JPWO2022018516A5 - - Google Patents

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関連出願への相互参照
本出願は、2020年7月21日出願の中国特許出願第202010706658.X号(代理人整理番号第57837-709.711号)、および2020年7月21日出願の中国特許出願第202010706505.5号(代理人整理番号第57837-712.711号)に基づく利益を主張し、両出願のすべての内容は参照によって本明細書に援用される。
血管新生は、組織内の血管の新たな形成もしくは成長、または既存の毛細管または血管のさらなる形成もしくは成長を指し、疾患および健康に重要な役割を果たすものである。病理学的な眼の血管新生または新血管新生は、網膜、脈絡膜、および角膜に生じる可能性があり、重度の視覚障害を生じさせるおそれがある。眼の血管新生は、湿性加齢黄斑変性症(湿性AMD)、糖尿病性網膜症、黄斑浮腫などを含め広範な疾患に付随する。
抗VEGF抗体(ルセンティスなど)または融合タンパク質(アイリーアなど)といった、血管新生に関連する障害を処置するための薬物が多く開発されている。しかし、これらの薬物は半減期が短いため、有効性を維持するには注射を頻繁に繰り返すことが求められる。そのため、血管新生に関連する眼疾患の処置には、血管新生を標的とする新規の治療法が必要とされる。
配列表
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出されるとともに参照によって本明細書に援用される配列表を含む。2021年7月19日に作製された当該ASCIIのコピーは、名称57837-712_601_SL、サイズ24,376バイトである。
現在、当該技術分野では、血管新生に伴う眼疾患を有効に処置することができる組成物および方法の開発が必要とされている。
いくつかの態様では、本開示は、第1のプロモータに操作可能に連結された第1の配列、および第2のプロモータに操作可能に連結された第2の配列を含む、第1のポリヌクレオチドであって、第1の配列が、アデノ随伴ウイルス(AAV)カプシドタンパク質をコードし、第2の配列が、AAV repタンパク質をコードする、第1のポリヌクレオチドと、第3のプロモータに操作可能に連結された第3の配列を含む第2のポリヌクレオチドであって、第3の配列が、血管内皮細胞成長因子(VEGF)阻害薬をコードするコドン最適化された核酸配列を含む、第2のポリヌクレオチドとを含む、組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、融合タンパク質、またはVEGF抗体もしくはその抗原結合フラグメントである。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、または配列番号4のアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、または配列番号12のアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、配列番号1のアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするコドン最適化された核酸配列。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、配列番号13と比して数が変化したCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、または5つ未満のCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、CpGジヌクレオチドを含まない。いくつかの実施形態では、第3の配列は、配列番号14、配列番号15、または配列番号16の配列を含む。いくつかの実施形態では、第1のプロモータおよび第2のプロモータは、昆虫細胞または哺乳動物細胞中での発現に好適である。いくつかの実施形態では、昆虫細胞はSf9細胞である。いくつかの実施形態では、哺乳動物細胞は、HEK293細胞またはその誘導体細胞である。いくつかの実施形態では、誘導体細胞はHEK293T細胞である。いくつかの実施形態では、第1のプロモータまたは第2のプロモータは、p10プロモータまたはpolhプロモータである。いくつかの実施形態では、第3のプロモータは、CMVプロモータ、CAGプロモータ、MNDU3プロモータ、PGKプロモータ、EF1aプロモータ、または眼に特異的なプロモータである。いくつかの実施形態では、眼に特異的なプロモータは、RPE65遺伝子プロモータ、ヒト網膜結合タンパク質遺伝子プロモータ、マウス11-シスレチノイドアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子プロモータ、ロドプシンプロモータ、ロドポシンキナーゼプロモータ、メタロプロテイナーゼ3プロモータの組織阻害薬、光受容体レチノール結合タンパク質プロモータ、卵黄様黄斑ジストロフィー2プロモータ、および光受容体間レチノイド結合タンパク質プロモータからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第1の配列、第2の配列、または第3の配列の3’末端は、ポリA配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、ポリA配列は、hGHポリ(A)、SV40ポリ(A)、またはβ-グロビンポリ(A)である。いくつかの実施形態では、第1の配列および第2の配列は、リンカーによって接続される。いくつかの実施形態では、リンカーは切断可能リンカーである。いくつかの実施形態では、リンカーは2Aペプチドを含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、内部リボソーム進入部位(IRES)を含む。いくつかの実施形態では、IRESは、足口病ウイルス(FMDV)由来である。いくつかの実施形態では、第2のポリヌクレオチドは、イントロンまたは調節要素を含む。いくつかの実施形態では、イントロンはキメライントロンを含む。いくつかの実施形態では、調節要素は、TPL(アデノウイルス由来のトリパータイトリーダー配列)およびeMLP(アデノウイルス主要後期プロモータ由来のエンハンサ要素)の配列を含む。いくつかの実施形態では、第2のポリヌクレオチドはコザック配列を含む。いくつかの実施形態では、第2のポリヌクレオチドは、ヒト骨格付着領域(SAR)配列を含む。いくつかの実施形態では、第2のポリヌクレオチドは、エンハンサをさらに含む。いくつかの実施形態では、エンハンサはCMVエンハンサである。いくつかの実施形態では、第2のポリヌクレオチドは、フィラー配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、第2のポリヌクレオチドは、末端逆位反復(ITR)配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、ITRは、AAV2 ITRである。いくつかの実施形態では、第2のポリヌクレオチドは、追加の治療タンパク質をコードする第4の配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、追加の治療タンパク質は、VEGF阻害薬、PDGF阻害薬、胎盤成長因子阻害薬、インテグリン阻害薬、mTOR阻害薬、アンジオポエチン阻害薬、およびTGFβ阻害薬からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第3の配列および第4の配列は、リンカーによって接続される。いくつかの実施形態では、リンカーは切断可能リンカーである。いくつかの実施形態では、リンカーは2Aペプチドを含む。
別の態様では、本開示は、本明細書に開示されるポリヌクレオチドのいずれか1つ、または本明細書に開示される組成物のいずれか1つを細胞に導入することによって調製される、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を提供する。いくつかの実施形態では、細胞は、昆虫細胞または哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態では、昆虫細胞はSf9細胞である。いくつかの実施形態では、哺乳動物細胞は、HEK293細胞またはその誘導体細胞である。いくつかの実施形態では、誘導体細胞はHEK293T細胞である。
別の態様では、本開示は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、または配列番号4のアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするコドン最適化された核酸配列を含む、ポリヌクレオチドを提供する。いくつかの実施形態では、配列番号1のアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするコドン最適化された核酸配列。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、配列番号13と比して数が変化したCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、または5つ未満のCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、CpGジヌクレオチドを含まない。いくつかの実施形態では、第3の配列は、配列番号14、配列番号15、または配列番号16の配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドはプロモータをさらに含む。いくつかの実施形態では、プロモータは、CMVプロモータ、CAGプロモータ、MNDU3プロモータ、PGKプロモータ、EF1aプロモータ、または眼に特異的なプロモータである。いくつかの実施形態では、眼に特異的なプロモータは、RPE65遺伝子プロモータ、ヒト網膜結合タンパク質遺伝子プロモータ、マウス11-シスレチノイドアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子プロモータ、ロドプシンプロモータ、ロドポシンキナーゼプロモータ、メタロプロテイナーゼ3プロモータの組織阻害薬、光受容体レチノール結合タンパク質プロモータ、卵黄様黄斑ジストロフィー2プロモータ、および光受容体間レチノイド結合タンパク質プロモータからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、ポリA配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、ポリA配列は、hGHポリ(A)、SV40ポリ(A)、またはβ-グロビンポリ(A)である。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、イントロンまたは調節要素をさらに含む。いくつかの実施形態では、イントロンはキメライントロンを含む。いくつかの実施形態では、調節要素は、TPL(アデノウイルス由来のトリパータイトリーダー配列)およびeMLP(アデノウイルス主要後期プロモータ由来のエンハンサ要素)の配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、コザック配列をさらに含む。
別の態様では、本開示は、本明細書に開示されるポリヌクレオチドのいずれか1つを含む、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を提供する。
別の態様では、本開示は、対象の細胞または組織中でVEGF阻害薬を発現させる方法であって、対象の細胞または組織に、本明細書に開示されるrAAV粒子のいずれか1つ、または本明細書に開示されるポリヌクレオチドのいずれか1つを投与する工程を含む方法を提供する。
別の態様では、本開示は、眼疾患の処置を必要とする対象の眼疾患を処置するための方法であって、対象に、本明細書に開示されるrAAV粒子のいずれか1つ、または本明細書に開示されるポリヌクレオチドのいずれか1つを治療有効量で投与する工程を含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、眼疾患は、湿性加齢黄斑変性症(湿性AMD)、糖尿病性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫、増殖性糖尿病性網膜症、および黄斑浮腫からなる群から選択される。
別の態様では、本開示は、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を調製するための方法であって、本明細書に開示される組成物のいずれか1つ、または本明細書に開示されるポリヌクレオチドのいずれか1つを細胞に導入する工程を含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、本方法は、本明細書に開示されるポリヌクレオチドのいずれか1つを細胞に発現させる工程を含む。いくつかの実施形態では、細胞は、昆虫細胞または哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態では、昆虫細胞はSf9細胞である。いくつかの実施形態では、哺乳動物細胞は、HEK293細胞またはその誘導体細胞である。いくつかの実施形態では、誘導体細胞はHEK293T細胞である。いくつかの実施形態では、本方法は、バクミドDNAおよび/またはバキュロウイルスを生成する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、VEGF阻害薬を発現する配列(本明細書に開示されるポリヌクレオチドなど)を含むバクミドDNAを生成する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、バクミドDNA rAAV cap-repを発現する配列を生成する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、細胞をバクミドDNAでトランスフェクトすることでバキュロウイルスを産生する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、VEGF阻害薬を発現する配列を含むバクミドDNAで細胞をトランスフェクトすることでバキュロウイルスを産生する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、細胞をバクミドDNAでトランスフェクトすることで、rAAV cap-repを発現する配列を含むバキュロウイルスを産生する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、バキュロウイルスを混合させることで細胞(Sf9細胞など)を感染させて、本明細書に開示されるパッケージングされたrAAV/VEGF阻害薬ウイルス粒子を得る工程をさらに含む。
参照による援用
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、それぞれの個々の刊行物、特許、または特許出願が、具体的かつ個別に、参照によって援用されると示された場合と同じ程度に、参照によって本明細書に援用される。参照によって援用される刊行物および特許または特許出願が、本明細書に含まれる開示と矛盾する限りにおいて、本明細書は、かかる矛盾の生じる題材に取って代わり、かつ/または優先されることを意図している。
本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に具体的に明記される。本発明の特徴および利点は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を明記する、以下の詳細な説明、および、添付の図面(本明細書中、「図(Figure)」および「図(FIG)」でもある)を参照することによって、より良く理解されるであろう。
293T細胞中のGFPをコードする第2のポリヌクレオチドのトランスフェクション後48時間での緑色蛍光タンパク質(GFP)の発現を示す蛍光画像を例示する図である。 トランスフェクション後48時間でのGFP発現細胞の割合を示す、フローサイトメトリーの結果を例示する図である。
本開示の様々な実施形態が本明細書中で示され、かつ記述されているが、当業者であれば、これらの実施形態はほんの一例として提供されることが明白であろう。当業者であれば、本開示から逸脱することなく、多くの変形、変更、および置換えを想到することができる。本明細書に記載される本発明の実施形態に対する種々の代案が利用される場合があることを理解されたい。
別段の指定のない限り、本明細書に開示される一部の実施形態の実施には、免疫学、生化学、化学、分子生物学、微生物学、細胞生物学、ゲノミクス、および組換えDNAといった従来技法が採用される。例えば、SambrookとGreenによるMolecular Cloning:A Laboratory Manual,4th Edition(2012)、the series Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubelら編)、the series Methods In Enzymology(Academic Press,Inc.),PC 2:A Practical Approach(M.J.MacPherson,B.D.HamesおよびG.R.Taylor編(1995)),HarlowおよびLane編(1988)Antibodies,A Laboratory Manual,and Culture of Animal Cells:A Manual of Basic Technique and Specialized Applications,6th Edition(R.I.Freshney編(2010))。
定義
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「前記(said)」は、文脈上明確に指定されていない限り、複数の参照を含む。例えば、「免疫賦活剤(immunoactivator)」という用語は、1つまたは複数の免疫活性化剤を含む。
「約(about)」または「およそ(approximately)」という用語は、当業者によって決定される特定の値に対する許容可能な誤差範囲内にあることを意味しており、部分的には、その値がどのように測定または決定されるか、すなわち測定システムの制限に依存することになる。例えば、当該技術分野での実施によれば、「約」は、1以上の標準偏差内で表される場合がある。代替的に、「約」は、所与の値の最大20%、最大10%、最大5%、または最大1%の範囲を意味する場合がある。あるいは、特に生物学的なシステムまたはプロセスに関して、この用語は、その値の1桁以内、好ましくは5倍、より好ましくは2倍以内にあることを意味する場合がある。特定の値が本出願と特許請求の範囲に記載される場合、「約」という用語は、別段の定めのない限りその特定の値に対する許容可能な誤差範囲内にあることを意味すると仮定されたい。
「処置」という用語は、本明細書で使用される場合、個体における疾患に対する処置の自然な経過を改変する取組みを指し、臨床病理の経過中の予防または実施のための臨床的介入であり得る。処置の所望の効果として、疾患の発生または再発を予防すること、症状を緩和すること、疾患の直接的または間接的な病理学的結果を減少させること、転移を予防すること、疾患進行の速度を遅くすること、疾患状態を改善もしくは低減させること、および/または予後を改善することが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」という用語は、あらゆる長さのアミノ酸ポリマーを指すように本明細書中では互換的に使用される。このポリマーは、線形、環状、または分枝状の場合があり、修飾アミノ酸を含有する場合があり、かつ非アミノ酸によって阻止される場合がある。これらの用語はまた、硫酸化、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、ヨウ素化、メチル化、酸化、タンパク質分解処理、リン酸化、イソプレニル化、ラセミ化、セレン化、タンパク質へのアミノ酸の転移RNA媒介型付加(例えば、アルギニン)、ユビキチン化、または標識成分(labeled components)との抱合といった他の操作などによって修飾された、アミノ酸ポリマーを含む。本明細書で使用される場合、「アミノ酸」という用語は、グリシンおよびDまたはL光学異性体のほか、アミノ酸アナログおよびペプチド模倣体を含む、天然および/または非天然もしくは合成のアミノ酸を指す。特定のタンパク質に「由来する」ポリペプチドまたはアミノ酸配列は、ポリペプチドの起源を指す。好ましくはポリペプチドは、配列中でコードされたポリペプチドのアミノ酸配列またはその一部と実質的に同じアミノ酸配列を有しており、その一部は、少なくとも10~20個のアミノ酸、少なくとも20~30個のアミノ酸、もしくは少なくとも30~50個のアミノ酸からなるか、または、配列中でコードされたポリペプチドにより免疫学的に特定することができる。この用語はまた、特定の核酸配列から発現されるポリペプチドも含む。本明細書で使用される場合、「ドメイン」という用語は、タンパク質またはペプチドの他の部分と物理的または機能的に区別される、タンパク質の一部を指す。物理的に定められたドメインは、膜結合型または細胞質結合型の配列など、極度に疎水性または親水性のアミノ酸配列を含む。ドメインはまた、例えば遺伝子複製によって生じる内部相同性によって定めることもできる。機能的に定められたドメインは、異なる生物学的機能を有する。例えば、抗原結合ドメインは、抗原結合ユニット、または抗原に結合する抗体の一部を指す。機能的に定められたドメインは、連続するアミノ酸配列によってコードされる必要はなく、機能的に定められたドメインは、1つまたは複数の物理的に定められたドメインを含有する場合がある。
本明細書で使用される場合、「アミノ酸」という用語は、DまたはL光学異性体のほか、アミノ酸アナログおよびペプチド模倣体を含むがこれらに限定されない、天然および/または非天然もしくは合成のアミノ酸を指す。アミノ酸を指定するために標準の1文字または3文字のコードが使用される。本文脈においてアミノ酸は、概して、当該技術分野で周知の1文字および3文字の略語で表される。例えば、アラニンは、AまたはAlaで表すことができる。
本明細書で使用される場合、ポリペプチドの場合において「配列」は、アミノ末端からカルボキシ末端までの方向にあるポリペプチド中のアミノ酸の配列であり、配列中で相互に隣接する残基は、ポリペプチド中にある。一次構造は連続している。配列はまた、1つまたは2つの方向に追加の残基を含有すると知られるポリペプチドの一部の線形配列であり得る。
本明細書で使用される場合、「同一性」、「相同性」、または「配列同一性」は、2つ以上のポリヌクレオチド配列、または2つ以上のポリペプチド配列間の配列の類似性を指す。2つの異なるアミノ酸配列間の配列の同一性、類似性、または相同性が、Emboss NeedleまたはBestFitなどのプログラムを用いて判定される場合、デフォルト設定を使用することができ、または、blosum45やblosum80などの適切なスコアリングマトリックスを、同一性、類似性、または相同性のスコアを最適化するために選択することができる。好ましくは、相同性のポリヌクレオチドは、厳密な条件下でハイブリダイズするものであり、これらの配列と比較して少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは95%、より好ましくは97%、より好ましくは98%、さらにより好ましくは99%の配列同一性を有する。同等の長さの配列が最適にアライメントされる場合、相同性のポリペプチドは、好ましくは少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するか、または少なくとも99%の配列同一性を有する。
本明細書に開示される抗原結合ユニットに関する限り、「配列同一性の割合(%)」は、配列同一性の一部としていずれの保存的置換も講じることなく、配列をアライメントして必要に応じてギャップを導入することで最大の配列同一性の割合を得た後、クエリ配列と別の参照ポリペプチド配列との間にある同じアミノ酸の割合として定義される。アミノ酸配列同一性の割合を判定するためのアライメントは、当業者の考え得る種々の方法で、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、NEEDLE、またはMegalign(DNASTAR)などの公的に利用可能なコンピュータソフトウェアを使用することによって達成することができる。当業者であれば、比較対象である配列の完全長を上回る最大のアライメントを得るのに必要なあらゆるアルゴリズムを含め、アライメントを測定するための好適なパラメータを決定することができる。同一性の割合は、定められたポリペプチド配列全体の長さに対して測定することができるか、または、より短い長さ、例えば、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも50、少なくとも100、または少なくとも200の連続する残基のフラグメントなど、より大きな定められたポリペプチド配列から得られるフラグメントの長さに対して測定することができる。これらの長さは単なる例示であり、本明細書中の表、図面、または配列表に示される配列によって支持されるいずれのフラグメント長も、同一性の割合が測定可能である長さを記述するのに使用できることを理解されたい。
本明細書に記載のタンパク質は、参照配列に対して1つまたは複数の修飾を有してもよい。この修飾は、アミノ酸残基の欠失、挿入、もしくは付加、または置換であり得る。「欠失」は、1つまたは複数のアミノ酸残基の除去に起因するアミノ酸配列の変化を指す。「挿入」または「付加」は、参照配列と比較して、1つまたは複数のアミノ酸残基の付加をもたらすアミノ酸配列の変化を指す。「置換」または「置換された(substituted)」は、1つまたは複数のアミノ酸が異なるアミノ酸で置換されることを意味する。本明細書中では、参照配列と比較した場合の抗原結合フラグメントの変異は、抗原結合フラグメントと参照配列とを比較することによって判定することができる。比較に最適な配列アライメントは、当該技術分野で公知のあらゆる方法に従い実行することができる。
本明細書で使用される場合、「単離された」という用語は、ポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体、またはそのフラグメントが自然にある場合での、細胞成分または他の成分からの分離を指す。当業者であれば、非自然発生のポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体、またはそのフラグメントが、その自然発生の相当物と区別されるために「単離される」必要がないことを把握している。加えて、「濃縮」、「単離」、もしくは「希釈」されたポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体、またはそのフラグメントは、単位体積あたりの分子の濃度または数が、それらの自然発生の相当物よりも多い(「濃縮される」)かまたは少ない(「単離される」)ことに起因して、それらの自然発生の相当物と区別可能である。富化は、単位体積あたりの溶液の重量などの絶対量に基づき測定することができ、または、ソースとなる混合物に存在する別の妨害を行う可能性のある物質に対して測定することができる。
「ポリヌクレオチド」、「核酸」、「ヌクレオチド」、および「オリゴヌクレオチド」という用語は、互換的に使用される。これらは、あらゆる長さのヌクレオチド(デオキシリボヌクレオチドであるかリボヌクレオチドであるかを問わない)またはそれらのアナログの、重合形態を指す。ポリヌクレオチドはあらゆる三次元構造を有し、公知または未知のあらゆる機能を実行することができる。ポリヌクレオチドの非限定的な例は、遺伝子もしくは遺伝子フラグメントのコーディングもしくは非コーディング領域、連鎖分析から判定される座位、エクソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、転移RNA、リボソームRNA、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分枝ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、単離されたDNA、単離されたRNA、核酸プローブ、プライマー、オリゴヌクレオチド、または合成DNAである。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチドやヌクレオチドアナログなどの修飾ヌクレオチドを含む場合がある。ヌクレオチド構造に対する修飾は、ポリマーの形成の前または後に付与することができる。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分によって阻止される場合がある。ポリヌクレオチドは、例えば標識成分との抱合によって、重合化の後にさらに修飾することができる。
「組換え(recombinant)」は、ポリヌクレオチドに適用される場合、ポリヌクレオチドがクローニング、または、制限消化および/もしくはライゲーションならびに他の手順により生じる産物であることを意味し、この産物は、自然に見出されるポリヌクレオチドとは異なる。
「遺伝子」または「遺伝子フラグメント」という用語は、本明細書中で互換的に使用される。これらは、転写および翻訳後に特定のタンパク質をコードすることができる少なくとも1つのオープンリーディングフレームを含有するポリヌクレオチドを指す。遺伝子または遺伝子フラグメントは、ポリヌクレオチドが少なくとも1つのオープンリーディングフレームを含む限り、ゲノム、cDNA、または合成物であり得、コード領域全体またはそのセグメントを覆う場合がある。
「操作可能に連結(operably linked)」または「有効に接続(effectively connected)」という用語は、成分がその意図した形で機能するのを可能にする、その成分の並置を指す。例えば、プロモータ配列がコーディング配列の転写を促進する場合、プロモータ配列はコーディング配列に操作可能に連結される。
本明細書で使用される場合、「発現」は、ポリヌクレオチドがmRNAに転写されるプロセス、および/または、転写されたmRNA(「転写物」とも称する)が後にペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質に翻訳されるプロセスを指す。転写物およびコードされたポリペプチドは、総じて遺伝子産物と称される。ポリヌクレオチドがゲノムDNA由来の場合、発現は、真核細胞中でのmRNAのスプライシングを含む場合がある。
本明細書で使用される場合、「ベクター」という用語は、ポリヌクレオチドを挿入することができる核酸ビヒクルを指す。ベクターは、挿入されたポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質を発現可能である場合、発現ベクターと呼ばれる。ベクターは、ベクターによって運ばれる遺伝物質が宿主細胞中で発現できるように、形質転換、形質導入、またはトランスフェクションによって宿主細胞に導入することができる。当業者に周知のベクターとして、プラスミド、ファージミド、酵母人工染色体(YAC)、バクテリア人工染色体(BAC)、またはP1由来人工染色体(PAC)などの人工染色体、ラムダファージまたはM13ファージなどのファージ、および動物ウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。ベクターとして使用可能な動物ウイルスには、レトロウイルス(レンチウイルスを含む)、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス(単純ヘルペスウイルスなど)、ポックスウイルス、バキュロウイルス、乳頭腫ウイルス、および乳頭ポリオーマ液胞ウイルス(papillae polyoma vacuolar virus)(例えばSV40)が挙げられるが、これらに限定されない。ベクターは、プロモータ、転写開始剤、エンハンサ、選択要素、およびレポータ遺伝子を含むがこれらに限定されない、発現を制御する多数の要素を含有し得る。加えてベクターは、複製起源も含有する場合がある。
「トランスフェクション」という用語は、細胞による外来DNAの取込みを指すために使用され、外因性DNAが細胞膜の内部に導入された場合、細胞は「トランスフェクト」されている。多数のトランスフェクション技法が、全体的に当該技術分野で公知である。例えば、Grahamら(1973)によるVirology,52:456、Sambrookら(1989)によるMolecular Cloning,a laboratory manual,Cold Spring Harbor Laboratories,New York、Davisら(1986)によるBasic Methods in Molecular Biology,Elsevier、およびChuら(1981)によるGene 13:197を参照されたい。かかる技法は、ヌクレオチド統合ベクターや他の核酸分子など1つまたは複数の外因性核酸を、好適な宿主細胞に導入するために使用することができる。
本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、一般には2対のポリペプチド鎖(それぞれの対は、1つの「軽」(L)鎖と1つの「重」(H)鎖を有する)からなる免疫グロブリン分子を指す。抗体の軽鎖は、κ軽鎖およびλ軽鎖に分類することができる。重鎖は、μ、δ、γ、α、またはεとして分類することができ、抗体のアイソタイプは、それぞれIgM、IgD、IgG、IgA、およびIgEとして定義される。軽鎖および重鎖の中で、可変領域および定常領域は、約12以上のアミノ酸の「J」領域によって接続され、重鎖はまた、約3以上のアミノ酸の「D」領域も包含する。各重鎖は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域(CH)で構成される。重鎖定常領域は、3つのドメイン(CH1、CH2、およびCH3)で構成される。各軽鎖は、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域(CL)で構成される。軽鎖定常領域はドメインCLからなる。抗体の定常領域は、免疫系の種々の細胞(例えば、エフェクタ細胞)および古典的な補体系の第1の成分(C1q)を含む、宿主組織または因子に対する免疫グロブリンの結合を媒介し得る。VH領域およびVL領域はまた、高度の変性を有する領域(相補性決定領域(CDR)とも称される)に細分することもでき、それらの間には、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる、保存の多い領域が散在する。VHおよびVLはそれぞれ、アミノ末端からカルボキシ末端まで配置されるFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4の順序で配置される、3つのCDRおよび4つのFRからなる。重鎖/軽鎖の対それぞれの可変領域(VHおよびVL)は、それぞれ抗体結合部位を形成する。それぞれの領域またはドメインへのアミノ酸の割当ては、Kabat Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1987年と1991年))、またはChothia&Lesk(1987年)によるJ.Mol.Biol.196:901-917、Chothiaら(1989年)によるNature 342:878-883の定義に従う。「抗体」という用語は、抗体を産生するいずれの特定の方法によっても限定されない。例えば抗体として、組換え抗体、モノクローナル抗体、およびポリクローナル抗体が挙げられる。抗体は、異なるアイソタイプの抗体、例えば、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、もしくはIgG4のサブタイプ)、IgA1、IgA2、IgD、IgE、またはIgMの抗体であってもよい。
本明細書で使用される場合、抗体の「抗原結合フラグメント」という用語は、完全長抗体が結合する抗原に特異的に結合する能力、および/または抗原に特異的に結合するために長い抗体と競合する能力を保持する完全長抗体のフラグメントを含む、ポリペプチドを指す。抗原結合フラグメントは、「抗原結合部分」としても知られる。一般に、すべての目的において全体を参照することで本明細書に援用されるFundamental Immunology,Ch.7(Paul,W.編、第2版、Raven Press,NY(1989)を参照されたい。組換えDNA技術を使用すると、インタクト抗体の酵素的断片化または化学的断片化により、抗体の抗原結合フラグメントを産生することができる。場合により、抗原結合フラグメントとして、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fd、Fv、dAb、および相補性決定領域(CDR)フラグメント、一本鎖抗体(例えば、scFv)、キメラ抗体、ダイアボディ(diabody)、ならびに、特異的抗原結合能を付与するのに十分な、抗体の少なくとも一部を含有するポリペプチドが挙げられる。場合により、抗原結合フラグメントは一本鎖抗体(例えば、scFv)であり、このときVLおよびVHドメインは、一本のポリペプチド鎖であるリンカーを産生することを可能とされることによって一価分子を形成するように対とされる(例えば、BirdらによるScience 242:423 426(1988)、およびHustonらによるProc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879 5883(1988)を参照)。かかるscFv分子は、一般的な構造としてNH2-VL-リンカー-VH-COOHまたはNH2-VH-リンカー-VL-COOHを有し得る。好適なリンカーとして、反復GGGGSアミノ酸配列またはその変異体が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、アミノ酸配列(GGGGS)4およびその変異体を有するリンカーを使用することができる(Holligerら(1993)によるProc Natl.Acad.Sci.USA 90:6444-6448を参照)。使用可能な他のリンカーは、Alfthanら(1995)によるProtein Eng.8:725-731、Choiら(2001)によるEur.J Immunol.31:94-106、Huら(1996)によるCancer Res.56:3055-3061、Kipriyanovら(1999)によるJ.Mol.Biol.293:41-56、およびRooversら(2001)によるCancer Immunolに記載されている。すべての参考文献は、すべての目的のためにその全体を参照することで本明細書に援用される。
抗体の抗原結合フラグメント(例えば、上述のような抗体フラグメント)は、慣例的な技法(例えば、組換えDNA技術、酵素的断片化、または化学的断片化)によって得ることができ、インタクト抗体の場合と同じように特異的にスクリーニングすることができる。文脈上明確に示されていない限り、「抗体」という用語に言及する場合、この用語は抗体全体だけでなく、抗体の抗原結合フラグメントも含む。
本明細書で使用される場合、「宿主細胞」という用語は、ベクターを導入するのに使用できる細胞を指し、限定されないが大腸菌や枯草菌などの原核細胞、酵母菌やアスペルギルス属などの真菌細胞、S2ショウジョウバエ細胞やSf9昆虫細胞などの昆虫細胞、または線維芽細胞、CHO細胞、COS細胞、NSO細胞、HeLa細胞、BHK細胞、HEK293細胞、もしくはそれらの誘導体などの動物細胞が挙げられる。
「アンタゴニスト」および「阻害薬」という用語は、本明細書中で互換的に使用され、標的タンパク質の活性または発現を阻害することによって標的タンパク質の生体機能を阻害することが可能な分子を指す。そのため、「アンタゴニスト」および「阻害薬」という用語は、標的タンパク質の生体効果の文脈で定義される。本明細書中の好ましいアンタゴニストは標的と特異的に相互作用(例えば、結合)するが、標的タンパク質が一員となるシグナル伝達経路の他の員と相互作用することによって、標的タンパク質の生体活性を阻害する分子も、本定義に含まれる。
本明細書で使用される場合、「有効量」は、特定の疾患または疾病の測定可能な改善または予防を達成するために必要な、少なくとも最小の量を指す。有効量は、患者の疾患状態、年齢、性別、および体重に基づき変動させることができる。有効量はまた、治療上有益な効果が、処置におけるあらゆる毒性または有害作用を上回る量である。癌または腫瘍の処置において、薬物の有効量は、癌細胞の数を減少させ、腫瘍の大きさを縮小し、癌細胞の末梢器官への浸潤を阻害し、腫瘍転移を阻害し、腫瘍成長をある程度阻害し、かつ/または疾患に関連する1つもしくは複数の症状をある程度緩和するという効果を有し得る。有効量は、1つまたは複数の用途で投与することができる。
本明細書で使用される場合、「レシピエント(recipient)」、「個体(individual)」、「対象(subject)」、「宿主(host)」、および「患者(patient)」という用語は、互換的に使用され、診断または治療されるあらゆる哺乳動物対象、好ましくはヒトを指す。
本明細書で使用される場合、「処置(treatment)」、「処置すること(treating)」という用語、およびその同等物は、本明細書中では、概して所望の薬理学的および/または生理学的効果を得ることを指すように使用される。効果は、疾患またはその症状を完全または部分的に予防するという点で予防的であってもよく、ならびに/あるいは、疾患および/または疾患に起因する副反応を部分的もしくは完全に安定化または治癒するという点で治療的であってもよい。本明細書中で使用される「処置」は、マウス、ラット、ウサギ、ブタ、ヒトや他の類人猿を含む霊長類などの哺乳動物、好ましくはヒトにおける疾患に対するあらゆる処置を包含する。この用語は、(a)疾患もしくは症状が、その疾患もしくは症状にかかりやすい場合があるが依然として診断がなされていない対象に生じるのを予防すること、(b)疾患症状を阻害すること、(c)疾患の発症を予防すること、(d)疾患の症状を緩和すること、(e)疾患または症状の回帰を生じさせること、または(a)~(e)のいずれかの組合せを含む。
「キット」という用語は、本明細書で使用される場合、一般的な使用または市販のために包装された組合せを指す。例えば、本開示のキットは、本開示の組成物、および組成物またはキットの使用に関する指示書を備えていてもよい。「指示書」という用語は、治療薬の市販のパッケージに通常包含される説明の添付文書を指すものであり、適応症、使用、投与量、投与、併用療法、禁忌、および/またはかかる治療薬の使用に関する警告に関する情報を伴う。
「コドン最適化」という用語は、コドンが特定の系(例えば、特定の種または種の群)での発現に最も好適となるように核酸配列を構築するコドンを変化させることを指す。例えば、核酸配列は、哺乳動物細胞中でのより効率的な発現のために最適化される。同義コドンが存在することから、コドン最適化は、コードされたタンパク質のアミノ酸配列を変化させない。すべての目的のために全体を参照することで本明細書に援用される、米国特許第5,786,464号明細書および同第6,114,148号明細書に開示されるものなど種々のコドン最適化方法が、当該技術分野で公知である。「同義コドン」は、同じアミノ酸をコードするコドンを指す。
タンパク質を構成する20個のアミノ酸と、アミノ酸をコードする64個のコドンが存在する。各アミノ酸は少なくとも1つのコドンに対応し、1つのアミノ酸は最大6つのコドン(縮重コドン)に対応することができる。異なる生物、さらには同じ生物の異なるタンパク質コード遺伝子でさえも、縮重コドンの使用頻度は異なり、特定の嗜好性がある。中でも頻度の高いコドンは好ましいコドンと呼ばれ、稀に使用されるコドンは、稀なまたは低頻度のコドンと呼ばれる。遺伝子コドンの最適化は、好ましいコドンを利用し、利用率の低い稀なまたは低頻度のコドンを回避し、遺伝子転写後のmRNAの二次構造を簡素化し、高効率発現に寄与するモチーフを組み込んで発現に好ましくないモチーフを減らすこと、かつGC含有量を調整することなどによって、タンパク質発現レベルを上昇させることができる。多くの一般的なコドン最適化原理が存在するが、これらの一般的な最適化原理は、単一の遺伝子治療ベクターに均一に適用することはできない。様々な一般的な最適化原理は、互いに矛盾する場合がある。例えば、CpG島の組成、またはコード領域のGC含有量を変更することは、コドン使用の嗜好性の選択に影響を及ぼす場合がある。加えて、様々なコドン最適化が、様々な翻訳後修飾および様々な生体活性を生じさせる場合がある。
本発明の目的における「活性な(Active)」または「活性」は、対応する天然または自然に生じるポリペプチドの生体活性を保持する、治療用タンパク質の形態を指す。活性は、対応する天然または自然に生じるポリペプチドで観察される活性よりも高いか、それに等しいか、またはそれよりも低い場合がある。
湿性加齢黄斑変性症
網膜変性症としても知られる黄斑変性症は、黄斑変性症を伴う眼疾患である。
加齢黄斑変性症(AMD)は、50歳以上の人々における不可逆的な視覚障害の最も重要な原因の1つである。AMDは臨床的に「乾性」と「湿性」の二種類に分けられる。AMDの湿性形態では、新たな血管が形成され、網膜組織、特に黄斑下の組織への血液供給が変化する。しかし、新たな血管は損傷を受けやすく、それらが破裂すると、周囲組織への出血および損傷、網膜組織の瘢痕形成、および視力の急激な喪失が生じてしまう。この疾患は急速に進行し、失明をもたらすことが多い。湿性黄斑変性症は、通常は視野の中心の歪みから始まり、黄斑変性症に関連する失明の約90%を占めている。
いくつかのサイトカインは、血管新生の調節に重要な役割を果たすことが見出されており、血管内皮成長因子(VEGF)、VEGF受容体(VEGFR)、胎盤成長因子、血小板由来成長因子(PDGF)、低酸素誘導因子(HIF)、アンジオポエチン(Ang)、および他のサイトカイン、ならびに分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ(MPK)が挙げられるが、これらに限定されない。
血管内皮成長因子(VEGF)は、色素上皮細胞、周皮細胞、血管内皮細胞、グリア細胞、および神経節細胞を含む眼細胞に発現される、46kDaの大きさの糖タンパク質である。VEGFは、虚血性網膜症、眼内血管新生、加齢性黄斑変性症(AMD)、湿性AMD、乾性AMD、網膜血管新生、糖尿病性黄斑浮腫、糖尿病性網膜虚血、糖尿病性網膜浮腫、増殖性糖尿病性網膜症、網膜静脈閉塞、網膜中心静脈閉塞、網膜分枝静脈閉塞を含むがこれらに限定されない、様々な眼疾患に関連することが知られている。
VEGF結合融合タンパク質(アフリベルセプト)であるEylea(登録商標)は、湿性AMDの処置に対し承認された薬物である。これは眼の血管新生を防止することで、湿性AMDを処置することができる。抗VEGF抗体(ラニビズマブ)であるLucentis(登録商標)は、湿性AMDの処置に承認された別の薬物である。これも、眼の血管新生を防止することで、湿性AMDを処置することができる。臨床試験では、Lucentis(登録商標)を投与された患者の約95%が視野の改善または安定化を呈したことが示されている。しかし、これらの薬物は非常に高価であり、かつ、半減期が短いことから有効性を維持するには注射を頻繁に繰り返すことが求められる。そのため、関連する眼疾患を処置するためにVEGFを標的とするための新規な治療法が必要とされる。
組換えAAVベクター
アデノ随伴ウイルス(AAV)は、パルボウイルス科に属し、一本鎖DNA(ssDNA)ウイルスである。AAVゲノムは長さ約4.7キロベースであり、DNA鎖の両端に末端逆位反復(ITR)、ならびにrepおよびcapと呼ばれる2つのオープンリーディングフレーム(ORF)を含むことができる。
「AAV末端逆位反復(ITR)」配列は、天然の一本鎖AAVゲノムの両端に存在する約145ヌクレオチドの配列である。ITRは、アデノ随伴ウイルスゲノムでの効率的な複製に対する対称的な核酸配列であり、ウイルスDNA合成の複製起点として使用できるほか、組換えAAVベクターの必須構造成分である。
「Rep」は、AAVのライフサイクルに必要な4つのrepタンパク質であるrep78、rep68、rep52、およびrep40をコードするポリヌクレオチド配列を包含する。「Cap」は、AAVカプシドタンパク質VP1、VP2、およびVP3をコードするポリヌクレオチド配列を包含し、VP1、VP2、およびVP3は、互いに相互作用することで24の対称的なAAVカプシドを形成することができる。
AAVは、分裂および非分裂ヒト細胞を有効に感染させることができ、そのゲノムは、宿主細胞ゲノム中の1つの染色体部位へと統合することができる。最も重要なことに、AAVはヒトの身体に存在するが、現在の研究では、AAVはいずれの疾患にも関連しないことが示唆されている。その高い安全性、低い免疫原性、広範な宿主領域、および動物中の外因性遺伝子の長期的で安定した発現の媒介能に基づき、AAVは、遺伝子治療において最も有望なベクター系になっている。
AAVセロタイプまたは感染組織もしくは細胞に基づき、13個の異なるAAV、すなわちAAV1~AAV13がこれまでに特定されている。さらに、下記の表1に示されるように、AAVを用いる多くの有利なベクター系が、特定の細胞型のトランスフェクション用に開発されている。AAVセロタイプの中でも、セロタイプ2(AAV2)が、最も広く研究かつ使用されている。これは、網膜上皮、光受容細胞、骨格筋、中枢神経系、および肝細胞などを感染させることができる。さらには多くの臨床試験でキャリアとして使用されている。
本明細書で使用される場合、「組換えAAVベクター(rAAVベクター)」という用語は、2つのAAV末端逆位反復(ITR)に隣接する1つまたは複数の異種配列(すなわち、非AAV由来の核酸配列)を含有するポリヌクレオチドベクターを指す。AAVのrepおよびcapタンパク質を発現する宿主細胞に存在する場合、rAAVベクターは複製され、AAVウイルス粒子へとパッケージングすることができる。
「組換えAAV(rAAV)ウイルス」または「rAAVウイルス粒子」は、rAAVベクターを封入する少なくとも1つのAAVカプシドタンパク質で構成されるAAVウイルス粒子を指す。rAAVウイルス粒子の産生に現在使用される宿主細胞は、293細胞、COS細胞、HeLa細胞、KB細胞、および他の哺乳動物細胞株などの哺乳動物に由来するすべての細胞型である。rAAVウイルス粒子は、rAAVプラスミドを与えられた哺乳動物細胞培養系で産生することができる。しかし、哺乳動物細胞培養系の大半の出力は、治験および商用規模の産生の要件を満たすのが困難である。このため、Sf9細胞などの昆虫細胞を用いたrAAVウイルス粒子産生システムが、近年開発されている。しかし、昆虫細胞にAAVを産生するには、AAVカプシドタンパク質の正確な理論混合比を得るためにいくつかの修飾を行わねばならない。
バキュロウイルスはバキュロウイルス科に属しており、二本鎖環状DNAウイルスである。そのゲノムサイズは90kb~230kbの間である。バキュロウイルスは、主に節足動物に寄生し、600種を超える昆虫を感染させることが知られている。1983年、SmithらはAutographa Californica Multicapsid Nuclear Polyhedrosis Virus(AcMNPV)を使用することで、ツマジロクサヨトウ(Spodoptera frugiperda)細胞株Sf9にヒトβ-インターフェロンを成功裏に発現させることによって、初めてバキュロウイルス発現系を作り出した(Mol Cell Biol,1983,3:2156-2165)。以来、バキュロウイルス発現系は絶えず改善かつ発達されており、広く用いられている真核生物発現系となっている。2002年、Urabeらは、バキュロウイルスに感染したSf9昆虫細胞がAAV複製を支持することができることを確認した。Urabeらは、AAVのrep遺伝子、cap遺伝子、およびITRコア発現要素をそれぞれ運ぶ3つの組換えバキュロウイルスを使用してSf9細胞を同時感染させることで、rAAVウイルス粒子の調製に成功した。以来、研究者らによって、rAAVウイルス粒子の大規模調製により好適な系が絶えず開発されている。
現在、rAAVウイルス粒子の大規模調製のための主な2つのバキュロウイルス発現系として、2-バキュロウイルス系(Two Bac系)と、バッケージング細胞株に左右される1-バキュロウイルス系(One Bac系)が存在する。2-バキュロウイルス系を用いてrAAVウイルス粒子を調製する主なプロセスは、AAVのrep遺伝子およびcap遺伝子を1つのバキュロウイルスゲノムに統合し、ITRコア発現要素および目的の標的遺伝子を別のバキュロウイルスゲノムに統合することである。次いで、この2つの組換えバキュロウイルスを用いて宿主細胞を同時感染させることで、目的の遺伝子を保因するrAAVウイルス粒子が産生される。1-バキュロウイルス系を用いてrAAVウイルス粒子を調製するための主なプロセスは、rep遺伝子およびcap遺伝子の発現を誘導するパッケージング細胞系統を確立することから始まる。このパッケージング細胞株は、rep遺伝子およびcap遺伝子が、バキュロウイルス後期遺伝子発現の強力なプロモータであるpolhプロモータの制御下に置かれるように、rep遺伝子およびcap遺伝子の発現要素を統合する。hr2エンハンサ配列および/またはAAVのrepタンパク質結合配列を、さらにpolhプロモータの上流に添加することができる。AAV ITRおよび標的遺伝子を含有する組換えバキュロウイルスに感染させた後、パッケージング細胞株中のrep遺伝子およびcap遺伝子は、タンパク質を発現するように誘導されることによって、標的遺伝子を統合するrAAVウイルス粒子を生成する。
いくつかの実施形態では、rAAVウイルス粒子で目的の遺伝子を運ぶのに使用されるrAAVベクターは、1つまたは複数の「発現調節要素」をさらに含んでもよい。「発現調節要素」という用語は、本明細書で使用される場合、異種ポリヌクレオチドの転写および翻訳を促進させるポリヌクレオチド配列を含む、操作可能に連結されたポリヌクレオチドの発現に影響を及ぼす核酸配列を指す。発現調節要素の非限定的な例として、プロモータ、エンハンサ、イントロンスプライシングシグナル、ポリアデニル化(ポリ(A))、末端逆位反復配列(ITR)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ポリ(A)配列は、hGHポリ(A)、SV40ポリ(A)、またはβ-グロビンポリ(A)である。
「プロモータ」は、標的産物をコードする異種ポリヌクレオチド配列に隣接して配置されるDNA配列であり、通常は異種ポリヌクレオチドなどの隣接する配列に操作可能に連結される。プロモータは概して、プロモータなしの異種ポリヌクレオチドの発現レベルと比較して、異種ポリヌクレオチドの発現レベルを上昇させる。
「エンハンサ」は、プロモータの活性を増強させる配列である。プロモータとは異なり、エンハンサはプロモータ活性を有しておらず、通常はプロモータに対するその位置(すなわち、プロモータの上流または下流)とは関係なく機能することができる。エンハンサ要素(またはその部分)の非限定的な例には、バキュロウイルスエンハンサ、および昆虫細胞に見られるエンハンサ要素が挙げられる。
「フィラー配列」は、ベクターなどのより大きな核酸分子に含まれるヌクレオチド配列を指し、通常、プロモータ配列とコーディング配列との間など2つの核酸配列間に必要な空間を作り出すか、または核酸配列を所望の長さに延ばすために使用される。フィラー配列は、タンパク質コーディング情報を含んでいない。フィラー配列は、未知のもしくは合成の起源を有し得る、かつ/または、より大きな核酸分子内の他の核酸配列とは無関係の場合がある。
組成物
一態様では、本開示は、第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドを含む組成物であって、第1のポリヌクレオチドが、第1のプロモータに操作可能に連結された第1の配列、および第2のプロモータに操作可能に連結された第2の配列を含む、組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、第1の配列は、アデノ随伴ウイルス(AAV)のcapタンパク質である。capタンパク質は、機能性AAVカプシドを形成可能である(すなわち、DNAをパッケージングして標的細胞を感染させることが可能)、当該技術分野で公知のいずれかの構造タンパク質であり得る。いくつかの実施形態では、capタンパク質は、VP1、VP2、およびVP3を含む。いくつかの実施形態では、capタンパク質は、機能性AAVカプシドを産生できる限り、VP1、VP2、VP3のすべてを含む必要はない。いくつかの実施形態では、capタンパク質は、VP1およびVP2を含む。いくつかの実施形態では、capタンパク質は、VP1およびVP3を含む。いくつかの実施形態では、capタンパク質は、VP2およびVP3を含む。いくつかの実施形態では、capタンパク質は、VP1を含む。いくつかの実施形態では、capタンパク質は、VP2を含む。いくつかの実施形態では、capタンパク質は、VP3を含む。
VP1、VP2、VP3は、あらゆるAAVセロタイプに由来し得る。いくつかの実施形態では、VP1は、AAVセロタイプ1(AAV1)、AAVセロタイプ2(AAV2)、AAVセロタイプ3(セロタイプ3Aおよび3Bを含むAAV3)、AAVセロタイプ4(AAV4)、AAVセロタイプ5(AAV5)、AAVセロタイプ6(AAV6)、AAVセロタイプ7(AAV7)、AAVセロタイプ8(AAV8)、AAVセロタイプ9(AAV9)、AAVセロタイプ10(AAV10)、AAVセロタイプ11(AAV11)、AAVセロタイプ12(AAV12)、AAVセロタイプ13(AAV13)、AAV-Rh10、AAV-Rh74、AAV-2i8、ならびにあらゆる他の公知のAAVに由来し得る。いくつかの実施形態では、VP1は、AAV1、AAV2、AAV3(AAV3Aおよび3Bを含む)、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAV-Rh10、AAV-Rh74、またはAAV-2i8からの野性型VP1に由来し、これらの野生型VP1タンパク質に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、またはそれより多くの同一性を有している。いくつかの実施形態では、VP1は、AAV1、AAV2、AAV2バリアント(AAV2.7m8、AAV2(quad Y-F)、およびAAV2tYFなど)、AAV3(AAV3Aおよび3Bを含む)、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAV-Rh10、AAV-Rh74、またはAAV-2i8からの野性型VP1に由来し、1つもしくは複数のアミノ酸置換、欠失、および/または付加を有している。
いくつかの実施形態では、VP2は、AAV1、AAV2、AAV2バリアント(AAV2.7m8、AAV2(quad Y-F)、およびAAV2tYFなど)、AAV3(AAV3Aおよび3Bを含む)、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAV-Rh10、AAV-Rh74、またはAAV-2i8、ならびに他のあらゆる公知のAAVに由来し得る。いくつかの実施形態では、VP2は、AAV1、AAV2、AAV3(AAV3Aおよび3Bを含む)、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAV-Rh10、AAV-Rh74、またはAAV-2i8からの野性型VP2に由来し、これらの野生型VP1タンパク質に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、またはそれより多くの同一性を有している。いくつかの実施形態では、VP2は、AAV1、AAV2、AAV3(AAV3Aおよび3Bを含む)、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAV-Rh10、AAV-Rh74、またはAAV-2i8からの野性型VP2に由来し、1つもしくは複数のアミノ酸置換、欠失、および/または付加を有している。
VP3は、AAV1、AAV2、AAV2バリアント(AAV2.7m8、AAV2(quad Y-F)、およびAAV2tYFなど)、AAV3(AAV3Aおよび3Bを含む)、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAV-Rh10、AAV-Rh74、またはAAV-2i8、ならびに他のあらゆる公知のAAVに由来し得る。いくつかの実施形態では、VP3は、AAV1、AAV2、AAV3(AAV3Aおよび3Bを含む)、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAV-Rh10、AAV-Rh74、またはAAV-2i8からの野性型VP3に由来し、これらの野生型VP3タンパク質に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、またはそれより多くの同一性を有している。いくつかの実施形態では、VP3は、AAV1、AAV2、AAV3(AAV3Aおよび3Bを含む)、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAV-Rh10、AAV-Rh74、またはAAV-2i8からの野性型VP3に由来し、1つもしくは複数のアミノ酸置換、欠失、および/または付加を有している。
いくつかの実施形態では、capは、同じセロタイプのAAVに由来するVP1、VP2、および/またはVP3を含み、例えばcapは、すべてAAV2に由来するVP1、VP2、および/またはVP3を含み得る。いくつかの実施形態では、capは、異なるセロタイプのAAVに由来するVP1、VP2、および/またはVP3を含む。例えばcapは、AAV1、AAV2、AAV2バリアント(AAV2.7m8、AAV2(quad Y-F)、およびAAV2tYFなど)、AAV3(AAV3Aおよび3Bを含む)、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAV-Rh10、AAV-Rh74、ならびにAAV-2i8のうちいずれかに由来する、VP1、VP2、および/もしくはVP3のうち1つまたは複数を含み得る。
いくつかの実施形態では、capをコードする第1の配列は、第1のプロモータに操作可能に連結される。第1のプロモータは、細胞内でのcapの発現を誘導可能である当該技術分野で公知のあらゆる好適なプロモータであり得る。いくつかの実施形態では、第1のプロモータは、組織特異的プロモータ、構成的プロモータ、または調節されたプロモータであり得る。いくつかの実施形態では、第1のプロモータは異なる供給源から選択されてもよく、例えば、第1のプロモータは、ウイルスプロモータ、植物プロモータ、または哺乳動物プロモータであってもよい。
第1のプロモータの例として、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサ/プロモータ(例えば、CMV最初期(CMV IE)エンハンサ/プロモータ)、SV40エンハンサ/プロモータ(例えば、SV40初期エンハンサ/プロモータ)、JCポリオーマウイルスプロモータ、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)もしくはグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモータ、単純ヘルペスウイルス(HSV-1)潜伏関連プロモータ(LAP)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)長末端反復(LTR)プロモータ、ニューロン特異的プロモータ(NSE)、血小板由来成長因子(PDGF)プロモータ、hSYN、メラニン凝集ホルモン(MCH)プロモータ、CBA、マトリックスメタロプロテインプロモータ(MPP)、ニワトリβ-アクチンプロモータ、CAG、MNDU3、PGK、およびEF1aプロモータが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、第1のプロモータは、哺乳動物細胞での発現に適したプロモータである。いくつかの実施形態では、哺乳動物細胞は、HEK293細胞またはその誘導体細胞である。いくつかの実施形態では、誘導体細胞はHEK293T細胞である。いくつかの実施形態では、第1のプロモータは、昆虫細胞での発現に適したプロモータである。いくつかの実施形態では、昆虫細胞はSf9細胞である。いくつかの実施形態では、昆虫細胞での発現に好適なプロモータとして、polhプロモータ、p10プロモータ、ベーシックプロモータ、誘導性プロモータ、E1プロモータ、またはΔE1プロモータが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、第1のプロモータはpolhプロモータである。いくつかの実施形態では、第1のプロモータはp10プロモータである。
いくつかの実施形態では、第1の配列の3’末端は、ポリアデニル化配列(すなわち、ポリ(A)配列)をさらに含む。いくつかの実施形態では、ポリアデニル化配列の長さは、約1bp~500bpの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、ポリアデニル化配列の長さは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、50、10、200、または500ヌクレオチドであり得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ポリ(A)配列は、hGHポリ(A)、SV40ポリ(A)、またはβ-グロビンポリ(A)である。
いくつかの実施形態では、第2の配列はAAV repタンパク質をコードし、このときrepタンパク質は、rAAVウイルス粒子の複製およびパッケージングに必要なあらゆる複製タンパク質であり得る。いくつかの実施形態では、repタンパク質は、rep78、rep68、rep52、およびrep40を含む。いくつかの実施形態では、repタンパク質は、rAAVウイルス粒子を複製かつパッケージングすることを可能にする限り、rep78、rep68、rep52、およびrep40のすべてを含む必要はない。いくつかの実施形態では、repタンパク質は、rep78、rep68、rep52、およびrep40のうちいずれか3つを含む。いくつかの実施形態では、repタンパク質は、rep78、rep68、rep52、およびrep40のうちいずれか2つを含む。いくつかの実施形態では、repタンパク質は、rep78、rep68、rep52、およびrep40のうちいずれか1つを含む。いくつかの実施形態では、repタンパク質は、rep78およびrep52を含む。いくつかの実施形態では、repタンパク質は、rep78およびrep40を含む。いくつかの実施形態では、repタンパク質は、rep68およびrep52を含む。いくつかの実施形態では、repタンパク質は、rep68およびrep40を含む。
rep78、rep68、rep52、およびrep40は、あらゆるAAVセロタイプに由来し得る。いくつかの実施形態では、rep78は、AAV1、AAV2、AAV3(AAV3Aおよび3Bを含む)、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAV-Rh10、AAV-Rh74、またはAAV-2i8、ならびに他のあらゆる公知のAAVに由来し得る。いくつかの実施形態では、rep78は、AAV1、AAV2、AAV3(AAV3Aおよび3Bを含む)、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAV-Rh10、AAV-Rh74、またはAAV-2i8からの野性型rep78に由来し、この野生型rep78タンパク質に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、またはそれより多くの同一性を有している。いくつかの実施形態では、rep78は、AAV1、AAV2、AAV3(AAV3Aおよび3Bを含む)、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAV-Rh10、AAV-Rh74、またはAAV-2i8からの野性型rep78に由来し、1つもしくは複数のアミノ酸置換、欠失、および/または付加を有している。
いくつかの実施形態では、rep68は、AAV1、AAV2、AAV3(AAV3Aおよび3Bを含む)、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAV-Rh10、AAV-Rh74、またはAAV-2i8、ならびに他のあらゆる公知のAAVに由来し得る。いくつかの実施形態では、rep68は、AAV1、AAV2、AAV3(AAV3Aおよび3Bを含む)、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAV-Rh10、AAV-Rh74、またはAAV-2i8からの野性型rep68に由来し、この野生型rep68タンパク質に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、またはそれより多くの同一性を有している。いくつかの実施形態では、rep68は、AAV1、AAV2、AAV3(AAV3Aおよび3Bを含む)、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAV-Rh10、AAV-Rh74、またはAAV-2i8からの野性型rep68に由来し、1つもしくは複数のアミノ酸の置換、欠失、および/または付加を有している。
いくつかの実施形態では、rep52は、AAV1、AAV2、AAV3(AAV3Aおよび3Bを含む)、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAV-Rh10、AAV-Rh74、またはAAV-2i8、ならびに他のあらゆる公知のAAVに由来し得る。いくつかの実施形態では、rep52は、AAV1、AAV2、AAV3(AAV3Aおよび3Bを含む)、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAV-Rh10、AAV-Rh74、またはAAV-2i8からの野性型rep52に由来し、この野生型rep52タンパク質に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、またはそれより多くの同一性を有している。いくつかの実施形態では、rep52は、AAV1、AAV2、AAV3(AAV3Aおよび3Bを含む)、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAV-Rh10、AAV-Rh74、またはAAV-2i8からの野性型rep52に由来し、1つもしくは複数のアミノ酸置換、欠失、および/または付加を有している。
いくつかの実施形態では、rep40は、AAV1、AAV2、AAV3(AAV3Aおよび3Bを含む)、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAV-Rh10、AAV-Rh74、AAV-2i8、ならびに他のあらゆる公知のAAVに由来し得る。いくつかの実施形態では、rep40は、AAV1、AAV2、AAV3(AAV3Aおよび3Bを含む)、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAV-Rh10、AAV-Rh74、またはAAV-2i8からの野性型rep52に由来し、この野生型rep52タンパク質に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、またはそれより多くの同一性を有している。いくつかの実施形態では、rep40は、AAV1、AAV2、AAV3(AAV3Aおよび3Bを含む)、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAV-Rh10、AAV-Rh74、またはAAV-2i8からの野性型rep52に由来し、1つもしくは複数のアミノ酸置換、欠失、および/または付加を有している。
いくつかの実施形態では、repは、同じセロタイプAAVに由来するrep78、rep68、rep52、および/またはrep40を含む。例えば、repは、AAV2のみに由来するrep78、rep68、rep52、および/またはrep40を含み得る。いくつかの実施形態では、repは、異なるセロタイプAAVに由来するrep78、rep68、rep52、および/またはrep40を含む。例えば、repは、AAV1、AAV2、AAV3(AAV3Aおよび3Bを含む)、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAV-Rh10、AAV-Rh74、AAV-2i8、ならびに他のあらゆる公知のAAV rep78、rep68、rep52、および/またはrep40を含み得る。
いくつかの実施形態では、repタンパク質をコードする第2の配列は、第2のプロモータに操作可能に連結される。第2のプロモータは、細胞内でのcapの発現を誘導可能である当該技術分野で公知のあらゆる好適なプロモータであり得る。いくつかの実施形態では、第2のプロモータは、組織特異的プロモータ、構成的プロモータ、または調節されたプロモータであり得る。いくつかの実施形態では、第2のプロモータは、異なる供給源から選択され得る。例えば、第2のプロモータは、ウイルスプロモータ、植物プロモータ、または哺乳動物プロモータであり得る。
第2のプロモータの例として、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)エンハンサ/プロモータ(例えば、CMV最初期(CMV IE)エンハンサ/プロモータ)、SV40エンハンサ/プロモータ(例えば、SV40初期エンハンサ/プロモータ)、JCポリオーマウイルスプロモータ、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)もしくはグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモータ、単純ヘルペスウイルス(HSV-1)潜伏関連プロモータ(LAP)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)長末端反復(LTR)プロモータ、ニューロン特異的プロモータ(NSE)、血小板由来成長因子(PDGF)プロモータ、hSYN、メラニン凝集ホルモン(MCH)プロモータ、CBA、マトリックスメタロプロテインプロモータ(MPP)、ニワトリβ-アクチンプロモータ、CAG、MNDU3、PGK、およびEF1aプロモータが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、第2のプロモータは、哺乳動物細胞での発現に適したプロモータである。いくつかの実施形態では、哺乳動物細胞は、HEK293細胞またはその誘導体細胞である。いくつかの実施形態では、誘導体細胞はHEK293T細胞である。いくつかの実施形態では、第2のプロモータは、昆虫細胞での発現に適したプロモータである。いくつかの実施形態では、昆虫細胞はSf9細胞である。いくつかの実施形態では、昆虫細胞での発現に好適なプロモータとして、polhプロモータ、p10プロモータ、ベーシックプロモータ、誘導性プロモータ、E1プロモータ、またはΔE1プロモータが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、第2のプロモータはpolhプロモータである。いくつかの実施形態では、第2のプロモータはp10プロモータである。
いくつかの実施形態では、第2の配列の3’末端は、ポリアデニル化配列(すなわち、ポリ(A)配列)をさらに含む。いくつかの実施形態では、ポリアデニル化配列の長さは、約1bp~500bpの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、ポリアデニル化配列の長さは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、50、10、200、または500ヌクレオチドであり得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ポリ(A)配列は、hGHポリ(A)、SV40ポリ(A)、またはβ-グロビンポリ(A)である。
いくつかの実施形態では、capおよびrepは、同じAAVセロタイプに由来し得る。例えば、capおよびrepは、ともに同じAAV1、AAV2、AAV3(AAV3Aおよび3Bを含む)、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAV-Rh10、AAV-Rh74、AAV-2i8、または他のあらゆる公知のAAVに由来し得る。
いくつかの実施形態では、capおよびrepは、異なるAAVセロタイプに由来し得る。例えばcapは、AAV1、AAV2、AAV3(AAV3Aおよび3Bを含む)、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAV-Rh10、AAV-Rh74、AAV-2i8、または他のあらゆる公知のAAVに由来し得、一方でrepは、capが由来するAAV以外の、上述したAAVのいずれかに由来し得る。例えば、capはAAV2に由来し、一方でrepはAAV5に由来し得る。
いくつかの実施形態では、第1のプロモータおよび第2のプロモータは、同じプロモータであってもよい。例えば、第1のプロモータおよび第2のプロモータは、polhプロモータ、p10プロモータ、ベーシックプロモータ、誘導性プロモータ、E1プロモータ、およびΔE1プロモータからなる群から選択される同じものである。例えばいくつかの実施形態では、第1のプロモータおよび第2のプロモータは、ともにpolhプロモータである。いくつかの実施形態では、第1のプロモータおよび第2のプロモータは、ともにp10プロモータである。
いくつかの実施形態では、第1のプロモータおよび第2のプロモータは、異なるプロモータであってもよい。例えば、第1のプロモータおよび第2のプロモータは、polhプロモータ、p10プロモータ、ベーシックプロモータ、誘導性プロモータ、E1プロモータ、およびΔE1プロモータから選択される、2つの異なるプロモータであり得る。例えばいくつかの実施形態では、第1のプロモータはpolhプロモータであり、第2のプロモータはp10プロモータである。いくつかの実施形態では、第1のプロモータはp10プロモータであり、第2のプロモータはpolhプロモータである。
いくつかの実施形態では、第1の配列および第2の配列は、リンカーをコードする配列によって連結される。いくつかの実施形態では、リンカーは切断可能リンカーである。いくつかの実施形態では、切断可能リンカーは、2Aペプチドを含む配列である。いくつかの実施形態では、2Aペプチドは、Aphthora属もしくはCardiovirus属に由来する2Aペプチド、例えば、口蹄疫ウイルス(FMDV)、馬鼻炎Aウイルス(ERAV)、Thoseaasignaウイルス(Tav)、またはブタJieshenウイルスのペプチド(PTV-1)に由来する2Aペプチドから選択され得る。いくつかの実施形態では、リンカーをコードする配列は、プロモータ配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、プロモータはFMDVプロモータである。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される組成物の第2のポリヌクレオチドは、第3の配列を含み、VEGF阻害薬をコードするコドン最適化核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、組成物はscAAVベクターを含み、scAAVベクターは第2のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、組成物はssAAVベクターを含み、ssAAVベクターは第2のポリヌクレオチドを含む。
VEGF阻害薬は、VEGFタンパク質の活性または発現を阻害することによってVEGFタンパク質の生体機能を阻害可能である、あらゆるポリペプチドまたはタンパク質であり得る。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、抗VEGF抗体またはその抗原結合フラグメントである。いくつかの実施形態では、抗原結合フラグメントとして、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fd、Fv、dAb、ならびに相補性決定領域(CDR)フラグメント、一本鎖抗体(scFv)、キメラ抗体、およびダイアボディが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、抗VEGF阻害薬は、ラニビズマブ、ベバシズマブ、またはアフリベルセプトから選択される。
いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号1の配列、または配列番号1に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号1に対して少なくとも99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号2の配列、または配列番号2に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号2に対して少なくとも99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号3の配列、または配列番号3に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号3に対して少なくとも99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号4の配列、または配列番号4に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号4に対して少なくとも99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の相同性を有する配列を含む。
いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号5の配列、または配列番号5に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号5に対して少なくとも99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号6の配列、または配列番号6に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号6に対して少なくとも99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号7の配列、または配列番号7に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号7に対して少なくとも99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号5、6、および7の配列を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号5、6、および7に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号5、6、および7に対して少なくとも99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の相同性を有する配列を含む。
いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号8の配列、または配列番号8に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号8に対して少なくとも99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号9の配列、または配列番号9に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号9に対して少なくとも99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号10の配列、または配列番号10に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号10に対して少なくとも99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号8、9、および10の配列を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号8、9、および10に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号8、9、および10に対して少なくとも99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の相同性を有する配列を含む。
いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、ラニビズマブをコードする。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、ベバシズマブをコードする。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、アフリベルセプトをコードする。いくつかの実施形態では、タンパク質をコードするコドン最適化された核酸配列は、配列番号1のアミノ酸配列、または配列番号1に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、もしくは99.9%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質をコードするコドン最適化された核酸配列は、配列番号2のアミノ酸配列、または配列番号2に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、もしくは99.9%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質をコードするコドン最適化された核酸配列は、配列番号3のアミノ酸配列、または配列番号3に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、もしくは99.9%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質をコードするコドン最適化された核酸配列は、配列番号4のアミノ酸配列、または配列番号4に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、もしくは99.9%の相同性を有する配列を含む。
いくつかの実施形態では、タンパク質をコードするコドン最適化された核酸配列は、配列番号5のアミノ酸配列、または配列番号5に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、もしくは99.9%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質をコードするコドン最適化された核酸配列は、配列番号6のアミノ酸配列、または配列番号6に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、もしくは99.9%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質をコードするコドン最適化された核酸配列は、配列番号7のアミノ酸配列、または配列番号7に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、もしくは99.9%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質をコードするコドン最適化された核酸配列は、配列番号5、6、および7のアミノ酸配列、または配列番号5、6、および7に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、もしくは99.9%の相同性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、タンパク質をコードするコドン最適化された核酸配列は、配列番号8のアミノ酸配列、または配列番号8に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、もしくは99.9%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質をコードするコドン最適化された核酸配列は、配列番号9のアミノ酸配列、または配列番号9に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、もしくは99.9%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質をコードするコドン最適化された核酸配列は、配列番号10のアミノ酸配列、または配列番号10に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、もしくは99.9%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質をコードするコドン最適化された核酸配列は、配列番号8、9、および10のアミノ酸配列、または配列番号8、9、および10に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、もしくは99.9%の相同性を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、タンパク質をコードするコドン最適化された核酸配列は、配列番号11のアミノ酸配列、または配列番号11に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、もしくは99.9%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質をコードするコドン最適化された核酸配列は、配列番号12のアミノ酸配列、または配列番号12に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、もしくは99.9%の相同性を有する配列を含む。
いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、配列番号13と比して数が変化したCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、配列番号13よりも少ないCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、配列番号13よりも多くのCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、または5つ未満のCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、または80より多くのCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、0~80のCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、5~75のCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、10~70のCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、15~65のCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、20~60のCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、25~55のCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、30~50のCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、35~45のCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、本発明の核酸配列は、60、59、58、57、56、55、54、53、52、51、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30のCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、CpGジヌクレオチドを含有しない。いくつかの実施形態では、第3の配列は、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、または配列番号18の配列を含む。
いくつかの実施形態では、第3の配列は、第3のプロモータに操作可能に連結される。いくつかの実施形態では、第3のプロモータは、CMVプロモータ、CAGプロモータ、MNDU3プロモータ、PGKプロモータ、EF1aプロモータ、または眼に特異的なプロモータである。いくつかの実施形態では、眼に特異的なプロモータは、網膜色素上皮(RPE)細胞に特異的なプロモータである。RPE細胞に特異的なプロモータとして、RPE65遺伝子プロモータ、ヒト網膜結合タンパク質(CRALBP)遺伝子プロモータ、マウス11-シス-レチノールデヒドロゲナーゼ(RDH)遺伝子プロモータ、ロドプシンプロモータ、ロドポシン(rhodoposin)キナーゼプロモータ、組織阻害薬メタロプロテイナーゼ3(Timp3)プロモータ、光受容体網膜結合タンパク質プロモータ、および硝子体黄斑ジストロフィー2(卵黄様黄斑ジストロフィー2)プロモータ、光受容体間レチノイド結合タンパク質(IRBP)プロモータが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、第2のポリヌクレオチドは、末端逆位反復(ITR)、エンハンサ、スプライシングシグナル、ポリアデニル化シグナル(ポリ(A))、スタッフィング配列、ターミネータ、タンパク質分解シグナル、内部リボソーム侵入要素(IRES)、2A配列を含むがこれらに限定されない、他の調節配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、ポリ(A)配列は、hGHポリ(A)、SV40ポリ(A)、またはβ-グロビンポリ(A)である。
いくつかの実施形態では、第2のポリヌクレオチドは、エンハンサ領域をさらに含む。いくつかの実施形態では、エンハンサ領域には、SV40エンハンサ、サイトメガロウイルスエンハンサ、IRBPエンハンサ、免疫グロブリン遺伝子由来のエンハンサが挙げられる。いくつかの実施形態では、エンハンサ領域は、CMV、CAG、MNDU3、PGK、またはEF1aプロモータの上流に位置する。いくつかの実施形態では、エンハンサは、眼に特異的なプロモータの上流に位置する。いくつかの実施形態では、エンハンサ領域は、CMV、CAG、MNDU3、PGK、EF1aプロモータの下流に位置する。いくつかの実施形態では、エンハンサは、眼に特異的なプロモータの下流に位置する。
いくつかの実施形態では、第2のポリヌクレオチドは、末端逆位反復配列(ITR)をさらに含む。いくつかの実施形態では、第2のポリヌクレオチドは、少なくとも1つのITRを含む。いくつかの実施形態では、第2のポリヌクレオチドは、2つのITRを含む。いくつかの実施形態では、2つのITRは同じものである。いくつかの実施形態では、2つのITRは互いに異なるものである。いくつかの実施形態では、ITRは、AAV由来のITRである。いくつかの実施形態では、ITRは、AAV1、AAV2、AAV3(AAV3Aおよび3Bを含む)、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAV-Rh10、AAV-Rh74、AAV-2i8、ならびに他のあらゆる公知のAAVに由来し得る。いくつかの実施形態では、ITRは、AAV1、AAV2、AAV3(AAV3Aおよび3Bを含む)、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAV-Rh10、AAV-Rh74、AAV-2i8、ならびに他のあらゆる公知のAAV由来の野生型ITRと比較して、1つもしくは複数の塩基変異、挿入、または欠失を有するが、標的遺伝子複製、ウイルスパッケージング、および/または統合などの所望の末端反復配列機能を保持する。
いくつかの実施形態では、第2のポリヌクレオチドは、1つまたは複数のフィラー配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、フィラー配列は、CMV、CAG、MNDU3、PGK、またはEF1aプロモータ配列の上流に位置する。いくつかの実施形態では、フィラー配列は、CMV、CAG、MNDU3、PGK、またはEF1aプロモータ配列の下流に位置する。いくつかの実施形態では、フィラー配列は、眼に特異的なプロモータの上流に位置する。いくつかの実施形態では、フィラー配列は、眼に特異的なプロモータの下流に位置する。いくつかの実施形態では、フィラー配列は、5’ITR配列の5’末端に位置する。いくつかの実施形態では、フィラー配列は、5’ITR配列の3’末端に位置する。いくつかの実施形態では、フィラー配列は、3’ITR配列の5’末端に位置する。いくつかの実施形態では、フィラー配列は、3’ITR配列の3’末端に位置する。
いくつかの実施形態では、フィラー配列の長さは、限定されないが0.1kb、0.2kb、0.3kb、0.4kb、0.5kb、0.6kb、0.7kb、0.8kb、0.9kb、1kb、1.1kb、1.2kb、1.3kb、1.4kb、1.5kb、1.6kb、1.7kb、1.8kb、1.9kb、2kb、2.1kb、2.2kb、2.3kb、2.4kb、2.5kb、2.6kb、2.7kb、2.8kb、2.9kb、3kb、3.1kb、3.2kb、3.3kb、3.4kb、3.5kb、3.6kb、3.7kb、3.8kb、3.9kb、4.0kb、4.1kb、4.2kb、4.3kb、4.4kb、4.5kb、4.6kb、4.7kb、4.8kb、4.9kb、または5.0kbなど、約0.1kb~5kbであり得る。
いくつかの実施形態では、第2のポリヌクレオチドは、イントロンをさらに含む。場合により、イントロンは、転写され得るが翻訳はされないあらゆる配列を指す場合がある。場合により、イントロンは、転写されるとともに細胞中の成熟RNA転写物から除去されるあらゆる配列を指す場合がある。場合により、イントロンは、少なくとも約1bp、50bp、100bp、150bp、200bp、300bp、400bp、500bp、600bp、700bp、800bp、900bp、1000bp、2000bp、3000bp、4000bp、または5000bpを含み得る。場合により、イントロンは約300bpであり得る。場合により、イントロンは約200~400bpであり得る。場合により、イントロンは約100~500bpであり得る。場合により、イントロンは約50~200bpであり得る。場合により、イントロンは、自然に生じるインタクトなイントロン、またはキメライントロンのいずれかであり得る。いくつかの実施形態では、イントロンは、第3の配列の上流に位置する。いくつかの実施形態では、イントロンは、プロモータの下流に位置する。いくつかの実施形態では、第2のポリヌクレオチドは、調節要素をさらに含む。いくつかの実施形態では、調節要素は、TPL(アデノウイルス由来のトリパータイトリーダー配列)およびeMLP(アデノウイルス主要後期プロモータ由来のエンハンサ要素)の配列を含む。いくつかの実施形態では、調節要素は、第3の配列の上流に位置する。いくつかの実施形態では、調節要素は、プロモータの下流に位置する。いくつかの実施形態では、第2のポリヌクレオチドはコザック配列を含む。いくつかの実施形態では、コザック配列は、第3の配列の上流に位置する。いくつかの実施形態では、コザック配列は、イントロンの下流に位置する。いくつかの実施形態では、第2のポリヌクレオチドは、ヒト骨格付着領域(SAR)配列を含む。いくつかの実施形態では、SAR配列は、第3の配列の下流に位置する。いくつかの実施形態では、SAR配列は、ポリAシグナルの上流に位置する。
いくつかの実施形態では、第2のポリヌクレオチドは、300、290、280、270、260、250、240、230、220、210、200、190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、90、80、70、60、50、40、30、20、または10未満のCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第2のポリヌクレオチドは、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300より多くのCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第2のポリヌクレオチドは、100~300、100~200、100~150、150~200、150~250、150~300、200~250、200~300、または250~300CpGのCpGジヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、第2のポリヌクレオチドは、異なる治療タンパク質をコードする第4の配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、異なる治療タンパク質は、VEGF阻害薬、PDGF阻害薬、インテグリン阻害薬、mTOR阻害薬、アンジオポエチン阻害薬、またはTGFβ阻害薬である。
いくつかの実施形態では、第4の配列および第3の配列は、リンカーをコードする配列によって連結される。いくつかの実施形態では、リンカーは切断可能リンカーである。いくつかの実施形態では、切断可能リンカーは、2Aペプチドの配列を含む。いくつかの実施形態では、2Aペプチドは、Aphthora属もしくはCardiovirus属に由来する2Aペプチド、例えば、口蹄疫ウイルス(FMDV)、馬鼻炎Aウイルス(ERAV)、Thoseaasignaウイルス(Tav)、またはブタテッショウウイルス(PTV-1)の2Aペプチドから選択され得る。
組換えAAVウイルス粒子
別の態様では、本開示は、本開示の組成物またはポリヌクレオチドを細胞に導入することによって調製される組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を提供する。いくつかの実施形態では、細胞は、昆虫細胞または哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態では、昆虫細胞はSf9細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は哺乳動物細胞であり、HEK293細胞またはその誘導体細胞である。いくつかの実施形態では、誘導体細胞はHEK293T細胞である。
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、当該技術分野で公知のあらゆる方法によって細胞へと送達することができる。いくつかの実施形態では、本方法は、電気穿孔法、リン酸カルシウム沈殿法、およびリポソーム媒介法を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、組成物は、細胞へと安定してトランスフェクトされる。いくつかの実施形態では、組成物は、細胞へと一過的にトランスフェクトされる。いくつかの実施形態では、細胞は、rAAVウイルス粒子を産生するのに使用される。
rAAVウイルス粒子は、当業者に公知の方法により細胞から単離かつ精製することができる。例えばrAAVは、遠心分離、HPLC、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、陰イオン交換クロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、限外濾過、ゲル電気泳動、アフィニティークロマトグラフィー、および/またはウイルス粒子に対する他の精製技法を使用して精製することができる。
別の態様では、本開示は、本明細書に開示されるポリヌクレオチドのいずれかを含む、rAAV粒子を提供する。
ポリヌクレオチド
別の態様では、本開示は、VEGF阻害薬をコードするコドン最適化された核酸配列を含む、ポリヌクレオチドを提供する。VEGF阻害薬は、VEGFタンパク質の活性または発現を阻害することによってVEGFタンパク質の生体機能を阻害可能である、あらゆるポリペプチドまたはタンパク質であり得る。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、抗VEGF抗体またはその抗原結合フラグメントである。いくつかの実施形態では、抗原結合フラグメントとして、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fd、Fv、dAb、ならびに相補性決定領域(CDR)フラグメント、一本鎖抗体(scFv)、キメラ抗体、およびダイアボディが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、抗VEGF阻害薬は、ラニビズマブ、ベバシズマブ、またはアフリベルセプトから選択される。
いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号1の配列、または配列番号1に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号1に対して少なくとも99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号2の配列、または配列番号2に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号2に対して少なくとも99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号3の配列、または配列番号3に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号3に対して少なくとも99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号4の配列、または配列番号4に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、VEGF阻害薬は、配列番号4に対して少なくとも99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の相同性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、配列番号1のアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするコドン最適化された核酸配列。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、配列番号13と比して数が変化したCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、配列番号13よりも少ないCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、配列番号13よりも多くのCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、または5つ未満のCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、または80より多くのCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、0~80のCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、5~75のCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、10~70のCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、15~65のCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、20~60のCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、25~55のCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、30~50のCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、35~45のCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、本発明の核酸配列は、60、59、58、57、56、55、54、53、52、51、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30のCpGジヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、コドン最適化された核酸配列は、CpGジヌクレオチドを含有しない。いくつかの実施形態では、第3の配列は、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、または配列番号18の配列を含む。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドはプロモータをさらに含む。いくつかの実施形態では、プロモータは、CMVプロモータ、CAGプロモータ、MNDU3プロモータ、PGKプロモータ、EF1aプロモータ、または眼に特異的なプロモータである。いくつかの実施形態では、眼に特異的なプロモータは、RPE65遺伝子プロモータ、ヒト網膜結合タンパク質遺伝子プロモータ、マウス11-シスレチノイドアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子プロモータ、ロドプシンプロモータ、ロドポシンキナーゼプロモータ、メタロプロテイナーゼ3プロモータの組織阻害薬、光受容体レチノール結合タンパク質プロモータ、卵黄様黄斑ジストロフィー2プロモータ、および光受容体間レチノイド結合タンパク質プロモータからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、末端逆位反復(ITR)、エンハンサ、スプライシングシグナル、ポリアデニル化シグナル(ポリA)、スタッフィング配列、ターミネータ、タンパク質分解シグナル、内部リボソーム侵入要素(IRES)、2A配列を含むがこれらに限定されない、他の調節配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、ポリA配列は、hGHポリ(A)、SV40ポリ(A)、またはβ-グロビンポリ(A)である。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、エンハンサ領域をさらに含む。いくつかの実施形態では、エンハンサ領域には、SV40エンハンサ、サイトメガロウイルスエンハンサ、IRBPエンハンサ、免疫グロブリン遺伝子由来のエンハンサが挙げられる。いくつかの実施形態では、エンハンサ領域は、CMV、CAG、MNDU3、PGK、またはEF1aプロモータの上流に位置する。いくつかの実施形態では、エンハンサは、眼に特異的なプロモータの上流に位置する。いくつかの実施形態では、エンハンサ領域は、CMV、CAG、MNDU3、PGK、EF1aプロモータの下流に位置する。いくつかの実施形態では、エンハンサは、眼に特異的なプロモータの下流に位置する。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、末端逆位反復配列(ITR)をさらに含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのITRを含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、2つのITRを含む。いくつかの実施形態では、2つのITRは同じものである。いくつかの実施形態では、2つのITRは互いに異なるものである。いくつかの実施形態では、ITRは、AAV由来のITRである。いくつかの実施形態では、ITRは、AAV1、AAV2、AAV3(AAV3Aおよび3Bを含む)、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAV-Rh10、AAV-Rh74、AAV-2i8、ならびに他のあらゆる公知のAAVに由来し得る。いくつかの実施形態では、ITRは、AAV1、AAV2、AAV3(AAV3Aおよび3Bを含む)、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAV-Rh10、AAV-Rh74、AAV-2i8、ならびに他のあらゆる公知のAAV由来の野生型ITRと比較して、1つもしくは複数の塩基変異、挿入、または欠失を有するが、標的遺伝子複製、ウイルスパッケージング、および/または統合などの所望の末端反復配列機能を保持する。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、1つまたは複数のフィラー配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、フィラー配列は、CMV、CAG、MNDU3、PGK、またはEF1aプロモータ配列の上流に位置する。いくつかの実施形態では、フィラー配列は、CMV、CAG、MNDU3、PGK、またはEF1aプロモータ配列の下流に位置する。いくつかの実施形態では、フィラー配列は、眼に特異的なプロモータの上流に位置する。いくつかの実施形態では、フィラー配列は、眼に特異的なプロモータの下流に位置する。いくつかの実施形態では、フィラー配列は、5’ITR配列の5’末端に位置する。いくつかの実施形態では、フィラー配列は、5’ITR配列の3’末端に位置する。いくつかの実施形態では、フィラー配列は、3’ITR配列の5’末端に位置する。いくつかの実施形態では、フィラー配列は、3’ITR配列の3’末端に位置する。
いくつかの実施形態では、フィラー配列の長さは、限定されないが0.1kb、0.2kb、0.3kb、0.4kb、0.5kb、0.6kb、0.7kb、0.8kb、0.9kb、1kb、1.1kb、1.2kb、1.3kb、1.4kb、1.5kb、1.6kb、1.7kb、1.8kb、1.9kb、2kb、2.1kb、2.2kb、2.3kb、2.4kb、2.5kb、2.6kb、2.7kb、2.8kb、2.9kb、3kb、3.1kb、3.2kb、3.3kb、3.4kb、3.5kb、3.6kb、3.7kb、3.8kb、3.9kb、4.0kb、4.1kb、4.2kb、4.3kb、4.4kb、4.5kb、4.6kb、4.7kb、4.8kb、4.9kb、または5.0kbなど、約0.1kb~5kbであり得る。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、イントロンをさらに含む。場合により、イントロンは、転写され得るが翻訳はされないあらゆる配列を指す場合がある。場合により、イントロンは、転写されるとともに細胞中の成熟RNA転写物から除去されるあらゆる配列を指す場合がある。場合により、イントロンは、少なくとも約1bp、50bp、100bp、150bp、200bp、300bp、400bp、500bp、600bp、700bp、800bp、900bp、1000bp、2000bp、3000bp、4000bp、または5000bpを含み得る。場合により、イントロンは約300bpであり得る。場合により、イントロンは約200~400bpであり得る。場合により、イントロンは約100~500bpであり得る。場合により、イントロンは約50~200bpであり得る。場合により、イントロンは、自然に生じるインタクトなイントロン、またはキメライントロンのいずれかであり得る。いくつかの実施形態では、イントロンは、コドン最適化された核酸配列の上流に位置する。いくつかの実施形態では、イントロンは、プロモータの下流に位置する。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、調節要素をさらに含む。いくつかの実施形態では、調節要素は、TPL(アデノウイルス由来のトリパータイトリーダー配列)およびeMLP(アデノウイルス主要後期プロモータ由来のエンハンサ要素)の配列を含む。いくつかの実施形態では、調節要素は、コドン最適化された核酸配列の上流に位置する。いくつかの実施形態では、調節要素は、プロモータの下流に位置する。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、コザック配列を含む。いくつかの実施形態では、コザック配列は、コドン最適化された核酸配列の上流に位置する。いくつかの実施形態では、コザック配列は、イントロンの下流に位置する。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、ヒト骨格付着領域(SAR)配列を含む。いくつかの実施形態では、SAR配列は、コドン最適化された核酸配列の下流に位置する。いくつかの実施形態では、SAR配列は、ポリAシグナルの上流に位置する。
システム
別の態様では、本開示は、本明細書に開示されるrAAV粒子および薬学的に許容可能な担体または賦形剤を含む、眼疾患の処置を必要とする対象の眼疾患を処置するためのシステムを提供する。
本明細書で使用される場合、「薬学的または治療上許容可能な担体または賦形剤」は、活性成分の生体活性の有効性を妨げず、宿主または患者に対し無毒である担体媒体を指す。医薬製剤に使用される担体の種類は、治療用化合物のどの投与方法が使用されるかに左右されることになる。複数の投与経路用の医薬組成物を調製する方法は、当該技術分野で周知である。「薬学的に許容可能な眼科用担体」は、本明細書に開示されるrAAVウイルス粒子を眼に直接、眼に間接的に、または眼の付近に送達するために使用できる、薬学的に許容可能な担体または賦形剤を指す。
いくつかの実施形態では、本システムは、本明細書に開示されるrAAVウイルス粒子を好適な溶媒に溶解することによって調製される。好適な溶媒としては、水、生理食塩水(例えば、NaCl)、緩衝液、または他の溶媒が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、溶媒は無菌である。
本システムの調製に使用される懸濁液用の水溶液および希釈液は、蒸留水または生理食塩水を含み得る。種々の添加剤を含めることができる。これらの添加剤は、過度の毒性、不適合性、不安定性、刺激、アレルギーを伴うことなく、眼との接触または眼の周囲への使用に適した追加の成分、添加物、または担体を含み得る。例示的な添加剤としては、溶媒、塩基、共溶媒、懸濁化剤、増粘剤、乳化剤、安定剤、緩衝剤、等張調整剤、pH調整剤、キレート剤、鎮静剤、防腐剤、香味剤、香味剤、着色剤、賦形剤、結合剤、潤滑剤、表面活性剤、吸収促進剤、分散剤、防腐剤、および可溶化剤が挙げられる。
例えば緩衝液は、pHを一定に保つために添加され、かつ、ホウ酸緩衝液、クエン酸緩衝液、酒石酸緩衝液、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、またはトリス-HCl緩衝液(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンおよびHClを含有)などの薬学的に許容可能な緩衝液を含み得る。
緩衝液に加えて、涙液と等張である調製物を調製するために等張剤を本システムに添加してもよい。等張剤としては、デキストロース、グルコース、スクロース、およびフルクトースなどの糖、マンニトールやソルビトールなどの糖アルコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、およびプロピレングリコールなどのポリオール、ならびに、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化フェドリン(phedrine chloride)、塩化カリウム、塩化プロカイン、クロラムフェニコール、およびコハク酸ナトリウムなどの塩が挙げられるが、これらに限定されない。等張剤は、点眼剤の浸透圧が涙液の浸透圧に等しくなるような量で添加される。
いくつかの実施形態では、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、およびプロピレングリコールなどの安定剤、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、トコフェロール、チオ硫酸ナトリウムなどの抗酸化剤、ならびに/または、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレングリコール-ビス-(2-アミノエチル)-N,N,N,N-四酢酸(EGTA)、およびクエン酸ナトリウムなどのキレート化剤を含むがこれらに限定されない、追加の薬剤を使用することも望ましい。
本明細書に開示されるシステムは、無菌手順によって調製することができ、または代替的に、調製の好適な段階で滅菌することができる。例えば本システムは、滅菌成分を無菌混合することによって調製することができる。代替的に本システムは、最初に成分を混合し、次いで最終製剤を滅菌することによって調製することができる。滅菌方法には、加熱滅菌、放射線、および濾過が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に開示されるrAAVウイルス粒子は、他の治療薬と組み合わせて提供することもできる。種々の実施形態では、本開示の化合物はまた、Acular(ケトプロフェントロメタミン点眼液)0.5%、Acuvail(ケトロラクトロメタミン)、AK-Con-A(ナファゾリン点眼液)、Akten(塩酸リドカイン)、Alamast、Alphagan(ブロミジン)、Alrex、Astepro(塩酸)(アゼラスチン鼻スプレー)、AzaSite(アジスロマイシン)、Bepreve(ベシル酸ベポタスチン点眼液)、Besivance(ベシフロキサシン点眼液)、Betaxon、BSS滅菌洗浄液、Cosopt、Durezol(ジフルプレドネート)、Eylea(アベルセプト)、Lotemax、Lucentis(ラニビズマブ)、Lumigan(ビマトプロスト点眼液)、Macugen(ピガチニブ)、Ocuflox(オキシフルラン)Saxine点眼液)0.3%、OcuHist、Ozurdex(デキサメタゾン)、Quixin(レボフロキサシン)、Rescula(ウノプロストンイソプロピル点眼液)0.15%、Restasis(シクロスポリン点眼液)、Salagen錠、Travatan(トラボプロスト点眼液)、Valcyte(塩酸バルガンシクロビル)、トリフルオロチミジン(Viroptic)、Vistide(シドホビル)、Visudyne(注射用ベルテポルフィン)、Vitrasertインプラント、ホルマミビル注射液、ZADITOR、Zioptan(タフルプロスト点眼液)、Zirgan(ガンシクロビル点眼液)、Zymaxid(ガチフロキサシン点眼液)、アトロピン、フルルビプロフェン、フィソスチミン(Physostimine)、Azopt、ゲンタマイシン、プロパラカイン、バシトラシン、ヒプロメロース点眼液(Goniosol)、ポリミキシンB.ポビドンヨード(Betadine)、グラミシジン、プレドニゾロン、ベタキソロール、フモルソール、プロメタイン、ベタキソロール点眼液(Betoptic)、Hylartin、Propine、ブリンゾラミド、高張NaCl、Puralube、BSS、インドシアニングリーン、ローズベンガル、カルバコール、イトラコナゾール、ヒアルロン酸ナトリウム、セファゾリン、ラタノプロスト、Sulofen、Xiao Celluvisc、マンニトール、オキシテトラサイクリン、クロラムフェニコール、メタゾラミド、チモロール、Ciloxan、ミコナゾール、トブラマイシン、シプロフロキサシン、Miostat、トリアムシノロン、Cosopt、Muro128、トリフルオロウリジン、Demecarium、ネオマイシン、トピラメート、デキストランデキサメタゾン、Neptazane、Trusopt、Dipicolin、Ocuflox、アデノシンアラビノシド、ドルゾラミド、オフロキサシン、Vira-A、エピネフリン、オキシテトラサイクリン、トリフルオロチミジン、蛍光、フェニレフリン、およびXalatanからなる群から選択される眼用治療薬と組み合わせて提供されてもよい。
例示的な薬物として、アンジオスタチン、アネコタスタット、トロンボスポンジン、VEGF受容体チロシンキナーゼ阻害薬などの抗血管新生剤、ラニビズマブ、ベバシズマブ、ペガプタニブ、スニチニブ、およびソラフェニブなどの抗血管内皮成長因子(抗VEGF)薬、ならびに、他のあらゆる公知の低分子および血管新生用転写阻害薬;アドレナリン作動性アンタゴニスト(例えば、アセトブトロール、アテノロール、ビソプロロール、カルベジロール、アスモロール、ラベタロール、ナドロール、ペンブトロール、ピンドロール、プロプラノロール、メチプラノロール、ベタキソロール、カルテオロール、レボベタキソロール、レボブノロール、およびチモロールなどのβ遮断薬)などの緑内障薬を含む眼科薬;エピネフリン、ジピベフリン、クロニジン、アプラクロニジン、およびブリモニジンなどのアドレナリンアゴニスト;ピロカルピン、カルバコール、ヨウ化ホスホリン、フィソスチグミン、サリチル酸、塩化アセチルコリン、エセリン、ジイソプロピルフルオロホスフェート、デメカリウムブロミドなどの副交感神経刺激薬またはコリン作動性受容体アゴニスト;ムスカリン作動薬(muscarinic);アセトゾラミド、ブリンゾラミド、ドルゾラミド、メタゾラミド、エトックスゾラミド、ジアモックス、およびジクロルフェナミドなどの局所および/または全身用薬剤を含む炭酸脱水酵素阻害薬;アトロピン、シクロペントレート、サクシニルコリン、ホマトロピン、フェニレフリン、スコポラミン、およびトロピカミドなどの散瞳-毛様体筋麻痺アゴニスト;プロスタグランジンF2α、抗プロスタグランジン、プロスタグランジン前駆体などのプロスタグランジン;あるいはビマトプロスト、ラタノプロスト、トラボプロスト、ウノプロストンなどのプロスタグランジンアナログ剤が挙げられる場合もある。
追加の例示的な薬物にはまた、例えば、ベタメタゾン、コルチゾン、デキサメタゾン、デキサメタゾン21-ホスフェート、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン21-ホスフェート、酢酸プレドニゾロン、プレドニゾロン、フルミロン、ロテプレドノール、メチルプレドニゾロン、フルオシノロン、トリアムシノロン、酢酸トリアムシノロン、ベクロメタゾン、ブデソニド、フルニソリド、フルメタゾン、フルチカゾン、フルドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、ロテプレドノール、リメトロンなどのグルココルチコイドおよびコルチコステロイド;アスピリン、ジクロフェナク、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ブロムフェナク、ネパフェナク、ケトプロフェン、サリチレート、インドメタシン、ナキソプレン、ピロキシカム、ナブメトンジフルニサル、エトドラク、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、クロレート、メフェナム酸、メロキシカム、ナブメトン、オキサプロジン、ピロキシカム、ジサリチレート、スリンダク、およびトルメチンなどの非ステロイド系抗炎症薬;セレコキシブ、ロフェコキシブ、およびバルデコキシブなどのCOX-2阻害薬;抗生物質、例えばテトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、バシトラシン、ネオマイシン、ポリミキシン、ブレビバシリン、セファレキシン、オキシテトラサイクリン、クロラムフェニコール、リファンピシン、シプロフロキサシン、トブラマイシン、ゲンタマイシン、エリスロマイシン、ペニシリン、スルホンアミド、スルファジアジン、スルファセトアミド、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、ニトロフラゾン、プロピオン酸ナトリウム、アミノグリコシド類、例えばゲンタマイシン、トブラマイシン、アミカシン、およびストレプトマイシンなどの、抗感染症または抗菌剤;シプロフロキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシンなどのフルオロキノロン;バシトラシン、エリスロマイシン、フシジン酸、ネオマイシン、ポリミキシンB、グラミシジン、αオキシベンジジン、およびスルファメトキサミド;アムホテリシンB、カスポファンギン、クロトリマゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ボリコナゾール、テルビナフィン、ナイスタチン、およびミコナゾールなどの抗真菌剤;クロロキン、アトバコン、メフロキン、プリマキン、キニジン、キニーネなどの抗マラリア薬;エタンブトール、イソニアジド、ピラジナミド、リファンピン、およびリファブチンなどの抗マイコバクテリア薬;アルベンダゾール、メベンダゾール、チオベンダゾール、ビスアゾレート坐剤、チウラシル、アトバコン、ヨードキナオール、イベルメクチン、パロモマイシン、プラジカンテル、およびトリマトレキセートなどの抗寄生虫薬も挙げられる場合がある。
方法
別の態様では、本開示は、対象の細胞または組織中でVEGF阻害薬を発現させる方法であって、対象の細胞または組織に、本明細書に開示される組成物、rAAV粒子、ポリヌクレオチド、またはシステムのいずれか1つを投与する工程を含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、組成物、rAAV粒子、ポリヌクレオチド、またはシステムは、当該技術分野で公知のあらゆる好適な方法によって対象に投与され得る。いくつかの実施形態では、細胞または組織は、眼関連である。いくつかの実施形態では、組成物、rAAV粒子、ポリヌクレオチド、またはシステムは、結膜下、眼球後方、眼周囲、網膜下、脈絡膜上、または眼内の経路によって眼に適用することができる。
別の態様では、本開示は、眼疾患を処置するための方法であって、本明細書に開示される組成物、rAAV粒子、またはシステムを治療有効量で必要とする対象に投与する工程を含む方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本システムは、当該技術分野で公知のあらゆる好適な方法によって対象に投与され得る。いくつかの実施形態では、本システムは、結膜下、眼球後方、眼周囲、網膜下、脈絡膜上、または眼内の経路によって眼に適用することができる。
いくつかの実施形態では、眼疾患には、加齢性黄斑変性症(AMD)、湿性AMD、乾性AMD、網膜血管新生、脈絡膜血管新生、糖尿病性網膜症、増殖性糖尿病性網膜症、網膜静脈閉塞、網膜中心静脈閉塞、分枝状網膜静脈閉塞、糖尿病性黄斑浮腫、糖尿病性網膜虚血、虚血性網膜症、および糖尿病性網膜浮腫が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、rAAVウイルス粒子を含むシステムは、医学的に許容可能な毒性レベルで所望の生物学的効果を達成する治療有効量で提供される。投与量は、投与経路および疾患の重症度に基づいて変動し得る。用量はまた、処置される各患者の体重、年齢、性別、および/または症状の程度に応じて調整され得る。投与量の慣例的な変化は、患者の年齢および体重、ならびに処置される疾病の重症度に応じて行われる必要があり得ることが理解される。
いくつかの実施形態では、治療有効量は、概して約1×10~1×1013個のrAAVウイルス粒子である。いくつかの実施形態では、治療有効量は、概して約1×10~1×1012個のrAAVウイルス粒子である。いくつかの実施形態では、治療有効量は、概して約1×10~1×1012個のrAAVウイルス粒子である。いくつかの実施形態では、治療有効量は、概して約1×10~1×1012個のrAAVウイルス粒子である。いくつかの実施形態では、治療有効量は、概して約1×10~1×1012個のrAAVウイルス粒子である。いくつかの実施形態では、治療有効量は、概して約1×1010~1×1012個のrAAVウイルス粒子である。
いくつかの実施形態では、送達される容量は、眼ごとに約0.005mL~0.5mLである。いくつかの実施形態では、送達される容量は、眼ごとに約0.05mL~0.5mLである。いくつかの実施形態では、送達される容量は、眼ごとに約0.1mL~0.5mLである。いくつかの実施形態では、送達される容量は、眼ごとに約0.2mL~0.5mLである。
いくつかの実施形態では、投与頻度は、1日2回、3回、4回、または5回を含めて、少なくとも1日1回であり得る。いくつかの実施形態では、処置は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日、31日、32日、33日、34日、35日、36日、37日、38日、39日、40日、41日、42日、43日、44日、45日、46日、47日、48日、49日、50日、60日、70日、80日、90日、100日、150日、200日、250日、300日、400日、500日、750日、1000日、または1000日よりも長い間、持続することができる。
いくつかの実施形態では、rAAV粒子またはポリヌクレオチドの投与は、ex vivo投与も含み得る。いくつかの実施形態では、ex vivo投与は、(1)対象からの目的の細胞または組織の単離、(2)過度の副作用を伴うことなく十分なレベルの遺伝子導入および発現をもたらすべく細胞または組織をトランスフェクトするのに十分な量のrAAVに細胞または組織を接触、ならびに(3)細胞または組織を対象に戻すことを含む。いくつかの実施形態では、細胞または組織は、トランスフェクションの前および/または後、数日間ex vivoで培養され得る。いくつかの実施形態では、細胞または組織は、眼関連である。
別の態様では、本開示は、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を調製するための方法であって、本明細書に開示される組成物、rAAV粒子、ポリヌクレオチド、またはシステムのいずれかにより細胞をトランスフェクトする工程を含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、細胞は、昆虫細胞または哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態では、昆虫細胞はSf9細胞である。いくつかの実施形態では、哺乳動物細胞は、HEK293細胞またはその誘導体細胞である。いくつかの実施形態では、誘導体細胞はHEK293T細胞である。いくつかの実施形態では、本方法は、バクミドDNAおよび/またはバキュロウイルスを生成する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、VEGF阻害薬を発現する配列(本明細書に開示されるポリヌクレオチドなど)を含むバクミドDNAを生成する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、バクミドDNA rAAV cap-repを発現する配列を生成する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、細胞をバクミドDNAでトランスフェクトすることでバキュロウイルスを産生する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、VEGF阻害薬を発現する配列を含むバクミドDNAで細胞をトランスフェクトすることでバキュロウイルスを産生する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、細胞をバクミドDNAでトランスフェクトすることで、rAAV cap-repを発現する配列を含むバキュロウイルスを産生する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、バキュロウイルスを混合させることで細胞(Sf9細胞など)を感染させて、本明細書に開示されるパッケージングされたrAAV/VEGF阻害薬ウイルス粒子を得る工程をさらに含む。
いくつかの実施形態では、本開示の組成物、または本開示のポリヌクレオチドは、当該技術分野で公知のあらゆる方法によって細胞へと送達することができる。いくつかの実施形態では、本方法は、電気穿孔法、リン酸カルシウム沈殿法、およびリポソーム媒介法を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、組成物またはポリヌクレオチドは、細胞へと安定してトランスフェクトされる。いくつかの実施形態では、組成物またはポリヌクレオチドは、細胞へと一過的にトランスフェクトされる。ベクター、組成物、またはポリヌクレオチドを細胞に導入するために、リポソーム、ナノカプセル、微粒子、ミクロスフェア、小胞体などの送達ビヒクルが使用されてもよい。具体的に、ベクター、組成物、またはポリヌクレオチドは、脂質粒子、リポソーム、小胞体、ナノスフェア、またはナノ粒子のいずれかに封入されて送達するために製剤化されてもよい。
キット
他方で本開示は、本明細書に開示されるrAAV粒子またはシステムと指示書とを備える、眼疾患を処置するためのキットを提供する。いくつかの実施形態では、指示書は、眼疾患を処置するためにrAAV粒子またはシステムを投与する方法を示すのに使用される。
いくつかの実施形態では、キットは容器をさらに備える。いくつかの実施形態では、容器は、本明細書に記載のシステムを送達するように構成される。いくつかの実施形態では、容器は、バイアル、スポイト(dropper)、ボトル、チューブ、およびシリンジを含む。いくつかの実施形態では、容器は、システムを適用するためのスポイトである。いくつかの実施形態では、容器は、システムを投与するためのシリンジである。
本開示のいくつかの実施形態は、下記の実施例によってさらに例示されるが、これらは限定的なものと解釈されるべきでない。当業者であれば、下記の実施例に開示される技法は、本発明者らにより、本明細書に記載の実施形態を実施するに際して十分に機能すると見出された技法を表し、そのためこれら実施形態を実施するのに使用されるものを構築すると考慮され得ることを理解するであろう。しかし、本開示に基づき、当業者であれば、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく本明細書に介される特定の実施形態に対し多くの変更を行うことができ、常に同一または同様の結果を達成できることを理解するであろう。
以下の実施例によって本発明をさらに例示する。これら実施例は、本発明を例示することのみを意図しており、本発明を限定するものと解釈されるべきでない。
実施例1 組換えAAVベクターの設計
AAV2に由来するcapおよびrepコーディング配列を、それらの対応するプロモータとともに合成し、pUC57、pFastBac1、修飾pUC57、または修飾pFastBac1へとクローニングすることで、capおよびrepタンパク質のコーディング配列を含む第1のポリヌクレオチドを得た。
緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードするヌクレオチド配列、またはVEGF阻害薬アフリベルセプトをコードする核酸配列を、それらの対応するプロモータとともに合成し、pUC57、pFastBac1、修飾pUC57、または修飾pFastBac1へとクローニングすることで、それぞれGFPまたはアフリベルセプトのコーディング配列を含有する第2のポリヌクレオチドを得た。第2のポリヌクレオチドの構造の設計は、表2に見出すことができる。
「co」は、「コドン最適化」を指す。例えば、「co1」は、コドン最適化された配列#1を指す。「CMVep」は、CMVエンハンサおよびプロモータを指す。「sv40i」はSV40イントロンを指す。
実施例2 プラスミドトランスフェクション
設計された構築物の発現強度を判定するべく、2×10個のHEK293T細胞を24ウェルのプレートに蒔き、一晩かけて培養した。各発現構築物プラスミド0.5μgを、Opti-Mem培地50μl(DNA(ug):Mirus試薬(ul)=1:3)中、ウェルごとに1.5μlのMirus TransT-VirusGEN(登録商標)のトランスフェクション試薬と混合した。48時間後、蛍光顕微鏡およびフローサイトメータによりGFPの発現を検出し(図1Aおよび図1B)、これにより細胞は発現カセットにより首尾よくトランスフェクトされたことが示唆された。アフリベルセプト検出のために上清培養培地を48時間後に採取した。
実施例3 組換えAAVウイルス粒子の調製
実施例1で得た第1のポリヌクレオチドと第2のポリヌクレオチドを混合して組成物を形成し、この組成物にヘルパープラスミドを加えてHEK293T細胞をトランスフェクトすることで、パッケージングされたrAAV2.7m8/アフリベルセプトウイルス粒子およびrAAV2.7m8/GFPウイルス粒子を得た。またAAV粒子は、bac to AAV技術、すなわち、先ず、それぞれRep-Capおよび導入遺伝子発現カセットを含有する2つのバクミドを生成し、次いでこれら2つのバクミドに対するバキュロウイルスを産生することによっても産生することができ、rAAVは、Sf9細胞中でRep-Capと導入遺伝子発現バキュロウイルスの両方を感染させることによって産生することができた。組換えAAV2.7m8/アフリベルセプトウイルス粒子およびAAV2.7m8/GFPウイルス粒子を、勾配超遠心分離を用いてHEK293T細胞から単離し、精製した。
実施例4 トランスフェクトされた細胞からのアフリベルセプトの発現レベル
細胞培養上清中のアフリベルセプトの発現レベルを、量的ELISAにより測定した。ELISAプレートに、被覆緩衝液中1μg/mLの濃度で、100μL/ウェルの組換えヒトVEGFA(rhVEGFA)を被覆し、4℃で一晩インキュベートした。洗浄緩衝液による洗浄後、プレートを、タンパク質を含まないブロッキング緩衝液300uL/ウェルで遮断した。その後プレートを洗浄し、試料を1:1000の希釈で添加し(100uL/ウェル)、室温で2時間インキュベートした。次いでプレートを再び洗浄し、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)に抱合されたIgG(Fcγ)特異的抗体の抗ヒトFcドメイン100μL/ウェルを、PBS中のBSA1%において500ng/mLでウェルに添加した。洗浄後、Supersignal ELISA Pico化学発光基質100μL/ウェルをウェルに添加し、マイクロプレートリーダを用いて発光シグナルを測定した。結果を表3に示す。
データを次の範囲内で設計する:
アフリベルセプト濃度(ng/ml):A>15,000>B>10,000>C>1000>D
実施例5.rAAVからのアフリベルセプトの活性レベル
HUVEC増殖アッセイを利用して、293T細胞中でのrAAV形質導入後に発現されたアフリベルセプトの活性レベルを測定した。具体的に、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)懸濁液100μlを、96ウェルプレート中の基礎培地(約5000個の細胞/ウェル)に分注した。プレートを4時間インキュベートした。上清試料の100倍希釈物を基礎培地中でVEGF(80ng/mL)とともに調製し、1時間インキュベートした。希釈物10μlをHUVECに添加した。プレートを4日間インキュベートした。cell counting kit-8(CCK-8)溶液20μlをプレートの各ウェルに添加した。プレートをインキュベータ中、4時間インキュベートした。プレートを450nmで読み取った。
HUVECに対するアフリベルセプトの阻害活性を、次の式に基づき算出した:阻害%=(OD(GFP control)-OD(sample))/(OD(GFP control)-OD(blank))*100%
当業者により理解されるように、CCK-8は、非放射活性であり、細胞増殖において生存細胞数を判定するための高感度比色アッセイ、および細胞毒性アッセイを可能にする。WST-8を細胞中の脱水素酵素により還元することで、組織培養培地中で溶解可能である橙色の産物(ホルマザン)が得られる。産生されたホルマザンの量は生細胞数に正比例し、吸光度460nmによって測定される。Cell Counting Kit8(WST-8/CCK8)(ab228554)は、細胞生存率アッセイを行うのに都合が良く堅牢な方法をもたらす。本キットでは水溶性テトラゾリウム塩を使用することで、電子運搬体の存在下での生体内還元に際して橙色のホルマザン色素を産生することによって生細胞数を定量化する。
この結果、分泌されたアフリベルセプトはVEGF誘導型のHUVEC増殖を阻害することを認めた。換言すると、分泌されたアフリベルセプトは生体活性を保持していた。結果を表4に示す。
データを次の範囲内で設計する:
HUVEC細胞増殖の阻害:A>40>B>25>C>10>D
実施例6.In VitroのAAV感染
6×10個の細胞/mLの293T細胞(6×10個/ウェル)100uLを96ウェルプレート中、ウェルごとにDMEM完全培地に蒔いた。細胞を1時間培養した後、培地を廃棄した。MOI5.56×10および1.67×10で7m8AAVベクターを含むDMEM完全培地30uLを各ウェルに添加し、一晩かけてインキュベートした。ドロップレットデジタルPCR(ddPCR)力価に基づき、MOIを算出した。翌日、DMEM完全培地70uLを添加した。細胞を計48時間培養した。
次に、細胞培養上清中のアフリベルセプトの発現レベルを、量的ELISAにより測定した。ELISAプレートに、被覆緩衝液中1μg/mLの濃度で、100μL/ウェルの組換えヒトVEGFA(rhVEGFA)を被覆し、4℃で一晩インキュベートした。洗浄緩衝液による洗浄後、プレートを、タンパク質を含まないブロッキング緩衝液300uL/ウェルで遮断した。その後プレートを洗浄し、試料を1:1000の希釈で添加し(100uL/ウェル)、室温で2時間インキュベートした。次いでプレートを再び洗浄し、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)に抱合されたIgG(Fcγ)特異的抗体の抗ヒトFcドメイン100μL/ウェルを、PBS中のBSA1%において500ng/mLでウェルに添加した。洗浄後、Supersignal ELISA Pico化学発光基質100μL/ウェルをウェルに添加し、マイクロプレートリーダを用いて発光シグナルを測定した。結果を表5に示す。
データを次の範囲内で設計する:
左欄(MOI=1.67E+4)ではアフリベルセプト濃度(ng/ml):A>3,000>B>2,000>C>1,000>D、右欄(MOI=5.56E+3)ではアフリベルセプト濃度(ng/ml):A>1,500>B>1,000>C>500>D。
実施例7.rAAVからのアフリベルセプト活性の測定
アフリベルセプトの上清試料20uLをDMEM完全培地20uL(2ug/mLのVEGFを含有)と混合し、1時間インキュベートした。試料希釈液25uLを、VEGF Bioassay(Promega GA2001)の製造説明書に従い、予め播種した細胞25uLに分注した。アフリベルセプト活性を、次の式に基づき算出する:
阻害倍率=RLU(細胞のみ-アッセイ試料)/RLU(細胞のみ-バックグラウンド)
(RLU:相対発光量)
rAAVから発現されたアフリベルセプトによるVEGFの阻害結果より、培養物上清中で分泌されたアフリベルセプトが生物学的に活性であることを認めた。データを表6に示す。
データを次の範囲内で設計する:
左欄(MOI=1.67E+4)ではVEGFの阻害(ルシフェラーゼレポータ):A>60>B>40>C>20>D、右欄(MOI=5.56E+3)ではVEGFの阻害(ルシフェラーゼレポータ):A>35>B>25>C>15>D。
実施例8 マウスにおけるVEGF阻害薬の送達と発現
マウスを対照群と実験群の2つの群に分ける。両群のマウスの硝子体内に、それぞれ実施例3で精製されたAAV2.7m8/VEGF阻害薬のウイルス粒子を注射する。眼組織を、ELISAによるアフリベルセプト濃度の測定のために採取する。
実施例9 本出願の組成物のin vivoでの有効性
レーザ誘起脈絡膜血管新生(LCNV)は、湿性加齢黄斑変性症の前臨床モデルとして使用される脈絡膜血管新生のモデルである。本出願に記載のシステムの有効性を検証するために、本出願ではrAAV2.7m8/VEGF阻害薬ウイルス粒子を含む対照システムを用いて、2群臨床実験を実施した。
配列表

Claims (58)

  1. (i)第1のプロモータに操作可能に連結された第1の配列、および第2のプロモータに操作可能に連結された第2の配列を含む、第1のポリヌクレオチドであって、
    前記第1の配列がアデノ随伴ウイルス(AAV)カプシドタンパク質をコードし、
    前記第2の配列がAAV repタンパク質をコードする、
    第1のポリヌクレオチドと、
    (ii)第3のプロモータに操作可能に連結された第3の配列を含む第2のポリヌクレオチドであって、前記第3の配列が、血管内皮細胞成長因子(VEGF)阻害薬をコードするコドン最適化された核酸配列を含む、第2のポリヌクレオチドと
    を含む、組成物。
  2. 前記VEGF阻害薬が、融合タンパク質、またはVEGF抗体もしくはその抗原結合フラグメントである、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記コドン最適化された核酸配列が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、または配列番号4のアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記コドン最適化された核酸配列が、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、または配列番号12のアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする、請求項1または2に記載の組成物。
  5. 前記コドン最適化された核酸配列が、配列番号1のアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする、請求項3に記載の組成物。
  6. 前記コドン最適化された核酸配列が、配列番号13と比して数が変化したCpGジヌクレオチドを含む、請求項5に記載の組成物。
  7. 前記コドン最適化された核酸配列が、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、または5つ未満のCpGジヌクレオチドを含む、請求項6に記載の組成物。
  8. 前記コドン最適化された核酸配列が、CpGジヌクレオチドを含まない、請求項7に記載の組成物。
  9. 前記第3の配列が、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、または配列番号18の配列を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 前記第1のプロモータおよび前記第2のプロモータが、昆虫細胞または哺乳動物細胞中での発現に好適である、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 前記昆虫細胞がSf9細胞である、請求項10に記載の組成物。
  12. 前記哺乳動物細胞が、HEK293細胞またはその誘導体細胞である、請求項10に記載の組成物。
  13. 前記誘導体細胞がHEK293T細胞である、請求項12に記載の組成物。
  14. 前記第1のプロモータまたは前記第2のプロモータが、p10プロモータまたはpolhプロモータである、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
  15. 前記第3のプロモータが、CMVプロモータ、CAGプロモータ、MNDU3プロモータ、PGKプロモータ、EF1aプロモータ、または眼に特異的なプロモータである、請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物。
  16. 前記眼に特異的なプロモータが、RPE65遺伝子プロモータ、ヒト網膜結合タンパク質遺伝子プロモータ、マウス11-シスレチノイドアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子プロモータ、ロドプシンプロモータ、ロドポシンキナーゼプロモータ、メタロプロテイナーゼ3プロモータの組織阻害薬、光受容体レチノール結合タンパク質プロモータ、卵黄様黄斑ジストロフィー2プロモータ、および光受容体間レチノイド結合タンパク質プロモータからなる群から選択される、請求項15に記載の組成物。
  17. 前記第1の配列、前記第2の配列、または前記第3の配列の3’末端が、ポリ(A)配列をさらに含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の組成物。
  18. 前記ポリ(A)配列が、hGHポリ(A)、SV40ポリ(A)、またはβ-グロビンポリ(A)である、請求項17に記載の組成物。
  19. 前記第2のポリヌクレオチドが、イントロンまたは調節要素を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の組成物。
  20. 前記イントロンがキメライントロンを含む、請求項19に記載の組成物。
  21. 前記調節要素が、TPL(アデノウイルス由来のトリパータイトリーダー配列)およびeMLP(アデノウイルス主要後期プロモータ由来のエンハンサ要素)の配列を含む、請求項19に記載の組成物。
  22. 前記第2のポリヌクレオチドがコザック配列を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の組成物。
  23. 前記第2のポリヌクレオチドが、ヒト骨格付着領域(SAR)配列を含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の組成物。
  24. 前記第2のポリヌクレオチドがエンハンサをさらに含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の組成物。
  25. 前記エンハンサがCMVエンハンサである、請求項23に記載の組成物。
  26. 前記第2のポリヌクレオチドがフィラー配列をさらに含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の組成物。
  27. 前記第2のポリヌクレオチドが末端逆位反復(ITR)配列をさらに含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の組成物。
  28. 前記ITR配列がAAV2 ITRである、請求項27に記載の組成物。
  29. 前記第2のポリヌクレオチドが、追加の治療タンパク質をコードする第4の配列を含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の組成物。
  30. 前記追加の治療タンパク質が、VEGF阻害薬、PDGF阻害薬、胎盤成長因子阻害薬、インテグリン阻害薬、mTOR阻害薬、アンジオポエチン阻害薬、およびTGFβ阻害薬からなる群から選択される、請求項29に記載の組成物。
  31. 前記第3の配列および前記第4の配列が、リンカーによって接続される、請求項30に記載の組成物。
  32. 前記リンカーが切断可能リンカーである、請求項31に記載の組成物。
  33. 前記リンカーが2Aペプチドを含む、請求項32に記載の組成物。
  34. 請求項1~33のいずれか一項に記載の組成物を細胞にトランスフェクトすることによって調製される、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子。
  35. 前記細胞が、昆虫細胞または哺乳動物細胞である、請求項34に記載のrAAV粒子。
  36. 前記昆虫細胞がSf9細胞である、請求項35に記載のrAAV粒子。
  37. 前記哺乳動物細胞が、HEK293細胞またはその誘導体細胞である、請求項35に記載のrAAV粒子。
  38. 前記誘導体細胞がHEK293T細胞である、請求項37に記載のrAAV粒子。
  39. 配列番号1、配列番号2、配列番号3、または配列番号4のアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするコドン最適化された核酸配列を含む、ポリヌクレオチド。
  40. 前記コドン最適化された核酸配列が、配列番号1のアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする、請求項39に記載のポリヌクレオチド。
  41. 前記コドン最適化された核酸配列が、配列番号13と比して数が変化したCpGジヌクレオチドを含む、請求項40に記載のポリヌクレオチド。
  42. 前記コドン最適化された核酸配列が、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、または5つ未満のCpGジヌクレオチドを含む、請求項41に記載のポリヌクレオチド。
  43. 前記コドン最適化された核酸配列が、CpGジヌクレオチドを含まない、請求項42に記載のポリヌクレオチド。
  44. 第3の配列が、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、または配列番号18の配列を含む、請求項39~43のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
  45. プロモータをさらに含む、請求項39~44のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
  46. 前記プロモータが、CMVプロモータ、CAGプロモータ、MNDU3プロモータ、PGKプロモータ、EF1aプロモータ、または眼に特異的なプロモータである、請求項45に記載のポリヌクレオチド。
  47. 前記眼に特異的なプロモータが、RPE65遺伝子プロモータ、ヒト網膜結合タンパク質遺伝子プロモータ、マウス11-シスレチノイドアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子プロモータ、ロドプシンプロモータ、ロドポシンキナーゼプロモータ、メタロプロテイナーゼ3プロモータの組織阻害薬、光受容体レチノール結合タンパク質プロモータ、卵黄様黄斑ジストロフィー2プロモータ、および光受容体間レチノイド結合タンパク質プロモータからなる群から選択される、請求項46に記載のポリヌクレオチド。
  48. ポリ(A)配列をさらに含む、請求項39~47のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
  49. 前記ポリ(A)配列が、hGHポリ(A)、SV40ポリ(A)、またはβ-グロビンポリ(A)である、請求項48に記載のポリヌクレオチド。
  50. イントロンまたは調節要素をさらに含む、請求項39~49のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
  51. 前記イントロンがキメライントロンを含む、請求項50に記載のポリヌクレオチド。
  52. 前記調節要素が、TPL(アデノウイルス由来のトリパータイトリーダー配列)およびeMLP(アデノウイルス主要後期プロモータ由来のエンハンサ要素)の配列を含む、請求項50に記載のポリヌクレオチド。
  53. コザック配列をさらに含む、請求項39~52のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
  54. 請求項39~53のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを含む、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子。
  55. 対象の細胞または組織中でVEGF阻害薬を発現させる方法であって、前記対象の細胞または組織に、請求項1~33のいずれか一項に記載の組成物、請求項34~38および54のいずれか一項に記載のrAAV粒子、または請求項39~53のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを投与する工程を含む方法。
  56. 眼疾患の処置を必要とする対象の眼疾患を処置するための方法であって、前記対象に、請求項1~33のいずれか一項に記載の組成物、請求項34~38および54のいずれか一項に記載のrAAV粒子、または請求項39~53のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを治療有効量で投与する工程を含む方法。
  57. 前記眼疾患が、湿性加齢黄斑変性症(湿性AMD)、糖尿病性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫、増殖性糖尿病性網膜症、および黄斑浮腫からなる群から選択される、請求項56に記載の方法。
  58. 組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を調製するための方法であって、請求項1~33のいずれか一項に記載の組成物、または請求項39~53のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを細胞に導入する工程を含む方法。
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