JPWO2021124972A5 - - Google Patents

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JPWO2021124972A5
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本開示は、モールドモータの製造方法及びモールドモータに関する。
従来、ステータがモールド樹脂で覆われたモールドモータが知られている(特許文献1を参照)。モールドモータは、例えば、ステータコア及びステータコアに巻かれたコイルを有するステータと、ステータの内側に配置されたロータと、ステータを覆うモールド樹脂とを備える。
近年、モールドモータの高出力化に伴って、ステータにおけるコイルの発熱が大きくなっている。このため、ステータを覆っているモールド樹脂が熱劣化するという問題がある。そこで、モールド樹脂の熱劣化を抑制するために、モールド樹脂として高熱伝導率を有する充填剤が含有されたエポキシ樹脂を用いることが提案されている(特許文献2を参照)。
しかしながら、ステータのコイルに過大な電流が流れる等してコイルが異常発熱した場合には、コイルの芯線をなす導線の表面を絶縁被覆する絶縁体が溶けて、ステータコアに巻かれたコイルの導線同士が短絡するというレアショートが発生するおそれがある。このレアショートの発生時に、火花が生じることがある。
このとき、コイルの異常発熱によってコイルが断線すれば、コイルに電流が流れなくなって、それ以上の不具合が生じることがなくなる。しかしながら、高出力用のモールドモータでは、ステータが有するコイルの線径を太くしているため(例えばφ0.3mm以上)、コイルが異常発熱してもコイルが断線しにくくなっている。このため、高出力用のモールドモータでは、レアショートに至って火花が生じる可能性が大きくなっている。
一方、コイルの発熱等によってモールドモータの内部の温度が上昇すると、ステータコアとコイルとの間に介在するインシュレータ等の樹脂部品から可燃性のガスが発生することがある。
このようにモールドモータの内部に可燃性のガスが存在するときに、レアショートが発生して火花が生じると、火花がガスに引火して発火するおそれがある。
特に、リードブッシュ付近で可燃性のガスが発生すると、リードブッシュ付近に空気(酸素)が流入してリードブッシュに挿通されるリード線間にスパークが発生しやすくなり、発火に至るおそれが高くなる。
このとき、リードブッシュが樹脂材料によって構成されていると、発火によってリードブッシュが溶けてしまう。このようにリードブッシュが溶けると、発火した火がリードブッシュの溶け出した部分からモールドモータの外部に漏れ出て延焼するおそれがある。
また、発火した火が漏れ出すことは、リードブッシュ付近だけから生じるのではなく、それ以外のモールド樹脂の箇所からも生じる。例えば、コイルの発熱等によってモールド樹脂が熱劣化してモールド樹脂にひび割れ等が生じていると、発火した火がモールド樹脂のひび割れた箇所からモールドモータの外部に漏れ出し、その結果、延焼するおそれがある。
そこで、ステータに巻かれたコイルの発熱に起因した発火による延焼を防止するために、ステータの外周全体にわたってステータの外側を金属部材で覆う技術が提案されている。
図10は、比較例のモールドモータの半断面図である。例えば、図10に示されるように、ステータコア11及びコイル12を有するステータ10と、回転軸21、ロータコア22及び永久磁石23を有するロータ20と、モールド樹脂30Xとを備えるモールドモータにおいて、モールド樹脂30Xの内部に金属製の内カバーとして内側金属部材40を設けることが考えられる。
図10に示される内側金属部材40は、外側面に段差部を有する円環筒状に構成されており、モールド樹脂30Xとステータ10との間に配置されている。具体的には、円環筒状の内側金属部材40は、全周にわたってステータ10の外側を覆っており、ステータコア11に巻かれたコイル12のコイルエンド12aに対向する大径部である第1部位41と、ステータコア11に対向し且つ第1部位41よりも外径が小さい小径部である第2部位42とを有する。
しかしながら、ステータ10の外側を覆うように内側金属部材40を設けると、内側金属部材40の径方向の外側に位置する部分のモールド樹脂30Xに「す」が入ってしまい、内側金属部材40の径方向の外側に位置する部分のモールド樹脂30Xの強度が低下する等の虞が生じる。
特に、第2部位42よりも外径が大きい第1部位41を有する内側金属部材40をモールド樹脂30Xとステータ10との間に配置すると、外径が大きい第1部位41に対応する部分において、内側金属部材40の外面と金型の内面との間の隙間が狭くなるので、この部分のモールド樹脂30Xに「す」が入りやすいとともに、この部分のモールド樹脂30Xに薄肉部が生じる。この結果、モールド樹脂30Xの強度が一層低下する。
国際公開第2012/101976号 特開2004-143368号公報
本開示は、このような問題を解決するためになされたものであり、ステータの外側を覆うように内側金属部材が配置されていても、モールド樹脂の強度が低下すること等を抑制できるモールドモータの製造方法及びモールドモータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示に係るモールドモータの製造方法の一態様は、ステータコア及び前記ステータコアに巻かれたコイルを有するステータと、前記ステータの外側を覆うように配置された内側金属部材とを金型に配置する工程と、前記金型に設けられた樹脂注入部を介して前記金型の内部に液状樹脂を注入して前記液状樹脂を硬化することでモールド樹脂を形成する工程と、を備え、前記樹脂注入部は、成形後の前記モールド樹脂の径方向に位置する。
また、成形後の前記モールド樹脂は、モールドモータが有する回転軸の軸心方向と直交する径方向において外方に突出する突出部を有し、前記樹脂注入部は、前記突出部に対応する部分に設けられていてもよい。
また、前記液状樹脂の注入中は、ピンによって前記ステータを鉛直方向の上側から下側に向かって抑えることが好ましい。
また、前記内側金属部材は、前記径方向において、前記ステータの外側に位置する第1部位と、前記ステータの外側に位置し且つ前記回転軸までの距離が前記第1部位から前記回転軸までの距離よりも小さい第2部位と、を含んでもよい。
また、前記コイルは、前記ステータコアから前記軸心方向に沿った方向に突出したコイルエンドを含み、前記第1部位は、前記コイルエンドに対向し、前記第2部位は、前記ステータコアに対向していることが好ましい。
本開示に係るモールドモータの一態様は、ステータコア及び前記ステータコアに巻かれたコイルを有するステータと、前記ステータと向かい合って配置され、軸心方向に延伸する回転軸を有するロータと、前記ステータを覆うモールド樹脂と、前記軸心方向と直交する径方向において前記ステータの外側に位置する第1部位と、前記径方向において前記ステータの外側に位置し且つ前記回転軸までの距離が前記第1部位から前記回転軸までの距離よりも小さい第2部位とを含み、前記モールド樹脂と前記ステータとの間に位置する部分を有する内側金属部材と、を備え、前記モールド樹脂は、前記径方向から注入された液状樹脂が硬化して成る。
また、前記径方向における前記モールド樹脂の側方の部位に、前記液状樹脂を注入して前記モールド樹脂をモールド成形する際のゲート痕が存在してもよい。
また、前記モールド樹脂は、前記径方向において外方に突出する突出部をさらに有し、前記モールド樹脂は、前記突出部から注入された前記液状樹脂が硬化して成ってもよい。
また、前記液状樹脂を注入して前記モールド樹脂をモールド成形する際のゲート痕は、前記突出部に存在してもよい。
また、さらに、前記モールド樹脂に固定されたブラケットを備え、前記ブラケットは、前記モールド樹脂の側面を覆う第1側壁部を有し、前記モールド樹脂の外面は、少なくとも前記第1部位に対応する部分が前記ブラケットの前記第1側壁部の外面と面一である又は前記第1側壁部の外面よりも内側に位置してもよい。
また、さらに、前記モールド樹脂の軸心方向側に位置する外面を覆う蓋部と前記モールド樹脂の前記径方向側に位置する外面の一部を覆う第2側壁部とを有する外側金属部材を備え、前記モールド樹脂の前記径方向側に位置する外面のうち前記第2側壁部で覆われていない部分の少なくとも一部は、前記外側金属部材の前記第2側壁部の外面と面一である又は前記第2側壁部の外面よりも内側に位置してもよい。
また、前記第1部位に対応する部分での前記モールド樹脂の厚さは、1mm以上であることが好ましい。
また、前記モールド樹脂は、不飽和ポリエステル樹脂によって構成されていてもよい。
本開示によれば、ステータの外側を覆うように内側金属部材が配置されていても、モールド樹脂の強度が低下することを抑制できる。
図1は、実施の形態に係るモールドモータの斜視図である。 図2は、実施の形態に係るモールドモータの分解斜視図である。 図3は、実施の形態に係るモールドモータの半断面図である。 図4は、図3のIV-IV線における実施の形態に係るモールドモータの断面図である。 図5は、実施の形態に係るモールドモータの上面図である。 図6は、実施の形態に係るモールドモータにおける内側金属部材の斜視図である。 図7は、実施の形態に係るモールドモータの製造方法において、ステータと内側金属部材とを配置する工程を説明するための図である。 図8Aは、実施の形態に係るモールドモータの製造方法において、液状樹脂を金型に注入する工程を説明するための図である。 図8Bは、実施の形態に係るモールドモータの製造方法において、液状樹脂を金型に注入する工程を説明するための図である。 図8Cは、実施の形態に係るモールドモータの製造方法において、液状樹脂を金型に注入する工程を説明するための図である。 図9は、実施の形態に係るモールドモータの製造方法を説明するフローチャートである。 図10は、比較例のモールドモータの半断面図である。
以下、本開示の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、工程及び工程の順序等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。なお、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態)
実施の形態に係るモールドモータ1の構成について、図1~図5を用いて説明する。図1は、実施の形態に係るモールドモータ1の斜視図である。図2は、同モールドモータ1の分解斜視図である。図3は、同モールドモータ1の半断面図である。図4は、図3のIV-IV線における同モールドモータ1の断面図である。図5は、同モールドモータ1の上面図である。なお、図2~図4では、モールドモータ1が有する回転軸21が延在する方向を軸方向Xとしている。この軸方向Xに直交する面において、回転軸21の軸心Cを中心として軸心Cから広がる方向を径方向Yとしている。軸心Cを中心として軸心Cを周回する方向を周方向Zとしている。軸方向Xは、回転軸21の軸心Cの方向(軸心方向)である。つまり、軸方向Xは、回転軸21の長手方向である。また、径方向Yは、回転軸21の軸心Cの方向と直交する方向である。本明細書において、軸方向Xは、第1方向であり、径方向Yは、第1方向に直交する第2方向である。
図1~図5に示すように、モールドモータ1は、ステータ10と、ステータ10と向かい合って配置されたロータ20と、ステータ10を覆うモールド樹脂30と、モールド樹脂30とステータ10との間に位置する部分を有する内側金属部材40とを備える。
モールドモータ1は、さらに、第1軸受51及び第2軸受52と、第1ブラケット61及び第2ブラケット62と、外側金属部材70と、回路基板80と、リードブッシュ90とを備える。
モールドモータ1において、モールド樹脂30、第1ブラケット61、第2ブラケット62及び外側金属部材70は、モールドモータ1の外郭を構成している。
本実施の形態におけるモールドモータ1は、ブラシを用いないブラシレスモータである。また、モールドモータ1は、ロータ20がステータ10の内側に配置されたインナーロータ型のモータである。
図3及び図4に示すように、ステータ10(固定子)は、ロータ20との間に微小なエアギャップを介してロータ20を囲むように配置されている。ステータ10は、ステータコア(固定子鉄心)11と、コイル12と、インシュレータ13とを有する。
ステータコア11は、ロータ20を回転させるための磁力を発生させる環状の鉄心である。図3に示すように、ステータコア11は、例えば、ロータ20が有する回転軸21の長手方向(軸方向X)に複数の電磁鋼板が積層された積層体である。なお、ステータコア11は、積層体に限らず、磁性材料によって構成されたバルク体であってもよい。
図4に示すように、ステータコア11は、ロータ20を囲むように環状に形成されたヨーク11aと、ヨーク11aから回転軸21に向かって凸形状に突出する複数のティース11bとを有する。ステータコア11には、12個のティース11bが設けられている。
ヨーク11aは、各ティース11bの外側に形成されたバックヨークである。ヨーク11aは、軸心Cを中心とする円環状に形成されている。
複数のティース11bは、開口部であるスロット14を隣接ティース間に形成しながら、周方向Zに等間隔に配置される。また、各ティース11bの延出した先端箇所には、周方向Zの両側に延伸する延伸部11b1が形成されている。延伸部11b1を含めてティース11bの先端部に位置する内周面が、ロータ20の外周表面に対向する磁極面となる。なお、隣接する2つのティース11bにおいて、一方のティース11bにおける延伸部11b1と他方のティース11bにおける延伸部11b1との間には、隙間(スロットオープニング)が存在する。なお、本実施の形態において、ステータコア11には、12個のティース11bが設けられている。スロット14の数は、12である。つまり、モールドモータ1のスロット数は、12である。
コイル12は、ステータコア11に巻かれている。コイル12は、インシュレータ13を介してステータコア11に巻回された巻線コイルである。具体的には、図4に示すように、コイル12は、ステータコア11が有する複数のティース11bの各々に巻回されている。
図3に示すように、各コイル12は、ステータコア11から回転軸21の軸方向X(第1方向)に突出したコイルエンド12aを有する。つまり、コイルエンド12aは、ステータコア11のティース11bに巻かれたコイル12のうちステータコア11(ティース11b)から軸方向Xにはみ出した部分である。コイルエンド12aは、ステータコア11から回転軸21の軸方向Xの両側に突出している。したがって、各ティース11bには、出力軸21a側に位置するコイルエンド12a(第1コイルエンド)と、出力軸21a側とは反対側に位置するコイルエンド12a(第2コイルエンド)とが存在している。
モールドモータ1は、出力が750W以上の高出力用モータである。このため、コイル12としては、線径φが0.3mm以上のものが用いられる。一例として、コイル12の線径φは、0.5mm~1.0mmである。
複数のコイル12は、互いに電気的に120度位相が異なるU相、V相及びW相の3相それぞれの単位コイルによって構成されている。つまり、それぞれティース11bに巻き回されたコイル12は、U相、V相及びW相の相単位でそれぞれに通電される3相の交流によって通電駆動される。なお、各相のコイル12同士は、渡り線(不図示)によって連結されている。渡り線は、インシュレータ13の外周壁部等に配設されている。コイル12と渡り線とは、例えば、芯線をなす導線と導線の表面を絶縁被覆する絶縁体とによって構成された絶縁被覆線である。
各相のコイル12の末端は、回路基板80が有する巻線結線部で結線されている。具体的には、回路基板80には、U相、V相、W相の相ごとに複数のコイル12を電気的に接続するためのパターン配線が形成されており、各相のコイル12の末端が、はんだ等によって回路基板80のパターン配線と電気的に接続されている。なお、回路基板80は、中央部に回転軸21が遊通される開口を有しており、例えば、環状(ドーナツ型形状)、扇型形状(円弧状)、又は、C字形状等である。
あるいは、各相のコイル12の端末は、回路基板を用いる構成のほか、導通材料から成る接続部材を用いる構成とすることもできる。なお、本開示は、モータの仕様によらず、モータの筐体内部にリード線を挿入する構造であれば、適用できる。
インシュレータ13は、ステータコア11を覆う絶縁枠である。具体的には、インシュレータ13は、ステータコア11が有するティース11bを覆っており、ティース11b毎に設けられている。インシュレータ13は、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT、Polybutylene Terephthalate)等の絶縁性樹脂材料によって構成されている。
ロータ20(回転子)は、ステータ10に生じる磁力によって回転する。図2~図4に示すように、ロータ20は、軸心Cの方向に延伸する回転軸21を有しており、回転軸21の軸心Cを回転中心として回転する。回転軸21は、軸方向Xに沿って延伸している。
ロータ20は、周方向Zに亘ってN極及びS極が複数繰り返して存在する構成となっている。ロータ20は、永久磁石埋め込み型のロータ(IPMロータ、Interior Permanent Magnetロータ)であり、ロータコア(回転子鉄心)22と、ロータコア22に形成された複数の磁石挿入孔22aのそれぞれに挿入された永久磁石23とを有する。
図3に示すように、ロータコア22は、回転軸21の軸方向Xに沿って複数の電磁鋼板が積層された実質的に円柱状の積層体である。また、図4に示すように、ロータコア22には、軸方向Xに貫通する複数の磁石挿入孔22aが周方向Zに等間隔で形成されている。各磁石挿入孔22aには、永久磁石23が1つずつ挿入されている。本実施の形態では、磁極数が10極であり、S極とN極との磁極が周方向Zに交互に位置するように10個の永久磁石23が配置されている。
ロータコア22の中心には回転軸21が固定されている。回転軸21は、例えば金属棒等のシャフトであり、ロータコア22の両側に延在するようにロータコア22を貫通している。回転軸21は、例えばロータコア22の中心孔に圧入したり、焼き嵌めしたりすることでロータコア22に固定されている。
図3に示すように、回転軸21は、第1軸受51と第2軸受52とによって保持されている。これにより、ロータ20は、ステータ10に対して回転可能になっている。一例として、第1軸受51及び第2軸受52は、回転軸21を回転自在に支持するベアリングである。なお、回転軸21は、第1軸受51を貫通しており、図示しないが、第1軸受51から外部に突出する回転軸21の部位には、回転ファン等の負荷が取り付けられる。回転軸21において、回転ファン等の負荷が取り付けられる部分を出力軸21aともいう。
このように構成されるロータ20は、ステータ10で発生する磁束によって回転する。具体的には、回路基板80からステータ10が有するコイル12に電力が供給されると、コイル12に界磁電流が流れてステータコア11に磁束が発生する。ステータコア11で発生した磁束とロータ20が有する永久磁石23から生じる磁束との相互作用によって生じた磁気力がロータ20を回転させるトルクとなり、ロータ20が回転する。
図3に示すように、ステータ10は、モールド樹脂30で覆われている。モールド樹脂30は、ステータ10の周方向Zの全周にわたってステータ10の外側部分を覆っている。具体的には、モールド樹脂30は、ステータコア11、コイル12及びインシュレータ13の外側部分を覆っている。モールド樹脂30は、コイル12及びインシュレータ13の各々の外面に接している。
モールド樹脂30は、さらに、内側金属部材40を覆っている。具体的には、モールド樹脂30は、内側金属部材40の周方向Zの全周にわたって内側金属部材40の外側部分を覆っている。モールド樹脂30は、内側金属部材40の外面の全体に接している。
ステータ10と内側金属部材40とは、モールド樹脂30に固定されている。ステータ10と内側金属部材40とは、モールド樹脂30とともに一体化されている。
モールド樹脂30は、ポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂等の熱伝導性に優れた絶縁性樹脂材料によって構成されている。モールド樹脂30は、熱硬化性樹脂によって構成されている。本実施の形態において、モールド樹脂30は、熱硬化性樹脂である不飽和ポリエステルによって構成されている。具体的には、モールド樹脂30は、白色のBMC(Bulk Molding Compound)不飽和ポリエステル樹脂によって構成されている。
モールド樹脂30は、モールドモータ1の外郭の一部となる筐体を構成している。つまり、ステータ10を覆うモールド樹脂30は、ロータ20を内包するハウジングを構成している。
図1~図5に示すように、モールド樹脂30は、モールドモータ1の胴部をなす本体部31と、本体部31に設けられた突出部32とを有する。突出部32は、本体部31に複数設けられている。具体的には、図5に示すように、突出部32は、周方向Zに等間隔で4つ設けられている。なお、本体部31と突出部32とはモールド成形により一体となって1つのモールド樹脂30を構成している。
図3に示すように、本体部31は、ステータ10を覆っている。具体的には、本体部31は、ステータコア11、コイル12及びインシュレータ13と内側金属部材40とを覆っている。本体部31は、軸方向Xの一方端に位置する第1開口31aと軸方向Xの他方端に位置する第2開口31bとを有する筒状体である。
突出部32は、径方向Yにおいて外方に突出している。具体的には、突出部32は、本体部31の外面から突出している。突出部32は、本体部31の側面から径方向Yに沿って外方に突出している。突出部32は、モールドモータ1の脚部である。突出部32は、モールドモータ1を外部装置等に取り付けるための取付部として機能する。突出部32には、ねじ等を挿通するための貫通孔が設けられている。
図2及び図3に示すように、モールド樹脂30の外側面には、周方向Zの全周にわたって段差部30aが形成されている。段差部30aは、本体部31に形成されている。したがって、本体部31は、段差部30aを境界として、外径が大きい大径部と、大径部よりも外径が小さい小径部とを有する。つまり、本体部31において、大径部の外面は、小径部の外面よりも外方に位置している。本体部31の大径部は、出力軸21a側の反対側に位置し、本体部31の小径部は、出力軸21a側に位置する。なお、段差部30aの段差幅は、例えば10分の数mm程度である。一例として、段差部30aの段差幅は、1mm以下であり、例えば0.5mmである。
また、図1及び図5に示すように、モールド成形により形成されるモールド樹脂30には、ゲート痕30Gが存在する。ゲート痕30Gは、モールド樹脂30をモールド成形するときに液状樹脂を金型に注入する際のゲートと樹脂成形品(モールド樹脂30)との接続部分に形成される。ゲート痕30Gは、径方向Yにおけるモールド樹脂30の側方の部位に形成される。つまり、モールド樹脂30は、径方向Yから注入された液状樹脂が硬化して成る。
液状樹脂を注入してモールド樹脂30をモールド成形する際のゲート痕30Gは、突出部32に存在している。つまり、モールド樹脂30は、突出部32から注入された液状樹脂が硬化して成る。より具体的には、ゲート痕30Gは、突出部32の根元部分に存在している。図5に示すように、ゲート痕30Gは、複数の突出部32の各々に1つずつ存在している。
なお、ゲート痕30Gは、モールド樹脂30の表面を研磨しても残ることもある。しかし、ゲート痕30Gが全く残らないようにモールド樹脂30の表面が研磨されていてもよい。モールド樹脂30の表面が研磨されることで、ゲート痕30Gがわかりにくくなったとしても、モールド樹脂30を形成する際の液状樹脂に含まれる成分、例えば、フィラーなどの疎密又は向きを確認することで、液状樹脂が注入された経路を確認することができる。
図3に示すように、モールド樹脂30の軸方向Xの一方の端部には、第1ブラケット61が設けられている。また、モールド樹脂30の軸方向Xの他方の端部には、第2ブラケット62が設けられている。第1ブラケット61は、第1軸受51を保持している。第1軸受51は、第1ブラケット61の凹部に固定されている。また、第2ブラケット62は、第2軸受52を保持している。第2軸受52は、第2ブラケット62に固定されている。
第1ブラケット61は、本体部31の第1開口31aを塞ぐように配置されている。第2ブラケット62は、本体部31の第2開口31bを塞ぐように配置されている。第1ブラケット61は、本体部31の第1開口31aを塞ぐ蓋部61aと、モールド樹脂30の側面を覆う第1側壁部61bとを有する。第1ブラケット61の蓋部61aは、モールド樹脂30の底面を覆う底面部である。蓋部61aは、モールド樹脂30の軸心C方向側に位置する外面全体を覆っている。第1ブラケット61の第1側壁部61bは、モールド樹脂30の径方向Y側に位置する外面のうち底面側の一部を覆っている。第1側壁部61bは、モールド樹脂30の側面全周にわたって設けられている。
一方、第2ブラケット62は、本体部31の第2開口31bを塞ぐ蓋部を有している。しかし、モールド樹脂30の側面を覆っておらず、第1ブラケット61の第1側壁部61bに相当する部分を有していない。したがって、第2ブラケット62の全体の外径は、第1ブラケット61の全体の外径よりも小さくなっている。つまり、第1ブラケット61の方が第2ブラケット62よりも外形サイズが大きい。
第1ブラケット61及び第2ブラケット62は、例えば、鉄等の金属材料によって構成されている。例えば、第1ブラケット61及び第2ブラケット62は、厚さが一定の金属板によって構成されている。第1ブラケット61と第2ブラケット62とは、モールド樹脂30に固定されている。具体的には、第2ブラケット62は、ステータ10を樹脂によってモールド成形する際にステータ10とともにモールド樹脂30に固定される。一方、第1ブラケット61は、成形後のモールド樹脂30に固定される。
図1~図4に示すように、モールド樹脂30には、リードブッシュ90が取り付けられている。リードブッシュ90は、筒状部材である。リードブッシュ90には、図3に示すように、回路基板80に接続された電線81が挿通される。リードブッシュ90は、電線81を外部に引き出すための引き出し部として機能するとともに、電線81を保護する保護部として機能する。リードブッシュ90は、モールド樹脂30の外壁部の一部に形成された開口に差し込むことでモールド樹脂30に取り付けられる。リードブッシュ90は、PBT等の樹脂材料又はセラミック等の非金属材料によって構成されている。
電線81には、ステータ10に巻き回されたコイル12に通電するための電力が供給される。つまり、回路基板80には、電線81を介して電力が供給される。電線81は、電力供給線であり、例えばリード線である。電線81は、3本のリード線によって構成されている。なお、電線81には、上述したように、コイル12に対して、直接あるいは間接に通電するための電力が供給される。その他、電線81には、モールドモータ1の外部の制御装置からモールドモータ1を制御する信号が供給されることもある。
図3に示すように、モールド樹脂30に固定される内側金属部材40は、モールド樹脂30の内側に配置される金属製の内カバー(第1金属カバー)である。具体的には、内側金属部材40は、少なくとも一部がモールド樹脂30とステータ10との間に配置されている。本実施の形態では、内側金属部材40の全体がモールド樹脂30とステータ10との間に配置されている。
内側金属部材40は、厚さが一定の金属板によって構成されている。内側金属部材40の厚さは、例えば、数mm以下である。本実施の形態において、内側金属部材40は、厚さ0.5mmの亜鉛メッキ鋼板によって構成されている。なお、内側金属部材40の材料及び厚さは、これに限るものではない。
ここで、内側金属部材40の構造について、図3を参照しつつ、図6を用いて説明する。図6は、実施の形態に係るモールドモータ1における内側金属部材40の斜視図である。
図6に示すように、内側金属部材40は、外側面に段差部40aを有する円環筒状をなす両側が開口した筒体である。段差部40aの段差幅は、例えば10分の数mm程度である。一例として、段差部40aの段差幅は、1mm以下であり、例えば0.5mmである。図3及び図6に示すように、内側金属部材40は、段差部40aを境界として、外径が大きい大径部である円環筒状の第1部位41と、第1部位41よりも外径が小さい円環筒状の第2部位42とを有する。つまり、図3に示すように、大径部である第1部位41は、径方向Yにおいてステータ10の外側に位置し且つ回転軸21までの距離が第2部位42よりから回転軸21までの距離も大きく、第2部位42よりも外側に位置している。言い換えると、小径部である第2部位42は、径方向Yにおいてステータ10の外側に位置し且つ回転軸21までの距離が第1部位41から回転軸21までの距離よりも小さく、第1部位41よりも内側に位置している。
円環筒状の内側金属部材40は、周方向Zの全周にわたってステータ10を外側から囲っている。つまり、内側金属部材40の第1部位41及び第2部位42は、ステータ10の外側に位置している。内側金属部材40は、全体として、出力軸21a側とは反対側に位置するコイルエンド12aとインシュレータ13とステータコア11とを囲っている。
具体的には、内側金属部材40の第1部位41は、出力軸21a側とは反対側に位置するコイルエンド12aの径方向Yの外側に位置している。つまり、第1部位41は、出力軸21a側とは反対側に位置するコイルエンド12aに対向している。第1部位41は、出力軸21a側とは反対側に位置するコイルエンド12aと離間して配置されている。
内側金属部材40の第2部位42は、ステータコア11の径方向Yの外側に位置している。つまり、第2部位42は、ステータコア11に対向している。第2部位42は、ステータコア11の側面に接している。なお、第2部位42の軸方向Xの長さは、第1部位41の軸方向Xの長さよりも長くなっているが、これに限らない。
図1及び図3に示すように、モールド樹脂30には、さらに、外側金属部材70も固定されている。外側金属部材70は、モールド樹脂30の外側に配置される金属製の外カバー(第2金属カバー)である。具体的には、外側金属部材70は、モールド樹脂30の外面を覆っている。外側金属部材70は、モールド樹脂30の第2ブラケット62側(出力軸21a側)に装着される。
外側金属部材70は、出力軸21a側に位置するコイルエンド12a及びインシュレータ13を囲っている。外側金属部材70は、中心に開口部を有するカップ形状である。外側金属部材70は、開口部を有する円板状の蓋部71と、蓋部の外周端部に立設する円環状の第2側壁部72とを有する。外側金属部材70の蓋部71は、モールド樹脂30の天面を覆う天面部である。蓋部71は、モールド樹脂30の軸心C方向側に位置する外面全体を覆っている。外側金属部材70の第2側壁部72は、モールド樹脂30の径方向Y側に位置する外面のうち天面側の一部を覆っている。第2側壁部72は、円筒状であり、モールド樹脂30の側面全周にわたって設けられている。第2ブラケット62の一部は、この外側金属部材70が有する開口部を貫くように構成されている。
外側金属部材70は、厚さが一定の金属板によって構成されている。外側金属部材70の厚さは、例えば、数mm以下である。本実施の形態において、外側金属部材70は、厚さ0.5mmの亜鉛メッキ鋼板によって構成されている。なお、外側金属部材70の材料及び厚さは、これに限るものではない。
このように、本実施の形態におけるモールドモータ1では、軸方向Xの両側の各々に突出するコイルエンド12aの一方が内側金属部材40で覆われている。これにより、レアショート等によってモールド樹脂30の内部に発火が生じた場合でも、内側金属部材40によって火を遮断することができる。したがって、モールドモータ1の外部に火が漏れ出て延焼することを抑制できる。
さらに、本実施の形態におけるモールドモータ1では、軸方向Xの両側の各々に突出するコイルエンド12aの他方が外側金属部材70で覆われている。このように、内側金属部材40に加えて外側金属部材70を設けることで、外側金属部材70によっても、モールド樹脂30の内部に発生した火を遮断することができる。したがって、モールドモータ1の外部に火が漏れ出て延焼することを一層抑制することができる。
内側金属部材40及び外側金属部材70のうち内側金属部材40だけを設けてもよい。しかし、内側金属部材40及び外側金属部材70の両方を設けることで、モールドモータ1の外部に火が噴出することを確実に防止することができる。
次に、実施の形態に係るモールドモータ1の製造方法について、図7~図9を用いて説明する。図7は、実施の形態に係るモールドモータ1の製造方法において、ステータ10と内側金属部材40とを配置する工程を説明するための図である。図8A、図8B、図8Cは、同製造方法において、液状樹脂30Lを金型100に注入する工程を説明するための図である。図9は、実施の形態に係るモールドモータ1の製造方法を説明するフローチャートである。
まず、図7、図9に示すように、インシュレータ13を介してコイル12が巻かれたステータコア11を有するステータ10と、ステータ10の外側を覆うように配置された内側金属部材40とを、射出成型機の金型100に配置する。このとき、第2ブラケット62も配置する(ステップS1)。
金型100は、複数のブロックによって構成されている。本実施の形態における射出成型機は、縦型である。したがって、金型100は、縦方向に開閉するように構成されている。
次に、図8A、図8B、図8C、図9に示すように、樹脂注入部として金型100に設けられたゲート100Gを介して金型100の内部に液状樹脂30Lを注入して液状樹脂30Lを硬化することでモールド樹脂30を形成する(ステップS2)。
具体的には、まず、図8Aに示すように、ステータ10と内側金属部材40と第2ブラケット62とを金型100に配置した後、液状樹脂30Lを金型100に注入する前に、ピンバックピンであるピン101を降下させる。ピン101によってステータ10を鉛直方向の上側から下側に向かって抑える。ピン101は、出力軸21a側に設けられており、出力軸21a側からインシュレータ13を抑えている。
次に、図8Bに示すように、ピン101によってステータ10を上から抑えた状態でゲート100Gから液状樹脂30Lを金型100の内部に注入する。本実施の形態では、樹脂成形品となるモールド樹脂30の横から液状樹脂30Lを注入するサイドゲート方式により液状樹脂30Lを注入している。つまり、ゲート100Gは、成形後のモールド樹脂30の径方向Y(つまり側方)に位置している。具体的には、成形後のモールド樹脂30は、上記のように突出部32を有しており、ゲート100Gは、突出部32に対応する部分に設けられている。したがって、金型100に注入された液状樹脂30Lは、図8Bに示される矢印のように流れる。
このとき、ゲート100Gが樹脂成形品(モールド樹脂30)の横に位置しているので、液状樹脂30Lが周方向Zの全体に回り込んで下から上、あるいは、上から下に向かって流れる。特に、液状樹脂30Lが、ステータ10の下から上に向かって流れると、液状樹脂30Lに押されてステータ10が上側に浮き上がろうとするが、本実施の形態では、液状樹脂30Lの注入中は、ピン101によってステータ10を上から抑えているので、ステータ10が浮き上がることを抑制することができる。
なお、本実施の形態では、ダイレクトゲートにより液状樹脂30Lを金型100の内部に注入している。つまり、本実施の形態における射出成型機は、ランナーを介することなくスプルーからゲート100Gを介して直接金型100の樹脂成形部分(モールド樹脂30)に液状樹脂30Lが注入される構造となっている。
その後、金型100の内部に液状樹脂30Lが充填されると、液状樹脂30Lの流れが止まる。液状樹脂30Lの充填が完了すると、図8Cに示すように、液状樹脂30Lが溶融した状態でピン101を上昇させる。これにより、ピン101によって液状樹脂30Lに生じていたピン穴跡は、液状樹脂30Lで塞がれていく。
その後、図示しないが、ピン101の上昇が完了したら、液状樹脂30Lを加熱して硬化させることでモールド樹脂30を形成する。つまり、ピン101を上昇させた状態で液状樹脂30Lを加熱して硬化させる。これにより、ステータ10と内側金属部材40と第2ブラケット62とが樹脂で固定されたモールド樹脂30を形成することができる。
なお、その後、モールド樹脂30で覆われたステータ10に、ロータ20等のその他の部品を組み付けることで、モールドモータ1が完成する。
以上、本実施の形態に係るモールドモータ1の製造方法によれば、ステータコア11及びステータコア11に巻かれたコイル12を有するステータ10とステータ10の外側を覆うように配置された内側金属部材40とを金型100に配置する工程(ステップS1)と、金型100に設けられた樹脂注入部であるゲート100Gを介して金型100の内部に液状樹脂30Lを注入して液状樹脂30Lを硬化することでモールド樹脂30を形成する工程(ステップS2)とを含む。そして、本実施の形態に係るモールドモータ1の製造方法では、サイドゲート方式が採用されており、樹脂注入部であるゲート100Gが、成形後のモールド樹脂30の径方向Yに位置している。
このように、サイドゲート方式を採用することで、ステータ10の外側を覆うように内側金属部材40が配置されていても、モールド樹脂30の強度が低下すること等を抑制できる。この点について、以下説明する。
上記のように、ステータ10を覆うように内側金属部材40を配置することで、モールドモータの外部に火が噴出することを防止することができる。
しかしながら、内側金属部材40とステータ10とをモールド樹脂30でモールドする際、従来では、金型内に内側金属部材40とステータ10とを配置して、金型の上方から金型内に液状樹脂30Lを注入して液状樹脂30Lを硬化させていた。この場合、ステータ10の外側を覆うように内側金属部材40が配置されていると、内側金属部材40の外面と金型の内面との間の隙間が他の部分と比べて狭くなる。このため、金型に液状樹脂30Lを注入しているときに金型内の空気の逃げが悪くなる。しかも、内側金属部材40が配置されていなければステータコア11の積層鋼板同士の隙間から空気が径方向Yに漏れ出てくる。しかし、ステータコア11の側面に密着させて内側金属部材40を配置すると、ステータコア11の積層鋼板同士の隙間から内側金属部材40の径方向Yの外側に位置する部分に空気が漏れ出しにくくなる。
このように、内側金属部材40を配置すると、金型の上方から液状樹脂を注入したときに金型内の空気の逃げが悪くなったり、ステータコア11の積層鋼板同士の隙間から空気が漏れ出しにくくなったりする。この結果、内側金属部材40の径方向Yの外側に位置する部分のモールド樹脂30に「す」が入ってしまい、内側金属部材40の径方向Yの外側に位置する部分のモールド樹脂30の強度が低下する等の不具合が生じることがある。具体的には、外部から見える部分に「す」が入ると、品質に支障ないモールドモータ1であっても、品質が劣って見えることが懸念される。突出部32に多数の「す」が入ると、突出部32の強度が低下することがある。高い電圧が引火される部分の近傍に「す」が入ると、絶縁距離を確保できない状態が生じることも懸念される。
ところで、「す」とは、液状樹脂30Lを注入する際、気泡が液状樹脂30Lに含まれることで生じる。液状樹脂30Lが気泡を含んだ状態で硬化すれば、硬化したモールド樹脂30には、気泡が存在した部分に空洞である「す」が生じる。なお、「す」は、「巣」と記すこともある。
そこで、本実施の形態に係るモールドモータ1の製造方法では、サイドゲート方式を採用し、金型100における樹脂注入部であるゲート100Gが、成形後のモールド樹脂30の径方向Yに位置している。
これにより、内側金属部材40を配置することで内側金属部材40の外面と金型100の内面との間の隙間が他の部分と比べて狭くなっていても、内側金属部材40の外面と金型100の内面との間の隙間に液状樹脂30Lがスムーズに入り込んで回り込みやすくなる。この結果、内側金属部材40の径方向Yの外側に位置する部分のモールド樹脂30に「す」が入ることを抑制できるので、内側金属部材40の径方向Yの外側に位置する部分のモールド樹脂30の強度が低下すること等を抑制できる。
特に、本実施の形態のように、第2部位42よりも外径が大きい第1部位41を有する内側金属部材40を配置すると、外径が大きい第1部位41に対応する部分において、内側金属部材40の外面と金型の内面との間の隙間が狭くなる。このため、第1部位41に対応する部分のモールド樹脂30に「す」が入りやすい。しかも、第2部位42よりも外径が大きい第1部位41を有する内側金属部材40を配置すると、外径が大きい第1部位41に対応する部分におけるモールド樹脂30の厚さが、外径が小さい第2部位42に対応する部分におけるモールド樹脂30の厚さよりも薄くなってしまう。このため、モールド樹脂30の一部に厚さが薄い薄肉部が生じてしまう。このように、モールド樹脂30に「す」が入るだけではなく、薄肉部が生じると、モールド樹脂30の強度が一層低下する。
これに対して、本実施の形態におけるモールドモータ1の製造方法では、上記のように、サイドゲート方式が採用されており、樹脂注入部であるゲート100Gが、成形後のモールド樹脂30の径方向Yに位置している。
これにより、第2部位42よりも外径が大きい第1部位41を有する内側金属部材40を配置した場合であっても、内側金属部材40の第1部位41に対応する部分におけるモールド樹脂30に「す」が入ることを効果的に抑制でき、内側金属部材40の第1部位41に対応する部分におけるモールド樹脂30の強度が低下すること等を抑制することができる。
また、本実施の形態に係るモールドモータ1の製造方法では、樹脂注入部であるゲート100Gがモールド樹脂30の突出部32に対応する部分に設けられている。つまり、液状樹脂30Lを突出部32に対応する金型100の部分から注入している。
これにより、金型100に注入された液状樹脂30Lは、内側金属部材40の外面と金型100の内面との間の隙間にダイレクトに流れ込むのではなく、突出部32に対応する金型100の部分を通過してから、内側金属部材40の外面と金型100の内面との間の隙間に流れ込むことになる。この結果、金型100に注入された液状樹脂30Lの圧力を突出部32に対応する部位で緩和させることができる。よって、内側金属部材40の外面と金型100の内面との間の隙間に液状樹脂30Lをよりスムーズに流し込むことができる。したがって、内側金属部材40の径方向Yの外側に位置する部分のモールド樹脂30に「す」が入ることを一層抑制できるので、内側金属部材40の径方向Yの外側に位置する部分のモールド樹脂30の強度が低下すること等を一層抑制することができる。
しかも、液状樹脂30Lを突出部32に対応する金型100の部分から注入することで、突出部32が外部に突出している等して複雑な形状を有していても、突出部32に対応する金型100の部分に液状樹脂30Lを隙間なく充填させることができる。逆に、従来のように金型の上方から液状樹脂を注入すると、突出部32全体に液状樹脂が回り込まない場合があり、成形性に劣る。このように、液状樹脂30Lを突出部32から注入することで、成形性に優れたモールドモータ1を製造することもできる。
さらに、本実施の形態のように、サイドゲート方式を採用することで、複数個のモールド樹脂30を同時にモールド成形することもできる。つまり、サイドゲート方式を採用することで、ステータ10及び内側金属部材40を覆うモールド樹脂30を複数個取りすることができる。これにより、モールドモータ1の生産性が向上する。
また、本実施の形態におけるモールドモータ1の製造方法において、液状樹脂30Lは、モールド樹脂30の側方に対応する部分の1ヵ所からだけではなく複数個所から金型100内に注入するとよい。つまり、樹脂注入部であるゲート100Gは、金型100において、成形後のモールド樹脂30の径方向に複数設けられているとよい。これにより、周方向Zにおいても、内側金属部材40の外面と金型100の内面との間の隙間に液状樹脂30Lを均一に充填することができる。したがって、周方向Zにおいても、内側金属部材40の径方向Yの外側に位置する部分のモールド樹脂30に「す」が入ることを効果的に抑制できる。
この場合、ゲート100Gは、少なくとも、互いに対向する位置に設けられているとよい。つまり、2つのゲートGが周方向Zに沿って180°間隔で設けられているとよい。ゲート100Gは、さらに、3つ以上の複数であってもよい。この場合、複数のゲート100Gは、周方向Zに沿って等間隔に設けられているとよい。
また、本実施の形態におけるモールドモータ1の製造方法において、液状樹脂30Lの注入中は、ピン101によってステータ10を鉛直方向の上側から下側に向かって抑えている。
サイドゲート方式を採用すると、上記のように液状樹脂30Lの注入によってステータ10が浮き上がろうとするが、ピン101によってステータ10を鉛直方向の上側から下側に向かって抑えながら液状樹脂30Lを注入することで、液状樹脂30Lの注入時にステータ10が浮き上がることを抑制できる。これにより、所定の形状のモールド樹脂30を容易に形成することができる。
以上説明したように、本実施の形態に係るモールドモータ1の製造方法によれば、ステータ10の外側を覆うように内側金属部材40が配置されていても、モールド樹脂30の強度が低下すること等を抑制できる。
また、このようにして製造されたモールドモータ1は、径方向Yにおいてステータ10の外側に位置する第1部位41と径方向Yにおいてステータ10の外側に位置し且つ回転軸21までの距離が第1部位41よりから回転軸21までの距離も小さい第2部位42とを含む内側金属部材40を有している。上記のように、モールド樹脂30は、径方向Yから注入された液状樹脂30Lが硬化して成るものである。
この構成により、第2部位42よりも外径が大きい第1部位41を有する内側金属部材40を配置した場合であっても、内側金属部材40の径方向Yの外側に位置する部分のモールド樹脂30に「す」が入ることを抑制できる。よって、内側金属部材40の径方向Yの外側に位置する部分のモールド樹脂30の強度が低下すること等を抑制できる。したがって、モールド樹脂30の強度を低下させることなく、発火による延焼を防止することができる。
また、本発明者らの実験結果によれば、モールド樹脂30の厚さを1mm以上にすれば、モールド樹脂30の強度が低下しないことが分かった。具体的には、モールド樹脂30の樹脂材料として、BMC(Bulk Molding Compound)不飽和ポリエステル樹脂を用いた場合、厚さが1mmを下回ると、モールドモータに要求される所定の強度を維持することができなかった。しかし、モールド樹脂30の厚さが1mm以上であれば、モールドモータに要求される所定の強度を維持することができた。
また、モールド樹脂30が透けて見えると、モールド樹脂30の強度が実際に低下していないにかかわらず、ユーザは、モールド樹脂30の強度が低下していると感じてしまい、ユーザに無用な不安感を与えてしまうことがある。しかし、モールド樹脂30の厚さが1mm以上であれば、モールド樹脂30が透けて見えることはなく、モールド樹脂30の厚さが1mmを下回ると、モールド樹脂30が透け始めることも分かった。なお、本実施の形態におけるモールドモータ1では、内側金属部材40の第1部位41におけるモールド樹脂30の厚さを2mmにした。
また、ステータ10の側方を覆う部分でのモールド樹脂30の厚さが1mm以上であれば、モールド樹脂30の側面に必ずしも段差部30aが設けられていなくてもよい。つまり、ステータ10の側方を覆う部分でのモールド樹脂30の厚さが1mm以上であれば、内側金属部材40の第1部位41に対応する部分でのモールド樹脂30の外面は、内側金属部材40の第1部位41に対応する部分以外の他の部分でのモールド樹脂30の外面よりも外側に位置していなくてもよい。
ただし、ステータ10の側方を覆う部分でのモールド樹脂30の厚さを厚くし過ぎると、モールドモータ1の外形サイズが大きくなってしまう。
そこで、内側金属部材40の第1部位41に対応する部分でのモールド樹脂30の外面は、第1ブラケット61の第1側壁部61bの外面と面一又は第1側壁部61bの外面よりも内側に位置しているとよい。これにより、内側金属部材40の第1部位41に対応する部分でのモールド樹脂30の厚さを厚くしたとしても、図10に示されるモールドモータと比べて、モールドモータ1の外形サイズが大きくならない。
なお、本実施の形態におけるモールドモータ1では、内側金属部材40の第1部位41に対応する部分でのモールド樹脂30の外面を、第1ブラケット61の第1側壁部61bの外面と面一にしている。これにより、図10に示されるモールドモータと同じ外径を維持することができる。つまり、図10に示されるモールドモータと比べて外形サイズを大きくすることなく、内側金属部材40の第1部位41に対応する部分でのモールド樹脂30の厚さを最大にまで厚くすることができる。したがって、強度に優れた高い信頼性を有し且つ小型のモールドモータ1を実現することができる。
以上のように、本実施の形態のモールドモータ1の製造方法は、ステータコア11及びステータコア11に巻かれたコイル12を有するステータ10と、ステータ10の外側を覆うように配置された内側金属部材40とを金型100に配置する工程と、金型100に設けられた樹脂注入部100Gを介して金型100の内部に液状樹脂30Lを注入して液状樹脂30Lを硬化することでモールド樹脂30を形成する工程と、を備える。樹脂注入部100Gは、成形後のモールド樹脂30の径方向に位置する。
これにより、ステータ10の外側を覆うように内側金属部材40が配置されていても、モールド樹脂30の強度が低下することを抑制できる。
また、成形後のモールド樹脂30は、モールドモータ1が有する回転軸21の軸心方向と直交する径方向において外方に突出する突出部32を有し、樹脂注入部100Gは、突出部32に対応する部分に設けられていてもよい。
また、液状樹脂30Lの注入中は、ピン101によってステータ10を鉛直方向の上側から下側に向かって抑えることが好ましい。
また、内側金属部材40は、径方向において、ステータ10の外側に位置する第1部位41と、ステータ10の外側に位置し且つ回転軸21までの距離が第1部位41から回転軸21までの距離よりも小さい第2部位42と、を含んでもよい。
また、コイル12は、ステータコア11から軸心方向に沿った方向に突出したコイルエンド12aを含み、第1部位41は、コイルエンド12aに対向し、第2部位42は、ステータコア11に対向していることが好ましい。
また、本実施の形態のモールドモータ1は、ステータコア11及びステータコア11に巻かれたコイル12を有するステータ10と、ステータ10と向かい合って配置され、軸心方向に延伸する回転軸21を有するロータ20と、ステータを覆うモールド樹脂30と、軸心方向と直交する径方向においてステータ10の外側に位置する第1部位41と、径方向においてステータ10の外側に位置し且つ回転軸21までの距離が第1部位41から回転軸21までの距離よりも小さい第2部位42とを含み、モールド樹脂30とステータ10との間に位置する部分を有する内側金属部材40と、を備える。モールド樹脂30は、径方向から注入された液状樹脂30Lが硬化して成る。
これにより、ステータ10の外側を覆うように内側金属部材40が配置されていても、モールド樹脂30の強度が低下することを抑制できる。
また、径方向におけるモールド樹脂30の側方の部位に、液状樹脂30Lを注入してモールド樹脂30をモールド成形する際のゲート痕30Gが存在してもよい。
また、モールド樹脂30は、径方向において外方に突出する突出部32をさらに有し、モールド樹脂30は、突出部32から注入された液状樹脂30Lが硬化して成ってもよい。
また、液状樹脂30Lを注入してモールド樹脂30をモールド成形する際のゲート痕30Gは、突出部32に存在してもよい。
また、さらに、モールド樹脂30に固定されたブラケット61を備え、ブラケット61は、モールド樹脂30の側面を覆う第1側壁部61bを有し、モールド樹脂30の外面は、少なくとも第1部位41に対応する部分がブラケット61の第1側壁部61bの外面と面一である又は第1側壁部61bの外面よりも内側に位置してもよい。
また、さらに、モールド樹脂30の軸心方向側に位置する外面を覆う蓋部61aとモールド樹脂30の径方向側に位置する外面の一部を覆う第2側壁部72とを有する外側金属部材70を備え、モールド樹脂30の径方向側に位置する外面のうち第2側壁部72で覆われていない部分の少なくとも一部は、外側金属部材70の第2側壁部72の外面と面一である又は第2側壁部72の外面よりも内側に位置してもよい。
また、第1部位41に対応する部分でのモールド樹脂30の厚さは、1mm以上であることが好ましい。
また、モールド樹脂30は、不飽和ポリエステル樹脂によって構成されていてもよい。
(変形例)
以上、本開示に係るモールドモータ1について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態において、内側金属部材40の第1部位41に対応する部分でのモールド樹脂30の外面は、第1ブラケット61の第1側壁部61bの外面と面一又は第1側壁部61bの外面よりも内側に位置していたが、これに限らない。具体的には、内側金属部材40の第1部位41に対応する部分でのモールド樹脂30の外面は、外側金属部材70の第2側壁部72の外面と面一又は外側金属部材70の第2側壁部72の外面よりも内側に位置していてもよい。つまり、モールド樹脂30の径方向Y側に位置する外面のうち外側金属部材70の第2側壁部72で覆われていない部分の少なくとも一部は、外側金属部材70の第2側壁部72の外面と面一である又は外側金属部材70の第2側壁部72の外面よりも内側に位置していてもよい。なお、モールド樹脂30の側部での強度をできるだけ高くするとの観点では、内側金属部材40の第1部位41に対応する部分でのモールド樹脂30の外面の位置は、外側金属部材70及び第1ブラケット61のうちモールド樹脂30の側面を覆う部分の外径が大きい方を基準にして、できるだけ厚くするとよい。
また、上記実施の形態では、ロータ20は、IPMロータであったが、これに限らない。例えば、ロータ20として永久磁石型のロータを用いる場合は、複数の永久磁石がロータコアの外表面に設けられた表面磁石型ロータ(SPMロータ、Surface Permanent Magnetロータ)を用いてもよい。また、ロータ20は、ロータコアに設けられた埋込穴にボンド磁石が埋め込まれた構成であってもよい。
また、上記各実施の形態において、ロータ20の磁極の極数は10(つまり、永久磁石23の数が10個)としたが、これに限るものではない。ロータ20の磁極の極数は、任意の数を適用することができる。
その他、上記実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態、は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
本開示のモールドモータは、空調機器に用いられるファンモータ等をはじめとして様々な分野のモータとして利用することができる。
1 モールドモータ
10 ステータ
11 ステータコア
11a ヨーク
11b ティース
11b1 延伸部
12 コイル
12a コイルエンド
13 インシュレータ
14 スロット
20 ロータ
21 回転軸
21a 出力軸
22 ロータコア
22a 磁石挿入孔
23 永久磁石
30 モールド樹脂
30a 段差部
30G ゲート痕
30L 液状樹脂
31 本体部
31a 第1開口
31b 第2開口
32 突出部
40 内側金属部材
40a 段差部
41 第1部位
42 第2部位
51 第1軸受
52 第2軸受
61 第1ブラケット(ブラケット)
61a、71 蓋部
61b 第1側壁部
62 第2ブラケット
70 外側金属部材
72 第2側壁部
80 回路基板
81 電線
90 リードブッシュ
100 金型
100G ゲート(樹脂注入部)
101 ピン

Claims (13)

  1. ステータコア及び前記ステータコアに巻かれたコイルを有するステータと、前記ステータの外側を覆うように配置された内側金属部材とを金型に配置する工程と、
    前記金型に設けられた樹脂注入部を介して前記金型の内部に液状樹脂を注入して前記液状樹脂を硬化することでモールド樹脂を形成する工程と、を備え、
    前記樹脂注入部は、成形後の前記モールド樹脂がモールドモータの有する回転軸の軸心方向と直交する径方向に位置する、
    モールドモータの製造方法。
  2. 成形後の前記モールド樹脂は、前記径方向において外方に突出する突出部を有し、
    前記樹脂注入部は、前記突出部に対応する部分に設けられている、
    請求項1に記載のモールドモータの製造方法。
  3. 前記液状樹脂の注入中は、ピンによって前記ステータを鉛直方向の上側から下側に向かって抑える、
    請求項1又は2に記載のモールドモータの製造方法。
  4. 前記内側金属部材は、前記径方向において、前記ステータの外側に位置する第1部位と、前記ステータの外側に位置し且つ回転軸までの距離が前記第1部位から前記回転軸までの距離よりも小さい第2部位と、を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のモールドモータの製造方法。
  5. 前記コイルは、前記ステータコアから軸心方向に沿った方向に突出したコイルエンドを含み、前記第1部位は、前記コイルエンドに対向し、前記第2部位は、前記ステータコアに対向している、請求項4に記載のモールドモータの製造方法。
  6. ステータコア及び前記ステータコアに巻かれたコイルを有するステータと、
    前記ステータと向かい合って配置され、軸心方向に延伸する回転軸を有するロータと、
    前記ステータを覆うモールド樹脂と、
    前記軸心方向と直交する径方向において前記ステータの外側に位置する第1部位と、前記径方向において前記ステータの外側に位置し且つ前記回転軸までの距離が前記第1部位から前記回転軸までの距離よりも小さい第2部位とを含み、前記モールド樹脂と前記ステータとの間に位置する部分を有する内側金属部材と、
    を備え、前記モールド樹脂は、前記径方向から注入された液状樹脂が硬化して成る、モールドモータ。
  7. 前記径方向における前記モールド樹脂の側方の部位に、前記液状樹脂を注入して前記モールド樹脂をモールド成形する際のゲート痕が存在する、
    請求項6に記載のモールドモータ。
  8. 前記モールド樹脂は、前記径方向において外方に突出する突出部をさらに有し、
    前記モールド樹脂は、前記突出部から注入された前記液状樹脂が硬化して成る、
    請求項6に記載のモールドモータ。
  9. 前記液状樹脂を注入して前記モールド樹脂をモールド成形する際のゲート痕が、前記突出部に存在する、
    請求項8に記載のモールドモータ。
  10. さらに、前記モールド樹脂に固定されたブラケットを備え、
    前記ブラケットは、前記モールド樹脂の側面を覆う第1側壁部を有し、
    前記モールド樹脂の外面は、少なくとも前記第1部位に対応する部分が前記ブラケットの前記第1側壁部の外面と面一である又は前記第1側壁部の前記外面よりも内側に位置している、
    請求項6~9のいずれか1項に記載のモールドモータ。
  11. さらに、前記モールド樹脂の前記軸心方向側に位置する外面を覆う蓋部と前記モールド樹脂の前記径方向側に位置する外面の一部を覆う第2側壁部とを有する外側金属部材を備え、
    前記モールド樹脂の前記径方向側に位置する前記外面のうち前記第2側壁部で覆われていない部分の少なくとも一部は、前記外側金属部材の前記第2側壁部の外面と面一である又は前記第2側壁部の前記外面よりも内側に位置している、
    請求項6~9のいずれか1項に記載のモールドモータ。
  12. 前記第1部位に対応する部分での前記モールド樹脂の厚さは、1mm以上である、
    請求項6~11のいずれか1項に記載のモールドモータ。
  13. 前記モールド樹脂は、不飽和ポリエステル樹脂によって構成されている、
    請求項6~12のいずれか1項に記載のモールドモータ。
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