WO1999006769A1

WO1999006769A1 - Structure de chambre de combustion pour allumeurs

Info

Publication number: WO1999006769A1
Application number: PCT/JP1998/003060
Authority: WO
Inventors: Hideo Mifune; Yasuaki Nakamura; Masato Seki; Takashi Tsukamoto
Original assignee: Tokai Corporation
Priority date: 1997-08-01
Filing date: 1998-07-08
Publication date: 1999-02-11
Also published as: TW450346U; ID22488A; CN1241254A; DE69824388T2; RU2190160C2; KR20000068688A; EP0942233B1; EP0942233A4; BR9806078A; EP0942233A1; JPH1151392A; CA2267382A1; DE69824388D1; CN1121578C; US6227844B1

Description

曰月糸 B ^ 着火器における燃焼部構造技術分野

本発明は、燃料タンクに収容したアルコールを主体とする液体燃料を毛管現象により吸い上げて先端燃焼部で燃焼させる燃焼芯を備えたライター等の着火器における上記燃焼芯の先端燃焼部の構造に関するものである。

特に、本発明は、喫煙具用ライ夕一等の着火器において、アルコール類を主体とした液体燃料を使用するもので、最適燃焼状態を得るための燃焼部の形態に関するものである。

背景技術

一般に、喫煙具用ライ夕一等の着火器における燃料としては、ェチルアルコール等のアルコール燃料、石油ベンジン系のベンジン燃料、ブタンガス、プロパンガス等の液化ガス燃料が利用されている。

そして、使用燃料の種類に応じてそれそれの着火器の性能、使い勝手、設計構造が異なり、それそれの特徴を有する。

例えば、石油ベンジン系炭化水素化合物の混合物によるベンジン燃料の場合は、この燃料がそれそれ沸点の異なる化合物の混合体であり、着火器に着火した使用初期は沸点の低いベンジン成分が揮発し、順次沸点の高い炭化水素へと揮発性分が移行するため、燃焼時間に応じて着火器内に残留する燃料組成が変化し、このために炎長の変化を生起するもので、ガソリンでも同様である。また、ベンジンおよびガソリンは揮発性が高くこれを使用する着火器においては、燃料貯蔵部および燃焼芯の部分からの揮発を低減する密閉構造が必要であり、この密閉が不十分であると燃料が揮発して失われ、燃料の補充頻度が高く煩雑であり、さらに、このベンジンおよびガソリンには特有の臭いがあり、好まれない場合がある。液化ガス燃料の場合には、着火器の使用温度範囲でガス圧が高く、燃料を貯蔵する容器は耐圧構造が必要とされる。また、上記ガス圧の変動に応じて炎長が変化し、特にそのガス圧は温度に対し対数的に大きく変動する特性があり、温度に W 対する炎長の変化が大きい問題を有する。この炎長変化を少なくするためには着火器の燃料供給機構に温度補正を行う特別の設計対策を要し、構造が複雑になると共にコスト面で不利となる。

一方、アルコール燃料の場合には、エチルアルコール、メチルアルコール、プ口ビルアルコール等の低級 1価アルコール等のアルコールを主体とする液体燃料は常温で液体であり、蒸気圧も比較的低く、燃料貯蔵部の耐圧容器が不要で、燃料貯蔵部および燃焼芯に対する密閉はアルコールが揮散しない程度の密閉構造でよく、着火器の構造の簡素化、コスト面で有利となる。

また、このアルコールを主体とした液体燃料を用いる着火器では、液体燃料を燃料貯蔵部から燃焼部への燃料供給を行う手段として、一般には、液体燃料の表面張力を利用して、連続細孔または細い繊維を隶ねた細隙を毛管現象により吸い上げ、先端部で燃焼させる燃焼芯を使用している。

具体的には、上記燃焼芯は、燃料の吸い上げには繊維を撚つた紐状のもの、ガラス繊維を束ねたもの、或いはこの両者を使用しガラス繊維を綿糸で包み込み、これが解けないよう金属細線で巻回したものなどを利用し、下端吸上部分が燃料吸い上げに機能し、上端燃焼部分で燃焼を行うようにしている。

しかし、上記従来の技術におけるアルコールを主体とした液体燃料を用いる着火器において、燃焼芯の芯構造は着火器の燃焼特性と関連するので、その構造はできるだけ単純な構造とし、燃焼芯の品質の均一-性を図ると共に低コス卜で製造できることが要求される。この点から、本究明における燃焼芯としては、ガラス繊維を利用して構成するか、またはセラミック繊維を利用して構成するものとしている。

しかして、上記のような燃焼芯を使用する着火器においては、この燃焼芯の材質、寸法、形状により、着火後の初期炎長、炎長の変化、飽和炎長等が異なるので、着火器に対しての要望特性を満たすように構成する必要がある。

つま^、アルコールを主体とする液体燃料を用いる喫煙具用ライ夕一等の着火器を作製した場合に、その燃焼芯に着火すると、燃焼芯の表面に存在する燃料が燃焼を開始し炎を形成する。この炎の長さを初期炎長とする。

次のこの燃焼により燃焼芯は加熱され、燃焼芯の表面よりの燃料の揮発量は増大し、炎長は伸びる。しかし、燃焼芯表面の燃料の燃焼による温度上昇は燃焼の進行と共に平衡状態となり停止し、炎長の伸長も飽和し停止して飽和炎長となる。燃焼芯はその表面より燃料が燃焼揮散するのに伴い、燃焼芯の内部よりその表面に燃料を拡散すると共に燃料タンク内の燃料が燃焼芯の吸上部を通して吸い上げ補給される。

そして、燃焼芯表面よりの燃料の消費と燃焼芯内部よりの燃料供給と、さらに燃料タンクよりの燃料の吸い上げ供給が行われれば燃料は平衡状態で継続し炎長は安定する。上記燃焼芯表面よりの燃料の消費に対し燃焼芯内部よりの燃料の供給が伴わなければ炎長は初期炎長より変化し、燃料供給に応じた平衡状態となるか消滅する。

本発明は上記事情に鑑み、アルコールを主体とする液体燃料を用いる着火器において最適な燃焼状態を確保するようにした着火器における燃焼部構造を提供せんとするものである。

ここで、喫煙具用ライター等の着火器では、初期炎長は少なくとも 2 0讓程度は必要で、さらに、 1 0秒程度の時間内に 2 5 mm程度の炎長となるように伸長することが望まれる。一方、燃焼芯は平衡温度まで加熱され、その炎長は飽和炎長に平衡するが、この飽和炎長は 6 0誦〜 7 0應程度（用途に応じては 5 0雇〜 6 0 mm程度）にとどまり、それ以上に長くならないことが望まれる。これらの条件を達成するためには、燃焼芯は燃料を吸い上げる能力と保持力を備えかつ耐熱性であることが必要であり、さらに、上記のような燃焼条件を実現できるような形態を有する必要がある。

発明の開示

上記課題を解決した本発明の着火器における燃焼部構造は、燃料タンクに収容したアルコールを主体とする液体燃料を毛管現象により吸い上げ先端燃焼部で燃焼させるガラス繊維を用いた燃焼芯の先端燃焼部の露出部表面積を、 3 0謹²〜 1 7 0 mm²の範囲内に設けることを特徴とするものである。

また、着火器が喫煙具用ライターでガラス繊維による燃焼芯の場合には、先端燃焼部の露出部表面積は、 3 0 匪²〜 1 0 O mni²の範囲内に設けるのが望ましい。一方、本発明の他の着火器における燃焼部構造は、燃料タンクに収容したアルコールを主体とする液体燃料を毛管現象により吸い上げ先端燃焼部で燃焼させるセラミック繊維を用いた燃焼芯の先端燃焼部の露出部表面積を、 4 0画²〜 1 7 0 麵 ²の範囲内に設けることを特徴とするものである。

また、着火器が喫煙具用ライタ一でセラミック繊維による燃焼芯の場合には、先端燃焼部の露出部表面積は、 4 0 mm²〜 l 0 0翻²の範囲内に設けるのが望ましい。

本発明の着火器における燃焼部構造によれば、ガラス繊維による燃焼芯の先端燃焼部の露出部表面積を 3 0匪²〜 1 Ί 0酬²の範囲内に、喫煙具用ライターの場合には 3 0翻²〜 1 0 0藤²の範囲内に設けることにより、或いは、セラミック繊維による燃焼芯の先端燃焼部の露出部表面積を 4 0匪²〜 1 7 0匪²の範囲内に、喫煙具用ライタ一の場合には 4 0難²〜 1 0 0腿²の範囲内に設けることにより、このような燃焼芯を備えた着火器では、初期炎長は少なくとも 2 0匪程度を有し、 1 0秒程度の時間内に 2 5麵程度の炎長となり、さらに、平衡状態において飽和炎長が 6 0顏程度にとどまる良好な燃焼特性を得ることができる。

特に、着火器が喫煙具用ライ夕一の場合には、その携帯性より小型化が要求されることに伴い、その燃焼部構造の寸法形状に制約が生じる。そこで、喫煙具用ライ夕一では、前述のような表面積、外周寸法、外径または突出量を規定することにより、上述の燃焼特性を得つつ小型化、低コスト化が実現できる。

また、上記のような燃焼芯の露出部表面積の規定に加えて、燃焼部の外周を 6 薦〜 2 0腿の範囲内に、または、燃焼部の外径を 2 mm〜 5顏の範囲内に、または、先端燃焼部の支持部より突出する長さを 3 . 0議〜 7 . 0 mmの範囲内に設けるのが好適である。これにより、良好な燃焼特性を得つつ実用に適した着火器の燃焼部構造が構成できる。

一方、本発明の他の燃焼部構造は、燃料タンクに収容したアルコールを主体とする液体燃料を毛管現象により吸い上げ先端燃焼部で燃焼させる燃焼芯の露出部表面を規定し、着火直後の初期炎長が所定値以上あり、着火から所定時間後には所定炎長に伸長し、平衡状態での飽和炎長が所定値以下となるように設けてなるものである。これにより、良好な燃焼特性を有する着火器が容易に構成できる本発明で使用する燃焼芯は、ガラス繊維を結束したもの、或いは、セラミック繊維に少量のバインダ一を加え、これを 3觀〜 5腿程度の板状に抄き乾燥したもの、或いは、セラミック繊維に少量のバインダーと水を加え粘性液状としたものを押し出し成型機で丸棒、角棒その他の断面形状に押し出し乾燥固化したものなどを素材として用いている。これを着火器の燃焼芯として使用可能に加工成形したものを、燃料タンクに収容したアルコールを主体とする液体燃料を毛管現象で吸い上げ先端燃焼部で燃焼させる構造の一般着火器に配設してなる。そして、上記のような燃焼芯の露出部表面積を前述のように規定し、着火直後の初期炎長が所定値以上あり、着火から所定時間後には所定炎長に伸長し、さらに平衡状態での飽和炎長が所定値以下となるように設けたものである。

上記のような各発明における燃焼芯は、燃料吸上部と燃焼部とが同一素材で一体に形成されたもの、または、燃料吸上部と燃焼部とが異なる材料によって形成され、両者が接続されたものなどによって構成される。

アルコールを主体とする液体燃料としては、例えば、メチルアルコール、ェチルアルコールまたはプロピルアルコールによる低級 1価アルコールを主成分とし、これに炎に着色するためのへキサンまたはヘプ夕ン等の飽和炭化水素を混合したものが使用される。

図面の簡単な説明

図 1は、本発明の第 1の実施の形態に係る着火器の一例としてのライターの概略断面図、

図 2は、第 2の実施の形態に係るライターの概略断面図、

図 3は、実験に使用した着火器の基本サンプルの断面図、

図 4は、ガラス繊維燃焼芯の例における燃焼芯表面積と初期炎長との関係を示すグラフ、

図 5は、ガラス繊維燃焼芯の例における燃焼芯表面積と炎長 2 5麵に達する時間との関係を示すグラフ、

図 6 ま、ガラス繊維燃焼芯の例における燃焼芯表面積と飽和炎長との関係を示すグラフ、

図 7は、セラミック繊維燃焼芯の例における燃焼芯表面積と初期炎長との関係を示すグラフ、図 8は、セラミック繊維燃焼芯の例における燃焼芯表面積と炎長 2 5匪に達する時間との関係を示すグラフ、

図 9は、セラミック繊維燃焼芯の例における燃焼芯表面積と飽和炎長との関係を示すグラフ、

図 1 0〜図 1 9は、喫煙具用ライ夕一に設置する燃焼芯の材質および断面形状に対応して良好な燃焼状態が得られる燃焼芯表面積と各種寸法との関係における最適範囲を示す図である。

発明を実方包するための最良の形態

以下、本発明の着火器の実施の形態を図面に沿って説明する。

<第 1の実施の形態 >

図 1に着火器の一例としての使い捨て用の喫煙具用ライターの概略断面構造を示す。ライター 1は、有底筒状の燃料タンク 2を有し、この燃料タンク 2の内部には繊維材 3 (中綿) が挿入され、燃料タンク 2の上部には上蓋 4が固着されて、液体燃料を再注入不能に貯蔵する燃料貯蔵部 5が構成されている。

例えば、上記燃料夕ンク 2は、ポリプロピレンによる成形品で内容積が 5 cm³ に設けられている。繊維材 3は、太さが 6デニールのポリプロピレン繊維を、燃料タンク 2内に密度 0 . 1 g /cm³ で押し込んでなり、この繊維材 3にェチルァルコール 9 5 w t %、 n—へキサン 5 w t %を混合した液体燃料が 4 g注入含浸されて貯蔵される。

さらに、前記上蓋 4を燃料タンク 2内に垂直に貫通して芯ホルダ一 7 (支持部）で固定された燃焼芯 6が配設されている。この燃焼芯 6は、上部の燃焼部 6 1と下方の吸上部 6 2とで異なる素材で分離形成され、燃焼部 6 1の下端部と吸上部 6 2の上端部とが接触された状態で、両者が金属製の円筒状の芯ホルダ一 7によつて結合されている。

前記燃焼芯 6の吸上部 6 2の下端部は前記燃料夕ンク 2内の繊維材 3に接触し、該繊維材 3に含浸された液体燃料を毛細管現象を用いて吸い上げる。そして、この燃焼芯 6の燃焼部 6 1の芯ホルダー 7より上方に突出した芯先端露出部に着火され炎を生じて燃焼する。

前記燃焼芯 6の燃焼部 6 1はガラス繊維を棒状に束ねて構成され、このガラス繊維は、例えば、太さが- 6〃m、繊維密度（目付量）が 1 5 0 mg/cm³、外径が ø 4 mm, 長さが 1 0蘭となったものを芯ホルダー 7に揷入している。このガラス繊維は、芯ホルダー 7の先端部より 5 mmの長さ突き出ている。また、上記のような燃焼芯 6の燃焼部 6 1における芯ホルダー 7より突出した先端燃焼部の断面積は 1 2 . 6腿²で、露出部分の表面積は 7 5 . 4匪²である。

また、前記吸上部 6 2は、アクリル繊維を束ねて固着させ、径の大きい頭部 6 2 aを有する棒状に形成してなり、この頭部 6 2 aを前記芯ホルダー 7の下部に挿入して、前記燃焼部 6 1の下端部に接触させ、この状態で芯ホルダー 7の下端部をかしめて、燃焼部 6 1 と吸上部 6 2とを結合して一体化することによって燃焼芯 6を構成したものである。

例えば、前記吸上部 6 2は、頭部 6 2 aの外径が ø 3 . 4 mmで、長さが 3顏、下方の脚部は外径が 3 . 0腿で、長さが 3 7腿に形成されている。また、ァクリル繊維の太さは 3デニールで、固着後の空隙率は 6 0 %となっている。

前記芯ホルダー 7の外周部には接合ネジが設けられ、燃料タンク 2の上壁部 4 のネジ孔に、底部にシ一ルリング 8を介して螺合されて固定される。

また、前記上蓋 4には燃焼芯 6の燃焼部 6 1の先端と対向して着火機構 1 0が配設され、この着火機構 1 0は上蓋 4に固定されるブラケット 1 1内に上下方向に移動可能に発火石 1 2が挿入され、ブラケット 1 1の上端には回転ヤスり 1 3 が設けられ、該回転ヤスリ 1 3の周面に発火石 1 2の先端が石押しスプリング 1 4の付勢力によって押圧される構造に設けられ、回転ヤスリ 1 3の回転操作によつて燃焼芯 6に向けて火花が飛ぶように設けられている。

前記燃焼芯 6の燃焼部 6 1を芯ホルダー 7の突出部と共に、開閉可能に覆う揮発防止用の閉塞キャップ 1 6が設けられ、この閉塞キャップ 1 6は前記燃料タンク 2における上蓋 4の上面の一端部にピン 1 7によって回動可能に枢支されている。閉塞キャップ 1 6の内面には、前記燃焼芯 6の芯ホルダ一 7の外周部を囲繞し、燃焼芯 6を覆って密閉する内キャップ 1 6 aが設けられている。また、上記芯ホルダ一 7の外周根元部分に水平に 0リング 1 9が取り付けられ、内キヤップ 1 6 aの内周面に圧接して密閉性を高めている。なお、上蓋 4の上面には表板 1 8が設けられている。さらに、前記芯ホルダー 7の内周面から燃料夕ンク 2の上蓋 4を上下方向に貫通して、該燃料タンク 2の内部と外気とを連通する通気孔 2 0が開口されている。この通気孔 2 0の外気側の開口部は、閉塞状態にある閉塞キャップ 1 6の内キヤヅプ 1 6 aの密閉空間に連通する。この通気孔 2 0の径は、実質的に 0 1 . 0腿である。

上記ライター 1において、燃焼芯 6の燃焼部 6 1先端に着火し、 2分間連続燃焼させた場合の炎長変化を測定すると、着火直後の初期炎長は 2 8匪で、そこから徐々に炎長が伸び、着火より約 3 0秒後に炎長が 4 5腿となり、その後この長さで変化せず平衡状態となり、所望の燃焼形態が得られた。

く第 2の実施の形態 >

この例のライター 1は図 2に示し、燃焼芯 6が前例と異なっている。この例の燃焼芯 6の燃焼部 6 3は、ガラス繊維でなくセラミックス繊維によって形成されている。

上記燃焼部 6 3は、アルミナとシリカを主体としたセラミヅク原料を繊維化した直径 0 2 . 8 mのセラミック繊維に微量の有機質のバインダーを加え、これを厚さ 3腿の板状に抄き、これを幅 4画、長さ 1 0 mmに切断したもので構成されている。この燃焼部 6 3の繊維充填密度は 2 0 O mg/cm³である。また、燃焼部 6 3の先端部は、芯ホルダ一 7より 5難の長さ突き出ている。上記燃焼部 6 3の断面積は 1 2 mm²で、芯ホルダ一 7より露出している部分の表面積は 8 2匪²である。その他、燃焼芯 6の吸上部 6 2等のライター構造については前例のものと同様であり、同一構造には同一符号を付してその説明を省略する。

本例のライター 1を用いて、第 1の実施の形態と同様に着火してからの連続燃焼における炎長変化を測定すると、着火直後の初期炎長は 3 0蘭で、そこから徐々に炎長が伸び、着火より約 3 0秒後に炎長が 5 0腿となり、その後この長さで変化せず平衡状態となり、所望の燃焼形態が得られた。

上記のような実施の形態を含めて本発明における着火器の基本的な構造は、ァルコールを主体とする液体燃料を収容する燃料タンクと、一端部がこの燃料夕ンクに揷入されて液体燃料を毛管現象により吸い上げ先端燃焼部で燃焼させる燃焼芯と、この燃焼芯の先端燃焼部を突出させた状態で保持する支持部（芯ホルダー）とを備えたものであり、前記燃焼芯の先端燃焼部の外径を 2腿〜 5顧の範囲内に、前記燃焼芯の先端燃焼部の支持部より突出する長さを 3 mm〜 7 mmの範囲内に、前記燃焼芯の先端燃焼部の支持部より突出した部分の表面積を、ガラス繊維では 3 0画²〜 1 7 0誦 ² (喫煙具用ライターでは 3 0 mm² ~ 1 0 0 mm² ) の範囲内に、セラミック繊維では 4 0 mm²〜 1 Ί 0 mm² (喫煙具用ライ夕一では 4 0塵²〜 1 0 0 m m² ) の範囲内に設けるものである。

これらの規定は、初期炎長が少なくとも 2 0 mm程度で、 5 〜 1 0秒程度の時間内に 2 5麵程度の炎長となり、飽和炎長が 6 5誦以下にとどまり、それ以上に長くならない条件を達成するためのものである。

これらの先端燃焼部の形態の規定を決定するについての各種実験を行った基準サンプルを図 3に示す。燃料夕ンクとしての容器 3 5にアルコールを主体とする液体燃料を含浸する中綿 3 4を詰め、この中綿 3 4に接して燃焼芯 3 0の吸上部 3 2を挿入し、容器 5の開口部には上蓋 3 6を締め付ける。この上蓋 3 6の中心部には上記吸上部 3 2の上端部を支持した治具保持部 3 8を固着し、この治具保持部 3 8上に燃焼芯 3 0の燃焼部 3 1を保持した芯ホルダ一としての芯保持治具 3 7を取り付けて、吸上部 3 2の上端に燃焼部 3 1の下端部を接続してなる。前記燃焼芯 3 0の燃焼部 3 1としては、ガラス繊維を結束した第 1の実施例の形態のガラス繊維芯によるものと、第 2の実施の形態のセラミック繊維芯によるものとを使用する。これらの燃焼部 3 1の繊維径および空隙率を適切に選定し、ァクリル繊維による吸上部 3 2と接続してなり、この吸上部 3 2は燃焼部での燃焼に伴う消費量以上の補給が行える能力を有する。

なお、ガラス繊維芯として、前述の繊維径が 6 / m、繊維密度が 1 5 O mg/cm 3のものを使用したが、これはこの前後の寸法条件のものを用いても燃焼芯表面への燃料消費に対する燃料供給能力が満たされればよい。また、セラミック繊維芯としても、前述の繊維径が 2 . 8 〃 m、繊維密度が 2 0 O mg/cm³のものを使用したが、これも上記と同様である。また、この実験においては、特定のガラス繊維およびセラミック繊維を用いて実施したが、他の材料を使用しても耐熱性と吸上拡散能力が同様であれば、この結果は同様に適用可能である。

上記のような燃焼部のガラス繊維芯およびセラミック繊維芯の寸法（外径、長さ）を各種変更したものを用意すると共に、これに対応した形状の芯保持治具 3 7を用意して突き出し長さおよび露出部分の表面積を変更して設置し、燃焼試験を行った結果を図 4〜図 9に示す。液体燃料としては前記第 1の実施の形態に例示したものを使用している。

図 4〜図 6には、前記ガラス繊維芯の外径を、 1腿， 2 mm, φ 3 mm, 4 誦， 0 5飄と変更し、支持部よりの突き出し長さを、 1 mm, 3腿， 5画， 7 mm, 9 mmに変更し、それそれにつき着火時の初期炎長、炎長が 2 5麵に達するまでの到達時間、飽和炎長を測定した結果を、燃焼芯の露出部表面積との関係で示す。また、図 7〜図 9には、前記セラミック繊維に微量の有機バインダーを加え、これを厚さ 3腦の板状に抄き、その幅を、 1誦， 2漏， 3 mm, 4 mm, 5腿と変更し、支持部よりの突き出し長さを、 1腿， 3匪， 5腿， 7 mm, 9腿に変更し、それそれにつき着火時の初期炎長、炎長が 2 5腿に達するまでの到達時間、飽和炎長を測定した結果を、燃焼芯の露出部表面積との関係で示す。

これらの測定値における燃焼芯の表面積は、ガラス繊維、セラミック繊維を用いたいずれの燃焼芯の表面も微視的には凹凸があり、その実表面積は大きくなると考えられるが、ここでは燃焼芯の支持部よりの露出表面積をその外形寸法に基づき、側面積と先端端面積を単純計算した値で示している。

まず、図 4は、ガラス繊維芯を用いた場合の燃焼芯表面積と初期炎長の関係を示したものであり、 2 0 mm以上の初期炎長を得るためには、燃焼部表面積は 3 0 誦 ²以上必要となる。この図より、燃焼芯の表面積が 1 0 0 mm²の場合、寸法形状がこの実験範囲内では初期炎長は 3 5腦程度であり、表面積が 1 7 O nm²と寸法形状が大きくなつても初期炎長は 4 0誦程度であり、着火器としての使用上適切な炎長であると考えられる。

図 5は、同様にガラス繊維芯を用いた場合の燃焼芯表面積と炎長が 2 5誦に達する迄の時間との測定結果で、この時間を 1 0秒程度以下とするためには、表面積は 3 0腿²以上は必要とされる。

図 6は、同様にガラス繊維芯を用いた場合の燃焼芯表面積と着火後炎長が伸長し平衡した飽和炎長との測定結果であり、燃焼芯表面積が前述の 1 7 0翻²では、飽和炎長が 6 5腿であり、飽和炎長が 6 0麵〜 7 0麵以下とするためにはこの表面積以下でよい。さらに、喫煙具用ライターのような用途で飽和炎長が 5 0 mm〜 6 0腿以下とするのが好ましいものでは、燃焼芯表面積は 1 0 0匪²迄とすればよい。

次に、セラミック繊維を用いた燃焼芯の実験結果は図 7〜図 9であり、図 7は燃焼芯表面積と初期炎長との関係を示し、 2 0 mm以上の初期炎長を得るためには、燃焼部表面積は 4 0 mm²以上必要となる。また、燃焼芯の表面積が 1 7 0腿²と寸法形状が大きくなると初期炎長は 4 5 mm程度となり、やや長く着火器としての初期炎長としてはこの程度迄と考えられる。上記表面積が 1 0 0 mm²とすると、初期炎長は 3 5 mm程度となり、着火器の使用用途により、特に喫煙具用ライターにおいては適切な初期炎長の上限と考えられる。

図 8は、同様にセラミック繊維芯を用いた場合の燃焼芯表面積と炎長が 2 5腿に達する迄の時間との測定結果で、この時間を 1 0秒程度以下とするためには、表面積は 4 0匪²以上は必要とされる。

図 9は、同様にセラミック繊維芯を用いた場合の燃焼芯表面積と飽和炎長との測定結果であり、燃焼芯表面積が前述の 1 7 0 mm²では、飽和炎長が 6 5顧であり飽和炎長が 6 0 mm〜7 0 mm以下とするためにはこの表面積以下でよい。さらに、喫煙具用ライターのような用途で飽和炎長が 5 0誦〜 6 0 mm以下とするのが好ましいものでは、燃焼芯表面積は 1 0 0腿²迄とすればよい。

上記のような実験結果に基づき、ガラス繊維燃焼芯またはセラミック燃焼芯について、その燃焼芯の表面積と形状について前述のような範囲に限定することにより、良好な燃焼特性を有するアルコールを主体とする液体燃料を用いる着火器の燃焼部構造を得ることができ、その設計が容易に行えるものである。

例えば、図 1 0〜図 1 9には、喫煙具用ライ夕一において、ガラス繊維を断面円形に結束した燃焼芯、および、セラミック繊維を断面円形または断面角形に成形した燃焼芯を設けるについて、その燃焼芯の表面積と燃焼芯の外寸との関係における適範囲を表示している。この範囲の設定においては、前記実験結果に基づく着火器の性能を左右する限定範囲および着火器を設計する上での燃焼芯の実用可能な外形寸法範囲を特定するため、特に喫煙具用ライタ一への収容可能性とその機械強度あるいは機構上の実用性を配慮しての最適寸法範囲を示している。実際には、ライターの外形等に対応して燃焼芯の設置スペースと許容突出量が設計課題として設けられ、必要とする燃焼特性を確保するための表面積を規定することに伴い、全体の形状が決定できるもので、これらの作業が効率よく簡易に行えることになる。

Claims

請求の^ BI

( 1 ) 燃料タンクに収容したアルコールを主体とする液体燃料を毛管現象により吸い上げ先端燃焼部で燃焼させるガラス繊維を用いた燃焼芯を備えた着火器において、

燃焼芯の先端燃焼部の露出部表面積が、 30mm²〜 170mm²の範囲内にあることを特徴とする着火器における燃焼部構造。

(2) 前記着火器が喫煙具用ライターであり、燃焼芯の先端燃焼部の露出部表面積が、 30漏²〜 100腿²の範囲内にあることを特徴とする請求項 1に記載の着火器における燃焼部構造。

( 3 ) 燃料タンクに収容したアルコールを主体とする液体燃料を毛管現象により吸い上げ先端燃焼部で燃焼させるセラミック繊維を用いた燃焼芯を備えた着火器において、

燃焼芯の先端燃焼部の露出部表面積が、 40mm²〜 l 70mm²の範囲内にあることを特徴とする着火器における燃焼部構造。

(4) 前記着火器が喫煙具用ライターであり、燃焼芯の先端燃焼部の露出部表面積が、 40翻²〜 100画²の範囲内にあることを特徴とする請求項 3に記載の着火器における燃焼部構造。

(5) 前記燃焼芯の燃焼部の外周が、 6議〜 20讓の範囲内にあることを特徴とする請求項 1〜4のいずれかに記載の着火器における燃焼部構造。

(6) 前記燃焼芯の燃焼部の外径が、 2雌〜 5誦の範囲内にあることを特徴とする請求項 1〜4のいずれかに記載の着火器における燃焼部構造。

(7) 前記燃焼芯の先端燃焼部の支持部より突出する長さが、 3. 0腿〜 7. 0mmの範囲内にあることを特徴とする請求項 1〜4のいずれかに記載の着火器における燃焼部構造。

(8) ' 燃料タンクに収容したアルコールを主体とする液体燃料を毛管現象により吸い上げ先端燃焼部で燃焼させる燃焼芯を備えた着火器において、

前記燃焼芯の先端燃焼部の露出部表面積を規定し、着火直後の初期炎長が所定値以上あり、着火から所定時間後には所定炎長に伸長し、平衡状態での飽和炎長が所定値以下となるように設けることを特徴とする着火器における燃焼部構造。