明細書
経皮吸収型製剤
技術分野
本発明は、 2 — t e r t —ブチルァミノ— 1 一 ( 2 —クロ口一 4 —ヒドロキン フヱニル) ェタン— 1 —オールまたはその薬理学的に許容しうる塩 (以下、 本化 合物という) を経皮的に投与するための経皮吸収型製剤に関し、 さらに皮膚面に 貼付した場合に、 皮膚接着性に優れると共に、 本化合物の有効血中濃度が長時間 持続し得る経皮吸収型製剤に関する。
背景技術
本化合物は、 優れたア ドレナリ ン性/ S 2 —受容体刺激作用を有する化合物であ り、 切迫流 ·早産あるいは尿失禁等の排尿障害等の予防、 治療に有用であること が知られている (特公平 7 - 1 1 9 1 8 9号公報) 。
従来、 切迫流 ·早産の治療においては、 黄体ホルモン製剤や、 /3 2 —受容体刺 激剤であるリ 卜 ドリ ン等が用いられてきたが、 いずれも剤型は注射剤または経口 剤であり、 効果の持続性や副作用および患者のコンプライアンスの面で改善の余 地があるものと考えられている。 また、 尿失禁、 夜間遗尿症等の排尿障害の治療 においては、 従来よりォキシブチニン、 フラボキサー卜等の平滑筋弛緩剤、 抗コ リン剤が用いられてきているが、 これら薬剤に特有の副作用の問題が十分克服さ れているとはいえない。 また、 これら排尿障害の患者層は老人、 小児に偏ってい ることから、 嚥下力の低下、 飲みやすさを改良し、 患者のコンプライアンスを考 慮した製剤的な改善が求められている。 近年、 効果の持統性ゃ副作用の低減を図 るために各種薬物の経皮吸収型製剤化の研究開発が活発に行われているが、 皮庙 のバリヤー機能のために薬物の経皮吸収性は概して低く、 実用的な貼付面積で必 要量の薬物を皮膚から吸収させることは極めて困難である。
発明の開示
本発明の目的は、 優れたア ドレナリ ン性 /8 2 —受容体刺激作用を有する化合物 である本化合物を用い、 本化合物の皮廣透過性に優れ、 効果が持統的で副作用の
少ない、 切迫流 '早産あるいは排尿障害等の予防、 治療に有用な経皮吸収型製剤 を提供することにある。
本発明者らは、 上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、 特定のアク リル 系重合体、 または高分子量ゴム成分含有物と特定の添加剤からなる粘着剤に、 本 化合物を配合してなる裔体層を支持体の片面に設けてなる経皮吸収型製剤におい て、 良好な本化合物の経皮吸収性が得られ、 その効果が長時間持続し、 また経皮 吸収型の製剤にすることによって、 急激な血中濃度の上昇に伴う、 振戦、 心悸亢 進等の副作用が少なくなることを見出し、 本発明を完成するに至った。
即ち、 本発明は以下の通りである。
①本化合物および粘着剤を含有してなる膏体層が支持体の片面に設けられてなり、 該粘着剤がカルボキシル基を実質的に含まないァクリル系重合体であるか、 また は該粘着剤が少なくとも一種の平均分子量 3 0 0 , 0 0 0〜 2 , 5 0 0 , 0 0 0 の高分子量ゴム成分含有物と、 炭素数 1 2〜 1 8の脂肪酸のエステル、 炭素数 8〜 1 0の脂肪酸のモノグリセリ ドおよび炭素数 6〜 1 0の二塩基酸のエステルから 選ばれる少なくとも一種の添加剤からなることを特徴とする経皮吸収型製剤。
②アク リル系重合体が、 アク リル酸 2—ェチルへキシルと、 アク リル酸ヒ ドロキ シェチル、 メ タク リル酸メチル、 アク リル酸 2 —メ 卜キシェチル、 酢酸ビニル、 ビニルピロリ ドンから選ばれる少なくとも一種とからなる共重合体である①記載 の経皮吸収型製剤。
③高分子量ゴム成分含有物が、 平均分子量 5 0 0 ~ 4 ' 0 0 0の低分子量ポリィ ソブチレンまたはポリブテン、 およびノまたは平均分子量 1 0 , 0 0 0〜2 0 0 ' 0 0 0の中分子量ポリイソプチレンと、 平均分子量 3 0 0 , 0 0 0〜2 , 5 0 0 ,
0 0 0の高分子量ポリイソプチレンとからなる混合物である①記載の経皮吸収型 製剤。
④ 2 — t e r t —ブチルァミ ノー 1 一 ( 2—クロ口一 4 ーヒ ドロキシフェニル) エタン— 1 一オールの薬理学的に許容しうる塩が、 2 — t e r t —ブチルァミ ノ
1 一 (2 —クロ口一 4 ーヒ ドロキシフエ二ノレ) エタンー 1 一オールの酒石酸塩ま
たは 2— t e r t —プチルァミ ノ一 1 — ( 2 —クロロー 4 —ヒ ドロキシフェニル) エタンー 1 —オールの炭素数 8〜 1 8の脂肪酸塩である①記載の経皮吸収型製剤。
⑤ 2— t e r t —ブチルァミ ノ一 1 - ( 2 —クロ口一 4ーヒ ドロキシフェニル) エタンー 1 —オールの炭素数 8〜 1 8の脂肪酸塩が、 力プリル酸塩、 2 —ォクテ ン酸塩、 力プリ ン酸塩、 ゥンデシレン酸塩、 ラウリ ン酸塩、 ミ リスチン酸塩、 パ ノレミチン酸塩、 ステアリン酸塩、 ォレイ ン酸塩、 リノール酸塩およびセバシン酸 塩からなる群より選ばれる脂肪酸塩である④記載の経皮吸収型製剤。
⑥膏体層中にさらに塩基性 P H調節剤を含有する①記載の経皮吸収型製剤。
⑦切迫流 ·早産治療剤である①記載の経皮吸収型製剤。
⑧排尿障害治療剤である①記載の経皮吸収型製剤。
⑨医薬的に有効量の①記載の 2— t e r t —ブチルアミノー 1 — ( 2 —クロロー 4 ーヒ ドロキシフェニル) エタンー 1 一才一ルまたはその薬理学的に許容しうる 塩を患者に経皮的に投与することからなる切迫流 ·早産の治療方法。
⑩医薬的に有効量の①記載の 2— t e r t プチルァミノー 1 — ( 2 —クロロー 4ーヒ ドロキシフヱニル) エタンー 1 - オールまたはその薬理学的に許容しうる 塩を患者に経皮的に投与することからなる排尿障害の治療方法。
⑪切迫流 ·早産の治療用経皮吸収型製剤の製造のための①記載の 2 - t e r t - ブチルァミ ノー 1 一 ( 2 —クロロー 4 —ヒ ドロキンフエニル) ェタン一 1 ーォー ルまたはその薬理学的に許容しうる塩の使用。
⑫排尿障害の治療用経皮吸収型製剤の製造のための①記載の 2 - t e r t -プチ ルァミ ノー 1 一 (2 —クロロー 4 —ヒ ドロキシフェニル) ェタン一 1 —オールま たはその薬理学的に許容しうる塩の使用。
図面の簡単な説明
図 1は本化合物の累積透過量の経時変化を示すグラフである。
図 2は本化合物の累積透過量の経時変化を示すグラフである。
発明の詳細な説明
本発明に用いられる粘着剤の一つであるァクリル系重合体は、 カルボキシル基
を含まないので本化合物と反応せず、 薬物の放出性に優れると共に安定性にも優 れ、 さらに良好な持続性を与える等の特性を示す。
ここで、 カルボキシル基を実質的に含まないアクリル系重合体とは、 アク リル 酸ゃメタク リル酸等のカルボキシル基の修飾された単量体を用いて重合されてな るァクリル系重合体をいう。
当該ァクリル系重合体としては、 例えばァクリル酸アルキルエステルまたはメ タク リル酸アルキルエステルの単独重合体、 或いはこれらの共重合体が挙げられ る。
ここで、 アタ リル酸アルキルエステルまたはメタク リル酸アルキルエステルに おけるアルキルとは、 炭素数〗〜 1 8個の直鎖または分岐鎖状アルキルであり、 具体的にはメチル、 ェチル、 プロピル、 ブチル、 ペンチル、 へキシル、 ヘプチル、 才クチノレ、 2—ェチルへキシル、 ノニル、 イソノニル、 デシル、 ゥンデンル、 ド デシル、 ト リデシル、 テトラデシル、 ペンタデシル、 へキサデシル、 ヘプタデシ ル、 ォクタデシル等が挙げられる。 好ましくは炭素数 4〜 1 2個の直鎖または分 岐鎖状アルキルである。
また、 本発明に用いられるアクリル系重合体として、 上記アクリル酸アルキル エステルおよび Zまたはメタク リル酸アルキルエステルと、 次に示す単量体の 1 種または 2種以上との共重合体も好適に使用することができる。
該単 S体としては、 アクリル酸ヒ ドロキシ低級アルキルエステル (例えば、 ァ クリル酸ヒ ドロキシメチル、 ァクリル酸ヒ ドロキシェチル、 ァクリル酸ヒ ドロキ シプロピル、 アクリル酸ヒ ドロキシブチル) 、 アクリルアミ ド、 アクリルアミ ド 誘導体 (例えば、 ジメチルアクリルアミ ド、 N—ブチルアク リルアミ ド、 N—メ チロールァクリノレアミ ド、 N—メチロールプロパンァクリノレアミ ド) 、 アクリル 酸ァミノアルキルエステル (例えば、 アクリル酸アミノエチルエステル) 、 ァク リル酸アルキルァミノアルキルエステル (例えば、 ァクリル酸ジメチルァミノエ チルエステル、 ァクリル酸 t e r t—ブチルァミノェチルエステル) 、 アクリル 酸アルコキシアルキルエステル (例えば、 アク リル酸メ トキシェチルエステル、
ァクリル酸ェトキシェチルエステル) 、 アタリル酸テトラヒ ドロフルフリルエス テル、 アクリル酸とメ トキシジエチレングリコールとのエステル、 アクリル酸と メ 卜キシポリエチレングリコールとのエステル、 アタリル酸とメ トキシポリプロ ピレングリコールとのエステル、 メタクリル酸ヒ ドロキン低級アルキルエステル (例えば、 メタクリル酸ヒ ドロキシメチル、 メタク リル酸ヒ ドロキシェチル、 メ タクリル酸ヒ ドロキンプロピル、 メタクリル酸ヒ ドロキシブチル) 、 メタクリル アミ ド、 メタク リルァミ ド誘導体 (例えば、 ジメチルメタクリルァミ ド、 N—ブ チルメタク リルァミ ド、 N—メチロールメタクリルァミ ド、 N—メチロールプロ ノ、 'ンメタクリルアミ ド) 、 メタクリル酸アミノアルキルエステル (例えば、 メタ クリル酸ァミノェチルエステル) 、 メタクリル酸アルキルァミノアルキルエステ ル (例えば、 メタクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、 メタクリル酸 t e r t一ブチルアミノエチルエステル) 、 メタクリル酸アルコキシアルキルエステル (例えば、 メタクリル酸メ トキシェチルエステル、 メタクリル酸エトキシェチル エステル) 、 メタクリル酸テトラヒ ドロフルフリルエステル、 メタク リル酸とメ トキシジエチレングリコールとのエステル、 メタクリル酸とメ トキシポリエチレ ングリコールとのエステル、 メタクリル酸とメ トキシボリプロピレングリコール とのエステル、 メタクリロニトリル、 アクリロニトリル、 酢酸ビニル、 プロピオ ン酸ビニル、 ビニルピロリ ドン、 メチルビニルピロリ ドン、 ビニルビリジン、 ビ 二ルピぺリ ドン、 ビニルビリ ミジン、 ビニルピペラジン、 ビニルビラジン、 ビニ ルビロール、 ビニルイ ミダゾール、 ビニルカプロラクタム、 ビュルォキサゾール、 ビニルモルホリン、 スチレン等が挙げられる。
当該ァクリル系重合体として、 ァクリル酸アルキルエステルおよびノまたはメ タクリル酸アルキルエステルと、 上記単量体とからなる共重合体を用いる場合は、 ァクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステル 3 0へ 9 9 . 5重量%、 好ましくは 5 0〜 9 0重量%、 上記単量体 0 . 5〜 7 0重量%、 好ましくは 1 0〜 5 0重量%の割合で共重合させることが望ましい。
アタリル系重合体の特に好ましいものとしては、 ァクリル酸 2—ェチルへキン
ルと、 アク リル酸ヒ ドロキシェチル、 メ タク リル酸メチル、 アク リル酸 2—メ ト キシェチル、 酢酸ビニル、 ビニルピロリ ドンから選ばれる少なくとも 1種とから なる共重合体が例示される。
より具体的には、 ァクリル酸 2 - ェチルへキシル 7 0〜9 5重量%とァク リル 酸ヒ ドロキシェチル 5〜 3 0重量%からなる共重合体や、 ァクリル酸 2—ェチル へキシル 6 0〜 9 0重量%とメタクリル酸メチル 1 0〜 4 0重量%からなる共重 合体や、 ァクリル酸 2—ェチルへキシル 3 0〜7 0重量%、 ァクリル酸 2—メ 卜 キンェチル 1 0〜 5 0重量%および酢酸ビニル 1 0〜 5 0重量%からなる共重合 体や、 アタ リル酸 2一ェチルへキシル 5 0〜 9 0重堡%とビニルピロ リ ドン 1 0 - 5 0重量%からなる共重合体や、 ァクリル酸 2—ェチルへキシル 3 0〜 8 0重量 %、 メタクリル酸メチル 1 0〜4 0重量%およびァク リル酸 2—メ トキシェチル 3〜 3 0重量%からなる共重合体等が举げられる。
本発明に用いられるもう一つの粘着剤である高分子量ゴム成分含有物は、 平均 分子量 3 0 0 , 0 0 0〜2 , 5 0 0 , 0 0 0の高分子量ゴム成分を含んでなり、 本化合物の放出性、 安定性に悪影響を及ぼさないものであれば特に制限されない。 該高分子量ゴム成分は、 粘着剤に皮慮接着に適した凝集力を付与するための必 須成分であり、 高分子量ゴム成分含有物中 1 0重量%以上含まれていることが好 ましく、 より好ましくは 2 0重量%以上である。 該成分が含まれない場合には、 貼付時の製剤周辺からの糊はみ出しゃ、 剝離除去時の皮膚面への糊残りを生ずる 可能性が大きくなる。
当該高分子 Sゴム成分含有物には、 適度な粘着性を付与するために、 例えば口 ジン系樹脂、 ポリテルペン樹脂、 クマロン一インデン榭脂、 石油系榭脂、 テルべ ンーフ ニル樹脂、 キシレン榭脂、 脂琿族飽和炭化水素樹脂等の粘着付与剤が配 合されていてもよい。
本発明の粘着剤に用いられる高分子量ゴム成分含有物に含まれる高分子量ゴム 成分として、 具体的にはポリイソプチレン、 ボリイソプレン、 ポリブタジエン、 スチレン一イソプレン一スチレンブロ ック共重合体 (S I S ) 、 スチレン一ブタ
ジェン一スチレンブロック共重合体 (S B S ) 等が挙げられ、 これらは一種また は二種以上の混合物として使用することができる。
これらのうち、 薬物との相互作用、 放出性等の点からポリイソブチレンを粘着 剤成分として用いることが好ましく、 その場合には必須成分として平均分子量 3 0 0 , 0 0 0 〜 2 . 5 0 0. 0 0 0の高分子量ポリィソブチレンを含有し、 さら に平均分子量 1 0 , 0 0 0 〜 2 0 0 , 0 0 0の中分子量ポリイソブチレンおよび/ または平均分子量 5 0 0 〜 4 . 0 0 0の低分子量ポリィソプチレンまたはポリブ テンを含むことが好ましい。 ここで、 高分子量ポリイソブチレンを 1 0 〜 8 0重 量%、 好ましくは 2 0 ~ 7 0重量%、 中分子量ポリイソブチレンを 0 〜 9 0重量 %、 好ましくは 1 0 〜 8 0重量%、 低分子量ポリィソブチレンまたはボリブテン を 0 〜 8 0重量%、 好ましくは 1 0〜 6 0重量%の範囲で配合することが望まし い。
本発明において平均分子量とは、 Flory の粘度式から計算される粘度平均分子 量である。
本発明において、 粘着剤として高分子量ゴム成分含有物を使用する場合には、 育体層中での本化合物の拡散を助け、 良好な放出性を得るために、 また皮慮に対 する適度な粘着力を得るために、 粘着剤との相溶性に優れ、 本化合物を十分に溶 解し、 経時的に粘着剤成分と添加剤との分離 (ブルーミ ング) を生ぜしめず、 粘 着特性や放出性に悪影響を及ぼさない添加剤、 即ち炭素数〗 2 〜 1 8の脂肪酸の エステル、 炭素数 8 〜 1 0の脂肪酸のモノグリセリ ドおよび炭素数 6 ~ 1 0の二 塩基酸のエステルから選ばれる少なくとも一種の添加剤を配合する必要がある。 脂肪酸のエステルとして、 具体的にはラウリン酸 (C 1 2) へキシル、 ミ リスチ ン酸 (C M) イソプロピル、 ノ レミチン酸 (C I E) イソプロピル等の C 〜 C 脂肪酸の C , 〜 C ,。アルキルとのエステル等が挙げられる。
脂肪酸の乇ノグリセリ ドとして、 具体的には力プリル酸 (C。 ) モノグリセリ ド、 力プリン酸 (C 1 0) モノグリセリ ド等の C 8 〜 C ,。脂肪酸のモノグリセリ ド 等が挙げられる。
二塩基酸のエステルとして、 具体的にはアジピン酸 (c 6 ) ジイソプロピル、 アジピン酸ジォクチル、 セバシン酸 (C ,。) ジェチル等の C 6 ~ c ,。二塩基酸の ジ (d 〜c ,。) アルキルとのエステル等が挙げられる。
C! 〜C ,。アルキルとしては、 メチル、 ェチル、 プロピル、 ブチル、 ペンチル、 へキシル、 ヘプチル、 ォクチル、 2 —ェチルへキンル、 ノニル、 イソノニル、 デ シル等が挙げられる。
中でも、 脂肪酸エステルであるミ リスチン酸イソプロピル、 脂肪酸モノグリセ リ ドである力プリル酸モノグリセリ ド、 二塩基酸エステルであるアジピン酸ジォ クチルが好ましく、 より好ま しく はミ リスチン酸ィソプロピルが用いられる。
該添加剤は、 膏体層中 5〜 5 0重量%、 好ましくは 1 0〜 4 0重量%、 より好 ましくは 2 0〜4 0重量%の範囲で配合されることが望ましい。 添加剤の配合量 が 5重量%に満たない場合は、 十分な本化合物の経皮吸収性が得られなくなる傾 向があり、 5 0重量%を越えると、 膏体雇の凝集力が低下し、 貼付時に皮膚面へ の糊残り等が生じ易くなる傾向がある。
本発明において、 青体層中 (こ含有される本化合物は、 分子中に不斉炭素を有し、 (一) 休と (+ ) 体の二種類の光学異性体が存在するが、 本発明においては薬理 活性を有する (一) 体と (土) 体が好適に使用される。 該化合物は、 自体既知の 方法で製造することができる。
また、 薬理学的に許容しうる塩の態様としての本化合物としては、 常法によつ て製造することができる酸付加塩またはアル力リ付加塩が挙げられる。 酸付加塩 としては、 例えば塩酸、 臭化水素酸、 ヨウ化水素酸、 硝酸、 硫酸、 リ ン酸等との 無機酸塩、 あるいは酢酸、 マレイン酸、 フマル酸、 クェン酸、 シユウ酸、 リ ンゴ 酸、 メタンスルホン酸、 p — トルエンスルホン酸、 マンデル酸、 1 0 —力ンファ スルホン酸、 酒石酸、 コハク酸等との有機酸塩が挙げられる。 アルカリ付加塩と しては、 例えばナ ト リウム、 カリウム、 カルシウム等との塩が挙げられる。
さらに他の有機酸塩としては、 本化合物の親油性を高めた特定の脂肪酸塩を用 いることができる。 このような脂肪酸としては、 経皮吸収に適した親油性を有す
る点および経皮吸収に適した分子の大きさを有する等の点から、 炭素数 8〜 1 8 のものが好ましく、 具体的には、 力プリル酸、 2 —ォクテン酸、 力プリン酸、 ゥ ンデシレン酸、 ラウリ ン酸、 ミ リスチン酸、 ノ、"ルミチン酸、 ステアリ ン酸、 ォレ イ ン酸、 リノール酸、 セバシン酸等が挙げられる。
また、 本化合物の配合量は、 通常、 膏体層中 1 ~ 3 0重量 、 好ましくは 3〜 2 0重量%、 より好ましくは 5〜 1 0重量%である。
配合量が 1重量%未満であると、 治療に必要な本化合物の血中澳度を得ること が困難となり易く、 3 0重量%を越えると、 粘着性が低下して皮慮への貼付が困 難となり易い傾向がある。
以上の構成からなる裔体層の厚みは、 皮虜への長時間の貼付に耐え、 剝離除去 時の皮膚面への糊残りを生じ難くするために、 2 0 ~ 1 0 0 i mが好ましく、 1 0〜 5 0 mがより好ましい。
該膏体層には、 必要に応じて、 クェン酸、 乳酸、 グルコン酸、 トリエタノール ァミ ン、 ト リイソプロパノールァミ ン、 エチレンジァミ ン、 ト リェチルァミ ン、 アンモニア、 水酸化ナトリウム、 水酸化カリウム等の p H調節剤、 溶解補助剤、 ァスコルビン酸、 トコフユロール、 ジブチルヒ ドロキシ トルエン等の抗酸化剤に 代表される安定化剤、 グリセリ ン、 プロピレングリ コール、 ポリエチレングリ コ ル等の可塑剤、 酸化チタン、 酸化亜鉛、 含水二酸化ケイ素等の充塡剤などの各種 公知の添加剤が配合されていてもよい。
さらに 卜 リエタノールァミ ン、 ト リィソプロパノールァミ ン、 水酸化ナト リゥ ム等の塩基性 P H調節剤を配合することによって、 塩の態様である本化合物が青 体層中で塩が遊離して塩基の態様である本化合物となり、 親油性が高まって、 良 好な経皮吸収性を得ることもできる。
配合する塩基性 p H調節剤は、 塩基の態様である本化合物に付加した酸を中和 するのに必要な惫 (等量) を加えることが好ましい。 配合する量が等量より少な い場合には、 良好な経皮吸収性が得られない場合があり、 逆に配合する量が等量 より多い場合には、 裔体層が塩基性となり、 経皮吸収型製剤を皮苗に貼付する際
に、 皮膚刺激を発現するおそれがある。
本発明の経皮吸収型製剤に用いられる支持体としては、 その片面に本化合物を 含有する胥体層を形成、 支持できるものであれば特に限定されないが、 通常は実 質的に本化合物および添加剤が支持体中を通って背面から失われて含量低下や効 力低下を起こさないもの、 すなわちこれら成分が不透過性の材質からなるものが 用いられ、 特に皮廣面に貼付した時に著しい違和感を生じない程度に皮廣面の動 きに追従できる柔軟性を有するものが好ましい。
具体的には、 ポリエチレン、 ポリプロピレン等のポリオレフイ ン、 ポリエチレ ンテレフタレー ト等のポリエステル、 ポリ酢酸ビニル、 エチレン 酢酸ビニル共 重合体、 ポリウレタン、 ポリ塩化ビニル、 可塑化ポリ塩化ビニル、 可塑化酢酸ビ 二ルー塩化ビニル共重合体、 ポリ塩化ビニリデン、 ナイロン等のポリアミ ド、 酢 酸セルロース、 ェチルセルロース、 エチレン アクリル酸ェチル共重合体、 ポリ テ トラフルォロエチレン、 アイオノマー樹脂等のプラスチックフィルム、 アルミ ニゥム箔、 スズ萡等の金厲箔、 不織布、 布、 紙等からなる単層フィルム、 または これらの積層フィルム等を用いることができる。
このような支持体の厚みは、 通常 5〜 5 0 0 u m , 好ましくは 5〜2 0 0〃m の範囲である。
また、 これらの支持体は、 膏体層との密着性、 投縮性を向上させるために、 膏 体層が積層される面にコロナ放電処理、 プラズマ処理、 酸化処理等を施すことが 好ましい。
本発明の経皮吸収型製剤の製造方法は特に限定されず、 例えば本化合物および 粘着剤を溶媒に溶解または分散させ、 得られた溶液または分散液を支持体の片面 に塗布し、 乾燥して赍体層を支持体の表面に形成させる方法などが挙げられる。 また、 上記の溶液または分散液を保護用の離型ライナ一上に塗布し、 乾燥して離 型ライナー上に耷体層を形成させ、 その後に支持体を膏体層に接着させることに よっても製造することができる。
本発明の経皮吸収型製剤は、 製造、 運搬または保存中に育体眉が、 いたずらに
器具、 容器などに接着することを防止するために、 また製剤の劣化を防止するた めに、 皮厣面への貼付の直前までは膏体層の露出面を、 離型ライナーにて被覆、 保護することが望ましい。 そして使用時にこれを剝離して、 膏体層の面を露出さ せ、 皮膚に貼付して投与する。
離型ライナ一としては、 使用時に膏体層から容易に剝離されるものであれば特 に限定されず、 例えば膏体層と接触する面にシリコーン樹脂、 フッ素樹脂等を塗 布することによって剝離処理が施された、 ポリエステル、 ポリ塩化ビニル、 ポリ 塩化ビニリデン、 ボリエチレンテレフタレート等のフィルム、 上質紙、 グラシン 紙等の紙、 あるいは上質紙またはグラシン紙等とポリオレフィ ンとのラミネート フ ィルムなどが用いられる。
該離型ライナーの厚みは、 通常 1 0〜2 0 0 t/ m、 好ましくは 5 0〜 1 0 0〃 mである 0
切迫流 ·早産や排尿障害等の予防、 治療における本発明の経皮吸収型製剤の投 与量は、 患者の年齢、 体重、 症状などにより異なるが、 通常、 成人に対して一回 当たり本化合物 0 . 1〜5 0 0 m gを含有した当該製剤を、 皮廣 1〜 1 0 0 c m 2 に、 1 日に 1回〜 7日に 1回程度貼付する。
実施例
以下に本発明の実施例を示し、 本発明をさらに具体的に説明する。 なお、 以下 において部および%とは、 重量部および重量%をそれぞれ意味する。
製造例
本発明の経皮吸収型製剤の含有成分である 2 _ t e r t —プチルァミノー 1 一 ( 2 —クロロー 4 —ヒ ドロキシフエニル) ェタン— 1 —オールの脂肪酸塩は、 常 法により製造でき、 以下のような特性を有する。
(1) ( - ) - 2 - t e r tーブチルァミノー 1 一 ( 2 —クロ口一 4 —ヒ ドロキン フエニル) エタンー 1 —オール 'ォレイ ン酸塩
性状:無色プリズム晶 (A c O E t )
融点: 8 3〜 8 5 °C
施光度: 〔な〕 2。 D — 3 7. 4 ° (c = l . 0, Me OH)
(2) (-) - 2 - t e r tーブチルァミノー 1一 (2—クロ口一 4—ヒ ドロキシ フェニル) エタンー 1一オール ' カプリル酸塩
性状:無色針状晶 (A c OE t)
融点: 1 2 8〜 1 3 0 eC
施光度: 〔α〕 2 - 5 0. 1 ° (c - 1 0 , M e OH)
(3) 2— t e r t—ブチルァミ ノ一 1一 (2 クロロー 4—ヒ ドロキンフヱニル) ェ夕ン一 1—オール ' ゥンデシレン酸塩
性状:無色プリズム晶 (Me OH)
融点: 1 7 3 ~ I 7 6て
(4) 2— t e r t—ブチルァミノー 1— (2—クロ口一 4—ヒ ドロキシフエ二ル) エタンー 1一オール · ミ リスチン酸塩
性状 :無色プリズム晶 (Me OH)
融点: 1 4 9〜 1 5 1 °C
実施例 1
ァク リル酸 2—ェチルへキシル 4 5部、 アタリル酸 2—メ 卜キンェチル 2 5部 および酢酸ビニル 3 0部を、 不活性ガス棼囲気卜-、 酢酸ェチル中で重合させて、 カルボキシル基を含まないアク リル系粘着剤溶液を調製した。 この溶液に、 (一) 2 - t e r tーブチルァミノ一 1 一 (2—クロロー 4—ヒ ドロキシフェニル) ェ タン一 1一オールを、 育体層中への配合量が 1 0 %になるように添加、 混合して 充分に攬拌した後、 離型ライナー上に乾燥後の厚みが 4 0 mとなるように塗布、 乾燥して膏体眉を形成した。 次に、 支持体 (厚み 1 2 /zmのポリエステルフィル ム) に膏体層を貼り合わせ、 本発明の経皮吸収型製剤を得た。
実施例 2
(-) 一 2— t e r t—ブチルァミノー 1— (2—クロ口一 4—ヒ ドロキシフ ェニル) エタン— 1一オール (膏体層中への配合量 1 0 %) の代わりに、 (土) 一 2 - t e r tーブチルァミ ノー 1一 (2—クロロー 4—ヒ ドロキシフェニル) ェ
タンー 1 —オール (耷体層中への配合量 3 0 %) を用いた以外は実施例 1 と同様 にして本発明の経皮吸収型製剤を得た。
実施例 3
実施例 1で得られたァクリル系粘着剤溶液に、 (一) 一 2 — t e r t—プチル アミ ノー 1 ― ( 2 —クロ口一 4 —ヒ ドロキンフエ二ノレ) エタンー 1 ーォーノレ ' 酒 石酸塩および塩基性 p H調節剤としてトリエタノールァミ ンを、 膏体層中への配 合量がそれぞれ 1 0 %になるように添加、 混合して充分に攪拌した後、 実施例 1 と同様にして本発明の経皮吸収型製剤を得た。
実施例 4
ァク リル酸 2 —ェチルへキシル 9 0部およびァク リル酸ヒ ドロキシェチル 1 0 部を、 不活性ガス雰囲気下、 酢酸ェチル中で重合させて、 カルボキシル基を含ま ないアクリル系粘着剤溶液を調製した。 この溶液に、 (―) — 2— t e r t—ブ チルァミ ノー 1 — ( 2 —クロ口一 4 ーヒ ドロキシフヱニル) ェタン一 1 —オール を、 膏体層中への配合量が 1 0 %になるように添加、 混合して充分に損拌した後、 離型ライナー上に乾燥後の厚みが 4 0 ; tz mとなるように塗布、 乾燥して青休層を 形成した。 次に、 支持体 (厚み 1 2 mのポリエステルフィルム) に膏体層を貼 り合わせ、 本発明の経皮吸収型製剤を得た。
実施例 5
ァクリル酸 2 —ェチルへキシル 7 5部およびビニルピロリ ドン 2 5部を、 不活 性ガス雰囲気下、 酢酸ェチル中で重合させて、 カルボキシル基を含まないァクリ ル系粘着剤溶液を調製した。 この溶液に、 (一) 一 2— t e r t —プチルァミノ 1 - ( 2 —クロ口一 4 —ヒ ドロキシフエニル) ェタン— 1 —オールを、 膏体層中 への配合量が 1 0 %になるように添加、 混合して充分に攪拌した後、 離型ライナ 上に乾燥後の厚みが 4 0 mとなるように塗布、 乾燥して裔体層を形成した。 次 に、 支持体 (厚み 1 2 mのポリエステルフィルム) に青体層を貼り合わせ、 本 発明の経皮吸収型製剤を得た。
実施例 6
ァクリル酸 2 —ェチルへキシル 7 0部およびメタクリル酸メチル 3 0部を、 不 活性ガス雰囲気下、 酢酸ェチル中で重合させて、 カルボキシル基を含まないァク リル系粘着剤溶液を調製した。 この溶液に、 (一) 一 2— t e r t —ブチルアミ ノー I 一 ( 2—クロロー 4ーヒ ドロキシフエ二ノレ) ェタン一 1 ーォールを、 膏体 層中への配合 Sが 1 0 %になるように添加、 混合して充分に攪拌した後、 離型ラ イナ一上に乾燥後の厚みが 4 0 // mとなるように塗布、 乾燥して膏体層を形成し た。 次に、 支持体 (厚み 1 2 mのポリエステルフィルム) に耷体層を貼り合わ せ、 本発明の経皮吸収型製剤を得た。
比較例 1
実施例 1のァクリル系粘着剤溶液の代わりに、 ァクリル酸 2 —ェチルへキシル 9 5部およびアクリル酸 5部を、 不活性ガス;?囲気下、 酢酸ェチル中で重合させ て得られた、 カルボキシル基を含むァク リル系粘着剤溶液を用いた以外は実施例 1 と同様にして絰皮吸収型製剤を得た。
実施例 7
高分子量ポリィソブチレン (粘度平均分子量 2, 100, 000 、 V ISTANEX 顯ぃ 140、 ェクソン化学社製) 5 0部、 中分子量ポリイソプチレン (粘度平均分子量 60, 000, H IMOL 6H、 日本石油化学社製) 3 0部および脂環族系石油樹脂 (软化点 1 0 0 °C、 アルコン P— 1 0 0、 荒川化学社製) 2 0部をへキサンに溶解して、 高分子量ゴ ム成分含有物溶液を調製した。 この溶液に、 (一) 一 2— t e r t—プチルァミ ノー 1 一 ( 2—クロ口一 4ーヒ ドロキシフヱニル) エタノー 1一オールおよび添 加剤としてミ リスチン酸イソプロピル (脂肪酸エステル) を、 育体靥中への配合 量がそれぞれ 1 0 %および 4 0 %になるように添加、 混合して充分に授拌した後- 離型ライナー上に乾燥後の厚みが 4 0 mとなるように塗布、 乾燥して育体層を 形成した。 次に、 支持体 (目付量 8 g /m 2 のポリエステル製不織布と厚み 6 mのポリエステルフィルムの積層フィルム) の不織布側に膏体層を貼り合わせ、 本発明の経皮吸収型製剤を得た。
実施例 8
実施例 7で得られた高分子量ゴム成分含有物溶液に、 (_) ー 2 — t e r t — ブチルァミノ一 1 一 (2—クロロー 4ーヒ ドロキシフエニル) ェタン一 1 ーォー ル ·酒石酸塩、 添加剤としてミ リスチン酸イソプロピル (脂肪酸エステル) およ び p H調節剤として卜リエタノ一ルァミ ンを、 膏体層中への配合量がそれぞれ 1 0 %、 4 0 %および 1 0 %になるように添加、 混合して充分に攪拌した後、 実施 例 7と同様にして本発明の経皮吸収型製剤を得た。
実施例 9
実施例 7の高分子量ゴム成分含有物溶液の代わりに、 高分子量ポリィソブチレ ン (粘度平均分子量 990, 000 、 VISTANBX MMい 80 、 ェクソン化学社製) 3 7. 5 部、 中分子量ポリイソプチレン (粘度平均分子量 40, 000、 HIMOL 4H、 日本石油化 学社製) 1 2. 5部および低分子量ポリブテン (粘度平均分子量 1.260 、 HV- 300、 日本石油化学社製) 5 0部をへキサンに溶解して得られた高分子量ゴム成分含有 物溶液を用い、 実施例 7の添加剤の代わりに、 ミ リスチン酸イソプロピル (脂肪 酸エステル) と力プリル酸モノグリセリ ド (脂肪酸モノグリセリ ド) の等量混合 物 (耷体層中への配合量 3 0 %) を用いた以外は実施例 7と同様にして本発明の 経皮吸収型製剤を得た。
実施例 1 0
実施例 7の髙分子量ゴム成分含有物溶液の代わりに、 スチレンーブタジェン一 スチレンブロック共重合体 (S B S) (スチレン ブタジエン = 3 0 Z 7 0 (重 量比) 、 粘度平均分子量 300, 000 、 Car i flex TR- 1101、 シヱル化学社製) 8 0部 および脂環族系石油樹脂 (軟化点 1 0 5 °C、 エスコレッツ 5 3 0 0、 ェクソン化 学社製) 2 0部をトルエンに溶解して得られた高分子量ゴム成分含有物溶液を用 い、 実施例 7の添加剤の代わりに、 アジピン酸ジォクチル (二塩基酸エステル, 膏体層中への配合量 4 0 %) を用いた以外は実施例 7と同様にして本発明の経皮 吸収型製剤を得た。
実施例 1 1
実施例 1で得られたアクリル系粘着剤溶液に、 (―) — 2— t e r t —ブチル
ア ミ ノー 1 — (2—クロ口一 4ーヒ ドロキシフヱニル) エタンー I 一オール ' ォ レイ ン酸塩を、 耷体層中への配合量が 1 0 %になるように添加、 混合して充分に 攒拌した後、 実施例 1 と同様にして本発明の経皮吸収型製剤を得た。
実施例 1 2
実施例 7で得られた高分子量ゴム成分含有物溶液に、 (一) 一 2— t e r t— ブチルァミ ノー 1 一 (2—クロ口一 4ーヒ ドロキシフェニル) ェタン一 1ーォ一 ル ' 力プリル酸塩を、 膏体層中への配合量が 1 0 %になるように添加、 混合して 充分に攪拌した後、 実施例 7と同様にして本発明の経皮吸収型製剤を得た。
実施例 1 3
実施例 7で得られた高分子量ゴム成分含有物溶液に、 (一) 一 2 - t e r t - ブチルァミ ノ _ 1 一 (2—クロロー 4—ヒ ドロキシフェニル) ェタン一 1 —ォー ル '酒石酸塩、 添加剤としてミ リスチン酸イソプロピル (脂肪酸エステル) およ び塩基性 P H調節剤として水酸化ナトリウム (エタノール溶液として添加) を、 膏体層中への配合量がそれぞれ 1 0 %、 4 0 %および 2 %になるように添加、 混 合して充分に攪拌した後、 実施例 7と同様にして本発明の経皮吸収型製剤を得た c 比較例 2
添加剤 (ミ リスチン酸ィソプロピル) を添加しないこと以外は、 実施例 7 と同 様にして経皮吸収型製剤を得た。
比較例 3
中分子量ポリイソプチレン (粘度平均分子量 60, 000、 HIMOL 6H、 日本石油化学 社製) 8 0部および脂環族系石油榭脂 (钦化点 1 0 0°C、 アルコン P - 1 0 0、 荒川化学社製) 2 0部をへキサンに溶解して得られた高分子量ゴム成分を含有し ない溶液を用いた以外は実施例 7 と同様にして経皮吸収型製剤を得た。
実験例 1
実施例 1〜 1 3および比較例 1〜 2で得られた経皮吸収型製剤 (表 1および表 2に膏体層の組成を示す) を 6 mm øに打ち抜き、 直径 1 6 mmの脱皮へビ皮の 中央に貼りつけ、 透過試験用装置 (Automatic Flow Thru Diffusion Cell Appar
atus, Vangard Internat iona l Inc. W (こセッ 卜し、 レセプ夕一 ffl!jiこある水への 本化合物の透過量を液体クロマトグラフ法にて測定した。 この結果を、 本化合物 の累積透過量の経時変化として、 図 1および図 2に示す。
表 1 実施例 1 実施例 2 実施例 3 実施例 4 実施例 5 実施例 6 実施例 11 比較例 1 アクリル酸 2-ェチルへキ'ンル 4 5部 4 5部 4 5部 9 0部 7 5部 7 0部 4 5部 9 5部 アクリル酸 t FDキシェチル 1 0部
クリル 酸メチル 3 0部
アクリル酸 2 -メトキシェチル 2 5部 2 5部 2 5部 2 5部 醉酸ビニル 3 0部 3 0部 3 0部 3 0部 oo
ビニルピロリ ドン 2 5部
ァク リル酸 5部
(一) 一本化合物 1 0 % 1 0 % 1 0 % 1 0 % 1 0 % 1 0 % 1 0 % 塩基 酒石酸塩 塩 ォレイン酸塩 塩基
(土) 一本化合物 3 0 % 塩基性 PH調節剤 1 0 %
トリエ夕ノ-ル
7ミン
酸残基 なし なし なし なし なし なし なし あり
表 2 夫 Jjtet?" 71 夭 JJffi pリ 0 ま倫 4 I^リ1丄 1ジ 天 ΛΕ Ρリ iL^X iyリ し トレ 1 高分子量ゴム成分 リイ yブチレン ポリイ 7プチレン リイリブチレン SBS ボリイソプチレ:/ ίリイリブチレン ボリイソブチレン 平均分子量 2100000 2100000 990000 300000 2100000 2100000 2100000
50部 50部 37. 5 部 80部 50部 50部 40部
中分子量ゴム成分 ポリイリプチレン ίリイソブチレン ίリイ 'ノブチレン ίリイ'ノプチレン W〃チレン ポリイソプチレン ポリイ ブチレン 平均分子量 60000 60000 60000 60000 60000 60000 60000
Ο ΠΔΠ ο (\ύπ oU oli JU D) 16. ϋ πρ oUn|S ナ重 Jム成 ■ l
7Γ 不i ijlィ 、'
/アン
平均分子量 1260
50部
CD
添加剤 ミリスチン酸 ミリスチン酸 ミリスチン酸 アジビン酸 ミリスチン酸 ミリスチン酸 なし ミリスチン酸
ブ D ル イソブ Dビル プロビル ジ才 ル イソブ口ビル ィ,〃口ビル 、/ブ O fル
qひ
力プリル酸
モバリ F
15¾
粘着付与剤 20部 20部 20部 20部 20部 20部 20部
(-) -本化合物 10X 10% 10% 10¾ 10X 10¾ m
酒石酸塩 カブリル酸塩 酒石酸塩
塩基性 pH調節剤 10¾ 2%
トリエタノ-ル 水酸化
7ミン ナトリウム
カルボキシル基を含むアクリル系粘着剤を用いた製剤 (比較例 1 ) 、 および粘 着剤としてゴ厶成分を用いて添加剤を含有しない製剤 (比較例 2 ) においては皮 廣透過性は極端に低かった。 これに対して本発明の製剤では良好な皮膚透過性を 示した。
実験例 2
実施例 7〜】 0、 1 2〜 1 3および比較例 2〜 3で得られた経皮吸収型製剤を 2 O m m幅で 5 O m m長さに切断し、 予め除毛したゥサギの背部に 6時間貼付し た後、 1 8 0度方向に 1 0 0 m mノ分の速度で剝離して皮唐接着力を測定した。 また、 剝離後の皮 «面への糊残りについて目視にて評価を行った。 この結果を表 3に示す。
表 3
* : o;糊残りなし
△;—部糊残り有り
X ;全面糊残り有り
添加剤を含有しない製剤 (比較例 2 ) においては、 皮廣接着力が弱く、 また高 分子ゴム成分を含有しない粘着剤を用いた製剤 (比較例 3 ) においては、 粘着剤 の凝集破壊による皮膚面への糊残りが生じた。 一方、 本発明の製剤は、 いずれも 良好または実用上問題のない程度の皮苗接着力および皮虜面への糊残りであった,
発明の効果
本発明によれば、 膏体層中に含有される本化合物が持続的に皮廣面に放出され 血中に移行して、 その有効血中濃度が長時間持続する。 従って、 本発明の製剤は、 経皮吸収型製剤として、 切迫流 ·早産あるいは尿失禁等の排尿障害等の予防、 治 療に有用である。 本出願は日本で出願された平成 8年特許願第 2 5 4 2 9 3号を基礎としており、 それらの内容は本明細書に全て包含するものとする。