明細書
新規 Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質およびその D N A 技術分野
本発明は、 ヒト肺由来の新規 Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質または その塩およびそれをコードする D N Aなどに関する。 背景技術
多くのホルモンや神経伝達物質などの生理活性物質は、.細胞膜に存在する特異 的なレセプタータンパク質を通じて生体の機能を調節している。 これらのレセプ 夕一タンパク質のうち多くは共役している guanine nucleot ide- binding protein (以下、 Gタンパク質と略称する場合がある) の活性化を通じて細胞内のシグナ ル伝達を行ない、 また、 7個の膜貫通領域を有する共通した構造をもっているこ とから、 Gタンパク質共役型レセプタータンパク質あるいは 7回膜貫通型レセプ 夕一タンパク質 (7 TMR) と総称される。
Gタンパク質共役型レセプ夕一夕ンパク質は生体の細胞や臓器の各機能細胞表 面に存在し、 それら細胞や臓器の機能を調節する分子、 例えば、 ホルモン、 神経 伝達物質および生理活性物質等の標的として生理的に重要な役割を担っている。 レセプターは生理活性物質との結合を介してシグナルを細胞内に伝達し、 このシ グナルにより細胞の賦活ゃ抑制といった種々の反応が惹起される。
各種生体の細胞や臓器の内の複雑な機能を調節する物質と、 その特異的レセプ 夕一タンパク質、 特には Gタンパク質共役型レセプタータンパク質との関係を明 らかにすることは、 各種生体の細胞や臓器の機能を解明し、 それら機能と密接に 関連した医薬品開発に非常に重要な手段を提供することとなる。
例えば、 生体の種々の器官では、 多くのホルモン、 ホルモン様物質、 神経伝達 物質あるいは生理活性物質による調節のもとで生理的な機能の調節が行われてい る。 特に、 生理活性物質は生体内の様々な部位に存在し、 それぞれに対応するレ セプ夕一タンパク質を通してその生理機能の調節を行っている。 生体内には未知 のホルモンや神経伝達物質その他の生理活性物質も多く、 それらのレセプ夕一夕
ンパク質の構造に関しても、 これまで報告されていないものが多い。 さらに、 既 知のレセプタータンパク質においてもサブタイプが存在するかどうかについても 分かっていないものが多い。
生体における複雑な機能を調節する物質と、 その特異的レセプタータンパク質 との関係を明らかにすることは、 医薬品開発に非常に重要な手段である。 また、 レセプタータンパク質に対するァゴニスト、 アン夕ゴニストを効率よくスクリー ニングし、 医薬品を開発するためには、 生体内で発現しているレセプ夕一タンパ ク質の遺伝子の機能を解明し、 それらを適当な発現系で発現させることが必要で あった。
近年、 生体内で発現している遺伝子を解析する手段として、 c D NAの配列を ランダムに解析する研究が活発に行われており、 このようにして得られた c D N Aの断片配列が Expressed Seauence Tag (E S T) としてデ一夕ベースに登録さ れ、 公開されている。 しかし、 多くの E S Tは配列情報のみであり、 その機能を 推定することは困難である。
従来、 Gタンパク質共役型レセプ夕一と生理活性物質 (すなわち、 リガンド) との結合を阻害する物質や、 結合して生理活性物質 (すなわち、 リガンド) と同 様なシグナル伝達を引き起こす物質は、 これらレセプ夕一の特異的なアン夕ゴニ ストまたはァゴニストとして、 生体機能を調節する医薬品として活用されてきた 。 従って、 このように生体内での生理発現において重要であるばかりでなく、 医 薬品開発の標的ともなりうる Gタンパク質共役型レセプタータンパク質を新規に 見出し、 その遺伝子 (例えば c D NA) をクローニングすることは、 新規 Gタン パク質共役型レセプ夕一タンパク質の特異的リガンドゃ、 ァゴニスト、 アンタゴ ニス卜を見出す際に、 非常に重要な手段となる。
しかし、 Gタンパク質共役型レセプ夕一はその全てが見出されているわけでは なく、 現時点でもなお、 未知の Gタンパク質共役型レセプ夕一、 また対応するリ ガンドが同定されていない、 いわゆるォ一ファンレセプ夕一が多数存在しており 、 新たな Gタンパク質共役型レセプターの探索および機能解明が切望されている
Gタンパク質共役型レセプ夕一は、 そのシグナル伝達作用を指標とする、 新た
な生理活性物質 (すなわち、 リガンド) の探索、 また、 該レセプターに対するァ ゴニストまたはアン夕ゴニストの探索に有用である。 一方、 生理的なリガンドが 見出されなくても、 該レセプターの不活化実験 (ノックアウト動物) から該レセ プ夕一の生理作用を解析することにより、 該レセプ夕一に対するァゴニストまた はアンタゴニストを作製することも可能である。 これら該レセプターに対するリ ガンド、 ァゴニストまたはアン夕ゴニストなどは、 Gタンパク質共役型レセプ夕 一の機能不全に関連する疾患の予防/治療薬や診断薬として活用することが期待 できる。
さらにまた、 Gタンパク質共役型レセプ夕一の遺伝子変異に基づく、 生体での 該レセプターの機能の低下または昂進が、 何らかの疾患の原因となっている場合 も多い。 この場合には、 該レセプ夕一に対するアンタゴニストやァゴニストの投 与だけでなく、 該レセプター遺伝子の生体内 (またはある特定の臓器) への導入 や、 該レセプター遺伝子に対するアンチセンス核酸の導入による、 遺伝子治療に 応用することもできる。 この場合には該レセプターの塩基配列は遺伝子上の欠失 や変異の有無を調べるために必要不可欠な情報であり、 該レセプ夕一の遺伝子は 、 該レセプターの機能不全に関与する疾患の予防 Z治療薬や診断薬に応用するこ ともできる。
本発明は、 上記のように有用な新規 Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質 を提供するものである。 すなわち、 新規 Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク 質もしくはその部分ペプチドまたはその塩、 該 Gタンパク質共役型レセプター夕 ンパク質またはその部分ペプチドをコードするポリヌクレオチド (D NA、 R N Aおよびそれらの誘導体) を含有するポリヌクレオチド (D NA、 R NAおよび それらの誘導体) 、 該ポリヌクレオチドを含有する組換えべクタ一、 該組換えべ クタ一を保持する形質転換体、 該 G夕ンパク質共役型レセプ夕一夕ンパク質また はその塩の製造法、 該 Gタンパク質共役型レセプタータンパク質もしくはその部 分ペプチドまたはその塩に対する抗体、 該 Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパ ク質の発現量を変化させる化合物、 該 Gタンパク質共役型レセプ夕一に対するリ ガンドの決定方法、 リガンドと該 Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質との 結合性を変化させる化合物 (アン夕ゴニスト、 ァゴニスト) またはその塩のスク
リーニング方法、 該スクリーニング用キット、 該スクリーニング方法もしくはス クリ一ニングキッ卜を用いて得られうるリガンドと該 Gタンパク質共役型レセプ 夕一タンパク質との結合性を変化させる化合物 (アン夕ゴニス卜、 ァゴニスト) またはその塩、 およびリガンドと該 Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質と の結合性を変化させる化合物 (アン夕ゴニスト、 ァゴニスト) もしくは該 Gタン パク質共役型レセプタータンパク質の発現量を変化させる化合物またはその塩を 含有してなる医薬などを提供する。 発明の開示
本発明者らは、 鋭意研究を重ねた結果、 ヒト肺由来の新規な Gタンパク質共役 型レセプタータンパク質をコードする cDNAを単離し、 その全塩基配列を解析 することに成功した。 そして、 この塩基配列をアミノ酸配列に翻訳したところ、 第 1〜第 7膜貫通領域が疎水性プロット上で確認され、 これらの cDNAにコー ドされるタンパク質が 7回膜貫通型の G夕ンパク質共役型レセプ夕一夕ンパク質 であることを確認した。 本発明者らは、 これらの知見に基づいて、 さらに研究を 重ねた結果、 本発明を完成するに至った。
すなわち、 本発明は、
(1) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァ ミノ酸配列を含有することを特徴とする Gタンパク質共役型レセプタ一タンパク 質またはその塩、
(2) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列を含有する上記 (1) 記載の G夕 ンパク質共役型レセプ夕一タンパク質、
(3) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質の部分ぺプ チドまたはその塩、
(4) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質をコードす るポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(5) DNAである上記 (4) 記載のポリヌクレオチド、
(6) 配列番号: 2で表される塩基配列を含有する上記 (5) 記載の DNA、
(7) 上記 (4) 記載のポリヌクレオチドを含有する組換えべクタ一、
(8) 上記 (7) 記載の組換えべクタ一で形質転換させた形質転換体、
(9) 上記 (8) 記載の形質転換体を培養し、 上記 (1) 記載の Gタンパク質 共役型レセプタータンパク質を生成せしめることを特徴とする上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質またはその塩の製造法、
(10) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質もしくは 上記 (3) 記載の部分ペプチドまたはその塩に対する抗体、
(11) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質のシグナ ル伝達を不活性化する中和抗体である上記 (10) 記載の抗体、
(12) 上記 (10) 記載の抗体を含有してなる診断薬、
(13) 上記 (10) 記載の抗体を含有してなる医薬、
(14) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質もしくは 上記 (3) 記載の部分ペプチドまたはその塩を用いることにより得られうる上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質またはその塩に対するリ ガンド、
(15) 上記 (14) 記載の Gタンパク質共役型レセプ夕一のリガンドを含有 してなる医薬、 .
(16) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質もしくは 上記 (3) 記載の部分ペプチドまたはその塩を用いることを特徴とする上記 (1 ) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質またはその塩に対するリガン ドの決定方法、
(17) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質もしくは 上記 (3) 記載の部分ペプチドまたはその塩を用いることを特徴とするリガンド と上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質またはその塩との 結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(18) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質もしくは 上記 (3) 記載の部分ペプチドまたはその塩を含有することを特徴とするリガン ドと上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質またはその塩と の結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
(19) 上記 (17) 記載のスクリーニング方法または上記 (18) 記載のス
クリーニング用キットを用いて得られうるリガンドと上記 (1) 記載の Gタンパ ク質共役型レセプ夕一タンパク質またはその塩との結合性を変化させる化合物ま たはその塩、
(20) 上記 (17) 記載のスクリーニング方法または上記 (18) 記載のス クリーニング用キットを用いて得られうるリガンドと上記 (1) 記載の Gタンパ ク質共役型レセプタータンパク質またはその塩との結合性を変化させる化合物ま たはその塩を含有してなる医薬、
(21) 上記 (4) 記載のポリヌクレオチドとハイストリンジェン卜な条件下 (22) 上記 (4) 記載のポリヌクレオチドと相補的な塩基配列またはその一 部を含有してなるポリヌクレオチド、
(23) 上記 (4) 記載のポリヌクレオチドまたはその一部を用いることを特 徴とする上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質の mRNA の定量方法、
(24) 上記 (10) 記載の抗体を用いることを特徴とする上記 (1) 記載の G夕ンパク質共役型レセプ夕一夕ンパク質の定量方法、
(25) 上記 (23) または上記 (24) 記載の定量方法を用いることを特徴 とする上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプ夕一の機能が関連する疾患の 診断法、
(26) 上記 (23) 記載の定量方法を用いることを特徴とする上記 (1) 記 載の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質の発現量を変化させる化合物また はその塩のスクリーニング方法、
(27) 上記 (24) 記載の定量方法を用いることを特徴とする細胞膜におけ る上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質量を変化させる化 合物またはその塩のスクリーニング方法、
(28) 上記 (26) 記載のスクリーニング方法を用いて得られうる上記 (1 ) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質の発現量を変化させる化合物 またはその塩、
(29) 上記 (27) 記載のスクリーニング方法を用いて得られうる細胞膜に
おける上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質量を変化させ る化合物またはその塩、
(30) 上記 (28) 記載の化合物またはその塩を含有してなる医薬、 (31) 上記 (29) 記載の化合物またはその塩を含有してなる医薬、 (32) 中枢疾患、 内分泌疾患、 代謝疾患、 癌、 心疾患、 呼吸器系疾患、 消化 器系疾患、 免疫系疾患または感染症の予防,治療剤である上記 (20) 、 (30
) または (31) 記載の医薬、
(33) 哺乳動物に対して、 上記 (19) 、 (28) または (29) 記載の化 合物またはその塩の有効量を投与することを特徴とする中枢疾患、 内分泌疾患、 代謝疾患、 癌、 心疾患、 呼吸器系疾患、 消化器系疾患、 免疫系疾患または感染症 の予防 ·治療方法、
(34) 中枢疾患、 内分泌疾患、 代謝疾患、 癌、 心疾患、 呼吸器系疾患、 消化 器系疾患、 免疫系疾患または感染症の予防 ·治療剤を製造するための上記 (19 ) 、 (28) または (29) 記載の化合物またはその塩の使用等に関する。 さらには、
(35) タンパク質が、 ①配列番号: 1で表されるアミノ酸配列、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜30個程度 、 より好ましくは 1〜10個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミ ノ酸が欠失したアミノ酸配列、 ②配列番号: 1で表されるァミノ酸配列に 1また は 2個以上 (好ましくは、 1〜30個程度、 より好ましくは 1〜10個程度、 さ らに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、 ③配列 番号: 1で表されるアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜30 個程度、 より好ましくは 1〜10個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のァミノ酸が他のァミノ酸で置換されたァミノ酸配列、 または④それらを組み合 わせたアミノ酸配列を含有するタンパク質である上記 (1) 記載の Gタンパク質 共役型レセプタ一タンパク質またはその塩、
(36) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質もしくは その塩または上記 (2) 記載の部分ペプチドもしくはその塩と、 試験化合物とを 接触させることを特徴とする上記 (16) 記載のリガンドの決定方法、
(37) リガンドが、 例えば、 アンギオテンシン、 ボンべシン、 カナピノイド 、 コレシストキニン、 グルタミン、 セロトニン、 メラトニン、 ニューロペプチド Y、 ォピオイド、 プリン、 バソプレツシン、 ォキシ卜シン、 PACAP (例、 Ρ ACAP 27, PACAP 38) 、 セクレチン、 グルカゴン、 カルシトニン、 ァ ドレノメジュリン、 ソマトス夕チン、 GHRH、 CRF、 ACTH、 GRP、 P TH、 VI P (バソアクティブ インテスティナル ポリペプチド) 、 ソマトス 夕チン、 ド一パミン、 モチリン、 アミリン、 ブラジキニン、 CGRP (カルシト ニンジーンリレーティッドペプチド) 、 ロイコトリェン、 パンクレアスタチン、 プロスタグランジン、 トロンポキサン、 アデノシン、 アドレナリン、 ケモカイン スーパーファミリ一 (例、 I L一 8, GROa, GROj3, GROァ, NAP— 2, ENA - 78, GCP - 2, PF4, I P— 10, M i g, PBSF/SD F— 1などの CXCケモカインサブファミリ一; MCAFZMCP— 1, MCP -2, MCP- 3, MCP-4, e o t ax i n, RANTE S, M I P— 1 α 、 ΜΙ Ρ - 1 /3, HCC- 1, M I Ρ— 3 a/LARC、 MI P-3 ]3/ELC , 1 -309, TARC, MI PF-1, MI PF-2/e o t ax i n-2, MDC, DC-CK 1/PARC, S L Cなどの C Cケモカインサブファミリー ; 1 ym h o t a c t i nなどの Cケモカインサプフアミリ一; f r ac t a 1 k i n eなどの CX3 Cケモカインサブファミリ一等) 、 エンドセリン、 ェン テロガストリン、 ヒスタミン、 ニューロテンシン、 TRH、 パンクレアティック ポリぺプ夕イド、 ガラニン、 リゾホスファチジン酸 (LPA) またはスフインゴ シン 1一リン酸である上記 (36) 記載のリガンドの決定方法、
(38) (i) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質も しくはその塩または上記 (3) 記載の部分ペプチドもしくはその塩と、 リガンド とを接触させた場合と、 (ii) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプ夕一 タンパク質もしくはその塩または上記 (3) 記載の部分ペプチドもしくはその塩 と、 リガンドおよび試験化合物とを接触させた場合との比較を行なうことを特徴 とする上記 (17) 記載のスクリーニング方法、
(39) (0 標識したリガンドを上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセ プタータンパク質もしくはその塩または上記 (3) 記載の部分ペプチドもしくは
その塩に接触させた場合と、 (ii) 標識したリガンドおよび試験化合物を上記 ( 1 ) 記載の Gタンパク質共役型レセプタ一タンパク質もしくはその塩または上記 (3) 記載の部分ペプチドもしくはその塩に接触させた場合における、 標識した リガンドの上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質もしくは その塩または上記 (3) 記載の部分ペプチドもしくはその塩に対する結合量を測 定し、 比較することを特徴とするリガンドと上記 (1) 記載の Gタンパク質共役 型レセプ夕一タンパク質またはその塩との結合性を変化させる化合物またはその 塩のスクリーニング方法、
(40) (i) 標識したリガンドを上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセ プ夕一タンパク質を含有する細胞に接触させた場合と、 (ii) 標識したリガンド および試験化合物を上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質 を含有する細胞に接触させた場合における、 標識したリガンドの該細胞に対する 結合量を測定し、 比較することを特徴とするリガンドと上記 (1) 記載の Gタン パク質共役型レセプタータンパク質またはその塩との結合性を変化させる化合物 またはその塩のスクリーニング方法、
(41) (i) 標識したリガンドを上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセ プタータンパク質を含有する細胞の膜画分に接触させた場合と、 (ii) 標識した リガンドおよび試験化合物を上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプター夕 ンパク質を含有する細胞の膜画分に接触させた場合における、 標識したリガンド の該細胞の膜画分に対する結合量を測定し、 比較することを特徴とするリガンド と上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質またはその塩との 結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(42) (i) 標識したリガンドを上記 (8) 記載の形質転換体を培養するこ とによって該形質転換体の細胞膜に発現した Gタンパク質共役型レセプタータン パク質に接触させた場合と、 (ii) 標識したリガンドおよび試験化合物を上記 ( 8 ) 記載の形質転換体を培養することによつて該形質転換体の細胞膜に発現した Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質に接触させた場合における、 標識した リガンドの該 Gタンパク質共役型レセプタータンパク質に対する結合量を測定し 、 比較することを特徴とするリガンドと上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レ
セプ夕一タンパク質またはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩の スクリーニング方法、
(43) (i) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタ一タンパク質ま たはその塩を活性化する化合物を上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプ夕 一タンパク質を含有する細胞に接触させた場合と、 (ii) 上記 (1) 記載の G夕 ンパク質共役型レセプ夕一タンパク質またはその塩を活性化する化合物および試 験化合物を上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質を含有す る細胞に接触させた場合における、 Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質を 介した細胞刺激活性を測定し、 比較することを特徴とするリガンドと上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質またはその塩との結合性を変化 させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(44) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質またはそ の塩を活性化する化合物を上記 (8) 記載の形質転換体を培養することによって 該形質転換体の細胞膜に発現した Gタンパク質共役型レセプタータンパク質に接 触させた場合と、 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質ま たはその塩を活性化する化合物および試験化合物を上記 (8) 記載の形質転換体 を培養することによつて該形質転換体の細胞膜に発現した Gタンパク質共役型レ セプ夕一タンパク質に接触させた場合における、 Gタンパク質共役型レセプ夕一 夕ンパク質を介する細胞刺激活性を測定し、 比較することを特徴とするリガンド と上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質またはその塩との 結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(45) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質を活性化 する化合物が、 アンギオテンシン、 ボンべシン、 カナピノイド、 コレシストキ二 ン、 グルタミン、 セロトニン、 メラトニン、 ニューロペプチド Y、 ォピオイド、 プリン、 バソプレツシン、 ォキシトシン、 PACAP (例、 PACAP 27, Ρ ACAP 38) 、 セクレチン、 グルカゴン、 カルシ卜ニン、 ァドレノメジユリン 、 ソマトス夕チン、 GHRH、 CRF、 ACTH、 GRP、 PTH、 VI P (バ ソアクティブ インテスティナル ポリペプチド) 、 ソマトス夕チン、 ドーパミ ン、 モチリン、 アミリン、 ブラジキニン、 CGRP (カルシトニンジーンリレ一
ティッドペプチド) 、 ロイコトリェン、 パンクレアスタチン、 プロスタグランジ ン、 トロンポキサン、 アデノシン、 アドレナリン、 ケモカインスーパ一ファミリ 一 (例、 I L— 8, GRO , GROjS, GROァ, NAP— 2, ENA—78 , GCP- 2, PF4, I P— 10, M i g, P B S F/S D F— 1などの CX Cケモカインサブファミリ一; MCAFZMCP— 1, MCP- 2, MCP— 3 , MCP— 4, e o t a x i n, RANTES, MI P— 1 、 M I P- 1 j8, H C C— 1 , M I P - 3 a/LARC, M I P_ 3 β/ELC, 1 - 309, T ARC, MI PF- 1, M I P F- 2/e o t a x i n- 2, MDC, DC— C K 1/PARC, SLCなどの CCケモカインサブファミリー; 1 ym h o t a c t i nなどの Cケモカインサブフアミリ一; f r a c t a 1 k i n eなどの CX 3 Cケモカインサブファミリ一等) 、 エンドセリン、 ェンテロガス卜リン、 ヒスタミン、 ニューロテンシン、 TRH、 パンクレアティックポリぺプ夕イド、 ガラニン、 リゾホスファチジン酸 (LPA) またはスフインゴシン 1—リン酸で ある上記 (43) または (44) 記載のスクリーニング方法、
(46) 上記 (38) 〜 (45) 記載のスクリーニング方法で得られうるリガ ンドと上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質またはその塩 との結合性を変化させる化合物またはその塩、
(47) 上記 (38) 〜上記 (45) 記載のスクリーニング方法で得られうる リガンドと上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質またはそ の塩との結合性を変化させる化合物またはその塩を含有することを特徴とする医 薬、
(48) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタ一タンパク質を含有す る細胞を含有することを特徴とする上記 (18) 記載のスクリーニング用キット (49) 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質を含有す る細胞の膜画分を含有することを特徴とする上記 (18) 記載のスクリーニング 用キット、
(50) 上記 (8) 記載の形質転換体を培養することによって該形質転換体の 細胞膜に発現した Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質を含有することを特
徵とする上記 (18) 記載のスクリーニング用キット、
(51) 上記 (48) 〜 (50) 記載のスクリーニング用キットを用いて得ら れうる、 リガンドと上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質 またはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩、
(52) 上記 (48) 〜 (50) 記載のスクリーニング用キットを用いて得ら れうる、 リガンドと上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質 またはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩を含有することを特徴 とする医薬、
(53) 上記 (10) 記載の抗体と、 上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レ セプタータンパク質もしくは上記 (3) 記載の部分ペプチドまたはその塩とを接 触させることを特徴とする上記 (1) の Gタンパク質共役型レセプタータンパク 質もしくは上記 (3) 記載の部分ペプチドまたはその塩の定量法、
(54) 上記 (10) 記載の抗体と、 被検液および標識化された上記 (1) 記 載の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質もしくは上記 (3) 記載の部分べ プチドまたはその塩とを競合的に反応させ、 該抗体に結合した標識化された上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質もしくは上記 (3) 記載 の部分ペプチドまたはその塩の割合を測定することを特徴とする被検液中の上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質もしくは上記 (3) 記載 の部分ペプチドまたはその塩の定量法、 および
(55) 被検液と担体上に不溶化した上記 (10) 記載の抗体および標識化さ れた上記 (10) 記載の抗体とを同時あるいは連続的に反応させたのち、 不溶化 担体上の標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の上記 (1) 記載の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質もしくは上記 (3) 記載の部分べプチ ドまたはその塩の定量法等を提供する。 図面の簡単な説明
図 1は TGR25の疎水性プロット図である。
図 2は一文字表記による TGR 25のアミノ酸配列を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
本発明の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質 (以下、 レセプタータンパ ク質と略記する場合がある) は、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列 (図 2 ) と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプタータンパク質で ある。
本発明のレセプタータンパク質は、 例えば、 ヒ卜やその他の哺乳動物 (例えば 、 モルモット、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ブ夕、 ヒッジ、 ゥシ、 サルなど) のあ らゆる細胞 (例えば、 脾細胞、 神経細胞、 グリア細胞、 膝臓 ]3細胞、 骨髄細胞、 メサンギゥム細胞、 ランゲルハンス細胞、 表皮細胞、 上皮細胞、 内皮細胞、 繊維 芽細胞、 繊維細胞、 筋細胞、 脂肪細胞、 免疫細胞 (例、 マクロファージ、 T細胞 、 B細胞、 ナチュラルキラー細胞、 肥満細胞、 好中球、 好塩基球、 好酸球、 単球 ) 、 巨核球、 滑膜細胞、 軟骨細胞、 骨細胞、 骨芽細胞、 破骨細胞、 乳腺細胞、 肝 細胞もしくは間質細胞、 またはこれら細胞の前駆細胞、 幹細胞もしくはガン細胞 など) や血球系の細胞、 またはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、 例えば、 脳、 脳の各部位 (例、 嗅球、 扁頭核、 大脳基底球、 海馬、 視床、 視床下部、 視床 下核、 大脳皮質、 延髄、 小脳、 後頭葉、 前頭葉、 側頭葉、 被殻、 尾状核、 脳染、 黒質) 、 脊髄、 下垂体、 胃、 滕臓、 腎臓、 肝臓、 生殖腺、 甲状腺、 胆のう、 骨髄 、 副腎、 皮膚、 筋肉、 肺、 消化管 (例、 大腸、 小腸) 、 血管、 心臓、 胸腺、 脾臓 、 顎下腺、 末梢血、 末梢血球、 前立腺、 睾丸、 精巣、 卵巣、 胎盤、 子宮、 骨、 関 節、 骨格筋などに由来するタンパク質であってもよく、 また合成タンパク質であ つてもよい。
配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては 、 例えば、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と約 5 0 %以上、 好ましくは約 6 0 %以上、 より好ましくは約 7 0 %以上、 さらに好ましくは約 8 0 %以上、 な かでも好ましくは約 9 0 %以上、 最も好ましくは約 9 5 %以上の相同性を有する ァミノ酸配列などが挙げられる。
本発明の配列番号: 1で表さ るアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列 を含有するタンパク質としては、 例えば、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列 と実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列
と実質的に同質の活性を有するタンパク質などが好ましい。
実質的に同質の活性としては、 例えば、 リガンド結合活性、 シグナル情報伝達 作用などが挙げられる。 実質的に同質とは、 それらの活性が性質的に同質である ことを示す。 したがって、 リガンド結合活性やシグナル情報伝達作用などの活性 が同等 (例、 約 0 . 0 1〜1 0 0倍、 好ましくは約 0 . 5〜2 0倍、 より好まし くは約 0 . 5〜2倍) であること力好ましいが、 これらの活性の程度やタンパク 質の分子量などの量的要素は異なっていてもよい。
リガンド結合活性やシグナル情報伝達作用などの活性の測定は、 公知の方法に 準じて行なうことができるが、 例えば、 後に記載するリガンドの決定方法ゃスク リ一二ング方法に従つて測定することができる。
また、 本発明のレセプ夕一タンパク質としては、 ①配列番号: 1で表されるァ ミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜3 0個程度、 より好ましく は 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が欠失した アミノ酸配列、 ②配列番号: 1で表されるアミノ酸配列に 1または 2個以上 (好 ましくは、 1〜3 0個程度、 より好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは 数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、 ③配列番号: 1で表さ れるアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜3 0個程度、 より好 ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が他 のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、 または④それらを組み合わせたアミノ酸 配列を含有するタンパク質なども用いられる。
本明細書におけるレセプタ一タンパク質は、 ペプチド表記の慣例に従って、 左 端が Ν末端 (ァミノ末端) 、 右端が C末端 (力ルポキシル末端) である。 配列番 号: 1で表されるアミノ酸配列を含有するレセプ夕一タンパク質をはじめとする 、 本発明のレセプタータンパク質は、 C末端が力ルポキシル基 (― C O OH) 、 カルポキシレート (—C O O-) 、 アミド (― C O NH 2) またはエステル (一 C O O R) の何れであってもよい。
ここでエステルにおける Rとしては、 例えば、 メチル、 ェチル、 n—プロピル 、 イソプロピルもしくは n—ブチルなどの アルキル基、 例えば、 シクロべ ンチル、 シクロへキシルなどの C 3_8シクロアルキル基、 例えば、 フエニル、
一ナフチルなどの C 6— 1 2ァリール基、 例えば、 ベンジル、 フエネチルなどのフ ェニルー d— 2アルキル基もしくはひ一ナフチルメチルなどの α—ナフチルー C χ― 2アルキル基などの C 7 _ i 4ァラルキル基のほか、 経口用エステルとして汎用 されるピバロィルォキシメチル基などが用いられる。
本発明のレセプ夕一タンパク質が C末端以外にカルボキシル基 (または力ルポ キシレー卜) を有している場合、 カルボキシル基がアミド化またはエステル化さ れているものも本発明のレセプ夕一タンパク質に含まれる。 この場合のエステル としては、 例えば上記した C末端のエステルなどが用いられる。
さらに、 本発明のレセプタータンパク質には、 上記したタンパク質において、 N末端のメチォニン残基のァミノ基が保護基 (例えば、 ホルミル基、 ァセチルな どの C 2 _ 6アルカノィル基などの Cェ _ 6ァシル基など) で保護されているもの、' N端側が生体内で切断され生成したグルタミル基がピ口グルタミン酸化したもの 、 分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基 (例えば、 _ OH、 一 S H、 アミノ基、 ィ ミダゾ一ル基、 インドール基、 グァニジノ基など) が適当な保護基 (例えば、 ホ ルミル基、 ァセチルなどの C 2— 6アルカノィル基などの 6ァシル基など) で 保護されているもの、 あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖タンパク質などの複合 タンパク質なども含まれる。
本発明のレセプタータンパク質の具体例としては、 例えば、 配列番号: 1で表 されるアミノ酸配列を含有するレセプ夕一タンパク質などが用いられる。
本発明のレセプ夕一タンパク質の部分ペプチド (以下、 部分ペプチドと略記す る場合がある) としては、 上記した本発明のレセプ夕一タンパク質の部分べプチ ドであれば何れのものであってもよいが、 例えば、 本発明のレセプ夕一夕ンパク 質分子のうち、 細胞膜の外に露出している部位であって、 実質的に同質のレセプ 夕一結合活性を有するものなどが用いられる。
具体的には、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列を有するレセプ夕一タンパ ク質の部分ペプチドとしては、 疎水性プロット解析において細胞外領域 (親水性 (Hydrophi l ic) 部位) であると分析された部分を含むペプチドである。 また、 疎水性 (Hydrophobic) 部位を一部に含むペプチドも同様に用いることができる 。 個々のドメインを個別に含むペプチドも用い得るが、 複数のドメインを同時に
含む部分のぺプチドでもよい。
本発明の部分ペプチドのアミノ酸の数は、 上記した本発明のレセプ夕一タンパ ク質の構成アミノ酸配列のうち少なくとも 2 0個以上、 好ましくは 5 0個以上、 より好ましくは 1 0 0個以上のアミノ酸配列を有するペプチドなどが好ましい。 ここで、 「実質的に同質のレセプター結合活性」 とは、 上記と同意義を示す。 「実質的に同質のレセプ夕一結合活性」 の測定は上記と同様に行なうことができ る。
また、 本発明の部分ペプチドは、 ①上記アミノ酸配列中の 1または 2個以上 ( 好ましくは、 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸 が欠失し、 ②上記アミノ酸配列に 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜2 0個程 度、 より好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のァ ミノ酸が付加し、 または③上記アミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは 、 1〜1 0個程度、 より好ましくは数個、 さらに好ましくは 1〜5個程度) のァ ミノ酸が他のアミノ酸で置換されていてもよい。
また、 本発明の部分ペプチドは C末端が通常力ルポキシル基 (― C O O H) ま たはカルポキシレート (一 C O O— ) であるが、 上記した本発明のタンパク質と 同様に、 C末端がアミド (一 C O NH 2) またはエステル (一 C O O R) であつ てもよい (Rは上記と同意義を示す) 。 本発明の部分ペプチドが C末端以外に力 ルポキシル基 (またはカルボキシレート) を有している場合、 力ルポキシル基が アミド化またはエステル化されているものも本発明の部分ペプチドに含まれる。 この場合のエステルとしては、 例えば上記したじ末端のエステルなどが用いられ る。
さらに、 本発明の部分ペプチドには、 上記した本発明のレセプ夕一タンパク質 と同様に、 N末端のメチォニン残基のァミノ基が保護基で保護されているもの、 N端側が生体内で切断され生成した G 1 nがピログルタミン酸化したもの、 分子 内のアミノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護基で保護されているもの、 あるいは 糖鎖が結合したいわゆる糖ペプチドなどの複合べプチドなども含まれる。
本発明のレセプ夕一タンパク質またはその部分ペプチドの塩としては、 酸また は塩基との生理学的に許容される塩が挙げられ、 とりわけ生理学的に許容される
酸付加塩が好ましい。 この様な塩としては、 例えば、 無機酸 (例えば、 塩酸、 リ ン酸、 臭化水素酸、 硫酸) との塩、 あるいは有機酸 (例えば、 酢酸、 ギ酸、 プロ ピオン酸、 フマル酸、 マレイン酸、 コハク酸、 酒石酸、 クェン酸、 リンゴ酸、 蓚 酸、 安息香酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸) との塩などが用いられ る。
本発明のレセプ夕一タンパク質またはその塩は、 上記したヒトやその他の哺乳 動物の細胞または組織から公知のレセプ夕一タンパク質の精製方法によって製造 することもできるし、 後に記載する本発明のレセプ夕一タンパク質をコードする D N Aを含有する形質転換体を培養することによつても製造することができる。 また、 後に記載するタンパク質合成法またはこれに準じて製造することもできる ヒトやその他の哺乳動物の組織または細胞から製造する場合、 ヒトやその他の 哺乳動物の組織または細胞をホモジナイズした後、 酸などで抽出を行ない、 得ら れた抽出液を逆相クロマトグラフィー、 イオン交換クロマトグラフィーなどのク 口マトグラフィーを組み合わせることにより精製単離することができる。
本発明のレセプ夕一タンパク質もしくはその部分べプチドまたはその塩または そのアミド体の合成には、 通常市販のタンパク質合成用樹脂を用いることができ る。 そのような樹脂としては、 例えば、 クロロメチル樹脂、 ヒドロキシメチル樹 脂、 ベンズヒドリルァミン樹脂、 アミノメチル樹脂、 4—ベンジルォキシベンジ ルアルコール樹脂、 4—メチルベンズヒドリルァミン樹脂、 P AM樹脂、 4ーヒ ドロキシメチルメチルフエニルァセトアミドメチル樹脂、 ポリアクリルアミド樹 脂、 4一 (2 ' , 4 ' —ジメトキシフエ二ルーヒドロキシメチル) フエノキシ樹 脂、 4一 (2 ' , 4 ' ージメトキシフエ二ル一 Fm o cアミノエチル) フエノキ シ樹脂などを挙げることができる。 このような樹脂を用い、 ひーァミノ基と側鎖 官能基を適当に保護したアミノ酸を、 目的とするタンパク質またはペプチドのァ ミノ酸配列通りに、 公知の各種縮合方法に従い、 樹脂上で縮合させる。 反応の最 後に樹脂からタンパク質を切り出すと同時に各種保護基を除去し、 さらに高希釈 溶夜中で分子内ジスルフィド結合形成反応を実施し、 目的のタンパク質もしくは 部分ペプチドまたはそのアミド体を取得する。
上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、 タンパク質合成に使用できる各種活 性化試薬を用いることができるが、 特に、 カルポジイミド類がよい。 カルポジィ ミド類としては、 D C C、 N, N ' —ジイソプロピルカルポジイミド、 N—ェチ ルー N ' — (3—ジメチルァミノプロリル) カルポジイミドなどが用いられる。 これらによる活性化にはラセミ化抑制添加剤 (例えば、 HO B t、 HO O B t ) とともに保護アミノ酸を直接樹脂に添加するか、 または、 対称酸無水物または H O B tエステルあるいは HO O B tエステルとしてあらかじめ保護アミノ酸の活 性化を行なつた後に樹脂に添加することができる。
保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用いられる溶媒としては、 タンパク質 縮合反応に使用しうることが知られている溶媒から適宜選択されうる。 例えば、 N, N—ジメチルホルムアミド, N, N—ジメチルァセトアミド, N—メチルビ 口リドンなどの酸アミド類、 塩化メチレン, クロ口ホルムなどのハロゲン化炭化 水素類、 トリフルォロエタノールなどのアルコール類、 ジメチルスルホキシドな どのスルホキシド類、 ピリジン, ジォキサン, テ卜ラヒドロフランなどのェ一テ ル類、 ァセトニトリル, プロピオ二トリルなどの二トリル類、 酢酸メチル, 酢酸 ェチルなどのエステル類あるいはこれらの適宜の混合物などが用いられる。 反応 温度はタンパク質結合形成反応に使用され得ることが知られている範囲から適宜 選択され、 通常約— 2 0 °C〜5 0 °Cの範囲から適宜選択される。 活性化されたァ ミノ酸誘導体は通常 1 . 5〜4倍過剰で用いられる。 ニンヒドリン反応を用いた テストの結果、 縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行うことなく縮合反応を 繰り返すことにより十分な縮合を行なうことができる。 反応を繰り返しても十分 な縮合が得られないときには、 無水酢酸またはァセチルイミダゾールを用いて未 反応アミノ酸をァセチル化することができる。
原料のァミノ基の保護基としては、 例えば、 Z、 B o c、 ターシャリーペンチ ルォキシカルポニル、 イソポルニルォキシカルポニル、 4ーメトキシベンジルォ キシカルポニル、 C 1 一 Z、 B r— Z、 ァダマンチルォキシカルボニル、 トリフ ルォロアセチル、 フタロイル、 ホルミル、 2—二トロフエニルスルフエニル、 ジ フエニルホスフィノチオイル、 F m o cなどが用いられる。
力ルポキシル基は、 例えば、 アルキルエステル化 (例えば、 メチル、 ェチル、
プロピル、 ブチル、 夕一シャリーブチル、 シクロペンチル、 シクロへキシル、 シ クロへプチル、 シクロォクチル、 2—ァダマンチルなどの直鎖状、 分枝状もしく は環状アルキルエステル化) 、 ァラルキルエステル化 (例えば、 ベンジルエステ ル、 4 _二卜口べンジルエステル、 4ーメ卜キシベンジルエステル、 4一クロ口 ベンジルエステル、 ベンズヒドリルエステル化) 、 フエナシルエステル化、 ベン ジルォキシカルボニルヒドラジド化、 夕ーシャリーブトキシカルポニルヒドラジ ド化、 トリチルヒドラジド化などによって保護することができる。
セリンの水酸基は、 例えば、 エステル化またはエーテル化によって保護するこ とができる。 このエステル化に適する基としては、 例えば、 ァセチル基などの低 級アルカノィル基、 ベンゾィル基などのァロイル基、 ベンジルォキシカルボニル 基、 エトキシカルポニル基などの炭酸から誘導される基などが用いられる。 また 、 エーテル化に適する基としては、 例えば、 ベンジル基、 テトラヒドロピラニル 基、 t-ブチル基などである。
チロシンのフエノール性水酸基の保護基としては、 例えば、 Bz l、 C 12- Bz l、 2—ニトロベンジル、 B r— Z、 夕ーシャリーブチルなどが用いられる ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、 例えば、 To s、 4—メトキシ -2, 3, 6—卜リメチルベンゼンスルホニル、 DNP、 ベンジルォキシメチル 、 Bum、 Bo c、 T r t、 Fmo cなどが用いられる。
原料の力ルポキシル基の活性化されたものとしては、 例えば、 対応する酸無水 物、 アジド、 活性エステル 〔アルコール (例えば、 ペン夕クロ口フエノール、 2 , 4, 5—トリクロ口フエノール、 2, 4ージニトロフエノール、 シァノメチル アルコール、 パラニトロフエノール、 HONB、 N—ヒドロキシスクシミド、 N —ヒドロキシフタルイミド、 HOB t) とのエステル〕 などが用いられる。 原料 のァミノ基の活性化されたものとしては、 例えば、 対応するリン酸アミドが用い られる。
保護基の除去 (脱離) 方法としては、 例えば、 Pd—黒あるいは Pd—炭素な どの触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、 また、 無水フッ化水素、 メタ ンスルホン酸、 トリフルォロメタンスルホン酸、 トリフルォロ酢酸あるいはこれ
らの混合液などによる酸処理や、 ジイソプロピルェチルァミン、 トリェチルアミ ン、 ピぺリジン、 ピぺラジンなどによる塩基処理、 また液体アンモニア中ナトリ ゥムによる還元なども用いられる。 上記酸処理による脱離反応は、 一般に約一 2 0 °C〜4 0 °Cの温度で行われるが、 酸処理においては、 例えば、 ァニソ一ル、 フ エノ一ル、 チオアニソ一ル、 メタクレゾ一ル、 パラクレゾ一ル、 ジメチルスルフ イド、 1, 4一ブタンジチオール、 1, 2—エタンジチオールなどのようなカチ オン捕捉剤の添加が有効である。 また、 ヒスチジンのイミダゾール保護基として 用いられる 2, 4—ジニトロフエニル基はチォフエノール処理により除去され、 トリブトファンのインドール保護基として用いられるホルミル基は上記の 1 , 2 —エタンジチオール、 1, 4一ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による脱 保護以外に、 希水酸化ナトリウム溶液、 希アンモニアなどによるアルカリ処理に よっても除去される。
原料の反応に関与すべきでない官能基の保護ならびに保護基、 およびその保護 基の脱離、 反応に関与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段から 適宜選択しうる。
タンパク質のアミド体を得る別の方法としては、 例えば、 まず、 力ルポキシ末 端アミノ酸の α—カルボキシル基をアミド化して保護した後、 アミノ基側にぺプ チド (タンパク質) 鎖を所望の鎖長まで延ばした後、 該ペプチド鎖の Ν末端の α ーァミノ基の保護基のみを除いたタンパク質と C末端の力ルポキシル基の保護基 のみを除去したタンパク質とを製造し、 この両タンパク質を上記したような混合 溶媒中で縮合させる。 縮合反応の詳細については上記と同様である。 縮合により 得られた保護タンパク質を精製した後、 上記方法によりすベての保護基を除去し 、 所望の粗タンパク質を得ることができる。 この粗タンパク質は既知の各種精製 手段を駆使して精製し、 主要画分を凍結乾燥することで所望のタンパク質のアミ ド体を得ることができる。
タンパク質のエステル体を得るには、 例えば、 カルポキシ末端アミノ酸のひ一 力ルポキシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルとした後、 タン パク質のアミド体と同様にして、 所望のタンパク質のエステル体を得ることがで きる。
本発明のタンパク質の部分ペプチドまたはその塩は、 公知のペプチドの合成法 に従って、 あるいは本発明のタンパク質を適当なぺプチダーゼで切断することに よって製造することができる。 ペプチドの合成法としては、 例えば、 固相合成法 、 液相合成法のいずれによっても良い。 すなわち、 本発明のタンパク質を構成し 得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、 生成物が保護基を 有する場合は保護基を脱離することにより目的のぺプチドを製造することができ る。 公知の縮合方法や保護基の脱離としては、 例えば、 以下の①〜⑤に記載され た方法が挙げられる。
(DM. Bodanszkyおよび M. A. Ondet t i> ペプチド シンセシス (Pept ide Synth es is) , Intersc ience Publ ishers, New York (1966年)
② Schroederおよび Luebke、 ザペプチド(The Pept ide), Academic Press, New York (1965年)
③泉屋信夫他、 ペプチド合成の基礎と実験、 丸善 (株) (1975年)
④矢島治明 および榊原俊平、 生化学実験講座 1、 タンパク質の化学 IV、 205 、 (1977年)
⑤矢島治明監修、 続医薬品の開発第 14巻ペプチド合成広川書店
また、 反応後は通常の精製法、 例えば、 溶媒抽出 ·蒸留 ·カラムクロマ卜ダラ フィー ·液体クロマトグラフィー ·再結晶などを組み合わせて本発明の部分ぺプ チドを精製単離することができる。 上記方法で得られる部分べプチドが遊離体で ある場合は、 公知の方法によって適当な塩に変換することができるし、 逆に塩で 得られた場合は、 公知の方法によって遊離体に変換することができる。
本発明のレセプタータンパク質をコードするポリヌクレオチドとしては、 上記 した本発明のレセプタータンパク質をコードする塩基配列 (D N Aまたは R NA 、 好ましくは D NA) を含有するものであればいかなるものであってもよい。 ¾ ポリヌクレオチドとしては、 本発明のレセプタータンパク質をコードする D NA 、 mR NA等の R NAであり、 二本鎖であっても、 一本鎖であってもよい。 二本 鎖の場合は、 二本鎖 D NA、 二本鎖 R NAまたは D NA: R NAのハイブリッド でもよい。 一本鎖の場合は、 センス鎖 (すなわち、 コード鎖) であっても、 アン チセンス鎖 (すなわち、 非コード鎖) であってもよい。
本発明のレセプ夕一タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて、 例え ば、 公知の実験医学増刊 「新 PC Rとその応用」 15 (7) 、 1997記載の方 法またはそれに準じた方法により、 本発明のレセプ夕一タンパク質の mRN Aを 定量することができる。 同様に、 本発明のレセプ夕一タンパク質の非翻訳領域の 塩基配列に相補な配列を有するポリヌクレオチドを用いても本発明のレセプ夕一 タンパク質の mRN Aを定量することができる。
本発明のレセプ夕一タンパク質をコードする D N Aおよび本発明のレセプ夕一 タンパク質の非翻訳領域の DNAとしては、 ゲノム DNA、 ゲノム DNAライブ ラリー、 上記した細胞 ·組織由来の cDNA、 上記した細胞 ·組織由来の cDN Aライブラリー、 合成 DNAのいずれでもよい。 ライブラリーに使用するべクタ 一は、 バクテリオファージ、 プラスミド、 コスミド、 ファ一ジミドなどいずれで あってもよい。 また、 上記した細胞 ·組織より t o t a l RNAまたは mRNA 画分を調製したものを用いて直接 Reverse Transcriptase Polymerase Chain Re action (以下、 RT_P CR法と略称する) によって増幅することもできる。 具体的には、 本発明のレセプ夕一タンパク質をコードする DNAとしては、 例 えば、 配列番号: 2で表される塩基配列を含有する DNA、 または配列番号: 2 で表される塩基配列を有する DNAとハイストリンジェン卜な条件下でハイプリ ダイズする DN Aを有し、 本発明のレセプ夕一タンパク質と実質的に同質の活性 (例、 リガンド結合活性、 シグナル情報伝達作用など) を有するレセプタ一タン パク質をコードする DNAであれば何れのものでもよい。
配列番号: 2で表される塩基配列を有する DNAとハイストリンジェントな条 件下でハイブリダィズする DNAとしては、 例えば、 配列番号: 2で表される塩 基配列と約 70%以上、 好ましくは約 80%以上、 より好ましくは約 90%以上 、 さらに好ましくは約 95%以上の相同性を有する塩基配列を含有する DN Aな どが用いられる。
本発明のレセプ夕一タンパク質をコードする DN Aの 5' 端非翻訳領域しては 、 例えば配列番号: 8で表される塩基配列などが、 3' 端非翻訳領域としては、 例えば配列番号: 5で表される塩基配列などが挙げられる。
ハイブリダィゼーシヨンは、 公知の方法あるいはそれに準じる方法、 例えば、
モレキュラー .クロ一ニンタ (Molecular Cloning) 2 nd (J. Sambrook et al. , Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989) に記載の方法などに従って行なうこと ができる。 また、 市販のライブラリーを使用する場合、 添付の使用説明書に記載 の方法に従って行なうことができる。 より好ましくは、 ハイス卜リンジェン卜な 条件に従って行なうことができる。
該ハイストリンジェン卜な条件とは、 例えば、 ナトリウム濃度が約 1 9〜4 0 mM、 好ましくは約 1 9〜 2 0 mMで、 温度が約 5 0〜 7 0 °C、 好ましくは約 6 0〜6 5 °Cの条件を示す。 特に、 ナトリウム濃度が約 1 9 mMで温度が約 6 5 °C の場合が最も好ましい。
より具体的には、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列を含有するレセプ夕一 タンパク質をコードする D NAとしては、 配列番号: 2で表される塩基配列を含 有する DN Aなどが用いられる。
本発明のレセプタータンパク質をコードする D N Aの塩基配列の一部、 または 該 D N Aと相補的な塩基配列の一部を含有してなるポリヌクレオチドとは、 下記 の本発明の部分ペプチドをコードする D NAを包含するだけではなく、 RNAを も包含する意味で用いられる。
本発明に従えば、 Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質遺伝子の複製また は発現を阻害することのできるアンチセンス ·ポリヌクレオチド (核酸) を、 ク ローン化した、 あるいは決定された G夕ンパク質共役型レセプ夕一夕ンパク質を コードする D NAおよびその非翻訳領域の塩基配列情報に基づき設計し、 合成し うる。 そうしたポリヌクレオチド (核酸) は、 Gタンパク質共役型レセプ夕一夕 ンパク質遺伝子およびその非翻訳領域の RN Aとハイプリダイズすることができ 、 該 RNAの合成または機能を阻害することができるか、 あるいは Gタンパク質 共役型レセプ夕一タンパク質関連 RN Aとの相互作用を介して Gタンパク質共役 型レセプ夕一タンパク質遺伝子の発現を調節 ·制御することができる。
Gタンパク質共役型レセプタータンパク質関連 R N Aの選択された配列に相補 的なポリヌクレオチド、 および Gタンパク質共役型レセプタータンパク質関連 R N Aと特異的にハイプリダイズすることができるポリヌクレオチドは、 生体内お よび生体外で Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質遺伝子の発現を調節 ·制
御するのに有用であり、 また病気などの治療または診断に有用である。 用語 「対 応する」 とは、 遺伝子および非翻訳領域を含めたヌクレオチド、 塩基配列または 核酸の特定の配列に相同性を有するあるいは相補的であることを意味する。 ヌク レオチド、 塩基配列または核酸とペプチド (タンパク質) との間で 「対応する」 とは、 ヌクレオチド (核酸) の配列またはその相補体から誘導される指令にある ペプチド (タンパク質) のアミノ酸を通常指している。 Gタンパク質共役型レセ プ夕一タンパク質遺伝子の 5, 端ヘアピンループ、 5, 端 6—べ一スペア ' リピ 一卜、 5 ' 端非翻訳領域、 ポリペプチド翻訳開始コドン、 タンパク質コード領域 、 O R F翻訳終止コドン、 3 ' 端非翻訳領域、 3 ' 端パリンドローム領域、 およ び 3 ' 端ヘアピンループは好ましい対象領域として選択しうるが、 Gタンパク質 共役型レセプ夕一タンパク質遺伝子内の如何なる領域も対象として選択しうる。 目的核酸と、 対象領域の少なくとも一部に相補的なポリヌクレオチドとの関係 は、 対象物とハイブリダィズすることができるポリヌクレオチドとの関係は、 「 アンチセンス」 であるということができる。 アンチセンス ·ポリヌクレオチドは 、 2—デォキシ一 D—リボースを含有しているポリデォキシヌクレオチド、 D— リポースを含有しているポリヌクレオチド、 プリンまたはピリミジン塩基の N— グリコシドであるその他のタイプのポリヌクレオチド、 あるいは非ヌクレオチド 骨格を有するその他のポリマー (例えば、 市販のタンパク質、 核酸および合成配 列特異的な核酸ポリマー) または特殊な結合を含有するその他のポリマー (但し 、 該ポリマ一は D NAや R NA中に見出されるような塩基のペアリングや塩基の 付着を許容する配置をもつヌクレオチドを含有する) などが挙げられる。 それら は、 2本鎖 D NA、 1本鎖 D NA、 2本鎖 R NA、 1本鎖 R NA、 さらに D NA : R NAハイブリッドであることができ、 さらに非修飾ポリヌクレオチド (また は非修飾オリゴヌクレオチド) 、 さらには公知の修飾の付加されたもの、 例えば 当該分野で知られた標識のあるもの、 キャップの付いたもの、 メチル化されたも の、 1個以上の天然のヌクレオチドを類縁物で置換したもの、 分子内ヌクレオチ ド修飾のされたもの、 例えば非荷電結合 (例えば、 メチルホスホネート、 ホスホ トリエステル、 ホスホルアミデート、 力ルバメートなど) を持つもの、 電荷を有 する結合または硫黄含有結合 (例えば、 ホスホロチォェ一ト、 ホスホロジチォェ
一卜など) を持つもの、 例えばタンパク質 (ヌクレアーゼ、 ヌクレア一ゼ'イン ヒビ夕一、 トキシン、 抗体、 シグナルペプチド、 ポリ一 L—リジンなど) や糖 ( 例えば、 モノサッカライドなど) などの側鎖基を有しているもの、 インタ一カレ —ト化合物 (例えば、 ァクリジン、 ゾラレンなど) を持つもの、 キレート化合物 (例えば、 金属、 放射活性をもつ金属、 ホウ素、 酸化性の金属など) を含有する もの、 アルキル化剤を含有するもの、 修飾された結合を持つもの (例えば、 αァ ノマー型の核酸など) であってもよい。 ここで 「ヌクレオシド J 、 「ヌクレオチ ド」 および 「核酸」 とは、 プリンおよびピリミジン塩基を含有するのみでなく、 修飾されたその他の複素環型塩基をもつようなものを含んでいて良い。 こうした 修飾物は、 メチル化されたプリンおよびピリミジン、 ァシル化されたプリンおよ びピリミジン、 あるいはその他の複素環を含むものであってよい。 修飾されたヌ クレオチドおよび修飾されたヌクレオチドはまた糖部分が修飾されていてよく、 例えば、 1個以上の水酸基がハロゲンとか、 脂肪族基などで置換されていたり、 あるいはエーテル、 ァミンなどの官能基に変換されていてよい。
本発明のアンチセンス ·ポリヌクレオチド (核酸) は、 R NA、 D NA、 ある いは修飾された核酸 (R NA、 D NA) である。 修飾された核酸の具体例として は核酸の硫黄誘導体ゃチォホスフェート誘導体、 そしてポリヌクレオシドアミド ゃォリゴヌクレオシドアミドの分解に抵抗性のものが挙げられるが、 それに限定 されるものではない。 本発明のアンチセンス核酸は次のような方針で好ましく設 計されうる。 すなわち、 細胞内でのアンチセンス核酸をより安定なものにする、 アンチセンス核酸の細胞透過性をより高める、 目標とするセンス鎖に対する親和 性をより大きなものにする、 そしてもし毒性があるならァンチセンス核酸の毒性 をより小さなものにする。
こうした修飾は当該分野で数多く知られており、 例えば J. Kawakami et al , Pharm Tech Japan, Vol. 8, pp. 247, 1992 ; Vol. 8, pp. 395, 1992 ; S. T. Cro oke et al. ed. , Ant isense Research and Appl icat ions, CRC Press, 1993 な どに開示がある。
アンチセンス核酸を構成する塩基数は特に限定されない力 通常 5〜3 0個程 度である。
本発明のアンチセンス核酸は、 変化せしめられたり、 修飾された糖、 塩基、 結 合を含有していて良く、 リボゾーム、 ミクロスフエアのような特殊な形態で供与 されたり、 遺伝子治療により適用されたり、 付加された形態で与えられることが できうる。 こうして付加形態で用いられるものとしては、 リン酸基骨格の電荷を 中和するように働くポリリジンのようなポリカチオン体、 細胞膜との相互作用を 高めたり、 核酸の取込みを増大せしめるような脂質 (例えば、 ホスホリピド、 コ レステロールなど) といった粗水性のものが挙げられる。 付加するに好ましい脂 質としては、 コレステロールやその誘導体 (例えば、 コレステリルクロ口ホルメ —卜、 コール酸など) が挙げられる。 こうしたものは、 核酸の 3 ' 端あるいは 5 ' 端に付着させることができ、 塩基、 糖、 分子内ヌクレオシド結合を介して付着 させることができうる。 その他の基としては、 核酸の 3 ' 端あるいは 5 ' 端に特 異的に配置されたキャップ用の基で、 ェキソヌクレアーゼ、 R N a s eなどのヌ クレアーゼによる分解を阻止するためのものが挙げられる。 こうしたキャップ用 の基としては、 ポリエチレングリコール、 テトラエチレンダリコールなどのダリ コールをはじめとした当該分野で知られた水酸基の保護基が挙げられるが、 それ に限定されるものではない。
アンチセンス核酸の阻害活性は、 本発明の形質転換体、 本発明の生体内や生体 外の遺伝子発現系、 あるいは Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質の生体内 や生体外の翻訳系を用いて調べることができる。 該核酸は公知の各種の方法で細 胞に適用できる。
本発明の部分ペプチドをコードする D N Aとしては、 上記した本発明の部分べ プチドをコードする塩基配列を含有するものであればいかなるものであってもよ レ^ また、 ゲノム D NA、 ゲノム D N Aライブラリー、 上記した細胞 ·組織由来 の c D NA、 上記した細胞 ·組織由来の c D NAライブラリー、 合成 D NAのい ずれでもよい。 ライブラリーに使用するべクタ一は、 バクテリオファージ、 ブラ スミド、 コスミド、 ファージミドなどいずれであってもよい。 また、 上記した細 胞 ·組織より mR NA画分を調製したものを用いて直接 Reverse Transcriptase Polymerase Chain React ion (以下、 R T-P C R法と略称する) によって増幅す ることもできる。
具体的には、 本発明の部分ペプチドをコードする DNAとしては、 例えば、 ( 1) 配列番号: 2で表される塩基配列を有する DNAの部分塩基配列を有する D NA、 または (2) 配列番号: 2で表される DNAとハイストリンジェン卜な条 件下でハイブリダィズする DNAを有し、 本発明のタンパク質ペプチドと実質的 に同質の活性 (例、 リガンド結合活性、 シグナル情報伝達作用など) を有する夕 ンパク質をコ一ドする D N Aの部分塩基配列を有する D NAなどが用いられる。 配列番号: 2で表される DNAとハイストリンジェン卜な条件でハイブリダィ ズする DNAとしては、 例えば、 配列番号: 2で表される塩基配列と約 70%以 上、 好ましくは約 80%以上、 より好ましくは約 90%以上、 さらに好ましくは 約 95%以上の相同性を有する塩基配列を含有する DNAなどが用いられる。 本発明のレセプタータンパク質またはその部分ペプチド (以下、 本発明のレセ プタ一タンパク質と略記する場合がある) を完全にコードする DNAのクロ一二 ングの手段としては、 本発明のペプチドをコードする DNAの塩基配列の部分塩 基配列を有する合成 DN Aプライマ一を用いて PC R法によって増幅するか、 ま たは適当なベクターに組み込んだ DN Aを本発明のレセプ夕一タンパク質の一部 あるいは全領域をコードする DNA断片もしくは合成 DNAを用いて標識したも のとのハイブリダィゼーションによつて選別することができる。 ハイブリダィゼ ーシヨンの方法は、 例えば、 モレキユラ一·クロ一ニング (Molecular Cloning ) 2 nd (J. Sambrook et al. , Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989) に記 載の方法などに従って行なうことができる。 また、 市販のライブラリ一を使用す る場合、 添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。
DNAの塩基配列の変換は、 PCRや公知のキット、 例えば、 Mu t anTM -s up e r Exp r e s s Km (宝酒造 (株) ;) 、 Mu t a n™-K (宝 酒造 (株) ) 等を用いて、 ODA—LA PCR法、 Gapp e d dup l ex 法、 Ku n k e 1法等の公知の方法あるいはそれらに準じる方法に従って行なう ことができる。
クローン化されたレセプ夕一タンパク質をコードする DNAは目的によりその まま、 または所望により制限酵素で消化したり、 リンカ一を付加したりして使用 することができる。 該 DNAはその 5' 末端側に翻訳開始コドンとしての ATG
を有し、 また 3' 末端側には翻訳終止コドンとしての TAA、 TGAまたは TA Gを有していてもよい。 これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、 適当な合 成 DN Aアダプターを用いて付加することもできる。
本発明のレセプ夕一タンパク質の発現ベクターは、 例えば、 (ィ) 本発明のレ セプタ一タンパク質をコードする DNAから目的とする DNA断片を切り出し、
(口) 該 DNA断片を適当な発現べクタ一中のプロモー夕一の下流に連結するこ とにより製造することができる。
ベクターとしては、 大腸菌由来のプラスミド (例、 pCR4、 p CR 2. 1、 pBR 322, pBR325、 pUC 12, pUC 13) 、 枯草菌由来のプラス ミド (例、 pUB 1 10、 pTP 5、 pC 194) 、 酵母由来プラスミド (例、 pSH19、 p SH 15) 、 λファージなどのバクテリオファージ、 レトロウイ ルス、 ワクシニアウィルス、 バキュロウィルスなどの動物ウィルスなどの他、 ρ A1 - 11、 pXTl、 pRc/CMV, pRc/RS V, p c DNA I /N e oなどが用いられる。
本発明で用いられるプロモータ一としては、 遺伝子の発現に用いる宿主に対応 して適切なプロモータ一であればいかなるものでもよい。 例えば、 動物細胞を宿 主として用いる場合は、 SR CKプロモーター、 SV40プロモー夕一、 LTRプ 口モーター、 CMVプロモ一夕一、 HSV-TKプロモーターなどが挙げられる これらのうち、 CMVプロモーター、 S R αプロモーターなどを用いるのが好 ましい。 宿主がェシエリヒア属菌である場合は、 t r pプロモータ一、 l acプ 口モーター、 r e cAプロモーター、 APLプロモーター、 I ppプロモ一夕一 などが、 宿主がバチルス属菌である場合は、 SP〇1プロモーター、 SP02プ ロモ—夕—、 p e npプロモーターなど、 宿主が酵母である場合は、 PH05プ 口モーター、 PGKプロモーター、 GAPプロモーター、 ADHプロモーターな どが好ましい。 宿主が昆虫細胞である場合は、 ポリヘドリンプロモーター、 P 1 0プロモータ一などが好ましい。
発現ベクターには、 以上の他に、 所望によりェンハンサー、 スプライシングシ ダナル、 ポリ A付加シグナル、 選択マーカー、 SV40複製オリジン (以下、 S
V40 o r iと略称する場合がある) などを含有しているものを用いることがで きる。 選択マ一力一としては、 例えば、 ジヒドロ葉酸還元酵素 (以下、 dh f r と略称する場合がある) 遺伝子 〔メソトレキセート (MTX) 耐性〕 、 アンピシ リン耐性遺伝子 (以下、 Amp rと略称する場合がある) 、 ネオマイシン耐性遺 伝子 (以下、 Ne ofと略称する場合がある、 G418耐性) 等が挙げられる。 特に、 CHO (dh f r_) 細胞を用いて d li f r遺伝子を選択マ一カーとして 使用する場合、 目的遺伝子をチミジンを含まない培地によっても選択できる。 また、 必要に応じて、 宿主に合ったシグナル配列を、 本発明のレセプ夕一タン パク質の N端末側に付加する。 宿主がェシエリヒア属菌である場合は、 PhoA ·シグナル配列、 OmpA ·シグナル配列などが、 宿主がバチルス属菌である場 合は、 α—アミラーゼ ·シグナル配列、 サブチリシン ·シグナル配列などが、 宿 主が酵母である場合は、 MFa ·シグナル配列、 SUC2 ·シグナル配列など、 宿主が動物細胞である場合には、 インシュリン ·シグナル配列、 ひ一インターフ エロン ·シグナル配列、 抗体分子 ·シグナル配列などがそれぞれ利用できる。 このようにして構築された本発明のレセプタータンパク質をコードする DN A を含有するベクターを用いて、 形質転換体を製造することができる。
宿主としては、 例えば、 ェシエリヒア属菌、 バチルス属菌、 酵母、 昆虫細胞、 昆虫、 動物細胞などが用いられる。
ェシエリヒア属菌の具体例としては、 ェシエリヒア 'コリ (Escherichia col i ) Kl 2 · DH1 〔プロシージングズ.ォブ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー -ォ ブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ ·ユーエスェ一 (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 60巻, 160 (1968)〕 , JM103 〔ヌクイレック 'ァシッズ'リサ一 チ, (Nucleic Acids Research) , 9巻, 309 (1981)〕 , J A221 〔ジ ャ一ナル .ォブ ·モレキュラー ·ノ ィォロジ一 (Journal of Molecular Biology ) 〕 , 120巻, 517 (1978)〕 , ΗΒ 101 〔ジャーナル ·ォブ'モレキ ユラ一 'バイオロジー, 41巻, 459 (1969)〕 , C 600 〔ジエネティッ クス (Genetics) , 39巻, 440 (1954)〕 , DH5 a CInoue, H. , Nojima , Η. and Okayama, Η., Gene, 96, 23-28 (1990)〕 , DH 10 B 〔プロシージングズ · ォブ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ ·ユーェ
スェ一 (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 87巻, 4645— 4649 (199 0)〕 などが用いられる。
バチルス属菌としては、 例えば、 バチルス ·ズブチルス (Bacillus subtilis ) M I 114 〔ジーン, 24巻, 255 (1983)〕 , 207 - 21 〔ジャーナ ル ·ォブ ·バイオケミストリー (Journal of Biochemistry) , 95巻, 87 (1 984)〕 などが用いられる。
酵母としては、 例えば、 サッカロマイセス ·セレビシェ (Saccharomyces cere visiae) AH22, AH22R -, NA87 - 11 A, DKD - 5D、 20B— 12、 シゾサッカロマイセス ·ボンべ (Sdiizosaccharomyces pombe) NCYC 1913, NCYC 2036, ピキア 'パストリス (Pichia pastoris) などが 用いられる。
昆虫細胞としては、 例えば、 ウィルスが Ac NPVの場合は、 夜盗蛾の幼虫由 来株化細胞 (Spodoptera frugiperda cell; S f細胞) 、 Trichoplusia niの中 腸由来の MG1細胞、 Trichoplusia niの卵由来の High Five™細胞、 Mamestra brassicae由来の細胞または Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。 ウイ ルスが BmNP Vの場合は、 カイコ由来株化細胞 (Bombyx mori N; BmN細胞 ) などが用いられる。 該 S f細胞としては、 例えば、 S f 9細胞 (ATCC CRL1711 ) 、 S f 21細胞 (以上、 Vaughn, J.L.ら、 イン ·ヴィポ (In Vivo) , 13, 213- 217, (1977)) などが用いられる。
昆虫としては、 例えば、 カイコの幼虫などが用いられる 〔前田ら、 ネィチヤ一 (Nature) , 315巻, 592 (1985)〕 。
動物細胞としては、 例えば、 サル細胞 COS— 7, Ve ro, チャイニーズハ ムスター細胞 CHO (以下、 CHO細胞と略記) 、 dh f r遺伝子欠損チヤィニ ーズハムスター細胞 CHO (以下、 CHO (dh f r— ) 細胞と略記) 、 マウス L細胞, マウス At T— 20、 マウスミエ口一マ細胞、 ラット GH3、 ヒト FL 細胞などが用いられる。
ェシエリヒア属菌を形質転換するには、 例えば、 プロシ一ジングズ ·ォブ ·ザ •ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイェンジィズ ·ォブ ·ザ ·ユーエスェ一 ( Pro Natl. Acad. Sci. USA) , 69巻, 2110 (1972)やジーン (Gene)
, 17巻, 107 (1982)などに記載の方法に従って行なうことができる。 バチルス属菌を形質転換するには、 例えば、 モレキュラー 'アンド 'ジェネラ ル'ジェネティックス (Molecular & General Genetics) , 168巻, 111 ( 1979)などに記載の方法に従って行なうことができる。
酵母を形質転換するには、 例えば、 メッソズ ·イン 'ェンザィモロジ一 (Meth ods in Enzymology) , 194巻, 182— 187 (1991) 、 プロシージン グズ ·ォブ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ · ユーエスエー (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 75巻, 1929 (1978) などに記載の方法に従って行なうことができる。
昆虫細胞または昆虫を形質転換するには、 例えば、 バイオ/テクノロジー (Bi o/Technology) , 6, 47-55 (1988) などに記載の方法に従って行なうことができ る。
動物細胞を形質転換するには、 例えば、 細胞工学別冊 8新細胞工学実験プロト コール. 263 - 267 (1995) (秀潤社発行) 、 ヴィロロジ一 (Virology ) , 52巻, 456 (1973) に記載の方法に従って行なうことができる。 このようにして、 Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質をコードする DN Aを含有する発現べクタ一で形質転換された形質転換体が得られる。
宿主がェシエリヒア属菌、 バチルス属菌である形質転換体を培養する際、 培養 に使用される培地としては液体培地が適当であり、 その中には該形質転換体の生 育に必要な炭素源、 窒素源、 無機物その他が含有せしめられる。 炭素源としては 、 例えば、 グルコース、 デキストリン、 可溶性澱粉、 ショ糖など、 窒素源として は、 例えば、 アンモニゥム塩類、 硝酸塩類、 コーンスチープ ·リカ一、 ペプトン 、 カゼイン、 肉エキス、 大豆粕、 バレイショ抽出液などの無機または有機物質、 無機物としては、 例えば、 塩化カルシウム、 リン酸二水素ナトリウム、 塩化マグ ネシゥムなどが挙げられる。 また、 酵母エキス、 ビタミン類、 生長促進因子など を添加してもよい。 培地の pHは約 5〜 8が望ましい。
ェシエリヒア属菌を培養する際の培地としては、 例えば、 グルコース、 カザミ ノ酸を含む M 9培地 〔ミラ一 (Miller) , ジャーナル ·ォブ ·ェクスペリメンッ •イン 'モレキュラー ·ジエネティックス (Journal of Experiments in Molecu
lar Genetics) , 431 -433, Cold Spring Harbor Laboratory, New York 1972) が好ましい。 ここに必要によりプロモーターを効率よく働かせるため に、 例えば、 3 β—インドリル アクリル酸のような薬剤を加えることができる 宿主がェシエリヒア属菌の場合、 培養は通常約 15〜 43 °Cで約 3〜 24時間 行ない、 必要により、 通気や撹拌を加えることもできる。
宿主がバチルス属菌の場合、 培養は通常約 30〜 40 °Cで約 6〜 24時間行な レ 必要により通気や撹拌を加えることもできる。
宿主が酵母である形質転換体を培養する際、 培地としては、 例えば、 バークホ —ルダ一 (Burkholder) 最小培地 GBostian, K. L. ら、 「プロシージングズ' ォブ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ ·ュ一ェ スエー (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 77巻, 4505 (1980)〕 や 0. 5 %カザミノ酸を含有する SD培地 〔BUter, G. A. ら、 「プロシージングズ · ォブ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ ·ュ一ェ スェ一 (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 81巻, 5330 (1984) 〕 が挙 げられる。 培地の pHは約 5〜8に調整するのが好ましい。 培養は通常約 20°C 〜35°Cで約 24〜72時間行ない、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換体を培養する際、 培地としては、 Gr ace's Insect Medium (Grace, T.C. C.,ネイチヤー (Nature) , 195, 788 (1962)) に非動化した 10%ゥシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが用いられる。 培 地の pHは約 6. 2〜6. 4に調整するのが好ましい。 培養は通常約 27 °Cで約 3〜5日間行ない、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、 培地としては、 例えば、 約 5 〜20 %の胎児牛血清を含む MEM培地 〔サイエンス (Science) , 122巻, 501 (1952)〕 , DMEM培地 〔ヴイロロジ一 (Virology) , 8巻, 396 (1959)〕 , RPM I 1640培地 〔ジャーナル 'ォブ ·ザ ·アメリカン ' メディカル ·アソシエーション (The Journal of the American Medical Associ ation) 199卷, 519 (1967)〕 , 199培地 〔プロシージング 'ォブ' ザ'ソサイエティ 'フォー 'ザ 'バイオロジカル 'メディスン (Proceeding of
the Society for the Biological Medic ine) , 7 3巻, 1 ( 1 9 5 0 )〕 などが 用いられる。 p Hは約 6 ~ 8であるのが好ましい。 培養は通常約 3 0 °C〜4 0 ^ で約 1 5〜6 0時間行ない、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
以上のようにして、 形質転換体の細胞内、 細胞膜または細胞外に本発明の G夕 ンパク質共役型レセプタータンパク質を生成せしめることができる。
上記培養物から本発明のレセプタータンパク質を分離精製するには、 例えば、 下記の方法により行なうことができる。
本発明のレセプ夕一タンパク質を培養菌体あるいは細胞から抽出するに際して は、 培養後、 公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、 これを適当な緩衝液に懸濁 し、 超音波、 リゾチームおよび Zまたは凍結融解などによって菌体あるいは細胞 を破壊したのち、 遠心分離やろ過によりレセプ夕一タンパク質の粗抽出液を得る 方法などが適宜用いられる。 緩衝液の中に尿素や塩酸グァニジンなどの夕ンパク 質変性剤や、 トリトン X— 1 0 0 TMなどの界面活性剤が含まれていてもよい。 培養液中にレセプ夕一タンパク質が分泌される場合には、 培養終了後、 公知の方 法で菌体あるいは細胞と上清とを分離し、 上清を集める。
このようにして得られた培養上清、 あるいは抽出液中に含まれるレセプ夕一夕 ンパク質の精製は、 公知の分離 ·精製法を適切に組み合わせて行なうことができ る。 これらの公知の分離、 精製法としては、 塩析ゃ溶媒沈澱法などの溶解度を利 用する方法、 透析法、 限外ろ過法、 ゲルろ過法、 および S D S—ポリアクリルァ ミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利用する方法、 イオン交換クロ マトグラフィ一などの荷電の差を利用する方法、 ァフィ二ティーク口マトグラフ ィ一などの特異的新和性を利用する方法、 逆相高速液体クロマ卜グラフィーなど の疎水性の差を利用する方法、 等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方 法などが用いられる。
かくして得られるレセプタ一タンパク質が遊離体で得られた場合には、 公知の 方法あるいはそれに準じる方法によって塩に変換することができ、 逆に塩で得ら れた場合には公知の方法あるいはそれに準じる方法により、 遊離体または他の塩 に変換することができる。
なお、 組換え体が産生するレセプ夕一タンパク質を、 精製前または精製後に適
当なタンパク質修飾酵素を作用させることにより、 任意に修飾を加えたり、 ポリ ペプチドを部分的に除去することもできる。 タンパク質修飾酵素としては、 例え ば、 トリプシン、 キモトリブシン、 アルギニルエンドべプチダーゼ、 プロテイン キナーゼ、 ダリコシダ一ゼなどが用いられる。
かくして生成する本発明のレセプ夕一タンパク質またはその塩の活性は、 標識 したリガンドとの結合実験および特異抗体を用いたェンザィムィムノアツセィな どにより測定することができる。
本発明のレセプ夕一夕ンパク質もしくはその部分ぺプチドまたはその塩に対す る抗体は、 本発明のレセプタ一タンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその 塩を認識し得る抗体であれば、 ポリクロ一ナル抗体、 モノクローナル抗体の何れ であってもよい。
本発明のレセプ夕一タンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩 (以下 、 本発明のレセプタータンパク質等と略記する場合がある) に対する抗体は、 本 発明のレセプ夕一タンパク質等を抗原として用い、 公知の抗体または抗血清の製 造法に従つて製造することができる。
〔モノクローナル抗体の作製〕
( a ) モノクローナル抗体産生細胞の作製
本発明のレセプ夕一タンパク質等は、 哺乳動物に対して投与により抗体産生が 可能な部位にそれ自体あるいは担体、 希釈剤とともに投与される。 投与に際して 抗体産生能を高めるため、 完全フロイントアジュバントや不完全フロイントアジ ュバントを投与してもよい。 投与は通常 2〜 6週毎に 1回ずつ、 計 2〜1 0回程 度行われる。 用いられる哺乳動物としては、 例えば、 サル、 ゥサギ、 ィヌ、 モル モット、 マウス、 ラット、 ヒッジ、 ャギが挙げられるが、 マウスおよびラッ卜が 好ましく用いられる。
モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、 抗原を免疫された温血動物、 例えば、 マウスから抗体価の認められた個体を選択し最終免疫の 2〜 5日後に脾 臓またはリンパ節を採取し、 それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合 させることにより、 モノクローナル抗体産生ハイプリドーマを調製することがで きる。 抗血清中の抗体価の測定は、 例えば、 後記の標識化レセプ夕一タンパク質
等と抗血清とを反応させたのち、 抗体に結合した標識剤の活性を測定することに より行なうことができる。 融合操作は既知の方法、 例えば、 ケ一ラーとミルス夕 インの方法 〔ネィチヤ一 (Nature), 256巻、 495頁 (1975年) 〕 に従 い実施することができる。 融合促進剤としては、 例えば、 ポリエチレングリコー ル (PEG) やセンダイウィルスなどが挙げられるが、 好ましくは PEGが用い られる。
骨髄腫細胞としては、 例えば、 NS— 1、 P3U1、 SP 2/0などが挙げら れるが、 P 3U1が好ましく用いられる。 用いられる抗体産生細胞 (脾臓細胞) 数と骨髄腫細胞数との好ましい比率は 1 : 1〜20 : 1程度であり、 PEG (好 ましくは、 PEG1000〜PEG6000) が 10〜80 %程度の濃度で添加 され、 約 20〜 40 °C、 好ましくは約 30〜 37 °Cで約 1〜 10分間ィンキュベ 一卜することにより効率よく細胞融合を実施できる。
モノク口一ナル抗体産生ハイブリドーマのスクリ一ニングには種々の方法が使 用できるが、 例えば、 レセプタータンパク質等の抗原を直接あるいは担体ととも に吸着させた固相 (例、 マイクロプレート) にハイプリドーマ培養上清を添加し 、 次に放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体 (細胞融合に用い ちれる細胞がマウスの場合、 抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられる) または プロテイン Aを加え、 固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法、 抗免 疫グロプリン抗体またはプロティン Aを吸着させた固相にハイプリド一マ培養上 清を添加し、 放射性物質や酵素などで標識したレセプ夕一タンパク質等を加え、 固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法などが挙げられる。
モノクローナル抗体の選別は、 公知あるいはそれに準じる方法に従って行なう ことができるが、 通常は HAT (ヒポキサンチン、 アミノブテリン、 チミジン) を添加した動物細胞用培地などで行なうことができる。.選別および育種用培地と しては、 ハイプリドーマが生育できるものならばどのような培地を用いても良い 。 例えば、 1〜20%、 好ましくは 10〜20%の牛胎児血清を含む RPMI 1640培地、 1〜 10 %の牛胎児血清を含む G I T培地 (和光純薬工業 (株) ) またはハイブリド一マ培養用無血清培地 (SFM— 101、 日水製薬 (株) ) などを用いることができる。 培養温度は、 通常 20〜40°C、 好ましくは約 37
でである。 培養時間は、 通常 5日〜 3週間、 好ましくは 1週間〜 2週間である。 培養は、 通常 5 %炭酸ガス下で行なうことができる。 ハイプリドーマ培養上清の 抗体価は、 上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
( b ) モノクローナル抗体の精製
モノクローナル抗体の分離精製は、 通常のポリクローナル抗体の分離精製と同 様に免疫グロブリンの分離精製法 〔例、 塩析法、 アルコール沈殿法、 等電点沈殿 法、 電気泳動法、 イオン交換体 (例、 D E AE) による吸脱着法、 超遠心法、 ゲ ルろ過法、 抗原結合固相またはプロティン Aあるいはプロティン Gなどの活性吸 着剤により抗体のみを採取し、 結合を解離させて抗体を得る特異的精製法〕 に従 つて行なうことができる。
〔ポリクローナル抗体の作製〕
本発明のポリクローナル抗体は、 公知あるいはそれに準じる方法にしたがって 製造することができる。 例えば、 免疫抗原 (本発明のタンパク質等の抗原) とキ ャリア一タンパク質との複合体をつくり、 上記のモノクローナル抗体の製造法と 同様に哺乳動物に免疫を行ない、 該免疫動物から本発明のレセプタータンパク質 等に対する抗体含有物を採取して、 抗体の分離精製を行なうことにより製造でき る。
哺乳動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキャリア一タンパク質との複 合体に関し、 キャリアータンパク質の種類およびキャリア一とハプテンとの混合 比は、 キャリアーに架橋させて免疫したハプテンに対して抗体が効率良くできれ ば、 どの様なものをどの様な比率で架橋させてもよいが、 例えば、 ゥシ血清アル ブミン、 ゥシサイログロブリン、 キーホール ·リンペット ·へモシァニン等を重 量比でハプテン 1に対し、 約 0 . 1〜 2 0、 好ましくは約 1〜 5の割合で力プル させる方法が用いられる。
また、 ハプテンとキャリア一の力プリングには、 種々の縮合剤を用いることが できるが、 ダルタルアルデヒドやカルポジイミド、 マレイミド活性エステル、 チ オール基、 ジチオビリジル基を含有する活性エステル試薬等が用いられる。 縮合生成物は、 温血動物に対して、 抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは 担体、 希釈剤とともに投与される。 投与に際して抗体産生能を高めるため、 完全
フロイントアジュバン卜や不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。 投 与は、 通常約 2〜 6週毎に 1回ずつ、 計約 3〜1 0回程度行なうことができる。 ポリクローナル抗体は、 上記の方法で免疫された哺乳動物の血液、 腹水など、 好ましくは血液から採取することができる。
抗血清中のポリクローナル抗体価の測定は、 上記の血清中の抗体価の測定と同 様にして測定できる。 ポリクロ一ナル抗体の分離精製は、 上記のモノクローナル 抗体の分離精製と同様の免疫グロプリンの分離精製法に従って行なうことができ る。
本発明のレセプ夕一タンパク質またはその塩、 その部分ペプチドまたはその塩 、 および該レセプ夕ータンパク質またはその部分ペプチドをコードする D N Aは 、 ( 1 ) 本発明の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質に対するリガンド ( ァゴニスト) の決定、 (2 ) 本発明の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質 の機能不全に関連する疾患の予防および Zまたは治療剤、 (3 ) 遺伝子診断剤、 ( 4 ) 本発明のレセプ夕一タンパク質またはその部分ペプチドの発現量を変化さ せる化合物のスクリーニング方法、 (5 ) 本発明のレセプ夕一タンパク質または その部分ペプチドの発現量を変化させる化合物を含有する各種疾病の予防および /または治療剤、 (6 ) 本発明の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質に対 するリガンドの定量法、 (7 ) 本発明の Gタンパク質共役型レセプタ一タンパク 質とリガンドとの結合性を変化させる化合物 (ァゴ二スト、 アン夕ゴニス卜など ) のスクリーニング方法、 (8 ) 本発明の Gタンパク質共役型レセプタータンパ ク質とリガンドとの結合性を変化させる化合物 (ァゴニス卜、 アン夕ゴニス卜) を含有する各種疾病の予防および Zまたは治療剤、 (9 ) 本発明のレセプ夕一夕 ンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の定量、 (1 0 ) 細胞膜におけ る本発明のレセプタ一タンパク質またはその部分ペプチドの量を変化させる化合 物のスクリーニング方法、 (1 1 ) 細胞膜における本発明のレセプ夕一タンパク 質またはその部分ペプチドの量を変化させる化合物を含有する各種疾病の予防お よび/または治療剤、 (1 2 ) 本発明のレセプ夕一タンパク質もしくはその部分 ペプチドまたはその塩に対する抗体による中和、 (1 3 ) 本発明の Gタンパク質 共役型レセプ夕一タンパク質をコードする D N Aを有する非ヒ卜動物の作製など
に用いることができる。
特に、 本発明の組換え型 Gタンパク質共役型レセプタータンパク質の発現系を 用いたレセプ夕一結合アツセィ系を用いることによって、 ヒ卜や哺乳動物に特異 的な Gタンパク質共役型レセプ夕一に対するリガンドの結合性を変化させる化合 物 (例、 ァゴニスト、 アン夕ゴニストなど) をスクリ一二ングすることができ、 該ァゴ二ストまたはアン夕ゴニストを各種疾病の予防 ·治療剤などとして使用す ることができる。
本発明のレセプタ一タンパク質もしくは部分ペプチドまたはその塩 (以下、 本 発明のレセプ夕一タンパク質等と略記する場合がある) 、 本発明のレセプ夕一夕 ンパク質またはその部分ペプチドをコードする DNA (以下、 本発明の DNAと 略記する場合がある) および本発明のレセプ夕一タンパク質等に対する抗体 (以 下、 本発明の抗体と略記する場合がある) の用途について、 以下に具体的に説明 する。
(1) 本発明の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質に対するリガンド ( ァゴニスト) の決定
本発明のレセプ夕一夕ンパク質もしくはその塩または本発明の部分べプチドも しくはその塩は、 本発明のレセプ夕一タンパク質またはその塩に対するリガンド (ァゴ二スト) を探索し、 または決定するための試薬として有用である。
すなわち、 本発明は、 本発明のレセプタ一タンパク質もしくはその塩または本 発明の部分ペプチドもしくはその塩と、 試験化合物とを接触させることを特徴と する本発明のレセプ夕一夕ンパク質に対するリガンドの決定方法を提供する。 試験化合物としては、 公知のリガンド (例えば、 アンギオテンシン、 ボンべシ ン、 カナピノイド、 コレシス卜キニン、 グルタミン、 セロトニン、 メラ卜ニン、 ニューロペプチド Y、 ォピオイド、 プリン、 バソプレツシン、 ォキシトシン、 Ρ ACAP (例、 PACAP 27, PACAP 38) 、 セクレチン、 グルカゴン、 カルシトニン、 アドレノメジュリン、 ソマトス夕チン、 GHRH、 CRF、 AC TH、 GRP、 PTH、 V I P (バソアクティブ インテスティナル アンド リレイテッド ポリペプチド) 、 ソマトス夕チン、 ドーパミン、 モチリン、 アミ リン、 ブラジキニン、 CGRP (カルシトニンジーンリレーティッドペプチド)
、 ロイコトリェン、 パンクレアスタチン、 プロスタグランジン、 トロンポキサン 、 アデノシン、 アドレナリン、 ケモカインスーパーファミリ一 (例、 I L- 8, GRO a, GRO]3, GROァ, NAP— 2, ENA - 78, GCP— 2, PF 4, I P 1 0, M i g, PBS F/SDF- 1などの CXCケモカインサブフ ァミリ一; MCAF/MCP— 1, MCP - 2, MCP— 3, MCP— 4, e o t a x i n, R ANTES, MI P— 1 α、 MI P - 1 , HCC— l, M I P 一 3 a/LARC、 M I P- 3 β/ELC, 1 - 309, TARC, M I PF— 1, M I PF-2/e o t ax i n-2, MDC, DC— CK l/PARC, S LCなどの CCケモカインサブファミリ一; 1 ymp h o t a c t i nなどの C ケモカインサブファミリー; f r a c t a 1 k i n eなどの CX 3 Cケモカイン サブファミリ一等) 、 エンドセリン、 ェンテロガストリン、 ヒスタミン、 ニュー 口テンシン、 TRH、 パンクレアティックポリぺプ夕イド、 ガラニン、 リゾホス ファチジン酸 (LPA) 、 スフインゴシン 1一リン酸など) の他に、 例えば、 ヒ トまたは哺乳動物 (例えば、 マウス、 ラット、 ブタ、 ゥシ、 ヒッジ、 サルなど) の組織抽出物、 細胞培養上清などが用いられる。 例えば、 該組織抽出物、 細胞培 養上清などを本発明のレセプ夕一タンパク質に添加し、 細胞刺激活性などを測定 しながら分画し、 最終的に単一のリガンドを得ることができる。
具体的には、 本発明のリガンド決定方法は、 本発明のレセプ夕一タンパク質も しくはその部分ペプチドもしくはその塩を用いるか、 または組換え型レセプ夕一 タンパク質の発現系を構築し、 該発現系を用いたレセプ夕一結合アツセィ系を用 いることによって、 本発明のレセプ夕一タンパク質に結合して細胞刺激活性 (例 えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 C a2+遊離、 細胞内 c AMP生成、 細胞内 c GMP生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内タンパク質のリン酸化、 c一 f o s活性化、 pHの低下などを促進する活 性または抑制する活性) を有する化合物 (例えば、 ペプチド、 タンパク質、 非べ プチド性化合物、 合成化合物、 発酵生産物など) またはその塩を決定する方法で ある。
本発明のリガンド決定方法においては、 本発明のレセプタータンパク質または その部分ペプチドと試験化合物とを接触させた場合の、 例えば、 該レセプター夕
ンパク質または該部分べプチドに対する試験化合物の結合量や、 細胞刺激活性な どを測定することを特徴とする。
より具体的には、 本発明は、
①標識した試験化合物を、 本発明のレセプ夕一タンパク質もしくはその塩また は本発明の部分べプチドもしくはその塩に接触させた場合における、 標識した試 験化合物の該夕ンパク質もしくはその塩、 または該部分べプチドもしくはその塩 に対する結合量を測定することを特徴とする本発明のレセプ夕一タンパク質また はその塩に対するリガンドの決定方法、
②標識した試験化合物を、 本発明のレセプ夕一タンパク質を含有する細胞また は該細胞の膜画分に接触させた場合における、 標識した試験化合物の該細胞また は該膜画分に対する結合量を測定することを特徴とする本発明のレセプ夕一タン パク質またはその塩に対するリガンドの決定方法、
③標識した試験化合物を、 本発明のレセプ夕一タンパク質をコードする D NA を含有する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現したレセプ夕一夕 ンパク質に接触させた場合における、 標識した試験化合物の該レセプタータンパ ク質またはその塩に対する結合量を測定することを特徴とする本発明のレセプ夕 —夕ンパク質に対するリガンドの決定方法、
④試験化合物を、 本発明のレセプタータンパク質を含有する細胞に接触させた 場合における、 レセプタータンパク質を介した細胞刺激活性 (例えば、 ァラキド ン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 C a 2 +遊離、 細胞内 c AM P生成、 細 胞内 c GM P生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内タンパク 質のリン酸化、 c一 f o sの活性化、 p Hの低下などを促進する活性または抑制 する活性など) を測定することを特徴とする本発明のレセプタータンパク質また はその塩に対するリガンドの決定方法、 および
⑤試験化合物を、 本発明のレセプ夕一タンパク質をコードする D NAを含有す る形質転換体を培養することによつて細胞膜上に発現したレセプタータンパク質 に接触させた場合における、 レセプタータンパク質を介する細胞刺激活性 (例え ば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 C a 2 +遊離、 細胞内 c A M P生成、 細胞内 c GM P生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細
胞内タンパク質のリン酸化、 c _ f o sの活性化、 p Hの低下などを促進する活 性または抑制する活性など) を測定することを特徴とする本発明のレセプ夕一夕 ンパク質またはその塩に対するリガンドの決定方法を提供する。
特に、 上記①〜③の試験を行ない、 試験化合物が本発明のレセプ夕一タンパク 質に結合することを確認した後に、 上記④〜⑤の試験を行なうことが好ましい。 まず、 リガンド決定方法に用いるレセプタータンパク質としては、 上記した本 発明のレセプタータンパク質または本発明の部分べプチドを含有するものであれ ば何れのものであってもよいが、 動物細胞を用レて大量発現させたレセプタ一夕 ンパク質が適している。
本発明のレセプ夕一タンパク質を製造するには、 上記の発現方法が用いられる 力 該レセプ夕ータンパク質をコードする D NAを哺乳動物細胞や昆虫細胞で発 現することにより行なうことが好ましい。 目的とする夕ンパク質部分をコードす る D NA断片には、 通常、 相補 D NAが用いられるが、 必ずしもこれに制約され るものではない。 例えば、 遺伝子断片や合成 D N Aを用いてもよい。 本発明のレ セプタータンパク質をコードする D NA断片を宿主動物細胞に導入し、 それらを 効率よく発現させるためには、 該 D NA断片を昆虫を宿主とするバキュ口ウィル スに属する核多角体病ウィルス (nuclear polyhedros is virus; N P V) のポリ ヘドリンプロモーター、 S V 4 0由来のプロモータ一、 レトロウイルスのプロモ 一夕一、 メタロチォネィンプロモーター、 ヒ卜ヒートショックプロモータ一、 サ イトメガロウィルスプロモータ一、 S Rひプロモーターなどの下流に組み込むの が好ましい。 発現したレセプ夕一の量と質の検査は公知の方法で行うことができ る。 例えば、 文献 〔Namt)i, P. ら、 ザ'ジャーナル ·ォブ ·バイオロジカル ·ケ ミストリ一 (J. Biol. C em. ) , 2 6 7巻, 1 9 5 5 5〜 1 9 5 5 9頁, 1 9 9 2年〕 に記載の方法に従って行うことができる。
したがって、 本発明のリガンド決定方法において、 本発明のレセプ夕一タンパ ク質もしくはその部分べプチドまたはその塩を含有するものとしては、 公知の方 法に従って精製したレセプタータンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその 塩であってもよいし、 該レセプタータンパク質を含有する細胞またはその細胞膜 画分を用いてもよい。
本発明のリガンド決定方法において、 本発明のレセプ夕一タンパク質を含有す る細胞を用いる場合、 該細胞をグルタルアルデヒド、 ホルマリンなどで固定化し てもよい。 固定化方法は公知の方法に従って行なうことができる。
本発明のレセプ夕一タンパク質を含有する細胞としては、 本発明のレセプ夕一 タンパク質を発現した宿主細胞をいうが、 該宿主細胞としては、 大腸菌、 枯草菌 、 酵母、 昆虫細胞、 動物細胞などが用いられる。
細胞膜画分としては、 細胞を破砕した後、 公知の方法で得られる細胞膜が多く 含まれる画分のことをいう。 細胞の破碎方法としては、 Pot ter—Elvehj em型ホモ ジナイザ一で細胞を押し潰す方法、 ワーリングブレンダーゃポリトロン (Kinema t ica社製) による破砕、 超音波による ¾碎、 フレンチプレスなどで加圧しながら 細胞を細いノズルから噴出させることによる破砕などが挙げられる。 細胞膜の分 画には、 分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠心力による分画法が主と して用いられる。 例えば、 細胞破砕液を低速 (5 0 0 r p m〜3 0 0 0 r p m) で短時間 (通常、 約 1分〜 1 0分) 遠心し、 上清をさらに高速 (1 5 0 0 0 r p m〜3 0 0 0 0 r m) で通常 3 0分〜 2時間遠心し、 得られる沈澱を膜画分と する。 該膜画分中には、 発現したレセプ夕一タンパク質と細胞由来のリン脂質や 膜タンパク質などの膜成分が多く含まれる。
該レセプタ一タンパク質を含有する細胞やその膜画分中のレセプ夕一タンパク 質の量は、 1細胞当たり 1 0 3〜1 0 8分子であるのが好ましく、 1 0 5〜1 0 7 分子であるのが好適である。 なお、 発現量が多いほど膜画分当たりのリガンド結 合活性 (比活性) が高くなり、 高感度なスクリーニング系の構築が可能になるば かりでなく、 同一ロットで大量の試料を測定できるようになる。
本発明のレセプ夕一タンパク質またはその塩に対するリガンドを決定する上記 の①〜③の方法を実施するためには、 適当なレセプ夕一タンパク質画分と、 標識 した試験化合物が必要である。
レセプ夕一タンパク質画分としては、 天然型のレセプタータンパク質画分か、 またはそれと同等の活性を有する組換え型レセプ夕一画分などが望ましい。 ここ で、 同等の活性とは、 同等のリガンド結合活性、 シグナル情報伝達作用などを示 す。
標識した試験化合物としては、 〔3H〕 、 〔125 I〕 、 〔14C〕 、 〔35S〕 な どで標識したアンギオテンシン、 ボンべシン、 カナピノイド、 コレシストキニン 、 グルタミン、 セロトニン、 メラトニン、 ニューロペプチド Y、 ォピオイド、 プ リン、 パソプレツシン、 ォキシトシン、 PACAP (例、 PACAP 27, ΡΑ CAP 38) 、 セクレチン、 グルカゴン、 カルシトニン、 7ドレノメジユリン、 ソマトス夕チン、 GHRH、 CRF、 ACTH、 GRP、 PTH、 V I P (バソ アクティブ インテスティナル アンド リイテッド ポリペプチド) 、 ソマト ス夕チン、 ド一パミン、 モチリン、 アミリン、 ブラジキニン、 CGRP (カルシ 卜ニンジーンリレーティッドペプチド) 、 ロイコトリェン、 パンクレアスタチン 、 プロスタグランジン、 卜ロンポキサン、 アデノシン、 アドレナリン、 ケモカイ ンスーパ一ファミリー (例、 I L_8, GRO K, GRO ]3, GROr , NAP -2, ENA- 78, GCP- 2, P F 4, I P- 10, M i g, PBSF/S DF_ 1などの CXCケモカインサブファミリー; MCAF/MCP— 1, MC P— 2, MCP- 3, MCP-4, e o t ax i n, RANTES, M I P— 1 «、 M I P— 1 , HCC-1, M I P— 3ひ/LARC、 M I P - 3 β/EL C, 1 - 309, TARC, MI PF— 1, MI PF-2/e o t ax i n-2 , MDC, DC-CK 1/PARC, S L Cなどの C Cケモカインサブファミリ 一; 1 ym h o t a c t i nなどの Cケモカインサブフアミリー; f r a c t a 1 k i n eなどの CX 3 Cケモカインサブファミリ一等) 、 エンドセリン、 X ンテロガストリン、 ヒスタミン、 ニューロテンシン、 TRH、 パンクレアティッ クポリぺプタイド、 ガラニン、 リゾホスファチジン酸 (LPA) 、 スフインゴシ ン 1ーリン酸などが好適である。
具体的には、 本発明のレセプタータンパク質またはその塩に対するリガンドの 決定方法を行なうには、 まず本発明のレセプタータンパク質を含有する細胞また は細胞の膜画分を、 決定方法に適したバッファ一に懸濁することによりレセプ夕 一標品を調製する。 バッファ一には、 pH4〜10 (望ましくは pH6〜8) の リン酸バッファー、 トリス一塩酸バッファーなどのリガンドとレセプ夕一夕ンパ ク質との結合を阻害しないバッファーであればいずれでもよい。 また、 非特異的 結合を低減させる目的で、 CHAPS、 Twe e n— 80™ (花王—アトラス社
) 、 ジギトニン、 デォキシコレートなどの界面活性剤ゃゥシ血清アルブミンゃゼ ラチンなどの各種タンパク質をバッファーに加えることもできる。 さらに、 プロ テアーゼによるリセプ夕一やリガンドの分解を抑える目的で P M S F、 ロイぺプ チン、 E— 64 (ペプチド研究所製) 、 ぺプス夕チンなどのプロテア一ゼ阻害剤 を添加することもできる。 0. 0 lm 1〜1 Om 1の該レセプタ一溶液に、 一定 量 (5000 c pm〜500000 c pm) の 〔3H〕 、 〔125 I〕 、 〔14C〕 、 〔35S〕 などで標識した試験化合物を共存させる。 非特異的結合量 (NSB ) を知るために大過剰の未標識の試験化合物を加えた反応チューブも用意する。 反応は約 0°C〜50°C、 望ましくは約 4° (:〜 37 °Cで、 約 20分〜 24時間、 望 ましくは約 30分〜 3時間行なう。 反応後、 ガラス繊維濾紙等で濾過し、 適量の 同バッファーで洗浄した後、 ガラス繊維濾紙に残存する放射活性を液体シンチレ ーシヨンカウンタ一あるいはァ—カウンターで計測する。 全結合量 (B) から非 特異的結合量 (NSB) を引いたカウント (B— NSB) が O c pmを越える試 験化合物を本発明のレセプタータンパク質またはその塩に対するリガンド (ァゴ 二スト) として選択することができる。
本発明のレセプ夕一タンパク質またはその塩に対するリガンドを決定する上記 の④〜⑤の方法を実施するためには、 該レセプ夕一タンパク質を介する細胞刺激 活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 C a2+遊離、 細胞内 cAM P生成、 細胞内 cGMP生成、 イノシ! ルリン酸産生、 細胞膜電 位変動、 細胞内タンパク質のリン酸化、 c— f o sの活性化、 pHの低下などを 促進する活性または抑制する活性など) を公知の方法または市販の測定用キッ卜 を用いて測定することができる。 具体的には、 まず、 レセプタータンパク質を含 有する細胞をマルチウエルプレート等に培養する。 リガンド決定を行なうにあた つては前もって新鮮な培地あるいは細胞に毒性を示さない適当なバッファーに交 換し、 試験化合物などを添加して一定時間インキュベートした後、 細胞を抽出あ るいは上清液を回収して、 生成した産物をそれぞれの方法に従って定量する。 細 胞刺激活性の指標とする物質 (例えば、 ァラキドン酸など) の生成が、 細胞が含 有する分解酵素によつて検定困難な場合は、 該分解酵素に対する阻害剤を添加し てアツセィを行なってもよい。 また、 c AMP産生抑制などの活性については、
フオルスコリンなどで細胞の基礎的産生量を増大させておいた細胞に対する産生 抑制作用として検出することができる。
本発明のレセプ夕一タンパク質またはその塩に結合するリガンド決定用キット は、 本発明のレセプ夕一タンパク質もしくはその塩、 本発明の部分ペプチドもし くはその塩、 本発明のレセプ夕一タンパク質を含有する細胞、 または本発明のレ セプタ一タンパク質を含有する細胞の膜画分などを含有するものである。
本発明のリガンド決定用キッ卜の例としては、 次のものが挙げられる。
1. リガンド決定用試薬
①測定用緩衝液および洗浄用緩衝液
Hanks' Balanced Salt Solution (ギブコ社製) に、 0.05%のゥシ血清アル プミン (シグマ社製) を加えたもの。
孔径 0.45 mのフィル夕一で濾過滅菌し、 4°Cで保存するか、 あるいは用 時調製しても良い。
② Gタンパク質共役型レセプ夕一夕ンパク質標品
本発明のレセプタータンパク質を発現させた CHO細胞を、 12穴プレートに 5 X 105個/穴で継代し、 37°C、 5%C02、 95 % a i rで 2日間培養した もの。
③標識試験化合物
市販の 〔3H〕 、 〔125 I〕 、 〔14C〕 、 〔35 S〕 などで標識した化合物、 ま たは適当な方法で標識化したもの
水溶液の状態のものを 4°Cあるいは一 20°Cにて保存し、 用時に測定用緩衝液 にて 1 Mに希釈する。 水に難溶性を示す試験化合物については、 ジメチルホル ムアミド、 DMSO、 メタノール等に溶解する。
④非標識試験化合物
標識化合物と同じものを 100〜1000倍濃い濃度に調製する。
2. 測定法
① 12穴組織培養用プレートにて培養した本発明のレセプタータンパク質発現 CHO細胞を、 測定用緩衝液 lm 1で 2回洗浄した後、 490 ^ 1の測定用緩衝 液を各穴に加える。
②標識試験化合物を 5 1加え、 室温にて 1時間反応させる。 非特異的結合量 を知るためには非標識試験化合物を 5 n 1加えておく。
③反応液を除去し、 1 m 1の洗浄用緩衝液で 3回洗浄する。 細胞に結合した標 識試験化合物を 0. 2N N aOH- 1 %SDSで溶解し、 4m 1の液体シンチ レーター A (和光純薬製) と混合する。
④液体シンチレーシヨンカウンター (ベックマン社製) を用いて放射活性を測 定する。
本発明のレセプ夕一タンパク質またはその塩に結合することができるリガンド としては、 例えば、 心臓、 肺、 胃、 小腸、 胸腺、 卵巣、 副腎、 白血球、 精巣、 脳 下垂体、 膝臓、 脾臓、 前立腺、 子宮、 網膜、 脂肪細胞、 骨髄、 乳腺などに特異的 に存在する物質などが挙げられ、 具体的には、 アンギオテンシン、 ボンべシン、 カナピノイド、 コレシス卜キニン、 グルタミン、 セロトニン、 メラトニン、 ニュ 一口ペプチド Y、 ォピオイド、 プリン、 バソプレツシン、 ォキシトシン、 PAC ΑΡ (例、 PACAP 27, PACAP 38) 、 セクレチン、 グルカゴン、 カル シトニン、 アドレノメジュリン、 ソマトス夕チン、 GHRH、 CRF、 ACTH 、 GRP、 PTH、 V I P (バソアクティブ インテスティナル アンド リレ ィテッド ポリペプチド) 、 ソマトス夕チン、 ドーパミン、 モチリン、 アミリン 、 ブラジキニン、 CGRP (カルシ卜ニンジーンリレーティッドペプチド) 、 口 ィコトリェン、 パンクレアスタチン、 プロスタグランジン、 トロンポキサン、 ァ デノシン、 アドレナリン、 ケモカインスーパーファミリ一 (例、 I L— 8, GR Oa, GRO ]3, GROr, NAP- 2, ENA— 78, GCP— 2, P F 4, I P— 10, M i g, PBS F/SDF— 1などの CXCケモカインサブフアミ リー; MCAF/MCP— 1, MCP- 2, MCP— 3, MCP - 4, e o t a i n, RANTE S, M I P— 1 «、 MI P— l jS, HCC— 1, MI P— 3 a/LARC、 M I P— 3 ]3/ELC, 1 - 309, TARC, MI PF- 1, M I P F- 2/e o t a x i n- 2, MDC, DC— CKl/PARC, SLC などの CCケモカインサブファミリー; 1 ymp h o t a c t i nなどの Cケモ 力インサブファミリー; f r ac t a 1 k i n eなどの CX 3 Cケモカインサブ ファミリ一等) 、 エンドセリン、 ェンテロガストリン、 ヒスタミン、 ニューロテ
ンシン、 T R H、 パンクレアティックポリぺプ夕イド、 ガラニン、 リゾホスファ チジン酸 (L P A) 、 スフインゴシン 1一リン酸などが用いられる。
( 2 ) 本発明の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質の機能不全に関連す る疾患の予防および Zまたは治療剤
上記 (1 ) の方法において、 本発明のレセプ夕一タンパク質に対するリガンド が明らかになれば、 該リガンドが有する作用に応じて、 ①本発明のレセプ夕一夕 ンパク質または②該レセプタータンパク質をコードする D NAを、 本発明のレセ プタータンパク質の機能不全に関連する疾患の予防および Zまたは治療剤などの 医薬として使用することができる。
例えば、 生体内において本発明のレセプ夕一タンパク質が減少しているために リガンドの生理作用が期待できない (該レセプ夕一タンパク質の欠乏症) 患者が いる場合に、 ①本発明のレセプ夕一タンパク質を該患者に投与し該レセプター夕 ンパク質の量を補充したり、 ② (ィ) 本発明のレセプ夕一タンパク質をコードす る D NAを該患者に投与し発現させることによって、 あるいは (口) 対象となる 細胞に本発明のレセプタータンパク質をコードする D NAを挿入し発現させた後 に、 該細胞を該患者に移植することなどによって、 患者の体内におけるレセプ夕 一夕ンパク質の量を増加させ、 リガンドの作用を充分に発揮させることができる 。 すなわち、 本発明のレセプ夕一タンパク質をコードする D NAは、 安全で低毒 性な本発明のレセプ夕一タンパク質の機能不全に関連する疾患の予防および/ま たは治療剤として有用である。
本発明のレセプ夕一タンパク質は、 Gタンパク質共役型レセプタータンパク質 である H E 6レセプ夕一 (DNA AND CELL BIOLOGY 16 : 379-389, 1997) にァミノ 酸配列レベルで、 約 3 5 %程度の相同性が認められる新規 7回膜貫通型レセプ夕 —タンパク質である。
本発明のレセプ夕一タンパク質または該レセプタータンパク質をコードする D NAは例えば、 中枢疾患 (例えば、 アルツハイマー病、 痴呆、 摂食障害など)、 内 分泌疾患 (例えば、 高血圧症、 性腺機能異常、 甲状腺機能異常、 下垂体機能異常 など)、 代謝疾患 (例えば、 糖尿病、 脂質代謝異常、 高脂血症など)、 癌 (例えば 、 非小細胞肺癌、 卵巣癌、 前立腺癌、 胃癌、 膀胱癌、 乳癌、 子宮頸部癌、 結腸癌
、 直腸癌など) 、 心疾患 (例えば、 狭心症、 心筋梗塞など) 、 呼吸器系疾患 (例 えば、 気道閉塞性疾患、 感染性肺疾患など) 、 消化器系疾患 (例えば、 潰瘍、 ポ リボーシスなど) 、 免疫系疾患 (例えば、 全身性エリテマトーデス、 リウマチ性 疾患など) 、 感染症 (例えば、 免疫機能不全、 肺炎、 インフルエンザなど) など の予防および/または治療に有用である。
本発明のレセプ夕一タンパク質を上記予防 ·治療剤として使用する場合は、 常 套手段に従って製剤化することができる。
一方、 本発明のレセプ夕一タンパク質をコードする D NA (以下、 本発明の D NAと略記する場合がある) を上記予防 ·治療剤として使用する場合は、 本発明 の D NAを単独あるいはレトロウイルスベクター、 アデノウイルスベクター、 ァ デノウィルスァソシエーテッドウィルスベクターなどの適当なべク夕一に挿入し た後、 常套手段に従って実施することができる。 本発明の D NAは、 そのままで 、 あるいは摂取促進のための補助剤とともに、 遺伝子銃やハイド口ゲル力テーテ ルのようなカテ一テルによって投与できる。
例えば、 ①本発明のレセプ夕一タンパク質または②該レセプタータンパク質を コードする D NAは、 必要に応じて糖衣を施した錠剤、 カプセル剤、 エリキシル 剤、 マイクロカプセル剤などとして経口的に、 あるいは水もしくはそれ以外の薬 学的に許容し得る液との無菌性溶液、 または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口 的に使用できる。 例えば、 ①本発明のレセプタータンパク質または②該レセプ夕 一タンパク質をコードする D NAを生理学的に認められる公知の担体、 香味剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などとともに一般に認められた製剤 実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造することができる。 これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な用量が得られるように するものである。
錠剤、 カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、 例えば、 ゼラ チン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性セル ロースのような陚形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのような膨 化剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖またはサッカリ ンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリーのような香味剤な
どが用いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合には、 上記タイプの材料に さらに油脂のような液状担体を含有することができる。 注射のための無菌組成物 は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、 胡麻油、 椰子油などのような天然産 出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方するこ とができる。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩水、 ブドウ糖やその他 の補助薬を含む等張液 (例えば、 D—ソルビトール、 D—マンニトール、 塩化ナ トリウムなど) などが用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例、 エタノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレングリコール、 ポリエチレンダリ コール) 、 非イオン性界面活性剤 (例、 ポリソルべ一ト 80TM、 HCO-50 ) などと併用してもよい。 油性液としては、 例えば、 ゴマ油、 大豆油などが用い られ、 溶解補助剤である安息香酸ベンジル、 ベンジルアルコールなどと併用して もよい。
また、 上記予防 ·治療剤は、 例えば、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢酸 ナトリウム緩衝液) 、 無痛化剤 (例えば、 塩化ベンザルコニゥム、 塩酸プロカイ ンなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒ卜血清アルブミン、 ポリエチレングリコールなど ) 、 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノールなど) 、 酸化防止剤など と配合してもよい。 調製された注射液は通常、 適当なアンプルに充填される。 このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトゃ哺乳 動物 (例えば、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サ ルなど) に対して投与することができる。
本発明のレセプ夕一タンパク質の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与 方法などにより差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 癌患者 (60 kgとして) においては、 一日につき約 0. lmg〜l 0 Omg、 好ましくは約 1. 0〜5 Omg、 より好ましくは約 1. 0〜2 Omgである。 非経口的に投与 する場合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによつ ても異なるが、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 癌患者 (6 O kgとして) においては、 一日につき約 0. 01〜30mg程度、 好ましくは約 0. 1〜20 mg程度、 より好ましくは約 0. 1〜1 Omg程度を静脈注射により投与するの が好都合である。 他の動物の場合も、 60 kg当たりに換算した量を投与するこ
とができる。
本発明の DNAの投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などにより 差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 癌患者 (60kgとして) に おいては、 一日につき約 0. lmg〜 100mg、 好ましくは約 1. 0〜50m g、 より好ましくは約 1. 0〜20mgである。 非経口的に投与する場合は、 そ の 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なるが、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 癌患者 (60kgとして) においては、 一 日につき約 0. 01〜30mg程度、 好ましくは約 0. l〜20mg程度、 より 好ましくは約 0. 1〜1 Omg程度を静脈注射により投与するのが好都合である 。 他の動物の場合も、 6 Okg当たりに換算した量を投与することができる。
(3) 遺伝子診断剤
本発明の DN Aは、 プローブとして使用することにより、 ヒトまたはその他の 哺乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ 、 サルなど) における本発明のレセプタータンパク質またはその部分ペプチドを コードする DNAまたは mRNAの異常 (遺伝子異常) を検出することができる ので、 例えば、 該 DNAまたは mRNAの損傷、 突然変異あるいは発現低下や、 該 DN Aまたは mRN Aの増加あるいは発現過多などの遺伝子診断剤として有用 である。
本発明の DNAを用いる上記の遺伝子診断は、 例えば、 公知のノーザンハイブ リダィゼ一シヨンや P CR— S S CP法 (ゲノミックス (Genomics) , 第 5巻, 874〜879頁 (1989年) 、 プロシ一ジングズ ·ォブ ·ザ ·ナショナル · アカデミー 'ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ユーエスエー (Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America) , 第 86 巻, 2766〜2770頁 (1989年) ) などにより実施することができる。
(4) 本発明のレセプ夕一タンパク質またはその部分ペプチドの発現量を変化 させる化合物のスクリ一二ング方法
本発明の DN Aは、 プローブとして用いることにより、 本発明のレセプター夕 ンパク質またはその部分ペプチドの発現量を変化させる化合物のスクリーニング に用いることができる。
すなわち、 本発明は、 例えば、 (i ) 非ヒト哺乳動物の①血液、 ②特定の臓器 、 ③臓器から単離した組織もしくは細胞、 または (i i) 形質転換体等に含まれる 本発明のレセプ夕一タンパク質またはその部分べプチドの m R N A量を測定する ことによる、 本発明のレセプタータンパク質またはその部分ペプチドの発現量を 変化させる化合物のスクリーニング方法を提供する。
本発明のレセプ夕一タンパク質またはその部分べプチドの m R N A量の測定は 具体的には以下のようにして行なう。
( i ) 正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物 (例えば、 マウス、 ラッ卜、 ゥ サギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど、 より具体的には痴呆ラット 、 肥満マウス、 動脈硬化ゥサギ、 担癌マウスなど) に対して、 薬剤 (例えば、 抗 痴呆薬、 血圧低下薬、 抗癌剤、 抗肥満薬など) あるいは物理的ストレス (例えば 、 浸水ストレス、 電気ショック、 明暗、 低温など) などを与え、 一定時間経過し た後に、 血液、 あるいは特定の臓器 (例えば、 脳、 肺、 大腸など) 、 または臓器 から単離した組織、 あるいは細胞を得る。
得られた細胞に含まれる本発明のレセプ夕一タンパク質またはその部分べプチ ドの mR NAは、 例えば、 通常の方法により細胞等から mR NAを抽出し、 例え ば、 T a q M a n P C Rなどの手法を用いることにより定量することができ、 公 知の手段によりノザンプロットを行うことにより解析することもできる。
(i i) 本発明のレセプ夕一タンパク質もしくはその部分ペプチドを発現する形 質転換体を上記の方法に従い作製し、 該形質転換体に含まれる本発明のレセプ夕
—タンパク質またはその部分べプチドの m R N Aを同様にして定量、 解析するこ とができる。
本発明のレセプタータンパク質またはその部分ペプチドの発現量を変化させる 化合物のスクリーニングは、
( i ) 正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物に対して、 薬剤あるいは物理的 ストレスなどを与える一定時間前 (3 0分前〜 2 4時間前、 好ましくは 3 0分前 〜 1 2時間前、 より好ましくは 1時間前〜 6時間前) もしくは一定時間後 (3 0 分後〜 3日後、 好ましくは 1時間後〜 2日後、 より好ましくは 1時間後〜 2 4時 間後) 、 または薬剤あるいは物理的ストレスと同時に被検化合物を投与し、 投与
後一定時間経過後 (3 0分後〜 3日後、 好ましくは 1時間後〜 2日後、 より好ま しくは 1時間後〜 2 4時間後) 、 細胞に含まれる本発明のレセプ夕一タンパク質 またはその部分べプチドの m R N A量を定量、 解析することにより行なうことが でき、
(i i) 形質転換体を常法に従い培養する際に被検化合物を培地中に混合させ、 —定時間培養後 (1日後〜 7日後、 好ましくは 1日後〜 3日後、 より好ましくは 2日後〜 3日後) 、 該形質転換体に含まれる本発明のレセプタータンパク質また はその部分ペプチドの mR NA量を定量、 解析することにより行なうことができ る。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、 本発明 のレセプ夕一タンパク質またはその部分ペプチドの発現量を変化させる作用を有 する化合物であり、 具体的には、 (ィ) 本発明のレセプ夕一タンパク質またはそ の部分ペプチドの発現量を増加させることにより、 Gタンパク質共役型レセプ夕 一を介する細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細 胞内 C a 2+遊離、 細胞内 c AM P生成、 細胞内 c GM P生成、 イノシトールリン 酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内タンパク質のリン酸化、 C一 f O Sの活性化、 p Hの低下などを促進する活性または抑制する活性など) を増強させる化合物、 (口) 本発明のレセプ夕一タンパク質またはその部分べプチドの発現量を減少さ せることにより、 該細胞刺激活性を減弱させる化合物である。
該化合物としては、 ペプチド、 タンパク質、 非ペプチド性化合物、 合成化合物 、 発酵生産物などが挙げられ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合物であってもよい。
該細胞刺激活性を増強させる化合物は、 本発明のレセプタータンパク質等の生 理活性を増強するための安全で低毒性な医薬として有用である。
該細胞刺激活性を減弱させる化合物は、 本発明のレセプタータンパク質等の生 理活性を減少させるための安全で低毒性な医薬として有用である。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩を医薬組成 物として使用する場合、 常套手段に従って実施することができる。 例えば、 上記 した本発明のレセプ夕一タンパク質を含有する医薬と同様にして、 錠剤、 カプセ
ル剤、 エリキシル剤、 マイクロカプセル剤、 無菌性溶 ^液、 懸濁液剤などとするこ とができる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトやその 他の哺乳動物 (例えば、 ラッ卜、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法など により差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に、 例えば、 癌患者 (60 kgと して) においては、 一日につき約 0. l〜100mg、 好ましくは約 1. 0〜5 0mg、 より好ましくは約 1. 0〜20mgである。 非経口的に投与する場合は 、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なる が、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 癌患者 (60 kgとして) においては 、 一日につき約 0. 01〜3 Omg程度、 好ましくは約 0. l〜20mg程度、 より好ましくは約 0. 1〜1 Omg程度を静脈注射により投与するのが好都合で ある。 他の動物の場合も、 6 O kg当たりに換算した量を投与することができる 。
(5) 本発明のレセプタータンパク質またはその部分ペプチドの発現量を変化 させる化合物を含有する各種疾病の予防および Zまたは治療剤
本発明のレセプタータンパク質は上記のとおり、 例えば、 中枢機能など生体内 で何らかの重要な役割を果たしていると考えられる。 したがって、 本発明のレセ プ夕ータンパク質またはその部分ペプチドの発現量を変化させる化合物は、 本発 明のレセプタータンパク質の機能不全に関連する疾患の予防および/または治療 剤として用いることができる。
該化合物を本発明のレセプター夕ンパク質の機能不全に関連する疾患の予防お よび Zまたは治療剤として使用する場合は、 常套手段に従つて製剤化することが できる。
例えば、 該化合物は、 必要に応じて糖衣を施した錠剤、 カプセル剤、 エリキシ ル剤、 マイクロカプセル剤などとして経口的に、 あるいは水もしくはそれ以外の 薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、 または懸濁液剤などの注射剤の形で非経 口的に使用できる。 例えば、 該化合物を生理学的に認められる公知の担体、 香味
剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などとともに一般に認められた 製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造することができ る。 これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な用量が得られるよ うにするものである。
錠剤、 カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、 例えば、 ゼラ チン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性セル ロースのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのような膨 化剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖またはサッカリ ンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリーのような香味剤な どが用いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合には、 上記タイプの材料に さらに油脂のような液状担体を含有することができる。 注射のための無菌組成物 は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、 胡麻油、 椰子油などのような天然産 出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方するこ とができる。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩水、 ブドウ糖やその他 の補助薬を含む等張液 (例えば、 D—ソルビトール、 D—マンニトール、 塩化ナ トリウムなど) などが用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例、 エタノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレングリコール、 ポリエチレンダリ コール) 、 非イオン性界面活性剤 (例、 ポリソルベート 8 0™、 H C O - 5 0 ) などと併用してもよい。 油性液としては、 例えば、 ゴマ油、 大豆油などが用いら れ、 溶解補助剤である安息香酸ベンジル、 ベンジルアルコールなどと併用しても よい。
また、 上記予防 ·治療剤は、 例えば、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢酸 ナトリウム緩衝液) 、 無痛化剤 (例えば、 塩化ベンザルコニゥム、 塩酸プロカイ ンなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒト血清アルブミン、 ポリエチレングリコールなど ) 、 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノールなど) 、 酸化防止剤など と配合してもよい。 調製された注射液は通常、 適当なアンプルに充填される。 このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトやその 他の哺乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法など により差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 癌患者 (60 kgとし て) においては、 一日につき約 0. 1〜100mg、 好ましくは約 1. 0〜50 mg、 より好ましくは約 1. 0〜20mgである。 非経口的に投与する場合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なるが 、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 癌症患者 (60 kgとして) においては 、 一日につき約 0. 01〜30mg程度、 好ましくは約 0. l〜20mg程度、 より好ましくは約 0. 1〜1 Omg程度を静脈注射により投与するのが好都合で ある。 他の動物の場合も、 60 k g当たりに換算した量を投与することができる
(6) 本発明の Gタンパク質共役型レセプ夕一夕ンパク質に対するリガンドの 本発明のレセプタータンパク質等は、 リガンドに対して結合性を有しているの で、 生体内におけるリガンド濃度を感度良く定量することができる。
本発明の定量法は、 例えば、 競合法と組み合わせることによって用いることが できる。 すなわち、 被検体を本発明のレセプ夕一タンパク質等と接触させること によって被検体中のリガンド濃度を測定することができる。 具体的には、 例えば 、 以下の①または②などに記載の方法あるいはそれに準じる方法に従って用いる ことができる。
①入江寛編 「ラジオィムノアツセィ」 (講談社、 昭和 49年発行)
②入江寛編 「続ラジオイムノアツセィ」 (講談社、 昭和 54年発行)
(7) 本発明の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質とリガンドとの結合 性を変化させる化合物 (ァゴニス卜、 アン夕ゴニス卜など) のスクリーニング方 法
本発明のレセプ夕一タンパク質等を用いるか、 または組換え型レセプタータン パク質等の発現系を構築し、 該発現系を用いたレセプター結合アツセィ系を用い ることによって、 リガンドと本発明のレセプ夕一タンパク質等との結合性を変化 させる化合物 (例えば、 ペプチド、 タンパク質、 非ペプチド性化合物、 合成化合 物、 発酵生産物など) またはその塩を効率よくスクリーニングすることができる
このような化合物には、 (ィ) Gタンパク質共役型レセプ夕一を介して細胞剌 激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 C a 2 +遊離 、 細胞内 c AM P生成、 細胞内 c GM P生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜 電位変動、 細胞内タンパク質のリン酸化、 c一 f o sの活性化、 p Hの低下など を促進する活性または抑制する活性など) を有する化合物 (いわゆる、 本発明の レセプ夕一タンパク質に対するァゴニスト) 、 (口) 該細胞刺激活性を有しない 化合物 (いわゆる、 本発明のレセプタータンパク質に対するアン夕ゴニスト) 、 ひ、) リガンドと本発明の G夕ンパク質共役型レセプ夕一夕ンパク質との結合力 を増強する化合物、 あるいは (二) リガンドと本発明の Gタンパク質共役型レセ プ夕ータンパク質との結合力を減少させる化合物などが含まれる (なお、 上記 ( ィ) の化合物は、 上記したリガンド決定方法によってスクリーニングすることが 好ましい) 。
すなわち、 本発明は、 (i ) 本発明のレセプタ一タンパク質もしくはその部分 ペプチドまたはその塩と、 リガンドとを接触させた場合と (i i) 本発明のレセプ 夕一タンパク質もしくはその部分べプチドまたはその塩と、 リガンドおよび試験 化合物とを接触させた場合との比較を行なうことを特徴とするリガンドと本発明 のレセプ夕一タンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩との結合性を変 化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
本発明のスクリーニング方法においては、 (i ) と (i i) の場合における、 例 えば、 該レセプタータンパク質等に対するリガンドの結合量、 細胞刺激活性など を測定して、 比較することを特徴とする。
より具体的には、 本発明は、
①標識したリガンドを、 本発明のレセプ夕一タンパク質等に接触させた場合と 、 標識したリガンドおよび試験化合物を本発明のレセプタータンパク質等に接触 させた場合における、 標識したリガンドの該レセプタータンパク質等に対する結 合量を測定し、 比較することを特徴とするリガンドと本発明のレセプ夕一夕ンパ ク質等との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
②標識したリガンドを、 本発明のレセプ夕一タンパク質等を含有する細胞また
は該細胞の膜画分に接触させた場合と、 標識したリガンドおよび試験化合物を本 発明のレセプタータンパク質等を含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させ た場合における、 標識したリガンドの該細胞または該膜画分に対する結合量を測 定し、 比較することを特徴とするリガンドと本発明のレセプ夕一夕ンパク質等と の結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
③標識したリガンドを、 本発明の D N Aを含有する形質転換体を培養すること によつて細胞膜上に発現したレセプ夕一夕ンパク質等に接触させた場合と、 標識 したリガンドおよび試験化合物を本発明の D NAを含有する形質転換体を培養す ることによって細胞膜上に発現した本発明のレセプタータンパク質等に接触させ た場合における、 標識したリガンドの該レセプ夕一タンパク質等に対する結合量 を測定し、 比較することを特徴とするリガンドと本発明のレセプター夕ンパク質 等との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
④本発明のレセプタータンパク質等を活性化する化合物 (例えば、 本発明のレ セプ夕一夕ンパク質等に対するリガンドなど) を本発明のレセプタ一タンパク質 等を含有する細胞に接触させた場合と、 本発明のレセプ夕一タンパク質等を活性 化する化合物および試験化合物を本発明のレセプタータンパク質等を含有する細 胞に接触させた場合における、 レセプターを介した細胞刺激活性 (例えば、 ァラ キドン酸遊離、 ァセチルコリン遊離、 細胞内 C a 2 +遊離、 細胞内 c AM P生成 、 細胞内 c GM P生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内タン パク質のリン酸化、 c— f o sの活性化、 p Hの低下などを促進する活性または 抑制する活性など) を測定し、 比較することを特徴とするリガンドと本発明のレ セプ夕一タンパク質等との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリー二 ング方法、 および
⑤本発明のレセプ夕一タンパク質等を活性化する化合物 (例えば、 本発明のレ セプタ一タンパク質等に対するリガンドなど) を本発明の D NAを含有する形質 転換体を培養することによって細胞膜上に発現した本発明のレセプ夕一タンパク 質等に接触させた場合と、 本発明のレセプ夕一タンパク質等を活性化する化合物 および試験化合物を本発明の D NAを含有する形質転換体を培養することによつ て細胞膜上に発現した本発明のレセプタータンパク質等に接触させた場合におけ
る、 レセプ夕一を介する細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 ァセチルコ リン遊離、 細胞内 C a 2+遊離、 細胞内 c AM P生成、 細胞内 c GM P生成、 イノ シトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内タンパク質のリン酸化、 c— f o sの活性化、 p Hの低下などを促進する活性または抑制する活性など) を測定し 、 比較することを特徴とするリガンドと本発明のレセプタータンパク質等との結 合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
本発明のレセプ夕一タンパク質等が得られる以前は、 Gタンパク質共役型レセ プ夕一ァゴニストまたはアン夕ゴニストをスクリーニングする場合、 まずラット などの Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質を含む細胞、 組織またはその細 胞膜画分を用いて候補化合物を得て (一次スクリーニング) 、 その後に該候補化 合物が実際にヒトの Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質とリガンドとの結 合を阻害するか否かを確認する試験 (二次スクリーニング) が必要であった。 細 胞、 組織または細胞膜画分をそのまま用いれば他のレセプ夕一タンパク質も混在 するために、 目的とするレセプタータンパク質に対するァゴニストまたはアン夕 ゴニストを実際にスクリーニングすることは困難であった。
しかしながら、 例えば、 本発明のヒト由来レセプタータンパク質を用いること によって、 一次スクリーニングの必要がなくなり、 リガンドと Gタンパク質共役 型レセプ夕一タンパク質との結合を阻害する化合物を効率良くスクリーニングす ることができる。 さらに、 スクリーニングされた化合物がァゴニス卜かアン夕ゴ ニストかを簡便に評価することができる。
本発明のスクリーニング方法の具体的な説明を以下にする。
まず、 本発明のスクリーニング方法に用いる本発明のレセプ夕一タンパク質等 としては、 上記した本発明のレセプター夕ンパク質等を含有するものであれば何 れのものであってもよいが、 本発明のレセプ夕一タンパク質等を含有する哺乳動 物の臓器の細胞膜画分が好適である。 しかし、 特にヒト由来の臓器は入手が極め て困難なことから、 スクリーニングに用いられるものとしては、 組換え体を用い て大量発現させたヒト由来のレセプ夕一タンパク質等などが適している。
本発明のレセプ夕一夕ンパク質等を製造するには、 上記の方法が用いられるが 、 本発明の D N Aを哺乳細胞や昆虫細胞で発現することにより行なうことが好ま
しい。 目的とするタンパク質部分をコードする D NA断片には相補 D NAが用い られるが、 必ずしもこれに制約されるものではない。 例えば、 遺伝子断片や合成
D NAを用いてもよい。 本発明のレセプタータンパク質をコードする D NA断片 を宿主動物細胞に導入し、 それらを効率よく発現させるためには、 該 D NA断片 を昆虫を宿主とするパキュロウィルスに属する核多角体病ウィルス (nuclear po lyhedros is virus; N P V) のポリヘドリンプロモーター、 S V 4 0由来のプロ モーター、 レトロウイルスのプロモーター、 メタ口チォネインプロモーター、 ヒ トヒートショックプロモーター、 サイトメガロウィルスプロモータ一、 S R aプ 口モーターなどの下流に組み込むのが好ましい。 発現したレセプターの量と質の 検査は公知の方法で行うことができる。 例えば、 文献 〔Nambi, P. ら、 ザ,ジャ —ナル ·ォブ ·バィォロジカル ·ケミストリー (J. Biol. Chem. ) , 267巻, 19555 〜19559頁, 1992年〕 に記載の方法に従って行なうことができる。
したがって、 本発明のスクリーニング方法において、 本発明のレセプ夕一夕ン パク質等を含有するものとしては、 公知の方法に従って精製したレセプ夕一夕ン パク質等であってもよいし、 該レセプ夕ータンパク質等を含有する細胞を用いて もよく、 また該レセプ夕ータンパク質等を含有する細胞の膜画分を用いてもよい 本発明のスクリーニング方法において、 本発明のレセプ夕一タンパク質等を含 有する細胞を用いる場合、 該細胞をダルタルアルデヒド、 ホルマリンなどで固定 化してもよい。 固定化方法は公知の方法に従って行なうことができる。
本発明のレセプ夕一夕ンパク質等を含有する細胞としては、 該レセプタータン パク質等を発現した宿主細胞をいうが、 該宿主細胞としては、 大腸菌、 枯草菌、 酵母、 昆虫細胞、 動物細胞などが好ましい。
細胞膜画分としては、 細胞を破砕した後、 公知の方法で得られる細胞膜が多く 含まれる画分のことをいう。 細胞の破砕方法としては、 Pot ter— Elvehj em型ホモ ジナイザーで細胞を押し潰す方法、 ヮ一リングプレンダ一やポリトロン (Kinema t ica社製) のよる破砕、 超音波による破砕、 フレンチプレスなどで加圧しながら 細胞を細いノズルから噴出させることによる破砕などが挙げられる。 細胞膜の分 画には、 分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠心力による分画法が主と
して用いられる。 例えば、 細胞破砕液を低速 (500 r pm〜3000 r pm) で短時間 (通常、 約 1分〜 10分) 遠心し、 上清をさらに高速 (15000 r p m〜30000 r pm) で通常 30分〜 2時間遠心し、 得られる沈澱を膜画分と する。 該膜画分中には、 発現したレセプタータンパク質等と細胞由来のリン脂質 や膜タンパク質などの膜成分が多く含まれる。
該レセプ夕一タンパク質等を含有する細胞や膜画分中のレセプタータンパク質 の量は、 1細胞当たり 103〜108分子であるのが好ましく、 105〜107分子 であるのが好適である。 なお、 発現量が多いほど膜画分当たりのリガンド結合活 性 (比活性) が高くなり、 高感度なスクリーニング系の構築が可能になるばかり でなく、 同一ロットで大量の試料を測定できるようになる。
リガンドと本発明のレセプタ一タンパク質等との結合性を変化させる化合物を スクリーニングする上記の①〜③を実施するためには、 例えば、 適当なレセプタ 一タンパク質画分と、 標識したリガンドが必要である。
レセプタータンパク質画分としては、 天然型のレセプタータンパク質画分か、 またはそれと同等の活性を有する組換え型レセプ夕一タンパク質画分などが望ま しい。 ここで、 同等の活性とは、 同等のリガンド結合活性、 シグナル情報伝達作 用などを示す。
標識したリガンドとしては、 標識したリガンド、 標識したリガンドアナログ化 合物などが用いられる。 例えば 〔3H〕 、 〔125 I〕 、 〔14C〕 、 〔35S〕 など で標識されたリガンドなどが用いられる。
具体的には、 リガンドと本発明のレセプ夕一タンパク質等との結合性を変化さ せる化合物のスクリーニングを行なうには、 まず本発明のレセプ夕一夕ンパク質 等を含有する細胞または細胞の膜画分を、 スクリーニングに適したバッファーに 懸濁することによりレセプタ一タンパク質標品を調製する。 バッファ一には、 p H4〜10 (望ましくは pH6〜8) のリン酸バッファ一、 トリス—塩酸バッフ ァーなどのリガンドとレセプ夕一夕ンパク質との結合を阻害しないバッファ一で あればいずれでもよい。 また、 非特異的結合を低減させる目的で、 CHAPS、 Twe e n- 80™ (花王—アトラス社) 、 ジギトニン、 デォキシコレートな どの界面活性剤をバッファーに加えることもできる。 さらに、 プロテアーゼによ
るレセプ夕一やリガンドの分解を抑える目的で PMS F、 ロイぺプチン、 E— 6 4 (ペプチド研究所製) 、 ぺプスタチンなどのプロテア一ゼ阻害剤を添加するこ ともできる。 0. 0 lm 1〜1 Om 1の該レセプター溶液に、 一定量 (5000 c pm〜500000 c pm) の標識したリガンドを添加し、 同時に 10— 4M 〜10_1QMの試験化合物を共存させる。 非特異的結合量 (NSB) を知るため に大過剰の未標識のリガンドを加えた反応チューブも用意する。 反応は約 0でか ら 50Τ、 望ましくは約 4°Cから 37°Cで、 約 20分から 24時間、 望ましくは 約 30分から 3時間行う。 反応後、 ガラス繊維濾紙等で濾過し、 適量の同バッフ ァ一で洗浄した後、 ガラス繊維濾紙に残存する放射活性を液体シンチレーション カウンターまたは r—カウン夕一で計測する。 拮抗する物質がない場合のカウン ト (B0) から非特異的結合量 (NSB) を引いたカウント (B。一 NSB) を 100%とした時、 特異的結合量 (B—NSB) が、 例えば、 50%以下になる 試験化合物を拮抗阻害能力のある候補物質として選択することができる。
リガンドと本発明のレセプタータンパク質等との結合性を変化させる化合物ス クリーニングする上記の④〜⑤の方法を実施するためには、 例えば、 レセプター タンパク質を介する細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン 遊離、 細胞内 C a2+遊離、 細胞内 cAM P生成、 細胞内 cGMP生成、 イノシ トールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内タンパク質のリン酸化、 c一 f o s の活性化、 pHの低下などを促進する活性または抑制する活性など) を公知の方 法または市販の測定用キットを用いて測定することができる。
具体的には、 まず、 本発明のレセプ夕一タンパク質等を含有する細胞をマルチ ゥエルプレート等に培養する。 スクリーニングを行なうにあたっては前もって新 鮮な培地あるいは細胞に毒性を示さない適当なバッファーに交換し、 試験化合物 などを添加して一定時間ィンキュベートした後、 細胞を抽出あるいは上清液を回 収して、 生成した産物をそれぞれの方法に従って定量する。 細胞刺激活性の指標 とする物質 (例えば、 ァラキドン酸など) の生成が、 細胞が含有する分解酵素に よつて検定困難な場合は、 該分解酵素に対する阻害剤を添加してァッセィを行な つてもよい。 また、 c AMP産生抑制などの活性については、 フオルスコリンな どで細胞の基礎的産生量を増大させておいた細胞に対する産生抑制作用として検
出することができる。
細胞刺激活性を測定してスクリーニングを行なうには、 適当なレセプ夕一タン パク質を発現した細胞が必要である。 本発明のレセプタータンパク質等を発現し た細胞としては、 天然型の本発明のレセプ夕一タンパク質等を有する細胞株、 上 記の組換え型レセプタ一タンパク質等を発現した細胞株などが望ましい。
試験化合物としては、 例えば、 ペプチド、 タンパク質、 非ペプチド性化合物、 合成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液などが用い られ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合物であっても よい。
リガンドと本発明のレセプ夕一タンパク質等との結合性を変化させる化合物ま たはその塩のスクリーニング用キットは、 本発明のレセプタータンパク質等、 本 発明のレセプ夕一夕ンパク質等を含有する細胞、 または本発明のレセプ夕一夕ン パク質等を含有する細胞の膜画分を含有するものなどである。
本発明のスクリーニング用キッ卜の例としては、 次のものが挙げられる。
1 . スクリーニング用試薬
①測定用緩衝液および洗浄用緩衝液
Hanks' Balanced Sal t Solut ion (ギブコ社製) に、 0. 0 5 %のゥシ血清アル ブミン (シグマ社製) を加えたもの。
孔径 0. 4 5 のフィルターで濾過滅菌し、 4°Cで保存するか、 あるいは用 · 時調製しても良い。
② Gタンパク質共役型レセプ夕ー標品
本発明のレセプ夕一タンパク質を発現させた C HO細胞を、 1 2穴プレートに 5 X 1 05個/穴で継代し、 3 7 ° (、 5 % C〇2、 9 5 % a i rで 2日間培養した もの。
③標識リガンド
市販の 〔3H〕 、 〔1 2 5 I〕 、 〔1 4 C〕 、 〔3 5 S〕 などで標識したリガンド 水溶液の状態のものを 4°Cあるいは— 2 0 °Cにて保存し、 用時に測定用緩衝液 にて 1 に希釈する。
④リガンド標準液
リガンドを 0. 1%ゥシ血清アルブミン (シグマ社製) を含む PBSで ImM となるように溶解し、 —20でで保存する。
2. 測定法
① 12穴組織培養用プレートにて培養した本発明のレセプ夕一タンパク質発現 C HO細胞を、 測定用緩衝液 1 m 1で 2回洗浄した後、 490 / 1の測定用緩衝 液を各穴に加える。
② 10— 3〜10— 1QMの試験化合物溶液を 5 1加えた後、 標識リガンドを 5
1加え、 室温にて 1時間反応させる。 非特異的結合量を知るためには試験化合物 の代わりに 10— 3Mのリガンドを 5 1加えておく。
③反応液を除去し、 1mlの洗浄用緩衝液で 3回洗浄する。 細胞に結合した標 識リガンドを 0.2N NaOH— 1 %SDSで溶解し、 4mlの液体シンチレ 一夕一 A (和光純薬製) と混合する。
④液体シンチレーシヨンカウンター (ベックマン社製) を用いて放射活性を測 定し、 Percent Maximum Binding (PMB) を次の式で求める。
PMB= [ (B-NSB) / (B。一 NSB) ] X 100
PMB: Percent Maximum Binding
B :検体を加えた時の値
NSB: Non-specific Binding (非特異的結合量)
B 0 :最大結合量
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる 化合物またはその塩は、 リガンドと本発明のレセプタータンパク質等との結合性 を変化させる作用を有する化合物であり、 具体的には、 (ィ) Gタンパク質共役 型レセプターを介して細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 ァセチルコリ ン遊離、 細胞内 Ca2+遊離、 細胞内 cAMP生成、 細胞内 cGMP生成、 イノ シトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内タンパク質のリン酸化、 c _ f o sの活性化、 pHの低下などを促進する活性または抑制する活性など) を有する 化合物 (いわゆる、 本発明のレセプタータンパク質に対するァゴニスト) 、 (口 ) 該細胞刺激活性を有しない化合物 (いわゆる、 本発明のレセプタータンパク質 に対するアン夕ゴニスト) 、 ひ ) リガンドと本発明の Gタンパク質共役型レセ
プ夕ータンパク質との結合力を増強する化合物、 あるいは (二) リガンドと本発 明の Gタンパク質共役型レセプタ一タンパク質との結合力を減少させる化合物で ある。
該化合物としては、 ペプチド、 タンパク質、 非ペプチド性化合物、 合成化合物 、 発酵生産物などが挙げられ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合物であってもよい。
本発明のレセプ夕一タンパク質等に対するァゴニストは、 本発明のレセプ夕一 タンパク質等に対するリガンドが有する生理活性と同様の作用を有しているので
、 該リガンド活性に応じて安全で低毒性な医薬として有用である。
本発明のレセプ夕一タンパク質等に対するアン夕ゴニストは、 本発明のレセプ 夕一夕ンパク質等に対するリガンドが有する生理活性を抑制することができるの で、 該リガンド活性を抑制する安全で低毒性な医薬として有用である。
リガンドと本発明の G夕ンパク質共役型レセプ夕一タンパク質との結合力を増 強する化合物は、 本発明のレセプタータンパク質等に対するリガンドが有する生 理活性を増強するための安全で低毒性な医薬として有用である。
リガンドと本発明の G夕ンパク質共役型レセプ夕一タンパク質との結合力を減 少させる化合物は、 本発明のレセプ夕一タンパク質等に対するリガンドが有する 生理活性を減少させるための安全で低毒性な医薬として有用である。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる 化合物またはその塩を上記の医薬組成物として使用する場合、 常套手段に従って 実施することができる。 例えば、 上記した本発明のレセプタータンパク質を含有 する医薬と同様にして、 錠剤、 カプセル剤、 エリキシル剤、 マイクロカプセル剤 、 無菌性溶液、 懸濁液剤などとすることができる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトゃ哺乳 動物 (例えば、 ラット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法など により差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 癌患者 (6 O k gとし て) においては、 一日につき約 0. 1〜1 0 0 m g、 好ましくは約 1 . 0〜5 0
m g、 より好ましくは約 1 . 0〜2 O m gである。 非経口的に投与する場合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なるが 、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 癌患者 (6 O k gとして) においては、 一日につき約 0 . 0 1〜3 O m g程度、 好ましくは約 0 . l〜2 0 m g程度、 よ り好ましくは約 0 . 1〜1 O m g程度を静脈注射により投与するのが好都合であ る。 他の動物の場合も、 6 0 k g当たりに換算した量を投与することができる。
( 8 ) 本発明の Gタンパク質共役型レセプ夕一夕ンパク質とリガンドとの結合 性を変化させる化合物 (ァゴ二スト、 アンタゴニスト) を含有する各種疾病の予 防および Zまたは治療剤
本発明のレセプ夕一タンパク質は上記のとおり、 例えば中枢機能、 循環機能、 消化機能、 心機能など生体内で何らかの重要な役割を果たしていると考えられる 。 従って、 本発明のレセプ夕一タンパク質とリガンドとの結合性を変化させる化 合物 (ァゴ二スト、 アン夕ゴニス卜) や本発明のレセプ夕一タンパク質に対する リガンドは、 本発明のレセプタータンパク質の機能不全に関連する疾患の予防お よびノまたは治療剤として用いることができる。
該化合物やリガンドを本発明のレセプ夕一タンパク質の機能不全に関連する疾 患の予防および/または治療剤として使用する場合は、 常套手段に従って製剤化 することができる。
例えば、 該化合物やリガンドは、 必要に応じて糖衣を施した錠剤、 カプセル剤 、 エリキシル剤、 マイクロカプセル剤などとして経口的に、 あるいは水もしくは それ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、 または懸濁液剤などの注射剤 の形で非経口的に使用できる。 例えば、 該化合物を生理学的に認められる公知の 担体、 香味剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などとともに一般に 認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造する ことができる。 これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な用量が 得られるようにするものである。
錠剤、 カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、 例えば、 ゼラ チン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性セル ロースのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのような膨
化剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖またはサッカリ ンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリーのような香味剤な どが用いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合には、 上記タイプの材料に さらに油脂のような液状担体を含有することができる。 注射のための無菌組成物 は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、 胡麻油、 椰子油などのような天然産 出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方するこ とができる。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩水、 ブドウ糖やその他 の補助薬を含む等張液 (例えば、 D—ソルビトール、 D—マンニトール、 塩化ナ トリウムなど) などが用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例、 エタノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレングリコール、 ポリエチレンダリ コール) 、 非イオン性界面活性剤 (例、 ポリソルベート 8 0 TM、 H C O— 5 0 ) などと併用してもよい。 油性液としては、 例えば、 ゴマ油、 大豆油などが用い られ、 溶解補助剤である安息香酸ベンジル、 ベンジルアルコールなどと併用して もよい。
また、 上記予防 ·治療剤は、 例えば、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢酸 ナトリウム緩衝液) 、 無痛化剤 (例えば、 塩化ベンザルコニゥム、 塩酸プロカイ ンなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒト血清アルブミン、 ポリエチレングリコ一ルなど ) 、 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノールなど) 、 酸化防止剤など と配合してもよい。 調製された注射液は通常、 適当なアンプルに充填される。 さらに、 上記予防 ·治療剤は適当な薬剤と組み合わせて例えば本発明のレセプ 夕一タンパク質が高発現している臓器や組織を特異的なターゲットとした D D S 製剤として使用することもできる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトやその 他の哺乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法など により差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 癌患者 (6 O k gとし て) においては、 一日につき約 0. 1〜1 0 0 m g、 好ましくは約 1 . 0〜5 0 m g、 より好ましくは約 1 . 0〜2 0 m gである。 非経口的に投与する場合は、
その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なるが 、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 癌患者 (6 0 k gとして) においては、 一日につき約 0 . 0 1〜3 O m g程度、 好ましくは約 0 . l〜2 0 m g程度、 よ り好ましくは約 0 . 1〜1 O m g程度を静脈注射により投与するのが好都合であ る。 他の動物の場合も、 6 O k g当たりに換算した量を投与することができる。
( 9 ) 本発明のレセプター夕ンパク質もしくはその部分べプチドまたはその塩 の定量
本発明の抗体は、 本発明のレセプ夕一タンパク質等を特異的に認識することが できるので、 被検液中の本発明のレセプ夕一タンパク質等の定量、 特にサンドィ ツチ免疫測定法による定量などに使用することができる。 すなわち、 本発明は、 例えば、
( i ) 本発明の抗体と、 被検液および標識化レセプタータンパク質等とを競合 的に反応させ、 該抗体に結合した標識化レセプタータンパク質等の割合を測定す ることを特徴とする被検液中の本発明のレセプ夕一タンパク質等の定量法、
(i i) 被検液と担体上に不溶化した本発明の抗体および標識化された本発明の 抗体とを同時あるいは連続的に反応させたのち、 不溶化担体上の標識剤の活性を 測定することを特徴とする被検液中の本発明のレセプ夕一タンパク質等の定量法 を提供する。
上記 (i i) においては、 一方の抗体が本発明のレセプタータンパク質等の N端 部を認識する抗体で、 他方の抗体が本発明のレセプタータンパク質等の C端部に 反応する抗体であることが好ましい。
. 本発明のレセプ夕一タンパク質等に対するモノクローナル抗体 (以下、 本発明 のモノクローナル抗体と称する場合がある) を用いて本発明のレセプ夕一タンパ ク質等の測定を行なえるほか、 組織染色等による検出を行なうこともできる。 こ れらの目的には、 抗体分子そのものを用いてもよく、 また、 抗体分子の F ( a b ' ) 2、 F a b '、 あるいは F a b画分を用いてもよい。 本発明のレセプ夕一タンパ ク質等に対する抗体を用いる測定法は、 特に制限されるべきものではなく、 被測 定液中の抗原量 (例えば、 レセプタータンパク質量) に対応した抗体、 抗原もし くは抗体一抗原複合体の量を化学的または物理的手段により検出し、 これを既知
量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算出する測定法であれば、 いずれの測定法を用いてもよい。 例えば、 ネフロメトリー、 競合法、 ィムノメト リック法およびサンドイッチ法が好適に用いられるが、 感度、 特異性の点で、 後 に記載するサンドイッチ法を用いるのが特に好ましい。
標識物質を用いる測定法に用いられる標識剤としては、 例えば、 放射性同位元 素、 酵素、 蛍光物質、 発光物質などが用いられる。 放射性同位元素としては、 例 えば、 〔1 2 5 I〕 、 〔1 3 1 I〕 、 〔3 H〕 、 〔1 4 C〕 などが用いられる。 上記酵 素としては、 安定で比活性の大きなものが好ましく、 例えば、 /3—ガラクトシダ —ゼ、 ]3—ダルコシダーゼ、 アルカリフォスファターゼ、 パ一ォキシダ一ゼ、 リ ンゴ酸脱水素酵素などが用いられる。 蛍光物質としては、 例えば、 フルォレス力 ミン、 フルォレツセンイソチオシァネートなどが用いられる。 発光物質としては 、 例えば、 ルミノール、 ルミノール誘導体、 ルシフェリン、 ルシゲニンなどが用 いられる。 さらに、 抗体あるいは抗原と標識剤との結合にピオチン—アビジン系 を用いることもできる。
抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、 物理吸着を用いてもよく、 また通常、 タンパク質あるいは酵素等を不溶化、 固定化するのに用いられる化学結合を用い る方法でもよい。 担体としては、 例えば、 ァガロース、 デキストラン、 セル口一 スなどの不溶性多糖類、 ポリスチレン、 ポリアクリルアミド、 シリコン等の合成 樹脂、 あるいはガラス等が用いられる。
サンドィツチ法においては不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検液を 反応させ (1次反応) 、 さらに標識化した本発明のモノクローナル抗体を反応さ せ (2次反応) た後、 不溶化担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液 中の本発明のレセプ夕一夕ンパク質量を定量することができる。 1次反応と 2次 反応は逆の順序に行なっても、 また、 同時に行なってもよいし時間をずらして行 なってもよい。 標識化剤および不溶化の方法は上記のそれらに準じることができ る。
また、 サンドイッチ法による免疫測定法において、 固相用抗体あるいは標識用 抗体に用いられる抗体は必ずしも 1種類である必要はなく、 測定感度を向上させ る等の目的で 2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。
本発明のサンドィツチ法によるレセプ夕一タンパク質等の測定法においては、 1次反応と 2次反応に用いられる本発明のモノクローナル抗体はレセプ夕一夕ン パク質等の結合する部位が相異なる抗体が好ましく用いられる。 すなわち、 1次 反応および 2次反応に用いられる抗体は、 例えば、 2次反応で用いられる抗体が 、 レセプタータンパク質の C端部を認識する場合、 1次反応で用いられる抗体は 、 好ましくは C端部以外、 例えば N端部を認識する抗体が用いられる。
本発明のモノクロ一ナル抗体をサンドィツチ法以外の測定システム、 例えば、 競合法、 ィムノメトリック法あるいはネフロメトリーなどに用いることができる 。 競合法では、 被検液中の抗原と標識抗原とを抗体に対して競合的に反応させた のち、 未反応の標識抗原と(F) と抗体と結合した標識抗原 (B) とを分離し ( BZF分離) 、 B, Fいずれかの標識量を測定し、 被検液中の抗原量を定量する 。 本反応法には、 抗体として可溶性抗体を用い、 BZF分離をポリエチレンダリ コール、 上記抗体に対する第 2抗体などを用いる液相法、 および、 第 1抗体とし て固相化抗体を用いるか、 あるいは、 第 1抗体は可溶性のものを用い第 2抗体と して固相化抗体を用いる固相化法とが用いられる。
ィムノメトリック法では、 被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化抗 体に対して競合反応させた後固相と液相を分離する力、 あるいは、 被検液中の抗 原と過剰量の標識化抗体とを反応させ、 次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗 体を固相に結合させたのち、 固相と液相を分離する。 次に、 いずれかの相の標識 量を測定し被検液中の抗原量を定量する。
また、 ネフロメトリーでは、 ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の結果、 生 じた不溶性の沈降物の量を測定する。 被検液中の抗原量が僅かであり、 少量の沈 降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレーザーネフロメトリー などが好適に用いられる。
これら個々の免疫学的測定法を本発明の測定方法に適用するにあたっては、 特 別の条件、 操作等の設定は必要とされない。 それぞれの方法における通常の条件 、 操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発明のレセプタータンパク質ま たはその塩の測定系を構築すればよい。 これらの一般的な技術手段の詳細につい ては、 総説、 成書などを参照することができる 〔例えば、 入江 寛編 「ラジオィ
ムノアツセィ」 (講談社、 昭和 4 9年発行) 、 入江 寛編 「続ラジオィムノアツ セィ」 (講談社、 昭和 5 4年発行) 、 石川栄治ら編 「酵素免疫測定法」 (医学書 院、 昭和 5 3年発行) 、 石川栄治ら編 「酵素免疫測定法」 (第 2版) (医学書院 、 昭和 5 7年発行) 、 石川栄治ら編 「酵素免疫測定法」 (第 3版) (医学書院、 昭和 6 2年発行) 、 「メソッズ ·イン 'ェンジモノジー (Methods in ENZYMOLOG Y) 」 Vol. 70 (I顧翻 chemical Tec ni ues (Part A) )、 同書 Vol. 73 (Immunoche mical Teclmidues (Part B) )、 同書 Vol. 74 (Immunocheinical Techniaues (Part C) )、 同書 Vol. 84 (Immunochemical Techniaues (Part D : Selected Immunoassay s) )、 同書 Vol. 92 (I匪勤 chemical Techniaues (Part E:Monoclonal Ant ibodie s and General Immunoassay Methods) ) ^ 同書 Vol. 121 (I讓漏 chemical Techn iaues (Part I: Hybridoma Technology and Monoclonal Ant ibodies) ) (以上、 ァカ デミックプレス社発行)など参照〕 。
以上のように、 本発明の抗体を用いることによって、 本発明のレセプタータン パク質またはその塩を感度良く定量することができる。
さらに、 本発明の抗体を用いて、 生体内での本発明のレセプタータンパク質ま たその塩を定量することによって、 本発明のレセプ夕一タンパク質の機能不全に 関連する各種疾患の診断をすることができる。
また、 本発明の抗体は、 体液や組織などの被検体中に存在する本発明のレセプ 夕一タンパク質等を特異的に検出するために使用することができる。 また、 本発 明のレセプ夕一タンパク質等を精製するために使用する抗体カラムの作製、 精製 時の各分画中の本発明のレセプ夕一タンパク質等の検出、 被検細胞内における本 発明のレセプ夕一タンパク質の挙動の分析などのために使用することができる。
( 1 0 ) 細胞膜における本発明のレセプ夕一タンパク質またはその部分べプチ ドの量を変化させる化合物のスクリーニング方法
本発明の抗体は、 本発明のレセプ夕一タンパク質もしくはその部分ペプチドま たはその塩を特異的に認識することができるので、 細胞膜における本発明のレセ プ夕一夕ンパク質またはその部分べプチドの量を変化させる化合物のスクリ一二 ングに用いることができる。
すなわち本発明は、 例えば、
( i ) 非ヒト哺乳動物の①血液、 ②特定の臓器、 ③臓器から単離した組織もし くは細胞等を破壊した後、 細胞膜画分を単離し、 細胞膜画分に含まれる本発明の レセプタ—タンパク質またはその部分べプチドを定量することによる、 細胞膜に おける本発明のレセプ夕一夕ンパク質またはその部分べプチドの量を変化させる 化合物のスクリーニング方法、
(i i) 本発明のレセプタータンパク質もしくはその部分ペプチドを発現する形 質転換体等を破壊した後、 細胞膜画分を単離し、 細胞膜画分に含まれる本発明の レセプタ一タンパク質またはその部分ペプチドを定量することによる、 細胞膜に おける本発明のレセプタータンパク質またはその部分ペプチドの量を変化させる 化合物のスクリーニング方法、
(i i i) 非ヒト哺乳動物の①血液、 ②特定の臓器、 ③臓器から単離した組織も しくは細胞等を切片とした後、 免疫染色法を用いることにより、 細胞表層での該 レセプタータンパク質の染色度合いを定量化することにより、 細胞膜上の該タン パク質を確認することによる、 細胞膜における本発明のレセプ夕一タンパク質ま たはその部分ペプチドの量を変化させる化合物のスクリーニング方法を提供する
(iv) 本発明のレセプ夕一タンパク質もしくはその部分べプチドを発現する形 質転換体等を切片とした後、 免疫染色法を用いることにより、 細胞表層での該レ セプ夕一タンパク質の染色度合いを定量化することにより、 細胞膜上の該タンパ ク質を確認することによる、 細胞膜における本発明のレセプタ一タンパク質また はその部分ペプチドの量を変化させる化合物のスクリーニング方法を提供する。 細胞膜画分に含まれる本発明のレセプ夕一タンパク質またはその部分ペプチド の定量は具体的には以下のようにして行なう。
( i ) 正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物 (例えば、 マウス、 ラット、 ゥ サギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど、 より具体的には痴呆ラット 、 肥満マウス、 動脈硬化ゥサギ、 担癌マウスなど) に対して、 薬剤 (例えば、 抗 痴呆薬、 血圧低下薬、 抗癌剤、 抗肥満薬など) あるいは物理的ストレス (例えば 、 浸水ストレス、 電気ショック、 明暗、 低温など) などを与え、 一定時間経過し た後に、 血液、 あるいは特定の臓器 (例えば、 脳、 肺、 大腸など) 、 または臓器
から単離した組織、 あるいは細胞を得る。 得られた臓器、 組織または細胞等を、 例えば、 適当な緩衝液 (例えば、 卜リス塩酸緩衝液、 リン酸緩衝液、 へぺス緩衝 液など) 等に懸濁し、 臓器、 組織あるいは細胞を破壊し、 界面活性剤 (例えば、 トリトン X I 0 0™、 ツイーン 2 0 TMなど) などを用い、 さらに遠心分離ゃ濾 過、 カラム分画などの手法を用いて細胞膜画分を得る。
細胞膜画分としては、 細胞を破砕した後、 公知の方法で得られる細胞膜が多く 含まれる画分のことをいう。 細胞の破碎方法としては、 Pot ter— Elvehj em型ホモ ジナイザーで細胞を押し潰す方法、 ワーリンダブレンダーゃポリトロン (Kinema t ica社製) のよる破砕、 超音波による破碎、 フレンチプレスなどで加圧しながら 細胞を細いノズルから噴出させることによる破碎などが挙げられる。 細胞膜の分 画には、 分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠心力による分画法が主と して用いられる。 例えば、 細胞破砕液を低速 (5 0 0 r p m〜3 0 0 0 r pm) で短時間 (通常、 約 1分〜 1 0分) 遠心し、 上清をさらに高速 (1 5 0 0 0 r p m〜3 0 0 0 0 r pm) で通常 3 0分〜 2時間遠心し、 得られる沈澱を膜画分と する。 該膜画分中には、 発現したレセプ夕一タンパク質等と細胞由来のリン脂質 や膜タンパク質などの膜成分が多く含まれる。
細胞膜画分に含まれる本発明のレセプ夕一タンパク質またはその部分べプチド は、 例えば、 本発明の抗体を用いたサンドイッチ免疫測定法、 ウエスタンブロッ ト解析などにより定量することができる。
かかるサンドイッチ免疫測定法は上記の方法と同様にして行なうことができ、 ウエスタンブロットは公知の手段により行なうことができる。
(i i) 本発明のレセプ夕一タンパク質もしくはその部分ペプチドを発現する形 質転換体を上記の方法に従い作製し、 細胞膜画分に含まれる本発明のレセプ夕一 タンパク質またはその部分べプチドを定量することができる。
細胞膜における本発明のレセプ夕一タンパク質またはその部分ペプチドの量を 変化させる化合物のスクリーニングは、
( i ) 正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物に対して、 薬剤あるいは物理的 ストレスなどを与える一定時間前 (3 0分前〜 2 4時間前、 好ましくは 3 0分前 〜 1 2時間前、 より好ましくは 1時間前〜 6時間前) もしくは一定時間後 (3 0
分後〜 3日後、 好ましくは 1時間後〜 2日後、 より好ましくは 1時間後〜 2 4時 間後) 、 または薬剤あるいは物理的ストレスと同時に被検化合物を投与し、 投与 後一定時間経過後 (3 0分後〜 3日後、 好ましくは 1時間後〜 2日後、 より好ま しくは 1時間後〜 2 4時間後) 、 細胞膜における本発明のレセプタータンパク質 またはその部分ペプチドの量を定量することにより行なうことができ、
(i i) 形質転換体を常法に従い培養する際に被検化合物を培地中に混合させ、 一定時間培養後 (1日後〜 7日後、 好ましくは 1日後〜 3日後、 より好ましくは 2日後〜 3日後) 、 細胞膜における本発明のレセプタータンパク質またはその部 分べプチドの量を定量することにより行なうことができる。
細胞膜画分に含まれる本発明のレセプ夕一タンパク質またはその部分べプチド の確認は具体的には以下のようにして行なう。
(i i i) 正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物 (例えば、 マウス、 ラット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど、 より具体的には痴呆ラッ ト、 肥満マウス、 動脈硬化ゥサギ、 担癌マウスなど) に対して、 薬剤 (例えば、 抗痴呆薬、 血圧低下薬、 抗癌剤、 抗肥満薬など) あるいは物理的ストレス (例え ば、 浸水ストレス、 電気ショック、 明暗、 低温など) などを与え、 一定時間経過 した後に、 血液、 あるいは特定の臓器 (例えば、 心臓、 肺、 胃、 小腸、 胸腺、 卵 巣、 副腎、 精巣、 脳下垂体、 膝臓、 脾臓、 前立腺、 子宮など) 、 または臓器から 単離した組織 (例えば、網膜、 乳腺など) 、 あるいは細胞 (例えば白血球、 脂肪細 胞、 骨髄細胞など)を得る。 得られた臓器、 組織または細胞等を、 常法に従い組 織切片とし、 本発明の抗体を用いて免疫染色を行う。 細胞表層での該レセプ夕ー タンパク質の染色度合いを定量化することにより、 細胞膜上の該タンパク質を確 認することにより、 定量的または定性的に、 細胞膜における本発明のレセプ夕一 夕ンパク質またはその部分べプチドの量を確認することができる。
(iv) 本発明のレセプ夕一タンパク質もしくはその部分ペプチドを発現する形 質転換体等を用いて同様の手段をとることにより確認することもできる。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、 細胞膜 における本発明のレセプ夕一タンパク質またはその部分ペプチドの量を変化させ る作用を有する化合物であり、 具体的には、 (ィ) 細胞膜における本発明のレセ
プ夕ータンパク質またはその部分ペプチドの量を増加させることにより、 Gタン パク質共役型レセプターを介する細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 ァ セチルコリン遊離、 細胞内 C a 2 +遊離、 細胞内 c AM P生成、 細胞内 c GM P 生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内タンパク質のリン酸化 、 c一 f o sの活性化、 p Hの低下などを促進する活性または抑制する活性など ) を増強させる化合物、 (口) 細胞膜における本発明のレセプ夕一タンパク質ま たはその部分べプチドの量を減少させることにより、 該細胞刺激活性を減弱させ る化合物である。
該化合物としては、 ペプチド、 タンパク質、 非ペプチド性化合物、 合成化合物 、 発酵生産物などが挙げられ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合物であってもよい。
該細胞刺激活性を増強させる化合物は、 本発明のレセプ夕一タンパク質等の生 理活性を増強するための安全で低毒性な医薬として有用である。
該細胞刺激活性を減弱させる化合物は、 本発明のレセプタータンパク質等の生 理活性を減少させるための安全で低毒性な医薬として有用である。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩を医薬組成 物として使用する場合、 常套手段に従って実施することができる。 例えば、 上記 した本発明のレセプ夕一タンパク質を含有する医薬と同様にして、 錠剤、 カプセ ル剤、 エリキシル剤、 マイクロカプセル剤、 無菌性溶液、 懸濁液剤などとするこ とができる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトやその 他の哺乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法など により差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 癌患者 (6 0 k gとし て) においては、 一日につき約 0. 1〜1 0 0 m g、 好ましくは約 1 . 0〜5 0 m g、 より好ましくは約 1 . 0〜2 0 m gである。 非経口的に投与する場合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なるが 、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 癌患者 (6 0 k gとして) においては、
一日につき約 0 . 0 1〜3 O m g程度、 好ましくは約 0 . l〜2 0 m g程度、 よ り好ましくは約 0 . 1〜1 O m g程度を静脈注射により投与するのが好都合であ る。 他の動物の場合も、 6 0 k g当たりに換算した量を投与することができる。
( 1 1 ) 細胞膜における本発明のレセプ夕一タンパク質またはその部分べプチ ドの量を変化させる化合物を含有する各種疾病の予防および Zまたは治療剤 本発明のレセプ夕一タンパク質は上記のとおり、 例えば、 肺または末梢リンパ 器官など生体内で何らかの重要な役割を果たしていると考えられる。 したがって 、 細胞膜における本発明のレセプタータンパク質またはその部分ペプチドの量を 変化させる化合物は、 本発明のレセプ夕一タンパク質の機能不全に関連する疾患 の予防および/または治療剤として用いることができる。
該化合物を本発明のレセプタ一タンパク質の機能不全に関連する疾患の予防お よび Zまたは治療剤として使用する場合は、 常套手段に従つて製剤化することが できる。
例えば、 該化合物は、 必要に応じて糖衣を施した錠剤、 カプセル剤、 エリキシ ル剤、 マイクロカプセル剤などとして経口的に、 あるいは水もしくはそれ以外の 薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、 または懸濁液剤などの注射剤の形で非経 口的に使用できる。 例えば、 該化合物を生理学的に認められる公知の担体、 香味 剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などとともに一般に認められた 製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造することができ る。 これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な用量が得られるよ うにするものである。
錠剤、 カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、 例えば、 ゼラ チン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性セル ロースのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのような膨 化剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖またはサッカリ ンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリーのような香味剤な どが用いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合には、 上記タイプの材料に さらに油脂のような液状担体を含有することができる。 注射のための無菌組成物 は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、 胡麻油、 椰子油などのような天然産
出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方するこ とができる。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩水、 ブドウ糖やその他 の補助薬を含む等張液 (例えば、 D—ソルビトール、 D—マンニトール、 塩化ナ トリウムなど) などが用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例、 エタノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレングリコール、 ポリエチレンダリ コール) 、 非イオン性界面活性剤 (例、 ポリソルベート 80TM、 HCO-50 ) などと併用してもよい。 油性液としては、 例えば、 ゴマ油、 大豆油などが用い られ、 溶解補助剤である安息香酸ベンジル、 ベンジルアルコールなどと併用して もよい。
また、 上記予防 ·治療剤は、 例えば、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢酸 ナトリウム緩衝液) 、 無痛化剤 (例えば、 塩化ベンザルコニゥム、 塩酸プロカイ ンなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒト血清アルブミン、 ポリエチレングリコールなど ) 、 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノールなど) 、 酸化防止剤など と配合してもよい。 調製された注射液は通常、 適当なアンプルに充填される。 このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトやその 他の哺乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法など により差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 癌患者 (60 kgとし て) においては、 一日につき約 0. 1〜; L 00mg、 好ましくは約 1. 0〜50 mg、 より好ましくは約 1. 0〜2 Omgである。 非経口的に投与する場合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なるが 、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 癌患者 (6 O kgとして) においては、 一日につき約 0. 01〜3 Omg程度、 好ましくは約 0. l〜20mg程度、 よ り好ましくは約 0. 1〜1 Omg程度を静脈注射により投与するのが好都合であ る。 他の動物の場合も、 6 O kg当たりに換算した量を投与することができる。
(12) 本発明のレセプタ一タンパク質、 その部分ペプチドまたはそれらの塩 に対する抗体による中和
本発明のレセプ夕一タンパク質もしくはその部分べプチドまたはその塩に対す
る抗体の、 それらレセプ夕一タンパク質などに対する中和活性とは、 すなわち、 該レセプ夕ータンパク質の関与するシグナル伝達機能を不活性化する活性を意味 する。 従って、 該抗体が中和活性を有する場合は、 該レセプ夕一タンパク質の関 与するシグナル伝達、 例えば、 該レセプ夕ータンパク質を介する細胞刺激活性 ( 例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 C a 2 +遊離、 細胞内 c AM P生成、 細胞内 c GM P生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動 、 細胞内タンパク質のリン酸化、 c一 f o sの活性化、 p Hの低下などを促進す る活性または抑制する活性など) を不活性化することができる。 したがって、 該 レセプ夕一タンパク質の過剰発現などに起因する疾患の予防および/または治療 に用いることができる。
( 1 3 ) 本発明の Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質をコードする D N Aを有する動物の作出
本発明の D N Aを用いて、 本発明のレセプタータンパク質等を発現する卜ラン スジエニック動物を作出することができる。 動物としては、 非ヒト哺乳動物 (例 えば、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) など (以下、 動物と略記する場合がある) が挙げられるが、 特に、 マウス、 ゥサ ギなどが好適である。
本発明の D N Aを対象動物に導入するにあたつては、 該 D N Aを動物細胞で発 現させうるプロモーターの下流に結合した遺伝子コンストラクトとして用いるの が一般に有利である。 例えば、 ゥサギ由来の本発明の D NAを導入する場合、 こ れと相同性が高い動物由来の本発明の D N Aを動物細胞で発現させうる各種プロ モ一夕一の下流に結合した遺伝子コンストラクトを、 例えば、 ゥサギ受精卵へマ イクロインジェクションすることによって本発明のレセプ夕一夕ンパク質等を高 産生する D NA導入動物を作出できる。 このプロモーターとしては、 例えば、 ゥ ィルス由来プロモーター、 メタ口チォネイン等のュビキアスな発現プロモーター も使用しうるが、 好ましくは肺で特異的に発現する遺伝子のプロモーターが用い られる。
受精卵細胞段階における本発明の D NAの導入は、 対象動物の胚芽細胞および 体細胞の全てに存在するように確保される。 D N A導入後の作出動物の胚芽細胞
において本発明のレセプ夕一タンパク質等が存在することは、 作出動物の子孫が 全てその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明のレセプ夕一タンパク質等を有す ることを意味する。 遺伝子を受け継いだこの種の動物の子孫はその胚芽細胞およ び体細胞の全てに本発明のレセプタータンパク質等を有する。
本発明の D NA導入動物は、 交配により遺伝子を安定に保持することを確認し て、 該 D NA保有動物として通常の飼育環境で飼育継代を行うことができる。 さ らに、 目的 D NAを保有する雌雄の動物を交配することにより、 導入遺伝子を相 同染色体の両方に持つホモザィゴ一卜動物を取得し、 この雌雄の動物を交配する ことによりすべての子孫が該 D N Aを有するように繁殖継代することができる。 本発明の D N Aが転移された動物は、 本発明のレセプ夕一タンパク質等が高発 現させられているので、 本発明のレセプ夕一タンパク質等に対するァゴニストま たはアン夕ゴニストのスクリ一ニング用の動物などとして有用である。
本発明の D N A導入動物を、 組織培養のための細胞源として使用することもで きる。 例えば、 本発明の D NA導入マウスの組織中の D NAもしくは R NAを直 接分析するか、 あるいは遺伝子により発現された本発明のレセプタ一タンパク質 が存在する組織を分析することにより、 本発明のレセプ夕一タンパク質等につい て分析することができる。 本発明のレセプタータンパク質等を有する組織の細胞 を標準組織培養技術により培養し、 これらを使用して、 例えば、 脳や末梢組織由 来のような一般に培養困難な組織からの細胞の機能を研究することができる。 ま た、 その細胞を用いることにより、 例えば、 各種組織の機能を高めるような医薬 の選択も可能である。 また、 高発現細胞株があれば、 そこから、 本発明のレセプ タータンパク質等を単離精製することも可能である。
また、 本発明のアンチセンス D NAを含有する医薬の用途を以下に述べる。 本発明の D N Aに相補的に結合し、 該 D N Aの発現を抑制することができるァ ンチセンス D N Aは低毒性であり、 生体内における本発明のレセプ夕一夕ンパク 質または本発明の D N Aの活性を抑制することができるので、 例えば、 本発明の レセプタータンパク質またはそのリガンドの過剰発現に伴う疾患などの予防 ·治 療剤として使用することができる。
上記アンチセンス D NAを上記の予防 ·治療剤として使用する場合、 公知の方
法に従って製剤化し、 投与することができる。
例えば、 該アンチセンス DNAを用いる場合、 該アンチセンス DNAを単独あ るいはレトロウイルスベクター、 アデノウイルスベクター、 アデノウイルスァソ シェ一テツドウィルスベクタ一などの適当なベクタ一に挿入した後、 常套手段に 従ってヒ卜またはその他の哺乳動物 (例、 ラット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ 、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して経口的または非経口的に投与することができ る。 該アンチセンス DNAは、 そのままで、 あるいは摂取促進のために補助剤な どの生理学的に認められる担体とともに製剤化し、 遺伝子銃やハイドロゲルカテ —テルのようなカテーテルによって投与できる。 あるいは、 エアロゾル化して吸 入剤として気管内に局所投与することもできる。 さらに、 該アンチセンス DNA は、 組織や細胞における本発明の DN Aの存在やその発現状況を調べるための診 断用オリゴヌクレオチドプロ一ブとして使用することもできる。
本明細書および図面において、 塩基やアミノ酸などを略号で表示する場合、 I UP AC— I UB Commission on Biochemical Nomenclature による略号ある いは当該分野における慣用略号に基づくものであり、 その例を下記する。 またァ ミノ酸に関し光学異性体があり得る場合は、 特に明示しなければ L体を示すもの とする。
DNA :デォキシリポ核酸
cDNA :相補的デォキシリポ核酸
A :アデニン
T :チミン
G :グァニン
C :シ卜シン
RNA : リポ核酸
mRNA :メッセンジャーリポ核酸
dATP :デォキシアデノシン三リン酸
dTTP :デォキシチミジン三リン酸
dGTP :デォキシグアノシン三リン酸
dCTP :デォキシシチジン三リン酸
ATP アデノシン三リン酸 EDTA エチレンジァミン四酢酸 SDS ドデシル硫酸ナトリウム G 1 y グリシン
A 1 a ァラニン
Va 1 バリン
Leu ロイシン
I 1 e
S e r セリン
Th r スレオニン
Cy s
Me t メチォニン
G 1 u グルタミン酸
As ァスパラギン酸
L y s リジン
A r g アルギニン
H i s ヒスチジン
Ph e フエ二ルァラニン
Ty r チロシン
T r p トリプ卜ファン
P r o プロリン
A s n ァスパラギン
G 1 n グルタミン
p G 1 u ピログルタミン酸 氺 終止コドンに対応する
Me メチル基
E t ェチル基
Bu ブチル基
Ph フエニル基
TC :チアゾリジン— 4 (R) 一カルボキサミド基
また、 本明細書中で繁用される置換基、 保護基および試薬を下記の記号で表記 する。
To s : p—トルエンスルフォニル
CHO :ホルミル ,.
B z 1
C12B z 1 2, 6—ジクロ口べンジル
Bom ベンジルォキシメチル
Z ベンジルォキシカルポエル
C 1一 z 2一クロ口べンジルォキシカルボニル
B r -Z 2—ブロモベンジルォキシカルボニル
B o c t一ブトキシカルポニル
DNP ジニトロフエノール
T r t 卜 Uチル
B um t一ブトキシメチル
Fmo c N— 9一フルォレニルメトキシカルポニル
HOB t 1ーヒドロキシベンズトリァゾール
HOOB t 3, 4—ジヒドロー 3—ヒドロキシー 4一ォキソ一
1, 2, 3—べンゾトリアジン
HONB 1ーヒドロキシー 5—ノルポルネン一 2, 3—ジカルポ キシイミド
DCC 本明細書の配列表の配列番号は、 以下の配列を示す。
配列番号: 1
本発明のヒ卜由来新規 Gタンパク質共役型レセプタ一タンパク質 TGR 25の アミノ酸配列を示す。
配列番号: 2
本発明のヒト由来新規 G夕ンパク質共役型レセプタータンパク質 T G R 25を
コードする c DN Aの塩基配列を示す。
配列番号: 3
以下の実施例 1および実施例 4における P C R反応で使用したプライマー 1の 塩基配列を示す。
配列番号: 4
以下の実施例 1および実施例 4における P C R反応で使用したプライマー 2の 塩基配列を示す。
配列番号: 5
本発明のヒト由来新規 Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質 TGR 25を コードする c DN Aの塩基配列の 3 ' 端非翻訳領域を示す。
配列番号: 6
以下の実施例 2における P C R反応で使用したプライマー 3の塩基配列を示す 配列番号: 7
以下の実施例 2における P C R反応で使用したプライマー 4の塩基配列を示す 配列番号: 8
本発明のヒト由来新規 Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質 TGR 25を コードする cDNAの塩基配列の 5' 端非翻訳領域を示す。
配列番号: 9
以下の実施例 3における P C R反応で使用したプライマー 5の塩基配列を示す 配列番号: 10
以下の実施例 3における P C R反応で使用したプライマー 6の塩基配列を示す 。 後述の実施例 1で得られた形質転換体 E s c he r i ch i a c o 1 i TO P 10/pTB 2182は、 2000年 11月 28日から、 大阪府大阪市淀川区 十三本町 2— 17-85 (郵便番号 532 - 8686) 、 財団法人 ·発酵研究所
( I FO) に受託番号 I FO 16502として、 2000年 12月 4日から、 日本国茨城県つくば市東 1_1一 1 中央第 6 (郵便番号 305— 8566) 、 独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター (旧 通商産業省工業 技術院生命工学工業技術研究所 (NI BH) ) に受託番号 FERM BP— 7 381としてそれぞれ寄託されている。 実施例
以下に実施例を示して、 本発明をより詳細に説明するが、 これらは本発明の範 囲を限定するものではない。 なお、 大腸菌を用いての遺伝子は、 モレキュラー ' クローニング(Molecular cloning)に記載されている方法に従った。 実施例 1
ヒト肺由来 Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質をコードする c DNAの クローニングと塩基配列の決定
ヒト肺 Ma r a t h o n_R e a dy c DNA (CLONTECH社) を鎳 型とし、 2個のプライマ一、 プライマー 1 (配列番号: 3) およびプライマ一 2 (配列番号: 4) を用いて PCR反応を行った。 該反応における反応液の組成は 上記 c DNA2 1を銬型として使用し、 P f u Tu r b o DNA Po l y me r a s e (S TR ATAGENE社) 1 U、 プライマ一 1 (配列番号: 3) およびプライマー 2 (配列番号: 4) を各 1 M、 1 丁 3を200 / 、 お よび酵素に 2XGC Bu f f e r I (T a K a R a社) を 10 1加え、 20 ϋ 1の液量とした。 PCR反応は、 95°C · 1分の後、 95°C · 1分、 65°C · 1分、 72°C * 2. 5分のサイクルを 38回繰り返した。 次にァガロースゲル電 気泳動にて該 PC R反応産物を精製した後、 これを Z e r o B l un t TO PO PCR クロ一ニングキット ( I n v i t r o g e n社) の処方に従いプ ラスミドベクター pCR— B l un t l I— TOPO ( I n v i t r o ge n社 ) へサブクローニングした。 これを大腸菌 TOP 10に導入し、 cDNAを持つ クローンをカナマイシンを含む LB寒天培地中で選択した。 個々のクローンの配 列を解析した結果、 新規 G夕ンパク質共役型レセプタータンパク質をコードする
cDNAの塩基配列 (配列番号: 2) を得た。 この DNAの塩基配列がコードす るアミノ酸配列 (配列番号: 1) を含有する新規 Gタンパク質共役型レセプ夕一 タンパク質を TGR 25と命名した。 さらに配列番号: 2で表される塩基配列を 有する DN Aを有するプラスミドを PTB 21 82と名付け、 その形質転換体を 大腸菌 (E s c h e r i c h i a c o l i) T〇P 1 0/pTB 2182と命 名した。
TGR 25の疎水性プロット図を 〔図 1〕 に示す。 実施例 2
TGR25の 3 ' 端非翻訳領域の配列決定
ヒト肺 Ma r a t h on— Re ady cDNA (CLONTECH社) を铸 型とし、 2個のプライマー、 プライマー 3 (配列番号: 6) およびプライマ一 4 (配列番号: 7) を用いて 3 ' — RACE反応を行った。 該反応における反応液 の組成は上記 CDNA2 1を铸型として使用し、 Adv an t age 2 Po 1 yme r a s e (CLONTECH社) 0. 4 1、 プライマ一 3 (配列番号 : 6) および Ad a p t o r P r ime r (CLONTECH社) を各 0. 2 pM dNTP sを 200 iM、 および酵素に 2XGC Bu f f e r I (T a KaRa社) を 10 l加え、 20 x lの液量とした。 PCR反応は、 94°C · 30秒の後、 94°C ' 5秒、 72 °C · 4分のサイクルを 5回、 次に 94°C · 5秒 、 70°C · 4分のサイクルを 5回、 最後に 94°C · 5秒、 68°C ' 4分のサイク ルを 25回行った。 次に該 PC R反応産物 0. 8 1を铸型として使用し、 Ad V an t a g e 2 P o l yme r a s e (CLONTECH社) 0. 4^ 1、 プライマ一 4 (配列番号: 7) および Ne s t e d Ad ap t o r P r im e r (CLONTECH社) を各 0. 2 xM、 d NT P sを 200 iM、 および 酵素に 2XGC Bu f f e r I (TaKaRa社) を 10 /i 1加え、 20 1 の液量とした。 PCR反応は、 94°C · 30秒の後、 94°C · 5秒、 72 · 4 分のサイクルを 5回、 次に 94°C ' 5秒、 70°C · 4分のサイクルを 5回、 最後 に 94°C · 5秒、 68°C · 4分のサイクルを 25回行った。 次にァガロースゲル 電気泳動にて該 PC R反応産物を精製した後、 これを TOPO TA クロー二
ングキット ( I n v i t r o g e n社) の処方に従いプラスミドベクタ一 p CR 2. 1 -TOPO ( I n V i t r 0 g e n社) へサブクローニングした。 これを 大腸菌 TOP 10に導入し、 3' 端非翻訳領域を持つクロ一ンを、 カナマイシン を含む LB寒天培地中で選択した。 個々のクローンの配列を解析し、 TGR25 の 3' 端非翻訳領域の配列 (配列番号: 5) を明らかにした。 実施例 3
T G R 25の 5 ' 端非翻訳領域の配列決定
ヒト肺 Ma r a t h o n— R e a dy cDNA (CLONTECH社) を铸 型とし、 2個のプライマー、 プライマー 5 (配列番号: 9) およびプライマー 6 (配列番号: 10) を用いて PCR反応を行った。 該反応における反応液の組成 は上記 cDNA2 1を錶型として使用し、 Advan t ages P o 1 ym e r a s e (CLONTECH社) 0. 4 1、 プライマー 5 (配列番号: 9) およびプライマー 6 (配列番号: 10) を各 l / M、 dNTP sを 200 Μ、 および酵素に 2XGC Bu f f e r l (T a K a R a社) を 10 i 1加え、 2 0 a 1の液量とした。 P CR反応は、 95°C · 1分の後、 95°C · 20秒、 60 °C · 15秒、 72°C · 1分 15秒のサイクルを 38回繰り返した。 次にァガロー スゲル電気泳動にて該 PC R反応産物を精製した後、 これを TOPO TA ク ローニングキット ( I n V i t r 0 g e n社) の処方に従いプラスミドベクター p CR 2. 1一 TOP〇 ( I n V i t r o g e n社) へサブクローニングした。 これを大腸菌 TOP 10に導入し、 5' 端非翻訳領域を持つクローンをカナマイ シンを含む LB寒天培地中で選択した。 個々のクローンの配列を解析し、 TGR 25の 5' 端非翻訳領域の配列 (配列番号: 8) を明らかにした。 実施例 4
TGR 25の発現組織の検討
実施例 1で得られた PTB 2182を铸型とし、 2個のプライマー、 プライマ 一 1 (配列番号: 3) およびプライマ一 2 (配列番号: 4) を用いて PCR反応 を行った。 該反応における反応液の組成は上記プラスミド pTB2182を銬型
として l ng使用し、 TaKaRa LA T a q (TaKaRa社) 2. 5 U 、 プライマー 1 (配列番号: 3) およびプライマー 2 (配列番号: 4) を各 l M、 dNTP sを 200 M、 および酵素に 2XGC B u f f e r I (TaK aRa社) を 25 l加え、 50 1の液量とした。 PCR反応は、 95°C · 3 0秒の後、 95°C ' 20秒、 60°C ' 15秒、 72 °C · 2分のサイクルを 30回 繰り返し行った。 次にァガロースゲル電気泳動を行い、 Ge l Ex t r c t i on K i t (Q IAGEN社) を用いて該 P C R反応産物を精製した。 ここ で得られた PC R反応産物を用いて Me g a p r i me DNA l ab e l 1 i n g s y s t ems (アマシャム社) を用いてノーザンブロット用のプローブ を作製した。 プローブの作製は上記 P C R反応産物 25 n gに同 M e g a p r i me DNA l ab e l 1 i n g s y s t emsに添付の P r ime r s o l u t i onを 3 1加え 15. 6 z lの液量とし、 5分間煮沸した。 これに [3 2P] dCTP (アマシャム社) 3 j l、 Me g ap r ime DNA 1 ab e l l i ng s ys t emsに添付の dGTPを 2. 4 1、 d ATPを 2. 4 i l、 dTTPを 2. 4^ 1、 Re ac t i on bu f f e rを 3 i l、 En z ymeを 1. 2 1加え、 37 °Cにて 10分間反応を行った。 該反応産物を S - 300 HRカラム (アマシャム社) にて精製し、 5mlの Exp r e s sH y b Hyb r i d i z a t i on S o l u t i o nでプレハイブリダィゼーシ ヨン反応を行った Hum a n MTN B l o t, および Hum an MTN B 1 o t I Iの反応液中へ添加し 68 °Cにてー晚ハイブリダィゼ一シヨン反応を行つ た。 次に、 これら Human MTN B l o t, および Human MTN B 1 01; 1 1を0. 05%SDS、 および 2 x S S Cを含む溶液で洗浄し、 さらに 0 . 1%303ぉょび0. 2 X S S Cを含む溶液で 3回洗浄し、 BAS— 2000 I I (FUJ I X社) にて検出を行った。
その結果、 TGR25は脾臓、 小腸、 白血球で発現が強い他、 胎盤、 肺、 肝臓 、 骨格筋、 腎臓、 胸腺、 前立腺、 卵巣、 大腸などの組織で広範囲にわたって発現 していることがわかった。 産業上の利用可能性
本発明の Gタンパク質共役型レセプタータンパク質もしくはその部分べプチド またはその塩、 該レセプ夕一タンパク質またはその部分ペプチドをコードするポ リヌクレオチド (例えば、 D NA、 R N Aおよびそれらの誘導体) 、 あるいは該 レセプ夕一タンパク質の非翻訳領域を有するポリヌクレオチドは、 ①リガンド ( ァゴニス卜) の決定、 ②抗体および抗血清の入手、 ③組換え型レセプ夕一タンパ ク質の発現系の構築、 ④同発現系を用いたレセプ夕一結合アツセィ系の開発と医 薬品候補化合物のスクリーニング、 ⑤構造的に類似したリガンド ·レセプターと の比較にもとづいたドラッグデザィンの実施、 ⑥遺伝子診断におけるプローブや P C Rプライマーの作成のための試薬、 ⑦トランスジエニック動物の作出または ⑧遺伝子治療剤等の医薬等として用いることができる。