曰 f 蛍光性酵素基質、 及び酵素活性測定方法 . 技術分野
本発明は、 新規な蛍光性酵素基質、 及びその酵素基質を用いた酵素活性測定方法 に関する。 背景技術
特定の酵素活性を蛍光測定することにより高感度で測定するための手法が知ら れている。 そのうちの 1つとして、 4ーメチルゥンベリフエロン誘導体を基質に した方法が知られている (下式) 。 この方法においては、 該基質の酵素反応生成 物 (4ーメチルゥンベリフエロン) は、 フヱノール誘導体であり、 従って酵素反 応の活性が、 該反応溶液中で増加するフヱノレ一トイオン誘導体により阻害され、 十分な反応時間内で安定に酵素活性を測定する事が困難となる可能性がある。
また、 USP5316906および USP5443986には、 特定の置換基を有する酵素反応基質 であって、 酵素反応により遊離される該置換基が強い蛍光性を発する基質および
その基質を用いた酵素活性測定方法を開示している。 この場合においては、 酵素 反応前にも該基質は弱い蛍光を有し、 さらに、 酵素反応後は該置換基が沈殿を生 じるものである (下式) 。
発明の開示
本発明者は、 新規な酵素基質、 および酵素活性測定方法の開発を目的に鋭意研究 し、 新規な蛍光性酵素基質であって、 (1 )酵素反応前は蛍光性を示さず、 反応後 はその反応生成物が強い蛍光を示す、 (2)酵素反応生成物がフヱノール性誘導体 でなく化学的に不活性な構造 (芳香族化合物) を有する酵素基質を見出し、 さら に該酵素基質を使用した酵素活性測定方法を確立することに成功し、 本発明の完 成にいたった。 下式にその概念を示す。
すなわち、 本発明に係る新規酵素基質は、 酵素反応後は、 強い蛍光を示すクマ リン骨格を有する生成物 (クマリン誘導体) を与えるものであり、 従ってフエノ —ル性水酸基等の官能基を有しないものであり、 生物化学的に不活性であり、 ま た広い範囲の p Hの水溶液にも影響されにくいものである。
さらに、 本発明に係る酵素活性測定方法は、 上記基質を用いて蛍光測定による 高感度の酵素活性を測定するものである。
すなわち、 本発明は、 一般的に、 次の式で表される酵素基質を提供するもので ある。
(BLOCK- O - )-X cu
ここで、 BLOCK (又は BLOCK基) とは、 リン酸基又は硫酸基、 又はそれらと生物学 的に交換可能な塩から 1つの水酸基を除くことにより誘導される 1価のプロツキ ンググループ;脂肪族、 芳香族、 又はアミノ酸のカルボキシル基、 又はペプチド のカルボキシル基から水酸基を除いて誘導される 1価のプロッキンググループ; 又は、 モノ又はポリサッカライ ドから任意の 1つの水酸基を除くことにより誘導 される 1価のブロッキンググループからなる群から選ばれるいずれか 1つのブロ ッキンググループであり、 かつ前記 BLOCKは、 特定の酵素作用により前記基質か ら切断されて生成物、 H 0— X C uを与え、 さらに、 前記生成物 H O— X C uが、 分 子内でラク トン環を形成しクマリン誘導体を与えるものである。
クマリン誘導体
ここで、 XCuは次の式で表される構造を有するものであり、 かつ XCuが炭素 C において酸素〇に共有結合するものであり、
o=c9-c
OL
(Lは、 H、 NH4、 炭素数 1〜4のアルキル基、 炭素数 1〜 4のテトラアルキ ルアンモニゥム、 又はアルカリ金属又はアルカリ土類金属を表す。 )
かつ、 前記クマリン誘導体は次の式で表される構造を有するものである。
8C
さらに本発明は、 上記の酵素基質であって、 炭素 C3—炭素 C 4結合が 5又は 6 員環芳香族環を形成し、 C5、 C C7に Hが結合し、 C8に H又は CH3基が結
合した基質を提供するものである。
また、 本発明は、 上記記載の酵素基質であって、 前記 XCuが以下の式で表され る構造を有する基質を提供するものである。
〇L
また、 本発明は、 上記記載の酵素基質であって、 C5に炭素数 1〜3のジアル キルアミノ基が結合し、 C3、 C\ C C 7に水素が結合し、 〇8に11又は( 113 基が結合した基質を提供するものである。
さらに、 上記記載の酵素基質であって、 前記 XCuが以下の式で表される構造を 有する基質を提供するものである。
〇二
さらに、 本発明は、 上記記載の酵素基質であって、 C
3、 〇
5に炭素数1〜3の アルキルォキシ基が結合し、 C
4、 C C
7に Hが結合し、 C
8に H又は CH
3基 が結合した基質を提供するものである。
また、 上記記載の酵素基質であって、 前記 XCuが以下の式で表される構造を有 する基質を提供するものである。
さらに、 上記基質であって、 前記 BLOCKが、 リン酸基 (P03— 2) である基質、 D—ガラクトビラノシド、 又はァセチル基 (CH3CO) である基質を提供する ものである。
さらに、 本発明は、 酵素活性を測定する方法であって、 次の (A) 及び (B) の 2つの工程を含むものである。
(A) 検出されるべき酵素を含む試料を、 次の式で表される酵素基質と処理する 工程。
(BLOCK-O-)-Xcu
ここで、 BLOCKとは、 リン酸基又は硫酸基、 又はそれらと生物学的に交換可能 な塩から 1つの水酸基を除くことにより誘導される 1価のブロッキンググループ ;脂肪族、 芳香族、 又はアミノ酸のカルボキシル基、 又はペプチドのカルボキシ
ル基から水酸基を除いて誘導される 1価のプロッキンググループ;又は、 モノ又 はポリサッカライ ドから任意の 1つの水酸基を除くことにより誘導される 1価の ブロッキンググループからなる群より選ばれるいずれか 1つのブロッキンググル —プの 1つであり、
かつ前記 BLOCKは、 特定の酵素作用により前記基質から切断されて生成物、 H 〇一 XCuを与え、 さらに、 前記生成物が、 分子内でラクトン環を形成しクマリン 誘導体を与えるものである。
ここで、 XCuは次の式で表される構造を有するものであり、 炭素 C7—炭素 C2 結合と炭素 C 8—炭素 C 9結合が炭素 C 7 = C 82重結合に対してシス配置を有し、 かつ XCuが炭素 C1において酸素 0に共有結合するものであり、
〇
c=c7
(Lは、 H、 NH4、 炭素数 1~4のアルキル基、 炭素数 1〜 4のテト ラアルキルアンモニゥム、 又はアルカリ金属又はアルカリ土類金属を表す。 ) かつ、 前記クマリン誘導体は次の式で表される構造を有するものである。
6C: :c、
I
〇 C
I
〇二 ■c3
8C c7
(B) 前記クマリン誘導体を検出する工程。 また、 本発明は、 酵素活性を測定する方法であって、 次の (A) および (B) の 2つの工程を有するものである。
(A) 検出されるべき酵素を含む試料を、 次の式で表される酵素基質と、 光照射 条件下で処理する工程。
(BLOCK-O-)-Xcu
ここで、 BLOCKとは、 リン酸基又は硫酸基、 又はそれらと生物学的に交 換可能な塩から 1つの水酸基を除くことにより誘導される 1価のブロッキンググ ループ;脂肪族、 芳香族、 又はアミノ酸のカルボキシル基、 又はペプチドのカル ボキシル基から水酸基を除いて誘導される 1価のブロッキンググループ;又は、 モノ又はポリサッカライ ドから任意の 1つの水酸基を除くことにより誘導される 1価のブロヅキンググループからなる群から選ばれるいずれか 1つのブロッキン ググループであり、
かつ前記 BLOCKは、 特定の酵素作用により前記基質から切断されて生成 物、 HO— XCuを与え、 さらに、 前記生成物が、 分子内でラクトン環を形成しク マリン誘導体を与えるものである。
ここで、 XCuは次の式で表される構造を有するものであり、 炭素 C7—炭素 C2 結合と炭素 C 8—炭素 C 9結合が炭素 C 7 = C 82重結合に対してトランス配置を一 部に有し、 かつ XCuが炭素 C 1において酸素 0に共有結合するものであり、
■
8C二 C7
/
し〇一 C9
〇
(Lは、 H、 NH4、 炭素数 1〜4のアルキル基、 炭素数 1〜 4のテト ラアルキルアンモニゥム、 又はアルカリ金属又はアルカリ土類金属を表す。 ) かつ、 前記クマリン誘導体は次の式で表される構造を有するものである,
さらに、 上記記載の方法であって、 前記 XCuが、 炭素 C 3—炭素 C 4結合が 5 又は 6員環芳香族環を形成し、 C5、 C6、 C7に Hが結合し、 C8に H又は CH3 基が結合した基質であることを特徴とする方法を提供するものである。
また、 上記記載の方法であって、 前記 XCuが以下の式で表される構造を有する 基質であることを特徴とする方法を提供するものである。
〇L
さらに、 本発明は、 上記記載の方法であって、 前記 XCuが、
C5に炭素数 1〜3のジアルキルアミノ基が結合し、 C3、 C\ C C7に水素 が結合し、 C 8に H又は CH3基が結合した基質であることを特徴とする方法を提 供するものである。
また、 上記記載の方法であって、 前記 X が以下の式で表される構造を有する 基質であることを特徴とする方法を提供 るものである。
〇: : c9へ 、
〇L
さらに、 本発明は、 上記記載の方法であって、 前記 XCuが、
C3、 C5に炭素数 1〜 3のアルキルォキシ基が結合し、 C4、 C C7に Hが結 合し、 C8に H又は CH 3基が結合した基質であることを特徴とする方法を提供す るものである。
また、 上記記載の方法であって、 前記 XCuが以下の式で表される構造を有する 基質であることを特徴とする方法を提供するものである。
〇
さらに、 本発明は、 上記記載の方法であって、 前記クマリン誘導体を検出する 工程が、 前記クマリン誘導体の蛍光を検出することを特徴とする方法を提供する ものである。
また、 上記記載の方法であって、 前記 BLOCKがリン酸基 (Ρ 03 2_) であること を特徴とするアルカリフォスファタ一ゼ活性測定方法、 前記 BLOCKがリン酸基 (P 〇3— ) であることを特徴とする酸性フォスファタ一ゼ活性測定方法、 前記 BLOCK が D—ガラクトビラノシドであることを特徴とする/?一ガラクトシダ一ゼ活性測 定方法、 及び前記 BLOCKがァセチル基 (CH3CO) であることを特徴とするエス テラ一ゼ活性測定方法を提供するものである。 図面の簡単な説明
図 1は、 本発明に係る基質であるトリナトリウム =2- [1- (2-カルボキシラトェ
テニル)] ナフチルホスフアイ トのシス異性体及びトランス異性体の光平衡を示 す図である。
図 2は、 本発明に係る基質である 3- ( 2- ? -D-ガラクトビラノシロキシ-卜ナフチ ル)- 2-プロペン酸のシス異性体及びトランス異性体の光平衡を示す図である。 図 3は、 本発明に係る基質であるトリナトリウム =2- [1- (2-カルボキシラトェテ 二ル)] ナフチルホスフアイ トを用いたアルカリホスファターゼ活性測定を示す 図である。
図 4は、 本発明に係る基質であるトリナトリウム =(E )2- [1- (2-カルボキシラト ェテニル)] ナフチルホスフアイ トを用いたアルカリホスファタ一ゼ活性測定を 示す図である。
図 5は、 本発明に係る基質であるトリナトリゥム = 2- [1-(2-カルボキシラ卜ェ テニル)] ナフチルホスフアイ トを用いた酸性ホスファタ一ゼ活性測定を示す図 である。
図 6は、 本発明に係る基質であるトリナトリゥム = 2- [1-(2-カルボキシラトェ テニル)] ナフチルホスフアイ トを用いた酸性ホスファタ一ゼ活性の絰時変化を 示す図である。
図 7は、 本発明に係る基質である 3- ( 2- ? - D-ガラクトビラノシ口キシ-卜ナフチ ル)- 2-プロペン酸ェチルエステルを用いたガラクトシダ一ゼ活性測定を示す図で める。
図 8は、 本発明に係る基質である(E)- 3- (2-ァセトキシ -4-ジェ ルァミノフエ二 ル) -2-プロペン酸ェチルエステルを用いたエステラーゼ活性測定を示す図であ る。
図 9は、 本発明に係る基質である 3-( 2-ァセトキシ- 4,6-ジメ トキシフエ二ル) - 2 - メチル -2-プロペン酸ェチルエステルを用いたエステラーゼ活性測定を示す図で ある。
図 1 0は、 本発明に係る基質である 3- ( 2-ァセトキシ -卜ナフチル) -2-プロペン
酸ェチルエステルを用いたエステラーゼ活性測定を示す図である。
図 1 1は、 本発明の概念を示す図である。 発明を実施するための最良の形態
(蛍光性酵素基質)
-本発明に係る蛍光性酵素基質 (又は単に酵素基質ともいう) は、 活性を測定さ れるべき特定の酵素反応に基づき解離する一方の基 (BLOCKとして表される) と、 該酵素反応に基づき解離する他方の基 (XCu) が酸素を介して共有結合された構 造を有するものである。 すなわち、 次の式で表される酵素基質である。
(BLOCK-O-)-Xcu 係る酵素基質は、 特定の酵素反応により、 BLOCK基が切断されて生成物として BLOCK— 0Hと、 HO— XCuを与える。
酵素反応
( BLOCK - 0 -) - Xcu BLOCK - 0H + H0 - Xcu
さらに、 本発明に係る酵素基質においては、 前記酵素反応の生成物 H0— XCu が、 さらに分子内でラクトン環を形成しクマリン誘導体を与える構造を有するも のである。 この際前記酵素反応で形成された水酸基 (0H) がそのラクトン環形 成に関与することにより水酸基が消失することとなる。
C二 C
C— C
/
— C
HO - Xcu クマリン誘導体
また、 係るラクトン環形成によりクマリン骨格を有する誘導体 (クマリン誘導 体) を形成する構造を有するものである。 ここで得られるクマリン誘導体は溶液 中で強い蛍光性を示すものである。
従って、 本発明に係る酵素基質を用いて特定の酵素反応が進行すると、 該酵素 反応の進行に従って上記クマリン誘導体による蛍光を観測可能となる。
蛍光性クマリン誘導体 本発明において使用可能な基である BLOCKの種類は、 従って、 酵素活性を測定 される酵素に特異的な基質でありかつ、 該酵素反応により、 BLOCK— 0 Hと H〇 — X C uに切断されるものであれば特に制限はない。 具体的には、 下式に示すよう
に、 リン酸基又は硫酸基、 又はそれらと生物学的に交換可能な塩から 1つの水酸 基を除くことにより誘導される 1価のブロッキンググループが挙げられ、 また、 脂肪族、 芳香族、 又はアミノ酸のカルボキシル基、 又はペプチドのカルボキシル 基から水酸基を除いて誘導される 1価のブロッキンググループが挙げられ、 さら には、 モノ又はポリサッカライ ド (具体的には D—ガラクトビラノシド) から任 意の 1つの水酸基を除くことにより誘導される 1価のプロッキンググループから なる群より選ばれるいずれか 1つのプロッキンググループが挙げられる。 係るブ ロヅキンググループ (又は BLOCK)は、 それぞれフォスファタ一ゼ、 エステラーゼ、 ガラクトシダ一ゼ等の酵素反応の酵素活性を測定するために好ましく使用され得 るものである。
HO— 基) o —
II II
HO— S—— (アルキル基) O— S
II II
O O
O o 0
C C C—
/ R
(アルキル基) (ァリール基)
NH
(ぺプチド) /
16
差替え用紙 (規貝 IJ26)
また、 本発明において使用可能な基である XCuは、 上記説明したように、 酵素 反応により生成する HO— XCuが分子内でラクトン環を形成しクマリン誘導体を 与えるものであれば特に制限はないが、 化学構造として以下の部分構造を有する ものが好ましい。 ここで、 XCuにおいて炭素 C1において酸素 0に共有結合し、 さらに該酸素が BLOCKと共有結合するものである。
〇
分子内ラク トン化反応は、 炭素 c
1に結合する酸素と、 カルボニル炭素 C
9との 反応により HOL (リービンググループ) が溶液中に放出されることにより進行 する。
HO - Xcu クマリン誘導体
従って、 上記ベンゼン環の炭素 C 1に対しオルト位置である炭素 C 2に、 C 7 =
C 8— C 9 = 0なる構造を有する基が置換されていることが必要である。 ここで、 炭素 C 7と C 8間の 2重結合に対し C 9カルボニルとベンゼン環がシス又はトラン スの立体異性体の両方が可能であるが、 分子内ラクトン化によりクマリン誘導体 を形成可能であるのはシス異性体である。 従って、 トランス異性体についてはこ のままでは分子内ラクトン化が進行せず、 従ってクマリン誘導体を形成できず蛍 光を検出することができない。 係る場合、 適当な光照射により トランス異性体は シス異性体に光異性化させることが可能であり、 酵素反応時又は酵素反応終了時 に光照射することで効率良く分子内ラクトン環形成が進行し、 クマリン誘導体が 生成することとなる。
〇
卜ランス異性体 シス異性体
〇L さらに、 炭素 C 1に対し他のオルト位置である炭素 C 6に H以外の置換基がある 場合にはその立体障害によ!)酵素反応が進行しない場合があり、 係る場合は c 6 は無置換であるものが好ましい。 また、 炭素 C 3、 C C 5への H以外の置換基 についても特に制限はなく酵素反応によりクマリン誘導体が効率的に形成するも のであればよい。 本発明においては C 6、 C 7に Hが結合し、 C 8に H又は C H 3基 が結合したものが好ましい。
本発明において Lの化学構造については特に制限はないが、 好ましくは、 H、 N H 4、 炭素数 1〜4のアルキル基 (特に好ましくはメチル基) 、 炭素数 1〜4
のテトラアルキルアンモニゥム (特に好ましくはテトラメチルアンモニゥム) 、 又はアルカリ金属 (特に好ましくは、 N a、 K ) 又はアルカリ土類金属 (特に好 ましくは、 C a ) が好ましく使用可能である。 本発明においてさらに、 XCu基は、 上記化学構造を有しさらに炭素 C 3—炭素 C 4結合が 5又は 6員環芳香族環を形成するものも含まれる。
この場合、 得られるクマリン誘導体の励起波長、 蛍光波長、 蛍光強度の強さ等に ついて最適の構造を選択することが可能である。 一方あまりに多くの芳香璟を置 換した場合には、 酵素基質及び得られるクマリン誘導体の溶解性が十分でなく沈 殿する可能性があり、 酵素反応活性を定量的、 又は実時間的にモニターする際に 不適当となる。 特に好ましくは 1つの 6員環であるナフ夕レン骨格を有するもの である。 本発明においてさらに、 X
Cu基は、 上記化学構造を有しさらに、 炭素 C
5にァ ルキルアミノ基が置換したものが含まれる。
ここで、 アルキルアミノ基 (N R, R ' , ) の R, 、 ' , としては炭素数 1〜 3のアルキル基が好ましく、 特に R, および R ' ' がともにェチル基であるもの が好ましい。 係るアルキルアミノ基の置換基の導入は、 得られるクマリン誘導体 の蛍光検出のための励起波長、 蛍光波長、 蛍光強度等の最適化の目的で選択可能 である。 本発明においてさらに、 X C u基は、 上記化学構造を有しさらに、 炭素 C 3、 C 5 に炭素数 1〜3のアルキルォキシ基が結合したものが含まれる。 係るアルキルォ キシ基の置換基の導入は、 得られるクマリン誘導体の蛍光検出のための励起波長、 蛍光波長、 蛍光強度等の最適化の目的で選択可能である。 本発明において特にメ トキシ基が好ましく使用可能である。
20
(合成方法)
本発明に係る発蛍光性酵素基質の合成方法については特に限定されない。 通常 公知の有機合成法が使用可能である。 本発明においては特に、 下式に 1例として 示されているが WiUig反応に基づく経路が好ましい。 出発原料として、 サリチル アルデヒド誘導体(I)の 1-位のホルミル基に対し Wittig反応により 2重結合基を 導入する方法である。 Wittig反応の条件は特に制限はないが、 通常公知の条件 (G. Wittig, U.Schoellkopt, Org. Synth. , Coll. Vol., V, 751(1973)) を好まし く使用可能である。
21
(I)
22
差替え用紙 (規則 26)
反応生成物は、 2重結合についてトランス体及びシス体の混合物であるが、 シ ス体は直ちに分子内閉環反応してクマリン誘導体を生じる。 従ってトランス体の み単離するには、 公知の分離方法が使用可能であるが、 カラムクロマトグラフ法 (例えば、 カラム担体としてアミノプロピル化シリカゲル、 溶媒としてへキサン /酢酸ェチルまたはクロ口ホルム/メタノール系) 等でトランス体を 9 5 %以上 の純度で単離可能である。 さらに、 必要ならば、 再-結晶法等で純度 9 9 . 5 %以 上に精製することも可能である。 トランス体の構造確認は、 通常の手段、 吸収ス ぺク トル法、 赤外吸収スぺクトル法 ( I R ) 、 核磁気共鳴吸収スぺクトル法 (N MR ) 、 質量分析法 (M S ) 等を組合せて可能である。 具体的には、 ナフ夕レン 骨格の存在は、 特有吸収スぺクトルバンド ( 「Handbook of FLUORESCENCE SPECT RA of AROMATIC MOLECULES, 2nd Ed. p330, Academic Press(1971)j 参照) の有無 で確認可能である。 2重結合生成は、 シンナメートグループ特有の I Rスぺクト ル (例えば 1 6 1 0、 1 6 8 0 c m一1付近) 、 NMRスぺクトル (例えば 2重結 合性の炭素、 カルボニル炭素等) により確認可能である。 さらに、 M Sにより、 親ピークの存在、 または特徴的フラグメントピークの確認により行うことも可能 である。
クマリン誘導体の構造確認についても上記の一般的構造確認手法が使用できる が、 クマリン骨格に特有の強い蛍光の存在 (本発明に係るナフチル骨格のもので は 4 2 0 nm付近) も確認手段となる。 クマリン誘導体は、 カラムクロマトグラ フにて分離した後、 さらにエタノール (またはへキ ン /酢酸ェチル) から再結 晶することにより、 純度 9 9 . 5 %以上の精製品とすることができる。 クマリン 誘導体は、 本発明に係る基質による酵素活性測定の際の標準物質として、 蛍光強 度のキヤリブレーシヨン用に使用可能である。
得られたトランス体のフヱノール性 0 H基に必要な置換基を導入することは容 易であり、 リン酸基ならば、 例えば 「W.Morozowich, et.al. , Journal of Pharm aceutical Sciences, 58, 1485-1489( 1969)」 に記載の方法により、 また D—力、
ラクトビラノシロキシ基ならば、 例えば 「Manabu Nakazono , Hitoshi Nohta , Kazumi Sasamoto and Yosuke Ohkura, Analytical Sciences, 8, 779-783 ( 1992) 」 に記載の方法により、 又はァセチル基ならば、 例えば 「0rganic Synthesis, C oll . Vol . , 111 , 452( 1955)」 に記載の方法が好ましく使用可能である。 さらに、 硫酸基ならば、 例えば 「J. Feigenbaum, C.A. Neuberg, J.Am. Chem. Soc. ,63, 3529 ( 1941 )」 に記載の方法が好ましく使用可能である。
リン酸基導入についての 1つの具体例としてはォキシ塩化リンを反応させ、 さ らに通常の条件で加水分解することが好ましい。 反応生成物の構造確認は、 I R で〇H特性吸収が消失すること、 リン酸基の特有の吸収が現われることを確認す ることで可能である。 この際、 カルボン酸エステル基も同時に加水分解される。 得られる酸誘導体の構造確認も I Rでエステル基特性吸収が消失すること、 リ ン酸基の特有の吸収が現われることで確認可能である。 さらに、 適当なアルカリ 溶液で中和することにより、 塩の形で単離することも可能である。 基質溶液の調 製の容易さ、 保存安定性については、 トリナトリウム塩が好ましい。
D—ガラクトビラノシ口キシ基導入についての 1つの具体例としては、 フエノ ール性水酸基のプロトンを水素化ナトリウムの様な強塩基により処理した後, テ トラァセチル -ひ- D -ガラクトビラノシル -プロマイ ドと反応させ, 更に, 糖水酸 基の保護基であるァセチル基をナトリウムメ トキシド等の弱塩基にて脱保護させ る方法が使用可能である.
ァセチル基導入についての 1つの具体例としては、 導入するァシル基に相当す るカルボン酸の無水物を, ピリジン等の塩基共存下反応させる方法が使用可能で ある。
(酵素活性測定方法)
本発明に係る酵素活性測定方法は、 上記説明した本発明に係る特定の酵素反応 に特異的に反応する酵素基質を用いて測定する方法である。 すなわち、 検出され
るべき酵素を含む試料を、 次の式で表される酵素基質と処理する工程と、 前記ク マリン誘導体を検出する工程とを含む方法である。
(BLOCK-O-)-Xcu
蛍光性クマリン誘導体 上記酵素と酵素基質を処理することにより、 上記基質が酵 分解を受け、 BLOCK — OHと HO— XCuが生成する。 さらに、 生成した HO— XCuが分子内ラクトン 化を経てクマリン誘導体を形成し、 該クマリン誘導体は強い蛍光性であり係る蛍 光を検出することにより該酵素反応活性を測定することが可能となるものである。 すなわち、 本発明に係る酵素反応速度は、 上記分子内ラクトン化反応速度に比 較して十分に小さく、 反応溶液中に生成するクマリン誘導体に基づく蛍光強度を 測定することにより該酵素反応の反応速度、 すなわち、 酵素活性を測定すること が可能となる。
また、 本発明で測定可能な酵素の種類については特に制限はなく、 該酵素反応 により、 本発明に係る酵素基質を BLOCK— 0Hと HO— XCuに切断するものであ ればよい。 係る酵素反応を有する酵素は例えば多くの加水分解酵素が含まれる。 具体的には、 アルカリ又は酸フォスファタ一ゼ、 スルファターゼ、 ガラクトシダ —ゼ、 エステラーゼ等の酵素反応の酵素活性が、 それぞれの酵素に特異的に反応 する本発明に係る酵素基質を用いて測定することが可能である。
すなわち、 アルカリ又は酸フォスファタ一ゼについては、 BLOCK基がリン酸基 又はそのリン酸エステル基であるもの、 スルファタ一ゼについては、 BLOCK基が 硫酸基又はその硫酸エステル基であるもの、 ガラクトシダ一ゼについては、 BLOC K基がモノ又はポリサッカライ ドであるもの、 さらにエステラーゼについては、 B LOCKが脂肪族、 芳香族、 又はアミノ酸のカルボキシル基、 又はペプチドのカルボ キシル基である酵素基質を用いることが可能である。
27
差替え用紙 (規則 26)
さらに、 本発明で特定の酵素についての酵素反応活性を測定する場合に、 上記 説明した本発明に係る酵素基質のうち種々の異なる置換基を有するものを選択し て使用することにより、 種々の異なる酵素反応速度を有する酵素を測定すること が可能となる。 この際、 それぞれの置換基を有する酵素基質の K m値、 および以 下説明する本発明に係る酵素基質のシス/トランス異性体の K m値 (一般的に、 トランス異性体の方がシス異性体よりも低い K m値を有する) の差に基づいて選 択可能である。
j8 _D_ガラクトシダ一ゼ用基質
29
差替え用紙 (規則 26)
通常 K m値の性質から、 K m値が小さい酵素基質を選択する場合に、 目的の酵 素活性測定において基質量を少なくすることが可能となる。 酵素基質としての反 応性は通常の条件に準じ、 K m値を測定することが可能である。 シス異性体の酵素基質を用いた酵素反応活性の測定方法は、 酵素基質が酵素反 応により切断された後、 分子内ラクトン化を経てクマリン誘導体を形成するため 上記の光照射条件は不要となるが、 一方、 トランス異性体である酵素基質は酵素 反応により生成した H O— X Cuがそのままでは分子内でラクトン化が起こらず、 従ってクマリン誘導体による蛍光測定ができないこととなる。 この場合は、 酵素 反応系を光照射する条件が必要となる。 本発明において、 「光照射下で処理する」 とは、 係る光照射条件を意味する。 すなわち、 トランス異性体は、 光照射条件下 でトランス/シス異性体の光平衡が生じるためシス異性体へ変化し、 該シス異性 体は分子内ラクトン化することにより該光平衡はトランス異性体からシス異性体 へと傾き結果としてすベてのトランス異性体はシス異性体となりラクトン化する こととなる。
〇:
すなわち、 トランス異性体の基質を用いた場合の 1つの実施態様として、 まず 酵素反応を光照射のない条件下で行い、 適当な時間後に酵素反応を停止し、 得ら
れた反応溶液を光照射することにより溶液中に存在するトランス異性体の H 0— X ^をシス異性体化し、 分子内ラクトン化反応によりクマリン誘導体を生成させ、 その蛍光を測定することが可能である。 この場合光照射前の酵素溶液中には H O 一 X Cuが存在し、 フエノール性 O Hを有する酵素反応生成物が存在することとな る。 また、 トランス異性体の基質を用いた場合の他の実施態様として、 酵素反応 を光照射の条件下で行い、 得られた反応溶液中のクマリン誘導体の蛍光を測定す る方法である。 係る光照射条件は、 通常の光照射装置を用いることも可能である が、 光異性化反応が容易におこるため通常の酵素反応条件下では、 前記光照射の ための特定の光照射装置は必要ではなく、 室内灯 (蛍光灯を含む) による光照射 条件でも十分である。 特定の光を照射する装置としては、 具体的には、 1 5 W水 銀放電管 ( 3 6 5 n m) を用いて、 1分間程度照射することで、 定量的にシス体 へ異性化させることが可能である。
酵素反応
BLOCK - O - Xcu ~► HO - Xcu
トランス異性体 異性体
光
BLOCK - O - Xcu HO - Xtcu クマリン誘導体
1
シス異性 ί本 シス異性本 (検出) 光照射下での酵素反応
酵素反応 光照射
BLOCK - 0 - Xcu ~~► HO - Xcu クマリン誘導 1 トランス異性体 トランス異性体 (検出) 非光照射下での酵素反応
上で説明したように、 本発明に係る方法により、 比較的遅い酵素反応をクマリ ン誘導体生成を蛍光測定により測定することが可能となり、 酵素反応の初速度測 定が可能となる。 上記シス異性体の酵素基質又は、 光照射条件下でトランス異性 体の基質を用いると、 該酵素反応を停止することなく リアルタイムで酵素反応を モニターすることが可能となる。 さらに、 この場合、 反応溶液中には、 フエノー ル性生成物が存在しないため、 通常のフヱノール性生成物の蓄積による酵素反応 の阻害作用も抑制することが可能となる。 この効果は、 酵素反応を初期の段階か ら、 十分長い時間モニターすることを可能とするものである。
さらに通常公知の酵素活性の初速度方法による場合にも好ましく使用できる。 本発明に係る方法を用いて、 BLOCKがリン酸基 (P 0 3 2— ) 又は、 リン酸エステ ルである本発明に係る酵素基質を用いることによりアル力リフォスファタ一ゼの 活性、 又は酸性フォスファタ一ゼ活性を測定することが可能となる。 この場合、 本発明に係る方法は、 クマリン誘導体の蛍光検出により酵素活性を測定するため、 酵素反応溶液の p Hの影響は極めて小さく、 従って本発明に係る方法は再現性が よくしかも高感度のものとなる。 さらに、 蛍光測定によることから、 酵素反応生 成物である測定対象のクマリン誘導体濃度の必要量は極めて小さく、 生成したク マリン誘導体は沈殿せず溶液に十分溶解している。 このことからも本発明に係る 方法は再現性がよくしかも高感度のものとなる。 本発明に係る方法を用いて、 BLOCKが D—ガラクトビラノシドである本発明に 係る酵素基質を用いることにより ?ーガラクトシダ一ゼの活性を測定することが 可能となる。 この場合、 本発明に係る方法は、 クマリン誘導体の蛍光検出により 酵素活性を測定するため、 酵素反応溶液の p Hの影響は極めて小さく、 従って本 発明に係る方法は再現性がよくしかも高感度のものとなる。 さらに、 蛍光測定に よることから、 酵素反応生成物である測定対象のクマリン誘導体濃度の必要量は
極めて小さく、 生成したクマリン誘導体は沈殿せず溶液に十分溶解している。 こ のことからも本発明に係る方法は再現性がよくしかも高感度のものとなる。 本発明に係る方法を用いて、 BLOCKがァセチル基 (C H 3 C O ) である本発明に 係る酵素基質を用いることによりエステラーゼの活性を測定することが可能とな る。 この場合、 本発明に係る方法は、 クマリン誘導体の蛍光検出により酵素活性 を測定するため、 酵素反応溶液の p Hの影響は極めて小さく、 従って本発明に係 る方法は再現性がよくしかも高感度のものとなる。 さらに、 蛍光測定によること から、 酵素反応生成物である測定対象のクマリン誘導体濃度の必要量は極めて小 さく、 生成したクマリン誘導体は沈殿せず溶液に十分溶解している。 このことか らも本発明に係る方法は再現性がよくしかも高感度のものとなる。 本発明に係る方法を用いて、 BLOCKが硫酸基、 又は硫酸エステル基である本発明 に係る酵素基質を用いることによりスルファターゼの活性を測定することが可能 となる。 この場合、 本発明に係る方法は、 クマリン誘導体の蛍光検出により酵素 活性を測定するため、 酵素反応溶液の p Hの影響は極めて小さく、 従って本発明 に係る方法は再現性がよくしかも高感度のものとなる。 さらに、 蛍光測定による ことから、 酵素反応生成物である測定対象のクマリン誘導体濃度の必要量は極め て小さく、 生成したクマリン誘導体は沈殿せず溶液に十分溶解している。 このこ とからも本発明に係る方法は再現性がよくしかも高感度のものとなる。
(実施例)
以下実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、 本発明はその要旨を超えな い限り以下の実施例に限定されるものではない。
(E)3- (2-ヒドロキシ- 1-ナフチル) -2-プロペン酸ェチルの合成
2-ヒドロキシ- 1-ナフチルアルデヒド (東京化成工業 (株) 社製) 29.27 g (0.
17mol) と、 カルボキシメチリデン-トリフエニルホスホラン (アルドリッチ社製) 60 g (0.17mol) とを、 ベンゼン (360ml) 中、 窒素雰囲気下、 0°Cで 18時間攪 拌して反応を完了した。 この際反応は暗室内にて行った。 後、 溶媒を減圧で除去 し、 得られた粗生成物中のトリフエニルホスフィンォキシドを除くために、 シリ 力ゲルカラムクロマトグラフィー (展開溶媒:へキサン/酢酸ェチル = 2/1) にかけ、 粗生成物を 40.7g得た。 さらに、 精製するために、 ァミノプロピオネー トシリカゲルカラム (展開溶媒へキサン/酢酸ェチル =2/1) を用いてベンゾ クマリン誘導体等を除き、 カラムに残った 3- (2-ヒドロキシ -1-ナフチル) -2-プ 口ペン酸ェチルを展開溶媒 (クロ口ホルム/メタノール = 10/1 ) を用いて流 し出して 33.8gの目的物を得た (収率 82%)。
得られた 3- (2-ヒドロキシ -1-ナフチル) -2-プロペン酸ェチルの構造確認は、 iH— NMR、 I Rスペクトルで行い、 分子量を TO F— MS (島津製作所製、 MALD I— IV、 256.1 (M/C) ) で確認した。
iH- NMRデ一夕 (重クロ口ホルム、 5ppm) ; 8.35(d,lH,プロペン酸 3位プロ トン) 、 8.04(d,lH,ナフ夕レン環 5位又は 8位プロトン)、 7.77(d,lH,ナフ夕レン 環 5位又は 8位又は 4位プロトン)、 7.75(d,lH,ナフ夕レン環 5位又は 8位又は 4位プ 口トン)、 7.52(dd,lH,ナフ夕レン環 6位又は 7位プロトン)、 7.37(d, 1H,ナフタレ ン環 6位又は 7位プロトン)、 7.16(d,lH,ナフ夕レン環 3位プロトン)、 6.81(d,lH, プロペン酸 2位プロトン)、 4.35(q,2H,ェチル基メチレン基プロトン)、 1.40(t,3H, ェチル基メチル基プロトン)。 IRデ一夕 ; 1670cm—1 (ェチルエステル基) 。
2-「1- (2-カルボキシェテニル) ] ナフチルホスフェイ 卜の合成
3- (2-ヒドロキシ-卜ナフチル) -2-プロペン酸ェチル 10. Ogをベンゼン 100mlに 溶解し、 氷冷した後、 ピリジン 4.0g添加し、 更に窒素雰囲気下約 5 °Cにてォキ シ塩化リン 7.7gを 30分かけて滴下し、 その後室温にて約 18時間反応させた。 後析出したビリジン塩を濾別し、 溶媒を減圧にて除去し、 粗生成物として褐色夕
一ル状物を得た。 さらに、 水 50mlを添加し、 過剰のォキシ塩化リンを分解した。 後、 2規定水酸化ナトリウム水溶液を 100ml添加し、 40 °Cにて 1時間反応し、 加水分解した後、 さらに 6規定塩酸を添加して pH 1に調製し、 氷冷することに より析出した結晶をガラスフィル夕一で集めた。 得られた結晶は冷水にて数回洗 浄した。 得られた結晶は吸湿性であり、 以下のナトリウム塩へ変換した。 トリナトリゥム =2- 「1- (2-カルボキシラトェテニル) , ナフチルホスフアイ ト の合成
上で得られた 2- [1- (2-カルボキシェテニル) ] ナフチルホスフェイ トを、 水に 溶解混濁させた後、 1規定水酸化ナトリウムを当量添加し、 得られた水溶液を凍 結乾燥して水を除き、 目的物をトリナトリウム塩として 9.2g得た (収率 76%)。 構造確認は、 — NMR、 I Rスペクトルで行い、 分子量を TOF— MS (島 津製作所製、 MALD I— IV、 256.1 (M/C) ) で確認した。
NMRデ一夕 (重ジメチルスルホキシド、 c5ppm) ; 8.21(d,lH,ェテニル 1位 プロトン)、 8.04(d,lH,ナフ夕レン環 3位又は 4^又は 5位又は 8位プロトン)、 7.83 (d,2H,ナフ夕レン環 3位又は 4位又は 5位又は 8位プロトン)、 7.54(dd, 1H,ナフタレ ン環 6位又は 7位プロトン)、 7.37(dd,lH,ナフ夕レン環 6位又は 7位プロトン)、 7.2 6(d,lH,ナフ夕レン環 3位又は嫩又は 5位又は 8位プロトン)、 6.79(d,lH,ェテニル 2位プロトン)。
I Rデータ ; 1 1 15、 98 Ocm— 1 (― OP 03 2—基) 、 1 639、 1 562、 1369 cm—1 (カルボキシレート基) 。
(E) 3 - (2—テトラァセチル一 5— D—ガラクトビラノシ口キシ一 1一ナフ チル) 一 2—プロペン酸ェチルの合成 ( ( E ) - 3- ( 2-Tetraacetyl- β -D-galactopyra nosy 1 oxy- 1 -naphty 1 ) -2-propen ι c acid ethyl)
窒素雰囲気下、 (E) —3— (2—ヒドロキシー 1—ナフチル) プロペン酸ェ
チルをジメチルホルムアミ ド 20. Omlに溶解し、 これに水素化ナトリウム (パラ フィン中、 約 60%ディスパ一ジョン) 840m を加え、 室温にて 2時間攪拌した。 0 °Cに冷却した後、 テトラァセチルーひ一D—ガラクトビラノシル一プロマイ ド
(シグマ社製) 5.0gをジメチルホルムアミ ド 10. Omgに溶解したものを加え、 1時 間攪拌して反応させた。 後、 ジメチルホルムアミ ドを留去し、 残渣に酢酸ェチル を 200ml加え、 酢酸ェチル層を水、 飽和食塩水にて順次洗浄し、 無水硫酸ナト リウムを加えて一晩放置し乾燥させた。 後、 溶媒を減圧で留去して褐色油状物を 得、 これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー (展開溶媒:酢酸ェチル /へキ サン = 1/2から 1/1) にて生成して目的化合物を 5.75g得た。
'H-NMR (重クロ口ホルム、 5ppm) : 8.12ppm (d、 1H、 プロペン酸 3位プロ トン) 、 8.12 (d、 1H、 ナフ夕レン環 5位又は 8位プロトン) 、 7.83 (d、 2H、 ナフ 夕レン璟 4位プロトンとナフ夕レン環 5位又は 8位プロトン) 、 7.54 (dd、 1H、 ナ フタレン環 6位又は 7位プロトン) 、 7.39 (d、 1H、 ナフ夕レン環 4位プロトン) 、 6.52 (d、 1H、 プロペン酸 2位プロトン) 、 5.62 (dd、 1H、 ガラクトビラノシド 2 位プロトン) 、 5.49 (d, 1H、 ガラクトビラノシド Φ位プロトン) 、 5.13— 5.09
(dd、 2H、 ガラクトピラノシド 1位と 3位プロトン) 、 4.36 (q、 2H、 ェチル基メ チレンプロトン) 、 4.31— 4.09 (m、 3H、 ガラクトビラノシド 5位と 6位プロトン) 、 2.22 (s、 3H、 ァセチル基メチル基プロトン) 、 2.09 (s,3H、 ァセチル基メチ ル基プロトン) 、 2.04 (s、 3H、 ァセチル基メチル基プロトン) 、 2.02 (s、 3H、 ァセチル基メチル基プロトン) 、 1.40 (t、 3H、 ェチル基メチル基プロトン) 。
(E) — 3— (2— ?— D—ガラクトビラノシ口キシー 1—ナフチル) 一2—プ 口ペン酸の合成((E) - 3 - (2_ 5 - D - galactopyranosyloxy -ト naphtyl) - 2- propenic a cid)
(E) —3— (2—テトラァセチルー/?一 D—ガラクトビラノシ口キシ一 1—ナ フチル) 一 2—プロペン酸ェチルエステルをメタノール 100mlに溶解し、 これ
に 28%ナトリウムメ トキシドーメタノール溶液 (和光純薬社製) 10mlを加え、 室 温にて攪拌して 4時間反応させた。 さらに、 2規定水酸化ナトリウム水溶液 50m 1を加え、 60°Cで 2時間反応させた。 析出した白色結晶を濾別し、 水で洗浄し、 目的化合物を 3.6g得た (収率約 80%) 。 '
^ - N MR (重ジメチルスルホキシド、 5ppm) : 8.18 (d、 1H、 プロペン酸 3位 プロトン) 、 8.12 (d、 1H、 ナフ夕レン環 5位又は 8位プロトン) 、 7.96 (d、 1H、 ナフ夕レン環 4位又は 5位又は 8位プロトン) 、 7.91 (d、 1H、 ナフ夕レン環 ½ϊ又 は 5位又は 8位プロトン) 、 7.58 (dd、 1H、 ナフ夕レン環 6位又は 7位プロトン) 、 7.54 (d、 1H、 ナフ夕レン環 3位プロトン) 、 7.44 (d、 1H、 ナフ夕レン環 6位又は 7位プロトン) 、 6.75 (d、 1H、 プロペン酸 2位プロトン) 、 5.13 (d、 1H、 ガラク トビラノシド 1位プロトン) 、 3.76-3.59 (m、 5H、 ガラクトピラノシド 2位、 4位、 5位と 6位プロトン) 、 3.49 (dd、 1H、 ガラクトビラノシド 3位プロトン) 。
( E ) —3— ( 2— /?— D—ガラクトビラノシ口キシー 1—ナフチル) 一 2—プ 口ペン酸ェチルエステルの合成 ( (E)-3-(2- ? -D-gal actopyranos 1 oxy- 1 -naphty 1 ) - 2-propenic acid eth l )
( E ) —3— (2— ?— D—ガラクトビラノシ口キシー 1一ナフチル) 一 2— プロペン酸ェチルエステルをエタノール 100mlに溶解し、 これに常温にて 20%ナト リゥムエトキシドーエタノール溶液を 16.35g加え、 一夜室で攪拌して反応させた。 反応の終了を薄層シリカゲルクロマトグラフにて確認し、 反応液中へ酸性イオン 交換樹脂 (アンバーリスト 15E) を徐々に加え、 反応液を中性にした。 イオン交 換樹脂を濾別したのち、 濾液を約半量まで減圧濃縮し、 析出した結晶を濾取して 目的の化合物 1.93gを得た (収率 6 0 %) 。
^ - MR (重ジメチルスルホキシド、 5 ρρπι) : 8.25 (d、 1H、 プロペン酸 3位 プロトン) 、 8.12 (d、 1H、 ナフ夕レン環プロトン) 、 7.99 (d、 1H、 ナフ夕レン 環プロトン) 、 7.93 (d、 1H、 ナフ夕レン環プロトン) 、 7.60 (dd、 1H、 ナフ夕
レン環プロトン) 、 7.56 (d、 1H、 ナフ夕レン環プロトン) 、 7.45 (dd、 1H、 ナ フタレン環プロトン) 、 6.83 (d、 1H、 プロペン酸 2位プロトン) 、 5.19-5.15 (m、 2H、 ガラクトピラノシド 1位と 5位プロトン) 、 4.68-4.62 (m、 2H、 ガラクトピラ ノシドプロトン) 、 4.25 (q、 2H、 ェチル基メチレンプロトン) 、 3.75-3.66 (m、 3H、 ガラクトビラノシド 3位プロトン) 、 3.62-3.36 (m、 3H、 ガラクトビラノシ ド 3位プロトン) 、 1.31 (t、 3H、 ェチル基メチルプロトン) 。
(E)- 3- (2-ァセトキシ -1-ナフチル) -2-プロペン酸ェチルの合成
(E)-3- (2-ヒドロキシ- 1-ナフチル) -2-プロペン酸ェチル 1.00g(4.13麗 ol)を 乾燥ビリジン 5mlに溶解し、 これに無水酢酸 0.8 ml (8.26 mol) を加え, 室温に て 24時間反応させた。 反応系へ水を加えたのち、 ジェチルエーテルを加え、 ジェ チルエーテル層を分離し、 水で数回洗浄した。 無水硫酸マグネシウムを加えて乾 燥し、 一晩放置した後、 溶媒を減圧留去し組成生物を得た。 これをエタノールか ら再結晶して目的物を 1.15g (収率 97.8 ¾) 得た。
NMR (重クロ口ホルム, 5ppm) ; 8.10 (d, 1H, ナフ夕レン環 5位又は 8位プ 口トン) 、 8.09 (d, 1H, プロペン酸 3位プロトン) 、 7.86 (d, 2H, ナフ夕 レン環 4位とナフ夕レン環 5位又は 8位プロトン) 、 7.57 (dd, 1H, ナフ夕レン環 6 位又は 7位プロトン) 、 7.53 (dd, 1H, ナフ夕レン環 6位又は 7位プロトン) 、 7.2 3 (d, 1H, ナフ夕レン環 3位プロトン) 、 6.45 (d, 1H, プロペン酸 2位プロトン) 、 .32 (q, 2H, ェチル基メチレンプロトン) 、 2.36 (s, 3H, ァセチル基メチル プロトン) 、 1.37 (s, 3H, ェチル基メチルプロ トン) 。
3-(4-ジェチルァミノ- 2-ヒドロキシフエニル) -2-プロペン酸ェチルの合成
4-ジェチルァミノサリチルアルデヒド (東京化成工業 (株) 社製) 25.0g(129ni mol)とカルボキシメチリデン—トリフエニルホスホラン (アルドリッチ社製) 49. 0g(140画 ol)とを、 無水ベンゼン(300ml)中、 窒素雰囲気下で、 室温にて一晩攪拌
して反応を完了させた。 この際反応は暗室内にて行った。 後、 溶媒を減圧で除去 し、 得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (展開溶媒:へキ サン/酢酸ェチル = 1/1) にて粗精製し、 シス体、 トランス体混合物を得た。 更 に、 これをァミノプロピル修飾シリ力ゲルを用いたカラムクロマトグラフィー
(富士シリシァ化学製 NHDM-1020シリ力ゲル 300g、 n-へキサン :酢酸ェチル 2 : 1 (シス体のみ溶出) およびクロ口ホルム :メタノール 4: 1 (トランス体のみ溶出) にて精製し、 23.7gの目的物を得た (収率 70% )。 得られた 3-(4-ジェチルアミノ- 2- ヒドロキシフエ二ル)- 2-プロペン酸ェチルの構造は 1 H - N M Rにて確認した。
-NMR (重クロ口ホルム, S ppm) ; 7.91(d, lH,プロペン酸 3位プロトン)、 7.31 (d, lH,ベンゼン環 5位又は 6位プロトン)、 6.35(d, lH,プロペン酸 2位プロトン)、 6. 25(d, lH,ベンゼン環 5位又は 6位プロトン)、 6.06(s,lH,ベンゼン環 3位プロトン)、 4.25(q, 2H,ェチルエステル基のメチレン基プロトン)、 3.35(q,4H,ジェチルアミ ノ基のメチレン基プロトン)、 4.65(s, lH,フエノール性水酸基のプロトン)、 1.33 (t, 3H,ェチルエステル基のメチル基プロトン)、 1.17(t,6H,ジェチルァミノ基の メチル基プロトン)
2- 「1- (2-カルボキシェテニル)] 5-ジェチルァミノフエニルホスフアイ トの合成 3-(4-ジェチルァミノ- 2-ヒドロキシフエニル) -2-プロペン酸ェチル 13g(40.9腿 ol )と、 ベンゼン 200mlとを反応容器により水冷下約 30分かけてォキシ塩化リン
(和光純薬社製) 9.0g(59顧 ol )を滴下した。 一晩攪拌して反応を完結させた。 反 応終了を薄層クロマトグラフィーを用いて確認した。 反応溶液に少量の水を加え 過剰のォキシ塩化リンを処理し、 大部分のベンゼン溶媒を減圧で留去した。 その 後、 残った水溶液をメタノール 50mlおよび 6規定水酸化ナトリゥム水溶液で中和 し(pH8)、 さらに該水溶液を酢酸ェチルで数回洗浄した。 その後溶媒を減圧で留 去し、 固体残渣を得た。 得られた残渣をクロ口ホルムで抽出し、 クロ口ホルムを 留去して得られた残渣に水 200mlを加えて溶解した。 不溶物を濾過して除き得ら
れた水溶液を凍結乾燥し、 目的生成物を 12.9g (収率、 定量的) 得た。
得られた 2- [1- (2-カルボキシェテニル)] 5-ジェチルァミノフエニルホスファ イ トの構造は、 11一 N MRにて確認した。
i-NMR (重水, (5ppm) ; 8.00(d, lH,ェテニル 1位プロトン)、 7.53(d, lH,ベンゼ ン環 3位又は 4位プロトン)、 6.90(d,lH,ベンゼン環 6位プロトン)、 6.56(d,lH,ベ ンゼン環 3位又は 4位プロトン)、 -6.36(d, lH,ェテニル 2位プロトン)、 4.24(q,4H, ジェチルァミノ基のメチレン基プロトン)、 1.31(t,6H,ジェチルァミノ基のメチ ル基プロトン)
3 -(2-ァセトキシ -4-ジェチルァミノフェニル)-2-プロペン酸ェチルエステルの合 成
3- (4-ジェチルァミノフェニル)-2-プロペン酸ェチルエステル lg(3.80腿 ol )を ピリジン 5mlに溶解し、 これに、 無水酢酸 0.8mlを加えて、 室温にて 24時間反応さ せた。 溶媒を減圧で留去した後、 シリカゲルカラムクロマトグラフィー (展開溶 媒: トルエン/酢酸ェチル = 93/7) にて精製し、 目的物を 1.2gを得た (収率、 定 量的) 。
得られた 3-(2-ァセトキシ_4-ジェチルァミノフエニル) -2-プロペン酸ェチルェ ステルの構造は、 i fi— NM Rにて確認し、 さらに分子量を T O F— M S (島津 製作所社製、 MALDI-IV、 305(Μ/Ο) で確認した。
- R (重クロ口ホルム、 (5 pp ; 7.63(d,lH,プロベン酸 3位プロトン)、 7.48 (d,lH,ベンゼン環 5,位又は 6,位プロトン)、 6.52(d,lH,ベンゼン環 5,位又は 6'位 プロトン)、 6.28(s,lH,ベンゼン環 3,位プロトン)、 6.20(d, lH,プロペン酸 2位プ 口トン)、 4.22(q,2H,ェチルエステル基メチレンプロトン)、 3.36(q,4H,ジェチル アミノ基メチレンプロトン)、 2.37(s,3H,ァセトキシ基メチル基プロトン)、 1.31 (t, 3H,ェチルエステル基メチルプロトン)、 1.18(t,6H,ジェチルァミノ基メチル プロトン)
3- (4,6-ジメ トキシ -2-ヒドロキシフエニル) -2-メチル -2-プロペン酸ェチルの合 成
4,6-ジメ トキシサリチルアルデヒド (アルドリッチ社製) 30.0g(165腿 ol)と力 ルポキシェチリデン-トリフエニルホスホラン (アルドリッチ社製) 60.0g(166麵 ol)とを、 無水ベンゼン(300ml)中、 窒素雰囲気下、 室温にて一晩攪拌して反応を 完結させた。 この際反応は暗室内で行った。 後、 ベンゼン溶媒を減圧で留去して 粗精製物を得た。 得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (展 開溶媒:へキサン/酢酸ェチル = 1/1) にて粗精製し、 シス、 トランス体の混合 物を得た。 得られた混合物をァミノプロピル修飾シリカゲルを用いたカラムクロ マトグラフィ一 (富士シリシァ化学製 NHDM-1020シリ力ゲル 300g、 n-へキサン: 酢酸ェチル 2:1 (シス体のみ溶出) 、 およびクロ口ホルム:メタノール 4:1 (トラ ンス体のみ溶出) にて精製して、 目的物 35.4g (収率 81%)を得た。
得られた 3- (4,6-ジメ トキシ- 2-ヒドロキシフエ二ル)- 2-メチル -2-プロペン酸 ェチルの構造は、 — NMRにて確認した。
iH-NMR (重クロ口ホルム、 (5ppm) ; 7.54(s, 1H,プロペン酸 3位プロトン)、 6.17 (s,lH,ベンゼン環 3,位又は 5'位プロトン) 、 6.06(s,lH,ベンゼン環 3'位又は 5,位 プロトン) 、 4.23(q,2H,ェチルエステル基のメチレン基のプロトン)、 3.76(s,3H, メ トキシ基のメチル基のプロトン)、 3.75(s,3H,メ トキシ基のメチル基のプロト ン)、 1.85(s,3H,プロペン酸 2位のメチル基プロトン)、 1.32(t,3H,ェチルエステ ル基のメチル基のプロトン)
3-(2-ァセトキシ -4,6-ジメ トキシフエ二ル) -2-メチル -2-プロペン酸ェチルエス テルの合成
3-(4,6-ジメ トキシフエ二ル)- 2-メチル -2-プロペン酸ェチル lg(3.76腿 ol)をビ リジン 5mlに溶解し、 これに、 無水酢酸 0.8mlを加えて、 室温にて 24時間反応させ
た。 溶媒を減圧にて留去した後、 シリカゲルカラムクロマトグラフィー (展開溶 媒: トルエン/酢酸ェチル = 93 :7)にて精製し、 目的物を 1.2g得た (収率、 定量 的) 。
得られた 3- (2-ァセトキシ -4,6-ジメ トキシフエ二ル) -2-メチル -2-プロペン酸 ェチルエステルの構造は、 — N MRにて確認した。
NMR (重クロ口ホルム、 (5 ppm) ; 7.34( s,lH,プロペン酸 3位プロトン)、 - 6.38 (s, lH,ベンゼン環 3,又は 5,位プロトン)、 6.28( s,lH,ベンゼン環 3,又は 5,位プロ トン)、 4.24(q, 2H,ェチルエステル基のメチレン基プロトン)、 3.79( s, 6H,メ トキ シ基のメチル基プロトン)、 2.20(s, 3H,ァセトキシ基のメチル基プロトン)、 1.79 (s,3H,プロペン酸 2位のメチル基プロトン)、 1.32(t,3H,ェチルエステル基のメチ ル基プロトン)
光平衡実験 1
本発明に係るフォスファタ一ゼ用の基質であるトリナトリウム = (E)2- [1- (2- カルボキシェテニル)] ナフチルホスフアイ トを用いて、 アルカリフォスファタ 一ゼ用基質溶液中での光照射によるトランス異性体から、 シス異性体への光異性 化を、 以下の HPLC条件で測定した。
O. lmol/1グリシン- NaOH緩衝液 (pH9.5 )中、 0.3廳 ol/lのトリナトリゥム = (E)2- [1- (2-カルボキシェテニル)] ナフチルホスフアイ ト溶液に、 365nm紫外線を数 種の強度にて光照射し、 これを高速液体クロマトグラフィーにより分離し定量し た。
カラム : TSK-gel 0DS-80Ts 4.6腿 0x7.5cm 東ソ一社製
移動相: 7.5腿 ol/lリン酸 2水素テトラ n -プチルアンモニゥム含有ァセトニトリル /水 = 5/95
保持時間 (移動相溶媒 lml/分) : トランス異性体 (7.9分)、 シス異性体 (7.3 分)
図 1に示されるように照射光の強度に応じてシス異性体の割合が増加し、 平衡条 件では、 モル比としてトランス異性体/シス異性体 = 1/4となった。 同様な実験を、 酸性ホスファターゼ活性測定用の基質液組成(90腿 ol/lクェン 酸一クェン酸ナトリウム緩衝液 (PH4.8) )にて行った。 この場合は、 365nm紫外線 照射によりモル比としてトランス異性体/シス異性体 = 1/6.7となった (図示せ ず) 。 光平衡実験 2
本発明に係るガラクトシダーゼ用の基質である(E)3- (2- ? -D-ガラクトビラノ シロキシ- 1-ナフチル) -2 -プロペン酸を用いるトランス異性体-シス異性体光異性 化平衡を以下の条件で測定した。
(E)3-(2- ? -D-ガラクトビラノシロキシ -卜ナフチル) -2-プロペン酸の 0.3匪 ol/ 1水溶液 (2%ジメチルホルムアミ ド含有)に 365nm紫外線を数種の強度にて光照射し、 これを高速液体クロマトグラフィーにより分離し定量した。
カラム : TSK-gel 0DS-80TS 4.6醒 0x7.5cm東ソ一社製
移動相 : 2%酢酸含有ァセトニトリル/水 = 15/85
保持時間 (移動相溶媒 lml/分) : トランス異性体 (6.9分) 、 シス異性体 (5.1 分)
図 2に示されるように照射光の強度に応じてシス異性体の割合が増加し、 平衡条 件では、 モル比としてトランス異性体/シス異性体 = 1/4となった。 アル力リホスファターゼ活性測定 1
トリナトリゥム =2- [1- (2-カルボキシラトェテニル) ] ナフチルホスフアイ トを用いて酵素活性を測定した。 光照射条件、 酵素反応条件は以下の通りである ( 酵素希釈用緩衝液: O. lmol八グリシン- NaOH緩衝液 (pH9.5、 lmmol/lMgCh, 0.
1雇 ol/lZnCl2、 0.25g/l卵アルブミンを含む) 。
酵素液:子牛小腸由来アルカリホスファターゼ (3.3mg/ml, 2300units/mg) (Sigma社製) を上記酵素希釈液にて 1000倍に希釈。
基質液: 0.4翻 ol八 (0.14g/l) ナトリウム =2- [1- (2-カルボキシラトェテニ ル) ] ナフチルホスフェイ トを含む 0.1mol/lグリシン- NaOH緩衝液 (pH9.5) 。 測定操作:酵素希釈用緩衝液 1.95mlと基質液 lmlを 10xl0(画)の蛍光セルにいれ、 蛍光検出器にセットする (攪拌しながら 30°Cに保温) 。 希釈酵素液 0.05mlを加え、 室内蛍光灯下で反応を開始する。 生成したクマリン誘導体を検出するために、 励 起波長 350皿、 測定波長 425nmにて蛍光強度を測定する。
図 3には、 本発明に係る基質のみを含む溶液をコントロールとした場合の、 ァ ルカリホスファタ一ゼ存在下での、 励起波長 350nmにおける 425nmでの蛍光強度時 間変化を測定したものである。 アルカリホスファタ一ゼ活性測定 2
トリナトリゥム = (E)2- [1- (2-カルボキシラトェテニル) ] ナフチルホスフ アイ トを用いて酵素活性を測定した (非照射条件) 。 酵素反応条件は以下の通り である。
酵素希釈用緩衝液: 0.1mol/lグリシン- NaOH緩衝液 (pH9.5、 1腿 ol/lMgCl2、 0. 1腿 ol/lZnCl2、 0.25g/l卵アルブミンを含む) 。
希釈酵素液:子牛小腸由来アルカリホスファターゼ (3.3mg/ml, 2300units/mg) ( S igma社製) を上記酵素希釈液にて 1000倍に希釈。
基質液: トリナトリウム = (E)2- [1- (2-カルボキシラトェテニル) ] ナフチ ルホスフェイ トを含む 0.1mol/lグリシン- NaOH緩衝液 (pH9.5) 。
停止液: 50麗 ol八クェン酸-クェン酸ナトリウム緩衝液 (PH4.0)
測定操作:喑室内にて、 希釈酵素液 100/ 1を 30°Cにて 5分間放置し、 そこに基質 液 50// 1を加えて酵素反応を開始させた。 30°Cにて 3時間反応させる。 停止液を 2.
5ml加えて酵素反応を停止させた。 後 365皿の紫外線を lOOmJ照射して、 励起波長 3 50nm、 測定波長 425nmにて蛍光強度を測定した。 図 4には励起波長 350nmにおける、 蛍光スペクトルを示す。 なお、 コントロールとしては酵素なしの結果を共に示し た。 アル力リホスファターゼ活性測定 3
さらに本発明に係る基質のアル力リフォスファタ一ゼに対する Km値の測定を行 つた。 光照射条件, 酵素反応条件は以下の通りである。
酵素希釈液: O. lmol/1 グリシン- NaOH緩衝液 (pH9.5, lmmol/1 MgC12, 0.2 5g 牛血中アルブミンを含む) 。
酵素液:子牛小腸由来アルカリホスファタ一ゼ (3.3mg/ml , 2300units/mg) (Sigma社製) を上記酵素希釈液にて 50倍に希釈する。
基質液: 0.3腿 ol/l, 0.15 mmol/1 , 0.12腿 ol八, 0.06腿 ol/l, 0.03醒 ol/l , 5 種の濃度のナトリウム =2- [卜 (2-カルボキシシラトニェテニル) ]ナフチルホス フェイ トを含む 0.1mol/l グリシン- NaOH緩衝液 (pH 9.5) を調製する。
測定操作:酵素希釈用緩衝液 1.95 ml と基質液 1 ml を 10 x 10(讓)の蛍光セルへ 入れ、 30°Cに保温し、 これに希釈酵素液 0.05mlを加え、 室内蛍光灯下で 30分攪拌 しながら反応させ、 励起波長 350nm、 測定波長 425nmにて蛍光強度を測定した。 得られた各基質濃度の測定結果から、 ラインウィーバー'バーグのプロットを 行い、 Km値を算出し、 0.14mMを得た。 アル力リホスファターゼ活性測定 4
(E)2- [1- (2-カルボキシラトェテニル) ] 5-ジェチルァミノフエニルホスフ アイ トを用いて酵素活性を測定した (非照射条件) 。 酵素反応条件は以下の通り る。
酵素希釈用緩衝液: 0.1mol/lグリシン- NaOH緩衝液 (pH9.5、 lmmol/lMgCl2、 0.
1纖 ol/lZnCl2、 0.25g/l卵アルブミンを含む) 。
希釈酵素液:子牛小腸由来アルカリホスファタ一ゼ (3.3mg/ml, 2300units/mg) (Sigma社製) を上記酵素希釈液にて 1000倍に希釈。
基質液:(E)2- [ (2-カルボキシラトェテニル) ] 5-ジェチルァミノフエ二 ルホスフェイ トを含む 0.1mol/lグリシン- NaOH緩衝液 (pH9.5) 。
停止液: 50腿 ol八クェン酸-クェン酸ナトリゥム緩衝液 (pH4.0)
測定操作:暗室内にて、 希釈酵素液 100 1を 30°Cにて 5分間放置し、 そこに基質 液 50 1を加えて酵素反応を開始させた。 30°Cにて 3時間反応させる。 停止液を 2. 5ml加えて酵素反応を停止させた。 後 365nmの紫外線を 100mJ照射して、 励起波長 3 60nm、 測定波長 460nmにて蛍光強度を測定した。 得られた結果を図 4に蛍光スぺ クトルとして示した。 なお、 コントロールとして酵素なしの結果を共に示した。 酸性ホスファタ一ゼ活性測定 1
トリナトリウム =(E)2-[1- (2-カルボキシシラトェテニル) ]ナフチルホスファ ィ トを基質として酸性フォスファタ一ゼに対する Km値の測定および算出を行った。 光照射条件, 酵素反応条件は以下の通りである。
酵素希釈用緩衝液: 90画 ol/l クェン酸緩衝液 (pH 4.8) 。
酵素液: ヒト前立腺由来 ·酸性ホスファタ一ゼ (23 units/mg · Sigma社製) 0. 5m を上記酵素希釈用緩衝液にて 1mlに希釈。
基質液: 1.0腿 ol/l、 0.8 廳 ol/l, 0.6顧 ol/l、 0.4雇 ol/l, 0.2腿 ol八、 O. lnuno 1八、 0.08顧 ol/l、 0.06薦 oVlの 8種の濃度のナトリウム =2- [卜 (2-カルボキシシ ラトニェテニル) ]ナフチルホスフェイ トを含む 90顧 ol/l クェン酸緩衝液 (pH 4. 8) を調製。
測定操作:酵素希釈用緩衝液 1 ml と基質液 1 mlとを 10 x l0(匪)の蛍光セルへ 入れ, 37°Cに保温する。 これに、 酵素液 0.1mlを加えて 30分間反応させる。 365nm の光を照射 (500mJ/cm2) した後、 励起波長 350皿、 測定波長 425nmにて蛍光強度
を測定した。
得られた各基質濃度の測定結果から、 ラインゥイーバ一 ·バーグのプロットを 行い、 Km値を算出して 0.23mMを得た。
図 5は、 酸性フォスファターゼと、 基質との反応の結果、 得られる蛍光スぺク トルを示すものであり、 酵素の存在下クマリン骨格に基づく蛍光が観測された。 さらに、 図ちには、 本発明に係る基質のみを含む溶液をコントロールとした場合 の、 酸性ホスファターゼ存在下での、 励起波長 350 における 425nmでの蛍光強度 時間変化を測定したものである。 酸性ホスファターゼ活性測定 2
トリナトリウム =2- [ (2-カルボキシシラトェテニル) ]ナフチルホスフアイ ト (光照射下では Eおよび Z体の混合物) を基質として酸性フォスファタ一ゼに対 する Km値の測定および算出を行った。 光照射条件, 酵素反応条件は以下の通りで ある。
酵素希釈用緩衝液: 90讓 ol クェン酸緩衝液 (pH 4.8) 。
酵素液: ヒト前立腺由来 ·酸性ホスファターゼ (23 units/mg · Sigma社製) 0.
5mgを上記酵素希釈用緩衝液にて lmlに希釈。
基質液: 1.0蘭 ol八、 0.8 mmol/1 , 0.6mmol/U 0.4nimol/l, 0.2mmol/ O. lmmo
1/1、 0.08腿 oVl、 0.06腿 ol/lの 8種の濃度のナトリウム =2- [卜 (2-カルボキシシ ラトニェテニル) ]ナフチルホスフェイ トを含む 90腿 ol/l クェン酸緩衝液 (pH 4.
8) を調製。
測定操作:酵素希釈用緩衝液 1 ml と基質液 1 mlとを 10 x 10 (腿)の蛍光セルへ 入れ, 37°Cに保温する。 これに、 酵素液 0. 1mlを加えて 30分間反応させる。 365nm の光を照射 (500mJ/cffl2) した後、 励起波長 350皿、 測定波長 410皿にて蛍光強度 を測定した。
得られた各基質濃度の測定結果から、 ラインゥイーバ一 ·バーグのプロッ トを
行い、 Km値を算出して 1.5mMを得た。 ガラクトシダーゼ活性測定
(E)- 3- (2- D-ガラクトビラノシロキシ -1-ナフチル) -2-プロペン酸ェチルを 基質の場合。
上で得られた本発明に係る基質を用いて酵素反応を行った。 光照射条件, 酵素 反応条件は以下の通りである。
酵素希釈用緩衝液: lOmM リン酸緩衝液 (pH 7.0, 0.1 mol/1 NaCK 1腦 ol/l MgC12, 0.03 牛血中アルブミンを含む) 。
酵素液:大腸菌由来 ?-D-ガラクトシダーゼ (50mg/ml, 410units/mg) (Sigm a社製) を上の酵素希釈緩衝液にて 100000倍に希釈。
基質液: 1誦 ol/l の(E)-3-(2- ?-D-ガラクトビラノシ口キシ- 1-ナフチル) -2- プロペン酸ェチル水溶液 (2%ジメチルホルムアミ ド含有)
測定操作:酵素液 2 ml を 10 x l0(醒)の蛍光セルへ入れ, 30°Cに保温。 これに、 基質液 1mlを加え反応開始する。 365nmの光を照射 (500mJ/cm2) した後, 励起波 長 350nm, 測定波長 410nmにて蛍光強度を測定する。
図 7は, ガラクトシダーゼと, 基質との反応の結果得られる蛍光スペクトルを 示すものである。 なお、 コントロールとして酵素なしの結果を共に示した。
さらに本発明に係る基質の/? -D-ガラクトシダーゼに対する Km値の測定および 算出を行った。 必要な光照射条件, 酵素反応条件は以下の通りである酵素希釈用 緩衝液: 10mM リン酸緩衝液 (pH 7.0, 0.1 mol/1 NaCl, 1腿 ol/l MgC12, 0. 03 牛血中アルブミンを含む) 。
酵素液:大腸菌由来 ?-D-ガラクトシダ一ゼ (50mg/ml, 410units/mg) (Sigm a社製) を上の酵素希釈緩衝液にて 100000倍に希釈。
基質液: 0.4 腿 ol/l, 0.2腿 ol/l, 0.15腿 ol八, 0.10腿 ol/l, 0.08讓 ol/l, 0.0 6醒 ol/l, 0.05腿 ol八, 0.04腿 ol八, 0.02腿 ol/l , 8種の濃度の(E)- 3-(2- ?-D-
ガラクトビラノシ口キシ- 1-ナフチル) -2-プロペン酸ェチル水溶液 (2%ジメチ ルホルムアミ ド含有) を調製。
測定操作:酵素希釈用緩衝液 1 ml と基質液 1 mlとを 10 x l0(誦)の蛍光セルへ入 れ, 37°Cに保温。 これに, 酵素液 O. lmlを加え, 30分間反応させる。 365nmの光を 照射 (500mJ/cm2) した後, 励起波長 350皿, 測定波長 410皿にて蛍光強度を測定 した。
得られた, 各基質濃度の測定結果から, ラインウイ一バー 'バーグのプロット を行い, Km値を算出し, 0.12mMを得た。
また, (E)-3- (2- D-ガラクトビラノシロキシ -1-ナフチル) -2-プロペン酸 および (Z)-3- (2-/3 - D-ガラクトビラノシロキシ -1-ナフチル) -2-プロペン酸に おいて, 上と同様の操作を行い, それぞれ Km値を求めた。 ここで、 (E )- 3- (2- D -ガラクトビラノシ口キシ- 1-ナフチル) - 2-プロペン酸: 0.07mM, (Ζ)-3-(2- ?- D-ガラクトビラノシ口キシ- 1-ナフチル) -2-プロペン酸: 0.53mであった。 エステラーゼ活性測定 1
3(2-ァセトキシ -4-ジェチルァミノフエニル) -2-プロペン酸ェチルエステルを 用いて酵素活性を測定した。 光照射条件, 酸素反応条件は以下の通りである。 酵素希釈用緩衝液: lOOmM リン酸緩衝液 (pH 8.0) 。
酵素液:豚肝臓由来 エステラーゼ (210units/mg) (Sigma社製) を上の酵素 希釈緩衝液にて 10mg/10mlに希釈。
基質液: 0. 1腿 ol/l の(E)- 3-(2-ァセトキシ -4-ジェチルァミノフエニル) - 2- プロペン酸ェチルエステルのァセトン溶液。
停止液:エタノール/水 = 1 / 1。
測定操作:喑室内にて、 希釈酵素 100 1を 25°Cにて 5分間放置、 そこに基質溶液 50 / 1を加え酵素反応を開始した。 25°Cにて 15分間反応させた。 その後停止液を 2.5ml加えて反応を停止した。 後、 365nmの紫外線を lOOmJ照射したのち、 励起波
長 360nm、 測定波長 460nmにて蛍光強度を測定した。 得られた結果を図 8に示した ( なお、 コントロールとして酵素なしの結果を共に示した。 エステラーゼ活性測定 2
3(2-ァセトキシ -4,6-ジメ トキシフエ二ル) -2-メチル -2-プロペン酸ェチルエス テルを用いて酵素活性を測定した。 光照射条件, 酸素反応条件は以下の通りであ る o
酵素希釈用緩衝液: lOOmM リン酸緩衝液 (pH 8.0) 。
酵素液:豚肝臓由来 エステラーゼ (210units/mg) (Sigma社製) を上の酵素 希釈緩衝液にて 10mg/10mlに希釈。
基質液: 0. 1匪 ol/l の(E)- 3- (2-ァセトキシ -4,6-ジメトキシフエ二ル) -2-メ チル -2-プロペン酸ェチルエステルのァセトン溶液。
停止液:エタノール Z水 = 1 / 1。
測定操作:暗室内にて、 希釈酵素 1を 25°Cにて 5分間放置、 そこに基質溶液 50 1を加え酵素反応を開始した。 25°Cにて 15分間反応させた。 その後停止液を 2.5ml加えて反応を停止した。 後、 365皿の紫外線を lOOmJ照射したのち、 励起波 長 325皿、 測定波長 430nmにて蛍光強度を測定した。 得られた結果を図 9に示した c なお、 コントロールとして酵素なしの結果を共に示した。 エステラーゼ活性測定 3
3(2-ァセトキシ -1ナフチル) -2-プロペン酸ェチルエステルを用いて酵素活性を 測定した。 酸素反応条件、 光照射条件は以下の通りである。
酵素希釈用緩衝液: lOOmM リン酸緩衝液 (pH 8.0) 。
酵素液:豚肝臓由来 エステラーゼ (210units/mg) (Sigma社製) を上の酵素 希釈緩衝液にて 1 Omg/ 10mlに希釈。
基質液: 0.1腿 ol/l の 3-(2-ァセトキシ- 1-ナフチル) -2-プロペン酸ェチルェ
ステルのァセトン溶液。
停止液:エタノール/水 = 1 / 1。
測定操作:暗室内にて、 希釈酵素 100 1を 25°Cにて 5分間放置、 そこに基質溶液 50〃 1を加え酵素反応を開始した。 25°Cにて 15分間反応させた。 その後停止液を 2.5ml加えて反応を停止した。 後、 365nmの紫外線を 100mJ照射したのち、 励起波 長 325nm、 測定波長 425nmにて蛍光強度を測定した。 得られた結果を図 1 0に示し た。 なお、 コントロールとして酵素なしの結果を共に示した。
産業上の利用可能性
本発明に係る酵素基質はその分子中に、 酵素反応により切断される基と、 さら に酵素反応により切断されて分子内ラクトン化反応により強い蛍光性のクマリン 誘導体を形成する基をともに有するものである。 従って係る酵素基質を用いて酵 素反応を行うことにより、 酵素反応に伴って反応溶液中にはフエノール性水酸基 を有しないクマリン誘導体が形成され、 酵素反応を阻害することなく、 長時間安 定に該クマリン誘導体の蛍光を測定することにより酵素活性を測定可能とするも のである。 それゆえ、 本発明は、 高感度の酵素免疫測定法への応用も可能となる