明 細 書
多糖誘導体 -磁性金属酸化物複合体
技術分野
本発明は、 カルボキンアルキル基及び未置換もしくは置換ァミノアル キル基の両置換基で置換された多糖誘導体と磁性金属酸化物との複合体、 その製造法及びその用途に関する。
背景技術
水性磁性ゾルの安定性や毒性を改善するために、 多糖もしくは多糖誘 導体と磁性金属酸化物との複合体が提案されている。 例えば、 特公昭 5 9 - 1 3 5 2 1号公報 (=米国特許第 4 , 1 0 1 , 4 3 5号明細書) には、 デキストラン又は水酸化ナ 卜リゥムによる改質デキス トランとコロイ ド サイズの磁性酸化鉄との複合体が、 また、 米国特許第 4 , 4 5 2 , 7 7 3 号明細書には、 粒子怪が 1 0〜2 0 n mの磁性酸化鉄粒子をデキス トラ ンで被覆した磁性酸化鉄微小球が開示されている。 更に、 特開平 3— 1 3 4 0 0 1号公報 米国特許第 5 , 2 0 4 , 4 5 7号明細書) には、 多糖類のカルボキンアルキルエーテルと粒子怪が 2 ~ 1 0 0 n mの磁性 金属酸化物との複合体が開示されている。 これらの複合体は M R I造影 剤、 特に肝臓用造影剤として有用であるが、 その他の臓器又は部位のた めの造影剤として使用するためにはまだ改良すべき点がいくつかある。 そこで、 本発明者らは、 今回、 カルボキシアルキルエーテル基と未置 換もしくは置換アミノアルキルエーテル基の両置換基を有する多糖誘導 体と磁性金属酸化物との複合体を調製し、 それを水性ゾルの形態で血流 中に投与したところ、 血液ク リアランスが遅く (血液からの排除が遅く) 、 かつ毒性も低く、 核磁気共鳴イメージング (以下、 M R I と略記する)
造影剤、 特に血管用造影剤として極めて有用であることを見い出し、 本 発明を完成するに至った。
発明の開示
かく して、 本発明は、 多糖をカルボキシアルキルエーテル化及び未置 換もしくは置換ァミ ノアルキルエーテル化してなる多糖誘導体 (ここで 該カルボキシ基及び 又はァミノ基は塩の形態であってもよい) と磁性 金属酸化物との複合体を提供するものである。
以下、 本発明の複合体についてさらに詳細に説明する。
本発明の複合体を構成する一方の成分であるカルボキシアルキルエー テル基と未置換もしくは置換アミノアルキルエーテル基の両置換基 (こ こで該カルボキシ基及び 又はァミ ノ基は塩の形態であってもよい。 以 下、 同様) を有する多糖誘導体 (以下、 単に多糖エーテル誘導体という) は、 多糖をそれ自体既知の方法でカルボキシアルキルエーテル化及び未 置換もしくは置換ァミ ノアルキルエーテル化 (以下、 ァミノアルキルェ 一テル化という) することにより製造することができる。 カルボキシァ ルキルエーテル化及びァミノアルキルエーテル化の順序は特に制限され ないが、 両置換基の置換率の測定が容易であるという観点からすると、 カルボキシアルキルエーテル化を先に行なうことが好ましい。
多糖のカルボキシアルキルエーテル化は、 それ自体既知の方法、 例え ば、 米国特許第 2 , 7 4 6 , 9 0 6号明細書、 米国特許第 2 , 8 7 6 . 1 6 5号明細書、 工業化学会誌、 ϋ、 1 5 9 0 ( 1 9 6 5年) 等に記載の 方法に従い、 例えば、 多糖 (これは下記の方法で予めアミ ノアルキルェ 一テル化されていてもよい) の水溶液又は懸濁液にアル力リを添加した 後、 モノハロアルキルカルボン酸、 特にモノクロ口アルキルカルボン酸
を加えて反応させることにより容易に実施することができる。 また、 多 糖又はカルボキシアルキルエーテル化された多糖のァミ ノアルキルエー テル化もまた、 それ自体既知の方法、 例えば、 Chemistry and Industry, 1 9 5 9 , ( 1 1 ) , 1 4 9 0— 1 4 9 1、 特公昭 5 9— 3 0 1 6 1 号公報等に記載の方法に従い、 例えば、 多糖又は多糖のカルボキシアル キルエーテルの水溶液又は懸濁液にアル力リを添加した後、 未置換もし くは置換ァミ ノアルキルハラィ ドもしくは対応するエポキシド又は未置 換もしくは置換ァンモニォアルキルハラィ ドもしくは対応するエポキシ ドを加えて反応することにより行なうことができる。
所望の極限粘度をもつ多糖エーテル誘導体は、 対応する極限粘度を持 つ多糖を出発原料に用いるか、 或いは高粘度の多糖エーテル誘導体を予 め調製した後に低粘度化することにより得ることができる。 出発原料と して用いることができる多糖としては中性多糖が好ましく、 例えば、 グ ルコースポリマーであるデキス トラン、 デンプン、 グリコーゲン、 セル ロース、 プルラン、 カー ドラン、 シゾフィ ラン、 レンチナン、 ぺス夕口 チアン等 ; フラク ト一スポリマーであるィヌ リン、 レバン等; マンノ一 スポリマ一であるマンナン等; ガラク ト一スポリマーであるァガロース、 ガラクタン等; キシロースポリマーであるキシラン、 L—ァラビノース ポリマーであるァラビナン等が挙げられ、 中でもデキストラン、 デンプ ン、 セルロース、 ブルランが好ましく、 特にデキストランが好ましい。 また、 原料の多糖としては、 多糖を予め適当な還元法、 例えば、 ナ トリ ゥムアマルガムを用いる方法、 パラジゥムカーボンの存在下に水素ガス を用いる方法、 水素化ホウ素ナ トリウム (N a B H 4 ) を用いる方法等 によって還元することにより得られる還元多糖も好適に用いることがで
さる。
上記多糖のカルボキシアルキルエーテル化に使用し得るモノハロアル キルカルボン酸としては、 特に、 ハロ低級アルキルカルボン酸、 例えば、 モノ クロ口酢酸、 モノブロモ酢酸、 3 _クロ口プロピオン酸、 3—プロ モプロピオン酸、 4 —クロロー n —酪酸、 4 一プロモー n—酪酸、 2— クロ口プロピオン酸、 3—クロロー n —酪酸等が挙げられる。 なお、 本 明細害において 「低級」 なる語はこの語が付された基又は化台物の炭素 数が 6以下、 好ましくは 4以下であることを意味する。 かく して、 本発 明において好適な多糖のカルボキシアルキルエーテルには、 カルボキシ メチルエーテル、 カルボキシェチルエーテル、 カルボキシプロピルエー テル等が含まれる。 多糖カルボキシアルキルェ一テルのカルボキシル基 は塩の形態であってもよく、 その塩としては、 例えば、 アルカリ金属塩、 ァミ ン塩、 ァンモニゥム塩等が挙げられ、 好ましくはナ 卜リゥム塩であ o
また、 多糖 (これは予めカルボキシアルキルエーテル化されていても よい) のァミノアルキルエーテル化に使用しうる未置換もしくは置換ァ ミ ノアルキルハラィ ドもしくは対応するエポキシ ドとしては、 例えば、
R 1
/ N - A . - Y ( I )
R 2 式中、
はアルキレン基を表わし、
及び R 2はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基 (例えば、 ァ
ノレキノレ、 ァノレケニノレ、 シクロアノレキノレ、 シクロアノレケニノレ、 シクロ アルキルアルキル、 シクロアルケニルアルキル、 ァリール、 ァラル キル等) を表わすか、 或いは と R 2はそれらが結合している窒素 原子と一緒になつて含窒素複素環 (例えば、 アジリ ジ ン、 ピロリ ジ ン、 ピロリ ン、 ピロール、 ピぺリ ジン、 モルホリ ン、 イン ドール、 イ ン ド リ ン、 イ ソ イ ン ド リ ン等) を形成し、
Yはハロゲン原子又はエポキシ基 (一 C H— C H。 を表わす、 で示されるもの、 好ま しく は、 が低級アルキレン基を表わし、 及 び R
2がそれぞれ独立に水素原子又は低級アルキル基を表わすか、 或い は R ,と R
2がそれらが結合している窒素原子と一緒になつて 5 もしく は 6員の含窒素複素環 (例えばピロ リ ジン、 ピロ リ ン、 ピぺリ ジン、 モル ホリ ン等) を形成しているものが包含される。 具体的には、 例えば、 ァ ミ ノメチルク口ライ ド、 ア ミ ノ メチルプロマイ ド、 ァ ミ ノェチルク口ラ ィ ド、 ァミ ノプロピルプロマイ ド、 メチルァミ ノメチルクロライ ド、 メ チルァ ミ ノ メチルブロマイ ド、 ェチルアミ ノエチルクロライ ド、 ェチル ァ ミ ノェチルプロマイ ド、 ェチルァ ミ ノプロビルク口ライ ド、 プロピル ァミ ノプロピルクロライ ド、 ジメチルァミ ノ メチルクロライ ド、 ジメチ ルアミ ノエチルクロライ ド、 ジェチルァミ ノメチルクロライ ド、 ジェチ ルアミ ノエチルクロライ ド、 ジェチルア ミ ノエチルブロマイ ド、 ジェチ ルァ ミ ノプロピルクロライ ド、 ジプロピルアミ ノエチルブロマイ ド、 ジ プロピルァミ ノプロピルクロライ ド、 1 一ピロ リ ジニルメチルク口ライ ド、 2— ( 1 一ピロ リ ジニル) ェチルクロライ ド、 3— ( 1 一ピロ リ ジ ニル) プロピルクロライ ド、 1 ーピペリ ジニルメチルクロライ ド、 2—
( 1一ピペリ ジニル) ェチルク口ライ ド、 3— ( 1—ピペリ ジニル) プ 口ピルクロライ ド等並びにこれらの対応するエポキシ ドが挙げられる。 また、 多糖 (これは予めカルボキンアルキルエーテル化されていても よい) のアミノアルキルエーテル化に使用しうる未置換もしくは置換ァ ンモニォアルキルハライ ドもしくは対応するエポキシドとしては、 例え ば、 下記式
式中、
A2はアルキレン基を表わし、
R3、 R4及び R5はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基 (例え ば、 アルキル、 アルケニル、 シクロアルキル、 シクロアルケニル、 シク 口アルキルアルキル、 シクロアルケニルアルキル、 ァリール、 ァラルキ ル等) を表わすか、 或いは R3、 R4及び R5のうちの少なく とも 2つは それらが結合している窒素原子と一緒になつて含窒素複素環 (例えば、 アジリ ジン、 ピロ リ ジン、 ピ口リ ン、 ピロール、 ピぺリ ジン、 モルホリ ン、 ピリジン、 イ ン ドール等) を形成し、
Yはハロゲン原子又はエポキシ基 i— CH_CH2 ) を表わし、
Z—はァニオンを表わす、
で示されるもの、 好ましくは、 A2が低級アルキレン基を表わし、 R3、 R4及び R 5がそれぞれ独立に水素原子又は低級アルキル基を表わすか、 或いは R3、 R 4及び R 5のうちの少く とも 2つはそれらが結合している
窒素原子と一緒になつて 5もしくは 6員の含窒素複素環 (例えば、 ピロ リジン、 ピロリン、 ピぺリ ジン、 モルホリ ン、 ピリジン等) を形成して いるものが包含される。 具体的には、 例えば (ただし、 ァニオン部分の 表現は省略して記載する) 、 2—クロ口ェチルトリメチルアンモニゥム. 2—クロロェチルトリエチルアンモニゥム、 2—クロロェチルトリプロ ピルアンモニゥム、 2 —クロ口ェチルトリ n—ブチルアンモニゥム、 3 —クロ口プロピルトリメチルァンモニゥム、 3—クロロプロピルトリエ チルアンモニゥム、 3—クロ口プロピルトリプロピルアンモニゥム、 3 一クロ口プロピルトリ n —ブチルァンモニゥム、 3 —クロロー 2 —ヒ ド 口キンプロピルトリメチルアンモニゥム、 3 —クロ口一 2 —ヒ ドロキシ プロピルトリェチルアンモニゥム、 3 _クロロー 2—ヒ ドロキシプロピ ルトリ n—ブチルアンモニゥム、 3 —クロ口一 2 —ヒ ドロキシプロピル トリ i s o—ブチルァンモニゥム、 3 —ブロモ一 2 —ヒ ドロキシプロピ ルトリメチルアンモニゥム、 3—ブロモー 2 —ヒ ドロキシプロピルトリ ェチルアンモニゥム、 3 —ブロモー 2 —ヒ ドロキシプロピルトリ n —ブ チルァンモニゥム、 3 —ブロモ一 2 —ヒ ドロキシプロピルトリ i s o— プチルァンモニゥム等並びにこれらの対応するエポキシドが挙げられる ( 上記式 ( I ) 又は ( I I ) のエーテル化剤の使用により、 多糖のヒ ド ロキシ基が下記式
R
0一 A 3— N ( m )
R
又は
R 3
0— A 4—— N M Z ® (IV)
R 5
式中、
A 3及び A 4はそれぞれ場合によりヒ ドロキシ基で置換されていても よいアルキレン基を表わし、
R2、 R3、 R4、 R5及び Z は前記定義のとおりである、 で示されるアミ ノアルキルエーテル基に置換された多糖エーテル誘導体 を得ることができる。
該ァミノアルキルエーテル基としては、 特に、 下記式
R 31
Φ
0— A41_N R 41 · Z© (IV— 1)
A 31及び A 41はそれぞれ場合によりヒ ドロキシ基で置換されていて もよい低級アルキレン基を表わし、
及び R 2 ,はそれぞれ独立に水素原子又は低級アルキル基を表わ すか、 或いは と R21はそれらが結合している窒素原子と一緒に なって 5もしくは 6員の含窒素複素環を形成し、
R3i R41及び R 5 ,はそれぞれ独立に水素原子又は低級アルキル基 を表わすか、 或いは R 31、 R 及び R5Iのうちの少く とも 2つはそ れらが結合している窒素原子と一緒になつて 5もしくは 6員の含窒 素複素環を形成し、
z -はァニオンを表わす、
で示されるものが好適である。
しかして、 本発明において特に好適な多糖のァミノアルキルエーテル としては、 ジメチルァミノメチルエーテル、 ジェチルアミ ノエチルエー テル、 ジプロピルアミノプロピルエーテル、 ジェチルァミノプロピルェ 一テル、 2— ( 1—ピロリジニル) ェチルエーテル、 トリメチルアンモ ニォェチルエーテル、 トリェチルアンモニォェチルェ一テル、 トリプロ ピルアンモニォェチルエーテル、 トリメチルアンモニォプロピルエーテ ル、 トリェチルアンモニォプロピルエーテル、 トリメチルアンモニォ一 2 _ハイ ドロキシプロピルエーテル、 トリェチルアンモニォ一 2—ハイ ドロキシプロピルエーテル等が挙げられる。
多糖ァミ ノアルキルエーテルの未置換もしくは置換ァミ ノ基は塩の形 で存在することができ、 その塩の中には、 酸付加塩のみならず、 前記式 ( I V ) 又は ( I V— 1 ) で示されるようなアンモニゥム塩をも包含さ れる。 しかして、 酸付加塩としては、 無機酸塩として、 例えば、 塩酸塩、 フッ化水素酸塩、 臭化水素酸塩、 硝酸塩等:有機酸塩として、 例えば、 ギ酸塩、 酢酸塩等が挙げられる。
なお、 前記式 ( I V ) 又は ( I V— 1 ) で示されるようなアンモニゥ ム塩の形態のァミノアルキルエーテル基を含む多糖エーテル誘導体は、 エーテル化剤として前記式 ( I I ) の化合物を用いて製造することがで き、 或いは前記式 ( I ) の化合物でエーテル化した後、 そのァミ ノアル キルエーテル基のァミノ基を例えば、 未置換もしくは置換アルキルハラ ィ ドと反応させることによりアンモニゥム塩の形に変えることによって 製造することもできる。
さらに、 カルボキシアルキルエーテル基とァミノアルキルエーテル基 の両置換基を有する多糖エーテル誘導体は、 カルボキシル基とァミノ基 とが分子内で塩を形成していてもよい。
本発明に用いる多糖エーテル誘導体は水溶性であることが望ましく、 その極限粘度は一般に約 0.02〜約 0.5 d l Zg、 好ましくは約 0. 04〜約 0.2 d 1 g、 更に好ましくは約 0.06〜約 0. I d 1 / g の範囲内にあることができる。
また、 多糖エーテル誘導体の両置換基の置換率はそれぞれ一般に約 1
%〜約 30%、 特に約 2%〜約 16%、 更に特に約 3%〜約 10%の範 囲内にあることが好ましく、 そして両置換基の置換率はほぼ同じ程度で あることが好ましく、 具体的には置換率の差、 即ち、 (ァミノアルキル エーテル基の置換率一カルボキシアルキルエーテル基の置換率) は通常
4%未満、 好ましくは約一 1 %〜約 3%、 更に好ましくは約 0%〜約 2 %の範囲内にあるのが好都合である。 なお、 本明細書において、 置換率 は多糖の全水酸基に対する各置換基の置換百分率を意味する。
本明細書において、 多糖エーテル誘導体の極限粘度及び両置換基の置 換率は次のようにして測定したときの値である。
極限粘度 [ ] (Intrinsic viscosity) の測定法:
日本薬局方 (第 1 2改正、 1991年) 、 一般試験法、 第 35項粘度 測定法に記載されている方法に従って、 25°Cにおいて測定する。 その 際に用いる溶媒は、 塩の形態の多糖エーテル誘導体の両置換基の対ィォ ンと同じイオンからなる 1M塩水溶液、 通常は 1 M食塩水溶液である。 カルボキシアルキルエーテル基の置換率の測定 :
1つの方法によれば、 多糖エーテル誘導体のカルボキシアルキルエー
テル基の置換率は、 中間体であるァミ ノアルキルエーテル化する前の多 糖カルボキンアルキルエーテルを用いて測定することができる。 即ち、 多糖カルボキシアルキルエーテルの塩を水に溶解し、 これを適当に希釈 して測定試料液とする。 試料液のカルボキシル基の対イオンである金属 イオンの標準試料 (濃度既知) について、 日本薬局方 (第 1 2改正、 1 9 9 1年) 、 一般試験法、 第 2 0項原子吸光光度法に記載される方法に より金属含量を測定し、 多糖カルボキシアルキルエーテルの置換率を計 算する。
多糖エーテル誘導体のカルボキシアルキルエーテル基の置換率は赤外 線吸収法でも測定することができる。 即ち、 カルボキシアルキルェ一テ ル基の置換率を種々変えて作成した多糖カルボキシアルキルエーテル試 料について上記の原子吸光光度法で置換率を測定すると同時に、 上記試 料の赤外吸収スぺク トル図の 1 6 0 0 c m 1付近のピークの吸光度を測 定し、 原子吸光光度法による置換率と赤外吸収スぺク トル図の 1 6 0 0 c m 1付近のピークの吸光度との関係をプロッ トした標準曲線を作成し ておき、 置換率が未知の多糖エーテル誘導体の赤外スぺク トル図の 1 6 0 0 c m 1付近のピークの吸光度を読みとり、 上記標準曲線に当てはめ ることにより、 該未知試料の置換率を決定することができる。
ァミ ノアルキルエーテル基の置換率の測定:
多糖エーテル誘導体について、 日本薬局方 (第 1 2改正、 1 9 9 1年) 、 一般試験法、 第 3 0項、 窒素定量法に記載の方法に従って、 その窒素 含量を測定し、 ァミ ノアルキルエーテル基の置換率を計算する。
本発明の複合体を構成する他方の成分である磁性金属酸化物としては 粒子径が小さく、 従って一般に保磁力の大きさが小さい強磁性体が用い
られる。
そのような磁性金属酸化物としては、 例えば、 下記式
(Μ"0)> · M2 , M03 (V)
式中、
MMは 2価の金属原子を表わし、
M" 1 1は 3価の金属原子を表わし、
1は 0〜1の範囲内の実数である、
で示されるものを挙げることができる。 上記式 (V) において、 2価の 金属原子 MMとしては、 例えば、 マグネシウム、 カルシウム、 マンガン、 鉄、 二ッゲル、 コバルト、 銅、 亜鉛、 ストロンチュウム、 バリウム等力 挙げられ、 これらは単独で使用することもでき、 あるいは 2種以上併用 することもできる。 また、 3価の金属原子 ΜΜ'としては、 例えば、 ァ ルミ二ゥム、 鉄、 イツ トリウム、 ネオジゥム、 サマリウム、 ユーロピウ ム、 ガドリニウム等が挙げられ、 これらはそれぞれ単独で使用するか、 あるいは 2種以上組み合わせて用いることができる。
上記式 ( I ) の化合物中、 M'11が 3価の鉄である磁性金属酸化物、 すなわち下記式
(M"0)m - F e 203 (V— 1)
式中、
NT'は上記と同義であり、
mは 0〜 1の範囲内の実数である、
で示されるフヱライ 卜が好適である。 ここで、 M1'としては前記式 (V) で例示したと同じ金属原子を挙げることができる。 特に、 MMが 2価の 鉄である場合の上記式 (V— 1) の磁性金属酸化物、 すなわち下記式
(F e 0)„ · F e 203 ( V - 2 )
式中、 nは 0≤ n≤ 1の範囲内の実数である。
で示される磁性酸化鉄もまた、 本発明において好適な磁性金属酸化物と して挙げることができる。 なお、 上記式 (V— 2) において、 n = 0の 場合はァ—酸化鉄 (y— F e 203) であり、 また、 n = lの場合はマグ ネタイ ト (F e 304) である。 なお、 本発明において磁性金属酸化物に は、 結晶水を有する磁性金属酸化物も包含される。
以上述べたように磁性金属酸化物は強磁性体であることができ、 一般 に、 20°Cにおいて 0.5テスラ (5000ェルステツ ド) の磁場で金 属 l g当り約 1〜約 150 emu、 好ましくは約 10〜約 150 e mu, 更に好ましくは約 30〜約 150 emuの範囲内の磁化を有することが 望ましい。
磁性金属酸化物は通常超微粒子状で前述した多糖エーテル誘導体と反 応せしめられる。 一般に、 磁性体粒子の磁化は粒子径の減少に従って減 少し、 粒子径が 10 n m以下になるとその傾向が強くなる。 また、 上記 磁性金属酸化物の保磁力も、 粒子怪の減少に伴って低下するので、 本発 明の複合体は保磁力が小さく、 実質的に超常磁性である。 しかして、 本 発明における磁性金属酸化物の粒子直径は、 一般に、 約 2〜約 20 n m、 好ましくは約 3〜約 15 nm、 更に好ましくは約 3〜約 10 nmの範囲 内にあることができる。
本発明の多糖エーテル誘導体と磁性金属酸化物の複合体は、 大別して 次の二つの方法により製造することができる。
第 1の方法は、 あらかじめ複合体の芯になる磁性金属酸化物粒子を含 む水性ゾルを調製し、 該エーテル化物と反応させる方法である。 第 2の
方法は、 水系で該エーテル化物の存在下に 2価の金属塩と 3価の金属塩 と塩基を撹拌下に混合及び反応させる方法である。 以下、 これらの方法 についてさらに詳しく説明する。
第 1の方法においては、 まず、 磁性粒子を含む水性ゾル (以下、 原料 ゾルという) を調製し、 これを多糖エーテル誘導体を反応させて複合体 を生成せしめる。 原料ゾル中の磁性粒子の粒子径及び磁性は得られる複 合体に含まれる磁性粒子のそれとほとんど同じである。 従って、 目的に 応じた物性を有する磁性粒子を含む原料ゾルをあらかじめ調製すること が望ましい。 磁性粒子を含む原料ゾルの調製はそれ自体既知の方法で行 うことができる。 例えば、 アルカリ共沈法により行うことができ、 具体 的には例えば、 第 1鉄鉱酸塩と第 2鉄鉱酸塩をモル比で約 ] : 3〜約 2 : 1で含む水溶液と N a O H、 K O H、 N H 4 0 II等の塩基とを p H 7 ~ 1 2になるように混合し、 必要なら加熱熟成し、 次いで生成する磁性 酸化鉄粒子を分離、 水洗した後、 水に再分散し、 塩酸等の鉱酸を液の p IIが 1〜3となるまで加えることにより、 磁性酸化鉄水性ゾルを得るこ とができる。 この水性ゾルは必要に応じて、 透析、 限外濂過、 遠心分雠 等により精製及び Z又は濃縮することができる。 この方法により得られ る磁性酸化鉄粒子の直径は通常約 5〜約 2 0 n mの範囲内にある。
上記の方法において、 第 1鉄塩の一部又は全部を鉄以外の 2価金属塩 に変えて用いれば、 同様にしてフェライ ト水性ゾルを得ることができる ( 該ゾル中に含まれるフェライ ト粒子の直径は通常約 5〜約 2 0 n mの範 囲内にある。 使用できる 2価金属塩としては、 マグネシウム、 カルシゥ ム、 マンガン、 鉄、 二ッゲル、 コバルト、 銅、 亜鉛、 ストロンチュウム, バリゥム等の金属の鉱酸塩を例示することができ、 これらは 1種のみま
たは複数種を同時に用いてもよい。
また、 原料ゾルは、 特公昭 4 2 - 2 4 6 6 3号公報 (==米国特許第 3 , 4 8 0 , 5 5 5号明細書) に開示されている方法によっても調製するこ とができる。 例えば、 強塩基性イオン交換樹脂スラ リーに撹拌下に、 第 1鉄塩と第 2鉄塩を約 1 : 2のモル比で含む水溶液を、 液の p Hを 8〜 9に保ちながら添加した後、 塩酸等の鉱酸を p H 1〜3になるまで加え, 次いで樹脂を濾別し、 必要により透析、 限外濾過等により精製及びノ又 は濃縮すれば、 磁性酸化鉄の水性ゾルが得られる。 含まれる磁性酸化鉄 の直径は通常約 5〜約 1 5 n mの範囲内にある。
こうして得られる原料ゾルと多糖エーテル誘導体の水溶液とを混合反 応させることにより複合体を生成させることができる。 より具体的には、 例えば、 原料ゾルに含まれる磁性粒子 1重量部 (金属換算で) に対し、 多糖エーテル誘導体を一般に、 1〜1 0重量部、 好ましくは 3〜5重量 部の割合で反応させる。 反応液中の磁性粒子の濃度は、 特に制限される ものではないが、 通常、 金属換算で 0 . I I O W Z V 好ましくは 1〜5 wZ v %の範囲内とすることができる。 反応は一般に室温〜 1 2 0 °Cの範囲内において 1 0分〜 1 0時間行うことができるが、 便宜的に は約 1時間程度還流加熱すれば十分である。 冷却後、 必要に応じて精製 及び Z又は濃度調整を行うことができる。 例えば、 得られる反応液にメ タノール、 エタノール、 アセ トン、 ェチルエーテル等の複合体に対する 貧溶媒を添加し、 該複合体を優先的に沈澱析出させ、 析出物を分離し、 次いで析出物を水に再溶解し、 流水透析し、 必要に応じて減圧濃縮し、 所望の純度及び濃度を有する複合体の水性ゾルを得ることができ、 また、 限外濾過により生成する複合体から未反応エーテル化物及び低分子化合
物を分離する操作を繰り返し、 所望の純度及び濃度を有する複合体の水 性ゾルを得ることができる。 この際所望により、 上記工程の途中及び または最後に、 p H調整、 遠心分離及びノまたは濾過の工程を入れるこ ともできる。 こう して得られる本発明の複合体の水性ゾルをそれ自体既 知の方法で乾燥し、 例えば好ましくは凍結乾燥することにより、 本発明 の複合体を粉末として取得することもできる。
本発明の複合体を製造するための第 2の方法は、 水系で多糖エーテル 誘導体の存在下に、 2価の金属鉱酸塩及び 3価の金属鉱酸塩の混合金属 塩溶液と塩基溶液とを混合反応させ、 1工程で本発明の複合体を得る方 法である。 この第 2の方法は更に添加順序により、 (Λ ) 該エーテル化 物の水溶液に混合金属塩水溶液を添加し、 次いで塩基水溶液を添加して 反応させる方法 ; (B ) 該エーテル化物の水溶液に塩基水溶液を添加し、 次いで混合金属塩水溶液を添加して反応させる方法; (C ) 塩基水溶液 に該エーテル化物の水溶液と混合金属塩水溶液を添加して反応させる方 法; (D ) 混台金属塩水溶液に塩基水溶液と該エーテル化物の水溶液の 混液を添加して反応させる方法等に分類することができる。 これら (A ) 、 ( B ) 、 ( C ) 及び (D ) 法は添加順序が相違するのみで、 他の条件 は本質的には変わらないが、 少なく とも得られる複合体の物性を幅広く 変えられる点で (A ) 法が好ましい。
上記の混合金属塩水溶液の調製には、 例えば、 2価の金属塩が第 1鉄 であり且つ 3価の金属塩が第 2鉄の場合には、 第 1鉄塩と第 2鉄塩との モル比を約 1 : 4〜約 3 : 1、 好ましくは約 1 : 3〜約 1 : 1の割台で 水性媒体中に溶解する。 この場合、 第 1鉄塩の 1部、 例えば約半量を他 の 2価金属塩、 例えばマグネシウム、 カルシウム、 マンガン、 鉄、 ニッ
ゲル、 コバルト、 銅、 亜鉛、 ストロンチュウム、 バリゥム等の少なく と も 1種の金属の塩と置き換えることができる。 混合金属塩水溶液の濃度 は特に制限されないが、 通常、 約 0.1〜約 3M、 好ましくは約 0.5〜 約 2 Mの範囲内が適当である。
金属塩としては、 例えば塩酸、 硫酸、 硝酸等の鉱酸から選ばれる 1種- 通常塩酸との塩を挙げることができ、 また、 塩基としては、 例えば、 N a OH、 K OH等のアル力リ金属水酸化物; アンモニア ; トリメチルァ ミ ン、 ト リェチルァミ ン等のァミ ン類等から選ばれる少なく とも 1種、 通常、 N a OHを使用することができる。 塩基水溶液の濃度も広範囲に 渡り変えることができる力く、 通常、 約 0.1〜約 10 N、 好ましくは約 1〜約 5 Nの範囲内が適当である。 使用する塩基の量は添加終了後の反 応液の p Hがほぼ中性ないし約 p H 12になる量、 すなわち金属塩と塩 基との比が約 1 : 1〜約 1 : 1.4 (規定比) となるような量である。 他方、 使用する多糖エーテル誘導体の量は、 用いる金属塩中の金属の 重量を基準にして約 1〜約 15倍、 好ましくは約 3〜約 10倍とするこ とができる。 また、 多糖エーテル誘導体水溶液の瀵度も厳密に制限され るものではないが、 通常、 約 1〜約 30wZv%、 好ましくは約 5〜約 20 wZv%の範囲内が好適である。 各水溶液の添加及び混合は、 撹拌 下に約 0〜約 100°C、 好ましくは約 20〜約 80°Cの非加熱又は加熱 下に行うことができ、 必要なら塩基又は酸を添加して pHを調整した後, 約 50〜約 120°Cの温度で約 10分〜約 5時間、 通常約 1時間加熱還 流することにより反応させることができる。 上記の混合及び反応は、 空 気雰囲気下で行うことができるが、 所望により N2及び A rガス等の不 活性ガス並びに H2ガス等の還元性ガス、 または 02ガス等の酸化性ガス
下で行うこともできる。 こう して得 れる反応液は前記第 1の方法にお けると同様に精製し、 所望ならば、 p H調整、 濃縮、 濾過、 更には乾燥 することができる。 得られる複合体中の磁性金属酸化物粒子の直径は、 通常、 約 2〜約 2 0 n m、 好ましくは約 3〜約 1 5 n m、 更に好ましく は約 3〜約 1 0 n mの範囲内にある。
本発明の複合体を製造するための前記第 1及び第 2の方法を比較する と、 少なくとも工程の長さ及び多様な物性を有する複合体を製造できる 点で第 2の方法が好ましく、 一般的である。
さらに、 本発明の複合体は、 第 1及び第 2の方法を組合せた方法、 即 ち、 予め調製された既知の多糖もしくは多糖誘導体と磁性金属酸化物と の複合体ゾルまたは多糖で被覆した磁性金属酸化物微小球ゾル (以下、 既知の磁性複合体ゾルと言う) に本発明の多糖エーテル誘導体を添加し、 所望により第 1の方法におけると同様に加熱反応、 精製、 p H調整、 濃 縮、 濾過、 更には乾燥することからなる方法によっても製造することが できる。 この場合、 所望により既知の磁性複合体ゾルを既知の精製方法、 例えば貧溶媒による再沈殿、 ゲル濾過及び限外濾過等により、 不純物、 遊離の多糖もしくは多糖誘導体を減らした磁性複合体を用いることがで き、 かつそれが好ましい。 この第 1及び第 2の方法を組合せた方法及び これによつて得られる磁性複合体も本発明に包含される。
本発明の複合体における多糖エーテル誘導体対磁性金属酸化物の比率 は、 磁性金属酸化物粒子の直径ゃ該エーテル化物の分子量に依存し、 広 い範囲内で変えることができるが、 本発明の複合体は、 一般には、 多糖 エーテル誘導体を磁性金属酸化物中の金属 1重量部当り約 0 . 2〜約 1 0重量部、 好ましくは約 0 . 5〜約 5重量部、 更に好ましくは約 1〜約
3重量部含有することができる。
なお、 本発明の複合体中の金属含量 (この金属は複合体に含まれる金 属酸化物に由来する) は先に示した原子吸光光度法で測定したときの値 である。 すなわち、 複合体に少量の水の存在下に塩酸を添加し、 含まれ る金属を完全に塩化物まで分解した後、 適当に希釈し、 各金属の基準液 と比較して金属含量を決定する。
また、 複合体中の多糖エーテル誘導体の含量は、 Analytical Chem. , 2 5 , 1 6 5 6 ( 1 9 5 3 ) に準拠し、 硫酸—アントロン法で測定した ときの値である。 すなわち、 複合体ゾルを適当に希釈した液に硫酸ーァ ン トロン試液を加えて発色させ、 吸光度を測定する。 同時に複合体の製 造に用いた多糖エーテル誘導体を基準物質として、 同様に発色させ、 吸 光度を測定し、 両者の吸光度の比率から複合体中の多糖エーテル誘導体 の含量を求める。
本発明の複合体の構成部分である磁性金属酸化物の粒子直径は X線回 折法によって測定したものである。 粉末 X線回折計 (ターゲッ ト : C o、 波長: 1 . 7 9 0人) を用い、 凍結乾燥した本発明の複合体粉末につい て X線回折を行うと、 特定の化合物に対応したいくつかの回折ピークを 認めることができるので、 複合体に含まれる磁性金属酸化物 (磁性粒子) は結晶形態で存在することが分かる。 得られる回折ピークは、 複合体に 含まれる磁性粒子の直径の減少に従ってブロードになるので、 X線回折 により磁性粒子の直径を測定することができる。 すなわち、 X線回折で の最強ピークについて、 下記シヱラー (Sherrer) 式に従って粒子直径 を計算することができる。
D = k ;i / S * c o s <
"C"
D :粒子直径 (人) 、 Θ : ブラッグ角 (度) 、
k :定数 (0. 9) 、 B :試料の半値幅 (ラジアン) 、 λ : X線波長(1. 7 9 0人)、 b :標準試料の半値幅 (ラジアン) 。 なお、 用いる標準試料は粒子直径 1 以上の同一物質である。 こう して求めた値は透過型電子顕微鏡から求めた値と比較的一致する。
更に、 本発明の複合体それ自体の直径は、 動的光散乱法 (例えば、 Po lymer J. , 1 3 1 0 3 7— 1 0 4 3 ( 1 9 8 1 ) 参照) により測定さ れた値であり、 本発明の複合体は、 一般に、 約 1 0〜約 5 0 0 n m、 好 ましくは約 1 0〜約 1 0 0 n m、 更に好ましくは約 1 0〜約 5 0 n mの 範囲内の直径を有することができる。
本発明の複合体は単なる混合物ではなく、 磁性金属酸化物粒子と多糖 エーテル誘導体との化合物である。 このことは、 例えば、 反応後に貧溶 媒を添加すると、 本発明の複合体が優先的に析出してくること及び本発 明の複合体の水性ゾルを分画すると、 糖と金属を含む複合体と遊離の多 糖誘導体に分離できること等から理解できる。
水性ゾルの形態の本発明の複合体の T,及び T 2緩和能力は、 本発明の 複合体を水で種々の濃度に希釈した水性ゾルと希釈に用いた水について、 2 0MH z (磁場が約 0. 5テスラ) のパルス NMRで T,及び T2緩和 時間を測定し、 得られる緩和時間の逆数、 即ち 及び ιζτ2 (単 位: l Z s e c ) と測定試料中の金属濃度 (単位: mM) との関係をグ ラフにプロッ 卜し、 最小自乗法で求めた直線の傾きから求めることがで
きる (単位: 1 ZmM · s e c ) 。 こう して算出される本発明の水性ゾ ルの形態の複合体の 及び T2緩和能力は、 それぞれ、 一般に、 約 5〜 約 100 (mM * s e c) 1及び約 10〜約 500 (mM . s e c)- 好ましくは約 10〜約 50 (mM · s e c)-1及び約 20〜約 300 (m M · s e c Γ1の範囲内にある。
水性ゾルの形態の本発明の複合体の急性毒性 L D5Qは、 マウスを用い た静脈内投与によると、 金属として約 15〜約 80mm o 1 Zk gであ り、 改質デキス トランを用いて得られる複合体と同程度ないしそれより も低毒性であり、 また、 カルボキシアルキルデキストランを用いて得ら れる複合体に比較してやや高毒性である。 すなわち、 後記試験例 1に示 すように、 本発明の複合体の好ましい態様、 例えば実施例で得られる複 合体番号 1の複合体の L D 5Qは 6 Ommo 1 (F e) Zk gであった。 一般に本発明の好ましい態様の複合体の L D 50は、 改質デキス トランを 用いて同様にして合成した複合体に比較して、 同程度ないし約 2分の 1 であり、 また、 カルボキシアルキルデキス トランを用いて同様にして合 成した複合体に比較して、 同程度ないし約 2倍である。
水性ゾルの形態の本発明の複合体を静脈内投与した時の該複合体の血 液中内から除去される速度 (以下血液ク リアランス) については、 好ま しい態様の複合体は、 改質デキス トランを用いた複合体と比較してきわ めてゆっく り除去される。 すなわち、 後記試験例 2に示すように、 本発 明の好ましい態様の複合体、 例えば実施例で得られる番号 1及び 2の複 合体の血液クリアランスの半減期 (half life) はそれぞれ 6. 1及び 6. 8時間であった。 一般に、 本発明の好ましい態様の複合体の血液ク リア ランスは、 改質デキストラン又はカルボキシアルキルデキストランを用
いた複合体と比較して、 約 2〜約 6 遅い。
改質デキストラン又はカルボキシアルキルデキス トランを用いた複合 体を水性ゾルの形態で静脈内投与すると、 複合体は細網内皮系の発達し た臓器、 例えば肝臓や脾臓に比較的速く取り込まれるので、 投与された 複合体の血液クリアランスは比較的速い。 一方、 本発明の好ましい態様 の複合体を水性ゾルの形態で静脈内投与すると、 該複合体は細網内皮系 の臓器 (肝臓、 脾臓、 肺及び骨) のみならず、 その他の臓器 (腎臓皮質、 腎臓随質、 胸線、 心臓、 小腸及び大脳) にもほとんど取り込まれないの で、 該複合体の血液ク リアランスは遅くなる。
しかも、 本発明の複合体は多糖エーテル誘導体の置換基の親油性効果 により、 従来の複合体が取り込まれにくい部位、 例えば、 リ ンパ節、 腫 瘍及び癌部位に取り込まれやすいという特徴がある。
しかして、 本発明の複合体のうち、 水性ゾルになり得る複合体は、 い わゆる磁性流体としてメカニカルシール材、 磁気クラッチ、 磁気インク などの工業分野にも使用することができるが、 好ましくは生物学分野及 び医療分野において、 例えば M R I造影剤、 殊に、 血管又はリ ンパ節用 M R I造影剤、 腫瘍又は癌部位用 M R I造影剤として、 並びに血流の測 定用として安全に使用することができる。
M R I造影剤として好ましく使用しうる本発明の複合体において、 多 糖エーテル誘導体の極限粘度は約 0 . 0 4〜約 0 . 2 d 1 / g , 特に約 0 . 0 6〜約 0 . 1 d 1 / gの範囲内にあることが好ましく、 原料多糖とし ては、 デキストラン、 デンプン、 セルロース又はプルランであることが 好ましく、 また多糖エーテル誘導体のカルボキシアルキルエーテル部分 は、 カルボキシメチルエーテル、 カルボキシェチルエーテルまたはカル
ボキシプロピルエーテル、 好ましく カルボキシメチルエーテルである ことが好適であり、 そしてアミノアルキルエーテル部分は、 ジェチルァ ミノェチルエーテル、 ジメチルァミ ノメチルエーテル、 ジプロピルアミ ノプロピルエーテル、 ト リメチルアンモニォ一 2—ヒ ドロキシプロピル エーテル、 トリェチルアンモニォ一 2—ヒ ドロキシプロピルエーテル、 トリプロピルァンモニォ一 2—ヒ ドロキシプロピルエーテルが好適であ る。 更に多糖エーテル誘導体の両置換基の置換率はそれぞれ約 2%〜約 16%、 特に約 3%〜約 10%の範囲内にあることが望ましく、 両置換 基の置換率が同じ程度、 具体的には置換率の差、 即ち、 (ァミノアルキ ルエーテル基の置換率一カルボキシアルキルエーテル基の置換率) は約 - 1 %〜約 3%、 好ましくは約 0 %〜約 2%の範囲内にあることが好適 である。
—方、 磁性金属酸化物粒子としては、 磁性酸化鉄又はフェライ ト、 特 に磁性酸化鉄であることが望ましく、 磁性粒子の直径は約 3〜約 1 5 n m、 特に約 3〜約 10 nmの範囲内にあることが望ましく、 また、 該複 合体それ自体の直径は約 10〜約 100 nm、 特に約 10〜約 50 nm の範囲にあることが望ましく、 更に 及び T2緩和能力は、 それぞれ、 約 5〜約 100 (mM - s e c )— 1及び約 10〜約 500 (mM · s e c) '、 特に約 10〜約 50 (mM · s e c) 1及び約 20〜約 300 (m M · s e c ) の範囲内にあることが望ましい。
本発明の複合体を MR I造影剤として使用する場合には、 通常、 複合 体を水性ゾルの形態で使用する。 この際複合体の濃度は広範囲に渡って 変えることができるが、 通常、 金属換算で約 lmmo 1 /L〜約 4mo 1 ZL、 好ましくは約 0. 1〜約 2mo 1 / Lの範囲内が適当である。
また、 水性ゾルの調製に際しては、 ^えば、 塩化ナ ト リ ウム等の無機塩 類; ブドウ糖等の単糖類、 マンニ トール、 ソルビ トール等の糖アルコー ル類;酢酸、 乳酸、 クェン酸等の有機酸; あるいはリ ン酸緩衝液、 ト リ ス緩衝液などの生理学的に許容される種々の助剂を添加することもでき る
本発明の複合体を MR I造影剤として使用する場合のその投与量は、 目的によって異なるが、 通常、 金属換算で約 1 /xmo l Zk g〜10m mo 1 /k g. 好ましくは約 2〃mo 1ノ k g〜l mmo l /k g、 更 に好ましくは約 5 imo l Zk g〜0. lmmo 1 /k gの範囲内とす ることができる。 投与方法としては、 例えば、 静脈内、 動脈内、 膀胱内、 リ ンパ管内、 筋肉内、 皮下等への注射、 注入等が挙げられるが、 場合に よっては経口投与あるいは腸内直接投与も可能である。
図面の簡単な説明
図 1は、 参考例 1で調製された多糖誘導体 N o. 3の赤外線吸収スぺ ク トル図 (KB r法) である。
図 2は、 参考例 2で調製された多糖誘導体 N o. 8の赤外線吸収スぺ ク トル図 (K B r法) である。
図 3は、 比較例 2で調製された複合体 N o. 3の凍結乾燥粉末の赤外 線吸収スぺク トル図 (KB r法) である。
図 4は、 実施例 1で調製された複合体 N o. 6の凍結乾燥粉末の赤外 線吸収スぺク トル図 (KB r法) である。
実施例
以下、 本発明を参考例、 比較例、 実施例及び試験例によって更に具体 的に説明する。
参考例 1 : 各種多糖カルボキシメチノレエ一テルの調製
各種の多糖 500 gを水 167 OmLに溶解し、 これに水酸化ナ トリ ゥム及びモノクロ口酢酸 (C 1 CH2C00H) を約 30°C以下で加え た後、 約 60°Cで 2時間撹拌する。 冷後、 塩酸を用いて pHを 8に調整 した後、 使用した多糖の極限粘度とカルボキンメチル基 (以下、 CM基 と略記する) の置換度に応じ、 反応液の 1.5〜 2.5倍のメタノールを 撹拌下に添加し、 目的物を析出させる。 析出物を水 1.5 Lに再溶解し、 メタノールを加えて析出物を得る操作を更に 3回繰り返し、 得られた析 出物を水 1.5 Lに溶解し、 水酸化ナトリウムを用いて p H 8とした後、 グラスフィルターで濾過、 減圧濃縮し、 凍結乾燥して、 多糖カルボキシ メチルエーテルのナ トリウム塩 (以下 CM化多糖と称する) を得る。 下 記表 1に、 使用した多糖の種類、 原料である水酸化ナ トリウムとモノク ロロ酢酸の使用量及び得られた CM化多糖の収量とそれらの性質を示す c
参考例 2 :各種の多糖カルボキシメチル ' ジェチルアミ ノェチルェ一テ ルの調製 表 1に示す各種の CM化多糖 300 gを水 900 mLに溶解 し、 これに水酸化ナトリウム及びジェチルァミノエチルク口ライ ド (以
下、 DEAE C l と略記する) を約 0°C以下で加えた後、 約 60°Cで 2時間撹拌する。 冷後、 塩酸を用いて p Hを 8に調整した後、 使用した 多糖の分子量 (極限粘度) とジェチルアミ ノエチル基 (以下、 EA基と 略記する) の置換率に応じて、 反応液の 1.5〜2.5倍のメタノール及 びァセトンを撹拌下に添加し、 目的物を析出させる。 析出物を水 1.5 Lに再溶解し、 メタノール及びァセトンを加えて析出物を得る操作を更 に 3回繰り返し、 得られた析出物を水 1.5 Lに溶解し、 水酸化ナトリ ゥムを用いて pH 8とした後、 グラスフィルターで濾過、 減圧濃縮し、 凍結乾燥して、 多糖カルボキシメチル · ジェチルァミ ノエチルエーテル のナトリウム及び塩酸塩 (以下、 CMEA化多糖と称する) を得る。 下 記表 2に、 使用した CM化多糖の番号、 原料である水酸化ナトリウムと DEAE C 1の使用量及び得られた C ME A化多糖の収量とそれらの性 質を示す。 表 2 多糖 CMEA化多糖の合成 CMEM匕 CMEA化多糖の性質
誘導体 多糖の
の番号 CM化多糖 圆量 DEAECl 収量 極限粘度 CM置換率 EAS換率
の番号 g g g dL/g % %
7 2 23 48 305 0.072 2.7 4.3
8 3 45 96 314 0.073 6.7 7.0
9 4 23 48 308 0, 076 8.3 3.3
10 4 59 128 336 0.076 8.3 7.7
11 4 104 225 280 0.076 8.3 12.4
12 5 60 127 270 0.11 8.4 8.6
13 6 60 127 305 0.073 8.3 10.2
参考例 3 : カルボキシメチル · トリメチルアンモニォ一 2—ヒ ドロキシ プロビルデキス 卜ランの調製
デキストラン 500 gを水 120 OmLに溶解し、 これに 40%水酸 化ナ トリウム 540mL及びモノクロ口酢酸 (C l CHzCOOH) 2 52 gを約 30°C以下で加えた後、 約 70°Cで 3時間撹拌する。 冷後、 塩酸を用いて pHを 8に調整した後、 反応液の約 1.5倍のメ タノール を撹拌下に添加し、 目的物を析出させる。 析出物を水 1.5 Lに再溶解 し、 メタノールを加えて析出物を得る操作を更に 3回繰り返し、 得られ た析出物を水 1.5 Lに溶解し、 水酸化ナトリウムを用いて p H 8とし た後、 減圧濃縮し、 凍結乾燥して、 カルボキシメチルデキス トラン (C MD) を得る。
得られた CMD 300 gを水 40 OmLに再溶解し、 これに 40%水 酸化ナ トリウム 400 mL及び 75%3—クロロー 2—ヒ ドロキシプロ ピルトリメチルアンモニゥムク口ライ ド 925mLを約 30°C以下で加 えた後、 約 65°Cで 2時間撹拌する。 冷後、 塩酸を用いて中性に調整し た後、 反応液の約 2倍のメタノールを撹拌下に添加し、 目的物を析出さ せる。 析出物を水 1 Lに再溶解し、 これにメタノールを加えて析出物を 得る操作を更に 3回繰り返し、 得られた析出物を水 1 Lに溶解し、 水酸 化ナトリウムを用いて p H約 7とした後、 これをグラスフィルターで濾 過、 減圧濃縮し、 凍結乾燥して、 カルボキシメチル · トリメチルアンモ ニォー 2—ヒ ドロキシプロビルデキス卜ラン (多糖誘導体番号 14) 2 85 gを得た。 極限粘度: 0.15 d LZg、 CM置換度: 14%、 ト リメチルアンモニォ一 2—ヒ ドロキンプロピル置換度 : 14% 比較例 1
改質デキストラン (極限粘度 = 0.070 d L/g ;以下 CDxと略 記する) 86 gを水 24 OmLに溶解し、 撹拌下窒素置換及び約 80°C に加温しながら、 これに 1 M塩化第二跌溶液 184 mLに塩化第一跌 4 水塩 18 gを溶解した混合鉄塩溶液を加え、 更に 3規定水酸化ナトリゥ ム水溶液を、 約 p H 1 1まで添加する。 次いで塩酸を加えて p H 7に調 整した後、 1時間還流加熱する。 冷後遠心分離し、 上澄液に約 0.9倍 量のメタノールを添加し、 複合体を優先的に沈澱させ、 得られた沈澱物 を水に溶解し、 一晩流水透析する。 透析液の pHを 8に調整し、 減圧濃 縮し、 次いでメ ンブランフィルター (ポア一サイズ: 0.45〃m) で 濾過した後、 アンプルに充填する (複合体番号 ] ) 。 鉄含量: 56mg ZmL、 鉄収率: 88%、 糖含量: 66mg/mL、 芯直径 : 7.7 η m、 T 1緩和能力 (以下 Τ 1一 Rと略記) : 44 (mM · s e c)— T 2緩和能力 (以下、 Τ 2— Rと略記する) : 209(mM - s e c) 1 比較例 2
参考例 1で調製した 2、 3及び 4番の各多糖誘導体 (CM化多糖) 8 6 gを、 それぞれ水 24 OmLに溶解し、 撹拌下窒素置換及び約 80 °C に加温しながら、 これに 1M塩化第二鉄溶液 184 mLに塩化第一鉄 4 水塩 18 gを溶解した混合鉄塩溶液を加え、 更に 3規定水酸化ナトリゥ ム水溶液を、 約 ρ H 11まで添加する。 次いで塩酸を加えて p H 7に調 整した後、 1時間邇流加熱する。 冷後遠心分離し、 上澄液に用いた CM 化多糖の置換率に応じて約 0.5〜約 0.8倍量のメタノールを添加し、 複合体を優先的に沈澱させ、 得られた沈澱物を水に溶解し、 一晩流水透 析する。 透析液を P H 8に調整し、 減圧濃縮し、 次いでメ ンブランフィ ルター (ポア一サイズ: 0.45 m) で濾過した後、 ァンプルに充填
する (複合体番号 2、 3及び 4) 。 i られる複合体の性質を下記表 3に 示す。 表 3
参考例 2で調製した 7〜13番の各多糖誘導体 (C ME A化多糖) を. それぞれ水 24 OmLに溶解し、 撹拌下窒素置換及び約 80°Cに加温し ながら、 これに 1 M塩化第二鉄溶液 184 mLに塩化第一鉄 4水塩 1 8 gを溶解した混合跌塩溶液を加え、 更に 3規定水酸化ナ 卜リウム水溶液 を、 約 p H 1 1まで添加する。 次いで塩酸を加えて p H 7に調整した後- 1時間還流加熱する。 冷後遠心分離し、 上澄液に、 用いた C ME A化多 糖の置換率及び分子量に応じて約 0.5〜約 0.8倍虽のメ夕ノールを添 加し、 複合体を優先的に沈濺させ、 得られた沈澱物を水に溶解し、 一晩 流水透析する。 透析液の p Hを 8に調整し、 減圧濃縮し、 次いでメ ンブ ランフィルタ一 (ポア一サイズ: 0.45〜10〃m) で濾過した後、 アンプルに充填する (複合体番号 5〜10) 。 得られる複合体の性質を 下記表 4に示す。
表 4
参考例 3で調製した 14番の多糖誘導体 86 gを水 30 OmLに溶解 し、 撹拌下窒素置換及び約 80°Cに加温しながら、 これに 1M塩化第二 鉄溶液 184 mLに塩化第一鉄 4水塩 18 gを溶解した混合鉄塩溶液を 加え、 更に 3規定水酸化ナトリウム水溶液を、 約 pH 1 1まで添加する c 次いで塩酸を加えて p H 7に調整した後、 1時間還流加熱する。 冷後遠 心分離し、 上澄液に約 1.5倍量のメタノールを添加し、 複合体を優先 的に沈澱させ、 得られた沈澱物を水に溶解し、 一晩流水透析する。 透析 液の pHを 8に調整し、 減圧濃縮し、 次いで嫌過した後、 アンプルに充 填する (複合体番号 1 1) 。 鉄含量: 12mg/mL、 鉄収率: 18%、 糖含量: 76mg/mL、 芯直径 : 6.5 nm。
試験例 1 安全性試験
比較例 1、 2及び実施例 1、 2で調製した各複合体について急性毒性 (L Dso) を求めた。 5週令の d d系マウス (ォス) 1群 5匹に、 各複 合体の水性ゾルを鉄として 10、 20、 40、 80及び 160 mm o l
Zk gづっを静脈内投与し、 1週間その生死を観察し、 ベ一レンス一力 一バー (Behrens Karber) 法により、 LD50を算出した。 各複合体の L D5()値を下記表 5に示す。 表 5
比較例 1、 2及び実施例 1で調製した各複合体について血液ク リアラ ンス (血液中から除去される速度) を半減期として求めた。 6〜7週令 のウィスター系ラッ ト 1群 2〜3匹に、 各複合体の水性ゾルを鉄として 2.5mg/k gの量づっを静脈内投与し、 経時的に 4〜 8点でラッ ト の血液の採取及び臓器を摘出した。 採取した全血及び遠心処理して得ら れる血漿について T 1及び T 2緩和時間を測定した。 投与から血液採取 までの時間と T 1または T 2緩和時間の逆数との関係から血液クリアラ ンスの半減期 (Half life) を算出した。 全血及び血漿についても、 ま た T 1及び T 2緩和時間のいずれにおいても、 ほぼ同じ半減期が算出さ れた。 得られた結果を下記表 6に示す。
表 6 複合体の番号 半減期 複合体の番号 半減期
1 0. 9時間 5 6.】時間
2 1. 4時間 6 6. 8時間
3 1. 6時間 7 9分間