曰月 糸田 β 抗原べプチド化合物および免疫学的測定方法 技術分野
本発明は、 HCV (C型肝炎ウィルス) 関連抗体の測定に有用な抗原ペプチド 化合物および免疫学的測定方法に関する。
背景技術
地球上には種々のウィルスが存在しており、 そのうちの幾つかは病原体である c 例えば、 ウィルス性肝炎の原因となる肝炎ウィルスは、 輸血、 注射あるいは出産 等の際に感染することが知られている。
輸血はヒトの生命維持のための重要な一手段であるが、 この輸血によってウイ ルス性肝炎が発症した例が、 現在まで数多く報告されている。 このウィルス性肝 炎は、 一般に A型、 B型および非 A非 B型に分類されている。
従来においては、 B型肝炎ウィルス (HBV) も輸血時のウィルス性肝炎の原 因として知られていた。 近年この HBVの存在を検出する検査試薬が開発され、 輸血前に簡便に HBVの存在を確認することが可能となったため、 輸血による H BV感染者は皆無となった。 一方、 明らかにウィルス性でありながら、 それまで 肝炎を起こす原因として考えられていた A型肝炎ウィルス (HAV) による A型 でも HBVによる B型でもない肝炎 (非 A非 B型; ηοηΑηοιιΒ型) の存在も知られ ていたが、 その発生源 (ウィルス) を確認することは、 従来は困難とされていた。
1989年に、 Choo, Q- L.ら (Science, 244 , 359-362, 1989 ) および Kuo ,G.ら (Science, 244_, 362-364, 1989 ) によって、 非 A非 B型肝炎ウィルス の存在が明らかにされた。 この肝炎ウィルスは HCV (C型肝炎ウィルス) と命 名されたが、 この HCVはヒトとチンパンジーのみに感染することが、 以前から
1
報告されていた。
上記文献においては、 以下のような実験が記載されている。 すなわち、 患者に 投与されて非 A非 B型肝炎を発症させた血液凝固第 VI 11因子製剤と同じ製剤をチ ンパンジー No. 1に投与し、 非 A非 B型肝炎を発症させた。 更に該チンパンジー の肝臓からの抽出物をチンパンジー No. 2に投与し、 同様に非 A非 B型肝炎を発 症させた後、 チンパンジー No. 2の血漿を抽出した。 また、 このチンパンジー No.
2の血漿を更にチンパンジー No. 3に投与し、 非 A非 B型肝炎の発症を確認し た。 この発症が確認された血漿に対して、 目的とするウィルスをフラビノウィル スと想定してウィルス粒子の濃縮操作 (Bradley, D, W.ら: Gastroenterology, 88 : 773-779, 1989) を行い、 ウィルスの RNAを抽出した。 このようにして得 た RNAに基づいて cDNAを合成し、 人 gtllライブラリ一を作製した。 このえ gtllライブラリーに対して、 回復期のチンパンジー血清や非 A非 B型慢性肝炎患 者血清を用いたィムノスクリ一二ングを行い、 反応するクローンの選択を行った。 この結果、 5-1-1 と称されるクローンのみが HCVに由来する c DNA断片であ ることが確認された。
上述した操作は、 特公平 2— 50 G 880号公報にも記載されており、 遺伝子 配列も明らかにされている。 また、 日本でも HCVの遺伝子配列に関する報告が なされている (Journal of Virology, 65(3) , 1105-1113, 1991) 。
1990年 6月の日本肝臓学会において、 HCV構造領域の遺伝子配列が自治 医科大学の岡本らによって明らかにされた (第 26回日本肝臓学会予稿集、 1 9 90年) 。 1990年 7月の日本癌学会においては、 岡本らと同様に、 HCVの 構造領域の遺伝子配列が明らかされた (第 49回日本癌学会予稿集、 1990年) 。 これらの発表を比較すると、 HCVコア領域に関しては遺伝子の変異がほとん どないが、 HCVエンベロープ領域の遺伝子配列に関しては、 両者間で若干の相 違が認められる。
その後、 H CV構造領域のコア抗原と H CV非構造領域の抗原部位とを組み合
_ わせた抗体検査が提案され (臨床病理, 40(12), 1245-1251,1992) 、 このような 抗体検査により、 ほぼ完全に HCV抗体陽性者のスクリーニングを行うことが可 能となった。
一方、 HCV検査と平行して C型肝炎のインタ了フエロンによる治療が行われ るようになったが、 HCVの遺伝子型(genotype)の種類により、 イン夕一フエ口 ン治療の効果が異なること判明している。 この genotypeの分類は、 Okamoto H.: 肝胆臈, 24, 7-14 (1992) によって明らかにされており、 I型 (Pro atl. Ac ad. Sci. USA, 88, 2451-2455, 1991 ) 、 Π型 (Journal of virology, 65(3) :
1105〜1U3, 1991) 、 III 型 (Journal of General Virology, 72, 2697-2704, 1991) および IV型 (Virology, 188 , 331-341, 1992 ) に分類されている。 19 93年 6月に行われた日本肝臓学会では、 genotype I型および II型 (インターフ ェロン治療: 20%有効) は、 genotypelll型および IV型 (インターフェロン治 療: 80%有効) に比べ、 インターフェロンの治療効果が低いことが報告された
(第 29回日本肝臓学会予稿集、 第 55頁、 1993年) 。
ィンターフェロンの投与は脱毛や発熱などの強い副作用が伴うことが多く、 患 者への負担が大きいため、 治療前の H C Vgenotypeの判定はィンターフェロン投 与効果の予測に極めて重要である。 しかしながら、 従来の genotype判定法におい ては、 「患者検体中の HC Vの RNA抽出、 これに対応する c D NAの合成、 該 cDNAの PCR (ポリメラ一ゼ連鎖反応) 法による増幅、 電気泳動法を用いる 増幅 cDNAのバンドの確認」 という、 通常 48時間以上にもおよぶ複雑な工程 を経て genotypeが決定されていたため、 長い時間と高いコストとが必要とされて いた。
一方、 遺伝子組み替えの方法を用いて製造した抗原 (約 300個のアミノ酸か らなる) を用いて、 患者血清中の HCV抗体が 2つのタイプに分類できることが 報告されている (肝胆脬、 ϋ、 883〜 889、 1991年) が、 この分類は、 上記した (インターフェロン治療の判定に重要な) genotypeとの対応の点におい
て必ずしも充分ではなかった。
上述したように、 インターフェロン投与には多額の費用がかかるが、 このイン 夕一フエロン投与の前提となる上記 genotypeの判定にも多額の費用がかかるとい う欠点があった。 治療前に H CVの genotype判定を簡便に行うことが可能であれ ば、 インターフェロン投与効果を簡便に予測することが可能となり、 インターフ ェ口ンの投与方法や治療指針を計画的に策定することができ、 更には患者への精 神的、 肉体的、 並びに経済的負担を軽減することができるため、 簡便な HCVの genotype判定が切望されていた。
したがって本発明の目的は、 HCVの genotype I型および Π型と、 genotypell I 型および IV型との区別が可能な HCV抗体の簡便な測定を可能とする HCV抗 体測定用抗原を提供することにある。 発明の開示
本発明者は鋭意研究の結果、 HCV抗原部位に基づく特定のアミノ酸配列 (少 なくとも 6個のアミノ酸を含む配列) を用いて HCV抗体型 (serotype) の判定 を行うことが、 H CVの genotype I型および II型と、 genotypell I 型および IV型 との簡便な区別を可能とするのみならず、 抗原―抗体反応に伴う交叉反応な ί、し 非特異反応を効果的に抑制して、 上述した目的の達成に極めて効果的であること を見出した。
本発明の抗原べプチド化合物は上記知見に基づくものであり、 より詳しくは、 下記式 (1) で示される配列に含まれるアミノ酸配列であって、 連続した少なく とも 6個のアミノ酸からなる配列を含むことを特徴とするものである。
Leu- S e r- G 1 y- A r g- P r o- Al a- l i e- V a 1 - P r o- Asp- Ar g- G 1 u- Va 1- L eu- T y r- Gi n- G 1 u- Phe - Asp- G I u ( 1 )
本発明によれば、 更に、 下記式 (2) で示される配列に含まれるアミノ酸配列
― であって、 連続した少なくとも 6個のアミノ酸からなる配列を^むことを特徴と する抗原べプチド化合物が提供される。
V a 1- A s n- Gin- A r g- A l a- V a 1 - V a 1- Al a- P r o- As - L y s- G lu- V a 1- L eu- T y r- G 1 u- A l a- P h e- A s p- Gl u (2)
本発明によれば、 更に、 下記式 (3) で示される配列に含まれるアミノ酸配列 であって、 連続した少なくとも 6個のアミノ酸からなる配列を含むことを特徴と する抗原べプチド化合物が提供される。
C y s- T h r- Th r- Hi s- H i s- Va 1- S e r- Pr o- As p- Al a- As p- Leu- l i e- G lu- Al a- As n- L eu- Leu- T r p- Ar g (3)
本発明によれば、 更に、 下記式 (4) で示される配列に含まれるアミノ酸配列 であって、 連続した少なくとも 6個のアミノ酸からなる配列を含むことを特徴と する抗原ぺプチド化合物が提供される。
Cys- Thr- Th r- H i s- G 1 y- Lys- Al a- Ty r- As p- V a 1 - As p- Me t- Va I- Asp- Al a- Asn- L eu- P h e- Me t- G 1 y (4)
本発明によれば、 更に、 下記式 (5) で示される配列に含まれるアミノ酸配列 であって、 連続した少なくとも 6個のアミノ酸からなる配列を含むことを特徴と する抗原べプチド化合物が提供される。
G i n- G lu- Ph e- As - G lu- Me t- G lu- Glu- Cys - Al a- S e r- H i s- Leu- P r e- T r- l i e- G lu- G 1 n- G 1 y- Me t · (5)
本発明によれば、 更に、 下記式 (6) で示される配列に含まれるアミノ酸配列 であって、 連続した少なくとも 6個のアミノ酸からなる配列を含むことを特徴と する抗原べプチド化合物が提供される。
G lu- A l a- Phe- As - G 1 u- Me t- G 1 u- G 1 u- C y s- Al a- S e r- A r g- A l a- A l a- Leu- l i e- G l u- G lu- G 1 y- G 1 n (6)
本発明によれば、 更に、 下記式 (7) で示される配列に含まれるアミノ酸配列 であって、 連続した少なくとも 6個のアミノ酸からなる配列を含むことを特徴と する抗原べプチド化合物が提供される。
G 1 y- A r g- A r g- Gi n- P r o- l i e- Pr o- L y s - Al a- A r g- A r g- Pr o- G lu- G 1 y- A r g- Thr- T r p- Al a- G in- P r o (7)
本発明によれば、 更に、 下記式 (8) で示される配列に含まれるアミノ酸配列 であって、 連続した少なくとも 6個のァミノ酸からなる配列を含むことを特徴と する抗原べプチド化合物が提供される。
G 1 y- Ar g- Ar g- Gin- P ro- l i e- Pro- L y s - A s p- A r g- A r g- S e r- Thr- G 1 y- L y s - S e r- T r p- G 1 y- L y s- Pr o (8)
本発明によれば、 更に、 下記式 (9) で示される配列に含まれるアミノ酸配列 であって、 連続した少なくとも 6個のアミノ酸からなる配列を含むことを特徴と する抗原べプチド化合物が提供される。
l i e- l i e- Leu- S e r- G 1 y- A r g- Pr o- Al a- l i e- V a 1 - Pr o- As p- A r g- G lu.- Leu- Leu- T y r- G in- G lu- Phe- As - G lu- Me t- Glu- Glu- C y s- Al a - S e r- Hi s- Leu- P r o- T y r- l i e- Glu- G i n- G 1 y-
Me t- Gi n- Leu- Al a (9) (ckk- nl(40))
(一文字表記: I I LSG RPAIV PDREL L YQE F DEM EE C ASHL P Y I EQ GMQLA)
本発明によれば、 更に、 下記式 ( 10) で示される配列に含まれるアミノ酸配
列であって、 連続した少なくとも 6個のアミノ酸からなる配列を含むことを特徴 とする抗原べプチド化合物が提供される。
Leu- Hi s- Val- Asn- Gin- A r g- Ala- Val- Va 1- A 1 a- Pr o- As - L y s- G 1 u- Val- Leu- T y r- G 1 u- A 1 a- Phe- Asp- G 1 u- Met- G 1 u- G 1 u- C y s- A 1 a- S e r- A r g- Ala- Ala- Leu- l i e- G 1 u- G 1 u- G 1 y-
Gln- Arg- I l e- Ala (10) (ckk-n2(40))
(一文字表記: LHVNQ RAVVA PDKEV L YE AF DEMEE CASRA AL I EE GQRIA)
本発明によれば、 更に上記式 (1) 〜 (10) のいずれかに記載の抗原べプチ ドを担体に結合させ、 抗原—抗体反応を利用して該ぺプチドに検体中の H C V抗 体を結合させ、 更に抗原—抗体反応を利用して該 HCV抗体に標識リガンドを結 合させることにより、 上記検体中の H C V抗体を測定することを特徴とする HC V抗体の免疫学的測定法が提供される。
ここに、 「リガンド」 とは、 抗原および/又は抗体に対して特異的な結合性を 有する物質 (例えば抗体およびノ又は抗原) をいう。
上述した従来の genotype判定においては、 H C V遺伝子の配列自体を利用して HCVの型判定を行っているが、 本発明においては、 HCVに固有の抗原部位に 対する抗体の型 (serotype) を利用して H CVの型判定を行っている。 このよう な抗体型の判定は、 従来の genotype判定 ( H C Vの R N A抽出→ c D N Aの合成 該 cDNAの P CR法による増幅 電気泳動法を用いた増幅バンドの確認) に 比べて著しく短時間で行うことができ、 しかも作業工程も単純であるため、 本発 明によれば、 簡便且つ低コストの HCV型 (genotype) の判定方法を提供するこ とができる。
更には、 上記した従来の血清型判定法 (約 300個のアミノ酸からなる抗原を 用いる) と比較して、 本発明においては、 抗原—抗体反応に伴う交叉反応ないし
非特異反応が効果的に抑制されている。 図面の簡単な説明
図 1は、 実施例 1において、 H C Vの c c r' e領域に関し Hydrophilicity Val ueを計算により求めた結果を示すグラフである。
図 2は、 実施例 1において、 HCVの c o r e領域に関し Hydropathy Valueを 計算により求めた結果を示すグラフである。
図 3は、 実施例 1において、 H C Vの c o r e領域に関し Antigenicity Value を計算により求めた結果を示すグラフである。
図 4は、 実施例 1において、 H C Vの N S 4領域に関し Hydrophi licity Val ue を計算により求めた結果を示すグラフである。
図 5は、 実施例 1において、 H C Vの N S 4領域に関し Hydropathy Valueを計 算により求めた結果を示すグラフである。
図 6は、 実施例 1において、 HCVの NS 4領域に関し Antigenicity Valueを 計算により求めた結果を示すグラフである。
図 7は、 実施例 1において、 H C Vの N S 5領域に関し Hydrophi licity Value を計算により求めた結果を示すグラフである。
図 8は、 実施例 1において、 H C Vの N S 5領域に関し Hydropathy Valueを計 算により求めた結果を示すグラフである。
図 9は、 実施例 1において、 HCVの NS 5領域に関し Antigenicity Valueを 計算により求めた結果を示すグラフである。
図 ί 0は、 実施例 2において得られた抗原べプチド化合物 ( 1 ) (ckk- η5) の HP LC分析結果を示すクロマトグラムである。
図 1 1は、 実施例 2において得られた抗原ペプチド化合物 (2) (ckk-n6) の HP L C分析結果を示すクロマトグラムである。
図 12は、 実施例 2において得られた抗原ペプチド化合物 (3) (ckk-n3) の
„
HP L C分析結果を示すクロマトグラムである。
図 13は、 実施例 2において得られた抗原ペプチド化合物 (4) (ckk-n4) の HP L C分析結果を示すクロマトグラムである。
図 14は、 実施例 2において得られた抗原ペプチド化合物 (5) (ckk-nl) の HP LC分析結果を示すク Dマトグラムである。
図 15は、 実施例 2において得られた抗原ペプチド化合物 (6) (ckk-n2) の HPL C分析結果を示すクロマトグラムである。
図 16は、 実施例 2において得られた抗原ペプチド化合物 (7) (ckk-cl) の HPL C分析結果を示すクロマトグラムである。
図 17は、 実施例 2において得られた抗原ペプチド化合物 (8) (ckk-c2) の HP L C分析結果を示すクロマトグラムである。
図 18は、 実施例 2において得られた抗原べプチド化合物 ( 9 ) (ckk-nl (40)) の HPL C分析結果を示すクロマトグラムである。
図 19は、 実施例 2において得られた抗原ペプチド化合物 (10) (ckk- n2(4 0)) の HPL C分析結果を示すクロマトグラムである。
図 20は、 実施例 4ないし 8で得られた serotype判定結果をまとめた集合を表 す図である。
図 21は、 実施例 9ないし 10で得られた C P H検体に関する serotype判定結 果をまとめた集合を表す図である。
図 22は、 実施例 9ないし 10で得られた CAH 2 A検体に関する serotype判 定結果をまとめた集合を表す図である。
図 23は、 実施例 9ないし 10で得られた C A H 2 B検体に関する serotype判 定結果をまとめた集合を表す図である。
図 24 (表 1) は、 ペプチド化合物 (1) に含まれるアミノ酸配列を示す表で ある。
図 25 (表 2) は、 ペプチド化合物 (2) に含まれるアミノ酸配列を示す表で
O 95/1191
10 ある。
図 26 (表 3) は、 ペプチド化合物 (3) に含まれるアミノ酸配列を示す表で ある。
図 27 (表 4) は、 ペプチド化合物 (4) に含まれるアミノ酸配列を示す表で ある。
図 28 (表 5) は、 ペプチド化合物 ( 5) に含まれるアミノ酸配列を示す表で める。
図 29 (表 6) は、 ペプチド化合物 (6) に含まれるアミノ酸配列を示す表で ある。
図 30 (表 7) は、 実施例 4および 5で得られた serotype判定結果をまとめた 表である。
図 31 (表 8) は、 実施例 6で得られた serotype判定結果をまとめた表である。 図 32 (表 9) は、 実施例 7で得られた serotype判定結果をまとめた表である。 図 33 (表 10) は、 実施例 8で得られた serotype判定結果をまとめた表であ る。
図 34 (表 1 1) は、 実施例 9で得られた serotype判定結果をまとめた表であ る。
図 35 (表 12) は、 実施例 10で得られた serotype判定結果をまとめた表で ある。
図 36 (表 13) は、 実施例 10で NS 4領域抗原ペプチド、 NS 5領域抗原 ぺプチド、 および c 0 r e領域抗原べプチドを用いて得られた serotype判定結果 をまとめた表である。 発明を実施するための最良の形態
以下、 必要に応じて図面を参照しつつ、 本発明を詳細に説明する。
本明細書における 「アミノ酸配列の表記」 においては、 N末端 (左側) から C
末端 (右側) へ記載することとする (例えば、 以下のアミノ酸配列 (1) におい ては、 L·eιlがN末端、 01 1が<3末端でぁる) 。 また、 本明細書においては、 下記に示すアミノ酸表記を用いる。
(アミノ酸の一文字表記および三文字表記)
く略号 > <名称 > く略号 > く名称 >
Asp D ァスパラギン酸 Va 1 V パリン
A s n N ァスパラギン Met メチォニン
Th r T トレオニン l i e I イソロイシン
S e r S セリン Leu L ロイシン
Glu E グルタミン酸 Ty r Y チロシン
Gin Q グルタミン Phe F フエ二ルァラニン
Pro P プロリン T r p W ト リプトファン
G 1 y G グリシン Ly s K リジン
Ala A ァラニン Hi s H ヒスチジン
Cy s C システィン Ar g R アルギニン
(抗原べプチド化合物)
本発明の抗原ペプチド化合物は、 下記式 (1) 又は (2) で示される配列 (アミノ酸 20個) に含まれる配列であって、 少なくとも 6個の連続したァミ ノ 酸からなる配列を有するペプチド化合物である。
Leu- S e r- G 1 y- A r g- Pro- Ala- l ie- V a 1 - Pro- Asp- A r g- Glu- V a 1 - Leu- T y r - Gin- Glu- Phe-
As - Glu ( 1) (ckk-ηδ; NS4L2-1 、 NS 4領域に対応)
(一文字表記: LSGRPAIVPDREVLYQEFDE)
V a I- A s n- Gin- As - A r g- Ala- V a 1 - Va i - Al a- Pro- Asp- L y s- Glu- V a 1 - Leu- T y r- Glu- Ala- Phe- Asp (2) (ckk-n6; NS4L2-2、 N S 4領域に対応)
823
12
(一文字表記: VNQDR AVVAPDKEVLYEAFD)
本発明者の知見によれば、 上記式 ( 1 ) 又は (2) で示されるアミノ酸 20個 からなる配列を構成する種々の長さのアミノ酸配列であって、 少なくとも 6個の 連続したアミノ酸を含む配列は、 本発明においてペプチド (1) および/又は
(2) と同様に、 抗原として好適に使用可能である。
このような種々の長さのアミノ酸配列 (アミノ酸 6個以上 20個以下) であつ て、 上記ペプチド化合物 ( 1) に含まれるアミノ酸配列としては、 例えば、 図 2 4 (表 1) に示す配列が挙げられる。
また、 このような種々の長さのアミノ酸配列 (アミノ酸 6個以上 20個以下) であって、 上記ペプチド化合物 (2) に含まれるアミノ酸配列としては、 例えば、 図 25 (表 2) に示す配列が挙げられる。
本発明者の知見によれば、 上記した ( 1) 又は (2) の配列を含むペプチド (アミノ酸 2 1個以上からなる) も上記 ( 1) 又は (2) と同様に抗原として好 適に使用可能である。 このようなペプチドを構成するアミノ酸の数は、 化学的に 合成する場合には 40個以下であることが好ましく、 リコンビナント法を用いて 得る場合には 100個以下であることが好ましい。
上述した抗原べプチド化合物 (少なくとも 6個のアミノ酸を含むぺプチド化合 物) を得る方法は特に制限されない。 該ペプチド化合物は化学的に合成してもよ く、 また遺伝子工学的手法 (例えば遺伝子組替え技術、 すなわちリコンビナント 法) を用いて製造してもよい。 化学的手法を用いる場合、 中間生成物の精製等が 容易な点からは、 固相法によりアミノ酸を連結することが好ましく、 更には自動 ペプチド合成機 (例えば、 アプライ ド ·バイオシステムズ社製の 43 OAぺプチ ド合成機) を用いて合成することが好ましい。
(抗原べプチド化合物の抗原性の確認)
上記したペプチド化合物 ( 1) および (2) の配列は、 HCVのNS 4領域の アミノ酸配列からの抗原部位の抽出に基づいて見出したものである (後述の実施
例 1を参照) 。 本発明者は、 更に、 これらのペプチド化合物 (1) および (2) を用いた酵素免疫測定法 (E L I S Aないし E I A) により H C Vgenotypeの検 査を行い、 別途 H CVgenotypeの判定を行った患者の検体を用いて、 その特異性 を確認した (後述の実施例 4および 5を参照) 。
(他の抗原ぺプチド化合物)
上述したペプチド化合物 (1) および (2) (いずれも HCVの NS 4領域に 対応する配列である) を用いることにより、 後述するように serotypeの判定が可 能であるが、 serotype判定の精度向上ないし適用範囲拡大の点からは、 上記ぺプ チド化合物 (1) および/又は (2) と、 他の抗原ペプチド化合物とを組合わせ ることが好ましい。 このような 「他の抗原ペプチド化合物」 としては、 下記のぺ プチド (3) 〜 (10) が挙げられる。
C y s- T h r- T h r- Hi s- Hi s- V a 1 - S e r- Pro- As - Ala- Asp- Leu- l ie- G 1 - Ala- A s n- Leu- L e u-
T r p- Ar g (3) (ckk-n3; NS5L2-1、 N S 5領域に対応)
(一文字表記: CTTHHVSPDADLェ EANLLWR)
Cys- Thr- Th r- Hi s- G 1 y- L y s- Ala- T y r- A s p- V a 1 - As - Met- V a 1 - Asp- Ala- A s n- Leu- P h e -
Met- G 1 y (4) (ckk-n4; NS5L2-2、 N S 5領域に対応)
(一文字表記: CTTHGKAYD VDMVDANL FMG)
Gin- Glu- Phe- Asp- G 1 u- Met- G 1 u- G 1 u- Cys- Ala- Se r - Hi s- Leu- Pro- Tyr- l ie- Glu - Gin-
G 1 y- Me t …… (5) (ckk-nl; NS4L3-1、 N S 4領域に対応)
(一文字表記: QEFDEMEECA SHLPYI EQGM)
Glu- Ala- Phe- As - Glu- Met - Glu- Glu- Cys- Ala- Se r- A r g- Ala- Ala- Leu- l i e- Glu- Glu- G 1 y- Gin (6) (ckk-n2: NS4L3-2、 N S 4領域に対応)
(一文字表記: EAFDEMEE CASRAAL I E EGQ)
G 1 y- A r g- A r g- Gin- Pro- l ie- Pro- L y s - A i a- Arg- Ar g- Pro- G 1 u- G 1 y- A r g- T h r- T r p- Ala- Gin- Pro (7) (ckk-cl; core- 1、 core領域に対応)
(一文字表記: GRRQP I PKARRPEGRTWAQP)
G 1 y- A r g- A r g- Gin- Pro- l ie- Pro- L y s - A s p- A r g- Ar g- S e r- T h r- G 1 y- L y s - S e r- T r p- G 1 y-
L y s- Pro (8) (ckk- c2; core_2、 core領域に対応)
(一文字表記: GRRQP IPKDRRSTGKSWGKP)
l i e- l ie- Leu- S e r- G 1 y- A r g- Pro- Ala- I 1 e- V a 1 - Pro- As - A r g- G 1 u- Leu- Leu- T y r- Gin - G 1 u- Phe- Asp- Glu- Met- G 1 u- Glu- C y s- Ala- S e r- Hi s- Leu- Pro- T y r- l i e- Glu- Gin- G 1 y-
Met- Gin- Leu- Ala (9) (ckk-nl(40)、 N S 4領 域に対応)
(一文字表記: I ILSG RP A I V PDREL LYQE F DEMEE CASHL PYIEQ GMQLA)
Leu- Hi s- Val- A s n- Gin- A r g- Ala- Va 1- V a 1- A 1 a- Pro- Asp- L y s - Glu- Val- Leu- T y r- Glu- Ala- Phe- Asp- Glu- Met- Glu- Glu- C y s- Ala- S e r- A r g- Ala- Ala- Leu- l ie- Glu- Glu- G 1 -
Gln- Arg- l i e- Ala (10) (ckk-n2(40), NS4 領域に対応)
(一文字表記: LHVNQ RAVVA PDKEV LYEAF DEMEE C A S R A AL I EE GQR I A)
上記べプチド (3) 〜 ( 10) についても、 NS 4領域対応のぺプチド ( 1 )
および (2) の場合と同様にして、 抗原性の確認、 製造等を行うことができる。 また、 本発明者の知見によれば、 上記式 (3) 〜 ( 10) で示されるアミノ酸 20個からなる配列を構成する種々の長さのアミノ酸配列であって、 少なくとも 6個の連続したアミノ酸を含む配列は、 本発明においてペプチド (3) 、 (4) 、 (5) 、 (6) 、 (7) 、 (8) 、 (9) 、 および/又は ( 10) のいずれかと 同様に、 抗原ペプチドとして好適に使用可能である。
このような種々の長さのアミノ酸配列 (アミノ酸 6個以上 20個以下) であつ て、 上記ペプチド化合物 (3) に含まれるアミノ酸配列としては、 例えば、 図 2 6 (表 3) に示す配列が挙げられる。
また、 このような種々の長さのアミノ酸配列 (アミノ酸 6個以上 20個以下) であって、 上記ペプチド化合物 (4) に含まれるアミノ酸配列としては、 例えば、 図 27 (表 4) に示す配列が挙げられる。
また、 このような種々の長さのアミノ酸配列 (アミノ酸 6個以上 20個以下) であって、 上記ペプチド化合物 (5) に含まれるアミノ酸配列としては、 例えば、 図 28 (表 5) に示す配列が挙げられる。
また、 このような種々の長さのアミノ酸配列 (アミノ酸 6個以上 20個以下) であって、 上記ペプチド化合物 (6) に含まれるアミノ酸配列としては、 例えば、 図 29 (表 6) に示す配列が挙げられる。
本発明者の知見によれば、 上記した (3) ないし ( 10) のいずれか配列を含 むペプチド (アミノ酸 2 1個以上からなる) も上記 (3) ないし (10) の配列 を有するペプチドと同様に、 抗原として好適に使用可能である。 このようなぺプ チドを構成するアミノ酸の数は、 化学的に合成する場合には 40個以下であるこ とが好ましく、 リコンビナント法を用いて得る場合には 100個以下であること が好ましい。
本発明者の知見によれば、 上記ペプチド化合物 (1) 〜 ( 10) をそれそれ単 独で抗原として用いる場合、 serotype判定の精度の点から、 抗原として好ましい
順は以下の通りである (この欄の記載においては、 「 ( 1) および/又は (2) 」 をまとめて 「NS 4— 1」 と表し、 「 (3) およびノ又は (4) 」 をまとめて 厂 NS 5」 と表し、 「 (5) および/又は (6) 」 をまとめて 「NS 4— 2」 と 表し、 「 (9) および/又は ( 10) 」 をまとめて 「NS 4— 40」 と表し、 「 (7) および/又は (8) 」 をまとめて 「c o r e」 と表す) 。
好ましい順: NS4— 1 >NS 5>NS 4— 2>c o r e
一方、 上記ペプチド化合物 NS 4— 1、 NS 5、 NS 4— 2、 および c o r e のいずれか 2種類を組合わせて抗原として用いる場合、 serotype判定の精度の点 から、 抗原として好ましい順は以下の通りである
好ましい順: (NS4— 1) + (NS 5) > (NS 4 - 2) + (NS 5) > (NS 4- 1 ) + (c o r e) > ( N S 4 - 2 ) + (c o r e) > (N S 5 ) 十 (c o r e)
また、 上記ペプチド化合物 NS 4— 1、 NS 5、 NS4— 2、 および c o r e のいずれか 3種類を組合わせて抗原として用いる場合、 serotype判定の精度の点 から、 抗原として好ましい順は以下の通りである
好ましい順: (NS 4— 1) + (NS 5) + (c o r e) > (NS 4- 2) + (NS 5) + (c o r e)
前記ペプチド化合物 「NS 4— 40」 (アミノ酸数 =40) は、 上記した組合 せにおいて、 「NS4— 1」 の代わりに好適に使用可能である。 このように 厂 N S4— 40」 を用いた場合には、 「NS 4— 1」 を用いた場合に比べ、 より高い 判定率 (= (判定出来た検体数) / (総検体数) ) を得ることができる。
(HCV抗体の測定方法)
上記した抗原ぺプチド化合物の H C V抗体との特異的結合性を利用して、 試料 ないし検体中の HCV抗体を免疫学的に測定することが可能である。 本発明にお いて使用する免疫学的測定法は特に制限されないが、 例えば、 公知のィムノアツ セィ法を特に制限なく使用することが可能である。 このようなィムノアツセィ法
としては、 例えば、 酵素免疫測定法、 放射免疫測定法 (RIA) 、 蛍光免疫測定 法 (FIA) 等が使用できる。 このィムノアッセィにおいては公知の測定技術 (例えば、 競合法、 二抗体法、 サンドイッチ法等) を特に制限なく使用すること が可能である。 このような公知の測定技術に関しては、 文献 (E I Aに関しては、 例えば、 石川榮治 「酵素免疫測定法」 (第 3版) 、 180頁、 医学書院) を参照 することができる。
本発明によれば、 上記抗原ぺプチド化合物を用いて HCV抗体を免疫学的に測 定することにより、 検体の HCV抗体の種類 (serotype) を判定することができ る (例えば後述するように、 HCVの serotypeが group I であるか、 group IIで あるか判定できる) 。 後述するように、 HCVserotypeの group I は HCVgeno type Iおよび IIに対応し、 H C Vserotypeの group IIは H C Vgenotype IIIおよ び IVに対応するため、 簡便な H C Vgenotypeの判定が可能となる。
上記ィムノアッセィにおいては、 必要に応じて、 上記抗原ペプチド化合物を担 体 (ないし支持体) に結合ないし固相化して、 その HCV抗体との特異的結合性 を利用して、 HCV抗原に対する抗体の種類 (すなわち HCVの serotype) を判 定することができる。 この際の担体ないし支持体としては、 ゥシ血清アルブミン (BSA) 、 好ましくは分子量 5万から 10万程度のポリペプチド、 マイクロプ レートのゥエル、 好ましくは直径 0. 1〃mから 6 mm程度のポリスチレンボ一 ル (ないしポリスチレンビーズ) 等が好ましく用いられる。
上記ペプチド (1) 〜 (10) は、 上述したように HCV抗体測定に好適に用 いることができるが、 更には、 例えば H CVに対するワクチン製造用の抗原ない し免疫原として用いることも可能である。 この場合のワクチンは、 例えば、 遺伝 子工学的手法を用いて作製することができる (リコンビナン卜法) 。
以下、 実施例に基づき本発明を更に具体的に説明する。
実施例 1
(HydroD ilicity Valueによる抗原部位の特定)
Geoffrey RS3 Nature, 302 ; 490-495 (1983) で合成された抗原性を有する ペプチドの配列と、 HCVの遺伝子配列 (第 26回日本肝臓学会予稿集、 199 0年;第 49回日本癌学会予稿集、 1990年; Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88, 2451-2455, 1991 ; Journal of virology, 65(3) , 1105〜1113, 1991; Jo urnal of General Virology, 72, 2697-2704,1991; Virology, 188 , 331-341, 1992 ) とに基づき、 HCVの非構造領域および構造領域のアミノ酸配列を決定 した。
このように求めたアミノ酸配列に基づき、 その抗原部位を Hopp TP, Proc. Nat 1. Acad. Sci. 78, 3824-3828 (1981) の方法で算出した。 より具体的には、 各 アミノ酸の Hydrophlicity Value を用い、 以下のようにして行った。
上記により求めた HCVを構成するアミノ酸配列に基づき、 連続する 6個のァ ミノ酸の Hyrdrophilicity Valueを合計した。 この計算を H C Vアミノ酸配列の 全領域について行い、 親水性および疎水性の強度を算出した。 親水性が高い部分 を、 抗原性を示す部位とした。
この際、 Jack K. , Mol. Biol. 157, 105 (1982) に示されている Hydropathy Value や Alan MS., Science, 227, 429 (1985) に示されている Antigenicity Value 等も、 上記 Hydrophi licity Valueと同様に算出することが可能であった。 上記 Hydrophilicity Valueを用いた計算により求めた結果を図 1〜3 (c o r e 領域) 、 図 4〜6 (NS 4領域) および図 7〜9 (NS 5領域) のグラフに示す (上記 Hydropathy Valueおよび Antigenicity Valueを用いた結果をも併せて示す) ο
上記図 1ないし図 9で得られた結果に基づいて C型肝炎の抗原となり得る領域 を抽出し、 更に、 このようにして求めた領域のうち、 genotype Iおよび genotype IIで共通のアミノ酸配列を有する領域と、 genotype IIIおよび genotype IVで共 通のアミノ酸配列を有する領域とを求めた。 この結果、 このような条件を満たし た抗原のアミノ酸配列として、 NS 4領域に関して下記の ckk- ιι5および ckk-n6が
求められた。
Leu- S e r- G 1 y- A r g- P r o- Al a- l i e- Va i- P r o- Asp- A r g- G lu- V a 1- Leu- T y r- Gi n- G lu- P h e- Asp- Gl u (ckk-n5)
V a 1- A s n- Gin- A r g- A l a- V a 1 - V a 1 - Al a- P r o- Asp- L y s - G lu- V a 1 - Leu- T y r- Glu- Al a- P h e - As - Gl u (ckk-n6)
同様の手法により、 抗原のアミノ酸配列として、 NS 5領域に関して下記の ck k-n3および ckk-n4が求められた。
C y s- Thr- Th r- Hi s- H i s- Va 1- S e r- Pr o- As - Al a- As - Leu- l i e- G lu- Al a- Asn- L eu- Leu- T r p- A r g (ckk-n3)
C y s- Thr- Thr- Hi s- G 1 y- L y s- Al a- T y r- As p- V 1- As p- Me t- V a 1- As - Al a- Asn- L eu- P h e - Me t- G 1 (ckk-n4)
同様の手法により、 抗原のアミノ酸配列として、 NS4領域に関して下記の ck k-nlおよび ckk-n2が求められた。
Gin- G lu- Ph e- As - G l u- Me - G lu- Glu- Cy s - Al a- S e r- H i s- Leu- P ro- T y r- l i e- G l - Gin- G 1 y- Me t (ckk-nl)
Glu- Al a- P h e- As - G lu- Me t - G lu- Glu- Cys - Al a- S e r- A r g- Al a- A l a- Leu- l i e- G lu- G lu - G 1 y- Gi n (ckk-n2)
同様の手法により、 抗原のアミノ酸配列として、 c o r e領域に関して下記の ckk- clおよび ckk- c2が求められた。
G 1 y- A r g- A r g- Gi n- P r o- l i e- P r o- L y s - Al a -
Ar g- Ar g- P r o- G 1 u- G 1 y- A r g- T h r- T r p- A l a- G i n- P r o (ckk-cl)
G 1 y- Arg- Ar g- Gi n- P r o- l i e- P r o- L y s - A s p- A r g- Ar - S e r- T h r- G 1 y- L y s - S e r- T r p- G 1 -
L y s- P r o (ckk- c2)
実施例 2
(C型肝炎の抗原の作製)
上記した HCVの抗原ペプチド化合物 (ckk-n5) および (ckk- n6) を以下に示 す方法で合成した。
ぺプチドの合成は、 自動ぺプチド合成機 Applied Biosystems 430A Peptide Sy nt esizer を用い、 t-Boc アミノ酸の対称性無水物を試薬として用いて行った。 得られた合成ぺプチドをァ二ツール ·ジメチルサルフアイ ド ·パラチォクレゾ一 ル内に溶解した後、 フッ化水素酸の存在下で、 0〜5°Cで 1時間反応させて脱保 護を行った (S. Sakakibara, Bull. Chem. So Jpn. 40, 2164 (1967) 参照) 。 脱保護により得られた粗結晶を 2 N酢酸に溶解してエーテルで抽出し、 抽出物 を凍結乾燥した。 この凍結乾燥物を HPLC (高性能液体クロマトグラフィー) を用いて精製した。
この HP L C精製は、 カラム (SISEID0 カプセルパック C18S G 1 20、 直径 46mm、 長さ 25 Omm) を用い、 純水中に 0. 1 %トリフルォロ酢酸 (Trif luoroacetic acid; TFA) と 5 %ァセトニトリル ( C H 3 CN) が含まれる溶 液と、 純水中に 0. 1%TF Aと 50%ァセトニトリルが含まれる溶液とを用い、 流量 1 2 m 1 /m i nで移動相にグラジェントをかけることによって行った。 この際に得られたクロマトグラムを図 1 0に示す。 図 10中に示したメインピ 一クが本実施例の合成抗原ぺプチド ckk- n5である。
上記と同様にして合成抗原べプチド ckk-n6を HPL Cを用いて精製した。 この 際に得られたクロマトグラムを図 1 1に示す。 図 1 1中に示したメインピークが
本実施例の合成抗原ペプチド ckk- 116である。
上記と同様にして、 上記した 6種類の合成抗原ペプチド ckk- n3、 ckk- n4、 ckk- nl、 ckk- ii2、 ckk-cK および ckk- c2を合成した。
それそれの精製時の HP L Cクロマトグラムを図 12 (ckk-n3) , 図 13 (ck k-n4) 、 図 14 (ckk-nl) 、 図 15 (ckk-n2) 、 図 1 6 (ckk-cl) 、 および図 1 7 (ckk-c2) に示す。
上記と同様にして、 下記 2種類の抗原ペプチド ckk- nl (40) 、 および ckk-n2 (40) を合成した。
l i e- l i e- Leu- S e r- G l y- A r g- Pro- Al a- l i e- V a 1 - Pr o- Asp- A r g- G 1 u- Leu- Leu- T y r- G 1 n- G lu- P h e- Asp- G 1 u- Me t - G lu- G 1 u- C y s- Al a- S e r- H i s- Leu- Pr o- T y r- l i e- Glu- G i n- G l y -
Me t- Gi n- Leu- Al a (9) (ckk-nl (40))
Leu- H i s- V a 1 - A s n- G i n- A r g- Al a- V a 1 - V a 1 - Al a- Pr o- Asp- L y s - G l - V a 1 - Leu- T y r- G 1 u- A 1 a- Ph e- As p- Glu- Me t- Glu- Glu- C y s- Al a - S e r- Ar g- Al a- Al a- L eu- l i e- Gl u- G l u- Gl y -
G in- Ar - l i e- Al a ( 10) (ckk-n2(40)) それそれの精製時の HPLCクロマトグラムを図 18 (ckk-nl (40)) 、 および 図 19 (ckk-n2(40)) に示す。
実施例 3
(ELISA用プレートの作製)
実施例 2で得た抗原べプチド ckk-n5を、 0. 15MNaC l— 0. 1 OMN a 2 HPO4 - NaH PO, - 2H, 〇緩衝液 ( P B S ) pH 7. 0に, 0. 04 g/mlの濃度となるように溶解した。 このペプチド溶液を、 96—ゥエル マイクロプレート (商品名 : ELISA PLATE 68667、 NUNC社製) に 1ゥエルあ
たり 100〃 1ずつ分注し、 37 °Cで 60分間静置して上記抗原べプチドをマイ クロプレー卜に固相化した。
余剰の前記ペプチド溶液を除去した後、 マイクロプレートを 0. 01MPBS
(pH7. 0) で 3回洗浄した。 洗浄液を除去した後、 濃度 0. 1%のゼラチン の 0. 01MPBS ( H 7. 0) 溶液を 1ゥエルあたり 300〃1ずつ分注し、 37°C60分間静置してゼラチンをプレート上にコーティングした。 余剰の前記 ゼラチン溶液を除去した後、 濃度 0. 05%の Twe en20を含有する 0. 0 1 M P B S溶液 ( p H 7. 0 ) で 3回洗浄した。
このようにしてゼラチンをコーティングしたプレートを 25°Cで 6時間乾燥し た後、 4°Cで検体分析時まで保存した。
実施例 4
(検体の分析)
検体 (約 100種類) は、 予め株式会社エスアールエル八王子ラボラトリーに おいて、 前記文献記載 (Okamoto Η·、 肝胆臈, , 7-14 (1992) ) の PCRを用 いる方法 HCV genotypeの検査を行い、 H C Vgenotypeの判定を得た。
このようにして P CR法により H C Vgenotypeの判定を行った検体を用いて、 以下のようにして実施例 2で得た抗原ぺプチドの特異性を確認した。 この検討に おいては、 実施例 3で作製した抗原ペプチド固相化マイクロプレートを用い、 以 下のような手順で分析を行った。
上記した各検体をそれそれ 0. 01%83八ぉょび0. 05%Tween20 を含有する 0. 01MPBS (pH7. 0 ) で 50倍に希釈して、 各ゥエルに 1 0 ずつ分注して、 上記抗原ペプチドと 37°Cで 60分間反応させた (抗原 ペプチド一 H C V抗体の反応) 。
反応後、 マイクロプレートを 0. 05%Tween20含有 0. 01MPBS (pH7. 0) で 5回洗浄し、 洗浄液を除去した後、 濃度 0. l〃g/20ml のペルォキシダーゼ標識抗ヒト I gG抗体 (KPL社製) を 100〃1ずつ各ゥ
3
23
エルに注入し、 37°Cで 60分間反応させた (HCV抗体一 POD標識枋ヒトェ gG抗体の反応) 。
反応後、 マイクロプレートを 0. 05% Twe e n 20含有 0. 01MPB S (pH7. 0) で 5回洗浄し、 洗浄液を除去した後、 各ゥエルに 0. 023 %過 酸化水素、 および 0 · 005 %o—フエ二レンジァミン (OPD) を含有する 0. 1Mクェン酸— Na2 HP 04 緩衝液を 100 1ずつ分注し 37°Cで 30分間 反応させた (ペルォキシダ―ゼの活性測定反応) 。 反応後、 5 N硫酸を 50〃 1 ずつ添加して反応を停止させ、 波長 49 1 nmの吸光度 (AB Sないし OD) を 分光光度計 (商品名 :プレートリーダ—、 日本ィン夕一メッド社製 N J— 200 1) で測定した。
実施例 5
(抗原べプチド ckk- n2を用レ、た検体の測定)
実施例 3で用いた抗原べプチド ckk-n5に代えて、 実施例 2で得た抗原べプチド ckk-n6を用いた以外は、 実施例 3と同様にして抗原べプチド ckk-n6を固相化した マイクロプレートを作製した。 このようにして得たマイクロプレートを用いた以 外は実施例 4と同様にして、 予め H CVgenotypeの判定を行った検体 (78種類) を分析した。
上記実施例 4および 5で得られた結果をまとめて図 30 (表 7) に示す。
上記表 7において、 第 1列は検体番号を示し、 第 2列は抗原ペプチド ckk-n5 (NS4L2-1 ) を用いた場合の検体の吸光度 (OD値) を示し、 第 3列は抗原ぺプ チド ckk-n6 (NS4L2-2 ) を用いた場合の検体の吸光度を示し、 第 4列は予め求め ておいた P CR法による判定結果 (genotype) を示し、 第 5列は本発明の方法に よる判定結果 (serotype) を示す。
本発明の方法による serotype判定においては、 第 1列の吸光度 (ckk- n5) と、 第 2列の吸光度 (ckk- n6) とを比較して、 いずれか一方の値が他方の値の 1. 5 倍以上であった場合に、 吸光度の高い方のタイプ (ckk- n5の方であれば serotype
/01823
24
1、 01^-116の方でぁれば36110 ;^6 2 ) とした。
上記実施例 4および 5で得られた serotype判定の結果をまとめて、 genotype判 定結果と比較したところ、 以下の対応関係が得られた (Hepatology, 16(4) , 886, 1992参照) 。
< serotypeと enotypeとのヌ寸 >
gen type iJS serotype判疋
( P C R ) ( N S 4 )
I group I
I I group I
I I I group 11
IV group I I
V -
(表中、 「genotypeV」 は、 P C R法による genotype判定において型判定不能な いし不明 (混在のものを含む) のものを示す。 )
実施例 6
(抗原べプチド ckk-n3および ckk- ιι4を用いた検体の測定)
実施例 3で用いた抗原べプチド ckk-nlに代えて、 実施例 2で得た N S 5領域の 抗原べプチド ckk- n3および ckk- n4をそれぞれ用いた以外は、 実施例 3と同様にし てそれそれの抗原べプチドを固相化したマイクロプレートを作製した。 このよう にして得たマイクロプレートを用いた以外は実施例 4と同様にして、 予め H C V genotypeの判定を行った検体 ( 4 8種類) を分析した。
本実施例で得られた結果をまとめて図 3 1 (表 8 ) に示す。
本実施例の方法による serotype判定においては、 表 7の場合と同様に、 第 1列 の吸光度 (ckk-n3; NS5L2-1 ) と、 第 2列の吸光度 (ckk- n2; NS5L2- 2 ) とを比 較して、 いずれか一方の値が他方の値の 1 . 5倍以上であった場合に、 吸光度の 高い方のタイプ (ckk-n3の方であれば serotype 1、 ckk- n4の方であれば serotype
2 ) とした。
本実施例で得られた serotype判定の結果をまとめて、 genotype判定結果と比較 したところ、 実施例 4および 5の結果と同様に、 以下の対応関係が得られた。 く serotypeと genotypeとのぉ応 >
genotype判定 serotype判疋
( P C R ) ( N S 5 )
I group I
II group I
I I I group 11
IV group 11
V 一
実施例 Ί
(抗原べプチド ckk- nlおよび ckk-n2を用いた検体の測定)
実施例 3で用いた抗原ペプチド ckk-n5に代えて、 実施例 2で得た N S 4領域の 抗原べプチド ckk-nlおよび ckk-n2をそれそれ用いた以外は、 実施例 3と同様にし てそれそれの抗原べプチドを固相化したマイクロプレートを作製した。 このよう にして得たマイクロプレ一トを用いた以外は実施例 4と同様にして、 予め H C V genotypeの判定を行った検体 (4 5種類) を分析した。
本実施例で得られた結果をまとめて図 3 2 (表 9 ) に示す。
本実施例の方法による serotype判定においては、 表 7の場合と同様に、 第 1列 の吸光度 (ckk-nl; NS4L3-1 ) と、 第 2列の吸光度 (ckk-n2; NS4L3-2 ) とを比 較して、 いずれか一方の値が他方の値の 1 . 5倍以上であった場合に、 吸光度の 高い方のタイプ (ckk-nlの方であれば serotype 1、 ckk-n2の方であれば serotype 2 ) とした。
本実施例で得られた serotype判定の結果をまとめて、 genotype判定結果と比較 したところ、 実施例 4および 5の結果と同様に、 以下の対応関係が得られた。
P94/01823
26 く serotypeと genotypeとの対応〉
genotyp判定 serotype判定
(PCR) (NS 4)
I group I
I I group I
I I I group 11
IV group II
V 一
実施例 8
(抗原べプチド ckk- clおよび ckk- c2を用 L、た検体の測定)
実施例 3で用いた抗原べプチド ckk-n5に代えて、 実施例 2で得た c o r e領域 の抗原べプチド ckk- clおよび ckk-c2をそれそれ用いた以外は、 実施例 3と同様に してそれそれの抗原べプチドを固相化したマイクロプレートを作製した。 このよ うにして得たマイクロプレートを用いた以外は実施例 4と同様にして、 予め HC Vgenotypeの判定を行った検体 ( 42種類) を分析した。
本実施例で得られた結果をまとめて図 33 (表 10) に示す。
本実施例の方法による serotype判定においては、 表 1の場合と同様に、 第 1列 の吸光度 (ckk-cl; core-1) と、 第 2列の吸光度 (ckk-c2; core-2) とを比較し て、 いずれか一方の値が他方の値の 1. 5倍以上であった場合に、 吸光度の高い 方のタイプ (ckk-clの方であれば serotype 1、 ckk-c2の方であれば serotype 2 ) とした。
本実施例で得られた serotype判定の結果をまとめて、 genotype判定結果と比較 したところ、 実施例 4および 5の結果と同様に、 以下の対応関係が得られた。 < serotypeと genotypeとの対応 >
genotype判定 serotype判定
(P CR) (c o r e)
I group I
I I group I
I I I group 11
IV group 11
V 一
上記実施例 4〜 8で得られた serotype判定の結果をまとめて図 3 2に示す。 図 3 2において、 それそれの集合を示す円の中の数字は、 それそれの領域の抗 原ペプチドを用いた際に識別できた検体の数を示す。 各集合の共通部分は、 それ それの領域の抗原べプチドを用いた際に共通に識別できた検体の数を示す。
上述したように、 genotype Iおよび genotype 11は serotype Iと良く相関し、 一方、 genotype IIIおよび genotype IVは serotype I!と良く相関していた c 上述した N S 4領域 (N S 4— 1および N S 4— 2を合せたもの) 、 N S 5領 域、 および c o r e領域の抗原べプチド化合物を用いた serotype判定結果を組合 わせた場合、 genotypeで型判定できた検体のうち 8 6 %が本発明の方法による se rot ype判定が可能であった。
実施例 9
(抗原ペプチド ckk- ill (40) および ckk-n2 (40) を用いた検体の測定)
実施例 3で用いた抗原べプチド ckk- n5に代えて、 実施例 2で得た N S 4領域の 抗原ぺプチド ckk-nl (40) および ckk-n2 (40) (アミノ酸数 4 0 ) をそれそれ用 いた以外は、 実施例 3と同様にしてそれそれの抗原べプチドを固相化したマイク 口プレートを作製した。
このようにして得たマイクロプレートを用いた以外は実施例 4と同様にして、 予め実施例 4 (抗原ペプチド ckk-ii5使用) 、 および実施例 5 (抗原ペプチド ckk - ιι6使用) の方法で H C Vserotypeの判定を行った検体 ( 1 0 0種類) を分析した。 該 1 0 0種類の検体の内訳は、 C A H (慢性活動型肝炎) 患者の検体 8 3種類、 および C P H (慢性持続性肝炎) 患者の検体 1 7種類であった。
CT/JP94/01823
28
本実施例で得られた結果をまとめて図 34 (表 1 1 ) に示す。
表 1 1においては、 実施例 4および 5の方法 (NS 4抗原ペプチドとして、 ァ ミノ酸数が 20の ckk- n5および ckk- n6を使用) による判定結果を 「NS 4 (20) 」 として表し、 本実施例の方法 (NS 4抗原ペプチドとして、 アミノ酸数が 40 の ckk- nl(40)および ckk-n2(40)を使用) による判定結果を 「N S 4 (40) 」 と して表した。
本実施例の方法による上記 serotype判定においては、 表 1の場合と同様に、 ck k-nl(40)を用いた場合の吸光度と、 ckk-n2(40)を用いた場合の吸光度とを比較し て、 いずれか一方の値が他方の値の 1. 5倍以上であった場合に、 吸光度の高い 方のタイプ (ckk-nl(40)の方であれば serotype 1、 ckk- n2(40)の方であれば sero type 2) とした。
上記表 1 1に示したように、 C A Hの検体 (83種類) では NS4 (20) の 場合の判定率が 62 % (=52 + 83) であったものが、 NS 4 (40) の場合 の判定率 83 % (= 69 + 83) へと向上した。 一方、 CPHの検体 ( 17種類) では NS4 (20) の場合の判定率 75 % (= 13+ 17) であったものが、 N S 4 (40) の場合の判定率 88% (= 1 5÷ 17) へと向上した。
実施例 10
CH 2 A (慢性活動型肝炎 CAHであって、 後述する CH2 Bより進行してい ないもの) 患者の検体 48種類、 CH2 B (慢性活動型肝炎 CAHであって、 前 記 C H 2 Aより進行したもの) 患者の検体 36種類、 および C P H (慢性持続性 肝炎) 患者の検体 17種類を用いて、 serotypeの判定 (実施例 9と同様の方法で 実施、 下記表において 「TYPE」 として示す) 、 genotype (実施例 4と同様の方法 で実施、 下記表において 「SUBTYPE」 として示す) 、 およびインターフェロン
( I FN) の有効性の程度 (下記表において、 N=効果なし、 P (partially ef fective ) =有効、 および C (completely effective) =著効) の判定を行った。 結果を図 35 (表 12) に示す。
更に、 上記表 12に示した検体と同じ検体について、 NS 5領域抗原ペプチド を用いた方法 (実施例 6の方法) 、 および c 0 r e領域抗原ペプチドを用いた方 法 (実施例 8の方法) による serotype判定を併せて行った。 結果を図 36 (表 1 3) に示す (本実施例における上記 「NS 4領域抗原ペプチド」 たる ckk- nl(40) および ckk- n2(40)を用いた場合の判定結果は、 「NS4」 として示した) 。
なお、 上記表 13中、 CH2A (40検体) および CH2B (29検体) の検 体数を合計した数が、 前記表 11の NS4 (40)判定数 (69検体) に対応し ている。
上記実施例 9〜10で得られた serotype判定の結果をまとめて図 21 (CPH 検体) 、 図 22 (CAH2A検体) 、 および図 23 (CAH2B検体) にそれそ れ示す。 図 19〜21では、 「N S 4領域抗原ペプチド」 たる ckk-nl(40)および ckk-n2(40)を用いた際の判定結果は、 「NS4」 として示してある。
図 21〜23において、 それそれの集合を示す円の中の数字は、 それそれの領 域の抗原べプチドを用いた際に識別できた検体の数を示す。 各集合の共通部分は、 それぞれの領域の抗原ペプチドを用いた際に共通に識別できた検体の数を示す。 産業上の利用可能性
上述したように本発明によれば、 HCVに固有の特定のアミノ酸配列を有する 抗原ペプチド化合物およびこれを用いる H C V抗体測定方法が提供される。
本発明によれば、 交叉反応ないし非特異反応を抑制しつつ検体の serotypeを簡 便且つ正確に判定することが可能となる。 したがって本発明によれば、 正確且つ 簡便な serotype判定に基づき、 例えば、 インターフェロン治療の効果をあらかじ め予測することが可能となる。
更には、 本発明による HCV抗体価測定に基づき、 C型肝炎の治癒ないし治療 経過を簡便に観察することが可能となる。
更には、 本発明によれば、 HCVの genotype I型および II型と、 genotypelll
型および IV型との区別が可能で、 しかも交叉反応ないし非特異反応が抑制された H C V抗体の測定を可能とする H C V抗体測定用抗原が提供される。
更には、 本発明によれば、 HCVの genotype I型および Π型と、 genotypelll 型および IV型との区別が可能な H C V抗体の簡便な測定法が提供される。
更には、 本発明によれば、 HCVの genotype I型および II型と、 genotypelll 型および IV型との区別が可能で、 しかも交叉反応なレ、し非特異反応が抑制された HCV抗体の測定法が提供される。
更には、 本発明によれば、 HCVの genotype I型および II型と、 genotypelll 型および IV型との区別が可能な低コス卜の H CV抗体の測定法が提供される。