糸田
非常停止スィ ツチ及び非常停止スィ ツチ回路
〔技術分野〕
本発明は、 非常時に機械の運転出力を遮断して作業者の安全を確 保するために設けられる非常停止スィ ツチ及び非常停止スィ ツチ回 路に関する。
〔背景技術〕
産業機械を設備した工場等においては、 機械運転中に事故が発生 した場合等に作業者の安全を確保するため、 機械を非常停止させる ための非常停止スィ ツチが必ず設けられている。
従来のこの種の非常停止スィ ツチは、 常時 O N状態にあって非常 時に押しボタン操作で O F F されるノーマルク ローズ接点を備える 第 1 スィ ッチ部と、 常時 O F F状態にあって非常時に前記押しボタ ン操作で O Nされるノーマルオープン接点を備える第 2スィ ッチ部 とを備え、 第 1及び第 2 スィ ッチ部が互いに連動して動作する。 そ して、 常時はバネ力によ り 、 第 1 スィ ッチ部のノーマルク ローズ接 点が O N状態で、 第 2 スィ ツチ部のノーマルオープン接点が O F F 状態にある。 非常時に押しボタンが操作される と、 第 1 スィ ッチ部 のノーマルク ローズ接点が O F F し、 第 2 スィ ツチ部のノーマルォ ープン接点が O Nする構成になっている。
尚、 第 1 スィ ッチ部のノーマルク ローズ接点出力は、 通常、 機械 の運転制御回路内に設けられる 自己保持回路のリセッ ト入力と して 利用される。 即ち、 一度ノーマルク ローズ接点を O F Fする と、 自 己保持回路はリセッ ト され、 その後に何等かの別の手段で自 己保持 回路に ト リ ガ入力信号を入力しない限り は、 たとえ第 1 スィ ツチ部 のノーマルク ローズ接点がバネ力で再び O N状態になっても自己保
持回路の出力が生成されないよ う にしている。 また、 近年はモニタ に単に入力されて処理される場合もある。
そして、 工場内の作業場所毎にこのよ うな非常停止スィ ッチを配 設し、 従来では図 1 に示すよ う に配線されている。
即ち、 複数の非常停止スィ ッチ 1 〜 l n の各第 1 スィ ッチ部 2 : 〜 2 n を、 中継端子群 4 を介して機械の運転制御回路 6 に直列接続 する。 また、 各第 2 スィ ッチ部 3 i 〜 3 n は、 中継端子群 4 を介し てモニタ 5 に個別に接続する。 これら非常停止スィ ッチ 1 i 〜 l n は工場内の各作業場所毎に配設する。
従って、 全ての非常停止スィ ッチ 1 i 〜 l n が操作されていない 場合は、 運転制御回路 6は、 通常通り に機械の運転出力を発生する が、 非常停止スィ ッチ 〜 l n のいずれか 1つが操作される と、 その第 1 スィ ツチ部が O F F して運転制御回路 6 の運転出力が停止 する。 同時に、 操作された非常停止スィ ッチの第 2 スィ ッチ部が O Nして、 非常停止スィ ッチの操作された作業場所がモニタ 5 に表示 され、 非常事態が生じた作業場所を知るこ とができるよ う になって いる。
しかしながら、 従来の非常停止スィ ッチは、 電気接点を用いる構 成のため接点の溶着故障が発生する虞れがある。 非常停止スィ ツチ は、 非常事態が生じた場合にのみ使用するものであり頻繁に操作さ れることがなく 、 正常に動作するか否かの監視が難しい。 また、 個 別に点検するにしても工場内には多数配設してありその手間が大変 である。 このため、 接点が溶着故障しているこ とが見落と される危 険があり 、 第 1 スィ ッチ部のノ一マルク ローズ接点が溶着故障して いる と、 押しボタンを操作しても機械の運転出力を停止できず作業 者の安全確保の点で問題である。
また、 非常停止スィ ッチを複数個接続した図 1 のよ う な非常停止 スィ ッチ回路が設備される作業現場と、 運転制御回路 6、 中継端子 群 4及びモニタ 5等が設備される機械運転操作側とは、 互いに離れ ている。 そして、 従来の電気接点を使用 した非常停止スィ ッチを用 いるスィ ッチ回路の場合は、 図 1 に示すよ うに、 各作業場所に設備 する各非常停止スィ ッチ 1 〜 l n を中継端子群 4 を介して互いに直 列接続する必要がある と共に、 全ての非常停止スィ ッチ 1 i 〜 l n の位置を中継端子群 4 を介して個別にモニタ 5 に通報しなければな らない。 このため、 非常停止スィ ッチ 〜 l n と中継端子群 4 と の間を接続するための配線数が極めて多いという問題がある。
本発明は上記の事情に鑑みなされたもので、 無接点化によ り接点 溶着故障の心配のない非常停止スィ ツチを提供することを目的とす る。 また、 複数の非常停止スィ ッチを接続したスィ ッチ回路を設備 する場合でも配線数の増大を招く こ とのない非常停止スィ ッチ回路 を提供するこ とを目的とする。 また、 各非常停止スィ ッチが正常か 否かの監視が容易な非常停止スィ ツチ回路を提供することを目的と する。
〔発明の開示〕
このため、 本発明の非常停止スィ ッチでは、 固定体に固定されて 1 次卷線及び 2次卷線が巻回された第 1 のコア部材と、 該第 1 のコ ァ部材に対して接離するよ う移動可能に設けられる第 2 のコア部材 と、 該第 2 のコア部材を移動させる移動手段とを備え、 該移動手段 で第 2 のコア部材を第 1 のコア部材に対して接近させた時に、 第 1 及び第 2 のコア部材で トランスを構成して前記 1 次卷線側に接続す る交流信号発生源からの交流信号が前記 2次卷線側に伝達され、 前 記移動手段で第 2 のコア部材を第 1 のコア部材に対して離間した時
に、 2次巻線側に前記交流信号が伝達されない構成と した。
かかる構成によれば、 押しボタンが押されない通常時では、 弾性 部材で第 2のコア部材が第 1 のコア部材に接近し、 第 1 と第 2のコ ァ部材によ り 閉磁路が形成されて トランスが構成される。 従って、 交流信号発生源から 1 次巻線に印加された交流信号は 2次巻線側に 伝達される。 一方、 非常事態が発生して押しボタンが押圧操作され る と、 第 2のコア部材が弾性部材の弾性付勢力に抗して第 1 のコア 部材から離間し、 磁路が形成されず 2次卷線側の出力レベルが零又 は極端に低下し、 機械の運転出力が遮断される。 そして、 電気接点 がないので、 接点溶着故障の心配がない。
移動手段は、 具体的には、 請求項 2記載のよ う に、 前記第 2のコ ァ部材に一端が固定された押しボタンと、 該押しボタンの押圧操作 方向とは反対方向に前記第 2のコア部材を弾性付勢する弾性部材と を備えて構成され、 常時は前記弾性部材の弾性付勢力で前記第 2の コア部材が前記第 1 のコア部材に接近して トランスを構成し、 押し ボタン押圧操作時に前記弾性部材の弾性付勢力に杭して前記第 2の コア部材が前記第 1 のコア部材から離間する構成である。
また、 前記移動手段が、 固定状態にある安全柵に取り付けた開閉 可能な ドアであり 、 ドアを閉めた時に、 前記第 2のコア部材が前記 安全柵側に固定された前記第 1 のコア部材に対して接近して トラン スを構成し、 ドアを開けた時に、 前記第 2のコア部材が前記第 1 の コア部材に対して離間する構成であってもよい。
かかる構成では、 安全柵内に機械を収納しておけば、 ドアを開け れば機械が停止するので、 機械に接近する作業者の安全を確実に確 保できるよ う になる。
更に、 前記移動手段が、 前記第 2のコア部材に一端が固定され他
端が固定部に固定されたロープと、 該ロープの引っ張り方向とは反 対方向に前記第 2のコア部材を弾性付勢する弾性部材とを備えて構 成され、 常時は前記弾性部材の弾性付勢力で前記第 2のコア部材が 前記第 1 のコア部材に接近して ト ラ ンスを構成し、 ロープが引っ張 られた時に前記弾性部材の弾性付勢力に杭して前記第 2のコア部材 が前記第 1 のコア部材から離間する構成であってもよい。
かかる構成では、 作業者が侵入する と危険な機械周囲の危険領域 と侵入しても安全な安全領域との境界にロープを張り めぐらせれば. 危険領域に侵入しょ う と した作業者がロープに引つかかることで、 機械が停止するよ う になる。
本発明の非常停止スィ ッチ回路では、 請求の範囲第 1項に記載の 非常停止スィ ツチを複数個直列接続し、 初段の非常停止スィ ツチの 1次卷線側に交流信号発生源からの交流信号を供給し、 最終段の非 常停止スィ ツチの 2次卷線側から前記交流信号に基づく 出力を発生 する構成と した。
かかる非常停止スィ ツチ回路によれば、 非常停止スィ ツチを複数 個設備する場合に、 個々に中継端子群に接続する必要がなく配線数 が大幅に減少する。
互いに隣接する非常停止スィ ッチ間に、 それぞれコンデンサを並 列接続する と共に、 前記最終段の非常停止スィ ッチの 2次巻線側の 出力端に、 コンデンサ容量を検出する容量検出手段を並列接続する 構成とする と よい。
かかる構成によれば、 いずれか 1 つの非常停止スィ ツチが操作さ れる と、 容量検出手段側から見たコンデンサ容量が変化するため、 容量検出手段で検出された容量値に基づいて、 どの位置の非常停止 スィ ツチが操作されたかを知る こ とができ、 非常事態の発生した作
業場所を知らせるこ とが可能となる。
コンデンサを 4端子コンデンサとすれば、 コンデンサの断線故障 時に機械の運転出力が停止する。
また、 互いに隣接する非常停止スィ ッチ間に、 それぞれ抵抗を直 列接続する と共に、 前記最終段の非常停止スィ ツチの出力端からの 出力信号をレベル検定する レベル検定手段を設け、 前記出力信号の レベルが予め設定した閾値レベルを越えた時に前記レベル検定手段 の出力が停止する構成と してもよい。
かかる構成によれば、 何等かの原因でいずれかの非常停止スィ ッ チが短絡された場合に、 出力端の出力レベルが変化し、 レベル検定 手段の予め設定した閾値レベルを越えるため、 いずれかの非常停止 スィ ツチが短絡したことを知ることができる。
隣接する非常停止スィ ツチ間に抵抗を直列接続する代わり に、 各 非常停止スィ ツチの前記第 2 のコア部材に 3次巻線を卷回し、 該 3 次卷線に前記抵抗を直列接続する構成と してもよい。
また、 互いに直列接続された各非常停止スィ ッチの少なく と も 2 次巻線側に、 発光素子をそれぞれ直列接続する構成にする と よい。
かかる構成では、 複数の非常停止スィ ツチのいずれかで入力側か ら出力側に信号が伝送されない異常が発生する と、 異常が発生した 非常停止スィ ッチの出力側に接続する発光素子が即座に消灯する。 このため、 各発光素子を各非常停止スィ ツチに近接して配設してお けば、 作業場所等で個々に非常停止スィ ッチの異常を確認するこ と ができる。
発光素子の接続構成と しては、 2つの発光素子を互いに順方向を 逆にして並列に接続した並列回路を、 前記 2次卷線側に接続する構 成と してもよレ、。
また、 1 つの発光素子を、 整流回路を介して前記 2次巻線側に接 続する構成と してもよい。
この場合には、 発光素子を 2つ設ける必要がない。
また、 発光素子を設けた非常停止スィ ツチ回路の最終段の非常停 止スィ ツチの出力信号を入力する警報装置を設け、 該警報装置が、 前記最終段の非常停止スィ ッチから出力信号が発生する時に安全を 示す高レベルの信号が入力して非可聴周波数域の警報音を発生し、 前記出力信号が停止した時に危険を示す低レベルの信号が入力して 可聴周波数域の警報音を発生する警報音発生回路と、 該警報音発生 回路からの警報音の有無を常時監視する監視回路とを、 備える構成 にする と よい。
かかる構成では、 非常停止スィ ツチのいずれかに異常が発生した 場合は、 異常発生場所の発光素子が消灯して異常を知るこ とができ る と共に、 人間に聞こえる可聴周波数域の警報音が警報装置から発 生し、 非常停止スィ ッチの異常発生を通報する。 しかも、 監視回路 によつて警報装置自体の異常も監視し、 警報装置に異常が発生した 時は、 監視回路によって通報される。
〔図面の簡単な説明〕
図 1 は、 従来の非常停止スィ ッチ回路の配線状態の説明図である, 図 2は、 本発明の非常停止スィ ツチの第 1 実施形態を示す構成図 で、 ( A ) は全体図、 ( B ) は第 1 のコア部材の斜視図である。
図 3 は、 図 2の非常停止スィ ッチと運転制御回路の接続例を示す 回路図である。
図 4 は、 本発明の非常停止スィ ッチの第 2実施形態を示す構成図 である。
図 5は、 本発明の非常停止スィ ッチの第 3実施形態を示す構成図
である。
図 6は、 本発明の非常停止スィ ツチ回路の第 1 実施形態を示す回 路図である。
図 7は、 図 6 に示す容量検出器の回路図である。
図 8は、 本発明の非常停止スィ ッチ回路の第 2実施形態を示す回 路図である。
図 9は、 本発明の非常停止スィ ツチ回路の第 3実施形態を示す回 路図である。
図 1 0は、 ドアスィ ツチ方式の非常停止スィ ツチの実施形態を示 す構成図である。
図 1 1 は、 ロープスィ ッチ方式の非常停止スィ ッチを用いた非常 停止スィ ツチ回路の実施形態を示す回路図である。
図 1 2は、 発光素子を備える非常停止スィ ッチ回路の実施形態を 示す回路図である。
図 1 3 は、 図 1 2の発光素子取付け状態の具体例を示す図である, 図 1 4は、 図 1 2の警報装置の回路図である。
図 1 5は、 警報装置の別の回路図である。
図 1 6は、 警報装置の更に別の回路図である。
図 1 7は、 発光素子を備える ドアスィ ッチ方式の非常停止スイ ツ チ回路の実施形態を示す回路図である。
図 1 8は、 発光素子を備えるロープスィ ッチ方式の非常停止スィ ツチ回路の実施形態を示す回路図である。
図 1 9は、 非常停止スィ ツチ間に接続する発光素子の別の接続例 を示す図である。
〔発明を実施するための最良の形態〕
以下に、 本発明に係る非常停止スィ ツチ及び非常停止スィ ツチ回
路の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図 2 ( A ) 、 ( B ) に本発明に係る非常停止スィ ッチの第 1 実施 形態の構成図を示す。
図 2 ( A ) において、 非常停止スィ ッチ 1 0は、 ケース 1 1 内に 固定され 1 次巻線 1 2 と 2次卷線 1 3が巻回される第 1 のコア部材 1 4 と、 該第 1 のコア部材 1 4 に接離するよ う にケース 1 1 内に移 動可能に設けられ接触時に第 1 のコア部材 1 4 と閉磁路を形成して トランスを構成する円板状の第 2のコア部材 1 5 と、 第 2のコア部 材 1 5 に一端が固定され他端が第 1 のコア部材 1 4 中心部を貫通し てケース外部に突出し突出端部がボタン形状をしている押しボタン 1 6 と、 第 2のコァ部材 1 5底部とケース 1 1壁面との間に介在し 押しボタン 1 6 の押圧操作方向 (図中下方向) とは反対方向 (図中 上方向) に第 2 のコア部材 1 5 を弾性付勢する弾性部材と してのス プリ ング 1 7 とを備えて構成される。 前記押しボタン 1 6及びスプ リ ング 1 7で移動手段が構成される。
第 1 のコア部材 1 4は、 図 2 ( B ) に示すよ う に一端側が開放さ れた円筒部 1 4 a の中央部に、 貫通孔 1 4 b を有する円柱部 1 4 c を有する形状である。 円柱部 1 4 c外周に、 1 次卷線 1 2 と 2次卷 線 1 3が互いに絶縁されて卷回される。 尚、 ( B ) 図は、 第 1 のコ ァ部材 1 4 を (A ) 図とは上下逆にした状態を示す。
押しボタン 1 6は、 第 1 のコア部材 1 4 の円柱部 1 4 c の貫通孔 1 4 b を貫通して第 2 のコア部材 1 5 に固定される。
次に、 非常停止スィ ッチ 1 0の動作を説明する。
非常停止スィ ツチ 1 0 を、 図 1 の機械の運転制御回路 6 に接続す る場合、 図 3 のよ う に、 非常停止スィ ツチ 1 0の 1 次卷線 1 2側の 端子部 a, b に交流信号発生源と して発振器 1 9 を接続し、 2次卷
線 1 3側の端子部 c, d を、 整流回路 1 8 を介して運転制御回路 6 の例えば非常停止ライ ンに接続する。 非常停止ライ ンは、 例えば運 転制御回路 6 内の自己保持回路 6 Aのリセッ ト入力端子 (ホールド 入力端子と呼ぶ場合もある) に接続される。 自己保持回路 6 Aの ト リ ガ入力端子には、 機械の運転スィ ツチ 6 Bを介して電源が接続さ れる。 従って、 自 己保持回路 6 Aは、 非常停止スィ ッチ回路から非 常停止ラインを介してリセッ ト入力信号が入力している状態で運転 スィ ツチ 6 Bが O Nされる と、 運転スィ ツチ 6 Bからの ト リガ入力 信号を自己保持して出力を継続する。 前記非常停止ライ ンからのリ セ ッ ト入力信号が一度停止する と 自 己保持機能が解除され、 運転ス ィ ツチ 6 Bが再び O Nされない限り 出力を生成しない。
かかる接続状態において、 通常時はスプリ ング 1 7 の弾性付勢力 で、 第 2 のコア部材 1 5は第 1 のコア部材 1 4 に接触して閉磁路が 形成されて ト ラ ンスが構成され、 発振器 1 9から 1 次卷線 1 2に供 給される交流電流が 2次巻線 1 3側に伝達されて運転制御回路 6 に 供給される。 これによ り 、 運転制御回路 6内の自己保持回路 6 Aに 非常停止ライ ンを介してリセッ ト入力信号が印加され、 運転スイ ツ チ 6 Bの O N操作で運転制御回路 6から機械の運転出力が発生する ( 非常事態が発生して非常停止スィ ツチ 1 0 の押しボタン 1 6が押 圧された場合、 第 2 のコァ部材 1 5がスプリ ング 1 7 の弾性付勢力 に抗して図 2 ( A ) で下方向に移動し、 第 1 のコア部材 1 4から離 間して閉磁路が開放される。 このため、 2次巻線 1 3側の出カ レべ ルが極端に低下或いは零となり 、 自己保持回路 6 Aの出力が停止し て機械が非常停止する。
かかる構成の非常停止スィ ッチ 1 0 によれば、 従来の非常停止ス イ ッチのよ う な電気接点を用いないので、 接点の溶着故障の心配が
全く なく 、 機械の非常停止時に接点の溶着故障で非常停止スィ ツチ が作動しないという危険を回避できる。 従って、 非常停止スィ ッチ の信頼性を向上でき作業者の安全を確保できる。
次に、 図 4 に非常停止スィ ッチの第 2実施形態を示す。
図 4の非常停止スィ ッチ 2 0は、 2つのコ字状部材 2 1 A, 2 1 Bで第 1 のコア部材 2 1 を構成している。 2つのコ字状部材 2 1 A 2 1 Bは所定間隔の隙間を設けてケース 2 7内に固定され、 2つの コ字状部材 2 1 A , 2 1 Bに跨がって 1 次卷線 2 2 と 2次巻線 2 3 が卷回される。 第 2のコア部材 2 4は、 例えば四角形状の板材で形 成される。 コ字状部材 2 1 A, 2 1 Bの間の隙間に押しポタン 2 5 を挿入し、 その先端部を第 2のコア部材 2 4 に固定する。 第 2のコ ァ部材 2 4底部とケース 2 7壁面との間には、 第 2のコア部材 2 4 を図中上方向に弾性付勢する複数のスプリ ング 2 6が設けられる。
この非常停止スィ ッチ 2 0 の動作は、 第 1 実施形態と同様、 通常 時は、 スプリ ング 2 6で第 2 のコア部材 2 4が第 1 のコア部材 2 1 の両コ字状部材 2 1 A , 2 1 Bに接触して トランスを構成するため 1 次卷線 2 2側に供給された交流電流が 2次巻線 2 3側に伝達され る。 押しボタン 2 5 を押圧すれば、 第 2のコア部材 2 4が第 1 のコ ァ部材 2 1 から離間して ト ラ ンスが構成されず、 1 次卷線 2 2側に 供給された交流電流が 2次卷線 2 3側に伝達されないので、 運転制 御回路 6 の非常停止ライ ン入力が停止して運転出力が停止し機械が 非常停止する。
次に、 図 5 に非常停止スィ ッチの第 3実施形態を示す。
図 5の非常停止スィ ツチ 3 0の第 1 のコァ部材 3 4は、 第 1 実施 形態と同様の形状であるが内部の円柱部には貫通孔がない形状であ る。 また、 第 2のコア部材 3 5 は第 1 実施形態のものよ り大径の円
板形状である。 押しボタン 3 6は、 コ字状部材 3 6 Aを第 1 のコア 部材 3 4 の外側に設け、 その両先端部を第 2 のコア部材 3 5 の外周 部に固定し、 コ字状部材 3 6 Aの上端中央部にボタン形状の押圧部 3 6 Bを固定する形状である。 図中、 3 1 はケース、 3 2, 3 3 は 第 1 のコァ部材 3 4の内部の円柱部に卷回して取り 出した 1 次巻線 と 2次巻線、 3 7はスプリ ングである。
かかる構成の非常停止スィ ッチ 3 0の動作も、 第 1及び第 2実施 形態と同様、 通常時は、 スプリ ング 3 7 の弾性付勢力で第 2 のコア 部材 3 5が第 1 のコア部材 3 4 に接触して ト ランスを構成するため, 1 次巻線 3 2側に供給された交流電流が 2次卷線 3 3側に伝達され る。 押しボタン 3 6 の押圧部 3 6 Bを押圧すれば、 コ字状部材 3 6 Aを介して第 2 のコア部材 3 5が第 1 のコア部材 3 4から離間して ト ランスが構成されず、 1 次巻線 3 2側に供給された交流電流が 2 次卷線 3 3側に伝達されないので、 運転制御回路 6 の非常停止ライ ン入力が停止して運転出力が停止し機械が非常停止する。
次に、 上述したよ う な ト ラ ンス構造の無接点の非常停止スィ ッチ を複数個直列接続して構成した本発明の非常停止スィ ッチ回路につ いて説明する。
図 6は、 非常停止スィ ツチ回路の第 1 実施形態の回路図を示し、 図 4の構造の非常停止スィ ツチ 2 0 を 3個直列接続した回路である t 図において、 初段の非常停止スイ ッチ 2 0 — 1 の 1 次卷線の端子 a , b には、 交流信号発生源と しての発振器 4 1 が抵抗 R i を介し て接続される。 非常停止スィ ッチ 2 0 — 1 の 2次巻線と次段の非常 停止スィ ツチ 2 0 — 2 の 1 次卷線、 非常停止スィ ツチ 2 0 — 2 の 2 次巻線と最終段の非常停止スィ ツチ 2 0 — 3の 1 次卷線をそれぞれ 直列接続する。 各接続部分に 4端子コンデンサ d , C 2 を並列接
続する。 最終段の非常停止スィ ッチ 2 0 — 3の 2次巻線は ト ランス Tの 1 次側に抵抗 R 2 を介して直列接続する と共に、 4端子コンデ ンサ C 3 が並列接続される。 前記 ト ラ ンス Tの 2次側の端子 e, f は、 図 3 と同様にして運転制御回路 6 に接続する。 この場合、 運転 制御回路 6内に増幅器を設け、 非常停止スィ ッチ回路の端子 e, f を介して入力される信号を増幅するよ う にしてもよい。 更に、 この 非常停止スィ ツチの直列回路の容量を検出する容量検出手段と して の容量検出器 4 2が、 コンデンサ C 4 を介して ト ラ ンス Tの 1 次側 に並列に接続する。 この容量検出器 4 2は、 非常停止スィ ッチが押 された作業場所を知らせる機能を有し、 例えば図 1 のモニタ 5内に 設ける。
前記容量検出器 4 2は、 図 7に例示するよ う に、 抵抗 R 3 〜R 5 と、 トランジスタ T r及びコイル 〜 L 3 からなる発振器 4 3の 発振出力を、 ノ ッファアンプ 4 4 を介してカウンタ 4 5に入力し、 発振器出力の周波数変化から容量の変化を検出する。 通常時は、 力 ゥンタ 4 5からの出力はない。 非常停止スィ ッチ 2 0 — ;!〜 2 0 — 3のいずれかが操作された場合は、 その時の発振出力の周波数に応 じた出力信号を出力して、 操作された非常停止スィ ッチの位置を通 報する。 尚、 容量検出には公知のイ ンピーダンスブリ ッジを用いて もよいこ とは明らかである。
次に、 図 6の非常停止スィ ッチ回路の動作を説明する。
通常時では、 全ての非常停止スィ ツチ 2 0 - 1 〜 2 0 — 3 力; ト ラ ンスと して機能するため、 発振器 4 1 からの交流信号が、 3 つの非 常停止スィ ツチ 2 0 — :! 〜 2 0 — 3 を介して ト ラ ンス Tに伝達され 更に、 ト ラ ンス Tの 2次側の端子 e, f を介して運転制御回路 6 に 伝達される。 これによ り 、 運転制御回路 6では例えば自己保持回路
6 Aのリセッ ト入力端子に信号が入力し、 運転スィ ッチ 6 Bの O N 操作で運転出力が発生する。 抵抗 の抵抗値 Γ ι と抵抗 R 2 の抵 抗値 r 2 の関係を !: 2 » r ! とすることによって、 抵抗 が容量 検出器 4 2内の発振器 4 3の負荷となって非常停止スィ ツチが押さ れない時は発振器 4 3 は発振せず、 カウンタ 4 5からの出力はなく 非常事態発生の通報はない。 尚、 発振器 4 1 の発振周波数を f 1 と し、 容量検出器 4 2内の発振器 4 3の発振周波数を f 2 と した時、 f 2 » f ! とすれば 4端子コンデンサ d 〜C 3 の静電容量を小さ く できるので、 4端子コンデンサ d 〜 C 3 が発振器 4 1 からの出 力信号の伝達に影響しない。
3つの非常停止スィ ツチ 2 0 — :! 〜 2 0 — 3のいずれかの押しボ タンが押圧操作された場合は、 操作された非常停止スィ ツチの トラ ンス機能が失われるので、 発振器 4 1 からの出力信号は トランス T まで伝達されない。 このため、 運転制御回路 6への入力が停止して 運転出力が停止し機械の運転が停止する。
一方、 例えば非常停止スィ ッチ 2 0 — 1 が操作された場合は、 容 量検出器 4 2のコイル L i に 3つのコンデンサ d 〜 C 3 が並列接 続されるこ とになる。 非常停止スィ ッチ 2 0 — 2が操作された場合 は、 コンデンサお が切り離されて容量検出器 4 2のコイル 1^ に 2つのコンデンサ C 2 , C 3 が並列接続されるこ とになる。 非常停 止スィ ッチ 2 0 — 3が操作された場合は、 コンデンサお , C 2 が 切り離されて容量検出器 4 2のコイル L にコンデンサ C 3 が接続 されるこ とになる。 接続されるコンデンサが少なく なるに従って発 振器 4 3の負荷容量値が小さ く なり 、 発振器 4 3 の発振周波数は増 大する。 このよ う に、 押圧操作された非常停止スィ ッチの位置に応 じて容量検出器 4 2の発振器 4 3の発振周波数が変化し、 この発振
周波数の変化はカウンタ 4 5のカウン ト値から検出できる。 従って 、 カウンタ 4 5のカウン ト値から、 操作された非常停止スィ ッチの 位置を知るこ とができ、 非常事態が発生した作業場所をモニタ 5で 知ることができる。
かかる構成の非常停止スィ ツチ回路によれば、 非常停止スィ ツチ 2 0 — :! 〜 2 0 — 3側と、 運転制御回路 6やモニタ 5側とが、 互い に離れた場所に設備されても、 その配線数は トランス Tを運転制御 回路 6 に接続するための配線だけでよい。 また、 非常停止スィ ッチ の操作位置をモニタする場合でも、 最終段の非常停止スィ ツチの 2 次側を容量検出器 4 2に接続するための配線が追加されるだけであ る。 従って、 従来 ( 1個の非常停止スィ ッチの出力線を 4線共通に して 1 本のケーブルで中継端子板に接続するもの) に比べて格段に 配線数を少なく できる。 また、 非常停止スィ ッチ 2 0 — 1 〜 2 0 _ 3が電気接点を持たないので溶着故障の心配がなく 、 スィ ツチ回路 の信頼性も向上する。 また、 4端子コンデンサを用いるこ とで、 非 常停止スィ ツチ 2 0 — :! 〜 2 0 — 3間のコンデンサ電極に断線故障 が生じる と端子 e , f の出力が消滅し、 運転制御回路 6への非常停 止ライ ン入力が停止し運転出力が停止する利点がある。
図 8 に、 非常停止スィ ッチ回路の第 2実施形態を示す。
本実施形態は、 複数直列接続した非常停止スィ ツチのいずれかが 短絡された場合に、 この短絡故障の検出機能を備えた構成例である, 尚、 図 6の第 1 実施形態と同一部分には同一の符号を付して説明を 省略する。
図 8 において、 本実施形態は、 図 6 と同様の構造の非常停止スィ ツチを 5個直列接続した例である。 各非常停止スィ ツチ 2 0 — 1 〜 2 0 — 5 の各 1 次卷線側に抵抗 R u R ^をそれぞれ直列接続して
非常停止スィ ッチ 2 0 — :! 〜 2 0 — 5 を直列接続する。 初段の非常 停止スィ ツチ 2 0 — 1 の 1 次卷線の端子 a, b には、 発振器 4 1 を 接続して交流信号を供給する。 最終段の非常停止スィ ッチ 2 0 — 5 の 2次巻線側には トランス Tの 1 次側を接続する。 トランス Tの 2 次側には、 整流回路 5 1 (図 3の整流回路 1 8 に相当する) を介して レベル検定手段と してのウイ ン ドウコ ンパレータ 5 2 を接続する。 ウィ ン ドウコ ンパレータ 5 2 の出力信号は、 整流回路 (図示せず) を介して運転制御回路 6 に供給する。 従って、 前記ウィ ン ドウコンパ レータ 5 2は、 図 3の破線で示す位置に挿入されることになる。
前記ウィ ン ドウコンパレータ 5 2は、 例えば P C T Z J P 9 3 / 0 0 4 1 1や W 0 9 4 / 2 3 3 0 3等で開示された従来公知のもの であり 、 複数の トランジスタ と抵抗とで構成され、 入力端子に電源 電位よ り も高いレベルの所定閾値範囲の入力信号が入力した時に発 振して交流出力を発生する。 また、 故障時には出力を発生しないフ ェ一ルセ一フな構成となっている。
次に、 図 8の非常停止スィ ッチ回路の動作を説明する。
正常時、 発振器 4 1 からの交流信号は、 各非常停止スィ ッチ 2 0 _ 1〜 2 0 — 5 を介して ト ラ ンス Tに伝達される。 この場合、 整流 回路 5 1 を介してウィ ン ドウコ ンパレータ 5 2に所定閾値範囲内の レベルの入力信号が入力する。 これによ り 、 ウィ ン ドウコンパレー タ 5 2から出力信号が生じて整流されて運転制御回路 6 に供給され、 自己保持回路 6 Aにリセッ ト入力信号が印加されて、 運転出力が発 生可能となる。
一方、 例えば非常停止スィ ッチ 2 0 — 2に、 図中破線で示すよ う にその 1 次卷線端子と 2次卷線端子間に短絡故障が生じた場合、 抵 抗 R i 2がスィ ッチ回路から除かれ、 抵抗 R i 2による損失分がなく な
る。 このため、 ウィ ン ドウコ ンパレータ 5 2の入力信号レベルが上 昇してウィ ン ドウコ ンパレータ 5 2の上限の閾値を越え、 ウィ ン ド ゥコ ンパレータ 5 2 の出力が停止して運転制御回路 6への入力信号 が消滅する。
かかる構成によれば、 非常停止スィ ツチ 2 0 - 1 〜 2 0 ― 5 のい ずれか 1つでも短絡される と機械の運転出力が停止して運転できな いので、 非常停止スィ ツチが短絡されたことを知るこ とができる。 従って、 故意に非常停止スィ ツチを短絡して非常停止スィ ツチの機 能を失わせるよ うな危険な行為を防止できる。
尚、 図 9 に示すよ う に、 各非常停止スィ ッチ 2 0 — ;! 〜 2 0 — 5 の第 2 のコア部材に 3次卷線を設け、 この 3次巻線に前記抵抗 〜 R 1 5を直列接続するよ う にしてもよい。 この実施形態の場合も、 図 8の実施形態と同様の作用効果を有する。 また、 特にウィ ン ドウ コ ンパレータで抵抗計測をしないのであれば、 図 9の抵抗 R i〜 R , をコンデンサと して、 各非常停止スィ ツチ 2 0 - :! 〜 2 0 — 5が閉 磁路を構成する ときに共振回路を構成するよ う にしてもよい。
以上の各実施形態では、 非常停止スィ ツチを押しボタン方式と し たが、 必ずしも押しボタン構造に限らない。
例えば、 図 1 0 に示すよ う に ドアスィ ッチ方式と してもよい。 図 1 0 において、 1 次卷線と 2次卷線を卷回した第 1 のコァ部材 6 1 を、 運転機械を収納して固定状態にある安全柵 7 1側に取付け 第 1 のコァ部材 6 1 と ト ラ ンスを構成する第 2 のコァ部材 6 2 を、 安全柵 7 1 の移動手段と しての各 ドア 7 2 の表面或いは裏面にそれ ぞれ取付けて非常停止スィ ツチ 6 0 を構成する。
かかる構成によれば、 ドア 7 2が閉じていれば、 第 1 のコア部材 6 1 に第 2 のコア部材 6 2が接近して ト ラ ンスを構成するので、 非
常停止スィ ッチ 6 0から運転制御回路 6側に入力信号が供給されて 安全柵 7 1 内の機械の運転出力が発生できる。 一方、 ドア 7 2が開 いている状態では、 第 1 のコァ部材 6 1 から第 2 のコア部材 6 2が 離れるので トランスが構成されず、 機械の運転出力が停止する。
かかる構成によれば、 作業者が ドア 7 2 を開けて安全柵 7 1 内の 機械に接近しょ う とする場合には、 機械の運転出力が必ず停止され るので、 作業者の安全が確保できる。
押しボタンの代わり にロープを使用する非常停止スィ ツチと して もよい。 図 1 1 に、 口一ブスイ ッチ方式の非常停止スィ ッチを複数 接続した非常停止スィ ツチ回路例を示す。
図 1 1 において、 口一プを利用した非常停止スィ ツチ 8 0 — :! 〜 8 0 — 3 は、 1 次卷線 8 3が卷回された略コ字状の第 1 のコア部材 8 1、 2次卷線 8 4が巻回された第 2のコア部材 8 2、 第 2のコア 部材 8 2を第 1 のコア部材 8 1 に接近する方向に弾性付勢するスプ リ ング 8 5 、 及び、 前記スプリ ング 8 5の弾性付勢力に抗して第 2 のコア部材 8 2 を第 1 のコア部材 8 1 から離間する方向に移動させ るためのロープ 8 6 を備える。 初段の非常停止スィ ツチ 8 0 — 1 の 2次卷線 8 4 は、 抵抗 を介して次段の非常停止スィ ツチ 8 0 - 2 の 1 次卷線 8 3 に接続し、 非常停止スィ ツチ 8 0 — 2 の 2次卷線 8 4は抵抗 R 1 2を介して最終段の非常停止スィ ツチ 8 0 — 3の 1 次 卷線 8 3 に接続し、 最終段の非常停止スィ ツチ 8 0 — 3 はその 2次 巻線 8 4が抵抗 R 1 3を介して出力端子 e, f に接続する。 出力端子 e , f は、 図 1 の運転制御回路 6 に接続する と共に、 この非常停止 スィ ッチ回路のイ ンピーダンスを検出するイ ンピーダンス検出器 8 8が並列接続している。 このイ ンピーダンス検出器 8 8は、 モニタ 5 に設ければよい。 前記各ロープ 8 6は、 スィ ッチ間を電気的に接
続する電線と共にパイプ又はチューブ (例えばゴム等) 等の被覆部 材 8 7によって被覆されている。 こ こで、 スプリ ング 8 5及びロー プ 8 6 で移動手段を構成する。
次に、 図 1 1 の非常停止スィ ッチ回路の動作を説明する。
各非常停止スィ ツチ 8 0 — 1〜8 0 — 3 は、 それぞれロープ 8 6 が引っ張られれば、 第 2 のコァ部材 8 2が第 1 のコア部材 8 1 から 離間して磁路が開放される。 このため、 出力端子 e, f から運転制 御回路 6 に信号が入力せず機械の運転が停止される。 この際に、 ど の非常停止スィ ッチが操作されたかは、 イ ンピーダンス検出器 8 8 で検出されたイ ンピーダンス値に基づいて、 モニタ 5で知ることが できる。
かかる構成の非常停止スィ ツチ回路では、 ロープ 8 6が切れた時 は被覆部材 8 7が切れた時であり 、 この時は電線も一緒に切れるの で、 ロープ 8 6の切断故障時には必ず機械の運転を停止できる特徴 力 sぁる。
次に、 各非常停止スィ ッチが設置される個々の作業場所で、 非常 停止スィ ツチの故障を直接監視できる非常停止スィ ツチ回路の構成 例について説明する。
図 1 2は、 図 8 と同様に図 4 の非常停止スィ ツチを 5個直列接続 した非常停止スィ ッチ回路に適用 した実施形態を示す。 尚、 図 8 と 同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図 1 2において、 5個の非常停止スィ ッチ 2 0 — ;! 〜 2 0 — 5は 図 8 と同様に、 初段の非常停止スィ ツチ 2 0— 1 の 2次卷線と次段 の非常停止スイ ッチ 2 0 — 2 の 1 次卷線、 非常停止スイ ッチ 2 0— 2 の 2次卷線と次段の非常停止スィ ツチ 2 0 — 3 の 1 次卷線、 非常 停止スィ ツチ 2 0 — 3 の 2次卷線と次段の非常停止スィ ツチ 2 0 —
4の 1 次卷線、 非常停止スィ ツチ 2 0 — 4の 2次卷線と最終段の非 常停止スィ ツチ 2 0 — 5の 1 次卷線を直列接続して ト ラ ンス結合に よる信号伝送系を構成している。 また、 発振器 4 1 から発生する交 流信号を、 増幅器 9 1及び ト ラ ンス T 1 を介して初段の非常停止ス イ ッチ 2 0 — 1 の 1 次巻線の端子に供給している。 最終段の非常停 止スィ ッチ 2 0 — 5の 2次巻線から発生する出力信号 (図中信号 K で示す) は、 トランス T 2 (図 8の トランス Tに相当する) 及び整 流回路 5 1 を介して運転制御回路 6 に入力する。 また、 本実施形態 では運転制御回路 6 と並列に警報装置 1 0 0を設けて整流回路 5 1 の出力信号 (図中信号 Wで示す) を入力する。 警報装置 1 0 0は、 後 述するよ う に装置自身の故障監視機能を有する。
そして、 本実施形態では図 8の抵抗尺 ^〜 ^の代わり に、 各非 常停止スィ ツチ 2 0 — :! 〜 2 0 — 5の 1 次卷線側に、 それぞれ順方 向が互いに反対になるよ う互いに並列の一対の発光素子 P i P 12、
P 2 1 , P 2 2 , P 31, P 3 2 , P 4 1 , P 42、 P 5 1 , P 52を設ける。 更に、 最終段の非常停止スィ ツチ 2 0 一 5の 2次卷線と ト ラ ンス T 2 との 間に、 同様にして並列の一対の発光素子 P 61, P 62を直列接続する。 これら発光素子 P i , P i 2 ( i = 1 〜 6 ) は、 例えば図 1 3 に示す よ うなケース 9 2 に設けて、 各非常停止スィ ッチ 2 0 — :! 〜 2 0 — 5が設けられる各作業場所に、 例えば非常停止スィ ッチに近接して 設置する。 尚、 この実施形態では、 図 8のウィ ン ドウコ ンパレータ 5 2は必要ない。
次に、 前記警報装置 1 0 0の構成を図 1 4 に示す。
図 1 4 において、 警報装置 1 0 0は、 整流回路 5 1 の出力信号 W の電圧レベルに基づいて、 出力信号 Wがない (低レベル) 時に可聴 周波数域の警報音を発生し、 出力信号 Wがある (高レベル) 時に非
可聴周波数域の警報音を発生する警報音発生回路 1 0 1 と、 この警 報音発生回路 1 0 1の両警報音の有無に基づいて警報装置 1 0 0の 故障監視をする監視回路 1 0 2 とで構成される。
前記警報音発生回路 1 0 1 は、 整流回路 5 1 の出力信号 Wとこの 出力信号 Wよ り電圧レベルの低いバイ アス電圧 VB とが入力し、 入 力電圧レベルに応じた周波数信号を発生する電圧一周波数変換器 ( 以下、 V— F変換器とする) 1 0 1 Aと、 該 V— F変換器 1 0 1 A の出力を増幅する交流増幅器 1 0 1 Bと、 該交流増幅器 1 0 1 Bの 出力で駆動されるスピーカ 1 0 1 Cとで構成される。 前記 V— F変 換器 1 0 1 Aは、 入力電圧が高い時 (W + VB の時) に非可聴周波 数 (例えば 2 0 KH z ) の信号を発生し、 入力電圧が低い時 (VB のみの時) に可聴周波数 (例えば数 KH z ) の信号を発生する。 前記監視回路 1 0 2は、 スピーカ 1 0 1 Cに入力する交流増幅器 1 0 1 Bの出力電流を検出する電流 トランス 1 0 2 Aと、 該電流 ト ランス 1 0 2 Aの出力を増幅する交流増幅器 1 0 2 Bと、 該交流増 幅器 1 0 2 Bの出力を整流する整流回路 1 0 2 Cとで構成される。
かかる構成の警報装置の動作を簡単に説明する。
出力信号 Wが入力しない場合、 V— F変換器 1 0 1 Aの入力電圧 レベルは、 バイ ァス電圧 VB のみとなり V— F変換器 1 0 1 Aから は可聴周波数信号が発生する。 この出力信号は交流増幅器 1 0 1 B で増幅されてス ピーカ 1 0 1 Cを駆動し、 ス ピーカ 1 0 1 Cからは 可聴周波数の警報音が発生する。 一方、 出力信号 Wが入力する時は V— F変換器 1 0 1 Aの入力電圧レベルは、 バイアス電圧 VB と出 力信号 Wの電圧レベルの和となり、 高い電圧レベルの入力となる。 この高レベルの入力信号は、 交流の出力信号 Wを倍電圧整流回路を 用いて整流してバイ アス電圧 VB に重畳するよ うな公知の方法で生
成すればよい。 これによ り、 V _ F変換器 1 0 1 Aからは非可聴周 波数信号が発生し、 この出力信号は交流増幅器 1 0 1 Bで増幅され てスピーカ 1 0 1 Cを駆動する。 この場合、 警報装置 1 0 0は正常 であるが、 ス ピーカ 1 0 1 Cからは非可聴周波数の警報音が発生す るので、 人間には聞こえず騒音となることはない。
ス ピーカ 1 0 1 Cに、 可聴周波数又は非可聴周波数のどちらかの 信号が入力している時には、 この入力信号は電流 ト ランス 1 0 2 A によって受信される。 この受信信号は、 交流増幅器 1 0 2 Bで増幅 され、 整流回路 1 0 2 Cで整流され、 直流の出力信号 S N が監視回 路 1 0 2から発生する。 一方、 例えば、 V— F変換器 1 0 1 A、 交 流増幅器 1 0 I B , 1 0 2 B、 電流 ト ラ ンス 1 0 2 A及び整流回路 1 0 2 Cのいずれかに故障が生じたり、 スピーカ 1 0 1 Cのコイル やリード線に断線故障が生じた場合には、 直流の出力信号 sN は発 生しない。 従って、 この出力信号 S N の有無を、 例えば遠方の集中 監視室等に設置するモニタ 5で監視する構成とすれば、 各警報装置
1 0 0 の故障監視を 1箇所で集中監視できる。
また、 図 1 5に示すよ うに、 電流 ト ラ ンス 1 0 2 Aに代えてマイ クロホンを用いた監視回路 1 0 2 ' と してもよい。 即ち、 ス ピーカ
1 0 1 Cの近傍にマイクロホン 1 0 2 Dを設け、 ス ピーカ 1 0 1 C から発生する可聴周波数及び非可聴周波数の警報音をマイクロホン
1 0 2 Dで受信し、 電気信号に変換して交流増幅器 1 0 2 Bに送信 する。 この場合も、 警報音発生回路 1 0 1や監視回路 1 0 2 ' が正 常であれば、 マイクロホン 1 0 2 Dの受信出力で監視回路 1 0 2 ' から出力信号 S N が発生し、 警報装置 1 0 0に故障が発生した場合 は出力信号 S N が発生せず、 警報装置 1 0 0 の異常を知ることがで きる。
また、 図 1 6のよ う に、 ス ピーカ 1 0 1 Cに代えて圧電素子を利 用した圧電ブザー 1 0 1 Dを用いた警報音発生回路 1 0 1 ' と して もよい。 即ち、 圧電ブザ一 1 0 1 Dの振動体 1 0 1 Eに、 リー ド線 1 0 1 Fを介して交流増幅器 1 0 1 Bの出力信号を供給して励振す る。 振動体 1 0 1 Eには、 前記リー ド線 1 0 1 F とは別に、 振動体 1 0 1 Eの振動に基づく 電気信号を交流増幅器 1 0 2 Bに送信する ためのリー ド線 1 0 2 Eを接続する。 これは、 圧電ブザー 1 0 1 D の振動体 1 0 1 Eを駆動する電流は通常小さな電流であり 、 図 1 4 のよ う に電流 ト ランス 1 0 2 Aを用いてリー ド線 1 0 1 Fに流れる 電流を検出することが難しいため、 リー ド線 1 0 2 Eで振動体 1 0 1 Eの振動信号を抽出するよ う にする。
かかる構成では、 交流増幅器 1 0 1 Bの出力信号で振動体 1 0 1 Eが励振される と、 リー ド線 1 0 2 Eを介して交流増幅器 1 0 2 B に電気信号が入力し、 監視回路 1 0 2〃 から警報装置 1 0 0が正常 であるこ とを示す出力信号 S N が発生する。
次に、 図 1 2の非常停止スィ ッチ回路の動作を説明する。
発振器 4 1 の交流信号が、 増幅器 9 1 で増幅され、 ト ラ ンス T 1 を介して初段の非常停止スィ ツチ 2 0 - 1 の 1 次卷線に印加する。 全ての非常停止スィ ッチ 2 0 — :! 〜 2 0 — 5が正常で、 且つ、 O N 状態の時は、 発振器 4 1 で発生した交流信号は、 直列接続の非常停 止スィ ツチ 2 0 — :! 〜 2 0 — 5 を介して トランス T 2に伝送される, このため、 全ての発光素子 Ρ , P i 2 ( i = l 〜 6 ) が点灯し (実 際には、 交流信号の半周期毎に、 P M ( i == 1 〜 6 ) のグループと P i 2 ( i 1 〜 6 ) のグループが交互に点灯する) 、 全ての非常停 止スィ ツチ 2 0 - 1 〜 2 0 - 5が正常であるこ とを示す。
一方、 例えば、 非常停止スィ ッチ 2 0 — 3の 2次卷線側或いは、
非常停止スィ ツチ 2 0 — 4 の 1 次巻線側に断線故障が発生する と、 発光素子 P 41, P 42 , P 51, P 52、 P ei, P 62が全て消灯する。 従 つて、 この場合、 非常停止スィ ッチ 2 0 — 3 と 2 0 — 4のどちら力、 に故障が発生したことが分かる。 また、 全ての発光素子 P M, P I 2 ( i = 1 〜 6 ) が消灯した場合には、 発振器 4 1 、 増幅器 9 1 、 ト ラ ンス T l 、 或いは非常停止スィ ッチ 2 0 _ 1 の 1 次巻線側のいず れかに故障が発生したこ とが分かる。 また、 発光素子 Ρ 6 i, P β 2の みが消灯した場合は、 非常停止スィ ツチ 2 0 — 5 の 2次卷線或いは トラ ンス Τ 2の 1 次巻線のいずれかに故障が発生したことが分かる。
そして、 非常停止スィ ッチ 2 0 — 1 〜 2 0 _ 5のいずれかが、 操 作されるか又は故障が発生した時は、 整流回路 5 1 の出力信号が低 レベルになる。 これによ り 、 警報装置 1 0 0から可聴周波数域の警 報音が発生して緊急事態の発生或いは非常停止スィ ッチ回路の故障 が通報される と共に、 運転制御回路 6の機械の運転出力が消滅して 機械が自動的に停止される。
かかる構成によれば、 非常停止スィ ッチ 2 0 — :! 〜 2 0 — 5 に故 障が発生したこ とが、 発光素子 P i i, P i 2 ( i = 1 〜 6 ) の消灯で 直ちに分かる。 従って、 各作業場所に発光素子 Ρ ^, Ρ i 2 ( i = 1 〜 6 ) を設置するこ とで、 非常停止スィ ッチが動作しないことによ る作業者の危険を未然に防止できる。 また、 本実施形態の場合、 警 報装置 1 0 0からも可聴周波数域の警報音が発生して故障の発生を 通報するので、 作業者への故障通報をよ り一層確実に行える。 更に は、 発光素子 P i i, P i 2 ( i = 1 〜 6 ) が点灯している時を信号伝 送が正常に行われている安全状態を示し、 発光素子 P , P i 2 ( i = 1 〜 6 ) が消灯している時を信号伝送系に故障が存在する危険状 態を示す構成である。 従って、 例えば、 発光素子 Ρ ^, P i 2 ( i =
1〜 6 ) 自体が断線故障して消灯した場合は危険状態を示すこ とになる ので、 フェールセーフな構成となっている。 また、 発光素子 Ρ , P i 2 ( i = l 〜 6 ) を図 1 3 のよ う に使用しないで、 図 1 2の点線 で囲って示すよ う にフォ トカプラ Q 1〜Q 6 と して使用し、 その受 光素子側の出力を、 機械運転を管理する中央側との通信用に使用で きることは自明である。
図 1 7に、 図 1 0の ドアスィ ツチ方式の非常停止スィ ツチ回路に 適用した場合の実施形態を示す。 尚、 図 1 0の実施形態と同一要素 には同一符号を付して説明を省略する。
図 1 7 において、 それぞれ運転機械 (図示せず) を収納して固定 状態にある隣接する各安全柵 7 1 A〜 7 1 Cに、 図 1 0 と同一構成 の非常停止スィ ツチ 6 0— :!〜 6 0 — 3 を設けて直列接続する。 図 中、 7 2 A〜 7 2 Cは、 第 2のコア部材を設けた ドアを示す。
本実施形態では、 各非常停止スィ ツチ 6 0 — 1〜 6 0 — 3 の第 1 のコア部材の各 2次卷線側に、 図 1 2 と同様に発光素子 P i i, P 12, P 2 1 , P 2 2 , P 31, P 32を接続し、 図 1 3 と同様の各ケース 9 2 A 〜 9 2 Cに収納し、 例えば図のよ うに安全柵 7 1 A〜 7 1 Cの上面 に固定する。 そして、 初段の非常停止スィ ッチ 6 0 — 1 の 1 次卷線 側には、 図示しないが、 図 1 と同様に ト ラ ンス T 1 が接続されて発 振器 4 1 の交流信号が増幅器 9 1 及び ト ラ ンス T 1 を介して印加さ れる。 また、 最終段の非常停止スィ ッチ 6 0 — 3の 2次巻線の出力 信号は、 図 1 2 と同様に ト ラ ンス T 2及び整流回路 5 1 を介して運 転制御回路 6 と例えば図 1 4 に示す警報装置 1 0 0 に入力する。
かかる構成において、 非常停止スィ ツチ 6 0 — 1〜 6 0 — 3 のい ずれかが操作されたり故障したりする と、 発光素子 P , P i 2 ( i = 1 〜 3 ) の う ち故障した作業場所の発光素子が消灯して故障を通
報する。 この場合、 図 1 2の実施形態と同様に警報装置 1 0からも 可聴周波数域の警報音が発生して故障の発生を通報する。 また、 発 光素子 Ρ ί ΐ 5 P i 2 ( i = l〜 3 ) 自体の故障に対しても図 1 2の実 施形態と同様にフェールセーフな構成である。
図 1 8 に、 ロープスィ ッチを使用した図 1 1 の非常停止スィ ッチ 回路に適用した例を示す。 尚、 図 1 1 の実施形態と同一要素には同 一符号を付して説明を省略する。
図 1 8 において、 8 0 — :! 〜 8 0 — 3 は、 ロープを利用した図 1 1 と同一構造の非常停止スィ ッチである。 そして、 トランス T 1 と 初段の非常停止スィ ツチ 8 0 - 1 の 1 次卷線側との間、 互いに隣り 合う非常停止スィ ッチ 8 0 — 1 と 8 0 — 2、 8 0 — 2 と 8 0 — 3の 間、 更に、 最終段の非常停止スィ ッチ 8 0 _ 3の出力側である 2次 巻線と ト ラ ンス T 2 との間に、 それぞれ順方向が互いに反対になる よ う互いに並列の一対の発光素子 P u, P 12、 P 2 1 , P 2 2 , P 3 1 , P 3 2 , P 4 ! , P 42を直列接続する。 これら発光素子 P i i, Ρ i 2 ( ΐ
= 1〜 4 ) は、 図 1 3 と同様のケース 9 2に設けて、 各作業場所に 設置する。
かかる構成の非常停止スィ ッチ回路は、 作業者が侵入した時に危 険である危険領域と、 作業者が存在しても安全である安全領域との 境界に、 ロープを張り めぐらす。 作業者が危険領域に侵入する時に ロープに引つかかってロープが引っ張られる と、 非常停止スィ ッチ が動作して整流回路 5 1 の出力信号 Kが停止して運転制御回路 6の 運転出力が停止して機械が非常停止する と共に、 警報装置 1 0 0の 警報音によって危険を通報する。
この非常停止スィ ツチ回路においても、 いずれかの非常停止スィ ツチ 8 0 — :!〜 8 0 — 3 が故障したり操作される と、 発光素子
P i 2 ( i 二 :! 〜 4 ) のう ち故障場所の発光素子が消灯して故障を通 報する。 しかも、 その作業現場で直ちに故障が判明する。 また、 警 報装置 1 0 0から可聴周波数域の警報音が発生して故障の発生を通 報するので、 作業者への故障通報をよ り一層確実に行える。
尚、 各実施形態では、 2つ発光素子 Ρ ^, P i 2を互いに順方向が 逆となるよ う に並列接続して各スィ ツチ間に直列接続するよ う にし たが、 図 1 9 に示すよ う に、 発光素子 P i l 5 P i 2の順方向が同一方 向となるよ う並列接続し、 4 つのダイオー ド 〜D 4 で構成した 整流回路 1 1 0 を介して非常停止スィ ッチ回路に接続するよ う にし てもよい。 各非常停止スィ ツチの巻線に流れる交流信号が整流回路 1 1 0で整流され、 発光素子 P i l 5 P i 2には直流電流が供給される < このよ うに整流回路を設けた場合、 常時発光素子を点灯させること ができるので、 発光素子は 1 つでよ く 、 発光素子を 2つ設ける必要 はない。
以上のよ う に本発明によれば、 非常停止スィ ツチを無接点化する こ とができ、 従来の電気接点を用いたスィ ッチのよ う な接点溶着故 障の心配がなく 、 スィ ッチの信頼性を高めることができ、 以て作業 者の安全を確保できる。 また、 運転制御系と離れた作業場所に非常 停止スィ ツチ回路を設備する場合でも、 運転制御系と非常停止スィ ツチ回路とを接続するための配線数が従来に比べて格段に少なく で き、 設備費等の低減を図るこ とができる。 更に、 非常停止スィ ッチ 回路の各スィ ッチ間に、 コンデンサや抵抗を介在させて、 最終出力 の容量やレベルを監視するこ とで、 非常停止スィ ツチ回路の故障を 遠隔で集中監視でき、 非常停止スィ ツチ回路の信頼性が向上できる と共に、 スィ ツチ回路故障時の作業者の安全を確保できる。
更に、 非常停止スィ ツチ回路の各スィ ツチ間に発光素子を介在さ
せ、 各作業場所で発光素子が点灯しているか否かを監視すれば、 ス ィ ツチが故障したかが作業場所において一目で直ちに知ることがで きる。 また、 同時に警報装置を設ければ、 警報音によっても故障の 発生を通報できるので、 視覚だけでなく聴覚によっても故障の発生 を知ることができる。 従って、 故障の発生をよ り確実に知らせるこ とができる。 また、 本実施形態の警報装置では、 警報装置自体の故 障も通報できるので、 より安全性を向上できる。
尚、 非常停止スィ ッチ回路において、 直列接続する非常停止スィ ツチの個数は、 本発明で説明した各実施形態のものに限るものでは ないことは言うまでもない。
〔産業上の利用可能性〕
本発明は、 非常停止スィ ツチ及びこのスィ ツチを複数接続する非 常停止スィ ツチ回路の信頼性が格段に向上し、 工場等で機械と協働 して作業する作業者の安全を確保でき、 産業上の利用可能性が大で ある。