2を用いることによって、 各種薬物が FPRL 1 または F P R L 2を介して薬理効果を発揮しているか否かを確認することがで ^る。
すなわち、 本発明は、
(1) FPRL 1または FPRL 2を用いることを特徴とする、 ( i ) 細胞 死抑制薬、 (ii) 神経変性を伴う疾病など、 例えば、 神経変性疾患 〔例、 アル ッハイマー病 (家族性アルツハイマー病、 若年性アルツハイマー病、 孤発性ァ ルツハイマー病など) 、 パーキンソン病、 ダウン症、 筋萎縮性側索硬化症、 プ リオン病、 クロイツフェルト一ヤコブ病、 ハンチントン舞踏病、 糖尿病性ニュ 一口パチ一、 多発性硬化症など〕 、 脳機能障害 (例、 脳梗塞、 脳出血、 クモ膜 下出血、 虚血性脳疾患、硬膜外血腫、硬膜下血腫など) 、癌 (例、 星状細胞腫、 乏枝神経膠腫など) 、 免疫疾患、 感染症 (例、 髄膜炎、 原虫感染症、 リケツチ ァ感染症、 後生動物感染症、 B o r n a病などの細菌性またはウィルス性髄膜 炎、 ワクチン接種後脳炎、 A I DS脳症など) 、 消化管疾患、 循環器疾患、 内 分泌疾患等の予防 ·治療薬または (iii) 本発明の F P R L 1または F P R L 2 の発現過多に起因する疾患の予防'治療薬が FPRL 1または FPRL 2に結 合することを確認する方法、
(2) FPRL 1または FPRL 2を用いることを特徴とする、 ( i ) 細胞 死抑制薬または (ii) 神経変性を伴う疾病など、 例えば、 神経変性疾患 〔例、 アルツハイマー病 (家族性ァルツハイマー病、 若年性ァルツハイマー病、 孤発 性アルツハイマー病など) 、パーキンソン病、 ダウン症、筋萎縮性側索硬化症、 プリオン病、 クロイツフェルト一ヤコブ病、 ハンチントン舞踏病、 糖尿病性二 ユーロパチ一、 多発性硬化症など〕 、 脳機能障害 (例、 脳梗塞、 脳出血、 クモ 膜下出血、 虚血性脳疾患、 硬膜外血腫、 硬膜下血腫など) 、 癌 (例、 星状細胞 腫、 乏枝神経膠腫など) 、 免疫疾患、 感染症 (例、 髄膜炎、 原虫感染症、 リケ
ッチア感染症、 後生動物感染症、 B o r n a病などの細菌性またはウィルス性 髄膜炎、 ワクチン接種後脳炎、 A I DS脳症など) 、 消化管疾患、循環器疾患、 内分泌疾患等の予防 ·治療薬が FPRL 1または FPRL 2に対するァゴニス トであることを確認する方法、
(3) FPRL 1または FPRL 2を用いることを特徴とする、 本発明の F
PRL 1または FPRL2の発現過多に起因する疾患の予防 ·治療薬が F P R L 1または F PRL 2に対するアンタゴニストであることを確認する方法、
(4) 各薬を FPRL 1または FPRL 2に接触させた場合における、 各薬 と F P R L 1または F P R L 2との結合量を測定することを特徴とする上記 ( 1) 〜 (3) 記載のスクリーニング方法を提供する。
この確認方法は、 前記した h uma n i nと F PRL 1または F PRL 2と の結合性を変化させる化合物のスクリーニング方法において、 試験化合物に代 えて、 上記の薬物を使用することによって実施することができる。
また、 本発明の確認方法用キットは、 前記した hum a n i nnと FPRL 1または F PRL 2との結合性を変化させる化合物のスクリーニング用キット において、 試験化合物に代えて、 上記の薬物を含有するものである。
このように、 本発明の確認、方法を用いることによって、 市販または開発途中 の各種薬物が FPRL 1または FPRL 2を介して薬理効果を発揮しているこ とを確認することができる。
(8) 細胞膜における本発明の FPRL 1または FPRL 2の量を変化させる 化合物またはその塩を含有する医薬
本発明の抗体は、 本発明の FPRL 1または FPRL 2を特異的に認識する ことができるので、 細胞膜における本発明の F P RL 1または FPRL2の量 を変化させる化合物またはその塩のスクリーニングに用いることができる。 すなわち本発明は、 例えば、
( i) 非ヒト哺乳動物の a) 血液、 b) 特定の臓器、 c) 臓器から単離した 組織もしくは細胞等を破壊した後、 細胞膜画分を単離し、 細胞膜画分に含まれ る本発明の FPRL 1または FPRL 2を定量することによる、 細胞膜におけ る本発明の FPRL 1または FPRL 2の量を変化させる化合物またはその塩
のスクリ一ユング方法、
(ii) 本発明の F P R L 1または F P R L 2を発現する形質転換体等を破壌 した後、 細胞膜画分を単離し、 細胞膜画分に含まれる本発明の FPRL 1また は FPRL 2を定量することによる、 細胞膜における本発明の FPRL 1の量 を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(iii) 非ヒト哺乳動物の a) 血液、 b) 特定の臓器、 c) 臓器から単離した 糸且織もしくは細胞等を切片とした後、 免疫染色法を用いることにより、 細胞表 層での該受容体蛋白質の染色度合いを定量化することにより、 細胞膜上の該蛋 白質を確認することによる、 細胞膜における本発明の FPRL 1または F PR L 2の量を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
(iv) 本発明の F P RL 1または F PRL 2を発現する形質転換体等を切片 とした後、 免疫染色法を用いることにより、 細胞表層での該受容体蛋白質の染 色度合いを定量化することにより、 細胞膜上の該蛋白質を確認することによる、 細胞膜における本発明の F PR L 1または F PR L 2の量を変化させる化合物 またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
細胞膜画分に含まれる本発明の F P RL 1または F PRL 2の定量は具体的 には以下のようにして行なう。
( i ) 正常あるいは疾患モデル非ヒト哺轧動物 (例えば、 マウス、 ラット、 ゥサギ、 ヒッジ、 プタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど、 より具体的にはァルツ ハイマー病モデルラット、 マウス、 ゥサ など) に対して、 薬剤 (例えば、 免 疫調節薬など) あるいは物理的ス トレス (例えば、 浸水ス トレス、 電気ショッ ク、 明喑、 低温など) などを与え、 一定時間経過した後に、'血液、 あるいは特 定の臓器 (例えば、 脳、 肝臓、 腎臓など) 、 または臓器から単離した組織、 あ るいは細胞を得る。 得られた臓器、 組織または細胞等を、 例えば、 適当な緩種 ί 液 (例えば、 トリス塩酸緩衝液、 リン酸緩衝液、 へぺス緩衝液など) 等に懸濁 し、 臓器、 組織あるいは細胞を破壊し、 界面活性剤 (例えば、 トリ トン X 1 0 0ΤΜ、 ツイーン 20™など) などを用い、 さらに遠心分離や濾過、 カラム分画 などの手法を用いて細胞膜画分を得る。
細胞膜画分としては、 細胞を破砕した後、 それ自体公知の方法で得られる細
胞膜が多く含まれる画分のことをいう。 細胞の破砕方法としては、 Potter— Elvehjem型ホモジナイザーで細胞を押し潰す方法、 ヮーリングプレンダーゃポ リ トロン (Kinematica社製) のよる破砕、 超音波による破碎、 フレンチプレス などで加圧しながら細胞を細いノズルから噴出させることによる破碎などが挙 げられる。 細胞膜の分画には、 分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠 心力による分画法が主として用いられる。 例えば、 細胞破砕液を低速 (500 〜3000 r pm) で短時間 (通常、 約 1〜 10分) 遠心し、 上清をさらに高 速 (1 5000〜30000 r pm) で通常 30分〜 2時間遠心し、 得られる 沈澱を β莫画分とする。 該膜画分中には、 発現した FPRL 1または FPRL2 と細胞由来のリン脂質や膜蛋白質などの膜成分が多く含まれる。
細胞膜画分に含まれる本発明の FPRL 1または F PR L 2は、 例えば、 本 発明の抗体を用いたサンドィツチ免疫測定法、 ウェスタンブロット解析などに より定量することができる。
かかるサンドィツチ免疫測定法は上記の方法と同様にして行なうことができ. ウェスタンプロットは自体公知の手段により行なうことがでぎる。
(ii) 本発明の F P R L 1または F P R L 2を発現する形質転換体を上記の 方法に従い作製し、 細胞膜画分に含まれる本発明の FPRL 1または FPRL 2を定量することができる。
細胞膜における本発明の F P RL 1または FPRL2の量を変化させる化合 物またはその塩のスクリーニングは、
(i) 正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物に対して、 薬剤あるいは物理 的ストレスなどを与える一定時間前 (30分前〜 24時間前、 好ましくは 30 分前〜 12時間前、 より好ましくは 1時間前〜 6時間前) もしくは一定時間後 (30分後〜 3日後、 好ましくは 1時間後〜 2日後、 より好ましくは 1時間後 〜 24時間後) 、 または薬剤あるいは物理的ストレスと同時に試験化合物を投 与し、 投与後一定時間経過後 (30分後〜 3日後、 好ましくは 1時間後〜 2日 後、 より好ましくは 1時間後〜 24時間後) 、 細胞膜における本発明の F P R L 1または FPRL 2の量を定量することにより行なうことができ、
(ii)形質転換体を常法に従い培養する際に試験化合物を培地中に混合させ、
—定時間培養後 (1日後〜 7日後、 好ましくは 1日後〜 3日後、 より好ましく は 2日後〜 3日後) 、 細胞膜における本発明の F P R L 1または F P R L 2の ' 量を定量することにより行なうことができる。
細胞膜画分に含まれる本発明の F P R L 1または F P R L 2の確認は具体的 には以下のようにして行なう。
(ii i) 正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物 (例えば、 マウス、 ラット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど、 より具体的にはァルツ ハイマー病モデルラット、 マウス、 ゥサギなど) に対して、 薬剤 (例えば、 免 疫調節薬など) あるいは物理的ストレス (例えば、 浸水ストレス、 電気ショッ ク、 明暗、 低温など) などを与え、 一定時間経過した後に、 血液、 あるいは特 定の臓器 (例えば、 脳、 肝臓、 腎臓など) 、 または臓器から単離した組織、 あ るいは細胞を得る。 得られた臓器、 組織または細胞等を、 常法に従い組織切片 とし、 本発明の抗体を用いて免疫染色を行う。 細胞表層での該受容体蛋白質の ' 染色度合いを定量ィヒすることにより、 細胞膜上の該蛋白質を確認することによ り、 定量的または定性的に、 細胞膜における本発明の F P R L 1または F P R L 2の量を確認することができる。
(iv) 本発明の F P R L 1または F P R L 2を発現する形質転換体等を用い て同様の手段をとることにより確認することもできる。
試験化合物としては、 例えば、 ペプチド、 蛋白質、 非ペプチド性化合物、 合 成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液などが用い られ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合物であって もよい。
試験化合物は塩を形成していてもよく、 試験化合物の塩としては、 生理学的 に許容される酸 (例、 無機酸など) や塩基 (例、 有機酸など) などとの塩が用 いられ、 とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。 この様な塩とし ては、 例えば、 無機酸 (例えば、 塩酸、 リン酸、 臭化水素酸、 硫酸など) との 塩、 あるいは有機酸 (例えば、 酢酸、 ギ酸、 プロピオン酸、 フマル酸、 マレイ ン酸、 コハク酸、 酒石酸、 クェン酸、 リンゴ酸、 蓚酸、 安息香酸、 メタンスル ホン酸、 ベンゼンスルホン酸など) との塩などが用いられる。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、 細胞 膜における本発明の F P R L 1または F P R L 2の量を変化させる作用を有す る化合物であり、 具体的には、 (ィ) 細胞膜における本発明の FPRL 1また は FPRL 2の量を増加させることにより、 F PRL 1または F PR L 2を介 する細胞刺激活性を増強させる化合物またはその塩、 (口) 細胞膜における本 発明の FPRL 1または F PRL 2の量を減少させることにより、 該細胞刺激 活性を減弱させる化合物またはその塩である。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物としては、 ペプチド、 蛋白質、 非ペプチド性化合物、 合成化合物、 発酵生産物などが挙げられ、 これ ら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合物であってもよい。 本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物は塩を形成していても よく、 該化合物の塩としては、 生理学的に許容される酸 (例、 無機酸など) や 塩基 (例、 有機酸など) などとの塩が用いられ、 とりわけ生理学的に許容され る酸付加塩が好ましい。 この様な塩としては、例えば、無機酸 (例えば、塩酸、 リン酸、 臭化水素酸、 硫酸など) との塩、 あるいは有機酸 (例えば、 酢酸、 ギ 酸、 プロピオン酸、 フマル酸、 マレイン酸、 コノ、ク酸、 酒石酸、 クェン酸、 リ ンゴ酸、 蓚酸、 安息香酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸など) との 塩などが用いられる。
細胞膜における本発明の F PRL 1または F PR L 2の量を増加させること 〖こより、 細胞刺激活性を増強させる化合物またはその塩は、 本発明の FPRL 1または F PRL 2の機能不全に関連する疾患の予防 ·治療剤などの医薬とし て使用することができる。 具体的には、 該化合物またはその塩は、 例えば、 細 胞死抑制剤として、 さらには、 例えば神経変性を伴う疾病など、 例えば、 神経 変性疾患 〔例、 アルツハイマー病 (家族性アルツハイマー病、 若年性アルッノヽ イマ一病、 孤発性アルツハイマー病など) 、 パーキンソン病、 ダウン症、 筋萎 縮性側索硬化症、 プリオン病、 クロイツフェルド一ヤコブ病、 ハンチントン舞 踏病、 糖尿病性ニューロパチ一、 多発性硬化症など〕 、 脳機能障害 (例、 脳梗 塞、 脳出血、 クモ膜下出血、 虚血性脳疾患、 硬膜外血腫、 硬膜下血腫など) 、 癌 (例、 星状細胞腫、 乏枝神経膠腫など) 、 免疫疾患、 感染症 (例、 髄膜炎、
原虫感染症、 リケッチア感染症、 後生動物感染症、 B o r n a病などの細菌性 またはウィルス性髄膜炎、 ワクチン接種後脳炎、 A I D S脳症など) 、 消化管 疾患、 循環器疾患、 内分泌疾患等の種々の疾病の予防 ·治療剤、 好ましくは神 経変性疾患、 脳機能障害の予防 ·治療剤として、 さらに好ましくはァルツハイ マー病の予防 ·治療剤として、 低毒性で安全な医薬として使用することができ る。
細胞膜における本発明の F P R L 1または F P R L 2の量を減少させること により、 細胞刺激活性を減弱させる化合物またはその塩は、 本発明の F P R L 1または F P R L 2の発現過多に起因する疾患に対する安全で低毒性な予防 · 治療剤として有用である。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩を医薬組 成物として使用する場合、 常套手段に従って製剤化することができる。
例えば、 該化合物またはその塩は、 必要に応じて糖衣を施した錠剤、 カプセ ル剤、 エリキシル剤、 マイクロカプセル剤などとして経口的に、 あるいは水も しくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、 または懸濁液剤など の注射剤の形で非経口的に使用できる。 例えば、 該化合物またはその塩を生理 学的に認められる公知の担体、 香味剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混 和することによって製造することができ.る。 これら製剤における有効成分量は 指示された範囲の適当な容量が得られるようにするものである。
錠剤、 カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、 例えば、 ゼ ラチン、 コーンスターチ、 トラガント、 了ラビアゴムのような結合剤、 結晶性 セルロースのような賦开剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのよ うな膨化剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖または サッカリンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリーのよう な香味剤などが用いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合には、 上記タ ィプの材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができる。 注射のた めの無菌組成物は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、 胡麻油、 椰子油な どのような天然産出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施
に従って処方することができる。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩 水、 ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液 (例えば、 D—ソルビトール、 D 一マンニトール、 塩化ナトリウムなど) などが用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例、 エタノール) 、 ポリアルコーノレ (例、 プロピレング リコール、 ポリエチレングリコール) 、 非イオン性界面活性剤 (例、 ポリソル ペート 80TM、 HCO— 50) などと併用してもよい。 油性液としては、 例え ば、 ゴマ油、 大豆油などが用いられ、 溶解補助剤である安息香酸ベンジル、 ベ ンジルアルコールなどと併用してもよい。
また、 上記予防 ·治療剤は、 例えば、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢 酸ナトリウム緩衝液) 、 無痛化剤 (例えば、 塩ィ匕ベンザルコ ゥム、 塩酸プロ 力インなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒト血清アルブミン、 ポリエチレングリコー ルなど) 、 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノールなど) 、 酸化防 止剤などと配合してもよい。 調製された注射液は通常、 適当なアンプルに充填 される。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトゃ哺 乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法な どにより差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 アルツハイマー病 患者 (体重 60 k gとして) においては、 一日につき細胞膜における本発明の FPRL 1または FPRL 2の量を増加させる化合物またはその塩を約 0. 1 〜 1 00 m g、 好ましくは約 1. 0〜 50 m g、 より好ましくは約 1. 0〜 2 Omgである。 非経口的に投与する場合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象 臓器、 症状、 投与方法などによっても異なるが、 例えば、 注射剤の形では通常 例えば、 アルツハイマー病患者 (体重 6 O k gとして) においては、 一日につ き細胞膜における本発明の FPRL 1または FPRL 2の量を増加させる化合 物またはその塩を約 0. 0 1〜3 Omg程度、 好ましくは約 0. l〜20mg 程度、 より好ましくは約 0. 1〜1 Omg程度を静脈注射により投与するのが 好都合である。 他の動物の場合も、 体重 60 k g当たりに換算した量を投与す
るこ'とができる。
(9) 本発明の F PR L 1または F PRL 2に対する抗体を含有してなる医薬 本発明の FPRL 1または F PR L 2に対する抗体の中和活性とは、 該 FP
R L 1または F P R L 2の関与するシグナル伝達機能を不活性化する活性を意 味する。 従って、 該抗体が中和活性を有する場合は、.該 FPRL 1または FP RL 2の関与するシグナル伝達、 例えば、 該 F P R L 1または F P R L 2を介 する細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 C a 2+遊離、 細胞内 c AMP生成、 細胞内 c AMP生成抑制、 細胞内 c GMP 生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内蛋白質のリン酸化、 c - f o sの活性化、 p Hの低下などを促進する活性または抑制する活性など、 特に c AMP生成抑制活性) を不活性化することができる。
したがって、 本発明の FPRL 1または FPRL2に対する抗体 (例、 中和抗 体)は、 F P R L 1または F PRL 2の過剰発現や h um a n i n過多などに起 因する疾患の予防 ·治療剤として用いることができる。
上記予防 ·治療剤は、 前記した本発明の F PRL 1または FPRL2を含有 する医薬と同様にして製造し、 使用することができる。
(10) 本発明のアンチセンス DNAを含有してなる医薬
本発明のアンチセンス DN Aは、 F PRL 1または F PRL 2の過剰発現や h uma n i n過多などに起因する疾患の予防 ·治療剤として用いることがで さる。
例えば、 該アンチセンス DNAを用いる場合、 該アンチセンス DNAを単独 あるいはレトロウィルスベクター、 アデノウィルスベクター、 アデノウイルス ァソシエーテツドウィルスベクターなどの適当なベクターに挿入した後、 常套 手段に従って実施することができる。 該アンチセンス DN Aは、 そのままで、 あるいは摂取促進のために補助剤などの生理学的に認められる担体とともに製 剤ィ匕し、 遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与 できる。
さらに、 該アンチセンス DNAは、 組織や細胞における本発明の DNAの存 在やその発現状況を調べるための診断用オリゴヌクレオチドプローブとして使
用することもできる。
(11) 本発明の。Νλ導入動物の作製
本発明は、 外来性の本発明の DN Α (以下、 本発明の外来性 DN Aと略記す る) またはその変異 DN A (本発明の外来性変異 DN Aと略記する場合がある ) を有する非ヒト哺乳動物を提供する。
すなわち、 本発明は、
〔1〕 本発明の外来性 DN Aまたはその変異 DN Aを有する非ヒト哺乳動物、 〔2〕 非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第 〔1〕 記載の動物、
〔3〕 ゲッ歯動物がマウスまたはラットである第 〔2〕 記載の動物、 および 〔4〕 本発明の外来性 DNAまたはその変異 DNAを含有し、 哺乳動物におい て発現しうる糸且換えベクターを提供するものである。
本発明の外来性 DNAまたはその変異 DNAを有する非ヒト哺乳動物 (以下、 本発明の DN A転移動物と略記する) は、 未受精卵、 受精卵、 精子およびその 始原細胞を含む 芽細胞などに対して、 好ましくは、 非ヒト哺乳動物の発生に おける胚発生の段階 (さらに好ましくは、 単細胞または受精卵細胞の段階でか つ一般に 8細胞期 前) に、 リン酸カルシウム法、 電気パルス法、 リボフエタ シヨン法、 凝集法、 マイクロインジェクション法、 パーティクルガン法、 DE A Ε—デキストラン法などにより目的とする DN Aを転移することによって作 出することができる。 また、 該 DNA転移方法により、 体細胞、 生体の臓器、 組織細胞などに目的とする本発明の外来性 DNAを転移し、 細胞培養、 組織培 養などに利用することもでき、 さらに、 これら細胞を上述の胚芽細胞と自体公 知の細胞融合法により融合させることにより本発明の DN A転移動物を作出す ることもできる。
非ヒト哺乳動物としては、 例えば、 ゥシ、 ブタ、 ヒッジ、 ャギ、 ゥサギ、 ィ ヌ、 ネコ、 モルモッ ト、 ノ、ムスター、 マウス、 ラットなどが用いられる。 な力 でも、 病体動物モデル系の作成の面から個体発生および生物サイクルが比較的 短く、 また、繁殖が容易なゲッ歯動物、 とりわけマウス (例えば、純系として、 C 57 BL/6系統, DBA 2系統など、 交雑系として、 B 6 C 3 系統, B 系統, BSDSFi系統, BALB/c系統, I CR系統など) またはラ
ット (例えば、 Wi s t a r, SDなど) などが好ましい。
哺乳動物において発現しうる組換えベクターにおける「哺乳動物」 としては、 上記の非ヒト哺乳動物の他にヒトなどがあげられる。
本発明の外来性 DNAとは、 非ヒト哺乳動物が1本来有している本発明の DN Aではなく、 いったん哺乳動物から単離 '抽出された本発明の DNAをいう。 本発明の変異 DNAとしては、 元の本発明の DNAの塩基配列に変異 (例え ば、 突然変異など) が生じたもの、 具体的には、 塩基の付加、 欠損、 他の塩基 への置換などが生じた DNAなどが用いられ、 また、 異常 DNAも含まれる。 該異常 DNAとしては、 異常な本発明の FPR.L 1または FPRL 2を発現 させる DNAを意味し、 例えば、 正常な本発明の F PRL 1または F PRL 2 の機能を抑制する FPRL 1または FPRL2を発現させる D N Aなどが用い られる。
本発明の外来性 DN Aは、 対象とする動物と同種あるいは異種のどちらの哺 乳動物由来のものであってもよい。 本発明の DNAを対象動物に転移させるに あたっては、 該 DNAを動物細胞で発現させうるプロモーターの下流に結合し た DNAコンストラク トとして用いるのが一般に有利である。 例えば、 本発明 のヒト DN Aを転移させる場合、 これと相同性が高い本発明の DNAを有する 各種哺乳動物 (例えば、 ゥサギ、 ィヌ、 ネコ、 モルモット、 ハムスター、 ラッ ト、 マウスなど) 由来の DNAを発現させうる各種プロモーターの下流に、 本 発明のヒト DNAを結合した DNAコンストラクト (例、 ベクターなど) を対 象哺乳動物の受精卵、 例えば、 マウス受精卵へマイクロインジェクションする ことによって本発明の DN Aを高発現する DN A転移哺乳動物を作出すること ができる。
本発明の FPRL 1または FPRL 2め発現ベクターとしては、 大腸菌由来 のプラスミド、 枯草菌由来のプラスミド、 酵母由来のプラスミド、 λファージ などのバタテリオファージ、 モロ-一白血病ウィルスなどのレトロウイルス、 ワクシニアウィルスまたはバキュロウィルスなどの動物ゥィルスなどが用いら れる。 なかでも、 大腸菌由来のプラスミド、 枯草菌由来のプラスミドまたは酵 母由来のプラスミドなどが好ましく用いられる。
上記の DNA発現調節を行なうプロモーターとしては、 例えば、 ①ウィルス (例、 シミアンウィルス、 サイ トメガロウィルス、 モロニ一白血病ウィルス、 J Cウィルス、 乳癌ウィルス、 ポリオウイルスなど) に由来する DNAのプロ モーター、 ②各種哺乳動物 (ヒ ト、 ゥサギ、 ィヌ、 ネコ、 モルモット、 ハムス ター、 ラット、 マウスなど) 由来のプロモーター、 例えば、 アルブミン、 イン スリン I I、 ゥロプラキン I I、 エラスターゼ、 エリスロポエチン、 エンドセ リン、 筋クレアチンキナーゼ、 グリア線維性酸·生蛋白質、 ダルタチオン S—ト ランスフェラーゼ、 血小板由来成長因子 、 ケラチン K 1 , 1^ 1 0ぉょび1:1 4、 コラーゲン I型および I I型、 サイクリック AMP依存蛋白質キナーゼ^ Iサブユニット、 ジストロフィン、 酒石酸抵抗生アルカリフォスファターゼ、 心房ナトリゥム利尿性因子、 内皮レセプターチ口シンキナーゼ (一般に T i e 2と略される) 、 ナトリウムカリウムアデノシン 3リン酸ィ匕酵素 (N a , K- ATP a s e) 、 ェユーロフィラメント軽鎖、 メタ口チォネイン Iおよび I I A、 メタ口プロティナーゼ 1組織インヒビター、 MHCクラス I抗原 (H— 2 L) 、 H— r a s、 レニン、 ドーパミン 一水酸化酵素、 甲状腺ペルォキシダ ーゼ (TPO) 、 ペプチド鎖延長因子 let (E F- 1 a) 、 βァクチン、 aおよ ぴ j8ミオシン重鎖、 ミオシン軽鎖 1および 2、 ミエリン基礎蛋白質、 チログロ ブリン、 T h y— 1、 免疫グロブリン、 H鎖可変部 (VNP) 、 血清アミロイ ド Pコンポーネント、 ミオグロビン、 トロポニン C、 平滑筋 aァクチン、 プレ プロエンケフアリン A、 バソプレシンなどのプロモーターなどが用いられる。 なかでも、 全身で高発現することが可能なサイトメガロウィルスプロモーター、 ヒトペプチド鎖延長因子 1 ひ (EF- 1 a) のプロモーター、 ヒトおよび-ヮ トリ ]3ァクチンプロモーターなどが好適である。
上記べクタ一は、 DN A転移哺乳動物において目的とするメッセンジャー R NAの転写を終結する配列 (一般にターミネータ一と呼ばれる) を有している ことが好ましく、 例えば、 ウィルス由来おょぴ各種哺乳動物由来の各 DNAの 配列を用いることができ、 好ましくは、 シミアンウィルスの SV4 0ターミネ 一ターなどが用いられる。
その他、 目的とする外来 1"生 DN Aをさらに高発現させる目的で各 DN Aのス
プライシングシグナル、 ェンハンサー領域、 真核 DN Aのイントロンの一部な どをプロモーター領域の 5, 上流、 プロモーター領域と翻訳領域間あるいは翻 訳領域の 3' 下流 に連結することも目的により可能である。
正常な本発明の F PR L 1または F PR L 2の翻訳領域は、 ヒトまたは各種 哺乳動物 (例えば、 ゥサギ、 ィヌ、 ネコ、 モルモット、 ハムスター、 ラット、 マウスなど) 由来の肝臓、 腎臓、 甲状腺細胞、 線維芽細胞由来 DNAおよび巿 販の各種ゲノム DNAライブラリーよりゲノム DNAの全てあるいは一部とし て、 または肝臓、 腎臓、 甲状腺細胞、 線維芽細胞由来 RN Aより公知の方法に より調製された相補 DNAを原料として取得することが出来る。 また、 外来†生 の異常 DNAは、 上記の細胞または組織より得られた正常な F PRL 1または FPRL2の翻訳領域を点突然変異誘発法により変異した翻訳領域を作製する ことができる。
該翻訳領域は転移動物において発現しうる DN Aコンストラタトとして、 前 記のプロモーターの下流おょぴ所望により転写終結部位の上流に連結させる通 常の DN A工学的手法により作製することができる。
受精卵細胞段階における本発明の外来性 D N Aの転移は、 対象哺乳動物の胚 芽細胞おょぴ体細胞のすべてに存在するように確保される。 DNA転移後の作 出動物の胚芽細胞において、 本発明の外来性 DN Aが存在することは、 作出動 物の後代がすべて、 その胚芽細胞および体細胞のすべてに本発明の外来性 D N Aを保持することを意味する。 本発明の外来性 DN Aを受け継いだこの種の動 物の子孫はその胚芽細胞および体細胞のすべてに本発明の外来性 D N Aを有す る。 '
本発明の外来 1·生正常 DN Aを転移させた非ヒト哺乳動物は、 交配により外来 性 DN Aを安定に保持することを確認して、 該 DN A保有動物として通常の飼 育環境で継代飼育することが出来る。
受精卵細胞段階における本発明の外来性 D N Aの転移は、 対象哺乳動物の胚 芽細胞おょぴ体細胞の全てに過剰に存在するように確保される。 DNA転移後 の作出動物の胚芽細胞において本発明の外来性 DN Aが過剰に存在することは、 作出動物の子孫が全てその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の外来性 D N
Aを過剰に有することを意味する。 本発明の外来性 DNAを受け継いだこの種 の動物の子孫はその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の外来性 D N Aを過 剰に有する。
導入 DN Aを相同染色体の両方に持つホモザィゴート動物を取得し、 この雌 雄の動物を交配することによりすべての子孫が該 DNAを過剰に有するように 繁殖継代することができる。 ,
本発明の正常 DNAを有する非ヒト哺乳動物は、 本発明の正常 DNAが高発 現させられており、 内在性の正常 DN Aの機能を促進することにより最終的に 本発明の FPRL 1または FPRL2の機能亢進症を発症することがあり、 そ の病態モデル動物として利用することができる。 例えば、 本発明の正常 DN A 転移動物を用いて、 本発明の FPRL 1または FPRL2の機能亢進症や、 本 発明の F PRL 1または FPRL 2が関連する疾患の病態機序の解明およびこ れらの疾患の治療方法の検討を行なうことが可能である。
また、 本発明の外来"生正常 DN Aを転移させた哺乳動物は、 本発明の F PR L 1または FPRL2の増加症状を有することから、 本発明の FPRL 1また は FPRL 2に関連する疾患に対する治療薬のスクリーニング試験にも利用可 能である。
一方、 本発明の外来性異常 DNAを有する非ヒト哺乳動物は、 交配により外 来性 D N Aを安定に保持することを確認して該 D N A保有動物として通常の飼 育環境で継代飼育することが出来る。 さらに、 目的とする外来 DNAを前述の プラスミドに組み込んで原料として用いることができる。 プロモーターとの D NAコンストラク卜は、 通常の DN A工学的手法によって作製することができ る。 受精卵細胞段階における本発明の異常 DN Aの転移は、 対象哺乳動物の胚 芽細胞および体細胞の全てに存在するように確保される。 DNA転移後の作出 動物の胚芽細胞において本発明の異常 DN Aが存在することは、 作出動物の子 孫が全てその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の異常 DNAを有すること を意味する。 本発明の外来性 DN Aを受け継いだこの種の動物の子孫は、 その 胚芽細胞およぴ体細胞の全てに本発明の異常 D N Aを有する。 導入 D N Aを相 同染色体の両方に持つホモザィゴート動物を取得し、 この雌雄の動物を交配す
ることによりすべての子孫が該 DNAを有するように繁殖継代することができ る。
本発明の異常 DNAを有する非ヒト哺乳動物は、 本発明 異常 DNAが高発 現させられており、 内在性の正常 DN Aの機能を阻害することにより最終的に 本発明の FPRL 1または, FPRL 2の機能不活性型不応症となることがあり その病態モデル動物として利用することができる。 例えば、 本発明の異常 DN A転移動物を用いて、 本発明の FPRL 1または F PRL 2の機能不活性型不 応症の病態機序の解明およびこの疾患を治療方法の検討を行なうことが可能で
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また、 具体的な利用可能性としては、 本発明の異常 DNA高発現動物は、 本 発明の FPRL 1または FPRL2の機能不活性型不応症における本発明の異 常 FPRL 1または FPRL 2による正常 FPRL 1または FPRL 2の機能 阻害 (dominant negative作用) を解明するモデルとなる。
また、 本発明の外来異常 DN Aを転移させた哺乳動物は、 本発明の FPRL 1または FPRL 2の増加症状を有することから、 本発明の FPRL 1または F P R L 2の機能不活性型不応症に対する治療薬スクリーニング試験にも利用 可能である。
また、 上記 2種類の本発明の DN A転移動物のその他の利用可能性として、 例えば、
①組織培養のための細胞源としての使用、
②本発明の DNA転移動物の組織中の DNAもしくは RNAを直接分析するか または DNAにより発現された FPRL 1組織または FPRL 2組織を分析す ることによる、 本発明の FPRL 1または FPRL 2により特異的に発現ある いは活十生化する FPRL 1または FPRL2との関連性についての解析、 ③ DNAを有する組織の細胞を標準組織培養技術により培養し、 これらを使用 して、 一般に培養困難な組織からの細胞の機能の研究、
④上記③記載の細胞を用いることによる細胞の機能を高めるような薬剤のスク リ一ユング、 および
⑤本発明の変異 F PRL1または FPRL2を単離精製およびその抗体作製な
どが考えられる。
さらに、 本発明の DNA転移動物を用いて、 本発明の F PRL 1または F P RL 2の機能不活性型不応症などを含む、 本発明の F P R L 1または F P R L 2に関連する疾患の臨床症状を調べることができ、 また、 本発明の FPRL 1 または FPRL 2に関連する疾患モデルの各臓器におけるより詳細な病理学的 所見が得られ、 新しい治療方法の開発、 さらには、 該疾患による二次的疾患の 研究およぴ治療に貢献することができる。
また、 本発明の DN A転移動物から各臓器を取り出し、 細切後、 トリプシン などの蛋白質分解酵素により、 遊離した DN A転移細胞の取得、 その培養また はその培養細胞の系統化を行なうことが可能である。 さらに、 本発明の F PR L 1産生細胞または F PRL 2産生細胞の特定化、 アポトーシス、 分化あるい は増殖との関連性、 またはそれらにおけるシグナル伝達機構を調べ、 それらの 異常を調べることなどができ、 本発明の FPRL 1または FPRL2およぴそ の作用解明のための有 な研究材料となる。
さらに、 本発明の DN A転移動物を用いて、 本発明の FPRL 1または FP RL 2の機能不活性型不応症を含む、 本発明の F PRL 1または FPRL 2に 関連する疾患の治療薬の開発を行なうために、 上述の検査法および定量法など を用いて、 有効で迅速な該疾患治療薬のスクリーニング法を提供することが可 能となる。 また、 本発明の DN A転移動物または本発明の外来性 DN A発現べ クタ一を用いて、 本発明の F PRL 1または F PRL 2が関連する疾患の DN A治療法を検討、 開発することが可能である。
(12) ノックァゥト動物
本発明は、 本発明の DNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞および 本発明の DN A発現不全非ヒト哺乳動物を提供する。
すなわち、 本発明は、
〔 1〕 本発明の D N Aが不活性ィ匕された非ヒト哺乳動物胚幹細胞、
〔2〕 該 DNAがレポーター遺伝子 (例、 大腸菌由来の _ガラクトシダーゼ 遺伝子) を導入することにより不活性化された第 〔1〕 項記載の胚幹細胞、 〔3〕 ネオマイシン耐性である第 〔1〕 項記載の胚幹細胞、
〔4〕 非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第 〔1〕 項記載の胚幹細胞、 〔5〕 ゲッ歯動物がマウスである第 〔4〕 項記載の胚幹細胞、
〔6〕 本発明の DNAが不活性化された該 DNA発現不全非ヒト哺乳動物、 〔7〕 該 DN Aがレポーター遺伝子 (例、 大腸菌由来の i3—ガラクトシダーゼ 遺伝子) を導入することにより不活性ィ匕され、 該レポーター遺伝子が本発明の
DNAに対するプロモーターの制御下で発現しうる第 〔6〕 項記載の非ヒト哺 乳動物、
〔8〕 非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第 〔6〕 項記載の非ヒト哺乳動物、 〔9〕 ゲッ歯動物がマウスである第 〔8〕 項記載の非ヒト哺乳動物、 および 〔10〕 第 〔7〕 項記載の動物に、 試験化合物を投与し、 レポーター遺伝子の 発現を検出することを特徴とする本発明の DNAに対するプロモーター活 1"生を 促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。 本発明の DNAが不活性ィヒされた非ヒト哺乳動物胚幹細胞とは、 該非ヒ ト哺 乳動物が有する本発明の DNAに人為的に変異を加えることにより、 DNAの 発現能を抑制するか、 もしくは該 DNAがコードしている本発明の FPRL 1 または F P R L 2の活性を実質的に喪失させることにより、 DN Aが実質的に 本発明の FPRL 1または FPRL2の発現能を有さない (以下、 本発明のノ ックアウト DNAと称することがある) 非ヒト哺乳動物の胚幹細胞 (以下、 E S細胞と略記する) をいう。
非ヒト哺乳動物としては、 前記と同様のものが用いられる。
本発明の DNAに人為的に変異を加える方法としては、 例えば、 遺伝子工学 的手法により該 DN A配列の一部又は全部の削除、 他 DN Aを挿入または置換 させることによって行なうことができる。 これらの変異により、 例えば、 コド ンの読み取り枠をずらしたり、 プロモーターあるいはェキソンの機能を破壊す ることにより本発明のノックァゥト DNAを作製すればよい。
本発明の DN Aが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞 (以下、 本発明の DNA不活性化 E S細胞または本発明のノックァゥト ES細胞と略記する) の 具体例としては、 例えば、 目的とする非ヒト哺乳動物が有する本発明の DNA を単離し、 そのェキソン部分にネオマイシン耐性遺伝子、 ハイグロマイシン耐
性遺伝子を代表とする薬剤耐性遺伝子、 あるいは l a c Z ガラクトシダ ーゼ遺伝子) 、 c a t (クロラムフエニコーノレァセチノレトランスフェラーゼ遣 伝子) を代表とするレポーター遺伝子等を揷入することによりェキソンの機能 を破壌するか、 あるいはェキソン間のィントロン部分に遺伝子の転写を終結さ せる DNA配列 (例えば、 polyA付加シグナルなど) を揷入し、 完全なメッセ ンジャー' R N Aを合成できなくすることによって、 結果的に遺伝子を破壊する ように構築した DN A配列を有する DN A鎖 (以下、 ターゲッティングベクタ 一と略記する) を、 例えば相同組換え法により該動物の染色体に導入し、 得ら れた E
、て本発明の DNA上あるいはその近傍の D N A配列をプロ ーブとしたサザンハイブリダイゼーション解析あるいはターゲッティングべク ター上の D N A配列とターゲッティングベクタ一作製に使用した本発明の D N A以外の近傍領域の DN A配列をプライマーとした PCR法により解析し、 本 発明のノックアウト E S細胞を選別することにより得ることができる。
また、 相同組換え法等により本発明の DNAを不活ィ匕させる元の ES細胞と しては、 例えば、 前述のような既に樹立されたものを用いてもよく、 また公知 Evansと Kaufmaの方法に準じて新しく樹立したものでもよい。 例えば、 マウスの ES細胞の場合、 現在、 一般的には 129系の E S細胞が使用されているが、 . 免疫学的背景がはっきりしていないので、 これに代わる純系で免疫学的に遺伝 的背景が明らかな E S細胞を取得するなどの目的で例えば、 C57BLZ6マ ウスや C57 BLZ 6の採卵数の少なさを DBA, 2との交雑により改善した BDF マウス (C57BLZ6と DBA/2との を用いて樹立したもの なども良好に用いうる。 BDFiマウスは、 採卵数が多く、 かつ、 卵が丈夫であ るという利点に加えて、 C 57 B LZ6マウスを背景に持つので、' これを用い て得られた E S細胞は病態モデルマウスを作出したとき、 C 57BL/6マウ スとバッククロスすることでその遗伝的背景を C 57 B L/ 6マウスに代える ことが可能である点で有利に用い得る。
また、 ES細胞を樹立する場合、 一般には受精後 3. 5日目の胚盤胞を使用す るが、 これ以外に 8細胞期胚を採卵し胚盤胞まで培養して用いることにより効 率よく多数の初期胚を取得することができる。
また、 雌雄いずれの E S細胞を用いてもよいが、 通常雄の E S細胞の方が生 殖系列キメラを作出するのに都合が良い。 また、 煩雑な培養の手間を削減する ためにもできるだけ早く雌雄の判別を行なうことが望ましい。
E S細胞の雌雄の判定方法としては、 例えば、 P C R法により Y染色体上の 性決定領域の遺伝子を増幅、 検出する方法が、 その 1例としてあげることがで きる。 この方法を使用すれば、 従来、 核型分析をするのに約 1 0 6個の細胞数を 要していたのに対して、 1コロニー程度の E S細胞数(約 5 0個)で済むので、 培養初期における E S細胞の第一次セレクションを雌雄の判別で行なうことが 可能であり、 早期に雄細胞の選定を可能にしたことにより培養初期の手間は大 幅に削減できる。
また、 第二次セレクションとしては、 例えば、 G—パンディング法による染 色体数の確認等により行うことができる。 得られる E S細胞の染色体数は正常 数の 1 0 0 %が望ましいが、 樹立の際の物理的操作等の関係上困難な場合は、 E S細胞の遺伝子をノックアウトした後、 正常細胞 (例えば、 マウスでは染色 体数が 2 n = 4 0である細胞) に再びクローユングすることが望ましい。
このようにして得られた胚幹細胞株は、 通常その増殖性は大変良いが、 個体 発生できる能力を失いやすいので、 注意深く継代培養することが必要である。 例えば、 S T O繊維芽細胞のような適当なフィーダー細胞上で L I F ( 1〜 1 0 0 0 O U/ml) 存在下に炭酸ガス培養器内 (好ましくは、 5 %炭酸ガス、 9 5 %空気または 5 %酸素、 5 %炭酸ガス、 9 0 %空気) で約 3 7 °Cで培養するな どの方法で培養し、 継代時には、 例えば、 トリプシン Z E D T A溶液 (通常 0 . 0 0 1〜 0 . 5 %トリプシンノ 0 . 1 ~ 5 mM E D T A、 好ましくは約 0 . 1 % トリプシン Z l mM E D T A) 処理により単細胞化し、 新たに用意したフィー ダー細胞上に播種する方法などがとられる。 このような継代は、 通常 1〜 3日 毎に行なうが、 この際に細胞の観察を行い、 形態的に異常な細胞が見受けられ た場合はその培養細胞は放棄することが望まれる。
E S細胞は、 適当な条件により、 高密度に至るまで単層培養するか、 または 細胞集塊を形成するまで浮遊培養することにより、 頭頂筋、 内臓筋、 心筋など の種々のタイプの細胞に分化させることが可能であり 〔M. J. Evans及ぴ Μ· Η.
Kaufman, ネイチヤー (Nature) 第 292卷、 154頁、 1981年; G. R. Martin プロ シーディングス ·ォブ ·ナショナル ·アカデミー ·ォプ ·サイエンス ·ユーェ スエー (Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.) 第 78卷、 7634頁、 1981年; T. C. Doetschman ら、 ジャーナノレ ·ォブ ·ェンブリオロジー ·アンド ·ェクスペリメ ンタル.モルフォロジ一、 第 87卷、 27頁、 1985年〕 、 本発明の ES細胞を分化 させて得られる本発明の D N A発現不全細胞は、 インビトロにおける本発明の F PRL 1または F PRL 2、 または本発明の F PRL 1または F PRL 2の 細胞生物学的検討において有用である。
本発明の DN A発現不全非ヒト哺乳動物は、 該動物の mRN A量を公知方法 を用いて測定して間接的にその発現量を比較することにより、 正常動物と区別 することが可能である。
該非ヒト哺乳動物としては、 前記と同様のものが用いられる。
本発明の DNA発現不全非ヒト哺乳動物は、 例えば、 前述のようにして作製 したターゲッティングベクターをマウス胚幹細胞またはマウス卵細胞に導入し、 導入によりターゲッティングベクターの本発明の DNAが不活性化された DN A配列が遺伝子相同組換えにより、 マウス胚幹細胞またはマウス卵細胞の染色 体上の本発明の DN Aと入れ換わる相岗組換えをさせることにより、 本発明の DNAをノックァゥトさせることができる。
本発明の DNAがノックァゥトされた細胞は、 本発明の DNA上またはその 近傍の DN A配列をプローブとしたサザンハイブリダィゼーション解析または ターゲッティングベクター上の DNA配列と、 ターゲッティングベクターに使 用したマウス由来の本発明の DN A以外の近傍領域の DN A配列とをプライマ 一とした P C R法による解析で判定することができる。 非ヒト哺乳動物胚幹細 胞を用いた場合は、 遺伝子相同組換えにより、 本発明の DNAが不活性化され た細胞株をクローユングし、 その細胞を適当な時期、 例えば、 8細胞期の非ヒ ト哺乳動物胚または胚盤胞に注入し、 作製したキメラ胚を偽妊娠させた該非ヒ ト哺乳動物の子宮に移植する。 作出された動物は正常な本発明の DN A座をも つ細胞と人為的に変異した本発明の D N A座をもつ細胞との両者から構成され るキメラ動物である。
該キメラ動物の生殖細胞の一部が変異した本発明の DN A座をもつ場合、 こ のようなキメラ個体と正常個体を交配することにより得られた個体群より、 全 ての組織が人為的に変異を加えた本発明の D N A座を'もつ細胞で構成された個 体を、 例えば、 コートカラーの判定等により選別することにより得られる。 こ のようにして得られた個体は、 通常、 本発明の FPRL 1または FPRL 2の ヘテロ発現不全個体であり、 本発明の FPRL 1または FPRL 2のへテロ発 現不全個体同志を交配し、 それらの産仔から本発明の FPRL 1または F PR L 2のホモ発現不全個体を得ることができる。
卵細胞を使用する場合は、 例えば、 卵細胞核内にマイクロインジェクション 法で DN A溶液を注入することによりターゲッティングベクターを染色体内に 導入したトランスジエニック非ヒト哺乳動物を得ることができ、 これらのトラ ンスジエニック非ヒト哺乳動物に比べて、 遺伝子相同糸且換えにより本発明の D NA座に変異のあるものを選択することにより得られる。
このようにして本発明の DNAがノックァゥトされている個体は、 交配によ り得られた動物個体も該 DNAがノックアウトされていることを確認して通常 の飼育環境で飼育継代を行なうことができる。
さらに、生殖系列の取得および保持についても常法に従えばよレ、。すなわち、 該不活化 DNAの保有する雌雄の動物を交配することにより、 該不活化 DNA を相同染色体の両方に持つホモザィゴート動物を取得しうる。 得られたホモザ ィゴート動物は、 母親動物に対して、 正常個体 1, ホモザィゴート複数になる ような状態で飼育することにより効率的に得ることができる。 ヘテロザィゴー ト動物の雌雄を交配することにより、 該不活化 D N Aを有するホモザィゴート およぴへテ口ザィゴート動物を繁殖継代する。
本発明の DNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞は、 本発明の DN A発現不全非ヒト哺乳動物を作出する上で、 非常に有用である。
また、 本発明の DNA発現不全非ヒト哺乳動物は、 本発明の FPRL 1また は FPRL 2により誘導され得る種々の生物活性を欠失するため、 本発明の F P R L 1または F P R L 2の生物活性の不活性ィ匕を原因とする疾病のモデルと なり得るので、 これらの疾病の原因究明及び治療法の検討に有用である。
( 1 2 a ) 本発明の D N Aの欠損や損傷などに起因する疾病に対して治療 ·予 防効果を有する化合物またはその塩のスクリーニング方法
本発明の D N A発現不全非ヒト哺乳動物は、 本発明の D NAの欠損や損傷な どに起因する疾病に対して治療 ·予防効果を有する化合物またはその塩のスク リーエングに用いることができる。
すなわち、 本発明は、 本発明の D NA発現不全非ヒト哺乳動物に試験化合物 を投与し、 該動物の変化を観察 ·測定することを特徴とする、 本発明の D N A の欠損や損傷などに起因する疾病に対して治療 ·予防効果を有する化合物また はその塩のスクリーエング方法を提供する。
該スクリーニング方法において用いられる本発明の D NA発現不全非ヒト哺 乳動物としては、 前記と同様のものがあげられる。
試験化合物としては、 例えば、 ペプチド、 蛋白質、 非ペプチド性化合物、 合 成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液、 血漿など があげられ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合物で あってもよい。
試験化合物は塩を形成していてもよく、 試験化合物の塩としては、 生理学的 に許容される酸 (例、 無機酸など) や塩基 (例、 有機酸など) などとの塩が用 いられ、 とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。 この様な塩とし ては、 例えば、 無機酸 (例えば、 塩酸、 リン酸、 臭化水素酸、 硫酸など) との 塩、 あるいは有機酸 (例えば、 酢酸、 ギ酸、 プロピオン酸、 フマル酸、 マレイ ン酸、 コハク酸、 酒石酸、 クェン酸、 リンゴ酸、 蓚酸、 安息香酸、 メタンスル ホン酸、 ベンゼンスルホン酸など) との塩などが用いられる。
具体的には、 本発明の D NA発現不全非ヒト哺乳動物を、 試験化合物で処理 し、 無処理の対照動物と比較し、 該動物の各器官、 組織、 疾病の症状などの変 化を指標として試験化合物の治療 ·予防効果を試験することができる。
試験動物を試験化合物で処理する方法としては、 例えば、 経口投与、 静脈注 射などが用いられ、 試験動物の症状、 試験化合物の性質などにあわせて適宜選 択することができる。 また、 試験化合物の投与量は、 投与方法、 試験化合物の 性質などにあわせて適宜選択することができる。
該スクリーニング方法において、 試験動物に試験化合物を投与した場合、 例 えば、 該試験動物のアルツハイマー病症状が約 1 0 %以上、 好ましくは約 3 0 %以上、 より好ましくは約 5 0 %以上改善した場合、 該試験化合物を上記の疾 患に対して治療,予防効果を有する化合物またはその塩として1択することが できる。
該スクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、 上記した試 験化合物から選ばれた化合物またはその塩であり、 本発明の F P R L 1または F P R L 2の欠損や損傷などによって引き起こされる疾患 (例えば、 神経変性 を伴う疾病など、 例えば、 神経変性疾患 〔例、 アルツハイマー病 (家族性アル ッハイマー病、 若年性アルツハイマー病、 孤発性アルツハイマー病など) 、 パ 一キンソン病、 ダウン症、 筋萎縮' I"生側索硬化症、 プリオン病、 クロイツフヱル トーヤコブ病、 ハンチントン舞踏病、 糖尿病性ニューロパチ一、 多発性硬化症 など〕 、 脳機能障害 (例、 脳梗塞、 脳出血、 クモ膜下出血、 虚血性脳疾患、 硬 膜外血腫、 硬膜下血腫など) 、 癌 (例、 星状細胞腫、 乏枝神経膠腫など) 、 免 疫疾患、 感染症 (例、 髄膜炎、 原虫感染症、 リケッチア感染症、 後生動物感染 症、 B o r n a病などの細菌性またはウィルス性髄膜炎、ワクチン接種後脳炎、 A I D S脳症など) 、 消化管疾患、 循環器疾患、 内分泌疾患など) に対する安 全で低毒性な治療 ·予防剤などの医薬として使用することができる。 さらに、 上記スクリーニングで得られた化合物から誘導される化合物も同様に用いるこ とができる。
該スクリーニング方法で得られた化合物の塩としては、 生理学的に許容され る酸 (例、 無機酸、 有機酸など) や塩基 (例、 アルカリ金属など) などとの塩 が用いられ、 とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。 この様な塩 としては、 例えば、 無機酸 (例えば、 塩酸、 リン酸、 臭化水素酸、 硫酸など) との塩、 あるいは有機酸 (例えば、 酢酸、 ギ酸、 プロピオン酸、 フマル酸、 マ レイン酸、 コノ、ク酸、 酒石酸、 クェン酸、 リンゴ酸、 蓚酸、 安息香酸、 メタン スルホン酸、 ベンゼンスルホン酸など) との塩などが用いられる。
該スクリーニング方法で得られた化合物またはその塩を含有する医薬は、 前 記した本発明の F P R L 1または F P R L 2と h u m a n i nとの結合性また
はシグナル伝達を変化させる化合物またはその塩を含有する医薬と同様にして 製造することができる。
このようにして得られる製剤は、 安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトま たは哺乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 モルモット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ゥマ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 対象疾患、 投与対象、 投与ルートなどに より差異はあるが、 例えば、 該化合物またはその塩を経口投与する場合、 一般 的にアルツハイマー病患者 (体重 60 k gとして) においては、 一日につき該 化合物またはその塩を約 0. 1〜: 1 00mg、 好ましくは約 1. 0〜50mg、 より好ましくは約 1. 0〜2 Omg投与する。 非経口的に投与する場合は、 該 化合物またはその塩の 1回投与量は投与対象、 対象疾患などによっても異なる 力 例えば、 該ィ匕合物またはその塩を注射剤の形で通常、 アルツハイマー病患 者 (体重 60 k gとして) に投与する場合、 一日につき該化合物またはその塩 を約 0. 0 1〜3 Omg程度、 好ましくは約 0. 1〜2 Omg程度、 より好ま しくは約 0. :!〜 1 Omg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。 他の動物の場合も、 体重 60 k g当たりに換算した量を投与することができる。
(1 2 b) 本発明の DNAに対するプロモーターの活性を促進または阻害する 化合物またはその塩をスクリーニング方法
本発明は、本発明の DNA発現不全非ヒト哺乳動物に、試験化合物を投与し、 レポーター遺伝子の発現を検出することを特徴とする本発明の DNAに対する プロモーターの活性を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニン グ方法を提供する。
上記スクリーユング方法において、 本発明の DNA発現不全非ヒト哺乳動物 としては、 前記した本発明の DN A発現不全非ヒト哺乳動物の中でも、 本発明 の DNAがレポーター遺伝子を導入することにより不活性ィ匕され、 該レポータ 一遺伝子が本発明の D N Aに対するプロモーターの制御下で発現しうるものが 用いられる。
試験化合物としては、 前記と同様のものがあげられる。
レポーター遺伝子としては、 前記と同様のものが用いられ、 ]3—ガラクトシ
ダ―ゼ遺伝子 (1 a c Z) 、 可溶性アルカリフォスファターゼ遺伝子またはル シフエラーゼ遺伝子などが好適である。
本発明の D N Aをレポータ一遺伝子で置換された本発明の D N A発現不全非 ヒ ト哺乳動物では、 レポーター遺伝子が本発明の DNAに対するプロモーター の支配下に存在するので、 レポーター遺伝子がコードする物質の発現をトレー スすることにより、 プロモーターの活性を検出することができる。
例えば、 本発明の FPRL 1または FPRL 2をコードする DNA領域の一 部を大腸菌由来の _ガラクトシダーゼ遺伝子 (1 a c Ζ) で置換している場 合、 本来、 本発明の F PRL 1または FPRL 2の発現する組織で、 本発明の F P R L 1または F P R L 2の代わりに; 8—ガラタトシダーゼが発現する。 従 つて、 例えば、 5—プロモー 4一クロロー 3—インドリル一 一ガラクトピラ ノシド (X— g a l ) のような —ガラクトシダーゼの基質となる試薬を用い て染色することにより、 簡便に本発明の FPRL 1または F PRL 2の動物生 体内における発現状態を観察することができる。 具体的には、 本発明の F PR L 1欠損マウス、 F PRL 2欠損マウスまたはその組織切片をグルタルアルデ ヒドなどで固定し、 リン酸緩衝生理食塩液 (PB S) で洗浄後、 X— g a 1を 含む染色液で、室温または 3 7 °C付近で、約 30分ないし 1時間反応させた後、 組織標本を ImM EDTA/PB S溶液で洗浄することによって、 一ガラク トシダーゼ反応を停止させ、 呈色を観察すればよい。 また、 常法に従い、 1 a c Zをコードする mRNAを検出してもよい。
上記スクリ一ニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、 上記した 試験化合物から選ばれた化合物またはその塩であり、 本発明の DNAに対する プ口モ一ター活性を促進または阻害する化合物またはその塩である。
該スクリーニング方法で得られた化合物の塩としては、 生理学的に許容され る酸 (例、 無機酸など) や塩基 (例、 有機酸など) などとの塩が用いられ、 と りわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。 この様な塩としては、 例え ば、 無機酸 (例えば、 塩酸、 リン酸、 臭化水素酸、 硫酸など) との塩、 あるい は有機酸 (例えば、 酉乍酸、 ギ酸、 プロピオン酸、 フマル酸、 マレイン酸、 コハ ク酸、 酒石酸、 クェン酸、 リンゴ酸、 蓚酸、 安息香酸、 メタンスルホン酸、 ベ
ンゼンスルホン酸など) との塩などが用いられる。
本発明の D N Aに対するプロモータ一活性を促進する化合物またはその塩は、 本発明の F PRL 1または F PRL 2の発現を促進し、 該 F PRL 1または F PRL 2の機能を促進することができるので、 例えば、 本発明の FPRL 1ま たは F P R L 2の機能不全に関連する疾患の予防 ·治療剤などの医薬として使 用することができる。 具体的には、該化合物は、例えば、細胞死抑制剤として、 さらには、 例えば神経変性を伴う疾病など、 例えば、 神経変性疾患 〔例、 アル ッハイマー病 (家 性アルツハイマー病、 若年性アルツハイマー病、 孤発性ァ ルツハイマー病など) 、 パーキンソン病、 ダウン症、 筋萎縮性側索硬化症、 プ リオン病、 クロイツフェルト一ヤコブ病、 ハンチントン舞踏病、 糖尿病性-ュ 一口パチ一、 多発性硬化症など〕 、 脳機能障害 (例、 脳梗塞、 脳出血、 クモ膜 下出血、 虚血性脳疾患、硬膜外血腫、硬膜下血腫など) 、 癌 (例、 星状細胞腫、 乏枝神経膠腫など) 、 免疫疾患、 感染症 (例、 髄膜炎、 原虫感染症、 リケツチ ァ感染症、 後生動物感染症、 B o r n a病などの細菌性またはウィルス性髄膜 炎、 ワクチン接種後脳炎、 A I DS脳症など) 、 消化管疾患、 循環器疾患、 内 分泌疾患等の種々の疾病の予防 ·治療剤、 好ましくは神経変性疾患、 脳機能障 害の予防 ·治療剤として、 さらに好ましくはァルツハイマー病の予防 ·治療剤 として、 低毒性で安全な医薬として使用することができる。
本発明の DN Aに対するプロモーター活性を阻害する化合物またはその塩は、 本発明の FPRL 1または FPRL2の発現を阻害し、 該 FPRL 1または F PRL 2の機能を阻害することができるので、 例えば、 本発明の FPRL 1ま たは F PR L 2の発現過多に関連する疾患などの予防 ·治療剤などの医薬とし て有用である。
さらに、 上記スクリーニングで得られた化合物から誘導される化合物も同様 に用いることができる。
該スクリーニング方法で得られた化合物またはその塩を含有する医薬は、 前 記した本発明の FPRL 1または FPRL 2と h uma n i nとの結合性を変 化させる化合物またはその塩を含有する医薬と同様にして製造することができ る。
このようにして得られる製剤は、 安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトま たは哺乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 モルモッ ト、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ゥマ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 対象疾患、 投与 ¾ "象、 投与ルートなどに より差異はあるが、 例えば、 本発明の DNAに対するプロモーター活性を促進 する化合物またはその塩を経口投与する場合、 一般的にアルツハイマー病患者 (体重 6 O k gとして) においては、 一日につき該ィ匕合物またはその塩を約 0. 1〜: L 0 Omg、 好ましくは約 1. 0〜50mg、 より好ましくは約 1. 0〜 20mg投与する。 非経口的に投与する場合は、 該化合物またはその塩の 1回 投与量は投与対象、 対象疾患などによっても異なるが、 例えば、 本発明の DN Aに対するプロモーター活性を促進する化合物またはその塩を注射剤の形で通 常、 アルツハイマー病患者 (体重 60 k gとして) に投与する場合、 一日につ き該化合物またはその塩を約 0. 0 1〜30mg程度、 好ましくは約 0. :!〜 2 Omg程度、 より好ましくは約 0. 1〜: L Omg程度を静脈注射により投与 するのが好都合である。 他の動物の場合も、 体重 60 k g当たりに換算した量 を投与することができる。
このように、 本発明の DNA発現不全非ヒト哺乳動物は、 本発明の DNAに 対するプロモーターの活性を促進または阻害する化合物またはその塩をスクリ 一二ングする上で極めて有用であり、 本発明の DN A発現不全に起因する各種 疾患の原因究明または予防 ·治療薬の開発に大きく貢献することができる。 また、 本発明の F PRL 1または F PRL 2のプロモーター領域を含有する DNAを使って、 その下流に種々の蛋白質をコードする遺伝子を連結し、 これ を動物の卵細胞に注入していわゆるトランスジエニック動物 (遺伝子移入動物 ) を作成すれば、 特異的にその F PRL 1または F PRL 2を合成させ、 その 生体での作用を検討することも可能となる。 さらに上記プロモーター部分に適 当なレポーター遺伝子を結合させ、 これが発現するような細胞株を樹立すれば、 本発明の F PRL 1または F PR L 2そのものの体内での産生能力を特異的に 促進もしくは抑制する作用を持つ低分子化合物の探索系として使用できる。 本明細書おょぴ図面において、 '塩基やアミノ酸などを略号で表示する場合、
I UP AC— I U B Commission on Biochemical Nomenclature による略号あ るいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、 その例を下記する。 ま たアミノ酸に関.し光学異性体があり得る場合は、 特に明示しなければ L体を示 すものとする。
DNA :デォキシリボ核酸
cDNA :相捕的デォキシリボ核酸
A :アデ-ン
T : チミン
G :グァニン
c : シトシン
RNA : リボ核酸
mRNA : メッセンジャーリボ核酸
d ATP :デォキシアデノシン三リン酸
dTTP :デォキシチミジン三リン酸
dGTP :デォキシグアノシン三リン酸
d CTP :デォキシシチジン三リン酸
ATP :アデノシン三リン酸
EDTA :エチレンジァミン四酢酸
SDS : ドデシル硫酸ナトリウム
G 1 y :グリシン
A l a : ァラエン
V a 1 :バリン
Le u : ロイシン
I 1 e :イソロイシン
S e r :セリン
T h r : スレオニン
C y s : システィン
Me t :メチ才ニン
G 1 u :グルタミン酸
As p ァスパラギン酸
L y s リジン
Ar g ァノレギニン
H i s ヒスチジン
P h e フエ二ルァラニン
T y r チロシン
T r p 卜ジ
P r o プロリン
A s n
G 1 n グノレタミン
p G 1 u ピログルタミン酸
氺 終止,コドンに対応する
Me メチル基
E t ェチノレ基
B u ブチノレ基
Ph フヱニル基
TC チアゾリジン一 4 (R) 一カルボキサミ ド基
また、 本明細書中で繁用される置換基、 保護基および試薬を下記の記号で表 記する。
To s : p—トノレエンスノレフォニノレ
CHO : ホルミル
B z 1
C12B z 1 2 , 6—ジクロロべンジノレ
B om ベンジルォキシメチノレ
Z ベンジノレ才キシカルボニノレ
C 1一 z 2—クロ口べンジノレォキシカノレボニノレ
B r— Z 2一ブロモベンジノレォキシカノレポ二ノレ
B o c tーブトキシカノレポ二ノレ
DNP ジニトロフエノ一ノレ
T r t ' : トリチル
Bum : t一ブトキシメチノレ
Fmo c : N— 9一フルォレニノレメ トキシカノレポ二ノレ
HOB t : 1ーヒ ドロキシベンズトリアゾール
HOOB t : 3, 4ージヒ ドロ一 3—ヒ ドロキシ一 4ーォキソ一
1, 2, 3一べンゾトリァジン
HONB : 1 -ヒ ドロキシ- 5_ノルボルネン- 2, 3 -ジカルボキシィミ ド
DCC : N, N' —ジシクロへキシノレカノレボジイミ ド
本明細書の配列表の配列番号は、 以下の配列を示す。
配列番号: 1
ヒト由来 FPRL 1のアミノ酸配列を示す。
配列番号: 2
ヒト由来 FPRL 1をコードする c DN Aの塩基配列を示す。
配列番号: 3
ヒト型 huma n i n (1— 24) のアミノ酸配列を示す。
配列番号: 4
[G 1 y 14] 一ヒト型 huma n i n (1— 24) のアミノ酸配列を示す。 配列番号: 5
huma n i n類似ぺプチドのァミノ酸配列を示す。
配列番号: 6
ヒト型 huma n i n (1— 21) のアミノ酸配列を示す。
配列番号: 7
ラット型 huma n i n (1— 38) のアミノ酸酉己列を示す。
配列番号: 8
ラット型 huma n i n (1— 24) のアミノ酸配列を示す。
配列番号: 9
ラット型 huma n i n (1— 21) のアミノ酸配列を示す。
配列番号: 10
ラット由来 FPRL 1のアミノ酸配列を示す。
配列番号: 1 1
ラット由来 FPRL 1をコードする c DN Aの塩基配列を示す。
配列番号: 1 2
マウス由来 F PR L 2 (FPRL 1) のアミノ酸配列を示す。
配列番号: 1 3
マウス由来 FPRL 2 (FPRL 1) をコードする c D N Aの塩基配列を示 す。
配列番号: 14
ヒト由来 F P R L 2のァミノ酸配列を示す。
配列番号: 1 5
ヒト由来 F PR L 2をコードする c DNAの塩基配列を示す。
配列番号: 1 6
参考例 1で用いたプライマー 1の塩基配列を示す。
配列番号: 1 7
参考例 1で用いたプライマー 2の塩基配列を示す。
配列番号: 1 8
参考例 2で用いたプライマー 3の塩基配列を示す。
配列番号: 1 9
参考例 2で用いたプライマー 4の塩基配列を示す。
配列番号: 20
参考例 2で用いたプライマー 5の塩基配列を示す。
配列番号: 2 1
参考例 2で用いたプライマー 6の塩基配列を示す。
配列番号: 22
参考例 2で用いたプライマー 7の塩基配列を示す。
配列番号: 23
参考例 2で用いたプライマー 8の塩基配列を示す。
配列番号: 24
W— P e p t i d eのアミノ酸配列を示す。
後述の参考例 2で得られた形質転換体 E s c h e r i c h i a c o l i JMl 0 9/p UC 1 8— ? ?1 1は2 0 0 3年1月 1 0日から茨城県つ くば巿東 1丁目 1番地 1 中央第 6 (郵便番号 3 0 5— 8 5 6 6) の独立行政法 人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託番号 F ERM B P- 8 2 74として寄託されている。
実施例 '
以下に参考例および実施例を示して、 本発明をより詳細に説明するが、 これ らは本発明の範囲を限定するものではない。なお、大腸菌を用いての遺伝子は、 モレキュラー ·'クロー-ング (Molecular cloning) に記載されている方法に従 つた。
参考例 1 マウス脾臓由来 F PRL 2をコードする c DN Aのクローユングと 発現ベクターの構築
マウス脾臓 c DNA (Ma r a t h o n—R e a d y™ c DNA ; C 1 o n t e c h社) を鍀型として、 マウス F PRL 2の配列情報 (A c c e s s i o n # 0 7 1 1 8 0 ; NCB I ) をもとに設計した 2個のプライマー、 プラ イマ一 1 (配列番号: 1 6) 及びプライマー 2 (配列番号: 1 7) を用いて P CRを行なった。 P CRには P y r o b e s t DNA p o l yme r a s e (宝酒造) を用い、 ① 9 8°C ' 1分の後、 ② 9 8°C · 1 0秒、 5 5°C · 3 0 秒、 7 2°C · 6 0秒を 3 5回の後、 ③ 7 2°C · 2分の伸長反応を行なった。 反 応後、 増幅産物を制限酵素 S a 1 I及び X b a Iで切断した後、 プラスミドべ クタ一 p AKKO— 1 1 1 Hに揷入して発現ベクターを構築した。 その塩基配 列を解析した結果、 配列番号: 1 2で表されるァミノ酸配列からなるマウス F P R L 2をコードする c D N A配列 (配列番号: 1 3) を得た。
参考例 2 ラット脾臓由来 F PR L 1をコードする c DNAのクローユングと その塩基配列の決定及び発現ベクターの構築
ラット脾臓 mRNAから Ma. r a t h o nTM c DNA Amp l i f i c a t i o n K i t (C l o n t e c h社) を用いて c DNAを合成し、 その 末端にアダプターを付加した。 これを铸型として、 2個のプライマー、 プライ マー 3 (配列番号: 1 8) 及ぴプライマー 4 (配列番号: 1 9) を用いて P C
Rを行なった。 P CRには A d v a n t a g e 2 P o l yme r a s e m i x (C l o n t e c h社) を用い、 ① 96°C · 1分、 ② 96°C · 10秒、 72 °C · 2分を 5回、 ③ 96 °C · 10秒、 70 °C · 2分を 5回、 ④ 96 °C · 1 0秒、 68°C · 2分を 25回の後、 ⑤ 72°C · 5分の伸長反応を行なった。 反 応後、 増幅産物を TOP O TA C l o n i n g K i t (I nv i t r o g e n社) の処方にしたがってプラスミドベクター p CR 2. 1 TOPO (I n v i t r o g e n社) に挿入し、 これを大腸菌 J Ml 09 (宝酒造) に導入 してクローユングした。 個々のクローンの塩基配列を解析した結果、 新規 G蛋 白質共役型レセプター蛋白質の一部をコードする c DN A配列を得た。 この配 列情報をもとに 2個のプライマー、 プライマー 5 (配列番号: 20) 及びプラ イマ一 6 (配列番号: 21) を設計し、 上述のラット脾臓 mRNAから合成し た c DNAを铸型として Ma r a t h o nTM cDNA Amp l i f i e s t i o n K i t (C l o n t e c h社) の処方に従ってそれぞれ 5 ' -RA CE及ぴ 3' —RACEを行なった。 PCRは上述のものと同様に行ない、 反 応後増幅産物を TOP O TA C l o n i n g K i t (I nv i t r o g e n社) の処方にしたがってプラスミドベクター p CR 2. 1TOPO (I n v i t r o g e n社) に揷入し、 これを大腸菌 JM109 (宝酒造) に導入し てクローユングした。 個々のクローンの塩基配列を解析した結果、 新規 G蛋白 質共役型レセプター蛋白質の一部をコードする c DN A配列を得た。 これらの 配列情報からさらに 2個のプライマー、 プライマー 7 (配列番号: 22) 及ぴ プライマー 8 (配列番号: 23) を設計し、 上述のラット脾臓 mRNAから合 成した cDNAを铸型として PC Rを行なった。 ?じ には r o b e s t DNA p o l yme r a s e (宝酒造) を用い、 ① 98°C . 1分の後、 ② 9 8°C · 10秒、、 55°C · 30秒、、 72 °C · 60秒を 35回の後、 ③ 72°C · 2 分の伸長反応を行なった。 反応後、 増幅産物を制限酵素 S a 1 I及び Xb a Iで切断した後、 プラスミド、ベクター p AKKO_ 1 1 1Hに揷入して発現べ クタ一を構築した。 これを制限酵素 S a 1 I及び Nh e Iで切断して挿入断 片を切出し、 プラスミドベクター pUC l 19に揷入してこれらの塩基配列を 解析した結果、 配列番号: 10で表されるァミノ酸配列からなるラットの新規
G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードする c DNA配列 (配列番号: 1 1 ) を得た。 この cDNAより導き出されるアミノ酸配列 (配列番号: 10) を 含有する新規蛋白質をラット FPRL 1と命名した。 また、 このプラスミ ドを 保持する形質転換体を、 大腸菌 (E s c h e r i c h i a c o 1 i ) JM1 09/pUC 1 19— r FPRL 1と命名した。
参考例 3 ラット脾臓由来 FPRL 1をコードする c DNAを含有するプラス ミドの作製
参考例 2で得られた発現べクターを制限酵素 S a l I及び N h e Iで切断 して挿入断片を切出し、 プラスミドベクタ一 pUC 18に挿入してこれらの塩 基配列を解析した結果、 参考例 2と同様に配列番号: 10で表されるアミノ酸 配列からなるラットの新規 G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードする cD NA配列 (配列番号: 1 1) であることが確認できた。 また、 このプラスミド を保持する形質転換体を、 大腸菌 (E s c h e r i c h i a c o l i) JM 109/pUC 18-r FPRL lと命名した。
実施例 1 F PRL 1— GF Pを発現させた CHO細胞における、 ホルスコリ ン添加によって増加させた細胞内 c AMP量の h uma n i nによる抑制
F PRL 1 _GFPを発現させた CHO細胞をアツセィ用培地 (HB S S ( GibcoBRL) に 0. 1 %ゥシ血清アルブミン、 および、 0. 2 mM I BMXを添 加したもの) にて洗浄した後、 37°C、 5%CO2条件下で 30分培養した。 ァ ッセィ用培地にて希釈した各濃度の h u m a n i n (ぺプチド研) または関連 物質を添加し、 その後フォルスコリン 1 となるように添加した。 37°C、 5%C02条件下で 30分培養した。 培養上清を捨てて、 c AMP s c r e e n k i t (アプライドバイオシステムズ社) のプロトコールに従い、 細胞内 の c AMP量をプレートリーダー (ARVO s Xマルチラベルカウンター、 ' Wallac社) を用いて測定した。
h uma n i nおよびまたは関連物質として、 次の化合物を用いた。
① fMLF ,
② Huma n i n :配列番号: 3で表わされるアミノ酸配列からなるヒト型 h u m a n i n (1— 24)
③ [G l y 14] Huma n i n :配列番号: 4で表わされるアミノ酸配列から なる [G 1 y 14] —ヒ ト型 h uma n i n (1 -24)
その結果、 ベクターのみを導入した CHO細胞(mo c k)に比べ (図 2) 、 F PRL 1 _GF P遺伝子を導入した CHO細胞特異的に、 ホルスコリン添カロ によって増加させた細胞内 c AMP量の h uma n i nによる用量依存的かつ 特異的な減少が検出された (図 1) 。
実施例 2 ホルミルイ匕 h urn a n i nの合成
前記した公知のぺプチド合成で得られた保護べプチドを J. C. Sheehan and D.D.H. Youn による J. Amer. Che, Soc., 80, 1154(1958) に記載の方法に従って、 N末端をホルミルィヒした後、 脱保護を行ない、 次の化合物を合成した。
① f o r my 1—Huma n i n : N末端の Me tがホルミルイ匕された、 配列 番号: 3で表わされるァミノ.酸配列からなるヒト型 h um a n i n (1— 24 )
② m t - f o r my 1 -Huma n i n : N末端の Me tがホルミル化された、 配列番号: 6で表わされるアミノ酸配列からなるヒト型 huma n i n (1 _
2 1)
③ m t— f o rmy l— r a t t i n : N末端の M e tがホノレミル化された、 配列番号: 9で表わされるアミノ酸配列からなるラット型 h uma n i n (1 一 2 1)
実施例 3 ヒ ト F PR 1発現 CHO細胞 (No. 1 4) 、 ヒ ト F P R L 1発現 CHO細胞 (No. 8) 、 ヒト F PRL 2発現 CHO細胞 (No. 1 7) 、 マ ウス FPRL 2 (No. 1 5) およぴラット FPRL 1発現 CHO細胞 (No. 1 5) における、 ホルスコリン添カ卩によって増加させた細胞内 c AMP量の各 ァゴニストによる抑制
上記の受容体を発現させた CHO細胞をアツセィ用培地 (HB S S (G i b c o BRL) に 0. 1 %ゥシ血、凊ァノレブミン、 および、 0. 2mM I BMX を添加したもの) にて洗浄した後、 3 7°C、 5%C02条件下で 30分培養した 。 アツセィ用培地にて希釈した各濃度の Huma n i n (ペプチド研) または 関連物質を添加し、 その後フォルスコリン 1 μΜとなるように添カ卩した。 37
°C、 5%C02条件下で 30分培養した。 培養上清を捨てて、 cAMP s c r e e n k i t (アプライドバイォシステムズ社) のプロトコールに従い、 細 胞内の c AMP量をプレートリーダー (ARVO s xマルチラベルカウンタ 一、 Wa 1 1 a c社) を用いて測定した。 フォルスコリン 1 μΜ添加した細胞 における c AMPの産生量を 100%とし、 フオルスコリンを添加していなレヽ 細胞の c AM P産生量を 0%として、 各ァゴニストを添加したときの c AMP 量を%表示した。 c AMP産生量を 50%阻害する濃度 (EC50) を、 1 o g i t - 1 o gプロットより算出した。 結果、 Huma n i nおよび [G 1 y 14 ] —Hum a n i nは hFPRL 1に対してのみでなく、 hFPRL2に対し ても強く反応すること、 また、 mF PRL 2および r F PRL 1に対しても反 応することが分った。 さらに、 ホルミル化された Huma n i n関連ペプチド である I o rmy 1— H u m a n ι n、 m t— f o r m y 1— Huma n i n、 mt- f o rmy l -r a t t i nは hFPRL lに対して強く反応すること . また、 mFPRL 2および r F PRL 1に対しても反応することが分かった ( 図 3)。 産業上の利用可能性
本発明の FPRL 1、 FPRL2、 その部分ペプチドまたはその塩、 または 本発明の F PRL 1、 F PRL 2もしくはその部分べプチドをコ一ドする DN Aは、 例えば、 細胞死抑制剤として、 さらには、 例えば神経変性を伴う疾病な ど、 例えば、 神経変性疾患 (例、 アルツハイマー病) 、 脳機能障害、 癌、 免疫 疾患、 感染症、 消化管疾患、 循環器疾患、 内分泌疾患等の種々の疾病の予防 · 治療剤として、 低毒性で安全な医薬として使用することができる。
本発明の FPRL 1、 FPRL 2、 その部分ペプチドまたはその塩と h u m a n i nとを用いることによって、 h u m a n i nと本発明の F P R L 1、 F
PRL 2またはその塩との結合性を変化させる化合物を効率良くスクリーニン グすることができる。