WO2000046561A1

WO2000046561A1 - Panneau de refroidissement par l'eau pour paroi de four et enveloppe de four a arc

Info

Publication number: WO2000046561A1
Application number: PCT/JP1999/005264
Authority: WO
Inventors: Tadashi Mori; Shinjiro Uchida; Koichi Kirishiki
Original assignee: Nippon Steel Corporation
Priority date: 1999-02-03
Filing date: 1999-09-27
Publication date: 2000-08-10
Also published as: EP1069389A4; CN1299460A; KR20010042420A; TW436602B; KR100367467B1; CN1246662C; ID26044A; EP1069389A1; US6404799B1

Description

明細書アーク炉の炉壁及び炉蓋用水冷パネル技術分野

本発明は、金属材料の溶解、溶融金属の精練に使用されるアーク炉の炉内に設けられる炉壁及び炉蓋用水冷パネルに関する。背景技術

1 970年代前半頃まで、金属材料の溶解や溶融金属の精鍊に使用されるアーク炉は、炉体を鉄皮内側に耐火物を内張りし、炉蓋を炉蓋枠と呼ばれる円形の金枠の内側にアーチ状に耐火物を用いていた。しかし、 1 970年代後半頃から、生産性の向上を目的としたアーク炉の大型化、大電力化が急速に進むに伴ない、炉体及び炉蓋に用いられる耐火物の損耗量が著しく増大し、耐火物のコストの増加及び耐火物補修のための休止時間の増加が問題とされていた。

これらの問題を解決するため、耐火物の寿命を向上させ、かつァ一ク炉の熱効率の低下を最小限に抑えるために、铸鉄あるいは銅铸物に冷却水配管と煉瓦を铸ぐるんだ炉体用クーラーが提案された（実開昭 49一 1 1 8635号公報参照）。しかしながら、その冷却構造においては、クーラ一本体を構成する上記铸鉄铸物の炉内側表面温度が 1 000 °Cに達するため、数百〜千チャージ程度の使用により、熱応力による割れ及び铸物の組織変化に伴う脆化が発生し、それらが進行して铸物が損耗するとともに、铸ぐるんだ煉瓦が脱落するという問題が生じ、また、铸物表面で発生した割れが冷却水配管まで伝播し、水漏れを起こすこともあった。また、銅铸物については前記の铸鉄铸物に比し展延性が高くかつ組織変化が起こらないため、急速に損耗及び割れが発生することはない。しかし、煉瓦がパネルの炉内側に铸ぐるんであり、配管が煉瓦の背面に配置されているため、煉瓦の炉内側端面の温度が高温となり、煉瓦が急速に損耗するという問題が生じた。また、パネル本体の厚みが厚くなることにより重量が重くなり、铸鉄と比較し材料コス卜が非常に大きい銅铸物については特に高価なものとなる。

また、これらの問題を解決するために、冷却水配管の周囲に半径方向に分岐させて銅、アルミニウム等の低融点の金属を铸込み、冷却能力を向上するとともに铸物表面で発生した割れの伝播を防止する方法が提案された（実開昭 56 - 29798号公報参照）。この方法によれば、計算上はクーラー本体を構成する铸物の炉内側表面温度が 5 00 °C程度に抑制できるとされていた。しかしながら、铸物表面にスラグが付着しないか、又は付着しにくいような熱負荷の高い場所にクーラ一を設置した場合には、表面温度が 1000°C以上に達することとなり、铸物の組織変化、割れ等の問題を解決することはできず、冷却水配管の周囲にク一ラー本体の材質と異なる低融点の金属を铸込むために製造工程が複雑となり、コス卜が上昇するという問題もあった。

このような铸物の組織変化、割れ等の問題のために、このような構成の铸物製クーラーは広く普及することがなく、現在では、炉内面側に耐火材を有さない鋼板溶接構造、鋼製配管構造、銅铸物あるいは銅板溶接構造のク一ラー、いわゆる水冷パネルが一般的に使用されており、大型化、大電力化したアーク炉においても、耐火物の消耗の削減に対して効果を発揮している（特開昭 51 - 97506号公報、特開昭 56 - 66680号公報及び実開昭 56 - 45800号公報等参照）。

また、アーク炉の炉蓋についても従来より耐久性を增加させるために種々の提案がなされている。図 13は従来のアーク炉の縦断面図で、アーク炉の炉殻 21の上部には電極 22が揷通する電極揷入口 16を有する耐火物製炉蓋 23が開閉自在に設置されている。この耐火物製炉蓋 23は操業時に高熱を受けて溶損するため、炉蓋を更新しなければならず、コスト高となっていた。そこで、特開昭 53— 107729号公報には、図 14の炉蓋の縦断面図に示されるように、電極 22が挿通する電極揷入口 16を有する逆円錐状の部分を除いて炉蓋の全部を鋼板製にして、その内部に螺旋状通路 24を形成して水冷ジャケット炉蓋 25にし、水冷ジャケット炉蓋 25の炉内面側に輻射熱を反射させる性質を有する熱伝導度の高い金属膜 26を設け、耐久性を增加させることが開示されている。

しかしながら、上記のような鋼板製の水冷ジャケット式炉蓋では、アーク炉の操業を重ねるにしたがって鋼板部分に割れが生じ、水冷ジャケッ卜から水漏れを起こすことがしばしばある。また、鋼板製の水冷ジャケットを炉壁ゃ炉蓋に使用したアーク炉においては、冷却水による抜熱量がァ一ク炉で必要な全エネルギーの全体の約 10 %にもなつており、さらにその半分が炉蓋の冷却水による抜熱である。従って、アーク炉の炉蓋においても耐火物消耗量を増加することなく、冷却水による熱損失を削減することが必要とされている。また、特開昭 50— 142709号公報に、铸鉄あるいは銅铸物等の铸物に冷却水配管と煉瓦を铸ぐるんだクーラ一を適数個用いたアーク炉用炉蓋が提案されている。この炉蓋では冷却水による熱損失は削減される。しかしながら、前記の炉体用ク一ラーと同様にクーラ一本体を構成する铸物の炉内側表面温度が 1000°C以上に達するため、数百〜数千チャージの使用により、熱応力による割れ及び铸物の組織変化に伴う脆化が発生し、それらが進行して铸物が損耗するとともに、铸ぐるんだ煉瓦が損耗、脱落するという問題が生じている。さらに铸物表面で発生した割れが冷却水配管まで伝播し、水漏れを起こすこともあった。

従って、炉蓋用クーラーについても、炉体用クーラーと同様に鋼板あるいは鋼製配管部分の割れ、それに伴う水漏れという問題を残しつつも、鋼板溶接構造あるいは鋼製配管構造のクーラー、いわゆる水冷パネルが一般的に使用されている。

上記の技術においては、炉内面側に耐火材を有しない鋼板溶接構造、鋼製配管構造、銅铸物あるいは銅板溶接構造の水冷パネルを炉内に設置することによってアーク炉の耐火物の消耗とコストの削減及び耐火物の補修のための休止時間の低減を図つているが、水冷パネルは、その炉内面側に耐火物を有しないために、パネル本体を保護するための多量の冷却水が必要であり、冷却水による熱損失や冷却水を供給するためのポンプ動力が増加するという問題が残っている。このため、昨今のエネルギー効率の向上、地球温暖化防止のための炭酸ガス削減への要求が高まるなかで、アーク炉においても耐火物消耗量を増加させることなく、冷却水による熱損失や冷却水を供給するためのポンプ動力を削減できる水冷パネルが必要とされていた。

さらに、従来提案されていた铸物に冷却水配管と煉瓦を铸ぐるんだ炉体用クーラー（実開昭 49一 1 1 8635号公報参照）においては、熱応力による割れ及び铸物の組織変化に伴う脆化が発生し、それらが進行して铸物が損耗するとともに铸ぐるんだ煉瓦が脱落するという問題を有していた。また、銅铸物に関しては熱応力による割れ及び铸物の組織変化に伴う脆化は発生しないが、煉瓦炉内側端面が冷却されず急速に損耗するという問題を有していた。

さらに、パネルに铸ぐまれた耐火煉瓦は铸物が健全に維持されることによって脱落の発生は全くなくなつたが、冷却能力の強化後においても耐火煉瓦の表面温度が 1 000 °C以上となり、高温雰囲気下での耐火煉瓦表面の酸化消耗が徐々に進行する、或いは、アーク炉内にスクラップを装入する際の衝突による耐火煉瓦の機械的損耗を避けることもできなかった。このため、冷却水による熱損失の削減効果が得られなくなる状態まで煉瓦の消耗が進行した場合には、水冷パネル本体を取り外して交換する必要があり、交換された水冷パネルには耐火煉瓦を再施工することができないために、廃棄せざるを得ないという問題があつた。

また、当該パネルをアーク炉の炉壁および炉蓋に適用した際、炉壁においてはスラグ等炉内付着物が安定的に保持され、水冷ジャケット方式のパネルと比較し、冷却水による損失熱が削減された。しかしながら、耐火煉瓦の炉内側端面の幅を炉外側端面の幅より小さくしていることおよびスラグ等炉内付着物を安定的に保持するための凸部が矩形型であることにより、炉蓋に適用した際、スラグ等炉内付着物が炉内側、すなわち下方に落下し、安定的に保持することが難しかった。このスラグ等炉内付着物の断熱作用は大きく、炉蓋に適用した際には、炉壁への適用に比べて安定的に冷却水による損失熱を削減する事ができない。また、パネルに铸ぐるまれた煉瓦が炉内に曝される頻度が多くなり、煉瓦の損耗スピ一ドが速くなることが問題となってくる。発明の開示

本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、熱損失及び冷却水供給のための動力を削減しつつ、寿命も炉内面側に耐火材を有しない鋼板溶接構造、鋼製配管構造、銅铸物あるいは銅板溶接構造の水冷パネルと同等もしくはそれ以上確保することが可能なアーク炉の炉壁及び炉蓋用水冷パネルを提供するものである。本発明のアーク炉の炉壁及び炉蓋用水冷パネルは、铸鉄、铸鋼ぁるいは銅の铸物製水冷パネルであって、耐火煉瓦を炉内側に端面を露出するように一定の間隔をもって複数列配置するとともに、冷却水配管を耐火煉瓦の列間に铸ぐるんで設けることを特徴とする。

また、前記構成において、耐火煉瓦の炉内側端面を铸物表面から突出させるように铸ぐるむこと、耐火煉瓦の炉内側端面の幅を反炉内側端面の幅より小さくするようにテーパーを設けること、耐火煉瓦の反炉内側端面の角部を円弧状に形成すること、耐火煉瓦と铸物との接触面の間に緩衝材を配置すること及び铸物の炉内側表面の一部を凸状に形成することができる。

さらに本発明は、ァーク炉の炉壁及び炉蓋用水冷パネルにおいて、反炉内側から耐火煉瓦を差し込むためのスリットを一定の間隔をもって複数列配置するとともに、冷却水配管をスリツ卜の列間に铸ぐるんで設けることも特徴としており、以下の何れかの構成を採用することができる。即ち、

1 ) 耐火煉瓦を差し込むためのスリットを炉内側端面の幅と反炉内側端面の幅が同じになるようにストレート状に形成すること、

2 ) 或いは、該スリツトを炉内側端面の幅を反炉内側端面の幅より小さくなるようにテ一パ一状に形成すること、

3 ) 更に、耐火煉瓦の反炉内側端面を铸物表面より突出させて水冷パネルの反炉内側面に設ける取り付け金物で固定すること、

4 ) 耐火煉瓦の反炉内側の突出部に設けた複数の凹部と耐火煉瓦の取り付け金物に設けた複数の凸部によって耐火煉瓦を固定すること、

5 ) 耐火煉瓦の炉内側端面を铸物表面より突出するように固定すること、

6 ) 耐火煉瓦間及び耐火煉瓦と铸物との接触面の間に緩衝材を配置すること、

7 ) 铸物の炉内側表面の一部を凸状に形成すること、である。更に、本発明のアーク炉の炉蓋用水冷パネルは、複数の耐火煉瓦及び冷却水を流す冷却管が铸鉄、铸鋼あるいは銅铸物に铸込まれているパネルであって、各耐火煉瓦は、炉内側が铸鉄より突出するとともに、突出している耐火煉瓦の炉内側端面及び铸鉄に铸ぐまれる部分は中央部の幅より大きい形状に形成され、さらに、铸鉄の炉内側表面には炉蓋に付着するスラグを保持するためのスラグキャッチヤーが設けられていることを特徴とするものであり、また、前記構成のアーク炉の炉蓋用水冷パネルをフレーム上に連続的に並べて環状に配置して中央に電極挿入口が形成されてもよい。図面の簡単な説明

図 1 は、本発明の炉壁用水冷パネルの正面図である。

図 2 は、本発明の炉壁用水冷パネルの切断断面図である。

図 3 は、本発明の炉壁用水冷パネルを炉壁に組み入れた状態を示す切断断面図である。

図 4 は、従来の炉壁用水冷パネルの使用時の温度分布を示した切断断面図である。

図 5 は、本発明の炉壁用水冷パネルの使用時の温度分布を示した切断断面図である。

図 6 は、本発明の炉壁用水冷パネルを直流電気炉に適用した際の本発明の炉壁用水冷パネルとその周囲の既設水冷パネルの 1 チヤ一ジ当たりの冷却水による損失熱量のグラフ。

図 7 は、本発明の炉壁用水冷パネルで、スリットに耐火煉瓦を差し込む前の切断断面図であって、（ a ) はストレート状のスリットを形成し、（ b ) はテーパー状のスリットを形成した水冷パネルを示す。

図 8 は、本発明の炉壁用水冷パネルであって、（ a ) はストレート状のスリッ卜に、（ b ) はテーパー状のスリットスリッ卜に耐火煉瓦を差し込んで固定した状態の切断断面図である。

図 9 は、本発明の炉壁用水冷パネルをァーク炉に組み込んだ切断断面図である。

図 10は、本発明のアーク炉の炉蓋用水冷パネルの縦断面図である図 1 1は、本発明のパネルにより形成した炉蓋の一部を示す平面図でめ ^)。

図 12は、本発明のパネルにより形成した炉蓋の縦断面図である。図 13は、従来のアーク炉の縦断面図である。

図 14は、従来の水冷ジャケット炉蓋の縦断面図である。発明を実施するための最良の形態

次に、本発明にかかるアーク炉の炉壁及び炉蓋用水冷パネルについて図面に基づいて説明する。

図 1 〜図 3 において、本発明のァ一ク炉の炉壁及び炉蓋用の水冷パネル 1 においては、給排水配管 4 と一体化された冷却水配管 3 を耐火煉瓦 2 の列間に設け、铸ぐるんでいるため、冷却水配管 3 からパネル本体 1 を構成する铸物の炉内側表面までの距離が短く、铸物の炉内側表面を効率よく冷却することが可能となる。

水冷パネル 1 に铸ぐるまれた耐火煉瓦 2 の炉内側端面は、水冷パネル 1 の铸物表面から炉内方向に突出している。そのために、水冷パネルの炉内側表面は凹凸状となり、スラグ等炉内溶融物 6 を水冷パネル 1 の表面に安定的に付着させることが可能となる。付着したスラグ等炉内溶融物 6 は、水冷パネル 1 に铸ぐるまれた耐火煉瓦 2 と同等の断熱性を有することが多く、水冷パネル 1 を保護するとともに熱損失を少なくすることが可能となる。

水冷パネル 1 に铸ぐるまれた耐火煉瓦 2 は、炉内側端面の幅を反炉内側端面の幅より小さくするようにテーパー 8が設けられており、耐火煉瓦 2が水冷パネル 1 に食い込んでいる状態となり、耐火煉瓦 2 の脱落を防止している。また、耐火煉瓦 2 は、炉内の熱負荷により、高温に達し、反炉内側端面が水冷パネル 1 を構成する铸物によって拘束され、熱応力が発生するため、特に応力が集中する反炉内側端面の角部を円弧状に形成して熱応力を緩和している。

水冷パネル 1 に铸ぐるまれる耐火煉瓦 2 の周囲には、セラミックファイバー、グラスウール等の緩衝剤 7が巻かれており、水冷パネル 1 を構成する铸物及び耐火煉瓦 2 の熱膨張を吸収し、铸物及び耐火煉瓦 2 に作用する圧縮応力を軽減している。

水冷パネル 1 の炉内側表面の一部は、凸状に突起物 5が形成されており、突起物 5 は炉内側端面が水冷パネル 1 の表面から炉内方向に突出した耐火煉瓦 2 と同様の効果を発揮し、耐火煉瓦 2の炉内側端面の突出部がアーク炉に投入するスクラップの衝突によって脱落した場合に、該耐火煉瓦 2 の炉内側端面の突出部に代わってスラグ等炉内溶融物 6 を安定的に保持する。なお、 9 は炉内側表面温度を測定するための熱電対である。

実際の設置において、本発明によるアーク炉の炉壁用铸鉄製水冷パネルをァーク炉に設置し、従来の複数枚ある炉内面側に耐火材を有しない鋼製配管構造の水冷パネルのうちの 2枚を本発明によるァーク炉の炉壁用水冷パネルに取り替え、冷却水による抜熱量を比較した。水冷パネルの铸鉄の炉内側表面温度を測定するために熱電対を設置した。その結果、 2種類の水冷パネルの稼働中の 1 チヤ一ジ当たりの冷却水による抜熱量は、図 6 のとおりであり、本発明によるアーク炉の炉壁用水冷パネルの冷却水による抜熱量は、既設の水冷パネルに比較して約半分であり、水冷パネルの炉内側表面温度は水冷パネルの铸鉄の組織変化の進行が開始する 700°Cに到達しない。 1 000チャージ以上の適用によってもパネル本体 1 の铸物の組織変化は生ずることなく、水冷パネルに铸ぐるんだ耐火煉瓦の損耗、脱落等も発生しない。

—方、従来の構造のものでは、水冷パネルを構成する铸鉄あるいは铸鋼の炉内側表面温度が約 1000°Cとなった（図 4参照）が、本発明による水冷パネルにおいては铸鉄の炉内側表面温度が 700°C以下となった（図 5参照）。铸鉄ゃ铸鋼の場合、 700°C近傍に変態点があることから、変態点を超えると組織変化や強度の低下が生じるが、本発明による水冷パネルにおいては、铸鉄の炉内側表面温度を 7 00°C以下に抑制することができるため、組織変化及びそれに伴う損耗を防ぐことが可能となる。また冷却能力の向上により、耐火煉瓦の炉内側端面の温度が低下するため、煉瓦寿命を延長させることができる。

また、本発明の別の実施態様においては、図 7 ( a ) ，（ b ) に示すように、アーク炉の炉壁及び炉蓋用水冷パネル 1 においては、給排水配管 4 と一体化された冷却水配管 3 を耐火煉瓦 2 を差し込むためのスリット 10の列間に設け、铸ぐるんでいるため、冷却水配管 3 からパネル本体 1 を構成する铸物の炉内側表面までの距離が短く、铸物の炉内側表面を効率よく冷却することが可能となる。

水冷パネル 1 に設けられる耐火煉瓦 2 を差し込むためのスリット 10は、図 7 ( a ) に示すようにスリット 10の炉内側端面の幅 a と反炉内側端面の幅 bが同じ（ a = b ) になるストレート状、或いは図 8 ( a ) に示すようにスリット 1 0の炉内側端面の幅 aを反炉内側端面の幅 bより小さく（ a く b ) なるテーパー状に形成する。そのために、耐火煉瓦 2が表面の酸化消耗やスクラップの衝突による機械的損耗によつて消耗した場合にも、耐火煉瓦 2 を容易に交換することが可能となる。

水冷パネル 1 のスリツト 10に差し込まれる耐火煉瓦 2 は、図 7 ( b ) 、図 8 ( b ) に示すように、反炉内側端面を铸物表面より突出させ、該突出部を水冷パネル 1 の反炉内側面にボルト 14で固定される取り付け金物 1 1で支持 · 固定する。そのために、アーク炉の振動等によって、耐火煉瓦 2が反炉内側に脱落するのを防止することが可能となる。

水冷パネル 1 のスリット 10に差し込まれる耐火煉瓦 2 は、スリット 10がテーパー状に形成されている場合には、耐火煉瓦 2がスリット 10に食い込んだ状態となり、炉内側へ脱落することはない。また、スリット 10がストレート状に形成されている場合には、耐火煉瓦 2 の反炉内側の突出部に複数の凹部 12を設け、取り付け金物 1 1に設けた複数の凸部 1 3を凹部 12に嵌め込むことによって固定されるために、耐火煉瓦 2 が炉内側へ脱落することを防止できる。

さらに、スリット 10がストレート状に形成されている場合には、耐火煉瓦 2 の凹部 12を耐火煉瓦 2 の突出方向に複数列設けることによって、耐火煉瓦 2 の消耗状態に応じて耐火煉瓦 2 を炉内側に押し込み、新たな凹部 12に取り付け金物 1 1の凸部 13をはめ込むことで、耐火煉瓦 2を交換することなく、短時間で水冷パネル 1 の使用初期状態に復帰させることが可能となる。

水冷パネル 1 のスリツト 10に差し込まれる耐火煉瓦 2 は、炉内側端面が水冷パネル 1 の铸物表面から炉内側に突出するように差し込まれている。そのために、水冷パネル 1 の炉内側表面は凹凸状となり、図 9 に示すようにスラグ等炉内溶融物 6 を安定的に付着させることが可能となる。付着したスラグ等炉内溶融物 6 は、耐火煉瓦 2 と同等の断熱性を有することが多く、水冷パネル 1 を保護するとともに熱損失を少なくすることが可能である。

水冷パネル 1 のスリット 1 0に差し込まれる耐火煉瓦 2の周囲には、セラミックファイバ一、グラスゥール等の緩衝材 7 を巻付けることにより、水冷パネル 1 を構成する铸物及び耐火煉瓦 2 の膨張を吸収し、铸物及び耐火煉瓦 2 に作用する圧縮応力を軽減している。又、水冷パネル 1 の炉内側表面の一部には、凸状の突起物 5 を形成する。この突起物 5 は炉内側端面が水冷パネル 1 の铸物表面から炉内側に突出するように差し込まれている耐火煉瓦 2 と同様の効果を発揮し、耐火煉瓦 2の炉内側突出部が消耗した場合、耐火煉瓦 2 を押し込む。あるいは交換するまでの間、該炉内側突出部に代ってスラグ等炉内溶融物 4 を安定的に保持する。

次に、炉蓋用水冷パネルについて説明する。

図 1 0は本発明のアーク炉の炉蓋用水冷パネルの縦断面図であり、铸物の母材として铸鉄を使用した例である。パネル 1 は複数の耐火煉瓦 2 が铸鉄 1 5に铸込まれている。各耐火煉瓦 2 は炉内側が铸鉄 1 5 より突出しており、炉蓋の炉内側に付着するスラグ等炉内溶融物 6 をスラグキャッチヤ一 1 6と併せて確実に保持するため、炉内側端面は铸鉄の炉内側面の中央部の幅より拡がる形状に形成する。一方、各耐火煉瓦 2 は、铸鉄 1 5に铸ぐまれる部分が铸鉄 15から脱落するのを防止するとともに、各耐火煉瓦 2 と铸鉄 1 5との熱伝達を計るため、炉内側端面とほぼ同等の大きさに形成する。したがって、耐火煉瓦 2 は鼓状の形状にすることが好ましい。耐火煉瓦 2 としては、例えば、耐スポーリング性の優れたマグネシア力一ボン質等を使用する

铸鉄 1 5内には冷却水を流す冷却管 3が铸ぐるまれる。さらに、铸鉄 1 5の炉内側には、炉蓋の炉内側に付着するスラグ等炉内溶融物 6 を保持するため、スラグを係止する形状の金属製のスラグキャッチャ一 16が铸ぐるみ等により設けられる。炉蓋にスラグを安定的に付着させることによって炉蓋の炉内側表面の温度を下げることができる

図 1 1は本発明のパネルにより形成した炉蓋の一部を示す平面図、図 12は同縦断面図である。パネル 1 は、フラットに形成され、炉周辺側に比べて炉中央側が短辺の扇形に形成され、パネル 1 を連続して並べることにより環状となり、中央に電極挿入口 17を形成することも可能である。パネル 1 は、フレーム 20に支持される。フラットなパネルを並べることによつて炉蓋をフラットに形成することができるので、従来の円錐形の炉蓋に比べて炉蓋の加工及び施工が容易になる。

パネル 1 に铸ぐまれた冷却管 3 は、連続した蛇管とすることもできるが、図 1 1及び図 12に示すように、パネル 1 に铸ぐまれた冷却管 3 を各々独立して設け、各冷却管 3 の冷却水入口 18及び冷却水出口 19はへッダ一管 20にそれぞれ直接接続し、さらにへッダ一管 20どうしを接続した構造とすることもできる。この冷却管 3 とヘッダー管 20との接続により、多数の曲げ加工が必要となる蛇管による冷却管 3 に比べて、加工量を削減することが可能となり、安価なパネル 1 を得ることが可能となる。

上述した構造を有する本発明にかかるアーク炉の炉壁及び炉蓋用水冷パネルは以下の効果を奏する。

( 1 ) アーク炉の炉壁及び炉蓋用水冷パネルはアークからの熱輻射及び高温のガスに晒されることから、従来は、耐火煉瓦を炉内側に一端面を炉内側に露出させて铸ぐるみ、冷却水配管を耐火煉瓦の外側すなわち反炉内側に铸ぐるんでいたが、本発明においては、冷却水配管が耐火煉瓦の列間に設けられて、铸ぐるまれているため、冷却水配管から水冷パネルを構成する铸物及び煉瓦の炉内側表面までの距離が短く、铸物及び煉瓦の炉内側表面を効率よく冷却することが可能となった。

( 2 ) 本発明による水冷パネルにおいては、冷却水配管を耐火煉瓦の間に配置しているため、従来の耐火煉瓦及び冷却水配管を铸ぐるんだ水冷パネルより薄型化及び軽量化を図ることが可能となる。このため、薄型化により、アーク炉の炉容積を大きくすること、もしくは、同じ炉容積を確保する場合には炉体の大きさを小さくすることが可能となるとともに、軽量化により水冷パネルのコストを削減することができる。銅铸物の材料費は铸鉄と比較して高価であるため、軽量化によるコス卜の削減は銅铸物について特に顕著である

( 3 ) 本発明においては、水冷パネルに铸ぐるまれた耐火煉瓦は、炉内側端面がパネル本体の铸物表面から炉内方向に突出しているため、水冷パネルの炉内側表面は凹凸状となり、スラグ等炉内溶融物を水冷パネルの表面に安定的に付着させることが可能となる。付着したスラグ等炉内溶融物は水冷パネルに铸ぐるまれた耐火煉瓦と同等の断熱性を有することが多いため、水冷パネルを保護するとともに熱損失を少なくすることが可能となる。

( 4 ) 本発明においては、水冷パネルに铸ぐるまれた耐火煉瓦には炉内側端面の幅が反炉内側端面の幅より小さくなるようにテ一パ —が設けられているため、耐火煉瓦がパネル本体である铸物の中に食い込んでいる状態となり、耐火煉瓦の脱落が防止可能となる。

( 5 ) 本発明においては、耐火煉瓦の反炉内側端面の角部を円弧状に形成して熱応力を緩和するとともに、耐火煉瓦の周囲に緩衝材を巻くことにより、水冷パネルを構成する铸物及び耐火煉瓦の熱膨張を吸収し、铸物及び耐火煉瓦に作用する圧縮応力を軽減している ( 6 ) 本発明においては、水冷パネルの炉内側表面の一部に凸状の突起物を形成しているため、突起物は炉内側端面が水冷パネルの表面から炉内方向に突出した耐火煉瓦と同様の効果を発揮し、特に、耐火煉瓦の炉内側端面の突出部がアーク炉に投入するスクラップの衝突によって脱落した場合に、該耐火煉瓦の炉内側端面の突出部に代わってスラグ等炉内溶融物を安定的に保持することができる。

( 7 ) 本発明においては、水冷パネルには耐火煉瓦を差し込むためのスリッ卜力スリットの炉内側端面の幅と反炉内側端面の幅が同じになるストレート状、或いはスリットの炉内側端面の幅が反炉内側端面の幅より小さくなるテーパー状に形成されているため、耐火煉瓦が表面の酸化消耗やスクラップの衝突による機械的損耗によつて消耗した場合にも耐火煉瓦を容易に交換でき、水冷パネルの寿命を延長することが可能となる。さらに、スリットがストレート状に形成されている場合には、耐火煉瓦の凹部を耐火煉瓦の反炉内側突出方向に複数列設けているため、耐火煉瓦の消耗状態に応じて耐火煉瓦を炉内側に挿し込み、新たな凹部に取り付け金物の凸部をはめ込むことで、耐火煉瓦を交換することなく、短時間で水冷パネルの使用初期状態に復帰させることが可能となる。また、耐火煉瓦の炉内側への脱落に対しては、耐火煉瓦を差し込むスリツ卜がテーパ一状に形成されている場合には、耐火煉瓦がスリツ卜に食い込んだ状態となり、耐火煉瓦を差し込むスリツ卜がストレート状に形成されている場合には、耐火煉瓦の反炉内側の突出部に設けた複数の凹部に取り付け金物に設けた複数の凸部がはまり込んで固定されるため、耐火煉瓦が炉内側へ脱落することを防止できる。

( 8 ) 本発明においては、水冷パネルのスリッ卜に差し込まれる耐火煉瓦は、炉内側端面がパネル本体の铸物表面から炉内方向に突出しているため、水冷パネルの炉内側表面は凹凸状となり、スラグ等炉内溶融物を水冷パネルの表面に安定的に付着させることが可能となる。付着したスラグ等炉内溶融物は水冷パネルに差し込まれる耐火煉瓦と同等の断熱性を有することが多いため、水冷パネルを保護するとともに熱損失を少なくすることが可能となる。

( 9 ) 本発明においては、水冷パネルのスリットに差し込まれる耐火煉瓦に緩衝材を巻くことにより、水冷パネルを構成する铸物及び耐火煉瓦の熱膨張を吸収し、铸物及び耐火煉瓦に作用する圧縮応力を軽減できる。

( 10) 本発明においては、水冷パネルの炉内側表面の一部に凸状の突起物を形成しているため、突起物は炉内側端面が水冷パネルの表面から炉内方向に突出した耐火煉瓦と同様の効果を発揮し、特に、耐火煉瓦の炉内側端面の突出部が酸化やスクラップの衝突によつて消耗した場合にも、耐火煉瓦を押し込む、あるいは交換するまでの間、耐火煉瓦の炉内側端面の突出部に代ってスラグ等炉内溶融物を安定的に保持することができる。

( 11 ) 本発明によれば、水冷炉蓋にスラグを耐火煉瓦及びスラグキャッチャーにより安定的に付着させて表面の温度を下げるため、従来の水冷パネルと比較して冷却水の抜熱量を安定的に削減することおよび水冷炉蓋の寿命を従来より延長することが可能となる。また、水冷炉蓋をフラットなパネルで構成するためおよびへッダ管どうしを接続するために、加工及び施工が容易となり、安価な水冷炉蓋力く得られる。産業上の利用可能性

熱損失及び冷却水供給のための動力を削減しつつ、炉の寿命も炉内面側に耐火材を有しない鋼板溶接構造、鋼製配管構造、銅鍀物ぁるいは銅板溶接構造の水冷パネルと同等もしくはそれ以上確保することが可能なアーク炉の炉壁及び炉蓋用水冷パネルの提供が可能でめる o

Claims

請求の範囲

1. アーク炉の炉壁及び炉蓋に設置される铸鉄、铸鋼あるいは銅の铸物製水冷パネルにおいて、炉内側に端面を露出するように一定の間隔をもつて複数列配置された耐火煉瓦と耐火煉瓦の列間に冷却水配管とが铸ぐるまれていることを特徴とするアーク炉の炉壁及び炉蓋用水冷パネル。

2. 耐火煉瓦の炉内側端面を铸物表面から突出させるように铸ぐるんだことを特徴とする請求項 1 に記載のアーク炉の炉壁及び炉蓋用水冷パネル。

3. 耐火煉瓦の炉内側端面の幅を反炉内側端面の幅より小さくなるようにテーパーを設けたことを特徵とする請求項 1 又は 2 に記載のアーク炉の炉壁及び炉蓋用水冷パネル。

4. 耐火煉瓦の反炉内側端面の角部を円弧状に形成したことを特徵とする請求項 1 〜 3 のいずれか 1 項に記載のアーク炉の炉壁及び炉蓋用水冷パネル。

5. 耐火谏瓦と铸物との接触面の間に緩衝材を配置したことを特徴とする請求項 1 〜 4 のいずれか 1 項に記載のアーク炉の炉壁及び炉蓋用水冷パネル。

6. 铸物の炉内側表面の一部を凸状に形成したことを特徴とする請求項 1 〜 5 のいずれか 1 項に記載のァーク炉の炉壁及び炉蓋用水冷パネル。

7. アーク炉の炉壁及び炉蓋に設置される铸鉄、铸鋼あるいは銅の铸物製水冷パネルにおいて、該パネルの反炉内側から耐火煉瓦を差し込むためのスリツトを一定の間隔をもって複数列記し、該スリット間に冷却水配管が铸ぐまれていることを特徴とするアーク炉の炉壁及び炉蓋用水冷パネル。

8. 耐火煉瓦を差し込むためのスリットを、炉内側端面の幅と反炉内側端面の幅が同じになるようにストレート状に形成したことを特徴とする請求項 7 に記載のァーク炉の炉壁及び炉蓋用水冷パネル

9. 耐火煉瓦を差し込むためのスリッ卜を、炉内側端面の幅を反炉内側端面の幅より小さくなるようにテーパー状に形成したことを特徴とする請求項 7 に記載のアーク炉の炉壁及び炉蓋用水冷パネル

1 0. スリットに差し込む耐火煉瓦の反炉内側端面を铸物表面より突出させ、水冷パネルの反炉内側面に設ける取り付け金物で固定することを特徴とする請求項 7 〜 9 のいずれか 1 項に記載のァーク炉の炉壁及び炉蓋用水冷パネル。

1 1 . スリツ卜に差し込む耐火煉瓦の反炉内側の突出部に複数の凹部を設け、水冷パネルの反炉内側面に設ける耐火煉瓦の取り付け金物に複数の凸部を設け、該耐火煉瓦の突出物の凹部に該取り付け金物の凸部をはめ込むことで耐火煉瓦を固定することを特徴とする請求項 7或いは 8又は 1 0に記載のアーク炉の炉壁及び炉蓋用水冷パネル。

1 2. スリットに差し込む耐火煉瓦の炉内側端面を铸物表面より突出するように耐火煉瓦を固定することを特徴とする請求項？〜 1 1のいずれか 1 項に記載のアーク炉の炉壁及び炉蓋用水冷パネル。

1 3. 耐火煉瓦間及び耐火煉瓦と铸物との接触面の間に緩衝材を配置したことを特徴とする請求項 7 〜 1 2のいずれか 1 項に記載のァーク炉の炉壁及び炉蓋用水冷パネル。

14. 铸物の炉内側表面の一部を凸状に形成したことを特徴とする請求項？〜 1 3のいずれか 1 項に記載のァーク炉の炉壁及び炉蓋用水冷パネル。

15. 複数の耐火煉瓦及び冷却水を流す冷却管が铸鉄、铸鋼あるいは銅に铸込まれている铸物製パネルであって、各耐火煉瓦は、炉内側が铸物表面より突出するとともに、突出している耐火煉瓦の炉内側端面及び铸鉄、铸鋼あるいは銅に铸ぐまれる部分は中央部の幅より大きい形状に形成され、さらに、铸物の炉内側表面には炉蓋に付着するスラグを保持するためのスラグキャッチャーが設けられていることを特徴とするアーク炉の炉蓋用水冷パネル。

16. 前記アーク炉の炉蓋用水冷パネルをフレーム上に連続的に並ベて環状に配置して中央に電極挿入口が形成されていることを特徴とする請求項 1 5に記載のアーク炉の水冷炉蓋。