明 細 書 ぺプチド化合物 技術分野
本発明は、 オビオイ ド受容体等に対する作用を介して鎮痛等の薬理作用を発揮 するぺプチド誘導体に関するものである。 背景技術
モルヒネ等のオビオイ ドが結合するオビオイ ド受容体は、 1970年代前半にその 存在が証明された。 ォピオイ ド受容体は現在//、 Sおよび の 3種に大別されて いる。モルヒネは主に〃受容体にァゴニストとして作用し、鎮痛、腸管運動抑制、 呼吸抑制等の薬理学的効果を発現する。 1975年以降、 オビオイ ド受容体に結合す る内因性のモルヒネ様物質が相次いで発見された。 現在までのところ、 これらの 物質は全てペプチドであり、 オビオイ ドペプチドと総称されている。 オビオイ ド ペプチドの薬理学的効果は基本的にはモルヒネと同様と考えられ、 元来生体内に 存在する物質であることから、 モルヒネ以上の安全性を有する薬剤となる可能性 が予想される。 しかし、 天然のォピオイ ドペプチドでは体内動態面での問題もあ り、 未だ医薬品として使用はされていない。
1980 年代には D-体のァラニンを含有するデルモルフインが力エルの皮膚から 単離された。 デルモルフインの鎮痛効果は脳室内投与でモルヒネの約 1,000倍強 力であり、 体内で比較的安定であることが判明した。 その後、 D-体のアミノ酸を 含む合成オビオイ ドペプチドが提案されており、 特に 受容体選択性の高い合成 オビオイ ドペプチドが麻薬性のない鎮痛薬として期待され、 臨床試験も実施され ている。 しかしながら、 その有効性、 ァゴニストであることに起因すると思わ れる副作用、 及び採算性の面で医薬品としての可能性は疑問視されている。
近年、癌疼痛治療薬として硫酸モルヒネの徐放性経口剤である MSコンチンが広
く用いられている。 しかしながら、 MSコンチンは一日投与量がグラム単位にまで 増加し、 その服用に困難を伴う場合があり、 また、 ヒスタミン遊離作用に起因す ると考えられるかゆみ等の副作用が発現し、 投与の中止を余儀なくされる場合が あった。 本発明者らは、 L- Tyr- (L又は D )- Arg- Phe を基本骨格とし、 N 末端にァ ミジノ基を有する鎮痛性オリゴペプチド誘導体 (国際公開 W095/24421、 同 W097/1026K 及び同 W097/10262) を提供することに成功したが、 この化合物は経 口吸収性と鎮痛作用に優れており、 MSコンチンの代替薬としての利用が期待され ている。
一方、 喉頭癌、 消化器癌などの癌疾患の患者に対しては、 鎮痛剤の経口投与が 困難になる場合が多い。 このような患者に対して、 負担が少なく、 かつ長期にわ たつて投与が可能な鎮痛剤の開発が求められている。 経皮吸収又は経粘膜投与可 能な鎮痛剤は上記の特徴を有する薬剤として有用性が期待されるが、 モルヒネや 従来開発された鎮痛性ォリゴぺプチド化合物は満足すべき経皮又は経粘膜吸収性 を有しておらず、 その投与経路は経口投与、 直腸内投与、 又は注射などに限定さ れている。 発明の開示
本発明者らは、 さらに優れた経口吸収性、 経皮吸収性、 及び経粘膜吸収性を有 する鎮痛性ォリゴぺプチドを提供すベく鋭意研究を行ったところ、例えば L-チロ シン- D-アルギニン一フエ二ルァラニン- N-メチル ァラニンを基本骨格とする オリゴペプチド誘導体において、 N-末端をアルキル化することにより、 経口投与 又は経皮若しくは経粘膜投与によっても優れた鎮痛活性を発揮できる新規なオビ オイ ドペプチドを提供できることを見出した。 本発明者らはさらに研究を行い、 本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、 下記の式(I ):
Rし AALM2- M3- M4- OR2
中、
R1は C1-6アルキル基、 アミノ基、 モノ C1-6アルキルアミノ基、 又はジ C1-6アルキル アミノ基を示し;
R2は水素原子、 C卜 16アルキル基、 ハロゲン化 C1-16アルキル基、 ヒドロキシ C1-16 7 ルキル基、 。アルコキシ置換 Cw。アルキル基、 C1-6アルコキシ -C1-6アルコキシ置 換 C1-6アルキル基、 ァミノ C1-16アルキル基、 モノ C1-6アルキルァミノ C1-16アルキ ル基、 ジ C1-6アルキルアミノ C1-16アルキル基、 C3-1。シクロアルキル基、 C3-1Qシク 口アルキル置換 C1-6アルキル基、 C2-16アルケニル基、 C2-16アルキニル基、 C6-10ァリ
—ル基、 c6-16ァリール置換 C1-6アルキル基、 (6-16ァリール- c1-6アルコキシ置換 c1-6 アルキル基、 置換基を有することもあるフタリジル基、 _6アルコキシカルボ二 ルォキシ c1-6アルキル基、 又は c2-7アルカノィルォキシ c1-6アルキル基を示し;
AA1 は下記の式:
{式中、 Xは水素原子を示すか、 又は、 下記の式: - CO- Y- R3 (式中、 R3は C1-16 7 ルキル基、 ヒドロキシ C1-16アルキル基、 ァミノ C1-16アルキル基、 モノ C1-6アルキ ルァミノ C1-16アルキル基、 ジ — 6アルキルアミノ C1-16アルキル基、 C3-1。シクロア ルキル基、 C3-1。シクロアルキル置換 C1-6アルキル基、 C2-16アルケニル基、 C2-16アル キニル基、 c6-1Qァリ一ル基、 c6-1。ァリール置換 ( 6アルキル基、 又は複素環基を示 す)で表される基を示し、 R4及び はそれそれ独立に水素原子、 C1-6アルキル基、 ハロゲン化 C1-6アルキル基、 又はハロゲン原子を示すか、 あるいは R1と R4がー緒 になって 6ないし 10員環を形成してもよく、 Yは酸素原子又は単結合を示す)で
表される L -ひ-アミノ酸残基を示し;
AA2 は下記の式:
I
(CH2)r
o
(式中、 R6はァミノ基、 モノ C1-6アルキルアミノ基、 C1-6ァシルァミノ基、 C1-6ァ ルキル基を有することもあるグァ NHニジノ基 [無置換の場合: -NH- C(NH2)=NH]、 1- ィミノ C1-6アルキルアミノ基、 C1-6アルキル基を有することもあるウレィ ド基 (無 置換の場合: - NH- CO- NH2 )、 C1-6アルキルチォ基、 C1-6アルキルスルフィニル基 (-S0-C1-6アルキル)、 C1-6アルキルスルホニル基(- S02- ( 6アルキル)、 C1-6ァシル基, 又は 卜ヒドロキシ C1-6アルキル基を示し、 nは 1〜4 の整数を示す) で表される D-ひ-アミノ酸残基を示し;
AA3 は下記の式:
(式中、 R7は水素原子、 C1-6アルキル基、 ハロゲン化 C1-6アルキル基、 又はハロゲ ン原子を示す) で表されるひ-アミノ酸残基を示し;
AA4 は下記の式: - N(R8)- CHd -CHd^)- CO- (式中、 R8、 R9ヽ 及び R1Q はそれそれ 独立に水素原子、 ( 6アルキル基、 C2-6アルケニル基、 C2-6アルキニル基、 C5-1。ァリ ール基、 又は -16ァリール置換 C1-6アルキル基を示す)で表される ? -アミノ酸残 基を示し;
ただし、 R1が C1-6アルキル基であり、 R2が水素原子又は C1-6アルキル基であり、
R4、 R5及び Xが水素原子であり、 R6がグァニジノ基であり、 かつ n二 3である場合 を除く]
で表される化合物又はその塩を提供するものである。
別の観点からは、上記の式(I )で表される化合物又は生理学的に許容されるその塩 を有効成分として含み、 例えば鎮痛剤として有用な医薬が提供される。 この医薬 の好ましい態様によれば、有効成分である上記の式(I )で表される化合物又は生理 学的に許容されるその塩と製剤用添加物とを含む医薬用組成物の形態の医薬が提 供される。さらに別の観点からは、上記の医薬の製造のための式(I )で表される化 合物又は生理学的に許容されるその塩の使用;及び、 疼痛の予防及び/又は治療 方法であって、上記の式(I )で表される化合物又は生理学的に許容されるその塩の 有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法が提供される。 発明を実施するための最良の形態
上記定義において、 「アルキル基」、 又は 1個又は 2個以上のアルキル部分を含 む置換基(例えばモノアルキルアミノ基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、 アルコキシ置換アルキル基など) についての 「アルキル部分」 は、 直鎖又は分枝 鎖のいずれでもよい。 例えば、 ( 6アルキル基という場合には、 炭素数 1個ない し 6個の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を意味しており、 より具体的には、 メチル 基、ェチル基、 n-プロピル基、ィソプロピル基、 n-ブチル基、 sec -プチル基、 tert- ブチル基、 n-ペンチル基、 ネオペンチル基、 n-へキシル基などを挙げることがで きる。 例えば 1個又は 2個以上の C1-6アルキル部分を含む置換基において、 C1-6 アルキル部分としては上記に例示した C1-6アルキル基を用いることができる。 ジ アルキルアミノ基又はジアルキルァミノ部分を含む置換基 (例えばジアルキルァ ミノアルキル基) において、 アミノ基上に置換する 2個の C1-6アルキルは同一で も異なっていてもよい。 C1 6アルキル基としては上記に例示した C1-6アルキル基 のほか、 直鎖又は分枝鎖のへプチル基、 ォクチル基、 ノニル基、 デシル基、 ゥン デシル基、 ドデシル基、 トリデシル基、 テトラデシル基、 ペン夕デシル基又はへ
キサデシル基を挙げることができる。 c1-16アルキル基としては直鎖又は分枝鎖の c6-12アルキル基が好ましく、 c8-1。アルキル基がより好ましい。 特に好ましいのは c8及び C1Dの直鎖又は分枝鎖アルキル基である。
本明細書において 「ハロゲン」 という場合には、 フッ素、 塩素、 臭素、 又はョ ゥ素のいずれでもよい。 ハロゲン化アルキル基に置換するハロゲン原子の置換位 置、 個数及び種類は特に制限されず、 モノハロゲン化アルキル基からパ一ハロゲ ン化アルキル基までいずれも利用可能である。 2個以上のハロゲン原子が存在す る場合には、 それらは同一でも異なっていてもよい。 ハロゲン化アルキル基とし ては、 例えば、 トリフルォロメチル基、 2, 2,2-トリフルォロェチル基などを例示 することができるが、 これらの例に限定されることはない。 ヒドロキシアルキル 基に置換する水酸基の置換位置及び個数は特に限定されず、例えば 1ないし 4個、 より好ましくは 1ないし 2個、 特に好ましくは 1個の水酸基が任意の位置に置換 していてもよい。 ヒドロキシアルキル基としては、 例えばヒドロキシメチル基な どを用いることができる。
アルコキシ置換アルキル基としては、 例えば、 メ トキシメチル基、 エトキシメ チル基、 メ トキシェチル基、 n-ヘプトキシメチル基などを挙げることができ、 ァ ルコキシ-アルコキシ置換アルキル基としては、メ トキシメ トキシメチル基、メ ト キシエトキシメチル基などを挙げることができるが、 これらに限定されることは ない。 アミノアルキル基に置換するァミノ基の個数は好ましくは 1又は 2個、 特 に好ましくは 1個である。 C3-1()シクロアルキル基の環の個数は特に限定されない が、 1個ないし 3個程度が好適であり、 例えばシクロプロピル基、 シクロブチル 基、 シクロペンチル基、 シクロへキシル基、 ァダマンチル基などを用いることが できる。 C3-1。シクロアルキル部分を含む置換基 (例えば( !。シクロアルキル置換 C1-6アルキル基など) の C3-1。シクロアルキル部分としては、 上記に例示したシク 口アルキル基を用いることができる。 これらのシクロアルキル基の環上には 1個 又は 2個以上の C1-6アルキル基が存在していてもよい。
C2-16アルケニル基及び C2- 16アルキニル基は、 直鎖又は分枝鎖のいずれであって
もよい。 これらの基にそれそれ含まれる二重結合及び三重結合の数は特に限定さ れないが、 好ましくは 1ないし 4個、 より好ましくは 1又は 2個、 特に好ましく は 1個である。 上記定義において、 「ァリール基」、 又は 1個又は 2個以上のァリ ール部分を含む置換基 (例えばァリールアルキル基、 ァリールアルコキシ置換ァ ルキル基など) についての 「ァリール部分」 としては、 例えば、 フエニル基、 ト リル基、 ナフチル基、 アントリル基、 フエナントリル基などを用いることができ る。 ァリールアルキル基としてはべンジル基、 フエネチル基などを用いることが できる。 ァリールアルコキシ置換アルキル基としては、 ベンジルォキシ基、 フエ ネチルォキシ基などを用いることができる。
置換基を有することもあるフタリジル基としては、 ベンゼン環上に 1個又は 2 個以上の置換基を有するフタリジル基を用いることができる。 このような置換基 としては、 例えば、 C1-6アルキル基、 ハロゲン化 C1-6アルキル基、 C1-6アルコキシ 基、 水酸基、 ハロゲン原子、 アミノ基、 モノ若しくはジ C1-6アルキルアミノ基、 カルボキシル基、 ( 6アルコキシカルボニル基、 C1-6アルキルカルボニル基、 スル ホン酸基などを挙げることができるが、 これらに限定されることはない。 フ夕リ ジル基としては無置換のものが好ましい。 アルコキシカルボニルォキシアルキル 基としては、例えばエトキシカルボニルォキシメチル基などを用いることができ、 アルカノィルォキシアルキル基としては例えばァセトキシメチル基などを用いる ことができる。
R3が示す複素環基としては、 例えば、 環を構成する原子として 1個又は 2個以 上のへテロ原子 (例えば、 窒素原子、 酸素原子、 硫黄原子など) を含む 5ないし 10員の飽和、 部分不飽和、 又は芳香族の複素環基を用いることができる。 ヘテロ 原子を 2個以上含む場合には、ヘテロ原子の種類は同一でも異なっていてもよい。 上記定義において、 「ァシル基」、 又はァシル部分を含む置換基 (例えばァシルァ ミノ基など) についての 「ァシル部分」 としては、 例えば、 ァセチル基、 プロピ ォニル基などのアルカノィル基、 トリフルォロアセチル基などのハロゲン化アル カノィル基、 ベンゾィル基、 ナフトイル基などのァロイル基、 フヱニル基、 ナフ
チル基などを用いることができる。
AA1 が示す基における R4及び R5、 AA3 が示す基における R7のベンゼン環上にお ける置換位置は特に限定されない。 R4、 R5s 又は R7が示すハロゲン化アルキル基 としては、 トリハロゲン化メチル基が好ましい。 また、 フエニル基上の R4は R1 と一緒になつて 6ないし 10員環を形成してもよい。 この場合の例として、 Rし M1 が 1,2, 3,4-テトラヒドロ- 7-ヒドロキシィソキノリン -3-カルボン酸残基を示す 場合を挙げることができる。本明細書において、 「アミノ酸残基」という用語はべ プチド化学の分野における通常の意味で用いられており、 より具体的にはひアミ ノ酸においてひ位の関係にあるアミノ基及びカルボキシル基、 又は^アミノ酸に おいて/?位の関係にあるアミノ基及びカルボキシル基から、 それそれ水素原子及 びヒドロキシ基を除いた残りの構造を意味している。なお、上記の式(I )で表され るべプチド誘導体において、 R 1が C1-6アルキル基であり、 R2が水素原子又は C1-6 アルキル基であり、 R4、 R5及び Xが水素原子であり、 R6がグァニジノ基であり、 かつ n=3である場合は、 本発明の範囲に包含されない。
上記の式(I )で示される本発明のぺプチド誘導体に存在する不斉炭素は、上記定 義において特に言及した場合を除いて、 S-又は R-の任意の立体配置を有していて もよい。 また、 酸素原子が置換した硫黄原子 (スルホキシドなど) について S-又 は R-の立体配置が存在する場合には、 その立体配置はそれらのいずれでもよい。 一例を挙げれば、 M2 が D-メチォニンスルホキシド残基を示す場合には、 D-メチ ォニン- (RS)-スルホキシド残基、 D-メチォニン -(R)-スルホキシド残基、 D-メチォ ニン- (S)- スルホキシド残基のいずれの場合も本発明の範囲に包含される。 体内 安定性などの観点から適宜の立体配置のぺプチド誘導体を選択することが望まし い。
本発明の式(I )で示されるぺプチド誘導体には、任意の光学活性体またはラセミ 体、ジァステレオ異性体またはそれらの任意の混合物がすべて包含される。また、 本発明のペプチド誘導体には、 塩酸塩、 酢酸塩、 又はパラトルエンスルホン酸な どの酸付加塩や、 アンモニゥム塩又は有機アミン塩などの塩基付加塩が包含され
るほか、 遊離形態及び塩の形態のぺプチド誘導体の任意の水和物及び溶媒和物も 包含される。 さらに、 上記の一般式で示されるペプチド誘導体の他、 上記べプチ ド誘導体の 2量体ないし多量体である化合物、及びこれらのペプチド誘導体の C- 末端と N-末端が結合した環状の化合物も本発明の範囲に包含される。
式( I )で表される本発明の化合物の具体例としては、
(1) R1が C1-6アルキル基、 より好ましくは R1がメチル基、 ェチル基、 又はイソプ 口ビル基である化合物;
(2) AA3が置換若しくは無置換の L-フエ二ルァラニン残基、 好ましくは M3が フエ二ルァラニン残基である化合物;
(3) AA4 が N-メチル ァラニン残基である化合物;
(4) AA1 が L-チロシン残基である化合物;
(5) AA2 が D-メチォニンスルホキシド残基、 D-アルギニン残基、 D-リジン残基、 D-オル二チン残基、 D- 2-ァミノ- 3-U-ィミノェチル)アミノプロピオン酸残基、 D - 2-ァミノ- 3-グァニジノプロピオン酸残基、 又は D-シトルリン残基である化合 物;
(6) R2が水素原子、 C1-16アルキル基、 又は C3-1。シクロアルキル基である化合物; 及び
(7) 上記(1 )〜(6 )までの具体的アミノ酸残基又は置換基を適宜組み合わせた化合 物
を挙げることができるが、 本発明の化合物はこれらに限定されることはない。 本発明の化合物のうち、 特に好ましい化合物の例としては、
(8) R1がメチル基であり、 M1 が L-チロシン残基であり、 M2 が D-アルギニン残 基であり、 M3 が L-フエ二ルァラニン残基であり、 M4 が N-メチル - ァラニン 残基であり、 R2が- (CH2)7CH3 である化合物;
(9) R1がメチル基であり、 AA1 が L-チロシン残基であり、 M2 が D-アルギニン残 基であり、 M3 が L-フエ二ルァラニン残基であり、 M4 が N-メチル - ? -ァラニン 残基であり、 R2が- (CH2)9CH3 である化合物;
( 10) R1がメチル基であり、 AA1 が L-チロシン残基であり、 AA2 が D-2-ァミノ- 3- グァニジノプロピオン酸残基であり、 AA3が L-フエ二ルァラニン残基であり、 AA4 が N-メチル ァラニン残基であり、 R2が水素原子である化合物;
( 11 ) R1がメチル基であり、 AA1が L-チ口シン残基であり、 AA2が D-2-ァミノ - 3- ( 1- ィミノェチルァミノ)プロピオン酸残基であり、 M3 が L-フエ二ルァラニン残基 であり、 M4 が N-メチル - ァラニン残基であり、 R2が水素原子である化合物;
( 12) R1がメチル基であり、 AA1 が L-チロシン残基であり、 M2 が D-アルギニン 残基であり、 AA3 が L-フエ二ルァラニン残基であり、 AA4 が N-メチル - ? -ァラニ ン残基であり、 R2がァダマンチル基である化合物;
( 13) R'-AA1 が 1 ,2,3,4-テトラヒドロ- 7-ヒドロキシイソキノリン- 3-カルボン酸 残基であり、 AA2 が D-シトルリン残基であり、 M3 が L-フエ二ルァラニン残基で あり、 AA4 が N-メチル - ? -ァラニン残基であり、 R2が水素原子である化合物
( 14) R1がメチル基であり、 M1 が L-チロシン残基であり、 M2 が D-シトルリン 残基であり、 AA3 が L-フエ二ルァラニン残基であり、 M4 が N-メチル ァラニ ン残基であり、 R2が水素原子である化合物;
(15 ) R1がメチル基であり、 M1 が L-チロシン残基であり、 M2 が D-メチォニン スルホキシド残基であり、 AA3 が L-フエ二ルァラニン残基であり、 AA4 が N-メチ ル ァラニン残基であり、 R2が水素原子である化合物;
( 16) R1がメチル基であり、 AA1 が L-チロシン残基であり、 M2 が D-リジン残基 であり、 M3 が L-フエ二ルァラニン残基であり、 M4 が N-メチル - ? -ァラニン残 基であり、 R2が水素原子である化合物;及び
( 17) R1がメチル基であり、 M1 が L-チロシン残基であり、 M2 が D-オル二チン 残基であり、 M3 が L-フエ二ルァラニン残基であり、 M4 が N-メチル - ? -ァラニ ン残基であり、 R2が水素原子である化合物
を挙げることができる。
本発明のペプチド誘導体は、 優れた鎮痛効果を有しており、 医薬の有効成分、 好ましくは鎮痛剤の有効成分として有用である。 本発明のペプチド誘導体は、 鎮
痛作用に伴うヒスタミン遊離作用や心拍数の低下作用がモルヒネに比して相対的 に弱く、 モルヒネとの交差耐性の程度も低いので、 癌疼痛治療に適することが予 想される。 また、 既知の鎮痛性ペプチド化合物には経口投与によっては十分な有 効性を発揮できないものもあるが、 本発明のぺプチド誘導体は経口投与により優 れた鎮痛作用を発揮できるという特徴を有しており、 硫酸モルヒネの徐放性経口 剤である MSコンチンに匹敵する有用性が期待できる。また、本発明のぺプチド誘 導体は、 優れた経粘膜吸収性及び経皮吸収性を有しており、 例えば鼻腔内投与、 口腔内投与などによっても優れた鎮痛作用を発揮できるという特徴がある。
従って、 上記式(I ) のペプチド誘導体又は生理学的に許容されるその塩を有効 成分として含む本発明の医薬は、 疼痛の予防及び/又は治療、 好ましくは癌性疼 痛の予防及び/又は治療を目的として使用することができ、 静脈内投与、 皮下投 与、 直腸内投与などの非経口投与のほか、 経口投与、 経粘膜投与、 又は経皮投与 により適用可能である。 これらの投与経路に適する製剤形態は当業者に種々知ら れており、 当業者は所望の投与形態に適する製剤を適宜選択し、 必要に応じて当 業界で利用可能な 1又は 2以上の製剤用添加物を用いて医薬用組成物の形態の製 剤を製造することが可能である。 例えば、 経粘膜投与には、 点鼻剤や鼻腔内スプ レ一剤などの鼻腔内投与剤又は舌下剤などの口腔内投与剤などが好適である。 本 発明の医薬の有効成分としては、 上記式(I ) のペプチド誘導体又は生理学的に許 容されるその塩の水和物又は溶媒和物を用いてもよい。 投与量は特に限定されな いが、例えば、経皮投与又は経粘膜投与の場合には単回投与量を 0. 1〜: LOmgとし、 経口投与の場合には単回投与量を 1〜: lOO mgとして、 一日あたり 2〜3回投与す ることができる。
本発明のぺプチド誘導体の製造方法は特に限定されないが、 通常のぺプチド合 成に通常用いられる固相法および液相法で合成することができる。 本明細書の実 施例には、 本発明のペプチド誘導体の代表的化合物について、 具体的かつ詳細に 製造方法が説明されている。 従って、 当業者は、 これらの実施例を参照しつつ、 適宜の原料化合物及び試薬を選択し、 必要に応じて反応条件や反応工程に適宜の
修飾ないし改変を加えることによって、 本発明のぺプチド誘導体を容易に製造す ることが可能である。 アミノ基等の保護基および縮合反応の縮合剤等は、 優れた ものが種々知られており、 以下の実施例を参考に、 また、例えば:鈴木紘ー編「夕 ンパク質工学—基礎と応用」 丸善 (株) (1992)及びそこに引用された文献; M. Bondanszky, et al ., "Peptide Synthesis" , John Wiley & Sons, N.Y. , 1976; 並 びに J.M. Stewart and D.J. Young, " Solid Phase Peptide Synthesis" , W.H. Freeman and Co. , San Francisco, 1969等を参照して適宜選択使用すること ができる。固相法では市販の各種べプチド合成装置、例えばパーキン 'エルマ一 · ジャパン製(Perkin Elmer Japan,旧社名 Applied Biosystems)の Model 430Aを利 用するのが便利なこともある。 合成に使用する樹脂、 試薬等は市販品等を容易に 入手でき、 それらの例は実施例に示した。 実施例
以下に実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、 本発明はこれら実施 例に限定されるものではない。 本実施例を参照し、 あるいは本実施例の方法を修 飾 ·変更することによって、 あるいは出発原料または反応試薬を適宜選択するこ とにより、 一般式(I ) に包含される本発明の所望の本発明ペプチド誘導体を容易 に製造することができる。 実施例において、 アミノ酸基の意味は通常用いられて いるものと同様である。 D-体と L-体とが存在するアミノ酸が言及されている場合、 特に D-と表示していない場合には、そのアミノ酸は アミノ酸を意味する。また、 以下の略号を使うことがあり、 特に示していない場合にも同様な略号を用いる場 合がある。 なお、 H2NC(NH)- Phe-、 Boc- Phe-又は Z- Phe-などの表記は、 フエニル ァラニンの N-末端窒素原子がそれそれ H2NC(NH)- 、 Boc 又は Z で修飾されてい ることを示し、 アミノ酸についてはアミノ酸残基を示す場合がある。
1-Ada : 1-ァダマンチル
AGPR : 2-ァミノ- 3-グァニジノプロピオン涯俊 1¾
AGPR( Z2) : 2-ァミノ- 3-[Ν,Ν'-ビス (ベンジルォキシカルボニル) グァニジノ]プ
ロピオン酸
Boc : tert- ブトキシカルボニル
Bzl :ベンジル
Cit : シトルリン
DAPR(Troc) :2-ァミノ- 3- (2,2, 2-トリクロロェトキシカルボニルァミノ)プロピオ ン酸
DIEA :ジイソプロピルェチルァミン
DMAP : 4-ジメチルァミノピリジン .
DMF : N,N -ジメチルホルムアミ ド
HOBt :卜ヒドロキシベンゾトリァゾール
IEPR: 2-ァミノ -3- (卜ィミノェチルァミノ)プロピオン酸
MetO :メチォニンスルホキシド
Orn : オル二チン
Pac:フエナシル
Tee: 2,2,2-トリクロロェチル
Tic(OH): 1,2, 3,4-テトラヒドロ- 7-ヒドロキシィソキノリン- 3-カルボン酸 WSCI : 卜ェチル -3-(3-ジメチルァミノプロピル)カルポジイミ ド塩酸塩
Z : ベンジルォキシカルボニル
(A) 原料化合物の製造
( 1 ) Z-Phe-Me 5Ala-0CH3
H- Me ? Ala- (Me塩酸 (6.14g)を DMF (50ml )に溶解し、- 10°Cでトリエチルァミン (5.54 ml ) , HOBt ( 5.41g), Z-Phe-OH ( lOg)を加えた後、 WSCI (8, 3g)を加えて室 温で 20時間撹拌した。 反応液に酢酸ェチルを加え、 1N塩酸、 次いで飽和重曹水 で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧濃縮して無色油状 物として 13 g得た。
(2) Z-Phe-Me ?Ala-OPac
上記(1)で得た Z- Phe-Me ?Ala-0CH3 (29.2 g)をメタノール (120ml)に溶解し、 0°Cで 2N 水酸化ナトリゥムを加えた。 室温で 1時間 30分撹拌後、 0°Cで 6N塩酸 を加えて pHを 7に調整した。 メタノールを減圧留去後、 0°Cで 6N塩酸を加えて pHを 1に調整し、 酢酸ェチルで抽出した。 有機相を飽和食塩水で洗浄し、 硫酸 マグネシウムで乾燥した。この溶液に 0°Cでトリエチルァミン (11.8 ml)を加え た後、 臭化フヱナシル (16.7 g)を加えて室温で 20時間撹拌した。 反応液を水、 1N塩酸、 飽和重曹水、 次いで飽和食塩水の順で洗浄した。 有機層を硫酸マグネ シゥムで乾燥後、溶媒を減圧濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロ マトグラフィー (ベンゼン:酢酸ェチル =5: 次いで 4:1にて溶出) で精製し て目的の Z- Phe-Me 3Ala-0Pacを淡黄油状物として 36.2 g得た。
( 3 ) Boc-D-Arg ( Z2 ) -Phe-Me 5 Al a- OPac
上記 (2)で得た Z-Phe- Me 3Ala- OPac (19.6 g)を 0°Cで 25 % 臭化水素酢酸溶液 (40 ml)に溶解し、 室温で 1時間撹拌した。 溶媒を減圧留去後、 残留物にジェチ ルエーテルを加えてデカント洗浄を 3回行った。得られた油状物を DMF (20 ml) に溶解し、 0°Cでトリエチルァミンを加えて中和した。 この溶液を、 予め Boc- D- Arg(Z2)-0H (16.3 g)、 HOBt (4.46 g)および WSCI (6.9 g)を DMF (40 ml)に溶解 して- 10°Cで 10分撹拌した溶液に加え、 - 10°Cで 10分、 さらに室温で終夜撹拌し た。反応液に酢酸ェチルを加え、 10% クェン酸、 飽和重曹水、 次いで飽和食塩水 で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、 溶媒を減圧濃縮した。得られ た残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ一(クロ口ホルム:メタノール = 100 :1にて溶出)で精製し、 さらにへキサンより結晶化して白色固体として 21. 8 gを得た。
(4) Z-MeTyr(Bzl) -D-Arg( Z2 ) -Phe-Me ? Al a-OPac
上記 (3)で得た Boc- D- Arg( )- Phe-Me ?Ala-0Pac (12.9 g)を 4N塩酸/酢酸ェチ ル溶液 (40 ml)に溶解し、室温で 1時間撹拌した。反応液にジェチルエーテルを 加えて析出した結晶を濾取した。 この結晶を DMF (25 ml)に溶解し、 トリェチル アミンを加えて中和した後、 Z-MeTyr(Bzl)-0H (5.03 g)、 HOBt (1.95 g)、 WSCI
(2.76 g)を- 10°Cで加え 1時間撐拌後、 室温で終夜撹拌した。 反応液に酢酸ェチ ルを加え、 1N塩酸、 飽和重曹水、 次いで飽和食塩水で洗浄した。 有機層を硫酸 マグネシゥムで乾燥後、溶媒を減圧濃縮した。得られた残留物をシリ力ゲルカラ ムクロマトグラフィー (クロ口ホルム:メタノール = 100: 1にて溶出) で精製 して黄色油状物 13 gを得た。
(5) Z-MeTyr(Bzl)-D-Arg(Z2)-Phe-Me ?Ala-0H
上記 (4)で得た Z- MeTyr(Bzl)- D- Arg(Z2)-Phe- Me ?Ala-0Pac (13 g)を酢酸 (20 m 1)に溶解した。 この溶液に 0°Cで亜鉛末 (14.4 g)を加え、 室温で 4時間撹拌し た。 不溶物を濾別後、 減圧濃縮し、 酢酸ェチルで抽出した。 有機層を 1N塩酸、 飽和重曹水、 次いで飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、 溶媒 を減圧濃縮した。得られた残留物をィソプロピルエーテルより結晶化して白色固 体を 8.79 g得た。
(B) 本発明の化合物の製造
例 1: H- MeTyr- D- Arg- Phe- Me ?Ala-0(CH2)7C .酢酸塩
( 1 ) Z-MeTyr (Bzl) -D-Arg( Z2 ) -Phe-Me ?Ala-0(CH2) 7CH3
Z-MeTyr ( Bz 1 ) -D-Arg( Zz ) -Phe-Me β Ala-OH (1.29 g)を塩化メチレン (25 ml)に 溶解し、 0°Cでォクチルアルコール (234 mg)、 DMAP (37 mg)および WSCI (288 m g)を加えて 1時間撹拌した後、 室温で 20時間撹拌した。反応液を 1N塩酸、 次い で飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧濃縮 して無色油状物 1.54 gを得た。
(2) H-MeTyr-D-Arg-Phe-Me β Ala-0 ( CH2 )7CH3.酢酸塩
上記(1)で得た Z-MeTyr (Bzl) -D-Arg( Z2 ) -Phe-Me ? Al a-0 ( CH2 ) 7CH3 (1.54 g)を酢 酸 (15 ml)に溶解し、触媒として 5% Pd-C (1 g)を加え室温で 5時間接触還元を 行った。触媒を濾別後、 濾液を減圧濃縮した。得られた残留物を 0DSカラムクロ マトグラフィー(富士シリシァ DM 1020T、 75 g) にチャージして 5〜20 %ァセト 二トリル /0.1 N酢酸溶液にて段階的グラジェント溶出した。 目的物を含む画分
を集めて凍結乾燥し、 標題の化合物を白色粉末として 0.30 g得た。
FABマススぺク トル m/z: 696 (M+H+)
[ひ]。23 +40.2。 (c=1.01, I 酢酸)
Rf : 0.78 (n-ブ夕ノール:酢酸:水:ピリジン = 15:3:10:12) 例 2: H-MeTyr-D-Arg-Phe-Me ?Ala-0(CH2)9CH3 ·酢酸塩
例 1の方法に従って表題の化合物 0.39 を合成した。
FABマススぺク トル m/z: 696 (M+H+)
[ひ]。23 +35.6° (c=1.03, IN 酢酸)
Rf : 0.80 (n-ブ夕ノール:酢酸:水:ピリジン = 15:3:10:12) 例 3: H-MeTyr-D-AGPR-Phe-Me ?Ala-OH 2酢酸塩
(1) Boc-D-DAPR(Troc)-Phe-Me ?Ala-OBzl
Boc-Phe-Me ?Ala-OBzl (8.46 g)を 0°Cにて 4N塩酸/酢酸ェチル溶液 (150 ml)に 溶解し、 室温にて 30分撹拌した。 反応液を減圧濃縮した。 これを DMF(100 ml) に溶解し、 -10°Cに冷却後トリエチルァミン(21.0 ml)を加えた。 Boc-D-DAPR(Tr oc)-0H (8.8 g), H0Bt(2.85 g)、次いで WSCI (4.42 g) を加え、 - 10°Cで 30分、 室温で終夜撹拌した。反応液を減圧濃縮後、 残留物を酢酸ェチル (300 ml) に溶 解し、 1N塩酸、 飽和重曹水、 飽和食塩水の順で洗浄し、 無水硫酸マグネシウム にて乾燥した。減圧濃縮後、得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフ ィー(クロ口ホルム:メタノール = 30:1にて溶出)で精製し、淡黄色油状物 12.4 gを得た。
(2) Z-MeTyr(Bzl) -D-DAPR (Troc) -Phe-Me β Ala - OB z 1
上記(1)で得た Boc- D- DAPR(Troc)- Phe- Me ?Ala-0Bzl (4.68 g)を 0°Cにて 4N塩酸 /酢酸ェチル溶液 (20 ml)に溶解し、室温にて 30分撹拌した。反応液を減圧濃縮 し、 これを DMF( 100ml)に溶解した。 - 10°Cに冷却後トリエチルァミン(680 mg)を 加えた。 次いで Z- MeTyr(Bzl)- OH (2.52g), HOBt (892 mg)ヽ 最後に WSCI (1.38
g) を加え、 -10°Cで 30分、 室温で終夜撹拌した。 反応液を減圧濃縮後、 残留物 を酢酸ェチル (300ml) に溶解し、 1N塩酸、 飽和重曹水、 飽和食塩水の順で洗浄 し、 無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧濃縮後、 得られた油状物をシリカ ゲルカラムクロマトグラフィー(クロ口ホルム:メタノール = 100 : 1にて溶出)で 精製し、 淡黄色油状物として 6.20gを得た。
( 3 ) Z-MeTyr (Bzl ) -D-AGPR( Z2 ) -Phe-Me Al a-OBz 1
上記 (2)で得た Z-MeTyr( Bz 1 ) -D-DAPR( Troc ) -Phe-Me ? Ala-OBz 1 (2.01 g)を 90% 酢酸 (20 ml )に溶解し、 亜鉛末 (3.0 g)を加え室温にて 3時間撹拌した。 不溶物 を濾別後、反応液を減圧濃縮した。これを DMF (50 ml )に溶解し、 1-(N,N' -Bis(b enzyloxycarbonyl ) amidino )pyrazole ( 1.52 g)をカロえた。次いで卜リエチルアミ ン(1.0 ml )を加え、 室温で終夜撹拌した。反応液を減圧濃縮後、残留物を酢酸ェ チル (200 ml) に溶解し、 1N塩酸、 飽和重曹水、 飽和食塩水の順で洗浄し、 無 水硫酸マグネシゥムにて乾燥した。減圧濃縮後、得られた油状物をシリカゲル力 ラムクロマトグラフィ一(クロ口ホルム:メタノール = 100 : 1にて溶出)で精製し、 淡黄色油状物として 1.92 gを得た。
(4) H-MeTyr-D-AGPR-Phe-Me ?Ala-OH 2酢酸塩
上記(3)で得た Z- MeTyr(Bzl )- D- AGPR( Z2)- Phe-Me ?Ala- OBzl ( 1.90 g)を酢酸 (3 0 ml )に溶解し、 5% Pd-C (2.0 g)を加えて水素雰囲気下室温にて 2時間撹拌した c 触媒を濾別後、濾液を減圧濃縮し、得られた残留物を 0DSクロマトグラフィー (富 士シリシァ DM 1020T、 150 g) にチャージして 3〜9 %ァセトニトリル /0.1 N酢 酸溶液にて段階的グラジェント溶出した。目的物を含む画分を集めて凍結乾燥し、 標題の化合物を白色粉末として 321m を得た。
FABマススペクトル m/z: 557 (M+H+)
[ α ]ϋ ζο +28.8。 (c=1.00, IN 酢酸)
Rf : 0.62 (n -ブ夕ノール:酢酸:水:ピリジン = 15 :3 : 10: 12) 例 4: H-MeTyr-D-IEPR-Phe-Me 3Ala-0H 2酢酸塩
( 1 ) Z-MeTyr ( Bz 1 ) - D - 1 EPR-Phe-Me β Ala-OBzl
例 3(2)で得た Z-MeTyr(Bzl)-D-DAPR(Troc)-Phe-Me ?Ala-OBzl (4.02 g)を 90%酢 酸 (40 ml)に溶解し、亜鉛末 (6.0 g)を加え室温にて 3時間撹拌した。不溶物を濾 別後、 反応液を減圧濃縮した。 これを DMF (50 ml)に溶解し、 ァセトイミ ド酸ェ チル塩酸塩(989 mg)を加えた。次いでトリエチルァミン(1.2 ml)を加え、室温で 終夜撹拌した。反応液を減圧濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ ィー(クロ口ホルム :メタノール = 30:1にて溶出)で精製し、 淡黄色油状物とし て 1.80 gを得た。
(2) H-MeTyr-D- 1 EPR-Phe-Me β Ala-OH酢酸塩
上記(1)で得た Z-MeTyr ( Bz 1 ) -D- 1 EPR-Phe-Me ? Al a-OB z 1 (1.80g)を酢酸(50 ml) に溶解し、 5% Pd-C (2.0 g)を加えて水素雰囲気下室温にて 8時間撹拌した。 触 媒を濾別後、 濾液を減圧濃縮し、 得られた残留物を 0DSクロマトグラフィー(富 士シリシァ DM 1020T、 150 g) にチャージして 3〜9 %ァセトニトリル /0.1 N酢 酸溶液にて段階的グラジェント溶出した。目的物を含む画分を集めて凍結乾燥し、 標題の化合物を白色粉末として 421 mgを得た。
FABマススペク トル m/z: 556 (M+H+)
[ひ] D 2° +34.0° (c=1.00, IN酢酸)
Rf : 0.59(n-ブ夕ノール:酢酸:水:ピリジン = 15:3:10:12) 例 5: H-MeTyr-D-Arg-Phe-Me/5Ala-0(l-Ad) 2酢酸塩
(1) Boc-MeTyr(Bzl)-D-Arg(Z2)-Phe-0Tce
Boc-D-Arg(Z2)-Phe-OTce (4.93 g)を 0°Cにて 4N塩酸/酢酸ェチル溶液 (20 ml) に溶解し、 室温にて 30分撹拌した。 反応液を減圧濃縮し、 これを DMF(100 ml) に溶解した。 -10°Cに冷却後トリエチルァミン(0.9 ml)を加えた。 次いで Boc- Me Tyr(Bzl)- OH (1.93 g), HOBt (743 mg)ヽ 次いで WSCI (1.15 g) を加え、 _10°C で 30分、 室温で終夜撹拌した。 反応液を減圧濃縮後、 残留物を酢酸ェチル (30 0 ml) に溶解し、 1N塩酸、 飽和重曹水、 飽和食塩水の順で洗浄し、 無水硫酸マ
グネシゥムにて乾燥した。減圧濃縮後、得られた油状物をシリカゲルカラムクロ マトグラフィ一(クロ口ホルム:メタノール = 100:1にて溶出)で精製し、 淡黄色 油状物として 4.29 gを得た。
( 2 ) Boc-MeTyr (Bzl) -D-Ar ( Z2 ) -Phe-OH
上記(1)で得た Boc-MeTyr(Bzl)- D- Arg(Z2)- Phe- OTce (4.28 g)を 90%酢酸 (100 ml)に溶解し、 亜鉛末(10 g)を加え室温にて 2時間撹拌した。 不溶物を濾別後、 減圧濃縮し、 得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホ ルム :メタノール = 50:1にて溶出)で精製し、 淡黄色油状物として 2.70 gを得 た。
( 3 ) Boc-MeTyr (Bzl) -D-Arg ( Z2 ) -Phe- Me β Al a-0 ( 1 - Ad )
Boc-Me ?Ala-0(l-Ad) (1.0 g)を 0°Cにて 4N塩酸/酢酸ェチル溶液 (20 ml)に溶 解し、 室温にて 30分撹拌した。 反応液を減圧濃縮し、 得られた残留物を D F(50 ml)に溶解し、 -10°Cに冷却後トリエチルァミン(0.2 ml)を加えた。 次いで上記 (2)で得た Boc-MeTyr(Bzl)-D-Arg(Z2)-Phe-0H (2.6 g), HOBt (427 mg)、次いで WSCI (677 mg) を加え、 - 10°Cで 30分、 室温で終夜撹拌した。 反応液を減圧濃縮 後、 残留物を酢酸ェチル (200 ml) に溶解し、 1N塩酸、 飽和重曹水、 飽和食塩 水の順で洗浄し、 無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧濃縮後、得られた油 状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロ口ホルム :メタノール =80:1 にて溶出)で精製し、 淡黄色油状物として 1.82 gを得た。
(4) H-MeTyr-D-Arg-Phe-Me ?Ala-0(l-Ad) 2酢酸塩
上記(3)で得た Boc-MeTyr(Bzl)-D-Arg(Z2)-Phe-Me ?Ala-0(l-Ad) (1.80 g,1.53 腿 ol)を 0°Cにて 4N塩酸/酢酸ェチル溶液 (20 ml)に溶解し、室温にて 30分撹拌 した。反応液を減圧濃縮し、得られた残留物を酢酸 (30 ml)に溶解し、 5% Pd-C (2.0 g)を加えて水素雰囲気下室温にて 5時間撹拌した。 触媒を濾別後、 濾液を 減圧濃縮し、 得られた残留物を 0DSクロマトグラフィー (富士シリシァ DM 1020 T、 150 g) にチャージして 3〜9 %ァセトニトリル /0.1 N酢酸溶液にて段階的グ ラジェント溶出した。目的物を含む画分を集めて凍結乾燥し、標題の化合物を白
色粉末として 253 m 得た。
FABマススぺクトル m/z: 719 ( +H+)
[ひ]/0 +35.8。 (c=1.05, IN酢酸)
Rf : 0.79 (n-ブ夕ノール:酢酸:水:ピリジン = 15:3:10:12) 例 6: H-Tic(OH)- D-Cit- Phe-Me 5Ala-0H
(1) Z-D-Cit-Phe-Me ?Ala-OMe
Boc-Phe-Me ?Ala-OMe (39.8 g)をメタノール(200 ml)に溶解し、 5% Pd-C (20 g) を加えて水素雰囲気下室温にて 3時間撹拌した。触媒を濾別後、濾液を減圧濃縮 し、 これを DMF (200 ml)に溶解し、 Z-D-Cit-OH (30.0 g), HOBt (14.9 g)を加 えた。 この溶液に- 10°Cで WSCI (23.0 g) を加え、 -10°Cで 30分、 室温で終夜撹 拌した。 反応液を減圧濃縮後、 残留物を酢酸ェチル (800 ml) に溶解し、 1N塩 酸、飽和重曹水、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシゥムにて乾燥した。 減圧濃縮後、 得られた油状物をジェチルエーテルにて固化し、 濾取した。得られ た固体をクロ口ホルム/メタノール/ジェチルェ一テル混合液にて再固化し、白色 固体として 12.4 gを得た。
(2) Boc-Tic(OH) -D-Cit-Phe- e β Ala-OMe
上記(1)で得た Z-D-Cit- Phe- Me ?Ala- OMe (2.45 g)をメ夕ノ一ル(100 ml)に溶 解し、 5% Pd-C (1.0 g)を加えて水素雰囲気下室温にて 3時間撹拌した。 触媒を 濾別後、濾液を減圧濃縮し、 これを DMF (100 ml)に溶解し、 Boc-Tic(0H)-0H (1. 29 g), H0Bt(594 mg)を加えた。この溶液に- 10°Cで WSCI (920 mg)を加え、 -10°C で 30分、 室温で終夜撹拌した。 反応液を減圧濃縮後、 残留物を酢酸ェチル (30 0 ml) に溶解し、 1N塩酸、 飽和重曹水、 飽和食塩水の順で洗浄し、 無水硫酸マ グネシゥムにて乾燥した。減圧濃縮後、得られた油状物をジェチルエーテルより 固化し、濾取した。得られた固体をクロ口ホルム/メタノール/ジェチルエーテル 混合液にて再固化し、 白色固体として 1.90 gを得た。
(3) H-Tic(0H)-D-Cit-Phe-Me 3Ala-0H
上記(2)で得た Boc- Tic(OH)- D-Cit-Phe- Me ?Ala- OMe (1.76 g)をメタノール(30 ml)に溶解し、 2N水酸化ナトリウム(2 ml)を加え室温にて 3時間撹拌した。 反 応液を減圧濃縮し、 1N塩酸にて pHを 2に調整し、 酢酸ェチルにて抽出した。 酢 酸ェチル層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシゥムにて乾燥した。減圧濃 縮し得られた油状物をジェチルエーテルにて固化し、濾取した。得られた固体を 0°Cにて 4N塩酸/酢酸ェチル溶液 (10 ml)に溶解し、室温にて 30分撹拌した。反 応液にジェチルェ一テルを加え固化し、濾取した。得られた固体を 0DSクロマト グラフィ一(富士シリシァ DM 1020T、 150 g)にチャージして 3〜9 %ァセトニト リル /0.1 N酢酸溶液にて段階的グラジェント溶出した。 目的物を含む画分を集 めて凍結乾燥し、 標題の化合物を白色粉末として 650 mg得た。
FABマススペク トル m/z: 582 (M+H+)
[ひ]。2。 - 21.7。 (c二 1.03, 1N酢酸)
Rf : 0.72 (n-ブ夕ノール:酢酸:水:ピリジン = 15:3:10:12) 例 7: H- MeTyr-D- Cit-Phe- Me 3Ala - 0H
例 6の方法に従って表題の化合物 169 mgを合成した。
FABマススぺク トル m/z: 569 (M+H+)
[ a ]D 23 +51.1° (c二 0.98, IN酢酸)
Rf : 0.64 (n-ブ夕ノール:酢酸:水:ピリジン = 15:3:10:12) 例 8: H- eTyr-D-MetO-Phe-Me ^ Ala-0H
( 1 ) Boc- MeTyr-D- MetO-Phe- Me/? Ala- OMe
Boc-D-Met0-P e-Me ?Ala-0Me (2.19 g)をトリフルォロ酢酸 (20 ml)に溶解し、 室温で 30分撹拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残留物を DMF (10 ml)に 溶解し、 トリェチルァミンを加えて中和した。 これと別に、 Boc- MeTyr(Bzl) - 0H (1.82 g)をメタノール (40 ml)に溶解し、触媒として 5%Pd- C (1 g)を加え室温で
2時間接触還元を行った。触媒を濾別後、濾液を減圧濃縮して得られた残留物を
DMF (10 ml)に溶解し、先の H- D- MetO- Phe- Me ?Ala-0Meの DMF溶液、 HOBt (0.7 g)および WSCI (1.09g)を— 10°Cで加え室温で終夜撹拌した。 反応液に酢酸ェ チルを加え、 1N塩酸、 飽和重曹水、 次いで飽和食塩水で洗浄した。 有機層を硫 酸マグネシウムで乾燥後、 溶媒を減圧濃縮して黄色油状物として 2.98 gの目的 物を得た。
( 2 ) Boc-MeTyr-D-MetO-Phe-Me ?Ala-OH
上記(1)で得た Boc- MeTyr- D-MetO- Phe- Me ?Ala- OMe (2.97g)をメタノール (15 ml)に溶解した。 この溶液に 2N水酸化ナトリウム水溶液 (4.3 ml)を加え、 室温 で 2時間 40分、 さらに 40°Cで 1時間 20分撹拌した。反応液を減圧濃縮して 得られた残留液に 0 °Cで 1N塩酸を加えて pHを 2に調整後、酢酸ェチルで抽出し た。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、 溶媒を減圧濃縮 して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロ口ホルム:メ 夕ノール = 10 : 1にて溶出) で精製して、 白色結晶 2.26 gを得た。
(3) H-MeTyr-D-MetO-Phe-Me β Al a-0H
上記 (2)で得た Boc-MeTyr-D-MetO-Phe-Me Ala-0H (1.82 g)をトリフルォロ酢 酸 (20 ml)に溶解し、室温で 40分撹拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残 留物を水(10 ml)に溶解した。 この溶液に飽和重曹水を加えて中和した後、 0DS カラムクロマトグラフィー (富士シリシァ DM 1020T、 200g) にチャージして 5 〜7%ァセトニトリル /0.1N酢酸溶液にて段階的グラジェント溶出した。 目的物を 含む画分を集めて、 凍結乾燥し、 標題の化合物を白色粉末として 1.09g得た。 FABマススぺクトル m/z: 575(M+H+)
[ひ〗。23 +46.4(c=1.03、 IN酢酸)
Rf 0.65 (n-ブ夕ノール:酢酸:水:ピリジン : 15:3:10:12) 例 9: H-MeTyr-D-Lys-Phe-Me ? Ala-0H酢酸塩
(1) Boc-D-Lys(Z)-Phe-Me ?Ala-0Bzl
Boc-Phe- Me ?Ala- OBzl (2.62 g)を 4N塩酸/酢酸ェチル溶液(15 ml)に溶解し、室
温で 1時間 50分撹拌した。 反応液を減圧濃縮して得られた残留物を DMF(20 m 1)に溶解し、 トリェチルァミンを加えて中和した。 この溶液に、 Boc-D- Lys(Z)- OH (2.24 g)、 HOBt(0.96 g)および WSCI (1.48 g)を- 10°Cで加え室温で終夜 撹拌した。 反応液に酢酸ェチルを加え、 1N塩酸、 飽和重曹水、 次いで飽和食塩 水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧濃縮して黄色油 状物として 4.29 gの目的物を得た。
( 2 ) Boc-MeTyr (Bzl) -D-Lys ( Z ) -Phe-Me β Ala-OBzl
上記(1)で得た Boc-D-Lys(Z)- Phe- Me ?Ala- OBzl (4.14 g)を 4N塩酸/酢酸ェチル 溶液 (15 ml)に溶解し、 室温で 1時間 30分撹拌した。 反応液を減圧濃縮して得 られた残留物を DMF (20 ml)に溶解し、 トリェチルァミンを加えて中和した。 こ の溶液に、 Boc-MeTyr(Bzl)-0H (2.38g)、 HOBt (0.95 g)および WSCI (1.47 g)を — 10°Cで加え室温で終夜撹拌した。 反応液に酢酸ェチルを加え、 1N塩酸、 飽 和重曹水、 次いで飽和食塩水で洗浄した。 有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、 溶媒を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ク ロロホルム:メタノール = 50 : 1にて溶出) で精製して、 白色結晶 4.70 gを 得た。
(3) H-MeTyr-D-Lys-Phe-Me 3Ala-0H
上記 ( 2 )で得た Boc-MeTyr(Bzl ) -D-Lys (Z ) -Phe-Me ?Ala-0Bz 1 ( 4.50 g )を 4N塩酸
/酢酸ェチル溶液 (20 ml)に溶解し、 室温で 2時間 40分撹袢した。 反応液を減 圧濃縮して得られた残留物を酢酸 (50 ml)に溶解し、 触媒として 5%Pd- C (2.5 g)を加え室温で 4時間接触還元を行った。触媒を濾別後、濾液を減圧濃縮して得 られた残留物を 0DSカラムクロマトグラフィー(富士シリシァ DM 1020T, 250 g) にチャージして 3〜5%ァセトニトリル /0.1N酢酸溶液にて段階的グラジェント溶 出した。 目的物を含む画分を集めて、 凍結乾燥し、標題の化合物を白色粉末とし て 1.82 g得た。
FABマススぺクトル m/z: 556(M+H+)
[ひ]。23 +58.1(c=1.03、 IN酢酸)
Rf 0.56 (n-ブ夕ノール:酢酸:水:ピリジン = 15 : 3 : 10 : 12 ) 例 10 : H-MeTyr-D-0rn-Phe-Me ?Ala-0H酢酸塩
例 9の方法に従って表題の化合物 169 mgを合成した。
FABマススぺクトル m/z : 542 (M+H+)
[ a ]D 23 +54.2° ( c=1.08, I 酢酸)
Rf : 0.56 (n -ブ夕ノール:酢酸:水:ピリジン = 15 : 3 : 10 : 12) 例 11:本発明のぺプチド誘導体の経口投与における鎮痛活性
本発明のペプチド誘導体の鎮痛活性を国際公開 W097/10262 に記載の方法に従 つて圧刺激法にて評価した。 マウスの尾根部に 10 翻 Hg/秒の割合で圧刺激を加 え、 もがき、 刺激部位への嚙みつきなどの行動を示す圧力を測定し、 これを疼痛 反応閾値とした。実験には予め 40〜50 mmH の圧力に反応するマウスを用いた。 また、最大刺激圧は 100 mmHgとした。鎮痛効果は次式:% of MPE=(Pt- Po)/(Pc-Po) x lOO (式中、 Poは薬物処理前の疼痛反応閾値; Ptは薬物処理 t分後の疼痛反応 閾値; Pcは最大刺激圧である) に従い、 percent of maximum possible effect (% of MPE ) として算出した。 この結果、 例 8で得られたペプチド誘導体は、 経口投 与による ED5()が 27.8 mg/kgであった。また ィォアベイラビリティ一(BA)は、 薬物をマウスに皮下投与又は経口投与して得られる鎮痛活性値 (ED5fl, mg/kg)の 比〔ED50 (経口) /ED5Q (皮下)〕 として算出した。対照としてモルヒネを用いた。 この結果、 例 8で得られたぺプチド誘導体の皮下投与による ED5。は 1.20 mg/kg であり、 BAは 23であった。従って、 本発明のペプチド誘導体は経口投与におい ても極めて優れた鎮痛活性を発揮できることが明らかである。 例 12:本発明のぺプチド誘導体の経鼻投与における鎮痛活性
本発明のぺプチド誘導体の経粘膜投与での有効性を、 ラットへ薬物を 10 mg/kg 鼻腔内投与後の鎮痛活性をホッ トプレート法にて評価した。 51°Cのホットプレー
ト (SICREL社製ホットプレート mode^DS37) 上で、 ラットの熱に対する反応出 現時間を測定した。 反応の指標はラットが後肢をなめる動作 (Licking) とし、 ホットプレート上で 60秒が経過しても反応を示さない場合は測定を打ち切った。 予め実験開始前に測定を行い、 これをならし測定とした。 ならし測定後、 30分 以上経過してから同様の測定を行い、 これを薬物投与前(0時間) の測定値とし て直ちに鼻腔内に薬物を投与した。 投与後一定時間ごとに測定を行った。
疼痛反応抑制率は %MPE= (薬物投与後の測定値一薬物投与前の測定値) / (60 秒—薬物投与前の測定値) x l00(%)で算出し、 この結果、例 1及び例 2の化合物 の%MPEはそれそれ 91.2及び 61.2であり、 対照として用いたモルヒネの%MPEは 22.5であった。 従って、 本発明のペプチド誘導体は経粘膜投与においてもきわ めて優れた鎮痛効果を発揮できることが明らかである。 産業上の利用可能性
本発明のぺプチド誘導体は優れた鎮痛作用と経口吸収性及び経粘膜吸収性を 兼ね備えており、癌疼痛等の予防及び/又は治療のための医薬の有効成分として 有用である。