WO1997008352A1 - Materiau de surface coulissante - Google Patents

Description

明細書 摺動面用材料 技術分野

本発明は、 油圧機器の摺動部品等に用いられ、 摺動性に優れて いると共に、 生分解性油に対して優れた耐腐食性を示す摺動面用 材料に関するものである。 背景技術

油圧機器、 例えば油圧ポンプや油圧モータは、 シ リ ンダ一ブ ロ ッ ク、 ノ 'ルププレー ト、 ク レー ドル、 ピス ト ンシュ一等の油に 触れながら摺動する部品を多数備え、 これらの摺動部品の特にそ の摺動面は摺動性に優れている材料により製作されている。

と ころで、 前述の油圧ポ ンプや油圧モータ等の油圧機器には . 一般的に石油系の油が使用されており、 こ の石油系の油は良好な 潤滑特性を示すが自然界では分解しないため、 環境汚染の原因の 一つになっている。

例えば、 建設機械は工事現場等の屋外で点検、 修理する こ とが あり、 前述の油圧ポンプや油圧モータ等の油圧機器を点検、 修理 する際に内部の油が地面に落下する と、 その油が分解しないので そのまま環境を汚染してしまう。

そこで、 この環境汚染を防止するために自然界で自然に分解す るようにバクテリ アによる分解性 （生分解性） を付与した油が知 られているが、 このよう な生分解性油を油圧機器に使用する と 前述の摺動面用材料を腐食させて油圧機器の耐久性を低下させる という問題がある。

そこで、 本発明者等は前述の生分解性油が摺動面用材料を腐食 させる事由について鋭意研究したとところ、 生分解性油と しては 植物油をべ一スにしたものが多いが、 焼きつき防止を目的と して ィォゥ （ S ) などを極圧添加材と して添加 している ものもあ り、 この Sは特に鉛青銅系材料 （ C u — S n — P b系） に対して C u を溶出させるので、 腐食の原因となるこ と、 また同 じ生分解性油 に対して黄銅系 （ C u — Z n系） 材料の方がは腐食がしにく いこ とを見い出した。

この青銅系材料と黄銅系材料の生分解性油に対する耐腐食性の 差の明確な原因については不明であるが、 亜鉛の存在がサル ファーアタ ック防止に対して有効である可能性がある。

一方、 鉛青銅系材料と黄銅系材料の措動特性を比較した場合、 黄銅系材料は硬度， 強度が高いため、 高い面圧下には良い摺動特 性を有するが、 比較的、 面圧が低い場合には、 むしろ、 な じみ性 が良い比較的硬度の低い鉛青銅系材料が有効である。 な じみ性と いうのは、 摺動した場合、 局部的に摩耗して相手材との接触面積 を増やす性質をいうが、 このよう に比較的柔らかい鉛青銅材では 局部的摩耗によ り局部面圧が下って結果と して耐面圧性が向上す るという効果がある。

以上のことから、 摺動面用材料と しては生分解性油に対する耐 腐食性が優れているばかりでな く 、 な じみ性が良いこ とが必要で あることが判明した。

そこで、 本発明は前述の問題に鑑み、 耐腐食性及びな じみ性に 優れた摺動面用材料を提供することを目的とする。 発明の開示

本発明者等は、 耐腐食性及びな じみ性に優れた摺動面用材料-を 得るために種々の実験をした結果、 本発明に至った。

本発明の摺動面用材料は、 S n 9 . 0 〜 ： 1 5 . 0 重量％、 P b 8 . 5 〜 1 1 . 0 重量％、 N i 3 重量％以下、 Z n 3 . 0〜 1 0. 0重量％を含み、 残りが C uである組成範囲を有する 摺動面用材料である。

以下に、 本発明の摺動面用材料における組成範囲の規定理由に ついて述べる。

C u - S n - P b

本成分は鉛青銅材の基本成分であり、 摺動性の確保のため以下 のように上下限を設定した。

S n : 9〜 ： L 5 w t %, P b ： 8. 5〜 ； 1 1. O w t %

S nは鉛青銅の基本元素であるが、 C u の結晶強化に必要な 9 w t %を下限と した。 また、 C uに完全固溶させる上限と して 1 5 w t %を設定した。

P b も鉛青銅の基本元素であるが、 切削加工性の確保のため下 限を 8. 5 w t %と した。 また、 P bは増加するにつれて、 強度 を低下させる傾向にあり、 摺動材の強度 （硬さ） を確保するため に上限を 1 1 w t %と した。

Z n

本成分は、 耐腐食性向上のための必須元素である。 その効果は 3 w t %以上で顕著になる。 一方、 添加量が 1 0 w t %を越える と酸化亜鉛になりやすく 、 材料欠陥となる確率が高い。 以上のよ うな理由より、 添加量を最大 1 0 w t %と した。

N i

N i は P bの偏析を防止するとともに強度向上に寄与する元素 であるが、 3 w t %をこえると.硬さが増加し、 反面相手摺動材と のなじみ性が低下するので、 なじみ性確保のため最大 3 w t %と した。 図面の簡単な説明

本発明は、 以下の詳細な説明及び本発明の実施例を示す添付図 面により、 より良く理解される ものとなろう。 なお、 添付図面に 示す実施例は、 発明を特定するこ とを意図する ものではなく 、 単 に説明及び理解を容易とするものである。

図中、

図 1 は、 開発材 1 と他の材料の生分解性油による腐食減量特性 を示す図表である。

図 2は、 開発材 2 と他の材料の生分解性油による腐食減量特性 を示す図表である。

図 3 は、 開発材 3 と他の材料の生分解性油による腐食減量特性 を示す図表である。

図 4 は、 摺動速度が 4 k g /秒の時の青銅系材料と開発材 1 と の限界面圧と摩耗量を示す図表である。

図 5は、 摺動速度が 1 O k g /秒の時の青銅系材料と開発材 1 との限界面圧と摩耗量を示す図表である。

図 6は、 油圧ポンプの断面図である。 図 7 A , 図 7 Β及び図 7 Cは、 油圧ポンプにおける摺動面用材 料を溶着した摺動部品を示すそれぞれ断面図である。

図 8は、 油圧モータの断面図である。

図 9は、 シリ ンダーの断面図である。 発明を実施するための好適な態様

以下に、 本発明の好適実施例による摺動面用材料を添付図面を 参照しながら説明する。

下記表 1 に、 耐腐食性試験を行っ た、 本発明によ る摺動材料 (開発材 1 , 2及び 3 ) と比較材料 （黄銅系材料 1 及び 2、 青銅 系材料） の化学組成成分を示す。

I L

試験材料の化学組成成分

開発材と しては Z n量の異なる 3種類を試験した。 また、 比較 材と して黄銅系材料 2種類、 青銅系材料 1 種類を試験した。 耐腐 食性の試験方法と して、 生分解性油である植物油に複数の所定温 度で 2 4 0時間加熱保持して、 試験前後のテス ト ピースの重量変 化量により評価した。 この結果は図 1 , 図 2及び図 3 に示すよう になり、 このこ とよ り従来の鉛青銅系材料であるベース材 （記号 C ) に比較して開発 材は 1 0 0 ^DC以上での環境下における耐腐食性が大幅に改善され ていることがわかり、 黄銅系材料と同等の耐腐食性を有する こ と が確認された。

次に、 図 4及び図 5 に、 従来の青銅系材料 （ C ) と開発材 1 を 対象に摺動速度 Vを 4及び 1 O m/秒の 2水準にして定速摩擦摩 耗試験した結果を示す。 試験方法はピン状に成形した被試験材を 円盤状のディ スク （ S C M 4 2 0 H 浸炭焼入れ材） に対して一定 の荷重及び回転速度の条件下で摺動させながら摩耗量を計測する もので、 荷重を徐々にあげながら焼き付きに至る限界面圧を測定 した。 下記にはテス ト条件をまとめて示す。

(定速摩擦摩耗試験条件）

( 1 ) 相手材 ： S C M 4 2 0 H

( 2 ) 潤滑油 ： 8 0 °C

( 3 ) 措動速度 ： 4 m/秒、 1 0 m/秒

( 4 ) 荷重条件 ： 2 0 0 k g / c m² 以上の面圧領域は一定荷重 で 5分試験後 5 0 k g / c m²ずつ荷重を上げていく。

図 4 (摺動速度が 4 m /秒の場合） 、 図 5 (措動速度が 1 0 m/秒の場合） よ り、 従来の青銅系材 （ C ) と比較して Z n を 3 w t %添加した開発材 （ A 1材） の摩耗量及び限界面圧は同 等レベルであることが分かる。

次に、 本発明の銅系の摺動面用材料を用いた摺動部品の一例を 説明する。

図 6 に示すように、 油圧ポンプのおける ピス ト ン 1 が摺動自在 に嵌挿されるシリ ンダー孔 2を有するシリ ンダーブロ ッ ク 3、 こ のシリ ンダーブロ ッ ク 3 と摺動するバルブプレー ト 4、 ク レー ド ル 5、 ピス トンシユー 6等がある。

そして、 これらは、 図 7 Aに示すよう にシリ ンダーブロク 3 の シリ ンダー 2の内面 2 a とバルブプレー ト摺動面 3 a に、 または 図 7 Bに示すようにバルブプレー ト 4 の摺動面 4 a に、 さ らに図 7 Cに示すようにク レー ドル 5 の摺動面 5 a に本発明による銅系 の摺動面用材料をそれぞれ溶着したものである。

また、 図 8 に示すよ う に、 油圧モータのシ リ ンダーブロ ッ ク 1 0 、 ノくルブプレー ト 1 1 、 ベア リ ング 1 2、 センタボール 1 3 寺もめる。

さ らに、 図 9に示すよう に、 シ リ ンダのピス ト ンロ ッ ド 2 0 を 摺動可能にガイ ドするブッ シュ 2 1 もある。

以上のように、 本発明よる摺動面用材料は、 生分解性油中での 耐腐食性が優れていると共に、 相手材とのな じみ性の良い摺動面 用材料である。

なお、 本発明は例示的な実施例について説明 したが、 開示した 実施例に関 して、 本発明の要旨及び範囲を逸脱する こ とな く 、 種々の変更、 省略、 追加が可能であるこ とは、 当業者において自 明である。 従って、 本発明は、 上記の実施例に限定される もので はなく 、 請求の範囲に記載された要素によって規定される範囲及 びその均等範囲を包含するものと して理解されなければならない。

Claims

請求の範囲

1. S n 9. 0〜 ： L 5. 0重量％、 P b 8. 5〜 1 1. 0重量％、 N i 3重量％以下、 Z n 3. 0〜 ； 1 0. 0重量％を含み、 残りが C uである組成範囲を有する摺動面用材料。

2. S n 1 2. 5 7重量％、 P b 9. 9 9重量％、 N i l . 4 8 重量％、 Z n 3. 3 9重量％を含み、 残りが C uである組成範囲 を有する摺動面用材料。 3. S n 1 2.

3 0重量％、 P b 9. 6 5重量％、 N i 1. 4 5 重量％、 Z n 5. 1 4重量％を含み、 残りが C uである組成範囲 を有する摺動面用材料。

4. S η 1 2. 1 2重量％、 P b 9. 5 1重量％、 N i l . 4 3 重量％、 Z n 6. 84重量％を含み、 残りが C uである組成範囲 を有する摺動面用材料。