明 細 書
骨破壊の治療または予防剤組成物の併用効果
[技術分野]
本発明は、 0 C I F物質及ぴアポトーシスを誘導する抗ヒ卜 F a s抗体を含有する医薬組成物 に関する。 また、 本発明は、 〇C I F物質等及びアポト一シスを誘導する抗ヒト Fa s抗体を有 効成分として含有する骨代謝異常症予防又は治療剤等に関する。
[背景技術]
単球'マクロファージ系の破骨細胞前駆細胞は、 マクロファージコロニー刺激因子 (M— CS F) と、 骨芽細胞/間質細胞等が発現する破骨細胞分化因子 (RANKL/ODF) からの刺激 によって活性化破骨細胞に分化、 活性化することが知られている (Yasuda, H. et al. (1999) Bone 25, 109-133参照)。 破骨細胞形成抑制因子 (osteoclastogenesis inhibitory factor;以下 「〇 C I F」 という) は RANKLに対する可溶性のデコイレセプ夕一として働き、 破骨細胞前駆細 胞から破骨細胞への分化及び成熟破骨細胞による骨吸収活性を阻害する内因性蛋白質として知ら れている (WO 96/26217号公報 (対応米国特許出願公開第 2002/51969号公報) 参照)。 OC I Fにより骨吸収の主役である破骨細胞自体の形成及び成熟破骨細胞による骨吸収活 性を抑制することができれば、 慢性関節リゥマチにおける骨破壊を治療することができると期待 される。
マウス一マウスハイブリドーマ HFE 7 Aの産生する抗 F a sモノクローナル抗体及びそのヒ ト化抗体については、 F a s— F a sリガンド系の異常によってアポトーシス力誘導されないた め排除されないまま生き残つている自己反応性の免疫細胞を排除することにより、 自己免疫疾患 の一種である慢性関節リウマチの治療効果を有することが知られている (特開平 11—1719 00号公報、 米国特許出願公開第 2001/51969号公報、 特開 2000— 166573号 公報又は特開 2000— 166574号公報参照)。 ,
[発明の詳細な説明]
[発明の開示]
本発明の目的は、 各種骨代謝異常症において、 関節変形の端緒となる骨破壊に対する治療又は 予防に有用な新規医薬組成物、 及び骨破壊に対する新規治療又は予防剤を提供することにある。 発明者らは、 OC I Fと抗ヒト F a sモノクローナル抗体を併用することにより、 OC I Fの もつ骨吸収抑制作用が増強されることを見出し、 本発明を完成させた。
すなわち、 本発明は、
( 1 ) 下記 [ 1 ] 及び [ 2 ] を含有する医薬組成物;
[1] OC I F物質;
[ 2 ] アポトーシス誘導活性を有する抗ヒト F a s抗体、
(2) 下記 [ 1 ] 及び [ 2 ] を含有する医薬組成物;
[1] OC I F物質、 及び、 多糖物質が、 1 : 1乃至 1 : 8の分子比で結合している、 〇C I F 物質及び多糖物質の複合体;
[2] アポトーシス誘導活性を有する抗ヒト Fas抗体、
(3) 多糖物質がデキストラン硫酸である、 (2) に記載の医薬組成物、
(4) デキストラン硫酸の平均分子量が 1800乃至 6000である、 (2) 又は (3) に記載 の医薬組成物、 -
(5) OC I F物質及び多糖物質の複合体が、 下記工程 [A] 乃至 [C] により製造されること を特徴とする、 (2) 乃至 (4) のいずれか一つに記載の医薬組成物;
[A] OC I F物質及び多糖物質を混合する工程:
[B] OC I F物質及び多糖物質を保温する工程:
[C] 遊離の多糖物質を除去する工程、
(6) (5) に記載の工程 [B] において、 OC I F物質及び多糖物質をアルカリ性条件下に て保温することを特徵とする、 医薬組成物、
(7) (5) に記載の工程 [B] において、 〇C I F物質及び多糖物質を pHl 0乃至 11の 条件下にて保温することを特徴とする、 (6) に記載の医薬組成物、
(8) (5) に記載の工程 [C] において、 ゲル濾過により遊離の多糖物質を除去することを 特徴とする、 (5) 乃至 (7) のいずれか一つに記載の医薬組成物、
(9) アポトーシス誘導活性を有する抗ヒト Fa s抗体がモノクローナル抗体 C HI 1又はそ れらのヒト化抗体であることを特徴とする、(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の医薬組成物、
(10) アポトーシス誘導活性を有する抗ヒト F a s抗体がマウス一マウスハイプリドーマ H EF 7 A (FERM BP— 5828) が産生する抗ヒト F a s抗体 HF fe 7 A又はそれらのヒ ト化抗体であることを特徴とする、 (1) 乃至 (8) のいずれか一つに記載の医薬組成物、
(11) 下記 [ 1 ] 及び [ 2 ] を有効成分として含有する骨代謝異常症予防又は治療剤; [1] OC I F物質;
[2] アポト一シス誘導活性を有する抗ヒト F a s抗体、
(12) 下記 [1] 及び [2] を有効成分として含有する骨代謝異常症予防又は治療剤; [1] OC I F物質、 及び、 多糖物質が、 1 : 1乃至 1 : 8の分子比で結合している、 〇C I F 物質及び多糖物質の複合体; '
[ 2 ] アポト一シス誘導活性を有する抗ヒト F a s抗体、
(13) 多糖物質がデキストラン硫酸である、 (12) に記載の骨代謝異常症予防又は治療剤、
(14) デキストラン硫酸の平均分子量が 1800乃至 6000である、 (12又は 13に記載 の骨代謝異常症予防又は治療剤、
(15) OC I F物質及び多糖物質の複合体が、 下記工程 [A] 乃至 [C] により製造される ことを特徴とする、 (12) 乃至 (14) のいずれか一つに記載の骨代謝異常症予防又は治療剤;
[A] OC I F物質及び多糖物質を混合する工程:
[B] OC I F物質及び多糖物質を保温する工程:
[C] 遊離の多糖物質を除去する工程、
(16) (15) に記載の工程 [B] において、 OC I F物質及ぴ多糖物質をアルカリ性条件 下にて保温することを特徴とする、 骨代謝異常症予防又は治療剤、
(17) (15) に記載の工程 [B] において、 〇C I F物質及び多糖物質を pH 10乃至 1 1の条件下にて保温することを特徴とする、 (16) に記載の骨代謝異常症予防又は治療剤、
(18) ^ (15) に記載の工程 [C] において、 ゲル濾過により遊離の多糖物質を除去するこ とを特徴とする、 (15) 乃至 (17) のいずれか一つに記載の骨代謝異常症予防又は治療剤、
(19) アポトーシス誘導活性を有する抗ヒト F a s抗体がモノクローナル抗体 CHI 1又は それらのヒト化抗体であることを特徴とする、 (11) 乃至 (18) のいずれか一つに記載の骨代 謝異常症予防又は治療剤、
(20) アポトーシス誘導活性を有する抗ヒト F a s抗体がマウス一マウスハイプリドーマ H EF 7 A (FERM BP- 5828) が産生する抗ヒト F a s抗体 H F E 7 A又はそれらのヒ ト化抗体であることを特徴とする、 (11) 乃至 (18) のいずれか一つに記載の骨代謝異常症予 防又は治療剤、
(21) 下記 [1] 及び [2] に記載の物質のそれぞれの薬理的な有効量を投与することを含 む骨代謝異常症の予防又は治療方法;
[1] OC I F物質;
[ 2 ] アポ卜一シス誘導活性を有する抗ヒ卜 F a s抗体、
(22) 下記 [1] 及ぴ [2] に記載の物質のそれぞれの薬理的な有効量を投与することを含 む骨代謝異常症の予防又は治療方法;
[1] OC I F物質、 及ぴ、 多糖物質が、 1 : 1乃至 1 : 8の分子比で結合している、 OC I F 物質及び多糖物質の複合体;
[2] アポトーシス誘導活性を有する抗ヒト Fa s抗体、
(23) 多糖物質がデキストラン硫酸である、 (22) に記載の予防又は治療方法、
(24) デキストラン硫酸の平均分子量が 1800乃至 6000である、 (22) 又は (23) に記載の予防又は治療方法、
(25) OC I F物質及び多糖物質の複合体が、 下記工程 [A] 乃至 [C] により製造される ことを特徴とする、 (22) 乃至 (24) のいずれか一つに記載の予防又は治療方法;
[A] OC I F物質及び多糖物質を混合する工程: .
[B] OC I F物質及び多糖物質を保温する工程:
[C] 遊離の多糖物質を除去する工程、
(26) (25) に記載の工程 [B] において、 OC I F物質及び多糖物質をアルカリ性条件 下にて保温することを特徴とする、 予防又は治療方法、
(27) (25) に記載の工程 ] において、 OC I F物質及び多糖物質を pHl 0乃至 1 1の条件下にて保温することを特徴とする、 (26) に記載の予防又は治療方法、
(28) (25) に記載の工程 [C] において、 ゲル濾過により遊離の多糖物質を除去するこ
とを特徴とする、 (25) 乃至 (27) のいずれか一つに記載の予防又は治療方法、
(29) アポト一シス誘導活性を有する抗ヒト F a s抗体がモノクローナル抗体 C HI 1又は それらのヒト化抗体であることを特徴とする、 (21) 乃至 (28) のいずれか一つに記載の骨代 謝異常症予防又は治療剤、
(30) アポト一シス誘導活性を有する抗ヒト F a s抗体がマウス一マウスハイプリドーマ H EF7A (FERM BP— 5828) が産生する抗ヒト Fa s抗体 H F E 7 A又はそれらのヒ ト化抗体であることを特徴とする、 (21) 乃至 (28) のいずれか一つに記載の予防又は治療方 法、
(31) 医薬組成物を製造するための下記 [1] 及び [2] の使用;
[1] OC I F物質;
[2] アポト一シス誘導活性を有する抗ヒト Fa s抗体、
(32) 医薬組成物を製造するための下記 [1] 及び [2] の使用;
[1] OC I F物質、 及ぴ、 多糖物質が、 1 : 1乃至 1 : 8の分子比で結合している、 OC I F 物質及び多糖物質の複合体;
[2] アポト一シス誘導活性を有する抗ヒト F a s抗体、 .
(33) 多糖物質がデキストラン硫酸である、 請求項 32に記載の使用、
(34) デキストラン硫酸の平均分子量が 1800乃至 6000である、 (32) 又は (33) に記載の使用、
(35) OC I F物質及び多糖物質の複合体が、 下記工程 [A] 乃至 [C] により製造される ことを特徴とする、 (32) 乃至 (34) のいずれか一つに記載の使用; '
[A] OC I F物質及ぴ多糖物質を混合する工程:
CB] OC I F物質及び多糖物質を保温する工程:
[C] 遊離の多糖物質を除去する工程、 '
(36) 請求項 35に記載の工程 [B] において、 OC I F物質及び多糖物質をアルカリ性条 件下にて保温することを特徴とする、 (35) に記載の使用、
(37) (35) に記載の工程 [B] において、 OC I F物質及び多糖物質を pHl 0乃至 1
1の条件下にて保温することを特徴とする、 (36) に記載の使用、
(38) (35) に記載の工程 [C] において、 ゲル濾過により遊離の多糖物質を除去するこ とを特徴とする、 (35) 乃至 (37) のいずれか一つに記載の使用、
(39) アポトーシス誘導活性を有する抗ヒト F a s抗体がモノクローナル抗体 C HI 1又は それらのヒト化抗体であることを特徴とする、 (31)乃至(38)のいずれか一つに記載の使用、
(40) アポ! シス誘導活性を有する抗ヒト F a s抗体がマウス一マウスハイプリドーマ H EF7A (FERM BP— 5828) が産生する抗ヒト F a s抗体 HF E 7 A又はそれらのヒ ト化抗体であることを特徴とする、 (31) 乃至 (38) のいずれか一つに記載の使用、
(41) 医薬組成物が骨代謝異常症の予防又は治療のための組成物である、 ( 31 )乃至(40 ) に記載の使用、
を提供するものである。 '
[図面の簡単な説明]
図 1 : OC I F— DS5、 h—HFE 7 Aまたはこれらの併用による吸収窩形成抑制効果を表 す図。 ,
[発明を実施するための最良の形態]
本発明の医薬組成物は、 OC I F物質、 又は〇C I F物質及び多糖物質の複合体に加え、 アポ トーシス誘導活性を有する抗ヒト F a s抗体を含有する。 本発明においては、 そのような医薬組 成物を骨代謝異常症の予防又は治療に適用することを、 OC I F物質、 又は OC I F物質及び多 糖物質の複合体並びにアポ 1 ^一シス誘導活性を有する抗ヒト F a s抗体の 「併用」 と呼ぶ。 同様に、 本発明の骨代謝異常症予防又は治療剤は、 OC I F物質、 又は OC I F物質及び多糖 物質の複合体に加え、 アポトーシス誘導活性を有する抗ヒト F a s抗体を含有する。 本発明にお いては、 そのような骨代謝異常症予防又は治療剤を骨代謝異常症の予防又は治療に適用すること も、 OC I F物質、 又は OC I F物質及び多糖物質の複合体並びにアポトーシス誘導活性を有す る抗ヒト F a s抗体の 「併用」 と呼ぶ。
さらに、 本発明は、 薬理的に有効な量の OC I F物質、 又は OC I F物質及び多糖物質の複合 体と、 薬理的に有効な量のアポトーシス誘導活性を有する抗ヒト F a s抗体を投与することを含 む骨代謝異常症の予防又は治療方法を含むものとする。 本発明においては、 そのような骨代謝異 常症の予防又は治療方法も、 OC I F物質、 又は OC I F物質及び多糖物質の複合体並びにアポ
トーシス誘導活性を有する抗ヒト F a s抗体の 「併用」 と呼ぶ。
また、 本発明の医薬組成物又は本発明の骨代謝異常症予防又は治療剤を製造するための、 O C I F物質、 又は O C I F物質及び多糖物質の複合体、 並びに、 アポトーシス誘導活性を有する抗 ヒト F a s抗体の使用も本発明に含まれる。
本発明において、 骨代謝異常症とは、 実質的な骨量の減少を特徴とするあらゆる疾患であり、 それを治療するかあるいは予防するためには骨吸収又は骨吸収速度を抑制する必要がある疾患を 意味する。
本発明の医薬組成物を用いて治療又は予防される骨代謝異常症には、 一次性骨粗鬆症 (老人性 骨粗鬆症、 閉経後骨粗鬆症及び特発性若年性骨粗鬆症) 、 内分泌骨粗鬆症 (甲状腺機能亢進症、 副甲状腺機能亢進症、 クッシング症候群及び末端肥大症) 、 性機能低下に伴う骨粗鬆症 (下垂体 機能低下症、 K l i n e f e l t e r症候群及び T u r n e r症候群) 、 遺伝性及び先天性形態 の骨粗鬆症 (骨形成不全、 ホモシスチン尿症、 メンケス症及びライリ一―ディ症候群) 、 重力負 荷軽減又は四肢の固定や不動化による骨減少症、 パジェット病、 骨髄炎、 骨喪失による感染性病 巣、 固形腫瘍 (乳癌、 肺癌、 腎臓癌、 前立腺癌等) に起因する高カルシウム血症、 血液学的悪性 疾患 (多発性骨髄腫、 リンパ腫及び白血病) 、 特発性高カルシウム血症、 甲状腺機能亢進症又は 腎臓機能不全に伴う高カルシウム血症、 ステロイド投与に起因する骨減少症、 他の薬物 (メ卜ト レキセ一ト及ぴシクロスポリン A等の免疫抑制剤、 へパリン及び抗てんかん薬) 投与に起因する 骨減少症、 腎臓機能不全に伴う骨減少症、 外科手術、 消化器疾患 (小腸障害、 大腸障害、 慢性肝 炎、 胃切除、 原発性胆汁性肝硬変及び肝硬変) に伴う骨減少症、 慢性関節リウマチ等の各種リウ マチによる骨減少症、 慢性関節リウマチ等の各種リウマチによる骨破壊及び関節破壊、 ムチラン ス型リウマチ、 変形性関節症、 歯周骨喪失、 癌の骨転移 (骨溶解性転移) 、 外傷性負傷、 ゴシェ 病、 鎌状赤血球貧血、 全身性紅性狼創若しくは非外傷性負傷に伴う骨壊死又は骨細胞死、 腎性骨 異栄養症等の骨異栄養症、 低アル力リフォスファ夕一ゼ血症、 糖尿病に伴う骨減少症、 栄養障害 又は摂食障害に伴う骨減少症、 その他の骨減少症等が包含される。 また、 本発明における骨代謝 異常症は、 前記固形腫瘍、 癌の骨転移 (骨溶解性転移) 又は血液学的悪性疾患による悪液質をも 包含する (特開 2 0 0 0— 1 7 8 2 0 0号公報参照) 。
本発明において、 「骨吸収」 とは主に破骨細胞により骨が吸収される現象を表わし、 細胞又は 分子レベルの現象を指す場合に用いるのに対し、 . 「骨破壊」 とば骨代謝異常症の患者の骨におい て骨吸収によって骨量又は骨密度が減少する現象を表わし、 個体レベルの現象を指す場合に用い る。
本発明の O C I F、 その類縁体又はその変異体は、 WO 9 6 / 2 6 2 1 7号公報 (対応米国特 許出願公開第 2 0 0 2 / 0 5 1 9 6 9号公報) 又は WO 9 7 / 2 3 6 1 4号公報に記載された方 法により、 動物の組織、 動物の体液若しくは動物細胞の培養液等からタンパク質として抽出精製 された天然型として、 又は O C I F、 その類縁体若しくはその変異体をコードするポリヌクレオ
P 画 3/07221
8
チドを組み込んだベクタ一で形質転換された動物細胞や大腸菌等の宿主細胞が生産する遺伝子組 換え型として、 得ることができる。
本発明の OC l F、 その類縁体及びその変異体の起源は特に限定されないが、 好適にはヒト、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ィヌ、 ネコ、 ゥシ、 ブタ、 ヒッジ、 ャギ等の哺乳動物又はニヮトリ、 ガチョウ、 シチメンチヨウ等の鳥類由来であり、 より好適にはヒト〇C I Fである。
また、 本発明の OC I F及びその類縁体は、 一本鎖のポリペプチドとして生産されるが、 非還 元条件下における SDS— PAGEによる分子量は約 60000又は約 120000であり (W 096/26217号公報 (対応米国特許出願公開第 2002/051969号公報) 参照)、 好 適には分子量約 120000の 2量体である。
本発明において、 OC I F類縁体とは、 ヒト〇C I FcDNAをプローブとするハイブリダィ ゼ一シヨン法により、 動物細胞、 体液又は組織由来の cDNAライブラリ一より得ることができ るポリヌクレオチドにコードされたタンパク質であり、 そのような OC I F類縁体として〇C I F 2、 OC I F 3、 〇C I F4、 OC I F 5 (いずれも、 WO 96/26217号公報 (対応米 国特許出願公開第 2002/051969号公報)参照)、 ヒト以外の動物由来の〇C I F等を例 示することができる。 そのような OC I F類縁体は、 ヒト OC I FcDNAをプロ一ブとしたハ イブリダィゼ一シヨン法により〇C I F類縁体をコードする cDN Aを得、 発現べクタ一へ揷入 し、 該ベクターで宿主細胞を形質転換し、 発現させることにより、 得ることができる (W096 /26217号公報 (対応米国特許出願公開第 2002/051969号公報) 参照)。
本発明において、〇C I F変異体とは、 ヒト OC I Fと 1又は 2以上のアミノ酸が置換、欠失、 付加又は挿入され且つ〇C I F活性を有するタンパク質を意味する。 そのような OC I F変異体 は、 OC I F又はその類縁体をコードするヌクレオチドに、 PCR法、 遺伝子組換え法、 又は、 制限酵素等のェキソ型ヌクレアーゼ若しくはェンド型ヌクレアーゼを用いた切断法により、 1又 は 2以上のヌクレオチドの置換、 欠失、 付加及び Z又は揷入を行い、 次いで得られたヌクレオチ ド変異体を挿入した発現べクタ一で動物細胞又は大腸菌等の宿主細胞を形質転換し、 該宿主細胞 の発現するタンパク質画分から常法に従つて精製することにより、 得ることができる。
また、 ヒト〇C I Fのアミノ酸配列の力ルポキシル末端から相当部分を欠失させた、 短鎖型 O C I Fにも OC I F本来の生物活性を保持している分子が知られている (W096/26217 号公報 (対応米国特許出願公開第 2002/051969号公報) 及び WO 97/23614号 公報参照)。 本発明の OC I F変異体には、 OC I F活性を有する短鎖型 OC I Fも包含される。 そのような短鎖型〇C I Fのァミノ末端には、 必要に応じて、 メチォニンが付加され得る。
さらに、 〇C I Fは免疫グロブリンの Fcドメイン等との融合タンパク質としても活性を保持 している例が知られており (W〇97/23614号公報参照)、 本発明の OC I F変異体にはそ のような OC I Fの融合タンパク質も包含される (W〇97/23614号公報参照)。
また、 OC I Fは水溶性ポリマー等の化学修飾を受けるとその活性に改善が見られることが知
られており、 本発明の OC I F変異体はそのような化学修飾 OC I Fをも包含する。 化学修飾〇 C I Fとしては、 ポリエチレングリコールが結合した〇C I Fを例示することができる (W09 7/23614号公報参照)。
このような本発明の OC I F変異体としては、 OC I F— C19S、 OC I F— C20S、 〇 C I F - C21S、 OCI F - C22S、 OC I F - C23S、 OC I F - DCR1、 OC I F 一 DCR2、 OC I F - DCR3、 OC I F— DCR4、 OC I F - DDD1、 OC I F-DD D2、 OC I F - CL、 OC I F - CC、 OC I F - CDD2、 OC I F— CDD1、 OC I F 一 CCR4、 OC I F - CCR3、 OC I F - CBs t、 OC I F— CSph、 OCI F - CB s p、 OC I F-CP s t (以上、 WO 96/26217号公報 (対応米国特許出願公開第 20 02/051969号公報) 参照)、 muOPG [22 -401] — Fc、 muOPG [22— 1 94] — Fc、 muOPG [22 - 185] 一 Fc;、 muOPG [22 - 180] — Fc、 mu OPG [22— 401]、 muOPG [22— 401] C195、 muOPG [22-401] C 202、 muOPG [22-401] C277、 muOPG [22— 401] C319、 muO PG [22 -401] C400、 muOPG [22— 185]、 muOPG [22— 194]、 m uOPG [22 - 200]、 muOPG [22-212]、 muOPG [22-293], muOP G [22— 355]、 huOPG [22 - 401] — Fc、 huOPG [22— 201] — Fc、 huOPG [22-401] - Fc P26A, huOPG [22-401] - Fc Y28F、 huOPG [22— 401]、 h uOPG [27— 401] — Fc、 huOPG [29— 401] 一 Fc、 huOPG [32 -401] — Fc、 MuOPG me t [22— 194]、 MuOPG me t [22- 194] 5k PEG, MuOPG me t [22 - 194] 20k PEG、 HuOPG me t [22- 194] P 25 A 、 HuOPG me t [22- 194] P 25 A 5 k PEG, HuOPG me t [22-194] P 25 A 20k PEG, HuOP G me t [22-194] P25A 31 k PEG, HuOPG me t [22-194] P 25 A 57k PEG, HuOPG me t [22- 194] P 25 A 12k PEG, HuOPG me t [22- 194] P 25 A 20k 分岐 PEG、 HuOPG me t [2 2-194] P 25 A 8 k PEG ダイマー、 HuOPG me t [22— 194] P 25 A ジスルフィド架橋 (以上、 WO 97/23614号公報参照) 等を例示することができ、 好 適には、 OC I F— C19S、 OC I F— C20S、 OC I F— C21 S、 OC I F— C22 S、 OC I F— C23S、 OC I F— DCR1、 OC I F— DCR2、 OC I F— DCR3、 OC I F - DCR4、 OC I F - DDD1、 OC I F - DDD2、 OC I F-CL, OC I F - CC、 OC I F— CDD2、 OC I F— CDD1、 OC I F— CCR4、 OC I F— CCR3、 OC I F-CB s t、 OC I F— CSph、 OC I F— CB s p、 〇 C I F— CP s t, muOPG [2 2-401] — Fc、 muOPG [22 - 194] — Fc、 muOPG [22 - 185] —Fc、 muOPG [22 - 180] 一 Fc、 muOPG [22-401] C195、 muOPG [22
-401] C202、 muOPG [22-401] C319、 muOPG [22-401] C4 00、 uOPG [22— 194]、 muOPG [22— 200]、 muOPG [22— 212]、 m uOPG [22— 293]、 muOPG [22 - 355]、 huOPG [22-401] 一 Fc、 huOPG [22 -201] —Fc、 liuOPG [22-401] — Fc P26A、 huOP G [22-401]一 Fc Y28F、 huOPG [22— 401]、 huOPG [27-401] 一 Fc、 uOPG [29-401] 一 Fc、 huOPG [32-401] —Fc、 MuOPG me t [22- 194] 5k PEG, MuOPG me t [22-194] 20k PEG、 HuOPG me t [22- 194] P 25 A 5 k PEG, HuOPG me t [22-1 94] P 25 A 20k PEG, HuOPG me t [22- 194] P 25 A 31 k P EG, HuOPG me t [22- 194] P 25 A 57k PEG> HuOPG me t [2 2-194] P 25 A 12k PEG, HuOPG me t [22-194] P 25 A 20 k 分岐 PEG、 HuOPG me t [22- 194] P 25 A 8 k PEG ダイマ一、 H uOPG me t [22- 194] P 25 A ジスルフイド架橋である。
以上のような本発明の〇C I F類縁体及び〇C I F変異体のうち好適なものは、 OC I Fと同 等以上又は OC I Fに準ずる生理活性を有する。
本発明の OC I F、 その類縁体及びその変異体には、 糖鎖が付加していてもよい。 糖鎖が付加 した OC I F、 その類縁体又はその変異体としては、 動物細胞が生産する組換え型 OC I F、 動 物組織等から単離された天然型の OC I F等を例示することができる。糖鎖が付加した OC I F、 その類縁体及びその変異体の生産に適した動物細胞としては、 チャイニーズ ·ハムスター ·ォヴ ァリー (Chinese Hamster Ovary:以下、 「CH〇」 という。) 細胞等の哺乳動物細胞を例示する ことができる。 ちなみに、 糖鎖が付加していない、 遺伝子組換え型の OC I F、 その類縁体及び その変異体の生産に適した細胞としては、 大腸菌等の原核細胞等を例示することができる。 本発明において、 多糖又はその誘導体とは、 単糖がグリコシド結合することにより生じる重合 体 (グルカン) 又はその誘導体であり、 好適には構成単糖が 2種類以上からなるヘテロ多糖 (へ テロダリカン) 又はその誘導体である。 具体的には、 天然型の多糖又はその誘導体としては、 ヒ アルロン酸、 コンドロイチン硫酸、 デルマタン酸、 へパラン酸、 ケラタン酸、 カラギーナン、 ぺ クチン、 へパリン等を例示することができ、 合成型の多糖又はその誘導体としては、 デキストラ ン硫酸等を例示することができ、 好適にはデキストラン硫酸である。
本発明において、 デキストラン硫酸とはデキストラン硫酸又はその塩であり、 好適にはデキス トラン硫酸ナトリウムである。 デキストラン硫酸ナトリウムとしては、 デキストラン硫酸ナトリ ゥムィォゥ 5 (名糖産業 (株) 製)、 デキストラン硫酸ナトリウム 5000、 デキストラン硫酸 1 0000 (ともに、 和光純薬 (株) 製) 等を例示することができる。
デキストラン硫酸の分子量は次のようにして算出される;
1) デキストランの分子量の測定
デキストランの極限粘度 (極限粘度の測定法は、 第十三改正、,日本薬局方 解説書、 廣川書店 刊 (1998)、 デキストラン 40の項参照) より、 下記の佐藤の式により算出することができる (第 十三改正、 日本薬局方 解説書、 廣川書店刊 (1998)、 デキストラン 40の項参照)。 極限粘度 =9. 0 OX 10— 4X分子量 0· 50
2) ィォゥ含量の測定
日本薬局方 (第十四改正、 じほう刊 (2001)、 デキストラン硫酸ィォゥ 5の項参照) 記載の方 法によりデキストラン硫酸上のィォゥ含量を重量%として測定した。
デキストランの構成単位であるグルコースの分子量は本来 180であるが、 デキストラン分子 中ではグルコースどうしが α— 1, 6結合しているため、 デキストラン分子中のグルコースの実 質的な分子量は 180から水 1分子分の分子量を差し引いた値、 すなわち 162である。
デキストラン硫酸においては、 上述のようなデキストラン分子中のグルコースの有する水素 1 原子が S〇3Na (1グラム当量 103) に置換されるているので、 ィォゥの置換度 (以下、 単 に 「置換度」 という。) は下記式により表される。 ィォゥ含量 (重量%) = {32X置換度 ÷ (162+ 102 X置換度) } X100
3) デキストラン硫酸の分子量の算出
上述の通りデキストランの構成単位であるグルコースの実質的な分子量は 162であるので、 下記式によりデキストラン硫酸の分子量を算出することができる。 分子量 =デキストランの分子量 X (162 + 102X置換度) +162 デキストラン硫酸は一定の分子量分布を有していることが知られており、 本発明においては、 デキストラン硫酸の平均分子量をもつてその分子量に代える。
本発明において好適に使用されるデキストラン硫酸ナトリウムィォゥ 5 (名糖産業 (株) 製) の、 上記 2) に従って算出されたィォゥ置換度 (平均値土標準偏差) は 0. 32±0. 01 (n =7) であり、 上記 1) 乃至 3に従って算出された分子量 (平均値士標準偏差) は 1950 ±7 0 (n-7) である。 同じく好適なデキストラン硫酸であるデキストラン硫酸ナトリウム 500 0 (和光純薬 (株) 製) は分子量 5000である。
本発明において使用される多糖又はその 導体の平均分子量は、 特に限定されるものではない 力 好適な多糖又はその誘導体である、 デキストラン硫酸の平均分子量は通常 1500乃至 12 000の範囲であり、 より好適には 1800乃至 6000である。
本発明の多糖又はその誘導体は、 そのまま使用してもよいが、 精製、 分画したものを使用して もよい。
本発明の提供する、 OC I F物質及び多糖物質の複合体における両者の分子比は、 〇C I F物 質:多糖物質 =1 : 1乃至 1 : 10であり、 好適には 1 : 1乃至 1 : 8であり、 より好適には 1 : 1乃至 1 : 6であり、 より一層好適には 1 : 1乃至 1 : 4である。
上述の通り、 OC I Fは 2量体を形成することが知られており (WO 96ノ26217号公報 (対応米国特許出願公開第 2002/051969号公報) 参照)、 OC I F物質は、 ホモ又はへ テロ 2量体や、 単量体 3つ以上からなるホモ又はへテロ多量体であり得るが、 本発明における当 該分子比は、 〇C I F物質単量体 (モノマ一) 1分子当たりの多糖物質の分子数と1して計算され る。
本発明の OC I F物質及び多糖物質の複合体は、 両者を水溶液中にて保温すること等により得 ることができる。 両者を水溶液中で保温する場合、 OC I F物質の水溶液中の濃度範囲は、 上限 が 10乃至 5 Omg/m 1、 下限が 0. 1乃至 5mg/m 1であり、 好適な範囲は 1乃至 20m g/m 1、より好適な範囲は 5乃至 1 OmgZm 1である。多糖物質の該水溶液中の濃度範囲は、 上限が 20 Omg/m 1乃至 100 OmgZm 1、 下限が 0. 1乃至 10 Omg/m 1であり、 好適な範囲は 10乃至 50 Omg/m 1、より好適な範囲は 100乃至 20 Omg/m 1である。 該水溶液の PHは、 上限が p HI 1乃至 12、 下限が pH6乃至 10であり、 好適な範囲は pH 10乃至 11である。 該水溶液を保温する温度は、 上限が 37乃至 5 ΟΤ 下限が 0乃至 4 で あり、 好適な範囲は 4乃至 37 °Cであり、 より好適な範囲は 4乃至 10°Cである。
本発明の OC I F物質及び多糖物質の複合体は、 〇C I F物質及び多糖物質が、 共有結合、 ィ オン結合、 配位結合等の化学的結合、 又は、 疎水性的相互作用、 水素結合、 静電的相互作用、 親 和性結合等の非化学的結合により互いに結合したものである。
該複合体は、 遊離の多糖物質を含有していない。
遊離の多糖物質を除去する方法としては、 通常、 精製、 単離及び分画の操作に適用される手段 であれば特に限定されるものではないが、 例えば、 イオン交換クロマトグラフィー、 吸着クロマ トグラフィー、 分配クロマトグラフィー、 ゲル濾過 (分子ふるい) クロマトグラフィー、 疎水ク 口マトグラフィー、 ァフィ二ティクロマトグラフィー、 結晶化、 塩析、 限外濾過等を挙げること ができ、 好適にはゲル濾過クロマトグラフィー (以下、 単に 「ゲル濾過」 という。)、 限外濾過等 を挙げることができる。
また、 本発明の〇C I F物質及び多糖物質の複合体は、 等電点の測定、 糖含量の測定、 坊体に よる定量等により、 原料である OC I F物質と区別することができる。
等電点は等電点電気泳動により常法に従って測定することができる。 〇C I Fは塩基性タンパ ク質でありその等電点は p H 9付近に観測されるが、 デキストラン硫酸の如き多糖又はその誘導 体が結合すると等電点が低下するので、 OC I F物質とそれら及び多糖物質の複合体とを区別す
ることが可能である。
糖含量はフエノール硫酸法による中性糖の定量法を用いて好適に測定することができる。 多糖 物質が結合した〇C I F物質の糖含量は元の〇C I F物質に比して増加するので、 〇C I F物質 とそれら及び多糖物質の複合体とを区別することが可能である。
本発明の多糖物質と特異的に結合する抗体を用い、 〇C I F物質及び多糖物質の複合体中に含 有される多糖物質を定量することにより、 両者を区別することができる。
OC I F物質は、 抗〇C I Fモノクローナル抗体を用いた EL I S A法等を用いて測定するこ とができる。 該 EL I SA【こ適した抗 OC I Fモノクローナル抗体としては、 ハイプリドーマ O 1-19 (FERM BP— 6420)の生産する抗体、ハイブリド一マ O I— 4 (FERM B P-6419) の生産する抗体、 ハイプリドーマ 01— 26 (FERM BP— 6421) の生 産する抗体等を例示することができる (W099/15691号公報参照)。 ハイプリドーマ O I 一 19又は O I— 4の生産する抗体は OC I F単量体 (モノマー) 及び 2量体 (ホモダイマ一) と結合し、 ハイプリドーマ O 1—26の生産する抗体は OC I F 2量体 (ホモダイマ一) と特異 的に結合する。 このような抗体を用いて常法に従って EL I S A測定を行うことができる (WO 99/15691号公報参照)。
OC I F物質及び多糖物質の複合体の、 ヒト又は動物体内における血中滞留性は、 ヒト又は動 物に投与して一定時間が経過した後、 血液を採取し、 血液中又は血清中における、 該複合体の濃 度を、 抗 OC I Fモノクローナル抗体を用いた上述の如き EL I SA法等を用いて測定し、 算出 することが可能である (WO 99/15691号公報参照)。
本発明において、 抗ヒト F a s抗体は、 抗ヒト F a sモノク口一ナル抗体又はそのヒト化抗体 であることが望ましい。
抗ヒト F a sモノクローナル抗体又はそのヒト化抗体は、 例えば特開平 11— 171900号 公報、 特開 2000— 166573号公報、 特開 2000— 166574号公報、 特開 2001 -342148号又は特開 2001— 342149号公報記載の方法によって得ることができる 。 中でも、 特開平 2001-342148号公報の実施例中で開示されているヒト化抗体が、 本 発明の医薬組成物の有効成分として好ましい。 なお、 本発明のヒト化抗 F a s抗体を作製するに あたっての基礎となる抗体として好適な抗 F a sモノクローナル抗体の産生細胞であるマウス一 マウスハイプリドーマ H FE7 Aは工業技術院生命工学工業研究所 (現 独立行政法人産業技術 総合研究所 ·特許生物寄託センタ一 住所: 日本国茨城県つくば巿東 1丁目 1番 1号 中央第 6 ) に平成 9年 (1997年) 2月 20日付けで国際寄託され、 受託番号 FERM BP— 5828 が付されている。 また、 HE F 7 Aの産生する抗 F a sモノクローナル抗体の重鎖又は軽鎖をコ —ドする DNAを動物細胞で発現させる組換え DNAベクタ一で形質転換された大腸菌株 E. c o 1 i : pME— H及び E. c o l i pME— Lは、 それぞれ平成 9年 ( 1997年) 3月 12 日付で工業技術院生命工学工業技術研究所 (現 独立行政法人産業技術総合研究所'特許生物寄
託セン夕一、 住所: 日本国茨城県つくば市東 1丁目 1番 1号 中央第 6) に国際寄託され、 受託 番号 FERM BP- 5868及び FERM BP- 5867が付されている。 また、 HEF7 A の産生する抗 F a sモノクローナル抗体をヒト化した抗 F a s抗体の軽鎖の可変領域をコードす る DN Aを組み込んだ 3種の形質転換体、 E. c o l i p H S GMM 6 SANK 73697株 、 E. c o 1 i pHSGHMl 7 SANK 73597株及び E. c o 1 i pHSGHH7 SANK 73497株、 並びに、 ヒト化した抗 F a s抗体の重鎖の可変領域をコードする DNA を組み込んだ形質転換体、 E. c o 1 i p gHSL 7 A62 SANK73397株は、 平成 9 年 (1997年) 8月 22日に工業技術院生命工学工業技術研究所 (現 独立行政法人産業技術 総合研究所 ·特許生物寄託センター、 住所: 日本国 城県つくば巿東 1丁目 1番 1号 中央第 6 ) に国際寄託され、 それぞれ受託番号 FERM BP— 6071、 F E RM B P— 6072及び FERM BP— 6073、 並びに FERM B P— 6074が付されている。 さらに、 HEF7 Aの産生する抗 Fa s-モノクローナル抗体をヒト化した抗 F a s抗体の軽鎖の可変領域をコード する DN Aを組み込んだ 2種の形質転換体、 E. c o 1 i pHSHM2 SANK 70198株 及び E. c o 1 i pHSHH5 SANK 70398株、 並びに、 ヒト化した抗 F a s抗体の重 鎖の可変領域をコードする DNAを組み込んだ形質転換体、 E. c o l i p gHPDHV3 S ANK 70298株は、 平成 10年 (1998年) 2月 26日に工業技術院生命工学工業技術研 究所 (現 独立行政法人産業技術総合研究所 ·特許生物寄託センター、 住所: 日本国茨城県つく ば市東 1丁目 1番 1号 中央第 6 ) に国際寄託され、 それぞれ受託番号 F E RM BP-6272 及び FERM BP— 6274、 並びに FERM BP- 6273が付されている。
また、 本発明のヒト化抗 F a s抗体を作製するにあたっての基礎となる坊体として好適な別の 抗 F a sモノクローナル抗体として CHI 1を挙げることができる。 CHI 1産生ハイブリドー マは米原ら (Yonehara, S. , et al. (1989) J. Exp. Med. 169, 1747参照) により、 ヒ卜二倍体 繊維芽細胞 F S— 7で免疫して得られたマウスのリンパ球とマウスミエローマ細胞とを細胞融合 して得られたものである。 なお、 ハイプリドーマ由来の CHI 1自体は (株) 医学生物学研究所 より市販されている。 CHI 1の重鎖又は軽鎖をコードする DNAを動物細胞で発現させる組換 え DNAベクターで形質転換された大腸菌株 E. c o l i pCR3— HI 23及び E. c o l i . PCR3-L 103は平成 8年( 1996年) 2月 28日付で工業技術院生命工学工業技術研 究所 (現 独立行政法人産業技術総合研究所 ·特許生物寄託センタ一、 住所: 日本国茨城県つく ば巿東 1丁目 1番 1号 中央第 6 ) に国際寄託され、 受託番号 F E RM B P— 5427及び F E RM BP— 5428が付されている。 CHI 1をヒト化する過程については特開 2000 - 15 4149号公報に記載されている。 CHI 1のヒト化抗体の軽鎖の可変領域をコードする DNA を組み込んだ、 4種の形質転換体、 E. c o l i ρΗκΚΥ2— 58株、 E. co l i ρΗκ KF2— 19株、 E. c o l i pH/ RY2-l 0株及ぴ E. c o l i pH/cRF2— 52株 、 並びに、 CHI 1のヒト化抗体の重鎖の可変領域をコードする DNAを組み込んだ、 2種の形
質転換体、 E. c o l i pH^H5—l株及び E. c o 1 i p H^M 1— 1株は、 平成 9年 ( 1997年) 3月 11日に工業技術院生命工学工業技術研究所 (現 独立行政法人産業技術総合 研究所 ·特許生物寄託センター、 住所: 日本国茨城県つくぱ巿東 1丁目 1番 1号 中央第 6 ) に 国際寄託され、 それぞれ受託番号 F E RM BP— 5861、 BP— 5860、 BP— 5859及 ぴ BP— 5862、 並びに、 BP— 5863及び FERM B P— 5864が付されている。 従って、 該寄託菌株からプラスミドを単離するか、 若しくは該寄託菌株からの抽出物を铸型と して PC Rを行うなどの方法により、 ハイプリドーマの産生する抗ヒト Fa s抗体又はそのヒト 化抗体のタンパク質のサブュニットをコードする DN Aを取得することができる。
また、 抗ヒト F a sモノクローナル抗体のヒト抗体である、 ヒト抗ヒト F a sモノク口一ナル 抗体も本発明の抗ヒト F a s抗体に含まれる。本発明において、 「ヒト抗体」 とは、 免疫グロプリ ンを構成する H鎖の可変領域及び H鎖の定常領域並びに L鎖の可変領域及び L鎖の定常領域を含 む全ての領域がヒト免疫グロプリンをコ一ドする遺伝子に由来する免疫グロプリンを意味する。 そのようなヒト抗体の製造方法としては、 ヒト免疫グロブリン遺伝子をヒト以外の哺乳動物の遺 伝子座中に組込むことにより作製されたトランスジエニック動物をヒト抗原で免疫感作すること により、 ポリクロ一ナル抗体又はモノクローナル抗体として取得する方法 (W094Z2558 5号公報、 特表平 6— 500233号公報等参照) 等を例示することができるが、 その方法に限 定されるものではない。 このようなヒト抗ヒト Fa sモノクローナルお体の作成法の一つの具体 例を以下に挙げる。 抗原としては、 ヒト F a sの細胞外領域を含む蛋白質、 又は、 ヒト F a sの 細胞外領域に特異的なアミノ酸配列からよるペプチドを用いることが出来る。 ヒト F a sの一次 構造は公知である (Itoh, N., et al. (1991) Cell 66, p.233- 243)ので、 当業者に周知の方法に より本発明の抗原を作製することができる。 本発明の抗原として好ましいものの例としてヒト Fa sの細胞外領域とマウスィンターロイキン 3受容体の細胞外領域との融合蛋白質を挙げることがで き、 該蛋白質の作製方法は、 特開平 11一 171900号公報 (対応欧州特許出願公開第 909 8.16号公報、 対応米国特許出願第 09/408, 646号明細書) の実施例 1に記載されてい る。 ヒト末梢血あるいは脾臓から採取したヒトリンパ球を i n v i t r oで I L一 4存在下、 坊原で感作し、 感作したヒトリンパ球をマウスとヒトとのへテロハイプリドーマである K6H6/ B5 (ATCC CRL- 1823) と細胞融合させることにより目的の抗体産生ハイプリドーマ をスクリーニングする。 得られた抗体産生ハイプリドーマが生産する坊体は、 ヒト抗ヒト F a s モノクローナル抗体である。 これらの抗体の中からヒ卜 F a s発現細胞に対してアポ! ^一シスを 誘導する活性を有する抗体を選別する。 しかしながら、 このようにヒトリンパ球を i n v i t r oで感作する方法では、 一般的に抗原に対して高親和性の抗体を得るのは困難である。 従って 、 抗原に高親和性のヒトモノクローナル抗体を得るには、 上記のようにして得られた低親和性の ヒト抗ヒト Fa sモノクローナル抗体を高親和化する必要がある。 それには、 上記のようにして 得られ、 アポトーシス誘導活性を有するものの低親和性であるヒト枋ヒト F a sモノクローナル
抗体の CDR領域 (特に CDR—3) にランダム変異を導入し、 これをファージで発現させて抗 原として用いた蛋白質又はペプチドを固相化したプレートを用いてファージディスプレー法によ り、 抗原として用いた蛋白質又はペプチドに強力に結合するファージを選択し、 そのファージを 大腸菌で増やし、 その塩基配列から高親和性を有する CDRのアミノ酸配列を決定すればよい。 このようにして得られたヒト抗ヒト F a sモノクローナル抗体をコードする遺伝子を一般的に使 用されている哺乳動物細胞用発現べクタ一に組み込んで、 発現させることによりヒト抗ヒト Fa sモノクロ一ナル抗体が得られる。 これらの中から、 ヒト Fa s発現細胞に対しアポト一シスを 誘導する活性を有し、 かつ高親和性である目的のヒト抗ヒト F a sモノク口一ナル抗体を選別す ることができる。ヒト末梢血リンパ球を i n v i t r oで培養する代わりに、 S e v e r e c omb i n e d i mmun e de f i c i ency (SC I D) マウスに移植し、 この SC I Dマウスを上記の抗原を用いて感作することによつてもヒト抗体を得ることができる (Mosier
D. E. et al.: Nature 335, p256 - 259, 1988; Duc osal M. A. et al.: Nature
355, p258-262, 1992)。 '
また、 抗ヒト Fas抗体の断片であっても、 ヒト F a s発現細胞に対するアポト一シス誘導活 性を有する限り本発明の併用に用いることができる。 本発明において、 「抗体の 11?片」 とは、 本 発明における抗体の一部を意味し、 好適には本発明のモノクローナル抗体の一部を意味する。 抗 体の断片には、 F (a b' ) 2、. Fab' 、 Fab、 F v (variable fragment of antibody ) 、 s c Fv等力 ϊ含まれる。 「F (a b' ) 2J 及ぴ 「Fab' J とは、 免疫グロブリン又はモ ノク口一ナル抗体を、 ペプシンゃパパイン等のタンパク質分解酵素又はべプチド分解酵素で処理 することにより、 ヒンジ領域中の 2本の H鎖間に存在す^)ジスルフィド結合の前後が切断されて 生じる抗体断片を意味する。 慢性関節リゥマチの骨破壊に対する治療又は予防剤の試験は、 以下に記載する方法により実施 することができる。 '
まず、 免疫不全症を呈する実験動物に、 象牙片とヒト慢性関節リウマチ患者由来の患部滑膜組 織とを、 該象牙片と該滑膜組織とが互いに接触するように移植する。 ここで用いられる免疫不全 動物としては、 CB-17/Icr Crj-scid, BALB/cA-scid, BALB/cA-bg, scid等、 SC I Dマウスの亜系 の先天性免疫不全マウスが好適に用いられ、 中でも CB-17/Icr Crj- scidマウスがより好適である が、 これに限定されない。 また、 象牙片は、 用いられる動物に移植可能であって、 且つ顕微鏡下 での吸収窩の観察のために適した形状及び大きさであればよいが、 吸収窩の観察のためには少な くとも一つの平面を有していればよい。 例えば CB- 17/Icr Crj- scidマウスに移植する場合は、 厚 さが 100 im〜250 mであって、 直径 4〜 8 mmの円又は縦、 横の長さがそれぞれ 4 ~ 8 mmの長方形の平面を有する薄板状であることが好ましい。
次に、 上記のようにして象牙片と滑膜組織を移植した動物に、 慢性関節リウマチにおける骨破
壊の治療又は予防剤としての効果を試験しょうとする物質を、 試験する化合物の特性に応じて、 経口、 静注、 皮下注、 筋注、 移植部位若しくはその近傍に埋め込むなどの経路により投与する。 試験物質の投与量、 投与頻度、 投与回数等の条件は適宜設定する。 また、 比較対照のために、 上 記のようにして象牙片と滑膜細胞を移植した別の個体に、 対照薬又は試験物質の溶解に用いたも のと同じ溶媒を投与するか、 又は何も投与しないでおく。
このように処置した動物を一定期間飼育した後、 動物から象牙片を摘出し、 洗浄後、 染色し、 顕微鏡下で観察して象牙片表面に形成された吸収窩の数を測定する。 試験物質を投与しないか又 は対照薬を投与した対照群と、 試験物質を投与した群との間で吸収窩の数を比較し、 吸収窩の形 成を抑制した試験物質を、 慢性関節リゥマチにおける骨破壊の治療又は予防剤の候補物質として 選択する。
本発明の提供する O C I F物質、 又は O C I F物質及び多糖物質の複合体並びに抗ヒト F a s 抗体を含有する医薬組成物は、 ヒト又はヒト以外の動物に対し、 経口又は非経口により安全に投 与され得る。 医薬組成物としての投与形態は、 疾患の種類、 疾患の程度、 症状、 年齢、 性別、 体 重等に応じて適宜選択することができる。 例えば、 錠剤、 カプセル剤、 散剤、 顆粒剤、 シロップ 剤は経口投与され、 注射剤は単独で若しくはブドウ糖、 アミノ酸等の通常の補液と混合して静脈 内投与されるか又は単独で筋肉内投与、 皮下投与、 皮内投与、 腹腔内投与され、 貼付剤は経皮投 与され、 点鼻剤は経鼻投与され、 粘膜適用剤は経粘膜投与若しくは口腔内投与され、 坐剤は直腸 内投与される。 これらの製剤は、 常法に従い、 賦形剤、 結合剤、 崩壊剤、 滑沢剤、 矯味矯臭剤、 溶解補助剤、 懸濁剤、 着色剤、 P H緩衝剤、 防腐剤、 ゲル化剤、 界面活性剤、 コーティング剤等、 医薬の製剤分野において通常使用し得る公知の補助剤を用いて製剤化することができる。
錠剤の形態に成形するには、 担体として当該分野で公知のものを広く使用できる。 そのような 担体としては、 例えば、 乳糖、 白糖、 塩化ナトリウム、 ブドウ糖、 尿素、 澱粉、 炭酸カルシウム、 カオリン、 結晶セルロース、 ケィ酸等の賦形剤;水、 エタノール、 プロパノール、 単シロップ、 ブドウ糖液、 澱粉液、 ゼラチン溶液、 カルボキシメチルセルロース、 セラック、 メチルセルロー ス、 リン酸カリゥム、 ポリビニルピロリドン等の結合剤;乾燥澱粉、 アルギン酸ナトリゥム、 寒 天末、 ラミナラン末、 炭酸水素ナトリウム、 炭酸カルシウム、 ポリオキシエチレンソルビタン脂 肪酸エステル類、 ラウリル硫酸ナトリウム、 ステアリン酸モノグリセリド、 澱粉、 乳糖等の崩壊 剤、 白糖、 ステアリン、 カカオバター、 水素添加油等の崩壊抑制剤;第 4級アンモニゥム塩基、 ラウリル硫酸ナトリゥム等の吸収促進剤;グリセリン、澱粉等の保湿剤;澱粉、乳糖、 カオリン、 ベントナイト、 コロイド状ケィ酸等の吸着剤;精製タルク、 ステアリン酸塩、 硼酸末、 ポリエヂ レンダリコ一ル等の潤沢剤等を挙げることができる。 まだ、 錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施し た錠剤、 例えば、 糖衣錠、 ゼラチン被包錠、 腸溶被錠、 フィルムコーティング錠、 二重錠、 多層 錠等とすることができる。
丸剤の形態に成形するには、 担体として当該分野で公知のものを広く使用できる。 そのような
担体としては、 例えば、 ブドウ糖、 乳糖、 カカオパター、 澱粉、 硬化植物油、 カオリン、 タルク 等の賦形剤;アラビアゴム末、 トラガント末、 ゼラチン、 エタノール等の結合剤;ラミナラン寒 天等の崩壊剤等を挙げることができる。
坐剤の形態に成形するには、 担体として当該分野で公知のものを広く使用できる。 そのような 担体としては、 例えば、 ポリエチレングリコール、 カカオバター、 高級アルコール、 高級アルコ ールのエステル類、 ゼラチン、 半合成グリセリド等を挙げることができる。
注射剤として調製される場合には、 液剤及び懸濁剤は殺菌され、 且つ血液と等張であることが 好ましい。 これら液剤、 乳剤及ぴ懸濁剤の形態に成形するには、 希釈剤として当該分野で公知の ものを広く使用でき、 例えば、 水、 エタノール、 プロピレングリコール、 エトキシ化イソステア リルアルコール、 ポリオキシ化イソステアリルアルコール、 ポリォキシエチレンソルビタン脂肪 酸エステル類等を挙げることができる。 なお、 この場合、 血液との等張性を保つのに十分な量の 食塩、 プドウ糖、 グリセリン等を医薬組成物中に含有せしめてもよく、 また通常の溶解補助剤、 緩衝剤、 無痛化剤、 pH調整剤、 安定化剤、 可溶化剤等を添加してもよい。 注射剤は凍結乾燥品 であってもよい。
また、 必要に応じて着色剤、 保存剤、 香料、 風味剤、 甘味剤、 他の医薬等を含有せしめてもよ い。
これらの医薬組成物中に含まれる〇C I F物質、 又は OC I F物質及び多糖物質の複合体の量 は、 特に限定されるものではないが、 通常 1乃至 70重量%であり、 好適には 1乃至 30重 量%である。
本発明の提供する〇C I F物質及び多糖物質の複合体を F a s特異的結合分子と併用する際の、 OC I F物質、 又は OC I F物質及び多糖物質の複合体の投与量は、 症状、 年齢、 投与形態、 剤 形等に依存するが、 通常成人に対して 1日当たり、 投与量の上限が 1乃至 50mg/kg、 下限 が 0. 1乃至 lmg/kgであり、 好適な範囲は 0. 01乃至 lmg/kgであり、 より好適な 範囲は 0. 1乃至 lmg/k gである。
また、 OCI F物質、 又は〇C I F物質及び多糖物質の複合体と抗ヒト F a s抗体を併用する 際の、 抗ヒト Fas坊体の体重当たりの投与量は、 該分子の種類、 併用する OC I F物質、 又は OC I F物質及び多糖物質の複合体の種類及び投与量、 症状、 年齢、 投与形態、 剤形等に依存す るが、 通常成人に対して 1日当たり、 投与量の上限が 1乃至 10mgZkg、 下限が 0. 01乃 至 0. lmg/kgであり、好適な範囲は 0. 1乃至 lmg/k gであり、 より好適な範囲は 0. 1乃至 lmg/kgである。 OC I F物質、 又は OC I F物質及び多糖物質の複合体を、 本発明 において最適な抗ヒト F a s抗体である、 マウス一マウスハイブリドーマ HFE 7 Aの産生する 抗ヒト F a sモノクローナル抗体のヒト化抗体と併用する際の、 該ヒト化坊体の体重当たりの投 与量は、 通常成人に対して 1日当たり、 投与量の上限が 5乃至 5 OmgZk g、 下限が 0. 1乃 至 lmg/kgであり、 好適な範囲は' 1乃至 5m kgである。 これらの投与量でマウス一マ
ウスハイプリドーマ HF Ε 7 Αの産生する抗ヒト F a sモノクローナル抗体のヒト化抗体を単独 で投与することも可能である。
O C I F物質、 又は O C I F物質及び多糖物質の複合体並びに抗ヒト F a s抗体を併用するに 際し、 抗ヒト F a s抗体を投与する時期は、 OC I F物質、 又は OC I F物質及び多糖物質の複 合体を投与する前、 同時及び後のいずれであってもよい。 その投与方法は〇C I F物質、 又は O C I F物質及び多糖物質の複合体の投与方法に準ずるが、 それらに限定されるものではない。 また、 OC I F物質、 又は OC I F物質及び多糖物質の複合体並びに抗ヒト F a s抗体の併用 に供される医薬組成物は、 OC I F物質、 又は OC I F物質及び多糖物質の複合体を投与する時 期、 抗ヒト F a s抗体を投与する時期、 両者の投与方法等によらず、 本発明の医薬組成物に包含 される。 従って、 本発明において併用に供される医薬組成物は、 配合剤、 併用剤等、 当該分野に おいて複数の異なる成分を同一の個体に投与するために使用され得る従来公知のあらゆる形態を とり得る。
さらに、 O C I F物質、 又は O C I F物質及び多糖物質の複合体並びに抗ヒト F a s抗体の併 用に供される骨代謝異常症予防又は治療剤は、 OC I F物質、 又は〇C I F物質及び多糖物質の 複合体を投与する時期、 F a s特異的結合分子を投与する時期、 両者の投与方法等によらず、 本 発明の骨代謝異常症予防又は治療剤に包含される。 従って、 本発明において併用に供される骨代 謝異常症予防又は治療剤は、 配合剤、 併用剤等、 二つ以上の異なった物質を同一の個体に投与す るために使用され得る、 当該分野において従来公知のあらゆる形態をとることができる。 ' 本発明の提供する医薬組成物の投与回数は、該医薬組成物に含有される成分の種類、投与形態、 剤形等に依存するが、 数日に 1回、 1日 1回、 又は 1日数回である。 本発明の提供する骨代謝異 常症予防又は治療剤の投与回数は、該骨代謝異常症予防又は治療剤に含有される '有効成分の種類、 投与形態、 剤形等に依存するが、 数日に 1回、 1日 1回、 又は 1日数回である。
[実施例]
以下に、 実施例を挙げ、 本発明をさらに詳細に説明するが、 本発明はこれらに限定されるもの ではない。 製造例 1. O C I F及びデキストラン硫酸の複合体の調製 ( I )
W096/262 1 7号公報 (対応米国特許出願公開第 20 02/0 5 1 969号公報) 記載 の方法に従って得られた、 分子量約 1 20000の遺伝子組換え型ヒト OC I F (2量体) を、 0. 1 5M塩ィ匕ナトリウムを含有する 1 OmMリン酸ナトリウム緩衝液(pH 10. 5)へ、 2、 5、 6. 5、 1 0、 1 2. 5、 20又は 5 Omg/m 1の濃度に溶解せしめた。 この水溶液に、 デキストラン硫酸ナトリウムィォゥ 5 (名糖産業 (株) 製:以下、 「DS 5」 という。) を、 終濃 度 40、 1 00、 1 3 0、 1 50、 2 00、 400, 5 1 0又は 1 00 Omg/m 1となるよう
に溶解し、水酸化ナトリウムを添加して p HI 0. 5又は 11に調製した。得られた水溶 を 4、 7又は 37°Cにて 1、 3、 6、 18、 24、 48、 72、 144又は 288時間保温した。 保温後の水溶液 4mlを、 0. 3 M塩化ナトリウムを含有する 1 OmMリン酸ナトリウム緩衝 液 (pH6) で予め平衡化したゲル濾過カラム S u pe r dex200pg (カラム内径 16m mX長さ 60 cm:排除限界分子量 130万: Ame r s h am Pharmac i a B i o t e c h社製) へ添加し、 該緩衝液により流速 2m 1 /m i nで溶出させた。 紫外分光光度計を 用いて λ 280 nmの吸収をモニタ一し、 保持時間約 28乃至 36分の溶出液を分取した。 OC I F 2量体と結合していない遊離の DS 5は保持時間約 50乃至 70分に溶出された。 上記ゲル 濾過は室温にて行った。
得られた OC I F及ぴ DS 5の複合体を含有する画分を一 60°Cにて凍結保存した。
なお、 本製造例に記載された各処方の反応条件を下記の表 1にまとめた。
[表 1]
処方名 DS 5 OC I F 温 度 H 保温時間
濃 度 濃 度 CC) (時間)
(nig/ ml) (mg/ ml)
処方 1 130 6. 5 4 10. 5 18
処方 2 510 6. 5 4 10. 5 18
処方 3 130 6. 5 4 11 18
処方 4 100 5 4 10. 5 18
処方 5 100 5 4 10. 5 72
処方 6 100 5 4 10. 5 48
処方 7 100 5 4 10. 5 144
処方 8 100 5 4 10. 5 288
処方 9 400 20 4 10. 5 18
処方 10 200 10 4 10. 5 18
処方 11 100 5 4 10. 5 18
処方 12 40 2 4 10. 5 18
処方 13 1000 12 . 5 4 10. 5 18
処方 14 1000 50 4 10. 5 18
処方 15 1000 12 . 5 4 10. 5 18
処方 16 1000 5 4 10. 5 18
処方 17 1000 2 4 10. 5 18
処方 18 150 5 37 10. 5 1
処方 19 150 5 37 10. 5 3
処方 20 150 5 37 10. 5 6
処方 21 150 5 37 10. 5 24
処方 22 150 5 . 7 10. 5 168
製造例 2. 0 C I F及ぴデキストラン硫酸の複合体の調製 (I I)
製造例 1記載のヒト OC I F (2量体) を、 0. 15M塩ィ匕ナトリウムを含有する 1 OmMリ ン酸ナトリウム緩衝液(PH 10. 5)へ、 5mg/m 1の濃度に溶解せしめた。 この水溶液に、 分子量 5000のデキストラン硫酸ナトリウム (和光純薬 (株) 製:以下、 「DS 5000」 とい う。) を、 終濃度 15 OmgZm 1となるように溶解し、 水酸化ナトリウムを添加して p H 10.. 5に調製した。 得られた水溶液を 4°Cにて 24時間保温した。
保温後の水溶液 4mlを、 0. 3 M塩化ナトリウムを含有する 1 OmMリン酸ナトリウム緩衝 液 (pH6) で予め平衡化したゲル濾過カラム S u pe rdex200pg (カラム内径 16m mx長さ 60 cm:排除限界分子量 130万: Ame r s h am Pha rmac i a B i o t e c h社製) へ添加し、 該緩衝液により流速 2m 1 /m i nで溶出させた。 紫外分光高度計を 用いて λ 280 nmの吸収をモニターし、 保持時間約 28乃至 36分の溶出液を分取した。 OC I Fと結合していない遊離の DS 5000は保持時間約 40乃至 65分に溶出された。 上記ゲル
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濾過は室温にて行った。
得られた OC I F及び D S 5000の複合体を含有する画分を— 60°Cにて凍結保存した。 なお、 本製造例に記載された処方の反応条件を下記の表 2にまとめた。
[表 2] 処方名 DS 5000 OC I F 温 度 H 保温時間
濃 度 濃 度 (で) (時間)
、mg/ ml) (mg/ ml)
処方 23 150 5 4 10. 5 24 なお、 以下の実施例においては、 調製された医薬組成物を 「処方」 と呼ぶ。 製造例 3. 等電点の測定
製造例 1記載の遺伝子組換え型ヒト O C I F (2量体) 及び実施例 1記載で得られた O C I F 及び D S 5の複合体 (処方 22) を、 等電点電気泳動ゲル I EF PAGE mi n i (pH範 囲 3乃至 10 :岩城硝子 (株) 製) に添加し、 該装置の説明書の記載に従って所定の電圧を印加 した。 電気泳動終了後、 ゲルをクマシ一ブル一染色した。
その結果、 OC I Fの等電点は約 p I 9であり、 一方〇C I F及び DS 5の複合体 (処方 22) の等電点は約 p I 6. 5であった。 製造例 4. OC I F及ぴデキストラン硫酸の複合体における OC I F並びにデキストラン硫酸 の定量と両者の分子比の算出
1) パーォキシダーゼで標識した抗ヒト OC I Fモノクローナル抗体 0 I一 4原液の調製 当該抗体の酵素標識は、 EZ— L i nk Ma l e imi de Ac t i va t ed Ho r s e r a d i s h Pe r o i da s e Ki t (ピア一ス社製) を用い、 該キットのプロト コル I Iに従って行った。
精製された抗ヒト〇 C I F抗体 (W〇 99/15691号公報参照) OI— 4を 10mMリン 酸緩衝液 (PH7. 6) を用いて lmgZmlとなるように希釈したもの lmlに、 上記キット に添付された N—スクシ二ミジル一 S—ァセチルチオ酉乍酸を、 ジメチルフオルムアミドにて使用 直前に 1 OmgZmlとなるように溶解したもの 4 1を添力 pし、 室温にて 30分間保温した。 ここに、予め 5mgのヒドロキルアミン塩酸塩を上記キットに添付された Ma 1 e imi d e C o n j u g a t i o n Bu f f e r l O O i lへ使用直前に溶解した溶液 20 a 1を添加した 後、 室温にて 2時間保温した。 当該反応液を、 予め 30mlの Ma l e imi de Con j u g a t i on Bu f f e rで平衡化した、 上記キットに添付されたポリアクリルアミド脱塩力
1
23
ラム (容積 l 0m 1 ) へ付し、 Ma l e imi de Con j uga t i on Bu f f e rで 溶出し、 0. 5mlずつ分取した。 当該抗体を含む 7乃至 10番目の画分を合併した。 ここに、 上記キットに添付された EZ—: L i n k Ma l e imi de Ac t i va t ed Ho r s e r a d i s h Pe rox i da s e 5 mgを 500 1の蒸留水に溶解したもの 100 1を添加し、室温にて 1時間保温した後、等容のグリセロールを添加し、一 20°Cにて保存した。 最終的に得られた溶液を、 パーォキシダ一ゼで標識した抗ヒト OC I Fモノクローナル抗体〇 1—4 (以下、 「POD— OI— 4」 という。) の原液とした。
2) OC I Fの定量
製造例 1又は 2に記載の各処方における OC I F量を、 抗〇C I Fモノクローナル抗体を用い た EL I S A法により測定した。
96穴マイクロタイタープレート (Ma X i s o r p: NUNC社製) 上の各ゥエルに、 抗ヒ ト〇 C I Fモノクローナル抗体 O 1-26 (WO 99/15691号公報参照) を 0. 1 MN a HC03溶液へ 5 g/mlとなるように溶解せしめたもの 100 μ 1を分注し、シールして 4°C にて 1晚静置した。
0. 1%ポリソルべ一ト 20を含有する PBS ( p H 7. 4) 250 1で、 各ゥエルを 3回 洗浄した。
希釈緩衝液(組成: 0. 2MT r i s—塩酸、 40 %B l ock Ac e (雪印乳業(株)製)、 0. 1%ポリソルべ一ト 20 : pH7. 4) 20 1を各ゥエルへ添加し、 室温にて 20分間保 温した ·
被検試料を希釈緩衝液を用いて適宜希釈した。 検量線作成のための標準溶液には既知濃度の O C I Fを含有する希釈緩衝液を、 対照には希釈緩衝液を、 それぞれ用いた。 各被検試料 50 1 を各ゥエルへ分注した。
各ゥエルに、 1) で得られた POD— Ο I—4の原液を [0. lMTr i s—塩酸、 40 %B l oc k Ac e (雪印乳業 (株) 製)、 0. 1%ポリソルベート 20 (pH7. 4)] で 150 0倍希釈したもの 50 μ 1を添加し、 室温にて 2時間静置した。
反応後、 0. 1 %ポリソルベート 20を含有する pho s pha t e bu f f e r ed s a l i ne (以下、 「PBS」 という。 : pH7. 4) 250 1で、 各ゥヱルを 4回洗浄した。
0. 1Mクェン酸と 0. 2Mリン酸水素 2ナトリウムを混合し、 基質溶解液とした (pH4. 5)。
OPD錠 (和光純薬 (株) 製) 13 mgに基質溶解液 32. 5 ml及び過酸化
水素水 6. 5 1を加えて溶解することにより得られた基質液 100 1を各ゥエルへ添加し、 アルミホイルで遮光し室温にて 15分間静置した。
硫酸 50mlに精製水 250mlを混合することにより得られた反応停止液 50 n 1を各ゥェ ルへ添加した。
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攪拌振とう器 (タイ夕一ミキサー MB— 1 : J a p an T r i k a社製) を用いて穏やかに 攪拌した後、 マイクロプレートリーダー (SPECTRA FLUOR: TECAN社製) を用 いて波長 λ 490 nmにおける試料溶液の吸光度を測定した。
標準溶液を用いて作成した検量線より、 被検試料中の〇C I F濃度を算出した。
3) デキストラ 硫酸の定量
製造例 1及び 2に記載の各処方におけるデキストラン硫酸量を、 フエノール硫酸法により中性 糖として測定した。
10乃至 60 g/m 1範囲の既知濃度の D S 5 (名糖産業 (株) 製) 又は D S 5000 (和 光純薬 (株) 製) を希釈溶液 (組成: 0. 01Mクェン酸、 0. 3 M塩化ナトリウム、 0. 01% ポリソルべ一ト 80水溶液: p H 6. 0 ) に溶解し標準溶液とした。 標準溶液、 試料溶液及び希 釈溶液各 0. 2mlを試験管へ分注した。
該試験管へ 5 Omg/mlフエノール水溶液 0. 2mlを分注し、 速やかに攪拌した。
60 °Cの水浴中で 20秒間保温した後、 濃硫酸 1. Omlを添加して速やかに攪拌した。
室温にて 10分間静置した後再度攪拌し、 室温にて 20分間静置した。
分光光度計 (UV— 240 :島津製作所 (株) 製) を用い、 波長 λ 490 nmにおける各ゥェ ルの吸光度をそれぞれ測定した。
ヒト〇C I Fはそれ自体に糖鎖が結合している。 そこで、 上記測定で得られた OC I F及びデ キストラン硫酸の複合体中の中性糖含量の値から、 同様に測定した原料の OC I Fの中性糖含量 の値を差し引くことにより、 OC I Fに結合したデキストラン硫酸の量を算出した。
4) OC I F及びデキストラン硫酸の複合体における OC I F並びにデキストラン硫酸の分子比 の算出
上記 3) で得られた各処方におけるデキストラン硫酸含有量を上記 2) で得られた各処方にお ける OC I Fの含有量で除算することにより、 OC I F lmgに結合しているデキストラン硫酸 の量を算出した。
次いで、 ヒト OC I F単量体を分子量 60000、 DS 5を分子量 1950、 DS 5000を 分子量 5000、 DS 10000を分子量 10000として、 各処方における OC I F単量体と デキストラン硫酸の分子比を、 OC I F単量体 1分子当たりのデキストラン硫酸の分子数として 算出した。
結果を下記表 3に示す。
[表 3]
処方名 複合体中のデキス 複合体中の OC I F単量体と
トラン硫酸の含有量 デキストラン硫酸の分子比
( g/mgOC I F)
処方 1 48. 7 1 : : 1. 5
処方 2 100. 2 1 : : 3. 1
処方 3 39. 7 1 : : 1. 2
処方 4 54. 9 1 : : 1. 7
処方 5 62. 0 1 : : 1. 9
処方 6 60. 7 1 : : 1. 9
処方 7 58. 5 1 : : 1. 8
処方 8 60. 3 1 : : 1. 9
処方 9 67. 7 1 : : 2. 1
処方 10 94. 3 1 : : 2. 9
処方 11 63. 6 1 : : 2. 0
処方 12 60. 8 1 : : 1. 9
処方 13 144. 9 1 : : 4. 5
処方 14 116. 4 1 : : 3. 6
処方 15 185. 2 1 : : 5. 7
処方 16 145. 0 1 : : 4. 5
処方 17 116. 5 1 : : 3. 6
処方 18 46. 0 1 : : 1. 4
処方 19 61. 0 1 : : 1. 9
処方 20 68. 3 1 : : 2. 1
処方 21 110. 7 1 : : 3. 4
処方 22 100. 3 1 : 3. 1
処方 23 243. 9 1 : : 2. 9 実施例 1. O C I F及ぴデキストラン硫酸の複合体並びに抗ヒト F a sモノク口一ナル抗体の ヒト化抗体の示す骨吸収抑制効果
慢性関節りゥマチにおける骨破壊に対する OC I F及び多糖物質の複合体と抗ヒト F a sモノ クローナル抗体のヒ 化抗体との単独又は併用効果を、 ヒト慢性関節リウマチ患者滑膜組織中を 用い、 以下に記載する方法に従って検討した。 なお、 OC I F及び多糖物質としては製造例 1の 処方 22に記載の〇C I F及びデキストラン硫酸ナトリウムィォゥ 5複合体(以下、 「OC I F— DS 5」 'という) を用いた。 また、 特開平 11— 171900号公報 (対応欧州特許出願公開第 909816号公報、 対応米国特許出願第 09 408, 646号明細書) 又は特開 2001 - 342148号公報記載の方法に従って、 ヒト化 H FE 7 A軽鎖 (特開平 11— 171900号 公報 (対応欧州特許出願公開第 909816号公報、 対応米国特許出願第 09ノ408, 646 号明細書) 記載の配列表の配列番号 107、 又は、 特開 2001— 342148号公報記載の配 列表の配列番号 107)、 ヒト HFE7 A重鎖 (特開平 11— 171900号公報 (対応欧州特許
出願公開第 909816号明細書、 対応米国特許出願第 09/408, 646号明細書) 記載の 配列番号 117、 又は、 特開 2001— 342148号公報記載の配列番号 117) を生産する 哺乳動物細胞を組換え DN A技術を用いて作製し、 これを用いてヒト化 HFE 7 A (以下、 「h— HFE7A」 という) を生産し、 精製した。 なお、 上記のヒト化した抗 Fa s抗体の軽鎖の可変 領域をコードする DN Aを組み込んだ形質転換体、 E. c o l i pHSHH 5 SANK 703 98株、 およびヒト化した抗 F a s抗体の重鎖の可変領域をコードする DN Aを組み込んだ形質 転換体、 E. c o 1 i p gHPDHV3 SANK 70298株は、 平成 10年 (1998年) 2月 26日に工業技術院生命工学工業技術研究所 (現 独立行政法人産業技術総合研究所 ·特許 生物寄託センタ一) に国際寄託され、 それぞれ受託番号 FERM BP— 6274、 および FER M BP— 6273が付されている。
CB-17/Icr Crj-scid (SC IDマウス) (5週齢の雄、 日本チヤ一ルスリバ一 (株) より購入) を馴化後、 使用した。 SC I Dマウスをエーテルで麻酔し、 背部皮下に滅菌ハサミで少し傷つけ た後、 ヒト慢性関節リゥマチ患者患部より採取した滑膜組織 (約 0. 5 g ) に象牙切片をくるむ ようにして移植した。 移植後手術用縫合糸にて切開背部皮膚を縫合した。 象牙切片はクレ八分析 センタ一より厚さ 150 m、 直径 6mmの円状のものを購入し、 70 %エタノール液中で超音 波洗浄 (SONI F I ER 450、 BRANSON社、 10分 3回) を行い滅菌したものを使 用した。 実験時には生理食塩水中に浸し洗浄した後、 使用した。
滑膜組織と象牙を移植したマウスに、〇C I F— DS 5 1 Omg/kg, h-HFE7A 1 Omg/k g、 OC I F—DS 5 1 OmgZk gと h— HF E 7 A l Omg/kg併用、 若 しくはヒト I gG 1 OmgZkgをそれぞれ週 1回、 計 3回投与した。 移植後 3週目にエーテ ル麻酔下で SC I Dマウスを心臓採血により致死させ、 その後、 移植滑膜 織、 象牙切片をハサ ミ及びピンセットでマウスの組織が入らないように留意し、 摘出した。 摘出した象牙切片を 96 穴プレート中で蒸留水を加え、 ハンドモーター (原吉) で 5秒間、 2回両面を洗浄後、 生理食塩 水 (大塚) に浸した。 その後 Acid Hematoxylin (S I GMA) 中で 13分間染色し、 再び蒸留水 中にてハンドモーターで 5秒間、 2回両面を洗浄した。 滑膜細胞中の破骨細胞による象牙切片上 の吸収窩の形成を顕微鏡にて観察した。
結果を図 1に示した。 ヒト I gGを投与した対照群では象牙一枚当たり 88. 0個の吸収窩が 形成されていたのに対し、 OC I F— DS 5を投与した群では象牙一枚当たり 11. 0個、 h— HFE 7 Aを投与した群では象牙一枚当たり 18. 5個であった。 また、 OC I F— DS 5と h 一 HFE 7 Aを併用して投与した群では象牙一枚当たり 0個であり、 OC I F— DS 5と h—H FE 7 Aの併用により骨破壊を相乗的に抑制することが明らかとなった。 本発明により、骨代謝異常症に対する治療または予防のための有用な医薬組成物力提供された。