WO1994019858A1 - Induit a cage d'ecureuil d'un moteur a induction - Google Patents

Description

明細書 誘導電動機の籠形回転子 技術分野

本発明は誘導電動機に関する。 さらに詳しくは、 本発明は高速型 の誘導電動機の籠形回転子に関する。 背景技術

誘導電動機の籠形回転子では、 珪素鋼板等の磁性薄板材料の積層 体からなる積層コアに、 二次導体を配置するための多数のスロッ ト が形成される。 これらのスロッ トは、 積層コアの外周面に沿って軸 方向へ延び、 周方向へ略等間隔に配置される。 特に、 工作機械のス ピン ドルモータ等に使用される高速型の誘導電動機において、 回転 子のスロッ トは、 積層コアの外周面に開口せずに軸方向への貫通孔 として形成される。 従来の籠形回転子における貫通孔形状のスロッ トは、 回転子の軸に直交する断面において、 円形輪郭、 又は積層コ ァの半径方向に長径を配置した略長円形輪郭を有するものが一般的 である。

籠形回転子が高速で回転すると、 遠心力による応力が積層コア内 に生じる。 この応力は、 積層コアの各スロッ 卜の壁の、 特に回転中 心に関する最小半径部位すなわち半径方向最内部に集中する。 この 応力集中が、 積層コアを形成する材料の弾性限度を超えると、 積層 コアのスロッ ト壁の半径方向最内部に永久歪み又はひび割れが生じ る。 応力集中の程度は、 軸に直交する断面上で、 スロッ ト壁の半径 方向最内部に隣接する所与の 2点における接線同士の交差角度が小 さい程大きくなる。 スロッ トの断面形状がスロッ ト壁の半径方向最内部に応力集中を 生じ易い形状であっても、 積層コアの直径が比較的に小さければ、 回転子の高速回転時にスロッ ト壁に生じる応力集中はさほど問題と ならない。 しかしながら、 より大径の積層コアを備えた高出力誘導 電動機の籠形回転子を高速回転する場合、 円形断面のスロッ トや積 層コアの半径方向に長径を配置した略長円形断面のスロッ トでは、 スロッ ト壁に生じる応力集中が積層コアに損傷を与えるかもしれな い課題が生じる。 発明の開示

本発明の目的は、 積層コアのスロッ ト壁に生じる応力集中を低減 し、 積層コアに永久歪みを生じるに至る回転子の限界回転速度を上 昇させて、 大径の回転子を有した高出力誘導電動機の場合でも、 剛 性を損なうことなく高速回転を可能にする誘導電動機の籠形回転子 を提供することにある。

上記目的を達成するために、 本発明は、 回転子軸と、 軸に直交す る所与の断面上で半径方向最大距離より大きな周方向最大距離を有 する所定輪郭の壁によって形成された軸方向へ貫通する複数のスロ ッ トを外周面近傍に備え、 回転子軸に同心に固定される積層コアと- 積層コアのスロッ トに配置される複数の二次導体、 及び積層コアの 軸方向両端で二次導体に連結される一対の端絡環からなる導体部と を具備する誘導電動機の籠形回転子を提供する。

本発明の好適な実施態様では、 積層コアのスロッ トは、 軸に直交 する所与の断面上で周方向に長径を配置する略長円形輪郭の壁によ つて形成される。 或いは、 積層コアのスロッ トを、 軸に直交する所 与の断面上で複数の異なる円弧を描く壁によって形成することもで きる。 また、 スロッ トの壁は、 積層コアの外周面に略平行に延びる 半径方向外側の部分を備えることが好ましい。 図面の簡単な説明

本発明の上記及び他の目的、 特徴、 及び利点を、 添付図面に示す 実施例に基づいて説明する。 同添付図面において、

図 1 は、 本発明の実施例による籠形回転子の軸方向断面図、 図 2は、 図 1の線 I I一 I Iに沿った断面図、

図 3は、 図 1の籠形回転子の積層コアの部分拡大端面図で、 積層 コアに形成されるスロッ トの断面形状を説明する図、 及び

図 4 A〜図 4 Cは、 図 1の籠形回転子の積層コアに形成されるス ロッ トの輪郭の他の実施例を示す図である。 発明を実施するための最良の形態

図面を参照すると、 図 1 は、 本発明の実施例による誘導電動機の 籠形回転子 1 0を示す。 籠形回転子 1 0は、 回転子軸 1 2 と、 珪素 鋼板等の磁性薄板材料の積層体からなり、 回転子軸 1 2に固定され る積層コア 1 4 と、 積層コア 1 4の外周面に沿って軸方向へ貫通形 成された複数のスロッ ト 1 6のそれぞれに配置される複数の二次導 体 1 8 と、 積層コア 1 4の軸方向両端に配置され、 複数の二次導体 1 8に連結される一対の端絡環 2 0 とを備える。 複数の二次導体 1 8及び一対の端絡環 2 0は、 別部材として成形された後、 積層コア 1 と共に組立てられるか、 又は、 例えばアルミニウムダイカス ト 等の铸造工程により積層コア 1 4に一体成型される。

図 2に示すように、 積層コア 1 4のスロッ ト 1 6は、 軸に直交す る所与の断面において半径方向最大距離 dよりも周方向最大距離 D の方が大きい略長円形輪郭の壁によって、 積層コア 1 4の外周面近 傍に形成される。 なお、 この明細書で 『略長円形』 という用語は、 / P /00301 後述するように、 楕円形、 円を所定方向へ移動した軌跡から得られ る形状、 多角形の隅部に所定曲率を付与した形状等を含むものとす る 0

各スロッ ト 1 6の半径方向外側の壁は、 積層コア 1 4の外周面に 略平行に延びる部分を備えることが好ましい。 また、 各スロッ ト 1 6の半径方向外側の壁を形成する積層コア 1 4の外縁部分 2 2は、 高速回転時に二次導体 1 8を確実に支持できる範囲内で可及的に小 さい半径方向寸法を有して周方向へ延びることが好ましい。 これら の構造によって、 籠形回転子 1 0を有した誘導電動機の磁気回路の 磁気抵抗が少なくなる。 また、 スロッ ト 1 6の半径方向内側の壁の 輪郭は、 応力集中を回避するために鋭角部分を有しないこと、 すな わち、 軸に直交する断面上でスロッ ト壁の半径方向最内部に隣接す る所与の 2点における接線が相互に鋭角に交差しないことが望まし い。

図 3は、 スロッ ト壁への応力集中を低減可能な好適な実施例によ るスロッ ト 1 6の輪郭を、 回転子 1 0の軸に直交する所与の断面に おいて示す。 この場合のスロッ ト 1 6の輪郭は、 所定半径 rの円を 回転子 1 0の回転中心 0に関して所定角度 0だけ回転させたときに- この円が描く軌跡によって得られた撓曲長円形状を有する。 したが つてスロッ ト 1 6の輪郭は、 積層コア 1 4の外周面に隣接する半径 R 1 , 中心角 0の外側円弧 2 4 と、 積層コア 1 4の内周面に隣接す る半径 R ₂ , 中心角 0の内側円弧 2 6 と、 外側円弧 2 4 と内側円弧 2 6 とをそれぞれの周方向両端部で連結する半径 r , 中心角 の一 対の円弧 2 8 とから形成される。 本願出願人は、 スロッ ト 1 6がこ の輪郭を有する場合に、 積層コア 1 4内でのスロッ ト壁への応力集 中が最も少ないことを、 実験により確認した。

図 4 A〜図 4 Cは、 本発明の他の実施例による籠形回転子のスロ ッ 卜の多様な輪郭を、 軸に直交する所与の断面上で示す。 図 4 Aに 示すスロッ ト 3 0は、 所与の平面上で直径 d！ の円を直線状に距離 ( D , - d！ ) だけ移動したときの軌钫から得られる形状の輪郭を 有する。 図 4 Bに示すスロッ ト 3 2は、 長径 D ₂ , 短径 d ₂ の楕円 形の輪郭を有する。 図 4 Cに示すスロッ ト 3 4は、 長辺 D ₃ , 短辺 d 3 の矩形の四隅を所定曲率で丸めた形状の輪郭を有する。 = d 2 = d 3 かつ = D ₂ = D ₃ の場合、 スロッ ト壁への応力集中 は、 これらのスロッ 卜の内で図 4 Aのスロッ ト 3 0が最も少なく、 図 4 Cのスロッ ト 3 4が最も大きい。 しかしながらスロッ ト 3 4の 場合でも、 円形輪郭のスロッ トに比べればスロッ ト壁への応力集中 は低減されることが確認された。

以上、 本発明を、 添付図面に示す実施例に関して説明したが、 本 発明は上記の説明をもって限定されるものではなく、 請求の範囲に 記載する発明の精神及び範囲から逸脱することなく多くの変更及び 修正を実施できるものである。 産業上の利用可能性

本発明によれば、 積層コアに設けた二次導体用スロッ トの壁に集 中する応力が低減される。 したがって本発明の籠形回転子を使用す ると、 積層コアに永久歪みを生じるに至る限界回転速度が上昇し、 高速回転が可能な誘導電動機を製造できる。 また、 大径の積層コア を有した高出力の誘導電動機でも、 積層コアの剛性を損なうことな く高速回転を得ることができる。

Claims

請求の範囲

1 . 回転子軸と、

軸に直交する所与の断面上で半径方向最大距離より大きな周方向 最大距離を有する所定輪郭の壁によって形成された軸方向へ貫通す る複数のスロッ トを外周面近傍に備え、 前記回転子軸に同心に固定 される積層コアと、

前記積層コアの前記スロッ トに配置される複数の二次導体、 及び 該積層コアの軸方向両端で該二次導体に連結される一対の端絡環か らなる導体部、

とを具備する誘導電動機の籠形回転子。

2 . 前記積層コアの前記スロッ トは、 軸に直交する所与の断面上 で周方向に長径を配置する略長円形輪郭の壁によって形成される請 求項 1 に記載の籠形回転子。

3 . 前記積層コアの前記スロッ トは、 軸に直交する所与の断面上 で複数の異なる円弧を描く壁によって形成される請求項 1 に記載の 籠形回転子。

4 . 前記スロッ トの壁は、 前記積層コアの外周面に略平行に延び る半径方向外側の部分を備える請求項 1 に記載の籠形回転子。